説明

接着剤の製造方法、電気部品の接続方法

【課題】端子のショートを防止し、かつ、電気部品の接続信頼性を高める。
【解決手段】本発明により製造された接着剤は、導電性粒子15と絶縁性粒子12とを含有しており、絶縁性粒子12は、膨潤した時の最大粒径d2が、導電性粒子15の粒径Dを超えない。電気部品の端子間に接着剤を配置して押圧する際に、端子と端子の間に導電性粒子15が確実に挟み込まれるので、接続信頼性が高い。隣接する端子間で導電性粒子15が凝集しても、絶縁性粒子12が混在するので、該端子間がショートしない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気部品の接続に用いる異方導電性接着剤の技術分野に係る。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気部品の接続には、導電性粒子が接着剤中に分散された異方導電性接着剤が用いられている。
しかし、近年、電気部品の端子の狭ピッチ化が進んでおり、電気部品を接続する際に、導電性粒子が隣接する端子間で凝集して、端子間が短絡することがある。
【0003】
特に、LCDパネル(液晶パネル)の縁部分の端子に、テープキャリアに半導体チップを搭載したデバイス(TAB:Tape Automated Bonding)や、フィルムキャリアに半導体チップを搭載したデバイス(COF:Chip On Film)を接続する場合、圧着ツールがズレてLCDパネルの角部分(エッジ部)を圧着すると、エッジ部で導電性粒子が堰き止められて粒子凝集が発生し、隣接する端子間が短絡する問題がある。
【0004】
これら導電粒子の凝集によるショートを低減する技術としては、導電性粒子の表面に絶縁性被膜を施した粒子を用いる、導電性粒子の粒子径を小さくする、導電性粒子の密度を減らす、等の提案がなされている。
絶縁被膜を施した粒子は、凝集が発生した際にその絶縁被膜を破壊するだけの外部応力が加わると短絡が起こるという問題点がある。
【0005】
単に導電性粒子の粒子径を小さくしただけでは、粒子凝集によるショートを完全に解決できないだけでなく、導電性粒子自体の特性(回復力等)が低下するため好ましくない。
また粒子密度を減らして粒子凝集を抑える方法は端子間の粒子補足が不足し導通不良になってしまう問題を抱えていた。
【0006】
粒子凝集によるショートを完全に防止するために、導電性粒子と一緒に絶縁性粒子を添加した異方導電性接着剤が公知である(下記特許文献3を参照)。
しかし、絶縁性粒子は一般に樹脂粒子からなり、樹脂粒子は異方導電性接着剤中の有機溶剤に膨潤しやすい。樹脂粒子が膨潤して体積が増えると、粒径が導電性粒子よりも大きくなり、電気部品の端子間で接続不良が生じるという問題がある。
【特許文献1】特開2001−85083号公報
【特許文献2】特開2005−347273号公報
【特許文献3】特開2002−75488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、電気部品の接続信頼性の高い異方導電性接着剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、分散溶剤と、前記分散溶剤に接触すると膨潤する樹脂からなる絶縁性粒子と、前記分散溶剤に接触しても膨潤しない導電性粒子と、前記分散溶剤に溶解する接着剤樹脂とを混合し、接着剤を製造する製造方法であって、混合前の前記絶縁性粒子の粒径を、混合によって膨潤された前記絶縁性粒子の粒径が、前記導電性粒子の粒径未満になるようにする接着剤の製造方法である。
本発明は、分散溶剤と、前記分散溶剤に接触すると膨潤する樹脂からなる絶縁性粒子と、前記分散溶剤に接触しても膨潤しない導電性粒子と、前記分散溶剤に溶解する接着剤樹脂とを混合してペースト状の接着剤を作成した後、前記接着剤を加熱してフィルム化するフィルム状の接着剤の製造方法であって、混合前の前記絶縁性粒子の粒径を、前記接着剤の加熱によって膨潤された前記絶縁性粒子の粒径が、前記導電性粒子の粒径未満になるようにする接着剤の製造方法である。
本発明は、接着剤の製造方法であって、前記分散溶剤として、メチルエチルケトンと、トルエンと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと、酢酸エチルとからなる有機溶剤群より選択されるいずれか1種類以上の有機溶剤を含有するものを用い、前記絶縁性粒子としてメタクリル樹脂を主成分とする樹脂粒子を用いる接着剤の製造方法である。
本発明は電気部品の製造方法であって、第一の電気部品の第一の端子と、第二の電気部品の第二の端子とを、前記接着剤を挟んで対向させ、前記第一、第二の端子間に熱と押圧力を加え、前記第一、第二の端子で前記導電性粒子を挟み込む電気部品の接続方法である。
本発明は電気部品の製造方法であって、前記第一の電気部品として、基板を有し、前記基板の縁部分に前記第一の端子が配置されたものを用いる電気部品の接続方法である。
【0009】
本発明は上記のように構成されており、絶縁性粒子は、先ず、混合溶剤等と混合する際に、絶縁性粒子が混合溶剤と接触して膨潤する。
異方導電性接着剤がペースト状の場合、接着剤中に混合溶剤が多量に残っているため、混合の工程で絶縁性粒子が飽和状態まで膨潤しなくても、製品の状態で膨潤が進行して飽和に達する。
また、異方導電性接着剤がフィルム状の場合、ペースト状の接着剤を加熱する際に、加熱によって絶縁性粒子の膨潤が進行し、飽和状態まで膨潤する。
【0010】
いずれの場合も、電気部品の接続に用いる時には、絶縁性粒子が飽和状態まで膨潤し、粒径が最大値となるが、その最大値は導電性粒子の粒径を超えない。
従って、対向する端子で異方導電性接着剤を押圧するときには、端子は導電性粒子に接触するから、導通不良が生じない。
【発明の効果】
【0011】
絶縁性粒子の粒径は導電性粒子の粒径を超えないので、対向する端子は導電性粒子を挟み込み、導通不良が生じない。異方導電性接着剤には、絶縁性粒子が導電性粒子とが混合して添加されているため、導電性粒子の凝集が起こっても、導電性粒子の間に絶縁性粒子が入り込むことで、隣接する端子間が導電性粒子で接続されず、ショートしない。導電性粒子の密度を減らさなくても、ショートが発生しないから、接続信頼性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に用いる絶縁性粒子は、少なくとも表面に樹脂が露出する樹脂粒子であり、有機溶剤と接触すると、有機溶剤を吸収して膨潤し、体積が増加して粒径が大きくなる。
膨潤による体積増加は無制限ではなく、樹脂の種類と、有機溶剤の種類の組合せ毎に、粒径が最大となる最大膨潤率が決まっている。
【0013】
異方導電性接着剤に実際に使用する分散溶剤と、絶縁性粒子に用いる樹脂粒子の組合せ毎に、樹脂粒子の最大膨潤率を予め調べておく(予備試験)。
例えば、予備試験は、膨潤前の粒径aが既知の樹脂粒子を混合溶媒に分散し、粒径が最大となるまで放置し、顕微鏡で膨潤後の樹脂粒子を観察して飽和粒径bを調べ、下記式(1)から最大膨潤率Rを求める。
R(%)=(b−a)/a×100……式(1)
図1(a)の符号15は導電性粒子を示しており、導電性粒子15の粒径Dは予め分かっている。
【0014】
予備試験で求めた最大膨潤率をRと、導電性粒子15の粒径(直径)Dから、下記式(2)により、飽和状態まで膨潤した時に導電性粒子15の粒径Dを超えない初期粒径d1を求める。
d1=D/(1+R×0.01)……式(2)
例えば、絶縁性粒子12がメタクリル樹脂で構成され、分散溶剤が酢酸エチルとトルエンとを等量(重量比)混合した混合溶剤である場合、最大膨潤率は50%であり、初期粒径d1はD/1.5以下である。尚、本発明で粒径とは、例えば、粒子の直径の平均(平均粒径)のことである。
図1(b)の符号12は初期粒径d1の絶縁性粒子12を示しており、この絶縁性粒子12と、導電性粒子15と、接着剤樹脂と、分散溶剤とを混合する。
【0015】
接着剤樹脂は混合溶剤に溶解可能であって、混合によって接着剤樹脂が溶解し、ペースト状のバインダーとなり、ペースト状のバインダーに導電性粒子15と絶縁性粒子12とが分散された、ペースト状の異方導電性接着剤が得られる。
導電性粒子15は金属粒子や、樹脂粒子の表面に金属被膜が形成された金属被膜樹脂粒子で構成されている。いずれの場合も、導電性粒子15は表面に金属が露出するため膨潤せず、粒径Dは変化しない。
【0016】
これに対し、絶縁性粒子12は表面に分散溶剤に膨潤可能な樹脂が露出するため、混合の工程、又は、混合終了後のペースト状の異方導電性接着剤中で、絶縁性粒子12が混合溶剤と接触して徐徐に膨潤する。
ペースト状の異方導電性接着剤はこのまま製品として、後述する第一、第二の電気部品の接続に用いてもよいし、この異方導電性接着剤を用いて接着フィルムを製造してもよい。
【0017】
接着フィルムの製造について説明すると、例えば、ペースト状の異方導電性接着剤を、剥離フィルム表面に塗布して塗布層を形成し、該塗布層を加熱して、余分な混合溶剤を蒸発させてフィルム化する。尚、接着剤樹脂が熱硬化性樹脂を含有する場合は、塗布層の加熱は熱硬化性樹脂が完全に硬化しない温度で行う。
【0018】
ペースト状の異方導電性接着剤中で絶縁性粒子12が飽和状態に達していなくても、塗布層を加熱するときに、加熱によって絶縁性粒子12の膨潤が進行し、飽和状態に達する。
加熱終了後、フィルム化した塗布層を冷却する時には、絶縁性粒子12は飽和状態のまま冷却される。
【0019】
図2の符号10はフィルム化した塗布層で構成される接着フィルムを示しており、フィルム化したバインダー11中に絶縁性粒子12と、導電性粒子15とが分散されている。
【0020】
絶縁性粒子12は飽和状態が維持されているため、その粒径は、飽和状態に膨潤した時の最大粒径d2となっているが、上述したように初期粒径d1は飽和状態に膨潤した時に、導電性粒子15の粒径Dを超えないように設定されているので、この最大粒径d2は導電性粒子15の粒径D以下である。
【実施例】
【0021】
<異方導電性接着剤の製造>
酢酸エチルとトルエンとを等量(重量比)混合して分散溶剤とし、分散溶剤60重量部と、下記表1に示す組成で配合した固形分を40重量部とを混合して、ペースト状の異方導電性接着剤を作成し、該異方導電性接着剤をフィルム状に成形して実施例1、比較例1、2の接着フィルムを作成した(膜厚14μm)。
【0022】
【表1】

【0023】
上記表1中「−」は添加量がゼロの場合を示す。上記表1中、「HX3941HP」は旭化成ケミカルズ(株)社製のマイクロカプセル型アミン系エポキシ硬化剤であり、「EP828」はジャパンエポキシレジン(株)社製のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)であり、「YP50」は東都化成社製のビスフェノールA型フェノキシ樹脂(熱可塑性樹脂)であり、「KBE403」は信越化学工業(株)社製のエポキシシラン(添加剤)である。
【0024】
導電性粒子15は、積水化学工業(株)社製の商品名「AUL704」であり、これは、アクリル樹脂粒子の表面にNi/Auメッキ被膜が形成された金属被膜樹脂粒子である(平均粒径4μm)。
【0025】
また、絶縁性粒子12は、それぞれ日本触媒(株)社製のメタクリル樹脂からなる樹脂粒子であり、膨潤前の初期粒径d1は、商品名「YS20」が2μm、商品名「YS80」が8μmであった。各絶縁性粒子12の、上記分散溶剤と混合した時の最大膨張率は50%であり、最大粒径d2は、商品名「YS20」が3μm、商品名「YS80」が12μmになる。
【0026】
<実装工程>
ガラス厚0.7mm、表面抵抗10Ω/□のITOパターンガラスと、COFデバイスを接続用の電気部品として用意した。
ITOパターンガラスの端子はITO透明電極であり、COFデバイスの端子は、Cu配線の表面にSnメッキをした金属配線(膜厚8μm)である。
【0027】
尚、ITOパターンガラスと、COFデバイスは、端子間ピッチがそれぞれ38μm、L(端子幅)/S(端子間の距離)は3/2であり、COFデバイスの端子のTop幅は15μmであった。
【0028】
実施例1、比較例1、2の接着フィルムから、幅1.5mmの小片を切り出し、ツール幅2.0mmの圧着機で、緩衝材(膜厚70μmのテフロンフィルム、「テフロン」は登録商標である)を間に挟んで、小片をITOパターンガラスに押し当て、80℃、1MPaの条件で2秒間加熱押圧して、仮貼りを行った。
【0029】
次いで、COFデバイスを、小片が仮貼りされた部分でITOパターンガラスと重ね合わせ、仮貼りに用いたものと同じ圧着機で、80℃、0.5MPaの条件で0.5秒間加熱押圧して仮固定をおこなった。
更に、図3に示したように、ツール幅1.5mmの圧着機40を、緩衝材43(200μm厚シリコンラバーフィルム)を挟んでCOFデバイス30のITOパターンガラス20と重ね合わせた部分に押し当て、190℃、3MPaの条件で10秒間加熱押圧して本圧着を行った。
【0030】
本圧着は、圧着機40を、ITOパターンガラス20の外周から0.3mmはみ出した状態で加熱押圧を行い、故意に導電性粒子15の凝集を発生させて、ITOパターンガラス20と、COFデバイス30を接続し、実施例1、比較例1、2の接続体を作成した。
【0031】
図4は接続体の模式的な平面図を示しており、図4と、上記図3の符号25と35は、それぞれITOパターンガラス20とCOFデバイス30の端子を示している。
COFデバイス30の端子35間に30Vの電圧を加え絶縁抵抗を測定し、絶縁抵抗が1.0×10-6Ω以下をショート発生とし、「ショート発生率」を求めた(初期)。図4の符号49は電気抵抗の測定器を示している。
【0032】
更に端子35間に通電した状態で、各接続体を温度85℃、湿度85%の高温高湿条件で500時間放置した後、再び「ショート発生率」を調べた。更に、高温高湿条件で放置後の接続体について、ITOパターンガラス20の端子25と、COFデバイス30の端子35間の「導通抵抗」を求めた。
初期の「ショート発生率」と、高温高湿条件で放置後の「ショート発生率」及び「導通抵抗」の測定結果を下記表2に記載する。
【0033】
【表2】

【0034】
異方導電性接着剤に絶縁性粒子12が添加されていない比較例1は、ITOパターンガラス20の角部分で導電性粒子15が詰まり、隣接する端子25間でショートが発生した。
【0035】
比較例2は、絶縁性粒子12の粒径が導電性粒子15の粒径よりも大きく、しかも、その最大粒径d2はCOFデバイス30の端子35の膜厚(8μm)を超えるため、絶縁性粒子12が端子25、35間に挟まると、導電性粒子15を端子25、35間から押し出し、その周囲に導電性粒子15が凝集してショート発生数を増加させた。
【0036】
これに対し、実施例1では、ITOガラスの角部分で、導電性粒子15が凝集しても、導電性粒子15だけでなく絶縁性粒子12が混在するため、図4に示すように、導電性粒子15の繋がりを回避でき、隣接する端子35間のショート発生を防ぐ事ができた。
【0037】
本発明では導電性粒子15が凝集してもショートが発生しないから、ITOパターンガラスのように、基板(例えばガラス基板)の端子が配置された縁部分に、他の電気部品を重ね合わせ、重ね合わせた部分に荷重を加えて接続を行う場合に特に適している。
第一の電気部品としては、例えばLCD(液晶)パネルがあり、LCDパネルに接続される第二の電気部品には、COFデバイスの他に、TABデバイス、フレキシブル配線板等がある。
【0038】
以上はフィルム状の接着剤(接着フィルム)を用いて電気部品の接続を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、ペースト状の異方導電接着剤を、電気部品のいずれか一方又は両方に塗布してから、上記本圧着工程を行い、電気部品同士を接続することもできる。
【0039】
導電性粒子15の粒径は特に限定されないが、1μm以上30μm以下が望ましい。導電性粒子15を金属被膜樹脂粒子で構成する場合には、芯材の樹脂粒子としては、例えば熱可塑性樹脂粒子が用いられる。
【0040】
分散溶剤は、酢酸エチルと、トルエンの混合溶剤に限定されず、例えば、絶縁性樹脂粒子がメタクリル樹脂粒子の場合は、分散溶剤として、メチルエチルケトン(MEK)と、トルエンと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)、酢酸エチルとからなる群より選択されるいずれか1種類以上の有機溶剤を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0041】
絶縁性粒子12に用いる樹脂粒子は特に限定されず、メタクリル樹脂(メタクリルモノマーの重合体)の他に、アクリル樹脂(アクリルモノマーの重合体)、アクリロニトリルの重合体、ベンゾグアナミンやメラミンのホルムアルデヒド縮合物の種々の樹脂粒子を用いることができる。尚、これらの樹脂粒子は、全て、上記有機溶剤群に膨潤可能である。
樹脂粒子は、表面に分散溶剤に膨潤可能な樹脂が露出しているのであれば、例えば、分散溶剤に膨潤しない芯材の表面に樹脂層が形成されたものを用いてもよい。
【0042】
バインダーに用いる接着剤樹脂は、熱硬化性樹脂と、熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含有する。
バインダーが熱硬化性樹脂を含有する場合、本圧着工程では、熱硬化性樹脂が重合する温度以上に加熱して、バインダーを硬化させる。バインダーが熱可塑性樹脂を含有する場合、熱可塑性樹脂が軟化して接着性を発現する温度以上に加熱した後、冷却し、熱可塑性樹脂を固化させる。従って、電気部品は硬化又は固化したバインダーで機械的に接続される。
【0043】
熱硬化性樹脂は特に限定されないが、エポキシ樹脂と、マイクロカプセル化アミン系硬化剤を硬化剤に用いたアニオン硬化系エポキシ樹脂、オニウム塩やオキセタンを硬化剤に用いたカチオン硬化系エポキシ樹脂、有機過酸化物を硬化剤に用いたラジカル硬化系樹脂等を用いることができる。
異方導電性接着剤の固形分には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、硬化剤、シラン以外にも、フィラー、着色剤等種々の添加剤を添加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】(a)、(b):絶縁性粒子と導電性粒子の模式図
【図2】異方導電性接着剤の断面図
【図3】本圧着工程を説明するための断面図
【図4】接続体の模式的な平面図
【符号の説明】
【0045】
10……接着剤(接着フィルム) 11……バインダー 12……絶縁性粒子 15……導電性粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散溶剤と、前記分散溶剤に接触すると膨潤する樹脂からなる絶縁性粒子と、前記分散溶剤に接触しても膨潤しない導電性粒子と、前記分散溶剤に溶解する接着剤樹脂とを混合し、接着剤を製造する製造方法であって、
混合前の前記絶縁性粒子の粒径を、混合によって膨潤された前記絶縁性粒子の粒径が、前記導電性粒子の粒径未満になるようにする接着剤の製造方法。
【請求項2】
分散溶剤と、前記分散溶剤に接触すると膨潤する樹脂からなる絶縁性粒子と、前記分散溶剤に接触しても膨潤しない導電性粒子と、前記分散溶剤に溶解する接着剤樹脂とを混合してペースト状の接着剤を作成した後、
前記接着剤を加熱してフィルム化するフィルム状の接着剤の製造方法であって、
混合前の前記絶縁性粒子の粒径を、前記接着剤の加熱によって膨潤された前記絶縁性粒子の粒径が、前記導電性粒子の粒径未満になるようにする接着剤の製造方法。
【請求項3】
前記分散溶剤として、メチルエチルケトンと、トルエンと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと、酢酸エチルとからなる有機溶剤群より選択されるいずれか1種類以上の有機溶剤を含有するものを用い、
前記絶縁性粒子としてメタクリル樹脂を主成分とする樹脂粒子を用いる請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の接着剤の製造方法。
【請求項4】
第一の電気部品の第一の端子と、第二の電気部品の第二の端子とを、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の前記接着剤を挟んで対向させ、
前記第一、第二の端子間に熱と押圧力を加え、前記第一、第二の端子で前記導電性粒子を挟み込む電気部品の接続方法。
【請求項5】
前記第一の電気部品として、基板を有し、前記基板の縁部分に前記第一の端子が配置されたものを用いる請求項4記載の電気部品の接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−291161(P2008−291161A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139979(P2007−139979)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】