説明

半導体装置の製造方法および半導体装置

【課題】本発明は、配線上面部からの金属拡散を抑制することができる、半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明では、半導体基板上の第一層間膜1内に形成された溝2内に、銅と第一金属元素とを含有する銅シード膜4を形成する。その後、銅メッキ処理を施す。その後、銅層の酸化が行われない第一雰囲気中にて第一熱処理を行う。そして、余分な銅合金金属層を除去し、溝2内に銅合金配線6を形成する。その後、酸素を含有する第二雰囲気中にて第二熱処理を行うことにより、銅合金配線6表面に、第一金属元素の酸化物である酸化物層7を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に係る発明であり、特に、銅を成分として含む配線とビアプラグとを有する、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体装置の配線層には、高信頼性を有し、高性能なCu(銅)ダマシン配線が多く用いられるようになっている。以下に、半導体装置におけるCuダマシン配線の従来の製造手順を説明する。
【0003】
まず、トランジスタを含む電子部品が形成された半導体基材上に、第1の層間絶縁膜を形成する。次に、当該第1の層間絶縁膜に所定の形状の下層配線用溝を形成する。次に、下層配線用溝の底面と側面を含む第1の層間絶縁膜上に、TaN膜とTa膜が積層して形成されたバリアメタル膜を形成する。そして、バリアメタル膜上に、Cuシード膜を形成する。
【0004】
次に、メッキ法によって、Cuシード膜上にメッキCu膜を形成する。このとき形成されるメッキCu膜の表面は、第1の層間絶縁膜の上面よりも高くなるように形成される。次に、メッキCu膜の銅グレインを成長させる目的で、熱処理を行う。その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によって、下層配線用溝に形成されたシードCu膜と第1の層間絶縁膜とが露出するまで、余剰なCu膜を除去する。これにより、下層配線用溝内に、下層Cu配線が形成される。
【0005】
次に、下層Cu配線が形成された第1の層間絶縁膜上に、銅の層間絶縁膜への拡散を防止する銅拡散防止膜を形成する。そして、当該銅拡散防止膜上に、絶縁材料からなる第2の層間絶縁膜を形成する。次に、第2の層間絶縁膜の所定の位置に、下層Cu配線に達するコンタクトホールを形成する。さらに、第2層間絶縁膜内に、上層配線用溝を形成する。ここで、当該上層配線用溝の底面の一部と、コンタクトホールの上面とは接続されている。
【0006】
次に、コンタクトホール内と上層配線用溝内に、TaN膜とTa膜からなるバリアメタル膜を形成する。次に、当該バリアメタル膜上に、Cuシード膜を形成する。次に、メッキ法によって、当該Cuシード膜上にメッキCu膜を形成する。そして、CMPにより、当該Cu膜の余剰部分を除去する。これにより、上層配線溝内に上層Cu配線が形成され、コンタクトホール内にコンタクトプラグが形成される。
【0007】
なお、当該Cuダマシン配線に関する先行技術として、たとえば非特許文献1が存在する。さらに、以下の特許文献1,2,3が存在する。
【0008】
特許文献1には、次の技術が開示されている。まず、埋め込みCu配線形成において、シード層として、Cu中の拡散係数が大きく、酸化の生成エネルギーが銅のそれよりも低いAl等の金属を含有するCu合金を形成する。そして、配線Cuを埋め込んだ後、熱処理により含有金属を拡散させる。そして、配線表面に酸化アルミ等の含有金属の酸化物を形成し、バリア膜とする。
【0009】
特許文献2には、次の技術が開示されている。まず、Al含有Cuシード層からのAl拡散で、埋め込みAl含有Cu配線を形成する。そして、その表面に形成された酸化アルミをそのまま残し、上層配線との接続ビア形成時に、バリアメタルと共に除去、下層CuAl配線をエッチングして、バリアメタル、ビアメタルを形成する。
【0010】
特許文献3には、次の技術が開示されている。銅以外のメタル(Mn,Al等)を含むシード層から、配線メタルである銅中へ含有メタルを拡散させるよう酸化雰囲気で処理する。これにより、銅配線メタル表面に拡散メタルの酸化膜を形成し、被覆層を形成する。
【0011】
【非特許文献1】K.Higashi,H.Yamaguchi,S.Omoto,A.Sakata,T.Katata,N.Matsunaga and H.Shibata,“Highly Reliable PVD/ALD/PVD Stacked Barrier Metal Structure for 45nm−Node Copper Dual−Damascene Interconnects”, International Interconnect Technology Conference 2004
【特許文献1】特開2007−59734号公報
【特許文献2】特開2007−180407号公報
【特許文献3】特開2007−67107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、先端SoC(System On a Chip)をはじめとする、Cu配線を使用するデバイスでは、その信頼性の向上が重要な課題である。当該信頼性を向上させるためには、Cu配線中の銅原子や空孔の拡散を抑制することが要求される。より具体的には、銅配線上からの銅原子等の拡散を抑制する必要がある。
【0013】
なお、特許文献1〜3においては、Cu金属とそれ以外の添加金属を含むシード層形成を行い、シード層上にCuメッキ処理を施した後、酸素雰囲気中にて熱処理を行って添加金属をCu金属内に拡散させつCuメッキ膜表面に添加金属酸化物を形成させていた。そのために、Cuメッキ膜中の添加金属元素濃度が低下し、エレクトロマイグレーション耐性が低下する不具合があった。
【0014】
そこで、本発明は、配線上面部からの金属拡散を抑制することができる、半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る1の実施の形態においては、半導体基板上の第一層間膜内に形成された溝の底面と側面とに、銅と第一金属元素とを含有する銅合金層を形成する。そして、溝を埋め込むように、銅層を形成する。そして、銅層の酸化が行われない第一雰囲気中にて第一熱処理を行うことにより、銅層を、銅と第一金属元素との合金で構成される銅合金金属層にする。そして、余分な銅合金金属層を除去することにより、溝内に配線を形成する。その後、酸素を含有する第二雰囲気中にて第二熱処理を行うことにより、配線表面に、第一金属元素の酸化物である酸化物層を形成する。
【発明の効果】
【0016】
上記実施の形態によれば、銅の拡散防止目的で一般的に採用されている金属拡散防止膜(SiCN,SiN)と比較して、上記第一金属元素を含む酸化物層の方が、銅合金配線の上面における銅や空孔の拡散が抑制できる。つまり、当該酸化物層を形成することにより、銅合金配線の上面における銅や空孔の拡散を遅くすることができる。したがって、結果として、銅合金配線のエレクトロマイーグレーションやストレスマイーグレーションと言った不良を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0018】
<実施の形態1>
以下、工程断面図に基づいて、実施の形態1に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0019】
まず、図1に示すように、トランジスタを含む電子部品が形成された半導体基板(図示せず)上に、第1の層間絶縁膜(第一層間膜と把握できる)1を形成する。そして、一般的なフォトリソグラフィ技術により、当該第1の層間絶縁膜1の表面内に、所定の形状の下層配線用溝2を形成する(図1参照)。
【0020】
さらに、当該第1の層間絶縁膜1の上面および下層配線用溝2内部に対して、スパッタ処理またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法による成膜処理を施す。これにより、図1に示すように、下層配線用溝2の底面および側面と、第1の層間絶縁膜1上とに、第一バリアメタル3を形成する。ここで、当該第一バリアメタル3は、TaN膜とTa膜との積層膜である。また、当該第一バリアメタル3としては、タンタル、タングステン、チタン、ルテニウム、マグネシウム、バナジウムから選択される第二金属元素、当該第二金属元素との窒化物、または当該第二金属元素との酸化物のいずれかを少なくとも含む膜を採用できる。
【0021】
次に、第一バリアメタル3に対して、スパッタ処理を施す。これにより、図2に示すように、第一バリアメタル3上に、Cu(銅)合金シード膜(銅合金層と把握できる)4が形成される。具体的に、第一バリアメタル3を介して、下層配線用溝2の底面および側面と、第1の層間絶縁膜1上とに、銅と第一金属元素とを含有するCu合金シード膜4を形成する。
【0022】
ここで、Cu合金シード膜4は、たとえば、0.1at.%以上10at.%以下のAl(アルミニウム)を含有するターゲットを用いた、スパッタ処理により形成される。この場合、Cu合金シード膜4は、CuAl合金シード膜となる。
【0023】
また、上記第一金属元素としては、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Mn(マンガン)、Sn(スズ)、Ag(銀)、Mg(マグネシウム)のいずれかを含む、金属元素を採用できる。この場合には、Cu合金シード膜4は、たとえば、0.1at.%以上10at.%以下の上記いずれかの金属元素を含有するターゲットを用いた、スパッタ処理により形成される。
【0024】
次に、Cu合金シード膜4に対してメッキ処理を施す。これにより、図3に示すように、Cu合金シード膜4上に、下層配線用溝2を充填するように、メッキCu膜(銅層と把握できる)5を形成する。ここで、形成されるメッキCu膜5の上面は、第1の層間絶縁膜1の上面(より具体的には、第1の層間絶縁膜1上に形成されたCu合金シード膜4の上面)よりも高い位置に存在する。
【0025】
次に、メッキCu膜5の酸化が行われない第一雰囲気中にて、図3に示した構造体に対して第一熱処理を行う。当該第一熱処理により、Cu合金シード膜4中に含有されている第一金属元素をメッキCu膜5中に拡散させる。つまり、当該第一熱処理により、メッキCu膜5を、銅と上記第一金属元素との合金で構成される銅合金金属層にする。さらに、当該第一熱処理により、メッキCu膜5の銅グレインを成長させる。
【0026】
また、銅の酸化を防止するため、上記第一雰囲気は、不活性ガス、窒素ガスおよび水素ガスのいずれかを含む混合ガス雰囲気、または、真空中である。なお、銅の酸化を防止するためには、第一雰囲気中に含まれる酸素は、1ppm以下である必要がある。さらに、当該第一熱処理は、100℃以上450℃以下の温度で、3分以上6時間以下実施される。当該第一熱処理は、100℃で10分以上、450℃で30分以下がより望ましい条件である。
【0027】
なお、上記と異なるが、上記第一金属元素のメッキCu膜5中の濃度調整を目的として、メッキCu膜5表面に当該第一金属元素の酸化物を析出させることを目的として、酸素を含有する雰囲気等で第一熱処理を行っても良い。
【0028】
次に、第一金属元素が拡散しているメッキCu膜5(銅合金金属層)の上面に対して、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を実施する。当該CMP処理は、下層配線用溝2内に形成されたCu合金シード膜4と第1の層間絶縁膜1の上面とが露出するまで、実施される。当該CMP処理により、下層配線用溝2の外側の余剰な銅合金金属層を除去し、図4に示すように、下層配線用溝2内に下層Cu合金配線6が形成される。つまり、下層配線用溝2と下層Cu合金配線6との間に第一バリアメタル3が形成された、構造が形成される。
【0029】
当該下層Cu合金配線6は、銅と第一金属元素とを含む銅合金配線である。ここで、当該第一金属元素は、上記通り、アルミニウム、チタン、マンガン、スズ、銀、マグネシウムのいずれかの金属元素である。
【0030】
次に、酸素を含有する第二雰囲気中(酸化雰囲気中)にて、図4に示す構造体に対して第二熱処理を行う。当該第二熱処理により、図5に示すように、下層Cu合金配線6の表面(上面全体)に、上記第一金属元素の酸化物である酸化物層7を形成する。たとえば、第一金属元素がアルミニウムである場合には、当該酸化物層7として、アルミ酸化膜(Al23)が形成される。
【0031】
ここで、当該第二熱処理は、酸素含有量5ppm以上の上記第二雰囲気中で、圧力1〜1000Pa、温度100℃以上450℃以下の条件で実施される。また当該第二雰囲気は、酸化雰囲気であれば良く、酸素ガスのみを含む雰囲気でなくても良い。たとえば、当該第二雰囲気は、N2Oガスを含む酸化雰囲気であっても良い。
【0032】
次に、銅の層間絶縁膜への拡散を防止する目的で、図5に示すように、第1の層間絶縁膜1上および酸化物層7(または下層Cu合金配線6)上に、金属拡散防止膜8を形成する。ここで、当該金属拡散防止膜9として、シリコンと窒素との化合物(たとえば、SiN、SiCN等)、SiCO、SiCのいずれかを含む絶縁膜を採用できる。
【0033】
次に、図6に示すように、金属拡散防止膜8上に、第2の層間絶縁膜(第二層間膜と把握できる)9を形成する。その後、図6に示すように、第2の層間絶縁膜9、金属拡散防止膜8および酸化物層7を貫通した第一ホール10を形成する。その後、図6に示すように、第2の層間絶縁膜9内に、所定の深さおよび所定の形状の上層配線用溝11を形成する。
【0034】
上記から分かるように、第一ホール10の形成により、当該第一ホール10直下の酸化物層7は除去されている。つまり、第一ホール10の底面からは、下層Cu合金配線6の上面が露出する。一方、第一ホール10の底部から露出する下層Cu合金配線6以外の、下層Cu合金配線6の上面には、酸化物層7が残存する。
【0035】
当該第一ホール10は、次のエッチング処理を第2の層間絶縁膜9、金属拡散防止膜8および酸化物層7に対して施すことにより、形成される。ここで、当該エッチング処理とは、Cl(塩素)やBr(臭素)を含んだガス(Cl2、BCl3、HBrなど)を含む混合ガス(たとえば、Cl2/ArやCl2/BCl3)などを用いた、ドライエッチ処理である。
【0036】
次に、吸着水分除去のため、100℃以上の温度で、製造途中の半導体装置を加熱する。さらに、露出した下層Cu合金配線6に対する銅還元のために、水素ガス、ヘリウム・水素混合ガス、アルゴンガス、ネオンガスのいずれかのガスを含有する雰囲気中で、当該製造途中の半導体装置に対してプラズマ処理または加熱処理を施す。
【0037】
次に、スパッタ処理またはCVD法による成膜処理により、第一ホール10の側面と底面、および上層配線用溝11の底面と側面、および第2の層間絶縁膜9上に、第二バリアメタル12を形成する(図7参照)。ここで、当該第二バリアメタル12は、TaN膜とTa膜との積層膜である。また、当該第二バリアメタル12としては、タンタル、タングステン、チタン、ルテニウム、マグネシウム、バナジウムから選択される第二金属元素、当該第二金属元素との窒化物、または当該第二金属元素との酸化物のいずれかを少なくとも含む膜を採用できる。
【0038】
次に、第二バリアメタル12に対して、スパッタ処理を施す。これにより、図7に示すように、第二バリアメタル12上に、Cu(銅)合金シード膜(銅合金層と把握できる)13が形成される。具体的に、第二バリアメタル12を介して、第一ホール10の側面・底面、下層配線用溝2の底面・側面、および第2の層間絶縁膜9上とに、銅と第一金属元素とを含有するCu合金シード膜13を形成する。
【0039】
ここで、当該第一金属元素としては、上記の通り、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Mn(マンガン)、Sn(スズ)、Ag(銀)、Mg(マグネシウム)のいずれかを含む、金属元素を採用することができる。
【0040】
次に、Cu合金シード膜13に対してメッキ処理を施す。これにより、図7に示すように、Cu合金シード膜13上に、第一ホール10および上層配線用溝11を充填するように、メッキCu膜(銅層と把握できる)14を形成する。ここで、形成されるメッキCu膜14の上面は、第2の層間絶縁膜9の上面(より具体的には、第2の層間絶縁膜9上に形成されたCu合金シード膜13の上面)よりも高い位置に存在する。
【0041】
次に、メッキCu膜14の酸化が行われないように、上述と同じの第一雰囲気中にて、図7に示した構造体に対して上記と同じ第一熱処理を行う。当該第一熱処理により、メッキCu膜14を、銅と上記第一金属元素との合金で構成される銅合金金属層にする。さらに、当該第一熱処理により、メッキCu膜14の銅グレインを成長させる。
【0042】
次に、第一金属元素が拡散しているメッキCu膜14(銅合金金属層)の上面に対して、CMP処理を実施する。当該CMP処理は、上層配線用溝11内に形成されたCu合金シード膜13と第2の層間絶縁膜9の上面とが露出するまで、実施される。当該CMP処理により、第一ホール10および上層配線用溝11の外側の余剰な銅合金金属層を除去される。そして、図8に示すように、第一ホール10内に銅合金から成るビアプラグ15が形成され、上層配線用溝11内に上層Cu合金配線16が形成される。
【0043】
ビアプラグ15および上層Cu合金配線16は、銅と第一金属元素とを含む銅合金配線である。ここで、当該第一金属元素は、上記通り、アルミニウム、チタン、マンガン、スズ、銀、マグネシウムのいずれかの金属元素である。
【0044】
次に、酸素を含有する第二雰囲気中(酸化雰囲気中)にて、ビアプラグ15および上層Cu合金配線16が形成された、製造途中の半導体装置に対して、上記と同じ、第二熱処理を行う。当該第二熱処理により、図8に示すように、上層Cu合金配線16の表面(上面全体)に、上記第一金属元素の酸化物である酸化物層17を形成する。
【0045】
以上のように、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、配線としてCu合金配線6,16を形成し、当該Cu合金配線6,16の形成後、酸素を含む第二雰囲気中で第二熱処理を施す。これにより、Cu合金配線6,16上面全体に酸化物層7,17を形成している。
【0046】
銅の拡散防止目的で一般的に採用されている金属拡散防止膜8(SiCN,SiN)と比較して、上記第一金属元素を含む酸化物層7,17の方が、Cu合金配線6,16の上面における銅や空孔の拡散が抑制できる。つまり、当該酸化物層7,17を形成することにより、Cu合金配線6,16の上面における銅や空孔の拡散を遅くすることができる。したがって、結果として、Cu合金配線6,16のエレクトロマイーグレーションやストレスマイーグレーションと言った不良を抑制することができる。
【0047】
また、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、層間絶縁膜1,9中に溝2,11を形成し、その後Cuシード層を形成し、その後メッキ法により銅を溝2,11に埋め込んでいる。さらに、第一雰囲気中で第一熱処理を行うことにより銅合金金属層(Cu+第一金属元素)を形成し、その後銅合金金属層に対してCMP処理を施している。さらに、その後、第二雰囲気中にて第二熱処理を行い、Cu合金配線6,16の上面全体に、第一金属元素の酸化物である酸化物層7,17を形成している。
【0048】
たとえば、メッキCu膜形成後、酸素を含まない第一雰囲気中で第一熱処理を行わず、酸化雰囲気中でアニール処理を行ったとする。この場合には、銅中の第一金属元素が銅表面に拡散する。この場合においてその後、酸化物層7,17形成のための第二雰囲気中での第二熱処理を実施すると、Cu合金配線6,16中の第一金属元素の濃度が低下してしまう。
【0049】
これに対して、本実施の形態では、上記の通り、CMP処理後のCu合金配線6,16上面全体に酸化物層7,17を形成する。したがって、CMP処理前に銅表面に第一金属元素の酸化物を形成することを防止できる。これにより、Cu合金配線6,16中の第一金属元素濃度が低下することを防止することができる。
【0050】
また、CMP処理前の第一雰囲気中での第一熱処理は、銅粒径を成長させることができる。これにより、Cu合金配線6,16の信頼性を確保し、配線抵抗を低抵抗化することができる。
【0051】
なお、Cu合金配線6,16上面全体に形成された上記酸化物層7,17は、銅の拡散防止膜としても機能する。これにより、配線間絶縁膜におけるTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)特性の改善効果も奏すことができる。
【0052】
また、上記製造方法を実施することにより、半導体基板上に形成される第1の層間絶縁膜1内に形成される溝2と、当該溝2内に形成される、銅と第一金属元素とを含有する銅合金から成るCu合金配線6とを備える、半導体装置が形成される。ここで、図9に示すように、Cu合金配線6には、銅結晶の粒界R1が存在する。
【0053】
ここで、上記製造方法で作製される半導体装置は、Cu合金配線6表面のいずれかの領域に形成される、第一金属元素の酸化物である酸化物層7を、さらに備えている。図10は、Cu合金配線6の平面図である。図10に示すように、Cu合金配線6の第一ホール10の底面(斜線領域)には、酸化物層7が除去されており、それ以外の領域(斜線領域以外の領域)Aにおいて酸化物層7が形成されている。より具体的に、図10に示すように、領域Aにおいて当該酸化物層7は、銅結晶の粒界R1に沿った第一領域a1と、粒界R1で囲まれた第二領域(砂地領域)a2とに、形成されている。
【0054】
そして、上記製造方法を実施することにより、上記第一領域a1に形成される酸化物層7の厚みは、上記第二領域a2に形成される酸化物層7の厚みよりも厚くなる。これは、CMP処理前の第一熱処理により拡散させた第一金属元素は、主に銅の粒界R1に存在し、CMP処理後の第二熱処理にて、当該粒界R1(第一領域a1)に酸化物層7がより優先して形成されるからである。
【0055】
第一領域a1に形成される酸化物層7の厚みが第二領域a2に形成される酸化物層7の厚みよりも厚くなることにより、銅あるいはボイドの主な拡散パスである銅の粒界R1での、銅原子や空孔の拡散を効果的に抑制することが可能となる。つまり、Cu合金配線6の上記酸化物7の構成に起因して、Cu合金配線6の断線等不具合が生じることを抑制できる。
【0056】
<実施の形態2>
以下、工程断面図に基づいて、実施の形態2に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0057】
まず、実施の形態1で図1〜5を用いて説明した製造工程を、本実施の形態においても同様に実施する。これにより、図5の構造体を形成される。
【0058】
図5に示す構造体では、第1の層間絶縁膜1の表面内に、所定形状の下層Cu合金配線6が形成されている。ここで、下層Cu合金配線6と第1の層間絶縁膜1との間には、第一バリアメタル3が形成されている。また、下層Cu合金配線6の上面全体には、上記第一金属元素の酸化物である酸化物層7が形成されている。そして、下層Cu合金配線6(より具体的には、酸化物層7)の上面および第1の層間絶縁膜1の上面には、金属拡散防止膜8が形成されている。
【0059】
次に、図11に示すように、金属拡散防止膜8上に、第2の層間絶縁膜(第二層間膜と把握できる)9を形成する。その後、図11に示すように、第2の層間絶縁膜9および金属拡散防止膜8を貫通した第一ホール21を形成する。また、図11に示すように、第2の層間絶縁膜9の表面内に、所定の深さおよび所定の形状の上層配線用溝11を形成する。
【0060】
ここで、上記から分かるように、第一ホール21の形成により、当該第一ホール21の底面から、酸化物層7が露出する。つまり、実施の形態1では、第一ホール10の形成の際に、当該第一ホール10直下の酸化物層7は除去されていた。これに対して、本実施の形態では、第一ホール21の形成の際に、酸化物層7の除去は行わない。したがって、第一ホール21の形成直後には、下層Cu合金配線6の上面は露出せず、下層Cu合金配線6上面全体に酸化物層7が残存する。
【0061】
これにより、第一ホール21の形成後の工程において、下層Cu合金配線6が再酸化されることを抑制することができる。
【0062】
当該第一ホール21は、たとえば次に示すエッチング処理を、第2の層間絶縁膜9および金属拡散防止膜8に対して施すことにより、形成される。ここで、当該エッチング処理とは、フッ素を含んだガス(CF4、C48、SF6)に、アルゴンなどの不揮発性ガスや窒素ガスを混合した混合ガス(たとえば、CF4/ArやC48/N2/Ar)などを用いた、ドライエッチングである。
【0063】
次に、スパッタ処理またはCVD法による成膜処理により、第一ホール21の側面と底面、および上層配線用溝11の底面と側面、および第2の層間絶縁膜9上に、第二バリアメタル12を形成する(図12参照)。ここで、当該第二バリアメタル12は、TaN膜とTa膜との積層膜である。また、当該第二バリアメタル12としては、タンタル、タングステン、チタン、ルテニウム、マグネシウム、バナジウムから選択される第二金属元素、当該第二金属元素との窒化物、または当該第二金属元素との酸化物のいずれかを少なくとも含む膜を採用することができる。
【0064】
次に、第二バリアメタル12の形成を行った装置と同一装置内において、真空連続処理にて、第一ホール21の底部に対してエッチング処理を施す。当該エッチング処理により、図13に示すように、第一ホール21直下に形成されていた、第二バリアメタル12および酸化物層7および下層Cu合金配線6の上面の一部が除去される。
【0065】
つまり、当該エッチング処理により、第一ホール21の底面からは、下層Cu合金配線6が露出する。一方、第一ホール21の底部から露出する下層Cu合金配線6以外の、下層Cu合金配線6の上面には、酸化物層7が残存する(図13参照)。また、当該エッチング処理により、第一ホール21の直下において、下層Cu合金配線6に所定の深さの窪み23が形成される(図13参照)。ここで、第一ホール21直下において酸化物層7が除去できていれば良く、下層Cu合金配線6に形成される窪み23の所定の深さがどのような値であっても良い。
【0066】
なお、第一ホール21および第二バリアメタル膜12の形成後に実施される当該エッチング処理としては、プラズマ処理、ウエット処理、スパッタ処理のいずれかの処理を採用することができる。いずれの処理によっても、第一ホール21直下の第二バリアメタル膜12および酸化物層7を除去することができる。
【0067】
たとえば、プラズマ処理の場合には、Cl(塩素)やBr(臭素)を含んだガス(Cl2、BCl3、HBrなど)を含む混合ガス(たとえば、Cl2/ArやCl2/BCl3)などを用いた、ドライエッチ処理を行う。あるいは、水素ガスを含む雰囲気中(たとえば、H2とArの混合ガス中など)で、スパッタエッチングを行う。
【0068】
また、ウエット処理としては、たとえば、炭酸塩(炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等)や炭酸、オゾン、水を用いた実施する。あるいは、NaOHや王水による溶解を実施する。
【0069】
また、スパッタ処理としては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン、水素、窒素のいずれかを含む不活性ガスを用いて、実施する。なお、当該スパッタ処理により、円錐形状、半円形状、円錐台形状等の窪み(第二ホールと把握できる)23が、第一ホール21の直下の下層Cu合金配線6において形成される。
【0070】
次に、酸化物層7の除去および下層Cu合金配線6に対する窪み23形成を行った装置と同一装置内において、真空連続処理にて、図13に示すように第三バリアメタル25の形成を行う。
【0071】
ここで、当該第三バリアメタル25の形成は、スパッタ処理またはCVD法による成膜処理により行われる。当該第三バリアメタル25は、下層Cu合金配線6に対する窪み23の内側に形成されると共に、既に形成されている第二リアメタル12上においても形成される。なお、当該第三バリアメタル25としては、タンタル、タングステン、チタン、ルテニウム、マグネシウム、バナジウムから選択される第二金属元素、当該第二金属元素との窒化物、または当該第二金属元素との酸化物のいずれかを少なくとも含む膜を採用することができる。
【0072】
さらに引き続き、上記と同じ装置内における真空連続処理にて、第二,三バリアメタル12,25上に、Cu(銅)合金シード膜(銅合金層と把握できる)13を形成する(図14参照)。当該Cu合金シード膜13は、スパッタ処理により形成される。Cu合金シード膜13は、銅と第一金属元素とを含有している。
【0073】
ここで、当該第一金属元素としては、上記の通り、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Mn(マンガン)、Sn(スズ)、Ag(銀)、Mg(マグネシウム)のいずれかを含む、金属元素を採用することができる。
【0074】
次に、Cu合金シード膜13に対してメッキ処理を施す。これにより、図14に示すように、Cu合金シード膜13上に、窪み23、第一ホール21および上層配線用溝11を充填するように、メッキCu膜(銅層と把握できる)14を形成する。ここで、形成されるメッキCu膜14の上面は、第2の層間絶縁膜9の上面(より具体的には、第2の層間絶縁膜9上に形成されたCu合金シード膜13の上面)よりも高い位置に存在する。
【0075】
次に、メッキCu膜14の酸化が行われないように、上述と同じの第一雰囲気中にて、図14に示した構造体に対して上記と同じ第一熱処理を行う。当該第一熱処理により、メッキCu膜14を、銅と上記第一金属元素との合金で構成される銅合金金属層にする。さらに、当該第一熱処理により、メッキCu膜14の銅グレインを成長させる。
【0076】
次に、第一金属元素が拡散しているメッキCu膜14(銅合金金属層)の上面に対して、CMP処理を実施する。当該CMP処理は、上層配線用溝11内に形成されたCu合金シード膜13と第2の層間絶縁膜9の上面とが露出するまで、実施される。当該CMP処理により、余剰な銅合金金属層を除去される。そして、図15に示すように、第一ホール21、窪み23内に銅合金から成るビアプラグ26が形成され、上層配線用溝11内に上層Cu合金配線16が形成される。
【0077】
ビアプラグ26および上層Cu合金配線16は、銅と第一金属元素とを含む銅合金配線である。ここで、当該第一金属元素は、上記通り、アルミニウム、チタン、マンガン、スズ、銀、マグネシウムのいずれかの金属元素である。
【0078】
次に、酸素を含有する第二雰囲気中(酸化雰囲気中)にて、ビアプラグ26および上層Cu合金配線16が形成された、製造途中の半導体装置に対して、上記と同じ、第二熱処理を行う。当該第二熱処理により、図15に示すように、上層Cu合金配線16の表面(上面全体)に、上記第一金属元素の酸化物である酸化物層17を形成する。
【0079】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、上記工程を備える。したがって、実施の形態1で説明した効果と同様な効果を有する。また、本実施の形態に係る製造方法により作製される半導体装置においても、図9,10を用いて説明した構成を有する。したがって、本実施の形態に係る製造方法により作製される半導体装置においても、実施の形態1に係る製造方法により作製された半導体装置が有する効果と同様の効果を有する。
【0080】
さらに、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、酸化物層7が露出するように第一ホール21を形成している。さらに、第二バリアメタル12形成後に、第一ホール21直下の酸化物層7を除去すると共に、第一ホール21直下の下層Cu合金配線6に窪み23を形成している。その後、第三バリアメタル25、Cu合金シード膜13およびメッキCu膜14の形成も行っている。
【0081】
したがって、実施の形態1で説明した、「吸着水分除去のための加熱処理を施す工程」および、「露出した下層Cu合金配線6に対する銅還元のためのプラズマ処理または加熱処理を施す工程」を、省略することができる。
【0082】
なお、上記各実施の形態において、下層Cu合金配線6(または上層Cu合金配線16)に対してCMP処理を施し、Cu表面に酸素が十分に吸着するまで、製造途中の半導体装置を放置したとする。この場合には、第二熱処理として、高真空中でのアニール処理を採用したとしても、Cu表面に十分な酸化物層7(または酸化物層7)を形成することができる。
【0083】
ここで、たとえば一般的クリーンルームで半日ほど、CMP処理後の製造途中の半導体装置を放置すれば、Cu表面に十分な酸素を吸着させることができる。当該放置時間は、クレーンルーム内における温度や湿度に応じて変化する。
【0084】
なお、本発明は、先端SoC(System On a Chip)をはじめとする、銅を含む配線を使用する半導体デバイス全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図2】実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図3】実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図4】実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図5】実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図6】実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図7】実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図8】実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図9】本発明に係る半導体装置の製造方法により作製された半導体装置が有する、配線の構成を示す図である。
【図10】本発明に係る半導体装置の製造方法により作製された半導体装置が有する、配線の構成を示す図である。
【図11】実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図12】実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図13】実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図14】実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図15】実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
【符号の説明】
【0086】
1 第1の層間絶縁膜、2 下層配線用溝、3 第一バリアメタル、4,13 Cu合金シード膜、5,14 メッキCu膜、6 下層Cu合金配線、7,17 酸化物層、8 金属拡散防止膜、9 第2の層間絶縁膜、10,21 第一ホール、11 上層配線用溝、12 第二バリアメタル、15,26 ビアプラグ、16 上層Cu合金配線、23 窪み、25 第三バリアメタル、R1 粒界、a1 第一領域、a2 第二領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)半導体基板上の第一層間膜内に、溝を形成する工程と、
(B)前記溝の底面と側面とに、銅と第一金属元素とを含有する銅合金層を形成する工程と、
(C)前記銅合金層上に、前記溝を埋め込むように、銅層を形成する工程と、
(D)前記銅層の酸化が行われない第一雰囲気中にて第一熱処理を行うことにより、前記銅層を、銅と前記第一金属元素との合金で構成される銅合金金属層にする工程と、
(E)前記溝の外側の前記銅合金金属層を除去することにより、前記溝内に配線を形成する工程と、
(F)酸素を含有する第二雰囲気中にて第二熱処理を行うことにより、前記配線表面に、前記第一金属元素の酸化物である酸化物層を形成する工程とを、備える、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第一金属元素は、
アルミニウム、チタン、マンガン、スズ、銀、マグネシウムのいずれかを含む、金属元素である、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第一雰囲気は、
不活性ガス、窒素ガスおよび水素ガスのいずれかを含む混合ガス雰囲気、または、真空中である、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
(G)前記工程(F)の後に、前記第一層間膜上および前記酸化物層上に、金属拡散防止膜を形成する工程と、
(H)前記金属拡散防止膜上に、第二層間膜を形成する工程と、
(I)前記酸化物層が露出するように、前記第二層間膜および前記金属拡散防止膜を貫通した第一ホールを形成する工程とを、さらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
(J)前記工程(A)と前記工程(B)との間に実施される、前記溝の底面と側面とに第一バリアメタルを形成する工程と、
(K)前記第一ホールの側面と底面とに第二バリアメタルを形成する工程とを、さらに備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記金属拡散防止膜は、
シリコンと窒素との化合物、SiCO、SiCのいずれかを含む絶縁膜である、
ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
(L)前記工程(I)の後に、プラズマ処理、ウエット処理、スパッタ処理のいずれかの処理により、前記第一ホール直下の前記酸化物層を除去する工程を、さらに備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記工程(L)は、
アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン、ヘリウムのいずれかを含む不活性ガス、あるいは前記不活性ガスに水素および窒素のいずれかを含むガスを用いた前記スパッタ処理により、前記第一ホール直下の前記酸化物層を除去すると共に、前記第一ホール直下の前記配線に、円錐形状、半円形状または円錐台形状の第二ホールを形成する工程であり、
(M)少なくとも前記第二ホールの内側に、第三バリアメタルを形成する工程と、
(N)前記第二,三バリアメタル上に、銅と前記第一金属元素とを含有する上部銅合金層を形成する工程と、
(O)前記第一ホールおよび前記第二ホール内を埋め込むように、前記上部銅合金層上に、銅層を形成する工程とを、さらに備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第一乃至三バリアメタルは、
タンタル、タングステン、チタン、ルテニウム、マグネシウム、バナジウムから選択される第二金属元素、前記第二金属元素との窒化物、または前記第二金属元素との酸化物のいずれかを少なくとも含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
半導体基板上に形成される第一層間膜と、
前記第一層間膜内に形成される溝と、
前記溝内に形成される、銅と第一金属元素とを含有する銅合金を有する配線と、
前記配線表面に形成される、前記第一金属元素の酸化物である酸化物層とを、備え、
前記酸化物層は、
銅結晶の粒界に沿った第一領域と、前記粒界に囲まれた第二領域とに、形成されており、
前記第一領域に形成される前記酸化物層の厚みは、
前記第二領域に形成される前記酸化物層の厚みよりも厚い、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
前記第一金属元素は、
アルミニウム、チタン、マンガン、スズ、銀、マグネシウムのいずれかを含む、金属元素である、
ことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記溝と前記配線との間に形成される第一バリアメタルと、
前記配線上および前記第一層間膜上に形成され、前記酸化物層に接するように形成される金属拡散防止膜と、
前記金属拡散防止膜上に形成される第二層間膜と、
前記第二層間膜および前記金属拡散防止膜を貫通するように形成される第一ホールと、
前記第一ホールの側面に形成される第二バリアメタルとを、さらに備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記金属拡散防止膜は、
シリコンと窒素との化合物、SiCO、SiCのいずれかを含む絶縁膜である、
ことを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第一ホール直下の前記酸化物層は、
除去されている、
ことを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第一ホール直下の前記配線に形成される、所定の深さの第二ホールと、
少なくとも前記第二ホールの内側に形成される第三バリアメタルと、
前記第二、三バリアメタル上に形成される、銅と前記第一金属元素を含有するビアプラグとを、さらに備える、
ことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第一乃至三バリアメタルは、
タンタル、タングステン、チタン、ルテニウム、マグネシウム、バナジウムから選択される第二金属元素、前記第二金属元素との窒化物、または前記第二金属元素との酸化物のいずれかを少なくとも含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−50303(P2010−50303A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213563(P2008−213563)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】