説明

救急ナビゲーション端末およびこれを用いた救急医療ナビゲーションシステム

【課題】急患を病院に短時間で搬送でき、また、救急車を呼ぶほどの重症ではない場合であっても利用できる利便性が高い救急ナビゲーション端末を提供する。
【解決手段】位置検出部11と、記憶装置13と、病院とのコンタクトを開始するための救急ボタン14と、操作機12と、表示器17と、救急ボタンの押下に応答して位置検出部で検出された現在位置の周辺の地図データおよび病院データを記憶装置から読み出し、該読み出した地図データで示される地図上に該読み出した病院データで示される病院の中の操作機の操作によって指定された診療科を有する病院を重畳して表示器に表示させ、該表示器に表示された病院の中の1つが操作機の操作によって選択された場合に、現在位置から選択された病院までの経路を探索して表示器に表示させることにより経路案内を行うコントローラ16を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザが救急通報を行うための救急ナビゲーション端末およびこれを用いた救急医療ナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療従事者が不足し、社会問題となっている。特に、救急病院の急患受け入れに関する問題は深刻であり、受け入れ病院を探すのに多大な時間を要している。このような問題を解消するために、特許文献1は、救急車両が効率よく短時間で救急通報元の住所地域へ到着でき、また、救急通報元から患者搬送先へ患者を確実かつ迅速に搬送できるような救急用車両の配車管理を実現するための救急用車両の配車方法、コールセンタ、救急通報端末および配車管理システムを開示している。
【0003】
この特許文献1に開示された技術では、救急通報とともに救急通報元の詳細情報を、インターネットを介して発信する救急通報端末と、この救急通報端末が発信した救急通報を受け付け、救急通報元にその救急通報元へ救急車を配車するための通報元位置判定手段、出動救急車位置判定手段、渋滞情報取得手段、表示制御手段および救急車待機状況出力手段など有するコールセンタシステムと、コールセンタシステムから救急車の出動要請を受ける消防署と、急患を搬送する救急車と、急患を受け入れる病院とを備えている。
【0004】
また、特許文献2は、救急な処理を必要とする病人を適切な病院へいち早く誘導する救急ナビゲーション装置を開示している。この救急ナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System)信号により現在位置を判定するGPS部と、地域病院の受け入れ体制情報(診療科目、手術受け入れ体制状況、入院状況など)を受信し、表示する病院情報表示処理部と、道路情報(渋滞情報など)を受信し、表示する道路情報表示処理部を備えている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−325689号公報
【特許文献2】特開平07−065290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1および特許文献2に開示された技術では、救急車が待機している消防署から遠方の地域では、急患の搬送に時間を要するという問題がある。また、これらの技術は、歩行者用または一般車両用には適用できないので、救急車を呼ぶほどの重症でない場合は、特許文献1および特許文献2に開示された技術を利用することはできない。
【0007】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、急患を受け入れ可能な病院に短時間で搬送することを可能にし、また、救急車を呼ぶほどの重症ではない場合であっても利用できる利便性が高い救急ナビゲーション端末およびこれを用いた救急医療ナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る救急ナビゲーション端末は、上記課題を解決するために、現在位置を検出する位置検出部と、地図データおよび病院データを記憶する記憶装置と、病院とのコンタクトを開始するための救急ボタンと、操作により指示を入力する操作機と、情報を表示する表示器と、救急ボタンの押下に応答して位置検出部で検出された現在位置の周辺の地図データおよび病院データを記憶装置から読み出し、該読み出した地図データによって示される地図上に該読み出した病院データによって示される病院の中の操作機の操作によって指定された診療科を有する病院を重畳して表示器に表示させ、該表示器に表示された病院の中の1つが操作機の操作によって選択された場合に、位置検出部で検出された現在位置から選択された病院までの経路を記憶装置から読み出した地図データに基づき探索して表示器に表示させることにより経路案内を行うコントローラを備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る救急ナビゲーション端末によれば、救急ボタンの押下に応答して現在位置の周辺の地図上に指定された診療科を有する複数の病院が表示され、この表示された病院の中の1つを選択した場合に、現在位置から選択された病院までの経路探索および経路案内が行われるので、救急車が待機している消防署から遠方の地域であっても、一般の車両で急患を搬送できる。その結果、急患を受け入れ可能な病院へ短時間で搬送することが可能になる。また、救急車を呼ぶほどの重症では無い場合であっても、この救急ナビゲーション端末を利用できるので利便性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末は、携帯電話機の上に実現されている(以下、「携帯電話型の救急ナビゲーション端末」という)。図1は、この発明の実施の形態1に係る携帯電話型の救急ナビゲーション端末の構成を示すブロック図である。この救急ナビゲーション端末は、GPS受信機11、操作機12、記憶装置13、救急ボタン14、電話機能部15、コントローラ16および表示器17を備えている。
【0011】
GPS受信機11は、この発明の位置検出部に対応する。このGPS受信機11は、GPS衛星から送信された電波を受信し、GPSデータとしてコントローラ16に送る。GPSデータには、自己の現在位置を示すデータ、日付および現在時刻を示すデータが含まれる。なお、この発明の位置検出部としては、GPS受信機11に限らず、救急ナビゲーション端末がPHS(Personal Handyphone System)端末で構成される場合は、その電話網から現在位置を取得する機能を用いることもできる。
【0012】
操作機12は、携帯電話機に設けられている押ボタンスイッチまたはダイヤルなどから構成されており、ユーザが携帯電話機に各種指示を与えるために使用される。この操作機12を操作することにより発生された操作データは、コントローラ16に送られる。
【0013】
記憶装置13は、例えば半導体メモリなどから構成されており、地図データMおよび病院データHを記憶している。図2は、記憶装置13に記憶される病院データHの構造を示す図である。病院データHは、複数の病院に対するデータを含み、各病院のデータは、病院名、病院の位置情報、診療科の種類、休診日、開業時間、入院の可否、電話番号、病院の救急用ホームページアドレス(URL)および救急病院であるか否かの識別情報から構成されている。この記憶装置13に記憶されている地図データMおよび病院データHは、コントローラ16によって読み出される。
【0014】
救急ボタン14は、例えば押ボタンスイッチから構成されており、急患が発生した場合に病院とのコンタクトを開始するために使用される。この救急ボタン14が押されると、その旨を表す救急発信信号がコントローラ16に送られる。
【0015】
電話機能部15は、携帯電話機の電話機能を司る。この電話機能部15は、コントローラ16から送られてくる電話番号に自動で接続する自動ダイヤル発信機能を備えている。また、この電話機能部15は、接続が切断された場合に、その旨を表す信号をコントローラ16に送る。
【0016】
コントローラ16は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、携帯電話機としての機能を実現するための処理を行う他、救急ボタン14から送られてくる救急発信信号に応じて、表示器17に診療科を表示させる処理、電話機能部15に自動ダイヤル発信を開始させる処理、現在位置から病院までの経路を探索する経路探索処理、および、探索された経路を地図上に表示して案内を行う経路案内処理などを実行する。このコントローラ16で実行される処理の詳細は、後述する。
【0017】
表示器17は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成されており、コントローラ16から送られてくる表示データにしたがって各種情報を表示する。例えば、コントローラ16から送られてくる表示データにしたがって、診療科の一覧または経路を含む地図などを表示する。
【0018】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末の動作を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0019】
救急ナビゲーション端末を携帯しているユーザまたは近辺の人が治療を要する患者になった場合、そのユーザまたは近辺の人は、救急ナビゲーション端末の救急ボタン14を押下する(ステップST11)。これにより、救急ボタン14において救急発信信号が生成され、コントローラ16に送られる。
【0020】
次いで、表示器17に診療科の一覧が表示される(ステップST12)。すなわち、コントローラ16は、救急ボタン14から救急発信信号を受け取ると、自己の内部のメモリ(図示は省略する)に記憶している診療科を表すデータを取得し、表示器17に送る。これにより、例えば図4に示すような、内科、外科、産科および整形外科といった診療科の一覧が表示器17に表示される。
【0021】
次いで、診療科が選択される(ステップST13)。すなわち、ユーザは、操作機12を操作して、患者の病状に応じて、表示器17に表示されている診療科の1つ、例えば産科を選択する。この操作機12の操作によって選択された診療科を表す操作データはコントローラ16に送られる。
【0022】
次いで、最適な病院が複数選択される(ステップST14)。すなわち、コントローラ16は、記憶装置13に記憶されている病院データHを参照して、最適な複数の病院を選択する。具体的には、コントローラ16は、GPS受信機11から送られてきたGPSデータから日付を取得し、この取得した日付の曜日をカレンダ(図示は省略する)から算出し、この算出した曜日を病院データHの中の「休診日」と照合するとともに、GPSデータから現在時刻を取得し、この取得した現在時刻を病院データHの中の「開業時間」と照合し、その時点で利用可能な複数の病院を選択する。そして、選択した病院の中から、操作機12から送られてきた操作データによって示される「診療科」を備えた複数の病院を、病院データHの中の「診療科」と照合することにより選択する。そして、この選択した複数の病院に対応する病院データHの中の「位置情報」と、GPS受信機11から得られるGPSデータに含まれる現在位置を示すデータとから、現在位置から病院までの距離を算出し、距離が近い順に複数の病院を選択する。
【0023】
次いで、地図と複数の病院が表示される(ステップST15)。すなわち、コントローラ16は、GPS受信機11から得られるGPSデータに含まれる現在位置を示すデータに基づき生成した現在位置の記号、記憶装置13から読み出した、現在位置を中心とする地図を表示するための地図データMを表示器17に送るとともに、ステップST14で選択された複数の病院の病院名を表示器17に送る。これにより、図5に示すように、現在位置の記号、病院の記号および病院名が重畳された地図が表示器17に表示される。
【0024】
この状態において、ユーザは、操作機12を操作して、表示器17に表示された複数の病院の中から最適な病院を選択する(ステップST16)。このステップST16で選択された病院を表す操作データはコントローラ16に送られる。
【0025】
次いで、病院の位置情報と電話番号が取得される(ステップST17)。すなわち、コントローラ16は、操作機13から送られてきた操作データによって示される病院に対応する病院データHを記憶装置13から読み出し、この読み出した病院データHから「位置情報」と「電話番号」を取得する。
【0026】
次いで、病院に自動ダイヤル発信が行われる(ステップST18)。すなわち、コントローラ16は、電話機能部15に発信指示を送る。これにより、電話機能部15は、ステップST17で取得された病院の電話番号に自動ダイヤル発信する。この自動ダイヤル発信により病院に接続されると、ユーザは、病院に患者の受け入れを確認する(ステップST19)。その後、ユーザは、回線を切断して通信を終了する。
【0027】
次いで、現在位置から病院までの経路探索が行われる(ステップST20)。すなわち、コントローラ16は、電話機能部15から接続が切断された旨の信号を受け取ると、ステップST17で取得した病院の位置情報とGPSデータから取得した現在位置を表すデータとから、記憶装置13に記憶されている地図データMを用いて、現在位置から病院までの経路探索を実行する。
【0028】
この経路探索が終了すると、次いで、病院までの経路案内が行われる(ステップST21)。すなわち、コントローラ16は、表示器17に、病院までの経路を含む地図を表示させて経路案内を行う。これにより、救急車が待機している消防署から遠方の地域で急患が発生しても、患者を徒歩または一般車両(救急車両でない)で病院まで速やかに搬送することができる。
【0029】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末によれば、救急ボタン14の押下に応答して現在位置の周辺の地図上に指定された診療科を有する複数の病院が表示され、この表示された病院の中の1つを選択した場合に、現在位置から選択された病院までの経路探索および経路案内が行われるので、救急車が待機している消防署から遠方の地域であっても、一般の車両で急患を搬送できる。その結果、急患を受け入れ可能な病院へ短時間で搬送することが可能になる。また、救急車を呼ぶほどの重症では無い場合であっても、この救急ナビゲーション端末を利用できるので利便性が高い。
なお、現在の救急医療システムでは、病院に対する急患の受け入れの打診は、患者または近辺の人から要請を受けた医療センタで行われているが、病院自体が医療センタと同様の機能を有する場合は、この実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末は非常に有効である。
【0030】
また、実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末によれば、操作機12の操作によって表示器17に表示された病院の中の1つが選択された場合に、電話機能部15は、選択された病院の病院データに含まれる電話番号に自動ダイヤル発信を行うので、煩雑なダイヤル操作が不要になり、病院に患者の受け入れを容易に確認することができる。
【0031】
なお、上述した実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末は、次のように変形することができる。図6は、実施の形態1の変形例に係る救急ナビゲーション端末の構成を示すブロック図である。この救急ナビゲーション端末は、実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末から電話機能部15が除去されて構成されている。
【0032】
この救急ナビゲーション端末の動作においては、図3に示したフローチャートにおける、電話機能部15を用いて病院に自動ダイヤル発信するステップ(ステップST18)と、ユーザが病院に患者の受け入れを確認するステップ(ステップST19)が省略される。この場合、ステップST17においては、コントローラ16は、取得した病院の位置情報と電話番号を表示器17に送って表示させる。ユーザは、表示器17に表示された電話番号を見て、携帯電話機で病院に電話し、患者の受け入れの可否を確認する。そして、受け入れ可能であることが確認できたら、ステップST20において、手動で携帯電話機に経路探索を開始させる。
【0033】
以上のように構成される実施の形態1の変形例に係る救急ナビゲーション端末によっても、上述した実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末と同様に、患者を徒歩または一般車両で病院に速やかに搬送することができる。
【0034】
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムの構成を示す図である。この救急医療ナビゲーションシステムは、インターネット1に接続された救急ナビゲーション端末2、医療センタ端末3および病院端末4から構成されている。インターネット1は、この発明の通信ネットワークに対応する。なお、この発明の通信ネットワークとしてはインターネット1に限らず、他のネットワークを用いることもできる。
【0035】
救急ナビゲーション端末2は、ユーザが所有する端末であり、救急通報を、インターネット1を介して医療センタ端末3に送信する。なお、救急ナビゲーション端末2、医療センタ端末3および病院端末4の相互間の通信は、全てインターネット1を介して行われるので、以下においては、特に必要がある場合を除き、インターネット1を介する旨の記述は省略する。また、救急ナビゲーション端末2は、送信した救急通報に応答して医療センタ端末3から返信されてくる患者受け入れ先の病院の位置情報を受信し、その病院までの経路案内を行う。この救急ナビゲーション端末2の詳細は後述する。
【0036】
医療センタ端末3は、医療センタに設置されるインターネットサーバであり、救急ナビゲーション端末2から送信されてくる救急通報を受け付ける。また、医療センタ端末3は、受け付けた救急通報に対する受け入れの可否を病院端末4に問い合わせ、この問い合わせに対して病院端末4から送信されてくる患者受け入れ先の病院の位置情報を、救急ナビゲーション端末2に返信する。この医療センタ端末3の詳細は後述する。
【0037】
病院端末4は、病院に設置されるインターネットサーバであり、医療センタ端末3から送信されてくる患者受け入れ可否の問い合わせを受け付ける。また、病院端末は、この問い合わせに対する回答(患者受け入れ可否)を、医療センタ端末3に送信する。この病院端末4の詳細は後述する。
【0038】
次に、救急ナビゲーション端末2の詳細を説明する。図8は、この救急ナビゲーション端末2の構成を示すブロック図である。この救急ナビゲーション端末2は、実施の形態1に係る携帯電話型の救急ナビゲーション端末とほぼ同等の機能を有し、GPS受信機11、操作機12、記憶装置13a、救急ボタン14、電話機能部15a、コントローラ16a、表示器17および身体測定装置18を備えている。なお、身体測定装置18はオプションであり、詳細は後述する。以下においては、実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末と同一または相当する構成部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0039】
記憶装置13aは、この発明の記憶装置または第1記憶装置に対応し、例えば半導体メモリなどから構成されており、地図データMを記憶している。この記憶装置13aは、病院データHを記憶していない点で、実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末の記憶装置13と異なる。この記憶装置13aに記憶されている地図データMは、コントローラ16aによって読み出される。
【0040】
救急ボタン14は、使用目的が異なる点を除けば、実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末のそれと同じである。すなわち、実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末では、救急ボタン14は、急患が発生した場合に病院とのコンタクトを開始するために使用されるのに対し、実施の形態2に係る救急ナビゲーション端末2では、救急通報を医療センタ端末3に送信するために使用される。
【0041】
電話機能部15aは、電話機能を司る他、インターネット1への接続機能を備えている。この電話機能部15aは、コントローラ16aから送られてくる救急通報データに従って救急通報を医療センタ端末3に送信する。また、この電話機能部15aは、医療センタ端末3から送信されてくる患者受け入れ先の病院の位置情報を受信し、コントローラ16aに送る。
【0042】
コントローラ16aは、例えばマイクロコンピュータから構成されており、この発明のコントローラまたは第1コントローラに対応する。このコントローラ16aは、携帯電話機としての機能を実現するための処理を行う他、表示器17に診療科を表示させる処理、救急ボタン14から送られてくる救急発信信号に応じて救急通報データを生成し、電話機能部15に送る処理、電話機能部15から送られてくる患者受け入れ先の病院の位置情報によって示される位置の周辺の地図データMを記憶装置13aから読み出し、この読み出した地図データMにしたがって、GPSデータによって示される現在位置から位置情報によって示される病院までの経路を探索する処理、および、探索された経路を含む地図を表示して経路を案内する経路案内処理などを実行する。このコントローラ16で実行される処理の詳細は、後述する。
【0043】
表示器17は、コントローラ16aから送られてくる表示データにしたがった各種情報を表示する。例えば、コントローラ16aから送られてくる表示データにしたがって経路を含む地図を表示する。
【0044】
次に、医療センタ端末3の詳細を説明する。図9は、医療センタ端末3の構成を示すブロック図である。この医療センタ端末3は、操作機21、記憶装置22、コントローラ23および表示器24を備えている。
【0045】
操作機21は、例えば操作卓から構成されており、オペレータが医療センタ端末3に各種指示を与えるために使用される。この操作機21を操作することにより発生された操作データは、コントローラ23に送られる。
【0046】
記憶装置22は、この発明の第2記憶装置に対応し、例えばHDD(Hard Disk Drive)などから構成されており、地図データMおよび病院データHを記憶している。地図データMおよび病院データHは、実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末の記憶装置13に格納される地図データMおよび病院データHと同じである。この記憶装置22に記憶されている地図データMおよび病院データHは、コントローラ23によって読み出される。
【0047】
コントローラ23は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、この発明の第2コントローラに対応する。このコントローラ23は、救急ナビゲーション端末2から送信されてくる救急通報を受け付け、この救急通報により示される患者の受け入れ可否を病院端末4に問い合わせる。また、コントローラ23は、この受け入れ可否の問い合わせに応答して、病院端末4から送られてくる受け入れ可否を表す情報を生成し、救急ナビゲーション端末2に送信する。さらに、コントローラ23は、記憶装置22から読み出した地図データMおよび病院データHを表示器24に送り、地図および病院に関する情報を表示させる。
【0048】
表示器24は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成されており、コントローラ23から送られてくる種々の表示データにしたがった各種情報を表示する。例えば、コントローラ23から送られてくる地図データMおよび病院データHにしたがって、地図および病院に関する情報をそれぞれ表示する。
【0049】
次に、病院端末4の詳細を説明する。図10は、病院端末4の構成を示すブロック図である。この病院端末4は、操作機31、記憶装置32、コントローラ33および表示器34を備えている。
【0050】
操作機31は、例えば操作卓から構成されており、オペレータが病院端末4に各種指示を与えるために使用される。この操作機31を操作することにより発生された操作データは、コントローラ33に送られる。
【0051】
記憶装置32は、この発明の第3記憶装置に対応し、例えばHDDなどから構成されており、病院データH’を記憶している。病院データH’は、例えば、図2に示した複数の病院に対するデータの中の1つの病院に対するデータから構成されている。この記憶装置32に記憶されている病院データH’は、コントローラ33によって読み出される。
【0052】
コントローラ33は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、この発明の第3コントローラに対応する。このコントローラ33は、医療センタ端末3から送信されてくる患者の受け入れ可否の問い合わせに応答して、受け入れ可否を表す情報を医療センタ端末3に送信する。また、コントローラ33は、記憶装置32から読み出した病院データH’を表示器34に送り、表示器17に病院に関する情報を表示させる。
【0053】
表示器34は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成されており、コントローラ33から送られてくる種々の表示データにしたがった各種情報を表示する。例えば、コントローラ33から送られてくる病院データH’にしたがって、病院に関する情報を表示する。
【0054】
次に、上記のように構成される救急医療ナビゲーションシステムの動作を、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。救急ナビゲーション端末2を携帯しているユーザまたは近辺の人が治療を要する患者になった場合に、救急ナビゲーション端末2では、医療センタ端末3に対する救急通報処理が行われる(ステップST31)。
【0055】
このステップST31で行われる救急通報処理の詳細を、図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。治療を要する患者が発生した場合に、救急ナビゲーション端末2を携帯しているユーザまたは近辺の人は、救急ボタン14を押下する(ステップST61)。これにより、救急ボタン14で救急発信信号が生成され、コントローラ16aに送られる。
【0056】
次いで、表示器17に診療科の一覧が表示される(ステップST62)。すなわち、コントローラ16aは、救急ボタン14から救急発信信号を受け取ると、自己の内部のメモリ(図示は省略する)に記憶している診療科を表すデータを取得し、表示器17に送る。これにより、例えば図4に示すような、内科、外科、産科および整形外科といった診療科の一覧が表示器17に表示される。
【0057】
次いで、診療科が選択される(ステップST63)。すなわち、ユーザは、操作機12を操作して、患者の病状に応じて、表示器17に表示されている診療科の1つ、例えば産科を選択する。この操作機12の操作によって選択された診療科を表す操作データはコントローラ16aに送られる。
【0058】
次いで、位置情報が取得される(ステップST64)。すなわち、コントローラ16aは、GPS受信機11からGPSデータを取得し、このGPSデータから自己の現在位置を示すデータを取得する。次いで、インターネットへの接続が行われる(ステップST65)。コントローラ16aは、電話機能部15aに対してインターネット1への接続を指示する。これにより、救急ナビゲーション端末2と医療センタ端末3との間が接続される。
【0059】
次いで、救急通報が行われる(ステップST66)。すなわち、コントローラ16aは、ステップST64で取得された救急ナビゲーション端末2の現在位置を示すデータと、ステップST63で選択された診療科を表すデータとを電話機能部15aに送る。電話機能部15aは、これらのデータを医療センタ端末3に送信することにより救急通報を行う。以上により救急通報処理は終了する。
【0060】
救急ナビゲーション端末2における救急通報処理が終了すると、図11に示すように、医療センタ端末3は、救急ナビゲーション端末2から送信されてくる救急通報を受け付ける(ステップST41)。すなわち、コントローラ23は、救急ナビゲーション端末2から送信されてくる、その現在位置を示すデータと診療科を表すデータとを受け取る。
【0061】
次いで、最適な複数の病院が選択される(ステップST42)。すなわち、コントローラ23は、記憶装置22から読み出した病院データHを参照して、最適な複数の病院を選択する。具体的には、コントローラ23は、図示しない時計から日付を取得し、この取得した日付の曜日をカレンダ(図示は省略する)から算出し、この算出した曜日を病院データHの中の「休診日」と照合するとともに、時計から現在時刻を取得し、この取得した現在時刻を病院データHの中の「開業時間」と照合し、その時点で利用可能な複数の病院を選択する。そして、選択した病院の中から、ステップST41で受け取った診療科を表すデータによって示される「診療科」を備えた複数の病院を、病院データHの中の「診療科」と照合することにより選択する。そして、この選択した複数の病院に対応する病院データHの中の「位置情報」と、ステップST41で受け取った現在位置を示すデータとから、現在位置から病院までの距離を算出し、距離が近い順に複数の病院を選択する。
【0062】
次いで、患者受け入れの打診が行われる(ステップST43)。すなわち、コントローラ23は、ステップST42で選択された複数の病院のURLを、記憶装置22から読み出した病院データHから取得し、これら取得したURLに対して、診療科を伴った患者の受け入れ可否を打診するデータを送信する。
【0063】
病院端末4では、医療センタ端末3から患者の受け入れ可否を打診するデータが送信されてくると、患者受け入れ可否の判断が行われる(ステップST51)。すなわち、コントローラ33は、医療センタ端末3から受け取った受け入れ可否を打診するデータに含まれる診療科と、記憶装置32に記憶されている病院データH’の診療科とを照合し、これらが一致することを確認する。そして、コントローラ33は、照合した診療科を表示器34に表示するとともに、図示しないスピーカから警報を鳴らす。病院端末4のオペレータは、診療科の担当医師の状況および病室の状況などから、患者の受け入れ可否を判断する。
【0064】
上記ステップST51において、患者の受け入れ可否が判断されると、次いで、患者受け入れの確認が行われる(ステップST52)。すなわち、オペレータは、操作機31を操作して患者の受け入れ可否を表すデータを入力する。この操作機31が操作されることにより発生された患者の受け入れ可否を表すデータは、操作データとしてコントローラ33に送られる。コントローラ33は、操作機31から送られてくる操作データに基づき、患者の受け入れ可否を表すデータを、医療センタ端末3に送信する。
【0065】
医療センタ端末3においては、病院端末4から送られてくる患者の受け入れ可否を表すデータを参照して、患者受け入れ先の病院を決定するとともに、救急ナビゲーション端末2に対して、救急通報に対する返信を行う(ステップST44)。すなわち、コントローラ23は、複数の病院端末4から送られてくる患者の受け入れ可否を表すデータから患者の受け入れが可能であることを示している病院を抽出し、その抽出した病院の中から救急ナビゲーション端末2の位置に最も近い病院を決定する。そして、決定した病院の位置情報を記憶装置22に格納されている病院データHから取得し、病院名と一緒に、救急ナビゲーション端末2に送信する。同時に、コントローラ23は、決定した病院に、受け入れ準備を行うよう連絡する。
【0066】
救急ナビゲーション端末2においては、病院の位置情報を受信する(ステップST32)。すなわち、電話機能部15aは、医療センタ端末3から病院名とその位置情報を受信してコントローラ16aに送る。
【0067】
次いで、病院までの経路探索が行われる(ステップST33)。すなわち、コントローラ16aは、電話機能部15aから病院名およびその位置情報を受け取ると、GPS受信機11からGPSデータを取得し、このGPSデータから自己の現在位置を示すデータを取得する。そして、病院の位置情報と現在位置を表すデータとから、記憶装置13に記憶されている地図データMを用いて、現在位置から病院までの経路探索を実行する。
【0068】
次いで、病院までの経路案内が行われる(ステップST34)。すなわち、コントローラ16aは、ステップST33で取得された現在位置を表すデータによって示される自己の現在位置を表すマークおよびステップST33で計算された現在位置から病院までの経路を、記憶装置13aから読み出した地図データに基づいて作成した地図上に重畳した表示データを生成し表示器17に送る。これにより、表示器17に、自己の現在位置を表すマークおよび現在位置から病院までの経路が地図上に重畳された案内図が表示され、経路案内が行われる。以上により、救急医療ナビゲーションシステムの動作は終了する。
【0069】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムによれば、救急車が待機している消防署から遠方の地域であっても、一般の車両で急患を搬送できる。その結果、急患を受け入れ可能な病院へ短時間で搬送することが可能になる。また、救急車を呼ぶほどの重症では無い場合であっても、この救急医療ナビゲーションシステムを利用できるので利便性が高い。
【0070】
なお、上述した実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムでは、救急ナビゲーション端末2は、GPS機能を有し、救急ボタン14が設けられた携帯電話型の救急ナビゲーション端末により構成したが、救急ボタンが設置され、上述した実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムと同様の動作を行う車載ナビゲーションシステムと携帯電話とから構成することもできる。
【0071】
また、上述した実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムでは、救急ナビゲーション端末2の位置から病院の位置までの経路探索を救急ナビゲーション端末2において行うように構成したが、この経路探索を医療センタ端末3で行い、探索された経路を救急ナビゲーション端末2に返信するように構成することもできる。
【0072】
また、上述した実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムでは、救急ナビゲーション端末2の位置から病院の位置までの距離が短い場合は、救急ナビゲーション端末2の位置から病院の位置までの経路探索として、徒歩用の経路探索を行うように構成することもできる。
【0073】
また、上述した実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムでは、救急ナビゲーション端末2は、救急通報として、現在位置を示すデータおよび診療科を表すデータを医療センタ端末3に送信するように構成したが、記憶装置13aに地図データMの他に病院データHをも記憶しておき、実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末と同様にして記憶装置13aに記憶されている病院データHを参照することにより最適な複数の病院を選択し、現在位置を示すデータおよび診療科を表すデータに加えて、選択した病院の病院データをも送信するように構成できる。この構成によれば、医療センタにおける負荷を軽減できる。
【0074】
さらに、救急ナビゲーション端末2に血圧計、脈拍計または体温計などといった身体測定装置18を備え、救急ナビゲーション端末2は、医療センタ端末3に接続した時に、診療科および位置情報に加え、身体測定装置で得られた測定データを送信し、医療センタ端末3は、測定データを、患者を受け入れる病院に転送するように構成することもできる。この構成によれば、より迅速な救急医療が期待できる。
【0075】
実施の形態3.
上述した実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムは、歩行者および一般車両に適用して一般民間人が利用することを想定しているが、一般民間人が利用する場合、医療センタへの不適切なアクセスを防止する必要がある。つまり、通常、インターネットを介した医療センタへのアクセスは自由に行うことができるので、悪意を有する者が急患を名乗って救急病院の受け入れ可否を問い合わせ、救急病院に受け入れ体制を整えさせるといった混乱を持ち込む可能性があるので、これを防止する必要がある。実施の形態3に係る救急医療ナビゲーションシステムは、このような事態の発生を防止するようにしたものである。
【0076】
この救急医療ナビゲーションシステムにおいては、救急ナビゲーション端末2のユーザは予め特定機関、例えば消防署に、氏名、住所、ならびに、健康保険証または氏名および住所を証明する証明書を届け出て、パスワードを交付してもらう。パスワードを交付されたユーザは、予め救急ナビゲーション端末2に、氏名、住所および特定機関から交付されたパスワードを登録しておく。
【0077】
図13は、この発明の実施の形態3に係る救急医療ナビゲーションシステムに適用される救急ナビゲーション端末2の構成を示す図である。この救急ナビゲーション端末2は、実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムの救急ナビゲーション端末に、記憶部19が追加されて構成されている。氏名、住所およびパスワードの登録は、この記憶部19に氏名、住所およびパスワードを格納することにより行われる。
【0078】
実施の形態3に係る救急医療ナビゲーションシステムの構成は、救急ナビゲーション端末2および医療センタ端末3で実行される処理の一部を除き、上述した実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムの構成と同じである。
【0079】
次に、実施の形態3に係る救急医療ナビゲーションシステムの動作を説明する。以下では、実施の形態2と相違する部分のみを説明する。
【0080】
図11に示すフローチャートにおいて、医療センタ端末3に接続された救急ナビゲーション端末2は、救急通報を行う際に、記憶部19からユーザの氏名、住所およびパスワードを読み出して医療センタ端末3に送信する(ステップST31)。医療センタ端末3は、救急通報を受け付ける際に、救急ナビゲーション端末2から受け取ったユーザの氏名および住所を暗号文とみなして所定の演算を行った後に、パスワードと一致するかどうかを調べる。ここで、パスワードと一致すると、そのユーザは認証され、救急通報の受付が受理される(ステップST41)。もし、パスワードと合致しない場合は、その救急ナビゲーション端末2との間の接続は直ちに切断される。
【0081】
なお、ここで用いる暗号化には、例えば共通鍵暗号のDES(Data Encryption Standard)暗号を用いることができる。
【0082】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係る救急医療ナビゲーションシステムによれば、悪意を有する者が急患を名乗り、救急病院に受け入れ体制を整えさせ、混乱を持ち込むことを防止することができる。
【0083】
なお、実施の形態3に係る救急医療ナビゲーションシステムにおけるユーザを認証する機能は、上述した実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末に適用することもできる。この場合、病院における不要な混乱を防止できるので、病院自体に医療センタとしての機能を持たせることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】この発明の実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末を構成する記憶装置に記憶される病院データの構造を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末の表示器に表示される診療科の一覧の例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る救急ナビゲーション端末の表示器に表示される病院の記号および病院名が重畳された地図の例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1の変形例に係る救急ナビゲーション端末の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムの構成を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムで使用される救急ナビゲーション端末の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムで使用される医療センタ端末の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムで使用される病院端末の構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムの動作を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態2に係る救急医療ナビゲーションシステムで使用される救急ナビゲーション端末の動作を示すフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態3に係る救急医療ナビゲーションシステムで使用される救急ナビゲーション端末の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0085】
1 インターネット、2 救急ナビゲーション端末、3 医療センタ端末、4 病院端末、11 GPS受信機、12,21 操作機、13 記憶装置、13a 記憶装置(第1記憶装置)、14 救急ボタン、15,15a 電話機能部、16 コントローラ、16a コントローラ(第1コントローラ)、17,24,34 表示器、18 身体測定装置、19 記憶部、22 記憶装置(第2記憶装置)、23 コントローラ(第2コントローラ)、32 記憶装置(第3記憶装置)、33 コントローラ(第3コントローラ)、M 地図データ、H,H’ 病院データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する位置検出部と、
地図データおよび病院データを記憶する記憶装置と、
病院とのコンタクトを開始するための救急ボタンと、
操作により指示を入力する操作機と、
情報を表示する表示器と、
前記救急ボタンの押下に応答して前記位置検出部で検出された現在位置の周辺の地図データおよび病院データを前記記憶装置から読み出し、該読み出した地図データによって示される地図上に該読み出した病院データによって示される病院の中の前記操作機の操作によって指定された診療科を有する病院を重畳して前記表示器に表示させ、該表示器に表示された病院の中の1つが前記操作機の操作によって選択された場合に、前記位置検出部で検出された現在位置から選択された病院までの経路を前記記憶装置から読み出した地図データに基づき探索して前記表示器に表示させることにより経路案内を行うコントローラ
とを備えた救急ナビゲーション端末。
【請求項2】
外部との通信を制御する電話機能部を備え、
コントローラは、
救急ボタンの押下に応答して位置検出部で検出された現在位置の周辺の地図データおよび病院データを記憶装置から読み出し、該読み出した地図データによって示される地図上に該読み出した病院データによって示される病院の中の操作機の操作によって指示された診療科を有する病院を重畳して表示器に表示させ、該表示器に表示された病院の中の1つが操作機の操作によって選択された場合に、前記電話機能部に指示することにより選択された病院の病院データに含まれる電話番号に自動ダイヤル発信させ、該自動ダイヤル発信により接続された病院から受け入れ可能であることが示された場合に、前記位置検出部で検出された現在位置から選択された病院までの経路を探索して前記表示器に表示させることにより経路案内を行う
ことを特徴とする請求項1記載の救急ナビゲーション端末。
【請求項3】
現在位置を検出する位置検出部と、
地図データを記憶する記憶装置と、
救急通報を行うための救急ボタンと、
操作により指示を入力する操作機と、
情報を表示する表示器と、
外部との通信を制御する電話機能部と、
前記救急ボタンの押下に応答して前記位置検出部で検出された現在位置と前記操作機の操作によって指定された診療科とを含む救急通報を、前記電話機能部に指示することにより外部に送信させ、該救急通報の送信に応答して外部から送信されてきた1つの病院の位置情報を取得し、前記位置検出部で検出された現在位置から該取得した位置情報によって示される病院までの経路を前記記憶装置から読み出した地図データに基づき探索して前記表示器に表示させることにより経路案内を行うコントローラ
とを備えた救急ナビゲーション端末。
【請求項4】
救急ナビゲーション端末、医療センタ端末および病院端末が通信ネットワークに接続された救急医療ナビゲーションシステムであって、
前記救急ナビゲーション端末は、
現在位置を検出する位置検出部と、
地図データを記憶する第1記憶装置と、
救急通報を行うための救急ボタンと、
操作により指示を入力する操作機と、
情報を表示する表示器と、
外部との通信を制御する電話機能部と、
前記救急ボタンの押下に応答して前記位置検出部で検出された現在位置と前記操作機の操作によって指定された診療科とを含む救急通報を、前記電話機能部に指示することにより前記通信ネットワークを介して前記医療センタ端末に送信させ、該救急通報の送信に応答して前記医療センタ端末から前記通信ネットワークを介して送信されてきた1つの病院の位置情報を取得し、前記位置検出部で検出された現在位置から該取得した位置情報によって示される病院までの経路を前記第1記憶装置から読み出した地図データに基づき探索して前記表示器に表示させることにより経路案内を行う第1コントローラとを備え、
前記医療センタ端末は、
地図データおよび病院データを記憶した第2記憶装置と、
前記救急ナビゲーション端末から前記通信ネットワークを介して救急通報を受信した場合に、該救急通報に含まれる現在位置の周辺の地図データおよび病院データを前記第2記憶装置から読み出し、該読み出した地図データによって示される地図上に存在する病院であって、該読み出した病院データによって示される病院の中から救急通報に含まれる診療科を有する病院を選択し、該選択した受け入れ可否の問い合わせを前記通信ネットワークを介して病院端末に送信し、該問い合わせの送信に応答して前記病院端末から前記通信ネットワークを介して送信されてくる受け入れ可能な病院の中から1つの病院を選択して前記通信ネットワークを介して前記救急ナビゲーション端末に送信する第2コントローラとを備え、
前記病院端末は、
当該病院の病院データを記憶した第3記憶装置と、
前記医療センタ端末から前記通信ネットワークを介して送信されてくる問い合わせに応答して、前記第3記憶装置から読み出した病院データに基づき受け入れ可否を表す情報を前記通信ネットワークを介して前記医療センタ端末に送信する第3コントローラ
とを備えた救急医療ナビゲーションシステム。
【請求項5】
救急ナビゲーション端末は、位置検出部、第1記憶装置、救急ボタン、操作機、表示器、電話機能部および第1コントローラを備えた携帯電話機から構成されている
ことを特徴とする請求項4記載の救急医療ナビゲーションシステム。
【請求項6】
救急ナビゲーション端末は、位置検出部、第1記憶装置、救急ボタン、操作機、表示器および第1コントローラを備えた車載ナビゲーションシステムと、
前記車載ナビゲーションシステムの第1コントローラに接続される電話機能部を備えた携帯電話機
とを備えていることを特徴とする請求項4記載の救急医療ナビゲーションシステム。
【請求項7】
救急ナビゲーション端末は、
氏名、住所ならびに特定機関に氏名および住所を届け出ることにより交付されたパスワードを記憶する記憶部を備え、
第1コントローラは、救急ボタンの押下に応答して前記記憶部から読み出した氏名、住所およびパスワードを、電話機能部に指示することにより通信ネットワークを介して医療センタ端末に送信させ、該氏名、住所およびパスワードの送信に応答して前記医療センタ端末から前記通信ネットワークを介して認証した旨の情報が送信されてきた場合に、位置検出部で検出された現在位置と操作機の操作によって指定された診療科とを含む救急通報を、前記電話機能部に指示することにより前記通信ネットワークを介して前記医療センタ端末に送信させ、該救急通報の送信に応答して前記医療センタ端末から前記通信ネットワークを介して送信されてきた1つの病院の位置情報を取得し、前記位置検出部で検出された現在位置から該取得した位置情報によって示される病院までの経路を第1記憶装置から読み出した地図データに基づき探索して表示器に表示させることにより経路案内を行い、
医療センタ端末の第2コントローラは、
前記救急ナビゲーション端末から前記通信ネットワークを介して氏名、住所およびパスワードを受信した場合に、受信した氏名および住所を暗号文とみなして所定の演算を行った後にパスワードと一致するかどうかを調べ、パスワードと一致すれば、前記救急ナビゲーション端末から前記通信ネットワークを介して救急通報を受信した場合に、該救急通報に含まれる現在位置の周辺の地図データおよび病院データを第2記憶装置から読み出し、該読み出した地図データによって示される地図上に存在する病院であって、該読み出した病院データによって示される病院の中から救急通報に含まれる診療科を有する病院を選択し、該選択した受け入れ可否の問い合わせを前記通信ネットワークを介して病院端末に送信し、該問い合わせの送信に応答して前記病院端末から前記通信ネットワークを介して送信されてくる受け入れ可能な病院の中から1つの病院を選択して前記通信ネットワークを介して前記救急ナビゲーション端末に送信する
ことを特徴とする請求項4記載の救急医療ナビゲーションシステム。
【請求項8】
救急ナビゲーション端末は、血圧計、脈拍計および体温計を含む身体測定装置を備え、 第1コントローラは、救急ボタンの押下に応答して位置検出部で検出された現在位置、操作機の操作によって指定された診療科および前記身体測定装置により得られた測定データを含む救急通報を、電話機能部に指示することにより通信ネットワークを介して医療センタ端末に送信させ、該救急通報の送信に応答して前記医療センタ端末から前記通信ネットワークを介して送信されてきた1つの病院の位置情報を取得し、前記位置検出部で検出された現在位置から該取得した位置情報によって示される病院までの経路を第1記憶装置から読み出した地図データに基づき探索して表示器に表示させることにより経路案内を行う
ことを特徴とする請求項4から請求項7のうちのいずれか1項記載の救急医療ナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−216445(P2009−216445A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58031(P2008−58031)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】