説明

制御されたメニスカス内における液体の分離を維持するためのシステム、方法、及び装置

【解決手段】プロキシミティヘッドを形成及び使用するシステム並びに方法。プロキシミティヘッドは、ヘッド表面を含み、該ヘッド表面は、第1のゾーンと、第2のゾーンと、内部戻りゾーンとを含む。第1のゾーンは、第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む。複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第1の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第1の平坦な表面領域に広がっている。複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される。第2のゾーンは、第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む。複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第2の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第2の平坦な表面領域に広がっている。内部戻りゾーンは、複数の内部戻り個別穴を含む。内部戻りゾーンは、第1のゾーンと第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置している。複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の内部戻り個別穴は、ヘッド表面内にあり、ヘッド表面に広がっている。複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置される。第1の列と内部戻り列は、実質的に平行である。複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の第1の部分は、ヘッド表面内に入り込んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総じて半導体製造プロセスに関するものであり、特に、プロキシミティヘッドによって半導体を処理するための方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体チップの製造プロセスでは、ウエハの表面上に不要な残留物を残す製造動作を実施されたウエハを洗浄及び乾燥する必要があることが周知である。このような製造動作の例に、プラズマエッチングや化学的機械的研磨(CMP)がある。CMPでは、ウエハは、ウエハ表面を研磨表面に押し付けるホルダに載置される。スラリは、研磨を生じさせるケミカル及び研磨材料を含むことができる。あいにく、このプロセスは、ウエハ表面にスラリ粒子および残留物の蓄積を残す傾向がある。これらの不要な残留材料および粒子は、もしウエハ上に残されると、とりわけ、ウエハ表面上にスクラッチなどの欠陥を生じたり、金属化特徴間に不適切な相互作用などを発生させたりするであろう。場合によっては、このような欠陥は、ウエハ上のデバイスを動作不良にするであろう。したがって、動作不能なデバイスを有するウエハを廃棄するための不当な費用を回避するには、不要な残留物を残す製造動作の後に、適切に尚且つ効率的にウエハを洗浄する必要がある。
【0003】
湿式洗浄を経た後、ウエハは、水または洗浄流体の残余分がウエハ上に残留物を残すことのないように、効果的に乾燥される必要がある。液滴の形成時によく生じるように、ウエハ表面上において洗浄流体の蒸発が可能にされると、流体内に予め溶解していた残留物または汚染物が、蒸発後にウエハ表面上に残留する(そして例えば斑点を形成する)。蒸発の発生を阻止するには、ウエハ表面上に液滴を形成することなくできるだけ速やかに洗浄流体を除去しなければならない。
【0004】
この実現を図るべく、スピン乾燥など幾つかの異なる乾燥技術の1つが用いられる。これらの乾燥技術は、いずれも、ウエハ表面上において何らかの形態の移動気液界面を用いるものであり、もし適切に維持されれば、液滴を形成することなくウエハ表面を乾燥させることができる。あいにく、上述のいずれの乾燥方法でもよく生じるように、もし移動気液界面が破れると、液滴の形成とともに蒸発が発生し、ウエハ表面上に汚染物及び/又は斑点が残される結果になる。
【0005】
以上を考慮すると、基板の表面に対して液滴が及ぼす影響を最小限に抑える又は基板の表面上における液滴の形成を実質的に解消する乾燥技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
総じて、本発明は、改良されたプロキシミティヘッド、並びにその改良されたプロキシミティヘッドを使用するためのシステム及び方法を提供することによって、これらの必要性を満たすものである。なお、本発明は、プロセス、装置、システム、コンピュータ可読媒体、又はデバイスを含む数々の形で実現できることがわかる。本発明の幾つかの発明実施形態が、以下において説明される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態は、プロキシミティヘッドを提供する。該プロキシミティヘッドは、ヘッド表面を含み、該ヘッド表面は、第1のゾーンと、第2のゾーンと、内部戻りゾーンとを含む。第1のゾーンは、第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む。複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第1の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第1の平坦な表面領域に広がっている。複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される。第2のゾーンは、第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む。複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第2の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第2の平坦な表面領域に広がっている。内部戻りゾーンは、複数の内部戻り個別穴を含む。内部戻りゾーンは、第1のゾーンと第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置している。複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の内部戻り個別穴は、ヘッド表面内にあり、ヘッド表面に広がっている。複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置される。第1の列と内部戻り列は、実質的に平行である。複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の第1の部分は、ヘッド表面内に入り込んでいる。
【0008】
第1のゾーンは、また、複数の第3の個別穴も含むことができ、複数の第3の個別穴の各穴は、複数の第3の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第3の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第1の平坦な表面領域に広がっている。複数の第3の個別穴の少なくとも一部分は、第3の列に配置される。第3の列は、第1の列に実質的に平行であり、第1の列を挟んで境界列と反対の側に位置している。
【0009】
複数の第1の導管は、第1の液体源に結合することができ、第1の液体をヘッド表面に提供するように構成される。第2の導管は、第2の液体源に結合することができ、第2の液体をヘッド表面に提供するように構成される。複数の内部戻り導管及び複数の第3の導管は、真空源に結合することができ、第1の液体の少なくとも一部分をヘッド表面から除去するように構成される。
【0010】
複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の第1の入り込み部分は、第1の角度でヘッド表面内に入り込んでおり、第1の角度は、複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の第1の入り込み部分から第1の列に向かって第1の距離に及ぶ斜切り部を形成する。
【0011】
複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の第1の入り込み部分は、複数の内部戻り個別穴の各穴において第1の入り込み縁を有する第1の入り込み角度付き部分に含まれることができ、該第1の入り込み角度付き部分は、ヘッド表面と交わる第2の入り込み縁を含み、第1の入り込み角度付き部分は、内部戻り列から第1の列に向かって第1の距離に及ぶ。
【0012】
第1の入り込み角度付き部分は、2つ以上の角度付き部分を含むことができる。第1の入り込み角度付き部分は、1つ又は2つ以上の湾曲部分を含むことができる。第1の入り込み縁は、第1の入り込み角度付き部分から複数の内部戻り個別穴の各穴内への湾曲部分を含むことができる。
【0013】
複数の第2の個別穴の少なくとも一部分は、第2の列に配置することができる。第2の列と内部戻り列は、実質的に平行である。第2の列は、第1の列に相対しており、第2のゾーンは、更に、複数の第5の個別穴及び複数の第6の個別穴を含む。複数の第5の個別穴の各穴は、複数の第5の導管のうちの対応する1本に接続されており、複数の第6の個別穴の各穴は、複数の第6の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第5の個別穴及び複数の第6の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第2の平坦な表面領域に広がっている。複数の第5の個別穴の少なくとも一部分は、第3の列に配置され、複数の第6の個別穴の少なくとも一部分は、第4の列に配置される。第3の列、及び第4の列の少なくとも一部分は、第2の列に実質的に平行である。第3の列は、第2の列を挟んで内部戻り列と反対の側に位置しており、第4の列は、第3の列を挟んで第2の列と反対の側に位置している。
【0014】
複数の第1の導管は、第1の液体源に結合することができ、第1の液体をヘッド表面に提供するように構成され、複数の第2の導管は、第2の液体源に結合することができ、第2の液体をヘッド表面に提供するように構成され、複数の内部戻り導管及び複数の第5の導管は、第2の液体の少なくとも一部分をヘッド表面から除去するように構成され、複数の第6の導管は、第1の流体をヘッド表面に提供するように構成され、第1の流体は、第1の液体及び第2の液体と異なる。
【0015】
第2のゾーンは、角度付き表面を有する突き出しを含むことができる。角度付き表面は、第1の縁を有しており、該第1の縁は、第2の列と内部戻り列との間においてヘッド表面と交わる。角度付き表面は、内部戻り列の近くに第2の縁を有している。第2の縁は、ヘッド表面から突き出しており、その突き出し距離は、ヘッド表面と被処理表面との間の距離より短い。角度付き表面は、約1度から約89度までの間の角度でヘッド表面と交わることができる。角度付き表面は、2つ以上の角度付き表面を含むことができる。2つ以上の角度付き表面の少なくとも1つは、ヘッド表面に実質的に平行である。
【0016】
複数の第2の導管の少なくとも一部分は、内部戻り列に向けて約10度から約90度までの間の角度でヘッド表面と交わることができる。第1の平坦な表面領域及び第2の平坦な表面領域の少なくとも一方の少なくとも一部分は、湾曲していることができる。
【0017】
別の一実施形態は、プロキシミティヘッドを提供する。該プロキシミティヘッドは、ヘッド表面を含み、該ヘッド表面は、第1のゾーンと、第2のゾーンと、内部戻りゾーンとを含む。第1のゾーンは、第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む。複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第1の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第1の平坦な表面領域に広がっている。複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される。第2のゾーンは、第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む。複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第2の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第2の平坦な表面領域に広がっている。内部戻りゾーンは、複数の内部戻り個別穴を含む。内部戻りゾーンは、第1のゾーンと第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置している。複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の内部戻り個別穴は、ヘッド表面内にあり、ヘッド表面に広がっている。複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置される。第1の列と内部戻り列は、実質的に平行である。第2のゾーンは、角度付き表面を有する突き出しを含み、角度付き表面は、第1の縁を有しており、該第1の縁は、第2の列と内部戻り列との間においてヘッド表面と交わる。角度付き表面は、内部戻り列の近くに第2の縁を有しており、該第2の縁は、ヘッド表面から突き出しており、その突き出し距離は、ヘッド表面と被処理表面との間の距離より短い。
【0018】
別の一実施形態は、プロキシミティヘッドを提供する。該プロキシミティヘッドは、ヘッド表面を含み、該ヘッド表面は、第1のゾーンと、第2のゾーンと、内部戻りゾーンとを含む。第1のゾーンは、第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む。複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第1の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第1の平坦な表面領域に広がっている。複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される。第2のゾーンは、第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む。複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第2の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第2の平坦な表面領域に広がっている。内部戻りゾーンは、複数の内部戻り個別穴を含む。内部戻りゾーンは、第1のゾーンと第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置している。複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の内部戻り個別穴は、ヘッド表面内にあり、ヘッド表面に広がっており、複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置される。第1の列と内部戻り列は、実質的に平行である。複数の第2の導管の少なくとも一部分は、内部戻り列に向けて約10度から約90度までの間の角度でヘッド表面と交わる。
【0019】
更に別の一実施形態は、プロキシミティヘッドを提供する。該プロキシミティヘッドは、ヘッド表面を含み、該ヘッド表面は、第1のゾーンと、第2のゾーンと、内部戻りゾーンとを含む。第1のゾーンは、第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む。複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第1の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第1の平坦な表面領域に広がっている。複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される。第2のゾーンは、第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む。複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第2の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第2の平坦な表面領域に広がっている。内部戻りゾーンは、複数の内部戻り個別穴を含む。内部戻りゾーンは、第1のゾーンと第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置している。複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の内部戻り個別穴は、ヘッド表面内にあり、ヘッド表面に広がっている。複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置される。第1の列と内部戻り列は、実質的に平行である。複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の第1の部分は、ヘッド表面内に入り込んでおり、第2のゾーンは、角度付き表面を有する突き出しを含む。角度付き表面は、第1の縁を有しており、該第1の縁は、第2の列と内部戻り列との間においてヘッド表面と交わる。角度付き表面は、内部戻り列の近くに第2の縁を有しており、該第2の縁は、ヘッド表面から突き出しており、その突き出し距離は、ヘッド表面と被処理表面との間の距離より短い。複数の第2の導管の少なくとも一部分は、内部戻り列に向けて約10度から約90度までの間の角度でヘッド表面と交わる。
【0020】
更に別の一実施形態は、メニスカスを形成する方法であって、被処理表面にごく近くにおいてプロキシミティヘッドを移動させることを含む方法を提供する。プロキシミティヘッドは、ヘッド表面を含み、該ヘッド表面は、第1のゾーンと、第2のゾーンと、内部戻りゾーンとを含む。第1のゾーンは、第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む。複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第1の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第1の平坦な表面領域に広がっている。複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される。第2のゾーンは、第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む。複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第2の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第2の平坦な表面領域に広がっている。内部戻りゾーンは、複数の内部戻り個別穴を含む。内部戻りゾーンは、第1のゾーンと第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置している。複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の内部戻り個別穴は、ヘッド表面内にあり、ヘッド表面に広がっている。複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置され、第1の列と内部戻り列は、実質的に平行である。方法は、更に、ヘッド表面と被処理表面との間に二重液体メニスカスを形成することと、第1の液体及び第2の液体の一部分を内部戻りを通じて除去することであって、内部戻りの近くにおける第1の液体の速度を内部戻りの近くにおける第2の液体の第2の速度未満である第1の速度まで減少させることを含むことと、を含む。内部戻りの近くにおける第2の速度を増加させることもできる。
【0021】
更に別の一実施形態は、メニスカスを形成する方法であって、被処理表面にごく近くにおいてプロキシミティヘッドを移動させることを含む方法を提供する。プロキシミティヘッドは、ヘッド表面を含み、該ヘッド表面は、第1のゾーンと、第2のゾーンと、内部戻りゾーンとを含む。第1のゾーンは、第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む。複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第1の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第1の平坦な表面領域に広がっている。複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される。第2のゾーンは、第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む。複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の第2の個別穴は、ヘッド表面内にあり、第2の平坦な表面領域に広がっている。内部戻りゾーンは、複数の内部戻り個別穴を含む。内部戻りゾーンは、第1のゾーンと第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置している。複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されている。複数の内部戻り個別穴は、ヘッド表面内にあり、ヘッド表面に広がっている。複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置される。第1の列と内部戻り列は、実質的に平行である。方法は、更に、ヘッド表面と被処理表面との間に二重液体メニスカスを形成することと、第1の液体及び第2の液体の一部分を内部戻りを通じて除去することであって、内部戻りの近くにおける第2の液体の速度を内部戻りの近くにおける第1の液体の第1の速度より大きい第2の速度まで増加させることを含むことと、を含む。
【0022】
本発明の原理を例として図示した添付の図面に関連させた以下の詳細な説明から、本発明の態様及び利点が明らかになる。
【0023】
本発明は、添付の図面に関連させた以下の詳細な説明によって、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】本発明の一実施形態にしたがった、基板の表面に対して動作を実施するプロキシミティヘッドを図示している。
【図1B】本発明の一実施形態にしたがった、プロキシミティヘッドのヘッド表面の図である。
【図1C】本発明の一実施形態にしたがった、表面を処理する方法動作の流れ図である。
【図1D】本発明の一実施形態にしたがった、プロキシミティヘッドシステムの簡略図である。
【図2A】本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッドの側面図である。
【図2B】本発明の一実施形態にしたがった、メニスカス及び二重入力プロキシミティヘッドのヘッド表面の底面図である。
【図3A】本発明の一実施形態にしたがった、第1の液体と第2の液体との間の分離を向上させるために実施される方法動作を示した流れ図である。
【図3B】本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッドの側面図である。
【図3C】本発明の実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッドのヘッド表面の底面図である。
【図3D】本発明の実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッドのヘッド表面の底面図である。
【図3E】本発明の一実施形態にしたがった、内部戻り導管における斜切り部の詳細な図である。
【図4A】本発明の一実施形態にしたがった、第1の液体と第2の液体との間の分離を向上させるために実施される方法動作を示した流れ図である。
【図4B】本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッドの側面図である。
【図4C】本発明の実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッドのヘッド表面の底面図である。
【図4D】本発明の実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッドのヘッド表面の底面図である。
【図5A】本発明の一実施形態にしたがった、第1の液体と第2の液体213との間の分離を向上させるために実施される方法動作を示した流れ図である。
【図5B】本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッドの側面図である。
【図5C】本発明の実施形態にしたがった、メニスカス及び二重入力プロキシミティヘッドのヘッド表面の底面図である。
【図5D】本発明の実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド570及び580の側面図である。
【図5E】本発明の実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド570及び580の側面図である。
【図6A】本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッドである。
【図6B】本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、プロキシミティヘッドについての幾つかの代表的な実施形態が説明される。当業者ならば明らかなように、本発明は、本明細書に記載されている詳細の一部または全部の詳細を特定しなくても実施されえる。
【0026】
図1Aは、本発明の一実施形態にしたがった、基板108の表面108Aに対して動作を実施するプロキシミティヘッド100を図示している。プロキシミティヘッド100は、被処理アイテム108の上面108Aのごく近くにおいて、その上面108Aに相対的に移動することができる。被処理アイテム108は、任意のタイプのアイテム(例えば金属アイテム、セラミック基板、プラスチック基板、半導体基板、又はその他の任意の所望のアイテム)であることが可能である。なお、プロキシミティヘッド100は、アイテム108の底面108Bを処理(例えば洗浄、乾燥、エッチング、めっきその他)するために使用されてもよいことがわかる。
【0027】
プロキシミティヘッド100は、第1の液体112をプロキシミティヘッドのヘッド表面110Aに送達するための1本又は2本以上の第1の導管112Aを含む。プロキシミティヘッド100は、また、第2の流体114をヘッド表面110Aに送達するための1本又は2本以上の第2の導管114Aを含む。より詳しく後述されるように、第2の流体114は、第1の液体112と異なることが可能である。プロキシミティヘッド100は、また、第1の液体112及び第2の流体114をヘッド表面110Aから除去するための複数の第3の導管116Aを含む。
【0028】
図1Bは、本発明の一実施形態にしたがった、プロキシミティヘッド100のヘッド表面110Aの図である。ヘッド表面110Aは、実質的に平坦な領域110B、110C、110Dを含む。実質的に平坦な領域110Bは、対応する第1の導管112Aへの開口を定める1つ又は2つ以上の個別穴112Bを含む。同様に、実質的に平坦な領域110Cは、対応する第2の導管114Aへの開口を定める1つ又は2つ以上の個別穴114Bを含み、実質的に平坦な領域110Dは、対応する第3の導管116Aへの開口を定める1つ又は2つ以上の個別穴116Bを含む。個別穴112B、114B、及び116Bは、一致する又は異なるサイズの、任意の所望の形状(例えば実質的に円形、楕円形その他)であることが可能である。例えば、個別穴112Bは、個別穴114B及び116Bより小さい又は大きいことが可能である。
【0029】
図1A及び図1Bにおいて説明されるプロキシミティヘッド100は、単純化された代表的なプロキシミティヘッドであることを理解されるべきである。プロキシミティヘッド100は、多くの異なる形状及びサイズであることが可能である。例えば、プロキシミティヘッドは、円形、楕円形、環状、及びその他の任意の所望の形状であることが可能である。同様に、メニスカス102は、個別穴112B、114B、及び116Bの配置によって定めることができる任意の所望の形状であることが可能であり、円形、楕円形、方形、環状、凹形その他を非限定的に含む。更に、平坦な領域110B、110C、及び110Dは、任意の所望の形状であることが可能である。例えば、平坦領域110Bは、円形、方形、楕円形、又はその他の任意の所望の形状であることが可能である。第3の個別穴116Bを含む第2の平坦な領域110Cは、平坦な領域110Bを完全に包囲する、又は平坦な領域110Bの一部分のみを包囲することができる。同様に、第2の個別穴114Bを含む第3の平坦な領域110Dは、平坦な領域110B及び110Cを完全に包囲する、又は平坦な領域110B及び110Cの一部分のみを包囲することができる。例えば、第2の個別穴114Bは、あらゆる目的のために参照によって本明細書に全体を組み込まれる上記の1件又は2件以上の同時係属出願に記載されるように、後縁104B及び/又は前縁104A及び/又は辺104C、104Dの1つ若しくは2つ以上の部分のみに制限されることが可能である。穴112B、114B、116B及び対応する導管112A、114A、116Aは、約0.004インチから約0.200インチまで(すなわち0.1mmから約5.0mm)の間の直径を有することができる。穴112B、114B、116B及び対応する導管112A、114A、116Aは、通常は、約0.030インチ(すなわち約0.75mm)の直径を有する。
【0030】
図1Cは、本発明の一実施形態にしたがった、表面108Aを処理する方法動作150の流れ図である。動作152では、プロキシミティヘッド100は、処理のために、基板表面108Aのごく近くに配置される。図1Aに示されている近接性Hは、約5mmから約0.5mm未満までであることが可能である。
【0031】
動作154では、制御され封じ込まれた液体メニスカス102をヘッド表面110Aと基板表面108Aとの間に形成するために、1本又は2本以上の第1の導管112A及び対応する個別穴112Bから液体112が出力される。液体112の表面張力は、液体をヘッド表面110A及び基板表面108Aの両方に「付着させる」又は引き寄せる。その結果、液体112の表面がヘッド表面110Aと基板表面108Aとの間で引っ張られ、メニスカス102の外壁104A、104Bが形成される。液体112は、所望のプロセスに適した任意の溶液であることが可能である。例えば、液体112は、水、脱イオン水(DIW)、洗浄流体、エッチング溶液、めっき溶液その他であることが可能である。
【0032】
動作156では、1本又は2本以上の第3の導管に真空が作用される。真空は、メニスカス102から個別穴116B及び対応する導管116Aへと液体112を引き込む。メニスカス102から引き込まれる液体112は、第1の導管112Aからメニスカスに流れ込む液体の量より多いまたは少ないことが可能である。例えば、プロキシミティヘッド100には、第1の導管112Aよりも多くの第3の導管116があってよい。更に、メニスカス102は、表面108Aを横断するにつれて、更なる液体及びその他の汚染物を表面から集めることができる。
【0033】
プロキシミティヘッド100が、ヘッド表面110Aと基板表面108Aとの間にメニスカスを封じ込めることができるように、第3の導管116A及び対応する個別穴116Bの各自は、第1の個別穴112Bを少なくとも部分的に取り巻くことができる。厳密に制御された基板表面108Aの処理を可能にするために、一定の量の第1の液体112をメニスカスに通すことができる。例えば、第1の液体112は、基板表面108Aをエッチングするためのエッチングケミストリであることが可能である。エッチングケミストリが、基板表面108Aと反応するにつれて、反応残留物は、エッチングケミストリに取り込まれてゆき、その結果生じる汚染物は、エッチングケミストリの濃度及びエッチング能力を低減させる恐れがある。エッチングケミストリ112が、第3の導管116Aを通してメニスカス102から引き出されるにつれて、反応残留物及びその他の汚染物は、メニスカスから運び去られる。同時に、汚染されていない追加のエッチングケミストリが、第1の導管112Aを通してメニスカス102に供給される。
【0034】
動作160では、プロキシミティヘッド100は、メニスカス102を基板表面108Aに沿って移動させるために、基板108に相対的に(例えば方向122に)移動することができる。辺104Aは、メニスカスが基板表面108A沿いに方向122に移動する際の、メニスカス102の前縁を形成する。メニスカス102は、基板表面108上の汚染物120を除去することができる。汚染物120は、液滴、固形残留物、またはその他の任意の汚染物、及びそれらの組み合わせ(例えば溶液中に含まれる固形残留物)であることが可能である。
【0035】
辺104Bは、メニスカスが基板表面108A沿いに方向122に移動する際の、メニスカス102の後縁を形成する。メニスカス102内の液体の表面張力は、基板表面108A上の実質全ての液体をメニスカスとともに移動させる。このようにして、メニスカス102は、基板表面108Aから全ての液状汚染物を除去することによって、乾燥動作を実施することができる。同様に、メニスカス102は、例えば、メニスカスの形で基板表面108Aに湿式エッチングケミストリ又はめっきケミストリを作用させ、後縁104Bによってそのエッチングプロセス又はめっきプロセスから全ての液体を除去することによって、ドライイン−ドライアウトの処理動作を実施することができる。
【0036】
参照される上記の1件又は2件以上の同時係属特許出願に記載されているように、メニスカス102に基板表面108Aを横断させることは、メニスカスに基板表面を横断させ、基板表面の縁から離れて第2の表面124に移らせることも含むことができる。
【0037】
随意の動作158では、基板表面108Aに第2の流体114を作用させることができる。第2の流体114は、表面張力を制御する流体であることが可能である。表面張力制御流体は、イソプロピルアルコール(IPA)蒸気、窒素、有機化合物、ヘキサノール、エチルグリコール、CO2ガス、及び水と混ざり合うその他の化合物、又はそれらの組み合わせのうちの、1つ又は2つ以上であることが可能である。例えば、窒素などの不活性キャリアガスによって、基板表面108AへIPA蒸気を運ぶことができる。
【0038】
プロキシミティヘッド100は、基板108に物理的に接触しない。基板108に接触するのは、第1の液体112及び第2の流体114のみである。
【0039】
プロキシミティヘッド100は、更なる機器又はヒータ又はその他のモニタ118を含むこともできる。更なる機器又はヒータ又はその他のモニタ118は、液体112、又はメニスカス102によって基板表面108Aに作用されているプロセスを監視するために使用することができる。例えば、更なる機器又はヒータ又はその他のモニタ118は、液体112を加熱又は冷却すること、並びに表面(例えば表面108上の層の厚さ若しくは基板108の厚さもしくは表面特徴の深さ)、又は液体112の濃度若しくはその他の化学的特質(例えばpHレベル、導電率その他)、又は望ましいとされるその他の任意の特質を測定することができる。これらの実施形態は、参照される上記の1件又は2件以上の同時係属出願において、より詳細に説明されている。
【0040】
図1Dは、本発明の一実施形態にしたがった、プロキシミティヘッドシステム170の簡略図である。プロキシミティヘッドシステム170は、プロセスチャンバ180と、コントローラ172と、真空源116’と、第1の液体源112’と、第2の流体源114’とを含む。第1の液体源112’、第2の流体源114’、及び真空源116’は、コントローラ172によって制御される適切な制御弁又はその他の流れ制御機構を通じて対応する導管112、114、116に結合されている。
【0041】
プロセスチャンバ180は、2つ以上のプロセスをサポートすることができる。例えば、プロセスチャンバ180は、1つのプロセスチャンバ内において、プラズマエッチングプロセスがアイテム108をエッチングし、プロキシミティヘッドがそのアイテムをin-situですすぎ、洗浄し、乾燥することができるように、プラズマエッチングプロセス及びプロキシミティヘッド100をサポートすることができる。プロセスチャンバ180は、クラスタツールと一般に称されるなどのその他の複数のプロセスチャンバ182、184、186に結合することもできる。
【0042】
プロキシミティヘッドシステム170は、アイテム108の第2の表面108Bを処理することができる第2のプロキシミティヘッド100’も含むことができる。プロキシミティヘッドシステム170は、アイテム108に作用されるプロセスを監視するための機器174も含むことができる。プロキシミティヘッドシステム170は、プロキシミティヘッド100に結合されるとともにプロキシミティヘッドをサポート及び/又は移動させることができるアクチュエータ176も含むことができる。
【0043】
コントローラは、レシピ178も含むことができる。レシピ178は、プロセスチャンバ内における処理のパラメータを定めている。コントローラ712は、処理チャンバ180、プロキシミティヘッド100、及びプロセスチャンバ内における処理を制御するための必要に応じて処理チャンバのその他の部分に結合される。コントローラ172は、また、プロセスチャンバ180内におけるプロセスにおいてレシピ178を実行するためのロジック172Aも含む。ロジック172Aは、プロセスの結果を監視し、その監視結果にしたがってレシピの1つ又は2つ以上の特質を調整又は変更する能力も含むことができる。
【0044】
アイテム108は、プロキシミティヘッド100に相対的に移動させることができる。例えば、アイテムは、半導体ウエハであることができ、プロキシミティヘッド100に相対的に回転させることができる。同様に、アイテム108は、1つの場所に実質的に固定することができ、プロキシミティヘッド100は、そのアイテムの表面108Aを横断することができる。また、アイテム108及びプロキシミティヘッド100の両方が可動でよいことも理解されるべきである。プロキシミティヘッド100の相対運動は、表面108Aを横切る実質直線状であることが可能である、又は円状又は螺旋状に移動させることが可能である。プロキシミティヘッド100の運動は、表面に作用されている特定のプロセスの要求に応じて、表面108Aの1つの場所から別の場所へと特定的に移動させることもできる。
【0045】
図2Aは、本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド200の側面図である。図2Bは、本発明の一実施形態にしたがった、メニスカス102及び二重入力プロキシミティヘッド200のヘッド表面210Aの底面図である。二重入力プロキシミティヘッド200は、第1のゾーン202Aにおける第1のゾーンのメニスカス102Aと第2のゾーン202Bにおける第2のゾーンのメニスカス102Bとに実質的に分割されるメニスカス102をサポートすることができる。第1のゾーンのメニスカス102Aと第2のゾーンのメニスカス102Bは、内部戻り217A導管に接続される内部戻り217B穴によって線引きされる。
【0046】
第1の導管112及び対応する穴112Bは、内部戻り導管217A及び対応する内部戻り穴217Bから幅W1だけ分離されている。第2の導管213及び対応する穴213Bは、内部戻り導管217A及び対応する内部戻り穴217Bから幅W2だけ分離されている。幅W1、W2は、等しくてもよいし、等しくなくてもよい。幅W1、W2は、約10mm未満から約50mmを超えるまでの間であることが可能である。幅W1、W2は、約12mmから約19mmまでの間であることが可能である。一実施形態では、幅W1、W2の少なくとも一方が、約38mmである。
【0047】
動作時は、第1の穴112Bを通して第1の液体112がメニスカス102に供給される。流れの矢印212A及び212Bによって示されるように、第1の液体112は、第1の穴112Bからメニスカス102に流れ込む。第1の液体112は、第1の戻り導管216A及び内部戻り導管217Aに真空源116’が作用されたときに、第1の戻り穴216B及び内部戻り穴217Bをそれぞれ通して除去される。
【0048】
同様に、第2の液体源が第2の導管213Aに接続されているときに、第2の穴213Bを通して第2の液体213がメニスカス102に供給される。流れの矢印215A及び215Bによって示されるように、第2の液体213は、第2の穴213Bからメニスカス102に流れ込み、第2の戻り導管218A及び内部戻り導管217Aに真空源が作用されたときに、第2の戻り穴218B及び内部戻り穴217Bをそれぞれ通して除去される。
【0049】
第1の液体流量は、第1の穴112Bを通り第1の戻り穴216B及び内部戻り穴217Bから出て行く第1の液体112の流量である。第2の液体流量は、第2の穴213Bを通り第2の戻り穴218B及び内部戻り穴217Bから出て行く第2の液体213の流量である。第1の液体流量は、通常は、第2の液体流量にほぼ等しい。
【0050】
二重入力プロキシミティヘッド200は、洗浄又はエッチングとすすぎなどのように、2つの動作を実施するために使用することができる。例えば、第1の液体112がエッチングケミストリであり、第2の液体213がすすぎ液であることが可能である。その結果、プロキシミティヘッド200が方向122に移動するにつれて、表面108Aは、第1のゾーン202Aにおいてエッチングされ、第2のゾーン202Bにおいて漱がれ、メニスカス102の後縁104Aの働きによって完全に乾燥されることができる。したがって、表面にプロキシミティヘッド200を1回通過させることによって、基板108Aにドライイン−ドライアウトエッチングプロセス及びすすぎプロセスを作用させることができる。
【0051】
第1のゾーンのメニスカス102Aと第2のゾーンのメニスカス102Bとの分離は、必ずしも明確であるとは限らない。したがって、第1の液体112と第2の液体213は、メニスカス102の内部範囲102Cにおいて、幾らか混ざり合うことがある。メニスカス102の内部ゾーン102Cは、内部戻り穴217Bの近くに位置している。内部ゾーン102C内における混合の明確な形状、幅、及び濃度は、多くの動作変数に応じて可変であってよい。例えば、第1の液体112及び第2の液体213の相対的流量、並びに/又はメニスカス102の(例えば方向122への)相対速度は、その結果、第1の液体112を多かれ少なかれ第2のゾーン202Bに流れ込ませることがある。
【0052】
内部ゾーン102C内における混合の形状、幅、及び濃度の変動は、その結果、表面108Aに所望の濃度の第1の液体112が接触している滞在時間を変動させることがある。例えば、もし第1の液体112がエッチングケミストリであり、第2のゾーン202Bに流れ込むならば、第1のゾーン202Aの有効幅D1が広がり、その結果、表面108上におけるエッチングケミストリの滞在時間が増加する。増加した滞在時間は、エッチングケミストリがより長い時間(例えば第1のゾーン102Aが方向122に幅D1を移動するために必要な時間)にわたって表面108Aをエッチングすることを可能にし、したがって、その結果としてのエッチング動作が増す。同様に、もし第2の液体213が第1のゾーン202Aに流れ込むならば、第1の液体112の滞在時間は減少し、したがって、エッチング動作を減らすことができる。第1のゾーンのメニスカス102Aと第2のゾーンのメニスカス102Bとの分離は、プロセス変動下において実質的に明確である(例えば幅D1及びD3が実質的に一定である)ことによって、メニスカスの内部範囲102Cの幅D2を最小に抑えることが理想である。
【0053】
図3Aは、本発明の一実施形態にしたがった、第1の液体112と第2の液体213との間の分離を向上させるために実施される方法動作350を図示した流れ図である。図3Bは、本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド300の側面図である。図3C及び図3Dは、本発明の実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド300のヘッド表面310Aの底面図である。
【0054】
動作352では、被処理表面108Aのごく近くにプロキシミティヘッド300が配置される。動作354では、上述のように、ヘッド表面310Aと被処理表面108Aとの間に二重液体メニスカス102が形成される。
【0055】
動作356では、上述のように、内部戻り導管217Aに真空が作用される。内部戻り導管217Aへの真空の作用は、第1の液体212Bの一部分及び第2の液体215Bの一部分を内部戻り穴217Bに向かって流れさせる。
【0056】
動作358では、内部戻り穴に近い第1の液体212Bの部分の速度が内部戻り穴に近い第2の液体215Bの部分の速度より遅くなるように、内部戻り穴217Bに向かって流れる第1の液体212Bの部分が、その第1の液体212Bの部分が内部戻り穴に近づくにつれて減速される。
【0057】
二重入力プロキシミティヘッド300は、第1の液体112と第2の液体213との分離を向上させる。第1の液体112と第2の液体213との分離は、内部戻り穴217Bに近い第1の液体212Bの速度を内部戻り穴に近い第2の液体215Bの速度に対して相対的に減少させることによって向上される。内部戻り穴217Bに近い第1の液体212Bの方が低速であることは、第1の液体112が第2のゾーン202Bに流れ込むことを実質的に阻止する。
【0058】
内部戻り穴217Bに近い第1の液体112の速度は、内部戻り穴217Bの近くにおけるヘッド表面310Aと表面108Aとの間の空間の体積を変更するなどして内部戻り穴に近い第1の液体の流れに対する制限を軽減させることによって、減少させることができる。図3Bに示されるように、メニスカスの第1の戻りゾーンの体積306は、上述されたプロキシミティヘッド200の場合と比べて増大されている。
【0059】
第1の戻りゾーンの体積306は、図3Cに示されるように、斜切り部302Aを加えることによって増大させることができる。斜切り部302Aは、内部戻り穴217Bから第1の穴112Bに向かって距離D4に及ぶ。D4は、図2Aに示されるような約W1から約1.5mmまでの間の範囲内であることが可能である。斜切り部302Aは、距離D5の深さを有することができる。D5は、約0.1mmから約H/2までの範囲内であることが可能である。斜切り部302Aは、実質真直ぐな上面302Bを有することができる。或いは、上面302Bは、第1の液体212Bの流れを更に滑らかにするために、曲面を含むことができる。上面302Bは、プロキシミティヘッドの表面310Aとの間に、約1度から約89度までの間の第1の角度αを形成する。例えば、第1の角度αは、約3.2度であることが可能であり、D4は、W1から約2.0mmを引いた距離に、D5は、0.5mmに、それぞれ等しいことが可能である。
【0060】
第1の戻りゾーンの体積306は、図3Dに示されるように、第1の戻りゾーン304内にあるプロキシミティヘッド表面部分302Cに角度を付けることによって、増大させることができる。斜切り部302Aと同様に、表面部分302Cは、プロキシミティヘッド310Aの表面から内部戻り穴217Bに向かって傾斜されている。
【0061】
図3Eは、本発明の一実施形態にしたがった、内部戻り導管217Aにおける斜切り部302の詳細な図である。斜切り部302は、複数の角度付き表面362、366、複数の実質的に平坦な表面364、370、及び/または湾曲表面368、及びそれらの組み合わせを含むことができる。示されている斜切り部302は、ヘッド表面310Aに対して第1の角度αで形成された第1の角度付き表面362を含む。
【0062】
第2の角度付き表面366が含まれることもでき、第1の角度付き表面362と第2の角度付き表面との間には、実質的に平坦な表面364が形成される。第2の角度付き表面366は、ヘッド表面310Aとの間に対応する角度α’を形成することができる。角度αとα’は、等しくてもよいし、異なっていてもよい。随意の実質的に平坦な表面370が、第2の角度付き表面366を内部戻り導管217Aから分離することができる。
【0063】
或いは、第1の角度付き表面362及び第2の角度付き表面366の一方又は両方を、適切に湾曲された表面368で置き換えることができる。湾曲表面368は、内部戻り導管217Aに向かう第1の液体112の流れ特性を最適化するべく曲面状に形成される。
【0064】
例えば、湾曲表面368は、第2の角度付き表面366の長さ全体にわたって実質的に一定半径の曲面であることが可能である。同様に、実質的に平坦な表面364、370及び角度付き表面362、366の両者に代わって1つの湾曲表面を形成することができる。湾曲表面368は、或いは、楕円曲面などの非一定半径の曲面又は複数の半径を有する複素曲面であることが可能である。
【0065】
第1の角度付き表面362は、長さD4’を有する。D4’は、0とD4との間であることが可能である。例えば、上記の図3Bに示されるように、もし単独の角度付き表面362が形成されるならば、D4’は、D4に等しくなる。
【0066】
第1の実質的に平坦な表面364は、長さD4”を有する。D4”は、第1の角度付き表面362と第2の角度付き表面366とを分離するための要求に応じて0から約5.0mmまでの間に等しいことが可能である。
【0067】
第2の角度付き表面366は、長さD4”’を有する。D4”’は、もし第2の角度付き表面366が含まれないならば、最小値0を有する。D4”’の最大値は、所望の性能特性によって決定される。
【0068】
第2の実質的に平坦な表面370は、長さD4””を有する。D4””は、もし第2の実質的に平坦な表面370が含まれないならば、最小値0を有する。D4””の最大値は、所望の性能特性によって決定される。D5’は、実質的に平坦な表面、角度付き表面、及び湾曲表面の組み合わせによる要求に応じて約0からD5までの間であることが可能である。なお、図3A〜6Bに説明されている実施形態は、縮尺通りに描かれておらず、特徴の相対的寸法は、特徴の説明をより容易にするために不均衡に図示されていることを理解されるべきである。
【0069】
図4Aは、本発明の一実施形態にしたがった、第1の液体112と第2の液体213との間の分離を向上させるために実施される方法動作450を図示した流れ図である。図4Bは、本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド400の側面図である。図4C及び図4Dは、本発明の実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド400のヘッド表面410Aの底面図である。
【0070】
動作452では、被処理表面108Aのごく近くにプロキシミティヘッド400が配置される。動作454では、上述のように、ヘッド表面410Aと被処理表面108Aとの間に二重液体メニスカス102が形成される。
【0071】
動作456では、上述のように、内部戻り導管217Aに真空が作用される。内部戻り導管217Aへの真空の作用は、第1の液体212Bの一部分及び第2の液体215Bの一部分を内部戻り穴217Bに向かって流れさせる。
【0072】
動作458では、内部戻り穴に近い第1の液体212Bの部分の速度が内部戻り穴に近い第2の液体215Bの部分の速度より遅くなるように、内部戻り穴217Bに向かって流れる第2の液体215Bの部分の速度が、その第2の液体215Bの部分が内部戻り穴に近づくにつれて増加される。
【0073】
二重入力プロキシミティヘッド400は、第1の液体112と第2の液体213との分離を向上させる。第1の液体112と第2の液体213との分離は、内部戻り穴217Bに近い第2の液体215Bの速度を内部戻り穴に近い第1の液体212Bの速度に対して相対的に増加させることによって向上される。内部戻り穴217Bに近い第1の液体212Bの方が低速であることは、第1の液体112が第2のゾーン202Bに流れ込むことを実質的に阻止する。
【0074】
内部戻り穴217Bに近い第2の液体215Bの速度は、内部戻り穴217Bの近くにおけるヘッド表面410Aと表面108Aとの間の空間の体積を変更するなどして内部戻り穴に近い第2の液体の流れに対する制限を増大させることによって、増加させることができる。図4Bに示されるように、メニスカスの第2の戻りゾーンの体積406は、上述されたプロキシミティヘッド200の場合と比べて低減されている。
【0075】
第2の戻りゾーンの体積406は、図4B及び図4Cに示されるように、ヘッド表面410Aの一部分402Aに角度を付けることによって低減させることができる。角度付き部分402Aは、第1の穴213Bの近くから内部戻り穴217Bに向かって距離D6に及ぶ。角度付き部分402Aは、実質的に平坦な部分402A’を含むこともできる。実質的に平坦な部分は、内部戻り穴217Bから第2の穴213Bに向かって距離D6’に及ぶことができる。
【0076】
D6は、最大値としての約W2から約2mmまでの範囲内であることが可能である。D6’及びD6”は、D6の任意の所望の一部であることが可能である。例えば、D6’は約2.5mmに、D6”は約4mmに、そしてD6はW2からD6”及びD6’を引いた距離に、それぞれ等しいことが可能である。
【0077】
角度付き部分402Aは、ヘッド表面410Aから距離D7に及ぶことができる。D7は、約0.1mmから約H/2までの範囲内であることが可能である。例えば、D7は、約0.5mmであることが可能である。
【0078】
角度付き部分402Aは、ヘッド表面410Aとの間に約1度から約89度までの間の第2の角度θを形成する。例えば、第2の角度θは、約5度であることが可能である。
【0079】
角度付き部分402Aは、1つの角度付き部分及び1つの平坦な部分のみを有するものとして示されているが、上記の図3Eにおいて詳細に説明されるように、平坦な表面、角度付き表面、及び湾曲表面を複数含む、より複雑なプロファイルを角度付き部分の代わりに形成することも可能であることを理解されるべきである。例えば、角度付き部分402Aは、1つ若しくは2つ以上の湾曲部分、及び/又は1つ若しくは2つ以上の平坦な部分、及び1つ若しくは2つ以上の角度付き部分を含むことができる。
【0080】
第2の液体215Bの速度は、第2の液体215Bの流れを内部戻り穴217Bに向かわせることによって増加させることができる。第2の液体215Bの流れは、第2の導管213Aに角度を付けることによって、及び/又は図4Dに示されるように1本若しくは2本以上の角度付きの第3の導管413Aを設けることによって、内部戻り穴217Bに向かわせることができる。角度付きの第3の導管413Aは、角度εでヘッド表面と交わるように形成される。角度εは、約10度から約90度までの間であることが可能である。
【0081】
図5Aは、本発明の一実施形態にしたがった、第1の液体112と第2の液体213との間の分離を向上させるために実施される方法動作550を図示した流れ図である。図5Bは、本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド500の側面図である。図5Cは、本発明の一実施形態にしたがった、メニスカス102及び二重入力プロキシミティヘッド500のヘッド表面510Aの底面図である。
【0082】
動作552では、被処理表面108Aのごく近くにプロキシミティヘッド500が配置される。動作554では、上述のように、ヘッド表面510Aと被処理表面108Aとの間に二重液体メニスカス102が形成される。
【0083】
動作556では、上述のように、内部戻り導管217Aに真空が作用される。内部戻り導管217Aへの真空の作用は、第1の液体212Bの一部分及び第2の液体215Bの一部分を内部戻り穴217Bに向かって流れさせる。
【0084】
動作558では、内部戻り穴に近い第1の液体212Bの部分の速度が内部戻り穴に近い第2の液体215Bの部分の速度より遅くなるように、内部戻り穴217Bに向かって流れる第1の液体212Bの部分が、その第1の液体212Bの部分が内部戻り穴に近づくにつれて減速される。
【0085】
動作560では、内部戻り穴に近い第1の液体212Bの部分の速度が内部戻り穴に近い第2の液体215Bの部分の速度より遅くなるように、内部戻り穴217Bに向かって流れる第2の液体215Bの部分の速度が、その第2の液体215Bの部分が内部戻り穴に近づくにつれて増加される。
【0086】
二重入力プロキシミティヘッド500は、第1の液体112と第2の液体213との分離を向上させる。第1の液体112と第2の液体213との分離は、内部戻り穴217Bに近い第2の液体215Bの速度を内部戻り穴に近い第1の液体212Bの速度に対して相対的に増加させることによって向上される。内部戻り穴217Bに近い第1の液体212Bの方が低速であることは、第1の液体112が第2のゾーン202Bに流れ込むことを実質的に阻止する。
【0087】
内部戻り穴217Bに近い第1の液体112の速度は、内部戻り穴217Bの近くにおけるヘッド表面510Aと表面108Aとの間の空間の体積を増大させることによって減少させることができる。メニスカスの第1の戻りゾーンの体積306は、上述されたプロキシミティヘッド200の場合と比べて増大されている。
【0088】
第2の液体215Bの速度は、第2の戻りゾーン内の体積406を低減させることによって増加される。第2の液体215Bの速度は、また、角度を付けた第2の導管を通じて第2の液体213の一部分を内部戻り穴217Bに向かわせることによっても増加される。第2の液体215Bの速度は、また、角度を付けた第2の導管413Aを通じて第2の液体212Bの流れを内部戻り穴217Bに向かわせることによっても増加される。図5D及び図5Eは、本発明の実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド570及び580の側面図である。上述された1つ又は2つ以上の実施形態には、1つ又は2つ以上の湾曲表面572〜590を含ませることができる。
【0089】
図6Aは、本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド600である。図6Bは、本発明の一実施形態にしたがった、二重入力プロキシミティヘッド600の断面図である。二重入力プロキシミティヘッド600は、上述された二重入力プロキシミティヘッド300、400、及び500に類似している。対応するスロット612、613、616、617、618内に、少なくとも1列の穴112B、213B、216B、217B、218Bを形成することができる。
【0090】
第2の液体213の源623が、プロキシミティヘッド600に結合される。源623は、第2の液体213を第2の導管213Aに供給する。第2の導管213Aは、スロット613内の第2の穴213Bにおいて終結する。スロット613は、第2の液体213を、メニスカス602及び被処理表面108Aに達する前に、より均等に分布した流れ613Aとして穴213Bから提供する。
【0091】
スロット613は、約2.5mmから約10mmまでの深さS1を有する。スロット613は、約0.1mmから約1.5mmまでの幅を有する。
【0092】
なお、スロット613が詳細に説明されているものの、残りのスロット612、616、617、618も同様に形成できることを理解されるべきである。
【0093】
本明細書において説明され本発明の一部を構成する動作は、いずれも、有用なマシン動作である。本発明は、また、これらの動作を実施するためのデバイス又は装置にも関する。装置は、所要の目的のために特別に構築されることが可能である、又はコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に作動若しくは構成される汎用コンピュータであることが可能である。具体的には、本明細書の教示にしたがって記述されるコンピュータプログラムとともに各種の汎用マシンを使用することが可能である、又は所要の動作を実施するための一層特化された装置を構築することが更に好都合であろう。
【0094】
本発明又は本発明の一部は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コード及び/又はロジックとして実装することもできる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムによってのちに読み出し可能なデータを格納することができる任意のデータストレージデバイスである。コンピュータ可読媒体の例には、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、論理回路、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、並びにその他の光データストレージデバイス及び非光データストレージデバイスが含まれる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で格納及び実行されるように、ネットワーク結合されたコンピュータシステムに分散させることもできる。更に、上記の図面において動作によって表されている命令は、図示された順序で実施される必要はなく、動作によって表される必ずしも全ての処理が、本発明を実施するために必要とは限らない。
【0095】
以上の発明は、理解を明瞭にする目的で、幾らか詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で、特定の変更及び修正が可能であることが明らかである。したがって、これらの実施形態は、例示的であって非限定的であると見なされ、本発明は、本明細書において定められた詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価形態の範囲内で変更することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロキシミティヘッドであって、
ヘッド表面を備え、前記ヘッド表面は、
第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む第1のゾーンであって、前記複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第1の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第1の平坦な表面領域に広がっており、前記複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される第1のゾーンと、
第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む第2のゾーンであって、前記複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第2の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第2の平坦な表面領域に広がっている第2のゾーンと、
複数の内部戻り個別穴を含む内部戻りゾーンであって、前記内部戻りゾーンは、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置しており、前記複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の内部戻り個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記ヘッド表面に広がっており、前記複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置され、前記第1の列と前記内部戻り列は、実質的に平行であり、前記複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の第1の部分は、前記ヘッド表面内に入り込んでいる内部戻りゾーンと
を備えたプロキシミティヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記第1のゾーンは、更に、複数の第3の個別穴を含み、前記複数の第3の個別穴の各穴は、複数の第3の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第3の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第1の平坦な表面領域に広がっており、前記複数の第3の個別穴の少なくとも一部分は、第3の列に配置され、前記第3の列は、前記第1の列に実質的に平行であり、前記第1の列を挟んで境界列と反対の側に位置しているプロキシミティヘッド。
【請求項3】
請求項2に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記複数の第1の導管は、第1の液体源に結合され、第1の液体を前記ヘッド表面に提供するように構成され、前記複数の第2の導管は、第2の液体源に結合され、第2の液体を前記ヘッド表面に提供するように構成され、前記複数の内部戻り導管及び前記複数の第3の導管は、真空源に結合され、前記第1の液体の少なくとも一部分を前記ヘッド表面から除去するように構成される
プロキシミティヘッド。
【請求項4】
請求項1に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の前記第1の入り込み部分は、第1の角度で前記ヘッド表面内に入り込んでおり、前記第1の角度は、前記複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の前記第1の入り込み部分から前記第1の列に向かって第1の距離に及ぶ斜切り部を形成する
プロキシミティヘッド。
【請求項5】
請求項1に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の前記第1の入り込み部分は、前記複数の内部戻り個別穴の各穴において第1の入り込み縁を有する第1の入り込み角度付き部分に含まれ、前記第1の入り込み角度付き部分は、前記ヘッド表面と交わる第2の入り込み縁を含み、前記第1の入り込み角度付き部分は、前記内部戻り列から前記第1の列に向かって第1の距離に及ぶ
プロキシミティヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記第1の入り込み角度付き部分は、2つ以上の角度付き部分を含むプロキシミティヘッド。
【請求項7】
請求項5に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記第1の入り込み角度付き部分は、1つ又は2つ以上の湾曲部分を含むプロキシミティヘッド。
【請求項8】
請求項5に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記第1の入り込み縁は、前記第1の入り込み角度付き部分から前記複数の内部戻り個別穴の各穴内への湾曲部分を含むプロキシミティヘッド。
【請求項9】
請求項1に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記複数の第2の個別穴の少なくとも一部分は、第2の列に配置され、前記第2の列と前記内部戻り列は、実質的に平行であり、前記第2の列は、前記第1の列に相対しており、前記第2のゾーンは、更に、複数の第5の個別穴及び複数の第6の個別穴を含み、前記複数の第5の個別穴の各穴は、複数の第5の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第6の個別穴の各穴は、複数の第6の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第5の個別穴及び前記複数の第6の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第2の平坦な表面領域に広がっており、前記複数の第5の個別穴の少なくとも一部分は、第3の列に配置され、前記複数の第6の個別穴の少なくとも一部分は、第4の列に配置され、前記第3の列、及び前記第4の列の少なくとも一部分は、前記第2の列に実質的に平行であり、前記第3の列は、前記第2の列を挟んで前記内部戻り列と反対の側に位置しており、前記第4の列は、前記第3の列を挟んで前記第2の列と反対の側に位置している
プロキシミティヘッド。
【請求項10】
請求項9に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記複数の第1の導管は、第1の液体源に結合され、第1の液体を前記ヘッド表面に提供するように構成され、前記複数の第2の導管は、第2の液体源に結合され、第2の液体を前記ヘッド表面に提供するように構成され、前記複数の内部戻り導管及び前記複数の第5の導管は、前記第2の液体の少なくとも一部分を前記ヘッド表面から除去するように構成され、前記複数の第6の導管は、第1の流体を前記ヘッド表面に提供するように構成され、前記第1の流体は、前記第1の液体及び前記第2の液体と異なる
プロキシミティヘッド。
【請求項11】
請求項1に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記第2のゾーンは、角度付き表面を有する突き出しを含み、前記角度付き表面は、第1の縁を有しており、前記第1の縁は、前記第2の列と前記内部戻り列との間において前記ヘッド表面と交わっており、前記角度付き表面は、前記内部戻り列の近くに第2の縁を有しており、前記第2の縁は、前記ヘッド表面から突き出しており、その突き出し距離は、前記ヘッド表面と被処理表面との間の距離より短い
プロキシミティヘッド。
【請求項12】
請求項11に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記角度付き表面は、約1度から約89度までの間の角度で前記ヘッド表面と交わるプロキシミティヘッド。
【請求項13】
請求項11に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記角度付き表面は、2つ以上の角度付き表面を含むプロキシミティヘッド。
【請求項14】
請求項13に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記2つ以上の角度付き表面の少なくとも1つは、前記ヘッド表面に実質的に平行であるプロキシミティヘッド。
【請求項15】
請求項1に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記複数の第2の導管の少なくとも一部分は、前記内部戻り列に向けて約10度から約90度までの間の角度で前記ヘッド表面と交わるプロキシミティヘッド。
【請求項16】
請求項1に記載のプロキシミティヘッドであって、
前記第1の平坦な表面領域及び前記第2の平坦な表面領域の少なくとも一方の少なくとも一部分は、湾曲しているプロキシミティヘッド。
【請求項17】
プロキシミティヘッドであって、
ヘッド表面を備え、前記ヘッド表面は、
第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む第1のゾーンであって、前記複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第1の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第1の平坦な表面領域に広がっており、前記複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される第1のゾーンと、
第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む第2のゾーンであって、前記複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第2の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第2の平坦な表面領域に広がっている第2のゾーンと、
複数の内部戻り個別穴を含む内部戻りゾーンであって、前記内部戻りゾーンは、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置しており、前記複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の内部戻り個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記ヘッド表面に広がっており、前記複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置され、前記第1の列と前記内部戻り列は、実質的に平行であり、前記第2のゾーンは、角度付き表面を有する突き出しを含み、前記角度付き表面は、第1の縁を有しており、前記第1の縁は、前記第2の列と前記内部戻り列との間において前記ヘッド表面と交わっており、前記角度付き表面は、前記内部戻り列の近くに第2の縁を有しており、前記第2の縁は、前記ヘッド表面から突き出しており、その突き出し距離は、前記ヘッド表面と被処理表面との間の距離より短い内部戻りゾーンと
を備えるプロキシミティヘッド。
【請求項18】
プロキシミティヘッドであって、
ヘッド表面を備え、前記ヘッド表面は、
第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む第1のゾーンであって、前記複数の第1の個別穴の各穴は、前記複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第1の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第1の平坦な表面領域に広がっており、前記複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される第1のゾーンと、
第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む第2のゾーンであって、前記複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第2の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第2の平坦な表面領域に広がっている第2のゾーンと、
複数の内部戻り個別穴を含む内部戻りゾーンであって、前記内部戻りゾーンは、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置しており、前記複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の内部戻り個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記ヘッド表面に広がっており、前記複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置され、前記第1の列と前記内部戻り列は、実質的に平行であり、前記複数の第2の導管の少なくとも一部分は、前記内部戻り列に向けて約10度から約90度までの間の角度で前記ヘッド表面と交わる内部戻りゾーンと、
を備えるプロキシミティヘッド。
【請求項19】
プロキシミティヘッドであって、
ヘッド表面を備え、前記ヘッド表面は、
第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む第1のゾーンであって、前記複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第1の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第1の平坦な表面領域に広がっており、前記複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される第1のゾーンと、
第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む第2のゾーンであって、前記複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第2の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第2の平坦な表面領域に広がっている第2のゾーンと、
複数の内部戻り個別穴を含む内部戻りゾーンであって、前記内部戻りゾーンは、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置しており、前記複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の内部戻り個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記ヘッド表面に広がっており、前記複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置され、前記第1の列と前記内部戻り列は、実質的に平行であり、前記複数の内部戻り個別穴の各穴の縁の第1の部分は、前記ヘッド表面内に入り込んでおり、前記第2のゾーンは、角度付き表面を有する突き出しを含み、前記角度付き表面は、第1の縁を有しており、前記第1の縁は、前記第2の列と前記内部戻り列との間において前記ヘッド表面と交わり、前記角度付き表面は、前記内部戻り列の近くに第2の縁を有しており、前記第2の縁は、前記ヘッド表面から突き出しており、その突き出し距離は、前記ヘッド表面と被処理表面との間の距離より短く、前記複数の第2の導管の少なくとも一部分は、前記内部戻り列に向けて約10度から約90度までの間の角度で前記ヘッド表面と交わる、内部戻りゾーンと
を備えたプロキシミティヘッド。
【請求項20】
メニスカスを形成する方法であって、
被処理表面にごく近くにおいてプロキシミティヘッドを移動させることであって、前記プロキシミティヘッドは、ヘッド表面を含み、前記ヘッド表面は、
第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む第1のゾーンであって、前記複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第1の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第1の平坦な表面領域に広がっており、前記複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される第1のゾーンと、
第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む第2のゾーンであって、前記複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第2の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第2の平坦な表面領域に広がっている第2のゾーンと、
複数の内部戻り個別穴を含む内部戻りゾーンであって、前記内部戻りゾーンは、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置しており、前記複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の内部戻り個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記ヘッド表面に広がっており、前記複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置され、前記第1の列と前記内部戻り列は、実質的に平行である、内部戻りゾーンと、
を含む、ことと、
前記ヘッド表面と前記被処理表面との間に二重液体メニスカスを形成することと、
前記第1の液体及び前記第2の液体の一部分を前記内部戻りを通じて除去することであって、前記内部戻りの近くにおける前記第1の液体の速度を前記内部戻りの近くにおける前記第2の液体の第2の速度未満である第1の速度まで減少させることを含むことと、
を備える方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
前記第2の速度は、前記内部戻りの近くにおいて増加される、方法。
【請求項22】
メニスカスを形成する方法であって、
被処理表面にごく近くにおいてプロキシミティヘッドを移動させる工程であって、前記プロキシミティヘッドは、ヘッド表面を含み、前記ヘッド表面は、
第1の平坦な表面領域と、複数の第1の個別穴とを含む第1のゾーンであって、前記複数の第1の個別穴の各穴は、複数の第1の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第1の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第1の平坦な表面領域に広がっており、前記複数の第1の個別穴の少なくとも一部分は、第1の列に配置される第1のゾーンと、
第2の平坦な表面領域と、複数の第2の個別穴とを含む第2のゾーンであって、前記複数の第2の個別穴の各穴は、複数の第2の導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の第2の個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記第2の平坦な表面領域に広がっている第2のゾーンと、
複数の内部戻り個別穴を含む内部戻りゾーンであって、前記内部戻りゾーンは、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとの間にそれらに隣接して位置しており、前記複数の内部戻り個別穴の各穴は、複数の内部戻り導管のうちの対応する1本に接続されており、前記複数の内部戻り個別穴は、前記ヘッド表面内にあり、前記ヘッド表面に広がっており、前記複数の内部戻り個別穴の少なくとも一部分は、内部戻り列に配置され、前記第1の列と前記内部戻り列は、実質的に平行である内部戻りゾーンと
を備えており、
前記ヘッド表面と前記被処理表面との間に二重液体メニスカスを形成する工程と、
前記第1の液体及び前記第2の液体の一部分を前記内部戻りを通じて除去する工程であって、前記内部戻りの近くにおける前記第2の液体の速度を前記内部戻りの近くにおける前記第1の液体の第1の速度より大きい第2の速度まで増加させる工程と
を備えた方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2010−530638(P2010−530638A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513185(P2010−513185)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/006095
【国際公開番号】WO2008/156529
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】