説明

半導体装置の製造装置及び半導体装置の製造方法

【課題】信頼性の高い半導体装置を効率良く製造できるようにする。
【解決手段】減圧されるチャンバ62と、チャンバ62内において、露出するレジスト膜49を有する半導体基板1を複数支持する基板ホルダ64と、基板ホルダ64の配置領域の外側に設けられ、チャンバ62内に酸素ガスを供給する供給孔72が複数箇所に形成されたガス供給管71と、チャンバ62内の流体を吸い込む排気孔が設けられた排気管74と、レジスト膜49をアッシングさせるための酸素ガスを活性化する高周波電源66と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造装置及び半導体装置の製造方法に関し、特に、半導体基板上に形成され、データを保持するための強誘電体容量素子を備える強誘電体メモリの製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを高速に処理又は保存する傾向が高まっている。このため、電子機器に使用される半導体装置の高集積化及び高性能化が要求されている。
【0003】
そこで、半導体記憶装置に関しては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)の高集積化を実現するため、DRAMを構成する容量素子の容量絶縁膜として、従来のシリコン酸化物又はシリコン窒化物に代えて、強誘電体材料又は高誘電率材料を用いる技術が広く研究開発され始めている。このような半導体記憶装置としては、フラッシュメモリや強誘電体メモリ(FeRAM)といった、電源を遮断しても記憶情報が消失しない不揮発性メモリが知られている。
【0004】
強誘電体メモリは、強誘電体キャパシタを構成する強誘電体のヒステリシス特性を利用して情報を記憶する。強誘電体キャパシタは、上部電極及び下部電極の一対の電極で強誘電体膜を挟んだ構成を有する。ここで、下部電極には、例えばプラチナ膜が用いられ、強誘電体膜には、残留分極量が10μC/cm〜30μC/cm程度のPZT(Pb(Zr,Ti)O)膜や、SBT(SrBiTa)膜などのペロブスカイト結晶構造を有する強誘電体酸化物が主に用いられている。上部電極には、例えば、酸化イリジウム膜が用いられている。
【0005】
ところで、この種の強誘電体膜に外部から水分が侵入すると、膜中の酸素と反応して酸素欠陥を生じて結晶性を劣化させることが知れている。強誘電体膜の結晶性が劣化すると、残留分極量や誘電率が低下するなどの性能劣化を引き起す。このような性能劣化を防止するため、従来では、強電体キャパシタを形成した後、酸化アルミ膜や酸化チタン膜などからなるバリア膜を形成して強誘電体キャパシタ全体を覆うことで水分の浸入を防いでいた。
【0006】
バリア膜で強誘電体キャパシタを覆った後は、層間絶縁膜及び金属配線を形成する。金属配線を形成するときは、最初に層間絶縁膜をエッチングして下部電極と、上部電極のそれぞれを露出させるビアホールを形成し、ビアホールに金属を埋め込んでプラグを形成する。さらに、プラグ上に金属配線を形成する。例えば、上部電極に連通するビアホールを形成するときは、層間絶縁膜上にレジスト膜を塗布してからリソグラフィ技術によって上部電極の上方に開口を形成する。そしてレジスト膜をマスクにしてエッチングを行う。エッチングが終了したら、アッシング装置でレジストを除去する。
【0007】
ここで、従来のアッシング装置には枚葉式が採用されている。その装置構成は、強誘電体キャパシタが形成された基板を1枚収容可能なチャンバと、チャンバ内に基板に対向配置されるガス噴出部とを有し、昇降機構によって基板とガス噴出部の間の距離を調整可能になっている。アッシング時には、ガス噴出部から酸素ガスを供給し、酸素ラジカルを生成させてレジスト膜をアッシングして除去する。この際に生じる二酸化炭素や一酸化炭素、水等は、気体のまま、基板表面から移動させられ、排出される。
【特許文献1】特開昭62−165923号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、枚葉式のアッシング装置では、基板を一枚ずつ処理することになるので生産性が悪かった。
また、従来のアッシング装置でレジストを除去すると、強誘電体膜の性能劣化が生じることがあった。これは、前工程のエッチングで下部電極を露出させた状態でアッシングを行うと、レジストが分解されたときに生じる水素が下部電極を構成するプラチナの触媒作用によって強誘電体膜中の酸素を奪い、強誘電体膜を劣化させるためであると考えられる。このような現象は、下部電極膜を露出させた部分に近い領域で顕著に生じていた。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、信頼性の高い半導体装置を効率良く製造できるようにすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点によれば、減圧されるチャンバと、前記チャンバ内において、露出するレジスト膜を有する半導体基板を複数支持する基板ホルダと、前記基板ホルダの配置領域の外側に設けられ、前記チャンバ内に酸素ガスを供給する供給孔が複数箇所に形成されたガス供給管と、前記チャンバ内の流体を吸い込む排気孔が設けられた排気管と、前記レジスト膜をアッシングさせる前記酸素ガスを活性化する高周波電源と、を有することを特徴とする半導体装置の製造装置を提供する。
【0010】
また、本発明の別の観点によれば、貴金属膜を露出させるパターンのレジスト膜が形成された半導体基板をチャンバ内の基板ホルダの外周に複数枚配置する工程と、前記基板ホルダの外周に配置した複数のガス供給管のガス供給孔から前記半導体基板の前記レジスト膜のそれぞれに向けて酸素を供給する工程と、前記チャンバ内の減圧雰囲気に高周波電界を生じさせることにより前記酸素のプラズマを生成して前記レジスト膜をアッシングする工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バッチ式のアッシングプロセスにおいて酸素ガスを半導体基板に十分に供給できるようになる。アッシングのばらつきを防止できると共に、従来の枚葉式に比べて生産性を向上できる。また、ガス供給管から半導体基板上の中央を通って排気管に向う流れが形成されることで、アッシング時の反応生成物の滞留が防止され、強誘電体膜の性能劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1実施の形態)
本発明の第1実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1A〜図1Iは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。この実施の形態は、プレーナ構造のキャパシタを有する半導体装置(強誘電体メモリ)の製造方法、及び半導体装置の製造装置に関する。
【0013】
最初に、図1Aに示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、n型又はp型のシリコン基板1(半導体基板)の表面に、トランジスタの活性領域を画定する素子分離絶縁膜2を形成する。この実施の形態では素子分離絶縁層2をLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法により形成する。なお、素子分離絶縁層2は、シリコン基板1の素子分離領域に溝を形成し、その中に酸化シリコン等の絶縁膜を埋め込むことにより形成されるシャロートレンチアイソレーション(STI)であっても良い。
【0014】
次いで、シリコン基板1のメモリセル領域におけるトランジスタ活性領域にp型不純物、例えばボロンを導入してpウェル3を形成する。そして、トランジスタ活性領域の表面を熱酸化させてゲート絶縁膜5を形成する。この場合のゲート絶縁膜5は、熱酸化によるシリコン酸化膜であり、その厚さは約6〜7nmである。
【0015】
さらに、シリコン基板1の全面に、非晶質のシリコン膜、タングステンシリサイド膜及びシリコン酸化膜をCVD法により順に形成した後に、フォトリソグラフィ技術を用いてそれらの膜をパターニングしてシリコン膜及びタングステンシリサイド膜からゲート電極6A,6Bを形成する。シリコン膜を例えば厚さ約50nm、タングステンシリサイド膜を例えば約150nmとし、さらに、シリコン酸化膜を例えば45nmとする。
【0016】
ゲート電極6A,6Bは、pウェル3上に間隔をおいて互いに平行に二つ形成され、その各々がワード線の一部を構成する。さらに、ゲート電極6A,6Bをマスクにしたイオン注入により、ゲート電極6A,6Bの両側のシリコン基板1の表層にn型不純物、例えばリンを導入し、低不純物濃度のソース/ドレインエクステンション8A,8Bを形成する。
この後に、ゲート電極6A,6Bを含むシリコン基板1の上側全面に絶縁膜を形成し、その絶縁膜をエッチバックしてゲート電極6A,6Bの両側部分のみを残して絶縁性サイドウォール10を形成する。絶縁膜には、例えばCVD法により形成された酸化シリコン膜が用いられる。
【0017】
続いて、絶縁性サイドウォール10とゲート電極6A,6Bをマスクにしてシリコン基板1の表層に砒素等のn型不純物を再びイオン注入し、各ゲート電極6A,6Bの側方のシリコン基板1にソース/ドレイン領域11A,11B(高濃度不純物拡散領域)を形成する。
【0018】
ここまでの工程で、シリコン基板1の活性領域ごとに、ゲート絶縁膜5、ゲート電極6A,6B、ソース/ドレイン領域11A,11B等によって構成される2つのMOSトランジスタT1,T2が形成される。
【0019】
次に、ゲート電極6A,6Bを含むシリコン基板1の上側全面に、酸化防止絶縁膜13(カバー膜)としてプラズマCVD法で酸窒化シリコン(SiON)膜を厚さ約200nmに形成する。さらに、TEOS(tetra ethoxy silane)ガスを使用するプラズマCVD法により、酸化防止絶縁膜13の上に第1層間絶縁膜14としてノンドープシリケートガラス(NSG)膜を厚さ約600nmに形成する。そして、第1層間絶縁膜14の表面を化学的機械研磨 (CMP:Chemical Mechanical Polishing)法で200nm程度研磨して平坦化させる。
【0020】
次に、図1Bに示す断面構造を得るまでの工程について説明する。なお、図1Bから以下の図1Hまでは、図1Aに示した一方のMOSトランジスタT1の一部は省略して描かれている。
まず、第1層間絶縁膜14の上に第2層間絶縁膜18として、TEOSを使用してプラズマCVD法によりNSG膜を100nmの厚さに形成する。続いて、第1、第2層間絶縁膜14、18に対して、例えば窒素雰囲気で基板温度を650℃に設定して約30分間の脱水処理を行う。
次に、第2層間絶縁膜18上に第1酸化防止膜19を形成する。第1酸化防止膜19として、例えばスパッタ等のPVD法によりアルミナ(Al)を20nmの厚さに形成する。
【0021】
次に、第1酸化防止膜19の上には、下部電極密着膜24としてアルミナ(Al)膜をスパッタ法で20nm程度の厚さに形成する。その後、急速熱アニーリング(RTA)により650℃の酸素雰囲気中で下部電極密着膜24を60秒間酸化させる。
【0022】
続いて、下部電極密着膜24の上に、第1の金属膜である下部電極膜25(下部導電膜)を形成する。下部電極膜25として、例えば、スパッタ法で形成したPt膜が用いられ、その厚さは約155nmである。なお、下部電極膜25は、Ir膜、Ru膜など、貴金属膜であることが好ましい。
【0023】
次に、図1Cに示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
下部電極膜25上に強誘電体膜27としてPZT膜を例えばスパッタ法により150nm〜200nmの厚さに形成する。
この後、強誘電体膜27を結晶化するためにRTAで熱処理する。熱処理条件は、例えばアルゴンと酸素を混合した雰囲気中で例えば約563℃、90秒間とする。この場合、アルゴンガスを約1.95ミリリットル(ml)/分、酸素ガスを0.55ml/分の流量で流す。
さらに、強誘電体膜27の上面に、スパッタ等のPVD法により第1上部電極膜29、第2上部電極膜30を順次形成する。
【0024】
ここで、第1上部電極膜29として、酸化イリジウム膜を形成する。その後、第1上部電極膜29をRTAにより熱処理する。熱処理条件は、例えばアルゴンと酸素を混合した雰囲気中で例えば約708℃、90秒間とする。この場合、アルゴンガスを約2.00ml/分、酸素ガスを0.02ml/分の流量で流す。
さらに、第1上部電極膜29の上に、PVD法により第2上部電極膜30として酸化イリジウム膜を形成する。第1上部電極膜29とは条件を変えてもよく、例えば酸素のガス流量比を高くする。
その後に、第2上部電極膜30上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像することにより、キャパシタの上部電極形状のレジストパターン34を形成する。さらに、レジストパターン34をマスクにして、第1、第2上部電極膜29、30をエッチングする。
【0025】
そして、レジストパターン34の下に残された第1、第2上部電極膜29、30をキャパシタの上部電極35とする。エッチング後、レジストパターン34を除去する。上部電極35は、例えばワード線に沿って間隔をおいて複数個形成される。
その後、レジストパターン32を除去する。次いで、シリコン基板1を縦型炉に入れて、酸素雰囲気で例えば基板温度を650℃とし、60分間、熱処理を行う。縦型炉内に導入する酸素量として例えば20リットル/分とする。なお、縦型炉は、シリコン基板1を複数枚入れることが可能なバッチ式である。
【0026】
次に、フォトレジストパターンをマスク(不図示)に使用して強誘電体膜27をエッチングによりストライプ状にパターニングする。強誘電体膜27は、図2Aに示すように、例えばワード線に略平行な方向に延び、複数の上部電極35の下を通る長方形の平面形状を有している。次いで、縦型炉内の酸素雰囲気にシリコン基板1を入れで例えば基板温度を300℃〜400℃、例えば350℃とし、30分間〜120分間、例えば60分間の熱処理を行う。酸素雰囲気中に導入する酸素を例えば20リットル/分とする。
【0027】
この後、図1Eに示すように、上部電極35及び強誘電体膜27上に第1保護膜41として約50nmの厚さのAl膜を例えばスパッタ法又はCVD法、或いはALD法により形成する。その後に、例えば縦型炉内の酸素雰囲気にシリコン基板1を入れ、例えば基板温度を500℃〜700℃、例えば550℃とし、30分間〜120分間、例えば60分間の熱処理を行う。酸素雰囲気中に導入する酸素を例えば20リットル/分とする。
【0028】
次に、図1Fに示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
第1保護膜30の全面にフォトレジスト膜を例えばスピンコート法によって形成する。フォトリソグラフィ法でフォトレジスト膜を所定の平面形状、即ち強誘電体キャパシタの下部電極の平面形状にパターニングする。
続いて、パターニングされたフォトレジスト膜をマスクにして第1保護膜41及び下部電極膜25をエッチングし、下部電極膜25からなる下部電極36を形成する。その後、フォトレジスト膜を除去する。
下部電極36は、略長方形の平面形状を有する。その端部は、図2Bの側断面図に示すように、強誘電体膜27からはみ出す大きさである。このようにしてパターニングされた上部電極35、強誘電体膜27及び下部電極36によって、強誘電体キャパシタ37が形成される。
なお、図1F〜図1Hでは、実際には下部電極36は現れないが、強誘電体キャパシタ37の構造を解り易くするために、図の裏面側に突出する下部電極36の端部を右側に突出して記載している。
【0029】
続いて、シリコン基板1を縦型炉に入れて、酸素雰囲気で例えば基板温度を650℃とし、60分間、熱処理を行う。縦型炉内に導入する酸素量として例えば20リットル/分とする。
【0030】
さらに、フォトレジスト膜を除去した後に、強誘電体キャパシタ37及び第2層間絶縁膜19の上に第2保護膜42としてAl膜を例えばスパッタ法又はCVD法、或いはALD法により形成する。
その後、縦型炉の酸素雰囲気にシリコン基板1を入れて、例えば基板温度を500℃〜700℃、例えば550℃とし、例えば30分間〜120分間、例えば60分間の熱処理を行う。この場合、酸素雰囲気に導入される酸素ガスの流量を例えば20リットル/分とする。この結果、強誘電体膜27に酸素が供給され、強誘電体キャパシタ37の電気的特性が回復する。
【0031】
次に、図1Gに示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
第2保護膜42上の全面に第3層間絶縁膜43として、例えばTEOSを用いるプラズマCVD法により膜厚が1500nmのNSG膜を形成する。この後、例えばCMP法により、第3層間絶縁膜43の表面を平坦化する。
【0032】
次いで、NOガス又はNガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、例えば350℃、2分間の熱処理を行う。熱処理の結果、第3層間絶縁膜43中の水分が除去されると共に、第3層間絶縁膜43の膜質が変化して膜中に水分が入り難くなる。この熱処理によって、第3層間絶縁膜43の表面が窒化されてSiON膜が形成される。
【0033】
次に、図1Hに示す断面構造を得るまでの工程を説明する。
まず、フォトレジストを使用するフォトリソグラフィ法により第3の層間絶縁膜43から酸化防止絶縁膜13までをパターニングして、ソース/ドレイン領域11A、11Bに達する深さのコンタクトホール15A、15Bを形成する。
【0034】
そして、コンタクトホール15A、15B内に、ソース/ドレイン領域11A、11Bに電気的に接続される導電性プラグ16A、16Bを形成する。具体的には、コンタクトホール15A、15Bの内面に厚さが20nmのチタン(Ti)膜と、厚さが50nmの窒化チタン(TiN)膜とを順番にスパッタ法等のPVD法により形成し、2層の積層構造を有する密着膜(グルー膜)17Aを作製する。さらに、密着膜17A上にタングステン(W)膜17BをCVD法により成長する。この膜厚は、第1層間絶縁膜14上で、例えば500nmであり、W膜17Bでコンタクトホール15A、15Bの空間を埋める。
第1層間絶縁膜14の上面上に成長した余分なW膜17B及び密着膜17AをCMP法で除去する。これにより、コンタクトホール15A、15Bには、それぞれW膜17B及び密着膜17Aからなる導電性プラグ16A、16Bが形成される。
【0035】
次に、第3層間絶縁膜43の表面を窒化するために、例えばCVD装置を使用し、そのチャンバ中で第3層間絶縁膜43に対してプラズマアニールを行う。プラズマアニールは、例えばチャンバ内にNOを流してそのプラズマを発生させ、基板温度を350℃に設定して、約2分間行われる。
続いて、第3層間絶縁膜43及び導電性プラグ16A、16B上に酸化防止膜48を形成する。酸化防止膜48として、プラズマCVD法によりSiON膜を100nmの厚さに形成する。
【0036】
次に、酸化防止膜48の上面にレジスト膜49を形成し、これを露光、現像して強誘電体キャパシタ37の上部電極35と下部電極の一端のコンタクト領域の上に開口部を形成する。レジスト膜49としてノボラック系レジスト、化学増幅レジスト等の有機化合物が用いられ、炭素、水素、窒素等の元素を含んでいる。
続いて、レジスト膜49をマスクにして酸化防止膜48、第3層間絶縁膜43、第1、第2、第2保護膜41、42をエッチングすることにより、それらの膜を貫通して強誘電体キャパシタ37の上部電極35に達するビアホール46を形成する。同時に、図2Cの側断面図に示すように、フォトレジスト膜49を用いて酸化防止膜48、第3層間絶縁膜43、第1、第2、第2保護膜41、42をエッチングし、強誘電体キャパシタ37の下部電極36に達するビアホール47を形成する。
【0037】
次に、シリコン基板1をアッシング装置に搬入し、酸素ガスでレジスト膜49を除去する。アッシング装置及びプロセスの詳細は、後に詳細に説明する。
【0038】
この後、縦型炉内の400℃〜600℃、例えば500℃の酸素雰囲気で、30分間〜120分間、例えば60分間の熱処理を行う。炉内には、例えば20リットル/分の流量で酸素ガスが導入される。
この結果、強誘電体膜27に酸素が供給され、強誘電体キャパシタ37の電気的特性が回復する。なお、この熱処理を、酸素雰囲気中ではなく、オゾン雰囲気中で行っても良い。続いて、酸化防止膜48をエッチバックして除去し、第3層間絶縁膜43の上面を露出する。
【0039】
次に、図1H、図2Dに示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第3層間絶縁膜43上に、例えば膜厚が150nmのTiN膜と、膜厚が550nmの銅アルミニウム合金膜と、膜厚が5nmのTi膜と、膜厚が150nmのTiN膜を順番にPVD法、例えばスパッタにより形成する。これらの導電膜は、第1層目の金属配線膜であり、ビアホール46、47内を埋めて導電性プラグとして機能する。
【0040】
そして、フォトレジスト(不図示)を使用して、第1層目の金属配線膜をパターニングすることにより、配線を形成する。
ここで、上部電極35に接続される配線55Aは、導電性プラグ16Bを介して側方のMOSトランジスタT2(T1)の一方のソース/ドレイン領域11Bに接続される。また、ビアホール47を通して下部電極36に接続される配線55Bは、メモリセルのプレート線に接続される。さらに、同じpウェル3内の2つのMOSトランジスタT1、T2のうち共有のソース/ドレイン領域11Aに接続される導電性プラグ16Aの上に孤立して残される金属配線膜のパターン56Aは、ビット線用の導電パッド56Aとなる。
その後に、特に図示しないが、配線55A、55B、導電パッド56Aと第3層間絶縁膜43の上に、層間絶縁膜、導電性プラグ、配線等を順次形成して強誘電体メモリセルを完成させる。
【0041】
次に、上記の図1G、図2Cで示した、強誘電体キャパシタの上部電極35及び下部電極36の上のコンタクトホールを形成するために使用されたレジスト膜49を除去するプロセスについて詳細に説明する。
まず、図3及び図4に示すように、半導体装置の製造に使用されるアッシング装置61は、中空のチャンバ62を有し、チャンバ62内の処理室63に複数のシリコン基板1を保持する基板ホルダ64を挿入可能に構成されている。
【0042】
チャンバ62の外周壁には、外部電極65が設けられており、外部電極65は例えば周波数13.56MHzの高周波電源66に接続されている。また、処理室63内には、金網からなる円筒形の内部電極67が配置されている。内部電極67はアース接地されており、これら2つの電極65,67によって、対向電極が構成されている。高周波電源66の制御や基板ホルダ64の移動などは、制御装置68によって行われる。
【0043】
チャンバ62の内壁面と金網状の内部電極67との間には、ガス供給管71が周方向に等間隔に例えば8本挿入されている。これらのガス供給管71は、図示を省略するガス源に接続されており、上方から下方に向けてアッシングガス、例えば酸素ガスが流される。
図5に示すように、ガス供給管71は、その長さ方向に複数の供給孔72が等間隔に形成されている。各供給孔72の開口面積は、場所に依らずに一定である。供給孔72は、1枚のシリコン基板1に対して1つ以上の割合で形成されている。
供給孔72を複数設けることで、処理室63内の酸素ガス量のばらつきが改善され、多数のシリコン基板1に対して均等に酸素ガスを供給することが可能になる。
【0044】
また、図6に示す供給孔73のように、最上の開口面積を最も小さく、下方に向うにつれて徐々に大きくなり、そして最下を最も大きくしても良い。この場合、各供給孔73の大きさや開口面積の増加量は、噴出されるガスの量が場所に依らずに略一定になるように設定されている。
それらの供給孔73は、1枚のシリコン基板1に対して1つ以上の割合で形成されている。このような供給孔73を用いることで、各シリコン基板1に供給される酸素ガスの供給量がガス源の距離に影響されずに略一定になり、アッシングをより均等に行うことが可能になる。
【0045】
さらに、チャンバ62の中央には、上から下に排気管74が1本挿入されている。排気管74には、図示を省略する排気孔が少なくとも1つ設けられている。この排気管74は、ガス供給管71と平行に延び、チャンバ62の上部から外側に引き出され、図示を省略する真空ポンプに接続されている。なお、排気管74に排気孔を1つだけ設けるときは、排気管74の下端に設けることが好ましい。
【0046】
基板ホルダ64は、チャンバ62の下方に設けられた昇降自在なステージ76に搭載されている。基板ホルダ64は、チャンバ62の中心線に平行に延びる筒形状を有する。その中心線に直交する形状は八角形をなし、各々の面78は、下側が広がるように中心軸に対して僅かに傾斜している。各々の面78の外側には、シリコン基板1を下から支持する支持部材79が多数取り付けられている。
【0047】
例えば図7に示すように、支持部材79は、シリコン基板1の下側の外縁部分であって、強誘電体メモリが形成されないウェーハ周辺領域を支持する形状になっている。基板ホルダ64の各面78が中心軸に対して傾斜していることから、シリコン基板1は、その上部が下部に比べてチャンバ62の中心線に近接するように傾斜させられる。
【0048】
各面78の傾斜角度は、シリコン基板1が内部電極67に向って倒れることを確実に防止できる程度である。このため、上端側に支持されたシリコン基板1とガス供給管71の供給孔72,73との間の距離と、下端側に支持されたシリコン基板1と供給孔72,73との間の距離には大きな差は生じない。
【0049】
この実施の形態では、基板ホルダ64が平面視で八角形になっているので、周方向にシリコン基板1が8枚支持される。さらに、上下方向にも複数、例えば6枚ずつ保持可能になっており、最大で48枚のシリコン基板1を支持できるようになっている。さらに、基板ホルダ64は、図示を省略するが、ガスが通過可能なガス通過部が複数設けられている。このような構成としては、例えば、基板ホルダ64の各面をメッシュ状に成形したり、基板ホルダ64をフレーム状に形成したりすることがあげられる。
【0050】
なお、基板ホルダ64の平面の形状は、八角形の他、三角形や、四角形、五角形、六角形など、中央部分に排気管74を通せる構成であれば如何なる形状でも良い。また、ガスを通過させるための開口の数や形態、シリコン基板1の保持枚数は、以上に限定されない。周方向に配置されるガス供給管71の数は、平面視でシリコン基板1を配置可能な枚数に一致させることが好ましいが、各シリコン基板1がレジスト膜49の存在する面が供給孔72,73に向けて配置されれば、異なる配管構造でも良い。
【0051】
アッシング処理を行うときは次のような操作を行う。
まず、ステージ76を下げて基板ホルダ64をチャンバ62の下方から引き出し、各支持部材79にシリコン基板1を必要枚数支持させる。このとき、各シリコン基板1の各々を、レジスト膜49が外側に配置されるように支持させる。
続いて、ステージ76を上昇させて基板ホルダ64をチャンバ62内に導入する。ステージ76の上部に設けられたフランジ76Aでチャンバ62の底部を密閉したら、排気管74から処理室63を真空引きする。処理室63内の真空度が所定の値に達したら、各ガス供給管71から酸素ガスを供給する。さらに、高周波電源66から外部電極65に高周波電圧を印加する。
【0052】
外部電極65と内部電極67の間にプラズマが発生し、酸素ガスから酸素ラジカル、酸素イオン(O)が生成される。処理室63内は、排気管74によって強制排気されているので、酸素ラジカルがチャンバ62の外周部分から基板表面に導かれる。このとき、酸素ラジカルが供給孔72,73側に向けられたレジスト膜49の構成元素と反応してアッシングし、水酸基(OH)、酸化窒素(NO、NO)、酸化炭素(CO、CO)、水素(H)、水(HO)などの反応生成物を発生させる。これらの反応生成物及び余剰の酸素は、基板ホルダ64の開口部を通って排気管74から排出される。
【0053】
この実施の形態に係るアッシング装置61では、ガス供給管71の供給孔72,73にレジスト膜49を向けるように多数のシリコン基板1が配置されるので、一度に多数のシリコン基板1を処理することが可能になり、作業効率が向上する。
さらに、ガス供給管71から、シリコン基板1を通り、排気管74に至る流体のスムーズな流れが形成されるので、基板表面に常に酸素ラジカルを供給することが可能になり、酸素不足の発生が防止される。また、反応生成物として水素が発生したときでも、強制排気によって基板表面から速やかに排出される。
【0054】
図5に示すような多数の供給孔72から酸素ガスを噴き出す構成としたので、必要な量の酸素ラジカルを各シリコン基板1に略均等に供給することが可能になる。さらに、図6に示すように、場所によって大きさが異なる供給孔73を用いると、酸素ガスが場所に依らずに略均一に噴き出されるので、酸素ガスの供給量に起因して生じるアッシングのばらつきを防止できる。
【0055】
ここで、アッシング処理時に生じる強誘電体キャパシタ37の性能劣化について図8を参照して考察する。
下部電極36であるPt膜がその端部のコンタクトホール47から露出した状態で、従来のアッシング装置を用いてレジスト膜49をアッシングするとビアホール47の近傍の強誘電体膜27が性能劣化した。これは、水素がビアホール47を通って下部電極36に到達すると、Ptの触媒作用によって水素が強誘電体膜27を構成するPZT膜の酸素と結合しやすくなるためであると考えられる。
上部電極35側からPZT膜の酸素損失が生じているのであれば、下部電極36の端部上に形成されるビアホール47の近傍に限定されずに広い範囲で性能劣化が生じるが、このような現象は確認されず、ビアホール47の近傍のみに特性劣化が発生した。これは、上部電極35がIrO膜から形成されるため、還元作用は殆ど生じないためであると考えられる。
【0056】
したがって、レジスト膜49のアッシングによって発生する水素が下部電極36の端部に達すると、その近傍に形成された強誘電体キャパシタ37の性能劣化を引き起こすと考えられる。
これに対し、本実施の形態では、レジスト膜49とコンタクトホール47へのレジスト膜49への酸素供給を効率良く供給し、しかもアッシングによって発生した水素が速やかに排出される。これにより、下部電極36のPtと水素との反応が防止され、強誘電体キャパシタ37の性能劣化が防止される。
【0057】
次に、このアッシング装置61で処理したシリコン基板1から得られる強誘電体メモリのチップの疲労性劣化をシリコン基板1の複数の位置について調べた結果を図9に示す。
図9において、横軸はチップの位置を示し、シリコン基板1の中心を「1」とし、外縁部を「7」、その間を順番に「2」〜「6」としている。
図9のラインL11は、ガス供給管、排気管をそれぞれ1つ設けた従来のバッチ式のアッシング装置で処理したときの疲労性劣化を示している。従来では、シリコン基板1の中心部分の疲労性劣化が大きく、周辺部では疲労性劣化が小さかった。
これに対し、ラインL12に示すように、この実施の形態では、シリコン基板1の中心部分の疲労性劣化が大きく改善された。さらに、シリコン基板1上の場所による疲労性劣化のばらつきも大幅に改善された。
なお、従来のバッチ式のアッシング装置とは、酸素ガスの供給及び排気が1つの孔から行われ、基板ホルダがシリコン基板を面方向に複数配列させる構成を有し、シリコン基板を上下に間隔をおいて重ねて配置する構造を有するものをいう。
【0058】
さらに、比較例として、ラインL13に従来の枚葉式のアッシング装置を利用した場合の基板上のポジションと疲労性劣化の関係を調べた結果を示す。枚葉式では場所による疲労性劣化のばらつきは小さいが、全体的に高い疲労性劣化を示していた。上記の実施の形態に係るアッシング装置1では、ラインL13に示す枚葉式に比べても疲労性劣化の値、及び場所によるばらつきが改善された。
【0059】
さらに、従来のバッチ式のアッシング装置では、アッシング装置にシリコン基板をセットする位置によっても疲労性劣化が変動する。即ち、上から2番目以降の下のシリコン基板では疲労性劣化が大きくなる傾向にあった。このような現象は、上下に並ぶ2枚のシリコン基板の間の空間が狭いためであると考えられる。即ち、シリコン基板の周縁部で酸素ラジカルが消費されると、シリコン基板同士の間の狭い空間を通ってシリコン基板の中央部分に供給される酸素ラジカルの量が少なくなる。さらに、レジストのアッシングによって発生した水素がその狭い空間に滞留してしまう。これらのことから、シリコン基板1の中央部分のレジストがアッシングされ難くなると考えられる。
【0060】
ガス供給管に近い周縁部分は、酸素ラジカルが十分に供給され、しかも酸素の流れが比較的円滑に行えるので、アッシング速度が高まる。また、排気管の近傍であってもシリコン基板の周縁部分であれば、酸素ラジカルがシリコン基板の外側の広いスペースを回って供給されるので、アッシングが促進される。このような位置では、排気管が近いので反応生成物の排出も容易である。
つまり、シリコン基板の外周部分には、円環状のスペースがあるので、十分な酸素が確保されて十分なアッシングが可能である。
また、シリコン基板の外周の気流が大きくなることにより、内部に加速されて供給される酸素イオンやその衝突によって生成され反応物が内側に押し込まれて滞留し易くなる。また、外側で発生した酸素イオンはシリコン基板の周辺領域で反応してしまい、内側に供給される酸素イオンは少なくなる。
【0061】
その結果、従来のバッチ式のアッシング装置では、間隔をおいて重ねられたシリコン基板の中央部分では、その周縁部に比べてレジスト膜をアッシングし難く、水素が滞留し易いので、水素に起因して発生する強誘電体キャパシタの性能劣化が生じ易かった。
一方、上記の実施の形態では、従来のようにシリコン基板を上下に重ねる構成に比べて水素が滞留しないようになるので、触媒となるPt膜の周辺での水素の反応を抑制できる。これにより、強誘電体キャパシタ37の性能劣化が防止され、強誘電体メモリの疲労性劣化を改善できる。従来では部分的に疲労特性が悪くなることから、1×1010回までしか動作保証できなかったのに対し、この実施の形態では1×1011回までの動作保証が可能になった。
【0062】
ここで、本発明の実施形態に係るアッシング装置の変形例について説明する。
ガス供給管71は、供給孔72,73をシリコン基板1枚に対して1つ配置されるように構成しても良い。各供給孔72,73において、対向配置されるシリコン基板1までの距離が略一定になる。これによって、酸素ラジカルがシリコン基板1にさらに均等に供給され、アッシングのばらつきが防止される。アッシングが均等に行われることで、強誘電体メモリの品質のばらつきが防止される。なお、排気管74の排気孔を各シリコン基板1、及び各供給孔72,73の配置に対応させ、かつ各供給孔72,73と同じ数だけ設けると、シリコン基板1から排出孔までの距離も略一定になる。酸素ラジカルや反応生成物の排出量が各シリコン基板1において略一定になるので、アッシングのばらつきをさらに防止できる。
【0063】
さらに、供給孔72,73をシリコン基板1枚に対して1つ配置されるように構成し、かつ各供給孔72,73をシリコン基板1の中心位置に向けて設けても良い。この場合、図10に示すように、供給孔72,73とシリコン基板1の中心を通る線分が基板面と略直角に交わる。
【0064】
このように、供給孔72,73の配置及び向きをシリコン基板1の配置に合わせると、酸素ガスがシリコン基板1の略中心に噴き付けられ、さらにシリコン基板1の中心から周縁に向けて略均等に流れた後、シリコン基板1の縁から排気管74に向うような流れが形成される。制御装置68は、酸素ガスがシリコン基板1まで直線的に届く圧力で噴き出されるようにガスの噴き出し圧を調整すると、前記したガスの流れをより鮮明に形成することが可能になる。
【0065】
この結果、シリコン基板1の表面全体に対して酸素ラジカルがより均等に、且つ継続して供給される。シリコン基板1上のレジスト膜49全体が均等にアッシングされると共に、水素の滞留が防止されるので、強誘電体キャパシタ37の性能劣化が防止される。
この変形例においても、排気管74の排気孔を各シリコン基板1、即ち各供給孔72,73の配置に対応させ、かつ各供給孔72,73と同じ数だけ設けると、アッシングのばらつきをさらに防止できる。
【0066】
(第2の実施の形態)
図11は、本発明の第2実施形態に係る半導体の製造装置であるアッシング装置であり、チャンバの外周に冷却手段が取り付けられている。
チャンバ62の外周壁には、冷却手段81が密着して取り付けられている。冷却手段81は、内部に空間が形成されており、ここに冷却水を循環させることでチャンバ内温度を低く保つ。なお、冷却手段81は、チャンバ62の外周に配管を巻き付け、配管中に冷却水を流す構成でも良い。その他の構成は、第1実施の形態に係るアッシング装置61と同様である。
【0067】
ここで、図12にチャンバ内の温度と処理時間の関係を調べた結果を示す。横軸は処理時間を示し、縦軸はチャンバ内温度を示す。
図12において、ラインL21,L22は、この実施の形態に係るアッシング装置61で冷却水を流しながらアッシングを行ったときの温度変化を示し、ラインL21が1回目のアッシングにおける温度変化を、ラインL22がアッシングを連続して実施したときの温度変化を示す。比較のために、冷却せずにアッシングを1回行ったときの温度変化をラインL23に、冷却せずに複数回連続してアッシングしたときの温度変化をラインL24にそれぞれ示す。
図12では、処理時間が長くなるとチャンバ内での反応により基板温度が高くなるが、ある程度の時間を経過すると、温度が安定することを示している。また、図12から明らかなように、1回目のアッシングであっても、複数回連続する場合であっても、冷却手段81でチャンバ62を冷却した方がチャンバ内温度を低く保つことができる。
【0068】
強誘電体メモリに性能劣化と処理温度の相関を調べたところ、処理温度が高くなるほど性能劣化を生じ易かった。これは、処理温度が高くなるとPtの触媒作用が活性化されるためである。このため、このアッシング装置61に冷却手段81を設けると、チャンバ内温度を低く保つことで可能になり、強誘電体メモリの性能劣化を抑制できる。
【0069】
なお、このアッシング装置61では、処理時間が25分程度までチャンバ内の温度が上昇しているのは、その時間において水素の発生量が多かったからと推測される。このため、少なくとも処理時間25分頃までチャンバ内温度を低く保つことで、チャンバ内の温度が効果的に低減できる。一方、チャンバ内温度が低く過ぎるとアッシング効率が低下するので、制御装置68によって冷却温度、冷却時間を制御すことによりチャンバ内温度を50℃〜90℃の範囲に設定することが好ましい。
【0070】
(第3実施の形態)
本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法について以下に説明する。本実施形態では、水素の発生量に応じてチャンバ内に供給する酸素量を増加させるように制御する方法を採用する。なお、この実施の形態に係るアッシング装置の構成は、第1又は第2実施の形態と同様である。
【0071】
最初に、チャンバ62内に一定量の酸素ガスを供給した状態で、処理時間とチャンバ内の水素及び酸素の量の関係について調べた結果を図13に示す。なお、図13に示した水素及び酸素の量は、水素と酸素のそれぞれに起因する光の発光スペクトル強度の変化から算出できる。
図13において、ラインL31、L32は、1回にアッシングを行うシリコン基板1の処理枚数を12枚の場合の特性を示している。
ラインL31に示すように、レジスト膜からの水素の発生量は15分頃にピークを迎え、その後徐々に減少する。水素が多く発生する時間帯では、ラインL32に示すように、酸素量が減少している。これは、レジストからの水素の発生量が多い時には、レジスト構成元素が酸素と結合して消費されることでレジストがアッシングされていることを示している。
同様に、1回にアッシングを行うシリコン基板1の処理枚数が50枚のときの特性をラインL33、L34に示す。この場合、ラインL33に示すように水素の発生量は20分頃にピークを迎える。そして、ラインL34に示すように、これに対応して酸素量が減少している。
【0072】
ここで、シリコン基板1の処理枚数が50枚のときは、12枚のときに比べて水素の発生量が多く、酸素の減少量も多い。これは、処理枚数が多いと、レジスト量も多くなるので、レジスト組成物の分解のための酸素の消費量が多くなり、しかもレジスト組成物の分解により生成された水素の発生量が多くなるからである。
ところで、ラインL31とラインL33とを比較すると、チャンバ62内のシリコン基板1の枚数が4倍になっても水素のピークを迎えるまでに要する時間には大差がない。その代わりに、基板枚数が50枚のときの水素の発光強度は12枚のときの3倍強になっている。つまり、シリコン基板1の処理枚数が多くなれば、処理枚数が少ない場合に比べて同じ時間で多くの水素が発生していることになる。
したがって、基板枚数及び/又はレジスト量が多いときは、酸素の供給量を多くしなければ、酸素の不足によりレジスト膜にアッシング不足が生じる可能性がある。
【0073】
そこで、この実施の形態では、図14に示すように、シリコン基板1の処理枚数に応じてガス供給管71に流す酸素の量を調整する。なお、図中の横軸は処理時間を示し、縦軸は酸素流量を示す。
従来は、ラインL41に示すように、処理枚数によらずに酸素流量は一定であったのに対し、処理枚数が増えるにつれて、ラインL42〜L44に示すように、処理時間5分(処理開始時)から40分までの間の酸素流量を増加させている。この実施の形態では、例えば、シリコン基板1が12枚のときはラインL42に従って酸素流量を変化させる。ライン1が24枚のときはラインL43、48枚ときはラインL44に従って酸素流量を変化させる。その変化量は、図13に示したチャンバ内の水素量の変化に合わせて実験によりデータを収集することにより決定される。
【0074】
酸素流量を増加させる時間帯を区切っているのは、この時間帯が水素の発生する時間帯であるためである。さらに、酸素が供給過多になると、上部電極35であるIrOの酸化度が大きくなってしまい、強誘電体キャパシタ37の性能に影響を与えてしまうので、水素が発生する時間のみ酸素流量を増加させている。このため、水素の発生が終了した40分以降では酸素量を従来よりも減らしてIrOの酸化度が大きくなり過ぎないようにしている。これにより、アッシング中に酸素が不足して強誘電体膜27のPZT中の酸素が消費されることが防止され、強誘電キャパシタ37の性能劣化が防止される。
【0075】
アッシング時の酸素流量の調整は、手動で行っても良いが、制御装置68に処理で自動的に調整するようにしても良い。図15に、処理枚数に応じて処理のシーケンスを切り替える場合のフローチャートを示す。
【0076】
まず、ステップS101では、レジスト膜のアッシング時に水素の触媒となる貴金属膜が露出しているか否かを判定する。これは、Ptなどの貴金属膜が露出していないときは、酸素量を変化させる必要がないからである。この場合は(ステップS101でNo)、通常のアッシングシーケンスが選択され(ステップS102)、そのシーケンスに沿ってアッシング処理が実施される(ステップS111)。通常のアッシングシーケンスとは、例えば、図14のラインL41に示すような略一定の酸素流量で実施するシーケンスである。なお、ステップS101の判定は、例えば、工程ごとに予め付与された番号によって行われる。
【0077】
これに対して、例えば、工程ごとに予め付与された番号が下部電極36にビアホール47を形成した後のアッシング工程を示す場合、貴金属膜が露出しているときに行われるアッシングプロセスと判定する(ステップS101でYes)。この場合、特殊アッシングシーケンスが選択される(ステップS103)。この特殊アッシングシーケンスの具体的な内容は、処理枚数によって異なるシーケンスが採用される。
【0078】
即ち、処理枚数が12枚以下であれば(ステップS104でYes)、第1のアッシングシーケンスが採用される(ステップS105)。このシーケンスでは、チャンバ62に導入される酸素流量の変化が図14のラインL42に示すようなプロファイルが選択される。さらに、処理枚数が12枚より多く、24枚以下であれば(ステップS106でYes)、第2のアッシングシーケンスが採用される(ステップS107)。このシーケンスでは、酸素流量の変化が図14のラインL43に示すようなプロファイルが選択される。
【0079】
処理枚数が24枚より多く、36枚以下であれば(ステップS108でYes)、第3のアッシングシーケンスが採用される(ステップS109)。このシーケンスは、ラインL43とラインL44の間を通るような酸素流量の変化を示し、40分以降はラインL42〜L44と同様に低量の一定値に調整される。そして、処理枚数が36枚より多いときは(ステップS108でNo)、第4のアッシングシーケンスが採用される(ステップS110)。このシーケンスでは、酸素流量の変化が図14のラインL44に示すようなプロファイルが選択される。
【0080】
いずれのアッシングシーケンスが採用された場合でも、そのシーケンスを使ってアッシング処理(ステップS111)が実施される。酸素流量を調整するときは、図示を省略するガス源に設けられた流路調整弁の開度を制御装置68が調整し、選択したシーケンスに沿った酸素流量が得られるようにする。
【0081】
このように、この実施の形態によれば、アッシング時に水素が多く発生する時間帯に合わせて酸素流量を多くしたので、酸素不足に起因する強誘電体キャパシタ37の性能劣化を防止できる。また、酸素が供給過多にならないように調整することで、金属膜が酸化され過ぎることを防止する。なお、処理枚数による場合分けは、図15に示すものに限定されない。
【0082】
ここで、この実施の形態の変形例について説明する。
制御装置68は、シリコン基板1の枚数の代わりにレジスト量でシーケンスを選択するように構成しても良い。製造プロセスは製造する半導体装置の構造の違いによっては、同じシリコン基板1の枚数でもレジスト量が異なることがある。このため、アッシングプロセスごとに基板1枚当たりのレジスト量を予め登録しておき、そのレジスト量と基板枚数から制御装置68が全体のレジスト量を算出する。そして、算出したレジスト量に応じてシーケンスを選択する。
即ち、レジスト量が下限となる第1の閾値未満であれば、図15に示した第1のアッシングシーケンスを選択し、第1の閾値以上で2番目に小さい第2の閾値未満であれば、第2のアッシングシーケンスを選択する。同様にして、複数設けられた閾値とレジスト量との大小を比べて第3、第4のアッシングシーケンスを選択する。
これにより、プロセスが異なる等の理由によってレジスト量が異なるロットであっても確実にアッシングが行え、性能劣化を防止できる。
【0083】
(第4実施の形態)
図16、図17は、本発明の第4実施形態に係るアッシング装置である。この実施の形態は、半導体基板を水平に配置するタイプのバッチ式のアッシング装置(半導体装置の製造装置)に関する。
図16及び図17に示すように、アッシング装置91は、チャンバ62内に下から挿入可能で、多数のシリコン基板1を上下に間隔をおいて重ねて配置可能な基板ホルダ92を有する。さらに、チャンバ62の外壁と内部電極67の間の空間には、ガス供給管71と、排気管74とが、チャンバ62の中央の縦軸を中心にして基板ホルダ92が入る広さの間隔をおいて対称な位置に1本ずつ配置されている。
図5又は図6に示したように、ガス供給管71は、複数の供給孔72,73が設けられており、上下に複数配置された各シリコン基板1に酸素ガスが十分に行き渡るようになっている。
ガス供給管71の供給孔72,73は、シリコン基板1枚に対して1個設けても良いし、複数設けても良い。同様に、排気管74の排気孔もシリコン基板1の配置に合わせて複数形成することが好ましい。また、ガス供給管71と排気管74の少なくとも一方を複数設けても良い。ガス供給管71を複数配置する場合には、図4に示したと同様に、基板ホルダ64の収納領域の周囲に配置する。
【0084】
基板ホルダ92は、上下に平行に延びる4本の支柱93の上端と下端のそれぞれに石英製のプレート94が取り付けられており、その内側で複数のシリコン基板1が互い間隔をおいて平行になる状態に複数のシリコン基板1を支持する。
【0085】
図18に示すように、各支柱93は、略円柱形の支持ユニット95を重ねて構成されている。各支持ユニット95は、シリコン基板1の周縁部を側部で支持する凹部96が1つ設けられた本体部97と、下方に配置された別の支持ユニット95に接続され、本体部97を昇降させる昇降機構98とを有する。昇降機構98は、例えば制御装置68からの信号を受けて、所定量だけ本体部98を上昇又は下降させるもので、昇降機能98によって上下の並ぶ2枚のシリコン基板1の間の距離を変化させることができる。
【0086】
制御装置68は、シリコン基板1の枚数に応じて昇降機構98の駆動量を変化させるように構成されている。例えば、基板枚数が12枚以下では、昇降機構98は駆動させずに本体部97を最も下がった初期位置のままにする。このときのシリコン基板1の間の距離を初期距離とする。次に、基板枚数が13枚から24枚以下では、図19(a)に示すように、昇降機構98を駆動させて本体部97を第1の段階まで上昇させ、上下のシリコン基板1の間を初期距離の1.5倍にする。さらに、基板枚数が25枚以上では、図19(b)に示すように、昇降機構98をさらに駆動させて本体部97を第1の段階まで上昇させ、上下のシリコン基板1の間を初期距離の2倍にする。
【0087】
レジスト膜のアッシング処理を行うときは、制御装置68は、基板枚数に応じて、本体部97の位置を調整し、シリコン基板1の間の距離を、初期距離、初期距離の1.5倍、初期距離の2倍のいずれかに設定する。その後又は前に、シリコン基板1を縦方向に必要枚数、基板ホルダ92に入れる。
制御装置68に基板枚数を認識させる方法としては、作業者が手動で入力することがあげられる。この他に、予め登録されたロットの情報から制御装置68が自動的に取得するようにしても良い。また、基板搬送用のカセットから基板ホルダ92にシリコン基板1を移載するときにシリコン基板1の枚数をカウントしても良い。
なお、支持ユニット95の上部と昇降機構98をネジ構造として、支持ユニット95同士の上下のピッチは、上下の支持ユニット95を相対的に回わすことにより手動で調整してもよい。
【0088】
基板ホルダ92をチャンバ62内に搬入したら、真空引きを行い、酸素ガスを流しながら外部電極65に高周波電圧を印加してプラズマを発生させる。プラズマによって形成された酸素ラジカルは、基板表面においてレジスト膜をアッシングする。
このとき、基板枚数が13枚から24枚までのときは、基板間の距離が初期距離の1.5倍なので、酸素ラジカルが十分に基板表面の中央に到達すると共に、反応生成物が速やかに排気管74に排出される。同様に、基板枚数が25枚以上のときは、基板間の距離が初期距離の2倍なので、基板周辺だけでなく、広く開けられた空間を通ってシリコン基板1の中央部分まで酸素ラジカルを供給することが可能になる。さらに、広い空間が確保されているので、反応生成物が速やかに排気管74に排出され、酸素ラジカルの到達を阻害することもない。
【0089】
シリコン基板1の間の間隔が狭いと、上記したように、酸素ラジカルが基板表面に行き届かないことや、反応生成物が滞留してしまうことがあるが、このアッシング装置91では、基板枚数に応じて基板間に十分な間隔を与えることで、確実にアッシングを実施すると共に、反応生成物、特に水素を速やかに排出できるようにした。これによって、水素に起因して発生する強誘電体キャパシタ37の性能劣化を防止できる。なお、シリコン基板1の間の距離は、2段階又は4段階以上に変更可能にしても良い。アッシング装置91は、昇降機構97を有しない基板ホルダ92を備えても良い。ガス供給管71に複数の供給孔72,73が設けられることで、各シリコン基板1に酸素ラジカルを十分な量だけ供給することが可能になる。また、第2の実施の形態に係る冷却手段81を設けたり、第3の実施の形態に係る酸素流量の調整を行ったりしても良い。
【0090】
以下に、本発明の実施形態について付記する。
(付記1)減圧されるチャンバと、前記チャンバ内において、露出するレジスト膜を有する半導体基板を複数支持する基板ホルダと、前記基板ホルダの配置領域の外側に設けられ、前記チャンバ内に酸素ガスを供給する供給孔が複数箇所に形成されたガス供給管と、前記チャンバ内の流体を吸い込む排気孔が設けられた排気管と、前記レジスト膜をアッシングさせるための前記酸素ガスを活性化する高周波電源と、を有する半導体装置の製造装置。
(付記2)前記ガス供給管は、前記支持部材に支持された前記半導体基板に対して前記供給孔が少なくとも1つずつ設けられていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造装置。
(付記3)前記供給孔は、前記半導体基板の中心に向って酸素ガスを噴き出す位置及び向きに形成されていることを特徴とする付記1又は付記2に記載の半導体装置の製造装置。
(付記4)前記基板ホルダを囲むように前記ガス供給管を複数設け、前記供給孔を前記排気管を設けたことを特徴とする付記2又は付記3に記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)前記基板ホルダは、前記半導体基板の前記レジストが形成された面を前記ガス供給管の前記供給孔に向けて支持することを特徴とする付記2乃至付記4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造装置。
(付記6)前記基板ホルダは、前記チャンバ内のガスを側に通すガス通過部を有することを特徴とする付記4又は付記5に記載の半導体装置の製造装置。
(付記7)間隔をおいて複数の前記半導体基板を上下に重ねて支持する複数の凹部を有することを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造装置。
(付記8)前記チャンバを冷却する冷却手段を前記チャンバの外周に設けたことを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造装置。
(付記9)前記プラズマを発生させた後、前記基板ホルダに支持された前記半導体基板の枚数と前記半導体基板上の前記レジストの量の少なくとも一方に応じて、酸素ガスの供給量を増減させる制御装置を有することを特徴とする付記1乃至付記8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造装置。
(付記10)貴金属膜を露出させるパターンのレジスト膜が形成された半導体基板をチャンバ内の基板ホルダの外周に複数枚配置する工程と、前記基板ホルダの外周に配置した複数のガス供給管のガス供給孔から前記半導体基板の前記レジスト膜のそれぞれに向けて酸素を供給する工程と、前記チャンバ内の減圧雰囲気に高周波電界を生じさせることにより前記酸素のプラズマを生成して前記レジスト膜をアッシングする工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記11)前記基板ホルダに支持された前記半導体基板の枚数、又は前記半導体基板に塗布されたレジスト量に応じて、酸素ガスの供給量を増減させる工程を有することを特徴とする付記10に記載の半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1A】図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図1B】図1Bは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図1C】図1Cは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その3)である。
【図1D】図1Dは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その4)である。
【図1E】図1Eは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その5)である。
【図1F】図1Fは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その6)である。
【図1G】図1Gは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その7)である。
【図1H】図1Hは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その8)である。
【図2A】図2Aは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示し、ワード線に略平行な方向の側断面図(その1)である。
【図2B】図2Bは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示し、ワード線に略平行な方向の側断面図(その2)である。
【図2C】図2Cは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示し、ワード線に略平行な方向の側断面図(その3)である。
【図2D】図2Dは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示し、ワード線に略平行な方向の側断面図(その4)である。
【図3】図3は、半導体装置の製造装置の概略構成を示す図である。
【図4】図4は、図3のA−A線に沿った断面図である。
【図5】図5は、ガス供給管の供給孔の形状及び配置の一例を示す図である。
【図6】図6は、ガス供給管の供給孔の形状及び配置の他の例を示す図である。
【図7】図7は、基板ホルダにおいて基板を支持する構造を説明する一部断面図である。
【図8】図8は、水素によって性能劣化が生じるメカニズムを説明する図である。
【図9】図9は、基板上の場所ごとに疲労性劣化を調べたグラフである。
【図10】図10は、ガス供給孔と基板の配置を説明する図である。
【図11】図11は、冷却手段を有するアッシング装置の概略構成を示す断面図である。
【図12】図12は、処理時間とチャンバ内温度の関係を示す図である。
【図13】図13は、水素と酸素の発生量の変化を処理時間ごとに調べたグラフである。
【図14】図14は、基板の処理枚数に応じて酸素流量を変化させるときの酸素流量と処理時間の関係を示すグラフである。
【図15】図15は、基板の処理枚数に応じて酸素流量を変化させるときの処理を説明するフローチャートである。
【図16】図16は、基板を水平に配置する基板ホルダを用いる半導体装置の製造装置の概略構成を示す図である。
【図17】図17は、図16のII−II線に沿った断面図である。
【図18】図18は、基板ホルダの構成を示す図である。
【図19】図19(a)は昇降機構を1段階駆動させた図であり、図19(b)は昇降機構を2段階駆動させた図である。
【符号の説明】
【0092】
1 シリコン基板(半導体基板)
36 下部電極(貴金属膜)
49 レジスト膜
61,91 アッシング装置(半導体装置の製造装置)
62 チャンバ
63 処理室
64,92 基板ホルダ
65 外部電極
66 高周波電源
67 内部電極
68 制御装置
71 ガス供給管
72,73 供給孔
74 排気孔
79,93 支持部材
81 冷却手段
97 本体部
98 駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧されるチャンバと、
前記チャンバ内において、露出するレジスト膜を有する半導体基板を複数支持する基板ホルダと、
前記基板ホルダの配置領域の外側に設けられ、前記チャンバ内に酸素ガスを供給する供給孔が複数箇所に形成されたガス供給管と、
前記チャンバ内の流体を吸い込む排気孔が設けられた排気管と、
前記レジスト膜をアッシングさせる前記酸素ガスを活性化する高周波電源と、
を有する半導体装置の製造装置。
【請求項2】
前記ガス供給管は、前記支持部材に支持された前記半導体基板に対して前記供給孔が少なくとも1つずつ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造装置。
【請求項3】
前記基板ホルダは、前記半導体基板の前記レジストが形成された面を前記ガス供給管の前記供給孔に向けて支持することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造装置。
【請求項4】
間隔をおいて複数の前記半導体基板を上下に重ねて支持する複数の凹部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造装置。
【請求項5】
貴金属膜を露出させるパターンのレジスト膜が形成された半導体基板をチャンバ内の基板ホルダの外周に複数枚配置する工程と、
前記基板ホルダの外周に配置した複数のガス供給管のガス供給孔から前記半導体基板の前記レジスト膜のそれぞれに向けて酸素を供給する工程と、
前記チャンバ内の減圧雰囲気に高周波電界を生じさせることにより前記酸素のプラズマを生成して前記レジスト膜をアッシングする工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−93011(P2010−93011A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260437(P2008−260437)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】