説明

デュアル光音響および抵抗測定システム

ウエハの性状を測定するための測定システムは、4点プローブシステム等の伝導率測定を実行するための装置を、光音響測定システム等の光学測定を実行するための装置と組み合わせたものである。薄膜基板の性質を記述した包括的なデータセットを提供するために、結果が取得され組み合わせられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示されている発明は、中層の厚さ等、半導体の性状の測定に関する。
【背景技術】
【0002】
厚さ等、不透明薄膜の性状の測定値を取得するための現在の方法では、測定される薄膜の1つ以上の材料特性についての演繹的知識が必要である。例えば、4点プローブ測定では、薄膜の厚さを正確に算出するために、測定される膜において使用されている材料のバルク抵抗について知ることが必要である。この技術により、4点プローブシステムは、2つの外部プローブを使用して不透明膜に電流を印加し、同時に、2つの内部プローブを使用して当該膜の一部にわたる電圧降下を読むために使用される。印加された電流および測定された電圧は、既知のバルク抵抗とともに膜の厚さを算出するために使用される。算出は簡単で、半導体プロセスに関する標準的なテキストに詳細に記述されている。
【0003】
半導体応用技術において現在使用されている材料の公称値は既知であるが、これらの値は、使用される原材料における変動、膜を形成するために使用される蒸着工具のプロセス制御パラメータにおける変動等の影響を受けやすい。
【0004】
2002年6月18日に発行された、Leらによる米国特許第6,407,546号「Non-contact Technique for using an Eddy Current Probe for Measuring the Thickness of Metal Layers Disposed on Semiconductor Wafer Products」は、金属膜厚さを決定するために使用されるもう1つの技術、渦電流プローブについて記述している。これは、既知の抵抗定数からシート抵抗だけでなく金属の厚さを測定するために使用され得る。しかしながら、それには、較正試料、すなわち、基礎的測定結果を生成するために、幅広い厚さの範囲に及ぶ試料が必要である。この情報は、厚さおよびシート抵抗が未知である検査試料を測定する際に使用される。較正プロセスの開始時において、渦電流プローブは較正サンプルと接触させて置かれる。測定は、通常、テストウエハに対して実行される。光反射技術に基づく方法もある。
【0005】
1993年7月20日に発行された、Smithらによる米国特許第5,228,776号「Apparatus for evaluating thermal and electrical characteristics in a sample」は、金属線の完全性および半導体試料におけるビアを評価するための方法として、電気伝導率および抵抗における変動を監視するために、熱波によって引き起こされる光反射における変化を測定することについて記述している。
【0006】
2000年4月25日に発行された、Bordenらによる米国特許第6,054,868号「Apparatus and Method for Measuring a Property of a Layer in a Multilayered Structure」は、導電層のシート抵抗または当該導電層の真下に位置する誘電体層の熱伝導率を決定するための熱伝導方法を使用することについて記述している。Bordenらによると、当該発明は、加熱ビームの焦点を導電層に合わせ、当該ビームによって生成された熱が伝導のみによって加熱された領域から出て伝達されるような、十分低い所定の周波数にパワーを変調することに依存する。プローブビームと呼ばれる第2のビームのパワーは、加熱された領域によって反射された加熱ビームの変調によってその位相が変調され、測定される。
【0007】
Rudolph Technology Incorporatedから市販されているMetaPulseTMシステム等の光音響膜厚システムは、ウエハ上の薄膜の厚さを測定するために使用され得る。そのようなシステムは、膜試料の表面を周期的に励起するために使用される励起ビーム、および、当該励起ビームから各パルスに続いて試料の表面の反射を感知するために使用されるプローブビームという2つの光学ビームを形成する。膜表面の励起と反射の測定との間の時間間隔は、時間の関数として表面反射率の測定結果を取得するための制御様式で異なる。このデータは、ウエハ上の薄膜堆積内にある各層の音響インピーダンスと、当該膜堆積内にある各層の厚さを算出するためのソフトウェアプログラムとを使用して分析される。
【0008】
光学系の例は、以下の米国特許において提供されている。
【0009】
1999年12月28日に発行された、Marisによる米国特許第6,008,906号「Optical Method for the Characterization of the Electrical Properties of Semiconductors and Insulating Films」は、(a)半導体材料を提供するステップと;(b)電界、パルス光源、またはCW光源のうち少なくとも1つ、温度の変化、および/またはポンプパルス強度の変化を半導体材料に適用するステップと;(c)半導体材料の一部においてポンプ光パルスを吸収し、当該ポンプ光パルスの吸収に続いて、ある時間tにおいて印加されたプローブ光パルスによって示されるような光学定数の変化を測定するステップと;(e)測定された光学定数の変化を、表面電荷、ドーパント濃度、トラップ密度、または少数キャリア寿命のうちの少なくとも1つと関連付けるステップと、を含む、試料を特徴付ける方法について記述している。
【0010】
1987年12月1日に発行された、Taucらによる米国特許第4,710,030号「Optical Generator and Detector of Stress Pulses」は、試料の物理的特性を非破壊的に測定するための光応力パルス生成および検出システムについて記述している。このシステムは、試料において応力パルスを非破壊的に生成するために選択された強度および少なくとも1つの波長を有する短時間放射パルスを有するポンプビームを使用する。当該システムは、応力パルスを生成するために、非破壊的なポンプビームを試料の表面に方向付ける。光応力パルス生成および検出システムは、プローブ放射ビームも使用し、応力パルスを遮断するために試料上のある位置にプローブビームを導く。応力パルスによって誘起された光学定数の変化は、プローブビームが応力パルスを遮断した後に当該プローブを観察することによって検出される。
【0011】
1995年1月3日に発行された、Gaskillらによる米国特許第5,379,109号「Method and Apparatus for Non-Destructively Measuring Local Resistivity of Semiconductors」は、InP(リン化インジウム)等、半導体の抵抗を非破壊的に測定するための装置について記述している。当該システムは、半導体の事前に選択された部分に、それぞれ事前に選択された単一の波長である第1および第2の光ビームを照射するための光源を有する。第1の光ビームは光注入キャリアによって半導体を励起するように動作し、第2の光ビームは事前に選択された光子エネルギーを半導体の局所部分に大量に照射する。当該システムは、第1の光ビームを受けて第2の光ビームの反射率におけるわずかな変化を測定し、第2のビームの光子エネルギーの様々な値についてこの反射率のわずかな変化を記録して、光反射率線形状を生成する。光反射率線形状は、光反射率線形状位相角を算出するために使用され、当該位相角は、半導体の事前に選択された部分の抵抗を決定するために使用される。
【0012】
1996年8月20日に発行された、Rogersらによる米国特許第5,546,811号「Optical Measurements of Stress in Thin Film Materials」は、薄膜の非支持領域における残留応力を決定するための方法について記述している。当該方法は、(a)少なくとも1つの波動ベクトルに沿って逆伝播音響モードを起動するために、励起場を空間的および時間的に変動させることによって膜を光学的に励起するステップと;(b)励起波動ベクトルにおいて時間依存性信号領域を生成するために、励起音響モードから光プローブ領域の一部を回折するステップと;(c)時間依存性の光誘起信号を生成するために、信号領域を検出するステップと;(d)音響モードの周波数を決定するために、光誘起信号を分析するステップと;(e)少なくとも1つのモードの分散を部分的に決定するステップと;(f)膜の非支持領域の残留応力特性が決定されるのを可能にするために、測定された分散を、数学モデルを使用して算出されたものと比較するステップと、を含む。
【0013】
1997年12月2日に発行された、Marchmanらによる米国特許第5,693,938号「Optical Probe Microscope Having A Fiber Optic Tip That Receives Both A Dither Motion And A Scanning Motion, For Nondestructive Metrology Of Large Sample Surfaces」は、垂直方向に配向された光ファイバを含む光プローブ顕微鏡について記述している。当該ファイバは、測定される試料の水平面へ光を放出するチップを有する。この表面は、平面性からの望ましいズレおよび望ましくないズレの両方を有することができる。ファイバチップにディザ運動を与えるための電気機械機器が、ファイバチップに二次元水平走査運動を与えるための別の電気機械機器上に置かれている。ディザ運動は、走査運動の周波数よりもはるかに高い周波数を有する。連続走査の間に、別の機器が試料自体を1つの水平位置から別の水平位置へ移動させる。顕微鏡は、試料表面によって透過または反射された光学的放射を受信する。顕微鏡は、光画像位置検出器の表面上に、この受信した光学的放射の(拡大)画像を形成する。この検出器の表面は、当該(拡大)画像の面積と比較して相対的に大きい面積を有する。検出器によって生み出され、結果として生じた電気信号は、ファイバチップの走査位置に関する望ましい情報を提供する。また、この電気信号は、処理され、ファイバチップの試料表面からの距離を一定に維持する垂直プッシャーにフィードバックされる。
【0014】
2000年3月14日に発行された、Marisによる米国特許第6,038,026号「Apparatus and Method for the Determination of Grain Size in Thin Films」は、薄膜の光応答における第1および第2の変化を測定するステップと、膜において伝播する外乱の減衰を求めるために、第1および第2の変化を比較するステップと、外乱の減衰を膜の粒子サイズに関連付けるステップと、を有する、薄膜試料における粒子サイズの決定のための方法について記述している。光応答における第2の変化は、光応答における第1の変化から時間的に遅延している。
【0015】
1999年9月28日に発行された、Marisらによる米国特許第5,959,735号「Optical Stress Generator and Detector」は、薄膜間の界面だけでなく薄膜も、それらの機械的および熱的特性の測定により特徴付けるためのシステムについて記述している。当該システムにおいては、薄膜またはいくつかの薄膜でできた構造体に光が吸収され、光の透過または反射における変化が測定および分析される。反射または透過における変化は、当該構造体において生成される超音波に関する情報を与えるために使用される。取得された情報は、(a)従来の方法と比較して改良された速度および精度での薄膜の厚さの決定と;(b)薄膜の熱的特性、弾性特性、および光学特性の決定と;(c)薄膜における応力の決定と;(d)粗さおよび欠陥の存在を含む界面の特性の特徴付けと、を含むことができる。
【0016】
1998年12月1日に発行された、Marisらによる米国特許第5,844,684号「Optical Method for Determining the Mechanical Properties of a Material」は、試料を特徴付けるためのシステムおよび方法について記述している。当該方法は、(a)ポンプビームによって誘起された試料の反射における変化を数ナノ秒よりも短い時間で測定するために、少なくとも1つのプローブビーム波長を使用して試料からデータを獲得するステップと;(b)ある一定の物理的および化学的材料特性を生じさせることが知られている条件下において、データのバックグラウンド信号構成要素を、調製された1つ以上の試料から同様の遅延時間範囲で得られたデータと比較することにより、少なくとも1つの材料特性を決定するためにデータを分析するステップと;(c)少なくとも1つの決定された材料特性を使用して、ポンプビームによって生成された超音波によって引き起こされた、測定時間依存性反射の構成要素を分析するステップと、を含む。第1の分析するステップは、材料特性の中間セットを取得するために、基準試料間を補間するステップを含んでよい。当該材料特性は、音速、密度、および光学定数を含んでよい。一実施形態において、バックグラウンド信号との間の相関のみが作られ、構造相、粒子配向、および化学量論のうち少なくとも1つが決定される。
【0017】
半導体応用技術において現在使用されている材料の公称値は既知であるが、これらの値は、使用される原材料における変動、膜を形成するために使用される蒸着工具のプロセス制御パラメータにおける変動等の影響を受けやすい。
【0018】
4点プローブシステムおよび光音響膜厚システムは材料の厚さを測定するための技術を提供するものであるが、精度を保証するための手段としてテスト情報を検証できることが利点となるであろう。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、4点プローブ抵抗測定システムおよび光音響測定システムの両方を使用して、本明細書においては「ワークピース」とも称される、ウエハ上の同じ測定部位に対して2つの独立した測定を行うための装置に関する。
【0020】
本発明の第1の利点は、2つの測定がウエハ上の測定部位において実行され、その後相互に関連付けられるのを可能にすることである。2つのテストのデータは、既知の技術を使用して、または、本明細書において開示されている装置用に開発され、それに好適であり得るような統計的なテストによって、相互に関連付けられることができる。
【0021】
本発明の第2の利点は、1つの測定システムが他方への称賛としての役割を果たすことができることである。例えば、層界面における接着、相互拡散、または層の欠落等の問題を光音響システム300が識別した場合に、4点プローブシステム400は、伝導率測定等によって即時診断情報を提供するために使用され得る。
【0022】
本発明の第3の利点は、イオンインプラント応用技術に関して、光音響および4点プローブテストのいずれも、線量およびエネルギーが改良された測定を提供できることである。
【0023】
本発明の第4の利点は、光音響厚さ測定によってバルク伝導率が測定されるのを可能にすることである。
【0024】
本発明の第5の利点は、適切な位相が形成されたか否かを判定することができるように、シリサイド基質における伝導率の測定を可能にすることである。
【0025】
本明細書には、測定システム内においてウエハ上の膜の厚さを測定するための装置であって、光音響測定システムの測定領域内にウエハ上の測定部位を位置させるための、および、その後にウエハ上の膜の厚さ測定の4点プローブ測定システムの測定領域内に前記測定部位を位置させるための手段によって接続される、前記光音響測定システムおよび前記4点プローブ測定システムを備える、装置が開示される。
【0026】
本明細書には、前記装置を動作するための方法も開示される。
【0027】
測定システムにおいてウエハ上の膜の厚さを測定するための装置であって、光音響測定システムの測定領域内にウエハ上の測定部位を位置させるための手段に接続され、且つ、4点プローブ測定システムの4点プローブヘッドアセンブリを挿入し、前記光音響測定システムの測定領域内の前記測定部位と電気的に接触させるための手段に接続された、前記光音響測定システムを備える、装置。
【0028】
本明細書には、前記装置を動作するための方法も開示される。
【0029】
本発明の上記で説明した特徴およびその他の特徴は、添付の図面と併せて、次の「発明の詳細な説明」においてさらに明らかにされる。
【発明の詳細な説明】
【0030】
ここで、デュアル光音響および4点プローブ測定システムの2つの実施形態が開示される。ここで開示される2つの実施形態は、例示的なものであり、当該デュアルシステムを限定するものではない。本明細書において開示されているデュアルシステム、および、当業者によって実現され得るその任意の変形形態は、不透明膜の測定に対する信頼性の向上および試料をテストするためのステップ数の削減等、ある一定の利点を提供する。さらなる利点として、一種類の測定機器が別の種類の測定機器を称賛することができるシステムを提供し、それによってより包括的なデータのセットを提供することが挙げられる。
【0031】
本明細書において、測定が行われる部位は「測定部位」と称される。好ましくは、測定部位は、第1の測定サブシステムの結果を第2の測定サブシステムの結果と相互に関連付ける目的で行われる測定用のものと同一である。しかしながら、ある一定の実用的な制限またはその他の懸案事項が、1つのサブシステムによって別のサブシステムと全く同じ位置で測定を行うことを、困難に、またはほとんど不可能にし得ることが認識されている。したがって、本明細書において使用される場合、複数の測定が実行される測定部位は、位置座標における偏差に対するユーザ定義の許容範囲内である場所のセットとして正確に記述され得る。位置がユーザ定義の許容範囲内である場合、これらの位置は事実上単一の「測定部位」を構成する。
【0032】
第1の実施形態:デュアル並列計測システム
【0033】
図1に示すように、計測システム50は、一連の測定のためにウエハをプローブの下に移動させる測定ステージ60と、ウエハをカセットから選別してステージ60に置いたり戻したりするロボットおよびウエハハンドリングシステム65と、測定を実行するデュアル測定システム200と、カセットステーション70と、コントローラ55と、様々な相互接続および界面を表す通信回線80と、を含む。プロセッサおよびメモリを持つコンピューティングデバイスを含むコントローラ55は、通信回線80によって、デュアル測定システム75、デュアル測定ステージ60、ロボットおよびウエハハンドリングシステム65、および、カセットステーション70と電気的に接続される。
【0034】
動作中、コントローラ55は、カセットステーション70からウエハを抽出し、当該ウエハをデュアル測定ステージ60の上に位置させるよう、ロボットおよびウエハハンドリングシステム65に命令を送る。次いで、コントローラ55は、ワークピース上の所定の測定部位において測定が行えるように、測定システムの測定エリア内にウエハを位置させるよう、測定ステージ60にコマンドを発行する。続いて、コントローラ55は、測定を行い、その測定の結果を表示するよう、デュアル測定システム200にコマンドを発行する。測定が完了すると、コントローラ55は、ウエハをカセットステーション70へ戻すよう、ロボットおよびウエハハンドリングシステム65に命令を発行する。
【0035】
好ましくは、ロボットおよびウエハハンドリングシステム65は、カセットからデュアル測定ステージへ移動され、最終的にはカセットに戻されることができるようにウエハを保持するための、網状のロボットアームとエンドエフェクタを持つロボットを含む。本明細書における教示により使用するのに適した典型的なロボットシステムは、Western Servo Design、Kensington Laboratories、Fortrend Engineering、およびMGI Electronics他から市販されている。
【0036】
好ましくは、光音響システムおよび4点プローブシステムの両方は、互いに隣接して、または並列配置で取り付けられる。これらのシステムは、同じ位置、または、互いに最低限の間隔をあけられたいくつかの位置の側面の測定を提供するように取り付けられるため、システムを整列させて第2の測定を実行する必要はなくなる。あるいは、これらのシステムは、ウエハが1つの位置から別の位置へ移動される、近接する位置に取り付けられ得る。
【0037】
図2は、測定のためにウエハがその上に置かれるウエハホルダ130を含む計測システム50の測定ステージ部を描写している。好ましくは、精密なXY平行移動ステージ110は2自由度のウエハ操作を提供する。XY平行移動ステージ110は、X平行移動モータ140およびY平行移動モータ120によって駆動される。XY平行移動ステージは、光音響測定エリア150および4点プローブ抵抗測定エリア160の上にウエハを位置させる。当該ステージは線形であるのが好ましいが、回転式またはその他の種類のステージで代用されてもよい。本明細書における教示により使用するのに適した自動ステージの例は、Kensington Laboratoriesから市販されている。
【0038】
真空、圧縮ガスサービス、環境制御、および電力システム等のサービス分配設備は、好ましくは、光音響システム、4点プローブシステム、およびウエハハンドリング/ステージシステムの間で共有される。例えば、単一の空気清浄フィルタリングシステムは、温湿度制御空気を測定器具およびステージの両方に供給するために、管が通されていてよい。個別のHEPAフィルターが3つのエリアそれぞれの上に置かれてもよいし、単一のHEPAフィルターが使用され、これら3つの領域への管に清浄な空気が通されてもよい。いずれの場合も、共通の給気により、ウエハの周囲温度が光音響領域および4点プローブ領域の両方において確実に同じままであるのが好ましい。
【0039】
図3は、2つの測定装置を含有する並列計測システム200の概観を示す。好ましい実施形態において、並列システム200は4点プローブシステム400と光音響システム300とを含む。本明細書において論じられている4点プローブシステム400および光音響システム300の側面はそのようなシステムの特定の実施形態に関するものであるが、これらの実施形態は典型的なものにすぎず、本発明を限定するものではないと考えられる。並列システム200の最初に論じられる部分は、4点プローブシステム400である。
【0040】
図4は、4点プローブコントローラ480と、電流源455と、第1のリード435および第2のリード450を持つ電圧プローブ460と、チップアセンブリ430と、プローブアーム470と、下降機構475とを含む、4点プローブシステム400を図示している。チップアセンブリ430は、本体425と、第1のプローブチップ420と、第2のプローブチップ415と、第3のプローブチップ410と、第4のプローブチップ405とを含む。4つのプローブチップは、直線状に構成されている。半導体応用技術に適した間隔を持つ(約100umの分離を有する)プローブチップを含む典型的なプローブチップアセンブリは、Jandel Engineering LTD.によって製造されている。個別のプローブチップは、Allessi IndustriesおよびSignaltoneから市販されている。
【0041】
好ましくは、プローブチップは、4つのチップすべてが同じ距離だけ突出するように、チップアセンブリ430内に取り付けられている。チップアセンブリ430は、プローブアーム470に接続されている。プローブアーム470は、下降機構475に接続されている。4点プローブコントローラ480は、システムコントローラ55の一部であってよく、下降機構475、電流源455、および電圧プローブ460と電気的に接続されている。電流源455は、第1のプローブチップ420に接続された第1の電流リード440を有する。電流源455は、第4のプローブチップ405に接続された第2の電流445リードを有する。電圧プローブ460は、第2のプローブチップ415に接続された第1のリード435と、第3のプローブチップ410に接続された第2のリード450とを有する。
【0042】
コントローラ480には、測定されている最上層のバルク抵抗と、4点プローブ測定を行うのに適切な電流の量の値とを示すデータがロードされている。動作中、コントローラ55のコマンドで、4点プローブコントローラ480は、4点プローブチップが測定されているウエハの表面に接触できる所定の位置までチップアセンブリ430を下降させるよう、下降機構475に命令する。適所まで下降させると、4点プローブコントローラ480は、ウエハに電流を印加するよう、電流源455に命令する。電流は、第1の電流リード435を介し、第1のプローブチップ420を通って、ウエハに流れる。電流は、第4のプローブチップ405および第2の電流リード450を介し、電流源455に戻る。電流が流れている間に、4点プローブコントローラ480は、第2のプローブチップ415と第3のプローブチップ410との間の電圧を感知するよう、電圧プローブ460に命令する。続いて、4点プローブコントローラ480は、電圧測定結果をコントローラに送り返す。コントローラ480内で実行されるプログラムは、その後、電圧測定結果、試料に印加された電流の値、およびバルク抵抗を使用して、4点プローブ400が適用された層の厚さを算出する。
【0043】
4点プローブシステムを使用して、測定を行うステップと、測定を記録するステップと、測定の結果を算出するステップとがよく知られている。例えば、半導体プロセスに関する工学技術のテキストでは、4点プローブ測定結果から膜厚値を抽出するための方法について論じている。好ましくは、プローブチップ410と415は、光音響測定装置がビームを測定地点へと通過させるための空間を有する空隙によって隔てられている。
【0044】
図5は、光音響システム300を図示している。光音響システム300は、好ましくは、光/熱源302と、レーザー342と、ビデオカメラ307と、試料ステージ306と、第1のビームスプリッタ304と、第2のビームスプリッタ312と、ポンププローブビームスプリッタアセンブリ346と、第1の音響光学変調器352と、第2の音響光学変調器324とを含む。ポンププローブビームスプリッタアセンブリ346は、第1の波長板 348と、第2の偏光ビームスプリッタ350とを含む。また、光音響システム300は、空間フィルター320と、再帰反射器322と、第2の波長板 316と、第1の偏光ビームスプリッタ315と、第1の入力338および第2の入力336を持つ第2の検出器340とを含む。
【0045】
さらに、光音響システム300は、第4の検出器311と、偏光板332と、第1のレンズ308と、第2のレンズ309と、第3のビームスプリッタ313と、第4のビームスプリッタ314と、第1の位置敏感型検出器(Position Sensitive Detector;PSD)334と、第3の検出器356と、第5のビームスプリッタ354と、第1の偏光ビームスプリッタ315と、第1の検出器330とを含む。光音響システム300は、第1の鏡318と、第2の鏡326と、第3の鏡344と、第4の鏡358と、第5の鏡319とも含む。また、光音響システム300は、プローブビーム328および励起ビーム362(「励起ビーム」および「ポンプビーム」という用語は、同義に使用される)も含む。
【0046】
レーザー342は、好ましくは、80MHzで動作し、800nmの波長で光を放出する、チタンサファイアレーザーである。あるいは、レーザー342は、300nmで光を放出するために、水晶の2倍の周波数を持つように構成されてもよい。
【0047】
動作中、プローブビーム328および励起ビーム362は、接触点390から反射されてそれぞれビームP'およびE'を形成する。ビームP'およびE'は、第2のレンズ309および偏光板332を介して伝播し、その後、第3のビームスプリッタ313によって分割される。第3のビームスプリッタ313は、ビームP'およびE'を第1の位置敏感型検出器334に提供する。
【0048】
また、可変高密度照明器として機能する光/熱源302は、ビデオカメラ307に照射を提供し、コンピュータ制御下での温度依存性測定のための試料熱源として作用する。ビデオカメラ307は、操作者または適切なパターン認識ソフトウェアに表示画像を提供し、測定システムの設定を容易にする。
【0049】
試料ステージ306は、好ましくは、高さ(z軸)、位置(xおよびy軸)、ならびに傾斜(シータ)が調整可能で、ポンプビームおよびプローブビームに対する試料の一部のモータ制御の位置決めを可能にする、多自由度ステージである。z軸は試料をポンプおよびプローブの焦点領域に垂直に平行移動させるために使用され、x軸およびy軸は試料を焦点面に対して平行に平行移動させ、傾斜軸は、プローブビームに対する望ましい入射角度を定めるために、試料ステージ306の配向を調整する。
【0050】
第1のビームスプリッタ304は、映像および少量のレーザー光をビデオカメラ307の方に方向付ける、広帯域ビームスプリッタである。ビデオカメラ307およびローカルプロセッサは、ポンプビームおよびプローブビームを自動的に測定部位に位置させるために使用され得る。
【0051】
ポンププローブビームスプリッタアセンブリ346は、入射レーザービームパルス(好ましくは、ピコ秒またはそれより短い持続時間のもの)をポンプビームとプローブビームに分割し、分割されていないビームの偏光を回転させる、回転可能な半波長の板 348を含む。第1の波長板 348は、ポンプおよびプローブパワーの間で連続可変の分割をもたらすために、第2の偏光ビームスプリッタ350と組み合わせて使用される。この分割は、特定の試料について最適な信号対雑音比を達成するように、コントローラ55(図1に示す)およびモータ(図示せず)によって制御され得る。適切な分割は、試料の反射および粗さ等の要因によって異なる。調整は、コンピュータ制御下で、電動回転マウントの第1の波長板 348を有することによってもたらされる。
【0052】
第1の音響光学変調器352は、ポンプビームを約1MHzの周波数でチョップ(chop)する。第2の音響光学変調器324(Acousto-Optic Modulator;AOM)は、第1のポンプ変調器音響光学変調器352の周波数とはわずかに異なる周波数でプローブビームをチョップする。
【0053】
空間フィルター320は、その出力において、実質的に不変のプローブビームプロファイル、直径、および入力プローブビームの伝播方向を保つために使用される。中でも、入力プローブビーム328は、再帰反射器322として示される機械的遅延線の作用によって変動し得る。空間フィルター320は、開口AlとA2の対、および、レンズL4とL5の対を含む。空間フィルター320の代替の実施形態は、光ファイバを組み込むものである。
【0054】
第2の波長板 316は、第1の偏光ビームスプリッタ315によってビームスプリッタアセンブリ346の第1の波長板 348および第2の偏光ビームスプリッタ350と同様に機能する、第2の調整可能な半波長板である。第2の波長板 316に関して、その目的は、プローブビームの試料に衝突する部分の、基準として使用されるビームの部分(第2の検出器340の第1の入力338)に対する比率を変動させることである。第2の波長板 316は、ほぼ単一の比率を達成するように制御されたモータであってよい。ビームによって生成された電気信号は減じられ、増幅および処理されるために、プローブビーム328の変調された部分だけが残る。第2のビームスプリッタ312は、わずかなプローブビーム328を第4の検出器311に方向付けるように位置付けられ、当該検出器は、プローブビーム328の強度に比例する信号を測定する。
【0055】
直線偏光板332は、散乱したポンプ光偏光をブロックし、プローブビーム328を通過させるために用いられる。第1のレンズ308および第2のレンズ309は、それぞれ対象に焦点を合わせ、コリメートする、ポンプビームおよびプローブビームである。第3のビームスプリッタ313は、ポンプビームおよびプローブビームの小部分を、自動焦点のために使用される第1の位置敏感型検出器334に方向付けるために、コントローラ55(図1に示す)および試料ステージ306の移動と組み合わせて使用される。第1の位置敏感型検出器334は、ポンプビームおよびプローブビームの焦点を自動的に試料に合わせて望ましい焦点状態を達成するために、コントローラ55(図1に示す)およびコンピュータ制御の試料ステージ306(傾斜軸およびz軸)と組み合わせて用いられる。
【0056】
光音響システムを使用して、測定を行うステップと、測定を記録するステップと、測定の結果を算出するステップとがよく知られている。例えば、光音響測定において、結果を算出するプロセスは、Taucらによって発行された米国特許第4,710,030号で論じられている。
【0057】
第2の実施形態:統合計測システム
【0058】
次に、デュアル測定システム装置の第2の実施形態が提示される。第2の実施形態では、好ましくは、前述の例示的な4点プローブシステム400および光音響システム300を利用する。
【0059】
図6に示すように、計測システム650は、デュアル測定ステージ660と、ロボットおよびウエハハンドリングシステム665と、シングル測定システム675と、カセットステーション670と、コントローラ655と、通信回線680とを含む。
【0060】
コントローラ655は、通信回線680によって、デュアル測定システム675、デュアル測定ステージ660、ロボットおよびウエハハンドリングシステム665、および、カセットステーション670と電気的に接続される。コントローラ655は、プロセッサおよびメモリ(図示せず)を持つコンピューティングデバイスを含む。
【0061】
動作中、コントローラ655は、カセットステーション670からウエハを抽出し、当該ウエハをデュアル測定ステージ660の上に位置させるよう、ロボットおよびウエハハンドリングシステム665に命令を送る。次いで、コントローラ655は、所定の位置において測定が行えるように、測定システム675に対してウエハを位置させるよう、測定ステージ660にコマンドを発行する。続いて、コントローラ655は、測定を行い、その測定の結果を表示するよう、デュアル測定システム675にコマンドを発行する。測定が完了すると、コントローラ655は、ウエハをカセットステーション670へ戻すよう、ロボットおよびウエハハンドリングシステム665に命令を発行する。
【0062】
ある実施形態では、光音響システム300からの光のビームが乱されないで通過するしうるだけの間隙が、プローブ間に十分存在する。別の実施形態では、図4に示すプローブ本体425は、光音響システム装置300に干渉しない所で枢動する。
【0063】
好ましい実施形態において、ロボットおよびウエハハンドリング665システムは、カセットからデュアル測定ステージへ移動され、最終的にはカセットに戻されることができるようにウエハを保持するための、網状のロボットアームとエンドエフェクタを持つロボットを含む。ロボットシステムの側面については、上記で論じられている。
【0064】
図7は、統合システムの各側面を図示している。統合テストシステム675は、図5に描写されているような、本明細書では第1のレンズ308および第2のレンズ309、ならびに光音響システム300の光軸を示す点線によって表される、光音響膜厚測定システム300を含む。第1のレンズ308と第2のレンズ309との間の距離Lは、好ましくは約2〜4センチメートルの間である。点線矢印は、光音響システム300の光軸を示す。図7は、4点プローブシステム400の4点プローブチップアセンブリ430も図示しており、ここでシステム400の残りの要素は、図4に描写されているように、説明を簡単にするために示されていない。
【0065】
4点プローブシステム400および光音響膜厚システム300は、ウエハが単一のテスト位置に静止保持されたまま、同じウエハ上の同じ部位において連続測定を行うために使用される。
【0066】
光音響システム300は、測定を行うための適所に4点プローブヘッドまたはチップアセンブリ430の機械的挿入および下降のための場所を作るべく構造要素を配置するように修正されることができる。この方法は、測定精度に対するレンズアライメントの感度により、光音響システム300の光学を移動させることよりも好ましい。好ましくは、チップアセンブリ430の水平射出もしくは垂直下降、または、水平な片持下降が使用される。片持下降を使用する場合、プローブチップは片持ち梁の弧に対して接線方向に配向され、当該弧は小さいことが好ましい。
【0067】
動作
【0068】
本明細書において開示されている計測測定システムの装置の動作は、一般に、ウエハ上の様々な測定部位において一連の測定を行うこと、および、その測定結果を処理することを伴う。当該結果は、測定されている材料の厚さを検証すること、新しい測定結果における厚さを算定すること、または、別々の測定結果を適格とするための統計的なテストに従って測定結果を調整すること等の評価のために有用となり得る(ただしこれらの評価に限定されない)。
【0069】
デュアル測定システムの第1の実施形態、つまり並列装置のそれを使用する測定は、
(a)ウエハをカセットからウエハホルダへ移送するステップと、
(b)ウエハ上の選択された部位を光音響システムの測定エリア内に位置させるステップと、
(c)選択された部位において光音響測定を行うステップと、
(d)光音響測定結果に基づいて、選択された部位上の膜の厚さを算出するステップと、
(e)ウエハ上の選択された部位を4点プローブシステムの測定エリア内に位置させるステップと、
(f)選択された測定部位において4点プローブ測定を行うステップと、
(g)4点プローブ測定結果に基づいて、選択された部位上の膜の厚さを算出するステップと、
(h)ウエハ上の新しい部位を選択して器具の光音響エリア内に位置付け、測定すべきすべての部位が測定されるまでステップ(c)から(h)を繰り返すステップと、
(i)選択された部位付近の光音響厚さと4点プローブ厚さとの間の標準的な相関係数を決定するステップと、
(j)厚さ測定結果および相関係数を報告するステップと、
(k)ウエハをカセットに移送して戻すステップと、
を含むことができる。
【0070】
ステップc〜g等、ある一部のステップは測定プロセスにとって重要であるが、その他のステップの側面は、適切とみなされれば、変更または省略され得ることに留意されたい。
【0071】
チップアセンブリ430による試料への接触または貫通は表面を損傷する場合があるため、光音響測定を最初に実行することが好ましい。光音響システム300を使用する場合には、励起ビーム362およびプローブビーム328のパワーレベルを制御するように等の配慮もしなくてはならないことに留意すべきである。
【0072】
相関係数は、任意の最小二乗平均当てはめ型アルゴリズムを使用して作られることができ、数値解析法の標準的なテキストにおいていくつも見られる。ユーザは、特定の膜の種類および厚さを持つ同様のウエハに対して行われた測定の履歴に応じて、相関係数の許容値を設定する。報告された実際の値は、2つの手法の結果の単純平均、または、ユーザによる任意の厚さデータの統計的操作となり得る。
【0073】
本明細書において開示されているシステムを使用するための方法のいくつかの実施形態において、相関係数等の統計値が所定の値を上回る場合、ユーザは、装置の再較正またはその他の調整を要求することになる。
【0074】
装置によって生成されたデータを評価するため、または、当該装置の側面(例えば、較正)を評価するために、その他の統計的なテストおよびスキームが用いられてよく、またはそれらによって代用されてよい。
【0075】
光音響システム300と4点プローブシステム400の側面が根本的に異なる場合、測定のある側面が、(ある一定の例において)片方のシステムに対してもう一方に対するよりも影響を及ぼすことは先天的なものと考えられている。例えば、不純物プロファイル、粒子サイズ、微結晶構造およびサイズ、ならびに表面膜等であるがこれらに限定されない性状は、異なる結果を生成し得るため、各手法によって測定された厚さにおいて常に1対1対応が実現されるとは限らない。部位別ベースの測定結果において、これらの違いが現われ得る、または現われるであろうことが期待される。
【0076】
膜が蒸着される基板にも同じ変形形態が当てはまる。また、温度および湿度等の周囲条件が、2つの手法に異なる影響を与える。さらに、4点プローブ測定は、プローブチップ直径、チップ間隔、チップ圧力に対して敏感であり、使用に伴って変化する傾向がある。
【0077】
統合装置によって測定を実行するための方法は、
(a)ウエハをカセットからウエハホルダへ移送するステップと、
(b)ウエハ上の選択された部位をシステムの器具エリアの測定エリア内に位置させるステップと、
(c)選択された部位において光音響測定を行うステップと、
(d)光音響測定結果に基づいて、選択された部位上の膜の厚さを算出するステップと、
(e)選択された測定部位において4点プローブ測定を行うステップと、
(f)4点プローブ測定結果に基づいて、選択された部位上の膜の厚さを算出するステップと、
(g)ウエハ上の新しい部位を選択して器具の測定エリア内に位置付け、測定すべきすべての部位が測定されるまでステップ(c)から(g)を繰り返すステップと、
(h)選択された部位付近の光音響厚さと4点プローブ厚さとの間の標準的な相関係数を決定するステップと、
(i)厚さ測定結果および相関係数を報告するステップと、
(j)ウエハをカセットに移送して戻すステップと、
を含む。
【0078】
ここでも、ステップc〜f等、ある一部のステップは測定プロセスにとって重要であるが、その他のステップの側面は、適切とみなされれば、変更または省略され得ることに留意されたい。
【0079】
2つの手法による測定結果と、4点プローブシステム400および光音響システム300の間の1対1相関を防止する要因との相関については、上記で論じた。
【0080】
当業者であれば、本明細書における教示はデュアル測定システムの例示であり、したがって限定的なものと考えられるべきでないことを認識するであろう。例えば、伝導率測定装置および光音響測定装置はいずれも様々な構成要素から組み立てられており、その構成要素は、改良された結果と都合よく置換され得ることが認識されるべきである。したがって、少なくとも光音響または伝導率システムのその他の実施形態が本明細書における教示内にあると考えられる。さらに、これらのシステムの機能に対処するためにその他の装置が考案され得る場合には、これらの装置は同様に本明細書における教示内となるであろうことが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】測定ステージを含む計測システムの主な構成要素を示すブロック図である。
【図2】本明細書において開示されている発明の並列実施形態において使用するためのデュアル測定ステージの一実施形態を図示している。
【図3】並列計測システムの一実施形態を図示している。
【図4】本発明において使用するための抵抗装置の側面を図示している。
【図5】本発明において使用するのに適した光音響計測システムの側面を図示している。
【図6】統合計測システムにおける主な構成要素を図示している。
【図7】統合された4点プローブおよび光音響計測システムにおける構成要素を図示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのビーム経路に沿った連続照射を使用して、ウエハ上の測定部位の光学測定を実行するための第1のサブシステムと、
前記第1のサブシステムに隣接して取り付けられる第2のサブシステムであって、プローブ支持部によって支持されるプローブのセットを使用して、前記測定部位における伝導率の電気測定を実行するための第2のサブシステムと、
前記測定部位を前記第1のサブシステムおよび前記第2のサブシステムと整列させるために、平行移動ステージを動作させるためのコントローラと、
を備える、測定システム。
【請求項2】
前記第1のサブシステムおよび前記第2のサブシステムは、真空、圧縮ガス、環境制御、および電力のうち少なくとも1つを含むサービスを共有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のサブシステムは、光音響測定システムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のサブシステムは、4点プローブシステムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
ウエハ上の測定部位の少なくとも1つのビーム経路に沿った連続照射を使用して、光学測定を実行するための第1のサブシステムと、
プローブ支持部によって支持されるプローブのセットを使用して、前記測定部位における伝導率の電気測定を実行するための第2のサブシステムとを備え、
前記プローブ支持部は、光学測定中に前記プローブのセットをプローブ測定位置から非ブロック位置へ移動させるための手段を備える、
測定システム。
【請求項6】
前記第1のサブシステムは、光音響測定システムを備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2のサブシステムは、4点プローブシステムを備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記プローブ支持部は、測定を行うために適所へ挿入するように適合される、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
挿入は、水平射出、垂直下降、および片持下降のうち1つを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
ウエハを測定する方法であって、
前記ウエハ上の測定部位のセットの第1の測定部位を、前記ウエハに当てる少なくとも1つのビーム経路に沿った連続照射を使用して光学測定を実行するための、第1のサブシステムの測定エリア内に位置させるステップと、
前記第1のサブシステムを使用して、光学測定データを生成するために、前記第1の測定部位において光学測定を行うステップと、
第2のサブシステムを使用して、伝導率測定データを生成するために、前記第1の測定部位において伝導率測定を行うステップと、
結果を形成するために、前記光学測定データと前記伝導率測定データとを組み合わせるステップと、
すべての測定部位について結果が形成されるまで、前記位置させるステップと、前記光学測定を行うステップと、前記伝導率測定を行うステップと、前記組み合わせるステップと、を繰り返すステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記光学測定を行うステップは、光音響測定システムを動作させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記伝導率測定を行うステップは、4点プローブシステムを動作させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ウエハを移送するステップおよび前記測定部位の少なくとも1つに位置させるステップのうち少なくとも1つのために、ロボットシステムを使用するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの結果を適格とするための統計値を決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記統計値は相関係数である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記結果を調整するために前記統計値を使用するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のサブシステムおよび前記第2のサブシステムのうち少なくとも1つの調整を要求するために、前記統計値を使用するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記伝導率測定を行うステップの前に、前記第2のサブシステムの測定エリア内に前記測定部位を位置させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記結果は、前記測定部位の厚さを代表するものである、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
デュアル測定システムを動作させるための方法であって、
測定部位において、前記測定部位の少なくとも1つの特性に関する情報を識別するために、光音響システムによって測定を行うステップと、
前記情報を使用して、前記測定部位を評価するために、伝導率システムによって測定を行うステップと、
を含む方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの特性は、接着、相互拡散、および層の欠落のうち少なくとも1つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記情報は、前記測定部位のバルク伝導率を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
評価するステップは、適切な位相が形成されたか否かを判定するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
ウエハ上の膜の厚さを決定する装置であって、光音響測定システムの測定領域内にウエハ上の測定部位を位置させ、その後4点プローブ測定システムの測定領域内に前記測定部位を位置させるための手段によって接続される、前記光音響測定システム及び前記4点プローブ測定システムを備え、前記光音響システムによって提供されるデータは、前記厚さを決定するために前記4点プローブシステムからのデータに相関せしめられる、装置。
【請求項25】
ウエハ上の膜の厚さを決定する装置であって、光音響測定システムの測定領域内にウエハ上の測定部位を位置させるための手段に接続され、且つ、4点プローブ測定システムの4点プローブヘッドアセンブリを挿入し、前記光音響測定システムの測定領域内の前記測定部位と電気的に接触させるための手段に接続される、前記光音響測定システムを備え、前記光音響システムによって提供されるデータは、前記厚さを決定するために前記4点プローブシステムからのデータに相関せしめられる、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−537781(P2008−537781A)
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505351(P2008−505351)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/010616
【国際公開番号】WO2006/110282
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(507103868)ルドルフテクノロジーズ  インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】Rudolph Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】One Rudolph Road, Flanders, NJ 07836 United States of America
【Fターム(参考)】