説明

ゲインセル型半導体メモリ装置およびその駆動方法

【課題】ゲインセルとして知られている2つのトランジスタと1つのキャパシタよりなるメモリセルを改良する。
【解決手段】キャパシタの一方の電極をビット線に接続し、他方の電極を書き込みトランジスタのドレインに接続する。また、書き込みトランジスタのソースは、ソース線に接続される。この結果、例えば、キャパシタとしてスタック型キャパシタを採用する場合には、キャパシタの電極の一方をビット線の一部とすることができる。ソース線の電位と書き込みビット線の電位を設定することで、特定の書き込みトランジスタのみをオンとし、1つのメモリセルだけを書き換えることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体を用いたメモリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1つのトランジスタと1つのキャパシタを用いてメモリセルを形成する1T1C型DRAMは、原理的に無制限に書き込みでき、さらに、書き込み読み出しの速度も比較的高速でおこなえるため、多くの電子機器で使用されている(特許文献1、特許文献4参照)。しかしながら、1T1C型DRAMは、蓄積した電荷をそのままビット線に放出して電位の変動を測定することでデータの読み出しをおこなうため、キャパシタの容量を一定以上とすることが求められ、回路の微細化によって必要な容量を確保することが困難となりつつある。
【0003】
これに対し、2つのトランジスタと1つのキャパシタを用いてメモリセルを形成するゲインセル型DRAMは、キャパシタの容量が小さくとも読み出しトランジスタで電荷量を増幅してビット線に供給できるため、キャパシタを小さくすることが可能とされる。(特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
図2に従来のゲインセル型DRAMのメモリセルの回路図を示す。メモリセル201は、書き込みトランジスタ202、キャパシタ203を有し、書き込みトランジスタ202のゲートは書き込みワード線204に接続する。また、書き込みトランジスタ202のドレインはビット線205に、ソースはキャパシタ203の第1の電極(キャパシタ電極)に接続し、キャパシタ203の第2の電極は読み出しワード線208に接続する。
【0005】
また、書き込みトランジスタ202のソースとキャパシタ203の第1の電極は、読み出しトランジスタ207のゲートに接続する。さらに、読み出しトランジスタ207のドレインはビット線205に、ソースはソース線206にそれぞれ接続する。
【0006】
メモリセル201にデータを書き込むには、ビット線205の電位をデータに応じた値とした状態で、書き込みワード線204の電位を制御して、書き込みトランジスタ202をオンとすることにより、キャパシタ203を充電する。その後、書き込みワード線204の電位を制御して、書き込みトランジスタ202をオフとする。このとき、書き込みトランジスタ202のソースとキャパシタ203の第1の電極の接続点(ストレージノードSN)の電位はデータに応じた値となる。
【0007】
また、メモリセル201からデータを読み出すには、ビット線205を一定の電位のフローティング状態とし、読み出しワード線208の電位を制御して、ストレージノードSNの電位を調整し、読み出しトランジスタ207の状態を変化させる。このとき、読み出しトランジスタ207がオンであれば、ビット線205に蓄積されている電荷量が変動して、ビット線205の電位が変動することを測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5802000号明細書
【特許文献2】米国特許第7468901号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0101351号明細書
【特許文献4】米国特許第5764562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の一態様は、従来よりも構造が単純な半導体メモリ装置やその他の半導体装置とそのための駆動方法あるいは作製方法を提供することを課題とする。また、本発明の一態様は、従来よりも集積度を高めることのできる半導体メモリ装置やその他の半導体装置とそのための駆動方法あるいは作製方法を提供することを課題とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、従来よりも消費電力の少ない半導体メモリ装置やその他の半導体装置とそのための駆動方法あるいは作製方法を提供することを課題とする。また、本発明の一態様は、従来よりも作製工程数の少ない半導体メモリ装置やその他の半導体装置とそのための駆動方法あるいは作製方法を提供することを課題とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、新規な構造のメモリ装置あるいはその駆動方法を提供することを課題とする。特に消費電力を低減できるメモリ装置あるいはメモリ装置の駆動方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下、本発明の説明をおこなうが、本明細書で用いる用語について簡単に説明する。まず、トランジスタのソースとドレインについては、本明細書においては、一方をドレインと呼ぶとき他方をソースとする。すなわち、電位の高低によって、それらを区別しない。したがって、本明細書において、ソースとされている部分をドレインと読み替えることもできる。
【0013】
さらに、本明細書においては、「接続する」と表現される場合であっても、現実の回路においては、物理的な接続部分がなく、配線が延在している場合だけのこともある。例えば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(MISFET)の回路では、一本の配線が複数のMISFETのゲートを兼ねている場合もある。その場合、回路図では、一本の配線からゲートに何本もの分岐が生じるように書かれることもある。本明細書では、そのような場合でも、「配線がゲートに接続する」という表現を用いることがある。
【0014】
なお、「等しい」や「同一」、「同じ」という用語は厳密に数量・形状等が一致する場合のみを指すわけではなく、実用上、許容できる程度の差異を有する場合にも適用できる。例えば、仮にソースの電位がドレインの電位より0.1V低かったとしても、その差異によって動作が著しく妨げられることがなければ、「ソースとドレインの電位が等しい」と表現する。
【0015】
本発明の一態様は、書き込みビット線と書き込みワード線とメモリセルを有する半導体メモリ装置であって、各メモリセルは、書き込みトランジスタと読み出しトランジスタとキャパシタを有し、各メモリセルの書き込みトランジスタのゲートとドレインとソースは、それぞれ、書き込みワード線とキャパシタの電極の一とソース線に接続することを特徴とする半導体メモリ装置である。
【0016】
また、本発明の一態様は、書き込みビット線と書き込みワード線とメモリセルを有する半導体メモリ装置であって、各メモリセルは、書き込みトランジスタと読み出しトランジスタとキャパシタを有し、各メモリセルの書き込みトランジスタのゲートは書き込みワード線に、キャパシタの電極の一は書き込みトランジスタのドレインに、キャパシタの電極の他は書き込みビット線の一に接続することを特徴とする半導体メモリ装置である。
【0017】
ソース線は書き込みビット線と平行に形成されていてもよい。また、メモリセルのキャパシタの容量は、書き込みトランジスタのゲート容量の1倍乃至10倍としてもよい。その際には、書き込みトランジスタのオフ抵抗は1×1018Ω以上とすることが好ましい。
【0018】
また、本発明の一態様は、上記の半導体メモリ装置において、一のデータ(例えば、データ”1”)の書き込み直後と他のデータ(例えば、データ”0”)の書き込み直後とで書き込みトランジスタのドレインおよびソースの電位が等しい半導体メモリ装置の駆動方法である。
【発明の効果】
【0019】
上記の構成を有する半導体メモリ装置により、従来よりも構造が単純な半導体メモリ装置やその他の半導体装置とそのための駆動方法が提供される。また、従来よりも集積度を高めることのできる半導体メモリ装置やその他の半導体装置とそのための駆動方法が提供される。従来よりも消費電力の少ない半導体メモリ装置やその他の半導体装置とそのための駆動方法あるいは作製方法が提供される。また、従来よりも作製工程数の少ない半導体メモリ装置やその他の半導体装置とそのための駆動方法が提供される。なお、本発明の効果は、以下の実施の形態でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の半導体メモリ装置の例を示す回路図である。
【図2】従来の(ゲインセル)半導体メモリ装置の例を示す図である。
【図3】本発明の半導体メモリ装置の駆動方法の例を説明する図である。
【図4】本発明の半導体メモリ装置の駆動方法の例を説明する図である。
【図5】本発明の半導体メモリ装置の駆動方法の例を説明する図である。
【図6】本発明の半導体メモリ装置の駆動方法の例を説明する図である。
【図7】本発明の半導体メモリ装置の駆動方法の例を説明する図である。
【図8】本発明の半導体メモリ装置の作製工程の例を示す図である。
【図9】本発明の半導体メモリ装置の作製工程の例を示す図である。
【図10】本発明の半導体メモリ装置の構造および作製工程の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0022】
なお、実施の形態では、オン状態であるトランジスタには○印を、オフ状態であるトランジスタには×印をその記号に重ねて表記する。なお、読み出しトランジスタに関しては、そのソースとドレインが等電位であるためにその間に電流が流れない状態もオフ状態として扱うことがある。
【0023】
なお、同じ機能を有するもの、同じ材質のもの、あるいは同時に形成されるものを指す場合には、同じ符号を用いることがあるが、特に、その中でも区別する必要があるときには、符号に「_1」、「_2」等を付記して表示することがある。例えば、同じ材料で複数の読み出しゲート112が形成されている場合、図面では、それらの個々に、「112_1」、「112_2」等の符号を付す。そして、明細書中で読み出しゲートを総称するときには、「読み出しゲート112」と表記するが、その中の1つを他と区別する場合には、「読み出しゲート112_1」というように表記することがある。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体メモリ装置のメモリセルの回路図を図1に示す。メモリセル101は、1つの書き込みトランジスタ102と1つの読み出しトランジスタ107と1つのキャパシタ103とを有し、書き込みトランジスタ102のゲートは書き込みワード線104に接続し、書き込みトランジスタ102のソースはソース線106に接続する。
【0025】
また、キャパシタ103の第1の電極は書き込みトランジスタ102のドレインと接続する。このノードをストレージノードSNという。また、キャパシタ103の第2の電極は書き込みビット線105と接続する。
【0026】
さらに、読み出しトランジスタ107のゲートはストレージノードSNに接続し、読み出しトランジスタ107のドレインは読み出し線108に、ソースはソース線106に接続する。なお、読み出し線108はソース線106と直交するように配置するとよい。
【0027】
図では、ソース線106が書き込みビット線105と平行である様子を示すが、これに限られず、ソース線106が書き込みワード線104と平行であってもよい。ソース線106が書き込みワード線104と平行であると、配線を集積化する上で効果的である。一方、ソース線106が書き込みビット線105と平行であると、後述する理由からメモリセル単位で書き込みトランジスタのオンオフを制御できる。
【0028】
なお、ソース線106を書き込みビット線105と平行に形成するには、例えば、特許文献1に記載されているような方法を用いることもできる。
【0029】
次に、図3乃至図5を用いて図1の回路構成を有するメモリセル101の書き込み方法、読み出し方法の例について簡単に説明する。なお、理解を容易にするため、以下では電位等について具体的な数値を例示するが本発明はそれらに限定されるものではない。
【0030】
ここでは、データ”1”のときには、書き込みビット線105の電位を+1V、データ”0”の時には、0Vとする。また、書き込みトランジスタ102、読み出しトランジスタ107ともNチャネル型とし、書き込みトランジスタ102のしきい値を+0.5V、読み出しトランジスタ107のしきい値を+1Vとする。なお、書き込みトランジスタ102、読み出しトランジスタ107の導電型は任意に設定できる。また、ここでは、キャパシタ103の容量は、読み出しトランジスタ107のゲート容量よりも十分に大きいものとする。その他、図示されていない寄生容量等は無視する。
【0031】
書き込みワード線104の電位は、書き込みをおこなう場合以外は、書き込みトランジスタ102がオンとならないように十分に低い値(ここでは−1V)とする。最初に、書き込みビット線105の電位を0Vとする。このとき、ストレージノードSNの電位は、+1Vあるいは0Vである。これは書き込まれているデータ(の電位)によって決定される。また、ソース線106の電位を+1V、読み出し線108の電位は+2Vとする。
【0032】
その状態で、書き込みワード線104の電位を+2Vに上昇させて、書き込みトランジスタ102をオンとする。すると、ストレージノードSNの電位は+1Vとなる。このとき、読み出しトランジスタ107はオフである(図3(A)参照)。
【0033】
次に、書き込みビット線105の電位を書き込むデータに応じて+1Vあるいは0Vとする。この場合、ストレージノードSNの電位は+1Vのままである。しかし、キャパシタ103の電極間に書き込みビット線105の電位に応じた電位差が生じるため、キャパシタ103の第1の電極には、それに応じた電荷が保持される(図3(B)参照)。
【0034】
その後、書き込みワード線104の電位を−1Vに低下させて、書き込みトランジスタ102をオフとする。キャパシタ103の第1の電極に保持されていた電荷はストレージノードSNに保持される。以上により書き込みが終了する。
【0035】
なお、書き込みビット線105の電位を+2Vとすると、ストレージノードSNの電位は+2Vあるいは+3Vとなる。さらに、ソース線106の電位を+2Vに上昇させ、次いで、書き込みワード線104の電位を−1Vから+2Vに上昇させる(図4(A)参照)と、書き込みトランジスタ102のゲートの電位(+2V)は、ソースやドレインのいずれの電位よりも高くないので、オフの状態を保つ。すなわち、書き込みビット線105の電位を+2V、ソース線106の電位を+2Vというように、ともに十分に高い電位とするとデータを書き込むことができない。
【0036】
従来のゲインセルメモリでは、1つのメモリセルのデータを書き換えるために、そのメモリセルの接続する書き込みワード線の電位を上げると同じ書き込みワード線に接続する他のメモリセルの書き込みトランジスタもオンとなるので、他のメモリセルに保持されていたデータが消えてしまうという問題があった。この問題は従来の構造のゲインセルメモリでは解決することは困難であったが、上記の説明から明らかなように、本発明の一態様では、書き込みビット線105と書き込みビット線105と平行に配置されるソース線106の電位を設定することで不要なメモリセルのデータの消失を防止できる。
【0037】
すなわち、書き込みをおこなうメモリセルの接続する書き込みビット線とソース線のみある低い電位(図3(A)の場合では書き込みビット線は0V、ソース線は+1V)とし、その後、書き込みワード線の電位を所定の値(図3(A)の場合では+2V)とし、さらに、書き込みビット線の電位をデータの電位とすることで、データを書き込める。
【0038】
一方、それ以外の書き込みビット線およびソース線をある高い電位(図4(A)の場合ではともに+2V)に保っておけば、書き込みワード線の電位が所定の値(+2V)となった場合でも、書き込みトランジスタがオフ状態を保つので、それらのメモリセルではデータの消失はおこらない。
【0039】
このことは消費電力を低減する上で好ましい。従来のように書き込みの際に不要なメモリセルのデータまで消失してしまうと、それを補う必要が生じるが、そのためにそれらに接続するビット線の電位を変動させる必要がある。電位の変動は電力を消費するが、上記の説明から明らかなように、本発明の一態様では、書き換えのある書き込みビット線のみ電位が変動するため、著しく消費電力を低減できる。
【0040】
さて、書き込みが終了すると書き込みワード線104は上述のとおり十分に低い電位(−1V)に保持する。この状態では、書き込みビット線105の電位は0Vから+2Vの範囲で変動する。例えば、書き込みビット線105の電位が0Vであれば、書き込みビット線105はキャパシタ103と容量結合するため、データ”1”が書き込まれていた場合には、ストレージノードSNの電位は0Vとなり、データ”0”が書き込まれていた場合には、ストレージノードSNの電位は+1Vとなる。図3(A)で書き込みビット線105の電位を0VとしたときにストレージノードSNの電位が、0Vあるいは+1Vとなるのはこの理由からである。
【0041】
なお、書き込みビット線105の電位がさらに高くなれば、ストレージノードSNの電位もそれに応じて高くなる。例えば、書き込みビット線105の電位が+2Vであれば、ストレージノードSNの電位は+2Vあるいは+3Vとなる。
【0042】
すなわち、ストレージノードSNの電位は0Vから+3Vの範囲で変動する。また、ソース線106の電位は+1Vあるいは+2Vとなる。また、読み出し線108の電位は、+2Vに保っておく(図4(B)参照)。ストレージノードSNの電位が+3Vとなるのは、書き込みビット線105の電位が+2Vとなるときのみで、そのときソース線106、読み出し線108の電位はともに+2V、であるので、読み出しトランジスタ107のソースとドレインの間に電流は流れない。
【0043】
ストレージノードSNの電位が0Vあるいは+1Vのときは読み出しトランジスタ107がオフである。ストレージノードSNの電位が+2Vであるとき、ソース線106の電位が+2Vであれば、やはり、読み出しトランジスタ107がオフである。
【0044】
しかし、ストレージノードSNの電位が+2Vかつ、ソース線106の電位が+1Vのときもある。その際には、読み出しトランジスタ107はオンとなるが、高電位(+2V)である読み出し線108からしきい値分だけ低下した電位(+1V)がソース線106に出力されるため、実質的には読み出しトランジスタ107のソースとドレインの間に電流は流れない。
【0045】
次に、読み出し方法について説明する。まず、書き込みビット線105の電位を低い電位(ここでは0V)とする。すると、ストレージノードSNの電位は書き込まれたデータに応じて0Vあるいは+1Vとなる。また、ソース線106の電位を+1Vとする。
【0046】
次に、読み出し線108あるいはソース線106のいずれか一方をフローティングとする。ここでは読み出し線108をフローティングとし、その電位を+2Vとする。この状態では読み出しトランジスタ107はオフ状態である(図5(A)参照)。
【0047】
さらに、書き込みビット線105の電位を制御して、読み出しトランジスタ107の状態を変更する。ここでは、書き込みビット線105の電位を+1Vとする。すると、ストレージノードSNの電位は書き込まれていた電位に応じて、+1Vあるいは+2Vのいずれかとなる。
【0048】
ストレージノードSNの電位が+1Vの場合には、読み出し線108の電位は+2Vから変わらない。一方、ストレージノードSNの電位が+2Vの場合には、読み出し線108の電位は+1Vまで低下する。すなわち、データ”1”を書き込まれていた場合には読み出し線108の電位は+2Vとなり、データ”0”が書き込まれていた場合には読み出し線108の電位は+1Vとなる(図5(B)参照)。以上のようにして、データを読み出せる。なお、以上のデータの読み出しの過程では、データが消失することはない。
【0049】
以上の例では、キャパシタ103の容量が読み出しトランジスタ107のゲート容量に比較して十分に大きいものと仮定したが、従来のゲインセルメモリと同様に、本発明の一態様の半導体メモリ装置でも、キャパシタ103の容量は小さくすることで、より高速の書き込みを実行できる。
【0050】
ただし、キャパシタ103の容量が読み出しトランジスタ107のゲート容量の1倍乃至10倍という場合には、ストレージノードSNの電位は、読み出しトランジスタ107の状態(オンあるいはオフ)の影響を受けて変動し、上記のような単純な値とならないことがある。
【0051】
なお、キャパシタ103(あるいはストレージノードSN)に蓄積された電荷が放出されるまでの時間は容量と書き込みトランジスタ102のオフ抵抗に比例する。したがって、キャパシタ103の容量が小さな場合には、書き込みトランジスタ102のオフ抵抗をそれに応じて高くし、好ましくは1×1018Ω以上とすることが好ましい。
【0052】
(実施の形態2)
本実施の形態の半導体メモリ装置のメモリセルは、図1の読み出しトランジスタ107の導電型を書き込みトランジスタ102と異なるものとしたものである。例えば、書き込みトランジスタ102がNチャネル型であれば、読み出しトランジスタ107をPチャネル型とする。
【0053】
図6および図7を用いて本実施の形態の半導体メモリ装置の書き込み方法、読み出し方法の例について簡単に説明する。図6および図7には2つのメモリセル101_1およびメモリセル101_2を示す。メモリセル101_1には書き込みビット線105_1よりデータを入力し、メモリセル101_2には書き込みビット線105_2よりデータを入力する。以下の例では、メモリセル101_1にデータを書き込んだ後、メモリセル101_1からデータを読み出し、一方、メモリセル101_2のデータはそのまま保持し、読み出さないものとする。
【0054】
なお、理解を容易にするため、以下では電位等について具体的な数値を例示するが本発明はそれらに限定されるものではない。ここでは、データ”1”の時には、書き込みビット線105の電位を+1V、データ”0”の時には、0Vとする。
【0055】
書き込みトランジスタ102、読み出しトランジスタ107のしきい値は、それぞれ、+0.5V、−0.5Vとする。また、キャパシタ103の容量は、読み出しトランジスタ107のゲート容量よりも十分に大きいものとする。以下の例では、メモリセル101_1(左側のメモリセル)にのみデータの書き込みをおこない、メモリセル101_2(右側のメモリセル)にはデータを書き込まないものとする。
【0056】
書き込みワード線104の電位は、書き込みをおこなう場合以外は、書き込みトランジスタ102がオンとならないように十分に低い値(ここでは−1V)とする。最初に、書き込みビット線105_1の電位を+1Vとする。また、ソース線106_1の電位は+1Vとする。このとき、実施の形態1で説明したように、メモリセル101_1のストレージノードSNの電位は、+2Vあるいは+1Vである。これは書き込まれているデータ(の電位)によって決定される。
【0057】
また、書き込みビット線105_2の電位を+2V、ソース線106_2の電位は+2Vとする。実施の形態1で説明したように、メモリセル101_2のストレージノードSNの電位は、+2Vあるいは+3Vである。また、読み出し線108の電位は+1Vとする。
【0058】
このとき、メモリセル101_1の読み出しトランジスタも、メモリセル101_2の読み出しトランジスタも、それらのゲートの電位が、ソースやドレインの電位と同じか高いのでオフである(図6(A)参照)。
【0059】
その状態で、書き込みワード線104の電位を+2Vに上昇させると、メモリセル101_1の書き込みトランジスタはオンとなるが、メモリセル101_2の書き込みトランジスタはオフのままである。メモリセル101_1のストレージノードSNの電位は+1Vとなる。
【0060】
次に、書き込みビット線105_1の電位を書き込むデータに応じて+1Vあるいは0Vとする。この場合、メモリセル101_1のストレージノードSNの電位は+1Vのままである。しかし、メモリセル101_1のキャパシタの電極間に書き込みビット線105_1の電位に応じた電位差が生じるため、キャパシタの第1の電極には、それに応じた電荷が保持される。データの書き込みをおこなわないメモリセル101_2に接続する書き込みビット線105_2の電位は+2Vのままとする。(図6(B)参照)。
【0061】
その後、書き込みワード線104の電位を−1Vに低下させて、メモリセル101_1の書き込みトランジスタをオフとする。メモリセル101_1のキャパシタの第1の電極に保持されていた電荷はメモリセル101_1のストレージノードSNに保持される。以上により書き込みが終了する。
【0062】
なお、書き込みビット線105_1、書き込みビット線105_2に接続する他のメモリセルへの書き込みのため、書き込みビット線105_1、書き込みビット線105_2の電位は0Vから+2Vの間で変動する。そのため、メモリセル101_1のストレージノードSNおよびメモリセル101_2のストレージノードSNの電位は0Vから+3Vの範囲で変動する。
【0063】
しかし、上記の説明から明らかなように、データの書き込み時には書き込みビット線105とソース線106の電位は連動するため、一定の規則性がある。すなわち、ソース線106が+2Vであれば書き込みビット線105の電位は+2Vであり、したがって、ストレージノードSNの電位も+2Vか+3Vである。この場合、図6(C)のメモリセル101_1に示されるように、読み出しトランジスタのゲートの電位が、ソースやドレインと同じか高いため読み出しトランジスタはオフである。
【0064】
一方、ソース線106が+1Vであれば書き込みビット線105の電位は0Vか+1Vであり、したがって、ストレージノードSNの電位も0Vか+2Vである。しかし、この場合には、ソース線106の電位(+1V)と読み出し線108の電位(+1V)が同じであるため、図6(C)のメモリセル101_2に示されるように、読み出しトランジスタのソースとドレイン間に電流は流れない。
【0065】
次に、読み出し方法について説明する。まず、書き込みビット線105_1、書き込みビット線105_2の電位を+2V、ソース線106_1、ソース線106_2の電位を+2Vとする。メモリセル101_1のストレージノードSNおよびメモリセル101_2のストレージノードSNの電位は書き込まれたデータに応じて+2Vあるいは+3Vとなる。
【0066】
なお、ストレージノードSNの電位は、ソース線106の電位が+2Vのときは+2V以上、ソース線106の電位が+1Vのときは0Vあるいは+1Vであるので、読み出し線108の電位が+1V以下であれば、ストレージノードSNの電位に関わらず、メモリセル101_1の読み出しトランジスタおよびメモリセル101_2の読み出しトランジスタはオフである(ソースとドレイン間が等電位でその間に電流が流れない場合も含む)。
【0067】
ここではソース線106、書き込みビット線105の電位はいずれも+2Vであるのでメモリセル101_1の読み出しトランジスタおよびメモリセル101_2の読み出しトランジスタはオフであるので、読み出し線108の電位を0Vとし、読み出し線108をフローティングとする(図7(A)参照)。
【0068】
実施の形態1では、読み出し線108をフローティングとするために、全ての書き込みビット線105の電位を一度、0Vにまで低下させる必要があったが、本実施の形態ではその必要がないため、消費電力を削減できる。
【0069】
例えば、ある期間において、ある書き込みビット線に接続するメモリセルに書き込む必要も読み出す必要もないのであれば、書き込みビット線とソース線を+2Vに維持し続けると消費電力が最小となる。
【0070】
実施の形態1では、書き換えや読み出しの必要がないメモリセルであっても、一度、読み出し線108をある電位(0V)とするために、書き込みビット線の電位を一度、0V(あるいはそれ以下)とする必要があり、そのため、電力を消費する。
【0071】
これに対し、本実施の形態では、書き込みビット線105_2の電位は+2Vとしたままでも読み出し線108の電位を0Vとできるので、消費電力を低減できる。
【0072】
次に、書き込みビット線105_1の電位を0V、ソース線106_1の電位を+1Vとする。メモリセル101_1のストレージノードSNの電位は0Vあるいは+1Vとなる。したがって、メモリセル101_1の読み出しトランジスタはストレージノードSNの電位によって状態が異なる。
【0073】
メモリセル101_1のストレージノードSNの電位が+1Vの場合には、読み出しトランジスタがオフであるので、読み出し線108の電位は0Vから変わらない。一方、ストレージノードSNの電位が0Vの場合には、読み出し線108の電位は+1Vまで上昇する。すなわち、データ”1”が書き込まれていた場合には読み出し線108の電位は+1Vとなり、データ”0”が書き込まれていた場合には読み出し線108の電位は0Vとなる。
【0074】
一方、書き込みビット線105_2、ソース線106_2の電位は+2Vを維持する。メモリセル101_2のストレージノードSNの電位は+2Vあるいは+3Vとなる。したがって、メモリセル101_2の読み出しトランジスタはオフである(図7(B)参照)。
【0075】
以上のようにして、データを読み出せる。なお、以上のデータの読み出しの過程では、データが消失することはない。読み出し終了後は、読み出し線の電位は+1Vとする。
【0076】
上記においては、ソース線106_1の電位を+1V、読み出し線108の電位を0Vとして読み出しをおこなったが、逆にソース線106_1の電位を0V、読み出し線108の電位を+1Vとして読み出しをおこなうこともできる。以下、その例について説明する。
【0077】
読み出し開始時点では、書き込みビット線105の電位と、ソース線106の電位をともに+2V、読み出し線108の電位を0Vとする。次に、読み出し線108の電位を+1Vとする。また、ソース線106はフローティングとする。このとき、メモリセル101_1の読み出しトランジスタも、メモリセル101_2の読み出しトランジスタも、それらのゲートの電位が、ソースやドレインの電位と同じか高いのでオフである。
【0078】
次にデータを読み出すメモリセル101_1に接続する書き込みビット線105_1、ソース線106_1の電位をともに0Vとする。このとき、メモリセル101_1のストレージノードSNの電位は、書き込まれているデータに応じて、+1Vあるいは0Vである。
【0079】
ストレージノードSNの電位が+1Vの場合には、メモリセル101_1の読み出しトランジスタはオフであるので、ソース線106_1の電位は0Vのままである。一方、ストレージノードSNの電位が0Vの場合には、メモリセル101_1の読み出しトランジスタはオンとなるので、ソース線106_1の電位は+1Vまで上昇する。(図7(C)参照)。
【0080】
以上のようにして、データを読み出せる。なお、以上のデータの読み出しの過程では、データが消失することはない。読み出し終了後は、読み出し線の電位を0Vとする。
【0081】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明した半導体メモリ装置の作製工程について図8乃至図10を用いて概略を説明する。図8及び図9は断面模式図であり、図10はそれらの構造物の一部を上方より見た模式図である。なお、図10の一点鎖線A−Bの断面が、図8および図9に相当する。なお、工程の一部の詳細は公知の半導体作製技術あるいは特許文献2を参照できる。
【0082】
<図8(A)>
シリコン、ガリウム砒素、ガリウム燐、またはゲルマニウム等の半導体よりなる基板110の表面に素子分離領域111等を形成する。さらに、読み出しトランジスタのゲートである読み出しゲート112_1および読み出しゲート112_2を形成し、不純物領域113_1乃至不純物領域113_4を形成する。
【0083】
不純物領域113_1および不純物領域113_3は実施の形態1あるいは実施の形態2で示したソース線となる。これらは後述する書き込みビット線と平行となるように形成するとよく、すなわち、図面の手前から奥行き方向に拡がっているとよい。
【0084】
なお、不純物領域113_1乃至不純物領域113_4をソース線や読み出し線として使用する場合には、抵抗が低い方が好ましいため、公知のサリサイド(Self Aligned Silicide)技術等を用いて、表面にシリサイド層を設けるとよい。
【0085】
さらに、第1層間絶縁物115を形成後、第1接続電極114_1および第1接続電極114_2を形成し、これらをエッチングしつつ平坦化し、読み出しゲート112_1および読み出しゲート112_2の上面が露出するようにする。この段階を上方より見た様子を図10(A)に示す。図10(A)には、素子分離領域111、読み出しゲート112、不純物領域113、第1接続電極114を示す。
【0086】
<図8(B)>
半導体層116_1および半導体層116_2と、その上のゲート絶縁物117を形成する。半導体層116_1および半導体層116_2に用いる半導体としては、各種半導体を用いることができるが、バンドギャップが2.5電子ボルト以上のもので、かつ、キャリア濃度が1014cm−3以下のものを用いることが好ましい。その目的のためには半導体層として酸化物半導体を用いることが好ましい。
【0087】
酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)とを含むことが好ましい。特にInとZnを含むことが好ましい。また、特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。
【0088】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種あるいは複数種を有してもよい。
【0089】
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属の酸化物であるSn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
【0090】
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
【0091】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)あるいはIn:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)の原子比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
【0092】
しかし、これらに限られず、必要とする半導体特性(移動度、しきい値、ばらつき等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする半導体特性を得るために、キャリア濃度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間結合距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。詳細は特許文献2を参照できる。
【0093】
なお、例えば、In、Ga、Znの原子数比がIn:Ga:Zn=a:b:c(a+b+c=1)である酸化物の組成が、原子数比がIn:Ga:Zn=A:B:C(A+B+C=1)の酸化物の組成の近傍であるとは、a、b、cが、
(a―A)+(b―B)+(c―C)≦r
を満たすことを言い、rは、例えば、0.05とすればよい。他の酸化物でも同様である。
【0094】
酸化物半導体は単結晶でも、非単結晶でもよい。後者の場合、アモルファスでも、多結晶でもよい。また、アモルファス中に結晶性を有する部分を含む構造でも、非アモルファスでもよい。
【0095】
アモルファス状態の酸化物半導体は、比較的容易に平坦な表面を得ることができるため、これを用いてトランジスタを作製した際の界面散乱を低減でき、比較的容易に、比較的高い移動度を得ることができる。
【0096】
また、結晶性を有する酸化物半導体では、よりバルク内欠陥を低減することができ、表面の平坦性を高めればアモルファス状態の酸化物半導体以上の移動度を得ることができる。表面の平坦性を高めるためには、平坦な表面上に酸化物半導体を形成することが好ましく、具体的には、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下の表面上に形成するとよい。
【0097】
ここで、半導体層116_1は読み出しゲート112_1および第1接続電極114_1、半導体層116_2は読み出しゲート112_2および第1接続電極114_2と接触する。すなわち、読み出しゲート112_1は半導体層116_1をチャネルとする第1のトランジスタのドレイン電極となり、読み出しゲート112_2は半導体層116_2をチャネルとする第2のトランジスタのドレイン電極となり、第1接続電極114_1は第1のトランジスタのソースとなり、第1接続電極114_2は第2のトランジスタのソースとなる。
【0098】
さらに、書き込みワード線104_1および書き込みワード線104_2を形成する。これらの上面には絶縁性材料でエッチングストッパ118を設けると、配線間ショートを防止する上で効果がある。書き込みワード線104の側面に側壁を設けることも配線間ショートを防止する上で効果がある。なお、半導体層116に書き込みワード線104やその側壁をマスクとして何らかの不純物を導入し、選択的に導電性を高めてもよい。この段階を上方より見た様子を図10(B)に示す。図10(B)には、半導体層116、書き込みワード線104を示す。
【0099】
<図9(A)>
第2層間絶縁物120を形成し、これに、半導体層116_1および半導体層116_2に達するコンタクトホールを形成し、第2接続電極119_1乃至第2接続電極119_4を形成する。さらに、第2層間絶縁物120上にソース線106を形成する。この段階を上方より見た様子を図10(C)に示す。図10(C)には、ソース線106を示す。図10(C)より明らかであるが、ソース線106は書き込みワード線104に交差する。
【0100】
<図9(B)>
第3層間絶縁物123中および上に第3接続電極121_1および第3接続電極121_2、キャパシタ電極122_1、キャパシタ電極122_2、書き込みビット線105等を形成する。これらの作製に関しては、公知のスタック型キャパシタの作製方法を参照できる。書き込みビット線105はソース線106と平行に形成する。
【0101】
以上の工程により、メモリセル101_1、メモリセル101_2を形成できる。メモリセル101_2はメモリセル101_1と同じソース線に接続する。
【符号の説明】
【0102】
101 メモリセル
102 書き込みトランジスタ
103 キャパシタ
104 書き込みワード線
105 書き込みビット線
106 ソース線
107 読み出しトランジスタ
108 読み出し線
110 基板
111 素子分離領域
112 読み出しゲート
113 不純物領域
114 第1接続電極
115 第1層間絶縁物
116 半導体層
117 ゲート絶縁物
118 エッチングストッパ
119 第2接続電極
120 第2層間絶縁物
121 第3接続電極
122 キャパシタ電極
123 第3層間絶縁物
201 メモリセル
202 書き込みトランジスタ
203 キャパシタ
204 書き込みワード線
205 ビット線
206 ソース線
207 読み出しトランジスタ
208 読み出しワード線
SN ストレージノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き込みビット線と書き込みワード線と読み出し線とソース線とメモリセルを有し、前記メモリセルは、書き込みトランジスタと読み出しトランジスタとキャパシタを有し、前記書き込みトランジスタのゲートとドレインとソースは、それぞれ、前記書き込みワード線と前記キャパシタの電極の一と前記ソース線に接続し、前記読み出し線は前記ソース線と直交することを特徴とするゲインセル型半導体メモリ装置。
【請求項2】
書き込みビット線と書き込みワード線と読み出し線とソース線とメモリセルを有し、前記メモリセルは、書き込みトランジスタと読み出しトランジスタとキャパシタを有し、前記書き込みトランジスタのゲートは前記書き込みワード線に、前記キャパシタの電極の一は前記書き込みトランジスタのドレインに、前記キャパシタの電極の他は前記書き込みビット線に接続し、前記読み出し線は前記ソース線と直交することを特徴とするゲインセル型半導体メモリ装置。
【請求項3】
請求項1あるいは請求項2のいずれかにおいて、前記ソース線は前記書き込みワード線と平行に形成されているゲインセル型半導体メモリ装置。
【請求項4】
請求項1あるいは請求項2のいずれかにおいて、前記ソース線は前記書き込みビット線と平行に形成されているゲインセル型半導体メモリ装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、前記書き込みトランジスタの導電型が前記読み出しトランジスタの導電型と異なるゲインセル型半導体メモリ装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一において、前記書き込みトランジスタのオフ抵抗は1×1018Ω以上であるゲインセル型半導体メモリ装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の半導体メモリ装置において、前記ソース線の電位を、データの読み出し中と書き込み中で一定に保つゲインセル型半導体メモリ装置の駆動方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の半導体メモリ装置において、一のデータの書き込み直後の前記書き込みトランジスタのドレインおよびソースの電位が、他のデータの書き込み直後の前記書き込みトランジスタのドレインおよびソースの電位と等しいことを特徴とするゲインセル型半導体メモリ装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−252770(P2012−252770A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107160(P2012−107160)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】