説明

半導体ウエハの洗浄方法及び装置

ウエハのような半導体基材の表面を洗浄、調整する装置である。回転可能なチャックやチャンバー、1つ以上のドレン排出口を有して洗浄液を集める回転可能なトレイ、多数の洗浄液を集める多数の受容器、チャックを駆動する第1のモータ、トレイを駆動する第2のモータを含む。トレイのドレン排出口は、その下方に配置された所定の受容器の直上に位置させることができる。トレイに集められた洗浄液は、所定の受容器に導くことができる。最小限の相互汚染での確実で正確に制御された洗浄溶液の再利用がこの装置の1つの特徴である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハのウェットクリーニング及びコンディショニングのための方法及び装置に関し、特には、洗浄液間の相互汚染を最小限に抑制しながら洗浄液を再利用あるいは再生するために、ドレン排出口が連結されたトレイを用いて、分けられたリターン配管に多数の洗浄液を分配する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、トランジスタや接続部材を作るために、多数の異なった処理工程を用いて半導体ウエハから製造あるいは組み立てられる。半導体ウエハを伴ったトランジスタ端子と電気的に接続するために、伝導性の溝やVia等(例えば、金属)が、半導体デバイスの一部として誘電性の部材中に形成されている。この溝やViaは、トランジスタや半導体デバイスの内部回路、半導体デバイスに対する外部回路との間において電気信号や電力をつないている。
【0003】
接続部材を形成する際には、半導体ウエハは、例えば、マスキングやエッチング、デポジション法を経て、半導体トランジスタやそのような半導体端子と接続される所望の電気回路素子が形成される。特に、多数のマスキングやイオン注入、アニーリング、プラズマエッチング、化学的又は物理的蒸着が行われ、浅溝やトランジスタ穴、ゲート、ポリシリコン線、接続線構造物が形成される。いずれの工程においても、ウエハの前後面に粒子や汚染物質が付着する。
【0004】
これら粒子や汚染物質は、ウエハの欠陥を招き、結果としてICデバイスの収率を低下させる。粒子や汚染物質を除去するために、ウエットベンチ設備が長年用いられている。ウエットベンチ設備では、連続処理の過程で対向するウエットバスにおいて1バッチのウエハ(通常25枚のウエハ)が同時に処理される。2つのバスの間において、処理されたウエハのバッチは前段のバスの洗浄液の残りを除去するためにリンスされる。ウエットベンチ設備では、ウエハの間に分かれた洗浄液の流速は比較的低いため、洗浄効果、特に微小粒子に対する洗浄効果は限られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウエハのバッチを一方のバスから他方のバスに移す待ち行列時間は、各洗浄工程の時間要求が異なっているため、制御するのが難しく、高度な処理変化は避けられない。その上、バッチ処理には、同じバス中でのウエハ間の相互汚染が内在している。ウエハのサイズが300mmまで大きくなり、製造技術の節点が65nmかそれを越えるまで進歩するようになると、従来のウエットベンチの方法は、もはや、ウエハから粒子や汚染物質を効果的かつ安定して洗浄できるものではなくなるであろう。
【0006】
シングルウエハ洗浄装置は、代替案となり得る。シングルウエハ洗浄装置は、洗浄モジュールにおいて一度に1枚のウエハを処理しており、その表面に複数の洗浄液を連続的に噴射し、洗浄液間のリンスには脱イオン(DI)水を用いている。シングルウエハ処理は、ウエハの交換や洗浄液の処置時間が正確に制御でき、ウエハ間の相互汚染が排除できる利点を与える。洗浄液を節約し、化学処理に費やすコストを削減するために、洗浄液は、再生あるいは再利用するのが好ましい。
【0007】
しかしながら、全ての洗浄工程は1つの洗浄チャンバー内で実行されるので、それは、百万分の1(ppm)レベルでの相互汚染無しにこれら洗浄液を再生あるいは再利用することの挑戦である。相互汚染が少なくなれば、洗浄過程におけるその影響も小さくなり、洗浄液の利用期間も長くなる。
【0008】
化学的な相互汚染を軽減するために、確実で正確に制御された洗浄液の再利用又は再生方法を有し、その結果、再利用されるか再生される洗浄液の利用期間を延ばすことが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの実施形態では、ドレン排出口を有する、回転トレイを備えた洗浄チャンバーが開示されている。このトレイは、モータにより、その中心軸回りに回転するので、その回転トレイの下に位置する所定の受容器へドレン排出口を移動させることができる。所定の受容器の直上に排出口を位置決めすることにより、トレイによって集められた洗浄液を所定の受容器に導くことができる。
【0010】
本発明の別の実施形態では、洗浄液を集める複数の受容器を有する、トレイを備えた洗浄チャンバーが開示されている。このトレイは、モータによってその中心軸回りに回転するので、チャンバーのドレン排出口は、トレイの各々の受容器の上に選択的に並ぶ。チャンバーのドレン排出口の直下に受容器を位置決めすることにより、洗浄チャンバーによって集められた洗浄液を所定の受容器に導くことができる。
【0011】
本発明の別の実施形態では、洗浄液を集める複数の受容器を有する、トレイを備えた洗浄チャンバーが開示されている。このトレイは、並進運動機構により側方に移動するので、トレイの各々の受容器の上にチャンバーのドレン排出口を選択的に並ばせることができる。チャンバーのドレン排出口の直下に受容器を位置決めすることにより、洗浄チャンバーによって集められた洗浄液を受容器に導くことができる。
【0012】
本発明の別の実施形態では、迅速な投棄性能を有するドレン排出口が開示されている。ドレン排出口と受容器との間のスペースは空気で脹らませたシールによってシールすることができ、トレイ内のリンス水は、受容器に接続されたポンプによって直ちに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】1A、1Bは、ウエハ洗浄装置を例示した図である。
【図2】1C,1Dは、ウエハ洗浄装置を例示した図である。
【図3】ウエハ洗浄装置を例示した図である(1E)。
【図4】ウエハ洗浄装置を例示した図である(1F)。
【図5】2A,2Bは、他のウエハ洗浄処理を例示した図である。
【図6】ウエハ洗浄装置のトレイを示す図である(3A)。
【図7】ウエハ洗浄装置のトレイを示す図である(3B)。
【図8】4A、4Bは、ウエハ洗浄装置における空気で膨張するシールを示す図である。
【図9】4C,4Dは、ウエハ洗浄装置におけるトレイを示す図である。
【図10】ウエハ洗浄装置におけるシミュレーション結果を示す図である(4E)。
【図11】5A,5Bは、ウエハ洗浄装置における他のトレイやシールを示す図である。
【図12】5C,5Dは、ウエハ洗浄装置における他のトレイやシールを示す図である。
【図13】6A,6Bは、他のウエハ洗浄装置を示す図である。
【図14】7A,7Bは、他のウエハ洗浄装置を示す図である。
【図15】8A,8Bは、他のウエハ洗浄装置を示す図である。
【図16】他のウエハ洗浄装置を示す図である(8C)。
【図17】9A,9Bは、他のウエハ洗浄装置を示す図である。
【図18】10A、10Bは、他のウエハ洗浄装置を示す図である。
【図19】11A,11Bは、他のウエハ洗浄装置を示す図である。
【図20】12A,12Bは、他のウエハ洗浄装置を示す図である。
【図21】13A,13Bは、他のウエハ洗浄装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、多くの異なった形態の具体例が可能であるが、本開示は、発明の本質についての例示として考えられ、例示された特別な実施形態に発明を限定するものではないという了解の下、ここでは特別の実施形態を図面において示すとともに、以下において詳細に記載する。
【0015】
半導体基材の表面は、洗浄された後、特別な性質に調整することがしばしば望まれる。例えば、誘電層や金属層に対する次の化学的機械的な磨き洗浄の間、その表面は親水性に改質される。表面の状態を整える薬剤がしばしば洗浄液に加えられるので、洗浄と表面調整の両方を1つの処理工程で達成することができる。
【0016】
本発明では、半導体基材の表面の洗浄と調整とが、1つの混合溶液か、あるいは分けられた複数の溶液のいずれかによって行うことができる。次のパラグラフでは、「洗浄液」の用語は、表面から物質を除去する効果、所望する性質に表面を調整する効果あるいはこれら双方の効果を導く液又は液混合物に関して用いられる。
【0017】
図1、図2、図3の1A〜1Eに、本発明における半導体基材や回転可能なトレイを用いたウエハ洗浄装置の実施形態を詳細に例示する。
【0018】
ウエハ洗浄装置は、第1の回転駆動機構1016によって回転されるウエハチャック1000と、チャンバー1002と、第2の回転駆動機構1018によって回転される、ドレン排出口1009を有するトレイ1008と、回転するウエハ1001から飛び出す使用された洗浄液を途中で捕らえてトレイ1008に導くシュラウド1006と、複数の洗浄液の受容器1014と、シュラウド1006を上下に駆動するアクチュエータ1020と、を備えている。
【0019】
洗浄液の受容器1014と、トレイ1008のドレン排出口1009とは、トレイ1008を回転することによって一直線状に並べることができる。チャンバー1002は、廃棄する洗浄液を放出する放出口1010を有している。図の1Aに示す半導体基材の洗浄装置には、限定するものではないが、洗浄液を噴射するノズル1003が備えられている。
【0020】
トレイ1008は、使用された洗浄液又は集めるべきその一部を途中で捕らえるように形成されていて、図の1A〜1Eに示すシュラウド1006は選択可能であると理解されるべきである。別の実施形態では、トレイ1008とチャック1000は、同軸あるいは2つの異なった軸それぞれの回りを回転し、アクチュエータ1020はシリンダとすることができる。また別の実施形態では、半導体基材の洗浄装置は、ただ1種の洗浄液を再利用又は再生するために1つの洗浄液受容器1014を備えている。
【0021】
図の1A〜1Eに示す洗浄装置を用いてウエハ1001を洗浄する全洗浄工程には、次の工程が含まれている。
【0022】
半導体基材1001をロボットによってチャック1000の上に搬入する工程や、少なくとも1種の洗浄液を用いて少なくとも1回の洗浄サイクルを実行する工程、半導体基材1001を乾燥する工程、チャック1000から半導体基材1001を搬出する工程である。そこでは、全洗浄工程においてN種又は複数種の洗浄液が用いられ、洗浄サイクルは、N及びIは整数であってN>0,0<I≦Nとした、次の工程を含むという仮定に基づいている。
【0023】
本発明によれば、ウエハの洗浄に多数の洗浄液が用いられ、各種の洗浄液のために洗浄サイクルが採用されている。Ith(I番目)の洗浄液の洗浄サイクルは次の工程を含む。
【0024】
thの洗浄液を集めるために、トレイ1008のドレン排出口1009を受容器1014と直線状に並ぶように移動させる工程。そこでは、ドレン排出口1009は受容器1014の直上に位置するのが好ましい。プリセットされた時間tの間、Ithの洗浄液を半導体基材の上に噴射する工程、Ithの洗浄液の噴射を停止する工程である。
【0025】
1つの実施形態によれば、洗浄サイクルは更に次の工程を含む。廃棄するIthの洗浄液を集めるために、トレイ1008のドレン排出口1009を受容器1014と直線状に並ぶように移動させる工程。プリセットされた時間、リンス液を半導体基材の上に噴射する工程、リンス液の噴射を停止する工程である。
【0026】
正常な順序のウエハ1001の洗浄例では、Nが2の場合、次の工程を備える。
【0027】
まず第1段階では、図の1Aに示すように、アクチュエータ1020によってシュラウド1006を低位置に移動し、ロボット(図示せず)によってチャック1000の上にウエハ1001を搬入する。そして、図の1Bに示すように、シュラウド1008を高位置に移動させる。
【0028】
第2段階では、第1の種類の洗浄液を用いて第1洗浄サイクルを実行する。第1洗浄サイクルでは、第1の回転駆動機構1016によってチャック1000を回転させ、図の1Bに示すように、第1の洗浄液を集めるために、トレイ1008のドレン排出口1009が1つの受容器1014の直上に位置するように、第2の回転駆動機構1018によってトレイ1008を回転させる。
【0029】
プリセットされた洗浄時間の間、ウエハ1001にノズル1003を通じて第1の洗浄液を噴射する。ここでは、回転するウエハ1001から離れた第1の洗浄液がシュラウド1006によって集められてトレイ1008に流れ落ち、トレイ1008内に集められる。そして最後に、ドレン排出口1009を通じて受容器1014に放出される。第1の洗浄液の噴射を停止する。
【0030】
図の1Cに示すように、廃棄する洗浄液を集めるため、ドレン排出口1009が別の受容器1014の直上に位置するようにトレイ1008を回転させる。プリセットされた洗浄時間の間、ウエハ1001に脱イオン水(DI)を噴射する。ここでは、回転するウエハ1001から離れた脱イオン水がシュラウド1006によって集められ、トレイ1008に到達した後、ドレン排出口1009を通じて受容器1014に流入する。脱イオン水の噴射を停止する。
【0031】
ドレン排出口から第1の洗浄液を確実に除去するために、本発明の洗浄サイクルはまた、詳細を次に説明するリンスサイクルを備えていてもよい。
【0032】
第3段階では、第2の洗浄液による第2の洗浄サイクルが実行される。第2の洗浄サイクルは、次の工程を含む。図の1Dに示すように、第2の洗浄液を集めるため、ドレン排出口1009が更に別の受容器1014の直上に位置するようにトレイ1008を回転させる。プリセットされた洗浄時間の間、第2の洗浄液を噴射する。第2の洗浄液の噴射を停止する。
【0033】
図の1Cに示すように、廃棄する第2の洗浄液を集めるため、ドレン排出口1009がまた更に別の受容器1014の直上に位置するようにトレイ1008を回転させる。プリセットされた洗浄時間の間、ウエハ1001に脱イオン水(DI)を噴射し、その後、脱イオン水の噴射を停止する。
【0034】
第4段階では、ウエハ1001を回転乾燥し、シュラウド1006を低位置に移動させる。
【0035】
第5段階では、ロボットによってチャック1000からウエハ1001を搬出する。
【0036】
本発明の洗浄装置の1つの利点は、洗浄チャンバー1002のサイズを大きくすることなく多数の洗浄液を再利用又は再生できることである。上述した工程では、ウエハを洗浄やリンスするため、脱イオン水に代えて、表面活性剤液のような脱イオン水以外の化学種からなる溶液を用いることができる。また、上述した洗浄手順において用いられる脱イオン水には、洗浄効果を高めるために炭酸ガスや他のガスを前もって混合しておくことができる。脱イオン水の温度は、20〜90℃の範囲が好ましい。
【0037】
1つの実施形態では、本発明の洗浄装置を用いた、半導体基材やウエハの洗浄に用いられる洗浄液は、限定されるものではないが、次のものを含む。
【0038】
1.H2SO4:H22=4:1,温度範囲:120〜150℃
2.HF:H2O:1:(50〜1000),温度範囲:20〜25℃
3.NH4OH:H22:H2O=1:(1〜2):(5〜100),温度範囲:25〜70℃
4.HCl:H22:H2O=1:1:(5〜100),温度範囲:25〜75℃
洗浄液の純度を高度に保つためには、洗浄液は部分的に再利用又は再生するのが好ましい。概して、使用された洗浄液の第1の部分が再利用又は再生される。洗浄液の一部を再利用及び再生する作業工程は、洗浄サイクルが僅かに異なっている点を除き、上述した工程と同様である。この状態の下でIthの洗浄液を用いる洗浄サイクルは、次の工程を含む。
【0039】
図3、図4の1Eや1Fに示すように、廃棄するIthの洗浄液を集めるため、受容器1014の直上にドレン排出口1009が位置するようにトレイ1008のドレン排出口1009を回転させる。プリセットされた時間tの間、Ithの洗浄液を噴射する。プリセットされた時間tは、廃棄や処分にどの程度洗浄液を要するかによる。
【0040】
図の1Eに示すように、Ithの洗浄液を再利用又は再生するため、他の受容器1014の直上にドレン排出口1009が位置するようにトレイ1008のドレン排出口1009を回転させる。プリセットされた第2の時間tの間、Ithの洗浄液の噴射が続けられる。プリセットされた第2の時間tは、再利用や再生にどの程度洗浄液を要するかによる。
【0041】
,tと、パーセンテージでの再利用される洗浄液の割合RRとの関係は、次のように示される。
【0042】
RR=t/(t+t) (1)
図の1Eに示すように、洗浄液の廃棄又は再利用は、三方切替バルブ1015によって制御することができる。この場合、トレイ1008は、1つの受容器1014の上に留まって、洗浄液を廃棄するか再利用するかいずれかが決定され、バルブ1015はその経路に開かれる。ここで、廃棄するIthの洗浄液を集める受容器と、Ithの洗浄液を集めて再利用する受容器とは同じでも異なっていてもよい点は注目されるべきである。
【0043】
別の実施形態では、トレイ1008のドレン排出口1009の数は、排出時間を短縮し、排出効率を増大させるために1つ以上とすることができる。
【0044】
図6、図7の3A、3Bは、本発明のウエハ洗浄装置におけるトレイの他の実施形態を示している。トレイ3008の形状は、鋭利な縁を有するように形成されているので、洗浄液の残りはトレイの縁に留まれない。
【0045】
トレイ3008は、ドレン排出口3009と、内側の環状羽根部3008Bと、外側の環状羽根部3008Aとを備え、これらは化学的な相互汚染から受容器を遮蔽するように形成されている。リンスサイクルでは、トレイ3008の側壁を洗浄するために、脱イオン水がトレイ3008の外側にオーバーフローするのが好ましい。羽根部3008Aと3008Bは、流れる脱イオン水が受容器に至るの阻止する。
【0046】
洗浄液の流速は、毎分1〜2の基準リットル(slm)の範囲が好ましく、リンス工程での脱イオン水の流速は、2〜5slmの範囲が好ましい。洗浄効率を増大させるためには(残存する洗浄液を迅速に混合するためには)、脱イオン水の温度は50〜90℃の範囲に設定する。
【0047】
トレイ3008とシュラウド3006は、テフロン(登録商標)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)、セラミクス、サファイアで作られている。その表面荒さは、サブミクロンかそれ以下の範囲である。
【0048】
シュラウド3006やトレイ3008の壁に残る洗浄液を減少させるために、シュラウド3006やトレイ3008の表面近くに多数のノズル3028,3026,3024が配置されている。これらノズルは、清浄な窒素ガスラインに接続されている。これらノズルを通じた窒素ガス洗浄工程は、個々の洗浄液の噴射後と、上述した洗浄工程での脱イオン水の噴射後に採用することができる。
【0049】
図8,図9,図10の4A〜4Eに、本発明のウエハ洗浄装置におけるトレイの他の実施形態を示す。これら実施形態は、空気で膨張するシール4030と、スタンド4032とが追加された点を除けば、図の3A、3Bに示したものと同様である。空気で膨張するシール4030は、ドレン排出口を開閉するために用いられている。
【0050】
洗浄効果を増大させ、洗浄時間と脱イオン水の使用量を削減するために、最初に、加圧空気(CDエア)で膨張シール4030によってトレイ4008は脱イオン水で満たされる。脱イオン水の流れは阻止あるいは阻害され、減圧下や大気圧下での膨張シール4030によってドレン排出口4009が開かれる。トレイ4008が所望するレベルに洗浄されるまで、これら脱イオン水の充足と廃棄の工程を繰り返す。
【0051】
図の4C、4Dを参照すれば、上述した洗浄工程における各リンスサイクル後の汚染レベル(ここでは洗浄液の例としてH2SO4を用いる)の算出は、次のように表される。
【0052】
下方に示す計算が次の仮定に基づいている点は注目されるべきである。
【0053】
1.濃縮したH2SO4は、トレイのプラスチック壁(濡れフィルム)上で完全に濡れている。フィルムにぶら下がるH2SO4の平衡厚は(湾曲によって生じる毛管引力は重力に等しい)、残りのフィルム厚を見出すために用いられる。
【0054】
2.H2SO4の排出は、廃棄の最後での平衡厚に達するよりも十分に速い。
【0055】
3.希釈されたH2SO4は、プラスチック壁を完全に濡していない(液滴の濡れ)。
【0056】
4.毛管の長さは、プラスチック壁に付着した液滴の最大直径を評価するために用いられる。
【0057】
5.いずれの場合においても図の4Dに示すように、水平な壁上の残液量は垂直な壁上の残液の2倍である。
【0058】
6.充填処理は5秒で完了する。
【0059】
7.排出処理は2秒で完了する。
【0060】
8.残液は新たな充填液と直ちに混合される。
【0061】
9.洗浄液と脱イオン水の温度は70℃である。
【0062】
10.トレイの形状は、図の4Cに示すように簡略化する。
【0063】
算出に用いられるパラメータを次の表1に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
我々は、最初に濡れフィルムの濃縮されたH2SO4の平衡厚を見出す。
【0066】
【数1】

【0067】
残るH2SO4の量が知られた時、最初の充足と排出の後の残液中のH2SO4の濃度が算出される。
【0068】
1回目の充填後に、H2SO4は希釈される。
【0069】
表面は不完全に濡れていて、H2SO4液は壁と底の上に液滴を形成し、その液滴は半球体形状を呈している。次に、我々はその半球体形状の滴の半径を見出す。
【0070】
液滴の半径は毛管の長さと同じである。ここで、
【0071】
【数2】

【0072】
残余の液滴の半径と仮定された表面範囲から、残余のH2SO4液の量が得られる。そして、その液滴中の残余のH2SO4の濃度を算出することができる。
【0073】
各リンスサイクルの後に同様の算出が行われ、各廃棄後の液滴中の残余のH2SO4の濃度を算出することができる。
【0074】
図の4Eに、1回目の充填後とN回目のリンスサイクルの結果を示す。総時間26秒の、4回の充填と排出の洗浄サイクルの後には、ppmレベルの汚染に到達させることができる。
【0075】
リンスサイクルでは、脱イオン水のようなリンス液が充填及び排出される。しかしながら、関連技術分野の当業者であれば、洗浄液がどのようなものであっても、上述した洗浄工程の数回のリンスサイクル後には、ppmレベルの汚染の実現が可能であると理解されるべきである。
【0076】
上記の算出では、排出時間が2秒に設定されている点は言及されるべきである。しかしながら、図の3Aに示すように、重力の手段によって2秒のような短時間でトレイ3008から全てのリンス水を排出することは困難である。排出時間を削減するためには更に効果的な方法が必要である。
【0077】
図11の5A、5Bに、本発明の洗浄装置における排出装置の他の実施形態を示す。この排出装置は、空気で膨張するシール5034やドレン受容器5014、受容器の排出口5036、加圧ガスノズル5038、加圧空気/減圧切替バルブ5033を備えている。
【0078】
ノズル5038によって導かれる窒素圧は、15〜60psi(ポンド毎平方インチ)の範囲に設定するのが好ましい。上記排出装置の作動順序を次に示す。
【0079】
受容器5014とシール5034の直上にドレン排出口5009が位置するようにトレイ5008を回転させる。バルブ5033を加圧空気(又はCDエア)に切り替える。ウエハに脱イオン水を噴射する。脱イオン水がトレイ5008に満たされた時に脱イオン水の噴射を停止する。加圧窒素に切り替えると、減圧効果が生じて脱イオン水がトレイから迅速に吸い出される。残余の汚染が所望のppmレベルに達するまで、必要な基礎として上述した噴射と排出のサイクルを繰り返す。バルブ5033を減圧側に切り替え、シール5034を収縮させ、他の洗浄液のために受容器の直上にドレン排出口が位置するようにトレイ5008を回転させる。
【0080】
上述した窒素加圧ガスを駆動するベンチュラポンプは、一般的なベローポンプやダイヤフラムポンプ、ロータポンプ、メタリングポンプによって代替することができる。シール5034の材質には、バイトン(登録商標)やテフロン(登録商標)、その他の化学耐性に優れた素材を用いることができる。
【0081】
図12の5Cに、別の実施形態を示す。ドレン受容器5014とトレイ5008のドレン排出口5009との間に、間隙が形成されている。同図に示す間隙は、図の5Aに示す膨張シール5034の代替として機能し、0.1mm〜2mm、好ましくは0.1mm〜1mmの幅を有している。
【0082】
図12の5Dに、また別の実施形態を示す。受容器5014と環5015との間に柔軟なベロー5013が挿入されている。加圧ガスノズル5038が開くと、間隙を流れる空気によって生じる吸引力により、環5015が自動的に引き上げられて間隙の大きさはゼロになり、トレイからの脱イオン水の吸い込みが直ちに強化される。
【0083】
図5の2A,2Bに、本発明のウエハ洗浄装置の他の実施形態を示す。この実施形態は、機構2021によってトレイ2007が垂直方向に上下動できる点を除き、図の1A、1Bに示す実施形態と同様である。ウエハ2001を搬送する前に、トレイ2007は図の2Aに示すように低位置に移動する。ウエハ2001を搬送した後、トレイ2007は図の2Bに示すように、洗浄液を集める高位置に移動する。
【0084】
ウエハチャック2000は、モータ2016によって回転し、トレイ2007はモータ2018によって回転する。ここでは重複して記載しないように、図の2A,2Bにおける符号2002,2009,2010,2014は、1002、1009,1010,1014で示されているのと同じ構成を表している。
【0085】
図13の6A,6Bに、本発明のウエハ洗浄装置のまた別の実施形態を示す。この実施形態は、シリンダのようなアクチュエータ6040によって駆動されるウエハを持ち上げるディスク6042が追加されている点を除き、図の2A,2Bに示す実施形態と同様である。アクチュエータ6040は、図の6Aに示すように、ディスク6042を高位置に移動させ、ロボット(ここではロボットは示していない)により、ウエハ6001をディスク6042の上に搬送する。
【0086】
図の6Bに示すように、ディスク6042を低位置に移動させ、ウエハ6001をチャック6000の上に搬送する。ここでは重複して記載しないように、図の6A,6Bにおける符号6002,6007,6009,6010,6014,6016,6018は、1002,1007,1009,1010,1014,1016,1018で示されているのと同じ構成を表している。
【0087】
図14の7A,7Bに、本発明のウエハ洗浄装置のまた別の実施形態を示す。この実施形態は、シリンダ7041によってウエハチャック7000が上下動できる点を除き、図の6A,6Bに示す実施形態と同様である。シリンダ7041は、図の7Aに示すように、ロボットによってウエハ7001を搬入や搬出する高位置にチャック7000を移動させ、それから、図の7Bに示す、ウエハ洗浄装置を作動させる低位置に移動させる。
【0088】
ここでは重複して記載しないように、図の7A,7Bにおける符号7002,7007,7009,7010,7014,7016,7018は、1002,1007,1009,1010,1014,1016,1018で示されているのと同じ構成を表している。
【0089】
図15の8A,8Bに、本発明のウエハ洗浄装置のまた別の実施形態を示す。この洗浄装置は、ドレン排出口8009を有する洗浄チャンバー8002や、モータ8016によって駆動されるウエハチャック8000、持ち上げるディスク8042、ディスク8042を上下に駆動するシリンダ8040、複数の受容器8048を有するトレイ8046、トレイ8046を回転させるモータ8018で構成されている。
【0090】
洗浄チャンバー8002は、洗浄液がトレイ8046からこぼれるのを防ぐ壁8050を有している。排気口8044は、化学物質の蒸気や煙を導出するために用いられる。ウエハ8001に第1の洗浄液を適用する前に、第1の洗浄でのサイクルに用いられる受容器8048は、チャンバー8002のドレン排出口8009の直下に移動される。
【0091】
ウエハ8001に第2の洗浄液を適用する前に、第2の洗浄でのサイクルに用いられる受容器8048は、チャンバー8002のドレン排出口8009の直下に移動される。脱イオン水がウエハ8001のリンスに用いられる前に、廃棄する水を集める受容器8048は、チャンバー8002のドレン排出口8009の直下に移動される。
【0092】
トレイ8046には、更に、洗浄液又は受容器からこぼれ出る水を廃棄するために、ドレン排出口8010が設けられている。トレイ8046の回転時に生じる相対的な動作や捩れに対処するために、受容器8014は柔軟なチューブ8048に接続されている。そのような捩れ動作を最小限にするために、トレイ8046の回転角度は2/3回転以下に制限されている。
【0093】
図16の8Cに示す別の実施形態には、図の4Aに示されたものと同じ機能を有する膨張シール8030が含まれている。
【0094】
図17の9A,9Bに、本発明のウエハ洗浄装置のまた別の実施形態を示す。この実施形態は、複数の受容器9048を有するトレイ9046が回転に代えて横方向に移動し、ロボットがウエハ9001を搬入又は搬出するために、チャック9000が垂直方向に移動する点を除き、図の8A,8Bに示す実施形態と同様である。
【0095】
トレイ9046は、モータ9019により、並進運動するように駆動される。洗浄装置には、更に、洗浄チャンバー9002の内部に配置されたノズル9026が設けられている。ノズル9026は、ドレン排出口9009に化学物質や水の残渣を排出するために用いられる。更に、トレイ9046には、受容器からこぼれ出る洗浄液や水を排出するために、ドレン排出口9010が設けられている。トレイ9046の並進運動時に生じる相対的な動作や捩れに対処するために、受容器9014は柔軟なチューブ又はベロー9048に接続されている。
【0096】
ここでは重複して記載しないように、図の9A,9Bにおける符号9016,9019,9041,9044,9050は、8016,8019,8041,8044,8050で示されているのと同じ構成を表している。
【0097】
図18の10A,10Bに、本発明のウエハ洗浄装置のまた別の実施形態を示す。この実施形態は、別の洗浄液を集めるために、また別のトレイ10004が追加されている点を除き、図の1A,1Bに示す実施形態と同様である。
【0098】
トレイ10004は、ロボットによってウエハ10001を搬入又は搬出するために、上下に移動させることができる。トレイ10004は、更に、柔軟なチューブ又はベロー10012によってドレン排出口に接続されている。トレイ10004を加えた目的は、主に、HF洗浄液のようなppb(10億分の1当たり)レベルで他の洗浄液と相互汚染できない洗浄液を集めるためである。
【0099】
トレイ10004が用いられる場合、シュラウド10006は、トレイ10008を覆うために低位置に移動する。チャック1000は、50〜500rpmの速度で回転するので、ウエハ1001に用いられる洗浄液は、トレイ10004内に向かって半径方向に飛ばされる。
【0100】
ここでは重複して記載しないように、図の10A,10Bにおける符号10002,10007,10009,10010,10014,10016,10018は、1002,1007,1009,1010,1014,1016,1018で示されているのと同じ構成を表している。
【0101】
図19の11A,11Bに、本発明のウエハ洗浄装置のまた別の実施形態を示す。この実施形態は、別の洗浄液を集めるために、また別のトレイ11004が追加されている点を除き、図2A,2Bに示す実施形態と同様である。
【0102】
トレイ11004は、ウエハ11001を搬入又は搬出するために、上下に移動させることができる。トレイ11004は、更に、柔軟なチューブ又はベロー11012によってドレン排出口に接続されている。トレイ11004を加えた目的は、主に、HF洗浄液のようなppb(10億分の1当たり)レベルでの他の洗浄液との相互汚染でさえも許されない洗浄液を集めるためである。
【0103】
トレイ11004が用いられる場合、洗浄液の相互汚染を避けるため、トレイ11007は低位置に移動する。ここでは重複して記載しないように、図の11A,11Bにおける符号11002,11007,11009,11010,11014,11016,11018は、1002,1007,1009,1010,1014,1016,1018で示されているのと同じ構成を表している。
【0104】
図20の12A,12Bに、本発明のウエハ洗浄装置のまた別の実施形態を示す。この実施形態は、別の洗浄液を集めるために、チャック12000とともに、また別の固定されたトレイ12004が追加され、持ち上げディスク12042が追加されている点を除き、図の1A,1Bに示す実施形態と同様である。トレイ12004は、管12011でドレン排出口に接続されている。ディスク12042は、ウエハ12001をチャック12000へ搬入や搬出するために、上下動する。
【0105】
トレイ12004を加えた目的は、主に、HF洗浄液のようなppb(10億分の1当たり)レベルでの他の洗浄液との相互汚染でさえも許されない洗浄液を集めるためである。トレイ12004が洗浄液を集める時には、シュラウド12006は、トレイ12008を覆うために低位置に移動する。
【0106】
ここでは重複して記載しないように、図の12A,12Bにおける符号12002,12007,12009,12010,12014,12016,12018は、1002,1007,1009,1010,1014,1016,1018で示されているのと同じ構成を表している。
【0107】
図21の13A,13Bに、本発明のウエハ洗浄装置のまた別の実施形態を示す。この実施形態は、シュラウド13006がトレイ13008と固定されたトレイ13004の一部との両方を覆うように形成されている点を除き、図の12A,12Bに示す実施形態と同様である。シュラウド13006が低位置にある時、ウエハ13001から飛ばされる洗浄液は、主に固定されたトレイ13004によって集められ、シュラウド13006の外表面に付着した洗浄液の部分は、固定されたトレイ13004に流れ落ちる。
【0108】
ここでは重複して記載しないように、図の13A,13Bにおける符号13002,13007,13009,13010,13014,13016,13018は、1002,1007,1009,1010,1014,1016,1018で示されているのと同じ構成を表している。
【0109】
実施形態や例示、適用例をもって本発明を記載してきたが、本発明から離れることなく、様々な具体例や変形ができることは当業者にとって明らかである。例えば、排出効率の増大や排出時間の削減のために、回転するトレイのドレン排出口の数は、1つ以上であってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基材の表面を洗浄及び調整するための装置であって、
半導体基材を支持するチャックと、
前記チャックを軸回りに回転駆動する第1の回転手段と、
チャンバー本体と、
少なくとも1つのドレン排出口を有するトレイと、
前記トレイを軸回りに回転駆動する第2の回転手段と、
前記トレイの下方に配置される、少なくとも1つの洗浄液の受容器と、
を備え、
前記洗浄液の受容器は、前記トレイを回転することによって前記トレイの前記ドレン排出口と直線状に並ばせることができる、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
更に、洗浄液を噴出する少なくとも1つのノズルを備える、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、
更に、使用された洗浄液を前記トレイに導くためのシュラウドを備え、
前記シュラウドが、前記トレイの上方に配置され、アクチュエータによって垂直方向に上下する、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、
前記シュラウドが、セラミクス、テフロン(登録商標)、Peek、PVDFのいずれか1つから形成されている、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、
更に、前記トレイを、前記半導体基材を搬入又は搬出する前記チャックの第1の位置に下降させ、洗浄又は調整工程を実行する第2の位置に上昇させる駆動手段を備える、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、
前記トレイが、セラミクス、テフロン(登録商標)、Peek、PVDFのいずれか1つから形成されている、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、
前記チャックは、垂直に移動するディスクを有し、
前記ディスクは、前記半導体基材を搬入又は搬出する第1の位置に移動し、そして、前記半導体基材を前記チャックに載置する第2の位置に移動する、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、
前記半導体基材を搬入又は搬出する第1の位置と、洗浄又は調整工程を実行する第2の位置とに、前記チャックを移動させる垂直方向の移動機構を備える、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、
前記トレイが、その表面から使用された洗浄液を取り除く少なくとも1つの窒素ノズルを備えている、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、
前記トレイが、内側の環状羽根部と、外側の環状羽根部とを有している、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、
前記ドレン排出口を開閉するために、前記トレイの前記ドレン排出口の下に配置された空気で膨張するシールを備える、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、
ドレン排出口と受容器の間に配置された空気で膨張するドーナツ形状のシールを備える、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、
前記ドレン排出口が、使用された洗浄水を前記トレイから吸引するポンプを備える、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、
前記ポンプが、加圧ガス駆動のVenturaポンプである、装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置において、
前記トレイの外側に配置された固定の収集体を備える、装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置において、
前記トレイの外側に配置された固定の収集体と、
前記トレイ及び固定の収集体の一部の上方に配置された可動のシュラウドと、
を備える、装置。
【請求項17】
請求項1に記載の装置において、
前記トレイの外側に配置された、可動の収集体とアクチュエータとを備え、
前記アクチュエータは、前記収集体を、前記半導体基材を搬入又は搬出する前記チャックの第1の位置へ降下させ、前記半導体基材を洗浄又は調整する間は第2の位置に上昇させる、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置において、
使用した洗浄液を前記可動の収集体に導き、そして、使用された洗浄液が前記トレイのドレン排出口に流入するのを防ぐために、前記トレイの上方に配置されたシュラウドを備える、装置。
【請求項19】
半導体基材を洗浄するための装置であって、
半導体基材を支持するチャックと、
前記チャックを駆動する回転手段と、
少なくとも1つのドレン排出口を有するチャンバーと、
前記チャンバーの下方に配置された、少なくとも1つの受容器を有するプレートと、
前記受容器が前記ドレン排出口と直線状に並ぶように、前記プレートを駆動する駆動手段と、
を備える、装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、
前記駆動手段は、前記プレートを軸回りに回転させる回転機構である、装置。
【請求項21】
請求項19に記載の装置において、
前記駆動手段は、前記プレートを横方向に移動させる並進運動機構である、装置。
【請求項22】
請求項19に記載の装置において、
前記チャックが垂直方向に移動するディスクを有し、
前記ディスクが、半導体基材を搬入又は搬出する第1の位置と、前記チャックに前記半導体基材を載せ又は取る第2の位置とに移動する、装置。
【請求項23】
請求項19に記載の装置において、
前記装置が、更に、前記チャックを、前記半導体基材を搬入又は搬出する第1の位置と、洗浄又は調整工程を実行する第2の位置とに駆動する、垂直移動機構を備える、装置。
【請求項24】
請求項19に記載の装置において、
トレイが、前記チャンバーの表面から使用された洗浄液を除去するために、少なくとも1つの窒素ノズルを有している、装置。
【請求項25】
請求項19に記載の装置において、
前記チャンバーから使用された洗浄液を処分するドレン排出口を開閉するために、前記ドレン排出口の下方に配置された、空気で膨張するボール形状のシールを備える、装置。
【請求項26】
請求項19に記載の装置において、
前記チャンバーのドレン排出口と前記プレート上の受容器との間に配置された、空気で膨張するドーナツ形状のシールを備える、装置。
【請求項27】
請求項19に記載の装置において、
前記ドレン排出口が、前記チャンバーから使用された洗浄液を迅速に吸引するポンプを有している、装置。
【請求項28】
チャックの上に半導体基材を搬入し、少なくとも1種類の洗浄液で前記半導体基材を洗浄する、半導体基材を洗浄する方法であって、
前記半導体基材を回転させ、
所定の洗浄液を集めるために、所定の受容器と直線状に並ぶように、トレイのドレン排出口を移動させ、
半導体基材に所定の洗浄液を噴射し、
所定の洗浄液の噴射を停止し、
全ての種類の洗浄液が前記半導体基材に用いられるまで、洗浄液の種類ごとに洗浄サイクルが用いられ、
前記半導体基材を乾燥し、
前記チャックから前記半導体基材を搬出する、洗浄サイクルが洗浄液の種類ごとに実行される、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、
前記洗浄サイクルが、
廃棄の洗浄液を集める所定の受容器と直線状に並ぶように前記トレイの前記ドレン排出口を移動させ、
前記半導体基材上にリンス液を噴射し、
前記半導体基材上へのリンス液の噴射を停止する、方法。
【請求項30】
請求項28に記載の方法において、
前記リンス液の噴射の開始時に排液を停止して前記リンス液が前記トレイに満たされた時に前記ドレン排出口を開くリンスサイクルを実行するために、前記ドレン排出口の上にバルブを加え、
前記トレイの表面上の化学的残留物が所望するレベルに洗浄されるまで、前記リンスサイクルが繰り返し実行される、方法。
【請求項31】
請求項28に記載の方法において、
前記トレイ内の前記リンス液を迅速に吐出するために、前記受容器に接続された補助ポンプを備える、方法。
【請求項32】
請求項28に記載の方法において、
前記リンス液が脱イオン水である、方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、
前記脱イオン水の温度が20〜90℃の範囲内である、方法。
【請求項34】
請求項32に記載の方法において、
前記脱イオン水に二酸化炭素ガスが圧入されている、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2011−507237(P2011−507237A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537230(P2010−537230)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【国際出願番号】PCT/CN2007/071210
【国際公開番号】WO2009/079874
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(510005650)エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】