ハイブリッド車両用駆動制御装置
【課題】車両が惰性減速している状態から再加速する際にドライバーの要求通りの滑らかな加速が得られるようにすること。
【解決手段】ハイブリッド車両用駆動制御装置17は、エンジン1、モータ3、変速機4がこの順に連結され、エンジン1とモータ3との間にクラッチ2が配設されたハイブリッド車両のエンジン1、モータ3、変速機4、及びクラッチ2の動作を制御する。ハイブリッド車両用駆動制御装置17は、慣性走行しているコースト時に、クラッチ2を分離するとともに、モータ3で回生動作を行い、かつ、エンジン1を停止させずにアイドル状態を維持するように制御する第1の制御と、第1の制御の後に加速要求があった場合、クラッチ2を接続するとともに、モータ3の出力を下降させ、かつ、エンジン1の出力を上昇させる第2の制御と、を行う。
【解決手段】ハイブリッド車両用駆動制御装置17は、エンジン1、モータ3、変速機4がこの順に連結され、エンジン1とモータ3との間にクラッチ2が配設されたハイブリッド車両のエンジン1、モータ3、変速機4、及びクラッチ2の動作を制御する。ハイブリッド車両用駆動制御装置17は、慣性走行しているコースト時に、クラッチ2を分離するとともに、モータ3で回生動作を行い、かつ、エンジン1を停止させずにアイドル状態を維持するように制御する第1の制御と、第1の制御の後に加速要求があった場合、クラッチ2を接続するとともに、モータ3の出力を下降させ、かつ、エンジン1の出力を上昇させる第2の制御と、を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンとモータとを併用して走行するハイブリッド車両に搭載されるハイブリッド車両用駆動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンとモータとを併用して走行するハイブリッド車両に搭載されるハイブリッド車両用駆動制御装置は、エンジンと、モータと、モータとエンジンとの間で駆動力の伝達又は切断を行うクラッチの動作を制御する。このようなハイブリッド車両用駆動制御装置に関する従来技術として、例えば、ドライバーの要求に対する滑らかな車両の応答を維持しながら、パラレル式ハイブリッド電気自動車パワートレインのエンジンを始動させる制御を行うものが開示されている(特許文献1参照)。詳細には、車両システム制御器(VSC)、エンジン、モータ、動力伝達ユニット、並びに、上記エンジン、上記モータ/発電機、上記動力伝達ユニット及びエンジン分離クラッチを連結する車両パワートレイン、を有するパラレル式ハイブリッド電気自動車パワートレインのエンジンを始動する方法であって、上記分離クラッチを接続する工程、上記エンジンに燃料を供給する工程、並びに上記エンジンにトルクを命令する工程、を有する、上記エンジンを始動する工程、所望のモータ速度を予測する工程と、所望のエンジン・トルクを計算する工程と、所望の車速を維持しながら、実際のモータのトルクを該モータのトルクがゼロになるまで穏やかに減少させる一方、該減少に相応じて実際のエンジン・トルクを増大させる工程を有する、上記エンジンへのトルクを命令する工程と、を有するものが開示されている。
【0003】
また、車両が慣性走行しているコースト状態(惰性減速)でエンジン始動要求があった場合におけるエンジン始動の迅速性を確保しつつ、可能な限りモータの回生制動を利用して車両の燃費を向上させることを可能とするものが開示されている(特許文献2参照)。詳細には、モータと、前記モータとエンジンとの間で駆動力の伝達又は切断を行う第一クラッチと、前記モータ及び前記エンジンの一方又は双方の駆動力の車輪側への伝達又は切断を行う第二クラッチと、これらの動作制御を行う制御装置とを備え、前記制御装置は、前記エンジンが停止状態であって、車両がコースト状態である場合に、少なくとも前記第一クラッチの前記モータ側の回転数がエンジン始動可能回転数以上に設定された所定の待機回転数以下であるときには、前記第二クラッチを開放して前記第一クラッチを係合した待機状態とする制御を行うものが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−129926号公報
【特許文献2】特開2006−118681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のパラレル式ハイブリッド電気自動車パワートレインのエンジンを始動する方法では、車両が惰性減速している状態から再加速する際に、所望の車速を維持しながら、実際のモータのトルクを該モータのトルクがゼロになるまで穏やかに減少させる一方、該減少に相応じて実際のエンジン・トルクを増大させるように分離クラッチを締結しているため、加速応答の遅れやクラッチ締結に伴うショックが発生する。また、車両が惰性減速している状態でエンジン始動要求があった場合に、どのようにエンジンを始動させる制御を行うのが適切であるのか不明である。
【0006】
特許文献2のハイブリッド車用駆動装置では、車両が惰性減速している状態から再加速する際に、エンジンが停止状態のときに第二クラッチを開放して第一クラッチを係合した待機状態にするため、加速応答の遅れや駆動力抜けが発生する。
【0007】
本発明の主な課題は、車両が惰性減速している状態から再加速する際にドライバーの要求通りの滑らかな加速が得られるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の視点においては、エンジン、モータ、変速機がこの順に連結され、前記エンジンと前記モータとの間にクラッチが配設されたハイブリッド車両の前記エンジン、前記モータ、前記変速機、及び前記クラッチの動作を制御するハイブリッド車両用駆動制御装置であって、慣性走行しているコースト時に、前記クラッチを分離するとともに、前記モータで回生動作を行うように制御する第1の制御と、前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記モータの回生動作を停止させるとともに前記モータを力行動作させた後、前記クラッチを接続し、前記モータの出力を下降させ、かつ、回転中の前記エンジンの出力を上昇させる第2の制御と、を行うように構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の際、前記エンジンを停止させずにアイドル状態を維持するように制御することが好ましい。
【0010】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の後、前記モータのモータ回転数が、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数に基づいて予め定められたしきい値より小さい場合、加速要求の有無に関わらず、前記クラッチを接続するように制御する第3の制御と、前記第3の制御の後に加速要求があった場合、回転中の前記エンジンの出力を上昇させる第4の制御と、を行うように構成されることが好ましい。
【0011】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第2の制御は、前記第1の制御の後、前記モータのモータ回転数が、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数に基づいて予め定められたしきい値以上の場合に行われることが好ましい。
【0012】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の際、前記エンジンを停止するように制御し、前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、前記モータとは別のスタータを用いて前記エンジンを始動させるように制御する第5の制御を行うように構成されることが好ましい。
【0013】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の後の所定の制動力要求があった場合、前記モータとは別のスタータを用いて前記エンジンを始動させるように制御する第6の制御と、前記第6の制御の後、前記モータで回生動作を維持するとともに、前記クラッチを接続させてエンジンブレーキを作動するように制御する第7の制御と、を行うように構成されることが好ましい。
【0014】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、加速要求とは独立して回転状態のエンジン回転数をモータ回転数になるよう調整しながら上昇させるとともに、前記モータで力行走行するように制御する第8の制御を行うように構成されることが好ましい。
【0015】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、前記加速要求に対応する要求トルクがそのモータ回転数でのモータ最大トルクより小さい場合には、前記クラッチを接続するとともに、前記要求トルク以上のモータトルクを出力して前記モータで力行走行するように制御する第9の制御を行うように構成されることが好ましい。
【0016】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第2の制御は、前記第1の制御の後の加速要求に対応する要求トルクがそのモータ回転数でのモータ最大トルク以上の場合に行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ハイブリッド車両の性能として重要な回生量を確保しつつ、クラッチを分離した状態での回生減速状態から再加速する際に、駆動力の抜け、加速応答遅れ、クラッチ締結に伴うショックといった違和感を生じることなくドライバー要求通りの滑らかな加速を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0019】
図1を参照すると、この車両駆動システムは、エンジン1とモータ3の一方又は両方の駆動力によって走行するハイブリッド車両に搭載されるシステムであり、エンジン1と、クラッチ2と、モータ3と、自動変速機4と、インバータ5と、バッテリ6と、エンジン回転センサ7と、入力軸回転センサ8と、出力軸回転センサ9と、スロットル開度センサ10と、ブレーキセンサ11と、エンジン制御装置12と、クラッチ制御装置13と、モータ制御装置14と、変速機制御装置16と、バッテリ制御装置15と、駆動制御装置17と、を有する。
【0020】
エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。エンジン1は、スタータ1a又はモータ3により始動する。スタータ1aは、イグニッションスイッチ(図示せず)の操作やエンジン制御装置12からの制御信号によりエンジン1を始動させるための電気モータである。エンジン1は、エンジン制御装置12からの制御信号に基づいて制御される。エンジン1は、クランクシャフト(図示せず)に同期回転するクランク軸1bを有する。クランク軸1bは、クラッチ2に機械的に接続されている。
【0021】
クラッチ2は、エンジン1とモータ3との間に配置され、エンジン1のクランク軸1bと自動変速機4の入力軸4aとの接続又は分離を行うことにより、エンジン1とモータ3との間での駆動力の伝達又は切断を行う。クラッチ2としては、係合開始から完全係合状態となるまでの間の半係合状態で滑らせながら駆動力の伝達を行うことが可能なクラッチが好適に用いられ、例えば、湿式多板クラッチ等が用いることができる。クラッチ2は、クラッチ制御装置13からの制御信号に基づいて制御される。
【0022】
モータ3は、駆動時にインバータ5から供給された電力に基づいて入力軸4aを回転駆動し、回生時に入力軸4aの回転力に基づいて発電した電力をインバータ5に供給するモータ・ジェネレータである。モータ3の回転軸は、自動変速機4の入力軸4aと一体になっており、クラッチ2に機械的に接続されている。
【0023】
自動変速機4は、モータ3と車輪(図示せず)との間に配置され、モータ3及びエンジン1の一方又は双方の駆動力により回転駆動される入力軸4aからの入力回転をトルクコンバータ(図示せず)を介して所望の変速比で変速して出力軸4bに出力する。自動変速機4として、有段又は無段の自動変速機が好適に用いられ、例えば、6段等の有段の自動変速機を用いることができる。自動変速機4は、有段の自動変速機の場合、入力軸4aを介して伝達された入力回転を所望の変速比で変速して出力軸4bに出力するための遊星歯車列(図示せず)や、この遊星歯車列の動作制御を行うためのクラッチ及びブレーキ等(図示せず)を有する。自動変速機4は、変速機制御装置16の油圧制御に基づいてクラッチ及びブレーキの係合又は開放を行うことにより、所望の変速段への切り替えを行い、或いは入力軸4aから入力された駆動力を出力軸4bに伝達しないニュートラル状態とすることができる。入力軸4aは、モータ3の回転軸と一体に回転し、クラッチ2に機械的に接続されている。出力軸4bは、ディファレンシャルギヤ(図示せず)、駆動軸(図示せず)を介して車輪(図示せず)に駆動力を伝達する。
【0024】
インバータ5は、駆動時にバッテリ6から供給された電力を直流から交流に変換してモータ3に供給し、回生時にモータ3で発電された電力を交流から直流に変換してバッテリ6に供給する。インバータ5は、モータ制御装置14からの制御信号に基づいて制御される。
【0025】
バッテリ6は、駆動時に蓄電された電力をインバータ5に供給し、回生時にインバータ5から供給された電力を蓄電する。バッテリ6は、バッテリ制御装置15からの制御信号に基づいて制御される。
【0026】
エンジン回転センサ7は、エンジン1の出力軸の回転数Neを検出する。入力軸回転センサ8は、自動変速機4の入力軸4aの回転数Ntを検出する。出力軸回転センサ9は、自動変速機4の出力軸4bの回転数(当該車両の車速に相当する)Noを検出する。スロットル開度センサ10は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応じたエンジン1のスロットル開度(エンジン負荷に相当する)θを検出する。ブレーキセンサ11は、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込み量に応じた制動量を検出する。センサ7〜11で検出された検出信号は、駆動制御装置17に入力される。
【0027】
エンジン制御装置12は、エンジン1の動作制御を行い、駆動制御装置17からの制御信号に基づいて制御される。クラッチ制御装置13は、クラッチ2の動作制御を行い、駆動制御装置17からの制御信号に基づいて制御される。モータ制御装置14は、インバータ5を介してモータ3の動作制御を行い、駆動制御装置17からの制御信号に基づいて制御される。変速機制御装置16は、自動変速機4の動作制御を行い、駆動制御装置17からの制御信号に基づいて制御される。バッテリ制御装置15は、バッテリ6の動作制御を行い、駆動制御装置17からの制御信号に基づいて制御される。
【0028】
駆動制御装置17は、ハイブリッド車両用駆動制御装置であり、マイクロコンピュータを備えており、エンジン回転センサ7、入力軸回転センサ8、スロットル開度センサ10、ブレーキセンサ11、エンジン制御装置12、クラッチ制御装置13、モータ制御装置14、バッテリ制御装置15、及び変速機制御装置16のそれぞれと接続されている。駆動制御装置17は、エンジン回転センサ7、入力軸回転センサ8、スロットル開度センサ10、及びブレーキセンサ11からの検出信号と、記憶されているデータ、マップ及びプログラムとに基づいて、情報処理を行い、エンジン制御装置12、クラッチ制御装置13、モータ制御装置14、バッテリ制御装置15、及び変速機制御装置16の動作制御を行う。駆動制御装置17の詳しい動作については、後述する。
【0029】
次に、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作について図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。図3は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置における減速しきい値Gthを説明するための模式図である。図4は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置におけるエンジン回転数しきい値Nethを説明するための模式図である。図5は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置におけるしきい値Ncthを説明するための模式図である。図6は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【0030】
なお、前提として、アクセルペダル(図示せず)が踏み込まれ、エンジン1とモータ3の一方又は両方の駆動力によって車両が走行することで、駆動制御装置17に記憶されているプログラムが作動する。
【0031】
まず、駆動制御装置17が作動すると、駆動制御装置17は、アクセルペダル(図示せず)がOFFであるか否かを確認する(ステップA1)。ここで、アクセルペダルがOFFであるか否かは、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。アクセルペダルがOFFでない場合(ステップA1のNO)、ステップA1に戻る。アクセルペダルがOFFである場合(ステップA1のYES)、ステップA2に進む。
【0032】
アクセルペダルがOFFである場合(ステップA1のYES)、加速要求がない場合(ステップA4のNO、ステップA9のNO)、駆動制御装置17は、ブレーキペダルの踏み込みによる要求減速|G|が、エンジンブレーキのみの減速しきい値|Gth|より大きいか否かを確認する(ステップA2)。ここで、要求減速Gは、ブレーキセンサ11からの検出信号を用いることで検出することができる。また、減速しきい値|Gth|は、エンジンブレーキのみの減速に相当する値であり(図3参照)、予め記憶された値である。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップA2のNO)、ステップA6に進む。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップA2のYES)、ステップA3に進む。
【0033】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップA2のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2の接続を維持したまま、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジンブレーキ、フットブレーキ、及びモータ回生ブレーキによるブレーキ制動を行わせる(ステップA3)。ここで、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。
【0034】
ステップA3又はステップA8の後、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップA4)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップA4のNO)、ステップA2に戻る。加速要求がある場合(ステップA4のYES)、ステップA5に進む。
【0035】
加速要求がある場合(ステップA4のYES)、駆動制御装置17は、エンジン1の出力をアップするように制御する(ステップA5)。その後、スタートに戻る。ここで、エンジン1の出力制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップA6における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図6のC地点のようなイメージとなる。
【0036】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップA2のNO)、駆動制御装置17は、クラッチ2を分離するように制御するとともに、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジン1をアイドリング状態になるように制御する(ステップA6)。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップA6における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図6のA地点のようなイメージとなる。
【0037】
ステップA6の後、駆動制御装置17は、入力軸回転数Ntに対応するモータ回転数Nmgが、エンジン回転数しきい値Nethより低いか否かを確認する(ステップA7)。ここで、エンジン回転数しきい値Nethは、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数、つまり、車速が低くなり、エンジン回転がエンジンブレーキから自動変速機4のトルクコンバータに対するクリープ力へと反転するときの回転数、若しくは、アイドリングしているエンジン1のクランク軸1bと入力軸4aをクラッチ2にて接続してもショックにならない回転数であり(図4参照)、予め記憶されたものである。また、モータ回転数Nmgは、入力軸回転センサ8からの検出信号を用いることで検出することができる。エンジン回転数しきい値Neth以上の場合(ステップA7のNO)、ステップA9に進む。エンジン回転数しきい値Nethより低い場合(ステップA7のYES)、ステップA8に進む。
【0038】
エンジン回転数しきい値Nethより低い場合(ステップA7のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御する(ステップA8)。その後、ステップA4に進む。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。なお、ステップA8における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図6のB地点のようなイメージとなる。
【0039】
エンジン回転数しきい値Neth以上の場合(ステップA7のNO)、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップA9)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップA9のNO)、ステップA2に戻る。加速要求がある場合(ステップA9のYES)、ステップA10に進む。
【0040】
加速要求がある場合(ステップA9のYES)、駆動制御装置17は、モータ3の回生動作を停止させるように制御するとともに、スロットル開度とは独立にエンジン回転数Neをモータ回転数Nmgになるように調整しながら上昇させるように制御し、要求トルクと等しいモータトルクを出力してモータ3のみで力行走行するように制御する(ステップA10)。ここで、エンジン回転数Neの制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。また、モータ3の力行走行制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。
【0041】
ステップA10の後、駆動制御装置17は、入力軸回転数Ntに対応するモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差が、車両の振動が問題とならないしきい値Ncthよりも低いか否かを確認する(ステップA11)。ここで、モータ回転数Nmgは、入力軸回転センサ8からの検出信号を用いることで検出することができる。また、エンジン回転数Neは、エンジン回転センサ7からの検出信号を用いることで検出することができる。また、しきい値Ncthは、入力軸4aとクランク軸1bをクラッチ2にて接続したときに、車両の振動が問題とならないレベルのモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差であり(図5参照)、予め記憶されたものである。しきい値Ncth以上の場合(ステップA11のNO)、ステップA11に戻る。しきい値Ncthよりも低い場合(ステップA11のYES)、ステップA12に進む。
【0042】
しきい値Ncthよりも低い場合(ステップA11のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御するとともに、モータ3の出力をダウンさせるように制御し、かつ、エンジン1の出力をアップさせるように制御する(ステップA12)。その後、スタートに戻る。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0043】
実施形態1によれば、ハイブリッド車両性能として重要な回生量を確保しつつ、クラッチ2を開放した状態での回生減速状態から再加速する際に、駆動力の抜け、加速応答遅れ、クラッチ接続に伴うショックといった違和感を生じることなく、ドライバー要求通りの滑らかな加速を得ることができる。
【0044】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置について図面を用いて説明する。図7は、本発明の実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。図8は、本発明の実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。なお、実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置は、実施形態1と動作が異なる。実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの基本的構成は、実施形態1と同様である。
【0045】
なお、前提として、アクセルペダル(図示せず)が踏み込まれ、エンジン1とモータ3の一方又は両方の駆動力によって車両が走行することで、駆動制御装置17に記憶されているプログラムが作動する。
【0046】
まず、駆動制御装置17が作動すると、駆動制御装置17は、アクセルペダル(図示せず)がOFFであるか否かを確認する(ステップB1)。ここで、アクセルペダルがOFFであるか否かは、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。アクセルペダルがOFFでない場合(ステップB1のNO)、ステップB1に戻る。アクセルペダルがOFFである場合(ステップB1のYES)、ステップB2に進む。
【0047】
アクセルペダルがOFFである場合(ステップB1のYES)、加速要求がない場合(ステップB4のNO)、駆動制御装置17は、ブレーキペダルの踏み込みによる要求減速|G|が、エンジンブレーキのみの減速しきい値|Gth|より大きいか否かを確認する(ステップB2)。ここで、要求減速Gは、ブレーキセンサ11からの検出信号を用いることで検出することができる。また、減速しきい値Gthは、エンジンブレーキのみの減速に相当する値であり(図3参照)、予め記憶された値である。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップB2のNO)、ステップB6に進む。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップB2のYES)、ステップB3に進む。
【0048】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップB2のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2の接続を維持したまま、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジンブレーキ、フットブレーキ、及びモータ回生ブレーキによるブレーキ制動を行わせる(ステップB3)。ここで、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。
【0049】
ステップB3の後、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップB4)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップB4のNO)、ステップB2に戻る。加速要求がある場合(ステップB4のYES)、ステップB5に進む。
【0050】
加速要求がある場合(ステップB4のYES)、駆動制御装置17は、エンジン1の出力をアップするように制御する(ステップB5)。その後、スタートに戻る。ここで、エンジン1の出力制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0051】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップB2のNO)、駆動制御装置17は、クラッチ2を分離するように制御するとともに、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジン1を停止するように制御する(ステップB6)。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップB6における車速、アクセル、スロットル開度、スタータ、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図8のA地点のようなイメージとなる。
【0052】
ステップB6の後、及び、減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップB12のNO)、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップB7)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップB7のNO)、ステップB12に進む。加速要求がある場合(ステップB7のYES)、ステップB8に進む。
【0053】
加速要求がある場合(ステップB7のYES)、駆動制御装置17は、スタータ1aでエンジン1を始動させるように制御する(ステップB8)。ここで、スタータ1a及びエンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップB6における車速、アクセル、スロットル開度、スタータ、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図8のB地点のようなイメージとなる。
【0054】
ステップB8の後、駆動制御装置17は、モータ3の回生動作を停止させるように制御するとともに、スロットル開度とは独立にエンジン回転数Neをモータ回転数Nmgになるように調整しながら上昇させるように制御し、要求トルクと等しいモータトルクを出力してモータ3のみで力行走行するように制御する(ステップB9)。ここで、エンジン回転数Neの制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。また、モータ3の力行走行制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。なお、ステップB6における車速、アクセル、スロットル開度、スタータ、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図8のC地点のようなイメージとなる。
【0055】
ステップB9の後、駆動制御装置17は、入力軸回転数Ntに対応するモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差が、車両の振動が問題とならないしきい値Ncthよりも低いか否かを確認する(ステップB10)。ここで、モータ回転数Nmgは、入力軸回転センサ8からの検出信号を用いることで検出することができる。また、エンジン回転数Neは、エンジン回転センサ7からの検出信号を用いることで検出することができる。また、しきい値Ncthは、入力軸4aとクランク軸1bをクラッチ2にて接続したときに、車両の振動が問題とならないレベルのモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差であり(図5参照)、予め記憶されたものである。しきい値Ncth以上の場合(ステップB10のNO)、ステップB10に戻る。しきい値Ncthよりも低い場合(ステップB10のYES)、ステップB11に進む。
【0056】
しきい値Ncthよりも低い場合(ステップB10のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御するとともに、モータ3の出力をダウンさせるように制御し、かつ、エンジン1の出力をアップさせるように制御する(ステップB11)。その後、スタートに戻る。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップB6における車速、アクセル、スロットル開度、スタータ、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図8のD地点のようなイメージとなる。
【0057】
加速要求がない場合(ステップB7のNO)、駆動制御装置17は、ブレーキペダルの踏み込みによる要求減速|G|が、エンジンブレーキのみの減速しきい値|Gth|より大きいか否かを確認する(ステップB12)。ここで、要求減速Gは、ブレーキセンサ11からの検出信号を用いることで検出することができる。また、減速しきい値|Gth|は、エンジンブレーキのみの減速に相当する値であり(図3参照)、予め記憶された値である。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップB12のNO)、ステップB7に戻る。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップB12のYES)、ステップB13に進む。
【0058】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップB12のYES)、駆動制御装置17は、スタータ1aでエンジン1を始動させるように制御する(ステップB13)。ここで、スタータ1a及びエンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0059】
ステップB13の後、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御するとともに、エンジンブレーキがかかるように制御する(ステップB14)。その後、スタートに戻る。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0060】
実施形態2によれば、実施形態1と同様な効果を奏するとともに、惰性減速中にエンジン1を停止しているため、燃費を向上させることができる。なお、惰性減速中にエンジン1を停止しているときに再加速の要求があったときは、スタータ1aでエンジン1を始動させるため、回生しているモータ3を用いてエンジン1を始動させる場合よりも迅速にエンジン1を始動させることができる。
【0061】
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置について図面を用いて説明する。図9は、本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。図10は、本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムにおけるモータ最大トルクと要求トルクを説明するための模式図である。図11は、本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。なお、実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置は、実施形態1と動作が異なる。実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの基本的構成は、実施形態1と同様である。
【0062】
なお、前提として、アクセルペダル(図示せず)が踏み込まれ、エンジン1とモータ3の一方又は両方の駆動力によって車両が走行することで、駆動制御装置17に記憶されているプログラムが作動する。
【0063】
まず、駆動制御装置17が作動すると、駆動制御装置17は、アクセルペダル(図示せず)がOFFであるか否かを確認する(ステップC1)。ここで、アクセルペダルがOFFであるか否かは、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。アクセルペダルがOFFでない場合(ステップC1のNO)、ステップC1に戻る。アクセルペダルがOFFである場合(ステップC1のYES)、ステップC2に進む。
【0064】
アクセルペダルがOFFである場合(ステップC1のYES)、加速要求がない場合(ステップC4のNO、ステップC9のNO)、駆動制御装置17は、ブレーキペダルの踏み込みによる要求減速|G|が、エンジンブレーキのみの減速しきい値|Gth|より大きいか否かを確認する(ステップC2)。ここで、要求減速Gは、ブレーキセンサ11からの検出信号を用いることで検出することができる。また、減速しきい値Gthは、エンジンブレーキのみの減速に相当する値であり(図3参照)、予め記憶された値である。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップC2のNO)、ステップC6に進む。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップC2のYES)、ステップC3に進む。
【0065】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップC2のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2の接続を維持したまま、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジンブレーキ、フットブレーキ、及びモータ回生ブレーキによるブレーキ制動を行わせる(ステップC3)。ここで、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。
【0066】
ステップC3の後、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップC4)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップC4のNO)、ステップC2に戻る。加速要求がある場合(ステップC4のYES)、ステップC5に進む。
【0067】
加速要求がある場合(ステップC4のYES)、駆動制御装置17は、エンジン1の出力をアップするように制御する(ステップC5)。その後、スタートに戻る。ここで、エンジン1の出力制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0068】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップC2のNO)、駆動制御装置17は、クラッチ2を分離するように制御するとともに、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジン1をアイドリング状態になるように制御する(ステップC6)。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップC6における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図11のA地点のようなイメージとなる。
【0069】
ステップC6の後、駆動制御装置17は、入力軸回転数Ntに対応するモータ回転数Nmgが、エンジン回転数しきい値Nethより低いか否かを確認する(ステップC7)。ここで、エンジン回転数しきい値Nethは、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数、つまり、車速が低くなり、エンジン回転がエンジンブレーキから自動変速機4のトルクコンバータに対するクリープ力へと反転するときの回転数、若しくは、アイドリングしているエンジン1のクランク軸1bと入力軸4aをクラッチ2にて接続してもショックにならない回転数であり(図4参照)、予め記憶されたものである。また、モータ回転数Nmgは、入力軸回転センサ8からの検出信号を用いることで検出することができる。エンジン回転数しきい値Neth以上の場合(ステップC7のNO)、ステップC9に進む。エンジン回転数しきい値Nethより低い場合(ステップC7のYES)、ステップC8に進む。
【0070】
エンジン回転数しきい値Nethより低い場合(ステップC7のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御する(ステップC8)。その後、ステップC4に進む。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。
【0071】
エンジン回転数しきい値Neth以上の場合(ステップC7のNO)、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップC9)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップC9のNO)、ステップC2に戻る。加速要求がある場合(ステップC9のYES)、ステップC10に進む。
【0072】
加速要求がある場合(ステップC9のYES)、駆動制御装置17は、検出されたスロットル開度、エンジン回転数、及びモータ回転数と、記憶されたマップとに基づいて、アクセルペダル(図示せず)の踏み込みによる要求トルクがモータ最大トルクよりも小さいか否かを確認する(ステップC10)。ここで、要求トルクがモータ最大トルクよりも小さいか否かを確認するのは、モータ3の余剰トルクをエンジン回転数(図10ではスロットル開度θ1、θ2のときのもの)の引上げに用いることができ、クラッチ2の接続時に振動を防止することができるからである(図10参照)。モータ最大トルクよりも小さい場合(ステップC10のYES)、ステップC14に進む。モータ最大トルク以上の場合(ステップC10のNO)、ステップC11に進む。
【0073】
モータ最大トルク以上の場合(ステップC10のNO)、駆動制御装置17は、モータ3の回生動作を停止させるように制御するとともに、スロットル開度とは独立にエンジン回転数Neをモータ回転数Nmgになるように調整しながら上昇させるように制御し、要求トルクと等しいモータトルクを出力してモータ3のみで力行走行するように制御する(ステップC11)。ここで、エンジン回転数Neの制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。また、モータ3の力行走行制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。
【0074】
ステップC11の後、駆動制御装置17は、入力軸回転数Ntに対応するモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差が、車両の振動が問題とならないしきい値Ncthよりも低いか否かを確認する(ステップC12)。ここで、モータ回転数Nmgは、入力軸回転センサ8からの検出信号を用いることで検出することができる。また、エンジン回転数Neは、エンジン回転センサ7からの検出信号を用いることで検出することができる。また、しきい値Ncthは、入力軸4aとクランク軸1bをクラッチ2にて接続したときに、車両の振動が問題とならないレベルのモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差であり(図5参照)、予め記憶されたものである。しきい値Ncth以上の場合(ステップC12のNO)、ステップC12に戻る。しきい値Ncthよりも低い場合(ステップC12のYES)、ステップC13に進む。
【0075】
しきい値Ncthよりも低い場合(ステップC12のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御するとともに、モータ3の出力をダウンさせるように制御し、かつ、エンジン1の出力をアップさせるように制御する(ステップC13)。その後、スタートに戻る。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0076】
モータ最大トルクよりも小さい場合(ステップC10のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御するとともに、モータ3のみの駆動力による力行走行を行うように制御する(ステップC14)。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。なお、ステップC6における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図11のB地点のようなイメージとなる。
【0077】
ステップC14の後、駆動制御装置17は、モータ3の出力をダウンさせるように制御するとともに、エンジン1の出力をアップさせるように制御する(ステップC15)。その後、スタートに戻る。ここで、モータ3の制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップC6における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図11のC地点のようなイメージとなる。
【0078】
実施形態3によれば、実施形態1と同様な効果を奏するとともに、モータ3の余剰トルクをエンジン回転数の引上げに用いることができ、クラッチ2の接続時に振動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置における減速しきい値Gthを説明するための模式図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置におけるエンジン回転数しきい値Nethを説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置におけるしきい値Ncthを説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムにおけるモータ最大トルクと要求トルクを説明するための模式図である。
【図11】本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0080】
1 エンジン
1a スタータ
1b クランク軸
2 クラッチ
3 モータ
4 自動変速機
4a 入力軸
4b 出力軸
5 インバータ
6 バッテリ
7 エンジン回転センサ(Neセンサ)
8 入力軸回転センサ(Ntセンサ)
9 出力軸回転センサ(Noセンサ)
10 スロットル開度センサ(θセンサ)
11 ブレーキセンサ
12 エンジン制御装置
13 クラッチ制御装置
14 モータ制御装置
15 バッテリ制御装置
16 変速機制御装置
17 駆動制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンとモータとを併用して走行するハイブリッド車両に搭載されるハイブリッド車両用駆動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンとモータとを併用して走行するハイブリッド車両に搭載されるハイブリッド車両用駆動制御装置は、エンジンと、モータと、モータとエンジンとの間で駆動力の伝達又は切断を行うクラッチの動作を制御する。このようなハイブリッド車両用駆動制御装置に関する従来技術として、例えば、ドライバーの要求に対する滑らかな車両の応答を維持しながら、パラレル式ハイブリッド電気自動車パワートレインのエンジンを始動させる制御を行うものが開示されている(特許文献1参照)。詳細には、車両システム制御器(VSC)、エンジン、モータ、動力伝達ユニット、並びに、上記エンジン、上記モータ/発電機、上記動力伝達ユニット及びエンジン分離クラッチを連結する車両パワートレイン、を有するパラレル式ハイブリッド電気自動車パワートレインのエンジンを始動する方法であって、上記分離クラッチを接続する工程、上記エンジンに燃料を供給する工程、並びに上記エンジンにトルクを命令する工程、を有する、上記エンジンを始動する工程、所望のモータ速度を予測する工程と、所望のエンジン・トルクを計算する工程と、所望の車速を維持しながら、実際のモータのトルクを該モータのトルクがゼロになるまで穏やかに減少させる一方、該減少に相応じて実際のエンジン・トルクを増大させる工程を有する、上記エンジンへのトルクを命令する工程と、を有するものが開示されている。
【0003】
また、車両が慣性走行しているコースト状態(惰性減速)でエンジン始動要求があった場合におけるエンジン始動の迅速性を確保しつつ、可能な限りモータの回生制動を利用して車両の燃費を向上させることを可能とするものが開示されている(特許文献2参照)。詳細には、モータと、前記モータとエンジンとの間で駆動力の伝達又は切断を行う第一クラッチと、前記モータ及び前記エンジンの一方又は双方の駆動力の車輪側への伝達又は切断を行う第二クラッチと、これらの動作制御を行う制御装置とを備え、前記制御装置は、前記エンジンが停止状態であって、車両がコースト状態である場合に、少なくとも前記第一クラッチの前記モータ側の回転数がエンジン始動可能回転数以上に設定された所定の待機回転数以下であるときには、前記第二クラッチを開放して前記第一クラッチを係合した待機状態とする制御を行うものが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−129926号公報
【特許文献2】特開2006−118681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のパラレル式ハイブリッド電気自動車パワートレインのエンジンを始動する方法では、車両が惰性減速している状態から再加速する際に、所望の車速を維持しながら、実際のモータのトルクを該モータのトルクがゼロになるまで穏やかに減少させる一方、該減少に相応じて実際のエンジン・トルクを増大させるように分離クラッチを締結しているため、加速応答の遅れやクラッチ締結に伴うショックが発生する。また、車両が惰性減速している状態でエンジン始動要求があった場合に、どのようにエンジンを始動させる制御を行うのが適切であるのか不明である。
【0006】
特許文献2のハイブリッド車用駆動装置では、車両が惰性減速している状態から再加速する際に、エンジンが停止状態のときに第二クラッチを開放して第一クラッチを係合した待機状態にするため、加速応答の遅れや駆動力抜けが発生する。
【0007】
本発明の主な課題は、車両が惰性減速している状態から再加速する際にドライバーの要求通りの滑らかな加速が得られるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の視点においては、エンジン、モータ、変速機がこの順に連結され、前記エンジンと前記モータとの間にクラッチが配設されたハイブリッド車両の前記エンジン、前記モータ、前記変速機、及び前記クラッチの動作を制御するハイブリッド車両用駆動制御装置であって、慣性走行しているコースト時に、前記クラッチを分離するとともに、前記モータで回生動作を行うように制御する第1の制御と、前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記モータの回生動作を停止させるとともに前記モータを力行動作させた後、前記クラッチを接続し、前記モータの出力を下降させ、かつ、回転中の前記エンジンの出力を上昇させる第2の制御と、を行うように構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の際、前記エンジンを停止させずにアイドル状態を維持するように制御することが好ましい。
【0010】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の後、前記モータのモータ回転数が、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数に基づいて予め定められたしきい値より小さい場合、加速要求の有無に関わらず、前記クラッチを接続するように制御する第3の制御と、前記第3の制御の後に加速要求があった場合、回転中の前記エンジンの出力を上昇させる第4の制御と、を行うように構成されることが好ましい。
【0011】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第2の制御は、前記第1の制御の後、前記モータのモータ回転数が、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数に基づいて予め定められたしきい値以上の場合に行われることが好ましい。
【0012】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の際、前記エンジンを停止するように制御し、前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、前記モータとは別のスタータを用いて前記エンジンを始動させるように制御する第5の制御を行うように構成されることが好ましい。
【0013】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の後の所定の制動力要求があった場合、前記モータとは別のスタータを用いて前記エンジンを始動させるように制御する第6の制御と、前記第6の制御の後、前記モータで回生動作を維持するとともに、前記クラッチを接続させてエンジンブレーキを作動するように制御する第7の制御と、を行うように構成されることが好ましい。
【0014】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、加速要求とは独立して回転状態のエンジン回転数をモータ回転数になるよう調整しながら上昇させるとともに、前記モータで力行走行するように制御する第8の制御を行うように構成されることが好ましい。
【0015】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、前記加速要求に対応する要求トルクがそのモータ回転数でのモータ最大トルクより小さい場合には、前記クラッチを接続するとともに、前記要求トルク以上のモータトルクを出力して前記モータで力行走行するように制御する第9の制御を行うように構成されることが好ましい。
【0016】
本発明の前記ハイブリッド車両用駆動制御装置において、前記第2の制御は、前記第1の制御の後の加速要求に対応する要求トルクがそのモータ回転数でのモータ最大トルク以上の場合に行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ハイブリッド車両の性能として重要な回生量を確保しつつ、クラッチを分離した状態での回生減速状態から再加速する際に、駆動力の抜け、加速応答遅れ、クラッチ締結に伴うショックといった違和感を生じることなくドライバー要求通りの滑らかな加速を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0019】
図1を参照すると、この車両駆動システムは、エンジン1とモータ3の一方又は両方の駆動力によって走行するハイブリッド車両に搭載されるシステムであり、エンジン1と、クラッチ2と、モータ3と、自動変速機4と、インバータ5と、バッテリ6と、エンジン回転センサ7と、入力軸回転センサ8と、出力軸回転センサ9と、スロットル開度センサ10と、ブレーキセンサ11と、エンジン制御装置12と、クラッチ制御装置13と、モータ制御装置14と、変速機制御装置16と、バッテリ制御装置15と、駆動制御装置17と、を有する。
【0020】
エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。エンジン1は、スタータ1a又はモータ3により始動する。スタータ1aは、イグニッションスイッチ(図示せず)の操作やエンジン制御装置12からの制御信号によりエンジン1を始動させるための電気モータである。エンジン1は、エンジン制御装置12からの制御信号に基づいて制御される。エンジン1は、クランクシャフト(図示せず)に同期回転するクランク軸1bを有する。クランク軸1bは、クラッチ2に機械的に接続されている。
【0021】
クラッチ2は、エンジン1とモータ3との間に配置され、エンジン1のクランク軸1bと自動変速機4の入力軸4aとの接続又は分離を行うことにより、エンジン1とモータ3との間での駆動力の伝達又は切断を行う。クラッチ2としては、係合開始から完全係合状態となるまでの間の半係合状態で滑らせながら駆動力の伝達を行うことが可能なクラッチが好適に用いられ、例えば、湿式多板クラッチ等が用いることができる。クラッチ2は、クラッチ制御装置13からの制御信号に基づいて制御される。
【0022】
モータ3は、駆動時にインバータ5から供給された電力に基づいて入力軸4aを回転駆動し、回生時に入力軸4aの回転力に基づいて発電した電力をインバータ5に供給するモータ・ジェネレータである。モータ3の回転軸は、自動変速機4の入力軸4aと一体になっており、クラッチ2に機械的に接続されている。
【0023】
自動変速機4は、モータ3と車輪(図示せず)との間に配置され、モータ3及びエンジン1の一方又は双方の駆動力により回転駆動される入力軸4aからの入力回転をトルクコンバータ(図示せず)を介して所望の変速比で変速して出力軸4bに出力する。自動変速機4として、有段又は無段の自動変速機が好適に用いられ、例えば、6段等の有段の自動変速機を用いることができる。自動変速機4は、有段の自動変速機の場合、入力軸4aを介して伝達された入力回転を所望の変速比で変速して出力軸4bに出力するための遊星歯車列(図示せず)や、この遊星歯車列の動作制御を行うためのクラッチ及びブレーキ等(図示せず)を有する。自動変速機4は、変速機制御装置16の油圧制御に基づいてクラッチ及びブレーキの係合又は開放を行うことにより、所望の変速段への切り替えを行い、或いは入力軸4aから入力された駆動力を出力軸4bに伝達しないニュートラル状態とすることができる。入力軸4aは、モータ3の回転軸と一体に回転し、クラッチ2に機械的に接続されている。出力軸4bは、ディファレンシャルギヤ(図示せず)、駆動軸(図示せず)を介して車輪(図示せず)に駆動力を伝達する。
【0024】
インバータ5は、駆動時にバッテリ6から供給された電力を直流から交流に変換してモータ3に供給し、回生時にモータ3で発電された電力を交流から直流に変換してバッテリ6に供給する。インバータ5は、モータ制御装置14からの制御信号に基づいて制御される。
【0025】
バッテリ6は、駆動時に蓄電された電力をインバータ5に供給し、回生時にインバータ5から供給された電力を蓄電する。バッテリ6は、バッテリ制御装置15からの制御信号に基づいて制御される。
【0026】
エンジン回転センサ7は、エンジン1の出力軸の回転数Neを検出する。入力軸回転センサ8は、自動変速機4の入力軸4aの回転数Ntを検出する。出力軸回転センサ9は、自動変速機4の出力軸4bの回転数(当該車両の車速に相当する)Noを検出する。スロットル開度センサ10は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応じたエンジン1のスロットル開度(エンジン負荷に相当する)θを検出する。ブレーキセンサ11は、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込み量に応じた制動量を検出する。センサ7〜11で検出された検出信号は、駆動制御装置17に入力される。
【0027】
エンジン制御装置12は、エンジン1の動作制御を行い、駆動制御装置17からの制御信号に基づいて制御される。クラッチ制御装置13は、クラッチ2の動作制御を行い、駆動制御装置17からの制御信号に基づいて制御される。モータ制御装置14は、インバータ5を介してモータ3の動作制御を行い、駆動制御装置17からの制御信号に基づいて制御される。変速機制御装置16は、自動変速機4の動作制御を行い、駆動制御装置17からの制御信号に基づいて制御される。バッテリ制御装置15は、バッテリ6の動作制御を行い、駆動制御装置17からの制御信号に基づいて制御される。
【0028】
駆動制御装置17は、ハイブリッド車両用駆動制御装置であり、マイクロコンピュータを備えており、エンジン回転センサ7、入力軸回転センサ8、スロットル開度センサ10、ブレーキセンサ11、エンジン制御装置12、クラッチ制御装置13、モータ制御装置14、バッテリ制御装置15、及び変速機制御装置16のそれぞれと接続されている。駆動制御装置17は、エンジン回転センサ7、入力軸回転センサ8、スロットル開度センサ10、及びブレーキセンサ11からの検出信号と、記憶されているデータ、マップ及びプログラムとに基づいて、情報処理を行い、エンジン制御装置12、クラッチ制御装置13、モータ制御装置14、バッテリ制御装置15、及び変速機制御装置16の動作制御を行う。駆動制御装置17の詳しい動作については、後述する。
【0029】
次に、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作について図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。図3は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置における減速しきい値Gthを説明するための模式図である。図4は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置におけるエンジン回転数しきい値Nethを説明するための模式図である。図5は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置におけるしきい値Ncthを説明するための模式図である。図6は、本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【0030】
なお、前提として、アクセルペダル(図示せず)が踏み込まれ、エンジン1とモータ3の一方又は両方の駆動力によって車両が走行することで、駆動制御装置17に記憶されているプログラムが作動する。
【0031】
まず、駆動制御装置17が作動すると、駆動制御装置17は、アクセルペダル(図示せず)がOFFであるか否かを確認する(ステップA1)。ここで、アクセルペダルがOFFであるか否かは、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。アクセルペダルがOFFでない場合(ステップA1のNO)、ステップA1に戻る。アクセルペダルがOFFである場合(ステップA1のYES)、ステップA2に進む。
【0032】
アクセルペダルがOFFである場合(ステップA1のYES)、加速要求がない場合(ステップA4のNO、ステップA9のNO)、駆動制御装置17は、ブレーキペダルの踏み込みによる要求減速|G|が、エンジンブレーキのみの減速しきい値|Gth|より大きいか否かを確認する(ステップA2)。ここで、要求減速Gは、ブレーキセンサ11からの検出信号を用いることで検出することができる。また、減速しきい値|Gth|は、エンジンブレーキのみの減速に相当する値であり(図3参照)、予め記憶された値である。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップA2のNO)、ステップA6に進む。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップA2のYES)、ステップA3に進む。
【0033】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップA2のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2の接続を維持したまま、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジンブレーキ、フットブレーキ、及びモータ回生ブレーキによるブレーキ制動を行わせる(ステップA3)。ここで、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。
【0034】
ステップA3又はステップA8の後、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップA4)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップA4のNO)、ステップA2に戻る。加速要求がある場合(ステップA4のYES)、ステップA5に進む。
【0035】
加速要求がある場合(ステップA4のYES)、駆動制御装置17は、エンジン1の出力をアップするように制御する(ステップA5)。その後、スタートに戻る。ここで、エンジン1の出力制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップA6における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図6のC地点のようなイメージとなる。
【0036】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップA2のNO)、駆動制御装置17は、クラッチ2を分離するように制御するとともに、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジン1をアイドリング状態になるように制御する(ステップA6)。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップA6における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図6のA地点のようなイメージとなる。
【0037】
ステップA6の後、駆動制御装置17は、入力軸回転数Ntに対応するモータ回転数Nmgが、エンジン回転数しきい値Nethより低いか否かを確認する(ステップA7)。ここで、エンジン回転数しきい値Nethは、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数、つまり、車速が低くなり、エンジン回転がエンジンブレーキから自動変速機4のトルクコンバータに対するクリープ力へと反転するときの回転数、若しくは、アイドリングしているエンジン1のクランク軸1bと入力軸4aをクラッチ2にて接続してもショックにならない回転数であり(図4参照)、予め記憶されたものである。また、モータ回転数Nmgは、入力軸回転センサ8からの検出信号を用いることで検出することができる。エンジン回転数しきい値Neth以上の場合(ステップA7のNO)、ステップA9に進む。エンジン回転数しきい値Nethより低い場合(ステップA7のYES)、ステップA8に進む。
【0038】
エンジン回転数しきい値Nethより低い場合(ステップA7のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御する(ステップA8)。その後、ステップA4に進む。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。なお、ステップA8における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図6のB地点のようなイメージとなる。
【0039】
エンジン回転数しきい値Neth以上の場合(ステップA7のNO)、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップA9)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップA9のNO)、ステップA2に戻る。加速要求がある場合(ステップA9のYES)、ステップA10に進む。
【0040】
加速要求がある場合(ステップA9のYES)、駆動制御装置17は、モータ3の回生動作を停止させるように制御するとともに、スロットル開度とは独立にエンジン回転数Neをモータ回転数Nmgになるように調整しながら上昇させるように制御し、要求トルクと等しいモータトルクを出力してモータ3のみで力行走行するように制御する(ステップA10)。ここで、エンジン回転数Neの制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。また、モータ3の力行走行制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。
【0041】
ステップA10の後、駆動制御装置17は、入力軸回転数Ntに対応するモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差が、車両の振動が問題とならないしきい値Ncthよりも低いか否かを確認する(ステップA11)。ここで、モータ回転数Nmgは、入力軸回転センサ8からの検出信号を用いることで検出することができる。また、エンジン回転数Neは、エンジン回転センサ7からの検出信号を用いることで検出することができる。また、しきい値Ncthは、入力軸4aとクランク軸1bをクラッチ2にて接続したときに、車両の振動が問題とならないレベルのモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差であり(図5参照)、予め記憶されたものである。しきい値Ncth以上の場合(ステップA11のNO)、ステップA11に戻る。しきい値Ncthよりも低い場合(ステップA11のYES)、ステップA12に進む。
【0042】
しきい値Ncthよりも低い場合(ステップA11のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御するとともに、モータ3の出力をダウンさせるように制御し、かつ、エンジン1の出力をアップさせるように制御する(ステップA12)。その後、スタートに戻る。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0043】
実施形態1によれば、ハイブリッド車両性能として重要な回生量を確保しつつ、クラッチ2を開放した状態での回生減速状態から再加速する際に、駆動力の抜け、加速応答遅れ、クラッチ接続に伴うショックといった違和感を生じることなく、ドライバー要求通りの滑らかな加速を得ることができる。
【0044】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置について図面を用いて説明する。図7は、本発明の実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。図8は、本発明の実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。なお、実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置は、実施形態1と動作が異なる。実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの基本的構成は、実施形態1と同様である。
【0045】
なお、前提として、アクセルペダル(図示せず)が踏み込まれ、エンジン1とモータ3の一方又は両方の駆動力によって車両が走行することで、駆動制御装置17に記憶されているプログラムが作動する。
【0046】
まず、駆動制御装置17が作動すると、駆動制御装置17は、アクセルペダル(図示せず)がOFFであるか否かを確認する(ステップB1)。ここで、アクセルペダルがOFFであるか否かは、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。アクセルペダルがOFFでない場合(ステップB1のNO)、ステップB1に戻る。アクセルペダルがOFFである場合(ステップB1のYES)、ステップB2に進む。
【0047】
アクセルペダルがOFFである場合(ステップB1のYES)、加速要求がない場合(ステップB4のNO)、駆動制御装置17は、ブレーキペダルの踏み込みによる要求減速|G|が、エンジンブレーキのみの減速しきい値|Gth|より大きいか否かを確認する(ステップB2)。ここで、要求減速Gは、ブレーキセンサ11からの検出信号を用いることで検出することができる。また、減速しきい値Gthは、エンジンブレーキのみの減速に相当する値であり(図3参照)、予め記憶された値である。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップB2のNO)、ステップB6に進む。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップB2のYES)、ステップB3に進む。
【0048】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップB2のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2の接続を維持したまま、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジンブレーキ、フットブレーキ、及びモータ回生ブレーキによるブレーキ制動を行わせる(ステップB3)。ここで、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。
【0049】
ステップB3の後、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップB4)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップB4のNO)、ステップB2に戻る。加速要求がある場合(ステップB4のYES)、ステップB5に進む。
【0050】
加速要求がある場合(ステップB4のYES)、駆動制御装置17は、エンジン1の出力をアップするように制御する(ステップB5)。その後、スタートに戻る。ここで、エンジン1の出力制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0051】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップB2のNO)、駆動制御装置17は、クラッチ2を分離するように制御するとともに、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジン1を停止するように制御する(ステップB6)。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップB6における車速、アクセル、スロットル開度、スタータ、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図8のA地点のようなイメージとなる。
【0052】
ステップB6の後、及び、減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップB12のNO)、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップB7)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップB7のNO)、ステップB12に進む。加速要求がある場合(ステップB7のYES)、ステップB8に進む。
【0053】
加速要求がある場合(ステップB7のYES)、駆動制御装置17は、スタータ1aでエンジン1を始動させるように制御する(ステップB8)。ここで、スタータ1a及びエンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップB6における車速、アクセル、スロットル開度、スタータ、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図8のB地点のようなイメージとなる。
【0054】
ステップB8の後、駆動制御装置17は、モータ3の回生動作を停止させるように制御するとともに、スロットル開度とは独立にエンジン回転数Neをモータ回転数Nmgになるように調整しながら上昇させるように制御し、要求トルクと等しいモータトルクを出力してモータ3のみで力行走行するように制御する(ステップB9)。ここで、エンジン回転数Neの制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。また、モータ3の力行走行制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。なお、ステップB6における車速、アクセル、スロットル開度、スタータ、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図8のC地点のようなイメージとなる。
【0055】
ステップB9の後、駆動制御装置17は、入力軸回転数Ntに対応するモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差が、車両の振動が問題とならないしきい値Ncthよりも低いか否かを確認する(ステップB10)。ここで、モータ回転数Nmgは、入力軸回転センサ8からの検出信号を用いることで検出することができる。また、エンジン回転数Neは、エンジン回転センサ7からの検出信号を用いることで検出することができる。また、しきい値Ncthは、入力軸4aとクランク軸1bをクラッチ2にて接続したときに、車両の振動が問題とならないレベルのモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差であり(図5参照)、予め記憶されたものである。しきい値Ncth以上の場合(ステップB10のNO)、ステップB10に戻る。しきい値Ncthよりも低い場合(ステップB10のYES)、ステップB11に進む。
【0056】
しきい値Ncthよりも低い場合(ステップB10のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御するとともに、モータ3の出力をダウンさせるように制御し、かつ、エンジン1の出力をアップさせるように制御する(ステップB11)。その後、スタートに戻る。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップB6における車速、アクセル、スロットル開度、スタータ、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図8のD地点のようなイメージとなる。
【0057】
加速要求がない場合(ステップB7のNO)、駆動制御装置17は、ブレーキペダルの踏み込みによる要求減速|G|が、エンジンブレーキのみの減速しきい値|Gth|より大きいか否かを確認する(ステップB12)。ここで、要求減速Gは、ブレーキセンサ11からの検出信号を用いることで検出することができる。また、減速しきい値|Gth|は、エンジンブレーキのみの減速に相当する値であり(図3参照)、予め記憶された値である。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップB12のNO)、ステップB7に戻る。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップB12のYES)、ステップB13に進む。
【0058】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップB12のYES)、駆動制御装置17は、スタータ1aでエンジン1を始動させるように制御する(ステップB13)。ここで、スタータ1a及びエンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0059】
ステップB13の後、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御するとともに、エンジンブレーキがかかるように制御する(ステップB14)。その後、スタートに戻る。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0060】
実施形態2によれば、実施形態1と同様な効果を奏するとともに、惰性減速中にエンジン1を停止しているため、燃費を向上させることができる。なお、惰性減速中にエンジン1を停止しているときに再加速の要求があったときは、スタータ1aでエンジン1を始動させるため、回生しているモータ3を用いてエンジン1を始動させる場合よりも迅速にエンジン1を始動させることができる。
【0061】
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置について図面を用いて説明する。図9は、本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。図10は、本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムにおけるモータ最大トルクと要求トルクを説明するための模式図である。図11は、本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。なお、実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置は、実施形態1と動作が異なる。実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの基本的構成は、実施形態1と同様である。
【0062】
なお、前提として、アクセルペダル(図示せず)が踏み込まれ、エンジン1とモータ3の一方又は両方の駆動力によって車両が走行することで、駆動制御装置17に記憶されているプログラムが作動する。
【0063】
まず、駆動制御装置17が作動すると、駆動制御装置17は、アクセルペダル(図示せず)がOFFであるか否かを確認する(ステップC1)。ここで、アクセルペダルがOFFであるか否かは、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。アクセルペダルがOFFでない場合(ステップC1のNO)、ステップC1に戻る。アクセルペダルがOFFである場合(ステップC1のYES)、ステップC2に進む。
【0064】
アクセルペダルがOFFである場合(ステップC1のYES)、加速要求がない場合(ステップC4のNO、ステップC9のNO)、駆動制御装置17は、ブレーキペダルの踏み込みによる要求減速|G|が、エンジンブレーキのみの減速しきい値|Gth|より大きいか否かを確認する(ステップC2)。ここで、要求減速Gは、ブレーキセンサ11からの検出信号を用いることで検出することができる。また、減速しきい値Gthは、エンジンブレーキのみの減速に相当する値であり(図3参照)、予め記憶された値である。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップC2のNO)、ステップC6に進む。減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップC2のYES)、ステップC3に進む。
【0065】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が大きい場合(ステップC2のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2の接続を維持したまま、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジンブレーキ、フットブレーキ、及びモータ回生ブレーキによるブレーキ制動を行わせる(ステップC3)。ここで、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。
【0066】
ステップC3の後、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップC4)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップC4のNO)、ステップC2に戻る。加速要求がある場合(ステップC4のYES)、ステップC5に進む。
【0067】
加速要求がある場合(ステップC4のYES)、駆動制御装置17は、エンジン1の出力をアップするように制御する(ステップC5)。その後、スタートに戻る。ここで、エンジン1の出力制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0068】
減速しきい値|Gth|より要求減速|G|が小さい場合(ステップC2のNO)、駆動制御装置17は、クラッチ2を分離するように制御するとともに、モータ3の回生動作を行うように制御し、エンジン1をアイドリング状態になるように制御する(ステップC6)。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の回生動作制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップC6における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図11のA地点のようなイメージとなる。
【0069】
ステップC6の後、駆動制御装置17は、入力軸回転数Ntに対応するモータ回転数Nmgが、エンジン回転数しきい値Nethより低いか否かを確認する(ステップC7)。ここで、エンジン回転数しきい値Nethは、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数、つまり、車速が低くなり、エンジン回転がエンジンブレーキから自動変速機4のトルクコンバータに対するクリープ力へと反転するときの回転数、若しくは、アイドリングしているエンジン1のクランク軸1bと入力軸4aをクラッチ2にて接続してもショックにならない回転数であり(図4参照)、予め記憶されたものである。また、モータ回転数Nmgは、入力軸回転センサ8からの検出信号を用いることで検出することができる。エンジン回転数しきい値Neth以上の場合(ステップC7のNO)、ステップC9に進む。エンジン回転数しきい値Nethより低い場合(ステップC7のYES)、ステップC8に進む。
【0070】
エンジン回転数しきい値Nethより低い場合(ステップC7のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御する(ステップC8)。その後、ステップC4に進む。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。
【0071】
エンジン回転数しきい値Neth以上の場合(ステップC7のNO)、駆動制御装置17は、アクセルペダルの踏み込みによる加速要求があるか否かを確認する(ステップC9)。ここで、加速要求は、スロットル開度センサ10からの検出信号を用いることで確認することができる。加速要求がない場合(ステップC9のNO)、ステップC2に戻る。加速要求がある場合(ステップC9のYES)、ステップC10に進む。
【0072】
加速要求がある場合(ステップC9のYES)、駆動制御装置17は、検出されたスロットル開度、エンジン回転数、及びモータ回転数と、記憶されたマップとに基づいて、アクセルペダル(図示せず)の踏み込みによる要求トルクがモータ最大トルクよりも小さいか否かを確認する(ステップC10)。ここで、要求トルクがモータ最大トルクよりも小さいか否かを確認するのは、モータ3の余剰トルクをエンジン回転数(図10ではスロットル開度θ1、θ2のときのもの)の引上げに用いることができ、クラッチ2の接続時に振動を防止することができるからである(図10参照)。モータ最大トルクよりも小さい場合(ステップC10のYES)、ステップC14に進む。モータ最大トルク以上の場合(ステップC10のNO)、ステップC11に進む。
【0073】
モータ最大トルク以上の場合(ステップC10のNO)、駆動制御装置17は、モータ3の回生動作を停止させるように制御するとともに、スロットル開度とは独立にエンジン回転数Neをモータ回転数Nmgになるように調整しながら上昇させるように制御し、要求トルクと等しいモータトルクを出力してモータ3のみで力行走行するように制御する(ステップC11)。ここで、エンジン回転数Neの制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。また、モータ3の力行走行制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。
【0074】
ステップC11の後、駆動制御装置17は、入力軸回転数Ntに対応するモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差が、車両の振動が問題とならないしきい値Ncthよりも低いか否かを確認する(ステップC12)。ここで、モータ回転数Nmgは、入力軸回転センサ8からの検出信号を用いることで検出することができる。また、エンジン回転数Neは、エンジン回転センサ7からの検出信号を用いることで検出することができる。また、しきい値Ncthは、入力軸4aとクランク軸1bをクラッチ2にて接続したときに、車両の振動が問題とならないレベルのモータ回転数とエンジン回転数Neの絶対差であり(図5参照)、予め記憶されたものである。しきい値Ncth以上の場合(ステップC12のNO)、ステップC12に戻る。しきい値Ncthよりも低い場合(ステップC12のYES)、ステップC13に進む。
【0075】
しきい値Ncthよりも低い場合(ステップC12のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御するとともに、モータ3の出力をダウンさせるように制御し、かつ、エンジン1の出力をアップさせるように制御する(ステップC13)。その後、スタートに戻る。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。
【0076】
モータ最大トルクよりも小さい場合(ステップC10のYES)、駆動制御装置17は、クラッチ2を接続するように制御するとともに、モータ3のみの駆動力による力行走行を行うように制御する(ステップC14)。ここで、クラッチ2の制御は、クラッチ制御装置13を介して行うことになる。また、モータ3の制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。なお、ステップC6における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図11のB地点のようなイメージとなる。
【0077】
ステップC14の後、駆動制御装置17は、モータ3の出力をダウンさせるように制御するとともに、エンジン1の出力をアップさせるように制御する(ステップC15)。その後、スタートに戻る。ここで、モータ3の制御は、モータ制御装置14やバッテリ制御装置15を介して行う。また、エンジン1の制御は、エンジン制御装置12を介して行うことになる。なお、ステップC6における車速、アクセル、スロットル開度、エンジン回転数、エンジントルク、ブレーキ、クラッチ、モータ回転数、モータトルク、及び、変速段のタイミングチャートは、図11のC地点のようなイメージとなる。
【0078】
実施形態3によれば、実施形態1と同様な効果を奏するとともに、モータ3の余剰トルクをエンジン回転数の引上げに用いることができ、クラッチ2の接続時に振動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置における減速しきい値Gthを説明するための模式図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置におけるエンジン回転数しきい値Nethを説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置におけるしきい値Ncthを説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施形態1に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態2に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置の動作を模式的に示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムにおけるモータ最大トルクと要求トルクを説明するための模式図である。
【図11】本発明の実施形態3に係るハイブリッド車両用駆動制御装置を含む車両駆動システムの各部の動作状態を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0080】
1 エンジン
1a スタータ
1b クランク軸
2 クラッチ
3 モータ
4 自動変速機
4a 入力軸
4b 出力軸
5 インバータ
6 バッテリ
7 エンジン回転センサ(Neセンサ)
8 入力軸回転センサ(Ntセンサ)
9 出力軸回転センサ(Noセンサ)
10 スロットル開度センサ(θセンサ)
11 ブレーキセンサ
12 エンジン制御装置
13 クラッチ制御装置
14 モータ制御装置
15 バッテリ制御装置
16 変速機制御装置
17 駆動制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン、モータ、変速機がこの順に連結され、前記エンジンと前記モータとの間にクラッチが配設されたハイブリッド車両の前記エンジン、前記モータ、前記変速機、及び前記クラッチの動作を制御するハイブリッド車両用駆動制御装置であって、
慣性走行しているコースト時に、前記クラッチを分離するとともに、前記モータで回生動作を行うように制御する第1の制御と、
前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記モータの回生動作を停止させるとともに前記モータを力行動作させた後、前記クラッチを接続し、前記モータの出力を下降させ、かつ、回転中の前記エンジンの出力を上昇させる第2の制御と、
を行うように構成されることを特徴とするハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項2】
前記第1の制御の際、前記エンジンを停止させずにアイドル状態を維持するように制御することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項3】
前記第1の制御の後、前記モータのモータ回転数が、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数に基づいて予め定められたしきい値より小さい場合、加速要求の有無に関わらず、前記クラッチを接続するように制御する第3の制御と、
前記第3の制御の後に加速要求があった場合、回転中の前記エンジンの出力を上昇させる第4の制御と、
を行うように構成されることを特徴とする請求項2記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項4】
前記第2の制御は、前記第1の制御の後、前記モータのモータ回転数が、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数に基づいて予め定められたしきい値以上の場合に行われることを特徴とする1乃至3のいずれか一に記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項5】
前記第1の制御の際、前記エンジンを停止するように制御し、
前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、前記モータとは別のスタータを用いて前記エンジンを始動させるように制御する第5の制御を行うように構成されることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項6】
前記第1の制御の後の所定の制動力要求があった場合、前記モータとは別のスタータを用いて前記エンジンを始動させるように制御する第6の制御と、
前記第6の制御の後、前記モータで回生動作を維持するとともに、前記クラッチを接続させてエンジンブレーキを作動するように制御する第7の制御と、
を行うように構成されることを特徴とする請求項5記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項7】
前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、加速要求とは独立して回転状態のエンジン回転数をモータ回転数になるよう調整しながら上昇させるとともに、前記モータで力行走行するように制御する第8の制御を行うように構成されることを特徴とする請求1乃至6のいずれか一に記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項8】
前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、前記加速要求に対応する要求トルクがそのモータ回転数でのモータ最大トルクより小さい場合には、前記クラッチを接続するとともに、前記要求トルク以上のモータトルクを出力して前記モータで力行走行するように制御する第9の制御を行うように構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項1】
エンジン、モータ、変速機がこの順に連結され、前記エンジンと前記モータとの間にクラッチが配設されたハイブリッド車両の前記エンジン、前記モータ、前記変速機、及び前記クラッチの動作を制御するハイブリッド車両用駆動制御装置であって、
慣性走行しているコースト時に、前記クラッチを分離するとともに、前記モータで回生動作を行うように制御する第1の制御と、
前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記モータの回生動作を停止させるとともに前記モータを力行動作させた後、前記クラッチを接続し、前記モータの出力を下降させ、かつ、回転中の前記エンジンの出力を上昇させる第2の制御と、
を行うように構成されることを特徴とするハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項2】
前記第1の制御の際、前記エンジンを停止させずにアイドル状態を維持するように制御することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項3】
前記第1の制御の後、前記モータのモータ回転数が、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数に基づいて予め定められたしきい値より小さい場合、加速要求の有無に関わらず、前記クラッチを接続するように制御する第3の制御と、
前記第3の制御の後に加速要求があった場合、回転中の前記エンジンの出力を上昇させる第4の制御と、
を行うように構成されることを特徴とする請求項2記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項4】
前記第2の制御は、前記第1の制御の後、前記モータのモータ回転数が、コースト時に通常車両が発生するトルクが制動トルクから駆動トルクへ反転する際のエンジン回転数に基づいて予め定められたしきい値以上の場合に行われることを特徴とする1乃至3のいずれか一に記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項5】
前記第1の制御の際、前記エンジンを停止するように制御し、
前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、前記モータとは別のスタータを用いて前記エンジンを始動させるように制御する第5の制御を行うように構成されることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項6】
前記第1の制御の後の所定の制動力要求があった場合、前記モータとは別のスタータを用いて前記エンジンを始動させるように制御する第6の制御と、
前記第6の制御の後、前記モータで回生動作を維持するとともに、前記クラッチを接続させてエンジンブレーキを作動するように制御する第7の制御と、
を行うように構成されることを特徴とする請求項5記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項7】
前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、加速要求とは独立して回転状態のエンジン回転数をモータ回転数になるよう調整しながら上昇させるとともに、前記モータで力行走行するように制御する第8の制御を行うように構成されることを特徴とする請求1乃至6のいずれか一に記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【請求項8】
前記第1の制御の後に加速要求があった場合、前記第2の制御を行う前に、前記加速要求に対応する要求トルクがそのモータ回転数でのモータ最大トルクより小さい場合には、前記クラッチを接続するとともに、前記要求トルク以上のモータトルクを出力して前記モータで力行走行するように制御する第9の制御を行うように構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載のハイブリッド車両用駆動制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−55993(P2008−55993A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−233267(P2006−233267)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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