説明

半導体素子及びその製造方法

【課題】MOSFET等のデバイスのための高誘電率膜の製造方法を提供する。
【解決手段】Si基板101上のSiO2膜(又はSiON膜)102上にHf金属膜103をスパッタし、それを熱酸化処理してHfSiO膜104を形成する。その上にTi金属膜105をスパッタし、それを熱酸化処理して、TiO2膜106を形成する。TiO膜106上に、TiN金属膜107を堆積させる。これら一連の処理は、大気に晒すことなく真空中で一貫して行われる。形成されたTiN/TiO2/HfSiO/SiO2/Si構造は、EOT<1.0nm, 低リーク電流, ヒステリシス<20mVを満たしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化膜半導体電界トランジスタ(MOSFET)の製造において異なる比誘電率を有する高誘電率膜を積層し形成することと積層膜上に金属電極材料膜と堆積するための方法に関する。特に、本発明は、MOSFETにおいて、酸化膜換算膜厚(EOT)が1.0nm以下を満たすための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属酸化膜半導体電界トランジスタ(MOSFET)の製造において、現在、ゲート絶縁膜にはシリコン酸化膜、ゲート電極には、ポリシリコンを用いた組み合わせで製造している。集積回路の性能を向上させるため、デザインルールが徐々に縮小されている。これに伴い、ゲート絶縁膜の薄層化が要求される。しかしながら、シリコン酸化膜を用いたゲート絶縁膜では、薄層化に限界がある。即ち、限界を超えた薄層化は、許容範囲を超えた漏れ電流の増大を帰結する。
【0003】
そこで、現在、シリコン酸化膜より比誘電率が大きいゲート絶縁膜の適用が検討されている。ゲート絶縁膜のことを高誘電率膜と呼んでいる。高誘電率膜をゲート絶縁膜に用いた場合、ゲート電極もポリシリコンから金属電極に変更しなければばらない。それは、以下に示す2つの理由からである。第1の理由は、ポリシリコンが殆どの高誘電率膜に適合しないからである。第2の理由は、ポリシリコンを使用すると、ポリシリコンと高誘電率膜との界面に空乏領域が形成され、それにより、酸化膜換算膜厚(EOT)が大きくなり、キャパシタンスが低下するからである。
【0004】
ここで、酸化膜換算膜厚について説明する。ゲート絶縁膜の種類によらず、ゲート絶縁膜材料がシリコン酸化膜であると仮定して、ゲート容量から逆算して得られる絶縁膜の電気的な膜厚をシリコン酸化膜換算膜厚(EOT:Equivalent Oxide Thickness)という。即ち、絶縁膜の比誘電率をεh、シリコン酸化膜の比誘電率をεoとし、絶縁膜の厚さをdhとしたとき、シリコン酸化膜換算膜厚deは、下記数式 1で表される。
[数式 1]
de=dh×(εo/εh)
上記数式 1 は、ゲート絶縁膜に、シリコン酸化膜の比誘電率εoに比べて大きな誘電率εhをもった材料を用いた場合には、シリコン酸化膜換算膜厚は、このゲート絶縁膜の膜厚よりも薄いシリコン酸化膜と同等になることを示している。なお、シリコン酸化膜の比誘電率εoは3.9程度である。そのため、例えば、εh=39の高誘電率材料からなる膜は、その物理膜厚を15nmとしても、シリコン酸化膜換算膜厚(電気膜厚)が1.5nmになり、ゲート絶縁膜の容量値を膜厚が1.5nmのシリコン酸化膜と同等に保ちつつ、トンネル電流を著しく低減することができる。
【0005】
現在、高誘電率膜として、HfO2、HfSiOまたはHfSiONが有望視されている。これらの比誘電率は、10から20程度であるため、上記数式1を用いて計算すると絶縁膜の厚さは、6から7nm程度になる。しかしながら、実際の構造では、シリコン基板と高誘電率膜との間には、1nm程度のシリコン酸化膜が必要であるため、Hf系高誘電率膜の膜厚は、1から2nm程度と薄くなってしまい、EOT<1nmを満たしながら、ゲートリーク電流を低減するのは、困難である。
【0006】
そこで、Honda et al. (JJAP Vol.43(2004) p.1571)は、パルスレ−ザ−成膜法を用いて、Si基板上にHfO2を成膜し、HfO2膜上に異なる比誘電率を持つTiO2を積層し、大気暴露したのちに金属電極を成膜し、電気特性を評価した。その結果、ヒステリシスが50-300mV、また、EOT>1nm以上であった(非特許文献1)。
このように、MOSFETの低消費電力化ならびに高性能化技術として、Metal/High−kゲートスタックの研究が精力的に進められている。High−k絶縁膜材料としては、Hf−シリケート膜が優れた特性を有することが報告されているが、EOTのさらなる低減が求められている。Ti系酸化物は高い比誘電率を有するため、各種High−k膜材料へのTi添加による高性能化に関する試みがなされている。また、TiN/HfSiON界面反応でTiO2層が形成されることでEOTの増加を殆ど伴わずにリーク電流が低下する現象が報告されている(非特許文献1)。
【0007】
【非特許文献1】H.Watanabe et al.,Jpn.J.Appl.Phys.45(2006)2933
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明では、EOT<1nmの極薄High−k絶縁膜の実現に向け、HfTiSiO膜の構造最適化を図ることを目的としている。Hf系高誘電率膜/異なる比誘電率を持つTi系高誘電率膜の積層構造を用いて、EOT<1.0nm, 低リーク電流, ヒステリシス<20mVを満たすことが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面は、シリコン酸化膜(例えばSiO2膜)またはシリコン酸窒化膜(例えばSiON膜)上に第1の高誘電率膜を形成し、第1の高誘電率膜と異なる比誘電率を有する第2の高誘電率膜を形成し、そして、形成した第2の高誘電率膜上に金属電極材料を形成する方法であり、上記形成が連続的に行われることを特徴とする。
【0010】
本発明の第1の側面の実施例として、第1の高誘電率膜の形成は、金属原子が酸化反応を生じ難い雰囲気中において、金属ターゲットを用いたスパッタ法により、シリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜上に第1の金属膜を堆積する第1の工程と、金属膜とシリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜を加熱酸化処理(アニーリング)することよって、第1の高誘電率膜を形成する第2の工程からなることを特徴とする。
【0011】
第1の高誘電率膜形成の第1及び第2の工程は、大気に晒すことなく連続的に行われることを特徴とする。
【0012】
第1の工程に堆積される金属は、少なくともハフニウムを含むことを特徴とする。
【0013】
第2の工程は、加熱温度500℃以上900℃以下で行うことを特徴とする。
【0014】
第2の工程は、加熱温度500℃以上900℃以下で、酸化処理圧力が1×10-3[Pa]以上10[Pa]以下で行うことを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の側面の実施例として、第2の高誘電率膜の形成は、金属原子が酸化反応を生じ難い雰囲気中において、金属ターゲットを用いたスパッタ法により、第2の工程で形成した第1の高誘電率膜上に第2の金属膜を堆積する第3の工程と、第2の金属膜を加熱酸化処理(アニーリング)することによって、第2の高誘電率膜を形成する第4の工程からなることを特徴とする。
【0016】
第3及び第4工程は、大気に晒すことなく連続的に行われることを特徴とする。
【0017】
第3の工程に堆積される金属は、少なくともチタニウムを含むことを特徴とする。
【0018】
第4の工程は、加熱温度200℃以上400℃以下で行うことを特徴とする。
【0019】
第4の工程は、加熱温度200℃以上400℃以下で、酸化処理圧力が1×10-3[Pa]以上10[Pa]以下で行うことを特徴とする。
【0020】
本発明の第1の側面の実施例として、金属電極膜の形成は、酸素、窒素または、亜酸化窒素あるいは酸素、窒素同時導入可能な堆積装置で、反応性スパッタ法で形成されることを特徴とする。
【0021】
金属電極膜の形成は、少なくとも2つ以上のカソードを同時放電することにより形成された2元系以上の金属混合膜であることを特徴とする。
【0022】
金属電極膜の形成は、Zr,C,Hf,Ta,Ti,Al,Ru,Si,Ni,Pt,Ir,Er,Yb,La,Dy,Y,Gd,Co及びWからなるグループから選択された1種又は2種以上の金属元素を含有することを特徴とする。
【0023】
本発明の第2の側面は、金属原子が酸化反応を生じ難い雰囲気中において、異なる金属ターゲットを用いたコスパッタ法により、シリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜上に金属混合膜を堆積し、金属混合膜を加熱酸化(アニーリング)し、加熱酸化処理を行って形成した高誘電率膜上に金属電極材料を形成する方法において、上記形成が連続的に行われることを特徴とする。
【0024】
堆積される金属混合膜は、少なくともハフニウム或いはチタニウムのうちのいずれかを含むことを特徴とする。
【0025】
金属混合膜の加熱酸化は、加熱温度500℃以上900℃以下で行うことを特徴とする。
【0026】
金属混合膜の加熱酸化は、加熱温度500℃以上900℃以下で、酸化処理圧力が1×10-3[Pa]以上10[Pa]以下で行うことを特徴とする。
【0027】
本発明の第2の側面の実施例として、金属電極膜の形成は、酸素、窒素または、亜酸化窒素あるいは酸素、窒素同時導入可能な堆積装置で、反応性スパッタ法で形成されることを特徴とする。
【0028】
本発明の第2の側面の実施例として、金属電極膜の形成は、少なくとも2つ以上のカソードを同時放電することにより形成された2元系以上の金属混合膜であることを特徴とする。
【0029】
本発明の第2の側面の実施例として、金属電極膜の形成は、Zr,C,Hf,Ta,Ti,Al,Ru,Si,Ni,Pt,Ir,Er,Yb,La,Dy,Y,Gd,Co及びWからなるグループから選択された1種又は2種以上の金属元素を含有することを特徴とする。
【0030】
本発明の第3の側面は、金属原子が酸化反応を生じ難い雰囲気中において、異なる金属ターゲットを用いたスパッタ法により、シリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜上に金属積層膜を堆積し、金属積層膜を加熱酸化し、加熱酸化処理を行って形成した高誘電率膜上に金属電極材料を形成する方法において、上記形成が連続的に行われることを特徴とする。
【0031】
本発明の第3の側面の実施例として、堆積される金属積層膜は、少なくともハフニウム或いはチタニウムのうちのいずれかを含むことを特徴とする。
【0032】
本発明の第3の側面の実施例として、加熱酸化処理は、加熱温度500℃以上900℃以下で行うことを特徴とする。
【0033】
本発明の第3の側面の実施例として、加熱酸化処理は、加熱温度500℃以上900℃以下で、酸化処理圧力が1×10-3[Pa]以上10[Pa]以下で行うことを特徴とする。
【0034】
本発明の第3の側面の実施例として、金属電極膜は、酸素、窒素または、亜酸化窒素あるいは酸素、窒素同時導入可能な堆積装置で、反応性スパッタ法で形成されることを特徴とする。
【0035】
本発明の第3の側面の実施例として、金属電極膜は、少なくとも2つ以上のカソードを同時放電することにより形成された2元系以上の金属混合膜であることを特徴とする。
【0036】
本発明の第3の側面の実施例として、金属電極膜は、Zr,C,Hf,Ta,Ti,Al,Ru,Si,Ni,Pt,Ir,Er,Yb,La,Dy,Y,Gd,Co及びWからなるグループから選択された1種又は2種以上の金属元素を含有することを特徴とする。
【0037】
本発明の高誘電率膜形成手法を用いたMOS電界効果トランジスタの製造方法は、シリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜上に第1の高誘電率膜を形成し、
第1の高誘電率膜と異なる比誘電率を有する第2の高誘電率膜を形成し、そして、
上記第2の高誘電率膜上に金属電極材料を形成することからなり、少なくとも上記第1と第2の高誘電率膜の形成は、大気に晒すことなく連続的に行うことを特徴する。
【0038】
第1と第2の高誘電率膜がゲート絶縁膜であり、金属電極材料がゲート電極である。
【0039】
実施例として、第1の高誘電率膜がHfを含む酸化膜であり、第2の高誘電体膜がTiを含む酸化膜であり、金属電極材料は、Zr,C,Hf,Ta,Ti,Al,Ru,Si,Ni,Pt,Ir,Er,Yb,La,Dy,Y,Gd,Co及びWからなるグループから選択された1種又は2種以上の金属元素を含有する。
【0040】
実施例として、第1の高誘電率膜がHfSiOであり、第2の高誘電体膜がTiO2である。
【0041】
本発明の1つの実施例の概要によれば、高誘電率膜形成方法として、1nmから2nm以下のシリコン酸化膜(SiO2(又はシリコン酸窒化膜/SiON))上にスパッタ法によって、0.1nmから0.7nm以下のHf金属膜を形成する。形成したHf金属膜は、大気に晒すことなく、酸素分圧が1.0×10-8[Pa]以下の熱処理室に搬送し、基板温度500℃以上900℃以下, 酸素分圧1×10-3[Pa]以上10[Pa]以下で熱酸化処理を行い、Hfシリケート膜を形成する。形成したHfシリケート膜は、大気に晒すことなく、到達圧力が1.0×10-6[Pa]以下のスパッタ室に搬送し、Hfシリケート上にスパッタ法によって、0.1nmから1.0nm以下のTi金属膜を形成する。形成したTi/Hfシリケート積層構造膜を大気に晒すことなく、酸素分圧が1.0×10-8[Pa]以下の熱処理室に搬送し、基板温度200℃以上400℃以下、酸素分圧1×10-3[Pa]以上10[Pa]以下でTiとHfシリケート膜の反応を起こすことなく、Hfシリケート上にTiO2膜を形成する。TiO2/Hfシリケート積層構造高誘電率膜を形成後、大気に晒すことなく、金属膜堆積室に搬送し、金属電極膜を形成する。
【0042】
一例として、TiN/TiO2/HfSiO/SiO2/Si構造を形成する場合の手順を記す。まず、基板は、例えば(100)面方位を有する単結晶シリコンからなり、さらにリンがドープされ、抵抗値が2から10Ω・cmの範囲に制御されたもの等を使用する。公知のRCA洗浄法などにより、基板表面の金属、有機物、パーティクル、自然酸化膜等を除去し、清浄なシリコン原子を表面に露出させ、酸化してシリコン酸化膜を形成する。この酸化の方法は、熱酸化法、ラジカル酸化法など良好なシリコン界面が得られる手法であればどんな手法でも良い。ただし、シリコン酸化膜の膜厚が厚すぎると低い酸化膜換算膜厚値が得られないため、1nmから2nm以下の膜厚であることが望ましい。
【0043】
こうして得られたシリコン酸化膜は、大気に晒されることなく、ロードロック室から搬送室を介して、金属膜堆積処理室に搬送する。搬送されたシリコン酸化膜上にスパッタ法によって、Hf膜を形成する。金属膜堆積処理室は、金属膜が酸化反応を生じ難い雰囲気であることが望ましい。例えば、スパッタを行う前に、スパッタを行う装置の処理容器内を超高真空に排気して、酸素や水などを極力排除することで、金属膜を酸化させないようにするのが良い。なおスパッタを行う装置の方式はECRスパッタ法の他、DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などのいかなる処理方式であっても良い。
【0044】
次に、Hf膜を形成した基板を、大気に晒すことなく、所望の加熱温度に達している熱処理室に搬送し、この基板が基板ホルダ−に設置された後、直ちに酸素を導入し、所定の時間の間、熱酸化処理を行い、HfSiO膜を形成する。ただし、シリコンと形成したHfSiO膜との間には、極力薄いシリコン酸化膜が存在するように金属膜堆積膜厚、加熱温度、処理酸素分圧、熱酸化処理時間を決定しなければならない。
【0045】
次にHfSiO膜を形成した基板を、大気に晒すことなく、熱処理室から搬送室を介して、金属膜堆積処理室に搬送する。搬送されたHfシリケート膜上にスパッタ法によって、Ti膜を形成する。金属膜堆積処理室は、金属膜が酸化反応を生じ難い雰囲気であることが望ましい。例えば、スパッタを行う前に、スパッタを行う装置の処理容器内を超高真空に排気して、酸素や水などを極力排除することで、金属膜を酸化させないようにするのが良い。なおスパッタを行う装置の方式はECRスパッタ法の他、DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などのいかなる処理方式であっても良い。
【0046】
さらに、HfSiO膜上にTi膜を形成した基板を、大気に晒すことなく、金属膜堆積処理室から搬送室を介して、所望の加熱温度に達している熱処理室に搬送し、この基板が基板ホルダ−に設置された後、直ちに酸素を導入し、所定の時間の間、熱酸化処理を行い、HfSiO膜上にTiO2膜を形成する。
【0047】
最後に、上述のようにして形成したTiO2/HfSiO積層高誘電率膜を、大気に晒すことなく、搬送室を介して、金属膜堆積処理室に搬送し、ターゲットをTiとし、反応性ガスN2を導入して、TiN膜を成膜する。
【実施例】
【0048】
本発明を適用した実施例として図1及び図2を用いて説明する。図1A〜図1Fにおいて、高誘電率膜の形成過程における構造が示されている。図1A〜図1Fにおいて、101はSi基板、102はシリコン酸化膜、103はHf金属膜、104はHfシリケート膜、105はTi膜、106はTiO2膜、107は金属電極膜(TiN膜)である。
【0049】
図2は、本発明に従って高誘電率膜を形成する半導体製造装置200の構造を示す図である。ロードロック室201は、図示していないゲートバルブによって、搬送室202と仕切られており、これにより搬送室202は大気から遮断されている。ロードロック室201は、自動基板搬送機構を備えており、搬送室202の真空状態を維持しつつ、処理前、処理後の基板の出し入れを行うことが可能である。搬送室202は、ロードロック室201を介した基板の出し入れのみならず、高い真空状態を維持し基板の酸化や不純物汚染を発生させることなく、スパッタ装置203と熱処理室204との間で基板を自動搬送する機能を果たす。スパッタ装置203は、ゲートバルブを介して、搬送室202と接続している。熱処理室204も同様に、ゲートバルブを介して、搬送室202と接続している。
【0050】
基板101は、直径200mm、P型単結晶シリコン基板を使用した。まず基板101表面をRCA洗浄により洗浄し、不純物や、自然酸化膜の除去を行った。次に基板101を図示しない急速熱酸化処理装置内に搬送し、酸素雰囲気中において1000℃の熱酸化を行った。これにより図1Aに示すように、基板101表面に膜厚1.6nmのシリコン酸化膜102が形成された。
【0051】
つづいて、基板101を図2に示したクラスター形の装置のロードロック室201に設置し、3.0×10-5[Pa]まで減圧したのちに、搬送室202を介して、DCマグネトロンスパッタ装置203に搬送した。スパッタ装置203のターゲットには、Hfを用いた。このスパッタ装置203は、基板102が搬送される前に1.0×10-6[Pa]以下に減圧されていることが望ましい。スパッタ装置203は、基板101に対して斜めにターゲットが設置されており、複数のターゲットを同時に搭載することが可能である。さらに基板101を設置する基板ホルダーは、任意の回転数で回転する機構になっている。
【0052】
つづいて、スパッタ装置203に20sccmの流量のアルゴンガスを導入し、スパッタ装置203室内圧力を0.02Paに保持した。
【0053】
つづいて、ターゲットに100WのDCを印加してプラズマを生成し、ターゲットを構成するHf原子のスパッタを行った。スパッタされたHf原子は、ターゲットに対向する位置に支持された基板101方向に飛来し、シリコン酸化膜102上に堆積することで金属膜103が形成される。この処理によって、図1Bに示すように膜厚0.5nmのHf膜103がシリコン酸化膜102上に形成された。
【0054】
その後、基板101を熱処理室204内に搬送した。基板搬送時にスパッタ処理によって堆積されたHf膜が酸化されないよう、搬送室202の雰囲気は、残留酸素が極めて少ない超高真空に制御されている。熱処理室204内に基板101が搬送される前は、酸素分圧1.0×10-8 [Pa]以下であり、酸素の吸着性の強いHf膜が搬送されても酸化しないようにされた。また、基板加熱機構は、所望の設定温度にしておく必要がある。本実施例では、850℃に設定した状態で基板101が搬送された。
【0055】
基板が搬送され、基板ホルダ−に設置した後、直ちに酸素を所望の圧力まで導入する。本実施例では、熱処理室204に10sccmの酸素ガスを導入し、熱処理室204室内圧力を0.1[Pa]に保持し、加熱酸化処理を行い、図1Cに示すように、金属シリケ−ト膜104として、Hfシリケ−ト膜を形成した。
【0056】
その後、再び基板101を、搬送室202を介してDCマグネトロンスパッタ装置203に搬送した。上述のようにして形成したHfシリケ−ト膜の表面上にカ−ボンに起因する不純物汚染が生じるのを防止し、Hfシリケ−ト膜の表面が酸化されないように、基板を搬送する搬送室202の雰囲気は、残留酸素が極めて少ない超高真空に制御されている。スパッタ装置203のタ−ゲットには、Tiを用いた。
【0057】
つづいて、スパッタ装置203内に20sccmの流量のアルゴンガスを導入し、スパッタ装置203室内圧力を0.02Paに保持した。スパッタされたTi原子は、タ−ゲットに対向する位置に支持された基板101方向に飛来し、Hfシリケ−ト膜104上に堆積することでTi膜105が形成される。この処理によって、図1Dに示すように膜厚0.5nmのTi膜105がHfシリケ−ト膜104上に形成された。
【0058】
その後、再び基板101を、搬送室202を介して、熱処理室204内に搬送した。このときスパッタ処理によって堆積されたTi膜が酸化されないよう、搬送室202の雰囲気は、残留酸素が極めて少ない超高真空であることが望ましい。熱処理室204内に基板101が搬送される前は、酸素分圧1.0×10-8 [Pa]以下であり、酸素の吸着性の強いTi膜が搬送されても酸化しない。また、基板加熱機構は、所望の設定温度にしておく必要がある。本実施例では、400℃に設定した状態で基板101が搬送された。
【0059】
基板が搬送され、基板ホルダ−に設置した後、直ちに酸素を所望の圧力まで導入する。本実施例では、熱処理室204に10sccmの酸素ガスを導入し、熱処理室204室内圧力を0.1[Pa]に保持し、加熱酸化処理を行い、図1Eに示すように、金属酸化膜106として、Ti酸化膜(TiO2又はTiOx)を形成した。
【0060】
その後、再び基板101を、搬送室202を介してDCマグネトロンスパッタ装置203に搬送した。上述のようにして形成したTiO2(又はTiOx)膜の表面が酸化されないように、基板搬送時の搬送室202の雰囲気は、残留酸素が極めて少ない超高真空に制御されている。スパッタ装置203のターゲットには、Tiを用いた。
【0061】
つづいて、スパッタ装置203内に20sccmの流量のアルゴンガスと15sccmの窒素ガスを窒化源として同時に導入し、スパッタ装置203内圧力を0.03Paに保持した。
【0062】
つづいて、ターゲットに1000WのDCを印加してプラズマを生成し、ターゲットを構成するTi原子のスパッタを行った。反応性ガスを用いているので、図1Fに示すように、金属酸化膜(TiO2又はTiOx))106上には、金属電極膜107として、TiN膜が形成される。
【0063】
図3Aにおいて、本手法を用いて形成した高誘電率膜と金属電極材料との積層構造のC−V特性を示している。この図より、酸化膜換算膜厚値が0.95nm、ヒステリシスの値が20mV以下の優れた電気特性が得られていることが分かる。図3Bは、本手法を用いて形成した高誘電率膜と金属電極材料との積層構造のEOT-Ig特性(シリコン酸化膜厚換算値−リーク電流)を示す。図3Bより、従来の構造シリコン酸化膜とポリシリコン電極と比較して、リーク電流値Igを6桁低くすることができることが分かる。
【0064】
図4Aにおいて、1)本スパッタリング手法を用いて形成した積層構造と、2)HfとTi ターゲットを同時堆積(コスパッタリング)してHfTi膜をシリコン酸化膜上に形成してその後加熱酸化処理を施して形成した高誘電率膜(HfSiO, TiOx)と金属電極材料との積層構造と、3)シリコン酸化膜上にHf/Tiを順次スパッタリングで積層構造にて堆積した後に加熱酸化処理を施して形成した高誘電率膜(HfSiO, TiOx)と金属電極材料との積層構造とを用いて、それぞれのEOT-Ig特性(シリコン酸化膜厚換算値−リーク電流)を比較した結果を示している。明らかに、三角印で示す1)手法を用いて形成した積層構造によって、EOTの薄層化とEOT-Ig特性の向上が可能であることが分かる。なお、2)に示したHfとTiを同時堆積する場合のHfとTiターゲットの比率は、少なくともHf:Ti=1:1,3:2,7:3,85:15の4種類が可能である。四角印で示す2)、丸印で示す3)の製造方法も金属原子が酸化反応を生じ難い雰囲気において金属ターゲットをスパッタリングして堆積しているので、図4Aに示すように、従来の手法よりも優れた結果のIg及びEOTとなっている。
【0065】
また、図4Bにおいて、本手法を用いて形成した構造において、TiOx膜形成温度依存性を比較したEOT-Ig特性を示している。TiOx膜形成温度が500℃以下であると、EOT<1nm、低リーク電流が得られている。
【0066】
図5において、本手法を用いて形成した積層構造において、TiOx膜の形成温度が400℃と850℃の場合の試料を用いて基板の裏面からXPS分析を行った結果を示している。図5AはTiOx膜の形成温度が400℃の場合を示し、図5BはTiOx膜の形成温度が850℃の場合を示している。明らかに850℃の試料において、Hfシリケート膜中にTiOxのピークが見られている。TiOx絶縁膜形成温度が400℃以下であると、Hfシリケート膜中にTiの拡散がないTiOx/Hfシリケート膜が形成できる。400℃以下の低温でTiOx絶縁膜を形成することによって、リークパスの形成や界面準位密度の増大を防止することができ、電気特性の劣化を防止することができる。
【0067】
さらに、図6において、TiOx膜形成温度が、400℃、600℃の場合の試料においてのC-V特性の周波数依存性を示している。図6AはTiOx膜形成温度が400℃の場合を示し、図6BはTiOx膜形成温度が600℃の場合を示している。600℃の試料において、周波数分散が大きいことが分かった。つまり、絶縁膜形成温度が600℃より低い温度であると、周波数分散が小さい曲線を得ることができる。
【0068】
本発明において、EOT<1nm, 低リーク電流, ヒステリシス<20mVとさらに周波数分散の少ない良好な電気特性を実現することができる。
【0069】
上記説明において、TiN/TiOx/HfSiO/SiO2/Si構造について説明したが、本発明の範囲においては、成膜する金属電極膜の種類を限定するものではない。
【0070】
金属電極の材料は、Ta,Ru,Hf等の金属、TiN,HfN,TaN等の金属窒化物、RuTa,HfTa等の金属合金、HfSi,TaSi等の金属半導体合金、TaSiN等の金属半導体合金窒化物、または、前述した膜から成る積層体、例えばHf/TaN/TiN,Ru/Ta/TaNであっても良い。
【0071】
本発明によって製造された高誘電率膜を含むMOS−FET70を図7に示す。P型シリコン基板71にnドレイン電極72、nソース電極73及び反転層(チャネル)領域75が形成されており、反転層領域75上に本発明により形成された高誘電率層TiOx/HfSiO/SiO2層74が配置され、高誘電率層74上に金属電極TiN(又は他の金属)76が形成されており、ゲート電極になっている。TiOx/HfSiO/SiO2層は、SiO2膜上にHf膜形成、熱酸化処理によるHfSiO2膜形成、HfSiO2膜上にTi膜形成、熱酸化処理によるTiO2膜形成を、好適な実施例として採用される。しかし、上述の他に、TiとHfのコスパッタリング堆積後の熱酸化処理、TiとHfの順次スパッタリング堆積後の熱酸化処理によっても金属原子が酸化反応を生じ難い雰囲気で金属をスパッタリング堆積することも仕様に応じ可能である。又、SiO2層の代わりにSiON層を用いることができることは前述したとおりである。
【0072】
本発明によるMOS電界効果トランジスタの製造方法は、シリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜上に第1の高誘電率膜を形成し、第1の高誘電率膜と異なる比誘電率を有する第2の高誘電率膜を形成し、そして、上記第2の高誘電率膜上に金属電極材料を形成することからなり、少なくとも上記第1と第2の高誘電率膜の形成は、大気に晒すことなく連続的に行うことを特徴する。
【0073】
第1と第2の高誘電率膜がゲート絶縁膜であり、金属電極材料がゲート電極である。
実施例では、第1の高誘電率膜がHfを含む酸化膜であり、第2の高誘電体膜がTiを含む酸化膜であり、金属電極材料は、Zr,C,Hf,Ta,Ti,Al,Ru,Si,Ni,Pt,Ir,Er,Yb,La,Dy,Y,Gd,Co及びWからなるグループから選択された1種又は2種以上の金属元素を含有する。
実施例では、第1の高誘電率膜がHfSiOであり、第2の高誘電体膜がTiO2である。
【0074】
上記のごとく、上述の具体例は、本発明の範囲を限定しようとするものではなく、本開示の観点において、前出発明の請求範囲の主題内容に対応すべく前述の諸具体例を拡大してよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1A】本発明の方法を使って、形成した高誘電率膜と金属電極膜との積層構造の概略図である。
【図1B】本発明の方法を使って、形成した高誘電率膜と金属電極膜との積層構造の概略図である。
【図1C】本発明の方法を使って、形成した高誘電率膜と金属電極膜との積層構造の概略図である。
【図1D】本発明の方法を使って、形成した高誘電率膜と金属電極膜との積層構造の概略図である。
【図1E】本発明の方法を使って、形成した高誘電率膜と金属電極膜との積層構造の概略図である。
【図1F】本発明の方法を使って、形成した高誘電率膜と金属電極膜との積層構造の概略図である。
【図2】本発明の方法を実施するための装置構成図である。
【図3A】本発明の方法で得られた高誘電率膜の電気特性の結果図である。
【図3B】本発明の方法で得られた高誘電率膜の電気特性の結果図である。
【図4A】本発明の異なる実施例で形成した高誘電率膜の積層構造を比較した解析結果である。
【図4B】本発明の異なる実施例で形成した高誘電率膜の積層構造を比較した解析結果である。
【図5A】本発明の方法を用いて、TiOx膜形成温度依存性を比較した解析結果である。
【図5B】本発明の方法を用いて、TiOx膜形成温度依存性を比較した解析結果である。
【図6A】本発明の方法を用いて、TiOx膜形成温度依存性を比較した電気特性の結果図である。
【図6B】本発明の方法を用いて、TiOx膜形成温度依存性を比較した電気特性の結果図である。
【図7】本発明によって形成された高誘電率膜をゲート絶縁膜として含むMOS-FETを示す図である。
【符号の説明】
【0076】
101…シリコン基板
102…シリコン酸化膜
103…Hf金属膜
104…Hf金属シリケート膜
105…Ti金属膜
106…TiOx膜
107…金属電極膜
201…ロードロック室
202…搬送室
203…スパッタ装置
204…熱処理室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜上に第1の高誘電率膜を形成し、
前記第1の高誘電率膜と異なる比誘電率を有する第2の高誘電率膜を形成し、そして、
前記第2の高誘電率膜上に金属電極材料を形成することからなる高誘電率層の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記第1の高誘電率膜の形成は、
金属原子が酸化反応を生じ難い雰囲気中において、金属ターゲットを用いたスパッタ法により、シリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜上に第1の金属膜を堆積する第1の工程と、
前記第1の金属膜とシリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜を加熱酸化処理することよって、前記第1の高誘電率膜を形成する第2の工程からなることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、前記第1及び第2の工程は、前記スパッタ堆積された第1の金属膜及び形成された第1の高誘電率膜を大気に晒すことなく、連続的に行われることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、前記第1の工程で堆積される金属は、
少なくともハフニウムを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項2記載の方法において、前記第2の工程は、
加熱温度500℃以上900℃以下で行うことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項2記載の方法において、前記第2の工程は、
500℃以上900℃以下の加熱温度と酸化処理圧力が1×10-3[Pa]以上10[Pa]以下で行うことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記第2の高誘電率膜の形成は、
金属原子が酸化反応を生じ難い雰囲気中において、金属ターゲットを用いたスパッタ法により、前記第1の高誘電率膜上に第2の金属膜を堆積する第3の工程と、
前記第2の金属膜を加熱酸化処理することによって、第2の高誘電率膜を形成する第4の工程からなることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、前記第3及び第4工程は、前記第2の金属膜及び形成された第2の高誘電率膜を大気に晒すことなく、連続的に行われることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項7記載の方法において、前記第3の工程で堆積される金属は、
少なくともチタニウムを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項7記載の方法において、前記第4の工程は、
加熱温度200℃以上400℃以下で行うことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項7記載の方法において、前記第4の工程は、
200℃以上400℃以下の加熱温度と酸化処理圧力が1×10-3[Pa]以上10[Pa]以下で行うことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1記載の金属電極膜は、
酸素、窒素または、亜酸化窒素あるいは酸素、窒素同時導入可能な堆積装置で、反応性スパッタ法で形成されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1記載の金属電極膜は、
少なくとも2つ以上のカソードを同時放電することにより形成された2元系以上の金属混合膜であることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1記載の金属電極膜は、Zr,C,Hf,Ta,Ti,Al,Ru,Si,Ni,Pt,Ir,Er,Yb,La,Dy,Y,Gd,Co及びWからなるグループから選択された1種又は2種以上の金属元素を含有することを特徴とする方法。
【請求項15】
金属原子が酸化反応を生じ難い雰囲気中において、異なる金属ターゲットを用いたコスパッタ法により、シリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜上に金属混合膜を堆積するステップ1と、
前記金属混合膜を加熱酸化するステップ2と、
前記加熱酸化処理を行って形成した高誘電率膜上に金属電極材料を形成するステップ3を含む方法において、
前記ステップが連続的に行われることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記ステップ1の工程により堆積される金属は、
少なくともハフニウム或いはチタニウムのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項15記載のステップ2の工程は、
加熱温度500℃以上900℃以下で行うことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項15記載のステップ2の工程は、
500℃以上900℃以下の加熱温度と酸化処理圧力が1×10-3[Pa]以上10[Pa]以下で行うことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項15記載のステップ3における金属電極膜は、
酸素、窒素または、亜酸化窒素あるいは酸素、窒素同時導入可能な堆積装置で、反応性スパッタ法で形成されることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項15記載のステップ3における金属電極膜は、少なくとも2つ以上のカソードを同時放電することにより形成された2元系以上の金属混合膜であることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項15記載のステップ3における金属電極膜は、Zr,C,Hf,Ta,Ti,Al,Ru,Si,Ni,Pt,Ir,Er,Yb,La,Dy,Y,Gd,Co及びWからなるグループから選択された1種又は2種以上の金属元素を含有することを特徴とする方法。
【請求項22】
金属原子が酸化反応を生じ難い雰囲気中において、異なる金属ターゲットを用いたスパッタ法により、シリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜上に金属積層膜を堆積するステップ1と、
前記金属積層膜を加熱酸化するステップ2と、
前記加熱酸化処理を行って形成した高誘電率膜上に金属電極材料を形成するステップ3を含む方法において、
前記のステップが連続的に行われることを特徴とする方法。
【請求項23】
前記ステップ1の工程により堆積される金属は、
少なくともハフニウム或いはチタニウムのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項22に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項24】
請求項22記載のステップ2の工程は、
加熱温度500℃以上900℃以下で行うことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項22記載のステップ2の工程は、
500℃以上900℃以下の加熱温度と酸化処理圧力が1×10-3[Pa]以上10[Pa]以下で行うことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項22記載のステップ3における金属電極膜は、
酸素、窒素または、亜酸化窒素あるいは酸素、窒素同時導入可能な堆積装置で、反応性スパッタ法で形成されることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項22記載のステップ3における金属電極膜は、
少なくとも2つ以上のカソードを同時放電することにより形成された2元系以上の金属混合膜であることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項22記載のステップ3における金属電極膜は、Zr,C,Hf,Ta,Ti,Al,Ru,Si,Ni,Pt,Ir,Er,Yb,La,Dy,Y,Gd,Co及びWからなるグループから選択された1種又は2種以上の金属元素を含有することを特徴とする方法。
【請求項29】
MOS電界効果トランジスタの製造方法は、
シリコン酸化膜またはシリコン酸窒化膜上に第1の高誘電率膜を形成し、
前記第1の高誘電率膜と異なる比誘電率を有する第2の高誘電率膜を形成し、そして、
前記第2の高誘電率膜上に金属電極材料を形成することからなり、
少なくとも前記第1及び第2の高誘電率膜の形成は、大気に晒すことなく連続的に行うことを特徴するMOS電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項30】
前記第1と第2の高誘電率膜がゲート絶縁膜であり、
前記金属電極材料がゲート電極であることを特徴とする請求項29記載のMOS電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項31】
前記第1の高誘電率膜がHfを含む酸化膜であり、前記第2の高誘電体膜がTiを含む酸化膜であり、前記金属電極材料は、Zr,C,Hf,Ta,Ti,Al,Ru,Si,Ni,Pt,Ir,Er,Yb,La,Dy,Y,Gd,Co及びWからなるグループから選択された1種又は2種以上の金属元素を含有することを特徴とする請求項29記載のMOS電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項32】
前記第1の高誘電率膜がHfSiOであり、前記第2の高誘電体膜がTiO2であることを特徴とする請求項29記載のMOS電界効果トランジスタの製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−16670(P2009−16670A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178723(P2007−178723)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年3月27日 社団法人 応用物理学会発行の「2007年(平成19年)春季 第54回応用物理学関係連合講演会予稿集 第0分冊」に発表
【出願人】(000227294)キヤノンアネルバ株式会社 (564)
【Fターム(参考)】