半導体装置、および半導体装置の製造方法
【課題】シリンダ型下部電極の剥がれ落ちを防止する、半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】複数の第1の開口を有するコア絶縁膜を半導体基板上に形成し、複数の第1の開口の側面を導電膜で覆う、シリンダ状の複数の下部電極を形成し、少なくとも複数の下部電極間のコア絶縁膜の上面を覆うサポート膜を形成し、サポート膜を用いて少なくとも複数の下部電極が形成される領域の外側を除去したマスク膜を形成し、マスク膜を形成した後、複数の下部電極間の一部にコア絶縁膜が残るように、コア絶縁膜に対して等方性エッチングを行うものである。
【解決手段】複数の第1の開口を有するコア絶縁膜を半導体基板上に形成し、複数の第1の開口の側面を導電膜で覆う、シリンダ状の複数の下部電極を形成し、少なくとも複数の下部電極間のコア絶縁膜の上面を覆うサポート膜を形成し、サポート膜を用いて少なくとも複数の下部電極が形成される領域の外側を除去したマスク膜を形成し、マスク膜を形成した後、複数の下部電極間の一部にコア絶縁膜が残るように、コア絶縁膜に対して等方性エッチングを行うものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタを有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの携帯端末の普及に伴って、携帯端末に搭載される半導体装置に対して低消費電力の要求が高まり、半導体装置の動作電源電圧が低電圧化される傾向にある。低電源電圧の安定供給の必要性から、半導体装置内の電源供給ラインに補償容量素子が設けられている。
【0003】
補償容量素子として、メモリセル領域と同じ構造のキャパシタを適用する技術が、特開2010−67661号公報(以下では、特許文献1と称する)に開示されている。特許文献1の技術のようにメモリセル用の立体構造キャパシタを補償容量素子に適用することで、補償容量素子の配置面積を削減できる。
【0004】
補償容量素子のキャパシタにクラウン型キャパシタを適用すれば、補償容量素子が形成される領域(以下では、補償容量領域と称する)の面積をさらに縮小できるが、クラウン型キャパシタが製造過程で倒壊してしまうおそれがある。この問題に対して、クラウン型キャパシタの倒壊を防止する技術の一例が、特開2003−297952号公報(以下では、特許文献2と称する)に開示されている。特許文献2に開示された技術では、ガードリング+サポート膜によって製造工程中のクラウン型下部電極の倒壊を防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−67661号公報
【特許文献2】特開2003−297952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
補償容量領域の面積をさらに縮小するために、ガードリングを設けずに、キャパシタを連結するサポート膜のみでキャパシタを支持する構造が検討されている。
【0007】
メモリセル領域では多数のクラウン型電極が1つのまとまった領域に配置されているので、サポート膜による連結のみでキャパシタの倒壊を防げる。一方、補償容量領域でも、メモリセル領域におけるキャパシタの数よりも少ないが、1万個程度の数のキャパシタを配置することで、ガードリング無しで、サポート膜による連結のみでキャパシタの倒壊を防げる。以下では、ガードリング無しで形成されるクラウン型キャパシタを、ガードリングレス構造のクラウン型キャパシタと称する。
【0008】
本願発明者は、ガードリングレス構造のクラウン型キャパシタの補償容量素子への適用を検討したところ、キャパシタの倒壊とは別の課題を見出した。クラウン型キャパシタの製造工程を通して、以下に、その課題を説明する。
【0009】
クラウン型キャパシタの製造工程を7つの工程に分けて簡単に説明する。(1)半導体基板にMOSトランジスタなどの素子を形成した後、半導体基板上にシリンダ形成用酸化膜(以下では、コア酸化膜と称する)を形成し、(2)コア酸化膜の上にサポート膜として窒化膜を形成する。続いて、(3)コア酸化膜およびサポート膜にシリンダ孔を形成した後、(4)シリンダ孔の壁面を導電膜で覆ってシリンダ型下部電極を形成する。そして、(5)サポート膜にパターニングを行って、サポート膜に一定の間隔で配置される開口パターンを形成する。さらに、(6)サポート膜をマスクにして湿式エッチングを行ってコア酸化膜を除去する。その後、(7)シリンダ型下部電極の露出面を容量膜で覆い、シリンダ型下部電極間の隙間を導電膜で埋め込んで上部電極を形成する。
【0010】
上記の工程(6)から工程(7)の間に、湿式エッチングの薬液を洗い落とすために半導体基板に洗浄工程を行う。洗浄工程の際、シリンダ型下部電極には倒れないことが要求される。洗浄工程では、水流によってシリンダ型下部電極に横から力が働くことになるが、シリンダ型下部電極の上部はサポート窒化膜で連結されているので、個々にシリンダ型下部電極が倒壊してしまうのを防止することができる。
【0011】
一方、シリンダ型下部電極の下方ではシリンダ型下部電極の底部がパッドと接触しているのみであり、メモリセル領域と比較して、補償容量領域では、シリンダ型下部電極の底部のパターンに相当するマットの面積が小さいため、シリンダ型下部電極と下層との密着力が弱く、下部電極が形成された加工膜の剥がれ落ちが生じてしまうおそれがある。この加工膜の剥がれ落ちは、「マット飛び」と呼ばれており、補償容量素子が形成されないという問題の原因となる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上に、複数の第1の開口を有するコア絶縁膜を形成し、
前記複数の第1の開口の側面を導電膜で覆う、シリンダ状の複数の下部電極を形成し、
少なくとも前記複数の下部電極間の前記コア絶縁膜の上面を覆うサポート膜を形成し、
前記サポート膜を用いて、少なくとも前記複数の下部電極が形成される領域の外側を除去したマスク膜を形成し、
前記マスク膜を形成した後、前記複数の下部電極間の一部に前記コア絶縁膜が残るように、前記コア絶縁膜に対して等方性エッチングを行うものである。
【0013】
本発明によれば、コア絶縁膜の除去工程では、コア絶縁膜に対する上からのエッチングを保護することで、コア絶縁膜が横から等方性エッチングされ、頂部よりも底部が広くなるようにコア絶縁膜を残すことが可能となる。そのため、複数の下部電極の下部を支持するコア絶縁膜により下層との密着性が向上する。
【0014】
本発明の半導体装置は、
シリンダ状の複数の下部電極と、
前記複数の下部電極のうち、一部の下部電極間に設けられたコア絶縁膜と、
前記複数の下部電極の内壁面および外壁面のうち、前記コア絶縁膜と接触する部位を除く領域を覆う容量絶縁膜と、
前記容量絶縁膜を介して前記複数の下部電極の内部および下部電極間の隙間を埋める上部電極と、を有し、
前記コア絶縁膜の積層方向の断面が頂部より底部が広い山型形状である。
【0015】
本発明によれば、下部電極の数が少なくて、複数の下部電極の下層との接触面積が小さくても、複数の下部電極を下部で支持するコア絶縁膜により下層との密着性が向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数のシリンダ型下部電極の下層との接触面積が小さくても、洗浄工程などで、下部電極が剥がれ落ちてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態の半導体装置の主要部を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の半導体装置のチップにおけるレイアウトを示す平面図である。
【図3】図2に示した領域Fを拡大した平面図である。
【図4】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図5】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図6】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の平面図である。
【図7】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図8】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図9】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の平面図である。
【図10】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図11】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図12】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の平面図である。
【図13】図12に示した線分A1−A1の部位に相当する断面図である。
【図14】図12に示した線分A2−A2の部位に相当する断面図である。
【図15】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図16】第2の実施形態におけるサポート膜の一例を示す平面図である。
【図17】図16に示した線分B2−B2の部位に相当する断面図である。
【図18】図16に示した線分B1−B1の部位に相当する断面図である。
【図19】第2の実施形態におけるサポート膜の他の例を示す平面図である。
【図20】図19に示した線分C−Cの部位に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
本実施形態の半導体装置の構成を説明する。本実施形態の半導体装置はDRAMである。図1は本実施形態の半導体装置の主要部を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、半導体装置50は、複数のメモリセル70を含むメモリセルアレイ51aと、Xデコーダ61と、Yデコーダ62と、各デコーダに内部電源電圧を供給する内部電源回路60とを有する。
【0020】
メモリセルアレイ51aは複数のワード配線WLと複数のビット配線BLとを備え、ワード配線WLとビット配線BLとが交差する点に、メモリセル70が設けられている。メモリセル70は、データ保持用のキャパシタと、選択用のMOSトランジスタとを有する構成である。
【0021】
内部電源回路60には、半導体装置50の外部から外部電源電位Vccおよび接地電位GNDが供給され、内部電源回路60は、外部電源電位Vccを所定の電圧にまで低下(降圧)させた内部電源電圧を生成し、内部電源電圧をXデコーダ61およびYデコーダ62に供給する。
【0022】
図1に示すように、内部電源回路60からXデコーダ61およびYデコーダ62に内部電源電圧を供給する配線の途中には、配線と接地電位GNDとの間に補償容量素子65が設けられている。補償容量素子65によって、内部電源回路60からXデコーダ61およびYデコーダ62に供給される内部電源電圧の変動が抑制される。
【0023】
Xデコーダ61とメモリセルアレイ51aの間にX制御回路63aが設けられている。X制御回路63aはメモリセルアレイ51aの複数のワード配線WLと接続されている。Yデコーダ62とメモリセルアレイ51aの間にY制御回路63bが設けられている。Y制御回路63bには、メモリセルアレイ51aの複数のビット配線BLに対応して複数のセンスアンプ回路64が設けられ、複数のビット配線BLのそれぞれが複数のセンスアンプ回路64のそれぞれと接続されている。
【0024】
データの読み出し動作時に、図に示さない信号線を介して外部からXデコーダ61にアドレス信号が入力されると、X制御回路63aは、Xデコーダ61から入力されるアドレス信号に対応して、複数のワード配線WLのうち1つのワード配線WLを選択する。また、図に示さない信号線を介して外部からYデコーダ62にアドレス信号が入力されると、Y制御回路63bは、Yデコーダ62から入力されるアドレス信号に対応して、複数のビット配線BLのうち1つのビット配線BLを選択する。1つのワード配線WLおよび1つのビット配線BLが選択されることで、これらの配線の交点に設けられたメモリセル70が選択される。そして、選択されたメモリセル70のキャパシタに保持されているデータは、ビット配線BLを介してセンスアンプ回路64に入力され、センスアンプ回路64で信号電圧が増幅された後、図に示さない信号線を介して外部に出力される。
【0025】
次に、本実施形態の半導体装置のチップにおけるレイアウトについて説明する。図2は本実施形態の半導体装置のチップ上のレイアウトを示す平面図である。
【0026】
図2に示すように、半導体装置50上には複数のメモリセル領域51が配置されている。各メモリセル領域51は図1に示したメモリセルアレイ51aを含んでいる。メモリセル領域51を囲むように周辺回路領域52が配置されている。周辺回路領域52には、メモリセルアレイ以外の回路ブロックが配置される。メモリセルアレイ以外の回路ブロックには、センスアンプ回路やデコーダ回路が含まれる。図1を参照して説明すると、Xデコーダ61、Yデコーダ62および内部電源回路60だけでなく、補償容量素子65も、メモリセルアレイ以外の回路ブロックに含まれる。なお、図2に示すレイアウトは一例であり、メモリセル領域51の数や配置は図2に示すレイアウトに限定されない。
【0027】
周辺回路領域52内の一部に補償容量領域53a,53bが設けられ、補償容量領域53a,53bには、図1に示した補償容量素子65が配置されている。後で詳しく説明するが、補償容量領域53a,53bには、メモリセル領域51に形成されるクラウン型キャパシタと同様な構造のキャパシタが設けられている。周辺回路領域52には、要求される容量値や領域の制約によって、大きいマットの補償容量領域53aと、小さいマットの補償容量領域53bとがある。小さいマットの補償容量領域53bでは、その形成工程中にマット飛びが生じ易い。
【0028】
これは、小さいマットの補償容量領域53bでは、洗浄工程の水流による横方向の力に対して、個々の下部電極はサポート膜を介して相互に支持するため、個々に下部電極が倒壊することはないが、マットの面積が小さいと、下部電極の数が少ないので、下部電極と下層との密着力が弱いためである。
【0029】
次に、メモリセル領域51と、小さいマットの補償容量領域53bを含む周辺回路領域52の一部とを比較して、それぞれの領域におけるキャパシタのレイアウトを説明する。図3は、図2に示した領域Fを拡大した平面図である。
【0030】
図3に示すように、メモリセル領域51内には、複数のキャパシタC1が配置されている。図1に示したメモリセル70毎にキャパシタC1が設けられている。キャパシタC1はクラウン型の電極を備えている。クラウン型の電極とは、シリンダ形状(コップ形状、筒形状)に形成した電極の外壁面と内壁面の双方をキャパシタ電極として使用する電極構造を指す。メモリセル領域51におけるキャパシタの配置方法として、一般的に、8F2型、6F2型、4F2型等と称されるレイアウトのいずれを適用してもよい。クラウン型の電極構造を有するキャパシタをクラウン型キャパシタと称する。
【0031】
図3に示すように、補償容量領域53bには、複数のキャパシタC2が配置されている。複数のキャパシタC2で補償容量素子65が構成される。本実施形態の半導体装置50では、補償容量素子65のキャパシタC2の電極構造もメモリセル70のキャパシタC1と同様にクラウン型の電極構造である。
【0032】
ただし、補償容量領域53bに配置された補償容量素子65は、複数のキャパシタC2の下部電極および上部電極がそれぞれ共通に接続された構成である。そのため、この補償容量素子65は、複数のキャパシタC2のそれぞれの容量が1つになって、大きな静電容量を有する。補償容量領域53bのキャパシタC2とメモリセル領域51のキャパシタC1の電極構造は共通しているが、補償容量素子65とキャパシタC1とは容量の大きさが異なっている。
【0033】
次に、本実施形態の半導体装置におけるキャパシタの製造方法を詳しく説明する。図4から図15は本実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図および平面図である。
【0034】
以下では、メモリセル領域51に設けられるキャパシタC1と、周辺回路領域52に設けられる補償容量素子65を構成する複数のキャパシタC2のうち、小さいマットの補償容量領域53bに設けられるキャパシタC2とを比較する。また、本実施形態の半導体装置において特徴となる構造を、製造方法の説明の過程で説明する。
【0035】
図4を参照して、キャパシタ形成工程前までの構成を簡単に説明する。図4は、図3に示した線分A1−A1の部位に相当する断面構造であるが、キャパシタを形成する前の構造を示している。
【0036】
P型シリコン(Si)からなる半導体基板1にSTI(Shallow Trench Isolation)法によって素子分離2を形成している。素子分離2によって半導体基板1に区画された領域が活性領域となり、活性領域にMOSトランジスタが形成されている。本実施形態では、MOSトランジスタがプレーナ型MOSトランジスタである場合で説明する。MOSトランジスタは、溝型ゲート電極を有するMOSトランジスタや、縦型MOSトランジスタであってもよい。
【0037】
周辺回路領域52においては、後で形成される補償容量素子65の下方にMOSトランジスタが配置されている。このような構造にすることで、半導体チップ上の回路の占有面積を削減することができる。なお、補償容量素子65の下方にMOSトランジスタを配置しない構造にも、本発明を適用することが可能である。
【0038】
メモリセル領域51の活性領域には、ゲート絶縁膜3aと、ゲート絶縁膜3aの上に形成されたゲート電極6aと、半導体基板1の表面近傍に導入された不純物拡散層7aと、ゲート電極6aの側面に形成されたサイドウォール膜8aとが設けられている。ゲート電極6aは、ゲート導電膜4aと保護絶縁膜5aの積層体をパターニングして形成されたものである。
【0039】
周辺回路領域52には、メモリセル領域51と同様に、ゲート絶縁膜3bと、ゲート絶縁膜3bの上に形成されたゲート電極6bと、半導体基板1の表面近傍に導入された不純物拡散層7bと、ゲート電極6bの側面に形成されたサイドウォール膜8bとが設けられている。ゲート電極6bは、ゲート導電膜4bと保護絶縁膜5bの積層体をパターニングして形成されたものである。
【0040】
不純物拡散層7a,7bはN型導電性不純物が半導体基板1に拡散して形成されたものである。サイドウォール膜8a,8bは絶縁膜で形成されている。ゲート電極6a,6bはワード配線WLとして機能する。不純物拡散層7aはメモリセル領域51のMOSトランジスタのソース電極およびドレイン電極として機能し、不純物拡散層7bは周辺回路領域52のMOSトランジスタのソース電極およびドレイン電極として機能する。
【0041】
なお、周辺回路領域52には、MOSトランジスタの例として、Nチャネル型MOSトランジスタのみを示したが、半導体基板1内にN型ウェル層を形成して、そこにPチャネル型MOSトランジスタを設けてもよい。
【0042】
ゲート絶縁膜3a,3bの材料の一例として、酸化シリコン膜(SiO2)がある。ゲート導電膜6a,6bの材料の例として、リンを含有した多結晶シリコン膜、タングステン(W)膜、およびタングステンシリサイド(WSi)膜の中のいずれか、または、これらの膜から2以上の膜を組み合わせて積層した積層膜がある。保護絶縁膜5a,5bおよびサイドウォール絶縁膜8a,8bの材料に一例として、窒化シリコン膜(Si3N4)がある。
【0043】
ゲート電極6a,6bを覆うように、第1層間絶縁膜9が酸化シリコン膜等の絶縁膜で形成されている。ここでは、第1層間絶縁膜9の上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法で研磨し、第1層間絶縁膜9の上面を平坦化している。
【0044】
メモリセル領域51の不純物拡散層7aに接続されるセルコンタクトプラグ10a,11aが、リンを含有した多結晶シリコン膜等の導電膜で形成されている。セルコンタクトプラグ11aの形成には、ゲート電極6aを用いたSAC法(Self Alignment Contact;自己整合法)を利用することができる。周辺回路領域52の不純物拡散層7bに接続される周辺コンタクトプラグ11bが、タングステン膜等の導電膜で形成されている。
【0045】
メモリセル領域51において、MOSトランジスタのソース電極およびドレイン電極のうち、いずれか一方とセルコンタクトプラグ10aを介して接続されるビット配線12が形成されている。ビット配線12の材料の一例として、窒化タングステン(WN)とタングステン(W)の積層体がある。
【0046】
ビット配線12の形成と同時に、周辺回路領域52には、MOSトランジスタのソース電極およびドレイン電極のそれぞれが周辺コンタクトプラグ11bを介して接続される周辺配線13が形成される。図に示していないが、周辺回路領域52のゲート導電膜4bに接続されるコンタクトプラグおよび配線層も周辺配線13と同時に形成してもよい。
【0047】
ビット配線12および周辺配線13を覆うように、第2層間絶縁膜14が酸化シリコン膜等の絶縁膜で形成されている。第2層間絶縁膜14の上面は、CMP法によって研磨され、平坦化されている。メモリセル領域51では、第2層間絶縁膜14を貫通し、セルコンタクトプラグ11aに接続される容量コンタクトプラグ15がタングステン膜等の導電膜で形成されている。
【0048】
メモリセル領域51の第2層間絶縁膜14の上にはパッド20が設けられ、周辺回路領域52の第2層間絶縁膜14の上には導電膜のパッド22が設けられている。パッド20およびパッド22は、窒化タングステン(WN)膜およびタングステン(W)膜を順次堆積した積層体をパターニングして形成されている。パッド20は、容量コンタクトプラグ15に接続されている。
【0049】
周辺回路領域52のパッド22は、補償容量素子65が設けられる補償容量領域53a,53bに配置されている。パッド22は、メモリセル領域51のパッド20とは異なり、補償容量素子用の各キャパシタの下部電極間を接続するための、1つの大きいパターンとして形成されている。なお、以下の製造方法の説明においては、補償容量素子のブロックが1つだけ配置されている場合を断面図として示す。
【0050】
パッド20,22を覆うように、ストッパ膜25が設けられている。ストッパ膜25は、LP−CVD(Low Pressure - Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて、膜厚が40〜100nm程度の窒化シリコン膜を堆積することで形成されている。ストッパ膜25は、クラウン型電極を形成する際に行われる、後述の湿式エッチングにおいて、使用する薬液が下方に浸透することを防止するためのストッパとして機能する。
【0051】
次に、図4に示した構造に対する次の工程を、図5を参照して説明する。図4に示したストッパ膜25上に、膜厚が1〜2μm程度の第3層間絶縁膜26と、膜厚が50〜150nm程度のサポート膜27とを順次堆積する。第3層間絶縁膜26がコア絶縁膜に相当する。
【0052】
第3層間絶縁膜26の材料の例として、酸化シリコン膜、不純物を含有したBPSG膜のいずれか、または、これらの絶縁膜の積層膜がある。第3層間絶縁膜26を酸化シリコン膜で形成した場合がコア酸化膜に相当する。サポート膜27の材料の一例として、LP−CVD法またはALD法を用いて堆積した窒化シリコン膜がある。サポート膜27は、クラウン型電極を形成する際の湿式エッチングにおいて、電極が倒壊しないように支持する機能を有する。
【0053】
その後、図5に示すように、異方性ドライエッチングを選択的に行って、サポート膜27、第3層間絶縁膜26およびストッパ膜25を貫通する開孔28a,28bを形成する。開孔28aはメモリセル領域51に形成され、開孔28bは周辺回路領域52に形成される。エッチングを選択的に行う方法の一例として、リソグラフィ工程によるレジストマスクを用いる方法が知られており、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図6は、図5を参照して説明した工程で開孔を形成した後に、メモリセル領域および周辺回路領域を上から見たときの平面図である。図6に示す線分A1−A1の部位が図5に示した断面に相当する。
【0055】
メモリセル領域51の開孔28aによって、メモリセル70に用いられるキャパシタC1の下部電極の位置が規定される。周辺回路領域52の開孔28bによって、補償容量素子65に用いられるキャパシタC2の下部電極の位置が規定される。各開孔28a,28bの底部ではパッド20,22の上面が露出している。
【0056】
第3層間絶縁膜26の膜厚によってキャパシタC1,C2の高さが規定され、静電容量に反映される。第3層間絶縁膜26の膜厚を厚くするほど、静電容量が増加するが、開孔28a,28bの加工が困難になる。そのため、開孔28a,28bのアスペクト比が15〜25程度となるように、第3層間絶縁膜26の膜厚を設定することが好ましい。
【0057】
図6を参照すると、周辺回路領域52では、1つの大きいパッド22に対して、複数の開孔28bが設けられている。メモリセル領域51では、個々の開孔28aに対応して、それぞれ分離されたパッド20が設けられている。
【0058】
なお、本実施形態では、開孔28aと開孔28bが、水平方向の断面の直径が同じサイズで形成された場合を示す。開孔28aと開孔28bの断面の直径や平面形状は、加工性の観点から同じにすることが好ましいが、メモリセル領域51と周辺回路領域52とで開孔の断面の直径や平面形状が異なっていても、本発明を適用することが可能である。
【0059】
次に、図7に示すように、CVD法を用いて金属膜を図5に示した構造に堆積して、キャパシタの下部電極膜29を形成する。下部電極膜29の材料の一例として、窒化チタン(TiN)がある。下部電極膜29は、開孔28a,28bの内部を充填しない膜厚で形成する。例えば、開孔28aの直径が80nmの場合、下部電極膜29の膜厚を10〜20nm程度にする。
【0060】
続いて、プラズマCVD法など、段差カバレッジの悪い膜形成方法を用いて、下部電極膜29上に、窒化シリコン膜(SiN)などのキャップ絶縁膜30を形成する。開孔28a,28bにおいては、開孔の上端近傍にのみ、キャップ絶縁膜30が埋め込まれる。これは、最小加工寸法が65nmの世代以降の設計ルールで加工された開孔に、プラズマCVD法等の、段差カバレッジの悪い膜形成方法でキャップ絶縁膜30を形成すると、開孔の上端が先に閉塞してしまい、開孔内へ膜が堆積しないためである。なお、キャップ絶縁膜30は後の工程で除去されるので、開孔28a,28bの内壁部への付着を完全に防止する必要はない。
【0061】
次に、図8に示すように、開口を有するフォトレジスト膜31をキャップ絶縁膜30上に形成する。フォトレジスト膜31は、メモリセル領域51内に開口パターン32aを有し、周辺回路領域52内に開口パターン32bを有している。開口パターン32a,32bの位置は、後述の湿式エッチングに際して薬液を浸透させる窓パターンをサポート膜30に形成する位置に対応している。
【0062】
ここで、フォトレジスト膜31よりも先にキャップ絶縁膜30を形成しておくことにより、フォトレジスト膜31が各開孔28a,28b内へ浸入することを防止することができる。これにより、露光を用いたフォトレジスト膜31へのパターン加工が容易になると共に、開孔28a,28b内にフォトレジスト膜31が充填されないので、加工処理後のフォトレジスト膜31の除去も容易となる。
【0063】
図9は、図8を参照して説明した工程でフォトレジスト膜を形成した後に、メモリセル領域および周辺回路領域を上から見たときの平面図である。図9に示す線分A1−A1の部位が図8に示した断面に相当する。
【0064】
本実施形態では、開口パターン32a,32bは、メモリセル領域51および補償容量領域53bのそれぞれの領域内に、平行に並べられた複数の短冊状のパターンである。また、フォトレジスト膜31はメモリセル領域51と補償容量領域53bのみを覆うように形成されている。周辺回路領域52において、補償容量領域53b以外の部分はフォトレジスト膜31で覆われていない。
【0065】
なお、図9に示した開口パターン32a,32bは一例であって、例えば、図9に示す線分A−A’の方向に開口パターンの長手方向が一致するように、開口パターンを形成してもよい。
【0066】
次に、図10に示すように、フォトレジスト膜31をマスクとして、異方性ドライエッチングを行うことにより、フォトレジスト膜31で覆われていない部分のキャップ絶縁膜30、下部電極膜29およびサポート膜27を除去する。これにより、開口パターン32a,32bに対応する部分のサポート膜27に窓パターン(開口)が形成される。また、隣接する個々のキャパシタの電極間を連結するようにサポート膜27は残存している。その後、プラズマアッシング法によって、フォトレジスト膜31を除去する。
【0067】
次に、図11に示すように、ドライエッチングにより、残存しているキャップ絶縁膜30と、開孔28a,28bの外部に位置する下部電極膜29を除去する。ここで、開孔28a,28bのアスペクト比が高い場合(例えば、アスペクト比が15以上の場合)には、開孔底部の下部電極膜29にはダメージを与えることなく、ドライエッチングでサポート膜27上の下部電極膜29を除去することができる。
【0068】
図12は、図11を参照して説明した工程でドライエッチング行った後に、メモリセル領域および周辺回路領域を上から見たときの平面図である。
【0069】
図12に示すように、メモリセル領域51には開孔28aの内壁を覆う下部電極29aが形成され、周辺回路領域52には開孔28bの内壁を覆う下部電極29bが形成されている。
【0070】
メモリセル領域51内に残存しているサポート膜27は、下部電極29aの外壁と接触し、後述の湿式エッチングに際して個々の下部電極を一体として支える支持体として機能する。また、周辺回路領域52のうち、補償容量領域53bに残存しているサポート膜27は、下部電極29bの外壁と接触し、後述の湿式エッチングに際して個々の下部電極を一体として支える支持体として機能する。
【0071】
次に、図11に示した構造に対して、希釈フッ酸(フッ化水素酸:HF)を薬液として用いた湿式エッチングを行う。図13は、湿式エッチングを行った後の、図12に示す線分A1−A1の部位の断面に相当する。図13に示すように、メモリセル領域51では、第3層間絶縁膜26が除去される。希釈フッ酸溶液としては、湿式エッチングに要する時間短縮の観点から、49wt%(重量%)の濃度のものを用いることが好ましい。この濃度の希釈フッ酸溶液は、工業用として、通常、材料メーカから供給されるフッ酸の原液に相当し、そのまま湿式エッチング処理に用いることができる。
【0072】
湿式エッチングに際しては、LP−CVD法またはALD法で形成した窒化シリコン膜はフッ酸に対する耐性を有している。このため、ストッパ膜25よりも下層への薬液の浸透を阻止することができる。これにより、メモリセル領域51および周辺回路領域52に既に形成されたMOSトランジスタ等の素子にダメージを与えることを防げる。
【0073】
なお、図7を参照して説明した工程では、キャップ絶縁膜30として窒化シリコン膜をプラズマCVD法で形成しているため、キャップ絶縁膜30はフッ酸に対して耐性のない膜になっている。そのため、下部電極29a,29bの表面にキャップ絶縁膜30が残存している場合でも、この湿式エッチングの工程でキャップ絶縁膜30は完全に除去される。
【0074】
図13に示すように、上述の湿式エッチングによって、メモリセル領域51に形成された下部電極29aの外壁が露出し、クラウン型の電極が形成される。その際、個々の下部電極29aがサポート膜27によって支持されることで1つの塊として構成されるため、個々の下部電極の倒壊が防止できる。メモリセル領域51においては、1つのマットには通常10万個以上の下部電極29aがまとめて配置されるので、全体として十分な支持強度を有している。
【0075】
また、図13に示すように、周辺回路領域52のうち、補償容量領域53bに形成された下部電極29bも、下部電極29aと同様に、下部電極29bの外壁が露出し、クラウン型の電極が形成される。
【0076】
ここで、図14を参照して、本実施形態の半導体装置の製造方法の特徴を説明する。本実施形態の半導体装置の製造方法は、図8〜図13を用いて説明した、コア酸化膜(第3層間絶縁膜)の除去工程に特徴がある。
【0077】
図11から分かるように、サポート膜27に空けた開口パターン32a,32bには、コア酸化膜に相当する第3層間絶縁膜26が一部露出している。この状態でサポート膜27に対して湿式エッチングを施すことで、開口パターン32a,32bに露出した第3層間絶縁膜26にエッチャントが作用して、第3層間絶縁膜26が除去される。言い換えると、第3層間絶縁膜26に対する湿式エッチングにとってサポート膜27はエッチングマスクとして機能する。そして、第3層間絶縁膜26を除去した後もサポート膜27は残り、サポート膜27は下部電極29a,29bを支持する。ここで、本実施形態の製造方法では、図12に示したように、補償容量領域53bにおいて、サポート膜27の中央部には開口パターン32bを形成せず、マットの周辺部に開口パターン32bを形成するようにサポート膜27をパターニングしている。
【0078】
図14は、湿式エッチング後において、図12に示した補償容量領域53bのマットの中央部を横断する線分A2−A2に沿って矢印方向に見た断面図である。図14は、第3層間絶縁膜26を湿式エッチングにより除去した後の段階、すなわち、図13と同じ段階での線分A2−A2の断面図である。
【0079】
上述したように、本実施形態の製造方法では、補償容量領域53bのマットの中央部に開口パターン32bを形成しておらず、中央付近の第3層間絶縁膜26の上面はサポート膜27で覆われている。そのため、補償容量領域53bの第3層間絶縁膜26は、サポート膜27に開口パターン32bが形成された周辺部のみ露出し、中央付近では露出していない。よって、第3層間絶縁膜26の湿式エッチング工程では、サポート膜27の開口パターン32bに露出した周辺部の第3層間絶縁膜36からマット中央部の方向に徐々にエッチングが進むが、マット中央部の第3層間絶縁膜26はエッチングマスクとなるサポート膜27で覆われているため、サポート膜27によるマスクの作用により除去されにくい。
【0080】
その結果、開口パターン32aが形成されたメモリセル領域51の全域の第3層間絶縁膜26と、補償容量領域53bのマット周辺部の開口パターン32bにおける第3層間絶縁膜26が除去されるエッチング終了時では、補償容量領域53bのマット中央部下には第3層間絶縁膜26bが残ることになる。
【0081】
第3層間絶縁膜26のエッチング工程では、薬液による湿式エッチングを用いて、第3層間絶縁膜26を等方的に除去している。そのため、図14に示すように、補償容量領域53bでは、マット周辺部の上面から徐々に第3層間絶縁膜26が除去され、第3層間絶縁膜26の積層方向の断面が山型になるように第3層間絶縁膜26bが残る。言い換えれば、補償容量領域53bの第3層間絶縁膜26bは、頂部よりも底部が広い形状で、より広い面積でパッド22に接触した状態でサポート窒化膜27下に残る。
【0082】
上述したように、本実施形態の製造方法における、第3層間絶縁膜26の除去工程では、小さいマットの補償容量領域53bにおいて、サポート膜27の開口パターンを調整してマット中央部下の第3層間絶縁膜26をエッチングから保護することで、底部が広くパッド22に接するように第3層間絶縁膜26bを残すことができる。これにより、下部電極29bの下層との接触面積が小さくても、複数の下部電極29bを下部で支持する第3層間絶縁膜26bにより下層との密着性が大きくなる。その結果、第3層間絶縁膜26除去後の下部電極29とパッド22との接触面積が小さい補償容量領域53bで懸念されるマット飛びを防ぐことができる。
【0083】
本実施形態によれば、第3層間絶縁膜26の特別なパターニング工程を追加することなく、サポート膜の開口パターンを調整することで、下部電極29bの下層との密着性を大きくする効果を得ることができる。
【0084】
次に、図13および図14を参照して説明した工程の後、図15に示すように、下部電極29a,29bの露出している表面を覆うように、膜厚6〜10nm程度の容量絶縁膜35を形成する。図15は図12に示した線分A2−A2の部位に相当する断面図である。
【0085】
容量絶縁膜35の材料の例として、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)等のいずれかの高誘電体、または、それらの膜のうち2つ以上の膜を積層した積層体がある。容量絶縁膜35の形成にはALD法を用いることが可能である。容量絶縁膜35を形成した後、容量絶縁膜35の表面を覆うように上部電極膜36を形成する。
【0086】
上部電極36の形成の際、個々の下部電極間の隙間を上部電極36で充填する必要があるため、上部電極36を、次に説明するような積層構造とする。
【0087】
上部電極36の最下層の材料として、窒化チタン(TiN)等の金属膜を5〜10nmの膜厚で形成する。この最下層の金属膜を形成した段階では、個々の下部電極間に隙間が残っている。続いて、不純物を含有した多結晶シリコン膜を形成することにより、個々の下部電極間に残存している隙間を多結晶シリコン膜で充填する。
【0088】
多結晶シリコン膜の形成にLP−CVD法を用いることにより、段差部の被覆性(カバレッジ)の良好な膜として、多結晶シリコン膜が堆積される。そのため、個々の下部電極間に残存している隙間を多結晶シリコン膜で完全に充填することができる。図12において、サポート膜27で覆われている部分についても、開口パターン32a,32bを介して多結晶シリコン膜が形成されるため、下部電極間の隙間が充填される。
【0089】
多結晶シリコン膜に導入する不純物として、リンまたはホウ素等を用いることが可能であり、多結晶シリコン膜をN型またはP型の導電型にすることで、多結晶シリコン膜の電気抵抗を低減できる。さらに、シリコン以外の別の元素を不純物として多結晶シリコン膜に添加してもよい。
【0090】
また、多結晶シリコン膜を用いて個々の下部電極間の隙間を充填した後に、さらにタングステン等の金属膜を70〜100nm程度の膜厚で多結晶シリコン膜の上に堆積してもよい。また、上部電極36の最下層に用いる金属膜の材料として、窒化チタン以外の金属(例えば、ルテニウム等)を使用してもよく、形成するキャパシタに要求される電気特性に応じて、上部電極36の最下層に用いる金属膜を選択すればよい。
【0091】
本実施形態では、図15に示すように、補償容量領域53bに第3層間絶縁膜26bが残っているため、第3層間絶縁膜26bで覆われた下部電極29には容量絶縁膜35および上部電極膜36は形成されず、第3層間絶縁膜26bの表面に形成される。また、図15に示すように、残存する第3の層間絶縁膜26bがコンベックス(凸)形状になっている。そのため、補償容量領域53bの周辺部分では、キャパシタC2がメモリセル領域51のキャパシタC1と同等な形状に形成されるが、周辺部分から中央部にかけて、キャパシタC1とは高さの異なる、いびつな形状のキャパシタC2が形成されることになる。その結果、複数のキャパシタC2からなる補償容量素子65は中央が窪んだ形状になっている。この構造の補償容量素子65をコンケイブ(凹)型のキャパシタと称する。
【0092】
補償容量領域53bに第3層間絶縁膜26bをコンベックス形状に残すことで、クラウン型キャパシタがメモリセル領域51と同様な形状に形成されない部分が生じて、補償容量素子65がコンケイブ型になる。しかし、補償容量素子65では、マットとなるパッド22に接続される複数のキャパシタC2の全体で、所望の容量値を達成できればよいので、補償容量領域53bの周辺から中央にかけて、容量がキャパシタC1よりも小さいキャパシタC2による容量低減分をシリンダの個数を増やすことで調整することが可能である。
【0093】
本実施形態の半導体装置によれば、第3層間絶縁膜の積層方向の断面が頂部より底部が広い山型形状になっている。そのため、小さいマットの補償容量領域であっても、シリンダ型下部電極の下部を支持する第3層間絶縁膜により密着性が大きくなるので、洗浄工程において、下部電極パターンの剥がれ落ちを防げる。
【0094】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、補償容量領域53bの周辺近くに開口パターン32bを複数配置したサポート膜をマスクにした場合で説明したが、本実施形態は、第1の実施形態とは異なるマスクを用いて、第1の実施形態と同様な効果を得るようにしたものである。なお、本実施形態では、第1の実施形態で説明した半導体装置の構造および製造方法と同様な点についての詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる点を詳細に説明する。
【実施例1】
【0095】
本実施例は、第1の実施形態で説明したサポート膜27において、補償容量領域53bに開口パターンを形成しない場合である。
【0096】
図16は本実施例におけるサポート膜の一例を示す平面図である。図17は図16に示した線分B2−B2の部位に相当する断面図であり、図18は図16に示した線分B1−B1の部位に相当する断面図である。
【0097】
図16〜図18では、メモリセル領域51を示すことを省略している。図17および図18は第1の実施形態で説明した図14の断面に対応し、パッド22から上の構造を示し、他の構成を図に示すことを省略している。
【0098】
図16に示すように、サポート膜27cの平面パターンが補償容量領域53bのパッド22より一回り大きいのは、第1の実施形態と同様である。本実施例では、サポート膜27cには開口パターンが形成されていない。
【0099】
次に、このサポート膜27cを用いて第3層間絶縁膜26に対する湿式エッチングを行った場合を説明する。
【0100】
サポート膜27cをマスクにして、第3層間絶縁膜26に対する湿式エッチングを行うと、個々の下部電極29bをまわりこむようにして薬液が周辺部から中央部の方へ少しずつ浸透していくため、補償容量領域53bの外側から内側にエッチングが進む。図に示さないメモリセル領域で第3層間絶縁膜26を除去し終えたところでエッチング処理を終了させる。
【0101】
エッチング処理を終了すると、図16の線分B2−B2の部位では、図17に示すように、第3層間絶縁膜26が除去されている。一方、図16の線分B1−B1の部位では、図18に示すように、第3層間絶縁膜26bがコンベックス形状に残っている。
【0102】
本実施例によれば、第3層間絶縁膜26の除去工程では、第3層間絶縁膜26に対する上からのエッチングを保護することで、第3層間絶縁膜26が横から等方性エッチングされ、頂部よりも底部が広くなるように第3層間絶縁膜26bを残すことが可能となる。そのため、本実施例の場合でも、第1の実施形態と同様に、第3層間絶縁膜26bが下部電極29bの密着性を向上させ、洗浄工程などで下部電極29bが剥がれ落ちることを防止できる。
【実施例2】
【0103】
本実施例は、第1の実施形態で説明したサポート膜27において、補償容量領域53bの中央付近にのみ開口パターン32bを形成する場合である。
【0104】
図19は本実施例におけるサポート膜の一例を示す平面図である。図20は図19に示した線分C−Cの部位に相当する断面図である。なお、本実施例においても、図19および図20ではメモリセル領域51を示すことを省略している。また、図20は第1の実施形態で説明した図14の断面に対応し、パッド22から上の構造を示し、他の構成を図に示すことを省略している。
【0105】
図19に示すように、サポート膜27dの中央付近に、開口パターン32bが形成されている。サポート膜27dの平面パターンが補償容量領域53bのパッド22より1回り大きいことは、本実施形態の実施例2および第1の実施形態と同様である。
【0106】
次に、このサポート膜27dを用いて第3層間絶縁膜26に対する湿式エッチングを行った場合を説明する。
【0107】
サポート膜27dをマスクにして、第3層間絶縁膜26に対する湿式エッチングを行うと、個々の下部電極29bをまわりこむようにして薬液が周辺部から中央の方へ浸透していくだけでなく、開口パターン32bからも浸透する。そのため、補償容量領域53bの周辺部から中央にエッチングが進むと同時に、補償容量領域53bの中央から周辺部にもエッチングが進む。図に示さないメモリセル領域で第3層間絶縁膜26を除去し終えたところでエッチング処理を終了させる。
【0108】
エッチング処理を終了すると、図19の線分C−Cの部位では、図20に示すように、中央付近から両側に第3層間絶縁膜26bがコンベックス形状に残っている。そのため、本実施例の場合でも、第1の実施形態と同様に、第3層間絶縁膜26bが下部電極29bの下層への密着性を向上させ、洗浄工程などで下部電極29bが剥がれ落ちることを防止できる。
【0109】
上記2つの実施例で説明したように、本実施形態でも、第1の実施形態と同様な効果が得られる。また、第1および第2の実施形態を合わせて考えると、残存させるコア酸化膜の量や形状を、サポート膜の開口パターンにより調整できることがわかる。サポート膜はコア酸化膜への湿式エッチングに対するエッチングマスクとなっているので、サポート膜の開口パターンの有無、数、配置およびパターン形状などのいずれかを調整することによって、コア酸化膜の残存量や残存形状を制御することが可能になる。その結果、コンケイブ型キャパシタとなる補償容量素子65の容量も制御できる。
【0110】
なお、上述の実施形態では、デコーダ回路に内部電源電圧を供給するための配線に接続される補償容量素子の場合で説明したが、他の容量素子に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0111】
26 第3層間絶縁膜
27 サポート膜
50 半導体装置
51 メモリセル領域
52 周辺回路領域
53a、53b 補償容量領域
60 内部電源回路
65 補償容量素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタを有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの携帯端末の普及に伴って、携帯端末に搭載される半導体装置に対して低消費電力の要求が高まり、半導体装置の動作電源電圧が低電圧化される傾向にある。低電源電圧の安定供給の必要性から、半導体装置内の電源供給ラインに補償容量素子が設けられている。
【0003】
補償容量素子として、メモリセル領域と同じ構造のキャパシタを適用する技術が、特開2010−67661号公報(以下では、特許文献1と称する)に開示されている。特許文献1の技術のようにメモリセル用の立体構造キャパシタを補償容量素子に適用することで、補償容量素子の配置面積を削減できる。
【0004】
補償容量素子のキャパシタにクラウン型キャパシタを適用すれば、補償容量素子が形成される領域(以下では、補償容量領域と称する)の面積をさらに縮小できるが、クラウン型キャパシタが製造過程で倒壊してしまうおそれがある。この問題に対して、クラウン型キャパシタの倒壊を防止する技術の一例が、特開2003−297952号公報(以下では、特許文献2と称する)に開示されている。特許文献2に開示された技術では、ガードリング+サポート膜によって製造工程中のクラウン型下部電極の倒壊を防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−67661号公報
【特許文献2】特開2003−297952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
補償容量領域の面積をさらに縮小するために、ガードリングを設けずに、キャパシタを連結するサポート膜のみでキャパシタを支持する構造が検討されている。
【0007】
メモリセル領域では多数のクラウン型電極が1つのまとまった領域に配置されているので、サポート膜による連結のみでキャパシタの倒壊を防げる。一方、補償容量領域でも、メモリセル領域におけるキャパシタの数よりも少ないが、1万個程度の数のキャパシタを配置することで、ガードリング無しで、サポート膜による連結のみでキャパシタの倒壊を防げる。以下では、ガードリング無しで形成されるクラウン型キャパシタを、ガードリングレス構造のクラウン型キャパシタと称する。
【0008】
本願発明者は、ガードリングレス構造のクラウン型キャパシタの補償容量素子への適用を検討したところ、キャパシタの倒壊とは別の課題を見出した。クラウン型キャパシタの製造工程を通して、以下に、その課題を説明する。
【0009】
クラウン型キャパシタの製造工程を7つの工程に分けて簡単に説明する。(1)半導体基板にMOSトランジスタなどの素子を形成した後、半導体基板上にシリンダ形成用酸化膜(以下では、コア酸化膜と称する)を形成し、(2)コア酸化膜の上にサポート膜として窒化膜を形成する。続いて、(3)コア酸化膜およびサポート膜にシリンダ孔を形成した後、(4)シリンダ孔の壁面を導電膜で覆ってシリンダ型下部電極を形成する。そして、(5)サポート膜にパターニングを行って、サポート膜に一定の間隔で配置される開口パターンを形成する。さらに、(6)サポート膜をマスクにして湿式エッチングを行ってコア酸化膜を除去する。その後、(7)シリンダ型下部電極の露出面を容量膜で覆い、シリンダ型下部電極間の隙間を導電膜で埋め込んで上部電極を形成する。
【0010】
上記の工程(6)から工程(7)の間に、湿式エッチングの薬液を洗い落とすために半導体基板に洗浄工程を行う。洗浄工程の際、シリンダ型下部電極には倒れないことが要求される。洗浄工程では、水流によってシリンダ型下部電極に横から力が働くことになるが、シリンダ型下部電極の上部はサポート窒化膜で連結されているので、個々にシリンダ型下部電極が倒壊してしまうのを防止することができる。
【0011】
一方、シリンダ型下部電極の下方ではシリンダ型下部電極の底部がパッドと接触しているのみであり、メモリセル領域と比較して、補償容量領域では、シリンダ型下部電極の底部のパターンに相当するマットの面積が小さいため、シリンダ型下部電極と下層との密着力が弱く、下部電極が形成された加工膜の剥がれ落ちが生じてしまうおそれがある。この加工膜の剥がれ落ちは、「マット飛び」と呼ばれており、補償容量素子が形成されないという問題の原因となる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上に、複数の第1の開口を有するコア絶縁膜を形成し、
前記複数の第1の開口の側面を導電膜で覆う、シリンダ状の複数の下部電極を形成し、
少なくとも前記複数の下部電極間の前記コア絶縁膜の上面を覆うサポート膜を形成し、
前記サポート膜を用いて、少なくとも前記複数の下部電極が形成される領域の外側を除去したマスク膜を形成し、
前記マスク膜を形成した後、前記複数の下部電極間の一部に前記コア絶縁膜が残るように、前記コア絶縁膜に対して等方性エッチングを行うものである。
【0013】
本発明によれば、コア絶縁膜の除去工程では、コア絶縁膜に対する上からのエッチングを保護することで、コア絶縁膜が横から等方性エッチングされ、頂部よりも底部が広くなるようにコア絶縁膜を残すことが可能となる。そのため、複数の下部電極の下部を支持するコア絶縁膜により下層との密着性が向上する。
【0014】
本発明の半導体装置は、
シリンダ状の複数の下部電極と、
前記複数の下部電極のうち、一部の下部電極間に設けられたコア絶縁膜と、
前記複数の下部電極の内壁面および外壁面のうち、前記コア絶縁膜と接触する部位を除く領域を覆う容量絶縁膜と、
前記容量絶縁膜を介して前記複数の下部電極の内部および下部電極間の隙間を埋める上部電極と、を有し、
前記コア絶縁膜の積層方向の断面が頂部より底部が広い山型形状である。
【0015】
本発明によれば、下部電極の数が少なくて、複数の下部電極の下層との接触面積が小さくても、複数の下部電極を下部で支持するコア絶縁膜により下層との密着性が向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数のシリンダ型下部電極の下層との接触面積が小さくても、洗浄工程などで、下部電極が剥がれ落ちてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態の半導体装置の主要部を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の半導体装置のチップにおけるレイアウトを示す平面図である。
【図3】図2に示した領域Fを拡大した平面図である。
【図4】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図5】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図6】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の平面図である。
【図7】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図8】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図9】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の平面図である。
【図10】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図11】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図12】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の平面図である。
【図13】図12に示した線分A1−A1の部位に相当する断面図である。
【図14】図12に示した線分A2−A2の部位に相当する断面図である。
【図15】第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図である。
【図16】第2の実施形態におけるサポート膜の一例を示す平面図である。
【図17】図16に示した線分B2−B2の部位に相当する断面図である。
【図18】図16に示した線分B1−B1の部位に相当する断面図である。
【図19】第2の実施形態におけるサポート膜の他の例を示す平面図である。
【図20】図19に示した線分C−Cの部位に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
本実施形態の半導体装置の構成を説明する。本実施形態の半導体装置はDRAMである。図1は本実施形態の半導体装置の主要部を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、半導体装置50は、複数のメモリセル70を含むメモリセルアレイ51aと、Xデコーダ61と、Yデコーダ62と、各デコーダに内部電源電圧を供給する内部電源回路60とを有する。
【0020】
メモリセルアレイ51aは複数のワード配線WLと複数のビット配線BLとを備え、ワード配線WLとビット配線BLとが交差する点に、メモリセル70が設けられている。メモリセル70は、データ保持用のキャパシタと、選択用のMOSトランジスタとを有する構成である。
【0021】
内部電源回路60には、半導体装置50の外部から外部電源電位Vccおよび接地電位GNDが供給され、内部電源回路60は、外部電源電位Vccを所定の電圧にまで低下(降圧)させた内部電源電圧を生成し、内部電源電圧をXデコーダ61およびYデコーダ62に供給する。
【0022】
図1に示すように、内部電源回路60からXデコーダ61およびYデコーダ62に内部電源電圧を供給する配線の途中には、配線と接地電位GNDとの間に補償容量素子65が設けられている。補償容量素子65によって、内部電源回路60からXデコーダ61およびYデコーダ62に供給される内部電源電圧の変動が抑制される。
【0023】
Xデコーダ61とメモリセルアレイ51aの間にX制御回路63aが設けられている。X制御回路63aはメモリセルアレイ51aの複数のワード配線WLと接続されている。Yデコーダ62とメモリセルアレイ51aの間にY制御回路63bが設けられている。Y制御回路63bには、メモリセルアレイ51aの複数のビット配線BLに対応して複数のセンスアンプ回路64が設けられ、複数のビット配線BLのそれぞれが複数のセンスアンプ回路64のそれぞれと接続されている。
【0024】
データの読み出し動作時に、図に示さない信号線を介して外部からXデコーダ61にアドレス信号が入力されると、X制御回路63aは、Xデコーダ61から入力されるアドレス信号に対応して、複数のワード配線WLのうち1つのワード配線WLを選択する。また、図に示さない信号線を介して外部からYデコーダ62にアドレス信号が入力されると、Y制御回路63bは、Yデコーダ62から入力されるアドレス信号に対応して、複数のビット配線BLのうち1つのビット配線BLを選択する。1つのワード配線WLおよび1つのビット配線BLが選択されることで、これらの配線の交点に設けられたメモリセル70が選択される。そして、選択されたメモリセル70のキャパシタに保持されているデータは、ビット配線BLを介してセンスアンプ回路64に入力され、センスアンプ回路64で信号電圧が増幅された後、図に示さない信号線を介して外部に出力される。
【0025】
次に、本実施形態の半導体装置のチップにおけるレイアウトについて説明する。図2は本実施形態の半導体装置のチップ上のレイアウトを示す平面図である。
【0026】
図2に示すように、半導体装置50上には複数のメモリセル領域51が配置されている。各メモリセル領域51は図1に示したメモリセルアレイ51aを含んでいる。メモリセル領域51を囲むように周辺回路領域52が配置されている。周辺回路領域52には、メモリセルアレイ以外の回路ブロックが配置される。メモリセルアレイ以外の回路ブロックには、センスアンプ回路やデコーダ回路が含まれる。図1を参照して説明すると、Xデコーダ61、Yデコーダ62および内部電源回路60だけでなく、補償容量素子65も、メモリセルアレイ以外の回路ブロックに含まれる。なお、図2に示すレイアウトは一例であり、メモリセル領域51の数や配置は図2に示すレイアウトに限定されない。
【0027】
周辺回路領域52内の一部に補償容量領域53a,53bが設けられ、補償容量領域53a,53bには、図1に示した補償容量素子65が配置されている。後で詳しく説明するが、補償容量領域53a,53bには、メモリセル領域51に形成されるクラウン型キャパシタと同様な構造のキャパシタが設けられている。周辺回路領域52には、要求される容量値や領域の制約によって、大きいマットの補償容量領域53aと、小さいマットの補償容量領域53bとがある。小さいマットの補償容量領域53bでは、その形成工程中にマット飛びが生じ易い。
【0028】
これは、小さいマットの補償容量領域53bでは、洗浄工程の水流による横方向の力に対して、個々の下部電極はサポート膜を介して相互に支持するため、個々に下部電極が倒壊することはないが、マットの面積が小さいと、下部電極の数が少ないので、下部電極と下層との密着力が弱いためである。
【0029】
次に、メモリセル領域51と、小さいマットの補償容量領域53bを含む周辺回路領域52の一部とを比較して、それぞれの領域におけるキャパシタのレイアウトを説明する。図3は、図2に示した領域Fを拡大した平面図である。
【0030】
図3に示すように、メモリセル領域51内には、複数のキャパシタC1が配置されている。図1に示したメモリセル70毎にキャパシタC1が設けられている。キャパシタC1はクラウン型の電極を備えている。クラウン型の電極とは、シリンダ形状(コップ形状、筒形状)に形成した電極の外壁面と内壁面の双方をキャパシタ電極として使用する電極構造を指す。メモリセル領域51におけるキャパシタの配置方法として、一般的に、8F2型、6F2型、4F2型等と称されるレイアウトのいずれを適用してもよい。クラウン型の電極構造を有するキャパシタをクラウン型キャパシタと称する。
【0031】
図3に示すように、補償容量領域53bには、複数のキャパシタC2が配置されている。複数のキャパシタC2で補償容量素子65が構成される。本実施形態の半導体装置50では、補償容量素子65のキャパシタC2の電極構造もメモリセル70のキャパシタC1と同様にクラウン型の電極構造である。
【0032】
ただし、補償容量領域53bに配置された補償容量素子65は、複数のキャパシタC2の下部電極および上部電極がそれぞれ共通に接続された構成である。そのため、この補償容量素子65は、複数のキャパシタC2のそれぞれの容量が1つになって、大きな静電容量を有する。補償容量領域53bのキャパシタC2とメモリセル領域51のキャパシタC1の電極構造は共通しているが、補償容量素子65とキャパシタC1とは容量の大きさが異なっている。
【0033】
次に、本実施形態の半導体装置におけるキャパシタの製造方法を詳しく説明する。図4から図15は本実施形態の半導体装置の製造工程を示す要部の断面図および平面図である。
【0034】
以下では、メモリセル領域51に設けられるキャパシタC1と、周辺回路領域52に設けられる補償容量素子65を構成する複数のキャパシタC2のうち、小さいマットの補償容量領域53bに設けられるキャパシタC2とを比較する。また、本実施形態の半導体装置において特徴となる構造を、製造方法の説明の過程で説明する。
【0035】
図4を参照して、キャパシタ形成工程前までの構成を簡単に説明する。図4は、図3に示した線分A1−A1の部位に相当する断面構造であるが、キャパシタを形成する前の構造を示している。
【0036】
P型シリコン(Si)からなる半導体基板1にSTI(Shallow Trench Isolation)法によって素子分離2を形成している。素子分離2によって半導体基板1に区画された領域が活性領域となり、活性領域にMOSトランジスタが形成されている。本実施形態では、MOSトランジスタがプレーナ型MOSトランジスタである場合で説明する。MOSトランジスタは、溝型ゲート電極を有するMOSトランジスタや、縦型MOSトランジスタであってもよい。
【0037】
周辺回路領域52においては、後で形成される補償容量素子65の下方にMOSトランジスタが配置されている。このような構造にすることで、半導体チップ上の回路の占有面積を削減することができる。なお、補償容量素子65の下方にMOSトランジスタを配置しない構造にも、本発明を適用することが可能である。
【0038】
メモリセル領域51の活性領域には、ゲート絶縁膜3aと、ゲート絶縁膜3aの上に形成されたゲート電極6aと、半導体基板1の表面近傍に導入された不純物拡散層7aと、ゲート電極6aの側面に形成されたサイドウォール膜8aとが設けられている。ゲート電極6aは、ゲート導電膜4aと保護絶縁膜5aの積層体をパターニングして形成されたものである。
【0039】
周辺回路領域52には、メモリセル領域51と同様に、ゲート絶縁膜3bと、ゲート絶縁膜3bの上に形成されたゲート電極6bと、半導体基板1の表面近傍に導入された不純物拡散層7bと、ゲート電極6bの側面に形成されたサイドウォール膜8bとが設けられている。ゲート電極6bは、ゲート導電膜4bと保護絶縁膜5bの積層体をパターニングして形成されたものである。
【0040】
不純物拡散層7a,7bはN型導電性不純物が半導体基板1に拡散して形成されたものである。サイドウォール膜8a,8bは絶縁膜で形成されている。ゲート電極6a,6bはワード配線WLとして機能する。不純物拡散層7aはメモリセル領域51のMOSトランジスタのソース電極およびドレイン電極として機能し、不純物拡散層7bは周辺回路領域52のMOSトランジスタのソース電極およびドレイン電極として機能する。
【0041】
なお、周辺回路領域52には、MOSトランジスタの例として、Nチャネル型MOSトランジスタのみを示したが、半導体基板1内にN型ウェル層を形成して、そこにPチャネル型MOSトランジスタを設けてもよい。
【0042】
ゲート絶縁膜3a,3bの材料の一例として、酸化シリコン膜(SiO2)がある。ゲート導電膜6a,6bの材料の例として、リンを含有した多結晶シリコン膜、タングステン(W)膜、およびタングステンシリサイド(WSi)膜の中のいずれか、または、これらの膜から2以上の膜を組み合わせて積層した積層膜がある。保護絶縁膜5a,5bおよびサイドウォール絶縁膜8a,8bの材料に一例として、窒化シリコン膜(Si3N4)がある。
【0043】
ゲート電極6a,6bを覆うように、第1層間絶縁膜9が酸化シリコン膜等の絶縁膜で形成されている。ここでは、第1層間絶縁膜9の上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法で研磨し、第1層間絶縁膜9の上面を平坦化している。
【0044】
メモリセル領域51の不純物拡散層7aに接続されるセルコンタクトプラグ10a,11aが、リンを含有した多結晶シリコン膜等の導電膜で形成されている。セルコンタクトプラグ11aの形成には、ゲート電極6aを用いたSAC法(Self Alignment Contact;自己整合法)を利用することができる。周辺回路領域52の不純物拡散層7bに接続される周辺コンタクトプラグ11bが、タングステン膜等の導電膜で形成されている。
【0045】
メモリセル領域51において、MOSトランジスタのソース電極およびドレイン電極のうち、いずれか一方とセルコンタクトプラグ10aを介して接続されるビット配線12が形成されている。ビット配線12の材料の一例として、窒化タングステン(WN)とタングステン(W)の積層体がある。
【0046】
ビット配線12の形成と同時に、周辺回路領域52には、MOSトランジスタのソース電極およびドレイン電極のそれぞれが周辺コンタクトプラグ11bを介して接続される周辺配線13が形成される。図に示していないが、周辺回路領域52のゲート導電膜4bに接続されるコンタクトプラグおよび配線層も周辺配線13と同時に形成してもよい。
【0047】
ビット配線12および周辺配線13を覆うように、第2層間絶縁膜14が酸化シリコン膜等の絶縁膜で形成されている。第2層間絶縁膜14の上面は、CMP法によって研磨され、平坦化されている。メモリセル領域51では、第2層間絶縁膜14を貫通し、セルコンタクトプラグ11aに接続される容量コンタクトプラグ15がタングステン膜等の導電膜で形成されている。
【0048】
メモリセル領域51の第2層間絶縁膜14の上にはパッド20が設けられ、周辺回路領域52の第2層間絶縁膜14の上には導電膜のパッド22が設けられている。パッド20およびパッド22は、窒化タングステン(WN)膜およびタングステン(W)膜を順次堆積した積層体をパターニングして形成されている。パッド20は、容量コンタクトプラグ15に接続されている。
【0049】
周辺回路領域52のパッド22は、補償容量素子65が設けられる補償容量領域53a,53bに配置されている。パッド22は、メモリセル領域51のパッド20とは異なり、補償容量素子用の各キャパシタの下部電極間を接続するための、1つの大きいパターンとして形成されている。なお、以下の製造方法の説明においては、補償容量素子のブロックが1つだけ配置されている場合を断面図として示す。
【0050】
パッド20,22を覆うように、ストッパ膜25が設けられている。ストッパ膜25は、LP−CVD(Low Pressure - Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて、膜厚が40〜100nm程度の窒化シリコン膜を堆積することで形成されている。ストッパ膜25は、クラウン型電極を形成する際に行われる、後述の湿式エッチングにおいて、使用する薬液が下方に浸透することを防止するためのストッパとして機能する。
【0051】
次に、図4に示した構造に対する次の工程を、図5を参照して説明する。図4に示したストッパ膜25上に、膜厚が1〜2μm程度の第3層間絶縁膜26と、膜厚が50〜150nm程度のサポート膜27とを順次堆積する。第3層間絶縁膜26がコア絶縁膜に相当する。
【0052】
第3層間絶縁膜26の材料の例として、酸化シリコン膜、不純物を含有したBPSG膜のいずれか、または、これらの絶縁膜の積層膜がある。第3層間絶縁膜26を酸化シリコン膜で形成した場合がコア酸化膜に相当する。サポート膜27の材料の一例として、LP−CVD法またはALD法を用いて堆積した窒化シリコン膜がある。サポート膜27は、クラウン型電極を形成する際の湿式エッチングにおいて、電極が倒壊しないように支持する機能を有する。
【0053】
その後、図5に示すように、異方性ドライエッチングを選択的に行って、サポート膜27、第3層間絶縁膜26およびストッパ膜25を貫通する開孔28a,28bを形成する。開孔28aはメモリセル領域51に形成され、開孔28bは周辺回路領域52に形成される。エッチングを選択的に行う方法の一例として、リソグラフィ工程によるレジストマスクを用いる方法が知られており、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図6は、図5を参照して説明した工程で開孔を形成した後に、メモリセル領域および周辺回路領域を上から見たときの平面図である。図6に示す線分A1−A1の部位が図5に示した断面に相当する。
【0055】
メモリセル領域51の開孔28aによって、メモリセル70に用いられるキャパシタC1の下部電極の位置が規定される。周辺回路領域52の開孔28bによって、補償容量素子65に用いられるキャパシタC2の下部電極の位置が規定される。各開孔28a,28bの底部ではパッド20,22の上面が露出している。
【0056】
第3層間絶縁膜26の膜厚によってキャパシタC1,C2の高さが規定され、静電容量に反映される。第3層間絶縁膜26の膜厚を厚くするほど、静電容量が増加するが、開孔28a,28bの加工が困難になる。そのため、開孔28a,28bのアスペクト比が15〜25程度となるように、第3層間絶縁膜26の膜厚を設定することが好ましい。
【0057】
図6を参照すると、周辺回路領域52では、1つの大きいパッド22に対して、複数の開孔28bが設けられている。メモリセル領域51では、個々の開孔28aに対応して、それぞれ分離されたパッド20が設けられている。
【0058】
なお、本実施形態では、開孔28aと開孔28bが、水平方向の断面の直径が同じサイズで形成された場合を示す。開孔28aと開孔28bの断面の直径や平面形状は、加工性の観点から同じにすることが好ましいが、メモリセル領域51と周辺回路領域52とで開孔の断面の直径や平面形状が異なっていても、本発明を適用することが可能である。
【0059】
次に、図7に示すように、CVD法を用いて金属膜を図5に示した構造に堆積して、キャパシタの下部電極膜29を形成する。下部電極膜29の材料の一例として、窒化チタン(TiN)がある。下部電極膜29は、開孔28a,28bの内部を充填しない膜厚で形成する。例えば、開孔28aの直径が80nmの場合、下部電極膜29の膜厚を10〜20nm程度にする。
【0060】
続いて、プラズマCVD法など、段差カバレッジの悪い膜形成方法を用いて、下部電極膜29上に、窒化シリコン膜(SiN)などのキャップ絶縁膜30を形成する。開孔28a,28bにおいては、開孔の上端近傍にのみ、キャップ絶縁膜30が埋め込まれる。これは、最小加工寸法が65nmの世代以降の設計ルールで加工された開孔に、プラズマCVD法等の、段差カバレッジの悪い膜形成方法でキャップ絶縁膜30を形成すると、開孔の上端が先に閉塞してしまい、開孔内へ膜が堆積しないためである。なお、キャップ絶縁膜30は後の工程で除去されるので、開孔28a,28bの内壁部への付着を完全に防止する必要はない。
【0061】
次に、図8に示すように、開口を有するフォトレジスト膜31をキャップ絶縁膜30上に形成する。フォトレジスト膜31は、メモリセル領域51内に開口パターン32aを有し、周辺回路領域52内に開口パターン32bを有している。開口パターン32a,32bの位置は、後述の湿式エッチングに際して薬液を浸透させる窓パターンをサポート膜30に形成する位置に対応している。
【0062】
ここで、フォトレジスト膜31よりも先にキャップ絶縁膜30を形成しておくことにより、フォトレジスト膜31が各開孔28a,28b内へ浸入することを防止することができる。これにより、露光を用いたフォトレジスト膜31へのパターン加工が容易になると共に、開孔28a,28b内にフォトレジスト膜31が充填されないので、加工処理後のフォトレジスト膜31の除去も容易となる。
【0063】
図9は、図8を参照して説明した工程でフォトレジスト膜を形成した後に、メモリセル領域および周辺回路領域を上から見たときの平面図である。図9に示す線分A1−A1の部位が図8に示した断面に相当する。
【0064】
本実施形態では、開口パターン32a,32bは、メモリセル領域51および補償容量領域53bのそれぞれの領域内に、平行に並べられた複数の短冊状のパターンである。また、フォトレジスト膜31はメモリセル領域51と補償容量領域53bのみを覆うように形成されている。周辺回路領域52において、補償容量領域53b以外の部分はフォトレジスト膜31で覆われていない。
【0065】
なお、図9に示した開口パターン32a,32bは一例であって、例えば、図9に示す線分A−A’の方向に開口パターンの長手方向が一致するように、開口パターンを形成してもよい。
【0066】
次に、図10に示すように、フォトレジスト膜31をマスクとして、異方性ドライエッチングを行うことにより、フォトレジスト膜31で覆われていない部分のキャップ絶縁膜30、下部電極膜29およびサポート膜27を除去する。これにより、開口パターン32a,32bに対応する部分のサポート膜27に窓パターン(開口)が形成される。また、隣接する個々のキャパシタの電極間を連結するようにサポート膜27は残存している。その後、プラズマアッシング法によって、フォトレジスト膜31を除去する。
【0067】
次に、図11に示すように、ドライエッチングにより、残存しているキャップ絶縁膜30と、開孔28a,28bの外部に位置する下部電極膜29を除去する。ここで、開孔28a,28bのアスペクト比が高い場合(例えば、アスペクト比が15以上の場合)には、開孔底部の下部電極膜29にはダメージを与えることなく、ドライエッチングでサポート膜27上の下部電極膜29を除去することができる。
【0068】
図12は、図11を参照して説明した工程でドライエッチング行った後に、メモリセル領域および周辺回路領域を上から見たときの平面図である。
【0069】
図12に示すように、メモリセル領域51には開孔28aの内壁を覆う下部電極29aが形成され、周辺回路領域52には開孔28bの内壁を覆う下部電極29bが形成されている。
【0070】
メモリセル領域51内に残存しているサポート膜27は、下部電極29aの外壁と接触し、後述の湿式エッチングに際して個々の下部電極を一体として支える支持体として機能する。また、周辺回路領域52のうち、補償容量領域53bに残存しているサポート膜27は、下部電極29bの外壁と接触し、後述の湿式エッチングに際して個々の下部電極を一体として支える支持体として機能する。
【0071】
次に、図11に示した構造に対して、希釈フッ酸(フッ化水素酸:HF)を薬液として用いた湿式エッチングを行う。図13は、湿式エッチングを行った後の、図12に示す線分A1−A1の部位の断面に相当する。図13に示すように、メモリセル領域51では、第3層間絶縁膜26が除去される。希釈フッ酸溶液としては、湿式エッチングに要する時間短縮の観点から、49wt%(重量%)の濃度のものを用いることが好ましい。この濃度の希釈フッ酸溶液は、工業用として、通常、材料メーカから供給されるフッ酸の原液に相当し、そのまま湿式エッチング処理に用いることができる。
【0072】
湿式エッチングに際しては、LP−CVD法またはALD法で形成した窒化シリコン膜はフッ酸に対する耐性を有している。このため、ストッパ膜25よりも下層への薬液の浸透を阻止することができる。これにより、メモリセル領域51および周辺回路領域52に既に形成されたMOSトランジスタ等の素子にダメージを与えることを防げる。
【0073】
なお、図7を参照して説明した工程では、キャップ絶縁膜30として窒化シリコン膜をプラズマCVD法で形成しているため、キャップ絶縁膜30はフッ酸に対して耐性のない膜になっている。そのため、下部電極29a,29bの表面にキャップ絶縁膜30が残存している場合でも、この湿式エッチングの工程でキャップ絶縁膜30は完全に除去される。
【0074】
図13に示すように、上述の湿式エッチングによって、メモリセル領域51に形成された下部電極29aの外壁が露出し、クラウン型の電極が形成される。その際、個々の下部電極29aがサポート膜27によって支持されることで1つの塊として構成されるため、個々の下部電極の倒壊が防止できる。メモリセル領域51においては、1つのマットには通常10万個以上の下部電極29aがまとめて配置されるので、全体として十分な支持強度を有している。
【0075】
また、図13に示すように、周辺回路領域52のうち、補償容量領域53bに形成された下部電極29bも、下部電極29aと同様に、下部電極29bの外壁が露出し、クラウン型の電極が形成される。
【0076】
ここで、図14を参照して、本実施形態の半導体装置の製造方法の特徴を説明する。本実施形態の半導体装置の製造方法は、図8〜図13を用いて説明した、コア酸化膜(第3層間絶縁膜)の除去工程に特徴がある。
【0077】
図11から分かるように、サポート膜27に空けた開口パターン32a,32bには、コア酸化膜に相当する第3層間絶縁膜26が一部露出している。この状態でサポート膜27に対して湿式エッチングを施すことで、開口パターン32a,32bに露出した第3層間絶縁膜26にエッチャントが作用して、第3層間絶縁膜26が除去される。言い換えると、第3層間絶縁膜26に対する湿式エッチングにとってサポート膜27はエッチングマスクとして機能する。そして、第3層間絶縁膜26を除去した後もサポート膜27は残り、サポート膜27は下部電極29a,29bを支持する。ここで、本実施形態の製造方法では、図12に示したように、補償容量領域53bにおいて、サポート膜27の中央部には開口パターン32bを形成せず、マットの周辺部に開口パターン32bを形成するようにサポート膜27をパターニングしている。
【0078】
図14は、湿式エッチング後において、図12に示した補償容量領域53bのマットの中央部を横断する線分A2−A2に沿って矢印方向に見た断面図である。図14は、第3層間絶縁膜26を湿式エッチングにより除去した後の段階、すなわち、図13と同じ段階での線分A2−A2の断面図である。
【0079】
上述したように、本実施形態の製造方法では、補償容量領域53bのマットの中央部に開口パターン32bを形成しておらず、中央付近の第3層間絶縁膜26の上面はサポート膜27で覆われている。そのため、補償容量領域53bの第3層間絶縁膜26は、サポート膜27に開口パターン32bが形成された周辺部のみ露出し、中央付近では露出していない。よって、第3層間絶縁膜26の湿式エッチング工程では、サポート膜27の開口パターン32bに露出した周辺部の第3層間絶縁膜36からマット中央部の方向に徐々にエッチングが進むが、マット中央部の第3層間絶縁膜26はエッチングマスクとなるサポート膜27で覆われているため、サポート膜27によるマスクの作用により除去されにくい。
【0080】
その結果、開口パターン32aが形成されたメモリセル領域51の全域の第3層間絶縁膜26と、補償容量領域53bのマット周辺部の開口パターン32bにおける第3層間絶縁膜26が除去されるエッチング終了時では、補償容量領域53bのマット中央部下には第3層間絶縁膜26bが残ることになる。
【0081】
第3層間絶縁膜26のエッチング工程では、薬液による湿式エッチングを用いて、第3層間絶縁膜26を等方的に除去している。そのため、図14に示すように、補償容量領域53bでは、マット周辺部の上面から徐々に第3層間絶縁膜26が除去され、第3層間絶縁膜26の積層方向の断面が山型になるように第3層間絶縁膜26bが残る。言い換えれば、補償容量領域53bの第3層間絶縁膜26bは、頂部よりも底部が広い形状で、より広い面積でパッド22に接触した状態でサポート窒化膜27下に残る。
【0082】
上述したように、本実施形態の製造方法における、第3層間絶縁膜26の除去工程では、小さいマットの補償容量領域53bにおいて、サポート膜27の開口パターンを調整してマット中央部下の第3層間絶縁膜26をエッチングから保護することで、底部が広くパッド22に接するように第3層間絶縁膜26bを残すことができる。これにより、下部電極29bの下層との接触面積が小さくても、複数の下部電極29bを下部で支持する第3層間絶縁膜26bにより下層との密着性が大きくなる。その結果、第3層間絶縁膜26除去後の下部電極29とパッド22との接触面積が小さい補償容量領域53bで懸念されるマット飛びを防ぐことができる。
【0083】
本実施形態によれば、第3層間絶縁膜26の特別なパターニング工程を追加することなく、サポート膜の開口パターンを調整することで、下部電極29bの下層との密着性を大きくする効果を得ることができる。
【0084】
次に、図13および図14を参照して説明した工程の後、図15に示すように、下部電極29a,29bの露出している表面を覆うように、膜厚6〜10nm程度の容量絶縁膜35を形成する。図15は図12に示した線分A2−A2の部位に相当する断面図である。
【0085】
容量絶縁膜35の材料の例として、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)等のいずれかの高誘電体、または、それらの膜のうち2つ以上の膜を積層した積層体がある。容量絶縁膜35の形成にはALD法を用いることが可能である。容量絶縁膜35を形成した後、容量絶縁膜35の表面を覆うように上部電極膜36を形成する。
【0086】
上部電極36の形成の際、個々の下部電極間の隙間を上部電極36で充填する必要があるため、上部電極36を、次に説明するような積層構造とする。
【0087】
上部電極36の最下層の材料として、窒化チタン(TiN)等の金属膜を5〜10nmの膜厚で形成する。この最下層の金属膜を形成した段階では、個々の下部電極間に隙間が残っている。続いて、不純物を含有した多結晶シリコン膜を形成することにより、個々の下部電極間に残存している隙間を多結晶シリコン膜で充填する。
【0088】
多結晶シリコン膜の形成にLP−CVD法を用いることにより、段差部の被覆性(カバレッジ)の良好な膜として、多結晶シリコン膜が堆積される。そのため、個々の下部電極間に残存している隙間を多結晶シリコン膜で完全に充填することができる。図12において、サポート膜27で覆われている部分についても、開口パターン32a,32bを介して多結晶シリコン膜が形成されるため、下部電極間の隙間が充填される。
【0089】
多結晶シリコン膜に導入する不純物として、リンまたはホウ素等を用いることが可能であり、多結晶シリコン膜をN型またはP型の導電型にすることで、多結晶シリコン膜の電気抵抗を低減できる。さらに、シリコン以外の別の元素を不純物として多結晶シリコン膜に添加してもよい。
【0090】
また、多結晶シリコン膜を用いて個々の下部電極間の隙間を充填した後に、さらにタングステン等の金属膜を70〜100nm程度の膜厚で多結晶シリコン膜の上に堆積してもよい。また、上部電極36の最下層に用いる金属膜の材料として、窒化チタン以外の金属(例えば、ルテニウム等)を使用してもよく、形成するキャパシタに要求される電気特性に応じて、上部電極36の最下層に用いる金属膜を選択すればよい。
【0091】
本実施形態では、図15に示すように、補償容量領域53bに第3層間絶縁膜26bが残っているため、第3層間絶縁膜26bで覆われた下部電極29には容量絶縁膜35および上部電極膜36は形成されず、第3層間絶縁膜26bの表面に形成される。また、図15に示すように、残存する第3の層間絶縁膜26bがコンベックス(凸)形状になっている。そのため、補償容量領域53bの周辺部分では、キャパシタC2がメモリセル領域51のキャパシタC1と同等な形状に形成されるが、周辺部分から中央部にかけて、キャパシタC1とは高さの異なる、いびつな形状のキャパシタC2が形成されることになる。その結果、複数のキャパシタC2からなる補償容量素子65は中央が窪んだ形状になっている。この構造の補償容量素子65をコンケイブ(凹)型のキャパシタと称する。
【0092】
補償容量領域53bに第3層間絶縁膜26bをコンベックス形状に残すことで、クラウン型キャパシタがメモリセル領域51と同様な形状に形成されない部分が生じて、補償容量素子65がコンケイブ型になる。しかし、補償容量素子65では、マットとなるパッド22に接続される複数のキャパシタC2の全体で、所望の容量値を達成できればよいので、補償容量領域53bの周辺から中央にかけて、容量がキャパシタC1よりも小さいキャパシタC2による容量低減分をシリンダの個数を増やすことで調整することが可能である。
【0093】
本実施形態の半導体装置によれば、第3層間絶縁膜の積層方向の断面が頂部より底部が広い山型形状になっている。そのため、小さいマットの補償容量領域であっても、シリンダ型下部電極の下部を支持する第3層間絶縁膜により密着性が大きくなるので、洗浄工程において、下部電極パターンの剥がれ落ちを防げる。
【0094】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、補償容量領域53bの周辺近くに開口パターン32bを複数配置したサポート膜をマスクにした場合で説明したが、本実施形態は、第1の実施形態とは異なるマスクを用いて、第1の実施形態と同様な効果を得るようにしたものである。なお、本実施形態では、第1の実施形態で説明した半導体装置の構造および製造方法と同様な点についての詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる点を詳細に説明する。
【実施例1】
【0095】
本実施例は、第1の実施形態で説明したサポート膜27において、補償容量領域53bに開口パターンを形成しない場合である。
【0096】
図16は本実施例におけるサポート膜の一例を示す平面図である。図17は図16に示した線分B2−B2の部位に相当する断面図であり、図18は図16に示した線分B1−B1の部位に相当する断面図である。
【0097】
図16〜図18では、メモリセル領域51を示すことを省略している。図17および図18は第1の実施形態で説明した図14の断面に対応し、パッド22から上の構造を示し、他の構成を図に示すことを省略している。
【0098】
図16に示すように、サポート膜27cの平面パターンが補償容量領域53bのパッド22より一回り大きいのは、第1の実施形態と同様である。本実施例では、サポート膜27cには開口パターンが形成されていない。
【0099】
次に、このサポート膜27cを用いて第3層間絶縁膜26に対する湿式エッチングを行った場合を説明する。
【0100】
サポート膜27cをマスクにして、第3層間絶縁膜26に対する湿式エッチングを行うと、個々の下部電極29bをまわりこむようにして薬液が周辺部から中央部の方へ少しずつ浸透していくため、補償容量領域53bの外側から内側にエッチングが進む。図に示さないメモリセル領域で第3層間絶縁膜26を除去し終えたところでエッチング処理を終了させる。
【0101】
エッチング処理を終了すると、図16の線分B2−B2の部位では、図17に示すように、第3層間絶縁膜26が除去されている。一方、図16の線分B1−B1の部位では、図18に示すように、第3層間絶縁膜26bがコンベックス形状に残っている。
【0102】
本実施例によれば、第3層間絶縁膜26の除去工程では、第3層間絶縁膜26に対する上からのエッチングを保護することで、第3層間絶縁膜26が横から等方性エッチングされ、頂部よりも底部が広くなるように第3層間絶縁膜26bを残すことが可能となる。そのため、本実施例の場合でも、第1の実施形態と同様に、第3層間絶縁膜26bが下部電極29bの密着性を向上させ、洗浄工程などで下部電極29bが剥がれ落ちることを防止できる。
【実施例2】
【0103】
本実施例は、第1の実施形態で説明したサポート膜27において、補償容量領域53bの中央付近にのみ開口パターン32bを形成する場合である。
【0104】
図19は本実施例におけるサポート膜の一例を示す平面図である。図20は図19に示した線分C−Cの部位に相当する断面図である。なお、本実施例においても、図19および図20ではメモリセル領域51を示すことを省略している。また、図20は第1の実施形態で説明した図14の断面に対応し、パッド22から上の構造を示し、他の構成を図に示すことを省略している。
【0105】
図19に示すように、サポート膜27dの中央付近に、開口パターン32bが形成されている。サポート膜27dの平面パターンが補償容量領域53bのパッド22より1回り大きいことは、本実施形態の実施例2および第1の実施形態と同様である。
【0106】
次に、このサポート膜27dを用いて第3層間絶縁膜26に対する湿式エッチングを行った場合を説明する。
【0107】
サポート膜27dをマスクにして、第3層間絶縁膜26に対する湿式エッチングを行うと、個々の下部電極29bをまわりこむようにして薬液が周辺部から中央の方へ浸透していくだけでなく、開口パターン32bからも浸透する。そのため、補償容量領域53bの周辺部から中央にエッチングが進むと同時に、補償容量領域53bの中央から周辺部にもエッチングが進む。図に示さないメモリセル領域で第3層間絶縁膜26を除去し終えたところでエッチング処理を終了させる。
【0108】
エッチング処理を終了すると、図19の線分C−Cの部位では、図20に示すように、中央付近から両側に第3層間絶縁膜26bがコンベックス形状に残っている。そのため、本実施例の場合でも、第1の実施形態と同様に、第3層間絶縁膜26bが下部電極29bの下層への密着性を向上させ、洗浄工程などで下部電極29bが剥がれ落ちることを防止できる。
【0109】
上記2つの実施例で説明したように、本実施形態でも、第1の実施形態と同様な効果が得られる。また、第1および第2の実施形態を合わせて考えると、残存させるコア酸化膜の量や形状を、サポート膜の開口パターンにより調整できることがわかる。サポート膜はコア酸化膜への湿式エッチングに対するエッチングマスクとなっているので、サポート膜の開口パターンの有無、数、配置およびパターン形状などのいずれかを調整することによって、コア酸化膜の残存量や残存形状を制御することが可能になる。その結果、コンケイブ型キャパシタとなる補償容量素子65の容量も制御できる。
【0110】
なお、上述の実施形態では、デコーダ回路に内部電源電圧を供給するための配線に接続される補償容量素子の場合で説明したが、他の容量素子に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0111】
26 第3層間絶縁膜
27 サポート膜
50 半導体装置
51 メモリセル領域
52 周辺回路領域
53a、53b 補償容量領域
60 内部電源回路
65 補償容量素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に、複数の第1の開口を有するコア絶縁膜を形成し、
前記複数の第1の開口の側面を導電膜で覆う、シリンダ状の複数の下部電極を形成し、
少なくとも前記複数の下部電極間の前記コア絶縁膜の上面を覆うサポート膜を形成し、
前記サポート膜を用いて、少なくとも前記複数の下部電極が形成される領域の外側を除去したマスク膜を形成し、
前記マスク膜を形成した後、前記複数の下部電極間の一部に前記コア絶縁膜が残るように、前記コア絶縁膜に対して等方性エッチングを行う、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記マスク膜を形成する際、前記サポート膜に対して、前記複数の下部電極が形成される領域に第2の開口を形成することで、前記等方性エッチング後に残す前記コア絶縁膜を調整する、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記マスク膜を形成する際、前記複数の下部電極が形成される領域の周辺部に沿って、複数の前記第2の開口を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記マスク膜を形成する際、前記複数の下部電極が形成される領域の中央に前記第2の開口を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記等方性エッチングの際、頂部よりも底部が広い形状に前記コア絶縁膜を残す、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体基板上に前記コア絶縁膜を形成する前に、前記複数の下部電極が形成される領域よりも大きいパターンで、前記複数の下部電極のそれぞれの底部を接続するための導電性パッドを形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数の下部電極は周辺回路領域に設けられ、前記半導体装置は、前記複数の下部電極とは異なる複数の下部電極が形成されるメモリセル領域をさらに有し、
前記等方性エッチングの際、前記メモリセル領域における前記コア絶縁膜が除去されたときに該等方性エッチングを終了させる、半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項3または4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数の下部電極は周辺回路領域に設けられ、前記半導体装置は、前記複数の下部電極とは異なる複数の下部電極が形成されるメモリセル領域をさらに有し、
前記等方性エッチングで前記メモリセル領域における前記コア絶縁膜が除去されたときに前記コア絶縁膜が残るように、前記第2の開口の数および配置のうち、少なくともいずれかを調整する、半導体装置の製造方法。
【請求項9】
シリンダ状の複数の下部電極と、
前記複数の下部電極のうち、一部の下部電極間に設けられたコア絶縁膜と、
前記複数の下部電極の内壁面および外壁面のうち、前記コア絶縁膜と接触する部位を除く領域を覆う容量絶縁膜と、
前記容量絶縁膜を介して前記複数の下部電極の内部および下部電極間の隙間を埋める上部電極と、を有し、
前記コア絶縁膜の積層方向の断面が頂部より底部が広い山型形状である、半導体装置。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置において、
前記複数の下部電極のそれぞれの底部と接続された導電性パッドをさらに有する半導体装置。
【請求項1】
半導体基板上に、複数の第1の開口を有するコア絶縁膜を形成し、
前記複数の第1の開口の側面を導電膜で覆う、シリンダ状の複数の下部電極を形成し、
少なくとも前記複数の下部電極間の前記コア絶縁膜の上面を覆うサポート膜を形成し、
前記サポート膜を用いて、少なくとも前記複数の下部電極が形成される領域の外側を除去したマスク膜を形成し、
前記マスク膜を形成した後、前記複数の下部電極間の一部に前記コア絶縁膜が残るように、前記コア絶縁膜に対して等方性エッチングを行う、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記マスク膜を形成する際、前記サポート膜に対して、前記複数の下部電極が形成される領域に第2の開口を形成することで、前記等方性エッチング後に残す前記コア絶縁膜を調整する、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記マスク膜を形成する際、前記複数の下部電極が形成される領域の周辺部に沿って、複数の前記第2の開口を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記マスク膜を形成する際、前記複数の下部電極が形成される領域の中央に前記第2の開口を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記等方性エッチングの際、頂部よりも底部が広い形状に前記コア絶縁膜を残す、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体基板上に前記コア絶縁膜を形成する前に、前記複数の下部電極が形成される領域よりも大きいパターンで、前記複数の下部電極のそれぞれの底部を接続するための導電性パッドを形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数の下部電極は周辺回路領域に設けられ、前記半導体装置は、前記複数の下部電極とは異なる複数の下部電極が形成されるメモリセル領域をさらに有し、
前記等方性エッチングの際、前記メモリセル領域における前記コア絶縁膜が除去されたときに該等方性エッチングを終了させる、半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項3または4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数の下部電極は周辺回路領域に設けられ、前記半導体装置は、前記複数の下部電極とは異なる複数の下部電極が形成されるメモリセル領域をさらに有し、
前記等方性エッチングで前記メモリセル領域における前記コア絶縁膜が除去されたときに前記コア絶縁膜が残るように、前記第2の開口の数および配置のうち、少なくともいずれかを調整する、半導体装置の製造方法。
【請求項9】
シリンダ状の複数の下部電極と、
前記複数の下部電極のうち、一部の下部電極間に設けられたコア絶縁膜と、
前記複数の下部電極の内壁面および外壁面のうち、前記コア絶縁膜と接触する部位を除く領域を覆う容量絶縁膜と、
前記容量絶縁膜を介して前記複数の下部電極の内部および下部電極間の隙間を埋める上部電極と、を有し、
前記コア絶縁膜の積層方向の断面が頂部より底部が広い山型形状である、半導体装置。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置において、
前記複数の下部電極のそれぞれの底部と接続された導電性パッドをさらに有する半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−142369(P2012−142369A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292985(P2010−292985)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
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