説明

半導体発光素子用テンプレート基板、半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法、半導体発光素子の製造方法及び半導体発光素子

【課題】光取り出し効率に優れた半導体発光素子を高い収率で製造が可能な半導体発光素子用テンプレート基板とその製造方法等を提供する。
【解決手段】表面に複数の凸部102が形成された基板101と、基板101の複数の凸部102が形成された面上に成膜されたIII族窒化物半導体からなるバッファ層12と、を少なくとも有し、凸部102が形成された基板101の表面の、均一な形状に形成されていない凸部102が占める面積の割合を示す不良面積率が10%以下である半導体発光素子用テンプレート基板I

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子用テンプレート基板等に関し、より詳しくは、III族窒化物化合物半導体を含む半導体発光素子用テンプレート基板及びその製造方法等に関する。また、本発明は、半導体発光素子用テンプレート基板を用いる半導体発光素子の製造方法及び半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体発光素子用の材料としてIII族窒化物半導体が注目を集めている。III族窒化物半導体は、サファイア等の基板の上に、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって成膜される。
このようなIII族窒化物半導体を用いた半導体発光素子の内部への光の閉じ込めを低減させ、光取り出し効率を改善する方法として、例えば、特許文献1が挙げられる。
特許文献1には、第一層の表面に凹凸を加工し、第一層とは異なる屈折率を有する第二層を凹凸に埋め込んで成長させ、これら凹凸状の屈折率界面を形成した後、その上に、発光層を含む半導体結晶層が積層された素子構造を形成することにより、発光層に生じた横方向の光を外界に向かわせる新規な構造が付与された発光素子が記載されている。
また、特許文献2には、基板上に基板C面に非平行の表面からなる複数の凸部を形成することにより、基板上にC面からなる平面と凸部とからなる上面を形成する加工基板が開示されており、そしてその加工基板上に前記III族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、凸部をIII族窒化物半導体層で埋めるIII族窒化物半導体層の製造方法も記載されている。
一般に加工前の基板、例えば、サファイア板は平坦度GBIRが悪く、特に、大口径な基板になるほど平坦な基板の製造は困難である。例えば、2インチ(約50mm)のサファイア板では平坦度GBIRは通常15μm程度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−280611号公報
【特許文献2】国際公開2008/081717号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的にサファイア製の基板の表面に凹凸を形成すると、その上に結晶性に優れたIII族窒化物半導体層を成長させることが難しいという問題がある。例えば、複数の凸部が形成された基板上にIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる場合、複数の凸部の大きさや形状が均一に形成されることが必要である。即ち、凸部の大きさや形状にばらつきがあると、又は複数の凸部が基板上に偏在していると、その後、III族窒化物半導体層が均一に成長しない。このため、III族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させた後に得られる半導体発光素子チップの最終的な収率が大幅に低減することに加え、半導体発光素子としての発光特性が低下する場合がある。
また、基板上に複数の凸部を形成する方法としては、通常、フォトリソグラフィー法が採用される。しかし、本発明者等の検討結果によれば、この場合、基板の厚さのばらつきが大きいと、凸部の大きさや形状が不均一になる傾向があることが判明している。
【0005】
本発明の目的は、光取り出し効率に優れた半導体発光素子を高い収率で製造が可能な半導体発光素子用テンプレート基板との製造方法、並びに半導体発光素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明によれば、以下の[1]〜[26]が提供される。
[1]表面に複数の凸部が形成された基板と、基板の複数の凸部が形成された面上に成膜されたIII族窒化物半導体からなるバッファ層と、を少なくとも有し、凸部が形成された基板の表面の、均一な形状に形成されていない凸部が占める面積の割合を示す不良面積率が10%以下であることを特徴とする半導体発光素子用テンプレート基板。
[2]基板の表面の不良面積率が0を含まないことを前項[1]に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[3]不良面積率が、0.01%〜10%の範囲であることを特徴とする前項[1]または[2]に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[4]基板の複数の凸部が、基部幅0.05μm〜5μm、高さ0.05μm〜5μmを有し、かつ高さが基部幅の1/4以上のものであって、隣接する凸部間の間隔が基部幅の0.5倍〜5倍のものであることを特徴とする前項[1]乃至[3]のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[5]基板の複数の凸部が、最大径0.5μm〜2μm、高さ0.5μm〜2μmを有し、隣接する凸部との間隔が0.5μm〜2μmであることを特徴とする前項[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[6]基板がサファイアから構成されることを特徴とする前項[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[7]基板の最大径が50mm〜200mmであり、基板の厚さが0.5mm〜2mmであることを特徴とする前項[1]乃至[6]のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[8]バッファ層のIII族窒化物半導体が、スパッタ法により形成されたAlN膜であることを特徴とする前項[1]乃至[7]のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[9]バッファ層の上に、さらにIII族窒化物半導体からなる下地層を含むことを特徴とする前項[1]乃至[8]のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[10]III族窒化物半導体が、GaNであることを特徴とする前項[9]に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[11]バッファ層の上に、さらにIII族窒化物半導体からなる下地層及びn型半導体層が順次形成された積層構造を含むことを特徴とする前項[1]乃至[8]のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[12]III族窒化物半導体が、GaNであり、n型半導体層がn型GaN系化合物半導体を含むことを特徴とする前項[11]に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[13]基板は、平坦度GBIRが10μm以下であるサファイア板を用い、サファイア板の表面に複数の凸部が形成されたことを特徴とする前項[1]乃至[12]のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
[14]平坦度GBIRが、0.01μm〜5μmの範囲であることを特徴とする前項[13]に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【0007】
[15]III族窒化物半導体層を有する半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法であって、平坦度GBIRが10μm以下であるサファイア製の基板の表面に複数の凸部を形成する基板加工工程と、基板の表面にIII族窒化物半導体からなる厚さ0.02μm〜0.1μmであるバッファ層をスパッタリングにより形成するバッファ層形成工程と、を有することを特徴とする半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法。
[16]基板に形成された凸部が、最大径0.05μm〜5μm、高さ0.05μm〜5μmの半球形状を有することを特徴とする前項[15]に記載の半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法。
[17]複数の凸部が形成された基板の表面の、均一に形成されない凸部が占める割合を示す不良面積率が10%以下であることを特徴とする前項[15]又は[16]に記載の半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法。
[18]基板のサイト平坦度SBIRが1.5μm以下であることを特徴とする前項[15]乃至[17]のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法。
【0008】
[19]前項[1]乃至[14]のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板に、さらにIII族窒化物半導体からなるn型層、発光層及びp型層を順次形成する工程を含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
[20]半導体発光素子用テンプレート基板を、半導体発光素子用テンプレート基板を製造する際に使用したエピタキシャル成長炉とは別の第2のエピタキシャル成長炉に移し変え、半導体発光素子用テンプレート基板に、さらにIII族窒化物半導体からなるn型層、発光層及びp型層を順次形成する工程を含むことを特徴とする前項[19]に記載の半導体発光素子の製造方法。
【0009】
[21]III族窒化物半導体層を有する半導体発光素子であって、表面に複数の凸部が形成された基板と、複数の凸部が形成された面上に成膜されたIII族窒化物半導体からなるバッファ層と、を少なくとも有するテンプレート基板と、テンプレート基板のバッファ層上に順次形成されたIII族窒化物半導体からなるn型層、発光層及びp型層と、を有し、テンプレート基板の表面において、均一な形状に形成されていない凸部が占める面積の割合を示す不良面積率が10%以下であることを特徴とする半導体発光素子。
[22]テンプレート基板の基板の表面の不良面積率が0を含まないことを特徴とする前項[21]に記載の半導体発光素子。
[23]テンプレート基板の基板は、平坦度GBIRが10μm以下であるサファイア板であることを特徴とする前項[21]または[22]に記載の半導体発光素子。
[24]テンプレート基板のバッファ層のIII族窒化物半導体が、スパッタ法により形成されたAlN膜であることを特徴とする前項[21]または[23]に記載の半導体発光素子。
[25]テンプレート基板のバッファ層の上に、さらにIII族窒化物半導体からなる下地層を含むことを特徴とする前項[21]乃至[24]のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
[26]下地層の上に、さらにIII族窒化物半導体からなるn型層を含むことを特徴とする前項[25]に記載の半導体発光素子。
【0010】
本発明によれば、表面に複数の凸部が形成された基板と、基板の複数の凸部が形成された面上に成膜されたIII族窒化物半導体からなるバッファ層と、を少なくとも有し、凸部が形成された基板の表面の、均一な形状に形成されていない凸部が占める面積の割合を示す不良面積率が10%以下であることを特徴とする半導体発光素子用テンプレート基板が提供される。
【0011】
ここで、本発明が適用される半導体発光素子用テンプレート基板において、基板の複数の凸部の形状は限定されないが、好ましくは、基板の(0001)C面上にC面に非平行の表面からなる複数の凸部を形成することにより、基板上にC面からなる平面と凸部とからなる上面が形成された構造を挙げることができる。この場合、前記凸部は、基部幅が0.05μm〜5μm、高さが0.05μm〜5μm、かつ高さが基部幅の1/4以上のものであって、隣接する当該凸部間の間隔が当該基部幅の0.5倍〜5倍のものであることが好ましい。
尚、本明細書では、凸部の形状が半球や円錐、角錐などの場合、前記基部幅は凸部の最大径と記載する場合がある。
【0012】
また、本発明が適用される半導体発光素子用テンプレート基板において、複数の前記凸部は、基部幅0.5μm〜2μm、高さ0.5μm〜2μmを有し、隣接する凸部との間隔が0.5μm〜2μmであることが好ましい。
また、基板がサファイアから構成されることが好ましい。
基板の最大径が50mm〜200mmであり、基板の厚さが0.5mm〜2mmであることが好ましい。
【0013】
また、本発明が適用される半導体発光素子用テンプレート基板において、基板の複数の凸部が形成された面上に成膜されたバッファ層のIII族窒化物半導体が、スパッタ法により形成されたAlN膜やその他の方法で形成できるGaN系化合物半導体であることが好ましい。
また、前記バッファ層の上に、さらにGaNからなる下地層を含む半導体発光素子用テンプレート基板が好ましい。また、さらにはバッファ層の上に、GaNからなる下地層及びn型GaN系化合物半導体を順次形成された積層構造を含む半導体発光素子用テンプレート基板が好ましい。
さらに、基板は、平坦度GBIRが5μm以下であるサファイア板を用い、サファイア板の表面に複数の凸部が形成されたものであることが好ましい。
【0014】
次に、本発明によれば、III族窒化物半導体層を有する半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法であって、平坦度GBIRが5μm以下であるサファイア製の基板の表面に複数の凸部を形成する基板加工工程と、基板の表面にIII族窒化物半導体からなる厚さ0.02μm〜0.1μmであるバッファ層をスパッタリングにより形成するバッファ層形成工程と、を有することを特徴とする半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法が提供される。
【0015】
ここで、本発明が適用される半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法において、基板に形成された凸部が、最大径0.5μm〜2μm、高さ0.5μm〜2μmの半球形状を有することが好ましい。
さらに、複数の凸部が形成された基板の表面の、均一に形成されない凸部が占める割合を示す不良面積率が10%以下であることが好ましく、0.01%〜10%の範囲であることがさらに好ましく、0.01%〜2%の範囲であることが特に好ましい。
また、基板のサイト平坦度SBIRが1.5μm以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、不良面積率が10%以下に調製された半導体発光素子用テンプレート基板を用いることにより、得られる半導体発光素子チップの収率を向上させることができる。ここで、半導体発光素子用テンプレート基板の不良面積率は、例えば、後述するカンデラ測定法により測定される。
また、本発明によれば、平坦度(GBIR)が10μm以下の基板を使用することにより、カンデラ測定法による不良面積率が10%以下の半導体発光素子用テンプレート基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態が適用される半導体発光素子用テンプレート基板の一例を説明する図である。
【図2】複数の凸部が形成された基板を説明する図である。
【図3】半導体発光素子用テンプレート基板の製造工程を説明する図である。
【図4】III族窒化物半導体発光素子の一例を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
【0019】
図1は、本実施の形態が適用される半導体発光素子用テンプレート基板の一例を説明する図である。図1に示すように、半導体発光素子用テンプレート基板Iは、表面に複数の凸部102が形成された基板101と、基板101の複数の凸部102が形成された面上に成膜されたIII族窒化物半導体からなるバッファ層12と、を有し、さらに、複数の凸部102を埋めるようにIII族窒化物半導体からなるバッファ層12上に成膜されたIII族窒化物半導体層(下地層)13を有している。
【0020】
(基板101)
基板101は、III族窒化物化合物半導体とは異なる材料から構成される。基板101を構成する材料としては、例えば、サファイア、炭化ケイ素(シリコンカーバイド:SiC)、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステン、モリブデン等が挙げられる。これらの中でも、サファイア、炭化ケイ素(シリコンカーバイド:SiC)が好ましく、サファイアが特に好ましい。
【0021】
(複数の凸部102)
図2は、複数の凸部102が形成された基板101を説明する一例の図である。図2に示すように、基板101に形成された複数の凸部102は、所定の最大径d(基部幅d)と高さhを有し、均一な大きさと均一な形状になるように形成されている。本実施の形態では、凸部102の形状として、例えば、半球状を挙げることができる。但し、本発明においては、凸部102の形状は特に限定されない。
【0022】
本実施の形態では、凸部102の最大径dは、0.5μm〜2μmの範囲が特に好ましい。最大径dが過度に小さいと、基板101を用いてIII族窒化物半導体発光素子を形成した場合に、光を乱反射させる効果が十分に得られない恐れがある。最大径dが過度に大きいと、凸部102を埋めてIII族窒化物半導体層(下地層)13をエピタキシャル成長させた場合、平坦化されない部分が発生したり、成長時間が長くなって生産性が低下する傾向がある。
【0023】
本実施の形態では、凸部102の高さhは、0.5μm〜2μmの範囲が特に好ましい。高さhが過度に小さいと、基板101を用いてIII族窒化物半導体発光素子を形成した場合に、光を乱反射させる効果が十分に得られない恐れがある。高さhが過度に大きいと凸部102を埋めてIII族窒化物半導体層(下地層)13をエピタキシャル成長することが困難になり、III族窒化物半導体層(下地層)13の表面の平坦性が十分に得られない場合がある。
【0024】
さらに、複数の凸部102は、基板101の表面に所定の間隔dを設けて配置されている。本実施の形態では、複数の凸部102の間隔dは、0.5μm〜2μmの範囲が特に好ましい。
間隔dが過度に小さいと、エピタキシャル成長させる際に、C面からなる凹部の平面上からの結晶成長が促進され難くなり、凸部102をIII族窒化物半導体層(下地層)13で完全に埋め込むことが難しくなる場合もあり、III族窒化物半導体層(下地層)13の表面の平坦性が十分に得られない場合もある。この場合、凸部102を埋めるIII族窒化物半導体層(下地層)13上に発光構造をなす半導体層の結晶を形成した場合、この結晶はピットが多く形成されることとなり、形成されるIII族窒化物半導体発光素子の出力や電気特性等の悪化につながる傾向がある。
間隔dが過度に大きいと、基板101を用いてIII族窒化物半導体発光素子を形成した場合に、基板101と、基板101上に形成されたIII族窒化物半導体層との界面での光の乱反射の機会が減少し、光の取り出し効率を十分に向上させることができなくなる恐れもある。
【0025】
図2に示すように、複数の凸部102は、基板101の表面101s上に碁盤目状に等間隔に配置されている。
本実施形態では、基板101上に均一な形状の複数の凸部102を形成することにより、基板101とIII族窒化物半導体層(下地層)13との界面が凹凸形状となる。そのため、このような構造を有する半導体発光素子用テンプレート基板Iの上にLED構造を設けた半導体発光素子は、界面における光の乱反射により、光取り出し効率が増大する。サファイア板の表面に形成された凹凸により、結晶が横方向に成長するのを利用して結晶欠陥を低減させ、内部量子効率を向上させることが可能となる。
【0026】
(バッファ層12)
バッファ層12は、後述するように半導体発光素子の発光構造(LED構造ともいう)を有する化合物半導体層を有機金属化学気相成長法(MOCVD)により成膜する際に、バッファ機能を発揮する薄膜層として基板101上に設けられる。バッファ層12を設けることにより、バッファ層12上に成膜されるIII族窒化物半導体層(下地層)13とさらにこの上に成膜されるLED構造を有する化合物半導体層は、良好な配向性及び結晶性を有する結晶膜となる。
バッファ層12を構成するIII族窒化物半導体としては、Alを含有することが好ましく、III族窒化物であるAlNを含むことが特に好ましい。バッファ層12を構成する材料としては、一般式AlGaInNで表されるIII族窒化物半導体であれば特に限定されない。さらに、V族として、AsやPが含有されても良い。バッファ層12が、Alを含む組成の場合、GaAlNとすることが好ましく、Alの組成が50%以上であることが好ましい。
本実施の形態では、バッファ層12の厚さは、0.02μm〜0.1μmである。バッファ層12の厚さが過度に薄いと、バッファ層12による基板101とIII族窒化物半導体層(下地層)13との格子定数の違いを緩和する効果が十分に得られない場合がある。バッファ層12の厚さが過度に厚いと、成膜処理時間が長くなり、生産性が低下する傾向がある。
【0027】
(半導体発光素子用テンプレート基板I
ここで、本実施の形態において、前述した基板101上には、少なくともバッファ層12を含み、さらに、III族窒化物半導体層からなるIII族窒化物半導体層(下地層)13及びn型半導体層14(図4参照)から選ばれる少なくとも1層が成膜される。このような半導体層積層基板を半導体発光素子用テンプレート基板と称する。即ち、本実施の形態において、半導体発光素子用テンプレート基板Iは、発光機能を有さない半導体層積層基板を意味するものとする。以下、半導体発光素子用テンプレート基板を、単に「テンプレート基板」と称することがある。このようなテンプレート基板は、単独で製造され、使用され、販売される。さらに、テンプレート基板は、半導体発光素子を製造するのに有効な原料基板となる。この場合、所定のエピタキシャル成長炉を使用してテンプレート基板を製造した後、さらに、そのテンプレート基板を製造したエピタキシャル成長炉とは別の第2のエピタキシャル成長炉において、テンプレート基板の上に、少なくともIII族窒化物半導体からなる発光層15及びp型半導体層16を順次形成し、III族窒化物半導体発光素子1を製造する。
【0028】
(III族窒化物半導体層13(下地層))
III族窒化物半導体層(下地層)13に用いる材料としては、Gaを含むIII族窒化物(GaN系化合物半導体)が用いられ、特に、AlGaN、又はGaNを好適に用いることができる。本実施の形態が適用される半導体発光素子用テンプレート基板IにおけるIII族窒化物半導体層(下地層)13は、後述するように半導体発光素子のLED構造を有する化合物半導体層の下地層として機能するものである。
本実施の形態では、III族窒化物半導体層からなるIII族窒化物半導体層(下地層)13の厚さは、0.1μm以上、好ましく0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。但し、III族窒化物半導体層(下地層)13の厚さは、15μm以下が好ましい。III族窒化物半導体層(下地層)13の厚さが過度に薄いと、前記バッファ層12上に形成するIII族窒化物半導体層の下地層の結晶性が悪くなり、テンプレート基板の反りに影響してくる。III族窒化物半導体層(下地層)13の厚さが過度に厚いと、テンプレート基板の反りが大きくなる傾向がある。
【0029】
(不良面積率)
本実施の形態が適用される半導体発光素子用テンプレート基板Iにおいて、基板101の複数の凸部102が形成された表面101sは、不良面積率が10%以下であり、好ましくは2%以下である。また、不良面積率は0を含まないことが望ましく、0.01%〜10%の範囲であることがより好ましい。ここで、不良面積率は、例えば、カンデラ測定法にて測定する。
ここで、不良面積率とは、基板101の表面101sに形成された複数の凸部102の中、凸部102の高さh、基部幅d、間隔dが所望の数値とは異なり、所望の形状に形成されていない部分、すなわち均一な形状に形成されていない凸部102(不良部)が占める面積の割合であって、基板101の表面101s全体の凸部102の均一性を定量的に評価する指数である。但し、凸部102が基板101上から抜け落ちたものやキズがあるものも不良面積率に含まれる。
本実施の形態では、基板101の複数の凸部102が形成された表面101sの、不良面積率が10%以下であることにより、半導体発光素子用テンプレート基板Iを用いて調製される半導体発光素子チップの収率を向上させることができる。
【0030】
不良面積率は、例えば、光学式表面解析装置(例えば、KLA−Tencor社製:Candela)を用い、測定モードとして波長405nmのレーザによるスキャトロメーター(散乱)を採用して測定される。但し、レーザ波長は635nmもしくは405nmのどちらでも良いが、好ましくは波長405nmである。波長が短いほど、より高精度な表面解析が可能となるためである。
測定手順は、複数の凸部102が形成された基板101をカセットに入れ、解析装置に装着する。基板101は搬送アームで自動的にポーラスチャックの回転ステージに吸着され、測定が開始される。基板101は5000rpmで回転し、15μmピッチで表面101sの全面がスキャンされる。不良発生部の感度は凸部102の形状によって異なるため、予め最適なマイナス側とプラス側の閾値を調整する必要がある。測定は約3分で終了し、不良発生部がマッピングされ、不良発生部の面積(不良面積)が算出される。不良面積を総面積で割ると、不良面積率が算出できる。
【0031】
本実施の形態において、複数の凸部102を有する基板101は、SEMI規格(Semiconductor Equipment and Materials International、例えばM1−0302)における平坦度(GBIR:Global Back Side Ideal Range)が10μm以下のサファイア板を使用することが好ましく、平坦度(GBIR)が5μm以下であることがさらに好ましい。
ここで、SEMI規格における平坦度(GBIR)は、サファイア板の平坦度(Flatness)を表す指標であるグローバル平坦度(いわゆるTTV:Total Thickness Variation)の一つとして規定される。平坦度(GBIR)は、サファイア板を裏面基準にして、表面高さの最大値と最小値との差(μm)として定義される。平坦度(GBIR)の数値が小さい程、サファイア板の厚さが均一である。
【0032】
本実施の形態において、上述した平坦度(GBIR)が10μm以下、好ましくは5μm以下であるサファイア板を用いると、図1に示すような、サファイア板の表面に均一な形状を有する複数の凸部102を形成することができる。そして、このような均一な形状を有する複数の凸部102が形成されることにより、基板101の表面101sのカンデラ測定法による不良面積率を10%以下とすることが可能となる。その結果、このような半導体発光素子用テンプレート基板Iを用いて最終的に得られる半導体発光素子チップの収率を向上させることができる。
【0033】
ここで、本実施の形態では、使用するサファイア板の平坦度(GBIR)が10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。また、サファイア板の平坦度(GBIR)は、0.01μm〜10μmの範囲であることが好ましく、0.01μm〜5μmの範囲であることがより好ましく、0.01μm〜4μmの範囲であることがさらに好ましく、0.1μm〜3μmの範囲であることがとくに好ましい。
また、図2に示すように、複数の凸部102を形成するサファイア板は、その表面を幅12.5mm×高さ16mmのサイトに分割した場合、サイト平坦度(SBIR:Site Back Side Ideal Range)が1.5μm以下である基準を満たす割合(SBIR合格率(%)と称する)が90%以上であるものがよい。
ここで、サイト平坦度(SBIR)は、SEMI規格におけるサファイア板の平坦度を表す指標の一つとして規定される。サイト平坦度(SBIR)は、サファイア板を裏面基準にして、サファイア板の裏面を平面に矯正した状態において、ウェーハを仮想的に複数の同じ形状のサイトに分画されたとして一つのサイトの中心を基準面にしたときの表面高さの最大値と最小値の差(μm)として定義される。
【0034】
(半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法)
次に、本実施の形態が適用される半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法について説明する。
図3は、半導体発光素子用テンプレート基板Iの製造工程を説明する図である。
図3(a)に示すように、上述したように、先ず、平坦度(GBIR)が5μm以下であるサファイア板10を準備する。サファイア板10の最大径は、50mm〜200mmの範囲であり、厚さは、通常、0.5mm〜2mmの範囲である。本実施の形態では、最大径100mmと厚さ0.9mmを有するサファイア板10を使用する。
【0035】
次に、図3(b)に示すように、平坦度(GBIR)が5μm以下であるサファイア板10の表面101sに均一な形状を有する複数の凸部102が形成された基板101を加工する(基板加工工程)。基板加工工程においては、基板101上における凸部102の平面配置を規定するマスクを形成するパターニング工程と、パターニング工程によって形成されたマスクを使って基板101をエッチングして凸部102を形成するエッチング工程とを行なう。パターニング工程は、一般的なフォトリソグラフィー法やリプリント法で行うことができる。
【0036】
ここで、パターニング工程において、例えば、サファイア板10の表面101sにピットが存在すると、表面101sにスピンコーターでレジストを塗布した場合、このピットを基点に放射状にムラが発生する。このようなムラの部分は、一般に、レジストの膜厚が薄いため、エッチング後に凸部102の高さが変わり、不良面積率が増加する傾向がある。また、サファイア板10の表面101sにパーティクル等の異物が存在する場合も、同様に不良面積率が増大する傾向がある。さらに、エッチング工程前の取り扱い操作等により、表面101sのパターンにキズが生じると、不良面積率が増大する原因となる。
【0037】
エッチング工程は、ドライエッチング法やウェットエッチング法を用いることが好ましい。ここで、ドライエッチング工程において、例えば、チャンバー内の不純物がサファイア板10の表面101s上に落下すると、その部分はエッチングされないため、凸部102は形成されない。この部分も不良面積率が増加する原因となる。
【0038】
尚、凸部102を形成する方法としては、上述したエッチング法に限定されない。例えば、サファイア板10に凸部102となる材料を、スパッタ法、蒸着法、CVD法等により積層させることにより凸部102を形成してもよい。この場合、凸部102となる材料としては、サファイア板10とほぼ同等の屈折率を有する材料を用いることが好ましく、例えば、Al、SiN、SiO等を用いることができる。
【0039】
また、前記の基板101上に塗布されたレジストをセル状に分割して露光する場合、隣接するセル間に隙間が生じると露光されない部分ができるため、凸部102の上に形成したIII族窒化物半導体層に段差が生じる。ここで、III族窒化物半導体層には、少なくとも、バッファ層12、III族窒化物半導体層からなる下地層13、n型半導体層14等が含まれる。
同様に、隣接するセルが重なると二重に露光される部分ができるため、凸部102の上に形成したIII族窒化物半導体層に段差が生じる。この場合、III族窒化物半導体層の表面には、オリフラに対し水平方向もしくは垂直方向に、線状の段差が発生する。
【0040】
さらに、セル内における基板101の表面101sの平坦度(GBIR)が過度に大きいと、セル内が均一に露光されず、セル内のレジストパターン形状が不均一になる傾向がある。このため、その後のエッチング工程において得られる凸部102は、所望の形状のものと、これとは異なった形状のものとが形成される。そして、凸部102の上に形成したIII族窒化物半導体層の表面には、これらの異なる形状を有する凸部102の界面において段差が生じ、生じた段差の部分にはピット等の成長欠陥が発生する傾向がある。
【0041】
また、基板101の表面101sの全面に形成した複数個の凸部102の中の不均一な形状の部分は、カンデラ測定法により、不良面積率として評価する。不良面積率が過度に大きいと、基板101の表面101s上にエピタキシャル成長により形成したIII族窒化物半導体層に段差やピット等の欠陥が発生し、特に、ESD(静電気放電)に弱い等の電気特性が悪化する傾向がある。
【0042】
不良面積率を低減させる方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。先ず、基板101上に塗布されたレジストを露光する際、基板101をステージ上に載置し、所定の減圧装置を用いて、載置された基板101の裏面側から減圧してステージ上に吸着保持する(真空保持)。このとき、基板101が反っている場合は、ステージ上で平坦になるように基板101を矯正する。特に、基板101がサファイア製の場合、基板101の直径が2インチから4インチ、4インチから6インチへと大口径になるほど、基板101の反りが大きくなりやすい。さらに、基板101の厚さが大きくなるほど、基板101の剛性が大きくなる。そのため、基板101をステージ上により強力に保持することが可能なポーラスチャックが必要となる。また、剛性の高いステージが必要となる。尚、基板101がサファイア製の場合、反り形状は、基板製造時の熱処理、片面ミラー研磨、両面ミラー研磨、板厚等を選択することにより調整が可能である。
【0043】
次に、前述した真空保持の場合、基板101の裏面側がステージに吸着保持されるため、特に、基板101の厚さのバラツキが大きいと、表面側の平坦性が悪くなる。このため、エッチング工程により形成される各セル内の凸部102の形状が不均一となる傾向がある。この場合、基板101の裏面を基準とした厚さのバラツキを低減すること、あるいは、基板101の表面側の局所的な凹凸を低減することにより、得られる凸部102の形状は均一となる。
【0044】
また、基板101上に塗布されたレジストを露光する際、1回当たりの露光面積を小さくすることにより、基板101の表面101sに存在する凹凸の影響を低減することができる。露光方法は、ウェーハ全面を1回で行う方法、ウェーハをセル状に分割して行う方法が挙げられる。ウェーハを分割する場合、分割面積が小さいほど、基板101の表面101sの凹凸の影響が低減する。但し、分割面積が過度に小さいと、スループットが悪くなる傾向がある。
【0045】
続いて、図3(c)に示すように、基板101の表面101s上にIII族窒化物半導体からなるバッファ層12を形成する(バッファ層形成工程)。本実施の形態では、バッファ層12は、III族窒化物半導体をスパッタリングすることにより形成する。スパッタリングによりバッファ層12を形成する場合、チャンバー内の窒素原料と不活性ガスの流量に対する窒素流量の比を、窒素原料が50%〜100%、望ましくは75%となるようにすることが望ましい。
また、スパッタ法によって、柱状結晶(多結晶)を有するバッファ層12を形成する場合、チャンバー内の窒素原料と不活性ガスの流量に対する窒素流量の比を、窒素原料が1%〜50%、望ましくは25%となるようにすることが望ましい。
【0046】
次に、図3(d)に示すように、本実施形態では、バッファ層形成工程の後、バッファ層12が形成された基板101の上面に、凸部102を埋めるようにして、MOCVD法によりIII族窒化物半導体層(下地層)13を成膜する。尚、本実施の形態では、III族窒化物半導体層(下地層)13の最大厚さHは、凸部102の高さh(図2参照)の2倍以上であることが好ましい。
III族窒化物半導体層(下地層)13の最大厚さHが過度に薄いと、III族窒化物半導体層(下地層)13の表面13aの平坦性が不十分となるこのため、III族窒化物半導体層(下地層)13上に積層されるLED構造を構成する結晶の結晶性が低下する傾向がある。
【0047】
III族窒化物半導体層(下地層)13をMOCVD法で積層する場合に使用するキャリアガスとしては、たとえば、水素(H)、窒素(N);III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)、トリエチルガリウム(TEG);Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA);In源としてトリメチルインジウム(TMI)、トリエチルインジウム(TEI);V族原料であるN源としてアンモニア(NH)、ヒドラジン(N)等が用いられる。また、ドーパントとしては、n型にはSi原料としてモノシラン(SiH)、ジシラン(Si);Ge原料としてゲルマンガス(GeH)、テトラメチルゲルマニウム((CHGe)、テトラエチルゲルマニウム((CGe)等の有機ゲルマニウム化合物;p型にはMg原料としてシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を利用できる。
【0048】
本実施の形態において、半導体発光素子用テンプレート基板IにIII族窒化物半導体層(下地層)13を形成することにより、後述するように、この上に成膜されるIII族窒化物半導体からなるn型層、発光層、p型層からなる発光構造(LED構造)の結晶の結晶性が良好となる。その結果、内部量子効率に優れ、漏れ電流の少なく高出力な半導体発光素子が得られる。
【0049】
(III族窒化物半導体発光素子)
図4は、III族窒化物半導体発光素子の一例を示した断面図である。図4に示すように、III族窒化物半導体発光素子1は、図1に示す積層構造の半導体発光素子用テンプレート基板IのIII族窒化物半導体層(下地層)13上にLED構造20が形成された構造を有している。LED構造20は、n型半導体層14、発光層15、p型半導体層16が順次積層されている。さらに、p型半導体層16上に透明正極17が積層され、その上に正極ボンディングパッド18が形成されるとともに、n型半導体層14のn型コンタクト層14aに形成された露出領域14dに負極19が積層されている。
【0050】
(LED構造20)
LED構造20を構成するn型半導体層14は、n型コンタクト層14a及びn型クラッド層14bを有する。発光層15は、障壁層15a及び井戸層15bが交互に積層された構造を有する。p型半導体層16は、p型クラッド層16a及びp型コンタクト層16bが積層されている。
【0051】
(n型半導体層14)
n型半導体層14のn型コンタクト層14aとしては、下地層のIII族窒化物半導体層(下地層)13と同様にGaN系化合物半導体が用いられる。また、III族窒化物半導体層(下地層)13及びn型コンタクト層14aを構成する窒化ガリウム系化合物半導体は同一組成であることが好ましく、これらの合計の膜厚を0.1μm〜20μm、好ましくは0.5μm〜15μm、さらに好ましくは1μm〜12μmの範囲に設定することが好ましい。
【0052】
n型クラッド層14bは、AlGaN、GaN、GaInN等によって形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。GaInNとする場合には、発光層15のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましい。n型クラッド層14bの膜厚は、好ましくは5nm〜500nm、より好ましくは5nm〜100nmの範囲である。
【0053】
(発光層15)
発光層15は、窒化ガリウム系化合物半導体からなる障壁層15aと、インジウムを含有する窒化ガリウム系化合物半導体からなる井戸層15bとが交互に繰り返して積層され、且つ、n型半導体層14側及びp型半導体層16側に障壁層15aが配される順で積層して形成される。本実施の形態では、発光層15は、6層の障壁層15aと5層の井戸層15bとが交互に繰り返して積層され、発光層15の最上層及び最下層に障壁層15aが配され、各障壁層15a間に井戸層15bが配される構成とされている。
【0054】
障壁層15aとしては、例えば、インジウムを含有した窒化ガリウム系化合物半導体からなる井戸層15bよりもバンドギャップエネルギーが大きいAlGa1−cN(0≦0.3)等の窒化ガリウム系化合物半導体を好適に用いることができる。
また、井戸層15bには、インジウムを含有する窒化ガリウム系化合物半導体として、例えば、Ga1−sInN(0<s<0.4)等の窒化ガリウムインジウムを用いることができる。
【0055】
(p型半導体層16)
p型半導体層16は、p型クラッド層16a及びp型コンタクト層16bから構成される。p型クラッド層16aとしては、好ましくは、AlGa1−dN(0<d≦0.4)のものが挙げられる。p型クラッド層16aの膜厚は、好ましくは1nm〜400nmであり、より好ましくは5nm〜100nmである。
p型コンタクト層16bとしては、少なくともAlGa1−eN(0≦e<0.5)を含んでなる窒化ガリウム系化合物半導体層が挙げられる。p型コンタクト層16bの膜厚は、特に限定されないが、10nm〜500nmが好ましく、より好ましくは50nm〜200nmである。
【0056】
(透明正極17)
透明正極17を構成する材料としては、例えば、ITO(In−SnO)、AZO(ZnO−Al)、IZO(In−ZnO)、GZO(ZnO−Ga)等の従来公知の材料が挙げられる。また、透明正極17の構造は特に限定されず、従来公知の構造を採用することができる。透明正極17は、p型半導体層16上のほぼ全面を覆うように形成しても良く、格子状や樹形状に形成しても良い。
【0057】
(正極ボンディングパッド18)
透明正極17上に形成される電極としての正極ボンディングパッド18は、例えば、従来公知のAu、Al、Ni、Cu等の材料から構成される。正極ボンディングパッド18の構造は特に限定されず、従来公知の構造を採用することができる。
正極ボンディングパッド18の厚さは、100nm〜1000nmの範囲内であり、好ましくは300nm〜500nmの範囲内である。
【0058】
(負極19)
図4に示すように、負極19は、基板11上に成膜されたバッファ層12及びIII族窒化物半導体層(下地層)13の上にさらに成膜されたLED構造20(n型半導体層14、発光層15及びp型半導体層16)において、n型半導体層14のn型コンタクト層14aに接するように形成される。このため、負極19を形成する際は、p型半導体層16、発光層15及びn型半導体層14の一部を除去し、n型コンタクト層14aの露出領域14dを形成し、この上に負極19を形成する。
負極19の材料としては、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
【0059】
本実施の形態においてIII族窒化物半導体発光素子1は、通常、半導体発光素子用テンプレート基板I上にLED構造20を成膜し、次いで、半導体発光素子用テンプレート基板Iの基板101を研削・研磨処理によって所定の厚さに調整し、その後、適当な大きさに切断し、所定の厚さの基板11を有する半導体発光素子チップとして得られる。
上述したように、本実施の形態が適用される半導体発光素子用テンプレート基板Iを用いたIII族窒化物半導体発光素子1は、例えば、これと蛍光体とを組み合わせてなるランプとして使用することができる。III族窒化物半導体発光素子1と蛍光体とを組み合わせたランプは、当業者周知の手段によって当業者周知の構成とすることができる。また、従来より、III族窒化物半導体発光素子と蛍光体と組み合わせることによって発光色を変える技術を採用することが可能である。ランプの例としては、一般用途の砲弾型、携帯のバックライト用途のサイドビュー型、表示器に用いられるトップビュー型等いかなる用途にも用いることができる。
【実施例】
【0060】
次に、本発明を、実施例および比較例を示してより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0061】
(1)平坦度(GBIR)、サイト平坦度(SBIR)の測定
半導体発光素子用テンプレート基板を調製する際に用いたサファイア板の平坦度(GBIR)とサイト平坦度(SBIR)とは、以下の手順により測定した(単位μm)。数値が小さい程、サファイア板の厚さのバラツキが小さい。
ここで、本実施の形態ではサファイア板の平坦度(GBIR)及びサイト平坦度(SBIR)の測定は、レーザ光斜入射干渉計(株式会社ニデック社製:フラットネステスターFT−17)により評価した。平坦度(GBIR)及びサイト平坦度(SBIR)の測定は、直径4インチ(100mm)、厚さ0.9mmのサファイア板をフラットネステスターのセラミック製真空吸着チャックに固定し、垂直より手前方向に8度傾斜した状態で測定した。測定はサファイア板の外周1mmを除いた(インサイド値1mm)範囲とした。
【0062】
(2)不良面積率の測定
サファイア製の基板の表面に形成された複数の凸部の不良面積率は、以下の手順に従い測定した(単位%)。不良面積率が小さい程、複数の凸部の形状が均一である。
ここで、本実施の形態では、光学式表面解析装置(KLA−Tencor社製:CS20)にて、凹凸加工後のサファイア板表面の不良面積を測定した。直径4インチ(100mm)、厚さ0.9mmのサファイア板表面の測定は約3分で終了し、凸部不良部がマッピングされ、不良面積が算出された。このとき、測定範囲の総面積で不良面積を割ると、不良面積率が得られた。
不良面積率=不良面積(カンデラ測定値)/総面積
【0063】
(3)SBIR合格率
半導体発光素子用テンプレート基板を調製する際に用いたサファイア板のSBIR合格率は、以下の基準により判定した。
SBIR合格率とは上記公知なSBIR測定にて算出されるものである。サイトの大きさ(セルサイズ)は幅12.5mm×高さ16mmとした場合、直径4インチ(100mm)の全面をカバーできるサイト数は44個となる。この時、各サイト内の平坦度の合格判定は1.5μm以下とした。例えば、合格したサイト数が22個の場合、SBIR合格率は50%である。
【0064】
(4)ESD収率
調製した半導体発光素子用テンプレート基板を用いて製造したIII族窒化物半導体発光素子のESD収率は、以下の基準により判定した。
ESD(electro−static discharge;静電気放電)とは静電破壊試験のことで、前記III族窒化物半導体発光素子を電子機器に実装するまでの取り扱い中に於いて、III族窒化物半導体発光素子が受ける静電気放電に対する耐性を評価するための信頼性試験である。
静電破壊試験は一般的にHBM法(Human Body Model)とMM法(Machine Model)がある。本実施の形態では、試験装置としてESDプローバーを用い、HBM法に準拠して、直径4インチ(100mm)の前記半導体発光素子用テンプレート基板上に形成されたIII族窒化物半導体発光素子を、抜取りで面内400個の静電破壊試験を実施した。この時、静電破壊試験では前記III族窒化物半導体発光素子の正極ボンディングパッドと負極にプローブと呼ばれる針を押し当て、高電圧を逆方向に数回印加し、20V印加した時の電流値が10μA以上になった場合は静電破壊されたと判断した。このとき、総サンプル数に対する破壊が生じなかったサンプルの数を、ESD収率とした。
【0065】
(5)チップ総合収率
調製した半導体発光素子用テンプレート基板を用いて製造したIII族窒化物半導体発光素子のチップ総合収率は、以下の基準により判定した。
チップ総合収率とは総サンプル数に対して電気特性及びESD試験が合格基準に達したチップ数の割合を示す。
【0066】
(実施例1〜実施例6、比較例)
以下の手順に従い、最大径100mm、厚さ0.9mmの(0001)C面からなるサファイア板の表面に、表1に示す直径φと高さとを有する半球状の複数の凸部が形成された半導体発光素子用テンプレート基板を調製し、これを用いてIII族窒化物半導体発光素子を製造した。
【0067】
表1に示す平坦度(GBIR)、SBIR合格率の直径4インチ(100mm)、板厚900μmのサファイア板10の(0001)C面上に、径(最大径又は基部幅)、高さの異なる凸部を以下に示す手順により形成し、基板101を形成した。
このとき、基板加工は公知のフォトリソグラフィー法でマスクを形成し、ドライエッチング法でサファイア板10をエッチングすることにより凸部を形成した。なお、露光法として、紫外光を用いたステッパー露光法を用いた。
また、ドライエッチングにはBClとClの混合ガスを用いた。その後、凸部加工の均一性を評価するため、光学式表面解析装置(カンデラ)を用いて不良面積率を算出した。
【0068】
次に、この基板101上に、図1のような膜厚30nmのAlN層からなるバッファ層12をスパッタ法によって形成した後、有機金属化学気相成長法(MOCVD)によって、アンドープGaN層からなる厚さ4.5μmのIII族窒化物半導体層(下地層)13、Siドープ(濃度1×1019/cm)GaNからなる厚さ3μmのn型コンタクト層14aまで順次積層した状態でMOCVD装置から取り出してテンプレート基板とした。
【0069】
その後、前記テンプレート基板上に、MOCVDによって、Siドープ(濃度1×1018/cm)した厚さ約2nmのIn0.1Ga0.9N層と厚さ約2nmのGaN層を交互に20回積層させた超格子構造のn型クラッド層14b、GaNからなる厚さ6.5nmの障壁層15aとIn0.08Ga0.92Nからなる厚さ3.0nmの井戸層15bを交互に6回積層させた後、最後に障壁層15aを設けた多重量子井戸構造の発光層15、厚さ4nmのアンドープAl0.07Ga0.93N層とMgドープ(濃度4×1019/scm)GaNからなる厚さ3nmの層を交互に3回積層させたp型クラッド層16a、およびMgドープ(濃度1×1020/cm)GaNからなる厚さ0.15μmのp型コンタクト層16bを順次積層して化合物半導体ウェーハとした。このとき、LED構造20であるIII族窒化物半導体層の総膜厚は8μmであった。
【0070】
次いで、このようにして得られたLED構造となる各層の形成された基板を用いて、以下に示す手順で、III族窒化物半導体発光素子を作製した。まず、公知のフォトリソグラフィー技術によって、LED構造となる各層の形成された基板のp型コンタクト層上に、IZOからなる透明正極と、この透明正極上にTi、Pt及びAuを順に積層した構造を持つ正極ボンディングパッドを形成した。
続いて、正極ボンディングパッドの形成された基板にドライエッチングを行い、負極を形成する部分のn型半導体層を露出させ、露出したn型半導体層上にTi、Pt及びAuを順に積層した構造を持つ負極を形成した。
そして、正極ボンディングパッド及び負極の形成された基板の裏面を研削及び研磨で薄板化し、ミラー状の面とした。次いで、この基板を350μm角の正方形のチップ状に分割し、半導体発光素子チップとした。結果を表1に示す。
【0071】
【表1】

【0072】
表1に示す結果から、カンデラ不良面積率が10%以下の基板を用いた場合(実施例1〜実施例8)では、LEDチップの総合収率が65%を超えるという格別な効果が得られることが分かる。尚、カンデラ不良面積率が0%である基板は、用いることができなかった。
また、同一形状の凸部を有する基板(実施例1〜実施例4、実施例7、実施例8)では、GBIR値は小さくSBIR合格率は高いほど、チップ総合収率が高くなる傾向にある。特に、GBIR値が5μm以下の場合(実施例3〜実施例6、実施例7)では、チップ総合収率が80%を超えるという顕著な効果を示すことが分かる。
これに対し、カンデラ不良面積率が10%を超える基板を用いた場合(比較例)、その後のLEDチップの総合収率が31%と極端に低いことが分かる。これにより、凸部の形状に不均一な低い部分が生じると、III族窒化物半導体層(下地層)13をエピタキシャル成長させた場合、凸部の段差の影響で均一に平坦化されないため、その段差の境界付近では転位やピットが発生しやすく、結果的にESD収率低下以外にも低電流リーク(漏れ電流)による電気特性不良率が増加すると考えられる。
【符号の説明】
【0073】
1…III族窒化物半導体発光素子、11,101…基板、12…バッファ層、13…III族窒化物半導体層(下地層)、14…n型半導体層、15…発光層、16…p型半導体層、17…透明正極、18…正極ボンディングパッド、19…負極、20…LED構造、102…凸部、I…半導体発光素子用テンプレート基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数の凸部が形成された基板と、
前記基板の複数の前記凸部が形成された面上に成膜されたIII族窒化物半導体からなるバッファ層と、を少なくとも有し、
前記凸部が形成された前記基板の表面の、均一な形状に形成されていない当該凸部が占める面積の割合を示す不良面積率が10%以下である
ことを特徴とする半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項2】
前記基板の表面の前記不良面積率が0を含まないことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項3】
前記不良面積率が、0.01%〜10%の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項4】
前記基板の複数の前記凸部が、基部幅0.05μm〜5μm、高さ0.05μm〜5μmを有し、かつ高さが基部幅の1/4以上のものであって、隣接する当該凸部間の間隔が当該基部幅の0.5倍〜5倍のものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項5】
前記基板の複数の前記凸部が、最大径0.5μm〜2μm、高さ0.5μm〜2μmを有し、隣接する当該凸部との間隔が0.5μm〜2μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項6】
前記基板がサファイアから構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項7】
前記基板の最大径が50mm〜200mmであり、当該基板の厚さが0.5mm〜2mmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項8】
前記バッファ層のIII族窒化物半導体が、スパッタ法により形成されたAlN膜であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項9】
前記バッファ層の上に、さらにIII族窒化物半導体からなる下地層を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項10】
前記III族窒化物半導体が、GaNであることを特徴とする請求項9に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項11】
前記バッファ層の上に、さらにIII族窒化物半導体からなる下地層及びn型半導体層が順次形成された積層構造を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項12】
前記III族窒化物半導体が、GaNであり、前記n型半導体層がn型GaN系化合物半導体を含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項13】
前記基板は、平坦度GBIRが10μm以下であるサファイア板を用い、当該サファイア板の表面に複数の前記凸部が形成されたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項14】
前記平坦度GBIRが、0.01μm〜5μmの範囲であることを特徴とする請求項13に記載の半導体発光素子用テンプレート基板。
【請求項15】
III族窒化物半導体層を有する半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法であって、
平坦度GBIRが10μm以下であるサファイア製の基板の表面に複数の凸部を形成する基板加工工程と、
前記基板の前記表面にIII族窒化物半導体からなる厚さ0.02μm〜0.1μmであるバッファ層をスパッタリングにより形成するバッファ層形成工程と、
を有することを特徴とする半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法。
【請求項16】
前記基板に形成された前記凸部が、最大径0.05μm〜5μm、高さ0.05μm〜5μmの半球形状を有することを特徴とする請求項15に記載の半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法。
【請求項17】
複数の前記凸部が形成された前記基板の表面の、均一に形成されない当該凸部が占める割合を示す不良面積率が10%以下であることを特徴とする請求項15又は16に記載の半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法。
【請求項18】
前記基板のサイト平坦度SBIRが1.5μm以下であることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板の製造方法。
【請求項19】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の半導体発光素子用テンプレート基板に、さらにIII族窒化物半導体からなるn型層、発光層及びp型層を順次形成する工程を含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【請求項20】
前記半導体発光素子用テンプレート基板を、当該半導体発光素子用テンプレート基板を製造する際に使用したエピタキシャル成長炉とは別の第2のエピタキシャル成長炉に移し変え、当該半導体発光素子用テンプレート基板に、さらにIII族窒化物半導体からなる前記n型層、前記発光層及び前記p型層を順次形成する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載の半導体発光素子の製造方法。
【請求項21】
III族窒化物半導体層を有する半導体発光素子であって、
表面に複数の凸部が形成された基板と、複数の当該凸部が形成された面上に成膜されたIII族窒化物半導体からなるバッファ層と、を少なくとも有するテンプレート基板と、
前記テンプレート基板の前記バッファ層上に順次形成されたIII族窒化物半導体からなるn型層、発光層及びp型層と、を有し、
前記テンプレート基板の前記基板の表面において、均一な形状に形成されていない前記凸部が占める面積の割合を示す不良面積率が10%以下である
ことを特徴とする半導体発光素子。
【請求項22】
前記テンプレート基板の前記基板の表面の前記不良面積率が0を含まないことを特徴とする請求項21に記載の半導体発光素子。
【請求項23】
前記テンプレート基板の前記基板は、平坦度GBIRが10μm以下であるサファイア板であることを特徴とする請求項21又は22に記載の半導体発光素子。
【請求項24】
前記テンプレート基板の前記バッファ層のIII族窒化物半導体が、スパッタ法により形成されたAlN膜であることを特徴とする請求項21乃至23のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項25】
前記テンプレート基板の前記バッファ層の上に、さらにIII族窒化物半導体からなる下地層を含むことを特徴とする請求項21乃至24のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
【請求項26】
前記下地層の上に、さらにIII族窒化物半導体からなるn型層を含むことを特徴とする請求項25に記載の半導体発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−161354(P2010−161354A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276525(P2009−276525)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】