説明

情報提供装置、情報提供方法、ならびに、プログラム

【課題】データ受信側にとって有益となるに相応しいタイミングでコンテンツを再生できるようにする。
【解決手段】車載器200において、データ取得部251は路側無線装置からコンテンツデータを取得し、データ記憶部260は取得したコンテンツデータを格納する。取得したコンテンツデータに予め指定された再生条件が位置一致判別部255と方向一致判別部257と道路種別判別部259により満たされると判別されると、データ再生部253はコンテンツデータを再生する。また、データ表示部261はデータ記憶部260に格納されたコンテンツデータのリストを表示し、再生指示受付部262はコンテンツデータを再生する旨の指示入力をユーザから受け付け、データ再生部253は指示入力が示すコンテンツデータを再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ受信側にとって有益となるに相応しいタイミングでコンテンツを再生できるようにするために好適な情報提供装置、情報提供方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムのように、動画、静止画、音声、文字情報など様々な種類のコンテンツを配信するサービスが普及している。コンテンツを提供するデータ配信側は、例えば特許文献1のようなカーナビゲーションシステム等、データ受信側(カーナビゲーション車載装置側)であるユーザに該コンテンツを効率的かつ効果的に提供できるような仕組みを模索している。
【特許文献1】特開2005−345325号公報
【0003】
特に、ユーザが情報を引き出す(プル)のではなくユーザが操作しなくてもデータ配信側から自動的に情報をデータ受信側に送る、いわゆるプッシュ配信においては、上述の様々な種類のコンテンツを組み合わせた複合的コンテンツを、刻々と自己の位置を変えていくユーザにデータ配信側の意図するタイミングで視聴させるようにすることが、データ配信側にとって重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、データ配信側の意図するタイミングが、必ずしもデータ受信側にとって都合のよいタイミングであるとは限らない。例えば、カーナビゲーションシステムによる道案内の再生中に、コンテンツデータのプッシュ配信を受けて直ちに再生すると、道案内が中断されてしまったり、道案内が分かりづらくなってしまったりして、ユーザにとって不都合である。また、例えば、ドライバーが運転に集中したいと思っているときにコンテンツデータのプッシュ配信を受けて直ちに再生すると、コンテンツの再生音や再生画像等に気を取られてしまう可能性があり、ドライバーにとって不都合である。したがって、折角ユーザにとって有益な情報を提供しようとしても、データ配信側の都合を優先しすぎてしまうと、データ受信側にとっては有益になるとは限らないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するものであり、データ受信側にとって有益となるに相応しいタイミングでコンテンツを再生できるようにするために好適な情報提供装置、情報提供方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る情報提供装置は、コンテンツデータを再生してユーザに情報を提供し、所定のタイミングで提供を終了する情報提供装置であって、
当該コンテンツデータは、当該コンテンツデータを再生するための再生条件を指定する情報を含み、
前記情報提供装置の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
当該コンテンツデータを配信する配信装置から、当該コンテンツデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記現在位置取得手段が取得した当該現在位置に基づいて、当該再生条件が満たされたか否かを判別し、当該再生条件が満たされたと判別された場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生するデータ再生手段と、
前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する旨の再生指示入力を当該ユーザから受け付ける入力受付手段と、
を備え、
前記データ再生手段は、更に、当該コンテンツデータの再生の終了後であって、前記入力受付手段が当該再生指示入力を当該ユーザから受け付けた場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする。
【0007】
前記入力受付手段は、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶する旨を示す記憶指示入力を当該ユーザから更に受け付け、
前記データ記憶手段は、前記入力受付部が当該記憶指示入力を当該ユーザから受け付けた場合に、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを記憶してもよい。
【0008】
前記入力受付手段は、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを選択する旨を示す選択指示入力を当該ユーザから更に受け付け、
前記データ記憶手段は、当該選択指示入力を受け付けたか否かを示す情報と対応付けて、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを記憶してもよい。
【0009】
当該再生条件は、当該コンテンツデータを再生する前記情報提供装置の位置を指定する再生位置情報を含み、
前記データ再生手段は、前記現在位置取得手段が取得した当該現在位置が、当該再生位置情報に指定された位置と一致する場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生してもよい。
【0010】
当該再生条件は、当該コンテンツデータを再生する前記情報提供装置の移動する方向を指定する再生方向情報を含み、
前記情報提供装置の移動する方向を取得する方向取得手段を更に備え、
前記データ再生手段は、前記方向取得手段が取得した当該方向が、当該再生方向情報に指定された方向と一致する場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生してもよい。
【0011】
前記情報提供装置は道路を走行する車両に搭載され、
当該再生条件は、当該コンテンツデータを再生する前記情報提供装置が搭載された車両の走行する道路の種別を指定する再生道路種別情報を含み、
地図データを予め記憶する地図記憶手段と、
前記地図記憶手段に記憶された地図データと、前記現在位置取得手段が取得した現在位置とに基づいて、前記情報提供装置が搭載された車両の走行する道路の種別を取得する道路種別取得手段と、
を更に備え、
前記データ再生手段は、前記道路種別取得手段が取得した当該種別が、当該再生道路種別情報に指定された種別と一致する場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生してもよい。
【0012】
地図データを予め記憶する地図記憶手段と、
前記地図記憶手段に記憶された当該地図データと、前記現在位置取得手段が取得した当該現在位置とに基づいて、当該現在位置が所定の交通ポイントから所定距離以上離れているか否かを判別する判別手段を更に備え、
前記データ再生手段は、当該現在位置が当該所定の交通ポイントから当該所定距離以上離れていると前記位置判別手段により判別された場合、当該コンテンツデータを再生してもよい。
【0013】
前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータに予め設定された優先度が、前記データ再生手段によって再生されている他のコンテンツデータに予め設定されている優先度より低いか否かを判別する優先度判別手段を更に備え、
前記データ再生手段は、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータの優先度が、前記データ再生手段によって再生されている当該他のコンテンツデータの優先度より高いと前記優先度判別手段により判別された場合、当該コンテンツデータを再生してもよい。
【0014】
前記データ記憶手段は、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータの優先度が、当該他のコンテンツデータの優先度より低いと前記優先度判別手段により判別された場合、当該コンテンツデータを記憶してもよい。
【0015】
前記情報提供装置を搭載した車両の移動速度を計測する計測手段を更に備え、
前記データ再生手段は、当該移動速度が所定値以下の場合、当該コンテンツデータを再生してもよい。
【0016】
前記情報提供装置を搭載した車両の方向指示器が作動しているか否かを判別するセンサを更に備え、
前記データ再生手段は、前記センサにより当該方向指示器が作動していないと判別された場合、当該コンテンツデータを再生してもよい。
【0017】
前記データ記憶手段に記憶されたコンテンツデータのリストを作成して表示するデータ表示手段を更に備えてもよい。
【0018】
当該コンテンツデータは、当該コンテンツデータが属するジャンルを示す情報を含み、
前記データ表示手段は、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを当該ジャンルに従って分類して表示してもよい。
【0019】
前記データ記憶手段に記憶されたコンテンツデータのリストを作成して表示するデータ表示手段を更に備え、
前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータの優先度が、
(a)当該他のコンテンツデータの優先度より高いと前記優先度判別手段により判別された場合、前記データ再生手段は当該コンテンツデータを再生し、
(b)当該他のコンテンツデータの優先度より低いと前記優先度判別手段により判別された場合、前記データ再生手段は当該コンテンツデータを再生せず、前記データ記憶手段は当該コンテンツデータを記憶し、前記データ表示手段は前記データ再生手段が再生しなかったコンテンツデータのリストを作成して表示する、
こととしてもよい。
【0020】
当該コンテンツデータは、当該コンテンツデータの中に商品又は役務のクーポンが含まれるか否かを示すクーポン情報を含み、
前記データ表示手段は、当該クーポン情報に基づいて、前記データ記憶手段から当該クーポンが含まれるコンテンツデータを取得し、前記取得したコンテンツデータから静止画像を抽出し、前記抽出した静止画像を含む当該リストを表示してもよい。
【0021】
前記データ記憶手段は、当該コンテンツデータと対応付けて、当該コンテンツデータが前記データ再生手段によって再生されたか否かを示す未読情報を更に記憶し、
前記データ再生手段は、当該コンテンツデータを再生した場合、当該再生したコンテンツデータに対応する当該未読情報を、再生されたことを示す値に更新し、
前記データ表示手段は、前記データ記憶手段に記憶され、且つ、当該未読情報に再生されていないことを示す値が対応付けられているコンテンツデータのリストを作成して表示してもよい。
【0022】
本発明の第2の観点に係る情報提供方法は、コンテンツデータを再生してユーザに情報を提供し、所定のタイミングで提供を終了する情報提供方法であって、
当該コンテンツデータは、当該コンテンツデータを再生するための再生条件を指定する情報を含み、
自己の現在位置を取得する現在位置取得ステップと、
当該コンテンツデータを取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップが取得した当該コンテンツデータをメモリに記憶するデータ記憶ステップと、
前記現在位置取得ステップが取得した当該現在位置に基づいて、当該再生条件が満たされたか否かを判別し、当該再生条件が満たされたと判別された場合、前記メモリに記憶された当該コンテンツデータを再生するデータ再生ステップと、
前記メモリに記憶された当該コンテンツデータを再生する旨の指示入力を当該ユーザから受け付ける入力受付ステップと、
を備え、
前記データ再生ステップは、更に、当該コンテンツデータの再生の終了後であって、前記入力受付ステップが当該指示入力を当該ユーザから受け付けた場合、前記メモリに記憶された当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする。
【0023】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、再生条件を指定する情報を含むコンテンツデータを再生してユーザに情報を提供し、所定のタイミングで提供を終了するコンピュータを、
前記コンピュータの現在位置を取得する現在位置取得手段、
当該コンテンツデータを配信する配信装置から、当該コンテンツデータを取得するデータ取得手段、
前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを記憶するデータ記憶手段、
前記現在位置取得手段が取得した当該現在位置に基づいて、当該再生条件が満たされたか否かを判別し、当該再生条件が満たされたと判別された場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生するデータ再生手段、
前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する旨の指示入力を当該ユーザから受け付ける入力受付手段、
として機能させ、
前記データ再生手段は、更に、当該コンテンツデータの再生の終了後であって、前記入力受付手段が当該指示入力を当該ユーザから受け付けた場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、データ受信側にとって有益となるに相応しいタイミングでコンテンツを再生できるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係る情報提供システムを、ITS(Intelligent Transport Systems)を例に説明する。
【0026】
(実施形態1)
図1に示すように、ITSは、道路、駐車場などの車両が通行する場所の近傍に配置された路側無線装置100と、車両に搭載され、路側無線装置100との間で通信してユーザ(車両の乗車者)に交通情報等を提供する車載器200と、交通情報などの種々の情報を生成して路側無線装置100に供給する交通情報配信サーバ300と、を備える。車載器200と路側無線装置100との間の通信方法は、プッシュ配信において一般的に用いられるDSRC(Dedicated Short Range Communication)である。
【0027】
図2に示すように、交通情報配信サーバ300は、入力部301、出力部302、第1の通信制御部303、第2の通信制御部304、記憶装置305、制御部306、ROM(Read Only Memory)307、RAM(Random Access Memory)308、システムバス309を備える。
【0028】
入力部301は、キーボード、マウス、入力インタフェース等を備え、サーバ管理者からの指示入力や種々のデータの入力等を受け付けて制御部306に入力する。
【0029】
出力部302は、表示装置などから構成され、画像データやメッセージデータなどを表示する。
【0030】
第1の通信制御部303は、電話回線、インターネット等の一般通信網NW1を介して外部装置と交信し、種々の情報を送受信する。
【0031】
第2の通信制御部304は、ITS通信網NW2を介して各路側無線装置100に接続され、路側無線装置100に交通情報などを送信する。また、第2の通信制御部304は、各路側無線装置100が車載器200との交信などにより得た情報を、ITS通信網NW2を介して受信する。例えば、車載器200から受信した情報は、交通情報を生成するために用いられる。
【0032】
記憶装置305は、ハードディスク装置等を備え、交通情報や広告などを示す画像データ、音声データ、テキストデータ等を格納する。また、記憶装置305は、各路側無線装置100の位置やアドレスの他、各路側無線装置100の近傍の地理情報を記憶する。
【0033】
制御部306は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、交通情報配信サーバ300全体の動作を制御する。また、制御部306は、記憶装置305に格納されている各種情報に基づいて、各路側無線装置100に配信するコンテンツデータを作成し、第2通信制御部304を制御してITS通信網NW2を介して各路側無線装置100に配信する。制御部306が生成し送信するコンテンツデータの構成については後述する。
【0034】
ROM307は、交通情報配信サーバ300全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)やプログラム等を記憶する。
【0035】
RAM308は、制御部306のワークエリアとして機能する。
【0036】
システムバス309は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0037】
次に、路側無線装置100の構成について説明する。路側無線装置100は、典型的には道路上や駐車場等に設置されるビーコン等(電波ビーコン、光ビーコン等)の送受信機を備える。路側無線装置100は、ビーコンから交通情報や広告などのコンテンツデータを周囲に発信する。路側無線装置100は、ユーザが情報を引き出す(プル)のではなく、ユーザが操作しなくてもコンテンツ提供側から自動的に情報をクライアントに送る、いわゆるプッシュ配信によって情報を配信する。路側無線装置100は、送信対象のコンテンツデータを交通情報配信サーバ300から受信して記憶し、無線送信する。路側無線装置100の近くを通過する車両の車載器200は、路側無線装置100からコンテンツデータを受信する。
【0038】
ここで、コンテンツデータには、コンテンツデータを再生するための再生条件(例えばコンテンツデータの再生を開始する地理的な位置)を指示するためのデータが含まれる。詳細は後述する。
【0039】
図3に示すように、路側無線装置100は、無線通信部101、通信制御部102、記憶装置103、制御部104、ROM105、RAM106、システムバス107を備える。
【0040】
無線通信部101は、電波信号、光信号等の無線信号により路側無線装置100の近傍を通過する車両に設置された車載器200との間で情報を交信する。例えば、無線通信部101は、交通情報配信サーバ300から提供された交通情報を車載器200に送信する。また、無線通信部101は、車載器200から送信されてくる車両ID等の情報を受信する。
【0041】
通信制御部102は、ITS通信網NW2を介して交通情報配信サーバ300に接続され、交通情報配信サーバ300から送信される交通情報や広告などのコンテンツデータを受信して記憶装置103に格納する。また、車載器200から取得した情報を交通情報配信サーバ300に送信する。
【0042】
記憶装置103は、交通情報配信サーバ300から受信した交通情報や広告などを格納する。
【0043】
制御部104は、CPU等から構成され、路側無線装置100全体の動作を制御する。例えば、制御部104は、記憶装置103に格納されている交通情報や広告を、無線通信部101を制御して車載器200にプッシュ配信する。制御部104は、無線通信部101により車載器200から取得した情報を記憶装置103に格納する。また、制御部104は、トラフィックカウンター(図示せず)などを用いて路側無線装置100周辺の交通情報を生成して記憶装置103に格納し、ITS通信網NW2を介して交通情報配信サーバ300に送信することもできる。
【0044】
ROM105は、路側無線装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)、プログラム、各種のデータを記憶する。
【0045】
RAM106は、制御部104のワークエリアとして機能する。
【0046】
システムバス107は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0047】
次に、車載器200の構成について説明する。車載器200は自動車に設置される。本実施形態では、車載器200は、一般的なカーナビゲーション装置と一体に構成され、カーナビゲーションの機能と、路側無線装置100からプッシュ配信されたコンテンツデータを再生する機能とを備える。ただし、カーナビゲーションの機能を備えない実施形態を採用することもできる。
【0048】
車載器200は、自己の位置を判別し、また、路側無線装置100からプッシュ配信されるコンテンツデータを受信する。例えば、車載器200は、測定された自己の位置と、受信したコンテンツデータに含まれる、再生するための地理的な位置(以下、「再生位置」と呼ぶ)とが一致すると、コンテンツデータを再生する。以下詳述する。
【0049】
図4に示すように、車載器200は、通信部201、音声処理部202、出力部203、操作部204、I/O(Input/Output)装置205、記憶装置206、制御部207、ROM208、RAM209、システムバス210を備える。
【0050】
通信部201は、GPS(Global Positioning System)モジュール201a、DSRC(Dedicated Short Range Communication)モジュール201bを含む。
【0051】
GPSモジュール201aは、複数のGPS衛星からのGPS電波を受信し、制御部207に供給する。制御部207は、GPSモジュール201aを制御して、車載器200の現在位置を取得できる。
【0052】
DSRCモジュール201bは、DSRC方式により、路側無線装置100と通信する。
【0053】
音声処理部202は、制御部207から入力されたディジタルオーディオ信号をD/Aコンバータ(図示せず)でアナログオーディオ信号に変換して、スピーカ222に出力する。また、音声処理部202は、マイクロフォン223から入力された音声をA/Dコンバータ(図示せず)でディジタルオーディオ信号に変換して、制御部207に入力する。制御部207に入力されたデジタルオーディオ信号は公知の音声認識技術により音声認識処理が行われる。これにより、ユーザはナビゲーション音声を聞いたり、ナビゲーションに対し音声を入力することにより所定の指示を行なったりすることができる。
【0054】
出力部203は、モニタを備え、通信部201により取得されたナビゲーション画像などのコンテンツデータ、テレビ画像、記憶装置206等に予め記憶されたマップ画像などを表示する。
【0055】
操作部204は、タッチパネル式入力装置などから構成され、ユーザによる指示入力に基づいて指示入力信号を生成して、制御部207に入力する。
【0056】
I/O装置205は、DVD−ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)ドライブを含み、所定の地図情報(マップデータ)などを納めたDVD−ROMやCD−ROMからデータを読み出して制御部207に入力する。また、I/O装置205は、速度センサ、走行距離センサ、方向センサ、ブレーキセンサ等のセンサ群225の検出信号を取得し、制御部207に供給する。
【0057】
記憶装置206は、ハードディスクドライブ(HDD)を含み、所定の地図情報や各種設定情報などを記憶する。なお、記憶装置206は、メモリカードなどの他のメモリを備えていてもよい。制御部207は、地図情報を記憶したDVD−ROM等の記憶媒体から随時この地図情報を読み出してもよいし、記録媒体から予めこの地図情報を読み出して記憶装置206に書き込んでおく(インストールしておく)ようにしてもよい。
【0058】
制御部207は、CPU等から構成され、車載器200全体の動作を制御する。例えば、制御部207は、GPSモジュール201aを介して受信したGPS信号に基づいて、車載器200(自車)の現在位置を判別する。また、制御部207は、センサ群225に含まれている方向センサの出力をI/O装置205を介して取り込み、現在の自車の進行方向を判別する。また、制御部207は、距離センサの出力から、自車の走行距離を求める。また、制御部207は、VICSモジュール201bを介して路側無線装置100から交通情報などのコンテンツデータを受信し、受信したコンテンツデータに含まれている再生条件を指定するデータに基づいて再生する。なお、制御部207は、コプロセッサ等を備えても良い。
【0059】
ROM208は、車載器200全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)、プログラム、各種のデータが記録される。
【0060】
RAM209は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、通信部201により取得されたコンテンツデータ、DVD−ROMから読み出したデータ等が保持される。また、制御部207は、RAM209をワークメモリとして使用する。
【0061】
システムバス210は、上記各部を相互に接続し、命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0062】
次に、車載器200の機能的な構成について説明する。図5に示すように、車載器200は、データ取得部251、データ再生部253、自己位置検出部254、位置一致判別部255、進行方向検出部256、方向一致判別部257、道路種別検出部258、道路種別判別部259を備える。
【0063】
データ取得部251は、再生すべき1つ又は複数のコンテンツデータを路側無線装置100から受信して取得する。制御部207、通信部201、記憶装置206が協働することにより、データ取得部251として機能する。
【0064】
コンテンツデータは、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式などの動画像データ、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などの静止画像データ、TTS(Text-to-Speech)形式の音声データ、文字情報などのテキストデータを含む。1つのコンテンツデータは、これらのデータうち1つ以上のデータから構成される。詳細は後述する。
【0065】
これらのデータは、単独で再生するように指定されるものだけでなく、他のデータと同時に或いは並行して再生するように指定されるものもある。例えば、ある地域のマップ画像データと、その地域の観光情報を説明する音声データとの組み合わせなどである。ここで言う同時とは、時間が完全に一致していなくてもよく、再生のタイミングが一部でも重複していればよい。
【0066】
一般に、画像と音声から構成されるコンテンツの提供側(データ配信側)は、これらが同時に再生されることを前提として、画像データと音声データとを制作している。本実施形態では、路側無線装置100は、同時に再生すべきコンテンツデータがある場合には、それらを指定する情報を格納して、コンテンツデータを配信する。車載器200は、この情報に従ってコンテンツを同時再生することができる。これにより、コンテンツ提供側の意図した通りにコンテンツを再生することができる。
【0067】
データ再生部253は、データ取得部251が取得したコンテンツデータを再生する。より詳細には、データ再生部253は、後述する位置一致判別部255による位置の判別結果と、方向一致判別部257による車載器200(自車)の進行方向の判別結果と、道路種別判別部259による自車が現在走行している道路の種別の判別結果とに基づいて、コンテンツデータ毎に指定された所定の再生条件が満たされたか否かを判断し、再生条件が満たされていればコンテンツデータを再生する。制御部207、記憶装置206、音声処理部202、出力部203が協働することにより、データ取得部251として機能する。
【0068】
自己位置検出部254は、GPSモジュール201aにより取得したGPS信号を処理して、車載器200の現在位置を検出する。通信部201、制御部207が協働することにより、自己位置検出部254として機能する。
【0069】
位置一致判別部255は、データ取得部251が取得したコンテンツデータに含まれる再生位置と、自己位置検出部254が検出した自己位置とを照合し、一致したときに、データ再生部253にデータ再生の許可を出す。ここで言う一致とは、予め定めた誤差内にあることを指し、必ずしも完全一致を指すものではない。制御部207が、位置一致判別部255として機能する。
【0070】
進行方向検出部256は、車載器200(自車)の進行方向を検出する。制御部207、I/O装置205、方向センサが協働することにより、進行方向検出部256として機能する。
【0071】
方向一致判別部257は、データ取得部251が取得したコンテンツデータに含まれる再生方向と、車載器200(自車)の進行方向とを比較し、一致した場合(予め定めた誤差内にある場合)に、データ再生部253にデータ再生の許可を出す。制御部207が、方向一致判別部257として機能する。
【0072】
道路種別検出部258は、ナビゲーション装置の地図情報と、自己位置検出部254が検出した現在位置とに基づいて、車載器200を搭載した自車が現在走行している道路の種別を検出する。制御部207が、道路種別検出部258として機能する。
【0073】
道路種別判別部259は、コンテンツデータの再生条件で指定された道路種別と、道路種別検出部258が検出した道路種別とを比較し、一致した場合に、データ再生部253にデータ再生の許可を出す。例えば、データ再生部253は、自車が再生条件に指定された道路種別に分類される道路を走行中であると判別されれば、コンテンツデータを再生する。制御部207が、道路種別判別部259として機能する。
【0074】
次に、コンテンツデータの構成について説明する。
図6は、路側無線装置100からプッシュ配信されるコンテンツデータのフォーマットの一例を示す図である。コンテンツデータには、コンテンツを構成する静止画像データ、動画像データ、音声データ、テキストデータ等のほか、これらのデータの再生条件や、コンテンツデータの付属情報などが記録される。以下詳述する。
【0075】
本図に示すように、コンテンツデータは、事業者情報401、情報提供者情報402、対象地点情報403、実データ部分404、優先度指定情報405を含む。
【0076】
まず、事業者情報401は、サービス事業者を特定するための事業者コード、サービス事業者ごとに予め指定されたモニタ表示用テキストデータなどを含む。
【0077】
次に、情報提供者情報402は、情報提供者(典型的には広告主の経営するサービス提供所)を識別するための情報提供者コード、情報提供者ごとに予め指定されたモニタ表示用テキストデータ、コンテンツを識別するための情報コード、コンテンツデータの有効期限、車載器200が受信したコンテンツデータを速やかに再生するか蓄積するかを指定する識別子などを含む。
【0078】
情報提供者コードは、コンテンツデータの提供元、すなわちデータ配信側を特定するための情報である。例えば、車載器200の制御部207は、情報提供者コードに基づいて、特定の提供元から提供されるコンテンツデータの受信を許可にしたり不許可にしたりすることができる。例えば、車載器200が搭載された自動車に未成年者が同乗しているときに、ドライバーは、未成年者に相応しくない内容を扱うデータ配信側から届けられたコンテンツをモニタに表示しないようにする等の設定ができる。制御部207は、プッシュ配信で取得したコンテンツデータの事業者コードと、予め記憶装置206に予め記憶された情報提供者コードリスト(図示せず)とに基づいて、そのコンテンツデータをモニタやスピーカに出力するか否かを判別することができる。
【0079】
コンテンツを識別するための情報コードは、例えば、データ提供側の広告企業(スポンサー)を特定するための広告企業IDや、データ配信側がユーザ(本実施形態では主にドライバー)を誘導しようと意図しているサービス提供所で扱う商品の素材を示す素材IDや、サービス提供所で扱う商品の商品ID等である。ユーザは、情報提供者コードと同様に、情報コードをコンテンツの選別(フィルタリング)に活用することができる。例えば、車載器200は、ドライバーが麺類を提供する食堂を探しているとき、情報コードに基づいて、パンや米を提供する店を除外して、麺類を提供する食堂が配信するデータだけをモニタ画面に表示させることができる。
【0080】
情報コードとして、ツリー構造を有するカテゴリーIDを用いることができる。例えば、項目として「暮らしの情報」「お店の情報」「ロードサイドサービス」などを用意し、それぞれにカテゴリーIDを付与する。また、「暮らしの情報」のサブ項目として、「医療・病院」「行政からのお知らせ」などを用意して、それぞれにカテゴリーIDをする。さらに、「医療・病院」のサブ項目として、「本日の当直医」「医療費のお知らせ」などの項目を用意して、それぞれにカテゴリーIDを付与する。
【0081】
このほか、情報コードは、サービス提供所で所定の時間帯に限定して行う割引販売を通知したり、商品又は役務のクーポン券・割引券・特典券・各種チケット等を配布したりするために用いてもよい。この場合、情報コードには、割引販売することを示すコードや、クーポン券等が付随することを示すコードが格納される。ここに記載した以外にも、分類コードに多様な情報を含めることができる。
【0082】
次に、対象地点情報403は、図7に示すように、対象地点座標411、提供時間情報412、再生詳細設定情報413、対象地点アイコン情報414、情報提供開始情報415を含む。
【0083】
対象地点座標411は、情報提供者によって予め指定される座標であり、緯度・経度を用いて表される。本実施形態の車載器200は、コンテンツデータの再生時に、対象地点座標411で指定された位置をカーナビゲーションシステムによる道案内の目的地又は経由地に指定するか否かを示す指示入力をユーザから受け付け、目的地又は経由地に設定することができる。
【0084】
提供時間情報412は、コンテンツデータを再生してユーザに提供する時間を指定する。例えば、情報提供者側が経営するサービス提供所の営業時間が指定される。車載器200のデータ再生部253は、現在時刻が、受信したコンテンツデータの提供時間情報412が示す時間帯に含まれる場合に、コンテンツデータを再生する。
【0085】
例えば、提供時間情報は、情報有効期間開始時と、情報有効期間終了時と、を含む。情報有効期間は、例えば期間限定の割引キャンペーンが継続される期間のように、コンテンツデータをユーザに提供する期間である。情報有効期間内に限ってコンテンツデータが再生されるようにしておけば、割引キャンペーンを目当てにサービス提供所に到着したドライバーが、該キャンペーンが既に終わっていてその恩恵を受けられずに失望する、といったトラブルがなくなり、データ配信側のイメージダウンといった不利益を防止することができる。情報有効期間の開始時と終了時は、年月日、時刻、曜日、あるいはこれらの組み合わせを用いて表される。また、情報有効期間開始時のみ、あるいは、情報有効期間終了時のみが提供されてもよい。例えば、「○月○日以降」や「○月○日まで」などでもよい。
【0086】
再生詳細設定情報413は、再生条件が満たされたときに何らかの理由で再生できない(例えば、車載器200がカーナビゲーションシステムによる道案内の再生中であり割り込んで再生できない等)場合、再生条件を満たした後であって再生可能になった時点で、コンテンツデータを再生するか否かを設定するための情報である。
【0087】
対象地点アイコン情報414は、モニタに表示される地図上の対象地点座標411に相当する位置に表示する画像などの情報である。
【0088】
情報提供開始情報415は、プッシュ配信されるコンテンツデータを再生することによってユーザへの情報の提供を開始するための再生条件と、その再生条件に合致した場合に再生されるデータ(再生用データ)と、を含む。再生用データは、静止画像データ、動画像データ、音声データ、TTS(text- to-speech)形式の音声データがあげられるが、走行中に出力される場合も鑑み、少ない情報量のデータであることが好ましい。情報提供開始情報415に含まれる再生用データは、「個別データ」と「共通データ」とに大別できるが、詳細は後述する。
【0089】
再生条件は、情報提供開始位置を用いて設定される。情報提供開始位置は、データ配信側により設定される地理的な位置(地点)であり、例えば緯度と経度の組み合わせにより特定される。また緯度・経度情報に続けて所定の距離(例えば10m等)を設定してもよい。この場合、緯度・経度を中心とし、所定距離を半径とする円に含まれる領域が情報提供開始位置となる。例えば、データ配信側は、サービス提供所の存在する位置と、路側無線装置100が設置された付近の駐車場との間に、情報提供開始位置を設定するのが好適である。ドライバーの休憩等のためにかかる駐車場に入庫した自動車に搭載された車載器200にプッシュ配信が行われてコンテンツデータが記憶装置206に格納された後、ドライバーがおよそサービス提供所の方角に自動車を進めた場合、情報開始位置に自動車がさしかかったときにサービス提供所の広告がモニタに表示されれば、ドライバーが本来の目的地に行く前にサービス提供所に立ち寄る可能性は高いと考えられるからである。
【0090】
情報提供開始位置はひとつに限ることはなく、例えばサービス提供所を取り囲むように、複数箇所設定してもよい。このようにすれば、四方八方からドライバーをサービス提供所に誘導することができる。
【0091】
再生条件は、情報提供開始距離を用いて設定されても良い。これは、路側無線装置100からプッシュ配信を受けた後、自動車が情報提供開始距離だけ走行したときデータの再生が行われるようにすることも可能にするためである。上述の例でいえば、路側無線装置100を設置した駐車場とサービス提供所との間の道のりの例えば半分を情報提供開始距離としておけば、データ配信側にとって有利なタイミングでドライバーにコンテンツを視聴してもらうことができる可能性がある。自動車が駐車場を出発した後にサービス提供所とは逆方向に走行した場合、データ再生の開始トリガーとして上述の情報提供開始位置を用いる場合に比べて、サービス提供所側にとってはメリットが少なくなってしまうが、座標を指定するよりもデータのサイズが少なくて済むという利点がある。
【0092】
再生条件は、情報提供方向を用いて設定されても良い。データ配信側が上述のようにサービス提供所を取り囲むように情報提供開始位置のみを設定した場合、例えば既にサービス提供所でサービスを受け終わってサービス提供所から離れていく(つまりサービス提供所から遠ざかる)向きに自動車が移動したときにも、車載器200によるコンテンツデータの再生が開始されてしまう可能性がある。ドライバーがサービスを受ける意思がなくサービス提供所から遠ざかっていくときも同様である。このようなときもコンテンツデータの再生が始まってしまうと、ドライバーは煩わしく感じ、データ配信側に対して不愉快な印象を持ってしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、情報提供開始位置の他に、情報提供方向を指定できるようになっている。情報提供方向は、緯度や経度などを用いて表現する方向でもよいし、例えば東西南北程度あるいは16方位程度のおおまかな情報でもかまわない。データ配信側は、情報提供方向として、情報提供開始地点からサービス提供所への向きを指定するのが好適である。車載器200は、位置一致判別部255により自己の位置が情報提供開始位置と一致したと判別しただけではデータ再生部253にデータ再生の許可を出さない。さらに自己進行方向が情報提供方向と一致したとの判別結果を得てから、データ再生部253にデータ再生を開始させるのが好適である。情報提供方向は、上記のほか、例えば、上り・下りで表現する向き、道路の延びる向き(例えば「渋谷方面」など地名や固有名詞を用いたおおまかな向き)、などでもよい。
【0093】
再生条件は、道路種別を用いて設定されても良い。この情報の活用方法は多々考えられる。例えば、一方通行の道路についての情報を記載しておけば、上述の情報提供開始位置がたまたまサービス提供所から離れていく向きにしか進行できない道路に設定されてしまっていた場合、データ再生部253が情報提供開始位置に達してもコンテンツデータの再生をしないようにすることができる。サービス提供所から離れていく自動車内でコンテンツデータが再生されても、データ配信側の利益にならない場合がある。道路種別は、上記のほか、例えば、一般道路、高速道路、有料道路、バイパス、国道・県道・市町村道、トンネル、橋などでもよい。また、車線数(例えば片側2車線など)、幅員、通行規制の内容(例えば速度、車線、時間、季節、車種、車幅、車高、重量等による規制)、舗装の有無、交通量(例えば統計的に渋滞し易い道路等)、上り坂・下り坂・平坦、交通事故の発生頻度、によって区別するものでもよい。さらには、起伏の激しい道路、カーブが多い道路、海岸線に一番近い道路、などでもよく、データ配信側(コンテンツデータ提供側)が自由に設定することもできる。
【0094】
再生条件は、対象地点位置を用いて設定されても良い。対象地点位置は、典型的にはサービス提供所の地理的な位置(地点)である。対象地点位置は、例えば緯度と経度の組み合わせにより表される。例えば、続けて距離を記録しておけば、サービス提供所の位置(前記対象地点位置)を中心とする所定半径の円の円周付近に車載器200が達したタイミングでデータの再生が行われるようにすることができる。位置一致判別部255は、車載器200の現在位置が対象地点位置からこの半径の示す距離だけ離れた場所か否かを判別すればよい。これにより、上述の情報提供開始位置を1つ1つ定める手間を省くことができる。例えば、複数の情報提供開始位置を個別に指定する代わりに、「対象地点位置からXメートル離れた位置」のように指定でき、少ないデータ量で多くの再生開始位置を指定できる。言い換えれば、1つの対象地点位置を指定すれば、実質的に複数の情報提供開始位置を指定することができる。このように、対象地点位置を用いれば再生条件を記述するために必要なデータ量を減らすことができ、その効果は再生開始位置を多く設けたいときほど大きくなる。なお、半径の長さを固定値にすれば、半径の長さを指定するデータ領域を設ける必要がないので、さらに効率よく再生開始位置を指定できるようになる。
【0095】
また、応用例として、単位時間あたりの位置の変化量(閾変化量)を再生条件として更に記憶させることができる。すなわち、位置一致判別部255は、自己位置検出部254が検出した位置(第1の時刻における車載器200の位置と第2の時刻における車載器200の位置)の変化量を計算する。さらに、位置一致判別部255は、車載器200の現在位置が対象地点位置から上記半径の示す距離だけ離れた場所であり、且つ、計算された位置の変化量が予め指定された閾変化量以上(または以下)か否かを判別する。そして、計算された位置の変化量が閾変化量以上(または以下)であれば、データ再生部253はコンテンツデータの再生を開始する。このようにすれば、単純に位置が一致したか否かによってだけでなく、どれくらいの速度で再生開始位置に達したかによって、コンテンツデータを再生させる(させない)ように制御できる。例えば、車載器200を搭載した自動車が対象地点座標411に位置するショッピングセンターから上記半径だけ離れた場所(すなわち本来ならば再生を開始すべき位置)に到達しつつあるものの、運悪く渋滞にはまってしまい“のろのろ運転”で到達したような場合、渋滞を考慮して“抜け道”を案内するコンテンツデータを車載器200に提供したり、ドライバーをリラックスさせる音楽や動画等のコンテンツデータを提供したりすることができる。このように、閾変化量を用いれば、ユーザの置かれている状況に応じて相応しいコンテンツデータを再生することもできる。
【0096】
再生条件の定義の仕方には、次に例示するような様々なバリエーションがある。
【0097】
(1)情報提供開始位置を用いたもの。すなわち、再生条件「自車の現在位置が情報提供開始位置と一致する(一致しない)」。例えば、「○○交差点を通過する」など。
【0098】
(2)情報提供開始距離を用いたもの。すなわち、再生条件「コンテンツデータを受信してから自車が情報提供開始距離だけ走行する(走行していない)」あるいは「コンテンツデータを受信した場所から自車が情報提供開始距離だけ走行するまでの間」。例えば、「自車が○○交差点を通過してからXメートル走行する」、「自車が○○交差点からXメートル進むまでの間」など。距離の単位は任意である。
【0099】
(3)情報提供方向を用いたもの。すなわち、再生条件「自車の移動方向が情報提供方向と一致する(一致しない)」。例えば、「自車が○○デパートのある方角に向かっている」、「自車が都心から遠ざかる向きに移動している」など。方向は、正確な方位でも東西南北程度の大雑把な向きでもよいが、本実施形態ではVICSの一般仕様と同様に16方位としている。自車の移動方向が、この情報提供方向を中心とした所定角度範囲内の方向に含まれれば、これらが一致するとみなすようにしてもよい。
【0100】
(4)道路種別を用いたもの。すなわち、再生条件「自車の走行している道路が道路種別で指定された道路である(道路でない)」。例えば、「自車が一般道路を走行している」、「自車が高速道路を走行していない」など。
【0101】
(5)対象地点位置を用いたもの。すなわち、再生条件「自車の現在位置が対象地点位置から所定距離だけ離れている(離れていない)」あるいは「自車の位置が対象地点位置から単位時間あたり所定距離だけ近づく(遠ざかる)」。例えば、「自車が○○デパートからXメートル以上離れている」、「自車が○○サービスエリアに時速Xキロメートル以上で近づきつつある」など。
【0102】
(6)情報有効期間開始時及び/又は情報有効期間終了時を用いたもの。すなわち、再生条件「現在日時が情報有効期間内である(でない)」。例えば、「今日は○○デパートが新規オープンする○年○月○日である」、「今日は三連休の初日である」、「現在深夜割引時間帯(○時○分〜×時×分)である」など。
【0103】
(7)営業曜日及び/又は営業時間を用いたもの。すなわち、再生条件「現在日時が営業曜日及び/又は営業時間である(でない)」。例えば、「今日は○○デパートの休業日である」、「現在○○デパートの開店時間のX分前である」など。曜日の代わりに日付を用いてもよい。
【0104】
なお、再生条件としてこれらのいずれを採用してもよいし、これらを任意に組み合わせて定義してもよい。
【0105】
上述したように、情報提供開始情報415に含まれる再生用データには、情報提供開始位置等を用いた条件に合致した場合にのみ再生される「個別データ」と、複数の情報提供開始位置で共通して再生される「共通データ」とに大別できる。個別データと共通データは、いずれも、車載器200の現在位置が情報提供開始位置に到達したときにデータ再生部253がモニタにポップアップ表示するためのデータである。
【0106】
共通データは、複数の情報提供開始位置が設定されており、それら複数の情報提供開始位置において再生されるデータが同じである場合のデータである。個別データは、情報提供開始位置ごとに再生するように設定されたデータである。例えばあるサービス対象地点情報に対し、情報提供開始位置情報として、3つの地点P1、P2、P3が設定されているとする。P1で再生するデータはD1であり、P2で再生するデータはD2、P3で再生されるデータがD2である場合において、D1は個別データといい、D2はP2とP3で同じデータであるため、これを共通データとよぶ。なお、共通データについては、情報提供開始情報415のそれぞれの地点において、個別にデータが格納されていてもよいし、ある地点(例えばP2)においてデータが格納され、他の地点(例えばP3)では、ある地点に格納されているデータを参照するようにしてもよい。
【0107】
情報提供開始情報415には、テキストデータと静止画像データと音声データとTTSデータのうち少なくとも1つ以上が格納される。再生条件が満たされた場合に、共通データと個別データのうちどちらを再生するか、あるいは、複数の共通データあるいは複数の個別データが含まれる場合に、どのデータを再生するか、を指定する情報も、情報提供開始情報415に予め格納され、データ再生部253は、この情報に従って、再生するデータを選択するものとする。なお、情報提供開始情報415に含まれる再生用データは、主に、ポップアップ表示するために用いられるデータであり、自車の走行中(つまり運転中)に出力されることを想定しているので、注視する必要がある動画像データは含まないものとする。
【0108】
表示時間情報416は、出力部203にコンテンツデータの再生画面を表示させる時間を示す情報である。例えば、表示時間情報416には0〜255の整数が設定され、単位は「秒」である。表示時間=“0”は将来の使用の予約用として確保される。表示時間=“255”は次にプッシュ配信されるまで、あるいは操作部204に操作指示が入力されるまで表示を続けることを示す。
【0109】
表示時間情報416の指定方法としては、表示時間そのものを指定するようにしてもよい。また、車載器200の仕様に委ねるとの指示でもよい。あるいは、例えばコンテンツデータがテキストであり、それと同時に音声のコンテンツデータが再生されることが意図されている場合には、音声発話終了までテキストを表示するといったように、他のコンテンツデータの再生時間を用いた所定の関数として表示時間を決定するようにしてもよい。
【0110】
なお、ここではコンテンツデータが画像データ又はテキストデータであることを前提にしているが、音声データの場合には、表示時間の代わりに再生時間として用いればよい。
【0111】
次に、実データ部分404は、図8に示すように、表示用テキスト情報421、表示用静止画像情報422、表示用動画像情報423、再生用音声ファイル情報424、発話用TTSファイル情報425を含む。実データ部分404に格納されるこれらの再生用データは、主に、ポップアップ表示後にユーザが更に詳細な情報を再生することが要求された後に再生されるデータである。
【0112】
表示用テキスト情報421は、モニタに表示する文字データである。本実施形態では、表示用テキスト情報421で指定される文字データの文字数は、自車が走行中の場合には全角で31文字を上限とする。ただし、上限文字数は適宜変更することも可能である。表示用テキスト情報421は、走行中に表示するデータか、あるいは停車中に表示するデータかを指定する情報を更に含み、データ再生部253は、自車が走行中の場合には走行中に表示するよう指定されたデータのみを再生し、自車が停車中の場合には停車中に表示するように指定されたデータのみを再生してもよい。
【0113】
表示用静止画像情報422は、モニタに表示する静止画像データであり、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)、GIF(Graphics Interchange Format)、PNG(Portable Network Graphics)等のデータ形式が用いられる。
【0114】
表示用動画像情報423は、モニタに表示する動画像データであり、例えばMPEG−4(Joint Photographic Experts Group - Layer 4)等のデータ形式が用いられる。
【0115】
再生用音声ファイル情報424は、スピーカから音声出力する音声データであり、例えばAAC(Advanced Audio Coding)等のデータ形式が用いられる。
【0116】
発話用TTSファイル情報425は、スピーカから音声出力する音声データであり、TTS形式のデータである。データ再生部253は、テキストを音声に変換して再生する。
【0117】
実データ部分404には、情報提供開始情報415に格納される再生用データと比較して情報量の多いデータが記憶されている。これは、情報提供開始情報415に含まれる再生用データは、走行中にも再生されることを想定して比較的容量の小さいデータとなっているのに対し、実データ部分404に格納される再生用データは、駐車場等、車が停止されている場合に再生されることを想定しているためである。
【0118】
次に、優先度指定情報405は、コンテンツデータをその内容の重要度合いによって分類するための情報であり、データ配信側によって予め設定される。例えば、コンテンツデータは、優先的に再生する順に、(1)最優先情報(2)優先情報(3)選択可能情報、に分類される。
【0119】
最優先情報は、カーナビゲーションシステムによる道案内を再生中の場合でも、その処理を中断してすぐに表示・発話するコンテンツデータである。例えば、データ再生部253は、受信完了後1秒以内に専用のアラーム音に続いて表示・発話することが望ましい。最優先情報は、これより優先度の低い優先情報、選択可能情報を表示・発話中であっても、それらを中断し速やかに再生する必要がある。他の最優先情報を再生中の場合には、データ再生部253は、原則として受信順に表示・発話する。例えば、最優先情報には、緊急メッセージ、安全運転支援情報などがある。
【0120】
優先情報は、カーナビゲーションシステムによる道案内を再生中の場合、その処理の中断の有無は規定しないが、必ず表示・発話するコンテンツデータである。他の優先情報又は選択可能情報を表示・発話中である場合、その処理の中断の有無は規定しないが、ユーザに必ず案内される。すなわち、データ再生部253は、受信完了後、再生条件を満たしたときに直ちに再生できない場合には、再生できるようになり次第再生する。
【0121】
選択可能情報は、カーナビゲーションシステムによる道案内を再生中の場合、又は、他の選択可能情報を表示・発話中である場合、その処理は中断せず、表示・発話終了後に再生する。選択可能情報に分類されるコンテンツデータを自動的に再生しない設定になっている場合、受信したことにユーザが気づかない可能性があるため、所定のアラーム音を再生したり、受信した旨の告知画面を表示したりすることが望ましい。
【0122】
図9は、本実施形態に係る車載器200の再生動作と、データ配信側によるプッシュ配信及びその拠点となるサービス提供所でのサービス提供と、の関わりを示す模式図である。
【0123】
例えば、ドライバーが休息等のために、路側無線装置511が設置されている駐車場(白抜きのPで示す。)に自動車501を入れたとする。すると、路側無線装置511から、自動車501に搭載されている車載器200に、コンテンツデータがプッシュ配信される。プッシュ配信されるコンテンツは、典型的には、データ配信側がサービス提供所521に自動車501を誘導して、サービス提供所のサービス提供装置523によるサービス提供を受けるよう意図して作成した、広告コンテンツである。
【0124】
自動車501が駐車場を出ても、プッシュ配信されたコンテンツデータはすぐには再生されない。データ配信側にとっては、最もドライバーを誘導しやすいタイミングで広告コンテンツが視聴されることが望ましい。そこで、データ配信側は、路側無線装置511が設置された駐車場とサービス提供所521との間にある、星印で示されたA地点を、情報提供開始地点として予め設定しておく。すると、自動車501が駐車場を出発後たまたま左折すれば、いずれA地点にさしかかる。そして、車載器200は、自動車501がA地点にさしかかったタイミングで、コンテンツデータの再生を開始する。これは、ドライバーに、自己進行方向にサービス提供所521が存在することを認識させ、本来は別の目的でドライブしていたとしても、サービス提供所に立ち寄ることを思いつかせる契機となり、広告としては大変効果的である。すなわち、データ配信側の意図に沿ったデータ再生がなされているといえる。
【0125】
なお、上述のとおり、データ配信側は、情報提供開始位置の代わりに、情報提供開始距離を示すことにより、好適なタイミングで車載器200がコンテンツデータを再生するようにしてもよい。本図でいえば、路側無線装置511が設置されている駐車場からA地点までの距離をあらかじめ測定しておき、該距離を情報提供開始距離として設定しておく。これは、座標軸等により情報提供開始位置を定めるよりも簡易な面がある。一方で、自動車501が駐車場を出発した後たまたま右折してしまった場合には、A地点と同じ距離にあるB地点でデータの再生が始まってしまう。B地点でデータ再生が開始されドライバーにサービス提供所521の広告が提供されたとしても、ドライバーがサービス提供所521に行くためには自動車を引き返さなければならない。そのため、サービス提供所521への誘導力は、A地点で再生開始される場合に比べて低下する。すなわち、広告としての効果が低下してしまうこともある。
【0126】
例えば、ドライバーが広告に誘導された結果、自動車503が広告主たるサービス提供所521の駐車場に入ったとする。ここでドライバーは、サービス提供装置523によるサービスの提供を受けるととともに、その対価を支払う。つまり、データ配信側に利益をもたらす。サービス提供所521の駐車場にも路側無線装置513が備えられている。路側無線装置513から自動車503に搭載された車載器200にコンテンツデータがプッシュ配信されると、車載器200の記憶装置206の所定記憶領域に所定のフラグが立てられる。この所定のフラグは、自動車503がサービス提供所521に既に立ち寄ったため、同じコンテンツデータを再生しなくてもよいことを示すためのものである。かかる所定のフラグが立てられた車載器200が搭載された自動車が、サービス提供所521を出発後に、再びA地点にさしかかった場合、同じコンテンツデータがまた再生されないようにすることができる。仮に再生が繰り返されれば、ドライバーに「しつこい」という不愉快な印象を持たせてしまい、2度とサービス提供所に立ち寄らなくなってしまうことも考えられるので、かかる仕組みは、データ配信側の意図に沿ったものであるといえる。
【0127】
なお、再生条件に情報提供方向を用いることによって、さらに好適なタイミングでコンテンツデータを再生することもできる。例えば、自動車501が情報提供開始位置の設定されていない道路を通ってサービス提供所521の近くまで来た後に、本図のA地点が設定された道路を、A地点からB地点に向かう方向に進んだ場合(すなわち、サービス提供所521から遠ざかる向きに進んだ場合)には、コンテンツデータを再生しない。もし再生されると、ドライバーはUターンを強いられる気分になり、サービス提供所521に対して不愉快な印象を持ってしまいかねず、データ配信側の利益にならない場合がある。情報提供方向は、こうした事態を防止する点で、データ配信側の意図に沿ったデータ再生を可能にする。
【0128】
サービス提供装置523の仕様(例えば提供可能なサービスの種類や、特定の期間だけ割引がうけられる恩典があることや、営業している日時)は、データ配信側が管理する商用データ作成装置525によって随時調査される。商用データ作成装置525は、かかる調査の結果に基づいて、コンテンツデータを作成して、路側無線装置511,513に伝達し、最適かつ最新の情報がプッシュ配信されるように動作する。
【0129】
情報提供開始位置は、A地点1箇所に限る必要はない。既に述べたように、サービス提供所521を取り囲むように多数設置したほうが、四方八方からドライバーをサービス提供所521に誘導することができて、有利である。
【0130】
多数の情報提供開始位置をひとつずつ指定するのが煩雑である場合には、サービス提供所521を中心として所定の半径(本図の例でいえば2000m)の円を描き、円周と道路の交点を情報提供開始位置とみなすようにすることもできる。情報提供開始距離は、上述したように、例えば対象地点位置(サービス提供所521の位置)と対応付けて記録しておくことができる。
【0131】
ただし、この方法では、例えば交点がたまたま交差点付近(本図のC地点)になってしまった場合には、データ配信側にとって不都合が生じ得る。交差点付近は、カーナビゲーション機能を搭載する車載器200が最優先で再生すべき非商用コンテンツデータ(典型的には道案内)が再生される確率が高い。例えば、非商用データ作成装置531が作成した、交差点での交通安全上の注意事項を示すコンテンツデータが、路側無線装置515により車載器200にプッシュ配信され、自動車が交差点にさしかかったとき、かかる注意事項のコンテンツデータが優先的に再生される。その結果、サービス提供所521の広告コンテンツが再生されないままになってしまう。
【0132】
そこで、商用データ作成装置525は、非商用データ作成装置531の仕様を調査し、その結果も踏まえて商用データを作成するようにする。具体的には例えば、非商用データ作成装置531が、交差点のあるC地点の近傍を情報提供開始位置とするような非商用データを作成することが分かれば、商用データ作成装置525は、C地点から離れたD地点を情報提供開始位置とするような商用データを作成すればよい。
【0133】
サービス提供装置523と商用データ作成装置525と非商用データ作成装置531は、コンテンツデータの作成と配信を自動的に行う装置であるとしてきたが、これらの一部又は全部は人間が行う作業であってもよい。
【0134】
(再生処理)
次に、車載器200によるコンテンツデータの再生処理について説明する。上述のように、コンテンツデータ毎に設定された再生条件に基づいてコンテンツデータを再生する際、再生条件を満たしたときに何らかの原因で直ちにコンテンツデータを再生できないことがある。例えば、カーナビゲーションによる道案内の途中では、車載器200は広告等のコンテンツを再生できない場合がある。また、車載器200を搭載した自動車が交差点などのように特に運転に注意しなければならない所を走行中のときには、広告等の再生を控えたほうがよい場合がある。また、本実施形態で扱うコンテンツデータの表示時間情報316には、モニタに表示する時間が予め設定されている。そのため、例えば、データ再生部253がコンテンツデータの再生を開始してから表示時間情報316に設定された時間が経過すると、再生を終了し、モニタに表示されなくなる。あるいは、データ再生部253は、コンテンツデータの種類に関わらず、コンテンツデータの再生を開始してから所定時間が経過すると、再生を終了する場合もある。さらには、優先度指定情報405に設定された優先度が、既に再生中のコンテンツデータの優先度よりも低い場合、コンテンツデータは再生されない(モニタに表示されない)場合もある。本実施形態は、一旦再生が終了したコンテンツを再び視聴したい場合や、予め設定された再生条件どおりに再生できなかった(再生しなかった)場合を考慮しつつ、データ配信側の意図した通りにコンテンツデータを再生することができるようにした実施形態である。以下詳述する。
【0135】
図10は、本実施形態の車載器200の機能的な構成を示す図である。車載器200は、データ記憶部260、データ表示部261、再生指示受付部262を更に備える。
【0136】
データ記憶部260は、データ取得部251がプッシュ配信により取得したコンテンツデータを記憶する。本実施形態では、データ記憶部260は、データ取得部251が取得したコンテンツデータを一旦すべて記憶する。記憶装置206がデータ記憶部260として機能する。
【0137】
データ表示部261は、データ記憶部260にどのようなコンテンツデータが記憶されているかを示す画面をモニタに出力する。出力部203と制御部207が協働してデータ表示部261として機能する。
【0138】
再生指示受付部262は、データ記憶部260に記憶されたコンテンツデータを再生する旨の指示入力をユーザから受け付ける。操作部204と制御部207が協働して再生指示受付部262として機能する。
【0139】
データ再生部253は、位置一致判別部255と方向一致判別部257と道路種別判別部259とによる、車載器200の位置と方向と自車が走行している道路の種別との判別結果に基づいて、所定の再生条件が満たされたか否かを判断し、再生条件が満たされていればコンテンツデータを再生する。この再生条件には、上述の情報提供開始位置や情報提供方向等のほか、例えば「現在、自車は交差点などの所定の交通ポイント付近にないこと」といった条件も含まれるが、詳細については後述する。また、データ再生部253は、再生指示受付部262がデータ記憶部260に記憶されたコンテンツデータを再生する旨の指示入力をユーザから受け付けると、データ記憶部260からコンテンツデータを読み出して再生する。
【0140】
次に、データ表示部261がモニタに出力する画面の構成例について説明する。例えば図11(a)に示すように、データ表示部261は、データ記憶部260に記憶されたコンテンツデータのリストを作成してモニタに表示する。本図では、データ表示部261は、コンテンツのタイトルと、受信した日時と、受信した場所とを対応付けたリストを表示している。データ記憶部260は、路側無線装置100からコンテンツデータを受信すると、受信したコンテンツデータを、受信した日時を示す情報(いわゆるタイムスタンプ等)と、受信した場所を示す情報(例えば緯度・経度等)とに対応付けて記憶すればよい。なお、データ表示部261は、受信した日時と場所は必ずしも表示しなくてもよい。この場合、データ記憶部260は、受信した日時と場所を記憶しなくてよい。
【0141】
データ表示部261は、受信した日時が新しい(古い)順、データサイズの大きい(小さい)順、現在位置から近い(遠い)順などの所定の順番にコンテンツを並べ替えて、コンテンツリストを表示してもよい。また、再生指示受付部262が、どの順番に並べ替えるかを指定する指示入力をユーザから受け付けて、データ表示部261が、受け付けた指示入力が示す順番に並び替えてコンテンツリストを表示してもよい。このように自由にソートして表示できるようにすれば、ユーザは見たいコンテンツを効率よく探すことができる。
【0142】
コンテンツリストの表示手法には様々なバリエーションがある。例えば図11(b)に示すように、データ表示部261は、データ記憶部260に記憶されたコンテンツデータの画像をサムネイル(サイズを縮小した簡易画像)にしてモニタに表示する。このようにすれば、ユーザは、取得済みのコンテンツの概要を一目で認識することができる。コンテンツに画像がなく音声のみあるいはテキストのみの場合、データ表示部261は、サムネイルの代わりに、音声のみあるいはテキストのみである旨を表示する。
【0143】
例えば、コンテンツデータに含まれる静止画像データが1つしかない場合、データ表示部261は、この静止画像データを縮小したサムネイルを表示する。
例えば、コンテンツデータに含まれる静止画像データが複数ある場合、データ表示部261は、これらの静止画像データの中からランダムに選択したものを縮小したサムネイルを表示する。また、静止画像データを含むコンテンツデータの情報コードにクーポン券等が添付されていることが示されているものがある場合、データ表示部261は、そのクーポン券等が添付された静止画像データを縮小したサムネイルを表示する。
【0144】
例えば、コンテンツデータに動画像データが含まれている場合、データ表示部261は、動画像データの先頭フレームを抽出し、抽出した静止画像データを縮小したサムネイルを表示する。あるいは、データ表示部261は、動画像データの最後のフレームを抽出し、抽出した静止画像データを縮小したサムネイルを表示する。
例えば、動画像データを含むコンテンツデータの情報コードに、クーポン券等が添付されていることが示されている場合、動画像データの最後のフレームを抽出することが望ましい。一般的にクーポン券等はコンテンツの最後の方に提示されることが多いためである。クーポン券等が添付されている画像がサムネイルとして表示されれば、ユーザの注目度が増し、広告効果が上がることが期待される。
【0145】
データ表示部261は、コンテンツデータの種類を含むコンテンツリストを表示してもよい。コンテンツデータには、動画像、静止画像、音声、テキストなど様々な形式のデータがある。そこで、データ表示部261は、コンテンツデータの情報コードを参照して、1つのコンテンツを構成するコンテンツデータの種類を判別し、判別結果をリストに表示する。例えば、データ表示部261は、あるコンテンツが音声のみから構成されると判別した場合、コンテンツのタイトルと、そのコンテンツが音声のみであることを示すアイコンとを表示する。あるいは、画像がないことを示すアイコンやメッセージ等を表示してもよい。このようにすれば、ユーザは、コンテンツの再生前に、画面を気にする必要はなく音に集中すればよいことが分かる。
【0146】
データ表示部261は、コンテンツのジャンルやデータサイズなどを含むコンテンツリストを表示してもよい。例えば図12(a)に示すように、データ表示部261は、コンテンツデータの情報提供者情報402に格納された情報コードに基づいてコンテンツデータを所定のジャンルに分類して表示する。本例では、データ表示部261は、ジャンルと、ジャンルに分類されたコンテンツの件数と、未読のコンテンツの件数とを表示している。ユーザによっていずれかのジャンルが選択されると、データ表示部261は、選択されたジャンルに分類されている図11(a)に示すようなコンテンツのリストを表示する。このようにジャンルに分類して表示すれば、ユーザは見たいコンテンツを効率よく探すことができる。
【0147】
なお、ジャンルは1階層に限られない。例えば図12(b)に示すように、情報コードに基づいて“お店の情報”のジャンルの下に“レストラン”や“ファッション”などのサブジャンルを設け、サブジャンルに分類して表示することもできる。さらに、図12(c)に示すように、情報コードに基づいて“レストラン”のサブジャンルの下に“クーポン付き”や“期間限定”などのサブジャンルに分類して表示してもよい。コンテンツデータをどのようなジャンル又はサブジャンルに分類するかは本発明によって限定されない。
【0148】
1つのコンテンツデータは、複数のジャンル又はサブジャンルに分類されてもよい。例えば、あるコンテンツXの情報コードに、サブジャンル“クーポン付き”に属し且つ“駐車場あり”に属することが示されている場合、データ表示部261は、コンテンツXを、“クーポン付き”が選択されたときのコンテンツリストにも表示し、“駐車場あり”が選択されたときのコンテンツリストにも表示する。
【0149】
次に、本実施形態の各部が行うコンテンツデータの再生処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
【0150】
まず、データ取得部251は、路側無線装置100からコンテンツデータをプッシュ配信により取得して、データ記憶部260に格納する(ステップS201)。
【0151】
位置一致判別部255と方向一致判別部257と道路種別判別部259は、コンテンツデータに指定された再生条件を満たすか否かをそれぞれ判別する(ステップS202)。位置一致判別部255は、自己位置検出部254により取得された車載器200の現在位置が、再生条件に示された情報提供開始位置と一致するか否かを判別する。なお、前述したように、情報提供開始位置が、円の中心の緯度・経度と、円の中心からの距離(円の半径)とを用いて表される場合には、位置一致判別部255は、この円内に車載器200の現在位置が含まれるときに、現在位置と情報提供開始位置とが一致すると判別する。方向一致判別部257は、進行方向検出部256により取得された車載器200の移動方向が、再生条件に示された情報提供開始方向と一致するか否かを判別する。道路種別判別部259は、道路種別検出部258により取得された現在自車が走行する道路の種別が、再生条件に示された道路種別と一致するか否かを判別する。すなわち、自車が、対象道路の情報提供開始位置を対象地点位置に向かって通過したか否かが判別される。この処理は、ステップS202の判別結果がYESになるまで繰り返される。
【0152】
再生条件を満たすと判別された場合(ステップS202;YES)、データ再生部253は、プッシュ配信で受信したコンテンツデータを再生するか否かを判別する(ステップS203)。具体的には、データ再生部253は、コンテンツデータの優先度指定情報405に基づいて、受信したコンテンツデータよりも優先して再生すべき他のコンテンツデータを現在再生中か否かを判別することによって、再生するか否かを判別する。優先して再生すべき他のコンテンツデータとは、例えば、受信したコンテンツデータより優先度が高いコンテンツデータや、カーナビゲーションの道案内画面のデータなどである。
【0153】
また、データ再生部253は、プッシュ配信で受信したコンテンツデータを再生するのに相応しいタイミングか否かを判別することによって、再生するか否かを判別する。例えば、車載器200を搭載した自車が交差点を通過中の場合や、自車が交差点の前後の所定距離内の道路を走行している場合には、データ再生部253は、受信したコンテンツデータを再生するのに相応しいタイミングではないと判別し、受信したコンテンツデータを再生しない。自車が交差点(又はその近く)を通過中に直ちにコンテンツデータを再生すると、ドライバーが運転に集中できなくなってしまう恐れがあるからである。なお、交差点に限らず、自車が所定の交通ポイントから所定距離以内に存在する場合に、データ再生部253は、受信したコンテンツデータを再生するのに相応しいタイミングではないと判別し、受信したコンテンツデータを再生しない。例えば、所定の交通ポイントとして、道路の合流点、分岐点、踏切、一時停止が必要な地点、ナビゲーションシステムにユーザが設定した目的地や経由地、などを採用することができる。
【0154】
コンテンツデータを再生すると判別された場合(ステップS203;YES)、データ再生部253は、コンテンツデータを再生する(ステップS204)。なお、ステップS204で再生されるコンテンツデータとは情報提供開始情報415に格納されているデータである。
【0155】
一方、コンテンツデータを再生しないと判別された場合(ステップS203;NO)、データ再生部253は、コンテンツデータを再生しないで再生処理を終了する。
【0156】
このように、データ再生部253は、コンテンツデータを受信後、それらよりも優先して再生すべき優先コンテンツデータを再生中であれば、引き続きその優先コンテンツデータの再生を続行し、今回受信したコンテンツデータは再生しない。例えば、車載器200が道案内の画像や音声等を再生途中であり、プッシュ配信された広告等のコンテンツデータを直ちに再生してしまうと道案内に混乱を来してしまうと予想される場合には、車載器200はコンテンツデータを再生しない。ただし、再生しないと判別された場合にも、受信したコンテンツデータはデータ記憶部260に記憶されているので、後述するようにユーザは後から呼び出して再生させることができる。ユーザは、自分に都合の良いタイミングでコンテンツデータを閲覧することができる。
【0157】
なお、再生指示受付部262は、受信したコンテンツデータを再生するのに相応しくないタイミングを指定する指示入力をユーザから受け付けて、データ再生部253は、指定されたタイミングではコンテンツデータを再生しないように構成してもよい。これにより、ユーザごとに再生条件をカスタマイズして設定することができる。
【0158】
例えば、データ再生部253は、センサ群225が備える速度センサによって計測された速度に基づいて、自車が所定の時速以上で走行中であればコンテンツデータを再生しないと判別し、それ以外では再生してもよいと判別してもよい。つまり、自車のスピードが所定時速以上であれば、データ再生部253はプッシュ配信されたコンテンツデータを直ちに再生せずにデータ記憶部260に保存しておく。自車のスピードが所定時速未満であれば、データ再生部253はコンテンツデータを再生してもよい。
【0159】
例えば、データ再生部253が方向指示器(ウインカー)に接続され、データ再生部253は、自車が左右どちらかに進路変更する旨を示す信号を方向指示器から入力されるとコンテンツデータを再生しないと判別し、それ以外では再生してもよいと判別してもよい。つまり、自車が進路変更する場合、データ再生部253はプッシュ配信されたコンテンツデータを直ちに再生せずにデータ記憶部260に保存しておく。自車が進路変更していない場合、データ再生部253はコンテンツデータを再生してもよい。
【0160】
例えば、データ再生部253は、自車が所定の道路種別(例えば高速道路等)に分類される道路を走行中であると道路種別判別部259により判別されれば、データ再生部253は、コンテンツデータを直ちに再生せずにデータ記憶部260に保存しておく。自車が所定の道路種別に分類される道路を走行していないと判別されれば、データ再生部253はコンテンツデータを再生してもよい。
【0161】
(実施形態2)
次に、再生処理の他の実施形態について説明する。本実施形態の再生処理では、車載器200は、データ記憶部260に記憶されたコンテンツデータをユーザが任意のタイミングで呼び出して再生する。上述のように、ユーザは、直ちに再生しないと判別されたコンテンツデータを保存しておき、好きなときに再生させることができる。
【0162】
図14は、本実施形態の再生処理を説明するためのフローチャートである。
まず、データ表示部261は、データ記憶部260に記憶されたコンテンツデータを所定のジャンルごとに分類し(ステップS301)、コンテンツデータの一覧を表すコンテンツリストの画面をモニタに表示する(ステップS302)。例えば、データ表示部261は、図11(a)に示すようなコンテンツリスト、又は、図11(b)に示すようなサムネイルを表示する。データ表示部261は、図12(a)〜(c)に示すように、コンテンツデータを所定のジャンルやサブジャンルに分類した画面を表示してもよい。
【0163】
データ再生部253は、データ記憶部260に記憶されたコンテンツデータのうちのいずれかがユーザによって選択されたか否かを判別する(ステップS303)。具体的には、再生指示受付部262が、コンテンツデータを再生する旨の指示入力をユーザから受け付けて、データ再生部253が、この指示入力に基づいてコンテンツデータが選択されたか否かを判別する。
【0164】
いずれかのコンテンツデータが選択された場合(ステップS303;YES)、データ再生部253は、選択されたコンテンツデータを再生する(ステップS304)。コンテンツデータが選択されない場合(ステップS303;NO)、データ再生部253は再生処理を終了する。あるいは、いずれかのコンテンツデータが選択されるまで待機する(ステップS303でYESになるまで待機する)こととしてもよい。
【0165】
以上のように、本実施形態によれば、車載器200は、コンテンツデータ毎に、指定された再生条件を満たしたときに何らかの理由で直ちに再生できなかったとしても、プッシュ配信されたコンテンツデータを保存し、ユーザによる再生指示があれば再生する。したがって、車載器200はデータ配信側の意図した通りにコンテンツデータを再生でき、且つ、ユーザにとって都合の良いタイミングで再生することができる。コンテンツデータは、表示時間情報416に指定された時間だけモニタに表示され、この時間が経過後、再生を終了してモニタに表示されなくなるが、本実施形態によれば、ユーザは、再生終了後であっても任意のタイミングでコンテンツデータを再生させることができる。例えば、運転中に見逃してしまったコンテンツデータを、所望の機会に視聴することができる。
また、多くのコンテンツデータは、車載器200を搭載した自車が情報提供開始情報415で指定された位置にあるときに再生されるよう制作されるが、このようなコンテンツデータは、指定された位置に自車が到達しなければ再生されないことになる。しかし、本実施形態によれば、車載器200は、指定された位置に自車が到達したときに再生するだけでなく、ユーザから再生が指示されたときにも再生するので、ユーザは自身の都合に合わせてコンテンツを視聴することができる。
【0166】
なお、ステップS302において、データ表示部261は、まだ再生されていないコンテンツデータのリストを作成して表示するようにしてもよい。すなわち、データ取得部251が取得したコンテンツデータD1の再生条件が満たされ、且つ、このコンテンツデータD1の優先度が、再生中の他のコンテンツデータD2の優先度より高いと判別した場合、データ再生部253はこのコンテンツデータD1を再生する。一方、データ取得部251が取得したコンテンツデータD1の再生条件が満たされ、且つ、このコンテンツデータD1の優先度が再生中の他のコンテンツデータD2の優先度より低いと判別した場合、データ再生部253はコンテンツデータD1を再生せずに、データ記憶部260にコンテンツデータD1を記憶させる。そして、データ表示部261はデータ再生部253が再生しなかったコンテンツデータD1を含むリストを作成して表示する。表示されるリストには、データ再生部253によって再生されていないコンテンツデータのみが含まれる。本実施形態で再生されるコンテンツデータは好ましくは実データ部分404に格納されているデータであるが、情報提供開始情報415に含まれるデータであってもよい。
【0167】
(実施形態3)
次に、再生処理の他の実施形態について説明する。上述の各実施形態では、車載器200はプッシュ配信により取得したコンテンツデータをすべて保存することとしているが、保存するか否かをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0168】
図15は、本実施形態の再生処理を説明するためのフローチャートである。なお、本実施形態は、上述のステップS201〜S204と同様の処理を行った後についてのみ異なるので、重複する部分については説明を省略する。
【0169】
ステップS204で、データ再生部253がコンテンツデータを再生すると、再生指示受付部262は、再生されたコンテンツデータをデータ記憶部260に記憶しておくか否かを示す指示入力をユーザから受け付ける(ステップS401)。データ記憶部260は、受信したコンテンツデータをステップS201で一時保存しており、再生後の任意のタイミングでこのコンテンツデータを再生できるように引き続き保存しておくことができる。
【0170】
例えば、データ再生部253は、プッシュ配信されたコンテンツデータの再生を終了すると、図16に示すような選択画面を表示する。そして、再生指示受付部262は、コンテンツデータを保存するか否かの指示入力をユーザから受け付ける。
【0171】
データ再生部253は、ステップS401で受け付けた指示入力に基づいて、ステップS204で再生したコンテンツデータを引き続きデータ記憶部260に保存するか否かを判別する(ステップS402)。
【0172】
保存すると判別された場合(ステップS402;YES)、データ記憶部260はコンテンツデータを引き続き記憶して再生処理を終了する。
【0173】
一方、保存しないと判別された場合(ステップS402;NO)、データ記憶部260はステップS201で一時保存したコンテンツデータを消去する(ステップS403)。
【0174】
本実施形態によれば、データ記憶部260に記憶させるデータ量を減らすことができる。また、ユーザは、自分が必要と思ったデータのみ保存させ、後で再び閲覧できる。本実施形態において、前述のコンテンツリストとして表示等をされるデータは、ユーザが保存すると指示した時点において再生中であった、情報提供開始情報415に格納されるデータである。コンテンツリスト上でデータが選択されることにより、当該コンテンツデータの実データ部分404にあるデータが再生される。
【0175】
(実施形態4)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。上述の実施形態では、データ表示部261は、データ記憶部251に記憶されたすべてのコンテンツデータ、あるいは、所定のジャンル・属性等に分類されるすべてのコンテンツデータについて、リストやサムネイルを表示している。本実施形態では、データ再生部253によってまだ再生されていない未読のコンテンツデータや、ユーザによって任意に選択されたコンテンツデータを抽出して、リストやサムネイルを表示できる。以下詳述する。
【0176】
データ記憶部260は、コンテンツデータと対応付けて、未読フラグを記憶する。データ取得部251がコンテンツデータを取得した後、まだデータ再生部253によって再生されていない状態では、未読フラグは“ON(まだ再生されていないことを示す値)”にセットされる。一度でも再生されると、未読フラグは“OFF(既に再生されたことを示す値)”にセットされる。
【0177】
データ取得部251は、プッシュ配信によりコンテンツデータを取得すると、取得したコンテンツデータと、既定値として“ON”にセットした未読フラグと、を対応付けてデータ記憶部251に記憶させる。
【0178】
データ再生部253は、データ記憶部251に記憶されたコンテンツデータを再生すると、再生したコンテンツデータに対応する未読フラグを“OFF”にセットする。例えば、あるコンテンツデータの再生条件が満たされ、データ再生部253がこのコンテンツデータを再生してポップアップ表示すると、データ再生部253は、再生したコンテンツデータに対応する未読フラグを“OFF”にセットする。
【0179】
データ表示部261は、上述のステップS301において、データ記憶部260に記憶されたコンテンツデータを所定のジャンルごとに分類し、更に、未読フラグに“ON”がセットされたコンテンツデータ(つまり未読のコンテンツデータ)を抽出する。そして、データ表示部261は、ステップS302において、所定のジャンルに分類された未読のコンテンツデータのリスト又はサムネイルを表示する。なお、ステップS303以降は上述の実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0180】
本実施形態によれば、データ表示部261は、データ記憶部251に記憶されたコンテンツデータであって、まだデータ再生部253によって再生されていないもののみをリストアップして表示するので、ユーザは、どれを視聴していないのかがすぐに分かるという利点がある。
【0181】
なお、データ記憶部251は、未読フラグの代わりに、ユーザによって選択されたか否かを示す選択フラグを記憶し、データ表示部261は、選択フラグが“ON(ユーザによって選択されたことを示す値)”になっているコンテンツデータをリストアップして表示してもよい。この場合、車載器200は、選択フラグを“ON”又は“OFF”にする旨の指示入力をユーザから受け付ける入力受付部を更に備え、入力受付部は、ユーザからの指示入力に従って選択フラグを更新すればよい。これによって、データ表示部261は、ユーザによって任意に選択されたコンテンツデータのみをリストアップして表示することができる。再生指示受付部262が、この入力受付部の機能を兼ね備えていてもよい。例えば、ユーザは、再生されたコンテンツデータのうち、気になったもの、後で見直したいもの、等に、まるでブックマークを付けるかのように、選択することができる。そして、ユーザは、ブックマークを付けたコンテンツデータのみをリストアップして表示させることができ、所望のコンテンツデータを直ちに視聴することができるようになる。
【0182】
本発明は、上述した各実施形態に限られない。例えば、コンテンツデータの優先度指定情報405に従って、プッシュ配信により取得したコンテンツデータを保存するか否かを決めてもよい。すなわち、データ記憶部260は、現在再生中のコンテンツデータの優先度指定情報405と、データ取得部251がプッシュ配信により取得したコンテンツデータの優先度指定情報405とを比較して、比較結果に基づいて保存するか否かを決定してもよい。
【0183】
例えば、カーナビゲーションシステムによる道案内画面の優先度を予め相対的に高くしておき、プッシュ配信されるコンテンツデータの優先度を相対的に低くしておく。また、例えば、交通情報のコンテンツデータの優先度を高くしておき、広告のコンテンツデータの優先度を低くしておく。そして、データ再生部253は、現在再生中のコンテンツデータの優先度が、プッシュ配信により取得したコンテンツデータの優先度より高い場合、再生を続行し、取得したコンテンツデータを再生しないでデータ記憶部260に記憶させる。つまり、優先度の高いコンテンツの再生を続け、受信した優先度の低いコンテンツデータによる再生の割り込みを許可しない。
【0184】
一方、現在再生中のコンテンツデータの優先度が、プッシュ配信により取得したコンテンツデータの優先度より低い場合、再生を中断し、取得したコンテンツデータを再生する。つまり、優先度の低いコンテンツの再生を中断(又は終了)し、受信した優先度の高いコンテンツデータによる再生の割り込みを許可して再生する。この場合、データ記憶部260は、プッシュ配信により取得したコンテンツデータを再生後、記憶しなくてもよい。ただし、再生後であっても、コンテンツデータにクーポン券等が含まれている場合には、データ記憶部260はコンテンツデータを記憶するのが望ましい。
【0185】
なお、上述の各実施形態では、優先度が同じ場合には、現在再生中のコンテンツデータを引き続き再生し、プッシュ配信されたコンテンツデータは再生しないで保存しておく。ただし、現在再生中のコンテンツデータの再生を中断(終了)し、プッシュ配信されたコンテンツデータを再生することにしてもよい。
【0186】
車載器200は、コンテンツ提供側の広告主から提供されるクーポン券、割引券などをモニタに表示してユーザに提示することもできる。例えば、データ再生部253は、コンテンツデータの再生中に、図17(a)に示すような画面を表示する。ユーザは、携帯電話機やモバイル端末などに所定のコード(バーコード、二次元コード等)を読み取らせ、インターネットの広告主のサイトに接続する。携帯電話機等を用いずに車載器200がインターネットに接続してもよい。ユーザは、サイト内の所定の画像等を店員に見せ、価格の割引等を受ける。
【0187】
車載器200は、再生条件が満たされたコンテンツデータの優先度が、現在再生中のコンテンツデータの優先度より低い場合などのように、ステップS202で再生しないと判別した場合に、再生しないと判別されたコンテンツデータを保存するようにしてもよい。例えば、車載器200が道案内を再生しており、データ取得部251が、自車の現在位置が交差点の手前にさしかかったときに路側無線装置100からコンテンツデータを取得すると、データ再生部253は、取得したコンテンツデータを再生せずに保存し、例えば図17(b)に示すように未読のコンテンツが1件あることを示すメッセージを表示する。これにより、ユーザは、再生しなかった(再生できなかった)コンテンツデータがあることをすぐに知ることができる。このメッセージは、再生中のコンテンツデータの閲覧に支障を来さない程度の大きさと位置にすることが望ましい。
【0188】
上記各実施形態はあくまでも説明のためのものであり、本願発明の範囲を限定するものではない。例えば、車載器200を装置の全部又は一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、車載器200として動作させ、あるいは、車載器200が行う工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0189】
以上説明したように、本発明によれば、データ受信側にとって有益となるに相応しいタイミングでコンテンツを再生できるようにするために好適な情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】情報提供システムの全体構成を説明するための図である。
【図2】交通情報配信サーバの構成を説明するための図である。
【図3】路側無線装置の構成を説明するための図である。
【図4】車載器の構成を説明するための図である。
【図5】車載器の機能的な構成を説明するための図である。
【図6】コンテンツデータの概要構成を説明するための図である。
【図7】コンテンツデータの対象地点情報を説明するための図である。
【図8】コンテンツデータの実データ部分を説明するための図である。
【図9】車載器と、道路脇等に設置された各種装置等と、の関係を説明するための模式図である。
【図10】車載器の機能的な構成を説明するための図である。
【図11】(a)と(b)はコンテンツリストの表示画面の例である。
【図12】(a)〜(c)はジャンル分けしたコンテンツリストの表示画面の例である。
【図13】再生処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】実施形態2における再生処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】実施形態3における再生処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】コンテンツデータの再生画面の例である。
【図17】(a)はコンテンツデータの再生画面の例である。(b)はコンテンツデータを再生しなかったことを示すメッセージの表示例である。
【符号の説明】
【0191】
100 路側無線装置
101 無線通信部
102 通信制御部
103 記憶装置
104 制御部
105 ROM
106 RAM
107 システムバス
200 車載器
201 通信部
201a GPSモジュール
201b DSRCモジュール
202 音声処理部
203 出力部
204 操作部
205 I/O装置
206 記憶装置
207 制御部
208 ROM
209 RAM
210 システムバス
225 センサ群
251 データ取得部
253 データ再生部
254 自己位置検出部
255 位置一致判別部
256 進行方向検出部
257 方向一致判別部
258 道路種別検出部
259 道路種別判別部
260 データ記憶部
261 データ表示部
262 再生指示受付部
300 交通情報配信サーバ
301 入力部
302 出力部
303 第1の通信制御部
304 第2の通信制御部
305 記憶部
306 制御部
307 ROM
308 RAM
401 事業者情報
402 情報提供者情報
403 対象地点情報
404 実データ部分
405 優先度指定情報
411 対象地点座標
412 提供時間情報
413 再生詳細設定情報
414 対象地点アイコン情報
415 情報提供開始情報
416 表示時間情報
421 表示用テキスト情報
422 表示用静止画像情報
423 表示用動画像情報
424 再生用音声ファイル情報
425 発話用TTSファイル情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを再生してユーザに情報を提供し、所定のタイミングで提供を終了する情報提供装置であって、
当該コンテンツデータは、当該コンテンツデータを再生するための再生条件を指定する情報を含み、
前記情報提供装置の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
当該コンテンツデータを配信する配信装置から、当該コンテンツデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記現在位置取得手段が取得した当該現在位置に基づいて、当該再生条件が満たされたか否かを判別し、当該再生条件が満たされたと判別された場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生するデータ再生手段と、
前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する旨の再生指示入力を当該ユーザから受け付ける入力受付手段と、
を備え、
前記データ再生手段は、更に、当該コンテンツデータの再生の終了後であって、前記入力受付手段が当該再生指示入力を当該ユーザから受け付けた場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記入力受付手段は、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを前記記憶手段に記憶する旨を示す記憶指示入力を当該ユーザから更に受け付け、
前記データ記憶手段は、前記入力受付部が当該記憶指示入力を当該ユーザから受け付けた場合に、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記入力受付手段は、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを選択する旨を示す選択指示入力を当該ユーザから更に受け付け、
前記データ記憶手段は、当該選択指示入力を受け付けたか否かを示す情報と対応付けて、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
当該再生条件は、当該コンテンツデータを再生する前記情報提供装置の位置を指定する再生位置情報を含み、
前記データ再生手段は、前記現在位置取得手段が取得した当該現在位置が、当該再生位置情報に指定された位置と一致する場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
当該再生条件は、当該コンテンツデータを再生する前記情報提供装置の移動する方向を指定する再生方向情報を含み、
前記情報提供装置の移動する方向を取得する方向取得手段を更に備え、
前記データ再生手段は、前記方向取得手段が取得した当該方向が、当該再生方向情報に指定された方向と一致する場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記情報提供装置は道路を走行する車両に搭載され、
当該再生条件は、当該コンテンツデータを再生する前記情報提供装置が搭載された車両の走行する道路の種別を指定する再生道路種別情報を含み、
地図データを予め記憶する地図記憶手段と、
前記地図記憶手段に記憶された地図データと、前記現在位置取得手段が取得した現在位置とに基づいて、前記情報提供装置が搭載された車両の走行する道路の種別を取得する道路種別取得手段と、
を更に備え、
前記データ再生手段は、前記道路種別取得手段が取得した当該種別が、当該再生道路種別情報に指定された種別と一致する場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
地図データを予め記憶する地図記憶手段と、
前記地図記憶手段に記憶された当該地図データと、前記現在位置取得手段が取得した当該現在位置とに基づいて、当該現在位置が所定の交通ポイントから所定距離以上離れているか否かを判別する判別手段を更に備え、
前記データ再生手段は、当該現在位置が当該所定の交通ポイントから当該所定距離以上離れていると前記位置判別手段により判別された場合、当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータに予め設定された優先度が、前記データ再生手段によって再生されている他のコンテンツデータに予め設定されている優先度より低いか否かを判別する優先度判別手段を更に備え、
前記データ再生手段は、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータの優先度が、前記データ再生手段によって再生されている当該他のコンテンツデータの優先度より高いと前記優先度判別手段により判別された場合、当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記データ記憶手段は、前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータの優先度が、当該他のコンテンツデータの優先度より低いと前記優先度判別手段により判別された場合、当該コンテンツデータを記憶する、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記情報提供装置を搭載した車両の移動速度を計測する計測手段を更に備え、
前記データ再生手段は、当該移動速度が所定値以下の場合、当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項11】
前記情報提供装置を搭載した車両の方向指示器が作動しているか否かを判別するセンサを更に備え、
前記データ再生手段は、前記センサにより当該方向指示器が作動していないと判別された場合、当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項12】
前記データ記憶手段に記憶されたコンテンツデータのリストを作成して表示するデータ表示手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項13】
当該コンテンツデータは、当該コンテンツデータが属するジャンルを示す情報を含み、
前記データ表示手段は、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを当該ジャンルに従って分類して表示する、
ことを特徴とする請求項12に記載の情報提供装置。
【請求項14】
前記データ記憶手段に記憶されたコンテンツデータのリストを作成して表示するデータ表示手段を更に備え、
前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータの優先度が、
(a)当該他のコンテンツデータの優先度より高いと前記優先度判別手段により判別された場合、前記データ再生手段は当該コンテンツデータを再生し、
(b)当該他のコンテンツデータの優先度より低いと前記優先度判別手段により判別された場合、前記データ再生手段は当該コンテンツデータを再生せず、前記データ記憶手段は当該コンテンツデータを記憶し、前記データ表示手段は前記データ再生手段が再生しなかったコンテンツデータのリストを作成して表示する、
ことを特徴とする請求項9に記載の情報提供装置。
【請求項15】
当該コンテンツデータは、当該コンテンツデータの中に商品又は役務のクーポンが含まれるか否かを示すクーポン情報を含み、
前記データ表示手段は、当該クーポン情報に基づいて、前記データ記憶手段から当該クーポンが含まれるコンテンツデータを取得し、前記取得したコンテンツデータから静止画像を抽出し、前記抽出した静止画像を含む当該リストを表示する、
ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項16】
前記データ記憶手段は、当該コンテンツデータと対応付けて、当該コンテンツデータが前記データ再生手段によって再生されたか否かを示す未読情報を更に記憶し、
前記データ再生手段は、当該コンテンツデータを再生した場合、当該再生したコンテンツデータに対応する当該未読情報を、再生されたことを示す値に更新し、
前記データ表示手段は、前記データ記憶手段に記憶され、且つ、当該未読情報に再生されていないことを示す値が対応付けられているコンテンツデータのリストを作成して表示する、
ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項17】
コンテンツデータを再生してユーザに情報を提供し、所定のタイミングで提供を終了する情報提供方法であって、
当該コンテンツデータは、当該コンテンツデータを再生するための再生条件を指定する情報を含み、
自己の現在位置を取得する現在位置取得ステップと、
当該コンテンツデータを取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップが取得した当該コンテンツデータをメモリに記憶するデータ記憶ステップと、
前記現在位置取得ステップが取得した当該現在位置に基づいて、当該再生条件が満たされたか否かを判別し、当該再生条件が満たされたと判別された場合、前記メモリに記憶された当該コンテンツデータを再生するデータ再生ステップと、
前記メモリに記憶された当該コンテンツデータを再生する旨の指示入力を当該ユーザから受け付ける入力受付ステップと、
を備え、
前記データ再生ステップは、更に、当該コンテンツデータの再生の終了後であって、前記入力受付ステップが当該指示入力を当該ユーザから受け付けた場合、前記メモリに記憶された当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とする情報提供方法。
【請求項18】
再生条件を指定する情報を含むコンテンツデータを再生してユーザに情報を提供し、所定のタイミングで提供を終了するコンピュータを、
前記コンピュータの現在位置を取得する現在位置取得手段、
当該コンテンツデータを配信する配信装置から、当該コンテンツデータを取得するデータ取得手段、
前記データ取得手段が取得した当該コンテンツデータを記憶するデータ記憶手段、
前記現在位置取得手段が取得した当該現在位置に基づいて、当該再生条件が満たされたか否かを判別し、当該再生条件が満たされたと判別された場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生するデータ再生手段、
前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する旨の指示入力を当該ユーザから受け付ける入力受付手段、
として機能させ、
前記データ再生手段は、更に、当該コンテンツデータの再生の終了後であって、前記入力受付手段が当該指示入力を当該ユーザから受け付けた場合、前記データ記憶手段に記憶された当該コンテンツデータを再生する、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−92605(P2009−92605A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265918(P2007−265918)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】