説明

位置検出システム及び位置検出方法

【課題】長距離を移動する移動体の位置を精度良く検出できる位置検出システムを提供する。
【解決手段】両面に反射面が形成された反射板6が、クレーン本体2の移動経路に沿って、間隔が全て異なるようにして複数配置される。反射板支持フレーム5に内蔵される姿勢状態検出装置は、各反射板6の姿勢状態を検出する。測距装置3は、クレーン本体2と共に移動し、移動経路における前後方向に測定波を出射し、各方向について、反射板6によって反射された測定波の反射波を検出することで、当該反射板6までの距離を計測する。制御装置7は、測距装置3の計測結果と、姿勢状態検出装置の検出結果と、に基づいて、クレーン本体2の現在位置を求める。反射板6は、クレーン本体2が接近した際、測定波を反射可能な姿勢からクレーン本体2の通過を妨げない姿勢に切り替わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の経路を移動する移動体の位置を検出するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レール等に沿って水平に移動する移動体(例えば、クレーン等)の移動制御について、起点からの位置を正確に検出するための技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、ロータリエンコーダ等により、移動体のローラの回転数を検出し、これを基にして、移動体の位置を特定する技術がある。
【0004】
また、光波測距を用いた位置検出技術もよく知られている。例えば、特許文献1には、移動体(クレーン本体)にレーザ発信器及びレーザ受光器を取り付け、反射板を移動体の進行方向の所定位置に固設する構成、あるいは、反射板を移動体に取り付け、レーザ発信器及びレーザ受光器を移動体の進行方向の所定位置に固設する構成にした移動体の位置検出装置が開示されている。この装置では、レーザ発信器から発せられたレーザビームが反射板で反射され、これをレーザ受光器で受光することで、クレーン本体と反射板との間の距離が求められ、移動体の位置が検出される。
【特許文献1】特開平11−344335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ローラの回転数等に基づく位置検出では、移動体の移動距離が長いと、誤差が生じ、位置検出精度が低下するおそれがある。また、検出器側に電源が入っていない時(即ち、検出器が作動していない時)に移動体が移動してしまうと、その絶対位置を求めることが困難となる。
【0006】
また、従来の光波測距を用いた位置検出技術では、検出器(例えば、上記レーザ発信器と、レーザ受光器とを備える計器)の検出レンジが不足し、長距離の計測が困難であるという不都合があった。特に、振動等による光軸ズレをカバーするワイド検出タイプの検出器(一般的に測距レンジが小さい)では、長距離の計測は一層困難となる。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、長距離を移動する移動体の位置を精度良く検出できる位置検出システム及び位置検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る位置検出システムは、レールに沿って略水平に移動する移動体の位置を検出する位置検出システムであって、両面に反射面が形成され、前記移動体の移動経路に沿って、間隔が全て異なるようにして配置された複数の反射板と、前記移動体と共に移動し、前記移動経路における前後方向に測定波を出射し、各方向について、前記反射板によって反射された前記測定波の反射波を検出することで、当該反射板までの距離を計測する測距装置と、該測距装置の計測結果に基づいて、前記移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、を備え、前記反射板は、前記移動体が接近した際、前記測定波を反射可能な姿勢から前記移動体の通過を妨げない姿勢に切り替わることを特徴とする。
【0009】
前記測距装置は、2つの測距計で構成され、一方の測距計は、前記移動経路における前方向に配置された前記反射板までの距離を計測し、他方の測距計は、前記移動経路における後方向に配置された前記反射板までの距離を計測するようにしてもよい。
【0010】
前記測定波として、光波や超音波が採用可能である。
【0011】
また、前記反射板の姿勢状態を検出する姿勢状態検出手段を更に備え、前記位置検出手段は、前記計測結果と、前記姿勢状態検出手段の検出結果と、に基づいて前記移動体の現在位置を検出する構成にしてもよい。
【0012】
あるいは、前記反射板は、隣り合う2つの反射板の間隔を1区間としたときに、隣り合う2区間の距離が、何れの隣り合う2区間の距離とも異なり、且つ、全ての1区間の距離が、何れの隣り合う2区間の距離とも異なるようにして配置されるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明に係る位置検出方法は、レールに沿って略水平に移動する移動体の位置を検出する位置検出方法であって、両面に反射面が形成された反射板が、前記移動体の移動経路に沿って、間隔が全て異なるようにして複数配置され、前記移動体に近接した所定位置から前記移動経路における前後方向に測定波を出射し、各方向について、前記反射板によって反射された前記測定波の反射波を検出することで、当該反射板までの距離を計測する距離計測ステップと、該距離計測ステップでの計測結果に基づいて、前記移動体の現在位置を検出する位置検出ステップと、を有し、前記反射板は、前記移動体が接近した際、前記測定波を反射可能な姿勢から前記移動体の通過を妨げない姿勢に切り替わることを特徴とする。
【0014】
前記反射板の姿勢状態を検出する姿勢状態検出ステップを更に有し、前記位置検出ステップでは、前記計測結果と、前記姿勢状態検出ステップでの検出結果と、に基づいて前記移動体の現在位置を検出するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上の如く、本発明によれば、測距装置(測距計)の検出レンジを超える距離の測定が可能となり、長距離を移動する移動体の位置を精度良く検出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る位置検出システムの一実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
本実施形態に係る位置検出システムは、天井クレーンの移動制御に使用され、図1に示すように、建屋の天井近くに配設された一対のレール1(1a,1b)に沿って水平方向に走行(移動)するクレーン本体2(移動体)の位置検出を行う。
【0018】
この位置検出システムは、測距装置3と、押し板4と、反射板支持フレーム5と、反射板6と、制御装置7と、から構成される。測距装置3は、クレーン本体2上面のレール1a側に設置され、所定の2方向(クレーン本体2の前後の移動方向)にレーザビーム(測定波)を照射(出射)し、レール1aに沿って配置される反射板6によって反射された反射光(反射波)を測定することで当該反射板6までの距離を測定する。
【0019】
測距装置3は、図2に示すように、第1測距計30と、第2測距計31と、通信装置32と、を備える。第1測距計30及び第2測距計31は、それぞれ、レーザビームを照射する照射部、反射光を受光する受光部、反射板6までの距離を算出する距離算出部(何れも図示せず)を備えている。
【0020】
第1測距計30は、クレーン本体2の移動経路における前方向(例えば、図3の矢印Fが示す方向)にレーザビームを照射して、前方向に配置された反射板6までの距離を計測する。第2測距計31は、クレーン本体2の移動経路における後方向(例えば、図3の矢印Bが示す方向)にレーザビームを照射して、後方向に配置された反射板6までの距離を計測する。ここで、クレーン本体2の移動経路における前方向とは、起点から遠ざかる方向をいい、後方向とは、起点に近づく方向をいう。また、起点とは、例えば、レール1の一方の端点近傍に設定された所定の地点をいう。
【0021】
測距装置3への電力は、クレーン本体2から供給され、クレーン本体2には、レール1や図示しない電源ケーブルを介して電力供給される。
【0022】
通信装置32は、所定の通信方式にて制御装置7と無線通信を行う。第1測距計30及び第2測距計31のそれぞれが計測した前方向及び後方向の反射板6までの距離についての情報(距離情報)は、通信装置32を介して制御装置7に送信される。
【0023】
反射板6は、レール1aに沿って(即ち、クレーン本体2の移動経路に沿って)、間隔が全て異なるようにして、複数配置されている。反射板6は、その両面に反射面が形成され、図1に示すように、レール1aの外側(レール1bと対向する反対側)にレール1aに沿って壁状に設けられた反射板支持フレーム5によって、その反射面が測距装置3によるレーザビームの光軸と略直交するような姿勢で支持される。
【0024】
より詳細には、図4に示すように、反射板6は、反射板支持フレーム5に回動自在に軸支された支軸50を介して支持される。反射板6は、通常時では、自重によって、先端部(支軸50が連通している側と反対側の端部)が鉛直下方を向いた状態となっているが、何れか一方の主面が押されると、図5に示すように支軸50を中心として、その押された方向に回動する。
【0025】
反射板支持フレーム5は、その内部に、姿勢状態検出装置と、通信装置(何れも図示せず)とを備える。姿勢状態検出装置は、各支軸50の回動を検出することで、正常反射ができない程度に回動(即ち、姿勢変更)している反射板(以下、姿勢変更反射板という。)の有無を検出する。通信装置は、所定の通信方式にて制御装置7と無線通信を行う。姿勢状態検出装置の検出結果は、姿勢変更情報として、通信装置を介して制御装置7に送信される。姿勢変更反射板が検出された場合、姿勢変更情報には、当該反射板を識別する情報(本実施形態では、0以上の整数で示される反射板No.)が含まれる。
【0026】
図1に戻り、押し板4は、測距装置3の上面に取り付けられ、測距装置3の移動方向側端面から庇状に突出した部分(押し部)を備えている。これにより、測距装置3が反射板6に接近すると、押し板4の押し部によって反射面が押され、当該反射板6が回動する。したがって、図6に示すように、クレーン本体2は、その移動を妨げられることなく、反射板6の配置地点を通過することができる。
【0027】
クレーン本体2は、図3に示すように、レール1上を転動するローラ20と、ローラ20を回転させるためのローラ駆動装置や制御装置7と通信するための通信装置等(何れも図示せず)を内部に備え、制御装置7からの制御に従って、レール1上を移動する。
【0028】
図1に戻り、制御装置7は、クレーン本体2の移動制御を行う装置であり、例えば、地上の操作室等に設置される。制御装置7は、CPU、ROM、RAM、通信装置、ハードディスク等の記憶装置、入出力装置等(何れも図示せず)から構成される。
【0029】
制御装置7は、機能的には、図7に示すように、通信部70と、位置検出部71と、移動制御部72とを備える。通信部70は、所定の通信方式にて、クレーン本体2、測距装置3及び反射板支持フレーム5の通信装置と無線通信を行う。位置検出部71は、通信部70を介して受信した距離情報と、姿勢変更情報と、に基づいて、クレーン本体2の現在位置(より詳細には、移動経路における起点からの距離)を検出する。移動制御部72は、位置検出部71により検出されたクレーン本体2の現在位置を使用して、クレーン本体2の移動制御を行う。
【0030】
続いて、位置検出部71による位置検出処理の手順について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。位置検出処理は、クレーン本体2の走行時において、所定時間毎に繰り返し実行される。また、起動時や緊急停止後の再起動時などの所定のタイミングにおいても実行される。
【0031】
位置検出部71は、測距装置3からの距離情報(前方向に配置された反射板6までの距離(Df)、後方向に配置された反射板6までの距離(Db))と、反射板支持フレーム5の姿勢状態検出装置からの姿勢変更情報と、を通信部70を介して取得する(ステップS11、ステップS12)。
【0032】
また、位置検出部71は、制御装置7のROMあるいは記憶装置に保存されている反射板配置情報テーブルを取得する(ステップS13)。反射板配置情報テーブルは、各反射板6の配置位置に関する情報が格納されているデータテーブルである。具体的には、図9に示すように、反射板No.と、これに対応する区間距離及び通算距離とが格納されている。
【0033】
反射板No.は、前述したように反射板を識別する情報であり、0以上の整数で示される。本実施形態では、起点に配置される反射板6の反射板No.を0とし、以降、前方向に向かって配置される反射板6に対して順に+1ずつした数値を反射板No.として割り振っている。
【0034】
区間距離とは、当該反射板6の配置地点と、後方向に向かって隣り合う反射板6の配置地点との間(区間)の距離をいい、ミリ(mm)単位で示される。図9の例では、反射板No.が1の反射板6の配置地点と反射板No.が0の反射板6の配置地点(即ち、起点)との間の距離が、19000mmであることが示されている。
【0035】
通算距離とは、起点から当該反射板6の配置地点までの距離をいい、ミリ(mm)単位で示される。通算距離は、起点から当該反射板6までの区間距離の総和に等しい。図9の例では、反射板No.が3の反射板6が、起点から57300mmの地点に配置されていることが示されている。
【0036】
位置検出部71は、姿勢変更した反射板6(姿勢変更反射板)があるか否かを姿勢状態検出装置からの姿勢変更情報を参照して判定する(ステップS14)、何れの反射板6も姿勢変更していない場合(ステップS14でNO)、位置検出部71は、前後方向の合算距離(Df+Db)に対応する区間の特定を行う(ステップS15)。
【0037】
具体的には、反射板配置情報テーブルを検索して、合算距離(Df+Db)に一致する区間距離を検出することで区間の特定を行う。この場合、所定の誤差範囲も含めて一致判定が行われる。前述したように、反射板6の配置間隔(換言すれば、区間距離)は全て異なるため、当該合算距離(Df+Db)と一致する区間距離を検出することで、対応する区間が特定できる。
【0038】
例えば、図9に示すように、合算距離(Df+Db)が、19300mmの場合、これに対応する区間は、反射板No.が3の反射板6と反射板No.が4の反射板6との間であるということが判明する。
【0039】
次に、位置検出部71は、反射板配置情報テーブルを参照して、特定した区間の始点に対応する通算距離(L)を取得する(ステップS16)。上記の例では、始点は、反射板No.3の反射板6の配置地点となるため、これに対応する通算距離は、57300mmとなる。
【0040】
位置検出部71は、取得した通算距離(L)と後方向の距離(Db)を合算することで、クレーン本体2の現在位置を求める(ステップS17)。上記の例(合算距離(Df+Db)が、19300mmの場合)において、例えば、図10に示すように、後方向の距離Dbが、6000mmであるとすると、現在位置は、63300mm(57300mm+6000mm)となる。
【0041】
一方、姿勢変更反射板がある場合(ステップS14でYES)、位置検出部71は、反射板配置情報テーブルを参照して、当該姿勢変更反射板の1つ前の反射板6に対応する通算距離(L)を取得する(ステップS18)。1つ前の反射板6とは、後方向に向かって隣り合う反射板6を意味する。具体的には、位置検出部71は、姿勢変更情報に含まれる反射板No.を抽出し、当該反射板No.より1つ小さい反射板No.の反射板6に対応する通算距離(L)を取得する。図9において、例えば、姿勢変更反射板の反射板No.が5の場合は、反射板No.が4の通算距離(76600mm)を取得する。
【0042】
位置検出部71は、取得した通算距離(L)と後方向の距離(Db)を合算することで、クレーン本体2の現在位置を求める(ステップS17)。
【0043】
以上のように、本実施形態に係る位置検出システムによれば、移動体(クレーン本体2)の移動範囲が、測距計の検出レンジを超えていても、即座に移動体の現在位置(起点からの距離)を正確に検出することが可能となる。
【0044】
[本実施形態の変形例]
図11に示すように、クレーン本体2が反射板6の配置地点を通過する際、後方向の距離(Db)を検出できない状況も想定される。本例の位置検出システムは、上記位置検出処理(図8参照)を一部変形することで、かかる状況の対策を講じている。
【0045】
本例の位置検出処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。以下、上記位置検出処理(図8参照)からの変形点を中心に説明する。
【0046】
図12において、姿勢変更反射板がある場合(ステップS14でYES)、位置検出部71は、後方向の距離(Db)が検出されているか否かを判定する(ステップS21)。この場合、Db>0ならば、検出されていると判定される。後方向の距離(Db)が検出されている場合(ステップS21でYES)、上記実施形態の位置検出処理(図8参照)と同様、位置検出部71は、反射板配置情報テーブルを参照して、当該姿勢変更反射板の1つ前の反射板6に対応する通算距離(L)を取得する(ステップS18)。そして、取得した通算距離(L)と後方向の距離(Db)を合算することで、クレーン本体2の現在位置を求める(ステップS17)。
【0047】
一方、後方向の距離(Db)が検出されていない場合(ステップS21でNO)、位置検出部71は、反射板配置情報テーブルを参照して、当該姿勢変更反射板の1つ先の反射板6に対応する通算距離(L)を取得する(ステップS22)。1つ先の反射板6とは、前方向に向かって隣り合う反射板6を意味する。具体的には、位置検出部71は、姿勢変更情報に含まれる反射板No.を抽出し、当該反射板No.より1つ大きい反射板No.の反射板6に対応する通算距離(L)を取得する。図9において、例えば、姿勢変更反射板の反射板No.が4の場合は、反射板No.が5の通算距離(96000mm)を取得する。
【0048】
位置検出部71は、取得した通算距離(L)から前方向の距離(Df)を減算することで、クレーン本体2の現在位置を求める(ステップS23)。
【0049】
以上のような処理に変形することで、クレーン本体2が反射板6の配置地点を通過する際、後方向の距離(Db)を検出できない状況となっても、クレーン本体2の現在位置を正確に検出することが可能となる。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0051】
例えば、上記実施形態では、反射板6は、クレーン本体2の移動経路に沿って、間隔が全て異なるようにして配置されるが、かかる配置間隔の条件に新たな条件を追加してもよい。具体的には、隣り合う2区間の合算距離(以下、2区間距離という。)が全て異なり、且つ、全ての区間距離が、何れの2区間距離とも一致しないように反射板6を配置する、という条件を追加する。この配置条件下で、制御装置7のROMあるいは記憶装置に、2区間距離と、それに対応する反射板6とを関連付けたデータテーブルが保持される構成にすると、位置検出部71は、姿勢状態検出装置からの姿勢変更情報を使用することなく、クレーン本体2の現在位置を検出できるようになる。したがって、上記構成においては、反射板支持フレーム5の内部に姿勢状態検出装置及び通信装置を備える必要がなく、省スペース化、低コスト化が図れる。
【0052】
また、測距装置3は、レーザビームのみならず、赤外光や超音波を用いて、反射板6までの距離を計測してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態に係る位置検出システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1の測距装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1のクレーン本体を側面方向から眺めた図である。
【図4】反射板の支持態様を示す図である。
【図5】反射板の回動態様を示す図である。
【図6】クレーン本体が反射板の配置地点を通過する様子を示す図である。
【図7】図1の制御装置の機能的な構成を示す図である。
【図8】位置検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】反射板配置情報テーブルの一例を示す図である。
【図10】位置検出処理の説明で使用する具体例の状況を示す図である。
【図11】後方向に配置された反射板までの距離が検出できない状況の一例を示す図である。
【図12】図8の位置検出処理の変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1(1a,1b) レール
2 クレーン本体
3 測距装置
4 押し板
5 反射板支持フレーム
6 反射板
7 制御装置
20 ローラ
30 第1測距計
31 第2測距計
32 通信装置
50 支軸
70 通信部
71 位置検出部
72 移動制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールに沿って略水平に移動する移動体の位置を検出する位置検出システムであって、
両面に反射面が形成され、前記移動体の移動経路に沿って、間隔が全て異なるようにして配置された複数の反射板と、
前記移動体と共に移動し、前記移動経路における前後方向に測定波を出射し、各方向について、前記反射板によって反射された前記測定波の反射波を検出することで、当該反射板までの距離を計測する測距装置と、
該測距装置の計測結果に基づいて、前記移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、を備え、
前記反射板は、前記移動体が接近した際、前記測定波を反射可能な姿勢から前記移動体の通過を妨げない姿勢に切り替わる、
ことを特徴とする位置検出システム。
【請求項2】
前記測距装置は、2つの測距計で構成され、一方の測距計は、前記移動経路における前方向に配置された前記反射板までの距離を計測し、他方の測距計は、前記移動経路における後方向に配置された前記反射板までの距離を計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。
【請求項3】
前記測定波が光波又は超音波である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出システム。
【請求項4】
前記反射板の姿勢状態を検出する姿勢状態検出手段を更に備え、
前記位置検出手段は、前記計測結果と、前記姿勢状態検出手段の検出結果と、に基づいて前記移動体の現在位置を検出する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の位置検出システム。
【請求項5】
前記反射板は、隣り合う2つの反射板の間隔を1区間としたときに、隣り合う2区間の距離が、何れの隣り合う2区間の距離とも異なり、且つ、全ての1区間の距離が、何れの隣り合う2区間の距離とも異なるようにして配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の位置検出システム。
【請求項6】
レールに沿って略水平に移動する移動体の位置を検出する位置検出方法であって、
両面に反射面が形成された反射板が、前記移動体の移動経路に沿って、間隔が全て異なるようにして複数配置され、
前記移動体に近接した所定位置から前記移動経路における前後方向に測定波を出射し、各方向について、前記反射板によって反射された前記測定波の反射波を検出することで、当該反射板までの距離を計測する距離計測ステップと、
該距離計測ステップでの計測結果に基づいて、前記移動体の現在位置を検出する位置検出ステップと、を有し、
前記反射板は、前記移動体が接近した際、前記測定波を反射可能な姿勢から前記移動体の通過を妨げない姿勢に切り替わる、
ことを特徴とする位置検出方法。
【請求項7】
前記反射板の姿勢状態を検出する姿勢状態検出ステップを更に有し、
前記位置検出ステップでは、前記計測結果と、前記姿勢状態検出ステップでの検出結果と、に基づいて前記移動体の現在位置を検出する、
ことを特徴とする請求項6に記載の位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−168635(P2009−168635A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7355(P2008−7355)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(396004981)セイコープレシジョン株式会社 (481)
【Fターム(参考)】