説明

半導体装置

【課題】積層型の半導体装置においてインターフェースチップからコアチップへのクロック信号の供給を不要とする。
【解決手段】外部から供給されるコマンド信号CMD及びクロック信号CKを受けて、各々がクロック信号CKに同期し、且つ、互いにタイミングが異なる複数のリード制御信号R1,R2を出力するリードタイミング制御回路100を有するインターフェースチップIFと、インターフェースチップIFに積層され、コマンド信号CMDが示す動作をリード制御信号R1,R2に同期してそれぞれ実行する複数の内部回路を有するコアチップCC0〜CC7とを備える。本発明によれば、コアチップに内でのレイテンシ制御が不要となることから、コアチップにクロック信号を供給する必要がなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、特に、インターフェース機能を有するフロントエンド部と、メモリコアを含むバックエンド部とがそれぞれ別個の半導体チップに集積されてなる半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体記憶装置に要求される記憶容量は年々増大している。この要求を満たすため、近年、複数のメモリチップを積層したマルチチップパッケージと呼ばれるメモリデバイスが提案されている。しかしながら、マルチチップパッケージにて用いられるメモリチップは、それ自身が単体でも動作する通常のメモリチップであることから、各メモリチップには外部(例えば、メモリコントローラ)とのインターフェースを行ういわゆるフロントエンド部が含まれている。このため、夫々のメモリチップ内のメモリコアに割り当て可能な占有面積は、全チップ面積からフロントエンド部の占有面積を減じた面積に制限され、1チップ当たり(一つのメモリチップ当たり)の記憶容量を大幅に増大させることは困難である。
【0003】
しかも、フロントエンド部を構成する回路はロジック系の回路であるにもかかわらず、メモリコアを含むバックエンド部と同時に作製されるために、フロントエンド部のトランジスタを高速化することが困難であるという問題もあった。
【0004】
このような問題を解決する方法として、フロントエンド部とバックエンド部をそれぞれ別個のチップに集積し、これらを積層することによって一つの半導体記憶装置を構成する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法によれば、バックエンド部が集積されたコアチップについては、メモリコアに割り当て可能な占有面積が増大することから、1チップ当たり(一つのコアチップ当たり)の記憶容量を増大させることが可能となる。一方、フロントエンド部が集積されたインターフェースチップについては、メモリコアとは異なるプロセスで作製できるため、高速なトランジスタによって回路を形成することが可能となる。しかも、1つのインターフェースチップに対して複数のコアチップを割り当てることができるため、全体として非常に大容量且つ高速な半導体記憶装置を提供することが可能となる。
【0005】
一方、DRAMなどの半導体装置においては、外部のコントローラから発行されるコマンドをデコードすることによって内部制御信号を生成し、内部制御信号に基づいて各種の動作、例えばワード線の活性化、カラムスイッチの活性化、データアンプの活性化などの動作が行われる。これらの動作は、クロック信号を用いてタイミング制御され、これにより各種回路ブロックはそれぞれ最適なタイミングで活性される。一例として、リードコマンドが発行されると、所定のタイミングでカラムスイッチが活性化され、その後、所定のタイミングでデータアンプが活性化されることにより、メモリセルアレイからリードデータが読み出される。
【0006】
近年のDRAMにおいては、リードコマンドなどのカラム系のコマンドを本来の発行タイミングよりも先行して発行するポステッドCAS方式が採用されている。ポステッドCAS方式のDRAMにおいては、リードコマンドなどのカラム系のコマンドが発行されると、内部制御信号をチップ内でラッチし、アディティブレイテンシ(AL)に相当する期間だけこれを遅延させた後、各種回路ブロックに供給する。このようなレイテンシ制御は、積層型の半導体装置においても各メモリチップ内で行われていた(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−158237号公報
【特許文献2】特開2006−277870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、積層型の半導体装置においてレイテンシ制御を各メモリチップ内で行うためには、レイテンシをカウントするためのレイテンシカウンタを各メモリチップに設ける必要がある。このため、メモリチップのチップ面積が増大するという問題があった。
【0009】
しかも、レイテンシカウンタを動作させるために各メモリチップにクロック信号を供給する必要がある。クロック信号は、各種の内部制御信号に比べて信号幅が非常に短い信号であることから、例えばインターフェースチップから複数のコアチップに対してクロック信号を共通に供給する場合、クロック配線の寄生容量成分及び寄生抵抗成分によって波形が潰れ、レイテンシのカウントが困難となるおそれが生じる。
【0010】
特に、特許文献1に記載された半導体装置のように、貫通電極を用いて信号の伝送を行うタイプの半導体装置においては、貫通電極の寄生容量成分が比較的大きいために、上記の問題はより顕著となる。また、貫通電極の抵抗値が何らかの原因で設計値よりも高抵抗となっている場合にも、上記の問題は顕著となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面による半導体装置は、外部から供給される第1のコマンド信号及びクロック信号を受けて、各々が前記クロック信号に同期し、且つ、互いにタイミングが異なる複数の第2のコマンド信号を出力するタイミング制御回路を有する第1のチップと、前記第1のチップに積層され、前記第1のコマンド信号が示す動作を前記複数の第2のコマンド信号に同期してそれぞれ実行する複数の内部回路を有する第2のチップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の側面による半導体装置は、外部からアドレス信号及び第1のコマンド信号が供給されるインターフェースチップと、互いに異なるチップアドレスが割り当てられた複数のコアチップと、を備え、前記インターフェースチップは、前記第1のコマンド信号を遅延させることにより第2のコマンド信号を生成する第1のコマンド遅延回路と、第1のチップアドレスを取得しこれを遅延させることにより第2のチップアドレスを生成する第1のチップアドレス遅延回路とを含み、前記第2のコマンド信号と前記第2のチップアドレスを前記複数のコアチップに共通に供給し、前記複数のコアチップは、前記第2のチップアドレスと該コアチップに割り当てられたチップアドレスとが一致したことに応答して第1の一致信号を活性化させる第1の判定回路と、前記第1の一致信号が活性化したことに応答して前記第2のコマンド信号に同期した動作を行う第1の内部回路とをそれぞれ含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1のコマンド信号を受ける第1のチップ(インターフェースチップ)内で第1のコマンド信号を遅延させることによって第2のコマンド信号を生成し、生成された第2のコマンド信号を第2のチップ(コアチップ)に供給していることから、第2のチップ内に第1のコマンド信号を遅延させる回路を設ける必要が無くなる。これに伴い、第1のチップから第2のチップにクロック信号を供給する必要もなくなることから、特に貫通電極を用いて複数のチップを相互に接続するタイプの半導体装置において、上記の問題を解決することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好ましい実施形態による半導体装置10の構造を説明するための模式的な断面図である。
【図2】コアチップに設けられた貫通電極TSVの種類を説明するための図である。
【図3】図2(a)に示すタイプの貫通電極TSV1の構造を示す断面図である。
【図4】LRA−1方式のアドレス割り付けを説明するための模式図である。
【図5】LRA−2方式のアドレス割り付けを説明するための模式図である。
【図6】LRA−3方式のアドレス割り付けを説明するための模式図である。
【図7】PRA方式のアドレス割り付けを説明するための模式図である。
【図8】インターフェースチップIFの構成を示すブロック図である。
【図9】コアチップCC0〜CC7の構成を示すブロック図である。
【図10】リード制御回路100の回路図である。
【図11】ライト制御回路200の回路図である。
【図12】オートプリチャージ制御回路300の回路図である。
【図13】リード動作を説明するためのタイミング図である。
【図14】ライト動作を説明するためのタイミング図である。
【図15】オートプリチャージ動作を説明するためのタイミング図である。
【図16】変形例を示すブロック図である。
【図17】他の変形例を示すブロック図である。
【図18】チップアドレス生成回路400のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置10の構造を説明するための模式的な断面図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態による半導体装置10は、互いに同一の機能、構造を持ち、夫々同一の製造マスクで製作された8枚のコアチップCC0〜CC7と、コアチップCC0〜CC7とは異なる製造マスクで製作された1枚のインターフェースチップIFと、1枚のインターポーザIPとが積層された構造を有している。コアチップCC0〜CC7及びインターフェースチップIFはシリコン基板を用いた半導体チップであり、いずれもシリコン基板を貫通する多数の貫通電極TSV(Through Silicon Via)によって上下に隣接するチップと電気的に接続されている。一方、インターポーザIPは樹脂からなる回路基板であり、その裏面IPbには複数の外部端子(半田ボール)SBが形成されている。
【0018】
コアチップCC0〜CC7は、単体で動作する通常のSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)に含まれる回路ブロックのうち、外部とのインターフェースを行ういわゆるフロントエンド部が削除された半導体チップである。言い換えれば、バックエンド部に属する回路ブロックのみが集積された半導体チップである。フロントエンド部に含まれる回路ブロックとしては、メモリセルアレイとデータ入出力端子との間で入出力データのパラレル/シリアル変換を行うパラレルシリアル変換回路や、データの入出力タイミングを制御するDLL(Delay Locked Loop)回路などが挙げられる。詳細については後述する。
【0019】
一方、インターフェースチップIFは、単体で動作する通常のSDRAMに含まれる回路ブロックのうち、フロントエンド部のみが集積された半導体チップである。インターフェースチップIFは、8枚のコアチップCC0〜CC7に対する共通のフロントエンド部として機能する。したがって、外部からのアクセスは全てインターフェースチップIFを介して行われ、データの入出力もインターフェースチップIFを介して行われる。
【0020】
本実施形態では、インターポーザIPとコアチップCC0〜CC7との間にインターフェースチップIFが配置されているが、インターフェースチップIFの位置については特に限定されず、コアチップCC0〜CC7よりも上部に配置しても構わないし、インターポーザIPの裏面IPbに配置しても構わない。インターフェースチップIFをコアチップCC0〜CC7の上部にフェースダウンで又はインターポーザIPの裏面IPbにフェースアップで配置する場合には、インターフェースチップIFに貫通電極TSVを設ける必要はない。また、インターフェースチップIFは、2つのインターポーザIPに挟まれるように配置しても良い。
【0021】
インターポーザIPは、半導体装置10の機械的強度を確保するとともに、電極ピッチを拡大するための再配線基板として機能する。つまり、インターポーザIPの上面IPaに形成された電極91をスルーホール電極92によって裏面IPbに引き出し、裏面IPbに設けられた再配線層93によって、外部端子SBのピッチを拡大している。図1には、2個の外部端子SBのみを図示しているが、実際には多数の外部端子が設けられている。外部端子SBのレイアウトは、規格により定められたSDRAMにおけるそれと同じである。したがって、外部のコントローラからは1個のSDRAMとして取り扱うことができる。
【0022】
図1に示すように、最上部のコアチップCC0の上面はNCF(Non-Conductive Film)94及びリードフレーム95によって覆われており、コアチップCC0〜CC7及びインターフェースチップIFの各チップ間のギャップはアンダーフィル96で充填され、またその周囲は封止樹脂97によって覆われている。これにより、各チップが物理的に保護される。
【0023】
コアチップCC0〜CC7に設けられた貫通電極TSVの大部分は、積層方向から見た平面視で、すなわち図1に示す矢印Aから見た場合に、同じ位置に設けられた他層の貫通電極TSVと短絡されている。つまり、図2(a)に示すように、平面視で同じ位置に設けられた上下の貫通電極TSV1が短絡され、これら貫通電極TSV1によって1本の配線が構成されている。各コアチップCC0〜CC7に設けられたこれらの貫通電極TSV1は、当該コアチップ内の内部回路4にそれぞれ接続されている。したがって、インターフェースチップIFから図2(a)に示す貫通電極TSV1に供給される入力信号(コマンド信号、アドレス信号など)は、コアチップCC0〜CC7の内部回路4に共通に入力される。また、コアチップCC0〜CC7から貫通電極TSV1に供給される出力信号(データなど)は、ワイヤードオアされてインターフェースチップIFに入力される。
【0024】
これに対し、一部の貫通電極TSVについては、図2(b)に示すように、平面視で同じ位置に設けられた他層の貫通電極TSV2と直接接続されるのではなく、当該コアチップCC0〜CC7に設けられた内部回路5を介して接続されている。つまり、各コアチップCC0〜CC7に設けられたこれら内部回路5が貫通電極TSV2を介してカスケード接続されている。この種の貫通電極TSV2は、各コアチップCC0〜CC7に設けられた内部回路5に所定の情報を順次転送するために用いられる。このような情報としては、後述する層アドレス情報が挙げられる。
【0025】
さらに他の一部の貫通電極TSVについては、図2(c)に示すように、平面視で異なる位置に設けられた他層の貫通電極TSVと短絡されている。この種の貫通電極TSV群3に対しては、平面視で所定の位置Pに設けられた貫通電極TSV3aに各コアチップCC0〜CC7の内部回路6が接続されている。これにより、各コアチップに設けられた内部回路6に対して選択的に情報を入力することが可能となる。このような情報としては、不良チップ情報が挙げられる。
【0026】
このように、コアチップCC0〜CC7に設けられた貫通電極TSVは、図2(a)〜(c)に示す3タイプ(TSV1〜TSV3)が存在する。上述の通り、大部分の貫通電極TSVは図2(a)に示すタイプであり、アドレス信号、コマンド信号などは図2(a)に示すタイプの貫通電極TSV1を介して、インターフェースチップIFからコアチップCC0〜CC7に供給される。また、リードデータ及びライトデータについても、図2(a)に示すタイプの貫通電極TSV1を介してインターフェースチップIFに入出力される。これに対し、図2(b),(c)に示すタイプの貫通電極TSV2,TSV3は、互いに同一の構造を有するコアチップCC0〜CC7に対して、個別の情報を与えるために用いられる。
【0027】
図3は、図2(a)に示すタイプの貫通電極TSV1の構造を示す断面図である。
【0028】
図3に示すように、貫通電極TSV1はシリコン基板80及びその表面の層間絶縁膜81を貫通して設けられている。貫通電極TSV1の周囲には絶縁リング82が設けられており、これによって、貫通電極TSV1とトランジスタ領域との絶縁が確保される。図3に示す例では絶縁リング82が二重に設けられており、これによって貫通電極TSV1とシリコン基板80との間の静電容量が低減されている。
【0029】
シリコン基板80の裏面側における貫通電極TSV1の端部83は、裏面バンプ84で覆われている。裏面バンプ84は、下層のコアチップに設けられた表面バンプ85と接する電極である。表面バンプ85は、各配線層L0〜L3に設けられたパッドP0〜P3及びパッド間を接続する複数のスルーホール電極TH1〜TH3を介して、貫通電極TSV1の端部86に接続されている。これにより、平面視で同じ位置に設けられた表面バンプ85と裏面バンプ84は、短絡された状態となる。尚、図示しない内部回路との接続は、配線層L0〜L3に設けられたパッドP0〜P3から引き出される内部配線(図示せず)を介して行われる。
【0030】
ここで、インターフェースチップIF及びコアチップCC0〜CC7の詳細な回路構成について説明する前に、本実施形態による半導体装置10のアドレス割り付けについて説明する。
【0031】
本実施形態による半導体装置10は、モード選択によってアドレス割り付けを変更することが可能である。半導体装置10には、大きく分けてLRA(Logical Rank Address)方式とPRA(Physical Rank Address)方式が用意されている。LRA方式とは、それぞれ異なるコアチップCC0〜CC7に設けられた複数のバンクをコントローラから見て1つのバンクとして取り扱うアドレス割り付け方式である。これに対し、PRA方式とは、各コアチップCC0〜CC7に設けられた複数のバンクをそれぞれ1つのバンクとして取り扱うアドレス割り付け方式である。さらに、本実施形態では、LRA方式に3タイプ用意されており、便宜上、それぞれLRA−1方式、LRA−2方式、LRA−3方式と呼ぶ。以下、各方式について具体的に説明する。
【0032】
図4は、LRA−1方式のアドレス割り付けを説明するための模式図である。図4〜図7においては一つのマス目がバンクを示している。したがって、一つのコアチップにはバンク0〜バンク7が含まれていることになる。
【0033】
図4に示すように、LRA−1方式とは、ロウアクセス時(アクティブコマンドACTの発行時)に供給されるアドレス信号の一部Xn+2,Xn+1,Xn(チップアドレス)に基づいてコアチップCC0〜CC7のいずれかを選択するとともに、ロウアクセス時及びカラムアクセス時に供給されるバンクアドレス信号BA0〜BA2に基づいてバンク0〜バンク7のいずれかを選択する方式である。コントローラからは、異なるコアチップCC0〜CC7に含まれる同じ番号の8個のバンクが1つのバンクとして認識される。
【0034】
この方式では、カラムアクセス時(カラムコマンド発行時)にチップアドレスは供給されないが、コントローラは異なるコアチップCC0〜CC7に含まれる同じ番号の8個のバンクを1つのバンクとして認識していることから、カラムアクセス時にチップアドレスを供給しなくても、どのコアチップCC0〜CC7に対するカラムアクセスであるのか判別可能である。なぜなら、カラムアクセス時に指定されるバンクがアクティブ状態であるコアチップは、必ず1つだからである。
【0035】
例えば、図4において丸印で囲ったバンクがアクティブ状態であるとすると、カラムアクセス時に指定されるバンクがバンク0であれば、バンク0がアクティブ状態であるコアチップCC0にてカラムアクセスが行われ、カラムアクセス時に指定されるバンクがバンク1であれば、バンク1がアクティブ状態であるコアチップCC2にてカラムアクセスが行われる、といった具合である。
【0036】
このように、LRA−1方式においては、コアチップCC0〜CC7の選択がロウアクセス時に行われる。また、コントローラからは1個のDRAMとして認識されることから、使用されるチップ選択信号(CS)も1ビットとなる。これにより、例えば、1回のロウアクセスでアクセスされるメモリセル数は1kバイトとなり、ランク数は1となる。
【0037】
図5は、LRA−2方式のアドレス割り付けを説明するための模式図である。
【0038】
図5に示すように、LRA−2方式とは、2ビットのチップ選択信号CS0,CS1に基づいてコアチップCC0〜CC3かコアチップCC4〜CC7を選択し、さらに、ロウアクセス時に供給されるアドレス信号の一部Xn+1,Xn(チップアドレス)に基づいて、選択された4つのコアチップの中からいずれか1つのコアチップを選択する方式である。バンクアドレス信号BA0〜BA2については、ロウアクセス時及びカラムアクセス時の両方において供給される。
【0039】
この方式では、チップ選択信号を用いてコアチップCC0〜CC3又はコアチップCC4〜CC7を選択していることから、コントローラから見たランク数は2となる。また、LRA−1方式と同様、コアチップCC0〜CC7の選択がロウアクセス時に確定することから、例えば、1回のロウアクセスでアクセスされるメモリセル数は、LRA−1方式と同様1kバイトとなる。尚、この方式においてもカラムアクセス時にはチップアドレスは供給されないが、これによる問題が生じない点はLRA−1方式と同様である。
【0040】
この方式においては、コアチップCC0〜CC3とコアチップCC4〜CC7とがチップ選択信号CS0,CS1によって区別されることから、コアチップCC0〜CC3に属するバンクと、コアチップCC4〜CC7に属するバンクは、コントローラから見て別のバンクとして取り扱われる。したがって、図5に示す例のように、コアチップCC0のバンク0とコアチップCC5のバンク0が同時にアクティブ状態となり得る。
【0041】
図6は、LRA−3方式のアドレス割り付けを説明するための模式図である。
【0042】
図6に示すように、LRA−3方式とは、ロウアクセス時に供給されるアドレス信号の一部Xn+2,Xnに基づいてコアチップCC0とCC2、コアチップCC1とCC3、コアチップCC4とCC6、コアチップCC5とCC7のいずれかを選択し、さらに、カラムアクセス時に供給されるアドレス信号の一部Yn+1に基づいて、選択された2つのコアチップの中からいずれか1つのコアチップを選択する方式である。バンクアドレス信号BA0〜BA2については、ロウアクセス時及びカラムアクセス時の両方において供給される。
【0043】
この方式では、ロウアクセス時に供給されるアドレス信号の一部Xn+2,Xnと、カラムアクセス時に供給されるアドレス信号の一部Yn+1によってコアチップCC0〜CC7の選択が行われる。このため、チップアドレスはXn+2,Xn,Yn+1となる。また、ロウアクセス時には2つのコアチップがアクティブ状態となることから、1回のロウアクセスでアクセスされるメモリセル数は、LRA−1方式及びLRA−2方式の2倍となり、例えば2kバイトである。ランク数は、LRA−1方式と同様1ランクである。
【0044】
図7は、PRA方式のアドレス割り付けを説明するための模式図である。
【0045】
図7に示すように、PRA方式とは、ロウアクセス時及びカラムアクセス時とも、アドレス信号の一部であるチップアドレスP2,P1,P0と、バンクアドレス信号BA0〜BA2が供給される方式である。この方式においては、コントローラからは全てのバンクが互いに異なるバンクとして認識される。つまり、本実施形態では64バンクとして認識される。したがって、アクティブ状態となるバンクの数及び組み合わせは任意であり、最大で64個のバンク全てがアクティブ状態となり得る。
【0046】
以上が各アドレス割り付け方式の詳細である。これらのアドレス割り付け方式は、モード選択によって切り替えることが可能である。
【0047】
次に、半導体装置10の具体的な回路構成について説明する。以下の説明においては、半導体装置10の動作モードがPRA方式に設定されている場合を例に説明する。
【0048】
図8及び図9は本発明の好ましい実施形態による半導体装置の構成を示すブロック図であり、図8はインターフェースチップIFの構成を詳細に示し、図9はコアチップCCの構成を詳細に示している。
【0049】
図8に示すように、インターポーザIPに設けられた外部端子には、クロック端子11、コマンド端子12、アドレス端子13a,13b、データ入出力端子14が含まれている。その他、データストローブ端子、キャリブレーション端子及び電源端子なども設けられているが、これらについては図示を省略してある。これら外部端子のうち、電源端子を除く全ての外部端子はインターフェースチップIFに接続されており、コアチップCC0〜CC7には直接接続されない。
【0050】
クロック端子11は外部クロック信号CKが供給される端子であり、供給された外部クロック信号CKは、入力バッファIBを介してクロック生成回路21に供給される。クロック生成回路21は内部クロック信号ICLKを生成する回路であり、生成された内部クロック信号ICLKは、インターフェースチップIF内の各種回路ブロックに供給される。一方、本実施形態においては、内部クロック信号ICLKが貫通電極TSVを介してコアチップCC0〜CC7に供給されることはない。これは、後述するように本実施形態による半導体装置10では、コアチップCC0〜CC7内においてクロック信号を使用しないからであり、この点は本発明の重要な特徴の一つである。
【0051】
内部クロック信号ICLKは、DLL回路22及びクロック生成回路23に供給される。DLL回路22は、出力用クロック信号LCLKを生成する回路であり、生成された出力用クロック信号LCLKは、出力バッファ回路24に供給される。クロック生成回路23は、カラム動作において使用するリードライトクロック信号ICLKRWを生成する。リードライトクロック信号ICLKRWは、リード制御回路100、ライト制御回路200及びオートプリチャージ制御回路300に供給される。これらリード制御回路100、ライト制御回路200及びオートプリチャージ制御回路300の詳細については後述する。リード制御回路100、ライト制御回路200及びオートプリチャージ制御回路300については、「タイミング制御回路」と呼ぶことがある。
【0052】
コマンド端子12は、ロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WE、チップセレクト信号/CS、及びオンダイターミネーション信号ODTなどからなるコマンド信号が供給される端子である。これらのコマンド信号は、入力バッファIBを介してコマンドデコーダ31に供給される。コマンドデコーダ31は、コマンド信号をデコードすることによって各種内部制御信号を生成する回路である。コマンドデコーダ31から出力される内部制御信号としては、アクティブコマンドACTに応答して出力されるアクティブ制御信号IACT、リードコマンドRDに応答して出力されるリード制御信号R0、ライトコマンドWRに応答して出力されるライト制御信号W0、モードレジスタセットコマンドMRSに応答して出力されるモードレジスタセット制御信号IMRSが含まれる。
【0053】
これらの内部制御信号のうち、アクティブ制御信号IACTはラッチ回路L10にラッチされ、リード制御信号R0はラッチ回路L11にラッチされ、ライト制御信号W0はラッチ回路L12にラッチされる。これらラッチ回路L10〜L12は、いずれも内部クロック信号ICLKに同期してラッチ動作を行う。ラッチ回路L10〜L12にラッチされたこれら内部制御信号は、貫通電極TSVを介してコアチップCC0〜CC7に共通に供給される。また、ラッチ回路L11にラッチされたリード制御信号R0についてはリード制御回路100にも供給され、ラッチ回路L12にラッチされたライト制御信号W0についてはライト制御回路200にも供給される。一方、モードレジスタセット制御信号IMRSについては、モードレジスタ32に供給される。
【0054】
アドレス端子13aは、アドレス信号ADD(A0〜A13)及びバンクアドレス信号BA0〜BA2が供給される端子であり、供給されたアドレス信号ADD及びバンクアドレス信号BA0〜BA2は、入力バッファIBを介してラッチ回路L20に供給される。一方、アドレス端子13bは、チップアドレスP0〜P2が供給される端子であり、供給されたチップアドレスP0〜P2は、入力バッファIBを介してラッチ回路L21に供給される。チップアドレスP0〜P2とは、PRAモードに設定されている場合においてコアチップCC0〜CC7を選択するために使用するアドレスであり、LRAモードに設定されている場合のアドレス信号の上位ビットA14〜A16に対応する。これらラッチ回路L20,L21は、いずれも内部クロック信号ICLKに同期してラッチ動作を行う。
【0055】
ラッチ回路L20,L21にラッチされたこれらのアドレスは、貫通電極TSVを介してコアチップCC0〜CC7に共通に供給されるとともに、モードレジスタ32にも供給される。これにより、モードレジスタセット制御信号IMRSが活性化している場合には、これらアドレスの値によってモードレジスタ32の内容が書き換えられる。また、ラッチ回路L21にラッチされたチップアドレスP0〜P2については、リード制御回路100、ライト制御回路200及びオートプリチャージ制御回路300にも供給される。さらに、バンクアドレス信号BA0〜BA2及びアドレス信号A10については、オートプリチャージ制御回路300にも供給される。図8に示すように、ラッチ回路L21にラッチされたチップアドレスP0〜P2を「LADD0」と呼ぶ。
【0056】
データ入出力端子14は、リードデータDQ又はライトデータDQの入出力を行うための端子であり、出力バッファ回路24及び入力バッファ回路25に接続されている。出力バッファ回路24は、パラレルシリアル変換回路26及びFIFO回路27を介して供給されるリードデータを受け、これを出力用クロック信号LCLKに同期してデータ入出力端子14に出力する回路である。一方、入力バッファ回路25は、データ入出力端子14を介して供給されるライトデータを受け、これをパラレルシリアル変換回路26に供給する回路である。パラレルシリアル変換回路26は、コアチップCC0〜CC7から貫通電極TSVを介して供給されるパラレルなリードデータをシリアル変換するとともに、入力バッファ回路25から供給されるシリアルなライトデータをパラレルに変換する回路である。また、FIFO回路27は、シリアルなリードデータを受け、これをFIFO制御回路28による制御のもと出力バッファ回路24に所望のタイミングで供給する回路である。FIFO制御回路28は、所望のレイテンシでリードデータが出力されるよう、タイミング信号FIFORSをFIFO回路27に供給する。
【0057】
このように、パラレルシリアル変換回路26とコアチップCC0〜CC7との間においては、基本的に、シリアル変換されていないパラレルデータが入出力される。つまり、単独で動作する通常のSDRAMでは、チップ外部との間でのデータの入出力がシリアルに行われる(つまり、データ入出力端子は1DQ当たり1個である)のに対し、コアチップCC0〜CC7とインターフェースチップIFとの間においては、データの入出力がパラレルに行われる。この点は、通常のSDRAMとコアチップCC0〜CC7との重要な相違点である。但し、プリフェッチしたパラレルデータを全て異なる貫通電極TSVを用いて入出力することは必須でなく、コアチップCC0〜CC7側にて部分的なパラレル/シリアル変換を行うことによって、1DQ当たり必要な貫通電極TSVの数を削減しても構わない。後述するように、本実施形態においては、インターフェースチップIFとコアチップCC0〜CC7との間のリードデータ又はライトデータの転送を2回に分けて行っている。これについては後述する。
【0058】
図10は、リード制御回路100の回路図である。
【0059】
図10に示すように、リード制御回路100は、リードライトクロック信号ICLKRWに同期したカウント動作を行うカウンタ回路101〜104と、内部クロック信号ICLKに同期したラッチ動作を行うラッチ回路L31〜L34とを備えている。
【0060】
カウンタ回路101は、アディティブレイテンシALをカウントするためのカウンタであり、その入力ノードにはリード制御信号R0が供給される。したがって、リード制御信号R0が活性化すると、リードライトクロック信号ICLKRWに同期してアディティブレイテンシALをカウントした後、リード制御信号R0aが出力される。リード制御信号R0aはラッチ回路L31にてラッチされ、リード制御信号R1として出力される。
【0061】
カウンタ回路102は、バースト長指定信号BL8が活性化している場合にリード制御信号R0aをさらにカウントするためのカウンタであり、そのカウント数は2である。バースト長指定信号BL8は、バースト長BLが8である場合に活性化される信号であり、モードレジスタ32より供給される。したがって、バーストBLが8以外(例えばBL=4)である場合にはカウンタ回路102はスルーされる。カウンタ回路102の出力であるリード制御信号R0bはラッチ回路L32にてラッチされ、リード制御信号R2として出力される。
【0062】
カウンタ回路103,104はカウンタ回路101,102のレプリカであり、ラッチ回路L33,L34はラッチ回路L31,L32のレプリカである。図10に示すように、カウンタ回路103の入力ノードには、チップアドレスLADD0(P0〜P2)が供給される。これにより、ラッチ回路L33からはカウンタ回路103によって遅延されたチップアドレスLADD1Rが出力され、ラッチ回路L34からはカウンタ回路103,104によって遅延されたチップアドレスLADD2Rが出力される。
【0063】
上述の通り、カウンタ回路103,104はそれぞれカウンタ回路101,102のレプリカであることから、リード制御信号R1の出力タイミングとチップアドレスLADD1Rの出力は同時となり、且つ、リード制御信号R2の出力タイミングとチップアドレスLADD2Rの出力は同時となる。これらカウンタ回路101〜104のカウント数は、モードレジスタ32の設定値によって変化させることができる。
【0064】
図11は、ライト制御回路200の回路図である。
【0065】
図11に示すように、ライト制御回路200は、リードライトクロック信号ICLKRWに同期したカウント動作を行うカウンタ回路201〜206と、内部クロック信号ICLKに同期したラッチ動作を行うラッチ回路L41〜L44とを備えている。
【0066】
カウンタ回路201は、アディティブレイテンシALをカウントするためのカウンタであり、その入力ノードにはライト制御信号W0が供給される。したがって、ライト制御信号W0が活性化すると、リードライトクロック信号ICLKRWに同期してアディティブレイテンシALをカウントした後、ライト制御信号W0aが出力される。カウンタ回路202は、CASライトレイテンシCWLをカウントするためのカウンタであり、その入力ノードにはライト制御信号W0aが供給される。したがって、ライト制御信号W0aが活性化すると、リードライトクロック信号ICLKRWに同期してCASライトレイテンシCWLをカウントした後、ライト制御信号W0bが出力される。ライト制御信号W0bはラッチ回路L41にてラッチされ、ライト制御信号W1として出力される。
【0067】
カウンタ回路203は、バースト長指定信号BL8が活性化している場合にライト制御信号W0bをさらにカウントするためのカウンタであり、そのカウント数は2である。したがって、バーストBLが8以外(例えばBL=4)である場合にはカウンタ回路203はスルーされる。カウンタ回路203の出力であるライト制御信号W0cはラッチ回路L42にてラッチされ、ライト制御信号W2として出力される。
【0068】
カウンタ回路204〜206はカウンタ回路201〜203のレプリカであり、ラッチ回路L43,L44はラッチ回路L41,L42のレプリカである。図11に示すように、カウンタ回路204の入力ノードには、チップアドレスLADD0(P0〜P2)が供給される。これにより、ラッチ回路L43からはカウンタ回路204,205によって遅延されたチップアドレスLADD1Wが出力され、ラッチ回路L44からはカウンタ回路204〜206によって遅延されたチップアドレスLADD2Wが出力される。
【0069】
上述の通り、カウンタ回路204〜206はそれぞれカウンタ回路201〜203のレプリカであることから、ライト制御信号W1の出力タイミングとチップアドレスLADD1Wの出力は同時となり、且つ、ライト制御信号W2の出力タイミングとチップアドレスLADD2Wの出力は同時となる。これらカウンタ回路201〜206のカウント数は、モードレジスタ32の設定値によって変化させることができる。
【0070】
図12は、オートプリチャージ制御回路300の回路図である。
【0071】
図12に示すように、オートプリチャージ制御回路300は、リードオートプリチャージ制御部310と、ライトオートプリチャージ制御部320を備えている。これらリードオートプリチャージ制御部310及びライトオートプリチャージ制御部320には、ラッチ回路L51〜L53の出力が供給される。ラッチ回路L51〜L53は、アドレス信号A10、バンクアドレス信号BA0〜BA2及びチップアドレスLADD0をそれぞれリード制御信号R1又はライト制御信号W1に応答してラッチする回路である。アドレス信号A10は、オートプリチャージ動作の有無を指定する信号であり、リードコマンドRD又はライトコマンドWRに同期して、他のアドレス信号ADDと同時に入力される信号である。アドレス信号A10がハイレベルである場合には、リード動作後又はライト動作後にオートプリチャージ動作が行われる。これに対し、アドレス信号A10がローレベルである場合にはオートプリチャージ動作は行われず、リード動作後又はライト動作後にプリチャージコマンドを発行する必要がある。
【0072】
リードオートプリチャージ制御部310は、リードオートプリチャージ活性化回路311と、カウンタ回路312〜314と、バンクアドレスデコーダ315と、チップアドレス出力回路316とを含んでいる。リードオートプリチャージ活性化回路311は、ラッチ回路L51の出力及びリード制御信号R1を受け、これらの両方が活性化している場合にリードオートプリチャージ信号RAP0を生成する。リードオートプリチャージ信号RAP0は、カウンタ回路312によるカウント動作によって遅延され、リードオートプリチャージ信号RAP1として出力される。リードオートプリチャージ信号RAP1は、バンクアドレスデコーダ315及びチップアドレス出力回路316に供給される。
【0073】
カウンタ回路312のカウント動作は、リードライトクロック信号ICLKRWに同期して行われる。カウンタ回路312によるリードライトクロック信号ICLKRWのカウント数は4である。カウンタ回路313,314はカウンタ回路312のレプリカである。したがって、これらカウンタ回路313,314のカウント動作はリードライトクロック信号ICLKRWに同期して行われ、そのカウント数はカウンタ回路312と同数に設定される。
【0074】
図12に示すように、カウンタ回路313にはラッチ回路L52からバンクアドレス信号BA(BA0〜BA2)が供給される。したがって、カウンタ回路313から出力されるバンクアドレス信号BAの出力タイミングは、リードオートプリチャージ信号RAP1と同期する。また、カウンタ回路314にはラッチ回路L53からチップアドレスLADD0が供給される。したがって、カウンタ回路314から出力されるチップアドレスLADD3の出力タイミングも、リードオートプリチャージ信号RAP1と同期する。
【0075】
バンクアドレスデコーダ315は、リードオートプリチャージ信号RAP1の活性化に応答してバンクアドレス信号BAをデコードする回路である。デコード結果であるバンク指定信号B0〜B7は、リードライトクロック信号ICLKRWに同期してラッチ回路L61にラッチされ、それぞれオートプリチャージ信号AP0〜AP7として出力される。チップアドレス出力回路316は、リードオートプリチャージ信号RAP1の活性化に応答してチップアドレスLADD3を取り込み、チップアドレスLADD4として出力する回路である。チップアドレスLADD4の出力タイミングは、バンクアドレスデコーダ315によるバンク指定信号B0〜B7の出力タイミングと同期するよう設計される。チップアドレスLADD4は、リードライトクロック信号ICLKRWに同期してラッチ回路L62にラッチされ、チップアドレスLADD5として出力される。
【0076】
かかる構成により、リードコマンドRDの発行時にオートプリチャージが指定されている場合には(A10=H)、リード制御回路100に含まれるカウンタ回路101によるカウント動作と、リードオートプリチャージ制御部310に含まれるカウンタ回路312によるカウント動作が完了した後、オートプリチャージ信号AP0〜AP7が出力される。このとき、同時にチップアドレスLADD5も出力されることになる。
【0077】
図12に示すように、ライトオートプリチャージ制御部320の回路構成はリードオートプリチャージ制御部310と同様であり、リード制御信号R1の代わりにライト制御信号W1が供給される点が相違している。また、カウンタ回路322のカウント数は、モードレジスタ32の設定値によって変化させることができる。かかる構成により、ライト制御信号W1が活性化すると、ライトオートプリチャージ活性化回路321によってライトオートプリチャージ信号WAP0が活性化し、これがカウンタ回路322に供給される。カウンタ回路322の出力であるライトオートプリチャージ信号WAP1は、バンクアドレスデコーダ325及びチップアドレス出力回路326に供給され、これらを活性化させる。バンクアドレスデコーダ325は、カウンタ回路323から出力されるバンクアドレス信号BAをデコードし、バンク指定信号B0〜B7を生成する。バンク指定信号B0〜B7はラッチ回路L61に入力される。また、チップアドレス出力回路326は、カウンタ回路324から出力されるチップアドレスLADD3を受け、チップアドレスLADD4として出力する。チップアドレスLADD4はラッチ回路L62に入力される。
【0078】
かかる構成により、ライトコマンドWRの発行時にオートプリチャージが指定されている場合には(A10=H)、ライト制御回路200に含まれるカウンタ回路201によるカウント動作と、ライトオートプリチャージ制御部320に含まれるカウンタ回路322によるカウント動作が完了した後、オートプリチャージ信号AP0〜AP7が出力される。このとき、同時にチップアドレスLADD5も出力されることになる。
【0079】
以上がインターフェースチップIFの概要である。上述したリード制御回路100、ライト制御回路200及びオートプリチャージ制御回路300の出力は、図8に示すように、貫通電極TSVを介してコアチップCC0〜CC7に供給される。アドレス信号についても同様である。尚、図8に示した貫通電極は、いずれも図2(a)に示したタイプの貫通電極TSV1である。したがって、インターフェースチップIF側からこれら貫通電極TSV1を介して出力される信号は、全てのコアチップCC0〜CC7に対して共通に供給されることになる。次に、コアチップCC0〜CC7の回路構成について説明する。
【0080】
図9はコアチップCC0の回路図である。コアチップCC0〜CC7は互いに同じ回路構成を有しているため、図9では代表してコアチップCC0の構造のみを示している。
【0081】
図9に示すように、コアチップCC0に含まれるメモリセルアレイ50は、8バンクに分割されている。尚、バンクとは、個別にコマンドを受け付け可能な単位である。言い換えれば、夫々のバンクは互いに非排他的に独立して動作することができる。メモリセルアレイ50内においては、複数のワード線WLと複数のビット線BILが交差しており、その交点にはメモリセルMCが配置されている(図9においては、1本のワード線WL、1本のビット線BIL及び1個のメモリセルMCのみを示している)。ワード線WLの選択はロウデコーダ61によって行われ、選択されたワード線WLがワードドライバ51によって駆動される。また、ビット線BILはセンス回路53内の対応するセンスアンプに接続されている。センスアンプの選択はカラムデコーダ62によって行われ、カラムスイッチ52は選択されたセンスアンプをデータアンプ70に接続する。
【0082】
ロウデコーダ61には、ロウアドレスラッチ回路63を介してロウアドレスRAが供給される。ロウアドレスラッチ回路63は、判定回路71の出力である一致信号HIT1が活性化したことに応答して、貫通電極TSVを介して供給されるアドレス信号ADDをラッチする。これら回路の他、ロウアクセスに用いられる回路ブロックを「ロウアクセス回路」と呼ぶことがある。また、カラムデコーダ62には、カラムアドレスラッチ回路64を介してカラムアドレスCAが供給される。カラムアドレスラッチ回路64は、判定回路72の出力である一致信号HIT2が活性化したことに応答して、貫通電極TSVを介して供給されるアドレス信号ADDをラッチする。これら回路の他、カラムアクセスに用いられる回路ブロックを「カラムアクセス回路」と呼ぶことがある。
【0083】
判定回路71,72は、貫通電極TSVを介してインターフェースチップIFより供給されるチップアドレスLADD0と、当該コアチップCC0〜CC7に割り当てられた固有のチップアドレスLIDとを比較し、両者が一致した場合に一致信号HIT1,HIT2をそれぞれ活性化させる。チップアドレスLIDは、チップアドレス保持回路65に保持されている。チップアドレス保持回路65は、図2(b)に示したタイプの貫通電極TSV2を介してコアチップCC0〜CC7間で縦続接続されており、これにより、各コアチップCC0〜CC7にそれぞれ異なるチップアドレスLIDが設定される。
【0084】
さらに、本実施形態においてはコアチップCC0〜CC7に判定回路73〜77が設けられている。判定回路73〜77は、チップアドレス保持回路65に保持されているチップアドレスLIDと、貫通電極TSVを介してインターフェースチップIFより供給されるチップアドレスLADD1R、LADD2R、LADD1W、LADD2W及びLADD5とをそれぞれ比較し、両者が一致した場合に一致信号HIT3〜HIT7をそれぞれ活性化させる。このうち一致信号HIT3〜HIT6は、カラムスイッチ制御回路41及びデータアンプ制御回路42に供給され、これら回路の動作タイミングを制御する。また、一致信号HIT7は、ワードドライバ51及びセンス回路53などに供給され、メモリセルアレイ50のプリチャージタイミングを制御する。
【0085】
以上がコアチップCC0〜CC7の基本的な回路構成である。
【0086】
次に、本実施形態による半導体装置10の動作について、PRA方式が選択されている場合を例に説明する。
【0087】
図13は、リード動作を説明するためのタイミング図である。
【0088】
図13に示す例では、外部クロック信号CKのアクティブエッジ−1に同期して、アクティブコマンドACTが発行されるとともに、ロウアドレスRAが入力されている。ロウアドレスには、チップアドレスLADD及びバンクアドレスBAが含まれている。コマンドデコーダ31は、アクティブコマンドACTに応答してアクティブ制御信号IACTを生成し、これをラッチ回路L10に供給する。ラッチ回路L10にラッチされたアクティブ制御信号IACTは、貫通電極TSVを介して各コアチップCC0〜CC7に供給される。また、ロウアドレスも各コアチップCC0〜CC7に供給される。上述の通り、ロウアドレスにはチップアドレス及びバンクアドレスが含まれているため、チップアドレスLADDにより指定されるコアチップ内の、バンクアドレスBAにより指定されるバンクがアクティブ状態となる。
【0089】
次に、外部クロック信号CKのアクティブエッジ0に同期して、リードコマンドRDが発行されるとともに、カラムアドレスCAが入力される。PRA方式においては、カラムアドレスにチップアドレスLADD及びバンクアドレスBAが含まれている。コマンドデコーダ31は、リードコマンドRDに応答してリード制御信号R0を生成し、これをラッチ回路L11に供給する。ラッチ回路L11にラッチされたリード制御信号R0は、リード制御回路100に供給される。また、カラムアドレスCAも各コアチップCC0〜CC7に供給される。カラムアドレスCAに含まれるチップアドレスLADDについてはラッチ回路L21を介してリード制御回路100に供給される。
【0090】
図13に示すように、本例ではアディティブレイテンシALの値が7である。つまり、リードコマンドRDの発行タイミングが本来のタイミングよりも、7クロックサイクル分先行している。このことは、図10に示したカウンタ回路101,103のカウント数が7に設定されていることを意味する。したがって、リードコマンドRDの発行に応答して生成されたリード制御信号R0は、7クロックサイクルだけ遅延された後、内部クロック信号ICLKに同期してリード制御信号R1として出力されることになる。さらに、本例では、図10に示したカウンタ回路102,104のカウント数が2に設定されており、バースト長BLが8に設定されている場合にはリード制御信号R1の活性化から2クロックサイクル遅れてリード制御信号R2が活性化することになる。
【0091】
符号r1に示すように、リード制御信号R1の活性化タイミングはチップアドレスLADD1Rの出力タイミングと同期している。このため、各コアチップCC0〜CC7には、リード制御信号R1に同期してチップアドレスLADD1Rが供給される。これにより、コアチップCC0〜CC7のうち、チップアドレスLADD1Rにより指定されるコアチップ内の判定回路73のみが一致信号HIT3を活性化させる。これに同期してカラムスイッチ制御回路41はカラムスイッチ52を活性化させ、センスアンプにより増幅されたリードデータをデータバスDBに出力する。データバスDBは、カラムスイッチ52とデータアンプ70とを接続する配線である。
【0092】
これにより、データバスDB上には、メモリセルアレイ50からプリフェッチされた全てのリードデータが現れることになる。そして、一致信号HIT3により活性化されたデータアンプ制御回路42は、これらリードデータの半分に対応するデータアンプ70を活性化させ、貫通電極TSVを介してインターフェースチップIFに出力する。
【0093】
また、符号r2に示すように、リード制御信号R2の活性化タイミングはチップアドレスLADD2Rの出力タイミングと同期している。このため、各コアチップCC0〜CC7には、リード制御信号R2に同期してチップアドレスLADD2Rが供給される。これにより、コアチップCC0〜CC7のうち、チップアドレスLADD2Rにより指定されるコアチップ内の判定回路74のみが一致信号HIT4を活性化させる。そして、一致信号HIT4により活性化されたデータアンプ制御回路42は、リードデータの残り半分に対応するデータアンプ70を活性化させ、貫通電極TSVを介してインターフェースチップIFに出力する。
【0094】
このようにして2回に分けて転送されたリードデータは、インターフェースチップIF内のパラレルシリアル変換回路26によって順次シリアル変換され、FIFO回路27に転送される。FIFO回路27の動作を制御するFIFO制御回路28は、リード制御信号R1に基づいてタイミング信号FIFORSを1回活性化させ、これにより1回目に転送されたリードデータの出力タイミングを制御する。さらに、リード制御信号R2に基づいてタイミング信号FIFORSをもう1回活性化させ、これにより2回目に転送されたリードデータの出力タイミングを制御する。その結果、データ入出力端子14からは、全てのリードデータDQがシリアルに出力されることになる。図13に示す例では、CASレイテンシCLの値が8であり、したがって、リードコマンドRDが発行されてから15クロックサイクル(=AL+CL)後に、リードデータの出力が開始されている。
【0095】
このように、リード制御信号R0をインターフェースチップIF内で遅延させることによってリード制御信号R1,R2を生成するとともに、リード制御信号R1,R2に同期してそれぞれチップアドレスLADD1R,LADD2RをコアチップCC0〜CC7に供給していることから、コアチップCC0〜CC7内においてはレイテンシ制御が不要となる。これにより、コアチップCC0〜CC7にレイテンシカウンタなどを設ける必要が無くなるとともに、インターフェースチップIFからコアチップCC0〜CC7に内部クロック信号ICLKを供給する必要もなくなる。
【0096】
図14は、ライト動作を説明するためのタイミング図である。
【0097】
図14に示す例では、外部クロック信号CKのアクティブエッジ−1に同期して、アクティブコマンドACTが発行されるとともに、ロウアドレスRAが入力されている。さらに、外部クロック信号CKのアクティブエッジ0に同期して、ライトコマンドWRが発行されるとともに、カラムアドレスCAが入力されている。
【0098】
図14に示すように、本例ではアディティブレイテンシALの値が7であり、CASライトレイテンシCWLの値が6である。このことは、図11に示したカウンタ回路201のカウント数が7(=AL)に設定され、カウンタ回路202のカウント数が6(=CWL)に設定されていることを意味する。したがって、ライトコマンドWRの発行に応答して生成されたライト制御信号W0は、13クロックサイクルだけ遅延された後、内部クロック信号ICLKに同期してライト制御信号W1として出力されることになる。さらに、本例では、図11に示したカウンタ回路203,206のカウント数が2に設定されており、バースト長BLが8に設定されている場合にはライト制御信号W1の活性化から2クロックサイクル遅れてライト制御信号W2が活性化することになる。
【0099】
符号w1に示すように、ライト制御信号W1の活性化タイミングはチップアドレスLADD1Wの出力タイミングと同期している。このため、各コアチップCC0〜CC7には、ライト制御信号W1に同期してチップアドレスLADD1Wが供給される。これにより、コアチップCC0〜CC7のうち、チップアドレスLADD1Wにより指定されるコアチップ内の判定回路75のみが一致信号HIT5を活性化させる。これに同期してデータアンプ70が活性化され、インターフェースチップIFからパラレルに転送された前半の4ビットのライトデータがデータバスDBに出力される。
【0100】
また、符号w2に示すように、ライト制御信号W2の活性化タイミングはチップアドレスLADD2Wの出力タイミングと同期している。このため、各コアチップCC0〜CC7には、ライト制御信号W2に同期してチップアドレスLADD2Wが供給される。これにより、コアチップCC0〜CC7のうち、チップアドレスLADD2Wにより指定されるコアチップ内の判定回路76のみが一致信号HIT6を活性化させる。これに同期してデータアンプ70が活性化され、インターフェースチップIFからパラレルに転送された後半の4ビットのライトデータがデータバスDBに出力される。
【0101】
これにより、データバスDB上には、インターフェースチップIFから転送された全てのライトデータが現れることになる。そして、一致信号HIT6に同期してカラムスイッチ制御回路41が活性化され、これらライトデータがパラレルにメモリセルアレイ50に書き込まれる。
【0102】
このように、本実施形態では、ライト動作において必要なレイテンシ制御についてもインターフェースチップIF内で行っていることから、上述の通り、コアチップCC0〜CC7にレイテンシカウンタなどを設ける必要が無くなるとともに、インターフェースチップIFからコアチップCC0〜CC7に内部クロック信号ICLKを供給する必要もなくなる。
【0103】
図15は、オートプリチャージ動作を説明するためのタイミング図である。
【0104】
図15には、リード動作後にオートプリチャージ動作を行う例が示されている。リード動作については、図13を用いて説明したとおりである。図15に示す例では、リード制御信号R1が活性化した後、4クロックサイクル後にリードオートプリチャージ信号RAP1が活性化している。このことは、カウンタ回路312のカウント数が4に設定されていることを意味する。その後、リードライトクロック信号ICLKRWに同期して、バンクアドレスBAにより指定されるオートプリチャージ信号AP0〜AP7のいずれかが活性化し、これがコアチップCC0〜CC7に供給される。
【0105】
符号ap1に示すように、オートプリチャージ信号AP0〜AP7の活性化タイミングはチップアドレスLADD5の出力タイミングと同期している。このため、各コアチップCC0〜CC7には、オートプリチャージ信号AP0〜AP7に同期してチップアドレスLADD5が供給される。これにより、コアチップCC0〜CC7のうち、チップアドレスLADD5により指定されるコアチップ内の判定回路77のみが一致信号HIT7を活性化させる。これにより、当該コアチップ内のオートプリチャージ信号AP0〜AP7により指定されるバンクがプリチャージされる。
【0106】
このように、本実施形態では、プリチャージ動作において必要な遅延動作についてもインターフェースチップIF内で行っていることから、上述の通り、コアチップCC0〜CC7に遅延回路などを設ける必要が無くなるとともに、インターフェースチップIFからコアチップCC0〜CC7に内部クロック信号ICLKを供給する必要もなくなる。
【0107】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0108】
例えば、上記実施形態では、チップアドレスLADDのデコード動作をコアチップCC0〜CC7において行っているが、チップアドレスLADDのデコード動作をインターフェースチップIF内で行っても構わない。この場合、図16に示すように、デコーダ250及びレプリカとなるカウンタ回路260〜267を設け、その出力であるイネーブル信号EN0〜EN7をコアチップCC0〜CC7に供給すればよい。この場合、イネーブル信号EN0〜EN7を図2(c)に示したタイプの貫通電極TSV3を用いてコアチップCC0〜CC7に転送すれば、コアチップCC0〜CC7側に判定回路を設ける必要もなくなる。さらに、図17に示すように、イネーブル信号EN0〜EN7と内部制御信号との論理積を取ったコマンドC0〜C7を生成し、これを図2(c)に示したタイプの貫通電極TSV3を用いてコアチップCC0〜CC7に転送すれば、カラム動作を行うコアチップにのみコマンドを選択的に供給することが可能となる。
【0109】
また、上記実施形態では、PRA方式が選択されている場合を例に説明したが、本発明は、LRA方式が選択されている場合においても適用可能である。LRA方式においては、カラムコマンド発行時にチップアドレスLADDが供給されないが、バンクアドレスBAからチップアドレスLADDを生成することが可能である。例えば、図4に示したLRA−1方式のアドレス割り付けが選択されている場合、各バンクにおいてアクティブ状態となっているコアチップは1つであることから、カラムコマンド発行時に供給されるバンクアドレスBAによってチップアドレスLADDを特定することが可能である。つまり、図18に示すように、バンクアドレスBAをデコードするデコーダ410と、バンクごとにチップアドレスを保持するチップアドレス保持回路420〜427とを含むチップアドレス生成回路400をインターフェースチップIF内に設け、アクティブコマンドACTの発行時に指定されたチップアドレスLADD(ROW)を指定されたバンクに対応するチップアドレス保持回路420〜427に保持すればよい。そして、カラムコマンド発行時に供給されるバンクアドレスBAに基づき、対応するチップアドレス保持回路420〜427からチップアドレスを読み出せば、LRA方式においてもカラムコマンド発行時にチップアドレスLADD(COLUMN)を取得することが可能となる。
【0110】
また、本発明において、インターフェースチップIF内で遅延された内部制御信号(例えばリード制御信号R1)とこれに対応するチップアドレス(例えばチップアドレスLADD1R)の出力タイミングが同時であることは必須でなく、両者が同期していることによりコアチップCC0〜CC7側においてこれらを対応づけて処理できる限り、両者の出力タイミングに差があっても構わない。
【符号の説明】
【0111】
10 半導体装置
11 クロック端子
12 コマンド端子
13a,13b アドレス端子
14 データ入出力端子
21 クロック生成回路
22 DLL回路
23 クロック生成回路
24 出力バッファ回路
25 入力バッファ回路
26 パラレルシリアル変換回路
27 FIFO回路
28 FIFO制御回路
31 コマンドデコーダ
32 モードレジスタ
41 カラムスイッチ制御回路
42 データアンプ制御回路
50 メモリセルアレイ
51 ワードドライバ
52 カラムスイッチ
53 センス回路
61 ロウデコーダ
62 カラムデコーダ
63 ロウアドレスラッチ回路
64 カラムアドレスラッチ回路
65 チップアドレス保持回路
70 データアンプ
71〜77 判定回路
100 リード制御回路
101〜104 カウンタ回路
200 ライト制御回路
201〜206 カウンタ回路
300 オートプリチャージ制御回路
310 リードオートプリチャージ制御部
320 ライトオートプリチャージ制御部
312〜314,322〜324 カウンタ回路
CC0〜CC7 コアチップ
DB データバス
HIT1〜HIT7 一致信号
IF インターフェースチップ
IP インターポーザ
LADD チップアドレス
TSV1〜TSV3 貫通電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給される第1のコマンド信号及びクロック信号を受けて、各々が前記クロック信号に同期し、且つ、互いにタイミングが異なる複数の第2のコマンド信号を出力するタイミング制御回路を有する第1のチップと、
前記第1のチップに積層され、前記第1のコマンド信号が示す動作を前記複数の第2のコマンド信号に同期してそれぞれ実行する複数の内部回路を有する第2のチップと、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2のチップには、前記第1のチップから前記クロック信号が供給されないことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2のチップはメモリセルアレイ及びデータバスをさらに有し、
前記複数の内部回路は、アドレス信号に基づいて前記メモリセルアレイと前記データバスとを接続するカラムスイッチと、前記データバス上のデータを増幅するデータアンプとを含み、
前記カラムスイッチ及び前記データアンプは、前記複数の第2のコマンド信号に同期して活性化されることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記メモリセルアレイは、前記複数の第2のコマンド信号の一つに同期してプリチャージ動作を行うことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2のチップを複数備え、
前記第1のチップは、前記複数の第2のコマンド信号を前記複数の第2のチップに共通に供給し、
前記第1のチップは、前記複数の第2のコマンド信号のそれぞれに同期して、前記複数の第2のチップを特定するチップアドレスを前記複数の第2のチップに共通に供給し、
前記複数の内部回路は、前記チップアドレスと該チップに割り当てられたチップアドレスとが一致したことに応答して活性化されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1のチップは、前記第2のチップから出力されるリードデータを外部に出力するFIFO回路をさらに有し、
前記FIFO回路の動作タイミングは、前記複数の第2のコマンド信号の一つによって制御されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
外部からアドレス信号及び第1のコマンド信号が供給されるインターフェースチップと、
互いに異なるチップアドレスが割り当てられた複数のコアチップと、を備え、
前記インターフェースチップは、前記第1のコマンド信号を遅延させることにより第2のコマンド信号を生成する第1のコマンド遅延回路と、第1のチップアドレスを取得しこれを遅延させることにより第2のチップアドレスを生成する第1のチップアドレス遅延回路とを含み、前記第2のコマンド信号と前記第2のチップアドレスを前記複数のコアチップに共通に供給し、
前記複数のコアチップは、前記第2のチップアドレスと該コアチップに割り当てられたチップアドレスとが一致したことに応答して第1の一致信号を活性化させる第1の判定回路と、前記第1の一致信号が活性化したことに応答して前記第2のコマンド信号に同期した動作を行う第1の内部回路とをそれぞれ含む、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
前記複数のコアチップは、メモリセルアレイと、前記メモリセルアレイに対してロウアクセスを行うロウアクセス回路と、前記メモリセルアレイに対してカラムアクセスを行うカラムアクセス回路とをそれぞれ有し、
前記第1のコマンド信号は、カラムアクセスを行う場合に発行されるコマンドであり、
前記第1の内部回路は、前記カラムアクセス回路に含まれることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記インターフェースチップは、前記第1又は第2のコマンド信号を遅延させることにより前記第2のコマンド信号よりも活性化するタイミングが遅い第3のコマンド信号を生成する第2のコマンド遅延回路と、前記第1又は第2のチップアドレスを遅延させることにより前記第2のチップアドレスよりも活性化するタイミングが遅い第3のチップアドレスを生成する第2のチップアドレス遅延回路とを含み、前記第3のコマンド信号と前記第3のチップアドレスを前記複数のコアチップに共通に供給し、
前記複数のコアチップは、前記第3のチップアドレスと該コアチップに割り当てられたチップアドレスとが一致したことに応答して第2の一致信号を活性化させる第2の判定回路と、前記第2の一致信号が活性化したことに応答して前記第3のコマンド信号に同期した動作を行う第2の内部回路とをそれぞれ含み、
前記第1の内部回路には、前記カラムアクセス回路に含まれるカラムスイッチ及びデータアンプの少なくとも一方が含まれ、
前記第2の内部回路には、前記カラムアクセス回路に含まれるカラムスイッチ及びデータアンプの少なくとも他方が含まれる、ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1のコマンド信号がリード動作を示している場合、前記複数のコアチップは、前記第2のコマンド信号に応答してカラムスイッチを活性化させ、前記第3のコマンド信号に応答してデータアンプを活性化させることにより、前記メモリセルアレイから読み出されたリードデータを前記インターフェースチップに出力することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1のコマンド信号がライト動作を示している場合、前記複数のコアチップは、前記第2のコマンド信号に応答してデータアンプを活性化させ、前記第3のコマンド信号に応答してカラムスイッチを活性化させることにより、前記インターフェースチップから供給されたライトデータを前記メモリセルアレイに書き込むことを特徴とする請求項9又は10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記インターフェースチップは、前記第1乃至第3のコマンド信号のいずれかを遅延させることにより第4のコマンド信号を生成する第3のコマンド遅延回路と、前記第1乃至第3のチップアドレスのいずれかを遅延させることにより第4のチップアドレスを生成する第3のチップアドレス遅延回路とを含み、前記第4のコマンド信号と前記第4のチップアドレスを前記複数のコアチップに共通に供給し、
前記複数のコアチップは、前記第4のチップアドレスと該コアチップに割り当てられたチップアドレスとが一致したことに応答して第3の一致信号を活性化させる第3の判定回路と、前記第3の一致信号が活性化したことに応答して前記第4のコマンド信号に同期して前記メモリセルアレイのプリチャージを行う第3の内部回路とをそれぞれ含む、ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1のチップアドレスは、前記第1のコマンド信号に同期して外部から供給される前記アドレス信号の一部であることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記インターフェースチップは、前記第1のコマンド信号に同期して外部から供給される前記アドレス信号の一部に基づいて前記第1のチップアドレスを生成するチップアドレス生成回路をさらに有することを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記チップアドレス生成回路は、前記アドレス信号に含まれるバンクアドレスに基づいて前記第1のチップアドレスを生成することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記インターフェースチップと前記複数のコアチップが互いに積層されており、少なくとも前記複数のコアチップに設けられた貫通電極を介して前記インターフェースチップと前記複数のコアチップが電気的に接続されていることを特徴とする請求項7乃至15のいずれか一項に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−99189(P2012−99189A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247353(P2010−247353)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】