説明

レーザ加工装置とその制御方法

【課題】レーザ光の照射部を局所的に真空排気する局所加工部を備え、差動排気により局所加工部を被加工物上に浮上するレーザ加工装置において、被加工物表面の異物をレーザ光照射部との間に挟みこむことを防ぐ。
【解決手段】差動排気によってレーザ照射による局所加工部40を被加工物(基板11)から浮上させるにあたって、その浮上量Dを、圧縮ガス供給部63によるガス供給量と圧縮ガス排気部65によるガス排気量とのバランスを制御することで変化させ、ガス排気量を小さくして浮上量Dを高くした状態で、加工位置間の移動を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜が形成された基板等にレーザ光を照射することで薄膜パターンの修正等の加工を行うレーザ加工装置とその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体や液晶、あるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フォトマスク、TFT(薄膜トランジスタ)のように、薄膜の形成によって構成される基板において、レーザ光の照射による薄膜の加工が知られている。
【0003】
例えば、配線パターンが不要な部分で接続されてしまっている場合には、その欠陥部にレーザ光を照射し、アブレーションによって不要な箇所を除去する。また、パターンに欠けが生じている時には、そのパターンの原料雰囲気中にてレーザ光を照射することにより、部分的に膜を形成するレーザCVD(化学的気相成長)法により修正を行うことができる。
【0004】
このようなレーザ加工による修正は、歩留まりを向上させることができるため非常に有用である。しかしながらこの方法においては、レーザ照射によって除去された薄膜材料等が飛散し、周囲に付着することで新たな不良の原因となってしまうことがあった。
この問題を解決するために、例えば特許文献1に開示されているように、局所加工部に窓を介してレーザ光を照射し、局所排気機構によってレーザ光の照射部を局所的に真空排気することで飛散物を吸引し、再付着を防ぐ方法が提案されている。この局所加工部は、中心部に設けるレーザ照射部の真空度を保持する局所排気機構を設けると共に、その周囲で圧縮ガス供給機構とこの圧縮ガスを吸引する排気機構とを設け、圧縮ガス供給量と排気量とのバランスによって浮上量を保つ差動排気機構を備える。また特許文献2では、同様にガス供給機構と排気機構とを有するレーザ加工装置において、レーザ照射部のガス流速を高速化することで微粒子の付着を防ぐ方法が開示されている。
【0005】
こうした飛散物の付着を防ぐ機能を備えたリペア用のレーザ加工装置では、レーザ光照射部の浮上面と被加工物の表面との間隔(浮上量)は厳密に管理される必要がある。またその間隔は被加工物のパターンサイズによっては数十μm程度の間隔である。
例えば、設定した浮上量よりもレーザ光照射部の浮上面と被加工物の表面との間隔が狭くなると、レーザ照射部近傍に設けられる排気口に基板が吸着してしまう。また、基板にそり等が生じているとか、レーザ光照射部の退避箇所と基板との間に大きな断差を有している時には、レーザ光照射部の浮上面が被加工物と接触してしまい、損傷を与える恐れがある。
【0006】
このような問題を解決するために、下記特許文献3では、圧縮ガスを吸引する排気部に設けられた環状溝の外縁に内側から外側に向かって貫通する横断溝を設けることで、環状溝より内側の真空度を下げる方法が開示されている。
下記引用文献4では、複数の浮上機構を設けてそのガス供給部である多孔質通気部の空孔率を変え、それぞれの浮上用ガスの流量を調整することで浮上面を基板に対して異なる範囲で浮上させる技術が開示されている。被加工物に段差がある場合等において、浮上量を変更できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−144526号公報
【特許文献2】特開2003−347242号公報
【特許文献3】特開2006−225705号公報
【特許文献4】特開2005−174972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、被加工物の表面には他の工程で発生した付着物やレーザ加工装置に備えられた吸引部によって回収しきれなかった飛散物が存在している場合がある。エアシャワーやエアガンなどを用いて被加工物の表面にガスを吹き付けることによりこのような付着物を吹き飛ばして除去する方法もあるが、他工程において既に凝着してしまい、簡単には除去できない異物が付着している場合もある。
特に有機ELディスプレイ等のTFT基板においては、配線パターン等の線幅が2〜5μm程度と微細化されており、したがってより高密度なパターンを有しているため、異物の影響は大きい。
また加工修正においては、その修正が必要な箇所が被加工物の基板上にランダムに点在していることとなり、レーザ光の照射部が修正箇所まで移動する距離がパターンサイズと無関係に大きくなる。つまり、微細なパターンの直上を横切って比較的長い距離をレーザ光照射部が移動する場合が多くなる。このため、レーザ光照射部とこれに付随する局所排気機構の移動経路に付着物等の異物が存在する可能性も大きくなる。
【0009】
こうした異物のサイズは様々であり、レーザ光照射部の浮上面と被加工物表面との間の浮上量を上回る大きさの異物が存在している時には、その上をレーザ光の照射部が通過すると浮上面と被加工物の間に異物を挟み込んでしまう。このような場合、挟み込まれた異物によって被加工物の表面を損傷させてしまい、再度加工を行う必要が生じてしまう。また、ガラス基板のマイクロクラックのように硬い異物だと、最悪の場合には局所排気機構の浮上面そのものが傷つき、その傷によって他の基板まで損傷させてしまう恐れもある。更には、浮上面を構成する部品を交換する必要が生じ、そのために装置稼働ができなくなる事態も考えられ、生産性に及ぼす影響が大きい。
【0010】
なお、上記特許文献4の方法は、通気部の構造の異なる複数の浮上機構を設けると共に、その一部に圧縮ガスの供給量を増やすことによって浮上量を大きくするものである。この方法により加工箇所間の移動時に浮上量を大きくすることが考えられるが、一般的に工場において供給されるガス圧力は限界があるため、単に供給ガスの圧力を2倍等に高めることには設備上の制限が生じる場合がある。また圧縮量の異なるガス供給源を用意する必要も生じるので、装置構成が比較的複雑となり、ガス圧の調整作業やメンテナンスの面でも問題が生じる恐れがある。
【0011】
本発明では上記問題に鑑みて、レーザ光の照射部を局所的に排気してレーザ加工を行うにあたり、被加工物表面の異物を、レーザ光を照射する局所加工部の浮上面と加工物との間に挟みこむことを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、レーザ照射により加工を行う局所加工部を圧縮ガス供給機構及び圧縮ガス排気部とにより構成される浮上機構、いわゆる差動排気機構によって被加工物から浮上させる。そしてその浮上量を、ガス供給量とガス排気量とのバランスを制御することで変化させるものである。
【0013】
すなわち、レーザ加工時には所定の浮上量となるように、浮上機構におけるガス供給量とガス排気量とを所定のバランスとして保持する。そして加工終了後に、局所加工部を被加工物上で次の加工位置へ移動する際には、そのバランスを変えることで浮上量を大きくする。このようにすることで、被加工物と局所加工部の浮上面との間にもし異物が存在していたとしても、このような異物と衝突することを回避できる。
【0014】
すなわち本発明においては、レーザ加工装置の局所加工部が受ける浮上力を、供給ガスと排気ガスの圧力の大小によって極めて容易に、かつ短時間で制御するものである。したがって、被加工物上に存在する付着物との衝突を避けるにあたって、例えば通常の不常時と比べて高い圧力の圧縮ガスを用いることや、ガス供給口の形状等を複雑にする必要がなく、簡易な構成で所望の浮上量が得られる。これにより、被加工物と局所加工部の浮上面との間に異物を挟みこむことを回避できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、被加工物表面の異物を、レーザ光を照射する局所加工部の浮上面と加工物との間に挟みこむことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】被加工物の一例の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の断面構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の観察部を表す構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の局所加工部の底面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置における局所加工部の浮上量と圧縮ガスの供給圧力との関係を表した説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の制御方法を表すフローチャートである。
【図7】加工時における局所加工部の浮上状態を表す説明図である。
【図8】圧縮ガス排気圧力を小さくして局所加工部を浮上させた時の浮上状態を表す説明図である。
【図9】局所加工部を移動させる時の浮上状態を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置とその制御方法について説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。説明は以下の順序で行う。
1.レーザ加工装置の実施の形態
(1)被加工物の一例
(2)レーザ加工装置の構成
a.加工装置全体の概略構成
b.レーザ照射部の観察部の一例
c.局所加工部の構成
d.パージガス供給機構の構成
e.原料ガス供給機構の構成
f.浮上機構の構成
2.レーザ加工装置の制御方法の実施の形態
(1)浮上制御のフローチャート
(2)移動工程の一例
【0018】
1.レーザ加工装置の実施の形態
(1)被加工物の一例
図1は、本実施の形態の例に係るレーザ加工装置により製造、修正を行う対象である被加工物10の一例の断面図である。この被加工物10としては、例えば液晶ディスプレイパネルや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネル等のディスプレイパネルに用いられるTFT基板などに利用可能である。図1に示すように、この被加工物10は、ガラス等より成るTFT基板11Aの上に例えば導電性の配線材料から成る薄膜パターン12Aが形成されるものである。
【0019】
(2)レーザ加工装置の構成
a.加工装置全体の概略構成
図2は、本実施の形態に係るレーザ加工装置100の概略断面構成図である。本実施の形態におけるレーザ加工装置100は、被加工物であるTFT基板等の基板11を支持する載置台20と、被加工物にレーザ光を導くレーザ照射部30と、載置台20に置かれた基板11に対して相対的に移動する局所加工部40とを備える。図2の例においては、基板11上の配線等の薄膜パターン12において点在している短絡部12Bをレーザ照射部30からのレーザ光を照射することで除去し、修正を行うものである。また図示しないがパターンの欠損部に部分的にレーザCVDにより修復を行う機能も備える例を示している。
【0020】
また、この局所加工部40には、レーザ照射部30によってレーザが照射される箇所を局所的に真空排気する局所排気機構50が設けられる。また局所加工部40を基板11に対して浮上させるための圧縮ガスG1を供給し、この供給された圧縮ガスG1を排気する浮上機構60と、パージガスG2を局所加工部40に設けられた窓41に吹き付けるパージガス供給機構70が設けられる。更に、配線等のパターンの欠損を修復するための原料ガスG3を供給する原料ガス供給機構80が設けられる。なお、局所加工部40全体は、これを支持する局所加工部支持機構91に、例えば板バネやコイルバネ等の弾性部材(図示せず)より成る支持部92を介して接続されて載置台20の上に所定の間隔をもって保持されている。
【0021】
載置台20は、例えばX−Yステージにより構成することができる。本実施の形態においては、基板11上に点在する薄膜パターン12の修正箇所、すなわち例えば短絡部12Bにレーザ光Lの照準を合わせるように、基板11を局所加工部40に対して相対的に移動させる構成とする。
また載置台20の端部には、図示しないが、基板の載置や交換等の際に局所加工部40を退避するための退避部が設けられていてもよい。
【0022】
レーザ照射部30は、レーザ光Lを発生させるレーザ光源31と、レーザ光源31によって照射されるレーザ光Lの進行方向を変えるハーフミラー32と、レーザ光Lを加工対象である配線の短絡部12B上に集光させる対物レンズ33とを有する。レーザ光源31としては、例えば波長532nmのレーザ光源を用いることができる。加工に利用するレーザ光の波長帯域はもちろんこの限りではない。なお、レーザ光を成形するアパーチャ等は省略してあり、公知の種々の形態を採ることができる。
【0023】
b.レーザ照射部の観察部の一例
図3に、レーザ光照射部30の観察部の一例の構成を示す。このレーザ光照射部30には、図3に示すように、レーザ光を照射する領域の加工(修正、成膜のいずれか又は両方)の状況を確認するための観察部39を構成してもよい。例えばこの観察部39は、修正箇所に観察用の照明光を提供する照明器37と、照明器37からの照明光を集光するレンズ36と、集光された照明光を、観察対象である被修正箇所に導くハーフミラー34とを備える。また更に、ハーフミラー34によって導かれた照明光を被加工箇所に集光させる対物レンズ33と、対物レンズ33により被加工箇所に集光された照明光の反射光を集光するレンズ35とを備える。そして、レンズ35により集光された被加工箇所からの光を結像させる観察手段38によって観察部39を構成することができる。
【0024】
照明器37の照明光はレーザ光源31からのレーザ光を反射するハーフミラー32を透過し、そのレーザ光と同じ光路にて加工対象箇所に照射される。
【0025】
c.局所加工部の構成
再び図2を参照して局所加工部40の構成について説明する。局所加工部40は例えば略円板状、又は角形状の外形をしており、その中央部に窓41及びレーザ照射室42が設けてある。窓41は、レーザ光源31からのレーザ光を透過して被加工物に照射させるための透過孔であり、レーザ光Lに対して透過性を有する例えばガラスなどの透明材料により構成する。レーザ照射室42の下側は載置台20上の被加工物に面して開放されており、その上側は窓41によって密閉される。
【0026】
局所排気機構50は、例えば排気孔51と、排気路53と、局所真空排気部52により構成される。排気路53は、真空吸引を行う局所真空排気部52と排気孔51とを接続する。排気孔51のレーザ照射室42側の開口部はレーザ光照射位置の近辺に設けられる。この排気孔51は、本実施の形態ではレーザ照射室42の側面から局所加工部40内を貫通して排気路53に接続される。また局所真空排気部52は、所定の真空排気能力を備えてレーザ照射室42内を所望の真空度に保持し、排気孔51から吸引された飛散物を排気処理する。
このように、レーザ照射室42内を排気孔51を通じて直接局所的に真空排気することで高い排気効果が得られ、短絡部12Bにレーザ光Lを照射した際に生じる飛散物を確実に吸引して除去することができる。また、欠損部に対してレーザCVDにより局部的に成膜を行う場合に要求される真空度を保持することができる。
【0027】
d.パージガス供給機構の構成
パージガス供給機構70は、例えばパージガスG2を供給するパージガス供給部71と、パージガス供給部71に接続され、パージガスG2をレーザ照射室42内に吹き出すパージガス供給路72とを有する。
本実施の形態においてパージガス供給路72は、局所加工部40の外側の側面から局所加工部の内部を通ってレーザ照射室42内の側面に達する構成とする。パージガスG2はレーザ照射室42の側面からレーザ光が透過する窓41に向かって噴出され、短絡部12Bにレーザを照射した時に生じる飛散物が窓41に付着することを防ぐことができる。
【0028】
また、窓41に向かって吹き出されたパージガスG2は、飛散物と共に排気孔51に吸引され局所真空排気部52により排気される。このパージガスG2には例えばArガス等を用いることができ、レーザ光照射に対して不活性なガスであればよい。
【0029】
e.原料ガス供給機構の構成
原料ガス供給機構80は、例えばパターン欠損時の薄膜を補う材料となる原料ガスG3を供給する原料ガス供給部81と、原料ガス供給部81からの原料ガスG3をレーザ照射室42内に導入する原料ガス供給路82から構成される。
原料ガス供給路82は、例えば局所加工部40の外側の側面からその内部を通ってレーザ照射室42内の側面に接続される。レーザ照射室42の側面への接続部分においては、その供給路が下向きに傾いており、原料ガスG3が基板11に向かって吹き出される構成としてもよい。
【0030】
このように、本実施の形態におけるレーザ加工装置100は、原料ガス供給機構80も備えてある。この場合は、基板11の配線等の薄膜パターン12に欠損等が仮にあった場合には、その原料ガスである例えばW(CO)を原料ガス供給機構80によって基板11に吹きつける。そして原料ガス雰囲気下において欠損箇所にレーザを照射することで、部分的に膜を成膜させ修復することが可能となる。
【0031】
局所加工部支持機構90は、局所加工部支持台91と、この局所加工部支持台91と局所加工部40とを接続する支持部92とから構成することができる。
局所加工部支持台91と支持部92は、例えば載置台20をX−Yステージに対するZ軸方向である上下方向に可動軸を有するアクチュエータまたはモータ等に連結される。局所加工部40の浮上量はレーザ加工初期には予め例えば100μmに機械的に設定してある。
このことにより、緊急停止時等において基板等に局所加工部が接触し、破損するのを防止することができる。
【0032】
そして動作時には後述する浮上機構60からのガス圧力の調整によってこの値から基板11側への移動を行う。またこの局所加工部支持機構90では、サスペンション等の弾性を有する補助機構により局所加工部40を上から吊り下げるとか、横方向から板バネ等の弾性体を介して保持するなどの構成としてもよい。この場合は、局所加工部40の上下の移動にあたり動作や姿勢が安定するので好ましい。
【0033】
f.浮上機構の構成
浮上機構60は、局所加工部40の浮上面から加工対象である基板11に向かってN等の不活性なガスG1を噴射するための圧縮ガス供給機構60Aと、圧縮ガス排気機構から噴射されたガスを吸引する圧縮ガス排気機構60Bとを備える。
圧縮ガス供給機構60Aは、圧縮ガスG1を供給する圧縮ガス供給部63と、圧縮ガスG1を局所加工部40に導く圧縮ガス供給路64とを有する。またさらに、圧縮ガス供給路64に接続され、圧縮ガスG1を局所加工部40の下面(浮上面)から基板11側に向かって噴射する通気部61を有している。通気部61は、多数の貫通孔を有する多孔質部材いわゆる通気パッド等より構成してもよい。
【0034】
圧縮ガス排気機構60Bは、例えば局所加工部40の下面に設けられ通気部61から噴出された圧縮ガスG1を吸引する圧縮ガス吸引孔62と、圧縮ガス吸引孔62に接続され、吸引した圧縮ガスG1を排気する圧縮ガス排気部60Bとを有する。圧縮ガス吸引孔62は、例えば局所加工部40の下面(浮上面)からその内部を通って局所加工部40の外側の側面に連通して設けられる。
また、圧縮ガス吸引孔62と圧縮ガス排気部65の間には弁65Aを設けてある。そしてこの弁65Aによって圧縮ガス吸引孔62からの吸引量を調整することで、通気部61から噴出された圧縮ガスG1の圧力、流量を調節し、局所加工部40の浮上量Dを制御する。すなわちこの例では、浮上機構60におけるガス供給量と排気量とのバランスを弁65Aの操作によって制御して浮上量Dを調整する構成とする。ここで、浮上量Dとは局所加工部40の下面と基板11の表面との間隔である。
また、弁65Aは手動で調整してもよいが、コントローラ66を接続して弁の開閉の調節を制御してもよい。更に、図示の例においては、圧縮ガス吸引孔62及び圧縮ガス排気部60Bを2系統設ける例を示しているが、1系統でもよい。2系統以上とする場合は、弁65Aをそれぞれに設けることで浮上量Dをより精度良く調整することが可能となり、望ましい。
【0035】
またこの浮上機構60は、レーザ照射室42への外気の侵入を遮断するガスカーテン機構としての機能も有している。すなわち、窓41と共にレーザ照射室42を密閉し、基板11上におけるレーザ光Lの照射位置を外気から遮断することができる。
【0036】
図4は、局所加工部40の下面を載置台20側から見た底面図である。局所加工部の下面は、TFT基板との接触を避けるために高い平面度を有することが望ましい。
局所加工部40の下面には、図2にも示すように、載置台20に向かって突出する凸形状として形成され、例えば平面四角形状として形成される。この凸形状の底面の中心にはレーザ照射室42が配置されており、その上部に窓41が配置される。この例では、レーザ照射室42を中心として例えば同心円状に2つの円環状の圧縮ガス吸引孔62が設けられる。またその外側に例えば平面四角形状の局所加工部40の外縁に沿って通気部61が点在して配置される。そしてこの通気部61から圧縮ガスG1を吹き出し、レーザ照射室42に向かって流れてくる圧縮ガスG1を圧縮ガス吸引孔62から吸引する。なおこの例では圧縮ガス吸引孔62を円環状として2つ設ける例を示すが、1つでもよく、また他の形状としてもよい。しかしながら2以上とする場合は安定性がよい。また安定性を保つ形状であれば円環状に限定することなく他の形状でもよい。
【0037】
このように、図4に示す例では圧縮ガスを吹き出す通気部61を、局所加工部40の四角形とされる底面の外縁に沿って平行に配置してある。
局所加工部40に加えられる浮上力は、浮上機構60によって加えられる圧力とそのエリア面積によって決まるため、通気部61によって囲まれるエリア面積にはある一定量が必要となる。つまり、通気部61はレーザ照射室42の中心からなるべく離間させて配置することがバランスを保つ上で望ましい。
例えば同じ面積で、通気部61の各孔を円状に配置するようにするとその半径は大きくなり、例えばTFT基板等の被加工物の周辺部を加工する際に、通気部61がTFT等の基板上から外れ、外れた部分は十分な浮上力を得られずにバランスを崩す恐れがある。これに対して、本実施の形態における通気部61は、平面四角形とする下面の外縁に沿って平行に配置されているため、このようなバランスを崩す配置を避けることができる。したがって、載置台20上に載置されたTFT基板等の被加工物の隅々まで加工を行うことが可能である。また、浮上バランスのためには浮上面の外縁から通気部61までの距離はある一定量必要であり、図4に示す例のように、ほぼ均一な距離をもって配置することがより好ましい。
【0038】
このような浮上機構60を有する局所加工部40は、一定の浮上量でTFT基板等の基板11から浮上することができる。例えば、浮上量Dが10μmの場合、10kgの荷重をかけても、圧縮ガスの供給量と排気量とを調整することで、局所加工部40が基板11に接してしまうようなことがないようにすることが可能である。
また、TFT基板等の被加工物が完全な平面であるならば、局所加工部40を基板11の面方向に対して相対的に移動させても浮上量はまったく変動しない。
【0039】
図5は、本実施の形態におけるレーザ加工装置100における局所加工部40の浮上量と圧縮ガスの供給圧力との関係を表した図である。横軸は圧縮ガス供給部60Aから供給される圧縮ガスの供給量であり、縦軸はその時の局所加工部40の浮上量Dを表す。
また図5において線Aは通常の加工状態での局所加工部40の浮上量を表し、線Bは本実施の形態において圧縮ガス排気機構60Bによる圧縮ガスの吸引圧力を線Aで示す場合よりも小さく調整して、浮上量を制御したものである。ここで、線Cは目標の浮上高さの一例である100μmを表している。つまり、レーザ加工により生じる飛散物や不要な付着物の大きさがほぼ100μmである場合は、この値を超えた浮上量とすることで、浮上面(局所加工部40の下面)の付着物との衝突を回避する場合を示している。
【0040】
通常の加工時を表す線Aにおいては、圧縮ガスの供給量と排気量のバランスが維持されているため、圧縮ガスの供給量が1kg/cmではまだ浮上せず、供給量を増やしても浮上量の変化は小さい。
これに対して、本実施の形態により圧縮ガスの排気量を調整した場合の浮上量である線Bにおいては、圧縮ガスの供給量が1kg/cmで浮上量が100μmに達している。このように、本実施の形態では圧縮ガスの排気量を小さく調整し供給量と排気量のバランスを崩すことで、同じ圧縮ガスの供給量でも格段に大きい浮上量を稼ぐことができる。
【0041】
また、線Aに示すように、圧縮ガスの供給圧力を5kg/cmまで上昇させる場合は、真空状態が破壊され、線Bの値に近い300μm程度の浮上量が得られているが、供給圧力4kg/cmでの浮上量から急激に変化している。実用にあたっては、圧力と浮上量との関係が線形に近い程制御しやすいので、このような急激な変化は好ましくない。
これに対して、本実施の形態における浮上量変化を示す線Bでは、全体的に線形に近く良好な結果が得られている。このため、本実施の形態に係るレーザ加工装置100では、局所加工部40を安定して高く浮上させることができ、TFT基板等の被加工物上に異物が偶発的にあったとしても接触することなく乗り越えて移動できる。
さらには、圧力と浮上量の関係が線形に近いことから、TFT基板11の反りやうねりに追随した一定の浮上量で局所加工部40を浮上させることも可能である。なお、目標とする浮上量は、被加工物の材料やパターンの大きさ等によって適宜変更が可能であり、ガス供給量と排気量とのバランスを変更することで、達成する浮上量も変更することが可能である。
【0042】
〔2〕レーザ加工装置の制御方法の実施の形態
次に、図6〜図9を参照して、本実施の形態のレーザ加工装置100の制御方法を用いた局所加工部40の浮上動作について説明する。局所加工部40の浮上動作としては、加工前の待機時における浮上状態と、加工時に近接させた浮上状態と、加工位置間の移動時における浮上状態の3つのステップに大きく分けられる。
【0043】
(1)浮上制御のフローチャート
図6は局所加工部40の浮上時における昇降制御を表すフローチャートの一例である。局所加工部40は、圧縮ガス供給部63から圧縮ガスG1を供給し、予め浮上させてある(ステップS1)。そして基板加工開始の場合(ステップS2)、例えば弁65Aを制御するコントローラ66に加工開始の信号が入力されることで、弁65Aの例えば両方を「開」として圧縮ガス排気部65からの圧縮ガスG1の排気を強める。これにより局所加工部40を降下させ(ステップS3)、基板加工を開始する。この時の浮上量と圧縮ガスの供給圧力との関係は、例えば図5の線Aに対応する。
【0044】
続いて加工が終了するか、又は加工を停止するかを判断する(ステップS4)。加工終了又は停止ではない場合(ステップS4のNOの場合)はステップS3に戻る。一方、例えば弁65Aを制御するコントローラに加工終了(又は停止)の信号が入力されたときは、加工終了又は停止とする(ステップS4のYES)。この場合は、弁65Aの少なくとも一方を「閉」側に制御し、例えば一方を「閉」又は「半開」等として圧縮ガス排気部65からの圧縮ガス排気圧力を弱める。これにより局所加工部40を浮上させる(ステップS5)。この時の浮上量と圧縮ガスの供給圧力との関係は図5の線Bに対応している。すなわち、圧縮ガス供給部63からの供給圧力を増大させることなく、ガス供給量と排気量とのバランスを制御することで、高い浮上量が得られる。なお、図5に表されているように、圧縮ガスの供給圧力を大きくすることでより高い浮上量を得ることももちろん可能である。
そして局所加工部40が次の加工箇所へ移動したかを判断し(ステップS6)、移動が終了すると(ステップS6のYESの場合)、加工を再び行うか判断する(ステップS7)。移動中(ステップS6のNOの場合)は圧縮ガス排気量を小さく保持して浮上量を保つ。また、移動を終了して加工を再開する場合(ステップS7のYESの場合)は、圧縮ガス排気部65からの圧縮ガス排気圧力を弁65Aの制御により元に戻して強めることで(ステップS3)局所加工部40を降下させ、再び加工を始める。加工再開の信号がなければ(ステップS7のNOの場合)は処理終了とする。
【0045】
このように、本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の制御方法によれば、圧縮ガス排気機構60Bにおける圧縮ガス排気量を例えば弁を調整するのみで、極めて簡単な機構で浮上量を精度良く調整することが可能となる。この場合、圧縮ガス供給機構60Aにおける供給量を増加することなく、また圧縮ガス供給孔62の形状や配置構成を複雑化することなく、容易に浮上量の調整が可能である。
【0046】
(2)浮上工程の一例
次に、図7〜図9を参照して、レーザ加工工程における加工箇所間の移動を含む浮上工程の一例について説明する。
図7は、本実施の形態に係るレーザ加工装置100において、図6のステップS3の状態、すなわち基板加工時の局所加工部40の浮上状態を表したものである。圧縮ガス供給部60Aから供給される供給圧縮ガスをP1、そして通気部61から吹き出された圧縮ガスをG1としてある。そして吹き出された圧縮ガスG1は、図7中に2つ示される圧縮ガス吸引孔62から排気ガスE1として排気される。この時には通気部61からの供給圧縮ガスP1の供給量と、圧縮ガス吸引孔62からの排気ガスE1との排気量のバランスがとられ、基板11と局所加工部40下面との間の浮上量Dが例えば数十μmに安定して維持される。
この浮上状態においてそのまま移動してしまうと、例えば高さRが100μm近くある異物1が基板11上に偶発的に存在していた場合、局所加工部40と基板11の間に挟みこんでしまう。
【0047】
これに対して図8は、図6のステップS5における局所加工部の浮上状態を表している。この浮上状態においては、外側の圧縮ガス吸引孔62の弁65Aを「閉」側に制御し、例えば2つの弁のうち一方の弁を閉じることで排気ガスE1の排気量を弱める。これにより圧縮ガスG1の供給量とのバランスを崩して浮上力を大きくすることができる。浮上量を適切に制御することで、基板11上の移動前方に異物1が存在していても、この異物1を乗り越えることができ、異物1を挟み込むことを防ぐことができる。
また、局所加工部40の移動時にはこの浮上状態を維持したまま移動する。このため、図9のように通気部61からの圧縮ガスG1によって、局所加工部40の進行方向M1に対し前方にある異物2等を例えば矢印bで示すように局所加工部40とは反対の方向に吹き飛ばすことができる。これによって移動先の加工面上の異物除去も同時に行うことが可能である。
【0048】
そして、次の加工位置等の移動先に到達後は、再び圧縮ガス吸引孔62からの排気量を大きくし、圧縮ガスG1の供給と排気を図5の線Aのバランス状態に戻すことで、レーザ加工を行うための浮上状態に戻すことができる。
【0049】
上述した本実施の形態によるレーザ加工装置100を用いた基板の加工工程における浮上量、圧縮ガス圧力及び排気圧力の一例について以下に述べる。
まず図2に示すように、被加工物として例えば配線等の薄膜パターン12が形成された基板11を載置台20に載置する。このとき局所加工部40を予め適当量浮上させておくことが好ましい。またその浮上量は配線等の被加工物上に形成される薄膜パターンに形成される段差等の形状により適宜選定する。この浮上の際には、圧縮ガス供給部63から例えば圧力0.2MPaの圧縮された窒素ガス等の不活性ガスを供給し、この圧縮ガスを通気部61から載置台20に向けて図2において下方に噴射する。こうすることで、TFT基板11を載置する際に局所加工部40に接触して損傷してしまうのを防ぐことができる。
【0050】
そして次にレーザ照射室42内に、パージガスG2として例えば200ccmの窒素ガスをパージガス供給機構70より導入し、圧縮ガス排気部65からは圧縮ガスの排気を始め、局所加工部40を載置台20に向けて下方に移動させる。この場合、弁65Aを例えばコントローラ66により調整することで圧縮ガス排気部65による排気圧力、又は排気流量を大きくして、局所加工部40の浮上量が例えば10μmとなるようにする。このように浮上量を小さくすると、局所加工部40の下面と基板11との間隔が狭まり、局所排気機構50によるレーザ照射室42内の真空排気効果を高めることができるので好ましい。
【0051】
次に局所真空排気機構50の局所真空排気部52によりレーザ照射室42内の排気を始めた後、観察手段38により窓41を透して配線等の薄膜パターン12を観察しながら載置台20を操作し、位置合わせを行う。
そして加工箇所である短絡部12Bの位置にレーザ光の照準を合わせてレーザ光Lを照射する。このレーザ光Lの照射条件は、例えば加工サイズを20μm□とし、波長が例えば532nmのパルスレーザを1回照射する等の条件とする。
【0052】
こうすることにより例えば20μm角の領域内の金属膜がほぼ完全に除去され、配線の短絡部12Bが切断されて加工修正を行うことができる。また、レーザ照射室42内は局所真空排気部52により、排気孔51からの排気が行われるため、レーザ照射時に発生する飛散物が基板11に再付着することを防ぐことができる。
【0053】
また、配線等の薄膜パターンの欠損部の修正を行う時には、原料ガス供給部81より例えばW(CO)の原料ガスG3を供給し、原料ガス供給路82から被加工物である基板11に向かって吹き出す。そして、パターンの欠落部に同様にレーザを照射することで、レーザの照射領域内に局部的に薄膜が成膜され、配線等のパターンの修正が行える。
【0054】
以上で1箇所の加工位置における修正等の加工が終了した後は、例えば弁65Aを調整することにより圧縮ガス排気部65からの圧縮ガス排気圧力を弱め、局所加工部40を例えば100μm以上の浮上量として浮上させる。そしてその浮上高さを維持したまま次の加工箇所への移動を行い、同様の工程を繰り返せばよい。
また、次の加工部への移動時にも圧縮ガスG1を基板11に向かって吹き出しながら異物の高さを超える浮上量をもって移動するため、基板11上に偶発的に異物が存在していたとしても、それを吹き飛ばして除去できる。
【0055】
このように、本実施の形態では局所加工部40を浮上させるための浮力を、圧縮ガスの排気圧力の調整によって制御している。このため、圧縮ガスの供給圧力を高める調整によって浮上量を大きくする場合に比べて、格段に簡単な機構で高い浮上量を得ることができる。
このため、局所加工部40は基板11上に偶発的に存在する異物を挟み込むことなく、十分な高さをもって通過することができる。このことにより、異物の挟み込みによる基板11及び局所加工部40の損傷を防ぐことが可能となり、歩留まりを向上させることができる。例えば、本実施の形態によるレーザ加工装置を用いて数百枚のTFT基板の修正加工を行ったところ、異物の挟み込みによる傷の発生を生じることがほぼなくなった。
すなわち本発明によれば、1回の浮上工程でレーザ加工と加工箇所間の移動とを従来に比べて長時間繰り返し行うことが可能となる。このため、異物の挟み込みに起因する損傷した部品の交換作業を格段に低減化でき、この交換作業によるレーザ加工装置の稼働率の低下も防ぐことができ、長期間の安定した生産を行うことが可能となり、生産性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0056】
1,2・・・異物、10・・・被加工物、11,11A・・・基板、12,12A・・・薄膜パターン、12B・・・短絡部、20・・・載置台、30・・・レーザ照射部、31・・・レーザ光源、32・・・ハーフミラー、33・・・対物レンズ、35,36・・・レンズ、37・・・照明器、38・・・観察手段、39・・・観察部、40・・・局所加工部、41・・・窓、42・・・レーザ照射室、50・・・局所排気機構、51・・・排気孔、52・・・局所真空排気部、53・・・排気路、60・・・浮上機構、60A・・・圧縮ガス供給機構、60B・・・圧縮ガス排気機構、61・・・通気部、62・・・圧縮ガス吸引孔、63・・・圧縮ガス供給部、64・・・圧縮ガス供給路、65・・・圧縮ガス排気部、65A・・・弁、66・・・コントローラ、70・・・パージガス供給機構、71・・・パージガス供給部、72・・・パージガス供給路、80・・・原料ガス供給機構、81・・・原料ガス供給部、82・・・原料ガス供給路、90・・・局所加工部支持機構、91・・・局所加工部支持台、92・・・支持部、100・・・レーザ加工装置、G1・・・圧縮ガス、G2・・・パージガス、G3・・・原料ガス、P1・・・供給圧縮ガス、E1・・・排気ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工時に被加工物が載置される載置台と、
レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されるレーザ光を透過させる窓が設けられるレーザ照射室と、圧縮ガス供給部及び圧縮ガス排気部を備え、前記圧縮ガス供給部のガス供給量と前記圧縮ガス排気部のガス排気量とのバランスが、レーザ加工時と前記被加工物上の移動時とにおいて制御可能とされた浮上機構と、を有する局所加工部と、を備える
レーザ加工装置。
【請求項2】
前記圧縮ガス排気部に前記ガス排気量を調整する弁が設けられる請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記弁がコントローラにより制御される請求項2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記ガス排気部が複数設けられ、
前記被加工物上の移動時には、前記圧縮ガス排気部の少なくとも一つの排気量が低下される請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記局所加工部の前記載置台側の面には、前記レーザ照射室の周囲に配置される前記圧縮ガス排気部の圧縮ガス吸引孔と、該圧縮ガス吸引孔の外側に配置される前記圧縮ガス供給部の通気部と、が設けられる請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記圧縮ガス吸引孔が同心円状の溝状に形成され、
前記通気部が前記圧縮ガス吸引孔の外側に点在する形状とされる請求項5に記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
前記局所加工部の前記載置台側と対向する面がほぼ平面四角形状とされる請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項8】
前記局所加工部は駆動部を備える局所加工部支持機構により弾性部材より成る支持部を介して支持される請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項9】
前記被加工物の原料ガスを、前記レーザ照射室に導入する原料ガス供給機構を有する請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項10】
被加工物を載置する載置台上に、レーザ照射室を有する局所加工部を、差動排気による浮上機構によって浮上させるステップと、
前記差動排気を行う圧縮ガス供給量と圧縮ガス排気量とを制御して、前記局所加工部を前記載置台に近接させるステップと、
前記圧縮ガス排気量を小さくすることで前記局所加工部の前記載置台に対する浮上量を大きくし、前記局所加工部を前記載置台に対して相対的に移動するステップと、を有する
レーザ加工装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−201453(P2010−201453A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48447(P2009−48447)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】