説明

ハイブリッド車両における回生システム

【課題】車両のバンク時の回生によるドライバビリティの低下を防止するハイブリッド車両における回生システムを提供する。
【解決手段】エンジン22と、バッテリ126から電力が供給されてエンジン22からの駆動力に重畳して駆動力を後輪WRに出力するとともに回生発電を行うモータ106と、インジェクタ110と、減速状態のときにはモータ106の回生量を制御するとともに、インジェクタ110による燃料噴射を禁止して、エンジン22内に流入する空気の量を調整するスロットルバルブの全開処理を行うMG−ECU102と、車両のバンク角を検出するバンク角センサ142とを備え、MG−ECU102は、車両のバンク角が所定値以上の場合には、前記スロットルバルブの全開処理を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両における回生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記に示す特許文献1には、ハイブリッド車両において、車両の減速時や制動時に、エンジンに設けられているスロットルバルブを開くことでポンピングロスを低減させて、モータに回生発電させることで、ポンピングロスとして消費されていた運動エネルギーを電気エネルギーとして回収することで、回生量を増加させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−135502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ハイブリッド車両が傾斜させながらコーナリング走行する車両(自動二輪車、自動三輪車等)は、コーナリングの際には、アクセルグリップを全閉にして車両をバンクさせるため、コーナーの進入時の減速区間でスロットルバルブが全開となってモータ回生が行われ、コーナーの中間から後半にかけて運転者がアクセルスロットルを徐々に回動させると、スロットルバルブは全開から小開に変化するので、バンク状態時にエンジンに余計なトルク変動が起こり、そのためコーナリング中において余計なアクセルグリップ操作を行わなければならず、ドライバビリティが低下してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、車両のバンク時の回生によるドライバビリティの低下を防止するハイブリッド車両における回生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両の第1駆動源であるエンジン(22)と、バッテリ(126)から電力が供給されて前記エンジン(22)からの駆動力とは別に駆動力を駆動輪(WR)に出力するとともに、回生発電を行う第2の駆動源としてのモータ(106)と、前記車両が減速状態のときには、前記モータ(106)の回生量を制御するとともに、前記エンジン(22)内に流入する空気の量を調整する吸入空気量調整手段の全開処理を行う制御手段(102)とを備えたハイブリッド車両(10)における回生システムにおいて、前記車両の傾斜角を検出する傾斜検出手段(142)を備え、前記制御手段(102)は、前記車両の前記傾斜角が所定値以上の場合には、前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を禁止することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のハイブリッド車両(10)における回生システム(100)であって、前記制御手段(102)は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以上の場合は、前記吸入空気量調整手段を全閉のままにすることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のハイブリッド車両(10)における回生システム(100)であって、前記エンジン(22)の排気ガスを浄化する触媒の温度を検出する触媒温度検出手段(140)と、前記エンジン(22)内に流入する空気に燃料を噴射する燃料噴射装置(110)と、を備え、前記制御手段(102)は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以上でない場合であっても、前記触媒の温度が所定温度以下の場合は、前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を禁止するとともに、前記燃料噴射装置(110)による燃料噴射を禁止しないことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両(10)における回生システム(100)であって、エンジン回転数を検出する回転数検出手段(118)と、前記エンジン(22)内に流入する空気に燃料を噴射する燃料噴射装置(110)と、を備え、前記制御手段(102)は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以下であり、且つ、前記エンジン回転数が閾値以下の場合に、前記燃料噴射装置(110)による燃料噴射を禁止して、前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のハイブリッド車両(10)における回生システム(100)であって、前記制御手段(102)は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以下であっても、前記エンジン回転数が閾値より大きい場合は、前記燃料噴射装置(110)による燃料噴射及び前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1及び2に記載の発明によれば、回生システムは、車両の傾斜角を検出する傾斜検出手段と、前記車両が減速状態のときには、モータの回生量を制御するとともに、エンジン内に流入する空気の量を調整する吸入空気量調整手段の全開処理を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記車両の傾斜角が所定値以上の場合には、前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を禁止するので、コーナリング中は、前記吸入空気量調整手段は全閉のままなので、コーナーの中間から後半にかけて運転者はアクセルグリップ操作を行っても、吸入空気量調整手段が全閉の状態からスロットルバイワイヤ制御に移行することによって、該スロットルバルブが全閉の状態から徐々に開くことになり、車両の傾斜時における運転者のアクセルグリップ操作に何ら影響を及ぼすことはなく、ドライバビリティが低下することはない。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、前記エンジンの排気ガスを浄化する触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、前記エンジン内に流入する空気に燃料を噴射する燃料噴射装置とを備え、前記制御手段は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以上でない場合であっても、前記触媒の温度が所定温度以下の場合は、前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を禁止するとともに、前記燃料噴射装置による燃料噴射を禁止しないので、前記触媒を温めることができ、該触媒のエミッションを浄化する性能を維持することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、エンジン回転数を検出する回転数検出手段と、前記エンジン内に流入する空気に燃料を噴射する燃料噴射装置とを備え、前記制御手段は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以下であり、且つ、エンジン回転数が閾値以下の場合に、前記燃料噴射装置による燃料噴射を禁止して、吸入空気量調整手段の前記全開処理を行うので、エンジンのポンピングロスを減少させることができ、これにより、回生効率を向上させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、前記制御手段は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以下であっても、前記エンジン回転数が閾値より大きい場合は、前記燃料噴射装置による燃料噴射及び前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を禁止するので、エンジン回転数が閾値より高い高回転数の場合であっても、ポンピングロスを有効に減少させることができ、回生効率を向上させることができる。つまり、エンジンは、エンジン回転数が閾値より高い場合は、吸入空気量調整手段が全開の方がポンピングロスが減少するという特性を利用することで、ポンピングロスを有効に減少させることができ、回生効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態にハイブリッド車両における回生システムを有する自動二輪車の左側面図である。
【図2】ハイブリッド車両における回生システムを示すブロック図である。
【図3】FC実行領域判定マップを示す図である。
【図4】ハイブリッド車両における回生システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】ハイブリッド車両における回生システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るハイブリッド車両における回生システムについて、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0017】
図1は、実施の形態にハイブリッド車両における回生システムを有する自動二輪車10の左側面図である。なお、対称的に車体の左右に1つずつ設けられる機構乃至構成要素については、左のものの参照符号に「L」を付し、右のものの参照符号に「R」を付す。
【0018】
自動二輪車10は、車体フレーム12と、車体フレーム12の前端部に設けられたヘッドパイプ14と、該ヘッドパイプ14に回転自在に軸支される左右一対のフロントフォーク16L、16Rと、一対のフロントフォーク16L、16Rに取り付けられた前輪WFと、車体フレーム12に支持された自動二輪車10の駆動源であるエンジン22と、エンジン22の図示しない排気管を介して連結されたマフラー24と、車体フレーム12の後下部のピボット軸26に揺動可能に支持されたスイングアーム28と、このスイングアーム28の後端部に取り付けられた後輪(駆動輪)WRとを備える。
【0019】
車体フレーム12は、ヘッドパイプ14から左右に分岐した後斜め下方に延びる左右一対のメインフレーム30L、30Rと、一対のメインフレーム30L、30Rの後部に接続される左右一対のピボットプレート32L、32Rと、ピボットプレート32L、32Rの前部及び後部から後方斜め上方に延びる左右一対のシートフレーム34L、34Rとを有する。左右一対のピボットプレート32L、32Rにピボット軸26が設けられている。メインフレーム30L、30Rの上方に燃料タンク36が設けられ、シートフレーム34L、34Rの上部には、運転者シート38と、同乗者シート40とが取り付けられ、同乗者シート40の後方には、左右一対のグラブレール42L、42Rとトランクボックス44が取り付けられている。
【0020】
車体フレーム12のピボットプレート32L、32Rには、運転者シート38に着座した運転者用の左右一対のステップ46L、46Rと、同乗者シート40に着座した同乗者用の左右一対のステップ48L、48Rとが取り付けられている。
【0021】
車体フレーム12には、車体カウリング50が取り付けられ、車体カウリング50は、車体前方を覆うフロントカバー52と、車体側部を覆う左右一対のサイドカバー54と、車体下部を覆うアンダーカバー56と、車体後部を覆うリアシートカウル58とを備えており、リアシートカウル58には、左右一対のサドルバック60L、60Rが一体に形成されている。また、前輪WFを覆うフロントフェンダ62がフロントフォーク16L、16Rに取り付けられ、後輪WRを覆うリアフェンダ64がリアシートカウル58に取り付けられている。フロントカバー52の前面には、ヘッドライトが取り付けられ、その上部には風防68が取り付けられ、左右端には、サイドミラー70L、70Rが取り付けられている。なお、自動二輪車10は、自動二輪車10の駆動源である図示しないモータも有するハイブリッド車両である。
【0022】
図2は、ハイブリッド車両における回生システム(以下、回生システム)100を示すブロック図である。回生システム100は、エンジン22、MG−ECU102(管理制御部)、クラッチ104、モータ106、DCT(Dual Clutch Transmission)108、インジェクタ110、点火プラグ111、FI−ECU112、TBW装置114、スロットル開度センサ116、回転数センサ118、クラッチアクチュエータ120、アクチュエータ駆動部122、モータ駆動部124、バッテリ126、TM−ECU128、前輪ブレーキセンサ130、後輪ブレーキセンサ132、BRK−ECU134、アクセル開度センサ136、車速センサ138、触媒温度センサ140、バンク角センサ142、クラッチ接続状態センサ144、ギアポジションセンサ146、モータ回転数センサ148、回生トルクマップ記憶部150、及びFC実行領域判定マップ記憶部152を有する。なお、アクチュエータ駆動部122は、クラッチアクチュエータ120の内部に設けられて良いし、MG−ECU102内の機能の一部として設けられていてもよい。
【0023】
MG−ECU(制御手段)102は、回生システム100全体を制御するものである。クラッチ104は、エンジン22及び後輪WR間で動力を伝達させるか否かを切り換えるものであり、エンジン22とモータ106とはクラッチ104を介装して接続されている。モータ106は、DCT108を介装して後輪WRに接続されている。クラッチ104が接続の状態のときには、エンジン22と後輪WRとの間で動力の伝達が可能な状態になる。つまり、エンジン22から後輪WRへの動力の伝達、及び、後輪WRからエンジン22への動力の伝達が可能となる。クラッチ104が非接続の状態(クラッチ104が断接されている状態)のときには、エンジン22と後輪WRとの間で動力の伝達が不可能な状態になる。
【0024】
モータ106は、自動二輪車10の駆動源であり、例えば、ブラシレスモータであってもよく、モータ駆動部124から供給される3相の交流電流によって図示しないモータ106の回転軸が回転する。この回転軸の回転が後輪WRに伝達されることで後輪WRが回転する。つまり、モータ106は、エンジン22からの動力に重畳して駆動力を後輪WRに伝達させる。また、モータ106は、走行中に後輪WR側からの動力伝達によってモータ106の前記回転軸が回転させられるときは、後輪WRの運動エネルギーを電気エネルギーに変換する(回生発電する)発電機としても機能する。モータ106の回転軸の回転数がモータ回転数となる。
【0025】
DCT108は、後輪WRに伝達される動力を変速させるものである。詳しくは、奇数段のギアセット(例えば、1速ギア段、3速ギア段、5速ギア段)と偶数段のギアセット(例えば、2速ギア段、4速ギア段、6速ギア段)を2つのクラッチで切り換えるトランスミッションであり、前記2つのクラッチを交互に繋ぎ変える事で瞬時に変速を行う。例えば、現在の接続されているギアポジションが3速ギア段の場合は、2速ギア段又は4速ギア段が待機している状態となり、他方のクラッチに切り換えることで瞬時に変速を行うことができる。接続させるギア段を変えることでDCT108の変速比が変わる。なお、1速ギア段、2速ギア段、3速ギア段、4速ギア段、5速ギア段、6速ギア段は互いに減速比が異なり、1速ギア段が最も減速比が大きく、6速ギア段が最も減速比が小さい。
【0026】
インジェクタ(燃料噴射装置)110は、エンジン22に備えられ、エンジン22内の図示しない燃焼室に流入される混合気を生成するために燃料を噴射する。この燃料と空気とが混合された混合気が前記燃焼室に流入し、点火プラグ(点火装置)111が前記燃料室の混合気に点火することで該混合気が膨張し、エンジン22の図示しないピストンが往復運動して運動エネルギーを発生する。点火プラグ111の点火タイミングは、MG−ECU102によって制御される。
【0027】
FI−ECU(燃料噴射制御部)112は、MG−ECU102の制御下でインジェクタ110を駆動制御する。詳しくは、FI−ECU112は、アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)136が検出した自動二輪車10のハンドル20の図示しないアクセルグリップの開度等に応じて、インジェクタ110が噴射する燃料の噴射量および噴射タイミングを制御する。
【0028】
TBW(Throttle-By-Wire)装置114は、エンジン22の図示しないスロットルバルブ(吸入空気量調整手段)をMG−ECU102の制御下で動作させるスロットルバイワイヤ制御を行う。スロットルバイワイヤ制御とは、アクセル開度センサ136が検出した前記アクセルグリップの開度等に応じて、エンジン22の前記スロットルバルブを動作させるものであり、該アクセルグリップの開度に応じて該スロットルバルブの開度を調整するものである。前記スロットルバルブはエンジン22の前記燃焼室へ流入する空気の量を調整するものである。インジェクタ110は、前記スロットルバルブを介して流入した空気に燃料を噴射し、その結果、吸気通路内には混合気が生成される。
【0029】
エンジン22内へ流入する混合気の量が多くなれば、その分エンジン22内での膨張は大きくなり、より大きな運動エネルギーを得ることができる。スロットル開度センサ(スロットル開度検出手段)116は、前記スロットルバルブの開度を検出するセンサである。なお、アクセル開度センサ136及びスロットル開度センサ116は、TBW装置114の中に設けられてもよい。また、前記スロットルバルブに代えて、IACV(アイドルエアーコントロールバルブ)(吸入空気量調整手段)等を用いてもよい。
【0030】
回転数センサ(回転数検出手段)118は、エンジン22の回転数(エンジン回転数)を検出するセンサである。エンジン回転数とは、エンジン22の出力軸であるクランク軸(回転軸)の回転数のことをいい、エンジン22とモータ106とがクラッチ104で接続されているときは、エンジン回転数とモータ回転数とは等しくなる。回転数センサ118は、例えば、ホールICを用いて構成される。クラッチアクチュエータ120は、例えば、油圧アクチュエータであり、クラッチ104を動作させて、クラッチ104の接続、非接続を切り換える。アクチュエータ駆動部122は、MG−ECU102の制御下で該クラッチアクチュエータ120を駆動させるものであり、例えば、作動油をクラッチアクチュエータ120に供給することでクラッチアクチュエータ120を動作させる。
【0031】
モータ駆動部124は、MG−ECU102の制御下でモータ106を駆動させるものであり、詳しくは、モータ106の力行トルク及び回生トルク(回生量)を制御する。モータ駆動部124によって、モータ106に力行トルクが発生している場合は、バッテリ126から供給される直流電流がモータ駆動部124によって、例えば、3相の交流電流に変換され、該3相の交流電流がモータ106に供給される。モータ106に回生トルクが発生している場合には、モータ106に発生した3相の交流電流がモータ駆動部124によって直流電流に変換され、該直流電流がバッテリ126に充電される。
【0032】
TM−ECU128は、MG−ECU102の制御下でDCT108の変速比を制御するものである。前輪ブレーキセンサ(前輪ブレーキ操作量検出手段)130は、前輪に対して制動力を発生させる前輪ブレーキを作動させるためのハンドル20に設けられた図示しないブレーキレバーの操作量(ブレーキ操作量)を検出する。後輪ブレーキセンサ(後輪ブレーキ操作量検出手段)132は、後輪に対して制動力を発生させる後輪ブレーキを作動させるための図示しないブレーキペダルの操作量(ブレーキ操作量)を検出する。前輪ブレーキセンサ130及び後輪ブレーキセンサ132は、前記前輪ブレーキ及び前記後輪ブレーキのブレーキ油圧を検出することで、ブレーキ操作量を検出する。
【0033】
BRK−ECU134は、前輪ブレーキセンサ130及び後輪ブレーキセンサ132が検出した操作量に基づいて、運転者が要求している要求減速量を算出する。この算出した要求減速量は、MG−ECU102に出力される。車速センサ(車速検出手段)138は、自動二輪車10の図示しないカウンタシャフトの近傍に設けられ、該カウンタシャフトの回転数を検出することで車速を検出する。触媒温度センサ(触媒温度検出手段)140は、エンジン22の排気ガスを浄化させ、該エンジン22の前記排気管に設けられた図示しない触媒(キャタライザ)の温度を検出する。バンク角センサ(傾斜検出手段)142は、自動二輪車10のバンク角(傾斜角)を検出する。バンク角センサ142は、バンク方向(ロール方向)の角速度を検出する角速度センサを有し、該検出したバンク方向の角速度からバンク角を検出する。
【0034】
クラッチ接続状態センサ(クラッチ接続状態検出手段)144は、クラッチ104の接続状態(接続か非接続か)を検出する。ギアポジションセンサ(ギアポジション検出手段)146は、現在接続されているギア段を検出する。モータ回転数センサ(モータ回転数検出手段)148は、現在のモータ106のモータ回転数を検出する。
【0035】
なお、スロットル開度センサ116、回転数センサ118、前輪ブレーキセンサ130、後輪ブレーキセンサ132、アクセル開度センサ136、車速センサ138、触媒温度センサ140、バンク角センサ142、クラッチ接続状態センサ144、ギアポジションセンサ146、及びモータ回転数センサ148は、所定の周期間隔で検出を行う。
【0036】
回生トルクマップ記憶部150は、DCT108の各変速比に適した回生トルクが記された回生トルクマップが記憶されており、回生トルクマップは、エンジン回転数と、該エンジン回転数に対応する回生トルクが記憶されたマップである。回生トルクマップは、スロットルバルブが全開のときのFC有り回生トルクマップ(以下、全開FC有り回生トルクマップともいう)と、スロットルバルブが全閉のときのFC有り回生トルクマップ(以下、全閉FC有り回生トルクマップともいう)と、FC無し回生トルクマップが記憶されている。なお、回生量は、回生マップによらず、種々の検出値に基づいて算出してよい。FC(燃料カット)有りとは、回生を行うときに、燃料噴射を禁止して回生を行うことをいい、FC無しとは、回生を行うときに燃料噴射を禁止しないで回生を行うことをいう。したがって、FC有りの場合は、エンジン22は非運転状態となっており(但し、後輪WRの回転駆動力によってエンジン22の前記クランク軸は回転させられる)、FC無しの場合は、エンジン22は、作動状態となっている。
【0037】
FC実行領域判定マップ記憶部152は、回生時に燃料カット(燃料噴射の禁止)を実行するエンジン22の運転状態の領域(FC実行領域)を示したFC実行領域判定マップが記憶されている。FC実行領域判定マップは、接続されているギア段とエンジン回転数とに応じてFC実行領域が定められている。
【0038】
図3は、FC実行領域判定マップを示す図である。横軸は、車速を示しており、縦軸はエンジン回転数を示している。エンジン回転数の増加とともに、車速は増加(加速)していくが、現在接続されているギア段に応じて、その増加量は異なる。図3に示すように、エンジン回転数が下限値より大きく、上限値より小さい領域で、且つ、現在接続されているギア段が、3速ギア段以上の領域がFC実行領域(斜線で図示する領域)となり、それ以外の領域は、FC非実行領域となる。このFC実行領域は、エミッションの向上、ドライバビリティの向上、エンジンストールの防止等の種々の観点から決められる。この下限値は、アイドル回転数より高い回転数である。アイドル回転数とは、前記アクセルグリップが全閉のときのエンジン22の回転数のことをいう。
【0039】
例えば、エンジン22が低回転域では、エンジントルクが小さいため、そのような状態で、FCを行うとエンジンの運転状態は停止する方向に遷移するため、運転者が再加速のために前記アクセルグリップを開方向に操作したときに、エンジン出力のレスポンスが遅れ、その後に不要に大きなトルクが発生する。したがって、エンジン回転数が下限値以下の低回転域では、FCを実行しない(FCを禁止する)こととした。また、低回転域では、特に、低速ギア段(1速ギア段、2速ギア段)ではエンジンストールが発生し易いので、それを防止する意味でも、接続されているギア段が低速ギア段の場合はFCを実行しない。
【0040】
次に回生システム100の動作を図4及び図5のフローチャートにしたがって説明する。MG−ECU102は、前輪ブレーキセンサ130が直近に検出したブレーキ操作量、及び、後輪ブレーキセンサ132が直近に検出したブレーキ操作量を取得し(ステップS1)、該取得した操作量に基づいて、運転者が要求した要求減速量を算出する(ステップS2)。
【0041】
次いで、MG−ECU102は、算出した要求減速量が閾値より大きいか否かを判断する(ステップS3)。ステップS3で、要求減速量が閾値より大きくない(要求減速量が閾値以下)と判断すると、ステップS23に進む。つまり、要求減速量が閾値より大きくない場合は、回生量は殆ど得られないので回生を行わない。
【0042】
一方で、ステップS3で、要求減速量が閾値より大きいと判断すると、MG−ECU102は、車速センサ138によって直近に検出された車速を取得し(ステップS4)、該取得した車速が閾値(例えば、5km/h)より大きいか否かを判断する(ステップS5)。ステップS5で、車速が閾値より大きくない(車速が閾値以下)と判断すると、ステップS23に進む。つまり、車速が閾値より大きくない場合は、回生量は殆ど得られないので回生を行わない。
【0043】
一方で、ステップS5で、車速が閾値より大きいと判断すると、MG−ECU102は、アクセル開度センサ136によって直近に検出された前記アクセルグリップの開度を取得し(ステップS6)、該取得した前記アクセルグリップの開度が所定開度より小さいか否かを判断する(ステップS7)。この所定開度を1度とすることで、前記アクセルグリップが略全閉状態であるか否かを判断することができる。
【0044】
ステップS7で、前記アクセルグリップの開度が所定開度より小さくない(前記アクセルグリップの開度が所定開度以上)と判断すると、ステップS23に進む。前記アクセルグリップの開度が所定開度より小さくない場合は、運転状態が力行した状態にあるからであり、このような場合には回生を行わない。一方で、ステップS7でアクセルグリップの開度が所定開度より小さいと判断すると、MG−ECU102は、クラッチ接続状態センサ144が直近に検出した検出信号に基づいて、クラッチ104が接続されているか(クラッチ104が接続の状態か)否かを判断する(ステップS8)。
【0045】
ステップS8で、クラッチ104が接続されていない(クラッチ104が非接続の状態である)と判断すると、ステップS23に進む。一方で、ステップS8で、クラッチ104が接続されていると判断すると、MG−ECU102は、バンク角センサ142が直近に検出したバンク角を取得し(ステップS9)、該取得したバンク角が所定値より小さいか否かを判断する(ステップS10)。バンク角が所定値より小さくない場合としては、自動二輪車10がコーナリングを行っている場合がある。
【0046】
ステップS10で、バンク角が所定値より小さくないと判断すると、ステップS23に進む。一方で、ステップS10で、取得したバンク角が所定値より小さいと判断すると、MG−ECU102は、ギアポジションセンサ146が直近に検出したギアポジション(現在接続されているギア段)を取得し(図5のステップS11)、回転数センサ118が直近に検出したエンジン22のエンジン回転数を取得する(ステップS12)。
【0047】
次いで、MG−ECU102は、触媒温度センサ140が直近に検出した前記触媒の温度を取得し(ステップS13)、該取得した該触媒の温度が所定温度より高いか否かを判断する(ステップS14)。
【0048】
ステップS14で、前記触媒の温度が所定温度より高いと判断すると、MG−ECU102は、現在の運転状態がFC実行領域であるか否かを判断する(ステップS15)。つまり、MG−ECU102は、FC実行領域判定マップ記憶部152に記憶されているFC実行領域判定マップと、ステップS11で取得したギアポジションと、ステップS12で取得したエンジン回転数とから、現在のエンジン22の運転状態がFC実行領域であるか否かを判断する。
【0049】
ステップS15で、現在の運転状態がFC実行領域であると判断すると、MG−ECU102は、インジェクタ110による燃料噴射及び点火プラグ111による点火を禁止する(ステップS16)。これにより、エンジン22は非運転の状態となる。
【0050】
次いで、MG−ECU102は、ステップS12で取得したエンジン回転数が閾値(例えば、5500rpm)より大きいか否かを判断する(ステップS17)。ステップS17で、エンジン回転数が閾値より大きくないと判断すると、MG−ECU102は、TBW装置114を制御して、前記スロットルバルブを全開にする(ステップS18)。
【0051】
次いで、MG−ECU102は、回生トルクマップ記憶部150に記憶されている全開FC有り回生トルクマップから現在のギアポジション(直近のステップS11で取得したギアポジション)及び現在のエンジン回転数(直近のステップS12で取得したエンジン回転数)に対応する回生トルクを取得し(ステップS19)、該取得した回生トルクを用いてモータ駆動部124を制御することで、モータ106を駆動制御する(ステップS20)。このとき、エンジン22は非運転の状態となり、エンジン22の前記クランク軸は、後輪WRの回転力によって回転させられている状態となる。
【0052】
このように、自動二輪車10が減速状態のときは、原則として、スロットルバルブを全開にして、モータ106に回生発電を行わせるので、エンジン22のポンピングロスを減少させることができ、これにより、回生効率を向上させることができる。つまり、ポンピングロスを減少させることで、エンジンブレーキが弱くなり、後輪WRの回転駆動力をその分モータ106で吸収することができ、回生量を増加させることができる。
【0053】
一方、ステップS17で、エンジン回転数が閾値より大きいと判断すると、MG−ECU102は、回生トルクマップ記憶部150に記憶されている全閉FC有り回生トルクマップから現在のギアポジション及び現在のエンジン回転数に対応する回生トルクを取得し(ステップS21)、該取得した回生トルクを用いてモータ駆動部124を制御することで、モータ106を駆動制御する(ステップS20)。このとき、エンジン22は非運転の状態となり、エンジン22の前記クランク軸は、後輪WRの回転力によって回転させられている状態となる。ここで、前記アクセルグリップは略全閉状態となっているので(図4のステップS7でYES)、前記スロットルバルブも略全閉状態となっている。つまり、前記スロットルバルブの全閉とは、前記アクセルグリップが全閉のとき(開度が0度のとき)に、スロットルバイワイヤ制御によって制御された前記スロットルバルブの開度のことをいう。
【0054】
一般的にエンジン22は、エンジン回転数が閾値より大きくない場合は、前記スロットルバルブを全開にした方が、ポンピングロスが減少するが、エンジン回転数が閾値より大きい場合は、前記スロットルバルブを全開にするより、該スロットルバルブを全閉のままにした方が、ポンピングロスが減少するという特性を有する。したがって、エンジン回転数が閾値より大きい場合は、前記スロットルバルブを全開にしない(前記スロットルバルブを全閉のままにする)。これにより、エンジン回転数が高回転数の場合であっても、ポンピングロスを有効に減少させることができ、回生効率を向上させることができる。
【0055】
ステップS14で、前記触媒の温度が所定温度より高くないと判断された場合、ステップS15で、現在の運転状態がFC実行領域でないと判断された場合は、MG−ECU102は、回生トルクマップ記憶部150に記憶されているFC無し回生トルクマップから現在のギアポジション及び現在のエンジン回転数に対応する回生トルクを取得し(ステップS22)、該取得した回生トルクを用いてモータ駆動部124を制御することで、モータ106を駆動制御する(ステップS20)。このときは、エンジン22は運転状態のままであり、前記スロットルバルブは全閉状態となる。
【0056】
このように、前記触媒の温度が所定温度より高くない場合は、エミッションの浄化性能が低下してしまうので、このような場合は、エンジン22を非運転の状態とせずに、そのまま運転状態にするので、前記触媒を温めることができ、該触媒のエミッションを浄化する性能を維持することができる。また、現在の運転状態がFC実行領域でない場合は、エンジン22を非運転の状態とせずに、そのまま運転状態にするので、例えば、エンジンの運転状態が停止する方向への遷移を防止することができ、運転者が再加速のために前記アクセルグリップを開方向に操作した場合であっても、エンジン出力のレスポンスの遅れを防止することができるとともに、エンジンストールの発生を抑えることができる。
【0057】
図4のステップS3で要求減速量が閾値より大きくないと判断された場合、ステップS5で車速が閾値より大きくないと判断された場合、ステップS7で前記アクセルグリップの開度が所定開度より小さくないと判断された場合、ステップS8でクラッチが接続されていないと判断された場合、及びステップS10でバンク角が所定値より小さくないと判断された場合は、ステップS23に進み、MG−ECU102は、ステップS2で算出した前記前輪ブレーキ及び前記後輪ブレーキのブレーキ油圧を制御することで、前記前輪ブレーキ及び前記後輪ブレーキを作動させる。
【0058】
このように、コーナリングの最中は(バンク角が所定値より小さいときの減速時は)、前記スロットルバルブの全開時に比べ、エンジン22のポンピングロスは減少せず、より大きな回生量を得ることは出来ないが、前記スロットルバルブは全閉のままなので、コーナーの中間から後半にかけて運転者がアクセルグリップを徐々に回動させても、該スロットルバルブは、全開の状態からスロットルバイワイヤ制御に移行することはなく(該スロットルバルブは全閉の状態から徐々に開き)、バンク状態時における運転者のアクセルグリップ操作に何ら影響を及ぼすことはなく、ドライバビリティが低下することはない。
【0059】
以上のように、自動二輪車10が減速状態のときは、原則として、インジェクタ110による燃料噴射及び点火プラグ111による点火を禁止するとともに、スロットルバルブを全開にするので、エンジン22のポンピングロスを減少させることができ、回生効率を向上させることができる。
【0060】
自動二輪車10が減速状態のときで、エンジン回転数が閾値より大きい場合は、インジェクタ110による燃料噴射及び点火プラグ111を禁止するとともに、全開スロットルバルブの全開処理を禁止して全閉のままにするので、エンジン回転数が高回転数の場合であっても、エンジン22のポンピングロスを有効に減少させることができ、回生効率を向上させることができる。
【0061】
自動二輪車10が減速状態のときであっても、前記触媒の温度が所定温度より高くない、つまり、所定温度以下の場合は、吸入空気量調整手段の全開処理を禁止するとともに、燃料噴射を禁止しないので、前記触媒を温めることができ、該触媒のエミッションを浄化する性能が低下することを防止することができる。
【0062】
自動二輪車10が減速状態のときであっても、バンク角が所定値より小さくない場合、つまり、バンク角が所定値以上の場合は、燃料噴射を禁止するとともに、前記スロットルバルブの全開処理を禁止して全閉のままにするので、コーナーの中間から後半にかけて運転者が前記アクセルグリップを徐々に回動させても、全開の状態からスロットルバイワイヤ制御に移行することはなく(前記スロットルバルブが全閉の状態から徐々に開くので、つまり、該スロットルバルブの開き方が、通常時のスロットルバイワイヤ制御と同じとなる)、バンク状態時における運転者の前記アクセルグリップ操作に何ら影響を及ぼすことがなく、ドライバビリティの低下を防止することができる。
【0063】
なお、上記実施の形態においては、クラッチ104を設け、エンジン22を後輪WRから切り離すことができる構成にしたが、クラッチ104を設けなくてもよい。
【0064】
また、上記実施の形態においては、エンジン22を後輪WRから切り離すことができる構成にしたが、エンジン22ではなく、モータ106を切り離すことができる構成にしてもよい。この場合は、エンジン22は、DCT108を介して後輪WRに接続され、モータ106は、クラッチ104を介してエンジン22に接続される。つまり、図2のエンジン22とモータ106との配置が逆になる。
【0065】
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、特許請求の範囲に記載された括弧書きの符号は、本発明の理解の容易化のために添付図面中の符号に倣って付したものであり、本発明がその符号をつけた要素に限定して解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
10…自動二輪車 22…エンジン
24…マフラー 100…回生システム
102…MG−ECU 104…クラッチ
106…モータ 108…DCT
110…インジェクタ 111…点火プラグ
112…FI−ECU 114…TBW装置
116…スロットル開度センサ 118…回転数センサ
120…クラッチアクチュエータ 122…アクチュエータ駆動部
124…モータ駆動部 126…バッテリ
128…TM−ECU 130…前輪ブレーキセンサ
132…後輪ブレーキセンサ 134…BRK−ECU
136…アクセル開度センサ 138…車速センサ
140…触媒温度センサ 142…バンク角センサ
144…クラッチ接続状態センサ 146…ギアポジションセンサ
148…モータ回転数センサ 150…回生トルクマップ記憶部
152…FC実行領域判定マップ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の第1駆動源であるエンジン(22)と、
バッテリ(126)から電力が供給されて前記エンジン(22)からの駆動力とは別に駆動力を駆動輪(WR)に出力するとともに、回生発電を行う第2の駆動源としてのモータ(106)と、
前記車両が減速状態のときには、前記モータ(106)の回生量を制御するとともに、前記エンジン(22)内に流入する空気の量を調整する吸入空気量調整手段の全開処理を行う制御手段(102)とを備えたハイブリッド車両(10)における回生システム(100)において、
前記車両の傾斜角を検出する傾斜検出手段(142)を備え、
前記制御手段(102)は、前記車両の前記傾斜角が所定値以上の場合には、前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を禁止する
ことを特徴とするハイブリッド車両(10)における回生システム(100)。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド車両(10)における回生システム(100)であって、
前記制御手段(102)は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以上の場合は、前記吸入空気量調整手段を全閉のままにする
ことを特徴とするハイブリッド車両(10)における回生システム(100)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のハイブリッド車両(10)における回生システム(100)であって、
前記エンジン(22)の排気ガスを浄化する触媒の温度を検出する触媒温度検出手段(140)と、
前記エンジン(22)内に流入する空気に燃料を噴射する燃料噴射装置(110)と、
を備え、
前記制御手段(102)は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以上でない場合であっても、前記触媒の温度が所定温度以下の場合は、前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を禁止するとともに、前記燃料噴射装置(110)による燃料噴射を禁止しない
ことを特徴とするハイブリッド車両(10)における回生システム(100)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両(10)における回生システム(100)であって、
エンジン回転数を検出する回転数検出手段(118)と、
前記エンジン(22)内に流入する空気に燃料を噴射する燃料噴射装置(110)と、
を備え、
前記制御手段(102)は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以下であり、且つ、前記エンジン回転数が閾値以下の場合に、前記燃料噴射装置(110)による燃料噴射を禁止して、前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を行う
ことを特徴とするハイブリッド車両(10)における回生システム(100)。
【請求項5】
請求項4に記載のハイブリッド車両(10)における回生システム(100)であって、
前記制御手段(102)は、前記車両の前記傾斜角が前記所定値以下であっても、前記エンジン回転数が閾値より大きい場合は、前記燃料噴射装置(110)による燃料噴射及び前記吸入空気量調整手段の前記全開処理を禁止する
ことを特徴とするハイブリッド車両(10)における回生システム(100)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−196979(P2012−196979A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60442(P2011−60442)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】