説明

位置検出装置、位置検出方法および基板重ね合わせ装置

【課題】互いのウェハを位置合わせして重ね合わせるときに、ステージの回転量が所定量を超えてしまうと、ステージの正確な位置を把握することが困難となる。ステージの回転量が所定量を超えないように制御するには、そもそも最初にステージに置かれるウェハの位置を厳密に管理する必要がある。
【解決手段】位置検出装置は、第1基板に設けられた少なくとも2個の第1基板指標を一度の撮像動作により撮像する第1撮像ユニットと、第1撮像ユニットにより撮像された画像に基づいて第1基板指標の位置を計測することにより、第1基板の姿勢を測定する測定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出装置、位置検出方法および基板重ね合わせ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の実効的な実装密度を向上させる技術のひとつとして、複数の半導体チップを積層させた立体構造がある。特に、半導体基板であるウェハの状態で複数枚を積層して、接合した後に個片化する手順により製造される半導体チップが、その生産性の高さから近年注目を集めている。2枚のウェハを重ね合わせる場合、互いのアライメントマークを顕微鏡で測定しながら位置合わせをする(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−251972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
互いのアライメントマークを位置合わせするには、それぞれのウェハを保持するステージの少なくとも一方を移動させる。このとき互いの位置合わせに求められる精度は、ウェハ表面に形成された回路の線幅に依存するが、この要求精度は実装密度の向上に伴い年々高くなる傾向にある。したがって、ステージの移動を検出するセンサの検出精度も高いものが要求されるが、この要求を満たすセンサの一つとしてレーザー光波干渉式の測長器である干渉計が挙げられる。しかしながら、例えばステージに対して固定位置に設置された干渉計から、ステージに固定された反射ミラーにレーザを投射し、その反射光を利用して距離を計測する構成である場合、ステージの回転に対する敏感度が非常に高くなる。すなわち、ステージが僅かに回転しただけでも、レーザの反射光を干渉計が捕捉できなくなり、距離の計測が不可能となる。したがって、互いのウェハを位置合わせして重ね合わせるときに、ステージの回転量が所定量を超えてしまうと、ステージの正確な位置を把握することが困難となる。ステージの回転量が所定量を超えないように制御するには、そもそも最初にステージに置かれるウェハの位置を厳密に管理する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様における位置検出装置は、第1基板に設けられた少なくとも2個の第1基板指標を一度の撮像動作により撮像する第1撮像ユニットと、第1撮像ユニットにより撮像された画像に基づいて第1基板指標の位置を計測することにより、第1基板の姿勢を測定する測定部とを備える。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様における位置検出方法は、第1撮像ユニットにより第1の基板に設けられた少なくとも2個の第1基板指標を一度の撮像動作により撮像する第1撮像ステップと、第1撮像ステップにより撮像された画像に基づいて、測定部が第1基板指標の位置を計測することにより、第1基板の姿勢を測定する第1測定ステップとを有する。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1基板を保持した第1基板ホルダを上方から見下ろした斜視図である。
【図2】第2基板を保持した第3基板ホルダを上方から見下ろした斜視図である。
【図3】本実施形態に係る基板重ね合わせシステムの概略構成図である。
【図4】第1測定顕微鏡の観察像の模式図である。
【図5】本実施形態に係る位置合わせ工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、基板である第1ウェハ10を保持した第1ウェハホルダ101を上方から見下ろした斜視図である。第1ウェハホルダ101は、ホルダ本体110および吸着子111を有して、全体としては第1ウェハ10よりも径がひとまわり大きな円板状をなす。ホルダ本体110は、セラミックス、金属等の高剛性材料により一体成形される。
【0011】
ホルダ本体110は、第1ウェハ10を保持する領域をその表面に備える。この保持領域は研磨されて高い平坦性を有する。第1ウェハ10の保持は、静電力を利用した吸着により行われる。具体的には、ホルダ本体110に埋め込まれた電極に、ホルダ本体110の裏面に設けられた電圧印加端子を介して電圧を加えることにより、第1ウェハホルダ101と第1ウェハ10との間に電位差を生じさせて、第1ウェハ10を第1ウェハホルダ101に吸着させる。
【0012】
吸着子111は、鉄のような磁性体により形成され、第1ウェハ10を保持する表面において、保持した第1ウェハ10よりも外側である外周領域に複数配される。また、吸着子111は、第1ウェハ10を保持する平面と略同じ平面内にその上面が位置するように、ホルダ本体110に形成された陥没領域に配される。図の場合、2個を一組として120度毎に合計6個の吸着子111が配されている。
【0013】
第1ウェハ10には、複数の第1回路領域11が造り込まれている。図示するように、矩形で囲まれる複数の第1回路領域11は、第1ウェハ10の上面に二次元的に広く配列されている。また、それぞれの第1回路領域11の内部には、第1アライメントマーク12が設けられている。第1アライメントマーク12は、第1ウェハ10の位置制御に用いられる指標である。それぞれの第1アライメントマーク12は、例えば第1ウェハ10の中心を原点とする座標値として、その設計座標値が個別に管理されている。
【0014】
ただし、第1アライメントマーク12は第1ウェハ10の位置制御に用いられる指標であるので、全ての第1回路領域11に設けられなくても良い。少なくとも第1ウェハ10の位置制御が行える個数があれば良い。また、第1アライメントマーク12は、第1回路領域11の内部に設けられているが、回路と無関係に別途設けられている必要はなく、回路の構成要素であって、指標として利用できるものを第1アライメントマーク12としても良い。例えば、積層型半導体素子においては、層間の接続にTSV(Through Si Via)がよく利用されるが、TSVの先端を第1アライメントマーク12として用いることができる。さらには、第1回路領域11の外部に、第1アライメントマーク12を設けるようにしても良い。
【0015】
第1ノッチ13は、第1ウェハ10に設けられた切欠きであり、第1ウェハ10の姿勢を外形基準で判断するときに用いられる指標である。第1ノッチ13は、例えば第1ウェハ10の中心を原点とする座標値として、その設計座標値が個別に管理されている。
【0016】
図2は、基板である第2ウェハ20を保持した第2ウェハホルダ201を上方から見下ろした斜視図である。第2ウェハホルダ201は、ホルダ本体210およびマグネット211を有して、全体としては第2ウェハ20よりも径がひとまわり大きな円板状をなす。ホルダ本体210は、セラミックス、金属等の高剛性材料により一体成形される。
【0017】
ホルダ本体210は、第2ウェハ20を保持する領域をその表面に備える。この保持領域は研磨されて高い平坦性を有する。第2ウェハ20の保持は、静電力を利用した吸着により行われる。具体的には、ホルダ本体210に埋め込まれた電極に、ホルダ本体210の裏面に設けられた電圧印加端子を介して電圧を加えることにより、第2ウェハホルダ201と第2ウェハ20との間に電位差を生じさせて、第2ウェハ20を第2ウェハホルダ201に吸着させる。
【0018】
マグネット211は、第2ウェハ20を保持する表面において、保持した第2ウェハ20よりも外側である外周領域に複数配される。また、マグネット211は、第2ウェハ20を保持する平面と略同じ平面内にその上面が位置するように配される。図の場合、2個を一組として120度毎に合計6個のマグネット211が配されている。
【0019】
第2ウェハホルダ201のマグネット211は、第1ウェハホルダ101の吸着子111とそれぞれ対応するように配置されている。そして、第1ウェハ10を保持した第1ウェハホルダ101と、第2ウェハ20を保持した第2ウェハホルダ201を、互いに向かい合わせてマグネット211と吸着子111を作用させると、第1ウェハ10と第2ウェハ20を重ね合わせた状態で挟持して固定することができる。
【0020】
第2ウェハ20には、複数の第2回路領域21が造り込まれている。図示するように、矩形で囲まれる複数の第2回路領域21は、第2ウェハ20の上面に二次元的に広く配列されている。また、それぞれの第2回路領域21の内部には、第2アライメントマーク22が設けられている。第2アライメントマーク22は、第2ウェハ20の位置制御に用いられる指標である。それぞれの第2アライメントマーク22は、例えば第2ウェハ20の中心を原点とする座標値として、設計座標値が個別に管理されている。
【0021】
ただし、第2アライメントマーク22は第2ウェハ20の位置制御に用いられる指標であるので、全ての第2回路領域21に設けられなくても良い。少なくとも第2ウェハ20の位置制御が行える個数があれば良い。また、第2アライメントマーク22は、第2回路領域21の内部に設けられているが、回路と無関係に別途設けられている必要はなく、回路の構成要素であって、指標として利用できるものを第2アライメントマーク22としても良い。さらには、第2回路領域21の外部に、第2アライメントマーク22を設けるようにしても良い。
【0022】
第2ノッチ23は、第2ウェハ20に設けられた切欠きであり、第2ウェハ20の姿勢を外形基準で判断するときに用いられる指標である。第2ノッチ23は、例えば第2ウェハ20の中心を原点とする座標値として、その設計座標値が個別に管理されている。
【0023】
図3は、本実施形態に係る基板重ね合わせ装置30を含む基板重ね合わせシステムの概略構成図である。基板重ね合わせ装置30は、複数の基板を互いの実装面において位置合わせをして重ね合わせる装置であり、特に半導体基板であるウェハ同士を重ね合わせて3次元実装を行うシステムの一部の装置として好適である。したがって、基板重ね合わせ装置は、位置検出装置を包含する装置である。
【0024】
基板重ね合わせシステムは、基板重ね合わせ装置30の他に、搬送ロボット40とプリアライナー50を備える。搬送ロボット40は、ウェハおよびウェハホルダを把持することができるハンド部401と、伸縮および回転することにより把持したウェハおよびウェハホルダを所定の位置に所定の姿勢で搬入させるアーム部402とを有する。なお、ハンド部401は、把持する第1ウェハホルダ101または第2ウェハホルダ201の電圧印加端子に電圧を印加する電圧供給端子が備える。これにより、ハンド部401が、第1ウェハ10を保持する第1ウェハホルダ101、または、第2ウェハ20を保持する第2ウェハホルダ201を把持する場合でも、それぞれのウェハの保持を持続することができる。
【0025】
プリアライナー50は、観察顕微鏡501と載置台502を備える。搬送ロボット40は、第1ウェハホルダ101および第1ウェハ10を、または、第2ウェハホルダ201および第2ウェハ20を、それぞれ順次または一体的に載置台502上に搬入する。観察顕微鏡501は、図示されない制御演算部に接続された撮像素子と、載置台502に載置されたウェハの全体像を撮像素子に結像させる光学系を有する。そして、制御演算部は、例えば載置台502に載置された第1ウェハ10の全体画像を取得して、画像中の第1ノッチ13の位置から、載置台502上における第1ウェハ10の姿勢を検知する。ここで検知する第1ウェハ10の姿勢は、少なくともXY平面内における第1ウェハ10の中心座標、回転量を含む。なお、載置台502に第2ウェハ20が載置されている場合も、同様に姿勢を検知することができる。
【0026】
基板重ね合わせ装置30は、互いに対向して第1測定顕微鏡301と第2測定顕微鏡302を備える。第1測定顕微鏡301は筐体の天井フレームに固定され、第2測定顕微鏡302は第1ステージ303に設置される。第1ステージ303は、駆動装置307に設置され、制御演算部の制御によりXYZ方向およびθxθyθz方向の6軸方向に移動する。XY方向の移動距離およびZ軸周りの回転方向であるθz方向の回転量は、レーザー光波干渉式の測長器である干渉計306により、第1ステージ303の端部に設けられた反射ミラー305を用いて検出される。なお、干渉計306および反射ミラー305は、XY方向の移動量およびθz方向の回転量が検出できるように、適当な位置に複数設置されている。
【0027】
第1ウェハホルダ101とこれに保持された第1ウェハ10は、プリアライナー50で姿勢の同定を受けた後に、搬送ロボット40により把持され、ゲート308を通過して第1ステージ303に搬送される。第1ステージ303は、第1ウェハ10を保持する第1ウェハホルダ101を真空吸着により固定する。なお、第1ステージ303は、第1ウェハホルダ101の電圧印加端子に電圧を印加する電圧供給端子を備える。これにより、第1ウェハ10は第1ウェハホルダ101に固定されたままであり、相対的な位置および姿勢は維持される。
【0028】
同様に、第2ウェハホルダ201とこれに保持された第2ウェハ20は、プリアライナー50で姿勢の同定を受けた後に、搬送ロボット40により把持され、ゲート308を通過して第2ステージ304に搬送される。搬送ロボット40は、この間にハンド部401を180度回転させて、第2ウェハ20を下向きにする。第2ステージ304は、第1ステージ303に対向し筐体の天井フレームに固定されたステージであり、第2ウェハ20を保持する第2ウェハホルダ201を下向きに真空吸着により固定する。なお、第2ステージ304は、第2ウェハホルダ201の電圧印加端子に電圧を印加する電圧供給端子を備える。これにより、第2ウェハ20は第2ウェハホルダ201に固定されたままであり、相対的な位置および姿勢は維持される。
【0029】
第1測定顕微鏡301は、図示されない制御演算部に接続された撮像素子と、第1ステージ303に第1ウェハホルダ101を介して載置された第1ウェハ10の一部分の像を撮像素子に結像させる光学系とを備える第1撮像ユニットを構成する。同様に、第2測定顕微鏡302は、図示されない制御演算部に接続された撮像素子と、第2ステージ304に第2ウェハホルダ201を介して載置された第2ウェハ20の一部分の像を撮像素子に結像させる光学系とを備える第2撮像ユニットを構成する。
【0030】
第1測定顕微鏡301により第1ウェハ10の所定の部分を観察するときには、制御演算部は、その観察部分が第1測定顕微鏡301の視野内に位置するように、駆動装置307を駆動して第1ステージ303を移動させる。第2測定顕微鏡302により第2ウェハ20の所定の部分を観察するときには、制御演算部は、その観察部分が第2測定顕微鏡302の視野内に位置するように、駆動装置307を駆動して第1ステージ303を移動させる。なお、第1測定顕微鏡301と第2測定顕微鏡302のそれぞれの光軸は、互いに対向したときに一致するよう予め調整されている。
【0031】
第1測定顕微鏡301は、第1ウェハ10の第1アライメントマーク12を少なくとも2個以上観察できるだけの画角を有する。また、これら第1アライメントマーク12の位置を同定できるだけの分解能を有する。具体的には、例えば、第1アライメントマーク12が5μmの線幅で直交するマークである場合、この直交点を識別できるだけの分解能を有し、1mm角程度の視野を確保できる分解能と画角である。第2測定顕微鏡302の分解能と画角も、第1測定顕微鏡301と同様である。
【0032】
詳細な位置合わせについては後述するが、第1測定顕微鏡301および第2測定顕微鏡302により第1ウェハ10と第2ウェハ20の精確な姿勢を把握し、これに基づいて第1ステージ303を移動することにより、向かい合う面同士を接触させる。そして、第1ウェハホルダ101の吸着子111と第2ウェハホルダ201のマグネット211を作用させることで、第1ウェハ10および第2ウェハ20を挟持した状態で、第1ウェハホルダ101と第2ウェハホルダ201を一体化して固定する。一体化されたウェハホルダ対は、搬送ロボット40のハンド部401に把持されて、基板重ね合わせ装置30から次工程を担う装置へ向けて搬出される。
【0033】
図4は、第1測定顕微鏡301の観察像の模式図である。図は、光学系に即して円で表しているが、矩形の撮像素子上に第1アライメントマーク12の像が少なくとも2個以上結像していれば良い。
【0034】
制御演算部は、このような観察像を撮像素子により、一度の撮像動作によって撮像する。撮像された画像データは、測定部としての機能を担う制御演算部に送られる。制御演算部は、画像データに存在する少なくとも2個のアライメントマーク像の座標から、それぞれ実際のアライメントマークの座標値を求める。具体的には、画像処理により画像中心を基準とした第1アライメントマーク12の基準画素値を決定し、第1測定顕微鏡301の光学系の倍率、撮像素子の画素ピッチ等による現実世界との倍率変換を施した後に、第1ステージ303の座標系に一致させる変換を行う。ここで、基準画素値とは、例えば十字で表されるアライメントマークである場合その交点を基準点とし、この基準点が画像データ上に存在する画素の座標値をいう。もちろん、基準画素値は整数値でなくても良く、十字線から交点として演算されるサブ画素オーダーの値であっても良い。
【0035】
第1ウェハ10は、第1ウェハホルダ101を介して第1ステージ303に固定されており、かつ、第1ステージ303は第1測定顕微鏡301に対して相対的にXY平面方向に移動できる。したがって、本来、撮像素子の分解能を最大限に活用するには、視野いっぱいに一つの第1アライメントマーク12を捉えて位置を測定し、第1ステージ303を移動させつつ更に別の第1アライメントマーク12を捉えるほうが精確に姿勢を測定できるように思われる。しかしながら、このような測定方式によると第1ステージ303をその都度移動させる必要があるので、2つの第1アライメントマーク12の測定座標間にはステージの移動誤差を包含することになる。また、移動を伴う分、測定に時間を要するという問題もある。
【0036】
そこで、本実施形態のように、一度の撮像動作によって2つ以上の第1アライメントマーク12が含まれるように、第1測定顕微鏡301の視野を定める。そして、それぞれの第1アライメントマーク12の位置座標を一度に測定する。具体的には、図示するように例えば、第1アライメントマーク14の座標P(x,y)と第1アライメントマーク15の座標P(x,y)を求める。
【0037】
座標Pと座標Pから第1ウェハ10の姿勢を同定する演算の方法はいくつも想定される。一例としては、実際の座標値である座標Pと座標Pと、設計座標値とを比較する方法がある。第1アライメントマーク14の第1ウェハ10の中心に対する設計座標値、および第1アライメントマーク15の第1ウェハ10の中心に対する設計座標値は、予め図示しないメモリに格納されている。この場合、第1アライメントマーク14および第1アライメントマーク15が精確にマークされていると仮定すると、2つの座標P、Pを測定しメモリに格納された設計座標値と比較することにより、第1ウェハ10の姿勢を同定することができる。例えば、第1ウェハ10を第1ステージ303に載置するときに、第1ウェハ10の直交座標系を第1ステージ303の直交座標系と一致させることを制御目標としたとする。この場合、制御目標通りに制御できていれば設計座標値と実際の座標値は一致する。逆に、一致していなければ、その誤差量が制御目標値に対するずれとなるので、第1ステージ303の座標系に対する第1ウェハ10の中心位置、および第1ウェハ10の回転量を定めることができる。
【0038】
別の例としては、特定の位置関係にあるアライメントマークを観察する方法がある。プリアライナー50では第1ウェハ10の全体像を取得するので、このときに、第1ウェハ10の直交座標系においていずれかの軸に並行に存在する第1アライメントマーク14と第1アライメントマーク15を見つけておく。第1ウェハ10を第1ステージ303に載置するときに、第1ウェハ10の直交座標系を第1ステージ303の直交座標系と一致させることを制御目標としたとすると、これらのアライメントマークを測定した2つの座標P、Pを結ぶ直線の傾きが第1ステージ303の座標系に対する第1ウェハ10の回転量であると判定できる。また、同時に2つの座標P、Pを結ぶ直線と、第1ステージ303の直交座標系との交点から、第1ステージ303の座標系に対する第1ウェハ10の中心位置を求めることができる。このような方法であれば、第1アライメントマーク14、15の設計座標値を予め格納しておかなくても良い。なお、制御目標として、第1ウェハ10の直交座標系を第1ステージ303の直交座標系に対して回転量を与える場合であっても、その回転量を加味することにより、第1ステージ303の座標系に対する第1ウェハ10の中心位置、および第1ウェハ10の回転量を定めることができる。
【0039】
ただし、第1アライメントマーク14および第1アライメントマーク15が、実際には設計座標値とずれてマークされていることもあり得る。この場合、例えば測定する座標をさらに増やし、最小二乗法等を用いてより確からしい近似直線を求めて、第1ステージ303の座標系に対する第1ウェハ10の中心位置、および第1ウェハ10の回転量を定めるようにしても良い。
【0040】
同様に、第2アライメントマーク22を測定することにより、第2ステージ304の座標系に対する第2ウェハ20の中心位置、および第2ウェハ20の回転量を定めることができる。ただし、第1ウェハ10の姿勢同定と、第2ウェハ20の姿勢同定は別個独立に行う場合には、以下の問題を生じる恐れがある。
【0041】
すなわち、互いに対応する第1アライメントマーク12と第2アライメントマーク22を位置合わせするには、第1ステージ303を移動させる。このとき互いの位置合わせに求められる精度は、第1回路領域11および第2回路領域21の線幅に依存する。この線幅の精度で第1ステージ303の移動を検出できるセンサとしてレーザー光波干渉式の干渉計306を用いるが、この干渉計306は第1ステージ303の回転に対する敏感度が非常に高い。具体的には、第1ステージ303が±0.5mrad以上回転すると、その回転量を検出できなくなる。したがって、せっかく第1ウェハ10および第2ウェハ20の精確な姿勢を同定できたとしても、位置合わせに必要な第1ステージ303の回転量が1mradを超えてしまうと、結果的に位置合わせが行えないことになる。
【0042】
このような問題を回避すべく、以下の工程により第1ウェハ10と第2ウェハ20の位置合わせを実行する。図5は、本実施形態に係る位置合わせ工程を示すフロー図である。なお、特に説明を加える場合を除き、各ステップの処理は、制御演算部が直接に実行するかまたは各要素の制御を実行する。
【0043】
基板重ね合わせシステムにより位置合わせ工程が開始されると、ステップS101ではまず、搬送ロボット40によりプリアライナー50に搬入された、第1ウェハホルダ101に保持された第1ウェハ10の姿勢を計測する。ここでの姿勢計測は、観察顕微鏡501を用いて取得した第1ウェハ10の全体画像から、画像中の第1ノッチ13の位置を基準に、XY平面内における第1ウェハ10の中心座標と回転量を求める。
【0044】
ステップS102では、ステップS101で計測した第1ウェハ10の中心座標と回転量に基づいて、第1ステージ303上の目標位置までの搬送パスを生成する。なお、目標位置は、第1ステージ303上での第1ウェハ10の回転量を含む。
【0045】
搬送ロボット40は、生成された搬送パスに従って、第1ステージ303上の目標位置へ第1ウェハ10を保持した第1ウェハホルダ101を搬入する。そして、第1ステージ303は、第1ウェハホルダ101を、真空吸着により固定する。
【0046】
ステップS102により第1ウェハ10が第1ステージ303上に搬入されて固定されると、ステップS103により第1ステージ303上での第1ウェハ10の姿勢を精確に計測する。
【0047】
プリアライナー50の観察顕微鏡501による第1ノッチ13基準の姿勢計測は、第1ウェハ10の全体を観察して実行されるので、第1アライメントマーク12基準の姿勢計測よりも精度が粗い。また、ステップS102で生成された搬送パスに沿った搬送ロボット40の搬送制御にも、目標位置に対する誤差が累積される。したがって、第1ウェハ10と第2ウェハ20の位置合わせに求められる精度に追い込むべく、第1ステージ303上で第1アライメントマーク12を基準として、再度第1ウェハ10の姿勢を精確に計測する。
【0048】
具体的には、上述のように、第1測定顕微鏡301の視野内に2つ以上の第1アライメントマーク12が含まれるように第1ステージ303を移動する。そして、一度の撮像動作によって取得した画像データから第1アライメントマーク12の座標を求めた上で、第1ウェハ10の中心位置、および第1ウェハ10の回転量を計測する。
【0049】
ステップS104では、第1ウェハ10の実際の姿勢と目標姿勢を比較する。具体的には、予め定められた目標姿勢に対する回転許容誤差量Rよりも、実際の姿勢の目標姿勢に対する回転誤差量Rが小さいか否かを判断する。小さい場合にはステップS106へ進み、大きい場合にはステップS105へ進む。なお、回転許容誤差量Rは、例えば、干渉計306が第1ステージ303の位置計測をできなくなる回転量の半分の値に設定される。
【0050】
ステップS105では、第1ステージ303上に載置された第1ウェハホルダ101を、第1ウェハ10ごとプリアライナー50へ戻す。そして、ステップS101から再び第1ステージ303への搬入工程をやり直す。
【0051】
ステップS106からは、第2ウェハ20の姿勢同定を行う。ステップS106では、搬送ロボット40によりプリアライナー50に搬入された、第2ウェハホルダ201に保持された第2ウェハ20の姿勢を計測する。ここでの姿勢計測は、観察顕微鏡501を用いて取得した第2ウェハ20の全体画像から、画像中の第2ノッチ23の位置を基準に、XY平面内における第2ウェハ20の中心座標と回転量を求める。
【0052】
ステップS107では、ステップS106で計測した第2ウェハ20の中心座標と回転量、およびステップS103で計測した第1ウェハ10の中心座標と回転量に基づいて、第2ステージ304上の目標位置までの搬送パスを生成する。つまり、第1ウェハ10が第1ステージ303上において、目標姿勢に対して回転誤差量Rを有することが検出されていれば、これを相殺するように、第2ウェハ20の目標姿勢に加味して搬送パスを生成する。なお、この搬送パスは、第2ウェハ20を保持する第2ウェハホルダ201を180度回転させて、第2ウェハ20を下向きにする動作を含む。
【0053】
搬送ロボット40は、生成された搬送パスに従って、第2ステージ304上の目標位置へ第2ウェハ20を保持した第2ウェハホルダ201を搬入する。そして、第2ステージ304は、第2ウェハホルダ201を、真空吸着により固定する。
【0054】
ステップS107により第2ウェハ20が第2ステージ304上に搬入されて固定されると、ステップS108により第2ステージ304上での第2ウェハ20の姿勢を精確に計測する。具体的には、第2測定顕微鏡302の視野内に2つ以上の第2アライメントマーク22が含まれるように第1ステージ303を移動する。そして、一度の撮像動作によって取得した画像データから第2アライメントマーク22の座標を求めた上で、第2ウェハ20の中心位置、および第2ウェハ20の回転量を計測する。
【0055】
ステップS109では、第2ウェハ20の実際の姿勢と目標姿勢を比較する。具体的には、予め定められた目標姿勢に対する回転許容誤差量Rよりも、実際の姿勢の目標姿勢に対する回転誤差量Rが小さいか否かを判断する。小さい場合にはステップS111へ進み、大きい場合にはステップS110へ進む。
【0056】
ステップS110では、第2ステージ304上に載置された第2ウェハホルダ201を、第2ウェハ20ごとプリアライナー50へ戻す。そして、ステップS106から再び第2ステージ304への搬入工程をやり直す。
【0057】
ステップS109までの工程で、第1ステージ303上の第1ウェハ10の位置姿勢および第2ステージ304上の第2ウェハ20の位置姿勢が精確に把握できる。また、第1ウェハ10と第2ウェハ20の相対的なずれは、第1ステージ303の回転許容角以内であることが保障される。そこで、ステップS111では、第1ステージ303を移動させることにより、第2ウェハ20の第2アライメントマーク22のそれぞれを、第1ウェハ10の対応する第1アライメントマーク12に対向させる。
【0058】
そして、ステップS112で、第1ステージ303をZ軸方向に移動させて、第1ウェハ10と第2ウェハ20を接触させ、仮接合を行う。仮接合が完了すると、ステップS113で、第1ウェハホルダ101の吸着子111と、第2ウェハホルダ201のマグネット211を作用させてクランプを行う。クランプが行われた第1ウェハホルダ101と第2ウェハホルダ201は、第1ウェハ10と第2ウェハ20を挟持して、一体的に固定される。
【0059】
一体化されたウェハホルダ対は、第2ステージ304の吸着を離れ、第1ステージ303の降下に伴って引き下げられ、ステップS114で、搬送ロボット40のハンド部401に把持されて、基板重ね合わせ装置30から次工程を担う装置へ向けて搬出される。以上により一連の処理を終了する。
【0060】
なお、上述のように、第1アライメントマーク12とこれに対応する第2アライメントマーク22はそれぞれ複数設けられているが、これらは設計値通りの位置に設けられているとは限らない。そこで、互いの位置合わせにおいては、例えば互いに対応するアライメントマーク同士の距離が全体として最小値となるように位置合わせされる。
【0061】
本実施形態においては、第1ウェハ10を第1ステージ303により移動させて第2ウェハ20に位置合わせするので、第2アライメントマーク22に対する第1アライメントマーク12の位置ずれを相対誤差とする。この相対誤差は、主要な誤差パラメータとして、第1ウェハ10の回転による回転量θとx方向及びy方向へのオフセットによるオフセット量(x,y)により、近似的に表現される。以下、これらを誤差パラメータとした例を説明する。
【0062】
第2ウェハ20上に測定対象とする3つの第2アライメントマーク26、27、28が設けられており、それぞれの座標値を、(x21,y21),(x22,y22),(x23,y23)とする。また、これらに対応する第1アライメントマーク16、17、18が、第1ウェハ10に設けられており、それぞれの座標値を、(x11,y11),(x12,y12),(x13,y13)とする。また、回転量θとオフセット量(x,y)を用いた座標変換式により第1アライメントマーク16、17、18の座標値を変換した座標値をそれぞれ(xc1,yc1),(xc2,yc2),(xc3,yc3)とする。このとき、座標変換式は(1)式で表される。
【数1】

ただし、n=1,2,3
(1)
【0063】
誤差パラメータであるθと(x,y)は、第2アライメントマーク26、27、28の座標値を用いて、以下の式(2)で表される残差平方和が最小となるものとして求められる。
【数2】

(2)
【0064】
具体的には、最小二乗法などの公知の統計的手法により算出されるので、詳細については省略する。
【0065】
このようにして誤差パラメータであるθと(x,y)が定まると、(1)式の座標変換式が確定する。これにより、第1ウェハ10と第2ウェハ20の相対的な姿勢差に加え、この算出された誤差パラメータ分を加味して第1ステージ303を移動させることにより、互いのアライメントマークの一致度がより高い位置合わせを実現することができる。このような誤差パラメータを加味した位置合わせを行う場合は、ステップS111に上記の演算工程を加えて実行する。このとき、対象とする互いに対応する複数のアライメントマークは、第1ステージ303を移動させつつ、第1測定顕微鏡301および第2測定顕微鏡302を用いて、順次その位置を計測する作業を含む。
【0066】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0067】
なお上述の各処理の実行順序は、特段明示し場合を除き任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0068】
10 第1ウェハ、11 第1回路領域、12 第1アライメントマーク、13 第1ノッチ、14、15、16、17、18 第1アライメントマーク、20 第2ウェハ、21 第2回路領域、22 第2アライメントマーク、23 第2ノッチ、26、27、28 第2アライメントマーク、30 基板重ね合わせ装置、40 搬送ロボット、50 プリアライナー、101 第1ウェハホルダ、110 ホルダ本体、111 吸着子、201 第2ウェハホルダ、210 ホルダ本体、211 マグネット、301 第1測定顕微鏡、302 第2測定顕微鏡、303 第1ステージ、304 第2ステージ、305 反射ミラー、306 干渉計、307 駆動装置、308 ゲート、401 ハンド部、402 アーム部、501 観察顕微鏡、502 載置台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板に設けられた少なくとも2個の第1基板指標を一度の撮像動作により撮像する第1撮像ユニットと、
前記第1撮像ユニットにより撮像された画像に基づいて前記第1基板指標の位置を計測することにより、前記第1基板の姿勢を測定する測定部と
を備える位置検出装置。
【請求項2】
前記測定部により測定された前記第1基板の姿勢と、前記第1基板の目標姿勢との第1誤差を演算する演算部と、
前記演算部により演算された前記第1誤差を第2基板の目標姿勢に加味して、前記第1基板に対向して前記第2基板を搬入させる制御部と
を備える請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記第1誤差が予め定められた許容誤差よりも大きいときには、前記制御部は、前記第2基板を搬入させない請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記第1誤差が予め定められた前記許容誤差よりも大きいときには、前記制御部は、前記第1基板の搬入をやり直させる請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記第2基板に設けられた少なくとも2個の第2基板指標を一度の撮像動作により撮像する第2撮像ユニットを備え、
前記測定部は、前記第2撮像ユニットにより撮像された画像に基づいて前記第2基板指標の位置を計測することにより、前記第2基板の姿勢を測定する請求項2から4のいずれか1項に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記演算部は、前記測定部により測定された前記第2基板の姿勢と、前記第2基板の目標姿勢との第2誤差を演算し、
前記制御部は、前記演算部により演算された前記第2誤差に基づいて、前記第1基板を保持する第1ステージ及び前記第2基板を保持する第2ステージの少なくとも一方を移動して、前記第1基板と前記第2基板を対向させる請求項5に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記第2誤差が予め定められた許容誤差よりも大きいときには、前記制御部は、前記第1ステージ及び前記第2ステージを移動させない請求項6に記載の位置検出装置。
【請求項8】
前記第2誤差が予め定められた許容誤差よりも大きいときには、前記制御部は、前記第2基板の搬入をやり直させる請求項6または7に記載の位置検出装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記測定部により測定された複数の前記第1基板指標の実測座標値を所定の誤差パラメータによって規定される座標変換式により変換した変換座標値と、前記測定部により測定された複数の前記第2基板指標の実測座標値との差が最小となるように、前記誤差パラメータを算出し、
算出された前記誤差パラメータを加味して前記第1基板を保持する前記第1ステージ及び前記第2基板を保持する前記第2ステージの少なくとも一方を移動して、前記第1基板と前記第2基板を対向させる請求項6から8のいずれか1項に記載の位置検出装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の位置検出装置を備える基板重ね合わせ装置。
【請求項11】
第1撮像ユニットにより第1基板に設けられた少なくとも2個の第1基板指標を一度の撮像動作により撮像する第1撮像ステップと、
前記第1撮像ステップにより撮像された画像に基づいて、測定部が前記第1基板指標の位置を計測することにより、前記第1基板の姿勢を測定する第1測定ステップと
を備える位置検出方法。
【請求項12】
前記第1測定ステップにより測定された前記第1基板の姿勢と、前記第1基板の目標姿勢との第1誤差を演算する第1誤差演算ステップと、
前記第1誤差演算ステップにより演算された前記第1誤差を第2基板の目標姿勢に加味して、前記第1基板に対向して前記第2基板を搬入させる搬入ステップと
を更に備える請求項11に記載の位置検出方法。
【請求項13】
前記第1誤差が予め定められた許容誤差よりも大きいときには、前記搬入ステップの実行を禁止する搬入禁止ステップを更に備える請求項12に記載の位置検出方法。
【請求項14】
前記第1誤差が予め定められた前記許容誤差よりも大きいときには、前記第1基板の搬入をやり直させる第1再搬入ステップを更に備える請求項13に記載の位置検出方法。
【請求項15】
第2撮像ユニットにより前記第2基板に設けられた少なくとも2個の第2基板指標を一度の撮像動作により撮像する第2撮像ステップと、
前記第2撮像ステップにより撮像された画像に基づいて、前記測定部が前記第2基板指標の位置を計測することにより、前記第2基板の姿勢を測定する第2測定ステップと
を更に備える請求項12から14のいずれか1項に記載の位置検出方法。
【請求項16】
前記第2測定ステップにより測定された前記第2基板の姿勢と、前記第2基板の目標姿勢との第2誤差を演算する第2誤差演算ステップと、
前記第2誤差演算ステップにより演算された前記第2誤差に基づいて、前記第1基板を保持する第1ステージおよび前記第2基板を保持する第2ステージの少なくとも一方を移動して、前記第1基板と前記第2基板を対向させる移動ステップと
を更に備える請求項15に記載の位置検出方法。
【請求項17】
前記第2誤差が予め定められた許容誤差よりも大きいときには、前記移動ステップの実行を禁止する移動禁止ステップを更に備える請求項16に記載の位置検出方法。
【請求項18】
前記第2誤差が予め定められた許容誤差よりも大きいときには、前記第2基板の搬入をやり直させる第2再搬入ステップを更に備える請求項16または17に記載の位置検出方法。
【請求項19】
前記測定部により測定された複数の前記第1基板指標の実測座標値を所定の誤差パラメータによって規定される座標変換式により変換した変換座標値と、前記測定部により測定された複数の前記第2基板指標の実測座標値との差が最小となるように、前記誤差パラメータを算出する算出ステップと、
前記算出ステップにより算出された前記誤差パラメータを加味して前記第1基板を保持する第1ステージ及び前記第2基板を保持する第2ステージの少なくとも一方を移動して、前記第1基板と前記第2基板を対向させる対向ステップと
を更に備える請求項16から18のいずれか1項に記載の位置検出方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−21916(P2011−21916A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165164(P2009−165164)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】