説明

スクリーン版、層間絶縁膜、回路基板、アクティブマトリックス回路基板及び画像表示装置

【課題】微細な開口を有する層間絶縁膜を形成するためのスクリーン版を提供する。
【解決手段】二次元的に配列された開口パターンをスクリーン印刷により印刷するためのスクリーン版において、スクリーン版の印刷方向に平行な一辺又は二辺の縁部に沿って所定のパターンが単数又は複数配列されているダミー印刷領域と、ダミー印刷領域よりも中心側に帯状に形成されている全面印刷を行うための全面印刷領域と、全面印刷領域よりも中心側に形成された前記開口パターンが二次元的に形成されている印刷領域とを有することを特徴とするスクリーン印刷を行うためのスクリーン版を提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン版、層間絶縁膜、回路基板、アクティブマトリックス回路基板及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリント基板、セラミックグリーンシートを積層したセラミック基板では、多層配線が広く使用されている。多層配線では、層間絶縁膜により分離された下部配線と上部配線をコンタクトホール(ビアホールとも称する)で接続する技術が必要である。LSIの高集積化・高速化のトレンドによって、プリント配線基板やセラミックス基板も高密度実装が要求され、近年では微細なコンタクトホールによる上下配線の接続技術が重要となる。
【0003】
このような、層間絶縁膜の形成方法としては、基板全面にスパッタリング法又は真空蒸着法等により、絶縁膜を成膜した後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光、現像を行うことにより、レジストパターンを形成した後、RIE等によるドライエッチングを行うことにより成膜した絶縁膜にスルーホールを形成し、層間絶縁膜を形成する方法と、基板にフォトレジストを塗布し、プリベーク、露光、現像を行うことにより、レジストパターンを形成し、その後、スパッタリング法又は真空蒸着法等により、絶縁膜を成膜した後、有機溶剤に浸すことにより、パターンニングされているレジスト上の絶縁膜をレジストと共に除去するリフトオフにより層間絶縁膜を形成する方法とがある。これらの方法では、いずれも高価な真空成膜装置を必要とし、製造するための製造工程数が多く、絶縁膜となる材料の利用効率も低いため、製造コストを上昇させてしまう。
【0004】
一方、フラットパネルディスプレイの背面回路基板においては、高精細化、高速応答性であると共に、低価格であることが重要であり、アクティブマトリックス駆動型の電子回路をより低コストで作製することが要求されている。フラットパネルディスプレイにおいては、一定周期で配列された個別貫通孔が形成されており、1個あたりの個別貫通孔の大きさは、200〔dpi〕では約30〔μm〕から60〔μm〕程度の円形または矩形、100〔dpi〕では約80〔μm〕から120〔μm〕程度の円形または矩形である。このような個別貫通孔を有する層間絶縁膜をより低コストで製造する方法として、印刷技術、特にスクリーン印刷法が注目されている。
【0005】
また、フラットパネルディスプレイの製造においては、アクティブマトリックス駆動型の電子回路上に層間絶縁膜を形成し、さらに、個別電極及び金属配線を形成する。このとき層間絶縁膜の個別貫通孔(ビアホール)を介して電子回路と個別電極とが電気配線により電気的に接続されている。このような電気配線を形成する場合においてもスクリーン印刷法は有効な手段である。
【0006】
一般に、スクリーン印刷法においては、パターンを有しないベタ印刷による絶縁膜の形成やハンダによる電極形成等に使用されるペーストの粘度は、百数十〔Pa・s〕であり、微細な個別貫通孔(ビアホール)などのパターン形成においては、ペーストの粘度不足あるいはチキソ性不足によるダレ込みやニジミ等のパターン不良が発生しやすい。このため、印刷領域内を均一な形状で欠陥なく微細パターン形成することは困難であり、量産において歩留まりを高めることができないという問題点を有していた。
【0007】
特許文献1では、ポジ型印刷(乳剤パターンどおりに転写)されるパターンの領域外にダミーパターン領域を設けることにより、パターン解像度を改善する方法が開示されている。この方法では、スクリーン印刷法によって、半導体ウエハに保護膜を印刷する場合において、チップパターンの外側に、50〜2000〔μm〕の間隔をあけ、50〜100〔μm〕の幅を有するダミーパターンを設けるものである。外周部にあるチップパターンを印刷する際には、ダミーパターンによってタッキング力が増加するため、ペーストがチップパターンに転写されるのに十分な接着時間を得ることができ、保護膜のエッジにカスレが発生しにくくなり、均一な形状の印刷パターンを形成することが可能となる。
【特許文献1】特開2004−253575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、幅広のダミーパターンによって過剰なタッキング力を与えてしまう。フラットパネルディスプレイにおける個別貫通孔を形成する際においては、過剰なタッキング力によるパターン寸法バラツキは、パターンの最外周部における素子面積の増加に直結し、最終的には画像品質の低下を招く場合がある。また、最外周の個別貫通孔において、ニジミやダレ込みによって欠陥を生じる場合もあり、最外周部の個別貫通孔の形状を精密に制御することが必要となり、このため、ダミーパターン領域においてペーストの転写量が均一となるようにパターンを配置する必要があり、実用上難点を伴うものであった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、微細な開口パターンを容易に低コストで印刷により形成するためのスクリーン版、このスクリーン版を用いることにより形成される層間絶縁膜、回路基板、アクティブマトリックス回路基板及び画像表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、二次元的に配列された開口パターンをスクリーン印刷により印刷するためのスクリーン版において、前記スクリーン版の印刷方向に平行な一辺又は二辺の縁部に沿って所定のパターンが単数又は複数配列されているダミー印刷領域と、前記ダミー印刷領域よりも中心側に帯状に形成されている全面印刷を行うための全面印刷領域と、前記全面印刷領域よりも中心側に形成された前記開口パターンが二次元的に形成されている印刷領域と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記全面印刷領域は、前記スクリーン版における印刷方向に平行に形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記全面印刷領域の幅は、前記印刷領域における開口パターンのパターンピッチの1倍以上、15倍以下であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記ダミー印刷領域における所定のパターンは、φ20〔μm〕以上の円形、または、一辺が20〔μm〕以上の多角形からなる開口パターンであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記ダミー印刷領域における所定のパターンは、前記スクリーン版の印刷方向に沿って、幅20〔μm〕以上の帯状のパターンであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記スクリーン版を用いたスクリーン印刷には、絶縁ペーストを用いることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記スクリーン版におけるスクリーンメッシュは、360から600〔本/インチ〕であって、前記印刷領域における開口パターンのピッチは、100から400〔μm〕であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記記載のスクリーン版を用い、ブルックフィールド型粘度計HBT No.14スピンドルを用いて10〔rpm〕で計測した場合、200から350〔Pa・s〕である絶縁ペーストを使用して、スクリーン印刷法により印刷することにより、前記印刷領域に形成されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、多層配線を有する回路基板であって、前記記載の層間絶縁膜に形成された開口パターン内に導電性材料を埋め込むことにより、前記層間絶縁膜を介して、上部電極と下部電極を接続したものであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記記載の回路基板には電気配線が形成されており、前記電気配線は二次元的に配列させたトランジスタ又はダイオードと電気的に接続されていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記記載のアクティブマトリックス回路基板上に、画像表示素子を積層形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、微細なパターンのコンタクトホールであっても、均一に形成することが可能なスクリーン版を提供することができる。また、このスクリーン版を用いることにより微細なパターンのコンタクトホールを有する層間絶縁膜、回路基板、アクティブマトリックス回路基板及び画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明における実施の形態について、以下に説明する。
【0023】
〔第1の実施の形態〕
本実施の形態は、スクリーン印刷法により、開口パターンが二次元的に配列されている層間絶縁膜を印刷により形成するものである。本実施の形態について、図1及び図2に基づき説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態におけるスクリーン版10の上面図である。このスクリーン版10の作製方法について説明する。
【0025】
最初に、スクリーン版枠にポリエステルメッシュを介して、平織りのステンレスメッシュをダブルバイアスコンビネーションの形で、所定の張力を持たせた状態で貼り付ける。
【0026】
次に、ステンレスメッシュの一面に感光性乳剤の塗布とベークを繰り返すことにより、所定の厚さの遮蔽乳剤を形成する。
【0027】
次に、遮蔽乳剤の表面に印刷ペーストが通過する領域となるパターンが形成されたCrパターンのガラス原版を密着させて、露光装置により露光する。
【0028】
次に、遮蔽乳剤を現像してスクリーン版上に所定の遮蔽乳剤からなるパターンを形成する。なお、必要に応じてスクリーン版にカレンダー加工を施すことが望ましい。
【0029】
このようにして、本実施の形態におけるスクリーン版10が形成される。このスクリーン版10は、印刷方向に沿った辺の縁部において、ダミー印刷領域12が形成されており、このダミー印刷領域12に隣接して、印刷方向と平行に形成された全面印刷領域13が形成され、その内側に、所定の開口パターンからなる印刷パターンの形成された印刷領域11が形成されているものである。
【0030】
図2に基づき、このスクリーン版10における遮蔽乳剤のパターンについて説明する。ダミー印刷領域12においては、印刷されるパターンが所定の開口パターンとなるようなダミー印刷パターン16が形成されており、遮蔽乳剤は、この開口パターンとなる領域に形成されている。従って、印刷ペーストを用いて印刷を行うことにより、遮蔽乳剤の形成されている領域は、印刷ペーストは通過することなく、遮蔽乳剤の形成されていない領域において、印刷ペーストが通過する。このため印刷されたパターンは、遮蔽乳剤の形成された領域、即ち、ダミー印刷パターン16に対応した開口部を有する開口パターンとなる。
【0031】
全面印刷領域13においては、遮蔽乳剤は形成されていない。このため印刷ペーストを用いて印刷を行った場合、全面印刷領域13においては、印刷ペーストが通過し、全面印刷、即ち、いわゆるベタ印刷が行われる。
【0032】
印刷領域11においては、印刷されるパターンが所定の開口パターンとなる印刷パターン15が形成されており、遮蔽乳剤は、この開口パターンとなる領域に形成されている。従って、印刷ペーストを用いて印刷を行った場合、遮蔽乳剤の形成されている領域は、印刷ペーストは通過することなく、遮蔽乳剤の形成されていない領域においては印刷ペーストが通過する。このため印刷されたパターンは、遮蔽乳剤の形成された領域、即ち、印刷パターン15に対応した開口部を有する開口パターンとなる。
【0033】
次に、図3に基づき本実施の形態におけるスクリーン版を用いたスクリーン印刷法について説明する。尚、印刷ペーストとして絶縁性ペーストを使用する。
【0034】
図3(a)に示すように、基板21上に本実施の形態におけるスクリーン版10を設置し、スキージ24を用い絶縁性ペースト23の印刷を行う。印刷に使用した絶縁性ペースト23は、無機フィラー粒子、熱可塑性樹脂バインダー、ブチルカルビトール等からなるものである。ファインピッチでパターン印刷を行う場合、絶縁性ペースト23の粘度は、260〔Pa・s〕(ブルックフィールドHBT No.14スピンドルを用いて10〔rpm〕で計測)程度であるものを使用することが好ましい。スクリーン版10と基板21とのクリアランスは、スクリーン版10のサイズに対応して適宜設定されている。
【0035】
この後、図3(b)に示すように、スキージ24を移動させることにより、スクリーン印刷を行う。この際、用いられるスキージ24はゴム製の平スキージ24であり、アタック角70〔°〕、印刷速度10〜80〔mm/s〕の条件で印刷を行う。これにより、基板21の表面に絶縁ペーストからなる印刷パターン25が形成される。
【0036】
以上のスクリーン印刷方法をより具体的に説明する。絶縁性ペースト23を印刷する際には、印刷対象となる基板21上の数〔mm〕離した位置にスクリーン版10を設置する。その後、スクリーン版10に絶縁性ペースト23を薄く塗り広げた後、スキージ24により印刷対象となる基板21上にスクリーン版10を押しつけながら印刷を行う。スクリーン版10は、スキージ24により押し込まれることにより伸びて、基板21の表面において線状に接触する。この線状に接触している領域はスキージ24の移動と共に移動し、この際に、スクリーン版10において遮蔽乳剤の形成されていない領域より絶縁性ペースト23が通り抜け、印刷パターン25が基板21上に形成される。尚、スクリーン版10において遮蔽乳剤の形成されている領域は、遮蔽乳剤により遮蔽され絶縁性ペースト23は通り抜けることはない。
【0037】
スクリーン版10が基板21に対して、スキージ24の移動により線状に接触する領域は、スクリーン版10の復元力により、スキージ24の移動に伴い基板21から離れる。これが、スクリーン印刷において版離れと呼ばれる現象である。この版離れ時には、強いせん断応力がスクリーン版10と絶縁性ペースト23との接触部分にかかる。版離れによるせん断応力を受けた絶縁性ペースト23の粘度は急激に減少し、絶縁性ペースト23が基板21の表面に転写される。
【0038】
ここで、使用される絶縁性ペースト23の粘度、印刷条件及び印刷パターンの配列等により異なるものの、スクリーン版10と基板21との間にタッキング力と呼ばれる接着力が生じる。このタッキング力は、使用される絶縁性ペースト23の粘度やスクリーン版及び被印刷基材への濡れ性等の印刷条件によってこの強さは異なる。
【0039】
一般的に、絶縁性ペースト23が全面的に通過するようなベタ印刷がされる領域が広い場合においては、基板21とスクリーン版10との接触領域が広いためタッキング力は強くなる。一方、遮蔽乳剤による遮蔽領域が多く形成されている場合においては、基板21とスクリーン版10との接触領域は狭いためタッキング力は弱くなる。また、スクリーン版10の復元張力は、基板21からの版離れのしやすさを考慮して設定されているが、スキージ24によりスクリーン版10と基板21とが線状に接触する領域においては、スクリーン版10の中央部の復元力は両端部分の復元力よりも弱くなっている。
【0040】
また、通常は、印刷パターンが乳剤により遮られていても、スキージ前方で印刷ペーストの転写が起こり、かつ、印刷ペーストの転写量がベタ印刷領域とパターン領域とでは、均一にならないためベタ印刷領域からパターン領域へ印刷ペーストがはみ出る「ダレ込み」と呼ばれる現象が発生する。
【0041】
しかしながら、本実施の形態では、スクリーン版10において、ダミー印刷領域12及び全面印刷領域13が設けられているため、スキージ24の両端に近い印刷領域11において印刷ペーストの転写量をできるだけ均一に保つことが可能であるため、
ダレ込みや版離れ遅れによるパターンニジミ等が生じにくくなる。
【0042】
このようにしてスクリーン印刷の行われた基板は、図3(c)に示すように、強制対流式オーブン27に入れて、加熱し、印刷パターン25である絶縁ペーストを硬化させ絶縁膜を形成する。この際の硬化条件は、250〔℃〕で60〔分〕である。
【0043】
尚、基板21としては、紙、ガラス基板、石英基板、セラミックス基板、PES(ポリエーテルサルフォン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のプラスチック基板、Si、GaAs等の半導体基板を用いることが可能である。又、絶縁性ペースト23は、ファインピッチ印刷に対応することが可能であって、スクリーン印刷をすることが可能である絶縁性ペーストであれば使用することが可能である。
【0044】
また、本実施の形態におけるスクリーン版10は、スクリーンメッシュが、360から800〔本/インチ〕であることが好ましい。具体的には、図4に示すスクリーン版10の印刷領域11における印刷パターン15のX方向のパターンピッチax及びY方向のパターンピッチayは、100から400〔μm〕であることが好ましい。スクリーン版作製においては、遮蔽乳剤はメッシュの交点の3つから4つ程度で支持することが強度面から望ましい。通常は、メッシュ開口部の3倍から4倍程度の大きさで乳剤を作製する必要があり、現在、量産レベルで使用されているメッシュは最もファインなもので500メッシュである。500メッシュで強度的に支持可能な乳剤サイズは、30〔μm〕程度が現状では限界である。そのようなメッシュに対する乳剤サイズの制限の下に印刷パターンおよび印刷領域を設計すれば、印刷ペーストの転写量をコントロールすることが可能となるため、本発明の効果を特に顕著に得ることができる。今後、より微細メッシュがスクリーン版作製へ適用できるようになれば、乳剤サイズの制限がさらに小さくなり、さらなるファインパターンの形成が可能となる。
【0045】
また、全面印刷領域13の幅cLは、印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの1倍以上、15倍以下の幅で形成されることが好ましい。後述するように、この範囲の幅で全面印刷領域13を形成することにより、印刷領域11における印刷パターンにおいて、印刷領域11において、欠陥を生ずることなくスクリーン印刷を行うことが可能であるからである。
【0046】
また、絶縁性ペースト23は、ブルックフィールド型粘度計HBTNo.14スピンドルを用いて10〔rpm〕で計測した場合、150から350〔Pa・s〕であることが好ましく、この範囲において、上記と同様の効果を得ることが可能である。
【0047】
〔第2の実施の形態〕
本実施の形態は、スクリーン版10における全面印刷領域13及びダミー印刷パターン16の形状に関するものである。
【0048】
図5に基づきダミー印刷パターン16の形状について説明する。ダミー印刷パターン16としては、図5(a)に示すような円形、図5(b)に示すような楕円形、図5(c)に示すようなドーナッツ状、図5(d)に示すような正方形、図5(e)に示すようなひし形、図5(f)に示すような長方形、図5(g)に示すような六角形等、φ20〔μm〕以上の円形、一辺が20〔μm〕以上の多角形が挙げられる。ダミー印刷パターン16がこれらの形状であれば、本発明における効果を得ることができるからである。
【0049】
また、ダミー印刷領域12に形成されるパターンは、図6に示すような、印刷方向に平行な帯状のダミー印刷パターン17であっても良い。なお、この場合の帯状のダミー印刷パターン17の幅は20〔μm〕以上の幅で形成される。ダミー印刷パターン17がこのような形状であっても、本発明における効果を得ることができる。
【0050】
また、図7に示すように、スクリーン版10は印刷方向に対し平行な二つの辺、即ち、印刷領域11の両側の二つの辺に沿って、ダミー印刷領域12a、12b、全面印刷領域13a、13bを設けた構成であってもよい。このような構成とすることにより、印刷領域11の全面においてより一層印刷パターン15の欠陥を生じさせることなく形成することが可能となる。更に、図8に示すように、スクリーン版10は、ダミー印刷領域12における印刷方向の長さを、印刷領域11よりも長くした構成であっても良い。
【0051】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、本発明に基づくアクティブマトリックス回路基板及びアクティブマトリックス回路基板の形成方法である。
【0052】
本実施の形態におけるアクティブマトリックス回路基板は、図9、図10に示す回路基板上に、層間絶縁膜及び個別電極を形成することにより作製される。
【0053】
図9は、回路基板の配線パターンを示す上面図であり、図10は、図9における破線10A−10Bにおいて切断した断面図である。この回路基板には、石英又はガラスからなる基板51上に、二次元的なマトリックス状に、TFT(薄膜トランジスタ)が配列されている。TFTは、基板51上に形成されたAlにより形成されたゲート電極52、ドレイン電極54、ソース電極55を電極とし、SiOからなるゲート絶縁膜53、a−Siにより形成された半導体層56により形成されているものである。
【0054】
尚、ゲート電極52、ドレイン電極54、ソース電極55は、Cr、Cu、Au等をスパッタリング法によって成膜した後、フォトレジストを塗布した後、プリベーク、露光、現像を行うことにより、レジストパターンを形成し、その後、RIE等によりエッチングを行うことにより形成する。また、ゲート絶縁膜53は、プラズマCVD法により酸化シリコン又は窒化シリコンからなる絶縁膜を成膜することにより形成する。
【0055】
次に、図11に示すように、このようにして形成した回路基板上に、第1の実施の形態におけるスクリーン版を用いてスクリーン印刷を行うことにより層間絶縁膜57を形成する。この層間絶縁膜57は、各々のTFTに対応してスルーホールが形成されており、このスルーホールに導電性材料を埋め込むことにより、TFTのドレイン電極54は、個別電極59と電気的に接続される。このようにして、本実施の形態におけるアクティブマトリックス回路基板が作製される。
【0056】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、本発明にかかる画像表示装置である。
【0057】
具体的には、第3の実施の形態において作製したアクティブマトリックス回路基板を用い、画像表示素子として電気泳動素子を形成したものである。
【0058】
図12に基づき、本実施の形態に係る画像表示装置について説明する。
【0059】
第3の実施の形態において作製したアクティブマトリックス回路基板の個別電極59が形成されている面に、接着層60を介し、例えばオイルブルーで着色したアイソパーと酸化チタン粒子をカプセルで包んだ電気泳動型表示素子層61を積層形成し、更にその上に、共通電極62の形成されている上部基板63を貼り合わせることにより形成される。
【0060】
本実施の形態において用いられる表示素子は、本実施の形態に示した電気泳動表示素子以外にも、エレクトロクロミック素子やポリマー分散型液晶素子であってもよい。
【実施例】
【0061】
次に、本発明における実施例について、以下に説明する。具体的には、以下の構成のスクリーン版を作製し、絶縁性ペーストによる印刷を実施した結果である。
【0062】
(実施例1)
実施例1におけるスクリーン版は、400〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図4に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、X方向における長軸が160〔μm〕、Y方向における短軸が120〔μm〕の楕円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに300〔μm〕で、2次元的に1000×800個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径200〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが300〔μm〕で、2次元的に3×800個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが700〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの2.3個分相当)の帯状に形成されている。
【0063】
(比較例1)
比較例1におけるスクリーン版は、400〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。このスクリーン版は、印刷領域11において、X方向における長軸が160〔μm〕、Y方向における短軸が120〔μm〕の楕円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに300〔μm〕で、2次元的に1000×800個配列されている。尚、ダミー印刷領域12及び全面印刷領域13は形成されていない。
【0064】
(実施例2)
実施例2におけるスクリーン版は、400〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図4に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、X方向における長軸が160〔μm〕、Y方向における短軸が120〔μm〕の楕円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに300〔μm〕で、2次元的に1000×800個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径200〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが300〔μm〕で、2次元的に3×800個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが2100〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの7個分相当)の帯状に形成されている。
【0065】
(実施例3)
実施例3におけるスクリーン版は、400〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図4に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、X方向における長軸が160〔μm〕、Y方向における短軸が120〔μm〕の楕円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに300〔μm〕で、2次元的に1000×800個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径200〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが300〔μm〕で、2次元的に3×800個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが4500〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの15個分相当)の帯状に形成されている。
【0066】
(比較例2)
比較例2におけるスクリーン版は、400〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図4に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、X方向における長軸が160〔μm〕、Y方向における短軸が120〔μm〕の楕円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに300〔μm〕で、2次元的に1000×800個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径200〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが300〔μm〕で、2次元的に3×800個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが4800〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの16個分相当)の帯状に形成されている。
【0067】
(比較例3)
比較例3におけるスクリーン版は、400〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図4に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、X方向における長軸が160〔μm〕、Y方向における短軸が120〔μm〕の楕円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに300〔μm〕で、2次元的に1000×800個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径200〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが300〔μm〕で、2次元的に3×800個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが9000〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの30個分相当)の帯状に形成されている。
【0068】
(実施例4)
実施例4におけるスクリーン版は、400〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図13に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、X方向における長軸が160〔μm〕、Y方向における短軸が120〔μm〕の楕円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに300〔μm〕で、2次元的に1000×800個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、一辺が150〔μm〕のひし形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが400〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが300〔μm〕で、2次元的に6×800個配列されている。(図面の都合上一部省略されている)また、全面印刷領域13は、幅cLが700〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの2.3個分相当)の帯状に形成されている。
【0069】
(実施例5)
実施例5におけるスクリーン版は、400〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図6に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、X方向における長軸が160〔μm〕、Y方向における短軸が120〔μm〕の楕円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに300〔μm〕で、2次元的に1000×800個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、幅が200〔μm〕の帯状のダミー印刷パターン17が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕で3本配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが700〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの2.3個分相当)の帯状に形成されている。
【0070】
(実施例6)
実施例6におけるスクリーン版は、400〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。具体的には、図7に示すように、ダミー印刷領域12a、12b及び全面印刷領域13a、13bが、印刷領域11の両側に形成されている。この構成は、図4に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、X方向における長軸が160〔μm〕、Y方向における短軸が120〔μm〕の楕円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに300〔μm〕で、2次元的に1000×800個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径200〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが300〔μm〕で、2次元的に3×800個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが2100〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの7個分相当)の帯状に形成されている。このような構成のものが反対側にも形成されているものである。
【0071】
(実施例7)
実施例7におけるスクリーン版は、500〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図14に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、直径が100〔μm〕の円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに200〔μm〕で、2次元的に2500×2000個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径150〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが200〔μm〕で、2次元的に3×2000個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが200〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの1個分相当)の帯状に形成されている。
【0072】
(実施例8)
実施例8におけるスクリーン版は、500〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図14に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、直径が100〔μm〕の円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに200〔μm〕で、2次元的に2500×2000個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径150〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが200〔μm〕で、2次元的に3×2000個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが800〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの4個分相当)の帯状に形成されている。
【0073】
(実施例9)
実施例9におけるスクリーン版は、500〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図14に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、直径が100〔μm〕の円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに200〔μm〕で、2次元的に2500×2000個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径150〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが200〔μm〕で、2次元的に3×2000個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが3000〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの15個分相当)の帯状に形成されている。
【0074】
(比較例4)
比較例4におけるスクリーン版は、500〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図14に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、直径が100〔μm〕の円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに200〔μm〕で、2次元的に2500×2000個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径150〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが200〔μm〕で、2次元的に3×2000個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが3200〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの16個分相当)の帯状に形成されている。
【0075】
(比較例5)
比較例5におけるスクリーン版は、500〔本/インチ〕の平織りステンレス線からなるスクリーンメッシュからなるものである。図14に示すように、このスクリーン版10は、印刷領域11において、直径が100〔μm〕の円形状の印刷パターン15が形成されており、この印刷パターン15が、X方向のパターンピッチax、Y方向のパターンピッチayがともに200〔μm〕で、2次元的に2500×2000個配列されている。また、ダミー印刷領域12においては、直径150〔μm〕の円形のダミー印刷パターン16が形成されており、X方向のパターンピッチbxが300〔μm〕、Y方向のパターンピッチbyが200〔μm〕で、2次元的に3×2000個配列されている。また、全面印刷領域13は、幅cLが4000〔μm〕(印刷パターン15のX方向のパターンピッチaxの20個分相当)の帯状に形成されている。
【0076】
表1に、上記の実施例1から9と比較例1から5において、印刷領域11において形成される印刷パターン15の欠陥数と、ダミー印刷領域12において形成されるダミー印刷パターン16の欠陥数とを示す。
【0077】
【表1】

実施例1と比較例1とは、ダミー印刷領域12及び全面印刷領域13を形成するか否かの相違を示すものである。即ち、実施例1は、本発明におけるダミー印刷領域12及び全面印刷領域13を形成したスクリーン版を用いてスクリーン印刷を行ったものであるのに対し、比較例1は、ダミー印刷領域12及び全面印刷領域13が形成されていないスクリーン版を用いてスクリーン印刷を行ったものである。この結果、表1に示されるように、実施例1では、印刷領域11における印刷パターン15の欠陥はなかったのに対し、比較例1では、印刷領域における印刷パターンの欠陥数は、約4000個存在していた。
【0078】
図15に実施例1におけるスクリーン版を用いて印刷された印刷パターンの顕微鏡写真を示し、図16に比較例1におけるスクリーン版を用いて印刷された印刷パターンの顕微鏡写真を示す。図15に示す実施例1においては、印刷領域11はダミー印刷領域12より全面印刷領域13を隔て形成されており、全面印刷領域13では、絶縁ペーストが全面に印刷されている。印刷領域11及びダミー印刷領域12において形成される開口部は不良がなく良好な開口部が形成されていることが確認される。一方、図16に示す比較例1においては、開口部において、欠陥が存在していることが確認される。
【0079】
また、実施例2、3、比較例2、3は、全面印刷領域13の幅の依存性を示すものである。即ち、実施例2は、全面印刷領域13の幅が2100〔μm〕(印刷領域11における印刷パターンのX方向のパターンピッチの7個分の幅)であるスクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷をしたものであり、実施例3は、全面印刷領域13の幅が4500〔μm〕(印刷領域11における印刷パターンのX方向のパターンピッチの15個分の幅)であるスクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷をしたものであり、比較例2は、全面印刷領域13の幅が4800〔μm〕(印刷領域11における印刷パターンのX方向のパターンピッチの16個分の幅)であるスクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷をしたものであり、比較例3は、全面印刷領域13の幅が9000〔μm〕(印刷領域11における印刷パターンのX方向のパターンピッチの30個分の幅)であるスクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷をしたものである。この結果、表1に示されるように、実施例2、実施例3では、印刷領域11における印刷パターン15の欠陥はなかったのに対し、比較例2では、印刷領域11における印刷パターン15の欠陥数は、約400個存在しており、比較例3では、印刷領域11における印刷パターン15の欠陥数は、約2700個存在していた。
【0080】
また、実施例4、5は、ダミー印刷領域12におけるダミー印刷パターン16の形状を変化させた場合の依存性を示すものである。即ち、実施例4は、図13に示すようにダミー印刷領域12におけるダミー印刷パターン16の形状がひし形のスクリーン版10を用いてスクリーン印刷をしたものであり、実施例5は、図6に示すようにダミー印刷領域12におけるダミー印刷パターン17の形状が帯状のスクリーン版10を用いてスクリーン印刷をしたものである。この結果、表1に示されるように、実施例4、実施例5は、実施例1と同様に、印刷領域11における印刷パターン15の欠陥はなかった。
【0081】
また、実施例6は、図7に示すように、実施例1におけるダミー印刷領域12及び全面印刷領域13を印刷領域11の両側に設けたスクリーン版10によりスクリーン印刷したものである。この結果、表1に示されるように、実施例6は、実施例1と同様に、印刷領域11における印刷パターン15の欠陥はなかった。
【0082】
また、実施例7、8、9、比較例4、5は、全面印刷領域13の幅cLの依存性を示すものである。具体的には、実施例7、8、9、比較例4、5は、実施例1から3、比較例1から3に対し、印刷領域11における印刷パターン15のパターンピッチ、ダミー印刷領域12におけるダミー印刷パターン16のパターンピッチを狭めた場合における全面印刷領域13の幅cLの依存性を示すものである。即ち、実施例7は、全面印刷領域13の幅cLが200〔μm〕(印刷領域11における印刷パターンのX方向のパターンピッチの1個分の幅)であるスクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷をしたものであり、実施例8は、全面印刷領域13の幅cLが800〔μm〕(印刷領域11における印刷パターンのX方向のパターンピッチの4個分の幅)であるスクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷をしたものであり、実施例9は、全面印刷領域13の幅cLが3000〔μm〕(印刷領域11における印刷パターンのX方向のパターンピッチの15個分の幅)であるスクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷をしたものであり、比較例4は、全面印刷領域13の幅が3200〔μm〕(印刷領域11における印刷パターンのX方向のパターンピッチの16個分の幅)であるスクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷をしたものであり、比較例5は、全面印刷領域13の幅が4000〔μm〕(印刷領域11における印刷パターンのX方向のパターンピッチの20個分の幅)であるスクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷をしたものである。この結果、表1に示されるように、実施例7、実施例8、実施例9では、印刷領域11における印刷パターン15の欠陥はなかったのに対し、比較例4では、印刷領域11における印刷パターン15の欠陥数は、約2000個存在しており、比較例3では、印刷領域11における印刷パターン15の欠陥数は、約4500個存在していた。
【0083】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1の実施の形態におけるスクリーン版の上面図
【図2】第1の実施の形態におけるスクリーン版の上面拡大図
【図3】第1の実施の形態におけるスクリーン版を用いたスクリーン印刷の工程図
【図4】第1の実施の形態におけるスクリーン版のパターン配置図
【図5】第2の実施の形態におけるダミー印刷パターンの形状図
【図6】第2の実施の形態におけるスクリーン版のパターン配置図
【図7】第2の実施の形態におけるスクリーン版の上面図(1)
【図8】第2の実施の形態におけるスクリーン版の上面図(2)
【図9】第3の実施の形態におけるアクティブマトリックス回路基板の上面図
【図10】第3の実施の形態におけるアクティブマトリックス回路基板の工程図(1)
【図11】第3の実施の形態におけるアクティブマトリックス回路基板の工程図(2)
【図12】第4の実施の形態における画像表示装置の断面図
【図13】実施例4におけるスクリーン版のパターン配置図
【図14】実施例7から9、比較例4、5におけるスクリーン版のパターン配置図
【図15】実施例1における形成された印刷パターンの写真
【図16】比較例1における形成された印刷パターンの写真
【符号の説明】
【0085】
10 スクリーン版
11 印刷領域
12 ダミー印刷領域
13 全面印刷領域
15 印刷パターン
16 ダミー印刷パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元的に配列された開口パターンをスクリーン印刷により印刷するためのスクリーン版において、
前記スクリーン版の印刷方向に平行な一辺又は二辺の縁部に沿って所定のパターンが単数又は複数配列されているダミー印刷領域と、
前記ダミー印刷領域よりも中心側に帯状に形成されている全面印刷を行うための全面印刷領域と、
前記全面印刷領域よりも中心側に形成された前記開口パターンが二次元的に形成されている印刷領域と、
を有することを特徴とするスクリーン印刷を行うためのスクリーン版。
【請求項2】
前記全面印刷領域は、前記スクリーン版における印刷方向に平行に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン版。
【請求項3】
前記全面印刷領域の幅は、
前記印刷領域における開口パターンのパターンピッチの1倍以上、15倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリーン版。
【請求項4】
前記ダミー印刷領域における所定のパターンは、φ20〔μm〕以上の円形、または、一辺が20〔μm〕以上の多角形からなる開口パターンであることを特徴とする請求項1から3に記載のスクリーン版。
【請求項5】
前記ダミー印刷領域における所定のパターンは、前記スクリーン版の印刷方向に沿って、幅20〔μm〕以上の帯状のパターンであることを特徴とする請求項1から3に記載のスクリーン版。
【請求項6】
前記スクリーン版を用いたスクリーン印刷には、絶縁ペーストを用いることを特徴とする請求項1から5に記載のスクリーン版。
【請求項7】
前記スクリーン版におけるスクリーンメッシュは、360から800〔本/インチ〕であって、前記印刷領域における開口パターンのピッチは、100から400〔μm〕であることを特徴とする請求項1から6に記載のスクリーン版。
【請求項8】
請求項1から7に記載のスクリーン版を用い、ブルックフィールド型粘度計HBT No.14スピンドルを用いて10〔rpm〕で計測した場合、150から350〔Pa・s〕である絶縁ペーストを使用して、スクリーン印刷法により印刷することにより、前記印刷領域に形成されることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項9】
多層配線を有する回路基板であって、
請求項8に記載の層間絶縁膜に形成された開口パターン内に導電性材料を埋め込むことにより、前記層間絶縁膜を介して、上部電極と下部電極を電気的に接続したものであることを特徴とする回路基板。
【請求項10】
請求項9に記載の回路基板には電気配線が形成されており、前記電気配線は二次元的に配列させたトランジスタ又はダイオードと電気的に接続されていることを特徴とするアクティブマトリックス回路基板。
【請求項11】
請求項10に記載のアクティブマトリックス回路基板上に、画像表示素子を積層形成したことを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−23352(P2010−23352A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187655(P2008−187655)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】