説明

デアセチラーゼ阻害剤の使用法

本発明は、デアセチラーゼであるヒドロキサメート化合物を投与することを含む病的心臓肥大および心不全の処置および/または予防の方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒストンデアセチラーゼの阻害剤であるヒドロキサメート化合物に関する。本発明の化合物は心臓肥大および心不全の処置および/または予防のための医薬として有用である。
【背景技術】
【0002】
背景
ヒストンの可逆的アセチル化は、転写因子のDNAへの接近可能性を変えることにより作用する遺伝子発現の主要なレギュレーターである。正常細胞において、ヒストンデアセチラーゼ(HDA)およびヒストンアセチルトランスフェラーゼは、ともに、均衡を維持するためにヒストンのアセチル化のレベルを制御する。HDAの阻害は、過剰にアセチル化されたヒストンの蓄積をもたらし、これは多様な細胞応答をもたらす。
【0003】
HDAの阻害剤は、癌細胞に対するそれらの治療効果について研究されてきた。たとえば、酪酸およびその誘導体、たとえばフェニル酪酸ブチルは、インビトロでヒト結腸カルシノーマ、白血病および網膜芽腫細胞系においてアポトーシスを誘導することが報告されている。しかしながら、酪酸およびその誘導体はインビボで急速に代謝され、そして非常に短い半減期を有する傾向があるため、それらは有用な薬理学剤ではない。抗癌活性について広く研究されたHDAの他のインヒビターは、トリコスタチンAおよびトラポキシンである。トリコスタチンAは抗真菌剤および抗生物質であり、そして哺乳動物HDAの可逆的インヒビターである。トラポキシンは環状テトラペプチドであり、これは哺乳動物HDAの不可逆的インヒビターである。トリコスタチンおよびトラポキシンは抗癌活性について研究されてきたが、該化合物のインビボでの不安定性のため、これらは抗癌性薬物としてあまり適当でない。
【0004】
HDAの阻害剤をまた病的心臓肥大および心不全における治療効果を試験した。心筋細胞により発現されるホメオドメインタンパク質であるHopを過剰発現する組換えマウスは、重度の心臓肥大、心筋線維症の発症、および早死にをもたらす。トリコスタチンA、HDA阻害剤でのこれらの動物の処置は、心臓肥大を予防する(Kook et al. 2003)。加えて、トリコスタチンAはまたイソプロテレノールの注入により誘発される肥大を軽減させる。トリコスタチンのインビボでの不安定さが、それを心不全に対する処置の選択肢として不適当とする。したがって、病的心臓肥大を処置および/または予防する、ならびに心不全および死を導く生化学過程を改善または逆転するために適当な活性剤が強く必要とされている。
【発明の開示】
【0005】
概要
本発明は、薬剤として有用な、式(I):
【化1】

〔式中、
はH、ハロまたは直鎖C−Cアルキル(とりわけメチル、エチルまたはn−プロピルであり、このメチル、エチルおよびn−プロピル置換基は、非置換であるか、またはアルキル置換基として下記の1個またはそれ以上の置換基により置換されている)であり;
はH、C−C10アルキル、(例えば、メチル、エチルまたは−CHCH−OH)、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、−(CHC(O)R、−(CHOC(O)R、アミノアシル、HON−C(O)−CH=C(R)−アリール−アルキル−および−(CHから選択され;
およびRは、同一または異なり、かつ独立してH、C−Cアルキル、アシルまたはアシルアミノであるか、またはRおよびRは、それらが結合している炭素と一体となって、C=O、C=SまたはC=NRを示すか、またはRは、それが結合している窒素と一体となり、そしてRは、それが結合している炭素と一体となり、C−Cヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ポリヘテロアリール、非芳香族性ポリヘテロ環またはアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環を形成してよく;
はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アシル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、芳香族性多環、非芳香族性多環、アリールと非アリールの混合多環、ポリヘテロアリール、非芳香族性ポリヘテロ環およびアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環から選択され;
n、n、nおよびnは、同一または異なり、かつ独立して0−6から選択され、nが1−6であるとき、各炭素原子は所望によりかつ独立してRおよび/またはRで置換されていてよく;
【0006】
XおよびYは、同一または異なり、かつ独立してH、ハロ、CHおよびCFのようなC−Cアルキル、NO、C(O)R、OR、SR、CNならびにNR1011から選択され;
はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル、2−フェニルエテニル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、OR12およびNR1314から選択され;
はOR15、SR15、S(O)R16、SO17、NR1314およびNR12SOから選択され;
はH、OR15、NR1314、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)およびヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)から選択され;
はC−Cアルキル、例えば、CHおよびCF、C(O)−アルキル、例えばC(O)CHおよびC(O)CFから選択され;
10およびR11は、同一または異なり、かつ独立してH、C−Cアルキルおよび−C(O)−アルキルから選択され;
12はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールと非アリールの混合多環、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)およびヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)から選択され;
13およびR14は、同一または異なり、かつ独立してH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、アミノアシルから選択されるか、またはR13およびR14は、それらが結合している窒素と一体となってC−Cヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ポリヘテロアリール、非芳香族性ポリヘテロ環またはアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環であり;
15はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび(CHZR12から選択され;
16はC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ポリヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび(CHZR12から選択され;
17はC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、芳香族性多環、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ポリヘテロアリールおよびNR1314から選択され;
mは0〜6から選択される整数であり;そして
ZはO、NR13、SおよびS(O)から選択される。〕
を有する、有効なデアセチラーゼ阻害剤化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を提供する。
【0007】
本発明の化合物は、病的心臓肥大および心不全の処置および/または予防のために特に有効である医薬組成物における活性剤として適当である。医薬組成物は他の薬学的に許容される賦形剤、担体、増量剤、希釈剤などと一緒に薬学的に有効量の本活性剤が存在する。本明細書で使用される薬学的に有効量なる用語は、とりわけ病的心臓肥大および心不全における阻害効果、例えば、病的に肥大した心臓細胞ならびに心不全および不整脈原性を含むその悪影響の阻害の治療効果を達成するために、宿主に投与する必要量を示す。
【0008】
詳細な説明
本発明は、デアセチラーゼの阻害剤、好ましくはヒストンデアセチラーゼの阻害剤であるヒドロキサメート化合物、例えば、ヒドロキサム酸を提供する。ヒドロキサメート化合物は病的心臓肥大および心不全の処置および/または予防するために非常に適当である。本発明のヒドロキサメート化合物は、下記構造(I):
【化2】

〔式中、
はH、ハロまたは直鎖C−Cアルキル(とりわけメチル、エチルまたはn−プロピルであり、このメチル、エチルおよびn−プロピル置換基は、非置換であるか、またはアルキル置換基として下記の1個またはそれ以上の置換基により置換されている)であり;
はH、C−C10アルキル、(好ましくはC−Cアルキル、例えば、メチル、エチルまたは−CHCH−OH)、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、−(CHC(O)R、−(CHOC(O)R、アミノアシル、HON−C(O)−CH=C(R)−アリール−アルキル−および−(CHから選択され;
およびRは、同一または異なり、かつ独立してH、C−Cアルキル、アシルまたはアシルアミノであるか、またはRおよびRは、それらが結合している炭素と一体となって、C=O、C=SまたはC=NRを示すか、またはRは、それが結合している窒素と一体となり、そしてRは、それが結合している炭素と一体となり、C−Cヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ポリヘテロアリール、非芳香族性ポリヘテロ環またはアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環を形成してよく;
はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アシル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、芳香族性多環、非芳香族性多環、アリールと非アリールの混合多環、ポリヘテロアリール、非芳香族性ポリヘテロ環およびアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環から選択され;
n、n、nおよびnは、同一または異なり、かつ独立して0−6から選択され、nが1−6であるとき、各炭素原子は所望によりかつ独立してRおよび/またはRで置換されていてよく;
【0009】
XおよびYは、同一または異なり、かつ独立してH、ハロ、CHおよびCFのようなC−Cアルキル、NO、C(O)R、OR、SR、CNならびにNR1011から選択され;
はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル、2−フェニルエテニル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、OR12およびNR1314から選択され;
はOR15、SR15、S(O)R16、SO17、NR1314およびNR12SOから選択され;
はH、OR15、NR1314、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)およびヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)から選択され;
はC−Cアルキル、例えば、CHおよびCF、C(O)−アルキル、例えばC(O)CHおよびC(O)CFから選択され;
10およびR11は、同一または異なり、かつ独立してH、C−Cアルキルおよび−C(O)−アルキルから選択され;
12はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールと非アリールの混合多環、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)およびヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)から選択され;
13およびR14は、同一または異なり、かつ独立してH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、アミノアシルから選択されるか、またはR13およびR14は、それらが結合している窒素と一体となってC−Cヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ポリヘテロアリール、非芳香族性ポリヘテロ環またはアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環であり;
15はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび(CHZR12から選択され;
16はC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ポリヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび(CHZR12から選択され;
17はC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、芳香族性多環、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ポリヘテロアリールおよびNR1314から選択され;
mは0〜6から選択される整数であり;そして
ZはO、NR13、SおよびS(O)から選択される。〕
を有するか、またはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0010】
必要に応じて、非置換は置換基が存在しないか、置換基が水素のみであることを意味する。
ハロ置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択され、好ましくはフルオロまたはクロロである。
【0011】
アルキル置換基は、特記されない限り、直線および分岐C−Cアルキルを含む。適当な直線および分岐C−Cアルキル置換基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどを含む。特記されない限り、アルキル置換基は、非置換アルキル基ならびに、不飽和(すなわち1個またはそれ以上の二重または三重C−C結合が存在する)、アシル、シクロアルキル、ハロ、オキシアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノおよびOR15、例えば、アルコキシを含む1個またはそれ以上の適当な置換基により置換されているアルキル基の両方を含む。アルキル基の好ましい置換基は、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキシアルキル、アルキルアミノおよびアミノアルキルを含む。
【0012】
シクロアルキル置換基は、特記されない限り、C−Cシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。特記されない限り、シクロアルキル置換基は非置換シクロアルキル基ならびに、C−Cアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノアルキル、オキシアルキル、アルキルアミノ、およびアルコキシのようなOR15を含む、1個またはそれ以上の適当な置換基により置換されているシクロアルキル基の両方を含む。シクロアルキル基の好ましい置換基は、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキシアルキル、アルキルアミノおよびアミノアルキルを含む。
【0013】
アルキルおよびシクロアルキル置換基の上記の記載は、また、アルコキシ、アルキルアミン、アルキルケトン、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルキルスルホニルおよびアルキルエステル置換基などを含むが、これらに限定されない他の置換基のアルキル部分に適用する。
【0014】
ヘテロシクロアルキル置換基は、窒素、硫黄、酸素から選択される1から3個のヘテロ原子を含む、3から9員脂肪族環、例えば、4から7員脂肪族環を含む。適当なヘテロシクロアルキル置換基の例は、ピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチオフラニル、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、1,3−ジアザパン、1,4−ジアザパン、1,4−オキサゼパン、および1,4−オキサチアパンを含む。特記されない限り、本環は、非置換であるか、または、炭素原子上を、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、およびヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、ハロ、アミノ、アルキルアミノおよびOR15、例えば、アルコキシを含む、1個またはそれ以上の適当な置換基により置換されている。特記されない限り、窒素ヘテロ原子は、非置換であるか、または、H、C−Cアルキル、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、およびヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、アシル、アミノアシル、アルキルスルホニル、およびアリールスルホニルにより置換されている。
【0015】
シクロアルキルアルキル置換基は、式−(CHn5−シクロアルキル(ここで、n5は1−6の数である)の化合物を含む。適当なアルキルシクロアルキル置換基は、シクロペンチルメチル−、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチルなどを含む。このような置換基は、非置換であるか、または、アルキル部分またはシクロアルキル部分をアルキルおよびシクロアルキルに対して上記のものを含む適当な置換基により置換されている。
【0016】
アリール置換基は、非置換フェニルならびに、C−Cアルキル、シクロアルキルアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、O(CO)アルキル、オキシアルキル、ハロ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルケトン、ニトリル、カルボキシアルキル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アリールスルホニル、およびアルコキシのようなOR15を含む、1個またはそれ以上の適当な置換基により置換されているフェニルを含む。好ましい置換基は、C−Cアルキル、シクロアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、アルコキシ、オキシアルキル、ハロ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルケトン、ニトリル、カルボキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、およびアミノスルホニルを含む。適当なアリール基の例は、C−Cアルキルフェニル、C−Cアルコキシフェニル、トリフルオロメチルフェニル、メトキシフェニル、ヒドロキシエチルフェニル、ジメチルアミノフェニル、アミノプロピルフェニル、カルボエトキシフェニル、メタンスルホニルフェニルおよびトリルスルホニルフェニルを含む。
【0017】
芳香族性多環は、ナフチルならびに、C−Cアルキル、アルキルシクロアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、オキシアルキル、ハロ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルケトン、ニトリル、カルボキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニルおよびアルコキシのようなOR15を含む、1個またはそれ以上の適当な置換基により置換されているナフチルを含む。
【0018】
ヘテロアリール置換基は、N、OおよびSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子、例えば、1個から4個のヘテロ原子を含む、5から7員芳香環の化合物を含む。典型的なヘテロアリール置換基は、フリル、チエニル、ピロール、ピラゾール、トリアゾール、チアゾール、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、イソオキサゾリル、ピラジンなどを含む。特記されない限り、ヘテロアリール置換基は、非置換であるか、または炭素原子上を、アルキル、上記で定義のアルキル置換基および他のヘテロアリール置換基を含む、1個またはそれ以上の適当な置換基により置換されている。窒素原子は、非置換であるか、または、例えば、R13により置換されている;とりわけ有用なN置換基は、H、C−Cアルキル、アシル、アミノアシルおよびスルホニルを含む。
【0019】
アリールアルキル置換基は、式−(CHn5−アリール、−(CHn5−1−(CHアリール)−(CHn5−アリールまたは−(CHn5−1CH(アリール)(アリール)(ここで、アリールおよびn5は上記で定義の通りである)の基を含む。このようなアリールアルキル置換基は、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、トリル−3−プロピル、2−フェニルプロピル、ジフェニルメチル、2−ジフェニルエチル、5,5−ジメチル−3−フェニルペンチルなどを含む。アリールアルキル置換基は、非置換であるか、またはアルキル部分もしくはアリール部分または両方を、アルキルおよびアリール置換基に対して上記の通り置換されている。
【0020】
ヘテロアリールアルキル置換基は、2−、3−または4−ピリジルメチル、イミダゾリルメチル、キノリルエチルおよびピロリルブチルのような、式−(CHn5−ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールおよびn5は上記で定義の通りであり、架橋基はヘテロアリール部分の炭素または窒素に結合している)の基を含む。
【0021】
アミノアシル置換基は、式−C(O)−(CH−C(H)(NR1314)−(CH−R(ここで、n、R13、R14およびRは上記で定義の通りである)の基を含む。適当なアミノアシル置換基は、グリシニル、D−トリプトファニル、L−リシニル、D−またはL−ホモセリニル、4−アミノブチリックアシル、±−3−アミノ−4−ヘキセノイルのような天然および非天然アミノ酸を含む。
【0022】
非芳香族性多環置換基は、各環が4−9員であってよく、そして各環が0、1個またはそれ以上の二重および/または三重結合を含み得る、二環式および三環式縮合環系を含む。非芳香族性多環の適当な例は、デカリン、オクタヒドロインデン、ペルヒドロベンゾシクロヘプテン、ペルヒドロベンゾ−[f]−アズレンを含む。このような置換基は、非置換であるか、またはシクロアルキル基に対して上記の通り置換されている。
【0023】
アリールと非アリールの混合多環置換基は、各環が4−9員であってよく、そして少なくとも1個の環が芳香族性である、二環式および三環式縮合環系を含む。適当なアリールと非アリールの混合多環置換基の例は、メチレンジオキシフェニル、ビス−メチレンジオキシフェニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、ジベンゾスベラン、ジヒドロアントラセン、9H−フルオレンを含む。このような置換基は非置換であるか、またはニトロによりもしくはシクロアルキル基に対して上記の通り置換されている。
【0024】
ポリヘテロアリール置換基は、各環が独立して5または6員であってよく、そして縮合環系が芳香族性となるように、O、NまたはSから選択された1個またはそれ以上のヘテロ原子、例えば、1、2、3または4個のヘテロ原子を含む、二環式および三環式縮合環系を含む。ポリヘテロアリール環系の適当な例は、キノリン、イソキノリン、ピリドピラジン、ピロロピリジン、フロピリジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフラン、ベンズインドール、ベンゾオキサゾール、ピロロキノリンなどを含む。特記されない限り、ポリヘテロアリール置換基は、非置換であるか、または炭素原子上を、アルキル、上記で定義のアルキル置換基ならびに式−O−(CHCH=CH(CH)(CH))1−3Hの置換基を含む、1個またはそれ以上の適当な置換基により置換されている。窒素原子は、非置換であるか、または、例えば、R13により置換されている;とりわけ有用なN置換基はH、C−Cアルキル、アシル、アミノアシル、およびスルホニルを含む。
【0025】
非芳香族性ポリヘテロ環式置換基は、各環が4−9員であってよく、O、NまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子、例えば、1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、0もしくは1個またはそれ以上のC−C二重または三重結合を含む、二環式および三環式縮合環系を含む。非芳香族性ポリヘテロ環の適当な例は、ヘキシトール、cis−ペルヒドロ−シクロヘプタ[b]ピリジニル、デカヒドロ−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピニル、2,8−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、ヘキサヒドロ−チエノ[3,2−b]チオフェン、ペルヒドロピロロ[3,2−b]ピロール、ペルヒドロナフチリジン、ペルヒドロ−1H−ジシクロペンタ[b,e]ピランを含む。特記されない限り、非芳香族性ポリヘテロ環式置換基は、非置換であるか、または炭素原子上を、アルキルおよび上記で定義のアルキル置換基を含む、1個またはそれ以上の置換基により置換されている。窒素原子は、非置換であるか、または、例えば、R13により置換されている;とりわけ有用なN置換基は、H、C−Cアルキル、アシル、アミノアシル、およびスルホニルを含む。
【0026】
アリールと非アリールの混合ポリヘテロ環置換基は、4−9員であってよく、O、NまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む、少なくとも1個の環が芳香族性でなければならない、二環式および三環式縮合環系を意味する。アリールと非アリールの混合ポリヘテロ環の適当な例は、2,3−ジヒドロインドール、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、5,11−ジヒドロ−10H−ジベンズ[b,e][1,4]diアゼピン、5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、1,2−ジヒドロピロロ[3,4−b][1,5]ベンゾジアゼピン、1,5−ジヒドロ−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−オン、1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロ−ベンゾ[b]ピリド[2,3−e][1,4]ジアゼピン−5−オンを含む。特記されない限り、アリールと非アリールの混合ポリヘテロ環式置換基は、非置換であるか、または炭素原子上を、−N−OH、=N−OH、アルキルおよび上記で定義のアルキル置換基を含む、1個またはそれ以上の適当な置換基により置換されている。窒素原子は非置換であるか、または、R13により置換されている;とりわけ有用なN置換基は、H、C−Cアルキル、アシル、アミノアシル、およびスルホニルを含む。
【0027】
アミノ置換基は、一級、二級および三級アミンおよび塩形の四級アミンを含む。アミノ置換基の例は、モノ−およびジ−アルキルアミノ、モノ−およびジ−アリールアミノ、モノ−およびジ−アリールアルキルアミノ、アリール−アリールアルキルアミノ、アルキル−アリールアミノ、アルキル−アリールアルキルアミノなどを含む。
スルホニル置換基は、アルキルスルホニルおよびアリールスルホニル、例えば、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トシルなどを含む。
【0028】
アシル置換基は、式−C(O)−W、−OC(O)−W、−C(O)−O−Wまたは−C(O)NR1314(ここでWはR16、Hまたはシクロアルキルアルキルである)の基を含む。
アシルアミノ置換基は、式−N(R12)C(O)−W、−N(R12)C(O)−O−W、および−N(R12)C(O)−NHOH(ここでR12およびWは上記で定義の通りである)の基を含む。
【0029】
置換基HON−C(O)−CH=C(R)−アリール−アルキル−は、式
【化3】

の基である。
好ましい各置換基は、下記を含む:
がH、ハロ、または直鎖C−Cアルキルであり;
がH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、−(CHC(O)R、アミノアシルおよび−(CHから選択され;
およびRが、同一または異なり、かつ独立してHおよびC−Cアルキルから選択されるか、またはRおよびRが、それらが結合している炭素と一体となって、C=O、C=SまたはC=NRを示し;
がH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、芳香族性多環、非芳香族性多環、アリールと非アリールの混合多環、ポリヘテロアリール、非芳香族性ポリヘテロ環およびアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環から選択され;
n、n、nおよびnが、同一または異なり、かつ独立して0−6から選択され、nが1−6であるとき、各炭素原子は非置換であるか、または独立してRおよび/またはRで置換されており;
XおよびYが、同一または異なり、かつ独立してH、ハロ、C−Cアルキル、CF、NO、C(O)R、OR、SR、CNおよびNR1011から選択され;
がH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、OR12およびNR1314から選択され;
がOR15、SR15、S(O)R16、SO17、NR1314およびNR12SOから選択され;
がH、OR15、NR1314、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルから選択され;
がC−CアルキルおよびC(O)−アルキルから選択され;
10およびR11が、同一または異なり、かつ独立してH、C−Cアルキルおよび−C(O)−アルキルから選択され;
12がH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルから選択され;
13およびR14が、同一または異なり、かつ独立してH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアシルから選択され;
15がH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび(CHZR12から選択され;
16がC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび(CHZR12から選択され;
17がC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびNR1314から選択され;
mが0から6の整数であり;そして
ZがO、NR13、S、S(O)から選択される、またはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0030】
有用な式(I)の化合物は、nおよびnの一方が0であり、他方が1であるものを含むR、X、Y、RおよびRがHであるもの、とりわけRがHまたは−CH−CH−OHであるものを含む。
【0031】
一つの適当なヒドロキサメート化合物の群は、式Ia
【化4】

〔式中、
は0−3であり、
はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、−(CHC(O)R、アミノアシルおよび−(CHから選択され;
’はヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、芳香族性多環、非芳香族性多環、アリールと非アリールの混合多環、ポリヘテロアリールまたはアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環である。〕
の化合物、またはそれら薬学的に許容される塩である。
【0032】
ヒドロキサメート化合物の他の適当な群は、式Ia
【化5】

〔式中、
は0−3であり、
はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、−(CHC(O)R、アミノアシルおよび−(CHから選択され;
’はアリール、アリールアルキル、芳香族性多環、非芳香族性多環およびアリールと非アリールの混合多環;とりわけアリール、例えばp−フルオロフェニル、p−クロロフェニル、p−O−C−C−アルキルフェニル、例えばp−メトキシフェニルおよびp−C−C−アルキルフェニル;およびアリールアルキル、例えばベンジル、オルト、メタまたはパラ−フルオロベンジル、オルト、メタまたはパラ−クロロベンジル、オルト、メタまたはパラ−モノ、ジまたはトリ−O−C−C−アルキルベンジル、例えばオルト、メタまたはパラ−メトキシベンジル、m,p−ジエトキシベンジル、o,m,p−トリメトキシベンジル、およびオルト、メタまたはパラ−モノ、ジまたはトリ−C−C−アルキルフェニル、例えばp−メチル、m,m−ジエチルフェニルである。〕
の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0033】
他の興味深い群は、式Ib
【化6】

〔式中、
’はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、シクロアルキルアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、−(CH2−4OR21(ここで、R21はH、メチル、エチル、プロピルおよびi−プロピルである)から選択され、そして
”は非置換1H−インドール−3−イル、ベンゾフラン−3−イルまたはキノリン−3−イル、または置換1H−インドール−3−イル、例えば5−フルオロ−1H−インドール−3−イルまたは5−メトキシ−1H−インドール−3−イル、ベンゾフラン−3−イルまたはキノリン−3−イルである。〕
の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0034】
他の興味深いヒドロキサメート化合物の群は、式(Ic)
【化7】

〔式中、
は芳香族性または非芳香族性であって、この非芳香環は飽和または不飽和であり、
はO、SまたはN−R20であり、
18はH、ハロ、C−Cアルキル(メチル、エチル、t−ブチル)、C−Cシクロアルキル、アリール、例えば非置換フェニルまたは、4−OCHもしくは4−CFで置換されているフェニル、またはヘテロアリール、例えば2−フラニル、2−チオフェニルまたは2−、3−または4−ピリジルであり;
20はH、C−Cアルキル、C−Cアルキル−C−Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、アシル(アセチル、プロピオニル、ベンゾイル)またはスルホニル(メタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)であり;
は独立してH、C−C−アルキル、−OR19、ハロ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ハロまたはヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)である1個、2個または3個の置換基であり、
19はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)および−(CHCH=CH(CH)(CH))1−3Hから選択され;
はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、−(CHC(O)R、アミノアシルおよび−(CHから選択され;
vは0、1または2であり、
pは0−3であり、そして
qは1−5であり、かつrは0であるか、または
qは0であり、かつrは1−5である。〕
の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩である。他の可変置換基は上記で定義の通りである。
【0035】
とりわけ有用な式(Ic)の化合物は、RがHまたは−(CHCHOH(式中、pは1−3である)であるもの、とりわけRがHのもの;例えば、RがHであり、そしてXおよびYが各々Hであり、そしてqが1−3であり、かつrが0であるか、またはqが0であり、かつrが1−3であるもの、とりわけZがN−R20であるものである。これらの化合物の中で、Rは好ましくはHまたは−CH−CH−OHであり、qとrの合計は好ましくは1である。
【0036】
ヒドロキサメート化合物の他の興味深い群は、式(Id)
【化8】

〔式中、
はO、SまたはN−R20であり、
18はH、ハロ、C−Cアルキル(メチル、エチル、t−ブチル)、C−Cシクロアルキル、アリール、例えば、非置換フェニルまたは、4−OCHもしくは4−CFで置換されているフェニルまたはヘテロアリールであり、
20はH、C−Cアルキル、C−Cアルキル−C−Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、アシル(アセチル、プロピオニル、ベンゾイル)またはスルホニル(メタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)であり;
は独立してH、C−C−アルキル、−OR19またはハロである1個、2個または3個の置換基であり、
19はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)およびヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)から選択され;
pは0−3であり、そして
qは1−5であり、かつrは0であるか、または
qは0であり、かつrは1−5である。〕
の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩である。他の可変置換基は上記で定義の通りである。
【0037】
とりわけ有用な式(Id)の化合物は、RがHまたは−(CHCHOH(式中、pは1−3である)であるもの、とりわけRがHであるもの;例えば、RがHであり、そしてXおよびYが各々Hであり、そしてqが1−3であり、かつrが0であるか、またはqが0であり、かつrが1−3であるものである。これらの化合物の中で、Rは好ましくはHまたは−CH−CH−OHであり、qとrの合計は好ましくは1である。
【0038】
本発明は、さらに式(Ie)
【化9】

の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩に関する。可変置換基は上記で定義の通りである。
【0039】
とりわけ有用な式(Ie)の化合物は、R18がH、フルオロ、クロロ、ブロモ、C−Cアルキル基、置換C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、非置換フェニル、パラ位を置換されているフェニル、またはヘテロアリール(例えば、ピリジル)環であるものである。
【0040】
式(Ie)の有用な化合物の他の群は、RがHまたは−(CHCHOH(式中、pは1−3である)であるもの、とりわけRがHであるもの;例えば、RがHであり、そしてXおよびYが各々H、そしてqが1−3であり、かつrが0であるか、またはqが0であり、かつrが1−3であるものである。これらの化合物の中で、Rは好ましくはHまたは−CH−CH−OHであり、そしてqとrの合計は好ましくは1である。
【0041】
有用な式(Ie)の化合物の他の群は、R18がH、メチル、エチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、シクロヘキシル、フェニル、4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−フラニル、2−チオフェニル、または2−、3−もしくは4−ピリジル(ここで、2−フラニル、2−チオフェニルおよび2−、3−もしくは4−ピリジル置換基は、非置換であるか、またはヘテロアリール環に関して上記の通り置換されている)であり;RがHまたは−(CHCHOH(ここで、pは1−3である)であるもの;とりわけRがHであり、そしてXおよびYが各々Hであり、そしてqが1−3であり、かつrが0であるか、またはqが0であり、かつrが1−3であるものである。これらの化合物の中で、Rは好ましくはHまたは−CH−CH−OHであり、そしてqとrの合計は好ましくは1である。
【0042】
20がHまたはC−Cアルキル、とりわけHである、式(Ie)の化合物が、上記の式Ieの化合物の各下位群の重要なメンバーである。
【0043】
N−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよびN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、またはそれらの薬学的に許容される塩は、重要な式(Ie)の化合物である。
【0044】
本発明は、さらに式(If)
【化10】

の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩に関する。可変置換基は上記で定義の通りである。
【0045】
有用な式(If)の化合物は、RがHまたは−(CHCHOH(ここで、pは1−3である)であるもの、とりわけRがHであるもの;例えば、RがHであり、そしてXおよびYが各々Hであり、そしてqが1−3であり、かつrが0であるか、またはqが0であり、かつrが1−3であるものである。これらの化合物の中で、Rは好ましくはHまたは−CH−CH−OHであり、qとrの合計は好ましくは1である。
【0046】
N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(ベンゾフル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、またはその薬学的に許容される塩は、重要な式(If)の化合物である。
【0047】
上記の化合物は、しばしば薬学的に許容される塩の形で使用される。薬学的に許容される塩は、適当なとき、薬学的に許容される塩基付加塩および酸付加塩、例えば、金属塩、例えばアルカリおよびアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、およびアミノ酸付加塩、およびスルホン酸塩を含む。酸付加塩は、塩酸塩、硫酸塩およびリン酸塩のような無機酸付加塩、ならびにアルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩および乳酸塩のような有機酸付加塩を含む。金属塩の例は、リチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩のようなアルカリ金属塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、ならびに亜鉛塩である。アンモニウム塩の例は、アンモニウム塩およびテトラメチルアンモニウム塩である。有機アミン付加塩の例は、モルホリンおよびピペリジンとの塩である。アミノ酸付加塩の例は、グリシン、フェニルアラニン、グルタミン酸およびリシンとの塩である。スルホン酸塩は、メシレート、トシレートおよびベンゼンスルホン酸塩を含む。
【0048】
当業者には明らかであるように、本発明の多くのデアセチラーゼ阻害剤化合物は不斉炭素原子を含む。従って、個々の立体異性体が本発明の範囲内に包含されるものであると考えられることは理解すべきである。
【0049】
本発明のヒドロキサメート化合物は、既知の有機合成法により製造され得る。例えば、ヒドロキサメート化合物は、4−ホルミル桂皮酸メチルをトリプタミンと反応させ、次いで反応物をヒドロキサメート化合物に変換することにより製造され得る。例として、4−ホルミル桂皮酸メチル(2)は、4−ホルミルケイ皮酸(3)の酸触媒エステル化により製造される(Bull. Chem. Soc. Jpn. 1995; 68:2355-2362)。4−ホルミル桂皮酸メチル(2)の代わりの製造はアクリル酸メチル(4)の4−ブロモベンズアルデヒド(5)とのPd触媒カップリングによる。
【化11】

【0050】
さらなる出発物質は4−カルボキシベンズアルデヒド(6)から製造され得、典型的な方法を下記アルデヒド(9)の製造のために説明する。4−カルボキシベンズアルデヒド(6)のカルボン酸は塩化シリル(例えば、t−ブチルジメチル塩化シリル)および塩基(例えば、トリエチルアミン)で適当な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で処理することによりシリルエステル(例えば、t−ブチルジメチルシリルエステル)として保護され得る。得られるシリルエステル(7)はホスホン酸エステル(例えば、2−ホスホノプロピオン酸トリエチル)で塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下で適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF))中でオレフィン化(例えば、ホーナー・エモンズオレフィン化)され得る。得られるジエステルの酸(例えば、塩酸)との処理でシリルエステルの加水分解をし、酸(8)を得る。例えば、溶媒(例えば、THF)中のボラン−硫化ジメチル錯体を使用するカルボン酸(8)の選択的還元で中間体アルコールを得る。この中間体アルコールは、限定はしないが、スワーン酸化、デスマーチンペルヨージナン酸化、モファット酸化を含む多くの既知の方法によりアルデヒド(9)に酸化され得る。
【化12】

【0051】
出発物質のアルデヒド(2)または(9)を還元的アミノ化し、二級または三級アミンを得る。これは溶媒としてジクロロエタン(DCE)中の還元剤としてトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(NaBH(OAc))を使用する、4−ホルミル桂皮酸メチル(2)とトリプタミン(10)の反応により説明され、アミン(11)を得る。他の還元剤は、酸触媒(例えば、酢酸およびトリフルオロ酢酸)の非存在下または存在下で、他の溶媒または溶媒混合物中で、例えば、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)およびシアノホウ化水素ナトリウム(NaBHCN)を使用し得る。アミン(11)は適当な溶媒(例えば、塩基、例えば、NaOHの存在下のTHF)中で50%の水性ヒドロキシルアミンと処理することによりヒドロキサム酸(12)に直接、変換され得る。ヒドロキサメート形成の他の方法は既知であり、適当な溶媒または溶媒混合物(例えば、メタノール、エタノールまたはメタノール/THF)中で塩化ヒドロキシルアミンを有するエステルと塩基(例えば、水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシド)の反応を含む。
【化13】

【0052】
アルデヒド(2)は、限定はしないが、表1で説明されるものにより例示される様々なアミンと還元的アミノ化され得る。得られるエステルは記載の方法により目的のヒドロキサメートに変換され得る。
【表1】

【0053】
本発明の化合物の別の合成法は、例えば、触媒としてMeOHおよびHOAc中で還元剤としてNaBHCNを使用する、4−ホルミルケイ皮酸(3)の下記に立証されている3−フェニルプロピルアミン(13)での還元アミノ化により開始する。得られたアミノ酸(14)の塩基性窒素は、例えば、二炭酸ジ−t−ブチルとの反応からt−ブトキシカルバメート(BOC)で保護され得、(15)を得る。
【化14】

【0054】
カルボン酸を適当な溶媒(例えば、DMF)中で脱水剤(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDCI))および触媒(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT))を使用して、保護されたヒドロキシルアミン(例えば、O−トリチルヒドロキシルアミン)と結合し、(16)を製造され得る。(16)を強酸(例えば、トリフルオロ酢酸(TFA))で処理し本発明のヒドロキサム酸(17)を得る。この方法により製造され得る化合物のさらなる例は下記のものである:
【化15】

【0055】
三級アミン化合物は多くの方法により製造され得る。触媒としてジクロロエタンおよびHOAc中で還元剤としてNaBHCNを使用して、(30)のニコチンアルデヒド(32)での還元アミノ化でエステル(34)を得る。他の還元剤(例えば、NaBHおよびNaBH(OAc))は酸触媒(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸など)の存在または非存在下で他の溶媒または溶媒混合物中で使用され得る。NaOH、MeOH中でエステル(34)のHONH・HClとの反応でヒドロキサメート(36)を得る。
【化16】

【0056】
この方法により製造される三級アミン化合物は、限定はしないが、表2に記載のものにより例示される。
【表2】

【0057】
三級アミンするための別の方法は塩基の存在下で適当な溶媒中で二級アミンをアルキル化剤と反応させることである。例えば、(i−Pr)NEtの存在下でアミン(11)およびブロマイド(40)のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を加熱して三級アミン(42)を得る。NaOH、MeOH中で三級アミン(42)のHONH・HClとの反応でヒドロキサメート(43)を得る。シリル基を当業者に既知のなんらかの方法により除去し得る。例えば、ヒドロキサメート(43)を酸、例えば、トリフルオロ酢酸、またはフッ化物と処理し、ヒドロキシエチル化合物(44)を製造し得る。
【化17】

【0058】
ヒドロキサメート化合物またはその塩は、医薬組成物、とりわけデアセチラーゼ、とりわけヒストンデアセチラーゼを阻害する特性を有する医薬組成物を製造するために適当である。ヒドロキサメート化合物がHDA阻害およびインビボでヒストンアセチル化の増加を引き起こすことを、無胸腺マウス試験で立証する。
【0059】
本発明は、活性成分として薬学的に有効量の1種またはそれ以上の上記化合物を含む医薬組成物をさらに含む。本発明の医薬組成物は単独または1種またはそれ以上の薬学的に許容される担体と一緒に、腫瘍または病的心臓肥大および心不全の処置のために、ヒトを含む哺乳動物への、経腸、例えば、経口または経直腸、および非経腸投与のために適当である。
【0060】
ヒドロキサメート化合物は、有効量の経腸または非経腸投与のいずれかに対して適当である賦形剤または担体と組み合わせた化合物または混合物を有する医薬組成物の製造において有用である。好ましいものは活性成分を(a)希釈剤;(b)滑剤、(c)結合剤(錠剤);所望により、(d)崩壊剤;および/または(e)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と一緒に含む錠剤およびゼラチンカプセルを含む。注入用組成物は好ましくは水性等張液または懸濁液であり、坐薬は脂質エマルジョンまたは懸濁液から有利に製造される。組成物は滅菌され得、そして/またはアジュバント、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤または乳化剤、溶液促進剤、浸透圧を調節する塩および/または緩衝剤を含む。加えて、組成物はまた他の治療価値のある物質を含み得る。組成物は慣用の混合、造粒または被覆法各々により製造され、そして好ましくは約1から50%の活性成分を含む。
【0061】
適当な製剤はまた、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および製剤を、意図する受け手の血液と等張にするための溶質;ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液を含み得る水性および非水性滅菌注射溶液を含む、非経腸投与用製剤を含む。本製剤は、単位投与または複数投与用容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルで提供でき、使用直前に、滅菌液体担体、例えば、注射のための水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)条件下で貯蔵できる。即席の注射溶液および懸濁液を、先に記載の種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から製造できる。
【0062】
他の態様において、ヒドロキサメート化合物を他の治療モダリティと組み合わせて使用することが想定される。したがって、上記治療に加えて、また患者にさらに“標準”医薬心臓治療剤を与え得る。標準治療剤の例は、限定はしないが、いわゆる“βブロッカー”抗高血圧剤、強心剤、抗血小板剤、血管拡張剤、ホルモンアンタゴニスト、イオントロープ(iontrope)、利尿剤、エンドセリンアンタゴニスト、カルシウムチャネルブロッカー、ホスホジエステラーゼ阻害剤、ACE阻害剤、アンジオテンシン2型受容体アンタゴニストおよびサイトカインブロッカー/阻害剤を含む。
【0063】
組合せは心臓細胞を両方の薬剤を含む単一の組成物または薬理学的製剤と接触させることにより、または細胞を同時に一方の組成物が発現構築物を含みもう一方が薬剤を含む、2種の別々の組成物または製剤と接触させることにより成し遂げることができる。あるいは、ヒドロキサメート化合物治療は、他の薬剤の投与の前または後に、分ないし週単位の間隔で投与され得る。他の薬剤および発現構築物を別々に細胞に適用する態様において、薬剤および発現構築物が細胞に対して有利に組合せ効果を発揮することができるように、相当な時間がそれぞれの送達時間の間に過ぎないことを一般に保証するであろう。そういった場合には、一般的に細胞を両方のモダリティと互いに約12−24時間以内、より好ましくは、互いに約6−12時間以内、最も好ましいのは約12時間のみの遅延時間で接触すると考えられる。場合によっては、それぞれの投与は数日間(2、3、4、5、6または7)から数週間(1、2、3、4、5、6、7または8)であるが、有意に処置期間を延長することが望ましいかもしれない。
【0064】
上記のとおり、本発明の化合物は、病的肥大心臓状態ならびに心不全および不整脈を含む悪影響を処置および/または予防するために有用である。本発明の化合物は、引き金となる事象(例えば、心筋梗塞など)または病因(特発性の、家族性の、薬剤誘導の、または高血圧、弁膜疾患、虚血、慢性アルコール依存症、感染症などに関連した)に関係なく、拡張型心筋症を含む病的心臓肥大および心不全(拡張期、収縮期、または拡張期および収縮期の組合せ)を処置および/または予防するために特に有用である。
【0065】
下記実施例は本発明の説明を意図し、それに限定すると解釈してはならない。
【実施例】
【0066】
実施例P1
N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの製造
4−ホルミルケイ皮酸メチルエステルをMeOHおよびHCl(6.7g、0.18mol)中に4−ホルミルケイ皮酸(25g、0.143mol)を加えることにより製造する。得られる懸濁液を還流温度に3時間加熱し、冷却し、蒸発させ、乾燥させる。得られる黄色固体をEtOAc中に溶解させ、溶液を飽和NaHCOで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させ、薄い黄色固体を得、これをさらなる精製なしに使用する(25.0g、92%)。ジクロロエタン中のトリプタミン(16.3g、100mmol)および4−ホルミルケイ皮酸メチルエステル(19g、100mmol)の溶液に、NaBH(OAc)(21g、100mmol)を加える。4時間後、混合物を10%のKCO溶液で希釈し、有機相を分離し、水性溶液をCHClで抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、3−(4−{[2−(1H−インドル−3−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−(2E)−2−プロペン酸メチルエステル(29g)を製造する。MeOH(100mL)中のKOH(12.9g87%、0.2mol)の溶液をMeOH(200mL)中のHONH・HCl(13.9g、0.2mol)の溶液に加え、沈殿物を得る。15分後、混合物を濾過し、濾過ケーキをMeOHで洗浄し、濾液を約75mLに真空蒸発させる。混合物を濾過し、用量をMeOHで100mLに調節する。得られる2MのHONH溶液はN下で−20℃で2週間まで保存される。次いで、3−(4−{[2−(1H−インドル−3−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−(2E)−2−プロペン酸メチルエステル(2.20g、6.50mmol)をMeOH(30mL、60mmol)中の2MのHONH、その後、MeOH(5mL)中のKOH(420mg、6.5mmol)の溶液に加える。2時間乾燥後、氷を反応物に加え、混合物を蒸発させ、乾燥させる。残渣を温MeOH(20mL)中に溶解させ、冷却させ、−20℃で一晩保存する。得られる懸濁液を濾過し、固体を氷冷MeOHで洗浄し、真空乾燥させ、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド(m/z336[MH])を製造する。
【0067】
実施例P2
N−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの製造
DMSO(100mL)中の3−(4−{[2−(1H−インドル−3−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−(2E)−2−プロペン酸メチルエステル(12.6g、37.7mmol)、(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(12.8g、53.6mmol)、(i−Pr)NEt、(7.42g、57.4mmol)の溶液を50℃に加熱する。8時間後、混合物をCHCl/HOで分配する。有機層を乾燥させ(NaSO)、蒸発させる。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、3−[4−({[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−[2−(1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ}−メチル)−フェニル]−(2E)−2−プロペン酸メチルエステル(13.1g)を製造する。実施例P1のヒドロキサメート化合物の製造に対して記載の方法にしたがって、3−[4−({[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−[2−(1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ}−メチル)−フェニル]−(2E)−2−プロペン酸メチルエステル(5.4g、11mmol)をN−ヒドロキシ−3−[4−({[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−[2−(1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ}−メチル)−フェニル]−(2E)−2−プロペンアミド(5.1g)に変換し、さらなる精製なしに使用する。ヒドロキサム酸(5.0g、13.3mmol)を次いで95%のTFA/HO(59mL)中に溶解させ、40−50℃に4時間加熱する。混合物を蒸発させ、残渣を逆相HPLCにより精製し、N−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドをトリフルオロ酢酸塩(m/z380[MH])として製造する。
【0068】
実施例P3
N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの製造
乾燥THF(1000mL)中のLiAlH(17g、445mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、2−メチルインドール−3−グリオキシルアミド(30g、148mmol)を少しずつ30分にわたって加える。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで還流温度で3時間維持する。反応物を0℃に冷却し、HO(17ml)、15%のNaOH(水溶液、17ml)およびHO(51ml)で処理する。混合物をMgSOで処理し、濾過し、濾液を蒸発させ、2−メチルトリプタミンを得、これをMeOH中に溶解させる。4−ホルミル桂皮酸メチル(16.9g、88.8mmol)、その後、NaBHCN(8.4g)およびAcOH(1当量)を溶液に加える。1時間後、反応物をNaHCO(水溶液)で希釈し、EtOAcで抽出する。有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させる。残渣をクロマトグラフィーにより精製し、3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドル−3−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−(2E)−2−プロペン酸メチルエステルを得る。エステルをMeOHに溶解させ、1.0MのHCl/ジオキサン(1−1.5当量)を、その後、EtOを加える。得られる沈殿物を濾過し、固体をEtOで洗浄し、完全に乾燥させ、3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドル−3−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−(2E)−2−プロペン酸メチルエステル塩酸を得る。1.0MのNaOH(水溶液、85mL)をメチルエステル塩酸(14.9g、38.6mmol)の氷冷溶液およびHONH(50%の水溶液、24.0mL、約391.2mmol)に加える。6時間後、氷冷溶液をHOおよびNHCl(水溶液、0.86M、100mL)で希釈する。得られる沈殿物を濾過し、HOで洗浄し、乾燥させ、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド(m/z350[MH])を得る。
【0069】
実施例1−265
下記化合物を実施例P1、P2およびP3に記載の方法と類似の方法により製造される:
【表3】

【表4】

【表5】

【0070】
【表6】

【表7】

【表8】

【0071】
【表9】

【表10】

【表11】

【0072】
【表12】

【表13】

【表14】

【0073】
【表15】

【表16】

【表17】

【0074】
【表18】

【表19】

【表20】

【0075】
【表21】

【表22】

【表23】

【0076】
【表24】

【表25】

【表26】

【0077】
【表27】

【表28】

【表29】

【0078】
【表30】

【表31】

【表32】

【0079】
【表33】

【表34】

【表35】

【0080】
【表36】

【表37】

【表38】

【0081】
【表39】

【表40】

【表41】

【0082】
【表42】

【表43】

【0083】
実施例B1
上行または下行大動脈を結紮したマウスモデルを、病的心臓肥大における本発明の薬剤(試験剤)の有利な効果を確認するために圧過負荷モデルとして使用する。Tarnavski et al. (2004)またはOgita et al. (2004)に記載の方法をこの目的のために使用する。簡潔に言うと、麻酔C57BL/6雄マウス(11から12週齢)を上行または下行大動脈を結紮外科的手術に付す。模擬手術マウスを大動脈の結紮なしの同様の外科的手術に付す。
【0084】
血圧および心拍数を、外科手術前および手術後定期的にテイルカフ・プレチスモグラフィー法により意識ある動物において非侵襲的に測定する。軽い麻酔下、2次元誘導Mモード心エコー法を行う。左心室収縮率の割合をOgita et al. (2004)に記載の[(LVDD−LVSD)/LVDD]×100(%)で計算する。LVDDおよびLVSDは左心室拡張末期および収縮末期径、各々を示す。左心室重量は1.055[(LVDD+PWTD+VSTD)3−(LVDD)3](mg)(式中、PWTDは心臓拡張後壁厚を示し、そしてVSTDは心臓拡張心室中隔厚を示す)で計算した。
【0085】
上記評価後、動物を無作為に大動脈結紮または模擬手術群に分ける。大動脈結紮手術後、動物を対照(ビヒクル処理)群または試験(薬剤処理)群のいずれかに割り振る。全ての群を、それらをデータ分析に使用する前、少なくとも4週間追跡する。
【0086】
マウスを過剰用量の麻酔注入で安楽死させた後、心臓を摘出する。体重に対する心臓重量の割合を確認する。心臓の切片をTarnavski et al. (2004)に記載のとおりに作成し、ヘマトキシリン−エオシンおよびマッソントリクロームで染色し、光学顕微鏡検査で観察する。
【0087】
実施例B2
心臓肥大における本発明の薬剤の有利な効果をまた、アドレナリン受容体アゴニストの慢性注入に付されたマウスで確認する。これらの試験において、雄C57B1/6マウス(22−26g)に少なくとも14日間、イソプロテレノールを送達する浸透圧ミニポンプ(30mg/kg/日)を外科的にインプラントし、心臓肥大を誘発させる。対照動物はビヒクル−負荷ミニポンプを受ける。
【0088】
血圧および心拍数を、外科手術前および手術後定期的にテイルカフ・プレチスモグラフィー法により意識ある動物において非侵襲的に測定する。軽い麻酔下、2次元誘導Mモード心エコー法を行う。左心室収縮率の割合をOgita et al. (2004)に記載の[(LVDD−LVSD)/LVDD]×100(%)で計算する。LVDDおよびLVSDは左心室拡張末期および収縮末期径、各々を示す。左心室重量は1.055[(LVDD+PWTD+VSTD)3−(LVDD)3](mg)(式中、PWTDは心臓拡張後壁厚を示し、そしてVSTDは心臓拡張心室中隔厚を示す)で計算した。
【0089】
上記評価後、動物を無作為にミニポンプ注入(ビヒクル/薬剤)または模擬手術群に分ける。全ての群をデータ分析にそれらを使用する前、少なくとも14日間追跡する。
【0090】
マウスを過剰用量の麻酔注入で安楽死させた後、心臓を摘出する。体重に対する心臓重量の割合を確認する。心臓の横断面をTarnavski et al. (2004)に記載のとおりに作成し、ヘマトキシリン−エオシンおよびマッソントリクロームで染色し、光学顕微鏡検査で観察する。
【0091】
実施例B3
心臓肥大および心不全における本発明の薬剤の有利な効果を、心筋梗塞および心不全のマウスモデルで確認する。Tarnavski et al. (2004)に記載のとおり、麻酔下で左前下行枝(LAD)冠動脈を結紮することにより心筋梗塞をマウス(11−12週齢)に誘発させる。模擬手術マウスを大動脈の結紮なしに同じ実験法に付す。
【0092】
血圧および心拍数を、外科手術前および手術後定期的にテイルカフ・プレチスモグラフィー法により意識ある動物において非侵襲的に測定する。軽い麻酔下、2次元誘導Mモード心エコー法を行う。左心室収縮率の割合をOgita et al. (2004)に記載の[(LVDD−LVSD)/LVDD]×100(%)で計算する。LVDDおよびLVSDは左心室拡張末期および収縮末期径、各々を示す。左心室重量は1.055[(LVDD+PWTD+VSTD)3−(LVDD)3](mg)(式中、PWTDは心臓拡張後壁厚を示し、そしてVSTDは心臓拡張心室中隔厚を示す)で計算した。
【0093】
動物を殺す前に血圧測定のために侵襲的方法を使用する。微圧計装着Millarカテーテル(1.4French)を右頸動脈に挿入し、LVへと進め、LV圧を測定する。
【0094】
上記評価後、動物を2群(結紮、模擬手術)に分け、本発明の化合物または対応するビヒクルで処理する。全ての群を、データ分析に使用する前、少なくとも14日間追跡する。
【0095】
マウスを過剰用量の麻酔注入で安楽死させた後、心臓を摘出する。体重に対する心臓重量の割合を確認する。心臓の横断面をTarnavski et al. (2004)に記載のとおりに作成し、ヘマトキシリン−エオシンおよびマッソントリクロームで染色し、光学顕微鏡検査で観察する。
【0096】
実施例B4
イヌにおける頻脈により誘発された心臓肥大における本発明の薬剤の有利な効果をまた確認する。わずかに改変したMotte et al. (2003)に記載の技術をこれらの試験において使用する。簡潔にいうと、双極ペースメーカーを外科的に右頸静脈を介して進め、麻酔した雑種犬の右心室心尖部にインプラントする。プログラム可能パルス発生装置を表皮下頸部ポケットに挿入し、ペースメーカーリードに接続する。
【0097】
動物をMotte et al. (2003)に記載のとおりに段階的に刺激頻度を増加させるペーシングプロトコールに付す。ペーシングはパルス発生装置を180拍動/分で作動することにより開始し、1週間続け、その後2週間目の間は200拍動/分、3週間目の間は220拍動/分、そして最後に4週間目の間は240拍動/分である。試験は基準値(0週目)およびペーシング期間(すなわち、1から5週)中、週に1回行う。ペーシングの3日目に、試験薬剤または適合するプラセボを投与し、5週目の試験の最後まで同じ1日用量を続ける。
【0098】
体重、直腸温度、心拍数(HR)、呼吸数(RR)および血圧をモニタリングする。ドップラー心エコー法を3.5−から5−MHzの機械的セクター・プローブでの連続ECGモニタリング下に行う。左室拡張末期径(LVIDd)および収縮末期内径(LVIDs)ならびに心臓収縮および心臓拡張左心室自由壁(LVFWsおよびLVFWd)および心室中隔壁厚(IVSsおよびIVSd)を測定する。大動脈流の画像をパルスドップラー法により得る。速度スペクトルを使用し、前駆出期(PEP)および左心室駆出時間(LVET)を測定する。これらのデータから、拡張末期容積(EDV)および収縮終期容積(ESV)、左心室駆出率(LVEF)、および平均左室円周方向心筋線維短縮速度(MVCF)を計算する。
【0099】
参考文献
Kook H, Lepore JJ, Gitler AD, Lu MM, Wing-Man Yung W, Mackay J, Zhou R, Ferrari V, Gruber P, Epstein JA. Cardic hypertrophy and histone deacetylase-dependent transcriptional repression mediated by the atypical homeodomain protein Hop. J Clin Invest. 2003;112:863-71.

Motte S, van Beneden R, Mottet J, Rondelet B, Mathieu M, Havaux X, Lause P, Clercx C, Ketelslegers JM, Naeije R, McEntee K. Early activation of cardiac and renal endothelin systems in experimental heart failure. Am J Physiol heart Circ Physiol. 2003; 285(6):H2482-91.

Ogita H, Node K, Liao Y, Ishikura F, Beppu S, Asanuma H, Sanada S, Takashima S, Minamino T, Hori M, Kitakaze M. Raloxifene prevents Cardic hypertrophy and dysfunction in pressure-overloaded mice. Hypertension 2004; 43:237-42

Tarnavski O, McMullen JR, Schinke M, Nie Q, Kong S, Izumo S. Mouse cardiac surgery: comprehensive techniques for the generation of mouse models of human diseases and their application for genomic studies. Physiol Genomics. 2004;16:349-60.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における病的心臓肥大および心不全を処置および/または予防するための方法であって、該哺乳動物に式(I)
【化1】

〔式中、
はH、ハロまたは直鎖C−Cアルキルであり;
はH、C−C10アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、−(CHC(O)R、−(CHOC(O)R、アミノアシル、HON−C(O)−CH=C(R)−アリール−アルキル−および−(CHから選択され;
およびRは、同一または異なり、かつ独立して、H、C−Cアルキル、アシルまたはアシルアミノであるか、またはRおよびRは、それらが結合している炭素と一体となって、C=O、C=SもしくはC=NRを示すか、またはRは、それが結合している窒素と一体となり、そしてRは、それが結合している炭素と一体となり、C−Cヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ポリヘテロアリール、非芳香族性ポリヘテロ環またはアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環を形成してよく;
はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アシル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、芳香族性多環、非芳香族性多環、アリールと非アリールの混合多環、ポリヘテロアリール、非芳香族性ポリヘテロ環およびアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環から選択され;
n、n、nおよびnは、同一または異なり、かつ独立して0−6から選択され、nが1−6であるとき、各炭素原子は、所望によりかつ独立してRおよび/またはRで置換されていてよく;
XおよびYは、同一または異なり、かつ独立してH、ハロ、C−Cアルキル、NO、C(O)R、OR、SR、CNおよびNR1011から選択され;
はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、OR12およびNR1314から選択され;
はOR15、SR15、S(O)R16、SO17、NR1314およびNR12SOから選択され;
はH、OR15、NR1314、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルから選択され;
はC−CアルキルおよびC(O)−アルキルから選択され;
10およびR11は、同一または異なり、かつ独立してH、C−Cアルキルおよび−C(O)−アルキルから選択され;
12はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールと非アリールの混合多環、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルから選択され;
13およびR14は、同一または異なり、かつ独立してH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアシルから選択されるか、またはR13およびR14は、それらが結合している窒素と一体となって、C−Cヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ポリヘテロアリール、非芳香族性ポリヘテロ環またはアリールと非アリールの混合ポリヘテロ環であり;
15はH、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび(CHZR12から選択され;
16はC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ポリヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび(CHZR12から選択され;
17はC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、芳香族性多環、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ポリヘテロアリールおよびNR1314から選択され;
mは0〜6から選択される整数であり;そして
ZはO、NR13、SおよびS(O)から選択される。〕
で示される化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項2】
式(I)の化合物がN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよびN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、またはそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2009−504656(P2009−504656A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526134(P2008−526134)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/030877
【国際公開番号】WO2007/021682
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】