説明

基板のための洗浄溶液配合

【課題】
【解決手段】本発明の一実施形態によると、腐食防止剤と、可溶化剤と、脱酸素剤と、pH調整剤としても機能する錯化剤とを含む洗浄溶液が提供されている。本発明の別の実施形態では、pH調整剤と、随意的な錯化剤と、腐食防止剤とを含む洗浄溶液が提供されている。洗浄溶液は、可溶化剤を随意的に有してもよく、界面活性剤を随意的に有してもよく、誘電体エッチャントを随意的に有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路などの電子デバイスの製造に関し、特に、メタライゼーション構造を形成するためにキャップおよび誘電体を備えた金属線を有する基板のための洗浄溶液配合に関する。
【背景技術】
【0002】
メタライゼーション構造のエレクトロマイグレーションおよびストレスマイグレーション特性を向上するために、電子デバイスにおいて無電解めっきキャップを用いることができる。無電解めっきプロセスは、湿式化学プロセスである。かかるプロセスは、基板を洗浄するために、湿式洗浄プロセスと共に用いられることが多い。多くの洗浄用途のための溶液が知られているが、本発明の発明者は、電子デバイスの製造のために基板を洗浄するのに適した新規および/または改良された洗浄溶液配合および方法の必要性を認識した。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、電子デバイスの製造に関する。本発明の一実施形態は、腐食防止剤と、可溶化剤と、脱酸素剤と、pH調整剤としても機能する錯化剤と、を含む洗浄溶液である。本発明の別の実施形態は、pH調整剤と、随意的な錯化剤と、腐食防止剤とを含んでよい洗浄溶液であり、洗浄溶液は、さらに、可溶化剤、誘電体エッチャント、および、界面活性剤のうちの1または複数を含んでもよい。
【0004】
本発明は、その出願において、以下の説明に記載された構造の詳細および要素の構成に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々な形態で実施および実行されることが可能である。さらに、本明細書で用いられている表現および用語は、説明を目的としたものであり、限定と見なされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下に定義した用語に対して、特許請求の範囲または明細書の他の部分において異なる定義が与えられない限りは、これらの定義が適用されるべきである。すべての数値は、本明細書では、明示されているか否かにかかわらず、「約」という用語によって修飾されるものとして定義される。「約」という用語は、一般に、記載された値と等価であって、実質的に同じ特性、機能、結果などをもたらすと、当業者が考える数値の範囲を指す。低い値および高い値によって示される数値範囲は、その数値範囲内に含まれる数値すべてと、その数値範囲内に含まれる部分範囲すべてを含むものとして定義される。一例として、10から15の範囲は、10、10.1、10.47、11、11.75から12.2、12.5、13から13.8、14、14.025、および、15を含むが、これらに限定されない。
【0006】
本発明は、導電性金属をキャップおよび誘電体と共に用いて、集積回路などの電子デバイスのためのダマシンメタライゼーション構造を形成する相互接続メタライゼーションに関する。より具体的には、本発明は、電子デバイス用の基板を洗浄するための洗浄溶液配合に向けられている。いくつかの応用例について、相互接続メタライゼーション層は、誘電体と、銅などの金属とを含む。
【0007】
以下では、本発明の実施形態について、主に、集積回路の製造に用いられるシリコンウエハなどの半導体ウエハの処理との関連で説明する。集積回路用のメタライゼーション層は、ダマシンおよび/またはデュアルダマシン誘電体構造に形成される金属線用の銅を含む。銅金属線は、無電解めっきキャップを有する。いくつかの好ましいキャップは、コバルト合金、コバルト−タングステン合金、コバルト−タングステン−リン−ホウ素合金、コバルト−ニッケル合金、および、ニッケル合金などの多元素合金である。随意的に、誘電体は、炭素ドープ酸化シリコン(SiOC:H)などの低誘電率材料である。ただし、本発明に従った実施形態は、他の半導体デバイス、銅以外の金属、ニッケルおよび/またはコバルト以外の金属を用いたキャップ、および、半導体ウエハ以外のウエハに用いられてもよいことを理解されたい。
【0008】
いくつかの用途について、本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、キャップの蒸着後に基板を洗浄するために利用可能である。洗浄溶液は、キャップを設けられた銅相互接続構造の間の誘電体表面上に残ったイオンなどの汚染物質を除去することができる。かかる汚染物質の除去は、リーク電流特性の改善、電圧破壊特性の改善、および、時間依存絶縁破壊性能の改善などの結果を生じうる。
【0009】
セクション1
本発明の一実施形態に従った洗浄溶液は、腐食防止剤と、可溶化剤と、脱酸素剤と、pH調整剤としても機能する錯化剤と、を含む。随意的に、本発明のいくつかの実施形態では、洗浄溶液は、水溶液である。しかし、本発明の他の実施形態は、水の代わりに非水液体が用いられた非水洗浄溶液であってもよい。
【0010】
一般に、本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、3以下のpHを有する。随意的に、洗浄溶液のpHは、いくつかの実施形態については2.5以下であってもよい。本発明の好ましい実施形態は、最大約2.3までのpHを有する洗浄溶液を含む。
【0011】
腐食防止剤
上述したように、本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、腐食防止剤を含む。随意的に、洗浄溶液は、2以上の腐食防止剤を含んでもよい。腐食防止剤の機能の一つは、洗浄溶液内でキャップを実質的に保護すること、すなわち、キャップの溶解を抑えることであってよい。いくつかの用途について、本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、キャップの厚さをほとんどまたは実質的に全く減少させることなく基板を洗浄するよう構成される。その目的のために、1または複数の腐食防止剤が、本発明の実施形態に含まれてよい。
【0012】
数多くの化合物が、本発明の実施形態に従った洗浄溶液中の腐食防止剤としての利用に適している。本発明の実施形態のための腐食防止剤のリストには、以下のものが含まれるが、これらに限定されない:トリアゾールと、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、5ーメチルベンゾトリアゾール(ケミカルアブストラクトサービス(CAS)#[136−85−6])、カルボキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾールなどのトリアゾール誘導体、および、メルカプトベンゾチアゾールのような誘導体;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコールおよびその誘導体;ポリアミン;ポリイミン;ポリアルキルイミン;ポリエチレンイミン;長鎖アルキルアミン;テトラゾール;無機リン酸塩、アルキルリン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩などを含むがこれらに限定されないリン酸塩;メタリン酸塩;亜リン酸塩;アルキルホスホン酸塩、フルオロアルキルホスホン酸塩などを含むがこれに限定されないホスホン酸塩;ケイ酸塩;アルコキシシラン;亜硝酸塩;ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩;これらの誘導体;これらの混合物。
【0013】
一般に、有効量の腐食防止剤が、洗浄溶液中に提供される。換言すると、洗浄溶液中の腐食防止剤の量は、洗浄溶液が、基板を洗浄すると共にキャップの腐食を十分に防止するのに有効であるように選択される。本発明のいくつかの実施形態について、洗浄溶液は、1または複数の腐食防止剤を含み、各腐食防止剤は、0.1から50ミリモル(mM)の濃度範囲で洗浄溶液中に存在する。本発明の実施形態に従ったいくつかの洗浄溶液に対する選択肢として、腐食防止剤は、0.1から10000パーツ・パー・ミリオン(ppm)までの範囲の濃度、および、その範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で存在する。別の選択肢として、腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲の濃度、および、その範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で存在する。
【0014】
本発明の具体的な実施形態に従った洗浄溶液は、以下のものであるが、これらに限定されない。洗浄溶液であって、腐食防止剤はトリアゾール化合物である、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤はトルオールトリアゾールまたはベンゾトリアゾールを含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含む、洗浄溶液。
【0015】
可溶化剤
一つの選択肢として、本発明のいくつかの実施形態は、1または複数の可溶化剤をさらに含む洗浄溶液を含みうる。本発明の実施形態における可溶化剤は、液体中に部分的にしか溶解しえない別の材料の液体内(水など)での溶解度を高める物質である。本発明のいくつかの実施形態のための可溶化剤は、腐食防止剤のうちの1または複数の溶解度を高めることによって単相の洗浄溶液を作り出すために提供されてよい。いくつかの状況に対して、可溶化剤は、水溶液である本発明の実地形態については腐食防止剤を水に可溶化するために提供されてよく、腐食防止剤は、水への溶解度が低いまたは不十分である。随意的に、可溶化剤は、基板表面からの有機汚染物質の除去に役立つような目的で含有されてもよい。
【0016】
数多くの化合物が、本発明の実施形態の可溶化剤としての利用に適している。本発明の実施形態のための可溶化剤のリストには、以下のものが含まれるが、これらに限定されない:第一級アルコール;第二級アルコール;第三級アルコール;イソプロピルアルコール;ポリオール、グリコール、エチレングリコール(CAS#[107−21−1])、プロピレングリコール、2−nーブトキシエタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、プロピレンカーボネートなど、複数のヒドロキシル基を有するアルコール;および、これらの組み合わせ。本発明のいくつかの実施形態は、洗浄溶液中に1または複数の可溶化剤を含んでよい。
【0017】
本発明の実施形態は、有効量の可溶化剤を用いる。これは、洗浄溶液中に存在する可溶化剤の量が、単相溶液を生成するのに有効であることを意味する。具体的な量は、洗浄溶液に含まれる腐食防止剤の量および特性などの要素に依存する。いくつかの腐食防止剤は、可溶化剤の利用を必要としてよく、一方、他の腐食防止剤は、可溶化剤が洗浄溶液中に含まれる必要がないように、洗浄水溶液または他の非水洗浄溶液について水への溶解度が十分であってよい。本発明の1または複数の実施形態に従った洗浄水溶液について、可溶化剤の量は、洗浄溶液の0から約200ミリリットル/洗浄溶液1リットル(mL/L)の濃度であってよい。
【0018】
脱酸素剤
本発明のいくつかの実施形態に従った洗浄溶液は、1または複数の脱酸素剤を含む。脱酸素剤は、溶存酸素またはその他の酸化種を洗浄溶液から除去するために用いることができる化合物である。より具体的には、脱酸素剤は、洗浄溶液中の溶存酸素またはその他の酸化種を還元する。いくつかの用途について、溶存酸素量は、溶存酸素またはその他の酸化種によるキャップの酸化を実質的に防ぐために最小に維持される。
【0019】
数多くの化合物が、溶存酸素およびその他の酸化種に対する脱酸素剤としての利用に適している。本発明の実施形態に対する脱酸素剤のリストは、以下を含むがこれらに限定されない:Lーアスコルビン酸(CAS#[50−81−7])、D−アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、クロロゲン酸、コーヒー酸、ルテオリン、亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸テトラメチルアンモニウムなどを含むがこれらに限定されない亜硫酸塩、および、それらの組み合わせ。
【0020】
一般に、有効量の1または複数の脱酸素剤が、本発明の実施形態に従った洗浄溶液に含まれる。本発明のいくつかの実施形態は、約0から10000ppmの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の量で洗浄溶液中に存在する1または複数の脱酸素剤を含む。別の実施形態において、脱酸素剤は、1000から5000ppmの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で洗浄溶液中に存在する。本発明の1または複数の実施形態は、洗浄溶液中の溶存酸素の濃度を1ppm未満に維持する。本発明のいくつかの実施形態において、有効量の1または複数の脱酸素剤を供給することにより、低レベルの溶存酸素が実現される。
【0021】
本発明の具体的な実施形態に従った洗浄溶液は、以下のものであるが、これらに限定されない。洗浄溶液であって、脱酸素剤は、0から10000ppmの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のLーアスコルビン酸を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、脱酸素剤は、1000から5000ppmの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のLーアスコルビン酸を含む、洗浄溶液。
【0022】
錯化剤/pH調整剤
本発明のいくつかの実施形態に従った洗浄溶液中の錯化剤は、金属イオンと錯体を形成することができるような官能基を有し、洗浄溶液のpHを調整することができるような1または複数の官能基をさらに有する。より具体的には、錯化剤は、洗浄溶液のpHを約3以下に維持するようなpH調整剤としても機能することができる。本発明の実施形態に従った洗浄溶液のための錯化剤は、Lars Gunnar SillenおよびArthur E.Martellによる「Stability Constants of Metal−Ion Complexes: Inorganic Ligands, Organic Ligands; and Supplement」、2巻セット(特別版第17号および補遺版第1号)、1972年、に記載されており、これは、参照によって本明細書にその全体が組み込まれる。pH調整剤の機能を有しうる錯化剤のリストは、以下を含むがこれらに限定されない:シュウ酸(CAS#[6153−56−6])、ピロリン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(CAS#[2809−21−4]、エチドロン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、または、HEDPAとも呼ばれる)、フィチン酸、マロン酸、マレイン酸、およびそれらの混合物。
【0023】
一般に、本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、基板の表面から除去された金属イオンと錯体を形成すると共にpHを所望のレベルに維持するようなpH調整剤として機能することができる有効量の錯化剤を含む。必要とされる具体的な量は、錯化剤の特性に依存する。本発明のいくつかの実施形態について、錯化剤の量は、約0.1モル(M)未満の濃度、または、ポリマー酸の場合には約50グラム/リットル(g/L)未満である。
【0024】
本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、数多くの具体的な配合のうちの任意の1つを有してよい。洗浄溶液が、腐食防止剤と、可溶化剤と、脱酸素剤と、pH調整剤としても機能しうる錯化剤と、を含む本発明の実施形態に従った洗浄溶液のいくつかの任意選択の具体的な配合の例は、以下を含むがこれらに限定されない。
【0025】
洗浄溶液であって、腐食防止剤はトリアゾール化合物を含み、脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤はトルオールトリアゾールまたはベンゾトリアゾールを含み、脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、脱酸素剤はLーアスコルビン酸を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、錯化剤は、シュウ酸、ピロリン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、マロン酸、マレイン酸、または、それらの混合物を含む、洗浄溶液。
【0026】
洗浄溶液であって、可溶化剤は、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール、ポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−n−ブトキシエタノール、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、または、それらの組み合わせを含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、可溶化剤はジメチルスルホキシドを含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、可溶化剤はイソプロピルアルコールを含む、洗浄溶液。
【0027】
洗浄溶液であって、腐食防止剤はトリアゾール化合物を含み;可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を含み;脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含み;錯化剤は、シュウ酸、ピロリン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、マロン酸、マレイン酸、または、それらの混合物を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤はトルオールトリアゾールまたはベンゾトリアゾールを含み;溶媒は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を含み;脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含み;錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み;脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含み;錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み;脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含み;錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【0028】
洗浄溶液であって、脱酸素剤は、0から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のL−アスコルビン酸を含み;錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、脱酸素剤は、1000から5000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のL−アスコルビン酸を含み;錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【0029】
洗浄溶液であって、錯化剤は、シュウ酸、ピロリン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、マロン酸、マレイン酸、または、それらの混合物を、約2g/Lから約50g/Lまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、約0.1から約10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み;可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−nーブトキシエタノール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を、約200mL/Lまでの濃度で含み;脱酸素剤は、0から約10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のL−アスコルビン酸を含み;錯化剤は、シュウ酸を、約0.5から約20g/Lまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で含む、洗浄溶液。
【0030】
洗浄溶液であって、腐食防止剤は、約100から約2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み;可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を、約1mL/Lから約200mL/Lまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で含み;脱酸素剤は、約1000から約5000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のL−アスコルビン酸を含み;錯化剤は、約0.5から約20g/Lまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【0031】
洗浄溶液であって、腐食防止剤は、約1g/Lの濃度の5−メチルベンゾトリアゾールを含み;可溶化剤は、約50mL/Lの濃度のエチレングリコールを含み;脱酸素剤は、約1g/Lの濃度のL(+)−アスコルビン酸を含み;錯化剤は、約10g/Lの濃度のシュウ酸二水和物を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤はトリアゾール化合物であり、可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を含む、洗浄溶液。
【0032】
洗浄溶液であって、腐食防止剤はトルオールトリアゾールまたはベンゾトリアゾールを含み、可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、約0.1から約10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で存在し、可溶化剤は、約200mL/Lまでの濃度で存在する、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、約100から約2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で存在し、可溶化剤は、約1mL/Lから約200mL/Lまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で存在する、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を、約200mL/Lまでの濃度で含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を、約1mL/Lから約200mL/Lまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で含む、洗浄溶液。
【0033】
洗浄溶液であって、腐食防止剤は、約1g/Lの濃度の5−メチルベンゾトリアゾールを含み;可溶化剤は、約50mL/Lの濃度のイソプロピルアルコールを含み;脱酸素剤は、約1g/Lの濃度のL(+)−アスコルビン酸を含み;錯化剤は、約10g/Lの濃度のシュウ酸二水和物を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、腐食防止剤は、約1g/Lの濃度の5−メチルベンゾトリアゾールを含み;可溶化剤は、約1000mL/Lまでの濃度のジメチルスルホキシドを含み;脱酸素剤は、約1g/Lの濃度のL(+)−アスコルビン酸を含み;錯化剤は、約10g/Lの濃度のシュウ酸二水和物を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、脱酸素剤は、D−アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、および/または、亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸テトラメチルアンモニウムなどを含むがこれらに限定されない亜硫酸塩を含む、洗浄溶液。
【0034】
本発明の一実施形態によると、洗浄溶液は、可溶化剤として約20mL/Lのジメチルスルホキシドを含む。本発明のいくつかの実施形態に対する1つの選択肢として、洗浄溶液は、ジメチルスルホキシドなどの非水溶媒を含む非水溶液であってよい。より具体的には、洗浄溶液は、腐食防止剤、脱酸素剤、および、錯化剤が溶解したジメチルスルホキシドなどの非水溶媒を含んでよい。
【0035】
セクション2
ここで、本発明の他の実施形態に従った洗浄溶液の配合のリストを示す表1について説明する。洗浄溶液は、表1に示すものを含むがこれらに限定されない。洗浄溶液は、pH調整剤、随意的な錯化剤、および、腐食防止剤を含んでよい。表1は、さらに、洗浄溶液が、可溶化剤を随意的に有してよく、界面活性剤を随意的に有してよく、誘電体エッチャントを随意的に有してよいことを示している。
【0036】
【表1】

【0037】
本発明のいくつかの実施形態に対する一つの選択肢として、洗浄溶液は、洗浄溶液の主な成分として水を有する水溶液であってよい。ただし、本発明の他の実施形態は、非水溶液の洗浄溶液であってもよく、その場合、溶液の主な成分は非水液体溶媒であってよい。
【0038】
一般に、本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、3以下のpHを有する。随意的に、洗浄溶液のpHは、いくつかの実施形態については2以下であってもよい。本発明の好ましい実施形態は、最大約2.3までのpHを有する洗浄溶液を含む。
【0039】
pH調整剤
本発明のいくつかの実施形態に従った洗浄溶液中のpH調整剤は、洗浄溶液のpHを約3未満の所望のレベルに維持することができるような官能基を有する。本発明の具体的な実施形態について、これは、pH調整剤が、酸性洗浄溶液を生成するために官能基を有することを意味しうる。随意的に、pH調整剤は、錯化剤として機能してもよい。
【0040】
本発明の実施形態のためのpH調整剤のリストは、以下を含むがこれらに限定されない:硫酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびトリフル酸などを含むがこれらに限定されないスルホン酸;次亜リン酸;シュウ酸;トリフルオロ酢酸を含むがこれに限定されないハロゲン化カルボン酸;アセチレンジカルボン酸;スクアリン酸;ジヒドロキシフマル酸;マレイン酸;および、それらの混合物。一つの選択肢として、pH調整剤は、2以下のpKaを有する1または複数の酸を含んでよく、pKaは、酸解離定数Kaの負の対数であり、1または複数の酸は、洗浄溶液を3以下の所望の酸性pHに調整することができる。あるいは、pH調整剤は、1.5以下のpKaを有する1または複数の酸を含んでもよく、1または複数の酸は、洗浄溶液を3以下の所望の酸性pHに調整することができる。
【0041】
一般に、本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、pHを所望のレベルに維持するために、有効量のpH調整剤を含む。必要とされる具体的な量は、pH調整剤の特性に依存する。本発明のいくつかの実施形態について、錯化剤の量は、約0Mから約0.1Mの濃度、または、ポリマー酸の場合には50g/Lである。
【0042】
錯化剤
本発明のいくつかの実施形態に従った洗浄溶液中の錯化剤は、金属イオンと錯体を形成することができるような官能基を有する。本発明の実施形態に従った洗浄溶液のための錯化剤は、Lars Gunnar SillenおよびArthur E.Martellによる「Stability Constants of Metal−Ion Complexes: Inorganic Ligands, Organic Ligands; and Supplement」、2巻セット(特別版第17号および補遺版第1号)、1972年、に記載されており、これは、参照によって本明細書にその全体が組み込まれる。数多くの化合物が、本発明の実施形態の錯化剤としての利用に適している。本発明の実施形態のための錯化剤のリストは、以下を含むがこれらに限定されない:カルボン酸;ヒドロキシカルボン酸;クエン酸;シュウ酸;ヒドロキシエチリデンジホスホン酸などを含むがこれに限定されないホスホン酸;フィチン酸;および、それらの組み合わせ。一般に、本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、基板の表面から除去された金属イオンと錯体を形成することができる有効量の錯化剤を含む。本発明のいくつかの実施形態は、各錯化剤について約0.1mMから200mMの濃度範囲で洗浄溶液中に存在する1または複数の錯化剤を含む。
【0043】
腐食防止剤
表1に示したような本発明の実施形態のための洗浄溶液中の腐食防止剤は、セクション1で上述した腐食防止剤と基本的に同じものである。
【0044】
可溶化剤
表1に示したような本発明の実施形態のための洗浄溶液中の可溶化剤は、セクション1で上述した可溶化剤と基本的に同じものである。
【0045】
界面活性剤
一つの選択肢として、本発明のいくつかの実施形態に従った洗浄溶液は、1または複数の界面活性剤すなわち表面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、洗浄中に基板の十分な湿潤状態を維持するために含有される。基板の誘電体領域が湿潤されると共に、基板のキャップ領域が湿潤されるように、基板の表面全体が洗浄溶液によって十分に湿潤されることが好ましい。
【0046】
数多くの化合物が、本発明の実施形態の界面活性剤としての利用に適している。本発明の実施形態のための界面活性剤のリストは、以下を含むがこれらに限定されない:陰イオン界面活性剤;陽イオン界面活性剤;非イオン界面活性剤;両性界面活性剤;および、それらの組み合わせ。本発明のいくつかの実施形態のための陰イオン界面活性剤の一部は、硫酸基またはスルホン酸基を頭部基として有する界面活性剤である。本発明のいくつかの一実施形態に従った洗浄溶液は、各界面活性剤について配合の活性成分に対して約0ppmから約2000ppmの範囲の量で存在する1または複数の界面活性剤を含む。界面活性剤の分子量は、既知であるとは限らない。
【0047】
誘電体エッチャント
一つの選択肢として、本発明のいくつかの実施形態に従った洗浄溶液は、1または複数の誘電体エッチャントを含んでもよい。誘電体エッチャントは、洗浄溶液によって洗浄される基板の誘電体層をエッチングすることができる洗浄溶液の成分である。誘電体エッチャントは、基板からの汚染物質の除去を円滑にするために提供される。上述のように、誘電体層は、通例、電子デバイス製造で利用される誘電体である。典型的な誘電体層は、ケイ素および酸素を含む。本発明の1または複数の実施形態は、炭素ドープ酸化ケイ素などの低誘電体のための誘電体エッチャントを含む。本発明の実施形態のための誘電体エッチャントのリストは、以下を含むがこれらに限定されない:フッ化水素、テトラフルオロホウ酸水素、ヘキサフルオロケイ酸水素、非アルカリ金属フッ化物、非アルカリ金属テトラフルオロホウ酸塩、および、非アルカリ金属ヘキサフルオロケイ酸塩などの化合物。
【0048】
随意的に、誘電体エッチャントの選択および洗浄溶液内での濃度の選択は、誘電体層における特定量の金属汚染された表面の除去を制御するためのパラメータとして利用できる。本発明のいくつかの実施形態について、洗浄溶液中の誘電体エッチャントの量は、1mMから100mMの範囲である。
【0049】
本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、数多くの具体的な配合のうちの任意の1つを有してよい。洗浄溶液が、pH調整剤と、随意的な錯化剤と、腐食防止剤とを含む本発明の実施形態に従った洗浄溶液のいくつかの任意選択の具体的な配合の例は、以下を含むがこれらに限定されない。
【0050】
洗浄溶液であって、さらに、腐食防止剤を可溶化することができる可溶化剤を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、さらに、可溶化剤と界面活性剤とを含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、さらに、可溶化剤、誘電体エッチャント、および、界面活性剤のうちの1または複数を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、さらに、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール、ポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−n−ブトキシエタノール、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、および、それらの組み合わせからなる群より選択された可溶化剤を含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、さらに、エチレングリコールを含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、さらに、イソプロピルアルコールを含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、さらに、ジメチルスルホキシドを含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、錯化剤は、シュウ酸、クエン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、または、それらの混合物を含む、洗浄溶液。
【0051】
洗浄溶液であって、腐食防止剤は、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリイミン、ポリアルキルイミン、ポリエチレンイミン、長鎖アルキルアミン、テトラゾール、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、ケイ酸塩、アルキルホスホン酸塩、フルオロアルキルホスホン酸塩、アルコキシシラン、亜硝酸塩、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、これらの誘導体、および、これらの組み合わせのうちの1または複数を含む、洗浄溶液。
【0052】
洗浄溶液であって、界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、または、それらの組み合わせを含む、洗浄溶液。洗浄溶液であって、界面活性剤は、硫酸塩および/またはスルホン酸塩を含む、洗浄溶液。
【0053】
洗浄溶液であって、誘電体エッチャントは、ケイ素酸素化合物をエッチングする、洗浄溶液。洗浄溶液であって、誘電体エッチャントは、フッ化水素、テトラフルオロホウ酸水素、ヘキサフルオロケイ酸水素、非アルカリ金属フッ化物、非アルカリ金属テトラフルオロホウ酸塩、非アルカリ金属ヘキサフルオロケイ酸塩、および、それらの混合物のうちの1または複数を含む、洗浄溶液。
【0054】
洗浄溶液が、pH調整剤と、随意的な錯化剤と、腐食防止剤と、可溶化剤、誘電体エッチャント、および、界面活性剤のうちの1または複数とを含む本発明の実施形態に従った洗浄溶液のいくつかの任意選択の具体的な配合の例は、以下を含むがこれらに限定されない。
【0055】
洗浄水溶液であって、pH調整剤は、硫酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフル酸、次亜リン酸、シュウ酸、ハロゲン化カルボン酸、トリフルオロ酢酸、アセチレンジカルボン酸、スクアリン酸、ジヒドロキシフマル酸、マレイン酸、または、それらの混合物を含み;錯化剤は、シュウ酸、クエン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、または、それらの混合物を含み;腐食防止剤は、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、5ーメチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリイミン、ポリアルキルイミン、ポリエチレンイミン、長鎖アルキルアミン、テトラゾール、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、ケイ酸塩、アルキルホスホン酸塩、フルオロアルキルホスホン酸塩、アルコキシシラン、亜硝酸塩、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、それらの誘導体、および、それらの組み合わせを含み;可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を含み;誘電体エッチャントは、フッ化水素、テトラフルオロホウ酸水素、ヘキサフルオロケイ酸水素、非アルカリ金属フッ化物、非アルカリ金属テトラフルオロホウ酸塩、非アルカリ金属ヘキサフルオロケイ酸塩、および、それらの混合物のうちの1または複数を含み;界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、または、それらの組み合わせを含み;洗浄水溶液は、3以下のpHを有する、洗浄水溶液。
【0056】
洗浄水溶液であって、pH調整剤は、約0Mから約0.1Mの範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し;錯化剤は、約0.1mMから約200mMの範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し;腐食防止剤は、約0.1mMから約50mMの範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し;可溶化剤は、約0mL/Lから約200mL/Lの範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し;誘電体エッチャントは、約1mMから約100mMの範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し;界面活性剤は、約0ppmから約2000ppmの範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し;洗浄水溶液は、3以下のpHを有する、洗浄水溶液。
【0057】
洗浄水溶液であって、pH調整剤は、約0.1M未満の濃度を有し、硫酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフル酸、次亜リン酸、シュウ酸、ハロゲン化カルボン酸、トリフルオロ酢酸、アセチレンジカルボン酸、スクアリン酸、ジヒドロキシフマル酸、マレイン酸、または、それらの混合物を含み;錯化剤は、約0.1mMから約200mMの濃度を有し、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、クエン酸、シュウ酸、ホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、および、それらの組み合わせを含み;腐食防止剤は、約0.1Mから約50mMの濃度を有し、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリイミン、ポリアルキルイミン、ポリエチレンイミン、長鎖アルキルアミン、テトラゾール、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、ケイ酸塩、アルキルホスホン酸塩、フルオロアルキルホスホン酸塩、アルコキシシラン、亜硝酸塩、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、それらの誘導体、および、それらの組み合わせを含み;可溶化剤は、200mL/L未満の濃度を有し、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール、ポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−n−ブトキシエタノール、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、および、それらの組み合わせのうちの1または複数を含み;誘電体エッチャントは、約1mMから約100mMの濃度を有し、フッ化水素、テトラフルオロホウ酸水素、ヘキサフルオロケイ酸水素、非アルカリ金属フッ化物、非アルカリ金属テトラフルオロホウ酸塩、非アルカリ金属ヘキサフルオロケイ酸塩、および、それらの混合物のうちの1または複数を含み;界面活性剤は、約2000ppm未満の濃度を有し、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、または、それらの組み合わせを含み;洗浄水溶液は、3以下のpHを有する、洗浄水溶液。
【0058】
ここで、本発明の実施形態に従ったいくつかの随意的な洗浄溶液を示す表2について説明する。一般に、表2の洗浄溶液は、腐食防止剤と、表2にA1で示す錯化剤と、表2にA2で示すpH調整剤とを含む。錯化剤A1は酸であり、pH調整剤の特性を有してもよい。pH調整剤A2も酸である。本発明のいくつかの実施形態について、pH調整剤A2は強酸である。pH調整剤A2は、実質的に非錯化性であり、実質的に非酸化性であることが好ましい。また、pH調整剤A2は、洗浄溶液のいくつかの用途については、非ハロゲン化物酸であることが好ましい。洗浄溶液は、随意的に可溶化剤および/または随意的に界面活性剤を含んでもよい。いくつかの実施形態について、洗浄溶液は、約3未満のpHを有する。随意的に、pHは、約2未満であってもよい。
【0059】
【表2】

【0060】
表2に示した本発明の実施形態に従った洗浄溶液のいくつかの随意的な具体的配合の例は、以下を含むがこれらに限定されない。洗浄水溶液であって、pH調整剤は実質的に非錯化性である、洗浄水溶液。洗浄水溶液であって、pH調整剤は第1の酸を含み、錯化剤は第2の酸を含む、洗浄水溶液。洗浄水溶液であって、pH調整剤は強酸を含む、洗浄水溶液。洗浄水溶液であって、pH調整剤は、硫酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフル酸、次亜リン酸、シュウ酸、ハロゲン化カルボン酸、トリフルオロ酢酸、アセチレンジカルボン酸、スクアリン酸、ジヒドロキシフマル酸、マレイン酸、または、それらの混合物を含み;錯化剤は、シュウ酸、クエン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、または、それらの混合物を含む、洗浄水溶液。
【0061】
一つの選択肢として、本発明の実施形態に従った洗浄溶液を用いて基板を洗浄する処理は、ブラシを用いて洗浄溶液を基板に塗布することによって実行されてよい。あるいは、処理は、基板を洗浄溶液内に浸漬する、洗浄溶液で基板をリンスする、洗浄溶液を基板上に噴霧する、近接ヘッドを用いて洗浄溶液を供給するなどの方法によって、洗浄溶液を基板に供給することにより実行されてもよい。本発明の実施形態に従った洗浄溶液の洗浄効率は、洗浄中に超音波またはメガソニックエネルギを基板に印加するなどの処理を用いることにより、および/または、洗浄中に温度を上昇させることにより、さらに高めることができる。いくつかの用途について、洗浄溶液は、約5℃から約90℃の範囲の温度で用いられる。本発明の実施形態に従った洗浄溶液は、キャップ層の蒸着後に基板を洗浄するために利用可能である。
【0062】
本明細書では、具体的な実施形態を参照しつつ、本発明を説明している。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変形例および変更例が可能であることを理解すべきである。したがって、本明細書は、例示を目的としたものであり、限定を意図したものではないと見なされるべきであり、かかる変形例すべてが、本発明の範囲に含まれるよう意図されている。
【0063】
利益、その他の利点、および、課題の解決法について、具体的な実施形態に関連して上述した。しかしながら、それらの利益、利点、課題の解決法、ならびに、任意の利益、利点、または、解決法を生じさせるもしくはより顕著にさせうる任意の要素は、任意またはすべての請求項の重要、必要、または必須の特徴または要素として解釈されない。
【0064】
本明細書では、「備える」、「備えた」、「含む」、「含んだ」、「有する」、「有した」、「のうちの少なくとも1つ」のような用語、または、それらのあらゆる変化形は、非排他的な包含を網羅するよう意図されている。例えば、要素のリストを備える処理、方法、物品、または装置は、それらの要素だけに限定されず、リストに明示されていないかまたはかかる処理、方法、物品、または装置に固有の他の要素をも含みうる。さらに、特に明示しない限り、「または(or)」という語は、排他的な「または」ではなく、包括的(非排他的)な「または」を表す。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれによっても満たされる。Aが真(または存在する)かつBが偽(または存在しない);Aが偽(または存在しない)かつBが真(または存在する);AとBの両方が真(または存在する)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄溶液であって、
腐食防止剤と、
可溶化剤と、
脱酸素剤と、
pH調整剤としても機能する錯化剤と、を含む、洗浄溶液。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤はトリアゾール化合物である、洗浄溶液。
【請求項3】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤はトルオールトリアゾールまたはベンゾトリアゾールを含む、洗浄溶液。
【請求項4】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で存在する、洗浄溶液。
【請求項5】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で存在する、洗浄溶液。
【請求項6】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含む、洗浄溶液。
【請求項7】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含む、洗浄溶液。
【請求項8】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記脱酸素剤は、L−アスコルビン酸、D−アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、クロロゲン酸、コーヒー酸、ルテオリン、亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、および、亜硫酸テトラメチルアンモニウムのうちの1または複数を含む、洗浄溶液。
【請求項9】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤はトリアゾール化合物を含み、前記脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含む、洗浄溶液。
【請求項10】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤はトルオールトリアゾールまたはベンゾトリアゾールを含み、前記脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含む、洗浄溶液。
【請求項11】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、前記脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含む、洗浄溶液。
【請求項12】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、前記脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含む、洗浄溶液。
【請求項13】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記脱酸素剤は、0から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のL−アスコルビン酸を含む、洗浄溶液。
【請求項14】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記脱酸素剤は、1000から5000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のL−アスコルビン酸を含む、洗浄溶液。
【請求項15】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記錯化剤は、シュウ酸、ピロリン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、マロン酸、マレイン酸、または、それらの混合物を含む、洗浄溶液。
【請求項16】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記可溶化剤は、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール、ポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−n−ブトキシエタノール、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、または、それらの組み合わせを含む、洗浄溶液。
【請求項17】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記可溶化剤はジメチルスルホキシドを含む、洗浄溶液。
【請求項18】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記可溶化剤はイソプロピルアルコールを含む、洗浄溶液。
【請求項19】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、
前記腐食防止剤はトリアゾール化合物を含み、
前記可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−n−ブトキシエタノール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を含み、
前記脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含み、
前記錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【請求項20】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤はトルオールトリアゾールまたはベンゾトリアゾールを含み;溶媒は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を含み;前記脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含み;前記錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【請求項21】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み;前記脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含み;前記錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【請求項22】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、前記脱酸素剤はL−アスコルビン酸を含み、前記錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【請求項23】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記脱酸素剤は、0から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のL−アスコルビン酸を含み;前記錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【請求項24】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記脱酸素剤は、1000から5000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のL−アスコルビン酸を含み;前記錯化剤はシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【請求項25】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記錯化剤は、シュウ酸、ピロリン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、マロン酸、マレイン酸、または、それらの混合物を、2から50g/Lの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で含む、洗浄溶液。
【請求項26】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、
前記腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、
前記可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を、200mL/Lまでの濃度で含み、
前記脱酸素剤は、0から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のL−アスコルビン酸を含み、
前記錯化剤は、0.5から20g/Lまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【請求項27】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、
前記腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、
前記可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を、1から200mL/Lまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で含み、
前記脱酸素剤は、1000から5000ppmの間の範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のL−アスコルビン酸を含み、
前記錯化剤は、0.5から20g/Lまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のシュウ酸を含む、洗浄溶液。
【請求項28】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、
前記腐食防止剤は、1g/Lの濃度の5−メチルベンゾトリアゾールを含み、
前記可溶化剤は、50mL/Lの濃度のエチレングリコールを含み、
前記脱酸素剤は、1g/Lの濃度のL(+)−アスコルビン酸を含み、
前記錯化剤は、10g/Lの濃度のシュウ酸二水和物を含む、洗浄溶液。
【請求項29】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤はトリアゾール化合物であり、前記可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を含む、洗浄溶液。
【請求項30】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤はトルオールトリアゾールまたはベンゾトリアゾールを含み、前記可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を含む、洗浄溶液。
【請求項31】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で存在し、前記可溶化剤は、200mL/Lまでの濃度で存在する、洗浄溶液。
【請求項32】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で存在し、前記可溶化剤は、1から200mL/Lの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で存在する、洗浄溶液。
【請求項33】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、0.1から10000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、前記可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を、50mL/Lまでの濃度で含む、洗浄溶液。
【請求項34】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、100から2000ppmまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度のトリアゾール化合物を含み、前記可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を、1から200mL/Lまでの範囲およびその範囲に含まれるすべての部分範囲の濃度で含む、洗浄溶液。
【請求項35】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、
前記腐食防止剤は、1g/Lの濃度の5−メチルベンゾトリアゾールを含み、
前記可溶化剤は、50mL/Lの濃度のイソプロピルアルコールを含み、
前記脱酸素剤は、1g/Lの濃度のL(+)−アスコルビン酸を含み、
前記錯化剤は、10g/Lの濃度のシュウ酸二水和物を含む、洗浄溶液。
【請求項36】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、
前記腐食防止剤は、1g/Lの濃度の5−メチルベンゾトリアゾールを含み、
前記可溶化剤は、1000mL/Lまでの濃度のジメチルスルホキシドを含み、
前記脱酸素剤は、1g/Lの濃度のL(+)−アスコルビン酸を含み、
前記錯化剤は、10g/Lの濃度のシュウ酸二水和物を含む、洗浄溶液。
【請求項37】
請求項1に記載の洗浄溶液であって、前記脱酸素剤は、D−アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、および/または、亜硫酸塩を含む、洗浄溶液。
【請求項38】
洗浄溶液であって、
pH調整剤と、
錯化剤と、
腐食防止剤と、を含み、
前記洗浄溶液は、3以下のpHを有する、洗浄溶液。
【請求項39】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、前記pHは2以下である、洗浄溶液。
【請求項40】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、可溶化剤を含む、洗浄溶液。
【請求項41】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、前記腐食防止剤を可溶化することができる可溶化剤を含む、洗浄溶液。
【請求項42】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、界面活性剤を含む、洗浄溶液。
【請求項43】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、誘電体エッチャントを含む、洗浄溶液。
【請求項44】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、可溶化剤および界面活性剤を含む、洗浄溶液。
【請求項45】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、
可溶化剤、誘電体エッチャント、および、界面活性剤のうちの1または複数を含む、洗浄溶液。
【請求項46】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、前記錯化剤は、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、クエン酸、シュウ酸、ホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、または、それらの混合物を含む、洗浄溶液。
【請求項47】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、pH調整剤は、硫酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフル酸、次亜リン酸、シュウ酸、ハロゲン化カルボン酸、トリフルオロ酢酸、アセチレンジカルボン酸、スクアリン酸、ジヒドロキシフマル酸、マレイン酸、または、それらの混合物を含む、洗浄溶液。
【請求項48】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、前記pH調整剤は、2以下のpKaを有する1または複数の酸を含み、前記1または複数の酸は、前記洗浄溶液を3以下のpHに調整することができる、洗浄溶液。
【請求項49】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、前記pH調整剤は、1.5以下のpKaを有する1または複数の酸を含み、前記1または複数の酸は、前記洗浄溶液を3以下のpHに調整することができる、洗浄溶液。
【請求項50】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、前記腐食防止剤は、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリイミン、ポリアルキルイミン、ポリエチレンイミン、長鎖アルキルアミン、テトラゾール、リン酸塩、無機リン酸塩、アルキルリン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、ケイ酸塩、アルキルホスホン酸塩、フルオロアルキルホスホン酸塩、アルコキシシラン、亜硝酸塩、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、それらの誘導体、および、それらの組み合わせのうちの1または複数を含む、洗浄溶液。
【請求項51】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール、ポリオール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、および、それらの組み合わせからなる群より選択された可溶化剤を含む、洗浄溶液。
【請求項52】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、エチレングリコールを含む、洗浄溶液。
【請求項53】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、イソプロピルアルコールを含む、洗浄溶液。
【請求項54】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、ジメチルスルホキシドを含む、洗浄溶液。
【請求項55】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および、それらの組み合わせからなる群より選択された界面活性剤を含む、洗浄溶液。
【請求項56】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、硫酸塩および/またはスルホン酸塩を含む界面活性剤を含む、洗浄溶液。
【請求項57】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、ケイ素酸素化合物をエッチングすることができる誘電体エッチャントを含む、洗浄溶液。
【請求項58】
請求項38に記載の洗浄溶液であって、さらに、フッ化水素、テトラフルオロホウ酸水素、ヘキサフルオロケイ酸水素、非アルカリ金属フッ化物、非アルカリ金属テトラフルオロホウ酸塩、非アルカリ金属ヘキサフルオロケイ酸塩、および、それらの混合物からなる群より選択された誘電体エッチャントを含む、洗浄溶液。
【請求項59】
洗浄水溶液であって、
pH調整剤と、
錯化剤と、
腐食防止剤と、
可溶化剤、誘電体エッチャント、および、界面活性剤のうちの1または複数と、を含む、洗浄水溶液。
【請求項60】
請求項59に記載の洗浄水溶液であって、前記pH調整剤は実質的に非錯化性である、洗浄水溶液。
【請求項61】
請求項59に記載の洗浄水溶液であって、前記pH調整剤は第1の酸を含み、前記錯化剤は第2の酸を含む、洗浄水溶液。
【請求項62】
請求項59に記載の洗浄水溶液であって、
前記pH調整剤は、硫酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフル酸、次亜リン酸、シュウ酸、ハロゲン化カルボン酸、トリフルオロ酢酸、アセチレンジカルボン酸、スクアリン酸、ジヒドロキシフマル酸、マレイン酸、または、それらの混合物を含み、
前記錯化剤は、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、クエン酸、シュウ酸、ホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、または、それらの混合物を含む、洗浄水溶液。
【請求項63】
請求項59に記載の洗浄水溶液であって、前記pH調整剤は強酸を含む、洗浄水溶液。
【請求項64】
請求項59に記載の洗浄水溶液であって、
前記pH調整剤は、硫酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフル酸、次亜リン酸、シュウ酸、ハロゲン化カルボン酸、トリフルオロ酢酸、アセチレンジカルボン酸、スクアリン酸、ジヒドロキシフマル酸、マレイン酸、または、それらの混合物を含み、
前記錯化剤は、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、クエン酸、シュウ酸、ホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、または、それらの混合物を含み、
前記腐食防止剤は、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリイミン、ポリアルキルイミン、ポリエチレンイミン、長鎖アルキルアミン、テトラゾール、リン酸塩、無機リン酸塩、アルキルリン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、ケイ酸塩、アルキルホスホン酸塩、フルオロアルキルホスホン酸塩、アルコキシシラン、亜硝酸塩、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、それらの誘導体、および、それらの組み合わせを含み、
前記可溶化剤は、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−n−ブトキシエタノール、および、イソプロピルアルコールのうちの1または複数を含むものであり、
前記誘電体エッチャントは、フッ化水素、テトラフルオロホウ酸水素、ヘキサフルオロケイ酸水素、非アルカリ金属フッ化物、非アルカリ金属テトラフルオロホウ酸塩、非アルカリ金属ヘキサフルオロケイ酸塩、および、それらの混合物のうちの1または複数を含むものであり、
前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、または、それらの組み合わせを含むものであり、
前記洗浄水溶液は、3以下のpHを有する、洗浄水溶液。
【請求項65】
請求項59に記載の洗浄水溶液であって、
前記pH調整剤は、0から0.1Mの間の範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し、
前記錯化剤は、0.1から200mMの間の範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し、
前記腐食防止剤は、0.1から50mMの間の範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し、
前記可溶化剤は、0から200mL/Lの間の範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し、
前記誘電体エッチャントは、1から100mMの間の範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し、
前記界面活性剤は、0から2000ppmの間の範囲およびその範囲に含まれるすべての範囲の濃度を有し、
前記洗浄水溶液は、3以下のpHを有する、洗浄水溶液。
【請求項66】
請求項59に記載の洗浄水溶液であって、
前記pH調整剤は、0.1M未満の濃度を有し、硫酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフル酸、次亜リン酸、シュウ酸、ハロゲン化カルボン酸、トリフルオロ酢酸、アセチレンジカルボン酸、スクアリン酸、ジヒドロキシフマル酸、マレイン酸、または、それらの混合物を含み、
前記錯化剤は、0.1から200mMの濃度を有し、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、クエン酸、シュウ酸、ホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、フィチン酸、または、それらの組み合わせを含み、
前記腐食防止剤は、0.1から50mMの濃度を有し、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリイミン、ポリアルキルイミン、ポリエチレンイミン、長鎖アルキルアミン、テトラゾール、リン酸塩、無機リン酸塩、アルキルリン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、ケイ酸塩、アルキルホスホン酸塩、フルオロアルキルホスホン酸塩、アルコキシシラン、亜硝酸塩、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、それらの誘導体、または、それらの組み合わせを含み、
前記可溶化剤は、200mL/L未満の濃度で存在し、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール、ポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−n−ブトキシエタノール、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、および、それらの組み合わせのうちの1または複数を含むものであり、
前記誘電体エッチャントは、1から100mMの濃度で存在し、フッ化水素、テトラフルオロホウ酸水素、ヘキサフルオロケイ酸水素、非アルカリ金属フッ化物、非アルカリ金属テトラフルオロホウ酸塩、非アルカリ金属ヘキサフルオロケイ酸塩、および、それらの混合物のうちの1または複数を含むものであり、
前記界面活性剤は、2000ppm未満の濃度で存在し、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、または、それらの組み合わせを含むものであり、
前記洗浄水溶液は、3以下のpHを有する、洗浄水溶液。

【公表番号】特表2012−502142(P2012−502142A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526209(P2011−526209)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/055943
【国際公開番号】WO2010/028186
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】