ハイブリッド車両の充電量制御装置
【課題】ハイブリッド車両の走行開始前に空調装置を作動させる場合でも、そのときにエンジンを始動して空調装置の作動用の電気エネルギーを生成する必要性を低下させる。
【解決手段】充電量制御装置は、学習処理において、走行前空調運転を行う場所として登録場所を記録し、当該登録場所で走行前空調運転を行う前に当該登録場所で車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして記録する。また、車両が当該登録場所を含むエリアの外から中に入ったことに基づいて、当該登録時刻Bを含む制御対象時間帯を算出し、車両が当該エリアの外から中に入った進入時刻が、当該制御対象時間帯内に入っているか否かを判定し(320、330、340)、入っていると判定した場合、バッテリの充電量が第1範囲内に収まるよう制御されている状態から、バッテリの充電量が第1範囲内よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する(350)。
【解決手段】充電量制御装置は、学習処理において、走行前空調運転を行う場所として登録場所を記録し、当該登録場所で走行前空調運転を行う前に当該登録場所で車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして記録する。また、車両が当該登録場所を含むエリアの外から中に入ったことに基づいて、当該登録時刻Bを含む制御対象時間帯を算出し、車両が当該エリアの外から中に入った進入時刻が、当該制御対象時間帯内に入っているか否かを判定し(320、330、340)、入っていると判定した場合、バッテリの充電量が第1範囲内に収まるよう制御されている状態から、バッテリの充電量が第1範囲内よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する(350)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両の充電量制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行開始前の段階において、空調装置を用いて車室内を暖めたり冷やしたりすること(走行前空調運転)が行われる。このようにすることで、冬場の朝や夏の炎天下において、車室内が極度に不快な状況のまま車両を出発させることなく、出発する時点から安全で快適なドライブを行うことができる。
【0003】
ところで、エンジンと電気モータを車両の駆動源とするハイブリッド車両には、電気モータ用のバッテリの電気エネルギーにより空調装置を作動させるが、当該バッテリの充電量が少ないと、エンジンが自動的に始動してバッテリに蓄電を行うようになっているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−265594号公報
【特許文献2】特開2009−120022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、車両の走行開始前に空調装置を作動させるため、作動用の電気エネルギーをエンジンによって生成すると、燃料を消費してしまい、燃費の低下を招いてしまう。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、車両の走行開始前に空調装置を作動させる場合でも、そのときにエンジンを始動して空調装置の作動用の電気エネルギーを生成する必要性を低下させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、内燃機関であるエンジンと電動機であるモータを駆動源として走行するハイブリッド車両において、前記モータ用のバッテリの充電量を制御する充電量制御装置であって、前記ハイブリッド車両を走行させる前にあらかじめ車室内を適温にするため空調装置を作動させる走行前空調運転を行う場所として、登録場所を記憶媒体(23)に記録し、また、前記登録場所で走行前空調運転を行う前に前記登録場所で前記ハイブリッド車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録する学習手段(200)と、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bを含む時間帯を算出し、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から前記所定の設定距離内のエリアの外から中に入った進入時刻が、算出した前記時間帯内に入っているか否かを判定する判定手段(320、330、340)と、前記進入時刻が前記時間帯内に入っていると前記判定手段が判定した場合、前記モータ用のバッテリの充電量が所定の第1範囲内に収まるよう制御されている状態から、前記モータ用のバッテリの充電量が前記第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する制御手段(350)と、を備えた充電量制御装置である。
【0008】
このように、走行前空調運転を行う可能性が高い場所が登録場所として記録され、当該登録場所で走行前空調運転を行う前にその登録場所で車両を駐車する時刻が登録時刻Bとして記録されると、充電量制御装置は、ハイブリッド車両がその登録場所に接近し、かつ、その接近時刻が、登録時刻Bを含む時間帯内にある場合、ハイブリッド車両がその登録場所で駐車後に走行前空調運転を行うと予測し、モータ用のバッテリの充電量が第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する。
【0009】
このようになっていることで、次に当該登録場所で走行前空調運転を行っても、バッテリの充電量が通常よりも大きくなっているので、そのときにエンジンを始動して空調装置の作動用の電気エネルギーを生成する必要性が低下する。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記学習手段は更に、前記登録場所で走行前空調運転を行う時刻を登録時刻Aとして前記記憶媒体(23)に記録し、前記判定手段(320、330、340)は、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bに基づく時刻を始点とし、前記登録時刻Aに基づく時刻を終点とする時間帯を算出し、算出した前記時間帯内に前記進入時刻が入っているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の充電量制御装置である。
【0011】
このように、登録場所で走行前空調運転を行う時刻が登録時刻Aとして記録され、登録時刻Bに基づく時刻を始点とし、前記登録時刻Aに基づく時刻を終点とする時間帯を、進入時刻と比較するようになっている。
【0012】
発明者の検討によれば、登録場所で走行前空調運転を行う前に当該登録場所でハイブリッド車両を駐車すると想定される登録時刻Bを相当過ぎた時刻に車両が登録場所に戻るとしても、その時刻が、走行前空調運転を開始すると想定される登録時刻Aの周囲か登録時刻Aよりも前であれば、やはり出発時に走行前空調運転を行う可能性は高い。したがって、このようにすることで、より効率的に充電量の制御ができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転時刻、走行前空調運転場所、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして記憶媒体(23)に記録する処理を繰り返し実行する走行前空調運転記録手段(100)を備え、前記学習手段(200)は、前記走行前空調運転記録手段(100)が前記走行前空調運転記録処理を繰り返し実行することによって前記記憶媒体(23)に記録された複数回数分の走行前空調運転のレコードに基づいて、走行前空調運転場所および走行前空調運転時刻が所定基準以上集中している複数の走行前空調運転レコードを抽出し、抽出した前記複数の走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転場所の代表位置を前記登録場所として前記記憶媒体(23)に記録すると共に、抽出した前記複数の走行前空調運転レコードにおける直前オフ時刻の代表時刻を中心とする時間範囲を設定し、当該時間範囲の過去の境界を前記登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録することを特徴とする請求項1または2に記載の充電量制御装置である。
【0014】
このように、実際の走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻に基づいて、統計的に登録場所および登録時刻Bを算出するので、ドライバは自ら登録場所および登録時刻Bとしてどの場所および時刻がよいのか考えて入力する必要が無く、その分利便性が高まる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、前記走行前空調運転記録手段(100)は、前記走行前空調運転記録処理において、IGオン後に設定時間以上前記ハイブリッド車両が停止したままであり、かつ、前記ハイブリッド車両の空調装置が作動しており、かつ、前記空調装置の設定温度と前記ハイブリッド車両の外部の外気温度との差が基準値以上であることに基づいて、当該IGオン時の前記ハイブリッド車両の位置、当該IGオンの時刻、および当該IGオンの直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻とし、これら走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻を1つの走行前空調運転レコードとして記憶媒体(23)に記録することを特徴とする請求項3に記載の請求項1ないし3のいずれか1つに記載の充電量制御装置である。
【0016】
このように、実際の走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻に基づいて、統計的に登録場所および登録時刻Bを算出するので、ドライバは自ら登録場所および登録時刻Bとしてどの場所および時刻がよいのか考えて入力する必要が無く、その分利便性が高まる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、前記判定手段(320、330、340)は、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記ハイブリッド車両の前記登録場所への予想到着所要時間を算出し、前記登録時刻Bを基準として前記予想到着所要時間だけ遡った時刻を始点とし、前記登録時刻Aを終点とする時間帯内に前記進入時刻が入っているか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の充電量制御装置である。このように、車両の登録場所への予想到着所要時間を加味して上記時間帯の始点を算出することで、より高い精度で充電制御を行うことができる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、内燃機関であるエンジンと電動機であるモータを駆動源として走行するハイブリッド車両において、前記モータ用のバッテリの充電量を制御する充電量制御装置に用いるプログラムであって、充電量制御装置を、前記ハイブリッド車両を走行させる前にあらかじめ車室内を適温にするため空調装置を作動させる走行前空調運転を行う場所として、登録場所を記憶媒体(23)に記録し、また、前記登録場所で走行前空調運転を行う前に前記登録場所で前記ハイブリッド車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録する学習手段(200)、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bを含む時間帯を算出し、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から前記所定の設定距離内のエリアの外から中に入った進入時刻が、算出した前記時間帯内に入っているか否かを判定する判定手段(320、330、340)、および、前記進入時刻が前記時間帯内に入っていると前記判定手段が判定した場合、前記モータ用のバッテリの充電量が所定の第1範囲内に収まるよう制御されている状態から、前記モータ用のバッテリの充電量が前記第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する制御手段(350)として機能させるプログラムである。このように、本発明の特徴はプログラムの発明としても捉えることができる。
【0019】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態が適用されるハイブリッド車両の構成例の図である。
【図2】充電量制御装置20の構成図である。
【図3】走行前空調運転記録処理のフローチャートである。
【図4】学習処理のフローチャートである。
【図5】地理領域31、32等および走行前空調運転レコード31a〜31d等を例示する図である。
【図6】同一領域・時間帯内レコード群35a〜35kの走行前空調運転時刻の分布を示す図である。
【図7】同一領域・時間帯内レコード群35a〜35kの直前オフ時刻の分布を示す図である。
【図8】監視処理300のフローチャートである。
【図9】ハイブリッド車両40が登録場所31eを中心とする円42の外から中に入る状態示す図である。
【図10】制御対象時間46の計算方法を示す図である。
【図11】充電制御のフローチャートである。
【図12】目標制御範囲の変化を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態が適用されるハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。このハイブリッド車両には、エンジン1、発電機2、モータ3、差動装置4、タイヤ5a、タイヤ5b、インバータ6、DCリンク7、インバータ8、バッテリ9、HV制御部10、位置検出器11、エアコンECU12、空調装置13、外気温センサ14、および充電量制御装置20が搭載されている。
【0022】
このハイブリッド車両は、エンジン1およびモータ3を動力源として走行する。エンジン1を動力源とする場合は、エンジン1の回転力が、図示しないクラッチ機構および差動装置4を介してタイヤ5a、5bに伝わる。また、モータ3を動力源とする場合は、モータ3の作動用のバッテリ9の直流電力がDCリンク7およびインバータ8を介して交流電力に変換され、その交流電力によってモータ3が作動し、このモータ3の回転力が、差動装置4を介してタイヤ5a、5bに伝わる。
【0023】
また、エンジン1の回転力は発電機2にも伝えられ、その回転力によって発電機2が交流電力を生成し、生成された交流電力はインバータ6、DCリンク7を介して直流電力に変換され、その直流電力がバッテリ9に蓄積される場合がある。このようなバッテリ9への充電は、燃料を使用したエンジン1の作動による充電である。以下、この種の充電を、内燃充電という。
【0024】
また、図示しない制動機構によりハイブリッド車両が減速すると、その減速時の抵抗力がモータ3に回転力として加わり、この回転力によってモータ3が交流電力を生成し、生成された交流電力がインバータ8、DCリンク7を介して直流電力に変換され、その直流電力がバッテリ9に蓄積される。以下、この種の充電を、回生充電という。
【0025】
HV制御部10は、バッテリ9の充電量(すなわち残量、以下同じ)が下限値から上限値の範囲内になるよう、発電機2、モータ3、インバータ6、インバータ8、バッテリ9の上述のような作動の実行・非実行等を制御する。HV制御部10は、例えばマイクロコンピュータを用いて実現してもよいし、下記のような機能を実現するための専用の回路構成を有するハードウェアであってもよい。
【0026】
より具体的にはHV制御部10は、上限SOC、下限SOC、現在SOCという3つの値を記憶しており、これら上限SOC、下限SOC、現在SOCに基づいた作動を行う。SOC(Stata of Charge)とは、バッテリの充電量を表す指標であり、その値が高いほど充電量が多い。現在SOCは、現在のバッテリ9のSOCを示す。HV制御部10は、この現在SOCの値を、逐次バッテリ9の状態を検出することで、繰り返し更新する。
【0027】
また、HV制御部10は、ハイブリッド車両の走行中、現在SOCが上限SOCから下限SOCまでの範囲内を維持する、エンジン1による車両の駆動、モータ3による車両の駆動、内燃充電、および回生充電のそれぞれについての実行・非実行を切り替える。
【0028】
例えば、現在SOCが下限SOCを下回った場合には、内燃充電を用いることで、燃料のエネルギーを電力エネルギーに変換し、バッテリ9に蓄積する。また、現在SOCが上限SOCを上回った場合には、モータ3の動力を主たる動力源としてハイブリッド車両を走行させることで、バッテリ9の充電量を下げる。
【0029】
なお、上限SOCおよび下限SOCは、それぞれ初期値がHV制御部10の不揮発性記憶媒体(例えばROM)に記録されており、HV制御部10の作動開始後、充電量制御装置20から上限SOCおよび下限SOCの変更指令を受けない限り、この上限SOCおよび下限SOCとして、これらの初期値を用いる。上限SOCおよび下限SOCの初期値は、例えば、満充電状態を100%とし、70%と30%である)
しかし、HV制御部10は、充電量制御装置20から上限SOCおよび下限SOCの変更指令を受けると、その変更指令の内容に従って、上限SOCおよび下限SOCを変化させる。
【0030】
位置検出器11は、GPS受信機、車速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ等の、車両の現在位置、進行方向、走行速度等を特定するための周知のセンサ群である。
【0031】
エアコンECU12は、ハイブリッド車両の車室内の冷房および暖房を行うための空調装置13を制御する装置である。このエアコンECU12は、車室内の気温が設定温度を維持するよう、空調装置13を制御する。設定温度は、図示しない温度設定操作部(例えばボタン)を用いてユーザの入力を受け付ける方法で取得してもよいし、他の方法で自動的に決定してもよい。なお、エアコンECU12は、空調装置13が作動中であるか否か、および、現在の設定温度を、定期的に(例えば1秒毎に)繰り返し充電量制御装置20に出力するようになっている。
【0032】
外気温センサ14は、ハイブリッド車両の外部(ハイブリッド車両の周囲)の温度(すなわち外気温)を検出し、検出した外気温を検出信号として出力するセンサである。
【0033】
充電量制御装置20は、位置検出器11、エアコンECU12から受けた信号に基づいて、必要に応じてHV制御部10に上限SOCおよび下限SOCの変更指令を出力することで、バッテリ9の充電量を制御する装置である。
【0034】
図2に示す様に、充電量制御装置20は、RAM21、ROM22、データ書き込み可能な保存用記憶媒体23、および制御部24を有している。保存用記憶媒体23は、充電量制御装置20の主電源の供給が停止してもデータを保持し続けることができる記憶媒体であり、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、EEPROM等の不揮発性記憶媒体、および、バックアップRAMのいずれかを採用することができる。
【0035】
制御部24は、ROM22または保存用記憶媒体23から読み出したプログラムを実行し、その実行の際にはRAM21、ROM22、および保存用記憶媒体23から情報を読み出し、RAM21および保存用記憶媒体23に対して情報の書き込みを行い、HV制御部10、位置検出器11、エアコンECU12、空調装置13、外気温センサ14と信号の授受を行う。具体的には、制御部24は、走行前空調運転記録処理100、学習処理200、監視処理300等の処理を、所定のプログラムを実行することで実現する。
【0036】
まず、走行前空調運転記録処理100について説明する。充電量制御装置20は、車両のIGおよびACCがオフでも、バッテリ(バッテリ9でもよいし、他のバッテリでもよい)から電力供給を受けて作動するようになっており、制御部24は、その作動中、常に走行前空調運転記録処理100を実行するようになっている。
【0037】
図3に、この走行前空調運転記録処理100のフローチャートを示す。制御部24は、まずステップ110で、ハイブリッド車両のIGがオンからオフに変化したか否かを判定し、オンからオフに変化していないと判定した場合、続いてステップ130に進み、IGがオフからオンに変化したか否か判定し、オフからオンに変化していないと判定した場合、続いてステップ110に戻る。従って、IGが変化しない間は、ステップ110およびステップ130の判定処理が繰り返される。
【0038】
例えば、ハイブリッド車両が夜にドライバの自宅まで走行し、自宅に到着後、ドライバの操作によりIGがオフになると、ステップ110でIGがオンからオフになったと判定し、続いてステップ120に進む。ステップ120では、現在時刻をIGオフ時刻として保存用記憶媒体23に記録し、ステップ130に進む。
【0039】
ステップ120に続いては、IGがオフからオンに変化するまでは、ステップ130およびステップ110の判定処理が繰り返される。そして、例えば次の朝、ドライバが車両に乗車し、IGをオンにしたとする。すると制御部24は、ステップ130でIGがオフからオンに変化したと判定してステップ140に進み、時間のカウントを開始する。
【0040】
続いてステップ150では、位置検出器11からの信号に基づいて、ハイブリッド車両の車速が0kmより大きいか否か、すなわち、車両が走行しているか否かを判定する。0kmより大きいと判定した場合、処理をステップ110に戻す。
【0041】
車速が0kmよりも大きくない(すなわち、ハイブリッド車両が停車中である)と判定すると、続いてステップ160に進む。ステップ160では、ステップ140の時間カウント開始後から設定時間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定すると、ステップ150に戻る。
【0042】
ここで、設定時間とは、IGオン後に走行前空調運転を行うのに通常かかる時間程度、ハイブリッド車両が停車していたか否かを判定するための時間であり、例えば、10分である。
【0043】
走行前空調運転とは、ハイブリッド車両を走行させる前にあらかじめ車室内を適温にするため空調装置13を作動させることをいう。例えば、冬の朝等の低温時には、車室内の温度を上げるための走行前空調運転(暖気運転)を行うことがあり、夏の日中等の高温時には車室内の温度を下げるための走行前空調運転を行うことがある。
【0044】
走行前空調運転を行う方法としては、例えば、車室内での操作による空調運転開始方法でもよいし、車室外での遠隔操作による空調運転開始方法でもよい。
【0045】
前者の場合、ドライバがハイブリッド車両に搭乗してIGをオンにし、所定の空調用の操作部(図示せず)を操作して、エアコンECU12に対して空調装置13の作動開始命令および設定温度をエアコンECU12に入力する。すると、エアコンECU12は、空調装置13の作動を開始させると共に、車室内を設定温度に近づけるよう、空調装置13を制御する。
【0046】
後者の場合、ドライバが車室外(例えば屋内)で無線通信装置(図示せず)を操作し、無線通信機能を有するエアコンECU12に対して空調装置13の作動開始命令および設定温度を送信する。これを受信したエアコンECU12は、空調装置13の作動を開始させると共に、車室内を設定温度に近づけるよう、空調装置13を制御する。
【0047】
なお、空調装置13は、バッテリ9から電力供給を受けて作動する。そこで、HV制御部10は、バッテリ9が過度に低下しないよう、バッテリ9の現在SOCを監視し、現在SOCが所定の基準値(例えば30%)を下回ると、エンジン1を始動させる。エンジン1が始動すると、HV制御部10は、バッテリ9を上限SOCと下限SOCの間に維持するための制御を行うので、バッテリ9の充電量が安定する。
【0048】
しかし、空調装置13を作動させるためにエンジン1を作動させると、燃料を消費してしまい、燃費の低下を招いてしまう。また、ハイブリッド車両停止したままエンジンを作動させると、排気ガス、騒音等により、ハイブリッド車両の周囲に悪影響を及ぼす恐れが高くなる。したがって、走行前空調運転では、できる限りエンジン1を作動させたくない。
【0049】
図3のステップ150、160の説明に戻る。IGがオンになった後は、車両が走行開始するか、または、IGオンから設定時間が経過するまで、ステップ150、160の処理が繰り返される。
【0050】
ハイブリッド車両で走行前空調運転が行われない場合は、設定時間が経過する前にハイブリッド車両が走行開始するのが殆どであり、そのような場合は、ステップ150からステップ110に処理が戻る。
【0051】
また、ハイブリッド車両で走行前空調運転が行われずとも、他の理由でハイブリッド車両が停止したまま設定時間が経過した場合、および、ハイブリッド車両で走行前空調運転が行われていることによりハイブリッド車両が停止したまま設定時間が経過した場合は、ステップ160からステップ170に進む。
【0052】
ステップ170では、エアコンECU12からの上述の信号に基づいて、空調装置13が作動中であるか否か、および、現在の設定温度を特定する。そして更に、外気温センサ14から検出信号を取得することで、ハイブリッド車両の外部かつハイブリッド車両の周囲の外気温を特定する。
【0053】
続いてステップ180では、「空調装置13が作動中かつ設定温度と外気温の差の絶対値が所定の閾値温度差(例えば10度)以上である」という条件が満たされるか否かを判定する。そして、満たされると判定した場合は、ステップ190に進み、満たされていないと判定した場合は、ステップ110に戻る。
【0054】
走行前空調運転をしていない場合は、空調装置13が作動中でないか、あるいは、作動中であっても、設定温度と外気温との差は大きくないことが殆どである。一方、走行前空調運転をしている場合は、当然空調装置13が作動中であり、かつ、設定温度と外気温との差が大きいことが殆どである。したがって、ステップ180から190に進むケースの殆どは、走行前空調運転をしている場合である。
【0055】
ステップ190では、今回のIGオン時のハイブリッド車両の位置、当該IGオンの時刻、および当該IGオンの直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして保存用記憶媒体23に追加記録する。
【0056】
今回のIGオン時のハイブリッド車両の位置は、ステップ190の時点において位置検出器11からの信号に基づいて特定したハイブリッド車両の現在位置を採用する。当該IGオンの時刻は、ステップ130でIGがオンに変化したと判定したときの時刻を採用してもよいが、ステップ190の時点における現在時刻を採用してもよい。IGオンの時刻の精度は10分程度で足りるからである。当該IGオンの直前のIGオフ時刻としては、最後に保存用記憶媒体23に記録されたIGオフ時刻を採用する。ステップ190の後はステップ110に戻る。
【0057】
このように、走行前空調運転記録処理100では、IGオン後に設定時間以上前記ハイブリッド車両が停止したままであり(ステップ150、160)、かつ、前記ハイブリッド車両の空調装置が作動しており、かつ、前記空調装置の設定温度と前記ハイブリッド車両の外部の外気温度との差が基準値以上である(ステップ180)ことに基づいて、当該IGオン時の前記ハイブリッド車両の位置、当該IGオンの時刻、および当該IGオンの直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして保存用記憶媒体23に記録する(ステップ190)。そして、ハイブリッド車両が駐車→IGオン→走行前空調運転という作動を行う度に、このようなステップ110〜190の処理が繰り返され、1つの走行前空調運転レコードが追加記録されていく。その結果、保存用記憶媒体23には、複数個の走行前空調運転レコードが保存された状態になる。なお、この走行前空調運転レコードには、当該走行前空調運転レコードを記録したときの日時も含める。
【0058】
次に、学習処理200について説明する。図4に、この学習処理200のフローチャートを示す。制御部24は、定期的に(例えば2週間間隔で)この学習処理200を実行するようになっている。
【0059】
そして、各回の学習処理200においては、保存用記憶媒体23に記録された走行前空調運転レコードのうち、現在から所定期間(例えば2週間でもよいし、1週間でもよいし、1ヶ月でもよい)遡った日時以降に記録された走行前空調運転レコードのみを対象として抽出し、ステップ210〜240の処理を行う。したがって、以下の学習処理200の説明においては、走行前空調運転レコードとは、現在から当該所定期間遡った日時以降に記録された走行前空調運転レコードをいう。
【0060】
まずステップ210では、図5に示すように、縦横10メートル程度で区画された複数の地理領域(図5中では4×4=16個の地理領域)の1つ1つについて、当該1つの地理領域内に走行前空調運転場所を有する走行前空調運転レコードの数を算出し、算出した数が所定の第1設定回数(例えば4回)分以上ある場合、当該1つの地理領域内の走行前空調運転場所を有する当該第1設定回数分以上の走行前空調運転レコードを、同一領域内レコード群として抽出する。
【0061】
例えば、図5の例では、白抜き円が1つの走行前空調運転レコードを表されており、地理領域31内に走行前空調運転場所を有する走行前空調運転レコード31a〜31dが4つあるので、これら走行前空調運転レコード31a〜31dが1まとまりの同一領域内レコード群として抽出される。また、地理領域32内に走行前空調運転場所を有する走行前空調運転レコードが4つ以上あるので、これら走行前空調運転レコードが、走行前空調運転レコード31a〜31dとは別に、1まとまりの同一領域内レコード群として抽出される。
【0062】
続いてステップ220では、ステップ210で抽出した同一領域内レコード群のそれぞれについて、当該同一領域内レコード群内で、ある1つの時間帯内に走行前空調運転時刻を有する走行前空調運転レコードが第2設定回数(例えば4回)分以上ある場合、当該1つの時間帯内の走行前空調運転時刻を有する当該第2設定回数分以上の走行前空調運転レコードを、1まとまりの同一領域・時間帯内レコード群として抽出する。
【0063】
例えば、抽出された図5の区画32に対応する同一領域内レコード群については、24時間を24個に等分することで、1時間単位の時間帯を設定し、それら時間帯の1つ1つについて、当該時間帯内に走行前空調運転時刻を有する走行前空調運転レコードの数を、当該同一領域内レコード群内で算出する。そして、その結果、例えば図6(a)に示すように、時間帯35内に走行前空調運転時刻を有する走行前空調運転レコード35a〜35kが11個(第2設定回数以上である)ある場合は、当該11個の走行前空調運転レコードを、1まとまりの同一領域・時間帯内レコード群として抽出する。
【0064】
このようなステップ210、220の処理を実行することで、走行前空調運転場所および走行前空調運転時刻が所定基準以上集中している複数の走行前空調運転レコードを、同一領域・時間帯内レコード群として抽出することができる。抽出できる同一領域・時間帯内レコード群は、1つの場合もあれば、2つ以上の場合もある。
【0065】
続いてステップ230では、ステップ220で抽出した同一領域・時間帯内レコード群のそれぞれについて、当該同一領域・時間帯内レコード群に属する走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転場所の代表位置を算出する。例えば、当該同一領域・時間帯内レコード群中の走行前空調運転場所の重心位置(図5の位置31e、32aに相当する)を代表位置としてもよいし、あるいは、それら走行前空調運転場所のうちの特定の1つ(例えば、最後に記録した走行前空調運転レコード中の走行前空調運転場所)を代表位置としてもよい。
【0066】
それと共にステップ230では、ステップ220で抽出した同一領域・時間帯内レコード群のそれぞれについて、当該同一領域・時間帯内レコード群に属する走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転時刻の代表時刻を算出する。例えば、当該同一領域・時間帯内レコード群に属する走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転時刻の平均時刻を代表時刻としてもよい。
【0067】
あるいは、同一領域・時間帯内レコード群35a〜35kを例に取ると、図6(b)に示すように、当該同一領域・時間帯内レコード群35a〜35kに対応する時間帯35を更に細かい小時間帯(例えば、15分単位の時間帯)に細分化し、その小時間帯のそれぞれについて、当該小時間帯に含まれる走行前空調運転時刻を有する走行前空調運転レコードの数を、当該同一領域・時間帯内レコード群35a〜35k内で算出する。そして、走行前空調運転レコードの数が最も多かった小時間帯36の中央時刻36aを、代表時刻としてもよい。
【0068】
そしてステップ230では、算出した代表位置を登録場所として保存用記憶媒体23に記録すると共に、算出した代表時刻を登録時刻Aとして保存用記憶媒体23に記録する。
【0069】
続いてステップ240では、ステップ220で抽出した同一領域・時間帯内レコード群のそれぞれについて、当該同一領域・時間帯内レコード群に属する走行前空調運転レコードにおける直前オフ時刻に基づいて、登録時刻Bを算出して保存用記憶媒体23に記録する。
【0070】
例えば、図6の同一領域・時間帯内レコード群35a〜35kを例に取ると、図7に示すように、24時間を15分単位で24×4=96個に等分割した時間帯を設定し、その時間帯のそれぞれについて、当該時間帯に含まれる直前オフ時刻を有する走行前空調運転レコードの数を、当該同一領域・時間帯内レコード群35a〜35k内で計算出する。そして、走行前空調運転レコードの数が最も多かった時間帯37の中央時刻37aを中心とする時間範囲38を設定し、当該時間範囲の過去の境界39を登録時刻Bとして保存用記憶媒体23に記録する。ここで、時間範囲38の長さは、当該同一領域・時間帯内レコード群35a〜35k中の直前オフ時刻のばらつきが大きいほど大きい値とし、例えば、それら直前オフ時刻の標準偏差σの3倍の値でもよいし、有意水準20%に対応する長さでもよい。なお、中央時刻37aは、当該同一領域・時間帯内レコード群35a〜35k内のオフ時刻の平均値でもよい。
【0071】
なお、このようにしてステップ230、240で算出された登録場所、登録時刻A、および登録時刻Bは、算出の元となった同一領域・時間帯内レコード群毎に組にして保存用記憶媒体23に記録される。ステップ240の後、1回分の学習処理200が終了する。
【0072】
このように、ステップ230、240では、同一領域・時間帯内レコード群毎に、走行前空調運転を行うと想定される場所として登録場所を記録し、当該登録場所で走行前空調運転を行うと想定される時刻を登録時刻Aとして記録し、当該登録場所で走行前空調運転を行う直前に当該登録場所でハイブリッド車両を駐車すると想定される時刻を登録時刻Bとして記録する。
【0073】
なお、ある回の学習処理200の実行時には、前回の学習処理200の実行時に保存用記憶媒体23に記録した登録場所、登録時刻A、登録時刻Bは、すべて削除する。このようにすることで、登録場所、登録時刻A、登録時刻Bが、情報として古すぎて実状に合わなくなる可能性が低下する。
【0074】
次に、監視処理300について説明する。制御部24は、車両の走行中に、この監視処理300を常時実行するようになっている。図8に、この監視処理300のフローチャートを示す。
【0075】
まずステップ310では、学習が完了しているか否かを判定する。具体的には、保存用記憶媒体23に、登録場所、登録時刻A、登録時刻Bが1組以上記録されているか否かを判定する。学習が完了していない間は、ステップ310を繰り返し、学習が完了したと判定すると、続いてステップ320に進む。
【0076】
ステップ320では、位置検出器11からの信号に基づいて、保存用記憶媒体23に記録されている登録場所のいずれかを中心とする半径が設定距離(例えば2km程度)の円の外から中にハイブリッド車両が入ったか否かを判定し、入っていなければステップ320の処理を繰り返し、入ったと判定すると、続いてステップ330に進む。
【0077】
例えば、図9に示すように、登録場所31eとして自宅のある場所が記録されているときに、ハイブリッド車両40が登録場所31eを中心とする半径が設定距離41の円42の外から中に入ると、ステップ320で入ったと判定し、ステップ330に進む。
【0078】
なお、設定距離は、内燃充電でバッテリ9の充電量を現在の下限SOCから目標のSOC(後述する第2範囲の下限のSOC)に上げるのに必要な走行距離に相当する。したがって、設定距離は、エンジン1の性能、バッテリ9の性能等に応じて決まるようになっている。また、現在の外気温に応じて設定距離を変化させてもよい。
【0079】
続いてステップ330では、ハイブリッド車両の当該登録場所への予想到着所要時間を算出する。予想到着所要時間は、現在位置から当該登録場所までの直線距離を所定の速度(例えば時速30km、または、過去10分間のハイブリッド車両の車速の平均値)で除算した結果を採用してもよいし、また、充電量制御装置20がナビゲーション装置用の道路地図データを記憶していれば、当該道路地図データに基づいて、現在位置から当該登録場所までの経路を算出し、算出した経路に沿った距離を、上述の所定の速度で除算した結果を採用してもよい。
【0080】
続いてステップ340では、制御対象時間を設定する。具体的には、図10に示すように、登録時刻B(49)を基準として予想到着所要時間45だけ遡った時刻44を始点とし、登録時刻A(36a)を終点とする時間帯を、制御対象時間46とする。
【0081】
更にステップ340では、ハイブリッド車両が当該登録場所から所定の設定距離内のエリア(円内)の外から中に入った時刻(すなわち、進入時刻)が、この制御対象時間46内に入っているか否かを判定し、入っていれば、ステップ350に進み、入っていなければ、ステップ320に戻り、新たにいずれかの登録場所を中心とする円の外から中に入るまで待つ。
【0082】
ステップ350では、充電制御を行う。図11に、この充電制御のフローチャートを示す。充電制御では、まずステップ351で、バッテリ9の充電量の目標制御範囲を変更する。具体的には、HV制御部10に、上限SOCおよび下限SOCの変更指令を出力する。この変更指令に含める変更後の上限SOCは、HV制御部10における初期値の上限SOCよりも大きく、また、この変更指令に含める変更後の下限SOCは、HV制御部10における初期値の下限SOCよりも大きい。例えば変更後の上限SOC、下限SOCを、それぞれ90%、50%とする。
【0083】
このような上限SOCおよび下限SOCの変更指令がHV制御部10に出力されると、HV制御部10は、現在の上限SOCおよび下限SOC(すなわち、初期値の上限SOCおよび下限SOC)を、当該変更指令に含まれる変更後の上限SOCおよび下限SOCに変更する。これにより、図12に示すように、初期値の上限SOCから下限SOCまでの範囲61が目標制御範囲となっていたのが、変更指令を受けたことにより、変更後の上限SOCから下限SOCまでの範囲62が、新たな目標制御範囲となる。
【0084】
そして、既に説明した通り、HV制御部10は、この新たな目標制御範囲62内にバッテリ9の充電量を維持するための制御を行うので、ハイブリッド車両が当該登録場所に到着するまでに、バッテリ9の充電量が増加し、新たな目標制御範囲62内に入る。
【0085】
ステップ351に続いては、ステップ353に進み、当該登録場所を中心とする設定距離の円の中から外にハイブリッド車両が出たか否かを判定する。出たと判定した場合は、続いてステップ359に進み、出ていないと判定した場合は、続いてステップ355に進む。
【0086】
ステップ355では、当該登録場所と組になっている登録時刻Aと現在時刻とを比べ、現在時刻が当該登録時刻Aを過ぎたか否かを判定し、過ぎていれると判定すれば続いてステップ359に進み、過ぎていないと判定すれば続いてステップ357に進む。
【0087】
ステップ357では、位置検出器11からの信号に基づいて算出した現在位置と登録場所の位置とを比較し、ハイブリッド車両が登録場所に到着したか否かを判定し、到着したと判定すれば続いてステップ359に進み、到着していないと判定すれば続いてステップ353に戻る。
【0088】
ステップ359では、バッテリ9の充電量の目標制御範囲を変更する。具体的には、HV制御部10に、上限SOCおよび下限SOCの変更指令を出力する。この変更指令には、最後に変更があった前の上限SOCおよび下限SOCに戻す命令を含める。
【0089】
このような上限SOCおよび下限SOCの変更指令がHV制御部10に出力されると、HV制御部10は、現在の上限SOCおよび下限SOCを、最後に変更があった前の上限SOCおよび下限SOC(すなわち、初期値の上限SOCおよび下限SOC)に戻す。これにより、バッテリ9の充電量の制御範囲が変更前の範囲61に戻る。
【0090】
なお、上限SOCおよび下限SOCを戻すときに用いるため、HV制御部10は、上限SOCおよび下限SOCの変更がある度に、その変更直前の上限SOCおよび下限SOCを記憶しておくようになっている。
【0091】
このように、現在の上限SOCおよび下限SOCを、最後に変更があった前の上限SOCおよび下限SOCに戻すことで、不必要なバッテリ9の増大を防止することができる。
【0092】
なお、図9の例で、登録時刻Aが午前7時で、登録時刻Bが午後10時であった場合は、車両が午後10時30分に円42内に入った後、円42を出ることなく10分で登録場所31eに到着した場合は、ステップ353→355→357→353のループをステップ357から抜け出してステップ359に進むことで、バッテリ9の制御範囲が元に戻る。ただしこのとき、既にバッテリ9の充電量は、元に戻る前の目標制御範囲62内に入っている。
【0093】
そして翌朝、ハイブリッド車両が走行前空調運転(例えば暖気運転)を開始する時点においては、バッテリ9の充電量は通常よりも高いので、走行前空調運転によってバッテリ9の充電量が低下しても、エンジン1が始動する可能性は低い。そして走行前空調運転の終了後、ハイブリッド車両が走行を開始したとき、既に目標制御範囲が元に戻っているので、バッテリ9が不必要に高い充電量で維持されることはない。
【0094】
また、図9の例で、登録時刻Aが午前7時で、登録時刻Bが午後10時であった場合は、車両が午前6時30分に円42内に入った後、円42を出ることなく、かつ、登録場所31eに到着することなく、午前7時を過ぎてしまった場合は、仮にその後ハイブリッド車両が登録場所31eに到着したとしても、走行前空調運転を行う可能性は低い。したがって、このような場合は、ステップ353→355→357→353のループをステップ355から出てステップ359に進み、バッテリ9の目標制御範囲を元に戻す。
【0095】
また、図9の例で、登録時刻Aが午前7時で、登録時刻Bが午後10時であった場合は、車両が午前11時に円42内に入った後、登録場所31eに到着することなく、午後11時10分に再び円42の中から外に出てしまった場合は、登録場所31eに向かうのではなく、単に登録場所31eの近辺を通過しただけと考えられる。したがって、このような場合は、ステップ353→355→357→353のループをステップ353から出てステップ359に進み、バッテリ9の目標制御範囲を元に戻す。
【0096】
以上説明した通り、本実施形態の充電量制御装置20は、学習処理200において、走行前空調運転を行う場所として登録場所を記録し、また、当該登録場所で走行前空調運転を行う前に当該登録場所でハイブリッド車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして記録する。
【0097】
また、ハイブリッド車両が当該登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、当該登録時刻Bを含む制御対象時間帯46を算出し、ハイブリッド車両が当該登録場所から当該所定の設定距離内のエリアの外から中に入った進入時刻が、当該制御対象時間帯46内に入っているか否かを判定する(320、330、340)。
【0098】
そして、進入時刻が当該制御対象時間帯46内に入っていると判定した場合、バッテリ9の充電量が所定の初期の目標制御範囲61(第1範囲の一例に相当する)内に収まるよう制御されている状態から、バッテリの充電量が初期の目標制御範囲61よりも上限および下限が大きい目標制御範囲62(第2範囲の一例に相当する)内に収まるよう制御する。
【0099】
このように、走行前空調運転を行う可能性が高い場所が登録場所として記録され、当該登録場所で走行前空調運転を行う前にその登録場所で車両を駐車する時刻が登録時刻Bとして記録されると、充電量制御装置は、ハイブリッド車両がその登録場所に接近し、かつ、その接近時刻が、登録時刻Bを含む時間帯内にある場合、ハイブリッド車両がその登録場所で駐車後に走行前空調運転を行うと予測し、モータ用のバッテリの充電量が第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する。
【0100】
このようになっていることで、次に当該登録場所で走行前空調運転を行っても、バッテリの充電量が通常よりも大きくなっているので、そのときにエンジンを始動して空調装置の作動用の電気エネルギーを生成する必要性が低下する。
【0101】
また、制御部24は、学習処理200において、当該登録場所で走行前空調運転を行う時刻を登録時刻Aとして記録し、また、ハイブリッド車両が当該登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、当該登録時刻Bに基づく時刻を始点とし、当該登録時刻Aに基づく時刻を終点とする時間帯を算出し、算出した時間帯内に進入時刻が入っているか否かを判定する。
【0102】
このように、登録場所で走行前空調運転を行う時刻が登録時刻Aとして記録され、登録時刻Bに基づく時刻を始点とし、前記登録時刻Aに基づく時刻を終点とする時間帯を、進入時刻と比較するようになっている。
【0103】
発明者の検討によれば、登録場所で走行前空調運転を行う前に当該登録場所でハイブリッド車両を駐車すると想定される登録時刻Bを相当過ぎた時刻に車両が登録場所に戻るとしても、その時刻が、走行前空調運転を開始すると想定される登録時刻Aの周囲か登録時刻Aよりも前であれば、やはり出発時に走行前空調運転を行う可能性は高い。したがって、このようにすることで、より効率的に充電量の制御ができる。
【0104】
また、制御部24は、走行前空調運転記録処理100において、走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻におけるハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして記憶媒体(23)に記録する処理を繰り返し実行する。
【0105】
そして学習処理200において、記録された複数回数分の走行前空調運転のレコードに基づいて、走行前空調運転場所および走行前空調運転時刻が所定基準以上集中している複数の走行前空調運転レコードを抽出し、抽出した複数の走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転場所の代表位置を登録場所として記録すると共に、抽出した複数の走行前空調運転レコードにおける直前オフ時刻の代表時刻を中心とする時間範囲を設定し、当該時間範囲の過去の境界を登録時刻Bとして記録する。
【0106】
このように、実際の走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻に基づいて、統計的に登録場所および登録時刻Bを算出するので、ドライバは自ら登録場所および登録時刻Bとしてどの場所および時刻がよいのか考えて入力する必要が無く、その分利便性が高まる。
【0107】
また充電量制御装置20は、走行前空調運転記録処理100において、走行前空調運転記録処理において、IGオン後に設定時間以上ハイブリッド車両が停止したままであり、かつ、ハイブリッド車両の空調装置が作動しており、かつ、空調装置の設定温度とハイブリッド車両の外部の外気温度との差が基準値以上であることに基づいて、当該IGオン時のハイブリッド車両の位置、当該IGオンの時刻、および当該IGオンの直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして記録する。
【0108】
このように、実際の走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻に基づいて、統計的に登録場所および登録時刻Bを算出するので、ドライバは自ら登録場所および登録時刻Bとしてどの場所および時刻がよいのか考えて入力する必要が無く、その分利便性が高まる。
【0109】
また、制御部24は、ハイブリッド車両が当該登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、当該ハイブリッド車両の当該登録場所への予想到着所要時間を算出し、当該登録時刻Bを基準として当該予想到着所要時間だけ遡った時刻を始点とし、当該登録時刻Aを終点とする時間帯内に当該進入時刻が入っているか否かを判定する。このように、車両の登録場所への予想到着所要時間を加味して上記時間帯の始点を算出することで、より高い精度で充電制御を行うことができる。
【0110】
なお、上記実施形態において、制御部24が、
学習処理200を実行することで学習手段の一例として機能し、監視処理300のステップ320、330、340を実行することで判定手段の一例として機能し、監視処理300のステップ350を実行することで制御手段の一例として機能する。
【0111】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。例えば、以下のような形態も許容される。
【0112】
上記実施形態では、IGオン後に設定時間以上ハイブリッド車両が停止したままであり、かつ、ハイブリッド車両の空調装置が作動しており、かつ、空調装置の設定温度とハイブリッド車両の外部の外気温度との差が基準値以上であることに基づいて、走行前空調運転が行われていると判定し、走行前空調運転レコードを記録するようになっている。しかし、他の方法で走行前空調運転が行われていることを判定するようになっていてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、走行前空調運転が行われていることを充電量制御装置20が自動的に判定し、走行前空調運転レコードを記録するようになっている。しかし、走行前空調運転レコー
ドは、別の方法で記録されるようになっていてもよい。例えば、走行前空調運転を行う度に、ドライバが手で操作部を操作して走行前空調運転レコードの情報を入力し、制御部24は、入力された情報に基づいて走行前空調運転レコードを記録するようになっていてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、充電量制御装置20は、走行前空調運転用の登録時刻A、B、登録場所を、走行前空調運転レコードに基づいて自動的に作成して記録するようになっている。しかし、登録時刻A、B、登録場所は、別の方法で記録されるようになっていてもよい。例えば、ドライバが、手で操作部を操作して、走行前空調運転を行うと想定される場所として登録場所を入力し、当該登録場所で走行前空調運転を行うと想定される時刻を登録時刻Aとして入力し、当該登録場所で走行前空調運転を行う直前に当該登録場所でハイブリッド車両を駐車すると想定される時刻を登録時刻Bとして入力し、制御部24は、入力された登録時刻A、B、登録場所を記録するようになっていてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、制御対象時間として、登録時刻Bを基準として予想到着所要時間45だけ遡った時刻44を始点とし、登録時刻Aを終点とする時間帯46を採用している。制御対象時間は、必ずしもこのようなものに限らず、その制御対象時間内にハイブリッド車両が当該登録場所に近づいたら、後に当該登録場所で走行前空調運転するであろうと想定される時間帯であればよい。
【0116】
例えば、制御対象時間の終点を、登録時刻Aから予想到着所要時間だけ遡った時刻としてもよい。また例えば、制御対象時間の終点を、登録時刻Bの1時間後に設定してもよい。つまり、始点は、登録時刻Bに基づく登録時刻Bの周囲の時間でよいし、始点は、登録時刻Aに基づく登録時刻Aの周囲の時間でよい。
【0117】
また、充電量制御装置20は、道路地図データを有し、道路地図データに基づいて現在位置から目的地までの経路を算出し、算出した経路を(画像表示装置および音声出力装置を用いて)案内するナビゲーションECUであってもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、外気温センサ14の検出信号が充電量制御装置20に直接出力されるようになっているが、外気温センサ14の検出信号がエアコンECU12に出力され、エアコンECU12が当該検出信号を充電量制御装置20に出力するようになっていてもよい。
【0119】
また、上記の実施形態において、制御回路24がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 エンジン
2 発電機
3 モータ
9 バッテリ
10 HV制御部
12 エアコンECU
13 空調装置
14 外気温センサ
20 充電量制御装置
24 制御部
46 制御対象時間帯
100 走行前空調運転記録処理
200 学習処理
300 監視処理
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両の充電量制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行開始前の段階において、空調装置を用いて車室内を暖めたり冷やしたりすること(走行前空調運転)が行われる。このようにすることで、冬場の朝や夏の炎天下において、車室内が極度に不快な状況のまま車両を出発させることなく、出発する時点から安全で快適なドライブを行うことができる。
【0003】
ところで、エンジンと電気モータを車両の駆動源とするハイブリッド車両には、電気モータ用のバッテリの電気エネルギーにより空調装置を作動させるが、当該バッテリの充電量が少ないと、エンジンが自動的に始動してバッテリに蓄電を行うようになっているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−265594号公報
【特許文献2】特開2009−120022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、車両の走行開始前に空調装置を作動させるため、作動用の電気エネルギーをエンジンによって生成すると、燃料を消費してしまい、燃費の低下を招いてしまう。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、車両の走行開始前に空調装置を作動させる場合でも、そのときにエンジンを始動して空調装置の作動用の電気エネルギーを生成する必要性を低下させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、内燃機関であるエンジンと電動機であるモータを駆動源として走行するハイブリッド車両において、前記モータ用のバッテリの充電量を制御する充電量制御装置であって、前記ハイブリッド車両を走行させる前にあらかじめ車室内を適温にするため空調装置を作動させる走行前空調運転を行う場所として、登録場所を記憶媒体(23)に記録し、また、前記登録場所で走行前空調運転を行う前に前記登録場所で前記ハイブリッド車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録する学習手段(200)と、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bを含む時間帯を算出し、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から前記所定の設定距離内のエリアの外から中に入った進入時刻が、算出した前記時間帯内に入っているか否かを判定する判定手段(320、330、340)と、前記進入時刻が前記時間帯内に入っていると前記判定手段が判定した場合、前記モータ用のバッテリの充電量が所定の第1範囲内に収まるよう制御されている状態から、前記モータ用のバッテリの充電量が前記第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する制御手段(350)と、を備えた充電量制御装置である。
【0008】
このように、走行前空調運転を行う可能性が高い場所が登録場所として記録され、当該登録場所で走行前空調運転を行う前にその登録場所で車両を駐車する時刻が登録時刻Bとして記録されると、充電量制御装置は、ハイブリッド車両がその登録場所に接近し、かつ、その接近時刻が、登録時刻Bを含む時間帯内にある場合、ハイブリッド車両がその登録場所で駐車後に走行前空調運転を行うと予測し、モータ用のバッテリの充電量が第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する。
【0009】
このようになっていることで、次に当該登録場所で走行前空調運転を行っても、バッテリの充電量が通常よりも大きくなっているので、そのときにエンジンを始動して空調装置の作動用の電気エネルギーを生成する必要性が低下する。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記学習手段は更に、前記登録場所で走行前空調運転を行う時刻を登録時刻Aとして前記記憶媒体(23)に記録し、前記判定手段(320、330、340)は、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bに基づく時刻を始点とし、前記登録時刻Aに基づく時刻を終点とする時間帯を算出し、算出した前記時間帯内に前記進入時刻が入っているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の充電量制御装置である。
【0011】
このように、登録場所で走行前空調運転を行う時刻が登録時刻Aとして記録され、登録時刻Bに基づく時刻を始点とし、前記登録時刻Aに基づく時刻を終点とする時間帯を、進入時刻と比較するようになっている。
【0012】
発明者の検討によれば、登録場所で走行前空調運転を行う前に当該登録場所でハイブリッド車両を駐車すると想定される登録時刻Bを相当過ぎた時刻に車両が登録場所に戻るとしても、その時刻が、走行前空調運転を開始すると想定される登録時刻Aの周囲か登録時刻Aよりも前であれば、やはり出発時に走行前空調運転を行う可能性は高い。したがって、このようにすることで、より効率的に充電量の制御ができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転時刻、走行前空調運転場所、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして記憶媒体(23)に記録する処理を繰り返し実行する走行前空調運転記録手段(100)を備え、前記学習手段(200)は、前記走行前空調運転記録手段(100)が前記走行前空調運転記録処理を繰り返し実行することによって前記記憶媒体(23)に記録された複数回数分の走行前空調運転のレコードに基づいて、走行前空調運転場所および走行前空調運転時刻が所定基準以上集中している複数の走行前空調運転レコードを抽出し、抽出した前記複数の走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転場所の代表位置を前記登録場所として前記記憶媒体(23)に記録すると共に、抽出した前記複数の走行前空調運転レコードにおける直前オフ時刻の代表時刻を中心とする時間範囲を設定し、当該時間範囲の過去の境界を前記登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録することを特徴とする請求項1または2に記載の充電量制御装置である。
【0014】
このように、実際の走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻に基づいて、統計的に登録場所および登録時刻Bを算出するので、ドライバは自ら登録場所および登録時刻Bとしてどの場所および時刻がよいのか考えて入力する必要が無く、その分利便性が高まる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、前記走行前空調運転記録手段(100)は、前記走行前空調運転記録処理において、IGオン後に設定時間以上前記ハイブリッド車両が停止したままであり、かつ、前記ハイブリッド車両の空調装置が作動しており、かつ、前記空調装置の設定温度と前記ハイブリッド車両の外部の外気温度との差が基準値以上であることに基づいて、当該IGオン時の前記ハイブリッド車両の位置、当該IGオンの時刻、および当該IGオンの直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻とし、これら走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻を1つの走行前空調運転レコードとして記憶媒体(23)に記録することを特徴とする請求項3に記載の請求項1ないし3のいずれか1つに記載の充電量制御装置である。
【0016】
このように、実際の走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻に基づいて、統計的に登録場所および登録時刻Bを算出するので、ドライバは自ら登録場所および登録時刻Bとしてどの場所および時刻がよいのか考えて入力する必要が無く、その分利便性が高まる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、前記判定手段(320、330、340)は、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記ハイブリッド車両の前記登録場所への予想到着所要時間を算出し、前記登録時刻Bを基準として前記予想到着所要時間だけ遡った時刻を始点とし、前記登録時刻Aを終点とする時間帯内に前記進入時刻が入っているか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の充電量制御装置である。このように、車両の登録場所への予想到着所要時間を加味して上記時間帯の始点を算出することで、より高い精度で充電制御を行うことができる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、内燃機関であるエンジンと電動機であるモータを駆動源として走行するハイブリッド車両において、前記モータ用のバッテリの充電量を制御する充電量制御装置に用いるプログラムであって、充電量制御装置を、前記ハイブリッド車両を走行させる前にあらかじめ車室内を適温にするため空調装置を作動させる走行前空調運転を行う場所として、登録場所を記憶媒体(23)に記録し、また、前記登録場所で走行前空調運転を行う前に前記登録場所で前記ハイブリッド車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録する学習手段(200)、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bを含む時間帯を算出し、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から前記所定の設定距離内のエリアの外から中に入った進入時刻が、算出した前記時間帯内に入っているか否かを判定する判定手段(320、330、340)、および、前記進入時刻が前記時間帯内に入っていると前記判定手段が判定した場合、前記モータ用のバッテリの充電量が所定の第1範囲内に収まるよう制御されている状態から、前記モータ用のバッテリの充電量が前記第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する制御手段(350)として機能させるプログラムである。このように、本発明の特徴はプログラムの発明としても捉えることができる。
【0019】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態が適用されるハイブリッド車両の構成例の図である。
【図2】充電量制御装置20の構成図である。
【図3】走行前空調運転記録処理のフローチャートである。
【図4】学習処理のフローチャートである。
【図5】地理領域31、32等および走行前空調運転レコード31a〜31d等を例示する図である。
【図6】同一領域・時間帯内レコード群35a〜35kの走行前空調運転時刻の分布を示す図である。
【図7】同一領域・時間帯内レコード群35a〜35kの直前オフ時刻の分布を示す図である。
【図8】監視処理300のフローチャートである。
【図9】ハイブリッド車両40が登録場所31eを中心とする円42の外から中に入る状態示す図である。
【図10】制御対象時間46の計算方法を示す図である。
【図11】充電制御のフローチャートである。
【図12】目標制御範囲の変化を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態が適用されるハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。このハイブリッド車両には、エンジン1、発電機2、モータ3、差動装置4、タイヤ5a、タイヤ5b、インバータ6、DCリンク7、インバータ8、バッテリ9、HV制御部10、位置検出器11、エアコンECU12、空調装置13、外気温センサ14、および充電量制御装置20が搭載されている。
【0022】
このハイブリッド車両は、エンジン1およびモータ3を動力源として走行する。エンジン1を動力源とする場合は、エンジン1の回転力が、図示しないクラッチ機構および差動装置4を介してタイヤ5a、5bに伝わる。また、モータ3を動力源とする場合は、モータ3の作動用のバッテリ9の直流電力がDCリンク7およびインバータ8を介して交流電力に変換され、その交流電力によってモータ3が作動し、このモータ3の回転力が、差動装置4を介してタイヤ5a、5bに伝わる。
【0023】
また、エンジン1の回転力は発電機2にも伝えられ、その回転力によって発電機2が交流電力を生成し、生成された交流電力はインバータ6、DCリンク7を介して直流電力に変換され、その直流電力がバッテリ9に蓄積される場合がある。このようなバッテリ9への充電は、燃料を使用したエンジン1の作動による充電である。以下、この種の充電を、内燃充電という。
【0024】
また、図示しない制動機構によりハイブリッド車両が減速すると、その減速時の抵抗力がモータ3に回転力として加わり、この回転力によってモータ3が交流電力を生成し、生成された交流電力がインバータ8、DCリンク7を介して直流電力に変換され、その直流電力がバッテリ9に蓄積される。以下、この種の充電を、回生充電という。
【0025】
HV制御部10は、バッテリ9の充電量(すなわち残量、以下同じ)が下限値から上限値の範囲内になるよう、発電機2、モータ3、インバータ6、インバータ8、バッテリ9の上述のような作動の実行・非実行等を制御する。HV制御部10は、例えばマイクロコンピュータを用いて実現してもよいし、下記のような機能を実現するための専用の回路構成を有するハードウェアであってもよい。
【0026】
より具体的にはHV制御部10は、上限SOC、下限SOC、現在SOCという3つの値を記憶しており、これら上限SOC、下限SOC、現在SOCに基づいた作動を行う。SOC(Stata of Charge)とは、バッテリの充電量を表す指標であり、その値が高いほど充電量が多い。現在SOCは、現在のバッテリ9のSOCを示す。HV制御部10は、この現在SOCの値を、逐次バッテリ9の状態を検出することで、繰り返し更新する。
【0027】
また、HV制御部10は、ハイブリッド車両の走行中、現在SOCが上限SOCから下限SOCまでの範囲内を維持する、エンジン1による車両の駆動、モータ3による車両の駆動、内燃充電、および回生充電のそれぞれについての実行・非実行を切り替える。
【0028】
例えば、現在SOCが下限SOCを下回った場合には、内燃充電を用いることで、燃料のエネルギーを電力エネルギーに変換し、バッテリ9に蓄積する。また、現在SOCが上限SOCを上回った場合には、モータ3の動力を主たる動力源としてハイブリッド車両を走行させることで、バッテリ9の充電量を下げる。
【0029】
なお、上限SOCおよび下限SOCは、それぞれ初期値がHV制御部10の不揮発性記憶媒体(例えばROM)に記録されており、HV制御部10の作動開始後、充電量制御装置20から上限SOCおよび下限SOCの変更指令を受けない限り、この上限SOCおよび下限SOCとして、これらの初期値を用いる。上限SOCおよび下限SOCの初期値は、例えば、満充電状態を100%とし、70%と30%である)
しかし、HV制御部10は、充電量制御装置20から上限SOCおよび下限SOCの変更指令を受けると、その変更指令の内容に従って、上限SOCおよび下限SOCを変化させる。
【0030】
位置検出器11は、GPS受信機、車速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ等の、車両の現在位置、進行方向、走行速度等を特定するための周知のセンサ群である。
【0031】
エアコンECU12は、ハイブリッド車両の車室内の冷房および暖房を行うための空調装置13を制御する装置である。このエアコンECU12は、車室内の気温が設定温度を維持するよう、空調装置13を制御する。設定温度は、図示しない温度設定操作部(例えばボタン)を用いてユーザの入力を受け付ける方法で取得してもよいし、他の方法で自動的に決定してもよい。なお、エアコンECU12は、空調装置13が作動中であるか否か、および、現在の設定温度を、定期的に(例えば1秒毎に)繰り返し充電量制御装置20に出力するようになっている。
【0032】
外気温センサ14は、ハイブリッド車両の外部(ハイブリッド車両の周囲)の温度(すなわち外気温)を検出し、検出した外気温を検出信号として出力するセンサである。
【0033】
充電量制御装置20は、位置検出器11、エアコンECU12から受けた信号に基づいて、必要に応じてHV制御部10に上限SOCおよび下限SOCの変更指令を出力することで、バッテリ9の充電量を制御する装置である。
【0034】
図2に示す様に、充電量制御装置20は、RAM21、ROM22、データ書き込み可能な保存用記憶媒体23、および制御部24を有している。保存用記憶媒体23は、充電量制御装置20の主電源の供給が停止してもデータを保持し続けることができる記憶媒体であり、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、EEPROM等の不揮発性記憶媒体、および、バックアップRAMのいずれかを採用することができる。
【0035】
制御部24は、ROM22または保存用記憶媒体23から読み出したプログラムを実行し、その実行の際にはRAM21、ROM22、および保存用記憶媒体23から情報を読み出し、RAM21および保存用記憶媒体23に対して情報の書き込みを行い、HV制御部10、位置検出器11、エアコンECU12、空調装置13、外気温センサ14と信号の授受を行う。具体的には、制御部24は、走行前空調運転記録処理100、学習処理200、監視処理300等の処理を、所定のプログラムを実行することで実現する。
【0036】
まず、走行前空調運転記録処理100について説明する。充電量制御装置20は、車両のIGおよびACCがオフでも、バッテリ(バッテリ9でもよいし、他のバッテリでもよい)から電力供給を受けて作動するようになっており、制御部24は、その作動中、常に走行前空調運転記録処理100を実行するようになっている。
【0037】
図3に、この走行前空調運転記録処理100のフローチャートを示す。制御部24は、まずステップ110で、ハイブリッド車両のIGがオンからオフに変化したか否かを判定し、オンからオフに変化していないと判定した場合、続いてステップ130に進み、IGがオフからオンに変化したか否か判定し、オフからオンに変化していないと判定した場合、続いてステップ110に戻る。従って、IGが変化しない間は、ステップ110およびステップ130の判定処理が繰り返される。
【0038】
例えば、ハイブリッド車両が夜にドライバの自宅まで走行し、自宅に到着後、ドライバの操作によりIGがオフになると、ステップ110でIGがオンからオフになったと判定し、続いてステップ120に進む。ステップ120では、現在時刻をIGオフ時刻として保存用記憶媒体23に記録し、ステップ130に進む。
【0039】
ステップ120に続いては、IGがオフからオンに変化するまでは、ステップ130およびステップ110の判定処理が繰り返される。そして、例えば次の朝、ドライバが車両に乗車し、IGをオンにしたとする。すると制御部24は、ステップ130でIGがオフからオンに変化したと判定してステップ140に進み、時間のカウントを開始する。
【0040】
続いてステップ150では、位置検出器11からの信号に基づいて、ハイブリッド車両の車速が0kmより大きいか否か、すなわち、車両が走行しているか否かを判定する。0kmより大きいと判定した場合、処理をステップ110に戻す。
【0041】
車速が0kmよりも大きくない(すなわち、ハイブリッド車両が停車中である)と判定すると、続いてステップ160に進む。ステップ160では、ステップ140の時間カウント開始後から設定時間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定すると、ステップ150に戻る。
【0042】
ここで、設定時間とは、IGオン後に走行前空調運転を行うのに通常かかる時間程度、ハイブリッド車両が停車していたか否かを判定するための時間であり、例えば、10分である。
【0043】
走行前空調運転とは、ハイブリッド車両を走行させる前にあらかじめ車室内を適温にするため空調装置13を作動させることをいう。例えば、冬の朝等の低温時には、車室内の温度を上げるための走行前空調運転(暖気運転)を行うことがあり、夏の日中等の高温時には車室内の温度を下げるための走行前空調運転を行うことがある。
【0044】
走行前空調運転を行う方法としては、例えば、車室内での操作による空調運転開始方法でもよいし、車室外での遠隔操作による空調運転開始方法でもよい。
【0045】
前者の場合、ドライバがハイブリッド車両に搭乗してIGをオンにし、所定の空調用の操作部(図示せず)を操作して、エアコンECU12に対して空調装置13の作動開始命令および設定温度をエアコンECU12に入力する。すると、エアコンECU12は、空調装置13の作動を開始させると共に、車室内を設定温度に近づけるよう、空調装置13を制御する。
【0046】
後者の場合、ドライバが車室外(例えば屋内)で無線通信装置(図示せず)を操作し、無線通信機能を有するエアコンECU12に対して空調装置13の作動開始命令および設定温度を送信する。これを受信したエアコンECU12は、空調装置13の作動を開始させると共に、車室内を設定温度に近づけるよう、空調装置13を制御する。
【0047】
なお、空調装置13は、バッテリ9から電力供給を受けて作動する。そこで、HV制御部10は、バッテリ9が過度に低下しないよう、バッテリ9の現在SOCを監視し、現在SOCが所定の基準値(例えば30%)を下回ると、エンジン1を始動させる。エンジン1が始動すると、HV制御部10は、バッテリ9を上限SOCと下限SOCの間に維持するための制御を行うので、バッテリ9の充電量が安定する。
【0048】
しかし、空調装置13を作動させるためにエンジン1を作動させると、燃料を消費してしまい、燃費の低下を招いてしまう。また、ハイブリッド車両停止したままエンジンを作動させると、排気ガス、騒音等により、ハイブリッド車両の周囲に悪影響を及ぼす恐れが高くなる。したがって、走行前空調運転では、できる限りエンジン1を作動させたくない。
【0049】
図3のステップ150、160の説明に戻る。IGがオンになった後は、車両が走行開始するか、または、IGオンから設定時間が経過するまで、ステップ150、160の処理が繰り返される。
【0050】
ハイブリッド車両で走行前空調運転が行われない場合は、設定時間が経過する前にハイブリッド車両が走行開始するのが殆どであり、そのような場合は、ステップ150からステップ110に処理が戻る。
【0051】
また、ハイブリッド車両で走行前空調運転が行われずとも、他の理由でハイブリッド車両が停止したまま設定時間が経過した場合、および、ハイブリッド車両で走行前空調運転が行われていることによりハイブリッド車両が停止したまま設定時間が経過した場合は、ステップ160からステップ170に進む。
【0052】
ステップ170では、エアコンECU12からの上述の信号に基づいて、空調装置13が作動中であるか否か、および、現在の設定温度を特定する。そして更に、外気温センサ14から検出信号を取得することで、ハイブリッド車両の外部かつハイブリッド車両の周囲の外気温を特定する。
【0053】
続いてステップ180では、「空調装置13が作動中かつ設定温度と外気温の差の絶対値が所定の閾値温度差(例えば10度)以上である」という条件が満たされるか否かを判定する。そして、満たされると判定した場合は、ステップ190に進み、満たされていないと判定した場合は、ステップ110に戻る。
【0054】
走行前空調運転をしていない場合は、空調装置13が作動中でないか、あるいは、作動中であっても、設定温度と外気温との差は大きくないことが殆どである。一方、走行前空調運転をしている場合は、当然空調装置13が作動中であり、かつ、設定温度と外気温との差が大きいことが殆どである。したがって、ステップ180から190に進むケースの殆どは、走行前空調運転をしている場合である。
【0055】
ステップ190では、今回のIGオン時のハイブリッド車両の位置、当該IGオンの時刻、および当該IGオンの直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして保存用記憶媒体23に追加記録する。
【0056】
今回のIGオン時のハイブリッド車両の位置は、ステップ190の時点において位置検出器11からの信号に基づいて特定したハイブリッド車両の現在位置を採用する。当該IGオンの時刻は、ステップ130でIGがオンに変化したと判定したときの時刻を採用してもよいが、ステップ190の時点における現在時刻を採用してもよい。IGオンの時刻の精度は10分程度で足りるからである。当該IGオンの直前のIGオフ時刻としては、最後に保存用記憶媒体23に記録されたIGオフ時刻を採用する。ステップ190の後はステップ110に戻る。
【0057】
このように、走行前空調運転記録処理100では、IGオン後に設定時間以上前記ハイブリッド車両が停止したままであり(ステップ150、160)、かつ、前記ハイブリッド車両の空調装置が作動しており、かつ、前記空調装置の設定温度と前記ハイブリッド車両の外部の外気温度との差が基準値以上である(ステップ180)ことに基づいて、当該IGオン時の前記ハイブリッド車両の位置、当該IGオンの時刻、および当該IGオンの直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして保存用記憶媒体23に記録する(ステップ190)。そして、ハイブリッド車両が駐車→IGオン→走行前空調運転という作動を行う度に、このようなステップ110〜190の処理が繰り返され、1つの走行前空調運転レコードが追加記録されていく。その結果、保存用記憶媒体23には、複数個の走行前空調運転レコードが保存された状態になる。なお、この走行前空調運転レコードには、当該走行前空調運転レコードを記録したときの日時も含める。
【0058】
次に、学習処理200について説明する。図4に、この学習処理200のフローチャートを示す。制御部24は、定期的に(例えば2週間間隔で)この学習処理200を実行するようになっている。
【0059】
そして、各回の学習処理200においては、保存用記憶媒体23に記録された走行前空調運転レコードのうち、現在から所定期間(例えば2週間でもよいし、1週間でもよいし、1ヶ月でもよい)遡った日時以降に記録された走行前空調運転レコードのみを対象として抽出し、ステップ210〜240の処理を行う。したがって、以下の学習処理200の説明においては、走行前空調運転レコードとは、現在から当該所定期間遡った日時以降に記録された走行前空調運転レコードをいう。
【0060】
まずステップ210では、図5に示すように、縦横10メートル程度で区画された複数の地理領域(図5中では4×4=16個の地理領域)の1つ1つについて、当該1つの地理領域内に走行前空調運転場所を有する走行前空調運転レコードの数を算出し、算出した数が所定の第1設定回数(例えば4回)分以上ある場合、当該1つの地理領域内の走行前空調運転場所を有する当該第1設定回数分以上の走行前空調運転レコードを、同一領域内レコード群として抽出する。
【0061】
例えば、図5の例では、白抜き円が1つの走行前空調運転レコードを表されており、地理領域31内に走行前空調運転場所を有する走行前空調運転レコード31a〜31dが4つあるので、これら走行前空調運転レコード31a〜31dが1まとまりの同一領域内レコード群として抽出される。また、地理領域32内に走行前空調運転場所を有する走行前空調運転レコードが4つ以上あるので、これら走行前空調運転レコードが、走行前空調運転レコード31a〜31dとは別に、1まとまりの同一領域内レコード群として抽出される。
【0062】
続いてステップ220では、ステップ210で抽出した同一領域内レコード群のそれぞれについて、当該同一領域内レコード群内で、ある1つの時間帯内に走行前空調運転時刻を有する走行前空調運転レコードが第2設定回数(例えば4回)分以上ある場合、当該1つの時間帯内の走行前空調運転時刻を有する当該第2設定回数分以上の走行前空調運転レコードを、1まとまりの同一領域・時間帯内レコード群として抽出する。
【0063】
例えば、抽出された図5の区画32に対応する同一領域内レコード群については、24時間を24個に等分することで、1時間単位の時間帯を設定し、それら時間帯の1つ1つについて、当該時間帯内に走行前空調運転時刻を有する走行前空調運転レコードの数を、当該同一領域内レコード群内で算出する。そして、その結果、例えば図6(a)に示すように、時間帯35内に走行前空調運転時刻を有する走行前空調運転レコード35a〜35kが11個(第2設定回数以上である)ある場合は、当該11個の走行前空調運転レコードを、1まとまりの同一領域・時間帯内レコード群として抽出する。
【0064】
このようなステップ210、220の処理を実行することで、走行前空調運転場所および走行前空調運転時刻が所定基準以上集中している複数の走行前空調運転レコードを、同一領域・時間帯内レコード群として抽出することができる。抽出できる同一領域・時間帯内レコード群は、1つの場合もあれば、2つ以上の場合もある。
【0065】
続いてステップ230では、ステップ220で抽出した同一領域・時間帯内レコード群のそれぞれについて、当該同一領域・時間帯内レコード群に属する走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転場所の代表位置を算出する。例えば、当該同一領域・時間帯内レコード群中の走行前空調運転場所の重心位置(図5の位置31e、32aに相当する)を代表位置としてもよいし、あるいは、それら走行前空調運転場所のうちの特定の1つ(例えば、最後に記録した走行前空調運転レコード中の走行前空調運転場所)を代表位置としてもよい。
【0066】
それと共にステップ230では、ステップ220で抽出した同一領域・時間帯内レコード群のそれぞれについて、当該同一領域・時間帯内レコード群に属する走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転時刻の代表時刻を算出する。例えば、当該同一領域・時間帯内レコード群に属する走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転時刻の平均時刻を代表時刻としてもよい。
【0067】
あるいは、同一領域・時間帯内レコード群35a〜35kを例に取ると、図6(b)に示すように、当該同一領域・時間帯内レコード群35a〜35kに対応する時間帯35を更に細かい小時間帯(例えば、15分単位の時間帯)に細分化し、その小時間帯のそれぞれについて、当該小時間帯に含まれる走行前空調運転時刻を有する走行前空調運転レコードの数を、当該同一領域・時間帯内レコード群35a〜35k内で算出する。そして、走行前空調運転レコードの数が最も多かった小時間帯36の中央時刻36aを、代表時刻としてもよい。
【0068】
そしてステップ230では、算出した代表位置を登録場所として保存用記憶媒体23に記録すると共に、算出した代表時刻を登録時刻Aとして保存用記憶媒体23に記録する。
【0069】
続いてステップ240では、ステップ220で抽出した同一領域・時間帯内レコード群のそれぞれについて、当該同一領域・時間帯内レコード群に属する走行前空調運転レコードにおける直前オフ時刻に基づいて、登録時刻Bを算出して保存用記憶媒体23に記録する。
【0070】
例えば、図6の同一領域・時間帯内レコード群35a〜35kを例に取ると、図7に示すように、24時間を15分単位で24×4=96個に等分割した時間帯を設定し、その時間帯のそれぞれについて、当該時間帯に含まれる直前オフ時刻を有する走行前空調運転レコードの数を、当該同一領域・時間帯内レコード群35a〜35k内で計算出する。そして、走行前空調運転レコードの数が最も多かった時間帯37の中央時刻37aを中心とする時間範囲38を設定し、当該時間範囲の過去の境界39を登録時刻Bとして保存用記憶媒体23に記録する。ここで、時間範囲38の長さは、当該同一領域・時間帯内レコード群35a〜35k中の直前オフ時刻のばらつきが大きいほど大きい値とし、例えば、それら直前オフ時刻の標準偏差σの3倍の値でもよいし、有意水準20%に対応する長さでもよい。なお、中央時刻37aは、当該同一領域・時間帯内レコード群35a〜35k内のオフ時刻の平均値でもよい。
【0071】
なお、このようにしてステップ230、240で算出された登録場所、登録時刻A、および登録時刻Bは、算出の元となった同一領域・時間帯内レコード群毎に組にして保存用記憶媒体23に記録される。ステップ240の後、1回分の学習処理200が終了する。
【0072】
このように、ステップ230、240では、同一領域・時間帯内レコード群毎に、走行前空調運転を行うと想定される場所として登録場所を記録し、当該登録場所で走行前空調運転を行うと想定される時刻を登録時刻Aとして記録し、当該登録場所で走行前空調運転を行う直前に当該登録場所でハイブリッド車両を駐車すると想定される時刻を登録時刻Bとして記録する。
【0073】
なお、ある回の学習処理200の実行時には、前回の学習処理200の実行時に保存用記憶媒体23に記録した登録場所、登録時刻A、登録時刻Bは、すべて削除する。このようにすることで、登録場所、登録時刻A、登録時刻Bが、情報として古すぎて実状に合わなくなる可能性が低下する。
【0074】
次に、監視処理300について説明する。制御部24は、車両の走行中に、この監視処理300を常時実行するようになっている。図8に、この監視処理300のフローチャートを示す。
【0075】
まずステップ310では、学習が完了しているか否かを判定する。具体的には、保存用記憶媒体23に、登録場所、登録時刻A、登録時刻Bが1組以上記録されているか否かを判定する。学習が完了していない間は、ステップ310を繰り返し、学習が完了したと判定すると、続いてステップ320に進む。
【0076】
ステップ320では、位置検出器11からの信号に基づいて、保存用記憶媒体23に記録されている登録場所のいずれかを中心とする半径が設定距離(例えば2km程度)の円の外から中にハイブリッド車両が入ったか否かを判定し、入っていなければステップ320の処理を繰り返し、入ったと判定すると、続いてステップ330に進む。
【0077】
例えば、図9に示すように、登録場所31eとして自宅のある場所が記録されているときに、ハイブリッド車両40が登録場所31eを中心とする半径が設定距離41の円42の外から中に入ると、ステップ320で入ったと判定し、ステップ330に進む。
【0078】
なお、設定距離は、内燃充電でバッテリ9の充電量を現在の下限SOCから目標のSOC(後述する第2範囲の下限のSOC)に上げるのに必要な走行距離に相当する。したがって、設定距離は、エンジン1の性能、バッテリ9の性能等に応じて決まるようになっている。また、現在の外気温に応じて設定距離を変化させてもよい。
【0079】
続いてステップ330では、ハイブリッド車両の当該登録場所への予想到着所要時間を算出する。予想到着所要時間は、現在位置から当該登録場所までの直線距離を所定の速度(例えば時速30km、または、過去10分間のハイブリッド車両の車速の平均値)で除算した結果を採用してもよいし、また、充電量制御装置20がナビゲーション装置用の道路地図データを記憶していれば、当該道路地図データに基づいて、現在位置から当該登録場所までの経路を算出し、算出した経路に沿った距離を、上述の所定の速度で除算した結果を採用してもよい。
【0080】
続いてステップ340では、制御対象時間を設定する。具体的には、図10に示すように、登録時刻B(49)を基準として予想到着所要時間45だけ遡った時刻44を始点とし、登録時刻A(36a)を終点とする時間帯を、制御対象時間46とする。
【0081】
更にステップ340では、ハイブリッド車両が当該登録場所から所定の設定距離内のエリア(円内)の外から中に入った時刻(すなわち、進入時刻)が、この制御対象時間46内に入っているか否かを判定し、入っていれば、ステップ350に進み、入っていなければ、ステップ320に戻り、新たにいずれかの登録場所を中心とする円の外から中に入るまで待つ。
【0082】
ステップ350では、充電制御を行う。図11に、この充電制御のフローチャートを示す。充電制御では、まずステップ351で、バッテリ9の充電量の目標制御範囲を変更する。具体的には、HV制御部10に、上限SOCおよび下限SOCの変更指令を出力する。この変更指令に含める変更後の上限SOCは、HV制御部10における初期値の上限SOCよりも大きく、また、この変更指令に含める変更後の下限SOCは、HV制御部10における初期値の下限SOCよりも大きい。例えば変更後の上限SOC、下限SOCを、それぞれ90%、50%とする。
【0083】
このような上限SOCおよび下限SOCの変更指令がHV制御部10に出力されると、HV制御部10は、現在の上限SOCおよび下限SOC(すなわち、初期値の上限SOCおよび下限SOC)を、当該変更指令に含まれる変更後の上限SOCおよび下限SOCに変更する。これにより、図12に示すように、初期値の上限SOCから下限SOCまでの範囲61が目標制御範囲となっていたのが、変更指令を受けたことにより、変更後の上限SOCから下限SOCまでの範囲62が、新たな目標制御範囲となる。
【0084】
そして、既に説明した通り、HV制御部10は、この新たな目標制御範囲62内にバッテリ9の充電量を維持するための制御を行うので、ハイブリッド車両が当該登録場所に到着するまでに、バッテリ9の充電量が増加し、新たな目標制御範囲62内に入る。
【0085】
ステップ351に続いては、ステップ353に進み、当該登録場所を中心とする設定距離の円の中から外にハイブリッド車両が出たか否かを判定する。出たと判定した場合は、続いてステップ359に進み、出ていないと判定した場合は、続いてステップ355に進む。
【0086】
ステップ355では、当該登録場所と組になっている登録時刻Aと現在時刻とを比べ、現在時刻が当該登録時刻Aを過ぎたか否かを判定し、過ぎていれると判定すれば続いてステップ359に進み、過ぎていないと判定すれば続いてステップ357に進む。
【0087】
ステップ357では、位置検出器11からの信号に基づいて算出した現在位置と登録場所の位置とを比較し、ハイブリッド車両が登録場所に到着したか否かを判定し、到着したと判定すれば続いてステップ359に進み、到着していないと判定すれば続いてステップ353に戻る。
【0088】
ステップ359では、バッテリ9の充電量の目標制御範囲を変更する。具体的には、HV制御部10に、上限SOCおよび下限SOCの変更指令を出力する。この変更指令には、最後に変更があった前の上限SOCおよび下限SOCに戻す命令を含める。
【0089】
このような上限SOCおよび下限SOCの変更指令がHV制御部10に出力されると、HV制御部10は、現在の上限SOCおよび下限SOCを、最後に変更があった前の上限SOCおよび下限SOC(すなわち、初期値の上限SOCおよび下限SOC)に戻す。これにより、バッテリ9の充電量の制御範囲が変更前の範囲61に戻る。
【0090】
なお、上限SOCおよび下限SOCを戻すときに用いるため、HV制御部10は、上限SOCおよび下限SOCの変更がある度に、その変更直前の上限SOCおよび下限SOCを記憶しておくようになっている。
【0091】
このように、現在の上限SOCおよび下限SOCを、最後に変更があった前の上限SOCおよび下限SOCに戻すことで、不必要なバッテリ9の増大を防止することができる。
【0092】
なお、図9の例で、登録時刻Aが午前7時で、登録時刻Bが午後10時であった場合は、車両が午後10時30分に円42内に入った後、円42を出ることなく10分で登録場所31eに到着した場合は、ステップ353→355→357→353のループをステップ357から抜け出してステップ359に進むことで、バッテリ9の制御範囲が元に戻る。ただしこのとき、既にバッテリ9の充電量は、元に戻る前の目標制御範囲62内に入っている。
【0093】
そして翌朝、ハイブリッド車両が走行前空調運転(例えば暖気運転)を開始する時点においては、バッテリ9の充電量は通常よりも高いので、走行前空調運転によってバッテリ9の充電量が低下しても、エンジン1が始動する可能性は低い。そして走行前空調運転の終了後、ハイブリッド車両が走行を開始したとき、既に目標制御範囲が元に戻っているので、バッテリ9が不必要に高い充電量で維持されることはない。
【0094】
また、図9の例で、登録時刻Aが午前7時で、登録時刻Bが午後10時であった場合は、車両が午前6時30分に円42内に入った後、円42を出ることなく、かつ、登録場所31eに到着することなく、午前7時を過ぎてしまった場合は、仮にその後ハイブリッド車両が登録場所31eに到着したとしても、走行前空調運転を行う可能性は低い。したがって、このような場合は、ステップ353→355→357→353のループをステップ355から出てステップ359に進み、バッテリ9の目標制御範囲を元に戻す。
【0095】
また、図9の例で、登録時刻Aが午前7時で、登録時刻Bが午後10時であった場合は、車両が午前11時に円42内に入った後、登録場所31eに到着することなく、午後11時10分に再び円42の中から外に出てしまった場合は、登録場所31eに向かうのではなく、単に登録場所31eの近辺を通過しただけと考えられる。したがって、このような場合は、ステップ353→355→357→353のループをステップ353から出てステップ359に進み、バッテリ9の目標制御範囲を元に戻す。
【0096】
以上説明した通り、本実施形態の充電量制御装置20は、学習処理200において、走行前空調運転を行う場所として登録場所を記録し、また、当該登録場所で走行前空調運転を行う前に当該登録場所でハイブリッド車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして記録する。
【0097】
また、ハイブリッド車両が当該登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、当該登録時刻Bを含む制御対象時間帯46を算出し、ハイブリッド車両が当該登録場所から当該所定の設定距離内のエリアの外から中に入った進入時刻が、当該制御対象時間帯46内に入っているか否かを判定する(320、330、340)。
【0098】
そして、進入時刻が当該制御対象時間帯46内に入っていると判定した場合、バッテリ9の充電量が所定の初期の目標制御範囲61(第1範囲の一例に相当する)内に収まるよう制御されている状態から、バッテリの充電量が初期の目標制御範囲61よりも上限および下限が大きい目標制御範囲62(第2範囲の一例に相当する)内に収まるよう制御する。
【0099】
このように、走行前空調運転を行う可能性が高い場所が登録場所として記録され、当該登録場所で走行前空調運転を行う前にその登録場所で車両を駐車する時刻が登録時刻Bとして記録されると、充電量制御装置は、ハイブリッド車両がその登録場所に接近し、かつ、その接近時刻が、登録時刻Bを含む時間帯内にある場合、ハイブリッド車両がその登録場所で駐車後に走行前空調運転を行うと予測し、モータ用のバッテリの充電量が第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する。
【0100】
このようになっていることで、次に当該登録場所で走行前空調運転を行っても、バッテリの充電量が通常よりも大きくなっているので、そのときにエンジンを始動して空調装置の作動用の電気エネルギーを生成する必要性が低下する。
【0101】
また、制御部24は、学習処理200において、当該登録場所で走行前空調運転を行う時刻を登録時刻Aとして記録し、また、ハイブリッド車両が当該登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、当該登録時刻Bに基づく時刻を始点とし、当該登録時刻Aに基づく時刻を終点とする時間帯を算出し、算出した時間帯内に進入時刻が入っているか否かを判定する。
【0102】
このように、登録場所で走行前空調運転を行う時刻が登録時刻Aとして記録され、登録時刻Bに基づく時刻を始点とし、前記登録時刻Aに基づく時刻を終点とする時間帯を、進入時刻と比較するようになっている。
【0103】
発明者の検討によれば、登録場所で走行前空調運転を行う前に当該登録場所でハイブリッド車両を駐車すると想定される登録時刻Bを相当過ぎた時刻に車両が登録場所に戻るとしても、その時刻が、走行前空調運転を開始すると想定される登録時刻Aの周囲か登録時刻Aよりも前であれば、やはり出発時に走行前空調運転を行う可能性は高い。したがって、このようにすることで、より効率的に充電量の制御ができる。
【0104】
また、制御部24は、走行前空調運転記録処理100において、走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻におけるハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして記憶媒体(23)に記録する処理を繰り返し実行する。
【0105】
そして学習処理200において、記録された複数回数分の走行前空調運転のレコードに基づいて、走行前空調運転場所および走行前空調運転時刻が所定基準以上集中している複数の走行前空調運転レコードを抽出し、抽出した複数の走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転場所の代表位置を登録場所として記録すると共に、抽出した複数の走行前空調運転レコードにおける直前オフ時刻の代表時刻を中心とする時間範囲を設定し、当該時間範囲の過去の境界を登録時刻Bとして記録する。
【0106】
このように、実際の走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻に基づいて、統計的に登録場所および登録時刻Bを算出するので、ドライバは自ら登録場所および登録時刻Bとしてどの場所および時刻がよいのか考えて入力する必要が無く、その分利便性が高まる。
【0107】
また充電量制御装置20は、走行前空調運転記録処理100において、走行前空調運転記録処理において、IGオン後に設定時間以上ハイブリッド車両が停止したままであり、かつ、ハイブリッド車両の空調装置が作動しており、かつ、空調装置の設定温度とハイブリッド車両の外部の外気温度との差が基準値以上であることに基づいて、当該IGオン時のハイブリッド車両の位置、当該IGオンの時刻、および当該IGオンの直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして記録する。
【0108】
このように、実際の走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻に基づいて、統計的に登録場所および登録時刻Bを算出するので、ドライバは自ら登録場所および登録時刻Bとしてどの場所および時刻がよいのか考えて入力する必要が無く、その分利便性が高まる。
【0109】
また、制御部24は、ハイブリッド車両が当該登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、当該ハイブリッド車両の当該登録場所への予想到着所要時間を算出し、当該登録時刻Bを基準として当該予想到着所要時間だけ遡った時刻を始点とし、当該登録時刻Aを終点とする時間帯内に当該進入時刻が入っているか否かを判定する。このように、車両の登録場所への予想到着所要時間を加味して上記時間帯の始点を算出することで、より高い精度で充電制御を行うことができる。
【0110】
なお、上記実施形態において、制御部24が、
学習処理200を実行することで学習手段の一例として機能し、監視処理300のステップ320、330、340を実行することで判定手段の一例として機能し、監視処理300のステップ350を実行することで制御手段の一例として機能する。
【0111】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。例えば、以下のような形態も許容される。
【0112】
上記実施形態では、IGオン後に設定時間以上ハイブリッド車両が停止したままであり、かつ、ハイブリッド車両の空調装置が作動しており、かつ、空調装置の設定温度とハイブリッド車両の外部の外気温度との差が基準値以上であることに基づいて、走行前空調運転が行われていると判定し、走行前空調運転レコードを記録するようになっている。しかし、他の方法で走行前空調運転が行われていることを判定するようになっていてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、走行前空調運転が行われていることを充電量制御装置20が自動的に判定し、走行前空調運転レコードを記録するようになっている。しかし、走行前空調運転レコー
ドは、別の方法で記録されるようになっていてもよい。例えば、走行前空調運転を行う度に、ドライバが手で操作部を操作して走行前空調運転レコードの情報を入力し、制御部24は、入力された情報に基づいて走行前空調運転レコードを記録するようになっていてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、充電量制御装置20は、走行前空調運転用の登録時刻A、B、登録場所を、走行前空調運転レコードに基づいて自動的に作成して記録するようになっている。しかし、登録時刻A、B、登録場所は、別の方法で記録されるようになっていてもよい。例えば、ドライバが、手で操作部を操作して、走行前空調運転を行うと想定される場所として登録場所を入力し、当該登録場所で走行前空調運転を行うと想定される時刻を登録時刻Aとして入力し、当該登録場所で走行前空調運転を行う直前に当該登録場所でハイブリッド車両を駐車すると想定される時刻を登録時刻Bとして入力し、制御部24は、入力された登録時刻A、B、登録場所を記録するようになっていてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、制御対象時間として、登録時刻Bを基準として予想到着所要時間45だけ遡った時刻44を始点とし、登録時刻Aを終点とする時間帯46を採用している。制御対象時間は、必ずしもこのようなものに限らず、その制御対象時間内にハイブリッド車両が当該登録場所に近づいたら、後に当該登録場所で走行前空調運転するであろうと想定される時間帯であればよい。
【0116】
例えば、制御対象時間の終点を、登録時刻Aから予想到着所要時間だけ遡った時刻としてもよい。また例えば、制御対象時間の終点を、登録時刻Bの1時間後に設定してもよい。つまり、始点は、登録時刻Bに基づく登録時刻Bの周囲の時間でよいし、始点は、登録時刻Aに基づく登録時刻Aの周囲の時間でよい。
【0117】
また、充電量制御装置20は、道路地図データを有し、道路地図データに基づいて現在位置から目的地までの経路を算出し、算出した経路を(画像表示装置および音声出力装置を用いて)案内するナビゲーションECUであってもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、外気温センサ14の検出信号が充電量制御装置20に直接出力されるようになっているが、外気温センサ14の検出信号がエアコンECU12に出力され、エアコンECU12が当該検出信号を充電量制御装置20に出力するようになっていてもよい。
【0119】
また、上記の実施形態において、制御回路24がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 エンジン
2 発電機
3 モータ
9 バッテリ
10 HV制御部
12 エアコンECU
13 空調装置
14 外気温センサ
20 充電量制御装置
24 制御部
46 制御対象時間帯
100 走行前空調運転記録処理
200 学習処理
300 監視処理
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関であるエンジンと電動機であるモータを駆動源として走行するハイブリッド車両において、前記モータ用のバッテリの充電量を制御する充電量制御装置であって、
前記ハイブリッド車両を走行させる前にあらかじめ車室内を適温にするため空調装置を作動させる走行前空調運転を行う場所として、登録場所を記憶媒体(23)に記録し、また、前記登録場所で走行前空調運転を行う前に前記登録場所で前記ハイブリッド車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録する学習手段(200)と、
前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bを含む時間帯を算出し、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から前記所定の設定距離内のエリアの外から中に入った進入時刻が、算出した前記時間帯内に入っているか否かを判定する判定手段(320、330、340)と、
前記進入時刻が前記時間帯内に入っていると前記判定手段が判定した場合、前記モータ用のバッテリの充電量が所定の第1範囲内に収まるよう制御されている状態から、前記モータ用のバッテリの充電量が前記第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する制御手段(350)と、を備えた充電量制御装置。
【請求項2】
前記学習手段は更に、前記登録場所で走行前空調運転を行う時刻を登録時刻Aとして前記記憶媒体(23)に記録し、
前記判定手段(320、330、340)は、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bに基づく時刻を始点とし、前記登録時刻Aに基づく時刻を終点とする時間帯を算出し、算出した前記時間帯内に前記進入時刻が入っているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の充電量制御装置。
【請求項3】
走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして記憶媒体(23)に記録する処理を繰り返し実行する走行前空調運転記録手段(100)を備え、
前記学習手段(200)は、前記走行前空調運転記録手段(100)が前記走行前空調運転記録処理を繰り返し実行することによって前記記憶媒体(23)に記録された複数回数分の走行前空調運転のレコードに基づいて、走行前空調運転場所および走行前空調運転時刻が所定基準以上集中している複数の走行前空調運転レコードを抽出し、抽出した前記複数の走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転場所の代表位置を前記登録場所として前記記憶媒体(23)に記録すると共に、抽出した前記複数の走行前空調運転レコードにおける直前オフ時刻の代表時刻を中心とする時間範囲を設定し、当該時間範囲の過去の境界を前記登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録することを特徴とする請求項1または2に記載の充電量制御装置。
【請求項4】
前記走行前空調運転記録手段(100)は、前記走行前空調運転記録処理において、IGオン後に設定時間以上前記ハイブリッド車両が停止したままであり、かつ、前記ハイブリッド車両の空調装置が作動しており、かつ、前記空調装置の設定温度と前記ハイブリッド車両の外部の外気温度との差が基準値以上であることに基づいて、当該IGオン時の前記ハイブリッド車両の位置、当該IGオンの時刻、および当該IGオンの直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻とし、これら走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻を1つの走行前空調運転レコードとして記憶媒体(23)に記録することを特徴とする請求項3に記載の請求項1ないし3のいずれか1つに記載の充電量制御装置。
【請求項5】
前記判定手段(320、330、340)は、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記ハイブリッド車両の前記登録場所への予想到着所要時間を算出し、前記登録時刻Bを基準として前記予想到着所要時間だけ遡った時刻を始点とし、前記登録時刻Aを終点とする時間帯内に前記進入時刻が入っているか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の充電量制御装置。
【請求項6】
内燃機関であるエンジンと電動機であるモータを駆動源として走行するハイブリッド車両において、前記モータ用のバッテリの充電量を制御する充電量制御装置に用いるプログラムであって、充電量制御装置を、
前記ハイブリッド車両を走行させる前にあらかじめ車室内を適温にするため空調装置を作動させる走行前空調運転を行う場所として、登録場所を記憶媒体(23)に記録し、また、前記登録場所で走行前空調運転を行う前に前記登録場所で前記ハイブリッド車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録する学習手段(200)、
前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bを含む時間帯を算出し、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から前記所定の設定距離内のエリアの外から中に入った進入時刻が、算出した前記時間帯内に入っているか否かを判定する判定手段(320、330、340)、および
前記進入時刻が前記時間帯内に入っていると前記判定手段が判定した場合、前記モータ用のバッテリの充電量が所定の第1範囲内に収まるよう制御されている状態から、前記モータ用のバッテリの充電量が前記第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する制御手段(350)として機能させるプログラム。
【請求項1】
内燃機関であるエンジンと電動機であるモータを駆動源として走行するハイブリッド車両において、前記モータ用のバッテリの充電量を制御する充電量制御装置であって、
前記ハイブリッド車両を走行させる前にあらかじめ車室内を適温にするため空調装置を作動させる走行前空調運転を行う場所として、登録場所を記憶媒体(23)に記録し、また、前記登録場所で走行前空調運転を行う前に前記登録場所で前記ハイブリッド車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録する学習手段(200)と、
前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bを含む時間帯を算出し、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から前記所定の設定距離内のエリアの外から中に入った進入時刻が、算出した前記時間帯内に入っているか否かを判定する判定手段(320、330、340)と、
前記進入時刻が前記時間帯内に入っていると前記判定手段が判定した場合、前記モータ用のバッテリの充電量が所定の第1範囲内に収まるよう制御されている状態から、前記モータ用のバッテリの充電量が前記第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する制御手段(350)と、を備えた充電量制御装置。
【請求項2】
前記学習手段は更に、前記登録場所で走行前空調運転を行う時刻を登録時刻Aとして前記記憶媒体(23)に記録し、
前記判定手段(320、330、340)は、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bに基づく時刻を始点とし、前記登録時刻Aに基づく時刻を終点とする時間帯を算出し、算出した前記時間帯内に前記進入時刻が入っているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の充電量制御装置。
【請求項3】
走行前空調運転を行ったときの時刻、当該時刻における前記ハイブリッド車両の位置、当該走行前空調運転を行う直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻として、1つの走行前空調運転レコードとして記憶媒体(23)に記録する処理を繰り返し実行する走行前空調運転記録手段(100)を備え、
前記学習手段(200)は、前記走行前空調運転記録手段(100)が前記走行前空調運転記録処理を繰り返し実行することによって前記記憶媒体(23)に記録された複数回数分の走行前空調運転のレコードに基づいて、走行前空調運転場所および走行前空調運転時刻が所定基準以上集中している複数の走行前空調運転レコードを抽出し、抽出した前記複数の走行前空調運転レコードにおける走行前空調運転場所の代表位置を前記登録場所として前記記憶媒体(23)に記録すると共に、抽出した前記複数の走行前空調運転レコードにおける直前オフ時刻の代表時刻を中心とする時間範囲を設定し、当該時間範囲の過去の境界を前記登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録することを特徴とする請求項1または2に記載の充電量制御装置。
【請求項4】
前記走行前空調運転記録手段(100)は、前記走行前空調運転記録処理において、IGオン後に設定時間以上前記ハイブリッド車両が停止したままであり、かつ、前記ハイブリッド車両の空調装置が作動しており、かつ、前記空調装置の設定温度と前記ハイブリッド車両の外部の外気温度との差が基準値以上であることに基づいて、当該IGオン時の前記ハイブリッド車両の位置、当該IGオンの時刻、および当該IGオンの直前のIGオフ時刻を、それぞれ、走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻とし、これら走行前空調運転場所、走行前空調運転時刻、および直前オフ時刻を1つの走行前空調運転レコードとして記憶媒体(23)に記録することを特徴とする請求項3に記載の請求項1ないし3のいずれか1つに記載の充電量制御装置。
【請求項5】
前記判定手段(320、330、340)は、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記ハイブリッド車両の前記登録場所への予想到着所要時間を算出し、前記登録時刻Bを基準として前記予想到着所要時間だけ遡った時刻を始点とし、前記登録時刻Aを終点とする時間帯内に前記進入時刻が入っているか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の充電量制御装置。
【請求項6】
内燃機関であるエンジンと電動機であるモータを駆動源として走行するハイブリッド車両において、前記モータ用のバッテリの充電量を制御する充電量制御装置に用いるプログラムであって、充電量制御装置を、
前記ハイブリッド車両を走行させる前にあらかじめ車室内を適温にするため空調装置を作動させる走行前空調運転を行う場所として、登録場所を記憶媒体(23)に記録し、また、前記登録場所で走行前空調運転を行う前に前記登録場所で前記ハイブリッド車両を駐車する時刻を登録時刻Bとして前記記憶媒体(23)に記録する学習手段(200)、
前記ハイブリッド車両が前記登録場所から所定の設定距離内のエリアの外から中に入ったことに基づいて、前記登録時刻Bを含む時間帯を算出し、前記ハイブリッド車両が前記登録場所から前記所定の設定距離内のエリアの外から中に入った進入時刻が、算出した前記時間帯内に入っているか否かを判定する判定手段(320、330、340)、および
前記進入時刻が前記時間帯内に入っていると前記判定手段が判定した場合、前記モータ用のバッテリの充電量が所定の第1範囲内に収まるよう制御されている状態から、前記モータ用のバッテリの充電量が前記第1範囲よりも上限および下限が大きい第2範囲内に収まるよう制御する制御手段(350)として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−144106(P2012−144106A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2615(P2011−2615)
【出願日】平成23年1月10日(2011.1.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月10日(2011.1.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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