説明

差動増幅装置

【課題】1対の入力信号の同相成分に比べ、電圧レベル差が少さい場合でも、これを感知して論理レベルに応じて出力できる差動増幅装置を提供すること。
【解決手段】本発明の差動増幅装置は、第1(IN)及び第2入力信号(INB)が有する電圧レベルの差を感知及び増幅して、第1(OUT)及び第2出力信号(OUTB)として出力するための増幅手段と、前記第1出力信号を第1フィードバック信号(OUT_FD)として、前記第2出力信号を第2フィードバック信号(OUTB_FD)として受けて、前記第1フィードバック信号と前記第2フィードバック信号との電圧レベルの差を増幅するためのフィードバック手段(NM9,10、MN15,16)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体設計技術に関し、特に、差動増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、DRAM回路においては、電圧を比較するために差動増幅器が広く用いられているが、このような差動増幅器は2つの入力端電圧の差のみを増幅し、2つの端子に共通して入力される電圧は出力に影響を与えられない。
【0003】
そのため、電気的環境が同じ1対の信号線を差動増幅器の入力として用いれば、信号線に共通して誘起される電気的ノイズは出力に何ら影響も与えられず、差動信号のみを増幅することができる。
【0004】
図1は、従来技術に係る差動増幅器のブロック構成図であり、図1に示すように、従来技術に係る差動増幅器は、第1及び第2入力信号IN,INBの電圧差を増幅して、第1及び第2出力信号OUT,OUTBとして出力する。
【0005】
図2は、図1の内部回路図であり、駆動信号ENに応答して第1及び第2入力信号IN,INBの電圧差を増幅して第2出力信号OUTBを出力するための第1増幅部10と、駆動信号ENに応答して第1及び第2入力信号IN、INBを受けて第1出力信号OUTを出力するための第2増幅部20と、駆動信号ENの非活性化に応答して第1及び第2出力信号OUT,OUTBのレベルを安定的に維持して出力するための初期化部30とを備える。
【0006】
そして、第1増幅部10は、駆動信号ENをゲート入力とし、互いに並列接続され、ソース端が接地電源VSSに接続された第1及び第2NMOSトランジスタNM1,NM2と、第1及び第2入力信号IN,INBをそれぞれのゲート入力とし、第1及び第2NMOSトランジスタNM1とNM2に共通して接続されたドレイン端にそれぞれのソース端が接続された第3及び第4NMOSトランジスタNM3,NM4と、第4NMOSトランジスタNM4のドレイン端にかかる電圧をそれぞれのゲート電圧として受け、電源電圧VDDと第3及び第4NMOSトランジスタのドレイン端の間にそれぞれソース・ドレインが接続された第1及び第2PMOSトランジスタPM1,PM2と、第3NMOSトランジスタNM3のドレイン端と第1PMOSトランジスタPM1のドレイン端の接続ノードにかかる電圧を第2出力信号OUTBとして出力する。
【0007】
また、第2増幅部20は、第1増幅部10とほぼ同様の回路で具現され、PMOSトランジスタと、PMOSトランジスタのゲートに第2入力信号INBを受信するNMOSトランジスタの接続ノードに対応する第2増幅部20内のノードにかかる電圧を第1出力信号OUTとして出力する。
【0008】
前述したように、差動増幅器は、カレントミラーで具現された第1及び第2増幅部10,20を備え、第1及び第2入力信号IN,INBの電圧差を増幅して出力する。すなわち、第1及び第2入力信号IN,INBを入力部14のNMOSトランジスタNM3,NM4のゲート入力として受けるので、これによりNMOSトランジスタNM3、NM4のターンオン抵抗が調節される。したがって、入力部12の調節された抵抗値により出力信号OUT、OUTBの電圧レベルは入力信号の論理レベルに対応され、増幅された値に出力される。一方、従来技術に係る差動増幅器は、2つの入力信号が有する電圧レベルの差を増幅して出力するため、入力信号のレベル差が少ない場合には、出力信号のレベルが論理レベルで判別されない領域の値を有し、データがフェイルしてしまうという問題が生じる。
【0009】
図3は、図1に示す差動増幅器の動作タイミングチャートである。同図に示すように、2つの入力信号IN,INBの電圧レベルの差は10mVである。駆動信号ENが論理レベルハイに活性化されれば、差動増幅器は2つの出力信号OUT,OUTBの差を330mVに増幅して出力する。このような場合、出力信号の論理レベルが安定的に判別されないという恐れが生じる。
【特許文献1】特開2001−144559
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、上記した従来技術の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、入力信号の電圧レベルの差が少ない場合でもこれを感知して論理レベルに応じて出力できる差動増幅装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、上記の目的を達成するための本発明は、第一の発明としては、第1及び第2入力信号が有する電圧レベルの差を感知及び増幅して、第1及び第2出力信号として出力するための増幅手段と、前記第1出力信号を第1フィードバック信号として、前記第2出力信号を第2フィードバック信号として受けて、前記第1フィードバック信号と前記第2フィードバック信号との電圧レベルの差を増幅するためのフィードバック手段とを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0012】
第二の発明としては、前記増幅手段は、前記第1及び第2入力信号の電圧差に応じて、第1及び第2出力ノードの電圧レベルを調節するための入力部と、前記入力部と前記フィードバック手段に応じた電流を前記入力部とフィードバック手段に供給するためのローディング部と、前記駆動信号に応答して前記入力部、前記ローディング部、及び前記フィードバック手段にバイアス電流を供給するためのバイアス供給部とを備え、前記第1出力ノードに載せられた電圧が前記第2出力信号として出力され、前記第2出力ノードに載せられた電圧が前記第1出力信号として出力されることを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0013】
第三の発明としては、前記フィードバック手段は、前記第1及び第2フィードバック信号の電圧レベルの差に応じて、前記第1及び第2出力ノードの電圧レベルを調節することを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0014】
第四の発明としては、前記入力部は、前記ローディング部と前記バイアス供給部との間に接続され、それぞれのゲートに前記第1及び第2入力信号を受信する第1及び第2NMOSトランジスタからなる第1入力部と、前記ローディング部と前記バイアス供給部との間に接続され、それぞれのゲートに前記第1及び第2入力信号を受信する第3及び第4NMOSトランジスタからなる第2入力部とを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0015】
第五の発明としては、前記ローディング部は、前記第1入力部と電源電圧端との間に接続された第1及び第2PMOSトランジスタから構成された第1ローディング部と、前記第2入力部と前記電源電圧端との間に接続された第3及び第4PMOSトランジスタから構成された第2ローディング部とを備えたことを特徴とする差動増幅装置提供する。
【0016】
第六の発明としては、前記第1PMOSトランジスタは、前記第1出力ノードを介して前記第1NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第2PMOSトランジスタと前記第2NMOSトランジスタの第1共通ノードに載せられた電圧を受信することを特徴とする差動増幅装置提供する。
【0017】
第七の発明としては、前記第2PMOSトランジスタは、前記第2NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第1共通ノードに載せられた電圧を受信することを特徴とする差動増幅装を置提供する。
【0018】
第八の発明としては、前記第3PMOSトランジスタは、第3NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第3PMOSトランジスタと前記第3NMOSトランジスタの第2共通ノードに載せられた電圧を受信することを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0019】
第九の発明としては、前記第4PMOSトランジスタは、前記第2出力ノードを介して前記第4NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第2共通ノードに載せられた電圧を受信することを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0020】
第十の発明としては、前記バイアス供給部は、前記入力部と接地電圧端との間に接続され、それぞれのゲートに前記駆動信号を受信する複数のNMOSトランジスタから構成されたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0021】
第十一の発明としては、前記フィードバック手段は、前記第1フィードバック信号をゲート入力とし、前記第1NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端ドレイン・ソース端が接続されている第5NMOSトランジスタと、前記第2フィードバック信号をゲート入力とし、前記第2NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第6NMOSトランジスタと、前記第1フィードバック信号をゲート入力とし、前記第3NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第7NMOSトランジスタと、前記第2フィードバック信号をゲート入力とし、前記第4NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第8NMOSトランジスタとを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0022】
第十二の発明としては、駆動信号に応答して第1及び第2入力信号及び第1及び第2フィードバック信号を受けて、第2出力信号を出力する第1フィードバック増幅手段と、前記駆動信号に応答して前記第1及び第2入力信号及び第1及び第2フィードバック信号を受けて、前記第1出力信号を出力するための第2フィードバック増幅手段と、前記駆動信号に応答して第1及び第2出力ノードの電圧レベルを初期化するための初期化手段とを備え、前記第1出力信号である前記第1フィードバック信号は、前記第2出力ノードを介して出力され、前記第2出力信号である前記第2フィードバック信号は、前記第1出力ノードを介して出力されることを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0023】
第十三の発明としては、前記第1フィードバック増幅手段は、前記第1及び第2入力信号が有する電圧レベルの差を感知及び増幅して、前記第2出力信号として出力するための増幅部と、前記第1及び第2フィードバック信号が有する電圧レベルの差を増幅するためのフィードバック部とを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0024】
第十四の発明としては、前記増幅部は、前記第1及び第2入力信号の電圧差に応じて、第1出力ノードの電圧レベルを調節するための入力部と、前記入力部と前記フィードバック部に応じた電流を前記入力部と前記フィードバック部に供給するためのローディング部と、前記駆動信号に応答して前記入力部、前記ローディング部、及び前記フィードバック手段にバイアス電流を供給するためのバイアス供給部とを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0025】
第十五の発明としては、前記フィードバック部は、前記第1及び第2フィードバック信号の電圧レベルの差に応じて前記第1出力ノードの電圧レベルを調節することを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0026】
第十六の発明としては、前記入力部は、前記第1出力ノードと前記バイアス供給部との間に接続され、ゲートに第1入力信号を受信する第1NMOSトランジスタと、前記ローディング部と前記バイアス供給部との間に接続され、ゲートに第2入力信号を受信する第2NMOSトランジスタとを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0027】
第十七の発明としては、前記ローディング部は、前記第2NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第2NMOSトランジスタとの共通ノードに載せられた電圧を受信する第1PMOSトランジスタと、前記第1出力ノードを介して前記第1NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記共通ノードに載せられた電圧を受信する第2PMOSトランジスタとを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0028】
第十八の発明としては、前記バイアス供給部は、前記第1NMOSトランジスタと接地電圧端との間に接続され、ゲートに前記駆動信号を受信する第3NMOSトランジスタと、前記第2NMOSトランジスタと前記接地電圧端との間に接続され、ゲートに前記駆動信号を受信する第4NMOSトランジスタとを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0029】
第十九の発明としては、前記フィードバック部は、前記第1フィードバック信号をゲート入力とし、前記第1NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第5NMOSトランジスタと、前記第2フィードバック信号をゲート入力とし、前記第2NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第6NMOSトランジスタとを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0030】
第二十の発明としては、前記第2フィードバック増幅手段は、前記第1及び第2入力信号が有する電圧レベルの差を感知及び増幅して、前記第1出力信号として出力するための増幅部と、前記第1及び第2フィードバック信号が有する電圧レベルの差を増幅するためのフィードバック部とを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0031】
第二十一の発明としては、前記増幅部は、前記第1及び第2入力信号の電圧差に応じて、前記第2出力ノードの電圧レベルを調節するための入力部と、前記入力部と前記フィードバック部に応じた電流を前記入力部と前記フィードバック部に供給するためのローディング部と、前記駆動信号に応答して前記入力部、前記ローディング部、及び前記フィードバック手段にバイアス電流を供給するためのバイアス供給部とを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0032】
第二十二の発明としては、前記フィードバック部は、前記第1及び第2フィードバック信号の電圧レベルの差に応じて前記2出力ノードの電圧レベルを調節することを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0033】
第二十三の発明としては、前記入力部は、前記ローディング部と前記バイアス供給部との間に接続され、ゲートに第1入力信号を受信する第1NMOSトランジスタと、前記第2出力ノードと前記バイアス供給部との間に接続され、ゲートに第2入力信号を受信する第2NMOSトランジスタとを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0034】
第二十四の発明としては、前記ローディング部は、前記第1NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第1NMOSトランジスタとの共通ノードに載せられた電圧を受信する第1PMOSトランジスタと、前記第2出力ノードを介して前記第2NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記共通ノードに載せられた電圧を受信する第2PMOSトランジスタとを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0035】
第二十五の発明としては、前記バイアス供給部は、前記第1NMOSトランジスタと接地電圧端との間に接続され、ゲートに前記駆動信号を受信する第3NMOSトランジスタと、前記第2NMOSトランジスタと前記接地電圧端との間に接続され、ゲートに前記駆動信号を受信する第4NMOSトランジスタとを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【0036】
第二十六の発明としては、前記フィードバック部は、前記第1フィードバック信号をゲート入力とし、前記第1NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレインソース端が接続されている第5NMOSトランジスタと、前記第2フィードバック信号をゲート入力とし、前記第2NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第6NMOSトランジスタとを備えたことを特徴とする差動増幅装置を提供する。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、出力信号をフィードバック入力されて出力信号を再び増幅させることによって、従来の入力信号のレベル差が少ないことから発生するデータフェイルを防止できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0039】
図4は、本発明に係るフィードバック差動増幅器のブロック構成図である。同図に示すように、本発明に係るフィードバック差動増幅器は、第1及び第2入力信号IN,INBが有する電圧レベルの差を感知及び増幅して、第1及び第2出力信号OUT、OUTBとして出力し、第1及び第2出力信号OUT,OUTBをフィードバック信号OUT_FD,OUTB_FDとして受けて、第1及び第2出力信号OUT,OUTBのレベルを補正して出力する。
【0040】
図5は、図4に示す本発明に係る差動増幅器の内部回路図である。同図に示すように、差動増幅器を説明すれば、差動増幅器は駆動信号ENに応答して第1及び第2入力信号IN,INBを受け第2出力信号OUTBを出力し、第1及び第2出力信号OUT,OUTBをフィードバック信号OUT_FD、OUTB_FDとして受け、第2出力信号OUTBのレベルを調整して出力する第1増幅部100と、駆動信号ENに応答して第1及び第2入力信号IN、INBを受け第1出力信号OUTを出力し、第1及び第2フィードバック信号OUT_FD、OUTB_FDを受け第1出力信号OUTのレベルを調整して出力するための第2増幅部200と、駆動信号ENに応答して第1及び第2出力信号OUT、OUTBのレベルを安定的に維持して出力するための初期化部300とを備える。
【0041】
第1増幅部100は、駆動信号ENに応答して駆動電流を供給するためのバイアス供給部120と、バイアス供給部に直列接続されて第1及び第2入力信号IN,INBの電圧差に応じて第2出力信号OUTBのレベルを調節するための入力部140と、入力部に並列接続されて第1及び第2フィードバック信号OUT_FD、OUTB_FDの電圧差に応じて第2出力信号OUTBのレベルを調節するためのフィードバック部160と、入力部140及びフィードバック部160により決定される電流を入力部140及びフィードバック部160に提供するためのローディング部180とを備える。
【0042】
詳説すれば、第1増幅部100は、駆動信号ENをゲート入力とし、互いに並列接続され、ソース端が接地電源VSSに共通して接続された第1及び第2NMOSトランジスタNM5,NM6と、第1及び第2入力信号IN,INBをそれぞれのゲート入力とし、第1及び第2NMOSトランジスタNM5,NM6の共通して接続されたドレイン端にそれぞれのソース端が接続された第3及び第4NMOSトランジスタNM7,NM8と、第1フィードバック信号OUT_FDをゲート入力とし、第3NMOSトランジスタNM7のドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続された第5NMOSトランジスタNM9と、第2フィードバック信号OUTB_FDをゲート入力とし、第4NMOSトランジスタNM8のドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続された第6NMOSトランジスタNM10と、第4NMOSトランジスタNM8のドレイン端にかかる電圧をそれぞれのゲート電圧として受け、電源電圧VDDと第3及び第4NMOSトランジスタNM7,NM8のドレイン端にそれぞれのドレイン端が接続された第1及び第2PMOSトランジスタPM3,PM4と、第3NMOSトランジスタNM7のドレイン端と第1PMOSトランジスタPM1のドレイン端の接続ノードにかかる電圧を第2出力信号OUTBとして出力する。
【0043】
また、第2増幅部200は、第1増幅部100とほぼ同一な回路で具現され、第4NMOSトランジスタNM8のドレイン端と第2PMOSトランジスタPM4のドレイン端の接続ノードに対応するノードにかかる電圧を第1出力信号OUTとして出力する点のみ異なっている。
【0044】
このように、前述した本発明に係る差動増幅器は、出力信号OUT,OUTBをフィードバック信号OUT_FD,OUTB_FDとして受信して、入力部140の抵抗値を調節して入力部140の電流量を調節することで、出力信号OUT,OUTBが再び増幅されるようにするためのフィードバック部160を備える。
【0045】
以下、第1増幅部220を例に、フィードバック部160をさらに備えて第2出力信号OUTBが再び増幅される過程について説明する。
【0046】
まず、第1入力信号INは、第2入力信号INBよりも高い電圧レベルを有すると仮定する。その後、駆動信号ENが論理レベル「H」に活性化されれば、バイアス部220が活性化されて、バイアス電流を供給する。したがって、入力部140内の第1入力信号INをゲート入力として有する第3NMOSトランジスタNM7が、第2入力信号INBをゲート入力とする第4NMOSトランジスタNM8に比べてより多くターンオンされるので、第2出力信号OUTBは、第1出力信号OUTよりも低い電圧レベルを有する。
このような過程で、第1及び第2出力信号OUT、OUTBは、第1及び第2増幅部200、300により増幅されて出力されるので、第1出力信号OUTは、第1入力信号INよりも高い電圧レベルを有し、第2出力信号OUTBは、第2入力信号INBよりも低い電圧レベルを有する。
【0047】
したがって、第1出力信号OUTを第1フィードバック信号OUT_FDとして受ける第5NMOSトランジスタNM9は、第3NMOSトランジスタNM7よりも少ないターンオン抵抗を有するので、第3及び第5NMOSトランジスタNM7、NM9の並列抵抗値はより小さくなり、第2出力信号OUTBのレベルはより小さくなる。
【0048】
前述したような過程により、第2出力信号OUTBのレベルは接地電圧VSSレベルまで、第1出力信号OUTは電源電圧VDDのレベルまで増幅されて出力される。
【0049】
したがって、本発明に係る差動増幅器は、従来とは異なり、出力信号をフィードバック入力されて入力部の抵抗値を調節するフィードバック部をさらに備えることで、第1及び第2入力信号のレベル差が少ない場合でもフィードバック信号を通じて出力信号のレベルを調整して出力することができる。そのため、従来入力信号のレベル差が少なくて出力信号のレベルが論理レベルを判別できないレベルを有することから、データがフェイルする現象を防止できる。
【0050】
図6は、図4に示す差動増幅器の動作タイミングチャートである。同図に示すように、第1及び第2入力信号IN,INBが10mVの電圧レベルの差を持って入力され、駆動信号ENが論理レベル「H」に活性化される時、図示のように、本発明に係る差動増幅器は、第1及び第2出力信号OUT,OUTBを1.3Vの電圧レベルの差を有するようにして出力させる。
【0051】
図6に示すように、本発明に係る差動増幅器は、従来とは異なり、第1及び第2入力信号が少ない電圧レベルの差を有しても、フィードバック部を介して出力信号を再び増幅させるので、従来よりも大きいレベル差のレベルを出力する。なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明に係る技術的思想の範囲から逸脱しない範囲内で様々な変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】従来技術に係る差動増幅器のブロック構成図である。
【図2】図1に示す差動増幅器の内部回路図である。
【図3】図1に示す差動増幅器の動作タイミングチャートである。
【図4】本発明に係る差動増幅器のブロック構成図である。
【図5】図4に示す差動増幅器の内部回路図である。
【図6】図4に示す差動増幅器の動作タイミングチャートである。
【符号の説明】
【0053】
100,200 増幅部
120 バイアス部
140 入力部
160 フィードバック部
180 ローディング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2入力信号が有する電圧レベルの差を感知及び増幅して、第1及び第2出力信号として出力するための増幅手段と、
前記第1出力信号を第1フィードバック信号として、前記第2出力信号を第2フィードバック信号として受けて、前記第1フィードバック信号と前記第2フィードバック信号との電圧レベルの差を増幅するためのフィードバック手段と
を備えたことを特徴とする差動増幅装置。
【請求項2】
前記増幅手段は、
前記第1及び第2入力信号の電圧差に応じて、第1及び第2出力ノードの電圧レベルを調節するための入力部と、
前記入力部と前記フィードバック手段に応じた電流を前記入力部とフィードバック手段に供給するためのローディング部と、
前記駆動信号に応答して前記入力部、前記ローディング部、及び前記フィードバック手段にバイアス電流を供給するためのバイアス供給部とを備え、
前記第1出力ノードに載せられた電圧が前記第2出力信号として出力され、前記第2出力ノードに載せられた電圧が前記第1出力信号として出力されることを特徴とする請求項1に記載の差動増幅装置。
【請求項3】
前記フィードバック手段は、前記第1及び第2フィードバック信号の電圧レベルの差に応じて、前記第1及び第2出力ノードの電圧レベルを調節することを特徴とする請求項2に記載の差動増幅装置。
【請求項4】
前記入力部は、
前記ローディング部と前記バイアス供給部との間に接続され、それぞれのゲートに前記第1及び第2入力信号を受信する第1及び第2NMOSトランジスタからなる第1入力部と、
前記ローディング部と前記バイアス供給部との間に接続され、それぞれのゲートに前記第1及び第2入力信号を受信する第3及び第4NMOSトランジスタから なる第2入力部と
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の差動増幅装置。
【請求項5】
前記ローディング部は、
前記第1入力部と電源電圧端との間に接続された第1及び第2PMOSトランジスタから構成された第1ローディング部と、
前記第2入力部と前記電源電圧端との間に接続された第3及び第4PMOSトランジスタから構成された第2ローディング部と
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の差動増幅装置。
【請求項6】
前記第1PMOSトランジスタは、前記第1出力ノードを介して前記第1NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第2PMOSトランジスタと前記第2NMOSトランジスタの第1共通ノードに載せられた電圧を受信することを特徴とする請求項5に記載の差動増幅装置。
【請求項7】
前記第2PMOSトランジスタは、前記第2NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第1共通ノードに載せられた電圧を受信することを特徴とする請求項6に記載の差動増幅装置。
【請求項8】
前記第3PMOSトランジスタは、第3NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第3PMOSトランジスタと前記第3NMOSトランジスタの第2共通ノードに載せられた電圧を受信することを特徴とする請求項7に記載の差動増幅装置。
【請求項9】
前記第4トランジスタは、前記第2出力ノードを介して前記第4NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第2共通ノードに載せられた電圧を受信することを特徴とする請求項8に記載の差動増幅装置。
【請求項10】
前記バイアス供給部は、前記入力部と接地電圧端との間に接続され、それぞれのゲートに前記駆動信号を受信する複数のNMOSトランジスタから構成されたことを特徴とする請求項9に記載の差動増幅装置。
【請求項11】
前記フィードバック手段は、
前記第1フィードバック信号をゲート入力とし、前記第1NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端ドレイン・ソース端が接続されている第5NMOSトランジスタと、
前記第2フィードバック信号をゲート入力とし、前記第2NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第6NMOSトランジスタと、
前記第1フィードバック信号をゲート入力とし、前記第3NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第7NMOSトランジスタと、
前記第2フィードバック信号をゲート入力とし、前記第4NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第8NMOSトランジスタと
を備えたことを特徴とする請求項10に記載の差動増幅装置。
【請求項12】
駆動信号に応答して第1及び第2入力信号及び第1及び第2フィードバック信号を受けて、第2出力信号を出力する第1フィードバック増幅手段と、
前記駆動信号に応答して前記第1及び第2入力信号及び第1及び第2フィードバック信号を受けて、前記第1出力信号を出力するための第2フィードバック増幅手段と、
前記駆動信号に応答して第1及び第2出力ノードの電圧レベルを初期化するための初期化手段とを備え、
前記第1出力信号である前記第1フィードバック信号は、前記第2出力ノードを介して出力され、前記第2出力信号である前記第2フィードバック信号は、前記第1出力ノードを介して出力されることを特徴とする差動増幅装置。
【請求項13】
前記第1フィードバック増幅手段は、
前記第1及び第2入力信号が有する電圧レベルの差を感知及び増幅して、前記第2出力信号として出力するための増幅部と、
前記第1及び第2フィードバック信号が有する電圧レベルの差を増幅するためのフィードバック部と
を備えたことを特徴とする請求項12に記載の差動増幅装置。
【請求項14】
前記増幅部は、
前記第1及び第2入力信号の電圧差に応じて、第1出力ノードの電圧レベルを調節するための入力部と、
前記入力部と前記フィードバック部に応じた電流を前記入力部と前記フィードバック部に供給するためのローディング部と、
前記駆動信号に応答して前記入力部、前記ローディング部、及び前記フィードバック手段にバイアス電流を供給するためのバイアス供給部と
を備えたことを特徴とする請求項13に記載の差動増幅装置。
【請求項15】
前記フィードバック部は、前記第1及び第2フィードバック信号の電圧レベルの差に応じて前記第1出力ノードの電圧レベルを調節することを特徴とする請求項14に記載の差動増幅装置。
【請求項16】
前記入力部は、
前記第1出力ノードと前記バイアス供給部との間に接続され、ゲートに第1入力信号を受信する第1NMOSトランジスタと、
前記ローディング部と前記バイアス供給部との間に接続され、ゲートに第2入力信号を受信する第2NMOSトランジスタと
を備えたことを特徴とする請求項15に記載の差動増幅装置。
【請求項17】
前記ローディング部は、
前記第2NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第2NMOSトランジスタとの共通ノードに載せられた電圧を受信する第1PMOSトランジスタと、
前記第1出力ノードを介して前記第1NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記共通ノードに載せられた電圧を受信する第2PMOSトランジスタと
を備えたことを特徴とする請求項16に記載の差動増幅装置。
【請求項18】
前記バイアス供給部は、
前記第1NMOSトランジスタと接地電圧端との間に接続され、ゲートに前記駆動信号を受信する第3NMOSトランジスタと、
前記第2NMOSトランジスタと前記接地電圧端との間に接続され、ゲートに前記駆動信号を受信する第4NMOSトランジスタと
を備えたことを特徴とする請求項17に記載の差動増幅装置。
【請求項19】
前記フィードバック部は、
前記第1フィードバック信号をゲート入力とし、前記第1NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第5NMOSトランジスタと、
前記第2フィードバック信号をゲート入力とし、前記第2NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第6NMOSトランジスタと
を備えたことを特徴とする請求項18に記載の差動増幅装置。
【請求項20】
前記第2フィードバック増幅手段は、
前記第1及び第2入力信号が有する電圧レベルの差を感知及び増幅して、前記第1出力信号として出力するための増幅部と、
前記第1及び第2フィードバック信号が有する電圧レベルの差を増幅するためのフィードバック部と
を備えたことを特徴とする請求項19に記載の差動増幅装置。
【請求項21】
前記増幅部は、
前記第1及び第2入力信号の電圧差に応じて、前記第2出力ノードの電圧レベルを調節するための入力部と、
前記入力部と前記フィードバック部に応じた電流を前記入力部と前記フィードバック部に供給するためのローディング部と、
前記駆動信号に応答して前記入力部、前記ローディング部、及び前記フィードバック手段にバイアス電流を供給するためのバイアス供給部と
を備えたことを特徴とする請求項20に記載の差動増幅装置。
【請求項22】
前記フィードバック部は、前記第1及び第2フィードバック信号の電圧レベルの差に応じて前記2出力ノードの電圧レベルを調節することを特徴とする請求項21に記載の差動増幅装置。
【請求項23】
前記入力部は、
前記ローディング部と前記バイアス供給部との間に接続され、ゲートに第1入力信号を受信する第1NMOSトランジスタと、
前記第2出力ノードと前記バイアス供給部との間に接続され、ゲートに第2入力信号を受信する第2NMOSトランジスタと
を備えたことを特徴とする請求項22に記載の差動増幅装置。
【請求項24】
前記ローディング部は、
前記第1NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記第1NMOSトランジスタとの共通ノードに載せられた電圧を受信する第1PMOSトランジスタと、
前記第2出力ノードを介して前記第2NMOSトランジスタと接続され、ゲートに前記共通ノードに載せられた電圧を受信する第2PMOSトランジスタと
を備えたことを特徴とする請求項23に記載の差動増幅装置。
【請求項25】
前記バイアス供給部は、
前記第1NMOSトランジスタと接地電圧端との間に接続され、ゲートに前記駆動信号を受信する第3NMOSトランジスタと、
前記第2NMOSトランジスタと前記接地電圧端との間に接続され、ゲートに前記駆動信号を受信する第4NMOSトランジスタと
を備えたことを特徴とする請求項24に記載の差動増幅装置。
【請求項26】
前記フィードバック部は、
前記第1フィードバック信号をゲート入力とし、前記第1NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレインソース端が接続されている第5NMOSトランジスタと、
前記第2フィードバック信号をゲート入力とし、前記第2NMOSトランジスタのドレイン・ソース端に自分のドレイン・ソース端が接続されている第6NMOSトランジスタと
を備えたことを特徴とする請求項25に記載の差動増幅装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−97131(P2007−97131A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180492(P2006−180492)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】