説明

半導体装置

【課題】複雑な形状を有しながらも応力分布のばらつきが少ない活性領域を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】一実施の形態による半導体装置は、素子分離領域を有する基板と、前記素子分離領域に分離された、不純物拡散領域を有する前記基板上の複数の四角形の活性領域と、前記複数の活性領域の集合からなり、段差を含む輪郭形状を有する大活性領域とを有する。前記複数の活性領域の前記不純物拡散領域のうち、前記素子分離領域を挟んで向かい合う不純物拡散領域は、電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トランジスタのチャネル幅を確保しつつ回路の面積を小さくするために、段差を含む複雑な形状に形成した活性領域を有する半導体装置が知られている。
【0003】
しかし、複雑な形状の活性領域においては、基板のシリコンと素子分離領域の絶縁膜との熱膨張率の差に起因する圧縮応力の分布のばらつきが大きく、トランジスタの電流特性のばらつきが大きいという問題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Aikawa, H.; Sanuki, T.; Sakata, A.; Morifuji, E.; Yoshimura, H.; Asami, T.; Otani, H.; Oyamatsu, H., “Compact model for layout dependent variability”, Electron Devices Meeting (IEDM), 2009 IEEE International Digital Object Identifier 10.1109IEDM.2009.5424244 Publication Year 2009, pp. 1-4.
【非特許文献2】Jiying Xue; Zuochang Ye; Yangdong Deng; Hongrui Wang; Liu Yang; Zhiping Yu, “Layout-dependent STI stress analysis and stress-aware RFanalog circuit design optimization”, Computer-Aided Design-Digest of Technical Papers, 2009. ICCAD 2009. IEEEACM International Conference on Publication Year 2009, pp. 521-528.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、複雑な形状を有しながらも応力分布のばらつきが少ない活性領域を有する半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態による半導体装置は、素子分離領域を有する基板と、前記素子分離領域に分離された、不純物拡散領域を有する前記基板上の複数の四角形の活性領域と、前記複数の活性領域の集合からなり、段差を含む輪郭形状を有する大活性領域とを有する。前記複数の活性領域の前記不純物拡散領域のうち、前記素子分離領域を挟んで向かい合う不純物拡散領域は、電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】(a)、(b)は、第1の実施の形態に係る半導体装置の上面図。
【図1B】(c)は、第1の実施の形態に係る半導体装置の上面図。
【図2】第1の実施の形態に係る半導体装置の図1B(c)の線分II−IIに沿った垂直断面図。
【図3】(a)、(b)は、第2の実施の形態に係る半導体装置の上面図。
【図4】第2の実施の形態に係る半導体装置の図3(b)の線分IV−IVに沿った垂直断面図。
【図5A】(a)、(b)は、第3の実施の形態に係る半導体装置の上面図。
【図5B】(c)は、第3の実施の形態に係る半導体装置の上面図。
【図6A】(a)、(b)は、第4の実施の形態に係る半導体装置の上面図。
【図6B】(c)は、第4の実施の形態に係る半導体装置の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔第1の実施の形態〕
(半導体装置の構成)
図1A(a)、(b)、図1B(c)は、第1の実施の形態に係る半導体装置100の上面図である。図2は、図1B(c)の線分II−IIに沿った垂直断面図である。
【0009】
半導体装置100は、半導体基板1と、半導体基板1上に形成された素子分離領域2と、素子分離領域2に分離された半導体基板1上の領域である活性領域11〜18と、活性領域11〜16内に形成された不純物拡散領域11a〜16a、11b〜16bと、半導体基板1上に形成された層間絶縁膜3と、層間絶縁膜3中に形成されたコンタクトプラグ21〜28およびゲート電極31〜34と、層間絶縁膜3上に形成された配線層絶縁膜4と、配線層絶縁膜4中に形成された配線41、42と、を有する。
【0010】
なお、図1B(c)においては層間絶縁膜3および配線層絶縁膜4の図示を省略し、図1A(b)においては層間絶縁膜3、配線層絶縁膜4および配線41、42の図示を省略し、図1A(a)においては層間絶縁膜3、配線層絶縁膜4、配線41、42、コンタクトプラグ21〜28、ゲート電極31〜34、および不純物拡散領域11a〜16a、11b〜16bの図示を省略する。
【0011】
半導体基板1は、Si結晶等のSi系結晶からなる。
【0012】
素子分離領域2は、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)構造を有し、SiO等の絶縁材料が埋め込まれる。
【0013】
半導体基板1の材料の熱膨張率と、素子分離領域2内の絶縁材料の熱膨張率は異なる。この熱膨張率の差により、活性領域11〜18に圧縮応力が発生する。
【0014】
活性領域11〜16の集合は、1つの大活性領域10として機能する。大活性領域10の輪郭10aの形状は、段差を含む複雑な形状、すなわち2つ以上の異なる面積の四角形を結合した形状である。活性領域11〜16が素子分離領域2で分離されずに連続して形成された場合、すなわち輪郭10aと同じ形状の1つの活性領域が形成された場合、形状の複雑さに起因して活性領域中の応力分布のばらつきが大きくなる。
【0015】
活性領域11〜16の形状は、それぞれ長方形、正方形等の四角形であり、段差を含む複雑な形状、すなわち2つ以上の異なる面積の四角形を結合した形状ではない。そのため、活性領域11〜16中の応力分布のばらつきは少なく、活性領域11〜16が構成する大活性領域10の応力分布のばらつきも少ない。つまり、大活性領域10は複雑な形状を有するにもかかわらず、応力分布のばらつきが少ない。また、大活性領域10がより複雑な形状を有する場合であっても、四角形の活性領域の集合で大活性領域10を構成することにより、応力分布のばらつきを抑えることができる。
【0016】
特に、活性領域11〜16は全て同じ形状、同じ面積を有することが好ましい。さらに、活性領域11〜16は、周期的に配置されることが好ましい。これらにより、活性領域11〜16の領域間の応力分布のばらつきが減り、大活性領域10の応力分布のばらつきをより効果的に抑えることができる。
【0017】
また、大活性領域10の面積を小さくするため、素子分離領域2の活性領域11〜16を分離する部分の幅は、できるだけ狭い(例えば0.05〜0.1μm)ことが好ましい。
【0018】
ゲート電極31〜34は、例えば、導電型不純物を含む多結晶シリコン等のSi系多結晶からなる。また、ゲート電極31〜34は、金属からなるメタルゲート電極であってもよく、さらに、金属層と、金属層上のSi系多結晶層からなる二層構造を有してもよい。
【0019】
ゲート電極31は、ゲート絶縁膜を介して活性領域11、15上に共通して形成される。ゲート電極32は、ゲート絶縁膜を介して活性領域12、16上に共通して形成される。ゲート電極33は、ゲート絶縁膜を介して活性領域13、17上に共通して形成される。ゲート電極34は、ゲート絶縁膜を介して活性領域14、18上に共通して形成される。
【0020】
活性領域11内のゲート電極31の両側には、不純物拡散領域11a、11bが形成される。活性領域12内のゲート電極32の両側には、不純物拡散領域12b、12aが形成される。活性領域13内のゲート電極33の両側には、不純物拡散領域13a、13bが形成される。活性領域14内のゲート電極34の両側には、不純物拡散領域14b、14aが形成される。活性領域15内のゲート電極31の両側には、不純物拡散領域15a、15bが形成される。活性領域16内のゲート電極32の両側には、不純物拡散領域16b、16aが形成される。なお、活性領域17、18内の不純物拡散領域の図示は省略する。
【0021】
不純物拡散領域11a〜16a、11b〜16bは、導電型不純物を含む領域であり、トランジスタのソース・ドレイン領域として機能する。
【0022】
不純物拡散領域11a〜16a、11b〜16bのうち、不純物拡散領域11bと12b、不純物拡散領域12aと13a、不純物拡散領域13bと14b、不純物拡散領域15bと16b、不純物拡散領域11aと15a、不純物拡散領域11bと15b、不純物拡散領域12bと16b、不純物拡散領域12aと16aは、素子分離領域2を挟んで向かい合い、電気的に接続される。
【0023】
コンタクトプラグ21の底部は不純物拡散領域11a、15aに接し、コンタクトプラグ21は不純物拡散領域11aと15aとを電気的に接続する。同様に、コンタクトプラグ22は不純物拡散領域11bと12bとを電気的に接続する。コンタクトプラグ24は不純物拡散領域15bと16bとを電気的に接続する。コンタクトプラグ25は不純物拡散領域12aと13aとを電気的に接続する。コンタクトプラグ26は不純物拡散領域12aと16aとを電気的に接続する。コンタクトプラグ27は不純物拡散領域13bと14bとを電気的に接続する。
【0024】
また、コンタクトプラグ23の底部は不純物拡散領域11b、12b、15b、16bに接し、コンタクトプラグ23は不純物拡散領域11b、12b、15b、および16bを電気的に接続する。コンタクトプラグ23のように、3つ以上の隣接する不純物拡散領域を接続するコンタクトプラグを形成してもよい。なお、活性領域17、18上のコンタクトプラグの図示は省略する。
【0025】
配線41は、コンタクトプラグ25、26の少なくともいずれか1つと、コンタクトプラグ21、28に接続され、コンタクトプラグ22、23、24、27に接続されない。
【0026】
配線42は、コンタクトプラグ22、23、24の少なくともいずれか1つと、コンタクトプラグ27に接続され、コンタクトプラグ21、25、26、28に接続されない。
【0027】
すなわち、不純物拡散領域11a〜16aは、コンタクトプラグ21、25、26、28、および配線41を介して電気的に接続され、同電位に設定される。また、不純物拡散領域11b〜16bは、コンタクトプラグ22、23、24、27、および配線42を介して電気的に接続され、同電位に設定される。不純物拡散領域11a〜16aと不純物拡散領域11b〜16bの一方が大活性領域10内のトランジスタのソース領域として機能し、他方がドレイン領域として機能する。このような構成により、活性領域11〜16の集合は、1つの大活性領域10として機能する。
【0028】
コンタクトプラグ21〜28は、W等の導電材料からなる。配線41、42は、Cu等の導電材料からなる。コンタクトプラグ21〜28と配線41、42の材料は同じであってもよい。層間絶縁膜3および配線層絶縁膜4は、SiO等の絶縁材料からなる。
【0029】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、大活性領域内の向かい合う不純物拡散領域を接続する構造が第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態と同様の点については説明を省略または簡略化する。
【0030】
(半導体装置の構成)
図3(a)、(b)は、第2の実施の形態に係る半導体装置200の上面図である。図4は、図3(b)の線分IV−IVに沿った垂直断面図である。
【0031】
半導体装置200は、半導体基板1と、半導体基板1上に形成された素子分離領域2と、素子分離領域2に分離された半導体基板1上の領域である活性領域11〜18と、活性領域11〜16内に形成された不純物拡散領域11a〜16a、11b〜16bと、半導体基板1上に形成された層間絶縁膜3と、層間絶縁膜3中に形成されたコンタクトプラグ51〜67およびゲート電極31〜34と、層間絶縁膜3上に形成された配線層絶縁膜4と、配線層絶縁膜4中に形成された配線71〜75と、を有する。
【0032】
なお、図3(b)においては層間絶縁膜3および配線層絶縁膜4の図示を省略し、図3(a)においては層間絶縁膜3、配線層絶縁膜4および配線71〜75の図示を省略する。
【0033】
不純物拡散領域11a〜16a、11b〜16bのうち、不純物拡散領域11bと12b、不純物拡散領域12aと13a、不純物拡散領域13bと14b、不純物拡散領域15bと16b、不純物拡散領域11aと15a、不純物拡散領域11bと15b、不純物拡散領域12bと16b、不純物拡散領域12aと16aは、素子分離領域2を挟んで向かい合い、電気的に接続される。
【0034】
不純物拡散領域11a上のコンタクトプラグ51、不純物拡散領域15a上のコンタクトプラグ52、およびコンタクトプラグ51と52を接続する配線71は、不純物拡散領域11aと15aを電気的に接続する。不純物拡散領域11b上のコンタクトプラグ53、不純物拡散領域12b上のコンタクトプラグ57、およびコンタクトプラグ53と57を接続する配線73は、不純物拡散領域11bと12bを電気的に接続する。不純物拡散領域15b上のコンタクトプラグ56、不純物拡散領域16b上のコンタクトプラグ60、およびコンタクトプラグ56と60を接続する配線72は、不純物拡散領域15bと16bを電気的に接続する。不純物拡散領域12a上のコンタクトプラグ61、不純物拡散領域13a上のコンタクトプラグ64、およびコンタクトプラグ61と64を接続する配線71は、不純物拡散領域12aと13aを電気的に接続する。不純物拡散領域12a上のコンタクトプラグ62、不純物拡散領域16a上のコンタクトプラグ63、およびコンタクトプラグ62と63を接続する配線75は、不純物拡散領域12aと16aを電気的に接続する。不純物拡散領域13b上のコンタクトプラグ65、不純物拡散領域14b上のコンタクトプラグ66、およびコンタクトプラグ65と66を接続する配線72は、不純物拡散領域13bと14bを電気的に接続する。
【0035】
また、不純物拡散領域11b上のコンタクトプラグ54、不純物拡散領域12b上のコンタクトプラグ58、不純物拡散領域15b上のコンタクトプラグ55、不純物拡散領域16b上のコンタクトプラグ59、およびコンタクトプラグ54、58、55、および59を接続する配線74は、不純物拡散領域11b、12b、15b、および16bを電気的に接続する。これらのように、3つ以上の隣接する不純物拡散領域を接続するコンタクトプラグおよび配線を形成してもよい。なお、活性領域17、18上のコンタクトプラグの図示は省略する。
【0036】
配線71は、コンタクトプラグ51、52、61、64、67に接続され、コンタクトプラグ53、57、54、55、58、59、56、60、65、66に接続されない。なお、配線75は配線71に接続されてもよい。
【0037】
配線72は、コンタクトプラグ56、60、65、66に接続され、コンタクトプラグ51、52、61、64、62、63、67に接続されない。なお、配線73、74は配線72に接続されてもよい。
【0038】
すなわち、不純物拡散領域11a〜16aは、コンタクトプラグ51、52、61、64、62、63、67、および配線71、75を介して電気的に接続され、同電位に設定される。また、不純物拡散領域11b〜16bは、コンタクトプラグ53、57、54、55、58、59、56、60、65、66、および配線72、73、74を介して電気的に接続され、同電位に設定される。不純物拡散領域11a〜16aと不純物拡散領域11b〜16bの一方が大活性領域10内のトランジスタのソース領域として機能し、他方がドレイン領域として機能する。このような構成により、活性領域11〜16の集合は、1つの大活性領域10として機能する。
【0039】
コンタクトプラグ51〜67は、W等の導電材料からなる。配線71〜75は、Cu等の導電材料からなる。コンタクトプラグ51〜67と配線71〜75の材料は同じであってもよい。
【0040】
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、大活性領域中の活性領域の構成が第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態と同様の点については説明を省略または簡略化する。
【0041】
(半導体装置の構成)
図5A(a)、(b)、図5B(c)は、第3の実施の形態に係る半導体装置300の上面図である。
【0042】
半導体装置300は、半導体基板1と、半導体基板1上に形成された素子分離領域2と、素子分離領域2に分離された半導体基板1上の領域である活性領域81〜83と、活性領域81、82内に形成された不純物拡散領域81a〜81e、82a〜82cと、半導体基板1上に形成された層間絶縁膜3と、層間絶縁膜3中に形成されたコンタクトプラグ91〜95およびゲート電極31〜34と、層間絶縁膜3上に形成された配線層絶縁膜4と、配線層絶縁膜4中に形成された配線101、102と、を有する。
【0043】
なお、図5B(c)においては層間絶縁膜3および配線層絶縁膜4の図示を省略し、図5A(b)においては層間絶縁膜3、配線層絶縁膜4および配線101、102の図示を省略し、図1A(a)においては層間絶縁膜3、配線層絶縁膜4、配線101、102、コンタクトプラグ91〜95、ゲート電極31〜34、および不純物拡散領域81a〜81e、82a〜82cの図示を省略する。
【0044】
活性領域81、82の集合は、1つの大活性領域80として機能する。大活性領域80の輪郭80aの形状は、段差を含む複雑な形状、すなわち2つ以上の異なる面積の四角形を結合した形状である。活性領域81、82が素子分離領域2で分離されずに連続して形成された場合、すなわち輪郭80aと同じ形状の1つの活性領域が形成された場合、形状の複雑さに起因して活性領域中の応力分布のばらつきが大きくなる。
【0045】
活性領域81、82の形状は、それぞれ長方形、正方形等の四角形であり、段差を含む複雑な形状、すなわち2つ以上の異なる面積の四角形を結合した形状ではない。そのため、活性領域81、82中の応力分布のばらつきは少なく、活性領域81、82が構成する大活性領域10の応力分布のばらつきも少ない。つまり、大活性領域80は複雑な形状を有するにもかかわらず、応力分布のばらつきが少ない。
【0046】
活性領域81は、第1の実施の形態の活性領域11〜14を結合させたものに相当する。活性領域82は、第1の実施の形態の活性領域15〜16を結合させたものに相当する。活性領域81、82内には素子分離領域2が存在しないため、大活性領域80の面積を第1の実施の形態の大活性領域10の面積よりも小さくすることができる。すなわち、各活性領域が四角形からなるという条件を満たす範囲で、一部の活性領域を結合させ、大活性領域の面積を小さくすることができる。
【0047】
活性領域81内のゲート電極31の外側、ゲート電極31と32の間、ゲート電極32と33の間、ゲート電極33と34の間、ゲート電極34の外側には、不純物拡散領域81a、81b、81c、81d、81eがそれぞれ形成される。活性領域82内のゲート電極31の外側、ゲート電極31と32の間、ゲート電極32の外側には、不純物拡散領域82a、82b、82cがそれぞれ形成される。なお、活性領域83内の不純物拡散領域の図示は省略する。
【0048】
不純物拡散領域81a〜81e、82a〜82cは、導電型不純物を含む領域であり、トランジスタのソース・ドレイン領域として機能する。
【0049】
不純物拡散領域81a〜81e、82a〜82cのうち、不純物拡散領域81aと82a、不純物拡散領域81bと82b、不純物拡散領域81cと82cは、素子分離領域2を挟んで向かい合い、電気的に接続される。
【0050】
コンタクトプラグ91の底部は不純物拡散領域81a、82aに接し、コンタクトプラグ91は不純物拡散領域81aと82aとを電気的に接続する。同様に、コンタクトプラグ92は不純物拡散領域81bと82bとを電気的に接続する。コンタクトプラグ93は不純物拡散領域81cと82cとを電気的に接続する。なお、活性領域83上のコンタクトプラグの図示は省略する。
【0051】
配線101は、コンタクトプラグ91、93、95に接続され、コンタクトプラグ92、94に接続されない。
【0052】
配線102は、コンタクトプラグ92、94に接続され、コンタクトプラグ91、93、95に接続されない。
【0053】
すなわち、不純物拡散領域81a、81c、81e、82a、82cは、コンタクトプラグ91、93、95、および配線101を介して電気的に接続され、同電位に設定される。また、不純物拡散領域81b、81d、82bは、コンタクトプラグ92、94、および配線102を介して電気的に接続され、同電位に設定される。不純物拡散領域81a、81c、81e、82a、82cと不純物拡散領域81b、81d、82bの一方が大活性領域80内のトランジスタのソース領域として機能し、他方がドレイン領域として機能する。このような構成により、活性領域81、82の集合は、1つの大活性領域80として機能する。
【0054】
コンタクトプラグ91〜95は、W等の導電材料からなる。配線101、102は、Cu等の導電材料からなる。コンタクトプラグ91〜95と配線101、102の材料は同じであってもよい。
【0055】
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、大活性領域とそれに隣接する活性領域の分離に電位が固定されたダミーゲート電極を用いる点において第3の実施の形態と異なる。なお、第3の実施の形態と同様の点については説明を省略または簡略化する。
【0056】
(半導体装置の構成)
図6A(a)、(b)、図6B(c)は、第4の実施の形態に係る半導体装置400の上面図である。
【0057】
半導体装置400は、半導体基板1と、半導体基板1上に形成された素子分離領域2と、素子分離領域2に分離された半導体基板1上の領域である活性領域111、114と、活性領域111、114内に形成された不純物拡散領域111a〜111e、112a〜112cと、半導体基板1上に形成された層間絶縁膜3と、層間絶縁膜3中に形成されたコンタクトプラグ121〜125、ゲート電極131〜134、およびダミーゲート電極135と、層間絶縁膜3上に形成された配線層絶縁膜4と、配線層絶縁膜4中に形成された配線141、142と、を有する。
【0058】
なお、図6B(c)においては層間絶縁膜3および配線層絶縁膜4の図示を省略し、図6A(b)においては層間絶縁膜3、配線層絶縁膜4および配線141、142の図示を省略し、図1A(a)においては層間絶縁膜3、配線層絶縁膜4、配線141、142、コンタクトプラグ121〜125、ゲート電極131〜134、ダミーゲート電極135、および不純物拡散領域111a〜111e、112a〜112cの図示を省略する。
【0059】
活性領域114は、活性領域112と113を含む。活性領域112と113は、素子分離領域2により分割されない連続した領域であるが、ダミーゲート電極135により電気的に絶縁されるため、分離された2つの活性領域として機能する。
【0060】
ダミーゲート電極135は、ゲート絶縁膜を介して活性領域114内の活性領域112と113の境界上に形成される。ダミーゲート電極135は、電位が固定された電極(例えば、活性領域112と113がn型である場合は0Vに固定される)であり、常に閉じたゲートとして機能する。
【0061】
活性領域112、113をダミーゲート電極135により分離することにより、素子分離領域2により分離する場合よりも面積を小さくすることができる。
【0062】
活性領域111、112の集合は、1つの大活性領域110として機能する。大活性領域110の輪郭110aの形状は、段差を含む複雑な形状、すなわち2つ以上の異なる面積の四角形を結合した形状である。活性領域111、112が素子分離領域2で分離されずに連続して形成された場合、すなわち輪郭110aと同じ形状の1つの活性領域が形成された場合、形状の複雑さに起因して活性領域中の応力分布のばらつきが大きくなる。
【0063】
活性領域111、114の形状は、それぞれ長方形、正方形等の四角形であり、段差を含む複雑な形状、すなわち2つ以上の異なる面積の四角形を結合した形状ではない。そのため、活性領域111、114中の応力分布のばらつきは少なく、活性領域111、112が構成する大活性領域110の応力分布のばらつきも少ない。つまり、大活性領域110は複雑な形状を有するにもかかわらず、応力分布のばらつきが少ない。
【0064】
活性領域111内のゲート電極131の外側、ゲート電極131と132の間、ゲート電極132と133の間、ゲート電極133と134の間、ゲート電極134の外側には、不純物拡散領域111a、111b、111c、111d、111eがそれぞれ形成される。活性領域112内のゲート電極131の外側、ゲート電極131と132の間、ゲート電極132の外側には、不純物拡散領域112a、112b、112cがそれぞれ形成される。なお、活性領域113内の不純物拡散領域の図示は省略する。
【0065】
不純物拡散領域111a〜111e、112a〜112cは、導電型不純物を含む領域であり、トランジスタのソース・ドレイン領域として機能する。
【0066】
不純物拡散領域111a〜111e、112a〜112cのうち、不純物拡散領域111aと112a、不純物拡散領域111bと112b、不純物拡散領域111cと112cは、素子分離領域2を挟んで向かい合い、電気的に接続される。
【0067】
コンタクトプラグ121の底部は不純物拡散領域111a、112aに接し、コンタクトプラグ121は不純物拡散領域111aと112aとを電気的に接続する。同様に、コンタクトプラグ122は不純物拡散領域111bと112bとを電気的に接続する。コンタクトプラグ123は不純物拡散領域111cと112cとを電気的に接続する。なお、活性領域113上のコンタクトプラグの図示は省略する。
【0068】
配線141は、コンタクトプラグ121、123、125に接続され、コンタクトプラグ122、124に接続されない。
【0069】
配線142は、コンタクトプラグ122、124に接続され、コンタクトプラグ121、123、125に接続されない。
【0070】
すなわち、不純物拡散領域111a、111c、111e、112a、112cは、コンタクトプラグ121、123、125、および配線141を介して電気的に接続され、同電位に設定される。また、不純物拡散領域111b、111d、112bは、コンタクトプラグ122、124、および配線142を介して電気的に接続され、同電位に設定される。不純物拡散領域111a、111c、111e、112a、112cと不純物拡散領域111b、111d、112bの一方が大活性領域110内のトランジスタのソース領域として機能し、他方がドレイン領域として機能する。このような構成により、活性領域111、112の集合は、1つの大活性領域110として機能する。
【0071】
コンタクトプラグ121〜125は、W等の導電材料からなる。配線141、142は、Cu等の導電材料からなる。コンタクトプラグ121〜125と配線141、142の材料は同じであってもよい。
【0072】
(実施の形態の効果)
第1〜4の実施の形態によれば、
トランジスタのチャネル幅を確保しつつ回路の面積を小さくするために複雑な形状の大活性領域を形成する場合であっても、四角形の活性領域の集合で大活性領域を構成することにより、大活性領域内の応力分布のばらつきを抑えることができる。
【0073】
また、大活性領域を構成する活性領域の各々は四角形という単純な形状を有するため、これらを精度よく形成することができる。
【0074】
〔他の実施の形態〕
本発明は、上記実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、活性領域、コンタクトプラグ、配線等の各部材の形状、大きさ、個数、配置等は上述のものに限定されない。
【0075】
また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。例えば、第3の実施の形態または第4の実施の形態を第2の実施の形態と組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0076】
100、200、300、400 半導体装置、 10、80、110 大活性領域、 10a、80a、110a 輪郭、 11〜16、81、82、111、112 活性領域、 11a〜16a、11b〜16b、81a〜81e、82a〜82c、111a〜111e、112a〜112c 不純物拡散領域、 21〜28、51〜67、91〜95、121〜125、 コンタクトプラグ、 41、42、71〜75、101、102、141、142 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子分離領域を有する基板と、
前記素子分離領域に分離された、不純物拡散領域を有する前記基板上の複数の四角形の活性領域と、
前記複数の活性領域の集合からなり、段差を含む輪郭形状を有する大活性領域と、
を有し、
前記複数の活性領域の前記不純物拡散領域のうち、前記素子分離領域を挟んで向かい合う不純物拡散領域は、電気的に接続される半導体装置。
【請求項2】
前記素子分離領域を挟んで向かい合う前記不純物拡散領域のうち、少なくとも1組の向かい合う不純物拡散領域は、それらの両方に底部が接する少なくとも1つの第1のコンタクトプラグにより接続される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記素子分離領域を挟んで向かい合う前記不純物拡散領域のうち、少なくとも1組の向かい合う不純物拡散領域は、それぞれに接続された第2のコンタクトプラグおよび前記第2のコンタクトプラグを接続する上層配線により接続される、
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記複数の活性領域は、同じ形状および同じ面積を有する、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の活性領域は、前記大活性領域に隣接する前記大活性領域に含まれない第1の活性領域と連続する第2の活性領域を含み、
前記第1の活性領域と前記第2の活性領域は、電位が固定されたダミーゲート電極により電気的に分離される、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2012−64854(P2012−64854A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209224(P2010−209224)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】