説明

動的な焦点合わせ方法および装置

【課題】可変の形状を有する移動する目標表面上に、画像機構の焦点合わせを動的に行う方法を提供する。
【解決手段】(1)目標表面の形状のモデルを作成すること、(2)目標表面の所定数の箇所の相対位置を測定すること、(3)その目標表面の所定数の箇所を用いて、そのモデルを目標表面に適用すること、(4)そのモデルの目標表面への適用によって得られたデータを用いて、移動する目標表面上へ画像機構の焦点合わせすること、によって、目標表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国仮特許出願第60/587,302号、60/587,216号、および60/587,570号(全て2004年7月12日出願)の利益を主張し、米国特許出願シリアル番号第10/622,848(2003年7月18日出願)の部分的に継続をなし、その全てを本明細書において援用する。
【0002】
本発明は、概して、光学システムにおいて焦点を維持するための、方法および機構に関する。
【背景技術】
【0003】

ウェーハ検査システムは、一般に、検査中にシリコンウェーハを保持するために、真空チャックを使用する。この方法の利点は、ウェーハの表面が、真空チャックの機械加工仕上げされた表面と等しい平坦度を維持できることである。真空チャックまたは他の平坦な表面の上にウェーハが置かれるシステムは、特別にフレキシブルでなく、ウェーハが置かれる表面、および/または、ウェーハの画像を捉えるための画像システムを動かすための複雑かつ高価なステージ機構を必要とする。他のウェーハ検査システムは、シリコンウェーハを空気のクッションの上に浮かせる。この型のシステムは、しっかりと掴まれていないウェーハの位置に固有の変動があることから、位置決めの誤差に悩まされる。さらに重要なことに、ウェーハの縁と回転する位置決め機構との接触が、しばしば小さい破片および縁の他の欠陥の原因となり、これがウェーハ全体を汚染し、特に空気のクッションがウェーハの表面に汚染を広げる手段を提供することとなり得る。さらに、他のシステムは、ウェーハの裏面を調べるために、ウェーハを複数の直交する軸のまわりに回転する、ロボット的装置またはマニピュレータを使用する。しかしウェーハはこのような操作の結果として多少の変形をするので、ウェーハ自身および/またはその上に形成されているマイクロ電子部品構造を損傷する可能性がある。
【0004】
上述した検査システムが直面する問題点に対する1つの解決策は、シリコンウェーハをその縁で掴み、ウェーハを垂直軸の周囲に回転させ、画像機構がウェーハの裏面全体の画像を捉え得るようにすることである。この方法はウェーハに加えられる応力を制限し、それ故に損傷を回避する。しかしある場合には、ウェーハを縁のみで掴みウェーハ全体を支持していないことから、重力の影響によりウェーハが撓むまたは変形する可能性がある。ウェーハの画像を捉えるために、比較的低い拡大率の光学機器(optics)が使用される場合には、それら光学機器の焦点深度は十分に大きく、ウェーハの表面が検査時間中に焦点中に留まることは確かである。しかし、比較的高い拡大率の光学機器が使用される場合には、ウェーハの表面のかなりの部分が、あるときには検査用光学機器の焦点深度の外にはづれることが起こり得て、その結果システムの性能不足をもたらす。
【0005】
従って、縁を掴まれたウェーハの撓みあるいは変形を特徴づける方法および装置が必要とされ、この特徴づけを使用して画像システムの光学機器が、ウェーハ表面の画像作成中にウェーハ表面に焦点を維持し続けることを保証することが必要とされる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、従って、以下の項目を提供する。
【0007】
(項目1)
可変の形状(variable geometry)を有する移動する目標(target)表面上に、画像機構の焦点合わせ(focusing)を動的に行う方法であって、
目標表面の形状のモデルを作成することと、
該目標表面の所定数の箇所の相対位置を測定することと、
該目標表面の該所定数の箇所を用いて、該モデルを該目標表面に適用(fitting)することと、
該モデルの該目標表面への適合によって得られたデータを用いて、該移動する目標表面上への該画像機構の焦点合わせをすることと
を包含する、方法。
【0008】
(項目2)
上記目標表面上の上記所定数の箇所の上記相対位置は、センサーを使用して識別される、項目1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0009】
(項目3)
上記目標表面は少なくともいくらかの弾性的性質を有する、またその周辺を強固に支持された、平板であるとする、項目1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0010】
(項目4)
上記目標表面はその周辺上の2またはそれ以上の不連続な箇所で支持される、項目3に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0011】
(項目5)
上記目標表面は上記画像機構に対して回転させられる、項目3に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0012】
(項目6)
上記画像機構は上記目標表面の実質的に全体の画像を捉えるように適合されている、項目1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0013】
(項目7)
上記画像機構は面走査カメラおよび線走査カメラのうちの1つをさらに含む、項目6に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0014】
(項目8)
上記画像機構は複数画像を捉える、項目7に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0015】
(項目9)
上記複数画像は少なくともその一部が相互に重なり合う、項目8に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0016】
(項目10)
上記画像機構は、上記移動する表面の実質的に全体の画像を捉えるために、上記移動する表面に対して相対的に移動する、項目7に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0017】
(項目11)
上記目標表面はシリコンウェーハである、項目1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせ動的に行う方法。
【0018】
(項目12)
上記所定数の箇所はシリコンウェーハの裏面上にある、項目11に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0019】
(項目13)
上記シリコンウェーハはその周辺上の所定数の箇所で確実につかまれる、項目11に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0020】
(項目14)
上記シリコンウェーハは上記画像機構に対して相対的に回転させられる、項目13に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0021】
(項目15)
上記画像機構は、上記目標表面の上記モデルから得られたデータに応答する焦点合わせ機構を備える、項目1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0022】
(項目16)
上記焦点合わせ機構は、
プリズムであって、該プリズムの上面が上記移動する表面に隣り合うように位置し、該プリズムの該上面が上記移動する表面に対して実質的に直線的に移動するように移動装置(movement)と結合されており、該プリズムは上記移動する表面と上記画像機構のカメラとの間の光経路を規定する、プリズムを備える、項目15に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0023】
(項目17)
上記移動装置は平行四辺形のリンク機構である、項目16に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0024】
(項目18)
上記移動する表面に対して相対的に上記プリズムを移動することにより、上記画像機構の上記焦点合わせの目的を達成する、項目16に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0025】
(項目19)
上記目標表面の形状のモデルを作成することは、
上記目標表面と実質的に同一であるサンプル表面上に、座標系の原点として選ばれたある箇所を識別することと、
上記サンプル表面上の所定数の位置の、上記原点位置に対する相対的位置を測定することと、
上記所定数の位置および上記原点との相対的位置から、上記サンプル表面の上記形状のモデルを作成することと
をさらに包含する、項目1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0026】
(項目20)
実質的に同一の物理的性質および境界条件を有する複数の目標表面に対して、上記サンプル表面の上記形状の上記モデルを使用することを、さらに包含する、項目19に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0027】
(項目21)
上記モデルは、自然近傍補間法、面パッチ法、二次表面法、多項式補間法、スプライン補間法、およびデローニー三角形分割法からなるグループの中から選ばれる数学的方法を使用して作成される、項目19に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【0028】
(項目22)
可変の形状の移動する表面上にカメラの焦点合わせを行う方法であって、
該移動する表面と実質的に同一のサンプル表面上に、原点として1つの場所を識別することと、
該サンプル表面上の所定数の点の、該原点に対する相対的位置を測定することと、
該点および該原点の位置を使用して、該サンプル表面の形状のモデルを作成することと、
該移動する表面上の所定数の点の位置を測定することと、
該移動する表面上の該所定数の点の該位置を使用して、該サンプル表面の該形状の該モデルを該移動する表面に適合することにより、該移動する表面のカメラに向いている部分の所定の時間における距離が、該カメラの焦点深度以内にある距離のレンジ内にあることを、知ることと、
該移動する表面に適合された該モデルからのデータを使用して、該移動する表面をその焦点深度内に動的に維持するために、カメラを駆動することと
を包含する方法。
【0029】
(項目23)
上記カメラは、上記移動する表面に適合された上記モデルからのデータを使用して調整される、焦点合わせ機構を備える、項目22に記載の可変の形状の移動する表面上にカメラの焦点合わせを行う方法。
【0030】
(項目24)
上記焦点合わせ機構は、上記移動する表面に対して実質的に直線的運動をするように適合されたプリズムを備える、項目22に記載の可変の形状の移動する表面上にカメラの焦点合わせを行う方法。
【0031】
(項目25)
上記移動する表面に対して相対的に上記カメラを移動させることを包含する、項目22に記載の可変の形状の移動する表面上にカメラの焦点合わせを行う方法。
【0032】
(項目26)
上記移動する表面の複数の画像を捉えることを包含する、項目22に記載の可変の形状の移動する表面上にカメラの焦点合わせを行う方法。
【0033】
(項目27)
可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構であって、
画像を捉えるためのカメラと、
該移動する表面と該カメラとの間の光経路を規定する焦点合わせアセンブリであって、該焦点合わせアセンブリは上記移動する表面に近づくときも離れるときも実質的に平行運動を行うように適合されたプリズムを備え、該プリズムと該移動する表面との間の距離が該焦点合わせアセンブリの焦点深度と関連付けられる、アセンブリと、
該移動する表面を照明するための照明装置と
を備えた、画像機構。
【0034】
(項目28)
上記カメラは面走査カメラおよび線走査カメラのうちの1つである、項目27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0035】
(項目29)
上記画像機構が、上記移動する表面に対して相対的に移動可能なステージの上に取り付けられる、項目27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0036】
(項目30)
上記焦点合わせ機構は、ベースおよび複数のアームを有する平行リンク機構をさらに備え、該ベースは移動可能なステージと結合され、該アームは該ベースと接合点で相対的回転可能に結合され、上記焦点調整機構の上記プリズムは上記移動する表面に近づくおよび離れる運動ができるように該並行リンク機構の該アームと結合され、上記プリズムは上記移動する表面によって定義される平面と実質的に平行を保つ、項目29に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0037】
(項目31)
上記プリズムを上記移動する表面に近づけるおよび離す運動を行うために、上記並行リンク機構のベースと上記プリズムとの間に結合されたアクチュエータを備える、項目30に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0038】
(項目32)
アクチュエータは電磁式および圧電式装置からなるグループから選択される、項目31に記載の、可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0039】
(項目33)
上記移動する表面は上記画像機構に対して回転する、項目29に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0040】
(項目34)
上記移動可能なズテージは、上記移動する表面の実質的に全部にアドレスすることができるように、上記画像機構を上記移動する表面に対して半径方向に動かす、項目33に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0041】
(項目35)
上記画像機構は、上記移動する表面の複数のセクターの複数の画像を捉えるように制御される、項目34に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0042】
(項目36)
上記画像機構は線走査カメラをさらに備え、また上記移動可能なステージは該線走査カメラを上記移動する表面の複数の環状領域にアドレスするように適合されている、項目33に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0043】

(項目37)
上記画像機構は上記移動する表面の半径よりも大きい幅を有する線走査カメラを備える、項目27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0044】
(項目38)
上記移動する表面はシリコンウェーハである、項目27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0045】
(項目39)
上記移動する表面はシリコンウェーハの底面である、項目38に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0046】
(項目40)
上記移動する表面は上記画像機構に対して回転する、項目27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0047】
(項目41)
上記照明装置は明視野照明装置および暗視野照明装置のうちの1つである、項目27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0048】
(項目42)
上記照明装置は光源および該光源から離れた場所にある光照射器(emitter)を備え、該光源および該光照射器は光ガイドアセンブリによって結合される、項目27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0049】
(項目43)
上記照明装置は上記画像機構に対する上記移動する表面の相対速度に基づく速度でストロボ発光する、項目27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0050】
(項目44)
上記焦点合わせ機構は、ベースおよび複数のアームを有する平行リンク機構をさらに備え、該アームは該ベースと接合点で相対的回転可能に結合され、上記焦点調整機構の上記プリズムは上記移動する表面に近づくおよび離れる運動ができるように該並行リンク機構の該アームと結合され、上記プリズムは上記移動する表面によって定義される平面と実質的に平行を保つ、項目27に記載の、可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0051】
(項目45)
上記プリズムを上記移動する表面に近づけるおよび離す運動を行うために、上記並行リンク機構の上記ベースと上記プリズムとの間に結合されたクチュエータをさらに備える、項目44に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0052】
(項目46)
アクチュエータは電磁式および圧電式装置からなるグループから選択される、項目45に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【0053】
(項目47)
可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構であって、
画像を捉えるためのカメラと、
該移動する表面と該カメラとの間の光経路を規定する焦点合わせアセンブリであって、該焦点合わせアセンブリは上記移動する表面に近づくときも離れるときも実質的に平行運動を行うように適合されたプリズムを備え、該プリズムと該移動する表面との間の距離が該焦点合わせアセンブリの焦点深度と関連付けられる、アセンブリと、
該移動する表面を照明するための照明装置と、
該移動する表面と該焦点合わせアセンブリとの間の距離を決定するためのセンサーであって、該センサーによって得られる距離データが、該移動する表面をその焦点深度内に維持するように該焦点合わせアセンブリを駆動するために使用される、センサーと
を備える、画像機構。
【0054】
(項目48)
移動する表面上に画像機構の焦点合わせを行う方法であって、
該移動する表面と焦点合わせ機構との間の距離を即座に測定することと、
該測定された距離データを使用して、該移動する表面をその焦点深度内に維持するように、該焦点合わせ機構を駆動することと
を包含する、方法。
【0055】
上記に加えて、
可変の形状を有し移動する目標表面上に、画像機構の焦点合わせを動的に行う方法および装置が、ここに開示されている。画像機構の焦点合わせのための装置は、対物レンズ、プリズム、または画像機構の光学機器列の部分を形成するその他の光学部品、目標表面までの距離を測定するセンサー、および対物レンズ、プリズム、または他の光学部品の、焦点深度を変更するための機構を含み得る。センサーからのデータは、目標表面の予測モデルを作成するために使用され得る。センサーからのデータはまた、作成されたモデルを代表的な目標に適合または関連付けるために使用される。関連付けられたモデルからのデータは、代表的な目標の表面を焦点内に維持するために、対物レンズ、プリズム、または他の光学部品の焦点深度を変更するための機構を駆動するために使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
発明に関する以下の詳細な記述において、添付図が参照されるが、それらの図面は、それが表示の意図をもって示された場合は、発明が実施され得る場合の特定の実施形態の一部を成す。図面の中で同じ数値は、いくつかの図を通じて実質的に同じ構成要素を記す。これらの実施形態は、当業者が、発明を実施出来るように、十分に詳細に記述される。その他の実施形態も使用されることを得、さらに構造的、論理的、および電気的な内容の変更が、本発明の範囲から逸脱することなく、なされ得る。以下の詳細な記述は、それ故に、制限を課す意味にとられるべきではなく、本発明の範囲は、添付の請求項およびそれに関する均等物によってのみ定められる。
【0057】
先ず図1によれば、半導体およびマイクロ電子機械装置(MEMS)の製造者にて使用されるタイプのウェーハのような、基板11を保持するための機構10が、照明機構12および画像機構14との関連において描かれている。保持機構10は基板11を、その縁で確実に掴むので、機構10と基板11との間には、実質的に相対運動は生じない。機構10はさらに、基板11の表面が、図1の実施形態では基板11の底面であるが、画像機構14により実質上全面的に近接可能となるように、配置されており、その結果基板14の実質的に下面全部が画像化され得る。
【0058】
保持機構10は、基板11が画像機構14に対して動くように作られている。図1の実施形態では保持機構10は、基板11を矢印15で示すように軸に関して回転する。他の実施形態では、保持機構11はさらに、基板11を画像機構14に対して直線的に、曲線的に、および/または不連続に動かすように作られ得ることに留意すべきである。それに加えて、図2に見られるように、一部の実施形態では画像機構14は基板11に対して動くように作られ得て、上述の動きと同時的に動き得る。ある実施形態では、画像機構14が基板11の実質的に全体の画像を捉えることができるように、画像機構14は保持機構10と共同して作動する。直ちにわかるように、基板11が画像機構14に対して回転させられるときに、画像機構14は基板11のリング状部分(ring)Rに沿った連続的画像を捉えるように作動させられる。リング状部分Rの全体の画像が得られたら、画像機構14は基板11の他のリング状部分Rの画像を捉えるために、基板11に対して半径方向に移動する。この方法で基板11の実質的に全表面の画像が捉えられ得る。ある例において保持機構10および画像機構14との方向によっては、画像化される基板11の表面は、基板11の上面あるいは下面となり得ることに留意すべきである。
【0059】
保持機構10は基板11を、多くの異なる仕組みで掴むことが出来る。図4aでは、基板11の外周縁が、約120°の間隔で置かれた3つの保持機構により掴まれている。図4bでは、保持機構の別の実施形態が、基板11の外周縁の比較的大きな部分を2箇所で掴んでいる。この他の仕組みも予期される。
【0060】
画像機構14を現在の技術水準で知られる単軸のステージ(示されていない)の上にのせることにより、画像機構14は保持機構10に対して半径方向に動かされ得る。一部の実施形態におけるように、保持機構10が基板11を動かさない場合には、画像機構14はXYステージにのせられ得る。その結果、画像機構14の光学機器列(optical train)の焦点調整機構16は、連続的または不連続的な蛇行した経路に沿って、基板11の実質的に全表面に到達し得る。
【0061】
照明機構12は、画像機構14が基板11の画像を捉えることが出来るように、基板11を照明する。一実施形態では、照明機構12は、基板上に比較的低い角度で光を照射するように作られた暗視野照明装置(darkfield illuminator)を用いる。図1に見られるように、照明機構12は、光源22と光ガイド24(それは多芯線(multi−strand)の光ファイバーケーブル、固体の光パイプ、又は液体の光ガイドであり得る)で結ばれた光照射器(emitter)20とを含む。照明機構12の暗視野実施形態は、基板11の表面上に十分な光を照射することが出来る、どのような有用な形をもとり得ることが、理解されるべきである。一部の例では、照明機構12は、基板11の上にコヒーレントな光を照射するように配置された1つまたはより多くのレーザー(示されていない)であり得るが、あるいはまたは単にリング状の光(示されていない)でもあり得る。画像機構14はそれ自身が、当業者に知られた方法による、画像機構14の光学機器列の中に組み込まれた、明視野照明装置を備え得る。
【0062】
図3は、画像機構14のある実施形態の対物レンズ30の概略図を示す。各対物レンズ30または対物レンズ30と同じ方法で使用される他の光学装置は、焦点深度Fと関連している。ここで用いられるように、「焦点深度」の用語は、対物レンズ30が鮮明度の許容し得るレベルで、画像を分解することが出来る距離の範囲を表す。図に見られるように、焦点深度Fは一般には基板11の深さ全部にわたる十分な幅を有する。その結果、対物レンズ30に面する基板11の全表面は、基板11が対物レンズ30に対して相対的に動いても、常に焦点の中にある。しかし上述したように、基板がその縁のみで取り付けられている場合には、基板11は、少なくともある程度は、弾性的な膜として挙動し、その結果変形することが可能である。変形した基板11’が、誇張されて図3に示されている。変形した基板の形は誇張されているが、ある場合には基板11’は対物レンズ30の焦点深度Fの外にまで変形し得ることが理解される。基板11’が対物レンズ30の焦点深度Fの外に来る場合には、焦点合わせ機構32が起動され得て、対物レンズ30の焦点距離Dを変更し、対物レンズ30の焦点深度Fを基板11’を囲む位置に移動させ、基板11’を焦点内に取り込む。
【0063】
基板11が画像機構14の対物レンズ30に対して相対的に動かされる場合、基板11を対物レンズ30の焦点深度Fの中に維持するために、対物レンズ30の焦点距離Dを動的に修正することがしばしば必要となる。なぜなら、一般には対物レンズの焦点軸とは一致しない平面内において、対物レンズ30を通り過ぎた基板11の動きが、対物レンズの焦点深度Fを外れる基板11の部分となり得るからである。ある例では、基板11と対物レンズ30、あるいはむしろ画像機構14の上のある任意の位置との間の距離を、即座に(on the fly)、すなわち基板11が移動するときに、センサー34を用いて計測することが可能である。このセンサーは、ある実施形態では容量型センサーであるが、基板11と画像機構14との間の較正された距離を検出し、この距離データを用いて焦点合わせ機構32を制御し、基板11が常時対物レンズ30の焦点深度F内に留まることを保証する。しかし、このような焦点合わせ機構32の直接的制御は、多くの従来技術の焦点合わせ機構32の応答時間が通常使用されるセンサー34の計測速度に比してかなり遅いために、相対的に速度が遅いことがあり得る。
【0064】
別の実施形態では、予め予測した基板11の変形をモデル化して、基板11の形状に関する情報は既知および/または記録されているので、センサー34の使用によるよりも速い速度で焦点合わせ機構32にデータを提供する。しかし、同一にパターン化された模範的な基板11においてもなお、その性質の変化により、基板の正確な形状を知ることは困難である。従って、標準的な、または経験的な方法で導かれた、基板11の変形した形状を表すモデルは、上述したセンサー34によって獲得された距離データを用いて、修正または関連付けされることを得て、その結果、上記モデルは基板の実際の形状に、許容範囲内で、一致する。一部の実施形態では、参照される許容範囲は対物レンズ30の焦点深度Fと関連している。すなわち、モデルと検査される代表的な基板11との間の差異は、修正された、あるいは修正されないモデルにより提供されたデータが、焦点合わせ機構32をして基板の表面を対物レンズ30の焦点深度Fの範囲内に維持することを可能とする限りにおいては、許容し得ると考えられる。
【0065】
一実施形態では、基板11の形状のモデル化の方法は、図4aおよび4bに示された基板の境界条件および荷重(loading)条件を決定することから始まる。境界および荷重条件を用いて、基板11の最終の形状が、既知の標準的な構造解析手法を使用して得られる。ひとたび適切な標準的モデルが導かれたならば、このモデルは、センサー34のようなセンサーを用いて基板11の表面の予め定められた位置において採られた多数の計測値を用いて、続く同一の条件で置かれた基板11と適合される。適合されたモデルから導かれたデータは、次に、基板11の表面が焦点内に留まることを保証するために、焦点合わせ機構32を駆動するために用いられる。
【0066】
別の実施形態では、基板11の形状のモデル化の方法は、基板11の幾何学的形状および基板上に形成された全ての構造に関する情報とそれらが作られている材料の性質を、基板の境界および荷重条件と共に、有限要素法解析プログラムを稼動しているコンピュータに入力することから始まる。次に有限要素法解析プログラムは、基板11のモデルを生成するために実行され、基板11の表面が画像の焦点の中に留まることを保証するように、焦点合わせ機構32を駆動するために使用され得るデータを提供する。有限要素法解析で作成されたモデルは、そのままで(as−is)使用され得、あるいはさらに、上述したように所定の位置でのセンサー34のようなセンサーによって採られた多数の計測値を用いた、実際の基板の形状に適合され得る。
【0067】
更にその他の実施形態では、画像機構14が基板11の上に焦点を保持することを保証する方法は、基板11の上の所定数の位置で、基板11とセンサー34との間の距離を計測することから始まる。これらの計測結果を用いて、基板11の表面のモデルが適切な内挿法または「適合(fitting)」アルゴリズムを用いて創成される。単なる例として、基板11の形状のモデルを作成するために適したいくつかのアルゴリズムは、自然近傍(natural neighbor)補間法、面パッチ法(surface patches)、二次表面法(quadratic surfaces)、多項式(polynomial)補間法、スプライン(spline)補間法、およびデローニー三角形分割(Delauney triangulation)法を含むが、これに限定するものではない。所定の基板11および所定の荷重と境界条件に対してモデルが作成されたならば、このモデルは、基板11の表面が対物レンズ30の焦点深度Fの中に実質上常に留まることを保証するために、焦点合わせ機構32にデータを提供するために用いられる。モデルが、検査を受ける特定の基板11、それはある時には目標、目標表面、および/または代表的な基板として参照されること、に適合されていることを保証するために、目標の一組の適合計測値が採られる。これらの適合計測値は、モデルと目標基板との間に相違があるか否かを決定することにより、およびあらゆる確認された相違を最小にするようにモデルを修正するために用いられる修正係数を作成することにより、モデルを目標基板に適合させるために使用される。単なる例として、修正されるべきいくつかの相違はつぎのもの、すなわち、相の不一致(モデルが目標基板に対して回転する場合)、平面度の不足(モデルが目標基板に対して同一平面上にない(out of planar alignment)場合)、およびオフセット誤差、これはモデルが目標基板から方向または角度でオフセットし、それが目標基板11を対物レンズ30の焦点深度Fの中に保持する焦点合わせ機構の能力に悪く影響する場合である、を含み得るが、これに限定されるものではない。一部の実施形態では、目標基板を対物レンズ30の焦点深度Fの外にはずす原因とならない程度の相違は、修正の対象とならない。他の実施形態では、全ての相違は修正される。
【0068】
図5は、目標基板11の表面上に光学機器列の焦点合わせを行う装置の、別の実施形態の概略図であり、その機構は図5の中に参照番号50で示される。焦点合わせ装置50は、アーマチュア54の上に載せられた焦点合わせプリズム52を含み、アーマチュア54はプリズム52が基板11に近づくおよび離れる動きを可能とし、それによって基板11をプリズム52の焦点深度Fの中に保持する。一実施形態では、アーマチュア54は複合並行リンク機構66を含み、これは焦点合わせプリズム52に矢印56で示す方向に沿って目標基板11に近づくおよび離れる動きを与える。矢印56は目標基板11に対して角度αをなすことに注意を要する。焦点合わせプリズム52の図示された方向の動きは、プリズム52が焦点合わせプリズム52と基板との間の距離Dを、56の方向の移動距離に角度αの正弦関数を乗じた値だけ変化させることを意味する。一実施形態では、距離Dは出発点から±0.5mmの間隔で変化する。
【0069】
プリズム52は任意の形式の直線伸縮アクチュエータ58によって56の方向に沿って動かされる。使用され得るアクチュエータの性質または形式を制限するものではないが、例示すれば、アクチュエータ58は電磁式または圧電式のアクチュエータであり得る。アクチュエータ58は装置50のステージ60とベース62の間に結合されている。プリズム52は、ステージ60に固定されたホルダー53に結合されている。装置50のベース62は、一実施形態では、ブラケット63によって適切な形式の画像装置64と直に結合されている。図5に見られるように、ステージ60はベース62と、複合並行リンク機構66によって結合されており、リンク機構66は少なくとも1組の第1のアーム68がベース62とブリッジ70との間に結合されている。少なくとも1組の第2のアーム72がブリッジ70とステージ60の間に結合されている。少なくとも1組の第1のアーム68のアームは全て実質的に同じ長さであるので、ブリッジ70はベース62に対して浅いアーチ型の経路上を移動し、その結果常に実質上平行を保つ。同様に少なくとも1組の第2のアーム72は等しいあるいは実質的に等しい長さであるので、ステージ60はブリッジ70に対して浅いアーチ型の経路上を移動し、その結果、常に実質上平行を保つ。そして、ブリッジ70およびステージ60のアーチ型の経路が相互に実質的に鏡像をなすので、その結果プリズム52の方向56に沿った移動は実質的に直線となる。一部の実施形態では、プリズム52を56の方向に沿ってアーチ型に移動させる、単純な平行リンク機構が使用され得ることに注意を要する。
【0070】
一実施形態では、第1および第2のアームの組と、ベース62、ブリッジ70、ステージ60との間のジョイントが全て固体ばねジョイントであり、この場合アーム、ベース、ブリッジおよびステージはすべて1つに接続した構造を形成し、ジョイントは接続した構造の対応箇所の間の弾性変形および移動を許容するように薄く柔軟な材料で作られる。このような固体のジョイントの寸法および形状は、アームとベース、ブリッジとステージとの間の固体ジョイントに加えられる応力および歪みが比較的低くなるような、ものであることに注意を要し、また一実施形態ではその寸法および形状は、ジョイントの変形が十分に弾性的であり、アーマチュアが作られている材料の塑性変形および亀裂が確実に生じないような、ものであることに注意を要する。別の実施形態では、第1および第2のアームの組は、ベース、ブリッジおよびステージと標準的なピンジョイントを用いて接合される。
【0071】
図5から明らかなように、プリズム52は基板11の表面からの光を受けて、光線65で示すようにその光を画像機構64に送る。一実施形態では、プリズム52はペンタ(五角形)プリズムであるが、ほかのプリズム、レンズ、あるいはそれらの組み合わせがその代わりに採用され得る。一実施形態では、プリズム52はそれを通過して送られる画像に対して約2の平方根の倍率あるいはゲインを与える。しかしプリズム52あるいはそれの光学的均等物によって与えられるゲインは、プリズムおよびその均等物の正確な形状および光学的性質に依存して変化することを理解する必要がある。
【0072】
プリズム52、その保持部品53、およびそれらが結合されているアーマチュア54の慣性質量および運動に対する機械的抵抗は、比較的少ないので、アクチュエータ58は焦点距離Dを素早く滑らかに変更することが可能である。これは基板11の表面が実質的に常時焦点内に留まることを保証し、また、基板が画像機構14に対して相対的に動き得る速度および焦点距離Dが変更され得る速度の間の直接的相互関係があるときには、焦点合わせ機構50と協調することにより検査システムのより速い稼動を可能にする。それに加えて、検査システムの中での焦点合わせ機構50の使用は、検査される基板11の表面形状の変化を測定するセンサー34のみを使用する場合にも、検査システムをより速い速度で稼動することを可能にする。
【0073】
結論
これまで様々な例について述べてきたが、本発明は例示された特定のものに限定されるものではない。本発明は、他のものの中で、構造のモデルを1つまたはそれ以上の構造の実際の例と関連付ける方法、およびモデルと実際の構造との間の相違を修正する方法、とを実施形態とする。また本発明は構造のモデルを構造の実際の例と関連付けるデータを提供するメカニズムを提供し、またモデルのデータと代表例との間の相互関係を用いて代表例の表面を光学機器列の焦点深度の中に維持する、動的な焦点合わせのメカニズムの実施形態を提供する。
【0074】
本発明の特定の実施形態が、ここでは図示され、かつ記述されているが、同一の目的を達成するように考慮されたあらゆる改変が、ここに示された特定の実施形態に代わり得ることは、当業者によって認識されるであろう。本発明の多くの適用は当業者にとって明白である。従って本出願は、本発明のあらゆる応用あるいは変更を包含することを意図している。本発明は添付の請求項およびその均等物によってのみ制限されることは、明らかに意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】基板を検査するための機構の概略側面図であり、この検査機構は、基板が画像機構に対して相対的に移動する場合に、基板上に画像機構の焦点合わせを動的に行う機構を含む。
【図2】基板を検査するための機構のある実施形態の概略平面図であり、画像機構は検査中に基板に対して相対的に移動する。
【図3】変化する形状を有する基板の拡大概略図であり、画像機構が検査のための画像を捉えるために置かれる。
【図4】図4aおよび図4bは、検査のために固定された基板の境界条件の例である。
【図5】基板の表面を画像機構の焦点の範囲内に維持するための、焦点合わせ機構の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変の形状を有する移動する目標表面上に、画像機構の焦点合わせを動的に行う方法であって、
目標表面の形状のモデルを作成することと、
該目標表面の所定数の箇所の相対位置を測定することと、
該目標表面の該所定数の箇所を用いて、該モデルを該目標表面に適用することと、
該モデルの該目標表面への適合によって得られたデータを用いて、該移動する目標表面上への該画像機構の焦点合わせをすることと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記目標表面上の前記所定数の箇所の前記相対位置は、センサーを使用して識別される、請求項1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項3】
前記目標表面は少なくともいくらかの弾性的性質を有する、またその周辺を強固に支持された、平板であるとする、請求項1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項4】
前記目標表面はその周辺上の2またはそれ以上の不連続な箇所で支持される、請求項3に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項5】
前記目標表面は前記画像機構に対して回転させられる、請求項3に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項6】
前記画像機構は前記目標表面の実質的に全体の画像を捉えるように適合されている、請求項1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項7】
前記画像機構は面走査カメラおよび線走査カメラのうちの1つをさらに含む、請求項6に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項8】
前記画像機構は複数画像を捉える、請求項7に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項9】
前記複数画像は少なくともその一部が相互に重なり合う、請求項8に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項10】
前記画像機構は、前記移動する表面の実質的に全体の画像を捉えるために、前記移動する表面に対して相対的に移動する、請求項7に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項11】
前記目標表面はシリコンウェーハである、請求項1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせ動的に行う方法。
【請求項12】
前記所定数の箇所はシリコンウェーハの裏面上にある、請求項11に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項13】
前記シリコンウェーハはその周辺上の所定数の箇所で確実につかまれる、請求項11に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項14】
前記シリコンウェーハは前記画像機構に対して相対的に回転させられる、請求項13に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項15】
前記画像機構は、前記目標表面の前記モデルから得られたデータに応答する焦点合わせ機構を備える、請求項1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項16】
前記焦点合わせ機構は、
プリズムであって、該プリズムの上面が前記移動する表面に隣り合うように位置し、該プリズムの該上面が前記移動する表面に対して実質的に直線的に移動するように移動装置と結合されており、該プリズムは前記移動する表面と前記画像機構のカメラとの間の光経路を規定する、プリズムを備える、請求項15に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項17】
前記移動装置は平行四辺形のリンク機構である、請求項16に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項18】
前記移動する表面に対して相対的に前記プリズムを移動することにより、前記画像機構の前記焦点合わせの目的を達成する、請求項16に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項19】
前記目標表面の形状のモデルを作成することは、
前記目標表面と実質的に同一であるサンプル表面上に、座標系の原点として選ばれたある箇所を識別することと、
前記サンプル表面上の所定数の位置の、前記原点位置に対する相対的位置を測定することと、
前記所定数の位置および前記原点との相対的位置から、前記サンプル表面の前記形状のモデルを作成することと
をさらに包含する、請求項1に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項20】
実質的に同一の物理的性質および境界条件を有する複数の目標表面に対して、前記サンプル表面の前記形状の前記モデルを使用することを、さらに包含する、請求項19に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項21】
前記モデルは、自然近傍補間法、面パッチ法、二次表面法、多項式補間法、スプライン補間法、およびデローニー三角形分割法からなるグループの中から選ばれる数学的方法を使用して作成される、請求項19に記載の可変の形状を有する移動する表面上に画像機構の焦点合わせを動的に行う方法。
【請求項22】
可変の形状の移動する表面上にカメラの焦点合わせを行う方法であって、
該移動する表面と実質的に同一のサンプル表面上に、原点として1つの場所を識別することと、
該サンプル表面上の所定数の点の、該原点に対する相対的位置を測定することと、
該点および該原点の位置を使用して、該サンプル表面の形状のモデルを作成することと、
該移動する表面上の所定数の点の位置を測定することと、
該移動する表面上の該所定数の点の該位置を使用して、該サンプル表面の該形状の該モデルを該移動する表面に適合することにより、該移動する表面のカメラに向いている部分の所定の時間における距離が、該カメラの焦点深度以内にある距離のレンジ内にあることを、知ることと、
該移動する表面に適合された該モデルからのデータを使用して、該移動する表面をその焦点深度内に動的に維持するために、カメラを駆動することと
を包含する方法。
【請求項23】
前記カメラは、前記移動する表面に適合された前記モデルからのデータを使用して調整される、焦点合わせ機構を備える、請求項22に記載の可変の形状の移動する表面上にカメラの焦点合わせを行う方法。
【請求項24】
前記焦点合わせ機構は、前記移動する表面に対して実質的に直線的運動をするように適合されたプリズムを備える、請求項22に記載の可変の形状の移動する表面上にカメラの焦点合わせを行う方法。
【請求項25】
前記移動する表面に対して相対的に前記カメラを移動させることを包含する、請求項22に記載の可変の形状の移動する表面上にカメラの焦点合わせを行う方法。
【請求項26】
前記移動する表面の複数の画像を捉えることを包含する、請求項22に記載の可変の形状の移動する表面上にカメラの焦点合わせを行う方法。
【請求項27】
可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構であって、
画像を捉えるためのカメラと、
該移動する表面と該カメラとの間の光経路を規定する焦点合わせアセンブリであって、該焦点合わせアセンブリは前記移動する表面に近づくときも離れるときも実質的に平行運動を行うように適合されたプリズムを備え、該プリズムと該移動する表面との間の距離が該焦点合わせアセンブリの焦点深度と関連付けられる、アセンブリと、
該移動する表面を照明するための照明装置と
を備えた、画像機構。
【請求項28】
前記カメラは面走査カメラおよび線走査カメラのうちの1つである、請求項27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項29】
前記画像機構が、前記移動する表面に対して相対的に移動可能なステージの上に取り付けられる、請求項27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項30】
前記焦点合わせ機構は、ベースおよび複数のアームを有する平行リンク機構をさらに備え、該ベースは移動可能なステージと結合され、該アームは該ベースと接合点で相対的回転可能に結合され、前記焦点調整機構の前記プリズムは前記移動する表面に近づくおよび離れる運動ができるように該並行リンク機構の該アームと結合され、前記プリズムは前記移動する表面によって定義される平面と実質的に平行を保つ、請求項29に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項31】
前記プリズムを前記移動する表面に近づけるおよび離す運動を行うために、前記並行リンク機構のベースと前記プリズムとの間に結合されたアクチュエータを備える、請求項30に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項32】
アクチュエータは電磁式および圧電式装置からなるグループから選択される、請求項31に記載の、可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項33】
前記移動する表面は前記画像機構に対して回転する、請求項29に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項34】
前記移動可能なズテージは、前記移動する表面の実質的に全部にアドレスすることができるように、前記画像機構を前記移動する表面に対して半径方向に動かす、請求項33に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項35】
前記画像機構は、前記移動する表面の複数のセクターの複数の画像を捉えるように制御される、請求項34に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項36】
前記画像機構は線走査カメラをさらに備え、また前記移動可能なステージは該線走査カメラを前記移動する表面の複数の環状領域にアドレスするように適合されている、請求項33に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。

【請求項37】
前記画像機構は前記移動する表面の半径よりも大きい幅を有する線走査カメラを備える、請求項27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項38】
前記移動する表面はシリコンウェーハである、請求項27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項39】
前記移動する表面はシリコンウェーハの底面である、請求項38に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項40】
前記移動する表面は前記画像機構に対して回転する、請求項27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項41】
前記照明装置は明視野照明装置および暗視野照明装置のうちの1つである、請求項27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項42】
前記照明装置は光源および該光源から離れた場所にある光照射器を備え、該光源および該光照射器は光ガイドアセンブリによって結合される、請求項27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項43】
前記照明装置は前記画像機構に対する前記移動する表面の相対速度に基づく速度でストロボ発光する、請求項27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項44】
前記焦点合わせ機構は、ベースおよび複数のアームを有する平行リンク機構をさらに備え、該アームは該ベースと接合点で相対的回転可能に結合され、前記焦点調整機構の前記プリズムは前記移動する表面に近づくおよび離れる運動ができるように該並行リンク機構の該アームと結合され、前記プリズムは前記移動する表面によって定義される平面と実質的に平行を保つ、請求項27に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項45】
前記プリズムを前記移動する表面に近づけるおよび離す運動を行うために、前記並行リンク機構の前記ベースと前記プリズムとの間に結合されたクチュエータをさらに備える、請求項44に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項46】
アクチュエータは電磁式および圧電式装置からなるグループから選択される、請求項45に記載の可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構。
【請求項47】
可変の形状を有する移動する表面の画像を捉えるための画像機構であって、
画像を捉えるためのカメラと、
該移動する表面と該カメラとの間の光経路を規定する焦点合わせアセンブリであって、該焦点合わせアセンブリは前記移動する表面に近づくときも離れるときも実質的に平行運動を行うように適合されたプリズムを備え、該プリズムと該移動する表面との間の距離が該焦点合わせアセンブリの焦点深度と関連付けられる、アセンブリと、
該移動する表面を照明するための照明装置と、
該移動する表面と該焦点合わせアセンブリとの間の距離を決定するためのセンサーであって、該センサーによって得られる距離データが、該移動する表面をその焦点深度内に維持するように該焦点合わせアセンブリを駆動するために使用される、センサーと
を備える、画像機構。
【請求項48】
移動する表面上に画像機構の焦点合わせを行う方法であって、
該移動する表面と焦点合わせ機構との間の距離を即座に測定することと、
該測定された距離データを使用して、該移動する表面をその焦点深度内に維持するように、該焦点合わせ機構を駆動することと
を包含する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−54441(P2006−54441A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−203715(P2005−203715)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(501018841)オーガスト テクノロジー コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】