説明

コンデンサを内蔵した多層配線板用材料、多層配線板用基板および多層配線板とこれらの製造方法

本発明は、金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料、多層配線板用基板および多層配線板と、これらの製造方法に関する。本発明によると、高密度配線化に優れ、かつ経済性に優れたコンデンサ内蔵多層配線板を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、コンデンサを内蔵した多層配線板用材料、多層配線板用基板および多層配線板と、これらの製造方法に関する。
【背景技術】
近年、電子機器は小型化・高機能化の要求が益々高まっている。機器の高機能化に伴い、搭載する半導体チップやコンデンサをはじめとする受動素子などの電子部品点数は増加し、従来の高密度化技術では小型化への対応が非常に困難となってきている。そこで、より効率的な実装を行うため搭載部品の一部を配線板内部に内蔵化する必要性が出てきた。
多層配線板に内蔵されるコンデンサの容量は数百pF〜数μFレベルであり、500pF/mm以上の容量密度が必要となる。コンデンサの誘電体としては、樹脂と高誘電率無機フィラーのコンポジット材料を用いる方法と無機薄膜材料を用いる方法とがある。高い容量密度のコンデンサを形成するためには、1)比誘電率の高い誘電体を用いること、2)厚みの薄い誘電体を用いることが効果的である。前者のコンポジット材料では、1)樹脂自体は比較的誘電率が低いために高誘電率化に限界があること、2)リーク電流がなく、かつ膜厚が数μmレベルの絶縁膜を形成することは技術的に難しいことから、500pF/mm以上の容量密度を有するコンデンサを得ることは難しかった。したがって、500pF/mm以上の容量密度を有するコンデンサを得るためには、膜厚を数μm以下で形成可能な無機薄膜を利用することが必要である。
樹脂を用いた多層配線板の中に薄膜コンデンサを内蔵化する手法としては、CVD法を用いた方法(特開平5−191053号公報の第4頁、第1図;特開平5−226844号公報の第4頁、第1図)や、スパッタリング法を用いた方法(特開2002−252297号公報の第6頁、第1図)、あるいはゾルゲル法を用いる方法(特開平8−213754号公報の第12頁、第21図;特開平8−213758号公報の第14頁、第21図)などが提案されている。これらの手法により、樹脂を用いた多層配線板の中に膜厚が薄い誘電体薄膜を形成することができる。
しかし、特開平5−191053号公報および特開平5−226844号公報に開示された手法ではコンデンサ電極に対して任意の位置に引き出しパターンを形成できないために高密度配線化に限界があった。また、回路パターン上に薄膜を形成するために薄膜厚みの制御が難しかった。また、特開2002−252297号公報に開示された手法では、任意の位置に引き出しパターンを形成しようとすると工程が複雑になり、経済性が悪かった。さらに、特開平8−213754号公報および特開平8−213758号公報に開示された手法では同一平面上に独立した電源パターンを形成することが困難だった。
【発明の開示】
本発明は、金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料、コンデンサ内蔵多層配線板用基板およびコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法に関する。
本発明の実施形態によると、膜厚が均一で容量のばらつきが小さいコンデンサ内蔵多層配線板を提供することができる。
A.本発明は、以下の実施形態に関する。
(1) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料。
(2) 誘電体薄膜がチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸マグネシウム酸鉛−チタン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む固溶体、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む積層体からなる膜であることを特徴とする(1)のコンデンサ内蔵多層配線板用材料。
(3) 金属箔が銅からなり、かつ誘電体薄膜が形成される面に銅の酸化保護皮膜となる金属として、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、イリジウムからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたことを特徴とする(1)および(2)のコンデンサ内蔵多層配線板用材料。
(4) 金属箔が銅からなり、かつその表面に安定した自己酸化皮膜を形成する金属として、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたことを特徴とする(1)および(2)に記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料。
(5) 金属箔の表面粗さが0.01〜0.5μmであることを特徴とする(1)〜(4)のコンデンサ内蔵多層配線板用材料。
(6) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜を真空蒸着法により形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
(7) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜をイオンプレーティング法により形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
(8) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
(9) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜をスパッタリング法により形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
(10) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜をゾルゲル法により形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
(11) ロール状の金属箔を用い、かつ温度が一定に管理された加熱炉内を連続的に金属箔を移動させながら誘電体薄膜を形成することを特徴とする(6)〜(10)のコンデンサ内蔵多層配線板材料の製造方法。
(12) 誘電体薄膜がチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸マグネシウム酸鉛−チタン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む固溶体、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む積層体からなる膜であることを特徴とする(6)〜(11)のコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
(13) 金属箔が銅からなり、かつ誘電体薄膜が形成される面に銅の酸化保護皮膜となる金属として、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、イリジウムからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたことを特徴とする(6)〜(12)に記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
(14) 金属箔が銅からなり、かつその表面に安定した自己酸化皮膜を形成する金属として、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたことを特徴とする(6)〜(12)に記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
(15) 金属箔の表面粗さが0.01〜0.5μmであることを特徴とする(6)〜(14)記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
(16) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、3)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ電極1を形成する工程と、4)誘電体薄膜の少なくともコンデンサ電極1を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、5)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ電極2を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(17) 誘電体薄膜の表面に形成する金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた1種以上の金属層を少なくとも含むことを特徴とする(16)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(18) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、3)コンデンサ電極1を含む任意の部分を残して金属めっきレジストを形成する工程と、4)金属めっきにより10〜50μmのコンデンサ電極1を形成する工程と、5)金属めっきレジストを除去する工程と、6)誘電体薄膜の表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、7)誘電体薄膜の少なくともコンデンサ電極1を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、8)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ電極2を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(19) 誘電体薄膜の表面に形成する金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする(18)記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(20) 金属めっきが銅、銀、錫、ニッケル、亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とする(18)、(19)記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(21) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて10〜50μmの金属層を形成して所望のコンデンサ電極1を形成する工程と、3)誘電体薄膜の少なくともコンデンサ電極1を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、4)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ電極2を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(22) 化学的な反応により金属化される導電性ペーストの金属粒子が金、白金、銀、銅、パラジウム、ルテニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含み、かつその平均粒径が0.1〜10nmであることを特徴とする(21)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(23) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)コンデンサ誘電体を形成した基板表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、4)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ電極1、コンデンサ電極2およびコンデンサ電極と電気的に絶縁された任意の導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(24) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面と導体回路を有する基板とを介して積層するプリプレグにおいて、任意の箇所に絶縁材料の貫通穴が設けられ、かつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されていることを特徴とする(16)〜(23)記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(25) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面と導体回路を有する基板とを介して積層するプリプレグにおいて、任意の箇所に絶縁材料の貫通穴が設けられ、かつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されていることを特徴とする(16)〜(23)記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(26) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、3)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ電極1を形成する工程と、4)誘電体薄膜の少なくともコンデンサ電極1を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、5)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と、6)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と、7)その基板表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、8)穴を含む任意の箇所を除いてめっきレジストを形成する工程と、9)めっきレジストを形成した箇所以外の基板表面に10〜50μmの金属層を形成して層間の回路パターンを電気的に接続させる工程と、10)基板表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、11)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ電極2を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(27) 誘電体薄膜の表面に形成する金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた1種以上の金属層を少なくとも含むことを特徴とする(26)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(28) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、3)コンデンサ電極1を含む任意の部分を残して金属めっきレジストを形成する工程と、4)金属めっきにより10〜50μmのコンデンサ電極1を形成する工程と、5)金属めっきレジストを除去する工程と、6)誘電体薄膜の表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、7)誘電体薄膜の少なくともコンデンサ電極1を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、8)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と、9)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と、10)その基板表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、11)穴を含む任意の箇所を除いてめっきレジストを形成する工程と、12)めっきレジストを形成した箇所以外の基板表面に10〜50μmの金属層を形成して層間の回路パターンを電気的に接続させる工程と、13)基板表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、14)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ電極2を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(29) 誘電体薄膜の表面に形成する金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする(28)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(30) 金属めっきが銅、銀、錫、ニッケル、亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とする(28)、(29)記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(31) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて10〜50μmの金属層を形成して所望のコンデンサ電極1を形成する工程と、3)誘電体薄膜の少なくともコンデンサ電極1を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、4)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と、5)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と、6)その基板表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、7)穴を含む任意の箇所を除いてめっきレジストを形成する工程と、8)めっきレジストを形成した箇所以外の基板表面に10〜50μmの金属層を形成して層間の回路パターンを電気的に接続させる工程と、9)基板表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、10)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ電極2を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(32) 化学的な反応により金属化される導電性ペーストの金属粒子が金、白金、銀、銅、パラジウム、ルテニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含み、かつその平均粒径が0.1〜10nmであることを特徴とする(31)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(33) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と、4)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と、5)コンデンサ誘電体を形成した基板表面と穴内の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、6)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ電極2を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(34) 金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して積層する導体回路を有する基板において、基板の導体層が2層以上あり、かつその隣接する導体層の回路パターンが任意の箇所で導体化された穴により接続された基板であることを特徴とする(16)〜(33)記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(35)誘電体薄膜をエッチング除去する方法がイオンビームエッチング法、RIE(Reactive Ion Etching)法または溶液エッチング法のいずれかであることを特徴とする(16)〜(34)記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(36) コンデンサ電極2が多層配線板のグランド層または電源層であることを特徴とする(16)〜(35)記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(37) 基板の絶縁材料が樹脂とガラス織布またはガラス不織布からなることを特徴とする(16)〜(36)記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(38) 基板の絶縁材料に用いられている樹脂が熱硬化性樹脂であり、そのガラス転移点温度が170℃以上であることを特徴とする(16)〜(37)記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
B.さらに、本発明は、以下の実施形態に関する。
(1)基板内部に導体層間を接続するバイアホールを有し,かつ、表面に平滑な金属層を有する基板の表面に比誘電率が10〜2000で、かつ、膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜を形成したことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(2) 基板内部に導体層間を接続するバイアホールが金属めっきにより電気的に接続されていることを特徴とする(1)のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(3) 基板内部に導体層間を接続するバイアホールが金属粉と樹脂とからなる導電性ペーストにより電気的に接続されていることを特徴とする(1)のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(4) 基板内部に導体層間を接続するバイアホールが化学的な反応により金属化される導電性ペーストにより電気的に接続されていることを特徴とする(1)または(3)のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(5) 誘電体薄膜がチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれかを含む2種以上の固溶体、あるいはこれらのいずれかを含む2種以上の積層体からなる膜であることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(6) 誘電体薄膜の形成方法が真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、ゾルゲル法のいずれかであることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(7) 誘電体薄膜の形成時の基板温度が25℃〜350℃であることを特徴とする(1)ないし(6)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(8) 基板の絶縁材料が樹脂とガラス織布またはガラス不織布からなることを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(9) 基板の絶縁材料に用いられている樹脂が熱硬化性樹脂であり,そのガラス転移点温度が170℃以上であることを特徴とする(1)ないし(8)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(10) 基板表面の金属層が銅からなり,かつその表面に銅の酸化保護皮膜となる金属として、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、イリジウムからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けることを特徴とする(1)ないし(9)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(11) 基板表面の金属層が銅からなり,かつその表面に安定した自己酸化皮膜を形成する金属として、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属膜を設けることを特徴とする(1)ないし(9)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(12) 基板表面の金属層の表面粗さが0.01〜0.5μmであることを特徴とする(1)ないし(11)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
(13) (1)ないし(12)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板を内層板として用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)誘電体薄膜の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、2)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、3)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、4)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(14) 誘電体薄膜の表面に形成する金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする(13)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(15) (1)ないし(12)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板を内層板として用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)誘電体薄膜の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、2)第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残して金属めっきレジストを形成する工程と、3)金属めっきにより10〜50μmの第1のコンデンサ電極を形成する工程と、4)金属めっきレジストを除去する工程と、5)誘電体薄膜の表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、6)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、7)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(16) 誘電体薄膜の表面に形成する金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする(15)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(17) 金属めっきが銅、銀、錫、ニッケル、亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とする(15)または(16)に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(18) (1)ないし(12)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板を内層板として用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて10〜50μmの金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、2)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(19) 化学的な反応により金属化される導電性ペーストの金属粒子が金,白金,銀,銅,パラジウム、ルテニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含み、かつ、その平均粒径が0.1〜10nmであることを特徴とする(18)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(20) (1)ないし(12)のいずれかに記載のコデンサ内蔵多層配線板用基板を内層板として用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、2)コンデンサ誘電体を形成した基板表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、3)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極、第2のコンデンサ電極およびコンデンサ電極と電気的に絶縁された任意の導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(21) 誘電体薄膜をエッチング除去する方法がイオンビームエッチング法、RIE(Reactive Ion Etching)法または溶液エッチング法のいずれかであることを特徴とする(13)ないし(20)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(22) 第2のコンデンサ電極が多層配線板のグランド層または電源層であることを特徴とする(13)ないし(21)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(23) 複数の絶縁層と複数の導体層と前記導体層を電気的に接続する導体化されたバイアホールを有する多層配線板であり、かつ、少なくとも1層の絶縁層の比誘電率が20〜2000、かつ、膜厚が0.1〜1μmの誘電体薄膜であり、その絶縁層に対向した電極を備えたコンデンサ内蔵多層配線板であって、1)第1のコンデンサ電極を形成する導体層のパターンは全てコンデンサの電極を形成し、2)誘電体薄膜の投影面は第1のコンデンサ電極の投影面を含み、3)第2のコンデンサ電極を形成する導体層には第2のコンデンサ電極とこの電極と電気的に絶縁された少なくとも1つのパターンを有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板。
(24) 複数の絶縁層と複数の導体層と前記導体層を電気的に接続する導体化されたバイアホールを有する多層配線板であり、かつ、少なくとも1層の絶縁層の比誘電率が20〜2000、かつ、膜厚が0.1〜1μmの誘電体薄膜であり、その絶縁層に対向した電極を備えたコンデンサ内蔵多層配線板であって、1)コンデンサの誘電体を形成する誘電体薄膜の投影面に含まれる第1のコンデンサ電極を有し、2)誘電体薄膜の端部は全て第1のコンデンサ電極を形成する導体層が第2のコンデンサ電極に電気的に接続されたことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板。
(25) 第2のコンデンサ電極が多層配線板のグランド層または電源層であることを特徴とする(23)または(24)に記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
(26) 誘電体薄膜がチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれかを含む2種以上の固溶体、あるいはこれらのいずれかを含む2種以上の積層体からなる膜であることを特徴とする(23)ないし(25)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
(27) 基板の絶縁材料が樹脂とガラス織布またはガラス不織布からなることを特徴とする(23)ないし(26)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
(28) 基板の絶縁材料に用いられている樹脂が熱硬化性樹脂であり,そのガラス転移点温度が170℃以上であることを特徴とする(23)ないし(27)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
(29) 第2のコンデンサ電極が銅からなり,かつ、その表面に、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする(23)ないし(28)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
(30) 第2のコンデンサ電極の表面粗さが0.01〜0.5μmであることを特徴とする(23)ないし(29)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
(31) 第1のコンデンサ電極が銅、銀、錫、ニッケル、亜鉛、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする(23)ないし(30)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
(32) 第1のコンデンサ電極が化学的な反応により金属化された導電性ペーストからなり、その金属が白金,金,銀,銅,錫,パラジウム、ルテニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とする(23)ないし(30)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
(33) (23)ないし(32)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板に半導体チップを搭載させたことを特徴とする半導体装置。
C.さらに、本発明は次の実施形態に関する。
(1) 金属箔の片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を、金属箔が絶縁材料と接するように絶縁材料の少なくとも片面に設けた基板を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)基板表面の誘電体薄膜上の所定の位置にコンデンサ電極となる金属層を形成する工程と、2)少なくとも基板表面の前記金属層上にエッチングレジストを形成する工程と、3)キレート剤と過酸化水素を含むエッチャントによって、誘電体薄膜をウェットエッチングする工程と、4)ウェットエッチング後にエッチングレジストを除去する工程とを有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(2) エッチャントのキレート剤濃度が0.001〜0.5mol/lであり、かつ、過酸化水素濃度が1〜50wt%であり、かつ、エッチャントのpHが2〜7の範囲であることを特徴とする(1)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(3) キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、イミノ二酢酸(IDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)及びこれらのアルカリ塩からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする(1)又は(2)に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(4) 金属箔の片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を、金属箔が絶縁材料と接するように絶縁材料の少なくとも片面に設けた基板を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)基板表面の誘電体薄膜上の所定の位置にコンデンサ電極となる金属層を形成する工程と、2)少なくとも基板表面の前記金属層上にエッチングレジストを形成する工程と、3)硫酸、塩酸、りん酸、硝酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1つの酸と過酸化水素を含むエッチャントによって、誘電体薄膜をウェットエッチングする工程と、4)ウェットエッチング後にエッチングレジストを除去する工程とを有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(5) エッチャントの酸の濃度が1〜30wt%であり、かつ、過酸化水素濃度が1〜50wt%であることを特徴とする(4)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(6) エッチングレジストとして感光性ドライフィルムを用いることを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(7) 感光性ドライフィルムの膜厚が、感光性ドライフィルムによって形成されたエッチングレジストによりウェットエッチングから保護されるコンデンサ電極となる金属層の厚みの1〜3倍であることを特徴とする(6)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(8) 誘電体薄膜のウェットエッチングが、液温20〜45℃のエッチャントで行われることを特徴とする(1)〜(7)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(9) 誘電体薄膜が、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム及びジルコン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む固溶体、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む積層体からなる膜であることを特徴とする(1)〜(8)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
D.さらに、本発明は以下の実施形態に関する。
(1) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)金属箔Bの任意の箇所をエッチング除去して、上記絶縁材料から形成された絶縁層を露出させる工程と、3)レーザ照射により、露出された絶縁層を除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、4)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、5)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状のコンデンサ電極Aパターンをエッチングで形成する工程と、6)露出された誘電体薄膜からコンデンサ電極Aパターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、7)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aからコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状のコンデンサ電極Bをエッチングで形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(2) (1)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、5)又は7)のエッチング工程において、基板の金属箔Bを積層した面に任意の形状の回路を形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(3) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)金属箔Bの任意の箇所にレーザ照射することにより、金属箔Bと上記絶縁材料から形成された絶縁層とを同時に除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、3)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、4)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状のコンデンサ電極Aパターンをエッチングで形成する工程と、5)露出された誘電体薄膜からコンデンサ電極Aパターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、6)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aからコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状のコンデンサ電極Bをエッチングで形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(4) (3)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、4)又は6)のエッチング工程において、基板の金属箔Bを積層した面に任意の形状の回路を形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(5) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)基板表面の少なくとも誘電体薄膜側に金属層を形成する工程と、3)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状のコンデンサ電極Aパターンをエッチングで形成する工程と、4)露出された誘電体薄膜からコンデンサ電極Aパターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、5)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aにコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状のコンデンサ電極Bをエッチングで形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(6) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)基板表面の少なくとも誘電体薄膜側に金属層を形成する工程と、3)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状のコンデンサ電極Aパターンをエッチングで形成する工程と、4)露出された誘電体薄膜からコンデンサ電極Aパターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、5)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aからコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状のコンデンサ電極Bをエッチングで形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(7) (5)又は(6)のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、3)又は5)のエッチング工程において、基板の金属箔Bを積層した面に任意の形状の回路を形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(8) 上記誘電体薄膜と上記金属層との間に、クロム、モリブデン、チタン及びニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種の他の金属層を形成する工程を含むことを特徴とする(1)〜(7)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(9) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)金属箔Bの任意の箇所をエッチング除去して、上記絶縁材料から形成された絶縁層を露出させる工程と、3)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、4)穴内を含む基板の両面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、5)コンデンサ電極Aとなる部分と穴部を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、6)金属めっきにより、上記のコンデンサ電極Aとなる部分と穴部を含む部分に導体パターンを形成する工程と、7)金属めっきレジストを除去する工程と、8)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、9)露出された誘電体薄膜からコンデンサ電極Aパターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、10)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状のコンデンサ電極Bを形成する工程と、11)露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(10) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)金属箔Bの任意の箇所にレーザ照射することにより、金属箔Bと上記の絶縁材料から形成された絶縁層とを同時に除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、3)穴内を含む基板の両面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、4)コンデンサ電極Aとなる部分と穴部を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、5)金属めっきにより、上記のコンデンサ電極Aとなる部分と穴部を含む部分に導体パターンを形成する工程と、6)金属めっきレジストを除去する工程と、7)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、8)露出された誘電体薄膜から、コンデンサ電極Aパターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、9)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状のコンデンサ電極Bを形成する工程と、10)露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(11) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されているプリプレグを介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)基板の少なくとも誘電体薄膜側の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、3)コンデンサ電極Aとなる部分を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、4)金属めっきによりコンデンサ電極Aとなる部分を含む部分に導体パターンを形成する工程と、5)金属めっきレジストを除去する工程と、6)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、7)露出された誘電体薄膜から、コンデンサ電極Aパターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、8)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状のコンデンサ電極Bを形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(12) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されているプリプレグを介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)基板の少なくとも誘電体薄膜側の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、3)コンデンサ電極Aとなる部分を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、4)金属めっきによりコンデンサ電極Aとなる部分を含む部分に導体パターンを形成する工程と、5)金属めっきレジストを除去する工程と、6)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、7)露出された誘電体薄膜から、コンデンサ電極Aパターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、8)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状のコンデンサ電極Bを形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(13) 少なくとも誘電体薄膜の表面に形成する0.1〜5μmの金属層が:クロム、モリブデン、チタン及びニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属層であるか;銅、銀、錫、ニッケル及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属層であるか;又は、クロム、モリブデン、チタン及びニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属層と銅、銀、錫、ニッケル及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属層とを含むものであることを特徴とする(9)〜(12)のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(14) 金属めっきにより形成される導体パターンが、銅、銀、錫、ニッケル及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とする(9)〜(13)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(15) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて金属層を形成して所望のコンデンサ電極Aを形成する工程と、3)誘電体薄膜の少なくともコンデンサ電極Aを含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、4)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状のコンデンサ電極Bを形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(16) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて金属層を形成して所望のコンデンサ電極Aを形成する工程と、3)誘電体薄膜の少なくともコンデンサ電極Aを含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、4)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状のコンデンサ電極Bを形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(17) 金属箔Aの表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)金属箔Bの任意の箇所をエッチング除去して、上記絶縁材料から形成された絶縁層を露出させる工程と、4)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、5)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、6)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望のコンデンサ電極A及びコンデンサ電極Bを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(18) 金属箔Aの表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)金属箔Bの任意の箇所にレーザ照射することにより、金属箔Bと上記絶縁材料から形成された絶縁層を同時に除去して穴を形成して金属箔Aを露出させる工程と、4)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、5)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望のコンデンサ電極A及びコンデンサ電極Bを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(19) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)基板の少なくともコンデンサ誘電体を有する表面に金属層を形成する工程と、4)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望のコンデンサ電極A及びコンデンサ電極Bを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(20) 金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)基板の少なくともコンデンサ誘電体を有する表面に金属層を形成する工程と、4)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望のコンデンサ電極A及びコンデンサ電極Bを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(21) 化学的な反応により金属化される導電性ペーストが、金、白金、銀、銅、パラジウム及びルテニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属粒子を含み、かつその金属粒子の平均粒径が0.1〜10nmであることを特徴とする(6)、(12)、(15)、(16)又は(20)に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(22) 誘電体薄膜をエッチング除去する方法が、イオンビームエッチング法、RIE(Reactive Ion Etching)法又は溶液エッチング法のいずれかであることを特徴とする(1)〜(21)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(23) コンデンサ電極Bが多層配線板のグランド層又は電源層であることを特徴とする(1)〜(22)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(24) 基板の絶縁層の形成に用いられる絶縁材料が樹脂とガラス織布又はガラス不織布からなるプリプレグであることを特徴とする(1)〜(23)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(25) 基板の絶縁層の形成に用いられる絶縁材料が、樹脂として熱硬化性樹脂を含有するプリプレグであって、その熱硬化性樹脂のガラス転移点温度が170℃以上であることを特徴とする(1)〜(24)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(26) 誘電体薄膜がチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛及びニオブ酸マグネシウム酸鉛−チタン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む固溶体、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む積層体からなる膜であるコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いたことを特徴とする(1)〜(25)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(27) 金属箔Aが銅からなり、かつ誘電体薄膜が形成される面に銅の酸化保護皮膜となる金属として、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いたことを特徴とする(1)〜(26)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(28) 金属箔Aが銅からなり、かつ誘電体薄膜が形成される面に安定した自己酸化皮膜を形成する金属として、クロム、モリブデン、チタン及びニッケルからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いたことを特徴とする(1)〜(26)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(29) 金属箔Aの誘電体薄膜が形成される面の表面粗さが0.01〜0.5μmであるコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いたことを特徴とする(1)〜(28)いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
本明細書において開示の内容は、日本国特許出願 2003−077695(出願日2003年3月20日)、2003−078324(出願日2003年3月20日)、2003−368857(出願日2003年10月29日)および2003−376604(出願日2003年11月6日)に含まれる主題に関するものであって、これらを、全体を本明細書の一部として組み込む。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例におけるコンデンサ内蔵多層配線板用材料を示す断面図である。第2図は、実施例A−1と実施例A−2及び実施例A−5のプロセスを示す断面図である。第3図は、実施例A−3のプロセスを示す断面図である。第4図は、実施例A−4のプロセスを示す断面図である。第5図は、実施例A−6のプロセスを示す断面図である。第6図は、実施例A−7のプロセスを示す断面図である。第7図は、実施例A−8のプロセスを示す断面図である。第8図は、比較例A−1のプロセスを示す断面図である。
また、第9図から第11図は、本発明の実施例Bに用いた内層基板を示す断面図である。第12図は、実施例B−1のプロセス及び実施例B−4とB−5のプロセスの一部を示す断面図である。第13図は、実施例B−6のプロセスを示す断面図である。第14図は、実施例B−7のプロセスを示す断面図である。第15図は、実施例B−8のプロセスを示す断面図である。第16図は、比較例B−1のプロセスを示す断面図である。
さらに、第17〜19図は、実験例C−1〜C−9の製造工程を示す断面図である。
さらに、第20図は、実施例D−1のプロセスを示す断面図である。第21図は、実施例D−2のプロセスを示す断面図である。第22図は、実施例D−3のプロセスを示す断面図である。第23図は、実施例D−4および実施例D−5のプロセスを示す断面図である。第24図は、実施例D−6のプロセスを示す断面図である。第25図は、実施例D−7のプロセスを示す断面図である。第26図は、実施例D−8および実施例D−9のプロセスを示す断面図である。第27図は、実施例D−10および実施例D−11のプロセスを示す断面図である。第28図は、実施例D−12のプロセスを示す断面図である。第29図は、実施例D−13のプロセスを示す断面図である。第30図は、実施例D−14および実施例D−15のプロセスを示す断面図である。第31図は、比較例D−1のプロセスを示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
(コンデンサ内蔵多層配線板用材料)
本発明の一実施態様は、金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料に関する。この多層配線板用材料では、金属箔表面に誘電体薄膜を形成するために、均一な膜厚の誘電体薄膜を得ることが容易であり、コンデンサ容量のばらつきが小さい。
誘電体薄膜の膜厚は、絶縁性を確保してリーク電流を抑えるためには0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。また、経済性を考慮すると2μm以下の膜厚が好ましく、1μm以下がさらに好ましい。したがって、膜厚としては0.05〜2μmが好ましく、0.1〜1μmがさらに好ましいものである。500pF/mm以上の容量密度を得るために必要な比誘電率は、膜厚が0.05μmの場合に2.9以上、0.1μmの場合に5.7以上、1μmの場合に57以上、2μmの場合に113以上である。したがって、比誘電率として2.9〜113の薄膜誘電体を用いれば、0.05〜2μmの膜厚で500pF/mmの薄膜キャパシタを形成可能である。しかし、薄膜誘電体の比誘電率が高いほど内蔵キャパシタの小型化に優位性があり、10〜2000が好ましく、20〜2000がさらに好ましい。ここで、比誘電率とは、25℃に温度管理された環境の下でIPC−650 2.5.5.2に準じて1MHzの周波数で測定した値を指し示す。また、膜厚の値は、電極を形成したコンデンサの断面を走査型電子顕微鏡に挙げられるような0.05μm未満の厚みを観察可能な装置を用いて得ることが可能である。
誘電体薄膜としては、比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜を形成できれば限定するものではないが、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸マグネシウム酸鉛−チタン酸鉛などの誘電体からなる膜を用いることが好ましい。この時に2種類以上の固溶体や積層体も用いることができる。一般的にペロブスカイト結晶構造を持つ金属酸化物は高い比誘電率を示すことが知られており、好ましく用いることができる。
金属箔としては、例えば、銅箔、銀箔、錫箔、ニッケル箔、亜鉛箔が挙げられる。これらの中でも、電気的な特性と経済性考慮すると銅箔が好ましい。金属箔の厚さは、10〜50μmが好ましい。銅箔を用いる場合には、銅箔の表面に、銅の酸化保護皮膜となる金属の層および/または安定した自己酸化皮膜を形成する金属の層を設けることが好ましい。これらの皮膜は、0.1〜3μmであることが好ましい。
銅の酸化保護皮膜となる金属の層として、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、イリジウムなどの金属膜が好ましい。金属箔として銅箔を用いた場合、銅の表面に金属酸化物の誘電体薄膜を直接形成すると、金属酸化物から銅に酸素が供給されて界面に酸化銅が発生し、密着性を低減させる。したがって、金属酸化物から供給される酸素を遮断し、かつ銅との密着性を確保する酸化保護皮膜を形成することが好ましい。
自己酸化皮膜を形成する金属の層として、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルなどの金属膜が好ましい。金属箔に銅箔を用いた場合、酸化銅の発生により密着性が低減する可能性があるため、金属酸化物の誘電体薄膜から供給される酸素を遮断し、かつ銅との密着性を確保する自己酸化皮膜を形成することが好ましい。
金属箔の表面粗さは0.01〜0.5μmであることが好ましい。誘電体薄膜の厚みは、前記の通り、好ましくは0.05〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1μmである。誘電体薄膜を形成する基板の表面粗さは、少なくとも誘電体薄膜の厚みよりも低いことが必要であり、リーク電流等の絶縁膜としての信頼性を確保するためには、誘電体薄膜の厚みの50%未満であることが好ましい。したがって0.025〜0.5μmの表面粗さが好ましいが、信頼性を確固とするためには表面粗さを0.01〜0.5μmとすることが最も好ましい。ここで、表面粗さとは、表面を走査型顕微鏡を用いて観察し、任意の十点における凹凸の差の平均値を指し示す。
誘電体薄膜の金属箔への形成方法は、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法またはゾルゲル法により形成してもよい。
真空蒸着法は、1.3×10−4Pa以下の高真空中で薄膜材料を加熱蒸着させ、この蒸発粒子を基板上に付着させて誘電体薄膜を形成する技術である。イオンプレーティング法は、真空蒸着膜の基板への付着強度を高めるために、蒸発粒子をイオン化し電界により加速してから基板に付着させて誘電体薄膜を形成する技術である。CVD法は、薄膜を形成する元素を含むハロゲン化物、硫化物、水素化物、有機金属化合物などを高温中あるいはプラズマ中で熱分解・酸化・還元・重合あるいは気相化学反応などさせたのちに、薄膜組成を基板上に付着させて誘電体薄膜を形成する技術である。スパッタリング法は、イオンをターゲットに照射し、スパッタ蒸発したターゲット物質を基板上に付着させて誘電体薄膜を形成する技術である。ゾルゲル法は、薄膜を形成する元素を含むゾル溶液を基板上にコーティングし、縮合反応によりゲル化させたのちに高温アニールして誘電体薄膜を形成する技術である。
誘電体薄膜を金属箔表面に形成する際には、ロール状の金属箔を用い、かつ温度が一定に管理された加熱炉内を連続的に金属箔を移動させながら誘電体薄膜を形成することが好ましい。連続処理を行うことにより、均一の品質の誘電体薄膜を形成することが可能となり、経済的にも優れる。
(コンデンサ内蔵多層配線板用基板)
さらに、本発明の一実施形態は、基板内部に導体層間を接続するバイアホールを有し,かつ、表面に平滑な金属層を有する基板の表面に、比誘電率が10〜2000で、かつ、膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜を形成したコンデンサ内蔵多層配線板用基板に関する。
この実施形態によると、基板内部にバイアホールを有する基板を用いることにより、コンデンサ電極と接続する配線パターンを任意に設計することが可能となる。また、表面が平滑な金属層表面に誘電体薄膜を形成するために均一な膜厚の誘電体薄膜を得ることが容易であり、コンデンサ容量のばらつきも小さい。
金属層としては、銅が好ましく、銅箔の表面に酸化保護皮膜および/または自己酸化皮膜を設けて銅の酸化を防ぐことが好ましい。誘電体薄膜については、コンデンサ内蔵多層配線板用材料に用いる誘電体薄膜と同様のものを用いることができ、前記と同様に形成できる。
バイアホールによる導体層間の接続は、金属めっきまたは導電性ペーストにより行うことができる。
金属めっきとしては、銅、銀、ニッケル、亜鉛、錫などの金属やそれらの合金を用いることができる。金属めっきによる層間の接続方法は、1)金属張り積層板にドリル穴明けやレーザ穴明けにより貫通穴を形成、2)めっき触媒付与、3)薄付け無電解めっき、4)厚付け電気めっき、5)熱硬化性穴埋め樹脂を貫通穴へ充填、6)熱硬化性穴埋め樹脂を硬化、7)基板表面の平滑化を目的とした研磨、8)めっき触媒付与、9)薄付け無電解めっき、10)厚付け電気めっきする方法により、行ってもよい。厚付け電気めっきを厚付け無電解めっきとしてもよい。
導電性ペーストとしては、金属フィラーと樹脂とからなる導電性ペースト、または化学的な反応により金属化される導電性ペーストが挙げられる。
金属フィラー(金属粉)と樹脂とからなる導電性ペーストとしては、金属フィラーと熱硬化性樹脂からものが好ましい。金属フィラーとしては、例えば、銀、銅、錫、亜鉛又はその合金等が挙げられる。その粒径は、0.5〜10μmである。熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。導電性ペースト中の金属フィラーの含有量は、60〜80体積%であることが好ましい。熱硬化性樹脂と金属フィラーとからなる導電性ペーストとしては、市販品として、DDペースト(タツタシステム・エレクトロニクス株式会社製、商品名)、ドータイト(藤倉化成株式会社製、商品名)、ユニメック導電性ペースト(ナミックス株式会社製、商品名)等を用いることができる。
化学的な反応により金属化される導電性ペーストは、熱硬化性樹脂と金属フィラーとからなる導電性ペーストに対して体積抵抗率が低く、電気特性的に有利である。このような導電性ペーストとしては、例えば、微細な金属粒子、分散剤、溶剤からなるペーストが挙げられる。この導電性ペースト中の金属粒子の含有量は、60〜80重量%が好ましい。化学的な反応により金属化される導電性ペーストの金属粒子としては、例えば、金、白金、銀、銅、パラジウム、ルテニウムなどが挙げられる。その平均粒径が0.1〜10nmであることが好ましい。この導電性ペーストは、ガス中蒸発法で形成された非常に微細な金属粒子が、分散剤で保護されているため、室温では、液体とほとんど同じ挙動を示し、印刷、塗布、含浸等で回路形成などが可能である。また、一定温度(150〜200℃)まで加熱すると、補足物質が活性化し、分散剤を除去するなどの化学的な反応により、微細な金属粒子間を接触させ、融合と融着を加速し、金属化された電気伝導体を形成する性質を有する。積層のための加熱加圧時の温度、すなわち金属の融点に達しない温度で金属化させるためには、0.1〜10nmの金属粒子を用いて反応活性を上げることが好ましい。また、酸素との反応を抑制するために、酸化しにくい金属である金、白金、銀、銅、パラジウム、ルテニウムなどの金属粒子を用いることが好ましい。このような化学的な反応により金属化される導電性ペーストとして、ナノペースト(ハリマ化成株式会社製、商品名)などの市販品を用いることができるが、これに限定したものではない。
導電性ペーストを用いた層間の接続方法は、1)絶縁層となるプリプレグにドリル穴明けやレーザ穴明けにより貫通穴を形成する工程、2)導電性ペーストを貫通穴へ充填する工程、3)金属箔で挟み、加圧加熱し硬化させる工程を含んでいてもよい。加熱する温度は、25℃〜350℃であることが好ましい。350℃を超えると一般的な樹脂においては、熱分解が起こるためである。
金属めっきおよび導電性ペーストのいずれによる層間の接続においても、2層基板に限定するものではなく、3層以上の基板においても基板内部に導体層間を接続するバイアホールが金属により電気的に接続されていてもよい。
基板に用いる絶縁材料は、樹脂とガラス織布またはガラス不織布からなることが好ましい。基板の加熱処理を行うためには高温においても基板の剛性を確保することが必要である。したがって、樹脂と無機フィラーのみからなる絶縁材料や樹脂とセルロースや合成樹脂などの紙からなる絶縁材料等を用いるよりも、樹脂とガラス織布またはガラス不織布からなる絶縁材料を用いることが好ましいものである。また、耐熱性の高いフッ素樹脂やポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂やポリイミドやポリアミドイミドなどの熱硬化性樹脂のシートを用いることも可能であるが、経済性に劣る。織布や不織布の材質は、高温における剛性の高い、すなわち弾性率の高いものであれば限定するものではなく、Dガラス,EガラスやSガラスなどが使用可能である。
基板の絶縁材料に用いられている樹脂は、熱硬化性樹脂であり,そのガラス転移点温度が170℃以上であることが好ましい。熱硬化性樹脂とガラス織布またはガラス不織布からなる絶縁材料を用いた基板は加工性や経済性に優れている。また、ガラス転移点温度が170℃以上であることにより、誘電体薄膜の形成時の熱による劣化を抑えることが可能となる。ガラス転移点温度が170℃以上である熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、変性ポリイミド樹脂、変性トリアジン樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、変性シアネートエステル樹脂などを用いることができるが、限定するものではない。エポキシ樹脂を用いた基板材料としては、市販のものとして、MCL−E−679、MCL−E−679F(以上、日立化成工業株式会社製、商品名)、R−1755、R−1515(以上、松下電工株式会社製、商品名)、ELC−4781(住友ベークライト株式会社製、商品名)、CS−3665、CS−3365S、CS−3287(以上、利昌工業株式会社製、商品名)などを使用できる。また、変性ポリイミド樹脂を用いた銅張積層板としては、市販のものとして、MCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)、R−4705(松下電工株式会社製、商品名)などを使用できる。また、変性トリアジン樹脂を用いた銅張積層板としては、市販のものとして、CCL−830、CCL−832、CCL−832HS(以上、三菱ガス化学株式会社製、商品名)などを使用できる。また、変性ポリフェニレンエーテル樹脂を用いた銅張積層板としては、CS−3376B(利昌工業株式会社製、商品名)、TLC−W−596(京セラケミカル株式会社製、商品名)などを使用できる。上記の各々の銅張り積層板に対応する多層化絶縁材料(プリプレグ)も、各メーカから市販されており、用いることが可能である。
(コンデンサ内蔵多層配線板)
コンデンサ内蔵多層配線板は、上記のコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いて、この銅箔面に絶縁層を介して導体回路を有する基板を積層し、コンデンサの形成および銅箔と導体パターンとの導通を行うことにより製造してもよい。また、コンデンサ内蔵多層配線板は、上記のコンデンサ内蔵多層配線板用基板を用いて、コンデンサの形成を行うことにより製造してもよい。さらに、上記のコンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔(以下、金属箔Aとする。)に絶縁層を介して金属箔(以下、金属箔Bとする。)を積層し、コンデンサの形成および金属箔Aおよび金属箔Bの導通を行うことにより製造してもよい。以下これらについて説明する。
(第1のコンデンサ電極の形成)
基板表面の誘電体薄膜上にコンデンサ電極(以下、第1のコンデンサ電極とする。)を形成する。
第1のコンデンサ電極の厚みは10〜50μmが好ましい。10μm未満の場合には、電極1の外層にさらに絶縁層を形成したときに電極の引き出しパターンとして非貫通穴を設ける際、レーザ加工をすると誘電体薄膜の下の金属層がダメージを受け、破損しやすいという問題が発生し易い。また、50μmを超えると、エッチングで電極パターンを形成する際の加工精度が劣る場合がある。
誘電体薄膜上の所定の位置に第1のコンデンサ電極を形成する方法としては、誘電体薄膜上の全面に金属層を形成した後、エッチングにより形成する方法(第1の方法)、めっきレジスト形成後、金属めっきを行う方法(第2の方法)、および導電性ペーストにより印刷する方法(第3の方法)などがある。
第1の方法は、金属めっきまたはスパッタリングにより10〜50μmの金属層を形成する工程と、任意の箇所をエッチング除去する工程とを含んでいてもよい。第1のコンデンサ電極となる金属層としては、種々の金属が挙げられるが、電気的特性および経済性を考慮すると銅が好ましい。金属層として銅を用いる場合は、誘電体薄膜からの酸素の移動による銅の酸化を防ぐため、金属層にクロム、モリブデン、チタンまたはニッケルなどをさらに含めるか、あるいは、金属層と誘電体薄膜の間にクロム、モリブデン、チタンまたはニッケルなど自己酸化被膜となる金属層を設けることが好ましい。
第2の方法は、誘電体薄膜の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残して金属めっきレジストを形成する工程と、金属めっきにより10〜50μmの第1のコンデンサ電極を形成する工程と、金属めっきレジストをエッチング除去する工程と、誘電体薄膜の表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程とを含む。0.1〜5μmの金属層としては、種々の金属が挙げられるが、電気的特性と経済性を考慮すると銅が好ましい。銅を用いる場合には、銅の酸化を防止するために、0.1〜5μmの金属層との間に自己酸化性被膜を形成する金属層を設けることが好ましい。自己酸化性皮膜を形成する金属層は、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルなどの金属層が好ましい。金属めっきにより形成された10〜50μmの金属層としては、電気的特性および経済性を考慮すると、銅、銀、錫、ニッケルまたは亜鉛を含むことが好ましい。めっきレジストとしては、例えば、フォテックH−9330(商品名、日立化成工業株式会社製)を使用することができる。めっきレジストのエッチング液および0.1〜5μmの金属層のエッチング液としては、公知のものを使用できる。
第3の方法は、誘電体薄膜上の第1のコンデンサ電極を形成する任意の箇所に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを印刷し、硬化させる工程を含んでいてもよい。また、第1のコンデンサ電極となる箇所を含む部分に導電性ペーストを印刷し、不要な箇所をエッチングして第1のコンデンサ電極を形成してもよい。化学的な反応により金属化される導電性ペーストとしては、コンデンサ内蔵多層配線板用基板に使用できる前記の導電性ペーストが使用できるが、特に金属粒子の平均粒径が0.1〜10nmのものが好ましい。化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いることにより、処理工程数の多いめっきプロセスを用いることなく第1のコンデンサ電極が形成でき、コンデンサ内蔵多層配線板の製造日数を低減することができる。
(コンデンサ誘電体の形成)
前記のコンデンサ内蔵多層配線板用材料または基板の誘電体薄膜を、コンデンサ誘電体となる箇所を残してエッチング除去することにより、コンデンサ誘導体を形成する。
エッチング除去する方法としては、例えば、イオンビームエッチング法、RIE(Reactive Ion Etching)法やウェットエッチング法が挙げられる。
イオンビームエッチング法は、アルゴン等の不活性ガスのイオンを電界により加速してから基板に照射し誘電体薄膜を除去する技術である。
RIE法は、減圧強電界下で、フロン系ガスなどの反応性のガスプラズマを発生させ、それにより誘電体薄膜を除去する技術である。
ウェットエッチング法は、エッチング溶液(エッチャント)などの誘電体を溶解せしめることが可能なエッチング溶液(エッチャント)を用いて誘電体薄膜を除去する技術である。エッチャントとしては、公知のものを用いることができ、例えば、フッ酸を含んだ溶液、アンモニアおよび過酸化水素含む水溶液、およびEDTA、アンモニアおよび過酸化水素を含む水溶液などが挙げられる。しかし、フッ酸は反応性が高いことから危険性がある。アンモニアおよび過酸化水素含む水溶液、およびEDTA、アンモニアおよび過酸化水素を含む水溶液は、アルカリ性である。そのため、エッチングによってパターニングを行う場合、エッチングレジストには耐アルカリ性のレジスト、すなわちゴム系レジストなどを用いる必要がある。このようなレジストでは現像液や剥離液に特殊な薬品や溶剤を用いていることから専用の設備を設ける必要がある。そこで、次の2つの方法によるエッチャントを用いる方法により誘電体薄膜のエッチングを行ってもよい。
2つの方法とは、キレート剤と過酸化水素を含むエッチャントを用いる方法(第1の方法)、および硫酸、塩酸、りん酸、硝酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1つの酸と過酸化水素を含むエッチャントを用いる方法(第2の方法)である。第1と第2の方法において行う誘電体薄膜のエッチングはウェットエッチングであり、ドライプロセスによるエッチングに比べ生産性に優れている。また、大型基板にも対応できるため経済的である。さらには、通常のフォトリソプロセスで使用するアルカリ現像型のエッチングレジストを使用するため、専用の設備を設ける必要がなく、特殊な薬液も使用しないため安価であり、かつ効率良く薄膜パターニングを行うことが可能である。
第1の方法では、誘電体薄膜のエッチャントとして、キレート剤と過酸化水素を含むものを用い、通常、エッチャントは水溶液である。フッ酸を用いずにキレート剤と過酸化水素を含む水溶液により誘電体薄膜をエッチングすることができるため、薬液の取り扱いが容易であり危険性を低減することができる。また、キレート剤や過酸化水素は通常のプリント配線板製造プロセスで使用されているものであり、使用に際して新たに大きな負荷がかかることがない。エッチャントのキレート剤濃度は、0.001〜0.5mol/lとするのが望ましい。誘電体薄膜のエッチングには、最低0.001mol/lが必要であり、限界濃度である0.5mol/lまでの範囲で任意に設定することができる。さらに望ましくは、0.1〜0.3mol/lとすることにより、安定性の良いエッチングレートを得ることができる。また、過酸化水素濃度は1〜50wt%とするのが望ましい。この範囲内で過酸化水素濃度を任意に設定することでエッチングレートの調整が可能である。使用上最低限許容されるエッチングレートを得るためには、少なくとも1wt%の過酸化水素が必要であり、薬液の取扱い性に問題のない50wt%までの範囲で任意に設定することができる。さらに望ましくは、20〜30wt%とすることで適正なエッチングレートを得ることができ、かつ液濃度の管理も容易に行うことが可能となる。上述した濃度に管理されたエッチャントは、酸性エッチャントであり、エッチャントのpHは2〜7の範囲で管理されることが望ましい。なお、緩衝液によりpHをアルカリ側に調整することも可能であるが、その場合、耐アルカリ性のエッチングレジストを用いる必要があり、耐アルカリ性を有するレジストは一般に専用の設備や薬液が必要である。従って、前記の理由からも、エッチャントのpHは2〜7の範囲で管理されることが望ましい。
本発明に用いるキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、イミノ二酢酸(IDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)及びこれらのアルカリ塩の群から選ばれる少なくとも1つのキレート剤であることが、好ましい。前記のキレート剤は水溶性であることから、NHOH、NaOHなどのアルカリ溶液を用いる必要がない。これは前述した酸性エッチャントを得るために有効であり、レジストの選択が容易であることに加え、薬液コストの低減にも寄与するものである。
第2の方法において用いられる誘電体薄膜のエッチャントは、硫酸、塩酸、りん酸、硝酸及び酢酸からなる群から選ばれる酸と過酸化水素を含み、通常、水溶液である。前記の酸は、通常の配線板製造にも使用されるものであり、フッ酸に比べ取り扱いが容易である。これらの酸と過酸化水素の水溶液により、容易に誘電体薄膜をエッチングすることが可能となるものである。
エッチャントの硫酸、塩酸、りん酸、硝酸及び酢酸からなる群から少なくとも1つ選ばれる酸の濃度を1〜30wt%とするのが好ましい。より高濃度にするほどエッチングレートを高くすることが可能であるが、薬液の取り扱いが難しくなる。したがって、濃度は30wt%を上限とするのが好ましい。また、使用上最低限許容されるエッチングレートを得るためには1wt%以上とするのが好ましい。さらに好ましくは、5〜30wt%とすることで取扱い性に優れ、かつ適正なエッチングレートを得ることが可能である。また、薬液の取り扱いも容易で優れたエッチングレートを得ることが可能となるものである。
第1と第2の方法において、少なくとも基板表面の所定の位置に形成されたコンデンサ電極となる金属層上にエッチングレジストが形成されていればよい。エッチングレジストとしては、市販の感光性ドライフィルムやアルカリ現像型レジストインクなどが、使用できるが、感光性ドライフィルムを用いることが好ましい。感光性ドライフィルムは、プリント配線板製造プロセスで最も汎用なレジスト材である。低コストなレジスト形成が可能なばかりでなく、作業性にも非常に優れている。使用するエッチングレジストは特に限定されるものではないが、例えばFX140(デュポンMRCドライフィルム株式会社製、商品名)、NIT240(ニチゴー・モートン株式会社製、商品名)、H−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)などを用いることができる。なお、市販のアルカリ現像型レジストインクとしては、PER−20(太陽インキ製造株式会社製、商品名)などが挙げられる。エッチングレジストを、基板表面のコンデンサ電極となる金属層上と誘電体薄膜上に形成し、回路パターンを焼き付け、さらに現像を行う。なお、現像には炭酸ナトリウム水溶液、エッチングレジストの剥離には水酸化ナトリウム水溶液を用いることができ、環境に対する負荷が小さいことも特長である。また、スクリーン印刷などで、インク状エッチングレジストを用い、コンデンサ電極となる金属層上のみに、エッチングレジストを形成してもかまわない。
感光性ドライフィルムを用いる場合、その膜厚は、コンデンサ電極となる金属層の1〜3倍の厚みであることが望ましい。保護される金属層の厚みより薄い場合では、金属層と被エッチング層表面の段差の埋込み性が悪くボイドが発生し、エッチング不良を招きやすい。また、3倍を超えると、エッチング性が低下するためパターンの微細化が困難となる。さらに望ましくは金属層の2〜3倍とすることである。2〜3倍とすることで、段差に対して良好な追従性を有し、かつエッチング性にも優れるからである。
第1と第2の方法において、誘電体薄膜のエッチングが20〜45℃で行われるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法である。20℃を下回るとエッチングレートが著しく低下するためエッチングに多大な時間を要し不経済である。また、45℃を超えるとレジストの密着性が低下し、エッチング不良を招きやすくなる。したがって、エッチング温度は20〜45℃とするのが好ましい。より好ましくは20〜30℃とすることにより良好なエッチングレートとレジスト密着性を両立でき、作業性と歩留りの向上が図れるものである。
誘電体薄膜と第1のコンデンサ電極との間に、前記の酸化保護皮膜または自己酸化皮膜として金属層を設けることが好ましい。コンデンサ内蔵多層配線板用材料に用いたものと同様のものを用いることができる。
(第2のコンデンサ電極の形成)
前記のコンデンサ内蔵多層配線板用材料またはコンデンサ内蔵多層配線板用基板に含まれる金属箔または金属層を、任意の部分を残してエッチングすることにより、コンデンサ電極(第2のコンデンサ電極)を得ることができる。エッチングは公知の方法により行うことができる。
第2のコンデンサ電極の形成は、第1のコンデンサ電極の形成と同時または第1のコンデンサ電極の形成後に行ってもよい。特に、第2のコンデンサ電極の形成を第1のコンデンサ電極の形成と同時に行うと、製造プロセス工程が簡略化され、製造日数が低減し、経済性に優れる。この場合には、コンデンサ誘電体を形成して、その上に第1のコンデンサ電極となる金属層を形成した後、第1および第2のコンデンサ電極を同時にエッチングする。
第2のコンデンサ電極が多層配線板のグランド層または電源層と共通である場合には、第2のコンデンサ電極をグランド層または電源層の層に用いることが好ましい。一般的にグランド層または電源層のパターンは配線パターンよりも大きな面積を有する。本発明において作製されるコンデンサ電極の面積は、誘電体薄膜上に形成される第1のコンデンサ電極よりも誘電体薄膜を形成するときに基板表面を被覆していた金属層をパターニングして形成した第2のコンデンサ電極の方が大きくなるために、第2のコンデンサ電極をグランド層または電源層に用いることが好ましいとするものである。
(第2のコンデンサ電極と導体回路を有する基板の導体との接続)
本発明の一実施形態である、コンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いてコンデンサ内層多層配線板を製造する場合は、コンデンサ内蔵多層層配線板用材料の銅箔面に、絶縁層を介して導体回路を有する基板を積層してもよい。このコンデンサ内層多層配線板においては、第2のコンデンサ電極と導体回路との接続は:絶縁層を除去して電解めっきによって接続してもよいし(第1の方法);予め導電性ペーストが貫通穴に充填された絶縁層を用いることにより接続させてもよい(第2の方法)。
第1の方法は、第1および第2のコンデンサ電極およびコンデンサ誘電体を形成後、レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と;その基板表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と;穴を含む任意の箇所を除いてめっきレジストを形成する工程と;めっきレジストを形成した箇所以外の基板表面に10〜50μmの金属層を形成して層間の回路パターンを電気的に接続させる工程;基板表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と;少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去する工程を含んでいてもよい。金属層、めっきレジスト等については、第1のコンデンサ電極に用いたものと同様のものを用いることができる。
第2の方法は、絶縁層となるプリプレグ等の絶縁材料にドリルやレーザにより貫通穴を形成する工程と、化学的な反応により金属化される導電性ペーストを、スクリーン印刷等を用いて貫通穴へ充填する工程とを備えていてもよい。導電性ペーストは、前記のコンデンサ内蔵多層配列用基板に用いる導電性ペーストと同様のものを用いることができる。
本発明の一実施形態である、コンデンサ内蔵多層配線板用基板を用いてコンデンサ内蔵多層配線板を製造する場合は、基板内部に導体層間を接続するバイアホールが備えられているので、特に導通は行わなくてよい。
本発明の一実施形態である、コンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いてコンデンサ内層多層配線板を製造する場合には、コンデンサ内蔵多層層配線板用材料の銅箔面に、絶縁層を介して金属箔Bを積層することができる。このコンデンサ内層多層配線板においては、絶縁層および金属箔Bを除去して穴形成後、穴内に金属層を形成することにより接続してもよいし(第1の方法);予め導電性ペーストが貫通穴に充填された絶縁層を用いることにより接続してもよい(第2の方法)。
第1の方法においては、絶縁層の除去はレーザにより行うことができ、金属箔Bの除去はレーザまたはエッチングより行うことができる。レーザを用いて金属箔Bと絶縁層を同時に除去して穴を形成すると、製造プロセス工程が簡略化され、製造日数を低減し、経済性に優れる。このような製造方法を可能とする金属箔Bとしては、レーザ光のエネルギーを吸収しやすい処理を施されていることが好ましい。銅箔の場合、このような処理としては、酸化銅処理、マイクロエッチング処理、粗化めっき処理などの表面粗化処理が有効であり、その表面粗さとしては0.1〜3μmが好ましい。0.1μm未満の場合には、レーザ光の吸収が十分でなく加工性に劣り、3μmを超えると加工精度に劣る。また銅箔の厚みとしては、1〜18μmが好ましい。1μm未満の銅箔は取り扱い性に劣り、18μmを超える銅箔は加工性に劣る。また、銅表面の粗化処理の他にニッケルなどのレーザ光を吸収しやすい金属層を表面に設けても良い。このような金属層や基板表面の金属層を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、無電解めっき法、電解めっき法及びこれらの組み合わせた方法が挙げられる。
次に、形成した穴に金属層を形成することにより、金属箔Bと金属箔A(コンデンサ電極)とを電気的に接続することができる。この電気的な接続は、例えば、電解めっきにより、または導電性ペーストの形成により行うことができる。第1の方法は、穴内を含む基板の両面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、穴部を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、金属めっきにより、穴部を含む部分に導体パターンを形成する工程と、不要な金属めっきレジストを除去する工程と、不要な部分に形成された0.1〜5μmの金属層を除去する工程とを含んでいてもよい。金属層、めっきレジスト等については、第1のコンデンサ電極に用いたものと同様のものを用いることができる。
なお、コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上に金属層2を形成する前に、穴を含む基板表面の両面に金属層を形成すると、穴内の金属層形成と、第1のコンデンサ電極となる金属層の形成が同時に行われるので好ましい。金属層の形成は、穴内を含む基板の両面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、穴部を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、金属めっきにより穴部を含む部分に導体パターンを形成する工程と、金属めっきレジストを除去する工程と、基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程とを備えていてもよい。また、金属箔Bと金属箔A(コンデンサ電極)との電気的な接続は、前に説明した導電性ペーストによって行ってもよい。
第2の方法において、絶縁層となるプリプレグ等の絶縁材料にドリル穴明けやレーザ穴明けにより貫通穴を形成する工程と、化学的な反応により金属化される導電性ペーストを、スクリーン印刷等を用いて貫通穴へ充填する工程とを備えていてもよい。導電性ペーストは、前記のコンデンサ内蔵多層配列用基板に用いる導電性ペーストと同様である。
本発明においては、必要に応じて、基板の両面または片面に、さらに絶縁層を介して回路層を1層以上形成することにより、3層以上のコンデンサ内蔵多層配線板を得ることができる。
本発明の一実施態様において、コンデンサ内蔵多層配線板は、第1のコンデンサ電極を形成する導体層のパターンは全てコンデンサの電極を形成し、誘電体薄膜の投影面は第1のコンデンサ電極の投影面を含み、第2のコンデンサ電極を形成する導体層には第2のコンデンサ電極とこの電極と電気的に絶縁された少なくとも1つのパターンを有することができる。
本発明の一実施態様において、これらの製造方法により作製したコンデンサ内蔵多層配線板においては、第1のコンデンサ電極を形成する金属層のパターンの下部には第2のコンデンサ電極を形成する金属のパターンが存在する。そのために、第1のコンデンサ電極を形成する金属層に配線パターンを形成すると、第2のコンデンサ電極を形成する金属層との間に寄生容量が発生し、電気信号の伝送特性が劣化するという問題が発生し、好ましくない。したがって、配線パターンは第2のコンデンサ電極の金属層に設置することが好ましい。
また、本発明の一実施態様において、これらの製造方法により作製したコンデンサ内蔵多層配線板においては、1)コンデンサの誘電体を形成する誘電体薄膜の投影面に含まれる第1のコンデンサ電極を有し、2)誘電体薄膜の端部は全て第1のコンデンサ電極を形成する導体層が第2のコンデンサ電極に電気的に接続されていてもよい。これによると、製造プロセス工程が簡略化され、製造日数低減や経済性に優れたコンデンサ内蔵多層配線板である。
本発明の一実施態様においては、これらの製造方法により作成したコンデンサ内蔵が多層配線板は、半導体チップを搭載してもよい。コンデンサを基板に内蔵しているため、搭載部品の低減が可能であり、小型の半導体装置を提供できる。
コンデンサ内蔵多層配線板の製造方法を具体的に挙げる。
次の製造方法は、金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法の具体例である。
(a−1) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、3)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、4)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、5)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有する。
(a−2)1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、3)第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残して金属めっきレジストを形成する工程と、4)金属めっきにより10〜50μmの第1のコンデンサ電極を形成する工程と、5)金属めっきレジストを除去する工程と、6)誘電体薄膜の表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、7)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、8)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有する。
(a−3)1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて10〜50μmの金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、3)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、4)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有する。
(a−4)1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)コンデンサ誘電体を形成した基板表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、4)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極、第2のコンデンサ電極およびコンデンサ電極と電気的に絶縁された任意の導体パターンを形成する工程を有する。
(a−5)1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、3)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、4)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、5)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と、6)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と、7)その基板表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、8)穴を含む任意の箇所を除いてめっきレジストを形成する工程と、9)めっきレジストを形成した箇所以外の基板表面に10〜50μmの金属層を形成して層間の回路パターンを電気的に接続させる工程と、10)基板表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、11)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有する。
(a−6)1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、3)第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残して金属めっきレジストを形成する工程と、4)金属めっきにより10〜50μmの第1のコンデンサ電極を形成する工程と、5)金属めっきレジストを除去する工程と、6)誘電体薄膜の表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、7)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、8)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と、9)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と、10)その基板表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、11)穴を含む任意の箇所を除いてめっきレジストを形成する工程と、12)めっきレジストを形成した箇所以外の基板表面に10〜50μmの金属層を形成して層間の回路パターンを電気的に接続させる工程と、13)基板表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、14)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有する。
(a−7)1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて10〜50μmの金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、3)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、4)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と、5)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と、6)その基板表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、7)穴を含む任意の箇所を除いてめっきレジストを形成する工程と、8)めっきレジストを形成した箇所以外の基板表面に10〜50μmの金属層を形成して層間の回路パターンを電気的に接続させる工程と、9)基板表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、10)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有する。
(a−8)1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と、2)誘電体薄膜任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と、4)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と、5)コンデンサ誘電体を形成した基板表面と穴内の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、6)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有する。
次の製造方法は、基板内部に導体層間を接続するバイアホールを有し,かつ、表面に平滑な金属層を有する基板の表面に比誘電率が10〜2000で、かつ、膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜を形成したことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用基板を内層板として用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法の具体例である。
(b−1)1)誘電体薄膜の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、2)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、3)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、4)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有する。
(b−2) 1)誘電体薄膜の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、2)第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残して金属めっきレジストを形成する工程と、3)金属めっきにより10〜50μmの第1のコンデンサ電極を形成する工程と、4)金属めっきレジストを除去する工程と、5)誘電体薄膜の表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、6)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、7)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有する。
(b−3)1)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて10〜50μmの金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、2)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
(b−4)1)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、2)コンデンサ誘電体を形成した基板表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、3)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極、第2のコンデンサ電極およびコンデンサ電極と電気的に絶縁された任意の導体パターンを形成する工程を有する。
次の製造方法は、金属箔の片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を、金属箔が絶縁材料と接するように絶縁材料の少なくとも片面に設けた基板を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法の具体例に関する。
(c−1) 1)基板表面の誘電体薄膜上の所定の位置にコンデンサ電極となる金属層を形成する工程と、2)少なくとも基板表面の前記金属層上にエッチングレジストを形成する工程と、3)キレート剤と過酸化水素を含むエッチャントによって、誘電体薄膜をウェットエッチングする工程と、4)ウェットエッチング後にエッチングレジストを除去する工程とを有する。
(c−2) 1)基板表面の誘電体薄膜上の所定の位置にコンデンサ電極となる金属層を形成する工程と、2)少なくとも基板表面の前記金属層上にエッチングレジストを形成する工程と、3)硫酸、塩酸、りん酸、硝酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1つの酸と過酸化水素を含むエッチャントによって、誘電体薄膜をウェットエッチングする工程と、4)ウェットエッチング後にエッチングレジストを除去する工程とを有する。
次の製造方法は、金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法の具体例である。
(d−1) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)金属箔Bの任意の箇所をエッチング除去して、上記絶縁材料から形成された絶縁層を露出させる工程と、3)レーザ照射により、露出された絶縁層を除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、4)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、5)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状の第1のコンデンサ電極パターンをエッチングで形成する工程と、6)露出された誘電体薄膜から第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、7)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aからコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極をエッチングで形成する工程を有する。
(d−2) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)金属箔Bの任意の箇所にレーザ照射することにより、金属箔Bと上記絶縁材料から形成された絶縁層とを同時に除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、3)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、4)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状の第1のコンデンサ電極パターンをエッチングで形成する工程と、5)露出された誘電体薄膜から第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、6)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aからコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極をエッチングで形成する工程を有する。
(d−3) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)基板表面の少なくとも誘電体薄膜側に金属層を形成する工程と、3)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状の第1のコンデンサ電極パターンをエッチングで形成する工程と、4)露出された誘電体薄膜から第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、5)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aにコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極をエッチングで形成する工程を有する。
(d−4) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)基板表面の少なくとも誘電体薄膜側に金属層を形成する工程と、3)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状の第1のコンデンサ電極パターンをエッチングで形成する工程と、4)露出された誘電体薄膜から第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、5)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aからコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極をエッチングで形成する工程を有する。
(d−5) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)金属箔Bの任意の箇所をエッチング除去して、上記絶縁材料から形成された絶縁層を露出させる工程と、3)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、4)穴内を含む基板の両面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、5)第1のコンデンサ電極となる部分と穴部を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、6)金属めっきにより、上記の第1のコンデンサ電極となる部分と穴部を含む部分に導体パターンを形成する工程と、7)金属めっきレジストを除去する工程と、8)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、9)露出された誘電体薄膜から第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、10)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成する工程と、11)露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する。
(d−6) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)金属箔Bの任意の箇所にレーザ照射することにより、金属箔Bと上記絶縁材料から形成された絶縁層とを同時に除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、3)穴内を含む基板の両面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、4)第1のコンデンサ電極となる部分と穴部を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、5)金属めっきにより、上記の第1のコンデンサ電極となる部分と穴部を含む部分に導体パターンを形成する工程と、6)金属めっきレジストを除去する工程と、7)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、8)露出された誘電体薄膜から、第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、9)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成する工程と、10)露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有する。
(d−7) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)基板の少なくとも誘電体薄膜側の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、3)第1のコンデンサ電極となる部分を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、4)金属めっきにより第1のコンデンサ電極となる部分を含む部分に導体パターンを形成する工程と、5)金属めっきレジストを除去する工程と、6)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、7)露出された誘電体薄膜から、第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、8)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有する。
(d−8) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)基板の少なくとも誘電体薄膜側の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、3)第1のコンデンサ電極となる部分を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、4)金属めっきにより第1のコンデンサ電極となる部分を含む部分に導体パターンを形成する工程と、5)金属めっきレジストを除去する工程と、6)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、7)露出された誘電体薄膜から、第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、8)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有する。
(d−9) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、3)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、4)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有する。
(d−10) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、3)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、4)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有する。
(d−11) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)金属箔Bの任意の箇所をエッチング除去して、上記絶縁材料から形成された絶縁層を露出させる工程と、4)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、5)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、6)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望の第1のコンデンサ電極及び第2のコンデンサ電極を形成する工程を有する。
(d−12) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)金属箔Bの任意の箇所にレーザ照射することにより、金属箔Bと上記絶縁材料から形成された絶縁層とを同時に除去して穴を形成して金属箔Aを露出させる工程と、4)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、5)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望の第1のコンデンサ電極及び第2のコンデンサ電極を形成する工程を有する。
(d−13) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)基板の少なくともコンデンサ誘電体を有する表面に金属層を形成する工程と、4)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望の第1のコンデンサ電極及び第2のコンデンサ電極を形成する工程を有する。
(d−14) 1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、3)基板の少なくともコンデンサ誘電体を有する表面に金属層を形成する工程と、4)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望の第1のコンデンサ電極及び第2のコンデンサ電極を形成する工程を有する。
以下に、本発明の実施例を図面を用いてより具体的に述べる。
(実施例A)
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−1
銅箔102である厚み35μmの圧延銅箔M−BNH−18(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の表面にチタンテトライソプロポキシド、ジルコンテトラターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタン鉛錯体、二酸化窒素を用いたマイクロ波プラズマCVDにより、基材温度350℃の条件下で厚さ0.5μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)薄膜101を形成した(図1(a))。
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−2
銅箔102である厚み35μmの圧延銅箔M−BNH−18(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜103を形成した。さらにその基板表面にチタンテトライソプロポキシド、ジルコンテトラターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタン鉛錯体、二酸化窒素を用いたマイクロ波プラズマCVDにより、基材温度350℃の条件下で厚さ0.5μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)薄膜101を形成した(図1(b))。
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−3
銅箔102である厚み35μmの圧延銅箔M−BNH−18(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜103を形成した。さらにその表面に強誘電体薄膜形成材料PZT(関東化学株式会社、商品名)を塗布し、温度150℃で加熱時間30分間のプリベークを行った。塗布とプリベークをさらに5回繰り返し、その後に温度350℃で加熱時間1時間の熱処理を行って、厚さ0.5μmのPZT薄膜101を形成した(図1(b))。
実施例A−1
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−2の銅箔102表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図2(a))。板厚0.2mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を基材として、所望の箇所に導体化された接続穴106と回路パターンを作製した両面基板104に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った後に、その一方の面に厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を、また他方の面に厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して前述のコンデンサ内蔵多層配線板用材料を配し、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した(図2(b))。ここで、符号105はめっき銅を、符号107は絶縁樹脂基材(プリプレグ硬化物)を指す。さらにそのPZT薄膜表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜108を形成した。さらにその表面に電気銅めっきにより20μmの金属層109を形成した(図2(c))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて不要な銅の金属層をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロムの金属層をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極のパターンを形成した(図2(d))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、CFガスを用いたRIE法によってPZT薄膜とルテニウム薄膜をエッチング除去した(図2(e))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.1mmの窓穴を形成し、窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴明け110を行った(図2(f))。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成した。この基板の表面に所望のめっきレジスト111を形成し、電気銅めっきを行い、内層の回路導体と基板表面の導体層とを電気的に接続する金属層を形成した(図2(g))。めっきレジストを剥離後、基板表面の0.5μmの銅薄膜をエッチング除去して、その後、さらに所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄溶液によって不要な銅の金属層をエッチング除去して、第2のコンデンサ電極を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図2(h))。
この回路板の回路表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った。(1)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)、(2)厚み100μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)、(3)回路板、(4)絶縁樹脂基材112として、厚み100μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F、(5)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の順に重ね、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した。キャリア銅箔を剥がし、不要な基板端部を切断後、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴を形成した。
この基板表面に設けた窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴明けを行った。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、洗浄触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、レーザ穴内壁と銅箔表面に約20μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板表面のパッドや回路パターンなど必要な箇所にエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、外層回路を形成した。
この基板表面にソルダーレジストPSR−4000 AUS5(太陽インキ製造株式会社、商品名)をロールコータで30μm塗布、乾燥後に露光・現像して所望の箇所にソルダーレジスト113を形成した。その後、3μmの無電解ニッケルめっきと0.1μmの無電解金めっきを外層回路パターン露出部表面層に形成して、コンデンサ内蔵多層配線板を得た(図2(i))。
実施例A−2
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−2をコンデンサ内蔵多層配線板用材料A−3に替えた以外は実施例A−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実施例A−3
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−3の銅箔102表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図3(a))。板厚0.2mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を基材として、所望の箇所に導体化された接続穴と回路パターンを作製した両面基板104に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った後に、その一方の面に絶縁樹脂基材107である厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を、また他方の面に絶縁樹脂基材107である厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して前述のコンデンサ内蔵多層配線板用材料を配し、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した(図3(b))。ここで、105はめっき銅であり106は穴埋め樹脂である。さらにそのPZT薄膜101表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜108を形成した。さらにその表面に触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成した。この基板の表面に所望のめっきレジストを形成し、電気銅めっきを行い、厚み20μmの第1のコンデンサ電極となる金属層109を形成した(図3(c))。めっきレジストを剥離後、基板表面の0.5μmの銅薄膜と0.05μmのクロム薄膜をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極のパターンを形成した(図3(d))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、CFガスを用いたRIE法によってPZT薄膜とルテニウム薄膜をエッチング除去した(図3(e))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.1mmの窓穴を形成し、窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴明け110を行った(図3(f))。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成した。この基板の表面に所望のめっきレジスト111を形成し、電気銅めっきを行い、内層の回路導体と基板表面の導体層とを電気的に接続する金属層を形成した(図3(g))。めっきレジストを剥離後、基板表面の0.5μmの銅薄膜をエッチング除去して、その後、さらに所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄溶液によって不要な銅の金属層をエッチング除去して、第2のコンデンサ電極を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図3(h))。その後の多層配線板の加工は実施例A−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図3(i))。ここで、112は絶縁樹脂基材であり、113はソルダーレジストである。
実施例A−4
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−3の銅箔表面102に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図4(a))。板厚0.2mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を基材として、所望の箇所に導体化された接続穴と回路パターンを作製した両面基板104に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った後に、その一方の面に絶縁樹脂基材107として厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を、また他方の面に絶縁樹脂基材107として厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して前述のコンデンサ内蔵多層配線板用材料を配し、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した(図4(b))。ここで、105はめっき銅であり、106は穴埋め樹脂である。さらにそのPZT薄膜表面の所望の箇所にスクリーン印刷により、化学的な反応により金属化される導電性ペーストであるナノペースト(ハリマ化成株式会社、商品名)を40μmの厚みで印刷後、温度200℃で加熱時間1時間の条件でベーキングし、導電性ペーストを金属化して、第1のコンデンサ電極のパターンを形成した(図4(c))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、CFガスを用いたRIE法によってPZT薄膜とルテニウム薄膜をエッチング除去した(図4(d))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.1mmの窓穴を形成し、窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴明け110を行った(図4(e))。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成した。この基板の表面に所望のめっきレジスト111を形成し、電気銅めっきを行い、内層の回路導体と基板表面の導体層とを電気的に接続する金属層を形成した(図4(f))。めっきレジストを剥離後、基板表面の0.5μmの銅薄膜をエッチング除去して、その後、さらに所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄溶液によって不要な銅の金属層をエッチング除去して、第2のコンデンサ電極を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図4(g))。その後の多層配線板の加工については実施例A−1と同様な工程で行い、コンデンサ内蔵多層配線板を得た(図4(h))。
ここで、112は絶縁樹脂基材であり、113はソルダーレジストである。
【0001】
実施例A−5
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−3を用い、PZT薄膜とルテニウム薄膜をエッチング除去する方法がRIE法ではなく、PZT薄膜に対して20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液、ルテニウム薄膜に対してルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いてエッチングした以外は実施例A−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図2(i))。
実施例A−6
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−3の銅箔102表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図5(a))。板厚0.2mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を基材として、所望の箇所に導体化された接続穴と回路パターンを作製した両面基板104に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った後に、その一方の面に絶縁樹脂基材107として厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を、また他方の面に絶縁樹脂基材107として厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して前述のコンデンサ内蔵多層配線板用材料を配し、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した(図5(b))。ここで、105はめっき銅であり、106は穴埋め樹脂である。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜をエッチング除去し、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いてルテニウム薄膜をエッチング除去してPZT薄膜のパターニングを行った(図5(c))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.1mmの窓穴を形成し、窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴明け110を行った(図5(d))。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、DCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜108を形成した。さらにその表面に電気銅めっきにより20μmの金属層109を形成した(図5(e))。この際に、薄膜誘電体層表面とレーザ穴内は、銅の金属層が形成されていた。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて不要な銅の金属層をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロムの金属層をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極と第2のコンデンサ電極およびその他の配線パターンを形成して回路板を作製した(図5(f))。その後の多層配線板の加工については実施例A−1と同様な工程で行い、コンデンサ内蔵多層配線板を得た(図5(g))。ここで、112絶縁樹脂基材であり、113はソルダーレジストである。
実施例A−7
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−3の銅箔表面102に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図6(a))。板厚0.2mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を基材として、所望の箇所に導体化された接続穴と回路パターンを作製した両面基板104に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った後に、その一方の面に絶縁樹脂基材107として厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を、また他方の面に絶縁樹脂基材107として厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して前述のコンデンサ内蔵多層配線板用材料を配し、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した(図6(b))。ここで、105はめっき銅であり、106は穴埋め樹脂である。このプリプレグは、両面に厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを温度100℃,圧力1.5MPa,加熱加圧時間10分の条件のホットプレスで貼り付けた後、所望の箇所にドリル穴明けを行った後、スクリーン印刷により、銅ペーストNF2000(タツタシステム・エレクトロニクス株式会社、商品名)116を充填し、その後に表面のPETフィルムを剥がしたものを用いた。この基板のPZT薄膜表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜108を形成した。さらにその表面に電気銅めっきにより20μmの金属層109を形成した(図6(c))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて不要な銅の金属層をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロムの金属層をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極のパターンを形成した(図6(d))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、CFガスを用いたRIE法によってPZT薄膜とルテニウム薄膜をエッチング除去した(図6(e))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄溶液によって不要な銅の金属層をエッチング除去して、第2のコンデンサ電極を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図6(f))。その後の多層配線板の加工は実施例A−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図6(g))。ここで、112は絶縁樹脂基材であり、113はソルダーレジストである。
実施例A−8
コンデンサ内蔵多層配線板用材料A−3の銅箔表面102に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図7(a))。板厚0.2mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を基材として、所望の箇所に導体化された接続穴と回路パターンを作製した両面基板104に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った後に、その一方の面に絶縁樹脂基材107として厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を、また他方の面に絶縁樹脂基材107として厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して前述のコンデンサ内蔵多層配線板用材料を配し、温度200℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した(図7(b))。なお、105はめっき銅を、106は穴埋め樹脂を示す。このプリプレグは、両面に厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを温度100℃,圧力1.5MPa,加熱加圧時間10分の条件のホットプレスで貼り付けた後、所望の箇所にドリル穴明けを行った後、スクリーン印刷により、化学的な反応により金属化される導電性ペースト117であるナノペースト(ハリマ化成株式会社、商品名)を充填し、その後に表面のPETフィルムを剥がしたものを用いた。その後のコンデンサの加工と多層配線板の加工については実施例A−1と同様な工程で行い、コンデンサ内蔵多層配線板を得た(図7(c))。なお、112は絶縁樹脂基材を、113はソルダーレジストであうる。
比較例A−1
板厚0.2mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を基材として、厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を用い、所望の箇所に導体化された接続穴と回路パターンを作製した4層基板の表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜を形成した(図8(a))。ここで、102は銅箔、105はめっき銅、106は穴埋め樹脂、107は絶縁樹脂基材である。所望のパターンのレジストを形成し、RIE法によってルテニウム薄膜103をエッチング除去し、その後塩化第二鉄水溶液を用いて内層基板表面の銅の金属層をエッチング除去し、第2のコンデンサ電極を含む回路パターンを形成した(図8(b))。さらにその基板表面に強誘電体薄膜形成材料PZT(関東化学株式会社、商品名)を塗布し、温度150℃で加熱時間30分間のプリベークを行った。塗布とプリベークをさらに5回繰り返し、その後に温度250℃で加熱時間1時間の熱処理を行って、厚さ0.5μmのPZT薄膜101を形成した(図8(c))。さらにそのPZT薄膜表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜を形成した。さらにその表面に電気銅めっきにより20μmの金属層109を形成した(図8(d))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて不要な銅の金属層をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロムの金属層をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極のパターンを形成して回路板を作製した(図8(e))。その後の多層配線板の加工は実施例A−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図8(f))。ここで、112は絶縁樹脂基材であり、113はソルダーレジストを示す。
試験方法は以下の通りである。
(誘電体の膜厚)
誘電体の膜厚は、電極を形成したコンデンサをFocused Ion Beam system(FIB:FB−2000A、(株)日立製作所製、商品名)により切削し、その断面観察を走査型電子顕微鏡を用いて行い、膜をはさむ電極と電極の間の距離の5点平均をとった。
(比誘電率)
比誘電率は、25℃に温度管理された環境の下で、IPC−650 2.5.5.2に準じて1MHzの周波数で測定して得た。
(コンデンサ容量)
コンデンサ容量は、インピーダンスアナライザ4291B(アジレントテクノロジー株式会社製、商品名)に50Ω同軸ケーブルSUCOFLEX104/100(SUHNER社製、商品名)を介して高周波信号測定プローブMICROPROBE ACP50(GSG250型、Cascade社製、商品名)に接続した測定システムを用いた。キャパシタの電極サイズは1mm□とし1GHzの容量を測定した。測定サンプル数は5とした。

実施例A−1〜A−8は、いずれも、金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いて作製したコンデンサ内蔵基板である。作製したコンデンサ容量のばらつきは全て±10%未満であり、均一で良好なコンデンサを作製することができた。
また、比較例A−1は、誘電体薄膜を金属層がパターニングされた基板の表面に形成されたコンデンサ内蔵基板であるために、膜厚のばらつきが大きく、結果としてコンデンサ容量のばらつきも最大54%と大きかった。
上記の実施形態によると、本発明によって、コンデンサを形成する誘電体薄膜の比誘電率が20〜2000でかつ膜厚が0.1〜1μmであり、かつ容量ばらつきの小さなコンデンサを有する多層配線板を提供することができる。
(実施例B)
内層基板B−1
銅箔厚3μm、板厚0.2mmの両面銅箔張ガラスエポキシ積層板MCL−E−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)に所望のドリル穴明け(直径200μm)を行った。そして、この基板に、超音波洗浄と過マンガン酸アルカリ溶液を用いて炭化した樹脂カスを除去した後、触媒付与、密着促進後、無電解銅めっきを行い、ドリル穴内壁と銅箔表面に約15μmの無電解銅めっき層204を形成した。得られた基板表面に次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理により粗化処理を行った。そして、この基板のドリル穴内にスクリーン印刷によりペーストタイプの熱硬化型絶縁材料HRP−700BA(太陽インキ製造株式会社製、商品名)を穴埋め樹脂203として充填し、170℃で60分間の熱処理により硬化させた。この基板をバフブラシにより研磨し、余分な絶縁材料を除去した。この基板に触媒付与、密着促進後、無電解銅めっきを行い、基板表面に約15μmの無電解銅めっき層を形成し、基板内部に導体層間を接続するバイアホールを有し、かつ表面に平滑な金属層を有する基板を作製した。走査型電子顕微鏡を用いて観察した像から求めた基板表面の金属層の表面粗さは0.3μmであった。作製した内層基板の断面図を図9に示した。なお、202は絶縁樹脂基材を、201は銅箔を示す。
内層基板B−2
厚み200μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)の両面に厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを温度100℃,圧力1.5MPa,加熱加圧時間10分の条件のホットプレスで貼り付けた。このプリプレグに所望のドリル穴明け(直径200μm)を行った後、スクリーン印刷により、銅ペーストNF2000(タツタシステム・エレクトロニクス株式会社製、商品名)205を充填した。表面のPETフィルムを剥がし、厚み18μmの銅箔GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名)で両面から挟み、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板内部に導体層間を接続するバイアホールを有し、かつ表面に平滑な金属層を有する基板を作製した。走査型電子顕微鏡を用いて観察した像から求めた基板表面の金属層の表面粗さは0.2μmであった。作製した内層基板の断面図を図10に示した。
内層基板B−3
厚み200μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)の両面に厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを温度100℃,圧力1.5MPa,加熱加圧時間10分の条件のホットプレスで貼り付けた。このプリプレグに所望のドリル穴明け(直径200μm)を行った後、スクリーン印刷により、化学的な反応により金属化される導電性ペーストであるナノペースト(ハリマ化成株式会社製、商品名)206を充填した。表面のPETフィルムを剥がし、厚み18μmの銅箔GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)で両面から挟み、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板内部に導体層間を接続するバイアホールを有し、かつ表面に平滑な金属層を有する基板を作製した。走査型電子顕微鏡を用いて観察した像から求めた基板表面の金属層の表面粗さは0.2μmであった。作製した内層基板の断面図を図11に示した。
実施例B−1
内層基板B−1の基板表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜207を形成した(図12(a))。さらにその基板表面にチタンテトライソプロポキシド、ジルコンテトラターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタン鉛錯体、二酸化窒素を用いたマイクロ波プラズマCVDにより、基板温度250℃の条件下で厚さ0.5μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)薄膜208を形成した(図12(b))。さらにそのPZT薄膜表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜209を形成した。さらにその表面に電気銅めっきにより20μmの金属層210を形成した(図12(c))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて不要な銅の金属層210をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロムの金属層209をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極217のパターンを形成した(図12(d))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、CFガスを用いたRIE法によってPZT薄膜208とルテニウム薄膜207をエッチング除去した(図12(e))。次に、さらに所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄溶液によって不要な銅の金属層をエッチング除去して、第2のコンデンサ電極218を含む回路パターンを形成してコンデンサ内蔵多層配線板に用いる内層板219を作製した(図12(f))。
この内層板の回路表面に、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする黒化処理と、ジメチルアミノボランを主成分とする還元処理によって、粗化処理を行った。(1)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)、(2)絶縁樹脂基材211として厚み100μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)、(3)内層板219、(4)絶縁樹脂基材211として厚み100μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F、(5)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の順に重ね、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した。キャリア銅箔を剥がし、不要な基板端部を切断後、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔をエッチング除去して、所望の箇所に直径0.15mmの窓穴を形成した。
この基板表面に設けた窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴明けを行った。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、洗浄、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、レーザ穴内壁と銅箔表面に約20μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板表面のパッドや回路パターンなど必要な箇所にエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、外層回路213を形成した。
この基板表面にソルダーレジストPSR−4000 AUS5(太陽インキ製造株式会社製、商品名)をロールコータで30μm塗布、乾燥後に露光・現像して所望の箇所にソルダーレジスト212を形成した。その後、3μmの無電解ニッケルめっきと0.1μmの無電解金めっきを外層回路パターン露出部表面層に形成して、コンデンサ内蔵多層配線板220を得た(図4(g))。
実施例B−2
内層基板B−1を内層基板B−2に替えた以外は実施例B−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実施例B−3
内層基板B−1を内層基板B−3に替えた以外は実施例B−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実施例B−4
内層基板B−1の基板表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜207を形成した(図12(a))。さらにその基板表面に強誘電体薄膜形成材料PZT(関東化学株式会社製、商品名)を塗布し、温度150℃で加熱時間30分間のプリベークを行った。塗布とプリベークをさらに5回繰り返し、その後に温度250℃で加熱時間1時間の熱処理を行って、厚さ0.5μmのPZT薄膜208を形成した(図12(b))。その後のコンデンサの加工と多層配線板の加工については実施例B−1と同様な工程で行い、コンデンサ内蔵多層配線板を得た(図12(g))。
実施例B−5
PZT薄膜208とルテニウム薄膜207をエッチング除去する方法がRIE法ではなく、PZT薄膜に対して20重量%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液、ルテニウム薄膜に対してルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社製、商品名)を用いてエッチングした以外は実施例B−4と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図12(g))。
実施例B−6
内層基板B−1の基板表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜207を形成した(図13(a))。さらにその基板表面に強誘電体薄膜形成材料PZT(関東化学株式会社製、商品名)を塗布し、温度150℃で加熱時間30分間のプリベークを行った。塗布とプリベークをさらに5回繰り返し、その後に温度250℃で加熱時間1時間の熱処理を行って、厚さ0.5μmのPZT薄膜208を形成した(図13(b))。さらにそのPZT薄膜表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜209を形成した。さらにその表面を洗浄、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成した。
この基板の表面に所望のめっきレジスト215を形成し、電気銅めっきを行い、厚み20μmの第1のコンデンサ電極となる金属層214を形成した(図13(c))。めっきレジスト215を剥離後、基板表面の0.5μmの銅薄膜と0.05μmのクロム薄膜をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極217のパターンを形成した(図13(d))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、20重量%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜208をエッチング除去し、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社製、商品名)用いてルテニウム薄膜207をエッチング除去した(図13(e))。次に、さらに所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄溶液によって不要な銅の金属層をエッチング除去して、第2のコンデンサ電極218を含む回路パターンを形成して内層板219を作製した(図13(f))。その後の多層配線板の加工は実施例B−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板220を得た(図13(g))。
実施例B−7
内層基板B−1の基板表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜207を形成した(図14(a))。さらにその基板表面に強誘電体薄膜形成材料PZT(関東化学株式会社製、商品名)を塗布し、温度150℃で加熱時間30分間のプリベークを行った。塗布とプリベークをさらに5回繰り返し、その後に温度250℃で加熱時間1時間の熱処理を行って、厚さ0.5μmのPZT薄膜208を形成した(図14(b))。さらにそのPZT薄膜表面の所望の箇所にスクリーン印刷により、化学的な反応により金属化される導電性ペーストであるナノペースト(ハリマ化成株式会社製、商品名)216を40μmの厚みで印刷後、温度200℃で加熱時間1時間の条件でベーキングし、導電性ペーストを金属化して、第1のコンデンサ電極217のパターンを形成した(図14(c))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、20重量%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜をエッチング除去し、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社製、商品名)を用いてルテニウム薄膜をエッチング除去した(図14(d))。次に、さらに所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄溶液によって不要な銅の金属層をエッチング除去して、第2のコンデンサ電極218を含む回路パターンを形成して内層板219を作製した(図14(e))。その後の多層配線板の加工は実施例B−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板220を得た(図14(f))。
実施例B−8
内層基板B−1の基板表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜207を形成した(図15(a))。さらにその基板表面に強誘電体薄膜形成材料PZT(関東化学株式会社製、商品名)を塗布し、温度150℃で加熱時間30分間のプリベークを行った。塗布とプリベークをさらに5回繰り返し、その後に温度250℃で加熱時間1時間の熱処理を行って、厚さ0.5μmのPZT薄膜208を形成した(図15(b))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、20重量%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜208をエッチング除去し、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社製、商品名)を用いてルテニウム薄膜をエッチング除去してPZT薄膜のパターニングを行った(図15(c))。そのPZT薄膜表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜209を形成した。さらにその表面に電気銅めっきにより20μmの金属層210を形成した(図15(d))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて不要な銅の金属層をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロムの金属層をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極217と第2のコンデンサ電極218およびその他の配線パターンを形成して内層板219を作製した(図15(e))。その後の多層配線板の加工は実施例B−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板220を得た(図15(f))。
比較例B−1
内層基板B−1の基板表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜207を形成した(図16(a))。所望のパターンのレジストを形成し、RIE法によってルテニウム薄膜207をエッチング除去し、その後塩化第二鉄水溶液を用いて内層基板表面の銅の金属層をエッチング除去し、第2のコンデンサ電極218を含む回路パターンを形成した(図16(b))。さらにその基板表面に強誘電体薄膜形成材料PZT(関東化学株式会社製、商品名)を塗布し、温度150℃で加熱時間30分間のプリベークを行った。塗布とプリベークをさらに5回繰り返し、その後に温度250℃で加熱時間1時間の熱処理を行って、厚さ0.5μmのPZT薄膜208を形成した(図16(c))。さらに、そのPZT薄膜表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜209を形成した。さらにその表面に電気銅めっきにより20μmの金属層210を形成した(図16(d))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて不要な銅の金属層をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロムの金属層をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極217のパターンを形成して内層板219を作製した(図16(e))。その後の多層配線板の加工は実施例B−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板220を得た(図16(f))。
以上で得られたコンデンサ内蔵多層配線板について、誘電体の膜厚、非誘電率およびコンデンサ容量の試験を行った。試験方法を上記と同様である。
これらの測定結果をまとめて表2に示した。

実施例B−1〜B−8は、いずれも、基板内部に導体層間を接続するバイアホールを有し,かつ表面に平滑な金属層を有する基板の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜を形成することにより作製したコンデンサ内蔵基板である。作製したコンデンサ容量のばらつきは全て±10%未満であり、均一で良好なコンデンサを作製することができた。
また、比較例B−1は、誘電体薄膜を金属層がパターニングされた基板の表面に形成されたコンデンサ内蔵基板であるために、膜厚のばらつきが大きく、結果としてコンデンサ容量のばらつきも最大54%と大きかった。
上記の実施例によると、膜厚が均一で、容量ばらつきの小さなコンデンサを内蔵したコンデンサ内蔵多層配線板を提供することができる。
(実験例C)
コンデンサ内蔵多層配線板用材料C−1
厚み35μmの圧延銅箔M−BNH−18(三井金属鉱業株式会社製、商品名)102の表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜103を形成した。さらにその表面に強誘電体薄膜形成材料PZT(関東化学株式会社、商品名)を塗布し、温度150℃で加熱時間30分間のプリベークを行った。塗布とプリベークをさらに5回繰り返し、その後に温度350℃で加熱時間1時間の熱処理を行って、厚さ0.5μmのPZT薄膜101を形成した。このようにして、銅箔2(金属箔)102の片面に、ルテニウム薄膜103を介してPZT薄膜101(誘電体薄膜)を設けたコンデンサ内蔵多層配線板用材料C−1を作製した(図1参照)。このようにして得られたPZT薄膜の比誘電率は100であった。
コンデンサ内蔵多層配線板用材料C−2
厚み35μmの圧延銅箔M−BNH−18(三井金属鉱業株式会社製、商品名)102の表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜103を形成した。さらにその表面にチタンテトライソプロポキシド、ジルコンテトラターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタン鉛錯体、二酸化窒素を用いたマイクロ波プラズマCVDにより、基材温度350℃の条件下で厚さ0.5μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)薄膜101を形成し、コンデンサ内蔵多層配線板用材料C−2を得た。このようにして得られたPZT薄膜の比誘電率は70であった。
薄膜エッチャント1
エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩(EDTA・2Na)、過酸化水素(H)、水を混合し、EDTA・2Na0.1mol/l、H30wt%を成分とするpH4.0の水溶液を作製した。
薄膜エッチャント2
イミノ二酢酸(IDA)、H、水を混合し、IDA0.1mol/l、H30wt%を成分とするpH2.0の水溶液を作製した。
薄膜エッチャント3
エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩(EDTA・2Na)、H、水を混合し、EDTA・2Na0.01mol/l、H10wt%を成分とするpH4.2の水溶液を作製した。
薄膜エッチャント4
りん酸、H、水を混合し、りん酸30wt%、H20wt%を成分とする水溶液を作製した。
薄膜エッチャント5
硫酸、H、水を混合し、硫酸5wt%、H10wt%を成分とする水溶液を作製した。
実験例C−1
コンデンサ内蔵多層配線板用材料C−1の銅箔表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った。図17において、銅箔は303,ルテニウム薄膜は302,PZT薄膜301として示す。この銅箔303表面に絶縁樹脂基材304(絶縁材料)となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔5GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)305を配し、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を得た(図17(a)参照)。さらにそのPZT薄膜301表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム膜306を形成した。次に、この基板の銅箔305表面にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。次に不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.1mmの窓穴307を形成し、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離した(図2(b)参照)。続いて窓穴307の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴明け308を行った(図17(c)参照)。その後、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去し、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、基板の表面に0.5μmの銅薄膜を形成した。さらに、この基板表面に電気銅めっきを行い、内層の回路導体と基板表面の導体層とを電気的に接続するめっき銅309からなる金属層を形成した(図17(d)参照)。続いてこの基板の表面に、膜厚30μmのドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。さらに、塩化第二鉄水溶液を用いて不要なめっき銅309をエッチング除去した後、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロム膜306をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極(金属層)310のパターンを形成した(図18(a)参照)。次にこの基板の第1のコンデンサ電極310側に、エッチングレジスト311となる膜厚40μmのドライフィルムレジストH−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし(図18(b)参照)、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、第1のコンデンサ電極310上にエッチングレジスト311を形成した(図18(c)参照)。続いて、薄膜エッチャント(1)を用いて20℃でPZT薄膜301をエッチング除去し、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社製、商品名)を用いてルテニウム薄膜302をエッチング除去して(図18(d)参照)、水酸化ナトリウム水溶液にてエッチングレジスト311を剥離した(図18(e)参照)。この基板にドライフィルムレジストH−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。続いて塩化第二鉄水溶液にて不要な銅箔303、不要な銅箔305及びその上のめっき銅309をエッチング除去した後、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離し、銅箔303から形成された第2のコンデンサ電極312を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図19(a)参照)。
この回路板の回路表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った。(1)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)、(2)厚み100μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)、(3)回路板、(4)厚み100μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F、(5)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の順に重ね、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化することにより、回路板の両面上に、絶縁樹脂基材313を介して銅箔314を積層した。キャリア銅箔を剥がし、不要な基板端部を切断後(図19(b)参照)、この基板の表面にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。次に不要な銅箔314を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴を形成した。
この回路板表面に設けた窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴明け310を行った(図19(c)参照)。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、洗浄触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、レーザ穴内壁と銅箔表面に約20μmの無電解めっき銅315の層を形成した。この回路板表面のパッドや回路パターンなど必要な箇所にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)を用いてエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、銅箔314及びめっき銅315から形成された外層回路を形成した(図19(d)参照)。
この回路板表面にソルダーレジストPSR−4000 AUS5(太陽インキ製造株式会社製、商品名)をロールコータで30μm塗布、乾燥後に露光・現像して所望の箇所にソルダーレジスト316を形成した。その後、3μmの無電解ニッケルめっきと0.1μmの無電解金めっき(Ni/Auめっき317)を外層回路パターン露出部表面層に形成して、コンデンサ内蔵多層配線板を得た(図19(e)参照)。
実験例C−2
コンデンサ内蔵多層配線板用材料C−1をコンデンサ内蔵多層配線板用材料C−2に替えた以外は、実験例C−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実験例C−3
薄膜エッチャント(1)を薄膜エッチャント(2)に替えた以外は、実験例C−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実験例C−4
薄膜エッチャント(1)を薄膜エッチャント(3)に替え、30℃で用いた以外は実験例C−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実験例C−5
薄膜エッチャント(1)を薄膜エッチャント(4)に替えた以外は、実験例C−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実験例C−6
薄膜エッチャント(1)を薄膜エッチャント(5)に替えた以外は、実験例C−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実験例C−7
コンデンサ内蔵多層配線板用材料C−1の銅箔303表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った。この銅箔303表面に絶縁樹脂基材304(絶縁材料)となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔5GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を配し、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を得た(図17(a)参照)。さらにそのPZT薄膜301表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム膜306を形成した。次に、この基板の銅箔305表面にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。次に不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.1mmの窓穴307を形成し(図17(b)参照)、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離した。続いて窓穴7の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴308明けを行った(図17(c)参照)。その後、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去し、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、基板の両面に0.5μmの銅薄膜を形成した。さらに、この基板表面に電気銅めっきを行い、内層の回路導体と基板表面の導体層とを電気的に接続するめっき銅309からなる金属層を形成した(図17(d)参照)。続いてこの基板の表面にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。さらに、塩化第二鉄水溶液を用いて不要なめっき銅309をエッチング除去した後、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロム膜306をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極310のパターンを形成した(図18(a)参照)。次にこの基板の第1のコンデンサ電極310側にエッチングレジスト311となるアルカリ現像型レジストPER−20(太陽インキ製造株式会社製、商品名)を20μm塗布し(図18(b)参照)、100℃で15分プリベークした後所望のネガパターンを露光して130℃で30分乾燥し、炭酸ナトリウム水溶液にて現像し第1のコンデンサ電極310上にエッチングレジスト311を形成した(図18(c)参照)。続いて、薄膜エッチャント(1)を用いて20℃でPZT薄膜301をエッチング除去し、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社製、商品名)を用いてルテニウム薄膜302をエッチング除去して(図18(d)参照)、水酸化ナトリウム水溶液にてエッチングレジスト311を剥離した(図18(e)参照)。この基板にドライフィルムレジストH−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。続いて塩化第二鉄水溶液にて不要な銅箔303、不要な銅箔305及びその上のめっき銅309をエッチング除去した後、水酸化ナトリウム水溶液にてエッチングレジストを剥離し銅箔303から形成された第2のコンデンサ電極312を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図19(a)参照)。
この回路板を用い、その後実験例C−1と同様な工程によって多層化し、コンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実験例C−8
コンデンサ内蔵多層配線板用材料C−1の銅箔303表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った。この銅箔303表面に絶縁樹脂基材304となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔5GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を配し、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を得た(図17(a)参照)。さらにそのPZT薄膜301表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム膜306を形成した。次に、この基板の銅箔305表面にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。次に不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.1mmの窓穴307を形成し、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離した(図17(b)参照)。続いて窓穴307の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴308明けを行った(図17(c)参照)。その後、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去し、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、基板の両面に0.5μmの銅薄膜を形成した。さらに、この基板表面に電気銅めっきを行い、内層の回路導体と基板表面の導体層とを電気的に接続するめっき銅309からなる金属層を形成した(図17(d)参照)。続いてこの基板の表面にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。さらに、塩化第二鉄水溶液を用いて不要なめっき銅309をエッチング除去した後、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロム膜306をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極310のパターンを形成した(図18(a)参照)。次にこの基板の第1のコンデンサ電極310側にエッチングレジスト311となる溶剤現像型レジストAZ9245(クラリアントジャパン株式会社製、商品名)を12μm塗布し((図18(b)参照)、110℃で10分プリベークした後所望のポジパターンを露光して120℃で10分乾燥し、AZ400Kデベロッパー(クラリアントジャパン株式会社製、商品名)にて現像してエッチングレジスト311を形成した(図18(c)参照)。続いて、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いて20℃でPZT薄膜301をエッチング除去し、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社製、商品名)を用いてルテニウム薄膜302をエッチング除去して(図3の(d)参照)、AZリムーバー700(クラリアントジャパン株式会社製、商品名)にてエッチングレジスト311を剥離した(図18(e)参照)。この基板にドライフィルムレジストH−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。続いて塩化第二鉄水溶液にて不要な銅箔303、不要な銅箔305及びその上のめっき銅309をエッチング除去した後、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離し、銅箔303から形成された第2のコンデンサ電極312を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図19(a)参照)。
この回路板の回路表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った。(1)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)、(2)厚み100μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)、(3)回路板、(4)厚み100μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F、(5)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の順に重ね、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化することにより、回路板の両面上に、絶縁樹脂基材313を介して銅箔314を積層した。キャリア銅箔を剥がし、不要な基板端部を切断後(図19(b)参照)、この基板の表面にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。次に不要な銅箔314を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴を形成した。
この回路板表面に設けた窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴明けを行った(図19(c)参照)。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、洗浄触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、レーザ穴内壁と銅箔表面に約20μmの無電解銅めっき層を形成した。この回路板表面のパッドや回路パターンなど必要な箇所にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)を用いてエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、銅箔314及びめっき銅315から形成された外層回路を形成した(図19(d)参照)。この回路板表面にソルダーレジストPSR−4000 AUS5(太陽インキ製造株式会社製、商品名)をロールコータで30μm塗布、乾燥後に露光・現像して所望の箇所にソルダーレジスト316を形成した。その後、3μmの無電解ニッケルめっきと0.1μmの無電解金めっき(Ni/Auめっき17)を外層回路パターン露出部表面層に形成して、コンデンサ内蔵多層配線板を得た(図19(e)参照)。
実験例C−9
コンデンサ内蔵多層配線板用材料C−1の銅箔303表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った。この銅箔303表面に絶縁樹脂基材304となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔5GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を配し、温度170℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を得た(図17(a)参照)。さらにそのPZT薄膜301表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム膜306を形成した。次に、この基板の銅箔305表面にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。次に不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.1mmの窓穴307を形成し、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離した(図17(b)参照)。続いて窓穴307の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴308明けを行った(図17(c)参照)。その後、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去し、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、基板の両面に0.5μmの銅薄膜を形成した。さらに、この基板表面に電気銅めっきを行い、内層の回路導体と基板表面の導体層とを電気的に接続するめっき銅309からなる金属層を形成した(図17(d)参照)。続いてこの基板の表面にドライフィルムレジストH−9030(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。さらに、塩化第二鉄水溶液を用いて不要なめっき銅309をエッチング除去した後、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いてクロム膜306をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極310のパターンを形成した(図18(a)参照)。次にこの基板の第1のコンデンサ電極310側にエッチングレジスト311となる溶剤現像型レジストAZ9245(クラリアントジャパン株式会社製、商品名)を12μm塗布し(図18(b)参照)、110℃で10分プリベークした後所望のポジパターンを露光して120℃で10分乾燥し、AZ400Kデベロッパー(クラリアントジャパン株式会社製、商品名)にて現像してエッチングレジスト311を形成した(図18(c)参照)。続いて、CFガスを用いたRIE法によってPZT薄膜301とルテニウム薄膜302をエッチング除去した後(図18(d)参照)、AZリムーバー700(クラリアントジャパン株式会社製、商品名)にてエッチングレジスト311を剥離した(図18(e)参照)。この基板にドライフィルムレジストH−9040(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、所望のネガパターンを露光して炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、エッチングレジストを形成した。続いて塩化第二鉄水溶液にて不要な銅箔303、不要な銅箔305及びその上のめっき銅309をエッチング除去した後、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離し、銅箔303から形成された第2のコンデンサ電極312を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図19(a)参照)。
この回路板を用い、その後実験例C−8と同様な工程によってコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図19(e)参照)。
実験例C−1〜C−7において、薄膜のエッチング時にエッチング残渣やレジストの剥れ等はいずれの基板にもみられず、パターニング性は良好であった。次に、コンデンサ容量を測定した。コンデンサ容量はインピーダンスアナライザ4291B(アジレントテクノロジー株式会社製、商品名)に50Ω同軸ケーブルSUCOFLEX104/100(SUHNER社製、商品名)を介して高周波信号測定プローブMICROPROBE ACP50(GSG250型、Cascade社製、商品名)に接続した測定システムを用いた。キャパシタの電極サイズは1mm□とし1GHzの容量を測定した。この結果を表3に示す。

表3に示したように、実験例C−1〜C−7で作製したコンデンサ内蔵多層配線板のコンデンサ容量のばらつきは、全て±10%未満であり、均一で良好なコンデンサを作製することができた。これは実験例C−8〜C−9と同等のばらつきであり、実験例C−1〜C−7を用いても実験例C−8〜C−9と同等な精度のコンデンサ内蔵多層配線が得られることがわかる。しかも、従来のCFガスを用いたRIE法(実験例C−9)や20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液(実験例C−8)などとは、異なり、前述したようにアルカリ現像型のレジストを用いたウェットエッチング法であるため、従来のプリント配線板の工程に容易に適用することが可能であり、作業性及び経済性の点で優れている。
(実施例D)
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−1
厚み18μmの圧延銅箔M−BNH−18(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の表面にチタンテトライソプロポキシド、ジルコンテトラターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタン鉛錯体、二酸化窒素を用いたマイクロ波プラズマCVDにより、基材温度350℃の条件下で厚さ0.5μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)薄膜を形成した。このようにして、銅箔102(金属箔A)の片面にPZT薄膜101(誘電体薄膜)が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料D−1を得た(図1(a))。
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−2
厚み18μmの圧延銅箔M−BNH−18(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜を形成した。さらにその基板表面にチタンテトライソプロポキシド、ジルコンテトラターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタン鉛錯体、二酸化窒素を用いたマイクロ波プラズマCVDにより、基材温度350℃の条件下で厚さ0.5μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)薄膜を形成した。このようにして、銅箔102(金属箔A)の片面に、ルテニウム薄膜103を介してPZT薄膜101(誘電体薄膜)が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料D−2を得た(図1(b))。
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−3
厚み18μmの圧延銅箔M−BNH−18(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の表面にDCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜を形成した。さらにその表面に強誘電体薄膜形成材料PZT(関東化学株式会社、商品名)を塗布し、温度150℃で加熱時間30分間のプリベークを行った。塗布とプリベークをさらに5回繰り返し、その後に温度350℃で加熱時間1時間の熱処理を行って、厚さ0.5μmのPZT薄膜を形成した。このようにして、銅箔102(金属箔A)の片面に、ルテニウム薄膜103を介してPZT薄膜101(誘電体薄膜)が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料(3)を得た(図1(b))。
実施例D−1
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−1の銅箔402(金属箔A)の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図20(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404(絶縁層)となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み12μmの銅箔405(金属箔B)GTS−12(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を得た(図20(b))。次に、この基板の両面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴405′を形成した(図20(c))。続いて、窓穴405′の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ照射によってレーザ穴406を明け、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去した(図20(d))。さらにそのPZT薄膜401(誘電体薄膜)表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜407を形成した。その後、基板両面に、触媒付与剤(Neoganth 843、アトテックジャパン(株)製、商品名)を用いた触媒付与処理、密着促進剤(Neoganth WA、アトテックジャパン(株)製、商品名)を用いた密着促進処理を行なった後、無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成し、さらに基板両面に電気銅めっきにより20μmの金属層を形成し、めっき銅408からなる金属層を形成した(図20(e))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて不要なめっき銅408をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いて露出したクロム薄膜407をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極409のパターンを形成した(図20(f))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、CFガスを用いたRIE法によってPZT薄膜401をエッチング除去し、コンデンサ誘電体401′を形成した(図20(g))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、銅箔402、銅箔405及びめっき銅408の不要部分を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図20(h))。
この回路板の回路表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った。(1)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)、(2)絶縁樹脂基材412となる厚み100μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)、(3)回路板、(4)絶縁樹脂基材412となる厚み100μmのフィラー入りガラスエポキシプリプレグGEA−679F、(5)35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)の順に重ね、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化した。キャリア銅箔を剥がし、不要な基板端部を切断後、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴を形成した。
この基板表面に設けた窓穴の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ穴明けを行った。超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去後、洗浄触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、レーザ穴内壁と銅箔表面に約20μmの無電解銅めっき層を形成した。この基板表面のパッドや回路パターンなど必要な箇所にエッチングレジストを形成し、不要な銅をエッチング除去して、外層回路を形成した。
この基板表面にソルダーレジストPSR−4000 AUS5(太陽インキ製造株式会社、商品名)をロールコータで30μm塗布、乾燥後に露光・現像して所望の箇所にソルダーレジスト411を形成した。その後、3μmの無電解ニッケルめっきと0.1μmの無電解金めっき(Ni−Auめっき420)を外層回路パターン露出部表面層に形成して、コンデンサ内蔵多層配線板を得た(図20(i))。
実施例D−2
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−3の銅箔402の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図21(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み12μmの銅箔5GTS−12(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を形成した(図21(b))。次に、この基板の両面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴405′を形成した(図21(c))。続いて、窓穴405′の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ照射してレーザ穴406を明け、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去した(図21(d))。さらにそのPZT薄膜401の表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜407を形成した。その後、基板両面に触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成し、さらに基板両面に電気銅めっきにより20μmの金属層を形成し、めっき銅408からなる金属層を形成した(図21(e))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いてめっき銅408の不要部分をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いて露出したクロム薄膜407をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極409のパターンを形成した(図21(f))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、CFガスを用いたRIE法によってPZT薄膜401とルテニウム薄膜403の不要部分をエッチング除去し、コンデンサ誘電体401′を形成した(図21(g))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、銅箔402、銅箔405及びめっき銅408の不要部分を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図21(h))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図21(i))。
実施例D−3
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−2の銅箔402の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図22(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔5MT35M3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を形成した(図22(b))。次に、キャリア銅箔を手作業により剥離後、三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、基板の銅箔405の面に出力パワー30mJ、パルス幅15μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、φ0.15mmのレーザ穴406を作製した。その後、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去した(図22(c))。さらにそのPZT薄膜401の表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜407を形成した。その後、基板両面に触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成し、さらに基板両面に電気銅めっきにより20μmの金属層を形成し、めっき銅408からなる金属層を形成した(図22(d))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いてめっき銅408からなる金属層の不要部分をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いて露出したクロム薄膜407をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極409のパターンを形成した(図22(e))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜401の不要部分をエッチング除去してPZT薄膜のパターニングを行い、コンデンサ誘電体401′を形成した(図22(f))。続いて、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いて、露出したルテニウム薄膜403をエッチング除去した(図22(g))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、銅箔402、銅箔405及びめっき銅408の不要部分を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図22(h))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図22(i))。
実施例D−4
コンデンサ内蔵多層配線板用材料C−3の銅箔402の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図23(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔5MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を形成した(図23(b))。このプリプレグは、両面に厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを温度100℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間10分の条件のホットプレスで貼り付けた後、所望の箇所にドリル穴明けを行った後、スクリーン印刷により、熱硬化性樹脂に銅粉が分散された導電性ペースト13AE1650(タツタシステム・エレクトロニクス株式会社、商品名)を充填し、その後に表面のPETフィルムを剥がしたものを用いた。次に、PZT薄膜401の表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜407を形成したのち、基板の両面に電気銅めっきにより20μmのめっき銅408からなる金属層を形成した(図23(c))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いてめっき銅408からなる金属層の不要部分をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いて露出したクロム薄膜7をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極409のパターンを形成した(図23(d))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜401の不要部分をエッチング除去してPZT薄膜のパターニングを行い、コンデンサ誘電体401′を形成した(図23(e))。続いて、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いて、露出したルテニウム薄膜403をエッチング除去した(図23(f))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、銅箔402、銅箔405及びめっき銅408の不要部分を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図23(g))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図23(h))。
実施例D−5
コンデンサ内蔵多層配線板用材料と積層するプリプレグの穴に充填する導電性ペーストを化学的な反応により金属化される導電性ペーストであるナノペースト(ハリマ化成株式会社、商品名)に替えた以外は実施例D−4と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実施例D−6
コンデンサ内蔵多層配線板用材D−3の銅箔402の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図24(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔5MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を形成した(図24(b))。次に、キャリア銅箔を剥がした基板の銅箔405の表面に所望のエッチングレジストを形成し、不要な銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴405′を形成した(図24(c))。続いて、窓穴405′の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ照射してレーザ穴406を明け、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去した(図24(d))。さらにそのPZT薄膜401の表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜407を形成した。その後、この基板両面に触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜19を形成した。このようにして形成した0.05μmのクロム薄膜407と0.5μmの銅薄膜419とが、セミアディティブ法の下地金属層(厚さ0.1〜5μmの金属層)を形成する。この基板の両面に所望のめっきレジスト414を形成し、電気銅めっきを行い、厚み20μmの第1のコンデンサ電極409及びレーザ穴406を含む部分の回路となるめっき銅415からなる導体パターンを形成した(図24(e))。めっきレジスト414を剥離後、基板両面の0.5μmの銅薄膜419の不要部分と0.05μmのクロム薄膜407の不要部分をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極409のパターンを形成した。このときに3μm厚の銅箔405もパターニングして回路を形成した(図24(f))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜401の不要部分をエッチング除去してPZT薄膜401のパターニングを行い、コンデンサ誘電体401′を形成した(図24(g))。続いて、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いて、露出したルテニウム薄膜403をエッチング除去した(図24(h))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、銅箔402の不要部分を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図24(i))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図24(j))。
実施例D−7
コンデンサ内蔵多層配線板用材料C−3の銅箔402の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図25(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔5MT35M3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を形成した(図25(b))。キャリア銅箔を手作業により剥離後、三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー30mJ、パルス幅15μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、φ0.15mmのレーザ穴406を作製した。その後、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去した(図25(c))。さらにPZT薄膜401の表面にDCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜407を形成した。さらにこの基板の両面に触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜419を形成した。このようにして形成した0.05μmのクロム薄膜407と0.5μmの銅薄膜419とが、セミアディティブ法の下地金属層(厚さ0.1〜5μmの金属層)を形成する。この基板の表面に所望のめっきレジスト414を形成し、電気銅めっきを行い、厚み20μmの第1のコンデンサ電極409及びレーザ穴406を含む部分の回路となるめっき銅415からなる導体パターンを形成した(図25(d))。めっきレジスト414を剥離後、基板表面に露出した0.5μmの銅薄膜419と0.05μmのクロム薄膜407の露出部分をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極409及びレーザ穴406を含む部分の回路パターンを形成した。このときに3μm厚の銅箔405もパターニングして回路を形成した(図25(e))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜401をエッチング除去してPZT薄膜401のパターニングを行い、コンデンサ誘電体401′を形成した(図25(f))。その後、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いてルテニウム薄膜403の露出部分をエッチング除去した(図25(g))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、銅箔402の不要部分を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図25(h))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図25(i))。
実施例D−8
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−3の銅箔402の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図26(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔5GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を形成した(図26(b))。このプリプレグは、両面に厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを温度100℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間10分の条件のホットプレスで貼り付けた後、所望の箇所にドリル穴明けを行った後、スクリーン印刷により、熱硬化性樹脂に銅粉が分散された導電性ペースト13AE1650(タツタシステム・エレクトロニクス株式会社、商品名)を充填し、その後に表面のPETフィルムを剥がしたものを用いた。次に、PZT薄膜401の表面にDCスパッタリング法により0.05μmのクロム薄膜407を形成した。その後、この基板両面に触媒付与、密着促進後、無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜419を形成した。このようにして形成した0.05μmのクロム薄膜407と0.5μmの銅薄膜419とが、セミアディティブ法の下地金属層(厚さ0.1〜5μmの金属層)を形成する。その後、基板両面に所望のめっきレジスト414を形成し、電気銅めっきを行い、厚み20μmの第1のコンデンサ電極409となる導体パターンを形成した(図26(c))。めっきレジスト414を剥離後、基板表面の露出した0.5μmの銅薄膜419を塩化第二鉄水溶液でエッチング除去し、露出した0.05μmのクロム薄膜407をフェリシアン化カリウム水溶液を用いてエッチング除去して、第1のコンデンサ電極409のパターンを形成した(図26(d))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜401の不要部分をエッチング除去してPZT薄膜401のパターニングを行い、コンデンサ誘電体401′を形成した(図26(e))。続いて、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いて露出したルテニウム薄膜403をエッチング除去した(図26(f))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、銅箔402及び銅箔405の不要部分を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図26(g))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図26(h))。
実施例D−9
コンデンサ内蔵多層配線板用材料と積層するプリプレグの穴に充填する導電性ペーストを化学的な反応により金属化される導電性ペーストであるナノペースト(ハリマ化成株式会社、商品名)に替えた以外は実施例D−8と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実施例D−10
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−3の銅箔402の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図27(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み18μmの銅箔5GTS−18(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を形成した(図27(b))。このプリプレグは、両面に厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを温度100℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間10分の条件のホットプレスで貼り付けた後、所望の箇所にドリル穴明けを行った後、スクリーン印刷により、熱硬化性樹脂に銅粉が分散された導電性ペーストAE1650(タツタシステム・エレクトロニクス株式会社、商品名)を充填し、その後に表面のPETフィルムを剥がしたものを用いた。次に、PZT薄膜401の表面の所望の箇所に、スクリーン印刷により、化学的な反応により金属化される導電性ペーストであるナノペースト(ハリマ化成株式会社、商品名)を40μmの厚みで印刷後、温度200℃で加熱時間1時間の条件でベーキングし、導電性ペーストを金属化して、第1のコンデンサ電極416のパターンを形成した(図27(c))。続いて、所望のパターンのレジストを形成し、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜401の不要部分をエッチング除去してPZT薄膜のパターニングを行ってコンデンサ誘電体401′を形成した後、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いてルテニウム薄膜403の露出部分をエッチング除去した(図27(d))。次に、この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、銅箔402及び銅箔405の不要部分を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成して回路板を作製した(図27(e))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図27(f))。
実施例D−11
コンデンサ内蔵多層配線板用材料と積層するプリプレグの穴に充填する導電性ペーストを化学的な反応により金属化される導電性ペーストであるナノペースト(ハリマ化成株式会社、商品名)に替えた以外は実施例D−10と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
実施例D−12
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−3の銅箔402の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図28(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、厚み12μmの銅箔5GTS−12(古河サーキットフォイル株式会社、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を形成した(図28(b))。次に、所望のパターンのレジストを形成し、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜401をエッチング除去してPZT薄膜のパターニングを行ってコンデンサ誘電体401′を形成した後、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いてルテニウム薄膜403をエッチング除去した(図28(c))。この基板の両面に所望のエッチングレジストを形成し、銅箔405の不要部分を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去して、所望の箇所にφ0.15mmの窓穴405′を形成した(図28(d))。続いて、窓穴405′の箇所に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー26mJ、パルス幅100μs、ショット数4回の条件でレーザ照射してレーザ穴406を明け、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去した(図28(e))。さらに基板のコンデンサ誘電体401′側の面に、DCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜407を形成した。その後、基板の両面に、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成し、さらにその上に電気銅めっきにより20μmの金属層を形成し、めっき銅408からなる金属層を形成した(図28(f))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いてめっき銅408及び銅箔405の不要部分をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いて露出したクロム薄膜407をエッチング除去し、さらに塩化第二鉄水溶液を用いて露出した銅箔402をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極409と第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成した(図28(g))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図28(h))。
実施例D−13
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−3の銅箔402の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図29(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔5MT35M3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化して基板を得た(図29(b))。次に、所望のパターンのレジストを形成し、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜401をエッチング除去してPZT薄膜のパターニングを行ってコンデンサ誘電体401′を形成した後、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いてルテニウム薄膜403の露出部分をエッチング除去した(図29(c))。キャリア銅箔を手作業により剥離後、銅箔405の所定の表面に三菱電機株式会社製ML505GT型炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー30mJ、パルス幅15μs、ショット数6回の条件でレーザ照射し、φ0.15mmのレーザ穴406を作製した。その後、超音波洗浄とアルカリ過マンガン酸液で炭化した樹脂カスを除去した(図29(d))。さらにその基板のコンデンサ誘電体401′を形成した面上に、DCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜407を形成した。その後、基板両面に触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成し、さらにその上に電気銅めっきにより20μmの金属層を形成し、めっき銅408からなる金属層を形成した(図29(e))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いてめっき銅408及び銅箔405の不要部分をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いて露出したクロム薄膜407をエッチング除去し、さらに塩化第二鉄水溶液を用いて露出した銅箔402をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極409と第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成した(図29(f))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図29(g))。
実施例D−14
コンデンサ内蔵多層配線板用材料D−3の銅箔402の表面に、多層化接着前処理として、有機酸系マイクロエッチング剤CZ−8100B(メック株式会社製、商品名)による粗化処理を行った(図30(a))。このコンデンサ内蔵多層配線板用材料の銅箔402の表面に、絶縁樹脂基材404となる厚み100μmのガラスエポキシプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、35μmキャリア銅箔付き厚み3μmの銅箔5MT3553(三井鉱山株式会社、商品名)を配し、温度180℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間60分のプレス条件で積層一体化し、基板を得た(図30(b))。このプリプレグは、両面に厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムを温度100℃、圧力1.5MPa、加熱加圧時間10分の条件のホットプレスで貼り付けた後、所望の箇所にドリル穴明けを行った後、スクリーン印刷により、熱硬化性樹脂に銅粉が分散された導電性ペーストAE1650(タツタシステム・エレクトロニクス株式会社、商品名)を充填し、その後に表面のPETフィルムを剥がしたものを用いた。
次に、所望のパターンのレジストを形成し、20%重フッ化アンモニウム(NHF・HF)水溶液を用いてPZT薄膜401をエッチング除去してPZT薄膜のパターニングを行ってコンデンサ誘電体401′を形成した後、ルテニウムエッチング液REC−01(関東化学株式会社、商品名)を用いてルテニウム薄膜403の露出部分をエッチング除去した(図30(c))。さらに基板のコンデンサ誘電体401′の面側に、DCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜407を形成したのち、触媒付与、密着促進後無電解銅めっきを行い、0.5μmの銅薄膜を形成した。さらに基板両面に電気銅めっきにより20μmのめっき銅408からなる金属層を形成した(図30(d))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いてめっき銅408及び銅箔405の不要部分をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いて露出したクロム薄膜7をエッチング除去し、さらに塩化第二鉄水溶液を用いて露出した銅箔402エッチング除去して、第1のコンデンサ電極409と第2のコンデンサ電極410を含む回路パターンを形成した(図30(e))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図30(f))。
実施例D−15
コンデンサ内蔵多層配線板用材料と積層するプリプレグの穴に充填する導電性ペーストを化学的な反応により金属化される導電性ペーストであるナノペースト(ハリマ化成株式会社、商品名)に替えた以外は実施例D−14と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た。
比較例D−1
両面の回路パターンを接続する導体穴(穴内は穴うめ樹脂418にて充填されている)を有する板厚0.2mmの両面回路基板(図31(a))を用意した。この基板の片面に、DCスパッタリング法により、0.2μmのルテニウム薄膜403を形成した。所望のパターンのレジストを形成し、RIE法によって、回路上以外のルテニウム薄膜403をエッチング除去し、第2のコンデンサ電極421を含む回路パターンを形成した(図31(b))。さらにその基板表面に強誘電体薄膜形成材料PZT(関東化学株式会社、商品名)を塗布し、温度150℃で加熱時間30分間のプリベークを行った。塗布とプリベークをさらに5回繰り返し、その後に温度250℃で加熱時間1時間の熱処理を行って、厚さ0.5μmのPZT薄膜401を形成した(図31(c))。さらにそのPZT薄膜401の表面に、DCスパッタリング法により、0.05μmのクロム薄膜407を形成した。さらにその表面に電気銅めっきにより20μmのめっき銅408からなる金属層を形成した(図31(d))。この基板の表面に所望のエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄水溶液を用いてめっき銅408の不要部分をエッチング除去し、フェリシアン化カリウム水溶液を用いて露出したクロム薄膜407をエッチング除去して、第1のコンデンサ電極422のパターンを形成して回路板を作製した(図31(e))。その後の多層配線板の加工は実施例D−1と同様な工程によりコンデンサ内蔵多層配線板を得た(図31(f))。
実施例D−1〜D−15および比較例D−1で得られたコンデンサ内蔵多層配線板について、誘電体の膜厚、比誘電率およびコンデンサ容量を測定した。各測定方法は前記と同様である。以下の表4に測定結果を示す。

実施例D−1〜D−15は、いずれも、金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いて作製したコンデンサ内蔵基板である。作製したコンデンサ容量のばらつきは全て±10%未満であり、均一で良好なコンデンサを作製することができた。
また、比較例は、誘電体薄膜を金属層がパターニングされた基板の表面に形成されたコンデンサ内蔵基板であるために、膜厚のばらつきが大きく、結果としてコンデンサ容量のばらつきも最大54%と大きかった。
前述したところがこの発明の好ましい実施態様であること、多くの変更および修正をこの発明の精神と範囲にそむくことなくなく実行できることは当業者にとって了解されよう。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料。
【請求項2】
前記誘電体薄膜がチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸マグネシウム酸鉛−チタン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む固溶体、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む積層体からなる膜であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料。
【請求項3】
前記金属箔が銅からなり、かつ前記誘電体薄膜が形成される面に銅の酸化保護皮膜となる金属として、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、イリジウムからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料。
【請求項4】
前記金属箔が銅からなり、かつその表面に安定した自己酸化皮膜を形成する金属として、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料。
【請求項5】
金属箔の表面粗さが0.01〜0.5μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料。
【請求項6】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜を真空蒸着法により形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
【請求項7】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜をイオンプレーティング法により形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
【請求項8】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
【請求項9】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜をスパッタリング法により形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
【請求項10】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜をゾルゲル法により形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
【請求項11】
前記金属箔としてロール状の金属箔を用い、かつ温度が一定に管理された加熱炉内を連続的に金属箔を移動させながら前記誘電体薄膜を形成することを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板材料の製造方法。
【請求項12】
前記誘電体薄膜がチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸マグネシウム酸鉛−チタン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む固溶体、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む積層体からなる膜であることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
【請求項13】
前記金属箔が銅からなり、かつ誘電体薄膜が形成される面に銅の酸化保護皮膜となる金属として、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、イリジウムからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたことを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
【請求項14】
前記金属箔が銅からなり、かつその表面に安定した自己酸化皮膜を形成する金属として、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたことを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
【請求項15】
前記金属箔の表面粗さが0.01〜0.5μmであることを特徴とする請求項6〜14のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用材料の製造方法。
【請求項16】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって:
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と;
2)誘電体薄膜の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と;
3)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と;
4)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と;および
5)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項17】
前記誘電体薄膜の表面に形成する金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた1種以上の金属層を少なくとも含むことを特徴とする請求項16記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項18】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって:
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と;
2)誘電体薄膜の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と;
3)第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残して金属めっきレジストを形成する工程と;
4)金属めっきにより10〜50μmの第1のコンデンサ電極を形成する工程と、
5)金属めっきレジストを除去する工程と;
6)誘電体薄膜の表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、
7)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
8)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項19】
誘電体薄膜の表面に形成する前記金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする請求項18記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項20】
前記金属めっきが銅、銀、錫、ニッケル、亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とする請求項18または19記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項21】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって:
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と;
2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて10〜50μmの金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と;
3)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と;
4)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項22】
化学的な反応により金属化される前記導電性ペーストの金属粒子が金、白金、銀、銅、パラジウム、ルテニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含み、かつその平均粒径が0.1〜10nmであることを特徴とする請求項21記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項23】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって:
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と;
2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と;
3)コンデンサ誘電体を形成した基板表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と;
4)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極、第2のコンデンサ電極およびコンデンサ電極と電気的に絶縁された任意の導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項24】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面と導体回路を有する基板とを介して積層するプリプレグにおいて、任意の箇所に絶縁材料の貫通穴が設けられ、かつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されていることを特徴とする請求項16〜23のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項25】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面と導体回路を有する基板とを介して積層するプリプレグにおいて、任意の箇所に絶縁材料の貫通穴が設けられ、かつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されていることを特徴とする請求項16〜23のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項26】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって:
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と;
2)誘電体薄膜の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と;
3)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と;
4)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と;
5)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と;
6)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と;
7)その基板表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と;
8)穴を含む任意の箇所を除いてめっきレジストを形成する工程と;
9)めっきレジストを形成した箇所以外の基板表面に10〜50μmの金属層を形成して層間の回路パターンを電気的に接続させる工程と;
10)基板表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と;
11)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項27】
誘電体薄膜の表面に形成する前記金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた1種以上の金属層を少なくとも含むことを特徴とする請求項26記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項28】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と;
2)誘電体薄膜の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と;
3)第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残して金属めっきレジストを形成する工程と;
4)金属めっきにより10〜50μmの第1のコンデンサ電極を形成する工程と;
5)金属めっきレジストを除去する工程と;
6)誘電体薄膜の表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と;
7)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と;
8)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と;
9)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と;
10)その基板表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と;
11)穴を含む任意の箇所を除いてめっきレジストを形成する工程と;
12)めっきレジストを形成した箇所以外の基板表面に10〜50μmの金属層を形成して層間の回路パターンを電気的に接続させる工程と;
13)基板表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と;
14)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項29】
誘電体薄膜の表面に形成する前記金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする請求項28記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項30】
前記金属めっきが銅、銀、錫、ニッケル、亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とする請求項28または29記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項31】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって:
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と;
2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて10〜50μmの金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と;
3)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と;
4)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と;
5)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と;
6)その基板表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と;
7)穴を含む任意の箇所を除いてめっきレジストを形成する工程と;
8)めっきレジストを形成した箇所以外の基板表面に10〜50μの金属層を形成して層間の回路パターンを電気的に接続させる工程と;
9)基板表面に形成した0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と;
10)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項32】
化学的な反応により金属化される前記導電性ペーストの金属粒子が金、白金、銀、銅、パラジウム、ルテニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含み、かつその平均粒径が0.1〜10nmであることを特徴とする請求項31記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項33】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって:
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して導体回路を有する基板に積層する工程と;
2)誘電体薄膜任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と;
3)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の任意の箇所をエッチング除去して硬化したプリプレグの絶縁層を露出させる工程と;
4)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、内層となっている導体回路を露出させる工程と;
5)コンデンサ誘電体を形成した基板表面と穴内の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と;
6)少なくともコンデンサ誘電体と導体化された穴を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項34】
金属箔の表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔の面にプリプレグを介して積層する導体回路を有する基板において、基板の導体層が2層以上あり、かつその隣接する導体層の回路パターンが任意の箇所で導体化された穴により接続された基板であることを特徴とする請求項16〜33のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項35】
前記誘電体薄膜をエッチング除去する方法がイオンビームエッチング法、RIE(Reactive Ion Etching)法または溶液エッチング法のいずれかであることを特徴とする請求項16〜34のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項36】
第2のコンデンサ電極が多層配線板のグランド層または電源層であることを特徴とする請求項16〜35のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項37】
基板の絶縁材料が樹脂とガラス織布またはガラス不織布からなることを特徴とする請求項16〜36のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項38】
基板の絶縁材料に用いられている樹脂が熱硬化性樹脂であり、そのガラス転移点温度が170℃以上であることを特徴とする請求項16〜37のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項39】
基板内部に導体層間を接続するバイアホールを有し,かつ、表面に平滑な金属層を有する基板の表面に比誘電率が10〜2000で、かつ、膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜を形成したことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項40】
前記バイアホールが金属めっきにより電気的に接続されていることを特徴とする請求項39に記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項41】
前記バイアホールが金属フィラーと樹脂とからなる導電性ペーストにより電気的に接続されていることを特徴とする請求項39に記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項42】
前記バイアホールが化学的な反応により金属化される導電性ペーストにより電気的に接続されていることを特徴とする請求項39または請求項41に記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項43】
前記誘電体薄膜がチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれかを含む2種以上の固溶体、あるいはこれらのいずれかを含む2種以上の積層体からなる膜であることを特徴とする請求項39ないし請求項42いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項44】
前記誘電体薄膜の形成方法が真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、ゾルゲル法のいずれかであることを特徴とする請求項39ないし請求項43のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項45】
前記誘電体薄膜の形成時の基板温度が25℃〜350℃であることを特徴とする請求項39ないし請求項44のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項46】
前記基板の絶縁材料が樹脂とガラス織布またはガラス不織布からなることを特徴とする請求項39ないし請求項45のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項47】
前記基板の絶縁材料に用いられている樹脂が熱硬化性樹脂であり,そのガラス転移点温度が170℃以上であることを特徴とする請求項39ないし請求項46のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項48】
前記金属層が銅からなり,かつその表面に銅の酸化保護皮膜となる金属として、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、イリジウムからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けることを特徴とする請求項39ないし請求項47のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項49】
前記金属層が銅からなり,かつその表面に安定した自己酸化皮膜を形成する金属として、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属膜を設けることを特徴とする請求項39ないし請求項47のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項50】
前記金属層の表面粗さが0.01〜0.5μmであることを特徴とする請求項39ないし請求項49のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板。
【請求項51】
請求項39ないし請求項50のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板を内層板として用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)前記誘電体薄膜の表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、
2)前記金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、
3)前記誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
4)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項52】
前記誘電体薄膜の表面に形成する金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする請求項51に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項53】
請求項39ないし請求項50のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板を内層板として用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)前記誘電体薄膜の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、
2)第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残して金属めっきレジストを形成する工程と、
3)金属めっきにより10〜50μmの第1のコンデンサ電極を形成する工程と、
4)前記金属めっきレジストを除去する工程と、
5)前記誘電体薄膜の表面に形成した0.1〜5μmの前記金属層をエッチング除去する工程と、
6)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
7)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項54】
誘電体薄膜の表面に形成する金属層がクロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする請求項53に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項55】
前記金属めっきが銅、銀、錫、ニッケル、亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とする請求項53または請求項54に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項56】
請求項39ないし請求項50のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板を内層板として用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)前記誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて10〜50μmの金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、
2)前記誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
3)誘電体薄膜を除去して現れた金属層の少なくともコンデンサ誘電体を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望の第2のコンデンサ電極を含む導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項57】
化学的な反応により金属化される導電性ペーストの金属粒子が金,白金,銀,銅,パラジウム、ルテニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含み、かつ、その平均粒径が0.1〜10nmであることを特徴とする請求項56に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項58】
請求項39ないし請求項50のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板用基板を内層板として用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
2)コンデンサ誘電体を形成した基板表面に10〜50μmの金属層を形成する工程と、
3)その金属層の任意の部分を残してエッチング除去して所望の第1のコンデンサ電極、第2のコンデンサ電極およびコンデンサ電極と電気的に絶縁された任意の導体パターンを形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項59】
誘電体薄膜をエッチング除去する方法がイオンビームエッチング法、RIE(Reactive Ion Etching)法または溶液エッチング法のいずれかであることを特徴とする請求項51ないし請求項58のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項60】
第2のコンデンサ電極が多層配線板のグランド層または電源層であることを特徴とする請求項51ないし請求項59のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項61】
複数の絶縁層と複数の導体層と前記導体層を電気的に接続する導体化されたバイアホールを有する多層配線板であり、かつ、少なくとも1層の絶縁層の比誘電率が20〜2000、かつ、膜厚が0.1〜1μmの誘電体薄膜であり、その絶縁層に対向した電極を備えたコンデンサ内蔵多層配線板であって、
1)第1のコンデンサ電極を形成する導体層のパターンは全てコンデンサの電極を形成し、
2)誘電体薄膜の投影面は第1のコンデンサ電極の投影面を含み、
3)第2のコンデンサ電極を形成する導体層には第2のコンデンサ電極とこの電極と電気的に絶縁された少なくとも1つのパターンを有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板。
【請求項62】
複数の絶縁層と複数の導体層と前記導体層を電気的に接続する導体化されたバイアホールを有する多層配線板であり、かつ、少なくとも1層の絶縁層の比誘電率が20〜2000、かつ、膜厚が0.1〜1μmの誘電体薄膜であり、その絶縁層に対向した電極を備えたコンデンサ内蔵多層配線板であって、
1)コンデンサの誘電体を形成する誘電体薄膜の投影面に含まれる第1のコンデンサ電極を有し、
2)誘電体薄膜の端部は全て第1のコンデンサ電極を形成する導体層が第2のコンデンサ電極に電気的に接続されたことを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板。
【請求項63】
第2のコンデンサ電極が多層配線板のグランド層または電源層であることを特徴とする請求項61または請求項62に記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
【請求項64】
誘電体薄膜がチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれかを含む2種以上の固溶体、あるいはこれらのいずれかを含む2種以上の積層体からなる膜であることを特徴とする請求項61ないし請求項63のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
【請求項65】
基板の絶縁材料が樹脂とガラス織布またはガラス不織布からなることを特徴とする請求項61ないし請求項64のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
【請求項66】
基板の絶縁材料に用いられている樹脂が熱硬化性樹脂であり,そのガラス転移点温度が170℃以上であることを特徴とする請求項61ないし請求項65のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
【請求項67】
第2のコンデンサ電極が銅からなり,かつ、その表面に、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする請求項61ないし請求項66のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
【請求項68】
第2のコンデンサ電極の表面粗さが0.01〜0.5μmであることを特徴とする請求項61ないし請求項67のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
【請求項69】
第1のコンデンサ電極が銅、銀、錫、ニッケル、亜鉛、クロム、モリブデン、チタン、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属層を含むことを特徴とする請求項61ないし請求項68のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
【請求項70】
第1のコンデンサ電極が化学的な反応により金属化された導電性ペーストからなり、その金属が白金,金,銀,銅,錫,パラジウム、ルテニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とする請求項61ないし請求項68のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板。
【請求項71】
請求項61ないし請求項70のいずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板に半導体チップを搭載させたことを特徴とする半導体装置。
【請求項72】
金属箔の片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を、金属箔が絶縁材料と接するように絶縁材料の少なくとも片面に設けた基板を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)基板表面の誘電体薄膜上の所定の位置にコンデンサ電極となる金属層を形成する工程と、
2)少なくとも基板表面の前記金属層上にエッチングレジストを形成する工程と、
3)キレート剤と過酸化水素を含むエッチャントによって、誘電体薄膜をウェットエッチングする工程と、
4)ウェットエッチング後にエッチングレジストを除去する工程とを有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項73】
エッチャントのキレート剤濃度が0.001〜0.5mol/lであり、かつ、過酸化水素濃度が1〜50wt%であり、かつ、エッチャントのpHが2〜7の範囲であることを特徴とする請求項72に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項74】
キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、イミノ二酢酸(IDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)及びこれらのアルカリ塩からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項72又は73に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項75】
金属箔の片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を、金属箔が絶縁材料と接するように絶縁材料の少なくとも片面に設けた基板を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)基板表面の誘電体薄膜上の所定の位置にコンデンサ電極となる金属層を形成する工程と、
2)少なくとも基板表面の前記金属層上にエッチングレジストを形成する工程と、
3)硫酸、塩酸、りん酸、硝酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1つの酸と過酸化水素を含むエッチャントによって、誘電体薄膜をウェットエッチングする工程と、
4)ウェットエッチング後にエッチングレジストを除去する工程とを有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項76】
エッチャントの酸の濃度が1〜30wt%であり、かつ、過酸化水素濃度が1〜50wt%であることを特徴とする請求項75に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項77】
エッチングレジストとして感光性ドライフィルムを用いることを特徴とする請求項72〜76いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項78】
感光性ドライフィルムの膜厚が、感光性ドライフィルムによって形成されたエッチングレジストによりウェットエッチングから保護されるコンデンサ電極となる金属層の厚みの1〜3倍であることを特徴とする請求項77に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項79】
誘電体薄膜のウェットエッチングが、液温20〜45℃のエッチャントで行われることを特徴とする請求項72〜78いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項80】
誘電体薄膜が、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム及びジルコン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む固溶体、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む積層体からなる膜であることを特徴とする請求項72〜79いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項81】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)金属箔Bの任意の箇所をエッチング除去して、上記絶縁材料から形成された絶縁層を露出させる工程と、
3)レーザ照射により、露出された絶縁層を除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、
4)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、
5)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状の第1のコンデンサ電極パターンをエッチングで形成する工程と、
6)露出された誘電体薄膜から第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、
7)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aからコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極をエッチングで形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項82】
請求項81に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、5)又は7)のエッチング工程において、基板の金属箔Bを積層した面に任意の形状の回路を形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項83】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)金属箔Bの任意の箇所にレーザ照射することにより、金属箔Bと上記絶縁材料から形成された絶縁層とを同時に除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、
3)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、
4)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状の第1のコンデンサ電極パターンをエッチングで形成する工程と、
5)露出された誘電体薄膜から第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、
6)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aからコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極をエッチングで形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項84】
請求項83に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、4)又は6)のエッチング工程において、基板の金属箔Bを積層した面に任意の形状の回路を形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項85】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)基板表面の少なくとも誘電体薄膜側に金属層を形成する工程と、
3)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状の第1のコンデンサ電極パターンをエッチングで形成する工程と、
4)露出された誘電体薄膜から第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、
5)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aにコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極をエッチングで形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項86】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)基板表面の少なくとも誘電体薄膜側に金属層を形成する工程と、
3)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の誘電体薄膜上の金属層から任意の形状の第1のコンデンサ電極パターンをエッチングで形成する工程と、
4)露出された誘電体薄膜から第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、
5)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aからコンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極をエッチングで形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項87】
請求項85又は86に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、3)又は5)のエッチング工程において、基板の金属箔Bを積層した面に任意の形状の回路を形成することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項88】
上記誘電体薄膜と上記金属層との間に、クロム、モリブデン、チタン及びニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種の他の金属層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項81〜87いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項89】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)金属箔Bの任意の箇所をエッチング除去して、上記絶縁材料から形成された絶縁層を露出させる工程と、
3)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、
4)穴内を含む基板の両面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、
5)第1のコンデンサ電極となる部分と穴部を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、
6)金属めっきにより、上記の第1のコンデンサ電極となる部分と穴部を含む部分に導体パターンを形成する工程と、
7)金属めっきレジストを除去する工程と、
8)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、
9)露出された誘電体薄膜から第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、
10)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成する工程と、
11)露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項90】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2.μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)金属箔Bの任意の箇所にレーザ照射することにより、金属箔Bと上記の絶縁材料から形成された絶縁層とを同時に除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、
3)穴内を含む基板の両面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、
4)第1のコンデンサ電極となる部分と穴部を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、
5)金属めっきにより、上記の第1のコンデンサ電極となる部分と穴部を含む部分に導体パターンを形成する工程と、
6)金属めっきレジストを除去する工程と、
7)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、
8)露出された誘電体薄膜から、第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、
9)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成する工程と、
10)露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項91】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されているプリプレグを介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)基板の少なくとも誘電体薄膜側の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、
3)第1のコンデンサ電極となる部分を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、
4)金属めっきにより第1のコンデンサ電極となる部分を含む部分に導体パターンを形成する工程と、
5)金属めっきレジストを除去する工程と、
6)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、
7)露出された誘電体薄膜から、第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、
8)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項92】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されているプリプレグを介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)基板の少なくとも誘電体薄膜側の表面に0.1〜5μmの金属層を形成する工程と、
3)第1のコンデンサ電極となる部分を含む任意の部分を残して基板表面に金属めっきレジストを形成する工程と、
4)金属めっきにより第1のコンデンサ電極となる部分を含む部分に導体パターンを形成する工程と、
5)金属めっきレジストを除去する工程と、
6)基板表面に露出された0.1〜5μmの金属層をエッチング除去する工程と、
7)露出された誘電体薄膜から、第1のコンデンサ電極パターンを含む任意の形状のコンデンサ誘電体をエッチングで形成する工程と、
8)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項93】
少なくとも誘電体薄膜の表面に形成する0.1〜5μmの金属層が、(1)クロム、モリブデン、チタン及びニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属層であるか、(2)銅、銀、錫、ニッケル及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属層であるか、又は、(3)クロム、モリブデン、チタン及びニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属層と銅、銀、錫、ニッケル及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属層とを含むものであることを特徴とする請求項89〜92いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項94】
金属めっきにより形成される導体パターンが、銅、銀、錫、ニッケル及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とする請求項89〜93いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項95】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、
3)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
4)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項96】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)誘電体薄膜の表面の任意の部分に化学的な反応により金属化される導電性ペーストを用いて金属層を形成して所望の第1のコンデンサ電極を形成する工程と、
3)誘電体薄膜の少なくとも第1のコンデンサ電極を含む任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
4)誘電体薄膜を除去して現れた金属箔Aから、エッチングにより、コンデンサ誘電体パターンを含む任意の形状の第2のコンデンサ電極を形成し、露出された金属箔Bをエッチングにより回路形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項97】
金属箔Aの表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
3)金属箔Bの任意の箇所をエッチング除去して、上記絶縁材料から形成された絶縁層を露出させる工程と、
4)レーザ照射により露出された絶縁層を除去して穴を形成し、金属箔Aを露出させる工程と、
5)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、
6)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望の第1のコンデンサ電極及び第2のコンデンサ電極を形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項98】
金属箔Aの表面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
3)金属箔Bの任意の箇所にレーザ照射することにより、金属箔Bと上記絶縁材料から形成された絶縁層を同時に除去して穴を形成して金属箔Aを露出させる工程と、
4)穴内を含む基板表面の両面に金属層を形成する工程と、
5)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望の第1のコンデンサ電極及び第2のコンデンサ電極を形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項99】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が熱硬化性樹脂と金属フィラーを含む導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
3)基板の少なくともコンデンサ誘電体を有する表面に金属層を形成する工程と、
4)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望の第1のコンデンサ電極及び第2のコンデンサ電極を形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項100】
金属箔Aの片面に比誘電率が10〜2000でかつ膜厚が0.05〜2μmの誘電体薄膜が設けられたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いるコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法であって、
1)コンデンサ内蔵多層配線板用材料の金属箔Aの面に、任意の箇所に貫通穴が設けられかつその貫通穴が化学的な反応により金属化される導電性ペーストで充填されている絶縁材料を介して金属箔Bを積層し基板とする工程と、
2)誘電体薄膜の任意の部分を残してエッチング除去して所望のコンデンサ誘電体を形成する工程と、
3)基板の少なくともコンデンサ誘電体を有する表面に金属層を形成する工程と、
4)その金属層及び金属箔Aの任意の部分を残してエッチング除去して、所望の第1のコンデンサ電極及び第2のコンデンサ電極を形成する工程を有することを特徴とするコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項101】
化学的な反応により金属化される導電性ペーストが、金、白金、銀、銅、パラジウム及びルテニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属粒子を含み、かつその金属粒子の平均粒径が0.1〜10nmであることを特徴とする請求項86、92、95、96又は100に記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項102】
誘電体薄膜をエッチング除去する方法が、イオンビームエッチング法、RIE(Reactive Ion Etching)法又は溶液エッチング法のいずれかであることを特徴とする請求項81〜101いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項103】
第2のコンデンサ電極が多層配線板のグランド層又は電源層であることを特徴とする請求項81〜102いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項104】
基板の絶縁層の形成に用いられる絶縁材料が樹脂とガラス織布又はガラス不織布からなるプリプレグであることを特徴とする請求項81〜103いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項105】
基板の絶縁層の形成に用いられる絶縁材料が、樹脂として熱硬化性樹脂を含有するプリプレグであって、その熱硬化性樹脂のガラス転移点温度が170℃以上であることを特徴とする請求項81〜104いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項106】
誘電体薄膜がチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛及びニオブ酸マグネシウム酸鉛−チタン酸鉛のいずれか、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む固溶体、あるいはこれらのいずれか2種以上を含む積層体からなる膜であるコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いたことを特徴とする請求項81〜105いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項107】
金属箔Aが銅からなり、かつ誘電体薄膜が形成される面に銅の酸化保護皮膜となる金属として、白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いたことを特徴とする請求項81〜106いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項108】
金属箔Aが銅からなり、かつ誘電体薄膜が形成される面に安定した自己酸化皮膜を形成する金属として、クロム、モリブデン、チタン及びニッケルからなる群から選ばれた1種以上の金属膜を設けたコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いたことを特徴とする請求項81〜106いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。
【請求項109】
金属箔Aの誘電体薄膜が形成される面の表面粗さが0.01〜0.5μmであるコンデンサ内蔵多層配線板用材料を用いたことを特徴とする請求項81〜108いずれかに記載のコンデンサ内蔵多層配線板の製造方法。

【国際公開番号】WO2004/084597
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【発行日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503751(P2005−503751)
【国際出願番号】PCT/JP2004/003729
【国際出願日】平成16年3月19日(2004.3.19)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】