説明

単結晶ダイヤモンド上にPZT薄膜を形成する方法、PZT薄膜が形成された単結晶ダイヤモンド、及びPZT薄膜が形成された単結晶ダイヤモンドを使用したキャパシタ

【課題】強誘電性を示すペロブスカイト構造のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)薄膜をダイヤモンド単結晶上に直接成長させることが困難なため、従来技術では、酸化物薄膜(例えばAl/SrTiO連続膜)を緩衝層として用いていたが、強誘電特性は不十分であった。
【解決手段】ダイヤモンド単結晶基板またはエピタキシャル薄膜上にフッ化物(CaF、BaF、MgFの内一つ)を緩衝層として用いることにより、抗電界を同じ大きさ(33kV/cm)に保ちながら、従来の2倍の残留分極電荷(68μC/cm)を持つ優れた強誘電性のPZT薄膜を提供する。更に、p型ダイヤモンド(13)/フッ化物(14)/PZT(15)/金属(16)構造からなるキャパシタを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は単結晶ダイヤモンド上に良好な圧電特性を持ったチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O。以下、PZTと称する)薄膜を形成する方法、PZT薄膜が形成された単結晶ダイヤモンド、及びそのようなダイヤモンドを使用したキャパシタに関し、更に詳細には、単結晶タイヤモンドとPZT薄膜の間にフッ化物緩衝層を設けることに関する。
【背景技術】
【0002】
強誘電性及び圧電性を持つPZT薄膜は、シリコン半導体と組み合わせることにより、電子機械デバイス、センサ/アクチュエータ、及び不揮発性メモリデバイスとして既に工業化されている。一方、ダイヤモンド半導体は、エネルギーバンドギャップEg=5.5eVの広い値を持ち、半導体の中では最も堅い材料であり、耐熱性及び耐電圧性に極めて優れた材料である。これらPZT薄膜とダイヤモンド半導体を組み合わせた新規な電子機械デバイス、センサ/アクチュエータ、及び不揮発性メモリへの応用に関する報告例は極めて少ない。これは多結晶及び単結晶ダイヤモンド上に直接、強誘電性及び圧電性を持つペロブスカイト構造のPZT薄膜を作製することが難しいことに起因している。
【0003】
これまで多結晶ダイヤモンド膜上に白金(Pt)薄膜(特許文献1、2)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO)薄膜(特許文献3)を介して、即ち、これらの膜を緩衝層として用いることによってPZT薄膜を堆積させ、アニール処理を施すことによってペロブスカイト構造を得る方法が報告されている。しかしながら、このようにして得られたPZT薄膜は、シリコン上のSiO及びPt薄膜を介したPZT薄膜に比べると強誘電性特性が不十分であった。
【0004】
PZT薄膜の強誘電性特性の向上には、単結晶ダイヤモンド上にPZT薄膜を作製することが極めて重要である。これまでに、単結晶ダイヤモンド上にAl/SrTiO多層薄膜(ここで“/”は堆積順序を示し、“/”の左側を先に堆積させることを示す。以下同様)を緩衝層として用いてスパッタリング法によってPZT薄膜を堆積させ、アニール処理を施すことによって、ペロブスカイト構造のPZT薄膜を作製することにより、残留分極電荷31μC/cm及び抗電界35kV/cmが達成されている(非特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、デバイスに応用できるようなPZT薄膜を形成した単結晶ダイヤモンドを得るため、更に残留分極電荷の大きなPZT薄膜を得ることを目的とする。本発明はまたダイヤモンド内キャリアのPZT薄膜への注入を抑える絶縁層を得ることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、ダイヤモンド単結晶表面上にCaF、BaF、MgFから選ばれた少なくとも1種類のフッ化物の単層膜または多層膜を形成し、このフッ化物の単層膜又は多層膜の上にPZT膜を形成することによる、ダイヤモンド単結晶上にPZT薄膜を形成する方法が提供される。
【0007】
上記タイヤモンド単結晶表面は、ダイヤモンド単結晶基板表面あるいはダイヤモンド単結晶基板上に設けられたダイヤモンドエピタキシャル層表面とすることができる。
【0008】
上記ダイヤモンド単結晶基板はB添加p型ダイヤモンド単結晶基板であり、前記ダイヤモンドエピタキシャル層はp型ダイヤモンドエピタキシャル層とすることができる。
【0009】
上記フッ化物の膜を形成する前に、エピタキシャルダイヤモンド層表面を硫酸及び硝酸の混合溶液で処理することにより、表面伝導層を除去し及び酸素終端表面を得るようにすることができる。
【0010】
上記ダイヤモンド単結晶はIb型またはIIa型ダイヤモンド単結晶とすることができる。
【0011】
上記PTZ薄膜を形成した後、このPZT膜にアニール処理を施してペロブスカイト相に相転移させることができる。
【0012】
上記フッ化物の単層膜または多層膜の形成と蒸気PZT膜の形成は高周波マグネトロンスパッタリング法により行うことができる。
【0013】
本発明の他の側面によれば、ダイヤモンド単結晶表面上に形成されたCaF、BaF、MgFから選ばれた少なくとも1種類のフッ化物の単層膜または多層膜、及び上記フッ化物の単層膜又は多層膜の上に形成されたPZT膜とを設けた、PZT薄膜が形成されたダイヤモンドが与えられる。
【0014】
上記タイヤモンド単結晶表面はダイヤモンド単結晶基板上に設けられたダイヤモンドエピタキシャル層表面とすることができる。
【0015】
上記ダイヤモンド単結晶基板はB添加p型ダイヤモンド層単結晶基板であり、上記ダイヤモンドエピタキシャル層はp型ダイヤモンドエピタキシャル層とすることができる。
【0016】
上記ダイヤモンド単結晶はIb型あるはIIa型ダイヤモンド単結晶とすることができる。
【0017】
本発明の更に他の側面によれば、上記のPZT薄膜が形成されたダイヤモンドの前記PZT薄膜及び前記ダイヤモンド単結晶基板に夫々電極を設けたキャパシタが提供される。
【発明の効果】
【0018】
上記PZT薄膜の作成方法によって提供されるPZT薄膜付き単結晶ダイヤモンドにおいては、単結晶ダイヤモンド上のPZT薄膜は従来技術のほぼ2倍の極めて大きな残留分極電荷(68μC/cm)を持つという優れた特性を有する。
【0019】
また、上記キャパシタの作成方法によれば、p型ダイヤモンドからの順方向漏れ電流密度が10−6A/cm以下に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】p型ダイヤモンド基板/p型ダイヤモンドエピ層/CaF/PZT/金属構造からなる縦型のキャパシタの概略図。
【図2】WC−PZT−WCからなるくし形電極構造からなる横型ダイオードの概略図であり、aは断面図、bは平面図を表す。
【図3】Ib型ダイヤモンド(100)単結晶/CaF/PZT薄膜のX線回折パターンを示す図。
【図4】Ib型ダイヤモンド(100)単結晶/CaF/PZT薄膜/WCの測定された面内分極電荷の印加電界依存性を示す図。
【図5】p型ダイヤモンド基板/p型ダイヤモンドエピ層/CaF/PZT/金属構造からなるキャパシタの電流―電圧特性を示す図。
【図6】p型ダイヤモンド基板/p型ダイヤモンドエピ層/CaF/PZT/金属構造からなるキャパシタの規格化された静電容量―印加電圧特性を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明においては、単結晶ダイヤモンド上にCaF、BaF、及びMgFの内少なくとも一種類のフッ化物単層膜あるいは多層膜を形成して緩衝層として用いることにより、その上に良好な強誘電特性を有するPZT薄膜を作製できるようになる。更に、CaF、BaF、及びMgFのエネルギーバンドギャップがそれぞれ12、12.4、及び9.2eVでありダイヤモンドのEgよりかなり大きいため、これらのフッ化物膜はダイヤモンド内の電子または正孔に対して絶縁層(ブロッキング層)としても振舞うことが可能である。本発明ではこれを利用して、p型ダイヤモンド/絶縁物/PZT/金属構造からなるキャパシタも提供することができる。
【0022】
なお、単結晶ダイヤモンドとしては、以下の実施例ではIb型ダイヤモンドを使用しているが、IIa型ダイヤモンドを使用しても良い。
【実施例】
【0023】
以下では、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
【0024】
1.実施例1 ダイヤモンドエピタキシャル層上でのPZT薄膜の作成
【0025】
1−1 ダイヤモンドエピタキシャル層の作成
ダイヤモンドエピタキシャル層をマイクロ波プラズマ気相成長(MPCVD)法により成長させた。成長条件は以下の通りである。
・成長技術:マイクロ波プラズマ気相成長(MPCVD)法
・下地基板:ボロン(B)添加(100)面方位p型ダイヤモンド基板(ボロン濃度5×1019cm−3)、及びIb型絶縁性(100)面方位ダイヤモンド基板(大きさ2.5mm×2.5mm、厚さ0.5mm)
・原料ガス:メタン(CH)、流量0.4sccm
・キャリア(希釈)ガス:水素(H)、流量500sccm
・CH/H比:0.08%
・成長中圧力:80Torr
・マイクロ波パワー:400W
・基板温度:930℃
・成長時間:8時間
・エピタキシャル層の厚さ:0.5μm
【0026】
成長終了後、即ち、メタンガスの供給を止めた後、エピタキシャル層を10分間水素雰囲気下で基板温度に保持した。ダイヤモンドエピタキシャル層内のボロン濃度は1016cm−3であった。従ってダイヤモンド層の表面は水素終端された状態である。このプロセスは、ダイヤモンドエピタキシャル層を成長させる標準的なプロセスである。ダイヤモンドエピタキシャル層成長後、エピタキシャル基板は、表面伝導層を除去し酸素終端表面を得るために、硫酸及び硝酸の混合溶液中で250℃、30分間処理した。
【0027】
1−2 CaF及びPZT薄膜の作成
CaF及びPZT薄膜は高周波マグネトロンスパッタリング法によって作製された。スパッタリングターゲットはCaF(99.9%)及び化合物状態のPb(Zr0.52Ti0.48)O(99.9%)を用いた。ターゲットカソードにArガスを供給し13.56MHzの高周波を印加することによりプラズマ放電させ、スパッタリングを行った。スパッタリング中の圧力は1Paであった。CaF薄膜を12nm堆積後に、PZT薄膜を1μm堆積させた。PZT薄膜をペロブスカイト相とするために、試料に650℃で3分間のアニールを施した。
【0028】
PZT薄膜の面内横方向における残留分極電荷を測定するために、PZT表面に電極間隔10μmのくし型構造からなるWC電極をフォトリソグラフィー法により作製し、WC−PZT−WCからなる横型ダイオードを作成した。図2にこのようにして作成したWC−PZT−WCからなる横型ダイオードの概略図を示す。図2において、aは平面図、bは断面図である。Ib型ダイヤモンド単結晶基板23の上にCaF/PZT層22が形成されており、その上に更にWC電極21が形成される。WC電極幅21Lおよび電極間隔22Lは、ともに10μmである。くし型WC電極の全体の大きさは図2aにおいて、600×270μmである。Ib型ダイヤモンド単結晶基板23の大きさは2.5×2.5mmであり、この基板上にWC−PZT−WC横型ダイオードは少なくとも10個は作製できる。
【0029】
図3にIb型ダイヤモンド(100)単結晶/CaF/PZT薄膜のX線回折パターンを示す。回折線の指数はペロブスカイト相に対応しており、作製したPZT薄膜は強誘電相であるペロブスカイト単相であることがわかる。
【0030】
図4にIb型ダイヤモンド(100)単結晶/CaF/PZT薄膜にWCのくし形電極構造を作製した横型ダイオードに対して測定された面内分極電荷の印加電界依存性を示す。曲線41は印加電界±50kV/cm、曲線42は±60kV/cm、曲線43は±100kV/cmの範囲で測定した曲線をそれぞれ示す。曲線42及び43より、印加電界0kV/cmの分極電荷で定義される残留分極電荷は、68μC/cmであり、分極電荷0kV/cmの印加電界で定義される抗電界は33kV/cmである。これらの値は強誘電性薄膜として十分な値を示しており、非特許文献1のIb型ダイヤモンド(100)単結晶/Al/SrTiO/PZT薄膜に較べて、抗電界はほぼ同じであるが、残留分極電荷は約2倍大きいことがわかる。
【0031】
2.実施例2 キャパシタの作成
型ダイヤモンド基板/p型ダイヤモンドエピタキシャル層/CaF/PZT/金属構造からなるキャパシタを作製するために、ボロン添加基板裏面にオーム性電極としてTi/Wを、またPZT薄膜上に100μm径のWC電極を作製した。図1にp型ダイヤモンド基板/p型ダイヤモンドエピタキシャル層/CaF/PZT/金属構造からなる縦型のキャパシタの概略図を示す。図1において、実施例1で得られた構造、つまりボロン添加p型ダイヤモンド基板12の上にp型ダイヤモンドエピタキシャル層13を成長させ、更にその上にCaF薄膜14とPZT薄膜15を堆積し、アニーリングによりPZT薄膜15をペロブスカイト相とした構造の両面に電極を設けた。p型ダイヤモンド基板12の裏面にはTi/WC電極11を、またPZT薄膜15の上にはWC電極16を設け、WC電極16の直径11Lは100μmとした。
【0032】
図5に、上で作製したp型ダイヤモンド基板/p型ダイヤモンドエピタキシャル層/CaF/PZT/金属構造からなるキャパシタの電流―電圧特性を示す。電圧の符号は、基板側のTi/WC電極を接地する(つまり、この電極をゼロ電位とする)ことによって定義されている。p型ダイヤモンド基板/p型ダイヤモンドエピタキシャル層を用いるため、WC電極が負電圧極性においてはダイヤモンド側の正孔がWC電極に注入されるバイアス条件(順方向バイアス条件)であり、一方、正電圧極性においては逆方向バイアス条件となっている。図から、ゼロVから負電圧−5Vまでの範囲で順方向の漏れ電流密度は10−6A/cm以下に抑制できていることがわかる。また、ゼロVから正電圧5Vまでの範囲で逆方向の漏れ電流密度は10−8A/cm以下である。このようにして、CaF/PZT薄膜構造がダイヤモンド内正孔に対するブロッキング層、即ち絶縁層として働いていることがわかる。
【0033】
図6に、p型ダイヤモンド基板/p型ダイヤモンドエピタキシャル層/CaF/PZT/金属構造からなるキャパシタの規格化された静電容量―印加電圧特性を示す。図5と同様に、電圧の符号は、基板側のTi/WC電極を接地することによって定義されており、電圧の掃引は、図中の矢印で示す通り、+8Vからスタートし、−8Vで折り返し増加させ+8Vで止めた。+8Vから−3Vまでの静電容量の単調増加はダイヤモンドエピタキシャル層内に形成される空間電荷領域の減少に対応しており、−3Vから−8Vまでの変化に対して静電容量が一定値をとることは、p型ダイヤモンドエピ層/CaF界面のダイヤモンドエピ層内に正孔の蓄積が起きていることを示している。このようにして、CaF/PZT多層薄膜はダイヤモンド内正孔に対して絶縁層として働くことが実証される。
【0034】
なお、上述の実施例においては、PZT薄膜作成のための緩衝層のフッ化物としてCaFを使用したが、この緩衝層は、フッ化物としてCaF、BaF、及びMgFの少なくとも一つを使用した単層膜あるいは多層膜であればよい。また金属電極としてWCを用いてp型ダイヤモンド/CaF/PZT/金属構造のキャパシタを作製したが、この金属電極には任意の金属を使用することができる。
【0035】
また、ダイヤモンド単結晶の面方位は実施例では(100)を利用しているが、他の任意の面、例えば(111)や(110)でも構わない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上詳細に説明したように、本発明によれば大きな残留分極電荷を持つという優れた特性を有するPZT薄膜が単結晶ダイヤモンド上に提供され、またダイヤモンドからの順方向漏れ電流密度が小さいキャパシタが提供される。
【符号の説明】
【0037】
11:Ti/WC電極
12:ボロン添加p型ダイヤモンド単結晶基板
13:p型ダイヤモンドエピタキシャル層
14:CaF薄膜
15:PZT薄膜
16:WC電極
11L:WC電極の直径
21:WC電極
22:CaF/PZT層
23:Ib型ダイヤモンド単結晶基板
21L:WC電極の幅
22L:電極間隔
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】特許公開公報2002−098622号「ダイヤモンド薄膜上にPZT圧電薄膜を形成する方法」
【特許文献2】米国特許公報7,602,105号、“Piezoelectrically actuated ultrananocrystalline diamond tip array integrated with ferroelectric or phase change media for high−density memory”
【特許文献3】米国特許公報6,248,394号、“Process for fabricating device comprising lead zirconate titanate”
【非特許文献】
【0039】
【非特許文献1】M. Y. Liao, M. Imura, X. Fang, K. Nakajima, G. Chen, and Y. Koide, “Integration of (PbZr0,52Ti0.48O3) on single crystal diamond as metal−ferroelectric−insulator−semiconductor capacitor,” Appl. Phys. Letts., 94, 242901, 2009.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ(a)及び(b)を設けたダイヤモンド単結晶上にPZT薄膜を形成する方法。
(a)ダイヤモンド単結晶表面上にCaF、BaF、MgFから選ばれた少なくとも1種類のフッ化物の単層膜または多層膜を形成する。
(b)前記フッ化物の単層膜又は多層膜の上にPZT膜を形成する。
【請求項2】
前記タイヤモンド単結晶表面はダイヤモンド単結晶基板上に設けられたダイヤモンドエピタキシャル層表面である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ダイヤモンド単結晶基板はB添加p型ダイヤモンド単結晶基板であり、前記ダイヤモンドエピタキシャル層はp型ダイヤモンドエピタキシャル層である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(a)の前に、前記エピタキシャルダイヤモンド層表面を硫酸及び硝酸の混合溶液で処理することにより、表面伝導層を除去し及び酸素終端表面を得る、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記ダイヤモンド単結晶はIb型あるいはIIa型ダイヤモンド単結晶である、請求項1から4のいずれかに記載のダイヤモンド単結晶上にPZT薄膜を形成する方法。
【請求項6】
前記ステップ(b)の後に、前記PZT膜にアニール処理を施して前記PZT膜をペロブスカイト相に相転移させるステップを設けた、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記ステップ(a)の前記フッ化物の単層膜または多層膜の形成と前記ステップ(b)の前記PZT膜の形成は高周波マグネトロンスパッタリング法により行われる、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
以下の(a)及び(b)を設けた、PZT薄膜が形成されたダイヤモンド。
(a)ダイヤモンド単結晶表面上に形成されたCaF、BaF、MgFから選ばれた少なくとも1種類のフッ化物の単層膜または多層膜。
(b)前記フッ化物の単層膜又は多層膜の上に形成されたPZT膜。
【請求項9】
前記タイヤモンド単結晶表面はダイヤモンド単結晶基板上に設けられたダイヤモンドエピタキシャル層表面である、請求項8記載のPZT薄膜が形成されたダイヤモンド。
【請求項10】
前記ダイヤモンド単結晶基板はB添加p型ダイヤモンド層単結晶基板であり、前記ダイヤモンドエピタキシャル層はp型ダイヤモンドエピタキシャル層である、請求項9記載のPZT薄膜が形成されたダイヤモンド。
【請求項11】
前記ダイヤモンド単結晶はIb型あるいはIIa型ダイヤモンド単結晶である、請求項8から10のいずれかに記載のPZT薄膜が形成されたダイヤモンド。
【請求項12】
請求項8から11のいずれかに記載のPZT薄膜が形成されたダイヤモンドの前記PZT薄膜及び前記ダイヤモンド単結晶基板に夫々電極を設けたキャパシタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−113986(P2011−113986A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265854(P2009−265854)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】