説明

半導体集積回路、レイアウト方法、レイアウト装置及びレイアウトプログラム

【課題】配線性悪化を抑えることができる半導体集積回路。
【解決手段】中位配線層M3、下位ヴィアVia1、及び上位ヴィアVia3は、平面方向から見て、上位配線層M4及び下位配線層M1のそれぞれの配線によって潰れる配線トラック(×印)の範囲内に配される。下位ヴィアVia1は、4列1行型の矩形状に収まるように配される。上位ヴィアVia3は、2列2行型の矩形状に収まるように配される。上位ヴィアVia3よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心(+印)は、下位配線層M1と上位配線層M4の交差部に配される。下位ヴィアVia1よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心(+印)は、上位ヴィアVia3よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心と所定量ずれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板上に異なる電位の1対の配線を有する3層以上の配線層がヴィアによって接続された配線構造を有する半導体集積回路、レイアウト方法、レイアウト装置及びレイアウトプログラムに関し、特に、配線性悪化を抑えることができる半導体集積回路、レイアウト方法、レイアウト装置及びレイアウトプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LSIチップ等の半導体集積回路内部において、電圧降下(IR−Drop)による遅延変動が原因の誤動作やエレクトロマイグレーション(EM)による故障等の防止のため、半導体集積回路内部の電源配線構造を強化する必要がある。電源配線構造の強化は、配線幅、ヴィア数等を調整することにより行われる。
【0003】
半導体集積回路内部の電源配線構造の強化を図る従来技術として、データパスの設計時に、前記データパスの上層の電源幹線から、前記データパスに接続する電源ヴィアの必要個数をあらかじめ計算して記憶手段に記憶する電源ヴィア必要数計算ステップと、チップレベルでの電源配線時に、前記記憶手段に記憶されている電源ヴィアの必要個数を参照し、前記データパスに接続する電源ヴィアの個数が前記必要個数を満たしているか否かをチェックする電源ヴィアチェックステップと、を含むエレクトロマイグレーション検証方法がある(図12参照;特許文献1参照)。この方法によれば、チップ設計完了時点でのチップレベルEM検証処理を実施することを不用とし、チップレベルEM検証処理でエラーが出た場合の電源配線への後戻りをなくし、設計期間の短縮、設計効率の向上を図ることができるというものである。
【0004】
また、従来の一般的な電源配線処理では、半導体集積回路を設計するレイアウト装置(CAD装置)を用いて、所定のプログラムに基づいて、以下のような処理が自動的に行われる。図13のように、電源配線前処理(例えば、チップレベル配置処理)を行い(ステップC1)、異なる電位の1対の電源配線(例えば、VDD、GND)を有する各配線層(例えば、M1、M4)を所定の配線幅(例えば、M4を配線幅A、M1を配線幅a)で平行に生成し(ステップC2〜C5)、各配線層の配線の交差部を抽出し、ヴィア配線処理(例えば、M2、M3、Via1〜3の生成)を行い(ステップC6)、電源配線後処理(例えば、電源ヴィアチェック処理、チップレベル配線処理)を行う(ステップC7)。ここで、M1〜M4に係る配線層(金属配線層)について、下層側から順に、M1は第1の配線層、M2は第2の配線層、M3は第3の配線層、M4は第4の配線層を表している。また、ヴィア配線処理では、M1とM4の間を接続するために、M1−M4の交差部及びその近傍を含む領域において、対応する電位の電源配線ごとに、M2と、M3と、M1とM2を接続するVia1と、M2とM3を接続するVia2と、M3とM4を接続するVia3と、を生成する処理が行われる。
【0005】
従来の一般的な電源配線処理では、M1−M4間においてVia1〜3の配置がそれぞれ4個必要な場合について、図14〜17に示すような配線構造が得られる。図14は、4列1行型のヴィアユニット(複数のヴィアよりなるユニット)の幅(横方向の幅)がM4の配線幅以上になった場合の構造例である。図15は、M4の配線幅を4列1行型のヴィアユニットの幅まで太くした場合の構造例である。図16は、M4に係る1対の電源配線を2組生成し、2列1行型のヴィアユニットを4個生成した場合の構造例である。図17は、M1の配線幅を太くして2列2行型のヴィアユニットを生成した場合の構造例である。ここで、従来の電源配線処理におけるヴィア配線処理では、平面方向から見て、Via1よりなる第1のヴィアユニット、Via2よりなる第2のヴィアユニット、及びVia3よりなる第3のヴィアユニットのそれぞれの中心を一致させ、かつ、当該中心が下位配線層(M1)と上位配線層(M4)の交差部の領域内に配されるように、Via1、Via2及びVia3が生成される。また、図14〜17における格子状の線は、配線トラックであり、半導体集積回路の配線構造を設計する際の補助線である。また、中位配線層(M2、M3)は上位配線層(M4)よりも下層に生成されるが、説明の便宜上、図14〜17では、M4よりもM2及びM3を上層に示している。なお、図14〜17において、「+」印はVia1、Via2又はVia3よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心を示し、「×」印は下位配線層(M1)及び上位配線層(M4)並びにヴィア(Via1〜3)によって潰れる配線トラックを示している。
【0006】
【特許文献1】特開2002−24313号公報
【特許文献2】特開平9−212661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術において、半導体集積回路内部の電源配線構造を強化した結果、半導体集積回路内部において配線として有効な配線リソース(トラック数)が減少してしまうという問題がある。
【0008】
また、特許文献1に記載の発明は、電源配線の必要なヴィア数をあらかじめ確保しEM耐性を保証することが可能であるが、配線性を向上させることができないおそれがあるため、チップサイズの増大を招くといった問題がある。
【0009】
また、図14〜17に記載の構造例(M1−M4間においてVia1〜3を4個配置が必要な場合の例)では、以下のような問題がある。図14に記載の構造例の場合、平面方向から見たときのヴィアユニットの幅が上位配線層(M4)の配線幅よりも大きいため、ヴィア並びに下位配線層(M1)及び上位配線層(M4)によって潰れる配線トラックが増えてしまい、有効配線リソースが減少する。図15に記載の構造例の場合、M4の配線幅が太いため、有効配線リソースが減少する。図16に記載の構造例の場合、EMを悪化させないために必要な配線間の各ヴィア(Via1、Via2、Via3)のヴィア数を4個確保しようとすると、M4に係る配線の本数が増加するため、M4の有効配線リソースが減少する。図17に記載の構造例の場合、M1が太くなり、M1の有効配線リソースが減少するとともに、M1のVDD配線と、M1のGND配線の領域内に形成する配線の処理が困難になり、セルサイズが増大してしまう。
【0010】
本発明の課題は、配線性悪化を抑えることができる半導体集積回路、レイアウト方法、レイアウト装置及びレイアウトプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の視点においては、半導体基板上に異なる電位の1対の配線を有する3層以上の配線層がヴィアによって接続された配線構造を有する半導体集積回路において、互いに電位の異なる第1の電位と第2の電位の1対の配線を有する第1の配線層と、前記第1の配線層と異なる層に配されるとともに、前記第1の電位と前記第2の電位の1対の配線を有する第2の配線層と、前記第1の配線層と前記第2の配線層の間に配される1又は複数の中位配線層と、を備え、前記第1の配線層の1対の配線は、所定の間隔をおいて平行に配され、前記第2の配線層の1対の配線は、配線トラックを有効にできる最小の間隔をおいて平行に配され、前記第1の配線層の配線は、前記第2の配線層の配線と直交し、
前記第1の配線層と前記第2の配線層の同電位の配線同士は、前記中位配線層及びヴィアを介して電気的に接続され、前記中位配線層は、平面方向から見て、前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配され、
前記中位配線層と前記第1の配線層の配線を接続する第1のヴィアの数は、m個(mは1以上の整数)であり、前記中位配線層と前記第2の配線層の配線を接続する第2のヴィアの数は、m個(mは1以上の整数)であり、前記第1のヴィアは、平面方向から見て、前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、j列h行型(j、hはそれぞれ1以上の整数かつj×h≧m)の矩形状に収まるように配され、前記第2のヴィアは、平面方向から見て、前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、n列k行(n、kはそれぞれ1以上の整数かつn×k≧m)の矩形状に収まるように配され、前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、前記第1の配線層と前記第2の配線層の交差部に配され、前記第1のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心よりも、前記第2の配線層の前記第2の電位の配線側に所定量ずれていることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の視点においては、半導体基板上に異なる電位の1対の配線を有する3層以上の配線層がヴィアによって接続された配線構造を有する半導体集積回路のレイアウト方法において、互いに電位の異なる第1の電位と第2の電位の1対の配線が所定の間隔をおいて平行に配された第1の配線層と、前記第1の配線層と異なる層に配されるとともに、前記第1の電位と前記第2の電位の1対の配線が配線トラックを有効にできる最小の間隔をおいて平行に配され、かつ、前記第1の配線層の配線と直交する第2の配線層と、を生成する工程と、前記第2の配線層及び前記第1の配線層の交差部及び配線幅を抽出する工程と、抽出した交差部及び配線幅に係る情報に基づいて、前記第1の配線層と前記第2の配線層の間に配されるとともに、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配される1又は複数の中位配線層と、前記中位配線層と前記第1の配線層の配線を接続するm個(mは1以上の整数)の第1のヴィアと、前記中位配線層と前記第2の配線層の配線を接続するm個(mは1以上の整数)の第2のヴィアと、を生成する工程と、を含み、前記第2のヴィアを生成する工程では、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、n列k行(n、kはそれぞれ1以上の整数かつn×k≧m)の矩形状に収まり、かつ、前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が前記第1の配線層と前記第2の配線層の交差部に配されるように前記第2のヴィアを生成し、前記第1のヴィアを生成する工程では、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、j列h行型(j、hはそれぞれ1以上の整数かつj×h≧m)の矩形状に収まり、かつ、前記第1のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心よりも前記第2の配線層の前記第2の電位の配線側に所定量ずれるよう前記第1のヴィアを生成することを特徴とする。
【0013】
なお、前記レイアウト方法は、レイアウト装置(コンピュータ、CAD装置)でプログラムを実行することで、その機能が実現される。この場合、該プログラムを記録した記録媒体(磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、あるいは半導体メモリ等)から、該プログラムをコンピュータに読み出して実行することで、本発明を実施することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明(請求項1−9)によれば、第1の配線層及び第2の配線層の配線、並びにヴィアユニットによって潰れる配線トラックを最小限に抑えることが可能となり、有効配線リソース(配線トラック数)を増加(配線性を向上)させることができる。また、ヴィア数を削減することなく実現可能であるため、EM耐性を悪化させることなく実現可能である。
【0015】
また、本発明(請求項1−9)によれば、配線性の向上によって、レイアウトの収束性の向上(TAT短縮)、チップサイズの増加の抑制、及びコスト削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態1について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分平面図である。図2は、本発明の実施形態1に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分断面図であり、(a)はA−A´間、(b)はB−B´間の部分断面図である。なお、図2では、Via3は本来見えない位置にあるが、説明の便宜上、示している。また、図1における格子状の線は、配線トラック(配線グリッド)であり、半導体集積回路の配線構造を設計する際の補助線である。さらに、図1において、「+」印は上位配線層(M4)と接続するヴィア(Via3)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心を示し、「×」印は上位配線層(M4)と接続するヴィア(Via3)以外のヴィア(Via1、Via2)によって潰れる配線トラックを示している。
【0017】
実施形態1に係る半導体集積回路の配線構造では、下層側から順に、第1の配線層にある配線(M1)、第2の配線層(M2)、第3の配線層(M3)、第4の配線層(M4)が配されている。各配線層(M1〜M4)は、積層方向に所定の間隔をおいて配され、各配線層(M1〜M4)の間には、層間絶縁膜(図示せず)が配されることになる。図1及び図2では、M1が下位配線層、M4が上位配線層となる。なお、ここでは、便宜上、M1を下位配線層、M4を上位配線層としているが、M1を上位配線層、M4を下位配線層としてもよい。各配線層(M1〜M4)は、互いに異なる電位(VDD、GND等)の1対の電源配線を有する。各配線層(M1〜M4)に係る1対の電源配線は、所定の間隔をおいて平行に配される。上位配線層(M4)に係る1対の配線については、配線トラックを有効にできる最小の間隔(最小配線間隔)をおいて平行に配される。なお、各配線層(M1〜M4)に係る1対の電源配線の配線幅は、互いに同一であっても異なっていてもよい。各配線層(M1〜M4)のVDD配線(第1の配線)は、VDD側のVia1〜3によって電気的に接続されており、各配線層(M1〜M4)のGND配線(第2の配線)、及びGND側のVia1〜3と分離している。各配線層(M1〜M4)のGND配線(第2の配線)は、GND側のVia1〜3によって電気的に接続されており、各配線層(M1〜M4)のVDD配線(第1の配線)、及びVDD側のVia1〜3と分離している。また、上位配線層にある配線(M4)と下位配線層にある配線(M1)とは、平面方向から見て、互いに直交している。図示されている中位配線層(M2、M3)は、下位配線層(M1)と上位配線層(M4)を電気的に接続するため配線層である。上位配線層(M4)の1段下の中位配線層(M3)は、平面方向から見て、上位配線層(M4)によって潰れる配線トラックの範囲内であって、下位配線層(M1)と上位配線層(M4)の交差部を含む領域に配される。上位配線層(M4)の1段下以外の中位配線層(M2)は、平面方向から見て、上位配線層(M4)によって潰れる配線トラックの範囲内であって、上位配線層(M4)の1対の配線の双方又は一方を含む領域に配される。上位配線層(M4)の1段下の中位配線層(M3)の配線長は、上位配線層(M4)の1段下以外の中位配線層(M2)の配線長以上であることが好ましい。上位配線層(M4)の1段下の中位配線層(M3)の配線幅は、上位配線層(M4)の1段下以外の中位配線層(M2)の配線幅以上であることが好ましい。また、中位配線層(M2、M3)は、平面方向から見て、下位配線層(M1)の配線方向に沿って配される。なお、中位配線層(M3)は、図1では、平面方向から見て矩形状に形成されているが、T字形状(図3(a)参照)やL字形状(図3(b)参照)に形成されていてもよい。
【0018】
各電源配線層(M1〜M4)の間には、ヴィア(Via1、Via2、Via3)が配される。Via1、Via2、Via3は、下位配線層(M1)及び上位配線層(M4)によって潰れる配線トラック上の所定の位置(図1の「×」印参照)に(各ヴィアが複数個の場合には所定の間隔をおいて)配される。第1のヴィア(Via1)は、下位配線層(M1)と中位配線層(M2)の間に、VDD側及びGND側のそれぞれにm個(mは1以上の整数;図1においては4個)ずつ配され、平面方向から見て、j列h行型(j、hはそれぞれ1以上の整数かつj×h≧m;図1においては4列1行)の矩形状に収まるように配され、M1とM2とを電気的に接続する。VDD配線を接続するVia1と、GND配線を接続するVia1と、は、上位配線層(M4)の配線方向と同じ方向の同一軸上に配される。Via2は、中位配線層(M2)と中位配線層(M3)の間に、VDD側及びGND側のそれぞれにm個(mは1以上の整数;図1においては4個)配され、j列h行型(j、hはそれぞれ1以上の整数かつj×h≧m;図1においては4列1行)の矩形状に収まるように配され、M2とM3とを電気的に接続する。Via2は、平面方向から見て、Via1と重なる位置に配される。Via2(M2、M3間に配されるヴィア)よりなるヴィアユニット(図1では4列1行型のヴィアユニット)の平面方向から見たときの中心は、Via1(M1、M2間に配されるヴィア)よりなるヴィアユニット(図1では4列1行型のヴィアユニット)の平面方向から見たときの中心と一致し、平面方向から見て、下位配線層にある配線(M1)と中位配線層(M2、M3)とが重なる領域内に配される。Via3は、中位配線層(M3)と上位配線層(M4)の間に、VDD側及びGND側のそれぞれにm個(mは1以上の整数;図1においては4個)配され、n列k行型(n、kはそれぞれ1以上の整数かつn×k≧m;図1においては2列2行)の矩形状に収まるように配され、M3とM4とを電気的に接続する。Via1及びVia2よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、Via3よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心からずれた位置に配される。つまり、上位配線層(M4)と接続するヴィア以外のヴィア(Via1又はVia2)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、上位配線層(M4)と接続するヴィア(Via3)よりなるヴィアユニット(図1では2列2行型のヴィアユニット)の平面方向から見たときの中心からずれた位置に配される。なお、ヴィア(Via1又はVia2)よりなるヴィアユニットのうちVDD側のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、ヴィア(Via3)よりなるヴィアユニットのうちVDD側のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心よりも、上位配線層(M4)のGND配線側にずれている。また、ヴィア(Via1又はVia2)よりなるヴィアユニットのうちGND側のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、ヴィア(Via3)よりなるヴィアユニットのうちGND側のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心よりも、上位配線層(M4)のVDD配線側にずれている。上位配線層(M4)と接続するヴィア(Via3)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、平面方向から見て少なくとも下位配線層(M1)と、上位配線層(M4)の1段下の中位配線層(M3)と、上位配線層(M4)と、が重なる領域内に配される。なお、上位配線層(M4)と接続するヴィア(Via3)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、上位配線層(M4)の1段下以外の中位配線層(M2)の領域内に配されないこともある(図4、5及び7参照)。また、Via1、Via2、Via3は、VDD側及びGND側のそれぞれに対応して配される。
【0019】
実施形態1によれば、電源配線のEM耐性を悪化させることなく、有効な配線リソースが潰れるのを最小限に抑えることができる。つまり、ヴィアの個数を減少させずに、有効配線リソースが確保され、配線性を向上させることができる。
【0020】
(実施形態2)
本発明の実施形態2について図面を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態2に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分平面図である。図5は、本発明の実施形態2に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分断面図であり、(a)はC−C´間、(b)はD−D´間の部分断面図である。なお、図4における格子状の線は、配線トラック(配線グリッド)であり、半導体集積回路の配線構造を設計する際の補助線である。さらに、図4において、「+」印は上位配線層(M4)と接続するヴィア(Via3)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心を示し、「×」印は上位配線層(M4)と接続するヴィア(Via3)以外のヴィア(Via1、Via2)によって潰れる配線トラックを示している。実施形態2は、Via1〜3が異なる電位ごとにそれぞれ2個(2列1行で2個)の場合の例である。2個以外にも、3、4、5、6…個のように、各配線層間のヴィア(Via1〜3)の個数は適宜設定することができる。実施形態2によれば、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0021】
(実施形態3)
本発明の実施形態3について図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施形態3に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分平面図である。図7は、本発明の実施形態3に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分断面図であり、(a)はE−E´間、(b)はF−F´間の部分断面図である。なお、図6における格子状の線は、配線トラック(配線グリッド)であり、半導体集積回路の配線構造を設計する際の補助線である。さらに、図6において、「+」印は上位配線層(M5)と接続するヴィア(Via4)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心を示し、「×」印は上位配線層(M5)と接続するヴィア(Via4)以外のヴィア(Via2、Via3)によって潰れる配線トラックを示している。実施形態3は、Via2〜4が異なる電位ごとにそれぞれ2個(1列2行で2個)の場合の例である。上位配線層(M5)と接続するヴィア(Via4)よりなるヴィアユニット(1列2行型のヴィアユニット)の平面方向から見たときの中心は、Via2(又はVia3)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心から縦方向にずれた位置に配される。なお、ヴィア(Via4)よりなるヴィアユニットのうちVDD側のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、ヴィア(Via2)よりなるヴィアユニットのうちVDD側のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心よりも、上位配線層(M5)のGND配線側にずれている。また、ヴィア(Via4)よりなるヴィアユニットのうちGND側のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、ヴィア(Via2)よりなるヴィアユニットのうちGND側のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心よりも、上位配線層(M5)のVDD配線側にずれている。ヴィアユニットの平面方向から見たときの中心のずらし方向は、左右、上下、斜め等、適宜設定することができる。実施形態3によれば、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0022】
(実施形態4)
本発明の実施形態4について図面を用いて説明する。図8は、本発明の実施形態4に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分平面図である。図9は、本発明の実施形態4に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分断面図であり、(a)はG−G´間、(b)はH−H´間の部分断面図である。なお、図8における格子状の線は、配線トラック(配線グリッド)であり、半導体集積回路の配線構造を設計する際の補助線である。さらに、図8において、「+」印は上位配線層(M6)と接続するヴィア(Via5)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心を示し、「×」印は上位配線層(M6)と接続するヴィア(Via5)以外のヴィア(Via1、Via2、Via3、Via4)によって潰れる配線トラックを示している。実施形態4は、電源配線層が6層(M1〜M6)の場合の例である。6層だけでなく電源配線層を3層以上で適宜設定することができる。実施形態4によれば、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0023】
(実施形態5)
本発明の実施形態5について図面を用いて説明する。図10は、本発明の実施形態5に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分平面図であり、(a)は上位配線層(M6)に接続されるヴィア以外のヴィア(Via1、Via2、Via3、Via4)の位置が標準位置のもの、(b)は上位配線層(M6)に接続されるヴィア以外のヴィア(Via1、Via2、Via3、Via4)の位置を左側にずらしたもの、(c)は上位配線層(M6)に接続されるヴィア以外のヴィア(Via1、Via2、Via3、Via4)の位置を右側にずらしたものである。なお、図10では、上位配線層(M6)に接続されるVia5は当該Via5よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が「+」印の位置に固定されたものなので、説明の便宜上、Via5を省略している。また、上位配線層(M6)の1段下の中位配線層(M5)を点線で表している。また、図10における格子状の線は、配線トラック(配線グリッド)であり、半導体集積回路の配線構造を設計する際の補助線である。さらに、図10において、「×」印は上位配線層(M6)と接続するヴィア(Via5)以外のヴィア(Via1、Via2、Via3、Via4)によって潰れる配線トラックを示している。実施形態5は、上位配線層(M6)に接続されるヴィア以外のヴィア(Via1〜4)の位置を左右に所定量ずらしたものである。上位配線層(M6)に接続されるヴィア以外のヴィア(Via1〜4)は、上位配線層(M6)及び下位配線層(M1)によって潰れる配線トラックの範囲内に配置されれば、ずれ量(偏心量)を適宜設定することができる。このとき、VDD配線と接続するヴィア(Via1〜4)と、GND配線と接続するヴィア(Via1〜4)とは、上位配線層(M6)の配線方向と同じ方向の同一軸上に配される。これに対応して、上位配線層(M6)の1段下の中位配線層(M5)以外の中位配線層(M2〜M4)も左右にずれることになる。言い換えると、中位配線層(M2〜M4)は、上位配線層(M6)の1対の配線の一方又は双方に重なるように配される。また、これに対応して上位配線層(M6)の1段下の中位配線層(M5)の長さが調整されることになる。実施形態5によれば、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0024】
(実施形態6)
本発明の実施形態6について図面を用いて説明する。図11は、本発明の実施形態6に係る半導体集積回路の配線構造のレイアウト方法を模式的に示したフローチャートである。実施形態6のレイアウト方法では、半導体集積回路を設計するレイアウト装置(CAD装置)を用いて、レイアウトプログラムを実行することで、以下のようなステップが自動的に行われる。
【0025】
まず、電源配線前処理(例えば、チップレベル配置処理)を行う(ステップA1)。次に、異なる電位(VDD、GND)の1対の電源配線よりなる上位配線層(例えば、M4)を所定の配線幅(例えば、M4のVDDを配線幅A、M4のGNDを配線幅B)で最小配線間隔(配線トラックを有効にできる最小の間隔)をおいて平行に生成する(ステップA2〜A3)。次に、異なる電位(VDD、GND)の1対の電源配線よりなる下位配線層にある配線(例えば、M1)を、平面方向から見て上位配線層にある配線(例えば、M4)と直交するようにして、所定の配線幅(例えば、M1のVDD、GNDともに配線幅a)で所定の間隔をおいて平行に生成する(ステップA4〜A5)。次に、M1−M4の交差部及び配線幅を抽出し、抽出した交差部及び配線幅に係る情報に基づいてヴィア配線処理を行う(ステップA6)。その後、電源配線後処理(例えば、電源ヴィアチェック処理、チップレベル配線処理)を行う(ステップA7)。
【0026】
ここで、ヴィア配線処理では、レイアウト装置に記憶されたヴィア配線データD1から、抽出した交差部及び配線幅に係る情報に対応する配線パターンに係る情報を読み出して、以下のような処理が行われる。なお、ヴィア配線データは、M1−M4の交差部及び配線幅に係る情報に対応したヴィア(Via1、Via2、Via3)及び中位配線層(M2、M3)の配置パターン(例えば、実施形態1〜5に示すような配置パターン)を規定したデータである。
【0027】
まず、異なる電位の電源配線ごとに、上位配線層(M4)に接続するm個のヴィア(Via3)を生成する(ステップB1)。ここで、Via3は、下位配線層(M1)及び上位配線層(M4)によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、n列k行型(n、kはそれぞれ1以上の整数かつn×k≧m)の矩形状に収まり、かつ、当該ヴィア(Via3)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が下位配線層(M1)と上位配線層(M4)の交差部に配されるように生成される。
【0028】
次に、異なる電位の電源配線ごとに、上位配線層(M4)以外の配線層(M1、M2、M3)間で配線層(M1、M2、M3)と接続するm個のヴィア(Via1、Via2)を生成する(ステップB2)。ここで、Via1、Via2は、下位配線層(M1)及び上位配線層(M4)によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、j列h行型(j、hはそれぞれ1以上の整数かつj×h≧m)の矩形状に収まり、かつ、上位配線層(M4)に接続するヴィア(Via3)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心から、上位配線層(M4)に接続するヴィア以外のヴィア(Via1、2)よりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が所定量(偏心量)ずれるように生成される。
【0029】
次に、異なる電位の電源配線ごとに、上位配線層(M4)の1段下の中位配線層(M3)を生成する(ステップB3)。ここで、M3は、対応する電位に係るヴィア(Via2、Via3)と接続するように、平面方向から見て、下位配線層(M1)及び上位配線層(M4)によって潰れる配線トラックの範囲内であって、下位配線層(M1)と上位配線層(M4)の交差部を含む領域に生成される。
【0030】
次に、異なる電位の電源配線ごとに、上位配線層(M4)の1段下以外の中位配線層(M2)を生成する(ステップB4)。ここで、M2は、対応する電位に係るヴィア(Via1、Via2)と接続するように、平面方向から見て、下位配線層(M1)及び上位配線層(M4)によって潰れる配線トラックの範囲内であって、下位配線層(M1)と上位配線層(M4)の交差部の近傍に生成される。なお、ステップB1〜B4は、順序を変えて行ってもよい。
【0031】
実施形態6によれば、電源配線のEM耐性を悪化させることなく、有効な配線リソースが潰れるのを最小限に抑えることができる半導体集積回路の配線構造を自動的に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態1に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分平面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分断面図であり、(a)は(図1の)A−A´間、(b)は(図1の)B−B´間の部分断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る半導体集積回路の配線構造の変形例を模式的に示した部分平面図であり、(a)はM3をT字形状としたもの、(b)はM3をL字形状としたものである。
【図4】本発明の実施形態2に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分平面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分断面図であり、(a)はC−C´間、(b)はD−D´間の部分断面図である。
【図6】本発明の実施形態3に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分平面図である。
【図7】本発明の実施形態3に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分断面図であり、(a)はE−E´間、(b)はF−F´間の部分断面図である。
【図8】本発明の実施形態4に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分平面図である。
【図9】本発明の実施形態4に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分断面図であり、(a)はG−G´間、(b)はH−H´間の部分断面図である。
【図10】本発明の実施形態5に係る半導体集積回路の配線構造を模式的に示した部分平面図であり、(a)は上位配線層に接続されるヴィア以外のヴィアの位置が標準位置のもの、(b)は上位配線層に接続されるヴィア以外のヴィアの位置を左側にずらしたもの、(c)は上位配線層に接続されるヴィア以外のヴィアの位置を右側にずらしたものである。
【図11】本発明の実施形態6に係る半導体集積回路の配線構造のレイアウト方法を模式的に示したフローチャートである。
【図12】従来のエレクトロマイグレーション検証方法の処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】従来の電源配線処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】従来の電源配線処理による4列1行型のヴィアユニットの幅がM4の配線幅以上になった場合の構造を模式的に示した部分平面図である。
【図15】従来の電源配線処理によるM4の配線幅を4列1行型のヴィアユニットの幅まで太くした場合の構造を模式的に示した部分平面図である。
【図16】従来の電源配線処理によるM4に係る1対の電源配線を2組生成し、2列1行型のヴィアユニットを4個生成した場合の構造を模式的に示した部分平面図である。
【図17】従来の電源配線処理によるM1の配線幅を太くして2列2行型のヴィアユニットを生成した場合の構造を模式的に示した部分平面図である。
【符号の説明】
【0033】
M1 第1の配線層
M2 第2の配線層
M3 第3の配線層
M4 第4の配線層
M5 第5の配線層
M6 第6の配線層
Via1 第1のヴィア
Via2 第2のヴィア
Via3 第3のヴィア
Via4 第4のヴィア
Via5 第5のヴィア
D1 ヴィア配線データ
101 DP設計
102 DP EM設計処理
103 DPへの電源Via必要数計算処理
104 Chipレベル配置処理
105 電源配線処理
106 電源Viaチェック処理
107 Chipレベル配線
111 DPライブラリ
112 EMライブラリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに電位の異なる第1の電位と第2の電位の1対の配線を有する第1の配線層と、
前記第1の配線層と異なる層に配されるとともに、前記第1の電位と前記第2の電位の1対の配線を有する第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層の間に配される1又は複数の中位配線層と、
を備え、
前記第1の配線層の1対の配線は、所定の間隔をおいて平行に配され、
前記第2の配線層の1対の配線は、配線トラックを有効にできる最小の間隔をおいて平行に配され、
前記第1の配線層の配線は、前記第2の配線層の配線と直交し、
前記第1の配線層と前記第2の配線層の同電位の配線同士は、前記中位配線層及びヴィアを介して電気的に接続され、
前記中位配線層は、平面方向から見て、前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配され、
前記中位配線層と前記第1の配線層の配線を接続する第1のヴィアの数は、m個(mは1以上の整数)であり、
前記中位配線層と前記第2の配線層の配線を接続する第2のヴィアの数は、m個(mは1以上の整数)であり、
前記第1のヴィアは、平面方向から見て、前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、j列h行型(j、hはそれぞれ1以上の整数かつj×h≧m)の矩形状に収まるように配され、
前記第2のヴィアは、平面方向から見て、前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、n列k行(n、kはそれぞれ1以上の整数かつn×k≧m)の矩形状に収まるように配され、
前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、前記第1の配線層と前記第2の配線層の交差部に配され、
前記第1のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心は、前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心よりも、前記第2の配線層の前記第2の電位の配線側に所定量ずれていることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
第1の電位側の配線と接続する前記第1のヴィアと、第2の電位側の配線と接続する前記第1のヴィアとは、前記第2の配線層の配線方向と同じ方向の同一軸上に配されることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記中位配線層は、前記第2の配線層の1対の配線の一方又は双方に重なるように配されることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記中位配線層は、2層以上よりなり、
前記中位配線層間は、第3のヴィアによって接続され、
前記第3のヴィアは、平面方向から見て前記第1のヴィアと重なる位置に配され、
前記第2の配線層から1段下の前記中位配線層の配線長は、前記第2の配線層から1段下以外の前記中位配線層の配線長以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記中位配線層は、2層以上よりなり、
前記中位配線層間は、第3のヴィアによって接続され、
前記第3のヴィアは、平面方向から見て前記第1のヴィアと重なる位置に配され、
前記第2の配線層から1段下の前記中位配線層の配線幅は、前記第2の配線層から1段下以外の前記中位配線層の配線幅以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記第2の配線層の1段下の前記中位配線層は、平面方向から見て、矩形状若しくはT字形状又はL字形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の半導体集積回路。
【請求項7】
互いに電位の異なる第1の電位と第2の電位の1対の配線が所定の間隔をおいて平行に配された第1の配線層と、前記第1の配線層と異なる層に配されるとともに、前記第1の電位と前記第2の電位の1対の配線が配線トラックを有効にできる最小の間隔をおいて平行に配され、かつ、前記第1の配線層の配線と直交する第2の配線層と、を生成する工程と、
前記第2の配線層及び前記第1の配線層の交差部及び配線幅を抽出する工程と、
抽出した交差部及び配線幅に係る情報に基づいて、前記第1の配線層と前記第2の配線層の間に配されるとともに、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配される1又は複数の中位配線層と、前記中位配線層と前記第1の配線層の配線を接続するm個(mは1以上の整数)の第1のヴィアと、前記中位配線層と前記第2の配線層の配線を接続するm個(mは1以上の整数)の第2のヴィアと、を生成する工程と、
を含み、
前記第2のヴィアを生成する工程では、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、n列k行(n、kはそれぞれ1以上の整数かつn×k≧m)の矩形状に収まり、かつ、前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が前記第1の配線層と前記第2の配線層の交差部に配されるように前記第2のヴィアを生成し、
前記第1のヴィアを生成する工程では、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、j列h行型(j、hはそれぞれ1以上の整数かつj×h≧m)の矩形状に収まり、かつ、前記第1のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心よりも前記第2の配線層の前記第2の電位の配線側に所定量ずれるよう前記第1のヴィアを生成することを特徴とするレイアウト方法。
【請求項8】
互いに電位の異なる第1の電位と第2の電位の1対の配線が所定の間隔をおいて平行に配された第1の配線層と、前記第1の配線層と異なる層に配されるとともに、前記第1の電位と前記第2の電位の1対の配線が配線トラックを有効にできる最小の間隔をおいて平行に配され、かつ、前記第1の配線層の配線と直交する第2の配線層と、を生成する第1の生成部と、
前記第2の配線層及び前記第1の配線層の交差部及び配線幅を抽出する抽出部と、
抽出した交差部及び配線幅に係る情報に基づいて、前記第1の配線層と前記第2の配線層の間に配されるとともに、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配される1又は複数の中位配線層と、前記中位配線層と前記第1の配線層の配線を接続するm個(mは1以上の整数)の第1のヴィアと、前記中位配線層と前記第2の配線層の配線を接続するm個(mは1以上の整数)の第2のヴィアと、を生成する第2の生成部と、
を備え、
前記第2の生成部は、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、n列k行(n、kはそれぞれ1以上の整数かつn×k≧m)の矩形状に収まり、かつ、前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が前記第1の配線層と前記第2の配線層の交差部に配されるように前記第2のヴィアを生成し、
前記第2の生成部は、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、j列h行型(j、hはそれぞれ1以上の整数かつj×h≧m)の矩形状に収まり、かつ、前記第1のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心よりも前記第2の配線層の前記第2の電位の配線側に所定量ずれるよう前記第1のヴィアを生成することを特徴とするレイアウト装置。
【請求項9】
互いに電位の異なる第1の電位と第2の電位の1対の配線が所定の間隔をおいて平行に配された第1の配線層と、前記第1の配線層と異なる層に配されるとともに、前記第1の電位と前記第2の電位の1対の配線が配線トラックを有効にできる最小の間隔をおいて平行に配され、かつ、前記第1の配線層の配線と直交する第2の配線層と、を生成するステップと、
前記第2の配線層及び前記第1の配線層の交差部及び配線幅を抽出するステップと、
抽出した交差部及び配線幅に係る情報に基づいて、前記第1の配線層と前記第2の配線層の間に配されるとともに、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配される1又は複数の中位配線層と、前記中位配線層と前記第1の配線層の配線を接続するm個(mは1以上の整数)の第1のヴィアと、前記中位配線層と前記第2の配線層の配線を接続するm個(mは1以上の整数)の第2のヴィアと、を生成するステップと、
をレイアウト装置で実行させ、
前記第2のヴィアを生成するステップでは、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、n列k行(n、kはそれぞれ1以上の整数かつn×k≧m)の矩形状に収まり、かつ、前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が前記第1の配線層と前記第2の配線層の交差部に配されるように前記第2のヴィアを生成させ、
前記第1のヴィアを生成するステップでは、平面方向から見て前記第2の配線層及び前記第1の配線層のそれぞれの配線によって潰れる配線トラックの範囲内に配されるとともに、j列h行型(j、hはそれぞれ1以上の整数かつj×h≧m)の矩形状に収まり、かつ、前記第1のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心が前記第2のヴィアよりなるヴィアユニットのうち前記第1の電位用のヴィアユニットの平面方向から見たときの中心よりも前記第2の配線層の前記第2の電位の配線側に所定量ずれるよう前記第1のヴィアを生成させることを特徴とするレイアウトプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−202824(P2006−202824A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10214(P2005−10214)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000232036)NECマイクロシステム株式会社 (72)
【Fターム(参考)】