説明

チャック、処理ユニット、基板処理装置およびチャック面洗浄方法

【課題】基板の裏面に吸着跡を付けることのないチャックを提供する。
【解決手段】基板の裏面を真空吸着して固定保持するスピンチャックの吸着面32dには、樹脂材料を切削加工したときの削り屑や樹脂に含まれる成分の粒子等の異物99が付着している。そのような吸着面32dを導電性ポリマーを主成分とする光硬化型のアクリル系樹脂の樹脂膜39によって被覆する。これにより、吸着面32dに付着していた異物99を樹脂膜39によって覆って表面に露出させないようにすることができ、その結果、スピンチャックの吸着面32dに基板を真空吸着したときにも、その裏面に異物99が付着したりキズを付けたりするのを防ぐことができ、吸着跡の付着を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)を真空吸着することによって固定保持するチャック、そのチャックを組み込んだ処理ユニットおよび基板処理装置、並びに該チャックの吸着面を洗浄するチャック面洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、半導体や液晶ディスプレイなどの製品は、上記基板に対して洗浄、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、層間絶縁膜の形成、熱処理、ダイシングなどの一連の諸処理を施すことにより製造されている。これらの諸処理のうちには、例えば回転式レジスト塗布やエッジ露光のように、基板を回転させつつ行う処理も多く含まれている。基板を回転させるときには、チャックによって基板を確実に固定保持する。基板を保持するチャックとして、例えば特許文献1には、半導体ウエハの裏面を真空吸着するタイプのものが開示されている。このような真空吸着タイプのチャックは、基板の裏面を吸着面に当接させた状態にて、吸着面の一部から真空吸引することによって該基板を固定保持する。
【0003】
【特許文献1】特開平5−136039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記真空吸着タイプのチャックは基板の裏面に吸着跡を付けてしまうという問題があった。真空吸着タイプのチャックは、樹脂材料を切削加工した後に特に吸着面を研磨することによって製作されるが、その吸着面には樹脂に含まれる成分の粒子や加工時の削り粉等の種々の異物が埋まった状態となっている。そして、そのような吸着面に基板の裏面が当接して真空吸引によって押圧されると、それら種々の異物が付着したり、或いは基板裏面にキズを付けることとなり、その結果吸着跡が残ることとなっていた。
【0005】
従来は、パターンを形成しない基板の裏面に多少の吸着跡が残ったとしてもそれ程大きな問題として認識されていなかったが、近年はパターンの微細化の進展に伴って基板裏面にわずかな吸着跡を残すことさえも極力防止することが強く望まれている。すなわち、近年はパターンの微細化に伴って露光時における焦点深度の精度がシビアなものとなりつつあるが、基板裏面にわずかでも吸着跡が付いていると露光時の基板の高さ位置が微妙に狂い、その結果露光機の焦点ずれを生じることがある。また、熱処理時には、基板裏面の異物やキズに熱集中が発生し、そこを起点にしてウェハ割れを生じることも判明している。このため、真空吸着タイプのチャックによって基板を保持するときにも吸着痕を残さないことが強く要望されているのである。
【0006】
現状は、吸着面に対して高精度の研磨を行うとともに、顕微鏡観察による確認まで行って吸着面に埋まっている異物を極力取り除くことにより、吸着跡をなるべく低減するようにしている。しかしながら、このような手法はチャック製作のコストを著しく増大させるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板の裏面に吸着跡を付けることのないチャック、およびそのチャックを組み込んだ処理ユニット、基板処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、基板の裏面に吸着跡を付着させることを防止できるチャック面洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板を吸着面に真空吸着することによって固定保持するチャックにおいて、前記チャックの本体を形成する樹脂とは異なる樹脂膜によって前記吸着面を被覆している。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るチャックにおいて、前記チャックの本体をカーボン粒子を含有したポリエーテルエーテルケトンによって形成し、前記樹脂膜をアクリル系樹脂の膜としている。
【0011】
また、請求項3の発明は、基板に所定の処理を行う処理ユニットにおいて、請求項1または請求項2の発明に係るチャックと、前記チャックを回転させる回転手段と、前記チャックに保持された基板に対して前記所定の処理を実行する処理手段と、を備える。
【0012】
また、請求項4の発明は、基板に所定の処理を行う基板処理装置において、装置外部から受け取った未処理基板を装置内部に導入するとともに、処理済基板を装置外部に搬出するインデクサと、請求項3の発明に係る処理ユニットと、前記インデクサと前記処理ユニットとの間で基板を搬送する搬送手段と、を備える。
【0013】
また、請求項5の発明は、基板を真空吸着することによって固定保持するチャックの吸着面に付着した異物を除去するチャック面洗浄方法において、前記吸着面にパック剤を塗布する工程と、前記パック剤を乾燥させた後に前記吸着面から剥がす工程と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、吸着面を樹脂膜によって被覆しているため、吸着面に付着した削り屑等の異物を樹脂膜によって覆うことにより、それら異物に起因した吸着跡の付着を防止することができる。
【0015】
また、請求項2の発明によれば、チャックの本体をカーボン粒子を含有したポリエーテルエーテルケトンによって形成し、樹脂膜をアクリル系樹脂の膜としているため、吸着面に付着したポリエーテルエーテルケトンの削り屑やカーボン粒子等の異物をアクリル系樹脂の樹脂膜によって覆うことにより、それら異物に起因した吸着跡の付着を防止することができる。
【0016】
また、請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明に係るチャックと、そのチャックを回転させる回転手段と、該チャックに保持された基板に対して所定の処理を実行する処理手段と、を備えるため、処理ユニットでの処理時に基板の裏面に吸着跡を付着させることを防止することができる。
【0017】
また、請求項4の発明によれば、装置外部から受け取った未処理基板を装置内部に導入するとともに、処理済基板を装置外部に搬出するインデクサと、請求項3の発明に係る処理ユニットと、インデクサと処理ユニットとの間で基板を搬送する搬送手段と、を備えるため、基板処理装置での処理時に基板の裏面に吸着跡を付着させることを防止することができる。
【0018】
また、請求項5の発明によれば、吸着面にパック剤を塗布してを乾燥させた後に吸着面から剥がすため、吸着面に付着した削り屑等の異物がパック剤に粘着して吸着面から剥離され、それら異物に起因した吸着跡の付着を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
<1.基板処理装置全体の構成および動作>
図1は、本実施形態の基板処理装置の平面図である。また、図2は基板処理装置の液処理部の正面図であり、図3は熱処理部の正面図であり、図4は基板載置部の周辺構成を示す図である。なお、図1から図4にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を付している。
【0021】
本実施形態の基板処理装置は、半導体ウェハ等の基板に反射防止膜やフォトレジスト膜を塗布形成するとともに、パターン露光後の基板に現像処理を行う装置である。なお、本発明に係る基板処理装置の処理対象となる基板は半導体ウェハに限定されるものではなく、液晶表示器用のガラス基板等であっても良い。また、本発明に係る基板処理装置の処理内容は塗布膜形成や現像処理に限定されるものではなく、エッチング処理や洗浄処理であっても良い。
【0022】
本実施形態の基板処理装置は、インデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4、インターフェイスブロック5および検査ブロックIBの6つの処理ブロックを並設して構成されている。インターフェイスブロック5には本基板処理装置とは別体の外部装置である露光装置(ステッパ)が接続配置されている。
【0023】
インデクサブロック1は、複数のキャリアC(本実施形態では4個)を並べて載置する載置台11と、各キャリアCから未処理の基板Wを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの基板Wを収納する基板移載機構12とを備えている。基板移載機構12は、載置台11に沿って(Y方向に沿って)水平移動可能な可動台12aを備えており、この可動台12aに基板Wを水平姿勢で保持する保持アーム12bが搭載されている。保持アーム12bは、可動台12a上を昇降(Z方向)移動、水平面内の旋回移動、および旋回半径方向に進退移動可能に構成されている。これにより、基板移載機構12は、保持アーム12bを各キャリアCにアクセスさせて未処理の基板Wの取り出しおよび処理済みの基板Wの収納を行うことができる。なお、キャリアCの形態としては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
【0024】
インデクサブロック1に隣接してバークブロック2が設けられている。インデクサブロック1とバークブロック2との間には、雰囲気遮断用の隔壁13が設けられている。この隔壁13にインデクサブロック1とバークブロック2との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS1,PASS2が上下に積層して設けられている。
【0025】
上側の基板載置部PASS1は、インデクサブロック1からバークブロック2へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS1は3本の支持ピンを備えており、インデクサブロック1の基板移載機構12はキャリアCから取り出した未処理の基板Wを基板載置部PASS1の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS1に載置された基板Wを後述するバークブロック2の搬送ロボットTR1が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS2は、バークブロック2からインデクサブロック1へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS2も3本の支持ピンを備えており、バークブロック2の搬送ロボットTR1は処理済みの基板Wを基板載置部PASS2の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS2に載置された基板Wを基板移載機構12が受け取ってキャリアCに収納する。なお、後述する基板載置部PASS3〜PASS12の構成も基板載置部PASS1,PASS2と同じである。
【0026】
基板載置部PASS1,PASS2は、隔壁13の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて基板移載機構12やバークブロック2の搬送ロボットTR1が、基板載置部PASS1,PASS2に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かを判断する。
【0027】
次に、バークブロック2について説明する。バークブロック2は、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、フォトレジスト膜の下地に反射防止膜を塗布形成するための処理ブロックである。バークブロック2は、基板Wの表面に反射防止膜を塗布形成するための下地塗布処理部BRCと、反射防止膜の塗布形成に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー21,21と、下地塗布処理部BRCおよび熱処理タワー21,21に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR1とを備える。
【0028】
バークブロック2においては、搬送ロボットTR1を挟んで下地塗布処理部BRCと熱処理タワー21,21とが対向して配置されている。具体的には、下地塗布処理部BRCが装置正面側に、2つの熱処理タワー21,21が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー21,21の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。下地塗布処理部BRCと熱処理タワー21,21とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー21,21から下地塗布処理部BRCに熱的影響を与えることを回避しているのである。
【0029】
下地塗布処理部BRCは、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3を下から順に積層配置して構成されている。なお、3つの塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3を特に区別しない場合はこれらを総称して下地塗布処理部BRCとする。各塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック22、このスピンチャック22上に保持された基板W上に反射防止膜用の塗布液を吐出する塗布ノズル23、スピンチャック22を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック22上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
【0030】
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー21には、基板Wを所定の温度にまで加熱する6個のホットプレートHP1〜HP6と、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP1〜CP3とが設けられている。この熱処理タワー21には、下から順にクールプレートCP1〜CP3、ホットプレートHP1〜HP6が積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー21には、レジスト膜と基板Wとの密着性を向上させるためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の蒸気雰囲気で基板Wを熱処理する3個の密着強化処理部AHL1〜AHL3が下から順に積層配置されている。なお、図3において「×」印で示した箇所には配管配線部や、予備の空きスペースが割り当てられている。
【0031】
このように塗布処理ユニットBRC1〜BRC3や熱処理ユニット(ホットプレートHP1〜HP6、クールプレートCP1〜CP3、密着強化処理部AHL1〜AHL3)を多段に積層配置することにより、基板処理装置の占有スペースを小さくしてフットプリントを削減することができる。また、2つの熱処理タワー21,21を並設することによって、熱処理ユニットのメンテナンスが容易になるとともに、熱処理ユニットに必要なダクト配管や給電設備をあまり高い位置にまで引き延ばす必要がなくなるという利点がある。
【0032】
図5は、搬送ロボットTR1を説明するための図である。図5(a)は搬送ロボットTR1の平面図であり、(b)は搬送ロボットTR1の正面図である。搬送ロボットTR1は、基板Wを略水平姿勢で保持する2個の保持アーム6a,6bを上下に近接させて備えている。保持アーム6a,6bは、先端部が平面視で「C」字形状になっており、この「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピン7で基板Wの周縁を下方から支持するようになっている。
【0033】
搬送ロボットTR1の基台8は装置基台(装置フレーム)に対して固定設置されている。この基台8上に、ガイド軸9cが立設されるとともに、螺軸9aが回転可能に立設支持されている。また、基台8には螺軸9aを回転駆動するモータ9bが固定設置されている。そして、螺軸9aには昇降台10aが螺合されるとともに、昇降台10aはガイド軸9cに対して摺動自在とされている。このような構成により、モータ9bが螺軸9aを回転駆動することにより、昇降台10aがガイド軸9cに案内されて鉛直方向(Z方向)に昇降移動するようになっている。
【0034】
また、昇降台10a上にアーム基台10bが鉛直方向に沿った軸心周りに旋回可能に搭載されている。昇降台10aには、アーム基台10bを旋回駆動するモータ10cが内蔵されている。そして、このアーム基台10b上に上述した2個の保持アーム6a,6bが上下に配設されている。各保持アーム6a,6bは、アーム基台10bに装備されたスライド駆動機構(図示省略)によって、それぞれ独立して水平方向(アーム基台10bの旋回半径方向)に進退移動可能に構成されている。
【0035】
このような構成によって、図5(a)に示すように、搬送ロボットTR1は2個の保持アーム6a,6bをそれぞれ個別に基板載置部PASS1,PASS2、熱処理タワー21に設けられた熱処理ユニット、下地塗布処理部BRCに設けられた塗布処理ユニットおよび後述する基板載置部PASS3,PASS4に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
【0036】
次に、レジスト塗布ブロック3について説明する。バークブロック2と検査ブロックIBとの間に挟み込まれるようにしてレジスト塗布ブロック3が設けられている。このレジスト塗布ブロック3とバークブロック2との間にも、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられている。この隔壁25にバークブロック2とレジスト塗布ブロック3との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS3,PASS4が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS3,PASS4は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
【0037】
上側の基板載置部PASS3は、バークブロック2からレジスト塗布ブロック3へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、バークブロック2の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS3に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS4は、レジスト塗布ブロック3からバークブロック2へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS4に載置した基板Wをバークブロック2の搬送ロボットTR1が受け取る。
【0038】
基板載置部PASS3,PASS4は、隔壁25の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS3,PASS4には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて搬送ロボットTR1,TR2が基板載置部PASS3,PASS4に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かを判断する。さらに、基板載置部PASS3,PASS4の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁25を貫通して上下に設けられている。
【0039】
レジスト塗布ブロック3は、バークブロック2にて反射防止膜が塗布形成された基板W上にフォトレジスト膜を塗布形成するための処理ブロックである。なお、本実施形態では、フォトレジストとして化学増幅型レジストを用いている。レジスト塗布ブロック3は、下地塗布された反射防止膜の上にフォトレジスト膜を塗布形成するレジスト塗布処理部SCと、レジスト塗布処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー31,31と、レジスト塗布処理部SCおよび熱処理タワー31,31に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR2とを備える。
【0040】
レジスト塗布ブロック3においては、搬送ロボットTR2を挟んでレジスト塗布処理部SCと熱処理タワー31,31とが対向して配置されている。具体的には、レジスト塗布処理部SCが装置正面側に、2つの熱処理タワー31,31が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー31,31の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。レジスト塗布処理部SCと熱処理タワー31,31とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー31,31からレジスト塗布処理部SCに熱的影響を与えることを回避しているのである。
【0041】
レジスト塗布処理部SCは、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3を下から順に積層配置して構成されている。なお、3つの塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3を特に区別しない場合はこれらを総称してレジスト塗布処理部SCとする。各塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック32、このスピンチャック32上に保持された基板W上にフォトレジストを吐出する塗布ノズル33等を備えている。なお、塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3の構成についてはさらに後述する。
【0042】
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー31には、基板Wを所定の温度にまで加熱する6個の加熱部PHP1〜PHP6が下から順に積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー31には、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP4〜CP9が下から順に積層配置されている。
【0043】
各加熱部PHP1〜PHP6は、基板Wを載置して加熱処理を行う通常のホットプレートの他に、そのホットプレートと隔てられた上方位置に基板Wを載置しておく基板仮置部と、該ホットプレートと基板仮置部との間で基板Wを搬送するローカル搬送機構34(図1参照)とを備えた熱処理ユニットである。ローカル搬送機構34は、昇降移動および進退移動が可能に構成されるとともに、冷却水を循環させることによって搬送過程の基板Wを冷却する機構を備えている。
【0044】
ローカル搬送機構34は、上記ホットプレートおよび基板仮置部を挟んで搬送ロボットTR2とは反対側、すなわち装置背面側に設置されている。そして、基板仮置部は搬送ロボットTR2側およびローカル搬送機構34側の双方に対して開口している一方、ホットプレートはローカル搬送機構34側のみ開口し、搬送ロボットTR2側には閉塞している。従って、基板仮置部に対しては搬送ロボットTR2およびローカル搬送機構34の双方がアクセスできるが、ホットプレートに対してはローカル搬送機構34のみがアクセス可能である。
【0045】
このような構成を備える各加熱部PHP1〜PHP6に基板Wを搬入するときには、まず搬送ロボットTR2が基板仮置部に基板Wを載置する。そして、ローカル搬送機構34が基板仮置部から基板Wを受け取ってホットプレートまで搬送し、該基板Wに加熱処理が施される。ホットプレートでの加熱処理が終了した基板Wは、ローカル搬送機構34によって取り出されて基板仮置部まで搬送される。このときに、ローカル搬送機構34が備える冷却機能によって基板Wが冷却される。その後、基板仮置部まで搬送された熱処理後の基板Wが搬送ロボットTR2によって取り出される。
【0046】
このように、加熱部PHP1〜PHP6においては、搬送ロボットTR2が常温の基板仮置部に対して基板Wの受け渡しを行うだけで、ホットプレートに対する基板Wの受け渡しを行わないため、搬送ロボットTR2の温度上昇を抑制することができる。また、ホットプレートはローカル搬送機構34側のみ開口しているため、ホットプレートから漏出した熱雰囲気によって搬送ロボットTR2やレジスト塗布処理部SCが悪影響を受けることが防止される。なお、クールプレートCP4〜CP9に対しては搬送ロボットTR2が直接基板Wの受け渡しを行う。
【0047】
搬送ロボットTR2の構成は、搬送ロボットTR1と全く同じである。よって、搬送ロボットTR2は2個の保持アームをそれぞれ個別に基板載置部PASS3,PASS4、熱処理タワー31に設けられた熱処理ユニット、レジスト塗布処理部SCに設けられた塗布処理ユニットおよび後述する基板載置部PASS5,PASS6に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
【0048】
次に、検査ブロックIBについて説明する。レジスト塗布ブロック3と現像処理ブロック4との間に挟み込まれるようにして検査ブロックIBが設けられている。レジスト塗布ブロック3と検査ブロックIBとの間にも、雰囲気遮断用の隔壁35が設けられている。この隔壁35にレジスト塗布ブロック3と検査ブロックIBとの間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS5,PASS6が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS5,PASS6は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
【0049】
上側の基板載置部PASS5は、レジスト塗布ブロック3から検査ブロックIBへ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS5に載置した基板Wを検査ブロックIBの搬送ロボットTR5が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS6は、検査ブロックIBからレジスト塗布ブロック3へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、検査ブロックIBの搬送ロボットTR5が基板載置部PASS6に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が受け取る。
【0050】
基板載置部PASS5,PASS6は、隔壁35の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS5,PASS6には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて搬送ロボットTR2,TR5が基板載置部PASS5,PASS6に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かを判断する。さらに、基板載置部PASS5,PASS6の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁35を貫通して上下に設けられている。
【0051】
検査ブロックIBは、一連のフォトリソグラフィー処理が完了した基板Wまたはその処理途中の基板Wの検査を行うための処理ブロックである。検査ブロックIBは、膜厚測定ユニット80と、線幅測定ユニット85と、マクロ欠陥検査ユニット90と、検査用バッファ95と、それらに対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR5とを備える。なお、搬送ロボットTR5は、上述した搬送ロボットTR1,TR2と全く同じ構成を有する。
【0052】
図2に示すように、膜厚測定ユニット80は検査ブロックIBの装置正面側下段に配置されている。膜厚測定ユニット80は、膜厚測定器81を備えており、基板W上に塗布されたレジストの膜厚を光学的に測定する。線幅測定ユニット85は、検査ブロックIBの装置正面側上段に配置されている。線幅測定ユニット85は、線幅測定器86を備えており、現像処理後の基板W上に形成されたパターンの線幅を光学的に測定する。
【0053】
一方、図3に示すように、マクロ欠陥検査ユニット90は検査ブロックIBの装置背面側下段に配置されている。マクロ欠陥検査ユニット90は、マクロ欠陥検査器91を備えており、基板W上に現出した比較的大きな欠陥、例えばパーティクルの付着やレジストの塗布ムラを光学的に検出する。また、マクロ欠陥検査ユニット90の上方、すなわち検査ブロックIBの装置背面側上段には検査用バッファ95が2列に配置されている。検査用バッファ95は、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。検査用バッファ95は、膜厚測定ユニット80、線幅測定ユニット85、マクロ欠陥検査ユニット90のいずれかにて基板Wの検査が行われているときに、そのユニットにて検査を行うべき後続の基板Wを一時的に収納保管しておくものである。
【0054】
なお、膜厚測定ユニット80、線幅測定ユニット85、マクロ欠陥検査ユニット90の配置位置は上記の例に限定されるものではなく、それらを相互に入れ替えた配置であっても良い。
【0055】
搬送ロボットTR5の構成は、搬送ロボットTR1と全く同じである。よって、搬送ロボットTR5は2個の保持アームをそれぞれ個別に基板載置部PASS5,PASS6、膜厚測定ユニット80、線幅測定ユニット85、マクロ欠陥検査ユニット90、検査用バッファ95および後述する基板載置部PASS7,PASS8に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
【0056】
次に、現像処理ブロック4について説明する。検査ブロックIBとインターフェイスブロック5との間に挟み込まれるようにして現像処理ブロック4が設けられている。検査ブロックIBと現像処理ブロック4との間にも、雰囲気遮断用の隔壁45が設けられている。この隔壁45に検査ブロックIBと現像処理ブロック4との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS7,PASS8が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS7,PASS8は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
【0057】
上側の基板載置部PASS7は、検査ブロックIBから現像処理ブロック4へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、検査ブロックIBの搬送ロボットTR5が基板載置部PASS7に載置した基板Wを現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS8は、現像処理ブロック4から検査ブロックIBへ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS8に載置した基板Wを検査ブロックIBの搬送ロボットTR5が受け取る。
【0058】
基板載置部PASS7,PASS8は、隔壁45の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS7,PASS8には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて搬送ロボットTR5,TR3が基板載置部PASS7,PASS8に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かを判断する。さらに、基板載置部PASS7,PASS8の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁45を貫通して上下に設けられている。
【0059】
現像処理ブロック4は、露光された基板Wに対して現像処理を行うための処理ブロックである。現像処理ブロック4は、パターンが露光された基板Wに対して現像液を供給して現像処理を行う現像処理部SDと、現像処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー41,42と、現像処理部SDおよび熱処理タワー41,42に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR3とを備える。なお、搬送ロボットTR3は、上述した搬送ロボットTR1と全く同じ構成を有する。
【0060】
現像処理部SDは、図2に示すように、同様の構成を備えた5つの現像処理ユニットSD1,SD2,SD3,SD4,SD5を下から順に積層配置して構成されている。なお、5つの現像処理ユニットSD1〜SD5を特に区別しない場合はこれらを総称して現像処理部SDとする。各現像処理ユニットSD1〜SD5は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック43、このスピンチャック43上に保持された基板W上に現像液を供給するノズル44、スピンチャック43を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック43上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
【0061】
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー41には、基板Wを所定の温度にまで加熱する5個のホットプレートHP7〜HP11と、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP10〜CP12とが設けられている。この熱処理タワー41には、下から順にクールプレートCP10〜CP12、ホットプレートHP7〜HP11が積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー42には、6個の加熱部PHP7〜PHP12とクールプレートCP13とが積層配置されている。各加熱部PHP7〜PHP12は、上述した加熱部PHP1〜PHP6と同様に、基板仮置部およびローカル搬送機構を備えた熱処理ユニットである。但し、各加熱部PHP7〜PHP12の基板仮置部はインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4の側には開口しているが、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3の側には閉塞している。つまり、加熱部PHP7〜PHP12に対してはインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4はアクセス可能であるが、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3はアクセス不可である。なお、熱処理タワー41に組み込まれた熱処理ユニットに対しては現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3がアクセスする。
【0062】
また、熱処理タワー42には、現像処理ブロック4と、これに隣接するインターフェイスブロック5との間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS9,PASS10が上下に近接して組み込まれている。上側の基板載置部PASS9は、現像処理ブロック4からインターフェイスブロック5へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS9に載置した基板Wをインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS10は、インターフェイスブロック5から現像処理ブロック4へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、インターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が基板載置部PASS10に載置した基板Wを現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が受け取る。なお、基板載置部PASS9,PASS10は、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3およびインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4の両側に対して開口している。
【0063】
次に、インターフェイスブロック5について説明する。インターフェイスブロック5は、現像処理ブロック4に隣接して設けられ、本基板処理装置とは別体の外部装置である露光装置に対して基板Wの受け渡しを行うブロックである。本実施形態のインターフェイスブロック5には、露光装置との間で基板Wの受け渡しを行うための搬送機構55の他に、フォトレジスト膜が形成された基板Wの周縁部を露光する2つのエッジ露光部EEWと、現像処理ブロック4内に配設された加熱部PHP7〜PHP12およびエッジ露光部EEWに対して基板Wを受け渡しする搬送ロボットTR4とを備えている。
【0064】
エッジ露光部EEWは、図2に示すように、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック56や、このスピンチャック56に保持された基板Wの周縁に光を照射して露光する光照射器57などを備えている。2つのエッジ露光部EEWは、インターフェイスブロック5の中央部に上下に積層配置されている。このエッジ露光部EEWと現像処理ブロック4の熱処理タワー42とに隣接して配置されている搬送ロボットTR4は上述した搬送ロボットTR1と同様の構成を備えている。
【0065】
また、図2に示すように、2つのエッジ露光部EEWの下側には基板戻し用のリターンバッファRBFが設けられ、さらにその下側には2つの基板載置部PASS11,PASS12が上下に積層して設けられている。リターンバッファRBFは、何らかの障害によって現像処理ブロック4が基板Wの現像処理を行うことができない場合に、現像処理ブロック4の加熱部PHP7〜PHP12で露光後の加熱および冷却処理を行った後に、その基板Wを一時的に収納保管しておくものである。このリターンバッファRBFは、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。また、上側の基板載置部PASS11は搬送ロボットTR4から搬送機構55に基板Wを渡すために使用するものであり、下側の基板載置部PASS12は搬送機構55から搬送ロボットTR4に基板Wを渡すために使用するものである。なお、リターンバッファRBFに対しては搬送ロボットTR4がアクセスを行う。
【0066】
搬送機構55は、図2に示すように、Y方向に水平移動可能な可動台55aを備え、この可動台55a上に基板Wを保持する保持アーム55bを搭載している。保持アーム55bは、可動台55aに対して昇降移動、旋回動作および旋回半径方向への進退移動が可能に構成されている。このような構成によって、搬送機構55は、露光装置との間で基板Wの受け渡しを行うとともに、基板載置部PASS11,PASS12に対する基板Wの受け渡しと、基板送り用のセンドバッファSBFに対する基板Wの収納および取り出しを行う。センドバッファSBFは、露光装置が基板Wの受け入れをできないときに、露光処理前の基板Wを一時的に収納保管するもので、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。
【0067】
以上のインデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4、インターフェイスブロック5および検査ブロックIBには常に清浄空気がダウンフローとして供給されており、各ブロック内でパーティクルの巻き上がりや気流によるプロセスへの悪影響を回避している。また、各ブロック内は装置の外部環境に対して若干陽圧に保たれ、外部環境からのパーティクルや汚染物質の進入などを防いでいる。
【0068】
また、上述したインデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4、インターフェイスブロック5および検査ブロックIBは、本実施形態の基板処理装置を機構的に分割した単位である。各ブロックは、各々個別のブロック用フレーム(枠体)に組み付けられ、各ブロック用フレームを連結して基板処理装置が構成されている。
【0069】
一方、本実施形態では、基板搬送に係る搬送制御単位を機械的に分割したブロックとは別に構成している。本明細書では、このような基板搬送に係る搬送制御単位を「セル」と称する。1つのセルは、基板に所定の処理を行う複数の処理部とそれら複数の処理部に対して基板の搬送を行う搬送ロボットとを含んで構成されている。そして、上述した各基板載置部が、セル内に基板Wを受け入れるための入口基板載置部またはセルから基板Wを払い出すための出口基板載置部として機能する。そして、セル間の基板Wの受け渡しも基板載置部を介して行われる。なお、本明細書では熱処理ユニット、塗布・現像処理ユニット、エッジ露光部の他に単に基板Wを載置するだけの基板載置部等も搬送対象部という意味において「処理部」に含め、また、基板移載機構12や搬送機構55も基板搬送を行うため搬送ロボットに含める。
【0070】
本実施形態の基板処理装置には、インデクサセル、バークセル、レジスト塗布セル、検査セル、現像処理セル、露光後ベークセルおよびインターフェイスセルの7つのセルが含まれている。インデクサセルは、載置台11と基板移載機構12とを含み、結果的に機械的に分割した単位であるインデクサブロック1と同じ構成となっている。また、バークセルは、下地塗布処理部BRCと2つの熱処理タワー21,21と搬送ロボットTR1とを含む。このバークセルも、結果として機械的に分割した単位であるバークブロック2と同じ構成になっている。また、レジスト塗布セルは、レジスト塗布処理部SCと2つの熱処理タワー31,31と搬送ロボットTR2とを含む。このレジスト塗布セルも、結果として機械的に分割した単位であるレジスト塗布ブロック3と同じ構成になっている。さらに、検査セルは、膜厚測定ユニット80と、線幅測定ユニット85とマクロ欠陥検査ユニット90と検査用バッファ95と搬送ロボットTR5とを含む。この検査セルも、結果として機械的に分割した単位である検査ブロックIBと同じ構成になっている。
【0071】
一方、現像処理セルは、現像処理部SDと熱処理タワー41と搬送ロボットTR3とを含む。上述したように、搬送ロボットTR3は熱処理タワー42の加熱部PHP7〜PHP12に対してアクセスすることができず、現像処理セルに熱処理タワー42は含まれない。この点において、現像処理セルは機械的に分割した単位である現像処理ブロック4と異なる。
【0072】
また、露光後ベークセルは、現像処理ブロック4に位置する熱処理タワー42と、インターフェイスブロック5に位置するエッジ露光部EEWと搬送ロボットTR4とを含む。すなわち、露光後ベークセルは、機械的に分割した単位である現像処理ブロック4とインターフェイスブロック5とにまたがるものである。このように露光後加熱処理を行う加熱部PHP7〜PHP12と搬送ロボットTR4とを含んで1つのセルを構成しているので、露光後の基板Wを速やかに加熱部PHP7〜PHP12に搬入して熱処理を行うことができる。このような構成は、パターンの露光を行った後なるべく速やかに加熱処理を行う必要のある化学増幅型レジストを使用した場合に好適である。
【0073】
なお、熱処理タワー42に含まれる基板載置部PASS9,PASS10は現像処理セルの搬送ロボットTR3と露光後ベークセルの搬送ロボットTR4との間の基板Wの受け渡しのために介在する。
【0074】
インターフェイスセルは、外部装置である露光装置に対して基板Wの受け渡しを行う搬送機構55を含んで構成されている。このインターフェイスセルは、搬送ロボットTR4やエッジ露光部EEWを含まない点で、機械的に分割した単位であるインターフェイスブロック5とは異なる構成となっている。なお、エッジ露光部EEWの下方に設けられた基板載置部PASS11,PASS12は露光後ベークセルの搬送ロボットTR4とインターフェイスセルの搬送機構55との間の基板Wの受け渡しのために介在する。
【0075】
次に、本実施形態の基板処理装置全体の動作について簡単に説明する。まず、装置外部から未処理の基板WがキャリアCの収納された状態でインデクサブロック1に搬入される。続いて、インデクサセル(インデクサブロック1)の基板移載機構12が所定のキャリアCから未処理の基板Wを取り出し、上側の基板載置部PASS1に載置する。基板載置部PASS1に未処理の基板Wが載置されると、バークセルの搬送ロボットTR1が保持アーム6a,6bのうちの一方を使用してその基板Wを受け取る。そして、搬送ロボットTR1は受け取った未処理の基板Wを塗布処理ユニットBRC1〜BRC3のいずれかに搬送する。塗布処理ユニットBRC1〜BRC3では、基板Wに反射防止膜用の塗布液が回転塗布される。
【0076】
塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR1によってホットプレートHP1〜HP6のいずれかに搬送される。ホットプレートにて基板Wが加熱されることによって、塗布液が乾燥されて基板W上に下地の反射防止膜が形成される。その後、搬送ロボットTR1によってホットプレートから取り出された基板WはクールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。なお、このときにクールプレートWCPによって基板Wを冷却するようにしても良い。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって基板載置部PASS3に載置される。
【0077】
また、基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wを搬送ロボットTR1が密着強化処理部AHL1〜AHL3のいずれかに搬送するようにしても良い。密着強化処理部AHL1〜AHL3では、HMDSの蒸気雰囲気で基板Wを熱処理してレジスト膜と基板Wとの密着性を向上させる。密着強化処理の終了した基板Wは搬送ロボットTR1によって取り出され、クールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。密着強化処理が行われた基板Wには反射防止膜を形成しないため、冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって直接基板載置部PASS3に載置される。
【0078】
また、反射防止膜用の塗布液を塗布する前に脱水処理を行うようにしても良い。この場合はまず、基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wを搬送ロボットTR1が密着強化処理部AHL1〜AHL3のいずれかに搬送する。密着強化処理部AHL1〜AHL3では、HMDSの蒸気を供給することなく基板Wに単に脱水のための加熱処理(デハイドベーク)を行う。脱水のための加熱処理の終了した基板Wは搬送ロボットTR1によって取り出され、クールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって塗布処理ユニットBRC1〜BRC3のいずれかに搬送され、反射防止膜用の塗布液が回転塗布される。その後、基板Wは搬送ロボットTR1によってホットプレートHP1〜HP6のいずれかに搬送され、加熱処理によって基板W上に下地の反射防止膜が形成される。さらにその後、搬送ロボットTR1によってホットプレートから取り出された基板WはクールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却された後、基板載置部PASS3に載置される。
【0079】
基板Wが基板載置部PASS3に載置されると、レジスト塗布セルの搬送ロボットTR2がその基板Wを受け取って塗布処理ユニットSC1〜SC3のいずれかに搬送する。塗布処理ユニットSC1〜SC3では、基板Wにフォトレジストが回転塗布される。なお、レジスト塗布処理には精密な基板温調が要求されるため、基板Wを塗布処理ユニットSC1〜SC3に搬送する直前にクールプレートCP4〜CP9のいずれかに搬送するようにしても良い。
【0080】
レジスト塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR2によって加熱部PHP1〜PHP6のいずれかに搬送される。加熱部PHP1〜PHP6にて基板Wが加熱処理されることにより、フォトレジスト中の溶媒成分が除去されて基板W上にレジスト膜が形成される。その後、搬送ロボットTR2によって加熱部PHP1〜PHP6から取り出された基板WはクールプレートCP4〜CP9のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR2によって基板載置部PASS5に載置される。
【0081】
レジスト膜が形成された基板Wが基板載置部PASS5に載置されると、検査セルの搬送ロボットTR5がその基板Wを受け取って膜厚測定ユニット80に搬送する。膜厚測定ユニット80は、基板W上に塗布されたレジストの膜厚を測定することによって所定範囲の膜厚のレジスト膜が形成されているか否かを検査する。膜厚検査が終了した基板Wは搬送ロボットTR5によって膜厚測定ユニット80から取り出され、基板載置部PASS7に載置される。
【0082】
基板載置部PASS7に基板Wが載置されると、現像処理セルの搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取ってそのまま基板載置部PASS9に載置する。そして、基板載置部PASS9に載置された基板Wは露光後ベークセルの搬送ロボットTR4によって受け取られ、エッジ露光部EEWに搬入される。エッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部の露光処理が行われる。エッジ露光処理が終了した基板Wは搬送ロボットTR4によって基板載置部PASS11に載置される。そして、基板載置部PASS11に載置された基板Wはインターフェイスセルの搬送機構55によって受け取られ、装置外の露光装置に搬入され、パターン露光処理に供される。
【0083】
パターン露光処理が終了した基板Wは再びインターフェイスセルに戻され、搬送機構55によって基板載置部PASS12に載置される。露光後の基板Wが基板載置部PASS12に載置されると、露光後ベークセルの搬送ロボットTR4がその基板Wを受け取って加熱部PHP7〜PHP12のいずれかに搬送する。加熱部PHP7〜PHP12では、露光時の光化学反応によって生じた生成物をレジスト膜内に均一に拡散させるための加熱処理(Post Exposure Bake)が行われる。露光後加熱処理が終了した基板Wは搬送ロボットTR4によって取り出され、クールプレートCP13に搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR4によって基板載置部PASS10に載置される。
【0084】
基板載置部PASS10に基板Wが載置されると、現像処理セルの搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取って現像処理ユニットSD1〜SD5のいずれかに搬送する。現像処理ユニットSD1〜SD5では、基板Wに現像液を供給して現像処理を進行させる。やがて現像処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR3によってホットプレートHP7〜HP11のいずれかに搬送されて加熱され、さらにその後クールプレートCP10〜CP12のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR3によって基板載置部PASS8に載置される。
【0085】
現像処理後の基板Wが基板載置部PASS8に載置されると、検査セルの搬送ロボットTR5がその基板Wを受け取って線幅測定ユニット85に搬送する。線幅測定ユニット85は、現像処理後の基板W上に形成されたパターンの線幅を測定することによって所定範囲の線幅のパターン形成がなされているか否かを検査する。線幅検査が終了した基板Wは搬送ロボットTR5によって線幅測定ユニット85から取り出され、マクロ欠陥検査ユニット90に搬送される。マクロ欠陥検査ユニット90は、基板W上に現出した比較的大きな欠陥(マクロ欠陥)の有無を検査する。マクロ欠陥検査が終了した基板Wは搬送ロボットTR5によってマクロ欠陥検査ユニット90から取り出され、基板載置部PASS6に載置される。
【0086】
基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト塗布セルの搬送ロボットTR2によってそのまま基板載置部PASS4に載置される。さらに、基板載置部PASS4に載置された基板Wは、バークセルの搬送ロボットTR1によってそのまま基板載置部PASS2に載置される。基板載置部PASS2に載置された処理済みの基板Wはインデクサセルの基板移載機構12によって所定のキャリアCに収納される。その後、所定枚数の処理済み基板Wが収納されたキャリアCが装置外部に搬出されて一連のフォトリソグラフィー処理が完了する。
【0087】
<2.塗布処理ユニットの構成>
次に、塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3の構成についてさらに説明を続ける。図6は、塗布処理ユニットSC1の概略構成を示す図である。なお、塗布処理ユニットSC2,SC3についても塗布処理ユニットSC1と同様の構成を備えている。
【0088】
塗布処理ユニットSC1は、基板Wを吸着保持するスピンチャック32と、スピンチャック32を回転させる電動モータ37と、スピンチャック32に保持された基板Wに対してフォトレジストを吐出する塗布ノズル33と、スピンチャック32に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ36とを備えている。
【0089】
スピンチャック32は円盤状の部材である。図7はスピンチャック32の平面図であり、図8はスピンチャック32の側断面図である。スピンチャック32の上面、すなわち吸着面32dの周縁部に沿って円環状にエッジ部32aが突設されている。基板Wの裏面が吸着面32dのエッジ部32aに当接することによって、その裏面と吸着面32dとの間に密閉空間が形成される。
【0090】
また、エッジ部32aによって囲まれた吸着面32dの内側領域には複数の突起32bが突設されている。図7に示すように、多数の突起32bがスピンチャック32の回転中心を中心とする同心円状に配置されている。吸着面32dを基準とした各突起32bの高さは、エッジ部32aの高さと等しくされている。
【0091】
吸着面32dの中心部(回転中心部)には、吸引口32cが穿設されている。吸引口32cは、回転シャフト38の中空部分に設けられた吸引管38aと連通されている。吸引管38aは、図外の例えば真空ポンプと連通接続されている。基板Wの裏面を吸着面32dのエッジ部32aに当接させた状態にて当該真空ポンプを作動させることにより、基板Wの裏面と吸着面32dとの間に形成された密閉空間から吸引口32cを介して空気が排気され、当該密閉空間が負圧となって基板Wがスピンチャック32の吸着面32dに真空吸着されることとなる。このときに、複数の突起32bのそれぞれも基板Wの裏面に当接しているため、真空吸着されたときに基板Wの中央部が凹状に撓むことが防止される。このようにして、基板Wはスピンチャック32に真空吸着されて固定保持される。
【0092】
図6に戻り、スピンチャック32の中心部下面側には回転シャフト38が垂設されている。上述の如く、回転シャフト38は中空の円筒状部材であり、その中空部分には吸引管38aが設けられている。回転シャフト38は、電動モータ37のモータ軸と連結されている。電動モータ37が回転駆動すると、その駆動力は回転シャフト38に伝達され、回転シャフト38、スピンチャック32とともにそれに吸着保持された基板Wが水平面内にて鉛直方向に沿った軸を中心として回転される。
【0093】
また、スピンチャック32およびそれに吸着保持された基板Wを囲繞するようにカップ36が配置されている。カップ36は、図示を省略する昇降機構によって昇降自在に構成されている。搬送ロボットTR2が塗布処理ユニットSC1に対して基板Wを受け渡す際にはカップ36がスピンチャック32よりも下方に下降し、レジスト塗布処理を行う際にはスピンチャック32およびそれに吸着保持された基板Wの側方を取り囲む位置に(図6に示す位置に)上昇する。カップ36が上昇した状態にてレジスト塗布処理を行うと、回転するスピンチャック32およびそれに保持された基板Wから飛散するフォトレジストがカップ36の内壁面によって受け止められるため、薬液の飛沫等がカップ36の外部に拡散することを防止できる。
【0094】
塗布ノズル33には、図外のレジスト供給源から配管を介してフォトレジストが送給される。また、塗布ノズル33は、基板Wの回転中心上方位置とカップ36よりも外側位置との間で移動するように構成されている。スピンチャック32に吸着保持された基板Wを電動モータ37によって回転させつつ、その回転中心上方に位置させた塗布ノズル33からフォトレジストを吐出すると、基板Wの上面に滴下されたフォトレジストが遠心力によって基板上面に拡布される。これによってレジスト塗布処理が実行される。
【0095】
ところで、本実施形態のスピンチャック32は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂材料を切削加工によって図7,8に示すような形状に加工し、さらに切削面を研磨して製作される。使用されるPEEK材には、スピンチャック32が高速回転したときに空気との摩擦によって帯電するのを防止するために、カーボン粒子が分散して含有されている。PEEK材を切削加工すると、そのようなカーボン粒子が表面に現出する。また、切削加工時の削り屑などもスピンチャック32の表面には付着している。スピンチャック32の吸着面32dにこれらカーボン粒子や削り屑等の異物が付着していると、基板Wの裏面に吸着跡を付ける原因となることは既述した通りである。このような異物は、研磨によってある程度低減されるものの、完全に取り除くことは容易ではない。
【0096】
そこで、本実施形態においては、図9に示すように、スピンチャック32の吸着面32dを樹脂膜39によって被覆している。この樹脂膜39は、導電性ポリマーを主成分とする光硬化型のアクリル系樹脂である。すなわち、バインダーとしてのアクリル系光硬化樹脂に主成分である導電性ポリマーと分散材としてのアクリル系ポリマーとを混合したものをスピンチャック32の吸着面32dにコーティングして光照射によって硬化させて樹脂膜39を成膜している。樹脂膜39の膜厚は数μm程度である。
【0097】
スピンチャック32の本体を形成する樹脂(本実施形態ではPEEK)とは異なる材質(本実施形態ではアクリル系樹脂)の樹脂膜39によって吸着面32dを被覆することにより、吸着面32dに付着していたカーボン粒子や切り屑等の異物99を表面に露出させないようにすることができる。これにより、スピンチャック32の吸着面32dに基板Wを真空吸着したときにも、その裏面に異物99が付着したりキズを付けたりするのを防ぐことができ、吸着跡の付着を防止することができる。その結果、吸着跡に起因した露光時の焦点ずれや熱処理時のウェハ割れを防止することができる。
【0098】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、スピンチャック32の吸着面32dを樹脂膜39によってコーティングすることにより異物99を表面に露出させないようにしていたが、これに代えて以下のようにして異物99を除去するようにしてもよい。まず、図10(a)に示すように、切削加工および研磨によって成型されたスピンチャック32の吸着面32dの全面にパック剤98を塗布する。パック剤98は、美容目的で一般的に使用されているフェイスパックと同様のものである。続いて、パック剤98を乾燥させた後、図10(b)に示すように、パック剤98を吸着面32dから剥離する。このときに、吸着面32dに露出していた異物99はパック剤98の裏面に粘着されてパック剤98とともに吸着面32dから剥離される。その結果、スピンチャック32の吸着面32dから異物99が除去される。
【0099】
このようにしても上記実施形態と同様に、吸着面32dの表面に異物99が露出させないようにすることができ、基板Wの裏面に異物99が付着したりキズを付けたりするのを防ぐことができ、吸着跡の付着を防止することができる。
【0100】
また、本発明に係るチャックを採用した処理ユニットは塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3に限定されるものではなく、塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3、現像処理ユニットSD1〜SD5またはエッジ露光部EEWであっても良く、基板Wを吸着保持して回転させる処理ユニットであれば良い。
【0101】
さらに、本発明に係るチャックによって保持対象となる基板Wは半導体ウエハに限定されるものではなく、液晶ガラス基板であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本実施形態の基板処理装置の平面図である。
【図2】図1の基板処理装置の液処理部の正面図である。
【図3】図1の基板処理装置の熱処理部の正面図である。
【図4】図1の基板処理装置の基板載置部の周辺構成を示す図である。
【図5】図1の基板処理装置の搬送ロボットを説明するための図である。
【図6】塗布処理ユニットの概略構成を示す図である。
【図7】図6の塗布処理ユニットのスピンチャックの平面図である。
【図8】図6の塗布処理ユニットのスピンチャックの側断面図である。
【図9】スピンチャックの吸着面を樹脂膜によって被覆した状態を示す図である。
【図10】パック剤によって吸着面の異物を除去する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0103】
1 インデクサブロック
2 バークブロック
3 レジスト塗布ブロック
4 現像処理ブロック
5 インターフェイスブロック
32 スピンチャック
32d 吸着面
33 塗布ノズル
36 カップ
37 電動モータ
39 樹脂膜
98 パック剤
99 異物
SC1〜SC3 塗布処理ユニット
IB 検査ブロック
TR1〜TR5 搬送ロボット
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を吸着面に真空吸着することによって固定保持するチャックであって、
前記チャックの本体を形成する樹脂とは異なる樹脂膜によって前記吸着面を被覆したことを特徴とするチャック。
【請求項2】
請求項1記載のチャックにおいて、
前記チャックの本体はカーボン粒子を含有したポリエーテルエーテルケトンによって形成され、
前記樹脂膜は、アクリル系樹脂の膜であることを特徴とするチャック。
【請求項3】
基板に所定の処理を行う処理ユニットであって、
請求項1または請求項2に記載されたチャックと、
前記チャックを回転させる回転手段と、
前記チャックに保持された基板に対して前記所定の処理を実行する処理手段と、
を備えることを特徴とする処理ユニット。
【請求項4】
基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、
装置外部から受け取った未処理基板を装置内部に導入するとともに、処理済基板を装置外部に搬出するインデクサと、
請求項3記載の処理ユニットと、
前記インデクサと前記処理ユニットとの間で基板を搬送する搬送手段と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
基板を真空吸着することによって固定保持するチャックの吸着面に付着した異物を除去するチャック面洗浄方法であって、
前記吸着面にパック剤を塗布する工程と、
前記パック剤を乾燥させた後に前記吸着面から剥がす工程と、
を備えることを特徴とするチャック面洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−216886(P2006−216886A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30324(P2005−30324)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】