説明

情報検索装置、その制御方法及び制御プログラム

【課題】本発明は、入力した文字を冒頭から含む所定地点の名称のうち、当該文字の次に続く各文字候補毎の所定地点の件数に基づいて当該文字候補毎の表示態様を変更可能な情報検索装置に関する。
【解決手段】所定地点検索手段22は、入力受付手段21で受け付けた文字を冒頭から含む名称の所定地点を記憶部5から検索する。文字候補抽出手段23は、当該所定地点が検索された場合に、この所定地点の名称のうち入力された文字の次に続く文字候補を抽出する。そして、割合算出手段24が所定地点検索手段22により検索された所定地点の総数に対する文字候補抽出手段23により抽出された文字候補毎の所定地点数の割合を算出する。表示態様変更手段25は、算出された各文字候補毎の当該割合に基づいて、各文字候補の表示部7において表示する表示態様を記憶部5に記憶された表示態様に対応させて変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置における検索処理において施設検索等の所定地点を文字入力をする場合に係り、文字候補が有する所定地点の件数の割合に基づいて文字候補の表示態様を変更する情報検索装置、その制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理技術の発展に伴い、車両などの移動体に搭載して道案内を行う車載用ナビゲーション装置が普及している。このナビゲーション装置は、予め用意された地図データを利用し、GPSなどで測位する自車の現在位置情報を周辺地図上に表示したり、指定される目的地への経路を算出し、画面表示や合成音声などで経路を案内するものである。
【0003】
ここで、ナビゲーション装置において、ユーザが施設等の目的地を設定する場合には、当該装置が備える検索機能を利用し、入力する方法が一般的である。この検索機能には、電話番号入力式、住所入力式、住所の読み仮名入力式、名称入力式、カテゴリー選択式や現在位置周辺施設の抽出式など、種々多様な検索方法が提案されている。なお、このような検索方法ごとに、施設等の所定地点に関する情報は、ナビゲーション装置内に搭載されている記憶装置(CD−ROM、DVD−ROMやハードディスクなど)に検索データベースとして記憶されている。
【0004】
従来技術では、所定地点の文字情報と、位置情報を含む所定地点に関する情報とを予め記憶しておき、ユーザが目的地や施設等を検索する際に、所定地点の文字情報と当該地点の関連情報を対応付けて提供するナビゲーション装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
ここで、検索方法のうち、名称を入力して検索する名称入力式では、「あ」、「い」・・・などの文字情報を一文字ずつ入力していき、一文字が入力されるたびに検索データベース上に記憶された情報の有無に基づいて次の文字候補を取得する。そして、取得した次の文字候補を画面上に表示することで、ユーザが当該次の文字候補を選択し、この動作が繰り返し行われることで検索対象を絞り込んでいく。
【0006】
また、文字情報の入力途中であっても、例えば「決定」ボタンを押すことにより、その時点までの施設を一覧表示することは可能であり、ユーザは一覧表示された中から所望の施設を選択することで、その位置情報が地図表示される。
【特許文献1】特開2001−296136
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のような名称入力式の検索方法では、文字を一文字入力するごとに検索対象が絞り込まれていくが、絞り込まれて取得した次の文字候補は、絞り込まれた検索対象の数量とは無関係に検索画面に表示される。すなわち、入力した文字を名称に有する所定地点の件数が各文字候補毎に異なり、各文字候補毎の件数が1件の場合も、1000件の場合も同様の表示態様により表示されていた。そのため、選択される可能性が低い所定地点の件数が1件の文字候補と、選択される可能性が高い所定地点の件数が1000件の文字候補とが同じ態様で表示される。
【0008】
ここで、選択される可能性が高い文字候補をユーザが選択するに際し、当該可能性の高い文字候補が可能性の低い文字候補と同様な表示態様により表示されているので、可能性の低い文字候補の選択に要する時間と同じ時間がかかってしまっていた。
【0009】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するために、施設等である所定地点を検索する場合の文字の入力過程において、入力した文字を冒頭から有する名称の所定地点の件数に基づいて、当該所定地点の名称のうち入力された文字の次に続く文字候補の表示態様を変更することが可能な情報検索装置、その制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。すなわち、ユーザの選択可能性の高い文字候補を、選択可能性の低い文字候補に比べ効率よく選択することが可能な情報検索装置、その制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を本発明は以下の手段により解決する。
請求項1の発明は、ユーザからの操作を受け付ける入力部と、所定地点の情報を予め記憶する記憶部と、表示部と、前記入力部により入力された情報により前記記憶部に記憶された前記所定地点を検索する機能を有する情報検索装置において、前記入力部を通じて前記所定地点の名称を一文字毎に受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段で受け付けた順番通りの文字を名称に含んでいる所定地点を前記記憶部から検索する所定地点検索手段と、前記所定地点検索手段により検索された当該所定地点の名称のうち、前記入力受付手段により受け付けた前記文字の次に続く文字候補を抽出する文字候補抽出手段と、前記所定地点検索手段により検索された所定地点の総数のうち、前記文字候補抽出手段により抽出された文字候補毎に、当該文字候補を名称に有する所定地点数の割合を算出する割合算出手段と、前記割合算出手段により算出された前記文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の表示態様を変更する表示態様変更手段と、前記表示態様変更手段により変更された表示態様の前記文字候補を前記表示部に出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1の情報検索装置を方法の観点から把握したもので、ユーザからの操作を受け付ける入力部と、所定地点の情報を予め記憶する記憶部と、表示部と、前記入力部により入力された情報により前記記憶部に記憶された前記所定地点を検索する機能を有する情報検索装置の制御方法において、コンピュータが、前記入力部を通じて前記所定地点の名称を一文字毎に受け付ける入力受付ステップと、前記入力受付ステップで受け付けた順番通りの文字を名称に含んでいる所定地点を前記記憶部から検索する所定地点検索ステップと、前記所定地点検索ステップにより検索された当該所定地点の名称のうち、前記入力受付ステップにより受け付けた前記文字の次に続く文字候補を抽出する文字候補抽出ステップと、前記所定地点検索ステップにより検索された所定地点の総数のうち、前記文字候補抽出ステップにより抽出された文字候補毎に、当該文字候補を名称に有する所定地点数の割合を算出する割合算出ステップと、前記割合算出ステップにより算出された前記文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の表示態様を変更する表示態様変更ステップと、前記表示態様変更ステップにより変更された表示態様の前記文字候補を前記表示部に出力する出力ステップと、を実行することを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1又は4の発明をコンピュータプログラムの観点から把握したもので、ユーザからの操作を受け付ける入力部と、所定地点の情報を予め記憶する記憶部と、表示部と、前記入力部により入力された情報により前記記憶部に記憶された前記所定地点を検索する機能を有する情報検索装置の制御プログラムにおいて、コンピュータが、前記入力部を通じて前記所定地点の名称を一文字毎に受け付ける入力受付処理と、前記入力受付処理で受け付けた順番通りの文字を名称に含んでいる所定地点を前記記憶部から検索する所定地点検索処理と、前記所定地点検索処理により検索された当該所定地点の名称のうち、前記入力受付処理により受け付けた前記文字の次に続く文字候補を抽出する文字候補抽出処理と、前記所定地点検索処理により検索された所定地点の総数のうち、前記文字候補抽出処理により抽出された文字候補毎に、当該文字候補を名称に有する所定地点数の割合を算出する割合算出処理と、前記割合算出処理により算出された前記文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の表示態様を変更する表示態様変更処理と、前記表示態様変更処理により変更された表示態様の前記文字候補を前記表示部に出力する出力処理と、を実行させることを特徴とする。
【0013】
以上のような態様では、表示部に表示させる文字候補の表示態様を、当該文字候補を名称に含む所定地点の件数の割合に基づき変更することができるので、ユーザは所望の文字候補を効率よく見つけ出すことが可能となる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1記載の情報検索装置において、前記表示態様変更手段は、前記割合算出手段により算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の大きさ、色彩、形状のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項2の情報検索装置を方法の観点から把握したもので、請求項4に記載の情報検索装置の制御方法において、前記表示態様変更ステップは、前記割合算出ステップにより算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の大きさ、色彩、形状のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項2又は5の発明をコンピュータプログラムの観点から把握したもので、請求項7に記載の情報検索装置の制御プログラムにおいて、前記表示態様変更処理は、前記割合算出処理により算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の大きさ、色彩、形状のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする。
【0017】
以上のような態様では、文字候補の大きさ、色彩、形状の観点から当該文字候補の表示態様を変更するので、ユーザにとって視覚的に認識し、さらには判別し易い方法で表示することが可能となる。例えば、所定地点の件数の割合が大きい文字候補の大きさを他の候補と比べて大きく表示したり、割合の小さい文字候補を小さく表示する態様が考えられる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1に記載の情報検索装置において、前記表示態様変更手段は、前記文字候補の表示態様として前記割合算出手段により算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、点滅ピッチを調整することを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、請求項3の表示態様変更装置を方法の観点から把握したもので、請求項4に記載の情報検索装置の制御方法において、前記表示態様変更ステップは、前記文字候補の表示態様として前記割合算出ステップにより算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、点滅ピッチを調整することを特徴とする。
【0020】
請求項9の発明は、請求項3又は6の発明をコンピュータプログラムの観点から把握したもので、請求項7に記載の情報検索装置の制御プログラムにおいて、前記表示態様変更処理は、前記文字候補の表示態様として前記割合算出処理により算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、点滅ピッチを調整することを特徴とする。
【0021】
以上のような態様では、文字候補の表示態様として点滅ピッチを調整することできるので、視覚的に認識し易い態様で表示することが可能となり、車の運転中でも注意が散漫となることなく、安全性の高い検索機能を実現することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、入力した文字を有する所定地点の次の文字候補毎の件数に基づいて選択可能性の高い文字候補の表示態様を、例えば大きさ、色彩や形状の観点から変更することができるので、効率よく文字情報を検索可能な情報検索装置、その制御方法及び制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[1.本実施形態]
[1−1.構成]
以下に、本発明の実施形態における構成を図1に基づいて説明する。
1は、システム全体の制御を司るメインCPU(中央演算装置)及びその周辺回路であり、本発明各部の制御を含む情報処理を行う制御部である。2は、メインプログラムをロードする為のダイナミックRAM(DRAM)、3は、メイン電源オフの間も設定などメモリ内容を保持するためのバッテリーバックアップ付スタティックRAM(SRAM)、4は、起動時等に制御部1よりアクセスされるROMである。ここで、メインメモリMはDRAM2とSRAM3とROM4から構成されている。
【0024】
5は、所定地点の名称や場所等、所定地点に関する情報を予め検索データベースとして記憶しておく記憶部である。ここで、所定地点とは、コンビエンスストアやガソリンスタンド等の施設の他に、名所旧跡や史跡なども包含するものであり、単なる地名も当該所定地点に含まれるものとする。また、記憶部5には、後述するが、入力した文字を冒頭から名称に含む所定地点の名称のうち、抽出される入力した文字の次に続く文字候補において、当該文字候補毎の所定地点の件数の割合に基づく当該文字候補の表示態様が記憶されている。
【0025】
例えば、表示態様を大きさの観点から変更する場合には、他の文字候補との所定地点の件数の割合を、0%以上10%未満、10%以上50%未満、50%以上の3段階に区分し、当該区分に対応させた各文字候補の表示態様である大きさ(小、中、大など)が記憶されている。
【0026】
また、この記憶部5は、HDD、DVD−ROM、CD−ROMなどのドライブを用いて、地図データ(典型的には、経路探索用データや地図表示用データ)、その他の検索データなどが記憶されているものである。なお、この地図データは、経路探索用と地図表示用の2つからなり、経路探索用データは、経路探索に必要なデータ(ノード、リンク情報)で構成される。経路探索用データのリンクは、地図表示用の道路リンクと、リンクIDとして共通のIDを持ち、相互に関連付けられている。一方、地図表示用データは、表示用として、詳細な道路形状情報(形状点列)、エリア形状情報等を含んでいる。
【0027】
6は、イルミネーション(計器盤等の照明)、車速パルス、パーキング等の動作や状態を検出する車両情報取得部である。7は、地図などの情報を描画及び表示する表示部であり、液晶表示パネルなどの表示画面を有している。8は、表示部7用に設けられたビデオRAM(VRAM)である。
【0028】
9は、情報や操作の入力を受け付ける入力部で、タッチパネルなどからの入力を検出する制御装置であるが、入力部の構成や種類は自由で、表示部7周囲の操作キー類のほか、リモコンユニット、表示パネルと一体のタッチセンサなどを単独、又は自由に組み合わせて用いればよい。10は、I/O制御回路やドライバなどを使って表示部7や入力部9と制御部1を結ぶユーザインターフェース部である。
【0029】
11は、TV(各種のテレビジョン放送)を受信する為のTV受信及び処理部、12は、VICS情報を取得する為のFM多重受信及び処理部、13は、VICS情報を取得する為のビーコン受信及び処理部である。
【0030】
14は、測位技術(例えば、GPS、ジャイロ、地磁気センサ、加速度センサ、車速パルスなど)により、現在位置、方位、速度など自車の挙動に関する航法情報を得る測位部である。
【0031】
また、制御部1は、施設等である所定地点を検索するに際し、動作する次のような処理手段(図1に示す21、22…)を有する。以下、制御部1を構成する各手段を説明する。なお、従来と共通のナビゲーション処理(例えば、現在位置の計算、経路計算など)は、本発明特有の要素ではないので、ナビゲーション部20として示し、詳細は省略する。
【0032】
21は、施設等の所定地点の検索に際し、入力部9を通じてユーザから入力される所定地点の名所を冒頭から一文字毎に受け付ける入力受付手段である。22は、入力受付手段21で受け付けた文字を冒頭から名称に含む所定地点を記憶部5から検索する所定地点検索手段である。
【0033】
23は、所定地点検索手段22により検索された当該所定地点の名称のうち、入力受付手段21により受け付けた文字の次に続く文字候補を抽出する文字候補抽出手段である。例えば、「とうきょう」という文字を一文字ずつ入力受付手段21が受け付けた場合に、所定地点検索手段22が当該「とうきょう」という文字を冒頭から名称に含む所定地点を検索し、検索されると当該文字候補抽出手段23がこの検索された所定地点の「とうきょう」の次に続く文字(「と」、「の」、「で」など)を抽出する。
【0034】
24は、所定地点検索手段22により検索された所定地点に関して、当該所定地点の総数に対する文字候補抽出手段23により抽出された文字候補毎の所定地点の件数の割合を算出する割合算出手段である。すなわち、割合算出手段24は、所定地点検索手段22により検索された所定地点の中から、文字候補抽出手段23により抽出された各文字候補毎に当該文字候補を名称に含む所定地点の件数を算出し、その件数の総和に対する各文字候補毎の件数の割合を計算する。
【0035】
具体的には、例えば、次の文字候補として「あ」、「い」、「う」が挙がり、「あ」に対する所定地点の件数が30件、「い」に対する所定地点の件数が200件、「う」に対する所定地点の件数が1000件である場合は、「あ」の割合は約2%、「い」の割合は約17%、「う」の割合は約81%と、割合算出手段24により算出される。
【0036】
25は、割合算出手段24により算出された各文字候補毎の所定地点の件数の割合に基づいて、表示部7に表示する当該文字候補の表示態様を変更する表示態様変更手段である。なお、この表示態様変更手段25は、上述した通り、予め記憶部5に記憶された割合に応じた表示態様に基づいて、割合算出手段24により算出された各文字候補毎の割合に対応する表示態様に当該文字候補を変更する。
【0037】
例えば、記憶部5に割合が0%以上10%未満なら表示する大きさが「小」、10%以上50%未満なら「中」、50%以上なら「大」という表示態様が記憶されている場合に、先程算出した「あ」、「い」、「う」の割合によれば、表示態様変更手段25は、文字候補「あ」を小の大きさに、「い」を中の大きさに、「う」を大の大きさに変更する。そして、26は、表示態様変更手段25により表示態様が変更された各文字候補を表示部7に出力する出力手段である。
【0038】
[1−2.作用]
次に本実施形態の処理手順について、図2のフローチャートに基づき説明する。なお、施設や旧跡等である所定地点を検索する検索機能が名称入力式により実行されることを想定している。
【0039】
まず、図2の通り、ユーザは入力部9を通じて検索したい所定地点の名称を冒頭から一文字毎に入力する。そして、ある一文字が入力されると、入力受付手段21が当該文字の入力を受け付ける(STEP201)。ここで、所定地点検索手段22は、入力受付手段21で受け付けた文字を冒頭から名称に含む所定地点を記憶部5から検索する(STEP202)。
【0040】
所定地点検索手段22により入力を受け付けた文字を名称に含む所定地点が記憶部5から検索された場合には(YES)、文字候補抽出手段23が所定地点検索手段22を通じて検索された当該所定地点の名称のうち、入力受付手段21により受け付けた文字の次に続く文字候補を抽出する(STEP203)。そして、割合算出手段24が、まず所定地点検索手段22により検索された所定地点の中から、文字候補抽出手段23により抽出された各文字候補毎に、当該各文字候補を有する所定地点の件数を算出する(STEP204)。
【0041】
文字候補抽出手段23を通じて抽出された各文字候補毎の所定地点の件数が算出されると、当該割合算出手段24は、この件数の総数に対する各文字候補毎の所定地点の件数の割合を計算する(STE205)。そして、割合算出手段24により算出された各文字候補毎の所定地点の件数の割合に基づいて、表示態様変更手段25が、各文字候補の表示部7に表示する表示態様を記憶部5に記憶された態様に対応させて変更する(STEP206)。
【0042】
例えば、記憶部5に、所定地点の件数の割合が0%以上10%未満の場合に表示する文字候補の大きさを「小」、割合が10%以上50%未満の場合に「中」、割合が50%以上の場合に「大」とする表示態様が記憶されている場合には、割合算出手段24により算出された各文字候補毎の割合に応じて各文字候補の表示態様を「小」、「中」、「大」に変更する。
【0043】
そして、表示態様変更手段25により変更された表示態様の文字候補を、出力手段26を通じて出力することで表示部7に表示される(STEP207)。これにより、各文字候補毎の所定地点の件数の割合に基づいた表示態様において当該各文字候補が表示されることなる。
【0044】
ここで、ユーザは、例えば後述する図3〜5の表示部7の検索画面において表示されている「決定」ボタンを押下するか否かの決定を(STEP208)する。当該「決定」ボタンを押下する場合には(YES)、入力受付手段21dで受け付けた文字と文字候補抽出手段23により抽出された次の文字候補とを名称に含む所定地点情報が一覧となって表示部7に表示される(STEP209)。
【0045】
一方、STEP208において、ユーザが「決定」ボタンを押下しない場合には(NO)、再度ユーザが変更後の表示態様で表示された文字候補から文字を選択し、入力部9を通じて入力することにより、STEP201〜208の動作が繰り返される。なお、STEP202において、所定地点検索手段22が記憶部5に所定地点が記憶されていないと判断する場合には、そこで検索処理が終了する。
【0046】
[1−3.具体例]
次に、図3〜5の表示部7の表示例と図6の所定地点の件数データ例に基づき、具体的な実施形態を以下に説明する。なお、処理手順は図2のフローチャートに対応している。まず、図3は、施設等の検索対象である所定地点を名称入力式により入力する場合の一番初めの段階の検索画面であり、一文字目に入力可能であるすべての文字候補が表示されている。
【0047】
ここで、図2のフローチャートのSTEP201〜208に基づき、「と」、「う」、「き」、「よ」、「う」、「て」、「゛」という文字が順番に入力された場合における入力途中の検索動作を説明する。図4の通り、表示部7には、「と」、「う」、「き」、「よ」、「う」、「て」、「゛」と順番に文字を選択した場合の画面例が表示されている。
【0048】
このときに、所定地点検索手段22により、入力された文字「とうきょうで」を冒頭から含む名称の所定地点が記憶部5から検索される(STEP202)。そして、所定地点検索手段22により当該所定地点が検索されると(YES)、文字候補抽出手段23が該所定地点の名称のうち、「とうきょうで」の次に続く文字候補を抽出する(STEP203)。図4の例では、「あ」、「い」、「お」などの14種の文字候補が抽出されている。
【0049】
ここで、割合算出手段24は、所定地点検索手段22により検索された所定地点の中から、文字候補抽出手段23により抽出された各文字候補毎の件数を算出する(STEP204)。さらに、当該割合算出手段24は、文字候補抽出手段23を通じて抽出された各文字候補毎の所定地点の件数を算出すると、この件数の総和に対する各文字候補毎の所定地点の件数の割合を計算する(STE205)。なお、抽出された各文字候補毎の所定地点の総数が図4の通り、一例として表示部7に「893件」と表示される。
【0050】
ここで、図6は、当該割合算出手段24により算出された各文字候補毎の所定地点の件数の割合データの一例である。図6の通り、次の文字候補として「あ」を選択した場合の所定地点の件数は1件となり、この時点での検索された所定地点の件数の総和が893件なので全体に占める割合は0.1%と計算される。同様に、次の文字候補として「ん」を選択した場合の所定地点の件数は558件となり、全体に占める割合は62.5%と計算される。このことから、次の文字候補として「ん」を選択する可能性は「あ」よりも高いことが確認される。
【0051】
そして、割合算出手段24を通じて算出された各文字候補毎の割合に基づいて、表示態様変更手段25は、各文字候補の表示部7において表示する表示態様を記憶部5に記憶された表示態様に対応させて変更する(STEP206)。例えば、記憶部5に、所定地点の件数の割合が0%以上10%未満の場合に表示する文字候補の大きさを「小」、割合が10%以上50%未満の場合は「中」、割合が50%以上の場合は「大」とする表示態様が記憶されている場合には、図7の通り、「ん」は大の表示態様、「い」と「り」は中の表示態様となる。また、その他の文字候補は、小の表示態様に変更される。
【0052】
そして、表示態様変更手段25により変更された表示態様の文字候補が、出力手段26を通じて出力することで表示部7において図5のように表示される(STEP207)。ここで、ユーザは表示部7に表示されている「決定」ボタンを押下するか否かの判断をし(STEP208)、当該「決定」ボタンを押下する場合には(YES)、入力受付手段21dで受け付けた文字と文字候補抽出手段23により抽出された次の文字候補とを名称に含む所定地点情報が一覧となって表示部7に表示される(STEP209)。
【0053】
以上ような実施形態によれば、選択される確率の高い文字候補を他の確率の低い文字候補よりも大きく表示することができるので、ユーザが例えば、選択の確率の高い「ん」の文字候補を選択する場合に要する時間の短縮が可能となる。一方で、選択される確率の低い文字候補であっても、通常通りに選択できるため、操作性が悪化することもない。
【0054】
[2.他の実施形態]
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、表示態様として文字候補の大きさではなく、色彩や形状の観点から当該文字候補を変更して表示する実施形態も包含する。すなわち、記憶部5には、予め、文字候補毎の所定地点の件数の割合に基づいて、当該文字候補の色彩、あるいは形状の観点から変更する表示態様が記憶されている。
【0055】
例えば、色彩の観点から表示態様を変更する場合では、各文字候補毎の所定地点の割合が、0%以上10%未満のときに色彩を青色、10%以上50%未満のときに色彩を黄色、50%以上のときに赤色といった3段階の表示態様が記憶されている場合が該当する。また、形状の観点から表示態様を変更する場合では、例えば、各文字候補毎の所定地点の割合が、0%以上10%未満のときに三角形、10%以上50%未満のときに四角形、50%以上のときに円形と文字候補を3段階に変更可能な表示態様が記憶されている場合が該当する。
【0056】
つまり、上記図2におけるフローチャートで言えば、割合算出手段24により算出された各文字候補毎の割合に基づいて、表示態様変更手段25は、色彩や形状の観点から各文字候補の表示態様を記憶部5に記憶された上記のような表示態様(例えば、上記の3段階データ)に対応させて変更する。なお、表示態様変更手段25は、色彩、形状、そして上記本実施形態において述べた文字候補の大きさの各要素を組み合わせて表示態様を変更することも可能である。
【0057】
さらに、本発明は、割合算出手段24により算出された各文字候補毎の割合に基づき、当該各文字候補の点滅ピッチを調整する表示態様も包含する。例えば、算出された割合が高い場合には、表示部7に表示させる文字候補の点滅ピッチを速め、割合が低い場合には、点滅ピッチを遅くする態様が考えられる。なお、表示態様変更手段25は、この各文字候補の点滅ピッチと色彩、形状、大きさの各要素とを組み合わせて表示態様を変更することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図
【図2】本発明の実施形態の作用を示すフローチャート
【図3】本発明の実施形態における表示画面例(1)
【図4】本発明の実施形態における表示画面例(2)
【図5】本発明の実施形態における表示画面例(3)
【図6】本発明の実施形態における各文字候補に対応する登録件数データ例
【図7】本発明の実施形態における各文字候補の表示態様データ例
【符号の説明】
【0059】
1…制御部
2…ダイナミックRAM(DRAM)
3…スタティックRAM(SRAM)
4…ROM
5…記憶部
6…車両情報取得部
7…表示部
8…ビデオRAM(VRAM)
9…入力部
10…ユーザインターフェース部
11…TV受信及び処理部
12…FM多重受信及び処理部
13…ビーコン受信及び処理部
14…測位部
20…ナビゲーション部
21…入力受付手段
22…所定地点検索手段
23…文字候補抽出手段
24…割合算出手段
25…表示態様変更手段
26…出力手段
M…メインメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの操作を受け付ける入力部と、所定地点の情報を予め記憶する記憶部と、表示部と、前記入力部により入力された情報により前記記憶部に記憶された前記所定地点を検索する機能を有する情報検索装置において、
前記入力部を通じて前記所定地点の名称を一文字毎に受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段で受け付けた順番通りの文字を名称に含んでいる所定地点を前記記憶部から検索する所定地点検索手段と、
前記所定地点検索手段により検索された当該所定地点の名称のうち、前記入力受付手段により受け付けた前記文字の次に続く文字候補を抽出する文字候補抽出手段と、
前記所定地点検索手段により検索された所定地点の総数のうち、前記文字候補抽出手段により抽出された文字候補毎に、当該文字候補を名称に有する所定地点数の割合を算出する割合算出手段と、
前記割合算出手段により算出された前記文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の表示態様を変更する表示態様変更手段と、
前記表示態様変更手段により変更された表示態様の前記文字候補を前記表示部に出力する出力手段と、
を有することを特徴とする情報検索装置。
【請求項2】
前記表示態様変更手段は、前記割合算出手段により算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の大きさ、色彩、形状のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項1に記載の情報検索装置。
【請求項3】
前記表示態様変更手段は、前記文字候補の表示態様として前記割合算出手段により算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、点滅ピッチを調整することを特徴とする請求項1に記載の情報検索装置。
【請求項4】
ユーザからの操作を受け付ける入力部と、所定地点の情報を予め記憶する記憶部と、表示部と、前記入力部により入力された情報により前記記憶部に記憶された前記所定地点を検索する機能を有する情報検索装置の制御方法において、
コンピュータが、
前記入力部を通じて前記所定地点の名称を一文字毎に受け付ける入力受付ステップと、
前記入力受付ステップで受け付けた順番通りの文字を名称に含んでいる所定地点を前記記憶部から検索する所定地点検索ステップと、
前記所定地点検索ステップにより検索された当該所定地点の名称のうち、前記入力受付ステップにより受け付けた前記文字の次に続く文字候補を抽出する文字候補抽出ステップと、
前記所定地点検索ステップにより検索された所定地点の総数のうち、前記文字候補抽出ステップにより抽出された文字候補毎に、当該文字候補を名称に有する所定地点数の割合を算出する割合算出ステップと、
前記割合算出ステップにより算出された前記文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の表示態様を変更する表示態様変更ステップと、
前記表示態様変更ステップにより変更された表示態様の前記文字候補を前記表示部に出力する出力ステップと、
を実行することを特徴とする情報検索装置の制御方法。
【請求項5】
前記表示態様変更ステップは、前記割合算出ステップにより算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の大きさ、色彩、形状のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項4に記載の情報検索装置の制御方法。
【請求項6】
前記表示態様変更ステップは、前記文字候補の表示態様として前記割合算出ステップにより算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、点滅ピッチを調整することを特徴とする請求項4に記載の情報検索装置の制御方法。
【請求項7】
ユーザからの操作を受け付ける入力部と、所定地点の情報を予め記憶する記憶部と、表示部と、前記入力部により入力された情報により前記記憶部に記憶された前記所定地点を検索する機能を有する情報検索装置の制御プログラムにおいて、
コンピュータが、
前記入力部を通じて前記所定地点の名称を一文字毎に受け付ける入力受付処理と、
前記入力受付処理で受け付けた順番通りの文字を名称に含んでいる所定地点を前記記憶部から検索する所定地点検索処理と、
前記所定地点検索処理により検索された当該所定地点の名称のうち、前記入力受付処理により受け付けた前記文字の次に続く文字候補を抽出する文字候補抽出処理と、
前記所定地点検索処理により検索された所定地点の総数のうち、前記文字候補抽出処理により抽出された文字候補毎に、当該文字候補を名称に有する所定地点数の割合を算出する割合算出処理と、
前記割合算出処理により算出された前記文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の表示態様を変更する表示態様変更処理と、
前記表示態様変更処理により変更された表示態様の前記文字候補を前記表示部に出力する出力処理と、
を実行させることを特徴とする情報検索装置の制御プログラム。
【請求項8】
前記表示態様変更処理は、前記割合算出処理により算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、前記文字候補の大きさ、色彩、形状のうち少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項7に記載の情報検索装置の制御プログラム。
【請求項9】
前記表示態様変更処理は、前記文字候補の表示態様として前記割合算出処理により算出された各文字候補毎の前記割合に基づいて、点滅ピッチを調整することを特徴とする請求項7に記載の情報検索装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−191798(P2008−191798A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23679(P2007−23679)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】