説明

半導体記憶装置

【課題】1つの実施形態は、例えば、電荷蓄積層内に蓄積された電荷の第2のゲート絶縁膜を介した制御ゲート電極へのリークを低減することを目的とする。
【解決手段】1つの実施形態によれば、半導体基板内で素子分離部により画定された素子領域と、素子領域を覆う第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜を覆う電荷蓄積層と、半導体基板の素子領域が確定された面側を上とした場合において、電荷蓄積層の上面を覆う第1の部分と電荷蓄積層の側面を覆う第2の部分とを有する第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜を介して電荷蓄積層の上面及び側面を覆う制御ゲート電極とを備え、第1の部分の耐圧は、前記第2の部分の耐圧より高い半導体記憶装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
NAND型フラッシュメモリ(半導体記憶装置)では、集積化が進むにつれて、隣接する電荷蓄積層の間隔が狭まるために、電荷蓄積層を覆うように形成される電荷ブロック層(第2のゲート絶縁膜)の膜厚の薄膜化が要求される。しかし、電荷ブロック層の薄膜化により、電荷蓄積層内に蓄積された電子(電荷)が電荷ブロック層を介して制御ゲート電極へリークしやすくなるので、電荷蓄積層による電荷の保持特性が劣化する傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−300427号公報
【特許文献2】特開2009−16615号公報
【特許文献3】特開2009−277858号公報
【特許文献4】特開2009−152498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つの実施形態は、例えば、電荷蓄積層内に蓄積された電荷の第2のゲート絶縁膜を介した制御ゲート電極へのリークを低減できる半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態によれば、半導体基板内で素子分離部により画定された素子領域と、前記素子領域を覆う第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜を覆う電荷蓄積層と、前記半導体基板の前記素子領域が確定された面側を上とした場合において、前記電荷蓄積層の上面を覆う第1の部分と前記電荷蓄積層の側面を覆う第2の部分とを有する第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜を介して前記電荷蓄積層の上面及び側面を覆う制御ゲート電極とを備え、前記第1の部分の耐圧は、前記第2の部分の耐圧より高いことを特徴とする半導体記憶装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置のレイアウト構成を示す図。
【図2】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の断面構成を示す図。
【図3】第2の実施形態にかかる半導体記憶装置の断面構成を示す図。
【図4】第3の実施形態にかかる半導体記憶装置の断面構成を示す図。
【図5】第4の実施形態にかかる半導体記憶装置の断面構成を示す図。
【図6】比較例にかかる半導体記憶装置のレイアウト構成を示す図。
【図7】比較例にかかる半導体記憶装置の断面構成を示す図。
【図8】他の比較例にかかる半導体記憶装置の断面構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体記憶装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる半導体記憶装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、半導体記憶装置1のレイアウト構成を示す平面図である。
【0009】
半導体記憶装置1は、半導体基板10(図2(a)参照)、複数のワードラインWL1〜WLp(pは整数)、及び複数のトランジスタTR11〜TRpk(kは整数)を備える。半導体記憶装置1は、例えばNAND型フラッシュメモリである。
【0010】
半導体基板10は、複数の素子分離部11(図2(a)参照)及び複数のアクティブエリア(素子領域)AA1〜AAk(kは整数)を有する。各アクティブエリアAA1〜AAkは、半導体基板10内で素子分離部11により画定されている。各アクティブエリアAA1〜AAkは、図1中のY方向(以下、単にY方向とする)に延びているとともに互いに(例えば互いに平行に)並んでいる。複数のアクティブアリアAA1〜AAkは、図1中のX方向(以下、単にX方向とする)に配列されている。
【0011】
複数のワードラインWL1〜WLp(pは整数)は、半導体基板10の表面に垂直な方向から見た場合、複数のアクティブエリアAA1〜AAk(kは整数)と交差するように配列されている。すなわち、各ワードラインWL1〜WLpは、X方向に延びているとともに互いに(例えば互いに平行に)並んでいる。複数のワードラインWL1〜WLpは、Y方向に配列されている。各ワードラインWL1〜WLpは、後述のように、対応するトランジスタTR11〜TRpkの制御ゲート電極として機能する。
【0012】
複数のトランジスタTR11〜TRpkは、複数のアクティブアリアAA1〜AAkと複数のワードラインWL1〜WLpとの交差する位置に配されている。複数のトランジスタTR11〜TRpkは、半導体記憶装置1(例えばNAND型フラッシュメモリ)における複数のメモリセルとして機能する。複数のトランジスタTR11〜TRpkは、X方向及びY方向に2次元的に配列されている。例えば、ワードラインWL2とアクティブエリアAA1〜AA5との交差する位置には、それぞれ、トランジスタTR21〜TR25が配されている(図2(a)参照)。例えば、ワードラインWL1〜WL4とアクティブエリアAA2との交差する位置には、それぞれ、トランジスタTR12〜TR42が配されている(図2(b)参照)。各トランジスタTR11〜TRpkは、例えば、電荷(例えば電子)をトラップするための後述の電荷蓄積層30を有している(図2(a)参照)。
【0013】
次に、半導体記憶装置1における各トランジスタの構成について図2を用いて説明する。図2(a)は、半導体記憶装置1における各トランジスタの断面構成を示す図であり、図1のA−A’線で切った場合の断面(X方向の断面)を示す図である。図2(b)は、半導体記憶装置1における各トランジスタの断面構成を示す図であり、図1のB−B’線で切った場合の断面(Y方向の断面)を示す図である。以下では、ワードラインWL2とアクティブエリアAA2との交差する位置に配されたトランジスタTR22に関連した構成について例示的に説明するが、他のトランジスタTR11〜TR21、TR23〜TRpkについてもトランジスタTR22と同様である。
【0014】
半導体記憶装置1は、トランジスタTR22に関して、アクティブエリア(素子領域)AA2、ゲート絶縁膜(第1のゲート絶縁膜)20、電荷蓄積層30、電荷ブロック層(第2のゲート絶縁膜)40、及び制御ゲート電極(ワードライン)WL2を備える。なお、以下の説明では、ワードラインWL2を制御ゲート電極WL2として説明する。
【0015】
アクティブアリアAA2は、半導体基板10内で素子分離部11により画定されている。アクティブエリアAA2は、電荷蓄積層30に対応する部分が、例えば第1導電型(例えば、P型)の不純物を含む半導体(例えば、シリコン)で形成されており、電荷蓄積層30と隣接する電荷蓄積層30との間に対応する部分が、例えば第2導電型(例えば、N型)の不純物を含む半導体(例えば、シリコン)で形成されている。素子分離部11は、アクティブエリアAA2を他のアクティブエリア(例えばアクティブエリアAA1、AA3)から電気的に分離している。素子分離部11は、例えばSTI型の構造を有しており、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)で形成されている。素子分離部11の上面は、例えば電荷蓄積層30の上面より低くなっている。アクティブエリアAA2の上面は、例えば、素子分離部11の上面より低くなっている。
【0016】
ゲート絶縁膜20は、アクティブエリアAA2の上面を覆っている。ゲート絶縁膜20は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)で形成されている。ゲート絶縁膜20の上面は、例えば、素子分離部11の上面より低くなっている。ゲート絶縁膜20は、アクティブエリアAA2と電荷蓄積層30との間で電荷(例えば電子)をトンネルさせるトンネル酸化膜として機能する。
【0017】
電荷蓄積層30は、ゲート絶縁膜20の上面を覆っている。電荷蓄積層30は、ゲート絶縁膜20を介してアクティブエリアAA2からトンネルした電荷を蓄積する。電荷蓄積層30は、半導体基板10の表面に垂直な方向に延びた形状(例えば略角柱形状)を有しており、X方向の幅(図2(a)参照)及びY方向の幅(図2(b)参照)がいずれも深さ方向の厚さよりも小さい。電荷蓄積層30は、例えば第2導電型(例えば、N型)の不純物を含む半導体(例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコン、シリコンゲルマン)で形成されている。あるいは、電荷蓄積層30は、例えば金属系の材料で形成されていてもよい。
【0018】
電荷蓄積層30は、上面30a、側面30b1、30b2、及び境界部30c1、30c2を有する。側面30b1は、X方向(制御ゲート電極WL2、すなわち図1に示すワードラインWL2が延びた方向)における電荷蓄積層30の+X側の側面である。側面30b1は、X方向における電荷蓄積層30の−X側の側面である。境界部30c1は、上面30aと側面30b1との境界となるエッジ部分である。境界部30c2は、上面30aと側面30b2との境界となるエッジ部分である。
【0019】
電荷ブロック層40は、電荷蓄積層30の上面30a、側面30b1、30b2、及び境界部30c1、30c2を覆っている。これにより、電荷ブロック層40は、電荷蓄積層30により蓄積された電荷が制御ゲート電極WL2へリークしないようにブロック(抑制)する機能を有する。電荷ブロック層40は、例えば、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜の単層で形成されていてもよいし、シリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜の積層された膜で形成されていてもよい。例えば、電荷ブロック層40は、ONO膜(シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜)で形成されていても良い。あるいは、電荷ブロック層40は、金属系の絶縁膜で形成されていても良い。なお、Y方向における電荷蓄積層30の側面は、電荷ブロック層40ではなく層間絶縁膜50により覆われている(図2(b)参照)。
【0020】
電荷ブロック層40は、第1の部分41、第2の部分42、44、及び第3の部分43、45を有する。第1の部分41は、電荷蓄積層30の上面30aを覆っている。第2の部分42は、電荷蓄積層30の側面30b1を覆っている。第2の部分44は、電荷蓄積層30の側面30b2を覆っている。すなわち、第2の部分42、44は、X方向における電荷蓄積層30の両側面30b1、30b2を覆っている。第3の部分43は、電荷蓄積層30の境界部30c1を覆っている。第3の部分45は、電荷蓄積層30の境界部30c2を覆っている。
【0021】
第1の部分41の膜厚D41は、第2の部分42の膜厚D42より厚くなっている。これにより、第1の部分41の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。第2の部分44についても同様である。
【0022】
また、第3の部分43の膜厚D43は、第2の部分42の膜厚D42より厚くなっている。これにより、第3の部分43の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。第3の部分45についても同様である。
【0023】
制御ゲート電極WL2は、電荷ブロック層40を介して電荷蓄積層30の上面30a、側面30b1、30b2、及び境界部30c1、30c2を覆っている。制御ゲート電極WL2は、トランジスタTR22を制御するためのゲート電極として機能する。制御ゲート電極WL2は、例えば第2導電型(例えば、N型)の不純物を含む半導体(例えば、ポリシリコン)で形成されている。あるいは、制御ゲート電極WL2は、例えば金属系の材料(例えば、タングステン)で形成されていてもよい。
【0024】
ここで、仮に、アクティブエリアの幅及びワードラインの幅がともに広い構成に対して両者を単純に縮小した場合について考える。例えば、図6に示す半導体記憶装置800では、複数のワードラインWL801〜WL80nと複数のアクティブエリアAA801〜AA80mとの交差する位置に、複数のトランジスタTR811〜TR8nmが配されている。例えば、ワードラインWL801とアクティブエリアAA801〜AA803との交差する位置には、それぞれ、トランジスタTR811〜TR813が配されている(図7(a)参照)。例えば、ワードラインWL801、WL802とアクティブエリアAA802との交差する位置には、それぞれ、トランジスタTR812、TR822が配されている(図7(b)参照)。なお、図7(a)は、図6のC−C’線で切った場合の断面(X方向の断面)を示す図である。図7(b)は、図6のD−D’線で切った場合の断面(Y方向の断面)を示す図である。半導体記憶装置800では、ゲート絶縁膜820を覆う電荷蓄積層830において、X方向の幅(図7(a)参照)及びY方向の幅(図7(b)参照)がいずれも深さ方向の厚さと同等もしくは深さ方向の厚さより大きくなっている。また、電荷ブロック層840では、電荷蓄積層830の上面を覆う部分841の厚さD841、電荷蓄積層830の側面を覆う部分842の厚さD842、電荷蓄積層830の境界部を覆う部分843の厚さD843が、いずれも均等である。この構成において、複数のトランジスタ(図8(a)、(b)に示すTR921〜TR942等)の配置密度を高めるために、アクティブエリアの幅及びワードラインの幅を狭くするとともに、隣接する電荷蓄積層の間隔(配列ピッチ)をP800からP900へ狭めると、図8(a)、(b)に示す半導体記憶装置900が得られる。
【0025】
この半導体記憶装置900では、ゲート絶縁膜920を覆う電荷蓄積層930において、X方向の幅(図8(a)参照)及びY方向の幅(図8(b)参照)がいずれも深さ方向の厚さより小さくなっている。また、電荷ブロック層940では、隣接する電荷蓄積層930の間隔(配列ピッチ)P900が狭くなったことに伴い、膜厚が一様に薄膜化されている。すなわち、電荷ブロック層940では、電荷蓄積層930の上面を覆う部分941の厚さD941、電荷蓄積層930の側面を覆う部分942の厚さD942、電荷蓄積層930の境界部を覆う部分943の厚さD943が、いずれも均等である。この場合、電荷蓄積層930のX方向の幅が狭いので、電荷ブロック層940では、電荷蓄積層930の境界部を覆う部分(曲率を有する部分)943だけでなく、電荷蓄積層930の上面を覆う部分941にも電界が集中する傾向にある。この結果、電荷蓄積層930に蓄積された電荷が電荷ブロック層940の部分943、941を介して制御ゲート電極WL2へリークしやすくなるので、電荷蓄積層930による電荷の保持特性が劣化する傾向にある。
【0026】
それに対して、第1の実施形態では、電荷ブロック層40において、電荷蓄積層30の上面30aを覆う第1の部分41の耐圧が、電荷蓄積層30の側面30b1、30b2を覆う第2の部分42、44の耐圧より高くなっている。これにより、電荷蓄積層30に蓄積された電荷が電荷ブロック層40の第1の部分41を介して制御ゲート電極WL2へリークしにくくなる。すなわち、電荷蓄積層30内に蓄積された電荷の電荷ブロック層40を介した制御ゲート電極WL2へのリークを低減できるので、電荷蓄積層30による電荷の保持特性の劣化を抑制できる。また、書き込み飽和電圧の劣化も抑制できる。
【0027】
具体的には、図2(a)に示すように、第1の部分41の膜厚D41は、第2の部分42の膜厚D42より厚くなっている。これにより、第1の部分41の耐圧が第2の部分42の耐圧より高くなるような構成を容易に実現することができる。
【0028】
また、図2(a)に示すように、電荷蓄積層30と制御ゲート電極WL2との間の静電容量における第1の部分41に比べて面積的に大きな部分を占める第2の部分42の膜厚D42を薄く維持できる。これにより、電荷蓄積層30内に蓄積された電荷の電荷ブロック層40を介した制御ゲート電極WL2へのリークを低減しながら、電荷蓄積層30と制御ゲート電極WL2との間の静電容量を大きくすることができる(電荷蓄積層30の飽和電荷量を増加させることができる)。
【0029】
また、第1の実施形態では、電荷ブロック層40において、電荷蓄積層30の境界部30c1、30c2を覆う第3の部分43、45の耐圧が、電荷蓄積層30の側面30b1、30b2を覆う第2の部分42、44の耐圧より高くなっている。これにより、電荷蓄積層30に蓄積された電荷が電荷ブロック層40の第3の部分43、45を介して制御ゲート電極WL2へリークしにくくなる。すなわち、電荷蓄積層30内に蓄積された電荷の電荷ブロック層40を介した制御ゲート電極WL2へのリークをさらに低減できるので、電荷蓄積層30による電荷の保持特性の劣化を抑制することがさらに容易になる。また、書き込み飽和電圧の劣化を抑制することもさらに容易になる。
【0030】
具体的には、図2(a)に示すように、第3の部分43の膜厚D43は、第2の部分42の膜厚D42より厚くなっている。これにより、第3の部分43の耐圧が第2の部分42の耐圧より高くなるような構成を容易に実現することができる。
【0031】
また、図2(a)に示すように、電荷蓄積層30と制御ゲート電極WL2との間の静電容量における第3の部分43に比べて面積的に大きな部分を占める第2の部分42の膜厚D42を薄く維持できる。これにより、電荷蓄積層30内に蓄積された電荷の電荷ブロック層40を介した制御ゲート電極WL2へのリークを低減しながら、電荷蓄積層30と制御ゲート電極WL2との間の静電容量を大きくすることができる(電荷蓄積層30の飽和電荷量を増加させることができる)。第2の部分42の膜厚D42を薄く維持できるので、隣接する電荷蓄積層30との間への制御ゲート電極WL2の埋め込み性を向上することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態にかかる半導体記憶装置100について図3を用いて説明する。図3(a)は、半導体記憶装置100における各トランジスタの断面構成を示す図であり、図2(a)に対応する断面(X方向の断面)を示す図である。図3(b)は、半導体記憶装置100における各トランジスタの断面構成を示す図であり、図2(b)に対応する断面(Y方向の断面)を示す図である。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0033】
半導体記憶装置100は、トランジスタTR122に関して、電荷ブロック層(第2のゲート絶縁膜)140を備える。電荷ブロック層140は、第1の部分141及び第3の部分143、145を有する。
【0034】
第1の部分141の材質(第1の材質)の単位膜厚当たりの耐圧は、第2の部分42、44の材質(第2の材質)の単位膜厚当たりの耐圧より高くなっている。第2の部分42、44の材質は、第1の実施形態と同じであっても良い。これにより、第1の部分141の厚さと第2の部分42、44の厚さとが均等であっても、第1の部分141の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。
【0035】
例えば、第1の部分141と第2の部分42、44とが同じ材料で形成されているが、第1の部分141の膜密度が第2の部分42、44の膜密度より高くなっている。これにより、第1の部分141の厚さと第2の部分42、44の厚さとが均等であっても、第1の部分141の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。
【0036】
あるいは、例えば、第1の部分141と第2の部分42、44とが同じ材料系で形成されているが、第1の部分141の酸素含有量が第2の部分42、44の酸素含有量より高くなっている。これにより、第1の部分141の厚さと第2の部分42、44の厚さとが均等であっても、第1の部分141の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。
【0037】
あるいは、例えば、第1の部分141が誘電率の高い材料(例えば、シリコン窒化膜)で形成されており、第2の部分42、44が誘電率の低い材料(例えば、シリコン酸化膜)で形成されている。これにより、第1の部分141の厚さと第2の部分42、44の厚さとが均等であっても、第1の部分141の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。
【0038】
また、第3の部分143、145の材質の単位膜厚当たりの耐圧は、第2の部分42、44の材質の単位膜厚当たりの耐圧より高くなっている。これにより、第3の部分143、145の厚さと第2の部分42、44の厚さとが均等であっても、第3の部分143、145の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。
【0039】
例えば、第3の部分143、145と第2の部分42、44とが同じ材料で形成されているが、第3の部分143、145の膜密度が第2の部分42、44の膜密度より高くなっている。これにより、第3の部分143、145の厚さと第2の部分42、44の厚さとが均等であっても、第3の部分143、145の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。
【0040】
あるいは、例えば、第3の部分143、145と第2の部分42、44とが同じ材料系で形成されているが、第3の部分143、145の酸素含有量が第2の部分42、44の酸素含有量より高くなっている。これにより、第3の部分143、145の厚さと第2の部分42、44の厚さとが均等であっても、第3の部分143、145の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。
【0041】
あるいは、例えば、第3の部分143、145が誘電率の高い材料(例えば、シリコン窒化膜)で形成されており、第2の部分42、44が誘電率の低い材料(例えば、シリコン酸化膜)で形成されている。これにより、第3の部分143、145の厚さと第2の部分42、44の厚さとが均等であっても、第3の部分143、145の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。
【0042】
このように、第2の実施形態では、第1の部分141の材質(第1の材質)の単位膜厚当たりの耐圧は、第2の部分42、44の材質(第2の材質)の単位膜厚当たりの耐圧より高くなっている。これにより、第1の部分141の耐圧が第2の部分42、44の耐圧より高くなるような構成を容易に実現することができる。
【0043】
また、第3の部分143、145の材質の単位膜厚当たりの耐圧は、第2の部分42、44の材質の単位膜厚当たりの耐圧より高くなっている。これにより、第3の部分143、145の耐圧が第2の部分42、44の耐圧より高くなるような構成を容易に実現することができる。
【0044】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態にかかる半導体記憶装置200について図4を用いて説明する。図4(a)は、半導体記憶装置200における各トランジスタの断面構成を示す図であり、図2(a)に対応する断面(X方向の断面)を示す図である。図4(b)は、半導体記憶装置200における各トランジスタの断面構成を示す図であり、図2(b)に対応する断面(Y方向の断面)を示す図である。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0045】
半導体記憶装置200は、トランジスタTR222に関して、電荷蓄積層230及び電荷ブロック層(第2のゲート絶縁膜)240を備える。
【0046】
電荷蓄積層230は、上面230a及び境界部230c1、230c2を有する。上面230aは、上側に凸状に(例えば円弧状に)湾曲している。これに伴い、境界部230c1、230c2における上面230aと側面30b1、30b2とのなす角度は、それぞれ、90°より大きな角度になっている。
【0047】
電荷ブロック層240は、第1の部分241及び第3の部分243、245を有する。第1の部分241は、電荷蓄積層230の上面230aに沿って上側に凸状に(例えば円弧状に)湾曲している。それに伴い、第3の部分243、245における第1の部分241と第2の部分42、44とのなす角度は、それぞれ、90°より大きな角度になっている。
【0048】
このように、第3の実施形態では、第1の部分241が上側に凸状に湾曲している。それに伴い、第3の部分243、245における第1の部分241と第2の部分42、44とのなす角度は、それぞれ、90°より大きな角度になっている。これにより、電荷ブロック層240の第1の部分241及び第3の部分243、245における電界集中を緩和できる。
【0049】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態にかかる半導体記憶装置300について図5を用いて説明する。図5(a)は、半導体記憶装置300における各トランジスタの断面構成を示す図であり、図3(a)に対応する断面(X方向の断面)を示す図である。図5(b)は、半導体記憶装置300における各トランジスタの断面構成を示す図であり、図3(b)に対応する断面(Y方向の断面)を示す図である。以下では、第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0050】
半導体記憶装置300は、トランジスタTR322に関して、電荷蓄積層330及び電荷ブロック層(第2のゲート絶縁膜)340を備える。
【0051】
電荷蓄積層330は、上面330a及び境界部330c1、330c2を有する。上面330aは、上側に凸状に(例えば円弧状に)湾曲している。これに伴い、境界部330c1、330c2における上面330aと側面30b1、30b2とのなす角度は、それぞれ、90°より大きな角度になっている。
【0052】
電荷ブロック層340は、第1の部分341及び第3の部分343、345を有する。第1の部分341は、電荷蓄積層330の上面330aに沿って上側に凸状に(例えば円弧状に)湾曲している。それに伴い、第3の部分343、345における第1の部分341と第2の部分42、44とのなす角度は、それぞれ、90°より大きな角度になっている。第1の部分341の材質(第1の材質)の単位膜厚当たりの耐圧は、第2の部分42、44の材質(第2の材質)の単位膜厚当たりの耐圧より高くなっている。第2の部分42、44の材質は、第3の実施形態と同じであっても良い。これにより、第1の部分341の厚さと第2の部分42、44の厚さとが均等であっても、第1の部分341の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。また、第3の部分343、345の材質の単位膜厚当たりの耐圧は、第2の部分42、44の材質の単位膜厚当たりの耐圧より高くなっている。これにより、第3の部分343、345の厚さと第2の部分42、44の厚さとが均等であっても、第3の部分343、345の耐圧は、第2の部分42の耐圧より高くなっている。
【0053】
このように、第3の実施形態では、第1の部分341が上側に凸状に湾曲している。それに伴い、第3の部分343、345における第1の部分341と第2の部分42、44とのなす角度は、それぞれ、90°より大きな角度になっている。これにより、電荷ブロック層340の第1の部分341及び第3の部分343、345における電界集中を緩和できる。また、第1の部分341の材質(第1の材質)の単位膜厚当たりの耐圧は、第2の部分42、44の材質(第2の材質)の単位膜厚当たりの耐圧より高くなっている。これにより、第1の部分341の耐圧が第2の部分42、44の耐圧より高くなるような構成を容易に実現することができる。また、第3の部分343、345の材質の単位膜厚当たりの耐圧は、第2の部分42、44の材質の単位膜厚当たりの耐圧より高くなっている。これにより、第3の部分343、345の耐圧が第2の部分42、44の耐圧より高くなるような構成を容易に実現することができる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1、100、200、300、800、900 半導体記憶装置、10 半導体基板、11 素子分離部、20、820、920 ゲート絶縁膜、30、230、330、830、930 電荷蓄積層、40、140、240、340、840、940 電荷ブロック層、41、141、241、341 第1の部分、42、44 第2の部分、43、45、143、145、243、245、343、345 第3の部分、50 層間絶縁膜、841〜843、941〜943 部分、AA1〜AAk、AA801〜AA80m アクティブエリア、TR11〜TRpk、TR811〜TR8nm トランジスタ、WL1〜WLp、WL801〜WL80n ワードライン(制御ゲート電極)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板内で素子分離部により画定された素子領域と、
前記素子領域を覆う第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜を覆う電荷蓄積層と、
前記半導体基板の前記素子領域が確定された面側を上とした場合において、前記電荷蓄積層の上面を覆う第1の部分と前記電荷蓄積層の側面を覆う第2の部分とを有する第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜を介して前記電荷蓄積層の上面及び側面を覆う制御ゲート電極と、
を備え、
前記第1の部分の耐圧は、前記第2の部分の耐圧より高い
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1の部分は、前記第2の部分より厚い
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1の部分は、第1の材質で形成され、
前記第2の部分は、第2の材質で形成され、
前記第1の材質の単位膜厚当たりの耐圧は、前記第2の材質の単位膜厚当たりの耐圧より高い
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記電荷蓄積層の上面は、上側に凸状に湾曲しており、
前記第1の部分は、前記電荷蓄積層の上面に沿って上側に凸状に湾曲している
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第2のゲート絶縁膜は、前記電荷蓄積層の上面及び側面の境界部を覆う第3の部分をさらに有し、
前記第3の部分の耐圧は、前記第2の部分の耐圧より高い
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−69706(P2012−69706A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212799(P2010−212799)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】