説明

トランジスタ、トランジスタの製造方法、表示装置および電子機器

【課題】歩留り良く製造可能なトランジスタ、トランジスタの製造方法、表示装置および電子機器を提供する
【解決手段】ゲート電極と、絶縁層を間にして前記ゲート電極に対向する半導体層と、
前記半導体層上のエッチングストッパ層と、前記半導体層上の、少なくとも前記エッチングストッパ層の両側に設けられた一対のコンタクト層と、前記半導体層に前記一対のコンタクト層を介して電気的に接続されると共に前記絶縁層に接するソース・ドレイン電極と、を備えたトランジスタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体層に有機半導体材料を用いる場合に好適なトランジスタ、トランジスタの製造方法、表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)は、表示装置等の多くの電子機器の駆動素子として用いられている。このようなTFTは、基板上にゲート電極、ゲート絶縁層、半導体層およびソース・ドレイン電極が設けられたものである。このTFTの半導体層には無機材料あるいは有機材料が用いられている。有機材料からなる半導体層(有機半導体層)はコストおよびフレキシブル性の点等で期待され、開発が進められている(例えば、非特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】APPLIED PHYSICS LETTERS 2005,87,193508
【非特許文献2】APPLIED PHYSICS LETTERS 2009,94,055304
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような有機半導体層を用いたTFTでは、製造欠陥を少なくして、より効率良く製造することが望まれる。
【0005】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高い歩留まりで製造することができるトランジスタ、トランジスタの製造方法、表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術によるトランジスタは、ゲート電極と、絶縁層を間にしてゲート電極に対向する半導体層と、半導体層上のエッチングストッパ層と、半導体層上の、少なくともエッチングストッパ層の両側に設けられた一対のコンタクト層と、半導体層に電気的に接続されると共に絶縁層に接するソース・ドレイン電極と、を備えたものである。本技術の表示装置は駆動素子として上記トランジスタを備えたものであり、本技術の電子機器は本技術の表示装置を備えたものである。
【0007】
本技術によるトランジスタの製造方法は、ゲート電極を形成する工程と、絶縁層を間にしてゲート電極に対向する半導体層を形成する工程と、半導体層上にエッチングストッパ層を形成する工程と、半導体層上の、少なくともエッチングストッパ層の両側に一対のコンタクト層を形成する工程と、一対のコンタクト層上から絶縁層上にかけてソース・ドレイン電極を形成する工程とを含むものである。
【0008】
本技術のトランジスタでは、コンタクト層が半導体層上に設けられているので、半導体層の周囲の領域にはコンタクト層が存在せず、この領域では絶縁層とソース・ドレイン電極とが直接接する。
【発明の効果】
【0009】
本技術のトランジスタおよびその製造方法、並びに表示装置によれば、コンタクト層を半導体層上に設けて絶縁層にソース・ドレイン電極が直接接するようにしたので、半導体層の周囲の領域でのコンタクト層に起因する膜剥がれを防ぐことができる。よって、製造不良を抑え、高い歩留まりで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示の一実施の形態に係るトランジスタの構造を表す図である。
【図2】図1に示したトランジスタの製造方法を工程順に表す断面図である。
【図3】図2に続く工程を表す断面図である。
【図4】図3に続く工程の一例を表す断面図である。
【図5】比較例1に係るトランジスタの構成を表す断面図である。
【図6】比較例2に係るトランジスタの構成を表す断面図である。
【図7】変形例に係るトランジスタの構造を表す図である。
【図8】図7に示したトランジスタの製造方法を工程順に表す断面図である。
【図9】図8に続く工程を表す断面図である。
【図10】適用例1に係る表示装置の回路構成を表す図である。
【図11】図10に示した画素駆動回路の一例を表す等価回路図である。
【図12】適用例2の外観を表す斜視図である。
【図13】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図14】(A)は適用例4の表側から見た外観を表す斜視図、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図15】適用例5の外観を表す斜視図である。
【図16】適用例6の外観を表す斜視図である。
【図17】(A)は適用例7の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明
は以下の順序で行う。
1. 実施の形態(コンタクト層が分断されていない例)
2. 変形例(コンタクト層が分断されている例)
3. 適用例
【0012】
<実施の形態>
図1は、本開示の一実施の形態に係るトランジスタ(トランジスタ1)の構成を表したものである。図1(A)はトランジスタ1の平面(上面)構成、図1(B)は図1(A)のB−B線に沿った断面構成を表している。トランジスタ1は、半導体層に有機半導体材料を用いた電界効果型のトランジスタ、即ち有機TFTであり、液晶,有機ELおよび電気泳動型の表示体を用いたディスプレイの駆動素子として用いられるものである。このトランジスタ1は、所謂トップコンタクト・ボトムゲート型構造のTFTであり、基板11上にゲート電極12、ゲート絶縁層13(絶縁層)、有機半導体層14(半導体層)、エッチングストッパ層15、コンタクト層16A,16Bおよびソース・ドレイン電極17A,17Bをこの順に有している。
【0013】
基板11はゲート電極12等を支持するものであり、その表面(ゲート電極12側の面)は絶縁性を有している。基板11は、例えば、PES(ポリエーテルスルフォン),PEN(ポリエチレンナフタレート),PET(ポリエチレンテレフタレート),PC(ポリカーボネート)あるいはPI(ポリイミド)等のプラスチック基板により構成されている。基板11にはステンレス(SUS)等の金属箔の表面を樹脂でラミネートしたものを用いてもよく、あるいは、ガラス基板を使用するようにしてもよい。高いフレキシブル性(屈曲性)を得るためには、プラスチック基板あるいは金属箔を用いることが好ましい。
【0014】
ゲート電極12は、トランジスタ1にゲート電圧を印加し、このゲート電圧により有機半導体層14中のキャリア密度を制御する役割を有するものである。ゲート電極12は基板11上の選択的な領域に設けられ、例えば金(Au),アルミニウム(Al),銀(Ag),銅(Cu),白金(Pt)またはニッケル(Ni)等の金属単体あるいはこれらの合金により構成されている。ゲート電極12はチタン(Ti)やクロム(Cr)を含む積層体にしてもよい。このような積層構造により、基板11あるいは加工用のレジストとの密着性を向上させることができる。ゲート電極12には、この他の無機導電材料、または有機導電材料、更には炭素材料を使用してもよい。
【0015】
ゲート絶縁層13は、ゲート電極12とソース・ドレイン電極17A,17Bに電気的に接続された有機半導体層14とを絶縁するため、ゲート電極11と有機半導体層14との間に設けられている。このゲート絶縁層13は、例えば、PVP(ポリビニルフェノール),PMMA(ポリメチルメタクリレート),PVA(ポリビニルアルコール)またはPIなどの有機絶縁膜により構成されている。ゲート絶縁層13には、酸化シリコン(SiO2),酸化アルミニウム(Al23),酸化タンタル(Ta25)または窒化シリコン(SiNx)等の無機絶縁膜を用いるようにしてもよい。
【0016】
有機半導体層14はゲート絶縁層13上にゲート電極12に対向して島状に設けられ、ゲート電圧の印加によりチャネルを形成するものである。有機半導体層14はp型の有機半導体材料およびn型の有機半導体材料のどちらにより構成してもよい。p型の有機半導体材料としては、例えば、ペンタセン,アントラセン,フタロシアニン,ポルフィリン,チオフェン系ポリマーあるいはこれらの誘導体等を用いることができる。n型の有機半導体材料としては、例えば、フラーレン,パーフルオロペンタセン,ポリ(ベンゾビスイミダゾベンゾフェナントロリン)あるいはこれらの誘導体等を用いることができる。
【0017】
エッチングストッパ層15は、金属膜(後述の図3 金属膜17M)をパターニングしてソース・ドレイン電極17A,17Bを形成する際に有機半導体層14を保護するため、有機半導体層14上の一部(例えば中央部)に設けられている。即ち、ソース・ドレイン電極17Aとソース・ドレイン電極17Bとの間の間隙がエッチングストッパ層15上に配置される。このエッチングストッパ層15を設けることにより、トップコンタクト型のトランジスタ1を集積化する際に、ドライエッチングを用いたパターニングによりソース・ドレイン電極17A,17Bを形成することが可能となる。エッチングストッパ層15は、絶縁性かつ有機半導体層14を劣化させない材料により構成されている。具体的には、SiNxやSiO2等の無機絶縁膜,有機樹脂絶縁膜あるいはフッ素樹脂絶縁材膜等を用いることができる。
【0018】
一対のコンタクト層16A,16Bは互いに対向し、それぞれエッチングストッパ層15の上面から端面を介し連続して有機半導体層14上に設けられている。即ち、エッチングストッパ層15の両側(紙面右側および左側)において、コンタクト層16A,16Bは有機半導体層14とソース・ドレイン電極17Aとの間、有機半導体層14とソース・ドレイン電極17Bとの間にそれぞれ設けられている。これにより、ソース・ドレイン電極17A,17Bと有機半導体層14との間の接触抵抗が抑えられる。コンタクト層16A,16Bは少なくとも有機半導体層14上に設けられていればよく、エッチングストッパ層15上のコンタクト層16A,16Bは設けずにトランジスタ1を構成するようにしてもよい。
【0019】
コンタクト層16A,16Bの互いの対向面は、ソース・ドレイン電極17A,17Bの互いの対向面と一致し、コンタクト層16A,16Bのそれぞれの端面(コンタクト層16A,16Bの対向面と反対側の面)は、有機半導体層の端面と一致している。詳細は後述するが、本実施の形態では、このコンタクト層16A,16Bが有機半導体層14上のみに設けられているので、有機半導体層14の周囲で生じる配線剥がれを防止して、製造の歩留まりを向上させることができる。
【0020】
コンタクト層16A,16Bは、例えば酸化物,ハロゲン化物,硫化物,炭酸塩,有機分子や錯体あるいは導電性ポリマー等の種々の材料により構成され、有機半導体層14の導電型やHOMOレベルに合わせて選択される。有機半導体層14を例えばp型の有機半導体材料により構成した場合、コンタクト層16A,16Bには、MoO3,ReO3,V25,WO3,TiO2,AuO,Al23またはCuO等の金属酸化物、SO3等の酸化物、CuI,SbCl5,SbF5,FeCl3,LiF,BaF2,CaF2またはMgF2等の金属ハロゲン化物、Cu2S等の金属硫化物、AsF5,BF3,BCl3,BBr3あるいはPF5等のハロゲン化物、CaCO3,BaCO3あるいはLiCO3等の金属炭酸塩、2,3,5,6-テトラシアノ-(p-シアニル)、2,3-ジブロモ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン、2,3-ジヨード-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン、2,3-ジシアノ-p-ベンゾキノン、p-ブロマニル、p-クロラニル、p-ヨーデニル、p-フロラニル、2,5-ジクロロ-p-ベンゾキノン、2,6-ジクロロ-p-ベンゾキノン、クロラニル酸、ブロマニル酸、2,5-ジヒドリキシ-p-ベンゾキノン、2,5-ジクロロ-3,6-ジメチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジブロモ-3,6-ジメチル-p-ベンゾキノン、BTDAQ、p-ベンゾキノン、2,5-ジメチル-p-ベンゾキノン、2,6-ジメチル-p-ベンゾキノン、ジュロ-(テトラメチル)、o-ベンゾキノン類、o-ブロマニル、o-クロラニル、1,4-ナフトキノン類、2,3-ジシアノ-5-ニトロ-1,4-ナフトキノン、2,3-ジシアノ-1,4-ナフトキノン、2,3-ジクロロ-5-ニトロ-1,4-ナフトキノン、2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノンあるいは1,4-ナフトキノン等のp-ベンゾキノン類、3,3'5,5'-テトラブロモ-ジフェノキノン、3,3'5,5'-テトラクロロ-ジフェノキノンあるいはジフェノキノン等のジフェノキノン類、tetracyano-quinodimethane(TCNQ)、Tetrafluoro-tetracyano-quinodimethane(F4-TCNQ)、トリフルオロメチル-TCNQ、2,5-ジフルオロ−TCNQ、モノフルオロ−TCNQ、TNAP、デシル−TCNQ、メチル‐TCNQ、ジヒドロバレレノ‐TCNQ,テトラヒドロバレレノ-TCNQ、ジメチル‐TCNQ、ジエチル‐TCNQ、ベンゾ‐TCNQ、ジメトキシ‐TCNQ、BTDA‐TCNQ、ジエトキシ‐TCNQ、テトラメチル‐TCNQ、テトラシアノアントラキノジメタン、ポリニトロ化合物、テトラニトロビフェノール、ジニトロビフェニル、ピクリン酸、トリニトロベンゼン、2,6-ジニトロフェノールあるいは2,4-ジニトロフェノール等のTCNQ類および類縁体、9-ジシアノメチレン-2,4,5,7-テトラニトロ-フルオレン、9-ジシアノメチレン-2,4,7-トリニトロ-フルオレン、2,4,5,7-テトラニトロ-フルオレノンあるいは2,4,7-トリニトロ-フルオレノン等のフルオレン類、(TBA)2HCTMM、(TBA)2HCDAHD、K・CF、TBA・PCA、TBA・MeOTCA、TBA・EtOTCA、TBA・PrOTCA、(TBA)2HCP、ヘキサシアノブタジエンテトラシアノエチレンあるいは1,2,4,5-テトラシアノベンゼン等のベンゾシアノ類および類縁体、 (TPP)2Pd(dto)2、(TPP)2Pt (dto)2、(TPP)2Ni(dto)2、(TPP)2Cu(dto)2あるいは(TBA)2Cu(ox)2等の遷移金属錯体類、PEDOT/PSSあるいはポリアニリン等の導電性ポリマー等を用いることができる。
【0021】
有機半導体層14を例えばn型の有機半導体材料により構成した場合、コンタクト層16A,16Bには、LiまたはCs等の金属、Cs2CO3またはRb2CO3等の金属炭酸塩、テトラセン、ペリレン、アントラセン、コロネン、ペンタセン、クリセン、フェナントレン、ナフタレン、p-ジメトキシベンゼン、ルブレンあるいはヘキサメトキシトリフェニレン等の芳香族炭化水素および類縁体、HMTTF、OMTTF、TMTTF、BEDO−TTF、TTeCn−TTF、TMTSF、EDO−TTF、HMTSF、TTF、EOET−TTF、EDT−TTF、(EDO)2DBTTF、TSCn−TTF、HMTTeF、BEDT−TTF、CnTET−TTF、TTCn−TTF、TSFあるいはDBTTF等のTTF類および類縁体、テトラチオテトラセン、テトラセレノテトラセンあるいはテトラテルロテトラセン等のTTT類、ジベンソ[c,d]-フェチノアジン、ベンゾ[c]-フェノチアジン、フェノチアジン、N-メチル-フェノチアジン、ジベンソ[c,d]-フェノセレナジン、N,N-ジメチルフェナジンあるいはフェナジン等のアジン類、N,N-ジエチル-m-トルイジン、N,N-ジエチルアニリン、N-エチル-o-トルイジン、ジフェニルアミン、スカトール、インドール、N,N-ジメチル-o-トルイジン、o-トルイジン、m-トルイジン、アニリン、o-クロロアニリン、o-ブロモアニリンあるいはp-ニトロアニリン等のモノアミン類、N,N,N',N'-テトラメチル-p-フェニレンジアミン、2,3,5,6-テトラメチル-(ジュレンジアミン)、p-フェニルジアミン、N,N,N',N'-テトラメチルベンジジン、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン、3,3'-ジメチルベンジジン、3,3'-ジメトキシベンジジン、ベンジジン、3,3'-ジブロモ-5,5'-ジメチルベンジジン、3,3'-ジクロロ-5,5'-ジメチルベンジジンあるいは1,6-ジアミノピレン等のジアミン類、その他、4,4',4''-tris(N-3-methylphenyl-N-phenylamino)-triphenylamine:(m−MTDATA)、4,4',4''-tris(N-(2-Naphtyl)-N-phenylamino)-triphenylamine:(2TNATA)、α-NDP、銅フタロシアニン、1,4,6,8-テトラキスジメチルアミノピレン、1,6-ジチオピレン、デカメチルフェロセンあるいはフェロセン等を用いることができる。
【0022】
上記のような構成材料からなるコンタクト層16A,16Bは、例えば、数nm〜30nm程度の厚みを有している。このようにコンタクト層16A,16Bを薄く設けることにより、縦方向(厚み方向)の抵抗を抑えることができる。
【0023】
ソース・ドレイン電極17Aはコンタクト層16Aを介して、ソース・ドレイン電極17Bはコンタクト層16Bを介して有機半導体層14にそれぞれ電気的に接続されている。このソース・ドレイン電極17A,17Bは、有機半導体層14の端面と共にコンタクト層16A,16Bの端面を覆っている。これにより、ソース・ドレイン電極17A,17Bの形成以降の製造工程で、コンタクト層16A,16Bの端面が保護される。
【0024】
ソース・ドレイン電極17A,17Bは、例えば金,アルミニウム,銀,銅,白金,ニッケルあるいはITO(インジウム錫酸化物)等の金属単体あるいはこれらの合金により構成されている。ゲート電極12と同様に、ソース・ドレイン電極17A,17Bにもチタンやクロムを上層または下層に積層させるようにしてもよい。このような積層構造により、基板11、加工用のレジストあるいはコンタクト層16A,16Bとの密着性を向上させることができる。ソース・ドレイン電極17A,17Bは導電性微粒子を含む導電性インクをパターン化したものにより構成するようにしてもよい。
【0025】
このトランジスタ1は、例えば次のようにして製造することができる。
【0026】
まず、図2(A)に表したように、基板11上にゲート電極12、ゲート絶縁層13、有機半導体層14となる有機膜14Mおよびエッチングストッパ層15をこの順に形成する。具体的には、まず、基板11上の全面に、上述したゲート電極12の導電膜を例えば蒸着法またはスパッタ法等により成膜した後、この導電膜上に例えばフォトリソグラフィー法を用いてフォトレジストをパターン形成する。次いで、このパターン形成したフォトレジストをマスクとして導電膜にエッチングを施しパターニングする。これにより、ゲート電極12が形成される。ゲート電極12は、この他、スクリーン印刷、グラビア印刷あるいはインクジェット印刷などの印刷法により形成するようにしてもよい。次いで、例えばスピンコート法、スクリーン印刷、グラビア印刷あるいはインクジェット印刷等の印刷法を含む塗布法を用いて、基板11上の全面に渡り有機絶縁材料からなるゲート絶縁層13を形成する。ゲート絶縁層13を無機絶縁性材料により形成する場合には、例えば蒸着法、スパッタ法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いることが可能である。ゲート絶縁層13を形成した後、基板11(ゲート絶縁層13上)の全面にわたって、有機半導体層14の構成材料からなる有機膜14Mを例えば蒸着法、またはスピンコート法やスリットコート法等の塗布法により成膜する。続いて、マスクを用いたパターン蒸着法または印刷法により、有機膜14M上にパターン化されたエッチングストッパ層15を直接形成する。エッチングストッパ層15は、基板11(有機膜14M上)の全面に上述のエッチングストッパ層15の構成材料を成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングし、形成するようにしてもよい。
【0027】
エッチングストッパ層15を形成した後、図2(B)に表したように、コンタクト層16A,16Bとなるコンタクト材料膜16Mを例えば、蒸着法、スパッタ法、CVD法、あるいは、スピンコート法やスリットコート法等の塗布法により成膜する。
【0028】
続いて、図3(A)に表したように有機半導体層14のパターン形状のマスク18を用いて、レーザ光Lを照射し、レーザアブレーションにより有機膜14Mおよびコンタクト材料膜16Mをパターニングする。この工程により、有機半導体層14およびコンタクト材料膜16MAが形成される。ここで、このコンタクト材料膜16MAの端面が有機半導体層14の端面と一致しているため、コンタクト層16A,16Bが有機半導体層14上のみに設けられる。この有機膜14Mおよびコンタクト材料膜16Mのパターニングはレーザアブレーション以外の方法により行うことも可能であるが、マスクの残さ等が生じないためレーザアブレーションを用いることが好ましい。
【0029】
次いで、図3(B)に表したようにコンタクト材料膜16MA上およびゲート絶縁層13上にソース・ドレイン電極17A,17Bとなる金属膜17Mを成膜する。このとき、コンタクト材料膜16MAの端面は有機半導体層14の端面と一致しているため、有機半導体層14の端面と共にコンタクト材料膜16MAの端面も金属膜17Mにより覆われる。金属膜17Mを成膜した後、これをパターニングしてソース・ドレイン電極17A,17Bを形成する。エッチングストッパ層15が設けられているので、この金属膜17Mのパターニングにはドライエッチングを用いることができる。また、コンタクト材料膜16MA(コンタクト層16A,16B)の端面が金属膜17M(ソース・ドレイン電極17A,17B)に覆われているため、金属膜17Mのパターニングの工程で、コンタクト材料膜16MAがサイドエッチングされるのを防ぐことができる。金属膜17Mのパターニングと同時に、あるいはソース・ドレイン電極17A,17Bを形成した後、コンタクト材料膜16MAをエッチングしてコンタクト層16A,16Bを形成する。以上の工程によりトランジスタ1が完成する。
【0030】
トランジスタ1を集積化する場合には、例えば図4に表したようにソース・ドレイン電極17A,17Bを形成した後、ソース・ドレイン電極17A,17B上にパッシベーション層19、平坦化層21および配線22等をこの順に形成する。ゲート絶縁層13に接続孔13Hを設けて、ソース・ドレイン電極17A,17Bとゲート絶縁層13よりも下層の電極(例えば、ゲート電極12と同層の電極)とを接続するようにしてもよい。
【0031】
本実施の形態では、上記のようにコンタクト層16A,16Bを有機半導体層14上のみに設けるようにしたので、有機半導体層14の周囲の領域での膜剥がれ、具体的にはソース・ドレイン電極17A,17Bの配線剥がれを防ぎ、歩留りを向上させることができる。以下、比較例1,2を用いてこれについて説明する。
【0032】
図5は、比較例1に係るトランジスタ100の断面構成を表したものである。トランジスタ100は、トランジスタ1と同様にボトムゲート・トップコンタクト構造を有するものである。しかしながら、このトランジスタ100では、コンタクト層116A,116Bが有機半導体層14上だけでなく、有機半導体層14の周囲の、ゲート絶縁層13とソース・ドレイン電極17A,17Bとの間にも設けられている。このようなトランジスタ100では、ゲート絶縁層13とコンタクト層116A,116Bとの間、またはソース・ドレイン電極17A,17Bとコンタクト層116A,116Bとの間の密着性が低く、これらの間の膜剥がれが生じて製造の歩留りが低下する虞がある。また、ゲート絶縁層13に接続孔(例えば、図4 接続孔13H)を設けてソース・ドレイン電極17A,17Bとゲート絶縁層13より下層の電極とを接続する場合にコンタクト層116A,116Bがこれらの接続を阻害する抵抗成分となる。
【0033】
このトランジスタ100にはエッチングストッパ層15が設けられていないため、集積化する際にソース・ドレイン電極17A,17Bをドライエッチングにより形成することができない。一方、比較例2に係るトランジスタ101(図6)は、エッチングストッパ層15を有するものである。このトランジスタ101は、トランジスタ100と同様に有機半導体層14の周囲にコンタクト層216A,216Bが存在するため、膜剥がれが生じる虞はあるが、ソース・ドレイン電極17A,17Bの形成にドライエッチングを用いることが可能となる。
【0034】
しかしながら、このようなトランジスタ101では、ソース・ドレイン電極17A,17Bの形成時または、その後の工程でコンタクト層216A,216Bが意図せずにサイドエッチングされ、ソース・ドレイン電極17A,17Bの電極剥離や接触不良が生じる虞がある。トップコンタクト型のトランジスタを製造する際には、有機溶剤による有機半導体層の劣化を防ぐため、例えば、配線(電極)の加工やレジスト膜等の洗浄に水溶液や水がよく用いられる。しかしながら、コンタクト層の構成材料は水に可溶なものが多く(例えば、MoO3,WO3,V25,FeCl3あるいはPEDOT/PSS等)、また、コンタクト層は電気抵抗を抑えるため、その厚みを小さくして設けられている。このため、コンタクト層は例えば、製造時にレジスト剥離工程で使用するアルカリ水溶液や水によりエッチングされやすい。例えば、コンタクト層の構成材料となるMoO3は、50nmの厚みであっても3秒程度で純水に溶解する。
【0035】
トランジスタ101は、島状の有機半導体層14を形成した後、コンタクト層216A,216Bの材料膜およびソース・ドレイン電極17A,17Bとなる金属膜を連続して成膜してこれらを同時にパターニングする。即ち、コンタクト層216A,216Bそれぞれの端面とソース・ドレイン電極17A,17Bそれぞれの端面が一致し、コンタクト層116A,116Bの端面が露出される。このため、ソース・ドレイン電極17A,17Bの形成時あるいはその後の工程で使用するアルカリ水溶液や水によりコンタクト層116A,116Bが意図せずにサイドエッチングされる虞がある。
【0036】
これら比較例1,2に対し、本実施の形態ではコンタクト層16A,16Bが有機半導体層14上のみに設けられているので、有機半導体層14の周囲の領域でのコンタクト層16A,16Bとゲート絶縁層13との間、あるいは、コンタクト層16A,16Bとソース・ドレイン電極17A,17Bの間の膜剥がれを防ぐことができる。即ち、ソース・ドレイン電極17A,17Bの配線剥がれを抑えることができる。
【0037】
また、ゲート絶縁層13に接続孔13Hを設けてソース・ドレイン電極17Bおよびゲート電極12と同層の電極を接続する際に、コンタクト層16A,16Bがこれらの接続を阻害することもない。
【0038】
更に、コンタクト層16A,16Bの端面はソース・ドレイン電極17A,17Bに覆われているので、ソース・ドレイン電極17A,17Bの形成時あるいは、更に上層のパッシベーション層19(図4)等の形成時に使用する水溶液や水からコンタクト層16A,16Bが保護される。よって、サイドエッチングによる電極剥離や接触不良を抑え、トランジスタ特性を向上させることができる。
【0039】
本実施の形態のトランジスタ1では、ゲート電極12に所定の電位が供給されると、有機半導体層14のチャネルに電界が生じて、ソース・ドレイン電極17A,17B間に電流が流れ、いわゆる電界効果トランジスタとして機能する。ここでは、コンタクト層16A,16Bが有機半導体層14上に設けられているので、有機半導体層14の周囲での膜剥がれが生じる虞がない。
【0040】
以上のように、本実施の形態では、コンタクト層16A,16Bを有機半導体層14上に設けるようにしたので、膜剥がれを抑えて製造の歩留りを向上させることができる。また、ゲート絶縁層13に接続孔13Hを設けた場合にも、コンタクト層16A,16Bが接続を阻害することがなく、良好な接続状態を維持することができる。
【0041】
更に、コンタクト層16A,16Bの端面をソース・ドレイン電極17A,17Bにより覆うようにしたので、ソース・ドレイン電極17A,17Bの形成以降の工程で使用するレジスト剥離液等からコンタクト層16A,16Bを保護してトランジスタ特性を向上させることができる。
【0042】
<変形例>
図7は、上記実施の形態の変形例に係るトランジスタ(トランジスタ1A)の断面構成を表したものである。このトランジスタ1Aは、コンタクト層26A,26Bがエッチングストッパ層15により段切れしている点において上記実施の形態のトランジスタ1と異なるものである。その点を除き、トランジスタ1Aはトランジスタ1と同様の構成を有し、その作用および効果も同様である。以降、上記実施の形態と同一構成部分については同一符号を付してその説明は適宜省略する。
【0043】
トランジスタ1Aでは、コンタクト層26A,26Bがエッチングストッパ層15の上面と有機半導体層14の上面との間で分断され、不連続状態になっている。よって、ソース・ドレイン電極17A,17Bの形成以降の工程でエッチングストッパ層15上のコンタクト層26A,26Bにウェットエッチングに使用するエッチング液等の薬液が浸入した場合にも、この薬液等が有機半導体層14上のコンタクト層26A,26Bまで伝うことを防ぐことができる。
【0044】
このトランジスタ1Aは、例えば次のようにして製造することができる。
【0045】
まず、図8(A)に表したように上記トランジスタ1と同様にして、エッチングストッパ層15までを形成する。次いで、有機膜14M上およびエッチングストッパ層15上に、エッチングストッパ層15により分断させてコンタクト層26A,26Bの構成材料からなるコンタクト材料膜26Mを成膜する(図8(B))。コンタクト材料膜26Mのエッチングストッパ層15による分断(段切れ)は、コンタクト材料膜26Mの厚み、エッチングストッパ層15の厚みおよびテーパ角を調整することにより行う。コンタクト材料膜26Mは、エッチングストッパ層15の上面と有機半導体層14上との間で不連続になっていればよく、例えばエッチングストッパ層15の角部で分断されて、エッチングストッパ層15の端面にコンタクト材料膜26Mが存在していてもよい。
【0046】
コンタクト材料膜26Mを成膜した後、トランジスタ1と同様にして、レーザアブレーションによる有機膜14Mおよびコンタクト材料膜26Mのパターニング(図9(A))、および金属膜17Mの形成(図9(B))をこの順に行う。
【0047】
金属膜17Mを成膜した後、これをパターニングしてソース・ドレイン電極17A,17Bを形成する。ここでは、コンタクト材料膜26MA(コンタクト層26A,26B)がエッチングストッパ層15により段切れしているため、エッチング液による有機半導体層14上のコンタクト材料膜26MAの劣化を防ぐことができる。よって、ソース・ドレイン電極17A,17Bをウェットエッチングにより形成することができる。トランジスタ1と同様にドライエッチングにより金属膜17Mをパターニングするようにしてもよい。
【0048】
金属膜17Mのパターニングと同時に、あるいはソース・ドレイン電極17A,17Bを形成した後、コンタクト材料膜26MAをエッチングしてコンタクト層26A,26Bを形成する。以上の工程によりトランジスタ1Aが完成する。
【0049】
<適用例1>
図10は、上記トランジスタ1,1Aのいずれかを駆動素子として備えた表示装置(表示装置90)の回路構成を表すものである。表示装置90は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイまたは電子ペーパーディスプレイなどであり、駆動パネル91上の表示領域110に、マトリクス状に配設された複数の画素10と、画素10を駆動するための各種駆動回路とが形成されたものである。駆動パネル91上には、駆動回路として、例えば映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130と、画素駆動回路150とが配設されている。この駆動パネル91には、図示しない封止パネルが貼り合わせられ、この封止パネルにより画素10および上記駆動回路が封止されている。
【0050】
図11は、画素駆動回路150の等価回路図である。画素駆動回路150は、上記トランジスタ1,1Aのいずれかとして、トランジスタTr1,Tr2が配設されたアクティブ型の駆動回路である。トランジスタTr1,Tr2の間にはキャパシタCsが設けられ、第1の電源ライン(Vcc)および第2の電源ライン(GND)の間において、画素10がトランジスタTr1に直列に接続されている。このような画素駆動回路150では、列方向に信号線120Aが複数配置され、行方向に走査線130Aが複数配置されている。各信号線120Aは、信号線駆動回路120に接続され、この信号線駆動回路120から信号線120Aを介してトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続され、この走査線駆動回路130から走査線130Aを介してトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。この表示装置では、トランジスタTr1,Tr2が、上記実施の形態のトランジスタ1,1Aにより構成されているので、このトランジスタTr1,Tr2の良好なTFT特性により、高品質な表示が可能となる。このような表示装置90は、例えば次の適用例2〜7に示した電子機器に搭載することができる。
【0051】
<適用例2>
図12(A)および図12(B)は、電子ブックの外観を表したものである。この電子ブックは、例えば、表示部210、非表示部220および操作部230を有している。操作部230は、図12(A)に示したように表示部210と同じ面(前面)に形成されていても、図12(B)に示したように表示部210とは異なる面(上面)に形成されていてもよい。
【0052】
<適用例3>
図13は、テレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有している。
【0053】
<適用例4>
図14は、デジタルスチルカメラの外観を表したものである。このデジタルスチルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有している。
【0054】
<適用例5>
図15は、ノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有している。
【0055】
<適用例6>
図16は、ビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有している。
【0056】
<適用例7>
図17は、携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。
【0057】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、トップコンタクト・ボトムゲート型のトランジスタ1,1Aについて説明したが、トップコンタクト・トップゲート型の構造を有するものであってもよい。
【0058】
また、上記実施の形態等では、有機半導体層14の端面とコンタクト層16A,16B(26A,26B)の端面とが一致している場合を例示したが、コンタクト層16A,16Bは、有機半導体層14上にあればその端面が有機半導体層14と一致していなくてもよい。
【0059】
更に、上記実施の形態等では、有機半導体材料を用いて半導体層を構成した場合を例示したが、半導体層は、シリコンや酸化物半導体等の無機材料により構成されていてもよい。
【0060】
加えて、例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
【0061】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)ゲート電極と、絶縁層を間にして前記ゲート電極に対向する半導体層と、前記半導体層上のエッチングストッパ層と、前記半導体層上の、少なくとも前記エッチングストッパ層の両側に設けられた一対のコンタクト層と、前記半導体層に前記一対のコンタクト層を介して電気的に接続されると共に前記絶縁層に接するソース・ドレイン電極と、を備えたトランジスタ。
(2)前記一対のコンタクト層は互いの対向面と反対側に端面を有し、前記ソース・ドレイン電極は前記一対のコンタクト層それぞれの端面を覆っている前記(1)に記載のトランジスタ。
(3)前記一対のコンタクト層それぞれの端面は、前記半導体層の端面と一致する前記(1)または(2)に記載のトランジスタ。
(4)前記一対のコンタクト層は前記エッチングストッパ層の上面にも設けられている前記(1)乃至(3)のうちいずれか1つに記載のトランジスタ。
(5)前記一対のコンタクト層は、前記エッチングストッパ層の上面と前記有機半導体層上との間で分断されている前記(4)に記載のトランジスタ。
(6)前記一対のコンタクト層は前記エッチングストッパ層の上面および端面にも設けられている前記(1)乃至(5)のうちいずれか1つに記載のトランジスタ。
(7)前記一対のコンタクト層は、前記エッチングストッパ層の上面からその端面を介し、連続して前記半導体層上に設けられている前記(6)に記載のトランジスタ。
(8)前記絶縁層は、前記ソース・ドレイン電極と前記絶縁層よりも下層の電極とを接続するための接続孔を有する前記(1)乃至(7)のうちいずれか1つに記載のトランジスタ。
(9)前記半導体層は、有機半導体材料を含む前記(1)乃至(8)のうちいずれか1つに記載のトランジスタ。
(10)ゲート電極を形成する工程と、絶縁層を間にして前記ゲート電極に対向する半導体層を形成する工程と、前記半導体層上にエッチングストッパ層を形成する工程と、前記半導体層上の、少なくとも前記エッチングストッパ層の両側に一対のコンタクト層を形成する工程と、前記一対のコンタクト層上から前記絶縁層上にかけてソース・ドレイン電極を形成する工程とを含むトランジスタの製造方法。
(11)前記半導体層および前記コンタクト層を形成するためのパターニングを同時に行う前記(10)に記載のトランジスタの製造方法。
(12)前記パターニングはレーザアブレーションにより行う前記(11)に記載のトランジスタの製造方法。
(13)複数の画素と前記複数の画素を駆動するためのトランジスタとを備え、前記トランジスタは、ゲート電極と、前記ゲート電極に対向する半導体層と、前記半導体層上のエッチングストッパ層と、前記半導体層上の、少なくとも前記エッチングストッパ層の両側に設けられた一対のコンタクト層と、前記半導体層に前記一対のコンタクト層を介して電気的に接続されると共に前記絶縁層に接するソース・ドレイン電極とを備えた表示装置。
(14)複数の画素および前記複数の画素を駆動するためのトランジスタを有する表示装置を備え、前記トランジスタは、ゲート電極と、前記ゲート電極に対向する半導体層と、前記半導体層上のエッチングストッパ層と、前記半導体層上の、少なくとも前記エッチングストッパ層の両側に設けられた一対のコンタクト層と、前記半導体層に前記一対のコンタクト層を介して電気的に接続されると共に前記絶縁層に接するソース・ドレイン電極とを備えた電子機器。
【符号の説明】
【0062】
1,1A…トランジスタ、11…基板、12…ゲート電極、13…ゲート絶縁層、14…有機半導体層、15…エッチングストッパ層、16A,16B,26A,26B…コンタクト層、17A,17B…ソース・ドレイン電極、18…マスク、19…パッシベーション層、21…平坦化層、22…配線、90・・・表示装置、91・・・駆動パネル、10・・・画素、110・・・表示領域、120・・・信号線駆動回路、130・・・走査線駆動回路、150・・・画素駆動回路、Tr1,Tr2・・・トランジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極と、
絶縁層を間にして前記ゲート電極に対向する半導体層と、
前記半導体層上のエッチングストッパ層と、
前記半導体層上の、少なくとも前記エッチングストッパ層の両側に設けられた一対のコンタクト層と、
前記半導体層に前記一対のコンタクト層を介して電気的に接続されると共に前記絶縁層に接するソース・ドレイン電極と、
を備えたトランジスタ。
【請求項2】
前記一対のコンタクト層は互いの対向面と反対側に端面を有し、
前記ソース・ドレイン電極は前記一対のコンタクト層それぞれの端面を覆っている
請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項3】
前記一対のコンタクト層それぞれの端面は、前記半導体層の端面と一致する
請求項2に記載のトランジスタ。
【請求項4】
前記一対のコンタクト層は前記エッチングストッパ層の上面にも設けられている
請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項5】
前記一対のコンタクト層は、前記エッチングストッパ層の上面と前記有機半導体層上との間で分断されている
請求項4に記載のトランジスタ。
【請求項6】
前記一対のコンタクト層は前記エッチングストッパ層の上面および端面にも設けられている
請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項7】
前記一対のコンタクト層は、前記エッチングストッパ層の上面からその端面を介し、連続して前記半導体層上に設けられている
請求項6に記載のトランジスタ。
【請求項8】
前記絶縁層は、前記ソース・ドレイン電極と前記絶縁層よりも下層の電極とを接続するための接続孔を有する
請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項9】
前記半導体層は、有機半導体材料を含む
請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項10】
ゲート電極を形成する工程と、
絶縁層を間にして前記ゲート電極に対向する半導体層を形成する工程と、
前記半導体層上にエッチングストッパ層を形成する工程と、
前記半導体層上の、少なくとも前記エッチングストッパ層の両側に一対のコンタクト層を形成する工程と、
前記一対のコンタクト層上から前記絶縁層上にかけてソース・ドレイン電極を形成する工程と
を含むトランジスタの製造方法。
【請求項11】
前記半導体層および前記コンタクト層を形成するためのパターニングを同時に行う
請求項10に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項12】
前記パターニングはレーザアブレーションにより行う
請求項11に記載のトランジスタの製造方法。
【請求項13】
複数の画素と前記複数の画素を駆動するためのトランジスタとを備え、
前記トランジスタは、
ゲート電極と、
前記ゲート電極に対向する半導体層と、
前記半導体層上のエッチングストッパ層と、
前記半導体層上の、少なくとも前記エッチングストッパ層の両側に設けられた一対のコンタクト層と、
前記半導体層に前記一対のコンタクト層を介して電気的に接続されると共に前記絶縁層に接するソース・ドレイン電極とを備えた
表示装置。
【請求項14】
複数の画素および前記複数の画素を駆動するためのトランジスタを有する表示装置を備え、
前記トランジスタは、
ゲート電極と、
前記ゲート電極に対向する半導体層と、
前記半導体層上のエッチングストッパ層と、
前記半導体層上の、少なくとも前記エッチングストッパ層の両側に設けられた一対のコンタクト層と、
前記半導体層に前記一対のコンタクト層を介して電気的に接続されると共に前記絶縁層に接するソース・ドレイン電極とを備えた
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−115098(P2013−115098A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257437(P2011−257437)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】