説明

樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置

【課題】高い割合で充填剤を含有しても弾性率が低く十分な低応力性を有するとともに接着特性に優れるため良好なリフロー剥離耐性を有する樹脂組成物及び該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチペーストまたは放熱部材接着用材料として使用することで信頼性に優れた半導体装置を提供する
【解決手段】熱硬化性樹脂(A)、充填材(B)、所定の一般式(1)で示される化合物(C)を含む樹脂組成物であって、前記化合物(C)中、一般式(1)におけるnが4以上の化合物の割合をX%、前記化合物(C)に含まれる所定の一般式(2)で示される化合物の割合をY%とするとき、XとYが以下の関係式1を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
[関係式1:Y<−2.7×10−3X+0.8]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製品の大容量、高速処理化及び微細配線化に伴い半導体製品作動中に発生する熱の問題が顕著になってきており、半導体製品から熱を逃がす、いわゆるサーマルマネージメントがますます重要な課題となってきている。このため半導体製品にヒートスプレッダー、ヒートシンクなどの放熱部材を取り付ける方法などが一般的に採用されているが放熱部材を接着する材料自体の熱伝導率もより高いものが望まれてきている。一方半導体製品の形態によっては、サーマルマネージメントをより効率的なものとするため半導体素子そのもの、または半導体素子を接着したリードフレームのダイパッド部にヒートスプレッダーを接着する方法や、ダイパッド部をパッケージ表面に露出させることにより放熱板としての機能を持たせる方法(例えば特許文献1)などが採用されている。また、さらにはサーマルビアなどの放熱機構を有する有機基板などに接着する場合もある。この場合も半導体素子を接着する材料に高熱伝導性が要求される。
【0003】
このように半導体装置の各部材の接着に用いられる材料(ダイアタッチペーストや放熱部材接着用材料等)に高い熱伝導性が要求されているが、これらの材料は、同時に半導体製品の基板搭載時のリフロー処理に耐える必要があり、さらには大面積の接着が要求される場合も多く構成部材間の熱膨張係数の違いによる反りなどの発生を抑制するため低応力性も併せ持つ必要がある。
【0004】
ここで通常高熱伝導性接着剤には、銀粉、銅粉などの金属フィラーや窒化アルミ、窒化ボロンなどのセラミック系フィラーなどを充填剤として有機系のバインダーに高い含有率で分散させる必要があり(例えば特許文献2)、その結果硬化物の弾性率が高くなり良好な熱伝導性と良好なリフロー性(上記リフロー処理後に剥離が生じにくいこと)を併せ持つことは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−86273号公報
【0006】
【特許文献2】特開2005−113059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、高い割合で充填剤を含有しても弾性率が低く十分な低応力性を有するとともに接着特性に優れるため良好なリフロー剥離耐性を有する樹脂組成物、及び該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチペーストまたは放熱部材接着用材料として使用することで信頼性に優れた半導体装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の[1]〜[5]により達成される。
[1]熱硬化性樹脂(A)、充填材(B)、一般式(1)で示される化合物(C)を含む樹脂組成物であって、前記化合物(C)中、一般式(1)におけるnが4以上の化合物の割合をX%、前記化合物(C)に含まれる一般式(2)で示される化合物の割合をY%とするとき、XとYが以下の関係式1を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
[関係式1:Y<−2.7×10−3X+0.8]
【化1】


、R:炭素数1〜6のアルコキシ基、
、R:炭素数1〜6の炭化水素基、
、R:炭素数1〜6の炭化水素基、
a、c:1〜3の整数
b、d:0〜2の整数でa+b=c+d=3
n:1〜8の数。
【化2】


:炭素数1〜6のアルコキシ基、
:炭素数1〜6の炭化水素基、
:炭素数1〜6の炭化水素基、
a:1〜3の整数
b:0〜2の整数でa+b=3
X:ハロゲン原子。
[2]前記熱硬化性樹脂(A)が一般式(3)で示される化合物(A1)を含むものである請求項1に記載の樹脂組成物。
【化3】


:水素、炭素数1〜6の炭化水素基、
:環状脂肪族骨格を有する有機基。
[3]前記熱硬化性樹脂(A)が前記化合物(A1)と官能基を2個以上有する化合物(A2)を含むものである前記[1]項または前記[2]項に記載の樹脂組成物。
[4]前記化合物(A2)の官能基が、アクリル基、ビニル基、アリル基、エポキシ基、マレイミド基からなる群れより選ばれるものである前記[1]項乃至[3]項のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
[5]前記[1]項乃至前記[4]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物をダイアタッチ材料または放熱部材接着用材料として使用して作製した半導体装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の樹脂組成物は、充填剤含有率が高く熱伝導性に優れ、かつ弾性率が低く低応力性に優れ、接着特性が良好でリフロー剥離耐性に優れるため、該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチペーストまたは放熱部材接着用材料として使用することで信頼性に優れた半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の樹脂組成物をダイアタッチペーストとして使用し作製した半導体装置の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂(A)、充填材(B)、下記一般式(1)で示される化合物(C)を含む樹脂組成物であって、化合物(C)中の所定成分の含有率を規定することを特徴とするものであり、充填剤(B)を高い割合で含有しても樹脂組成物硬化物の弾性率が低く低応力性に優れるものである。また、本発明の樹脂組成物は接着性についても優れるため、該樹脂組成物をダイアタッチペーストまたは放熱部材接着用材料として使用して作製した半導体装置は、耐リフロー特性に優れたものとなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
本発明では、熱硬化性樹脂(A)を使用する。一般に熱硬化性樹脂として使用可能なものであれば特に限定されるわけではないが、一般式(3)で示される化合物(A1)と官能基を2個以上有する化合物(A2)を使用することが好ましい。なお本明細書ではアクリロイル基のα位及び/又はβ位に置換基を有する官能基を含めアクリル基とする。
【0013】
一般的に反応性希釈剤としてアクリル基を1つ有する化合物が用いられ、なかでもメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートといった炭素数の少ないアルキル(メタ)アクリレートの場合、揮発性が高いため樹脂組成物硬化時の揮発分が多くなるといった問題や、樹脂組成物を支持体に塗布した後被着体を搭載するまでに時間を要する場合には樹脂組成物の広がり性が悪くなり十分な接着力を得られない等の問題がある。またラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等比較的炭素数の多い脂肪族アクリレートの場合、揮発性は抑えられるが希釈効果が十分でなく樹脂組成物は高粘度で作業性の悪化が問題となる場合がある。一方フェニル基を有する(メタ)アクリレート化合物は、揮発性は抑えられるが希釈効果が十分でなくまた硬化物の弾性率が高くなるという欠点がある。
【0014】
これに対し、本発明で用いる一般式(3)で示される化合物(A1)は、十分な希釈効果を有するため充填材(B)を高い割合で含有しても低粘度で作業性の良い樹脂組成物を得ることが可能で、また低揮発性のため樹脂組成物の広がり性の低下が少なく、さらに樹脂組成物硬化物の弾性率が低くなるため、好適に用いられる。
【0015】
このような化合物としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチルイソボルニル(メタ)アクリレート、エチルイソボルニル(メタ)アクリレート、ブチルイソボルニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシルエチル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシルブチル(メタ)アクリレ−ト、デカリル(メタ)アクリレ−ト、メチルデカリル(メタ)アクリレ−ト、エチルデカリル(メタ)アクリレ−ト、ブチルデカリル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシデカリル(メタ)アクリレ−ト、アダマンチル(メタ)アクリレ−ト、メチルアダマンチル(メタ)アクリレ−ト、エチルアダマンチル(メタ)アクリレ−ト、ブチルアダマンチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレ−トなどが挙げられ、これらは単独でも複数種を併用しても差し支えない。
【0016】
ここで化合物(A1)は、化合物(A)中10重量%以上、90重量%以下含まれることが好ましい。より好ましくは15重量%以上、80重量%以下であり、特に好ましいのは20重量%以上、60重量%以下である。前記範囲であれば、樹脂組成物に良好な希釈効果、低揮発性付与することができ、樹脂組成物の硬化後の弾性率の上昇を抑えることができるからである。
【0017】
また化合物(A1)は、樹脂組成物全体に対し、1重量%以上、20重量%以下含まれることが好ましい。より好ましくは1重量%以上、15重量%以下であり、特に好ましいのは2重量%以上、12重量%以下である。前記範囲であれば、樹脂組成物の作業性は良好なものとなり、揮発に伴う広がり性の変化を抑え、更に樹脂組成物の硬化後の弾性率の上昇を抑えることができるからである。
【0018】
化合物(A1)のなかでも好ましいものは、ターシャリーブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートである。これらを用いた場合には、希釈効果、低揮発性、硬化物の低弾性率といった効果の他に樹脂組成物保管時に生じる充填材(B)の沈降を抑制する効果があるからである。
【0019】
さらに本発明では官能基を2個以上有する化合物(A2)を使用する。好ましい官能基とは例えばアクリル基、アリル基、ビニル基、マレエート基、マレイミド基、エポキシ基、オキセタン基、シアネートエステル基などが挙げられる。なかでも好ましい官能基はアクリル基、アリル基、ビニル基、マレエート基、マレイミド基であり、特に好ましいのはアクリル基、アリル基、マレイミド基である。これら官能基は1分子内に2つ以上含まれることが好ましいが、これは官能基は1分子内に1つしかない場合には硬化物の架橋密度が上がらず機械的特性が悪化するからである。
【0020】
化合物(A2)の分子量は500以上、50000以下であることが好ましい。前記範囲より小さい場合には樹脂組成物硬化物の弾性率が高くなりすぎ、前記範囲より大きい場合には樹脂組成物の粘度が高くなりすぎるためである。
以下に好ましい化合物(A2)を例示するがこれらに限定されるわけではない。
【0021】
アクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物として好ましいものは、分子量が500以上、50000以下のポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン、ブタジエンアクリロニトリル共重合体でアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物である。
【0022】
ポリエーテルとしては、炭素数が3〜6の有機基がエーテル結合を介して繰り返したものが好ましく、芳香族環を含まないものが好ましい。芳香族環を含む場合にはアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物として固形あるいは高粘度になり、また硬化物とした場合の弾性率が高くなりすぎるからである。またアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物の分子量は上述のように500以上、50000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、5000以下であり、特に好ましいのは500以上、2000以下である。前記範囲であれば作業性が良好で、硬化物の弾性率が低い樹脂組成物が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有するポリエーテル化合物は、ポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸およびその誘導体との反応により得ることが可能である。
【0023】
ポリエステルとしては、炭素数が3〜6の有機基がエステル結合を介して繰り返したものが好ましく、芳香族環を含まないものが好ましい。芳香族環を含む場合にはアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物として固形あるいは高粘度になり、また硬化物とした場合の弾性率が高くなりすぎるからである。またアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物の分子量は上述のように500以上、50000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、5000以下であり、特に好ましいのは500以上、2000以下である。前記範囲であれば作業性が良好で、硬化物の弾性率が低い樹脂組成物が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有するポリエステル化合物は、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸およびその誘導体との反応により得ることが可能である。
【0024】
ポリカーボネートとしては、炭素数が3〜6の有機基がカーボネート結合を介して繰り返したものが好ましく、芳香族環を含まないものが好ましい。芳香族環を含む場合にはアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物として固形あるいは高粘度になり、また硬化物とした場合の弾性率が高くなりすぎるからである。またアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物の分子量は上述のように500以上、50000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、5000以下であり、特に好ましいのは500以上、2000以下である。この範囲であれば作業性が良好で、硬化物の弾性率が低い樹脂組成物が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有するポリカーボネート化合物は、ポリカーボネートポリオールと(メタ)アクリル酸およびその誘導体との反応により得ることが可能である。
【0025】
ポリ(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとの共重合体または水酸基を有する(メタ)アクリレートと極性基を有さない(メタ)アクリレートとの共重合体、グリシジル基を有する(メタ)アクリレートと極性基を有さない(メタ)アクリレートとの共重合体などが好ましい。またアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物の分子量は上述のように500以上、50000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、25000以下である。この範囲であれば作業性が良好で、硬化物の弾性率が低い樹脂組成物が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物は、カルボキシ基を有する共重合体の場合は水酸基を有する(メタ)アクリレートあるいはグリシジル基を有する(メタ)アクリレートと反応することで、水酸基を有する共重合体の場合は(メタ)アクリル酸およびその誘導体と反応することで、グリシジル基を有する共重合体の場合は(メタ)アクリル酸およびその誘導体と反応することで得ることが可能である。
【0026】
ポリブタジエンとしては、カルボキシ基を有するポリブタジエンと水酸基を有する(メタ)アクリレートあるいはグリシジル基を有する(メタ)アクリレートとの反応、水酸基を有するポリブタジエンと(メタ)アクリル酸及びその誘導体との反応により得ることが可能であり、また無水マレイン酸を付加したポリブタジエンと水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応により得ることも可能である。
【0027】
ブタジエンアクリロニトリル共重合体としては、カルボキシ基を有するブタジエンアクリロニトリル共重合体と水酸基を有する(メタ)アクリレートあるいはグリシジル基を有する(メタ)アクリレートとの反応により得ることが可能である。
【0028】
アリル基を1分子内に2つ以上有する化合物として好ましいものは、分子量が500〜50000のポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブタジエン、ブタジエンアクリロニトリル共重合体でアリル基を有する化合物、例えばしゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの誘導体といったジカルボン酸及びその誘導体とアリルアルコールを反応することで得られるジアリルエステル化合物とエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールといったジオールとの反応物などである。
【0029】
マレイミド基を1分子内に2つ以上有する化合物として好ましいものは、例えば、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどのビスマレイミド化合物が挙げられる。より好ましいものは、ダイマー酸ジアミンと無水マレイン酸の反応により得られる化合物、マレイミド酢酸、マレイミドカプロン酸といったマレイミド化アミノ酸とポリオールの反応により得られる化合物である。マレイミド化アミノ酸は、無水マレイン酸とアミノ酢酸またはアミノカプロン酸とを反応することで得られ、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリメタクリレートポリオールが好ましく、芳香族環を含まないものが特に好ましい。芳香族環を含む場合にはマレイミド基を1分子内に2つ以上有する化合物として固形あるいは高粘度になり、また硬化物とした場合の弾性率が高くなりすぎるからである。
【0030】
また本発明の樹脂組成物の諸特性を調整するために以下の化合物を前記化合物(A1)の効果を損なわない範囲で使用することも可能である。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレートやこれら水酸基を有する(メタ)アクリレートとジカルボン酸またはその誘導体を反応して得られるカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで使用可能なジカルボン酸としては、例えばしゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0031】
上記以外にもメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,2−ジ(メタ)アクリルアミドエチレングリコール、ジ(メタ)アクリロイロキシメチルトリシクロデカン、N−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルフタルイミド、n−ビニル−2−ピロリドン、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体などを使用することも可能である。
【0032】
本発明で用いられる充填材(B)は、特に限定されないが樹脂組成物硬化物の熱伝導率を高くするために、単体の熱伝導率が10W/mK以上のものが好ましい。このような充填材としては、銀粉、金粉、銅粉、アルミニウム粉、ニッケル粉、パラジウム粉などの金属粉、アルミナ粉末、チタニア粉末、アルミニウムナイトライド粉末、ボロンナイトライド粉末などのセラミック粉末が挙げられる。これらの中でも、熱伝導率の観点からより好ましいのは単体での熱伝導率が200W/mK以上の金属粉であり、特に好ましいのは、銀粉、金粉、銅粉、アルミニウム粉、ベリリウム粉からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の充填材である。充填材は、それを含む樹脂組成物をノズルを使用して吐出する場合があるので、ノズル詰まりを防ぐために平均粒径は30μm以下が好ましく、ナトリウム、塩素などのイオン性の不純物が少ないものであることが好ましい。これら充填材のなかでも良好な熱伝導率及び酸化などへの安定性の観点からもっとも好ましいものは、銀粉である。
【0033】
ここで銀粉とは純銀または銀合金の微粉末である。銀合金としては銀を50重量%以上、好ましくは70重量%以上含有する銀−銅合金、銀−パラジウム合金、銀−錫合金、銀−亜鉛合金、銀−マグネシウム合金、銀−ニッケル合金などが挙げられる。
【0034】
通常電子材料用として市販されている銀粉であれば、還元粉、アトマイズ粉などが入手可能で、好ましい粒径としては平均粒径が0.5μm以上、30μm以下である。より好ましい平均粒径は1μm以上、10μm以下である。下限値以下では樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、上限値以上ではディスペンス時にノズル詰まりの原因となりうるからであり、電子材料用以外の銀粉ではイオン性不純物の量が多い場合があるので注意が必要である。必要により平均粒径が1μm以下の金属粉との併用も可能である。
【0035】
銀粉の形状としては、フレーク状、球状など特に限定されないが、好ましくはフレーク状であり、その添加量は通常樹脂組成物中70重量%以上、95重量%以下であることが好ましい。銀粉の割合が下限値より少ない場合には硬化物の熱伝導性が悪化し、上限値より多い場合には熱伝導性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ塗布作業性が悪化するおそれがあるためである。
【0036】
さらに重合開始剤として熱ラジカル重合開始剤を使用することも可能である。通常熱ラジカル重合開始剤として用いられるものであれば特に限定しないが、望ましいものとしては、急速加熱試験における分解開始温度(試料1gを電熱板の上にのせ、4℃/分で昇温した時の分解開始温度)が40〜140℃となるものが好ましい。分解温度が40℃未満だと、樹脂組成物の常温における保存性が悪くなり、140℃を越えると硬化時間が極端に長くなるため好ましくない。これを満たす熱ラジカル重合開始剤の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α、α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが挙げられるが、これらは単独または硬化性を制御するため2種類以上を混合して用いることもできる。
【0037】
本発明では一般式(1)で示される化合物(C)を使用する。化合物(C)としては例えば、ビス(トリメトキシシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)ポリスルフィドなどが挙げられ、これらは1種を単独で用いて2種以上を併用してもよい。
【0038】
化合物(C)の好ましい含有量は、樹脂組成物から充填材(B)を除いた成分中、0.01重量%以上10重量%以下である。より好ましくは0.1重量%以上5重量%以下である。前記範囲であれば後述する効果をより高めることができるからである。
【0039】
ここで化合物(C)として前述の化合物名を例示したが、実際には一般式(1)のnの値は平均値であり分布を有している。たとえば、ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリテトラスルフィドといっても一般式(1)のnの値は平均値で約4であり、一例としてSi−69(商品名、デグサ社製)の場合、一般式(1)のnの値は約3.7でありn=2の成分は20.3%、n=3の成分は27.5%、n=4の成分は26.3%、n=5の成分は14.3%、n=6以上の成分は11.6%である。
【0040】
化合物(C)を使用する第1の理由は良好な接着特性を得るためである。硫黄原子を含有する化合物が金属との密着を向上させることはよく知られているが、なかでも化合物(C)を用いた場合に接着性向上効果が著しい。化合物(C)と同様に硫黄原子とアルコキシシリル基を有する化合物として3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが一般的に知られているが、メルカプト基は、熱硬化性樹脂(A)に含まれるグリシジル基やアクリル基と室温でも反応するため樹脂組成物の保存性が悪化するため好ましくない。特にアクリル基との反応は室温でも著しく進行し場合によっては室温でも10分程度で流動しなくなる。グリシジル基との反応はアクリル基との反応の場合ほど急激ではないが含有する割合が多い場合には室温24時間程度で粘度の増加が観察され始める。このため含有する量を調整する必要があるが保存性を確保するためには、良好な接着性を得るのに十分な量を含有することができない。ここで一般式(1)に示される化合物には急激な反応を起こす活性水素基が存在しないため室温での保存性を悪化させることなく接着性を向上することが可能となる。
【0041】
化合物(C)を使用する第2の理由は硬化反応時に充填剤(B)として金属粉を使用した場合に金属粉と反応することで樹脂組成物と支持体との接着力向上のみならず樹脂組成物自体の凝集力を向上させる点である。前述のように硫黄原子は金属と結合可能であり金属との良好な接着性を要求される場合によく利用されるが、化合物(C)に含まれる硫黄原子の結合の場合室温付近での金属粉との反応は例えばメルカプト基に比較すると非常にゆっくりしたものである。このため硬化時には樹脂組成物中に未反応で存在するため、被着体との接着性向上のみならず金属粉とも強固に結合することが可能となり樹脂組成物自体の凝集力を向上させることが可能となる。
【0042】
化合物(C)を使用する第3の理由は、良好な保存性である。熱硬化性樹脂(A)が重合開始剤として有機過酸化物を含む場合、保存中でも分解は進行しており特に分解温度の低い重合開始剤の場合には分解により発生したラジカルが熱硬化性樹脂(A)の反応を引き起こし粘度上昇が顕著になる場合がある。通常ハイドロキノンなどの禁止剤を添加することで粘度上昇を抑えるが、禁止剤を多量に含有すると硬化性の悪化が著しくなる場合、硬化物特性に悪影響を及ぼす場合がある。ここでスルフィド結合は発生したラジカルをトラップすることが可能なので禁止剤として働き粘度上昇を抑制することが可能であると共に、硬化開始温度の上昇は見られるが汎用の禁止剤ほどの悪影響はない。なかでも硬化物特性への悪化は見られないので好適に使用することが可能である。
【0043】
ここで化合物(C)は前述のように一般式(1)に示されるnの値に分布を有するが、検討の結果nの値により反応性が異なることが判明した。すなわち化合物(C)は充填剤(B)としての金属粉と室温でも非常にゆっくりではあるが反応し、その反応は一般式(1)に示されるnの値が大きい成分が選択的に反応することが確認された。特に一般式(1)に示されるnの値が6以上の成分が選択的に反応し、(1)に示されるnの値が2の場合には反応進行は極めて遅いことが確認された。
【0044】
上記理由により化合物(C)に含まれる一般式(1)に示されるnの値が大きい成分の割合が大きい場合には、室温保存中に化合物(C)が充填剤(B)としての金属粉と徐々に反応し支持体との接着力向上に必要な量が不足し、接着力の低下が観察されることがある。ここで化合物(C)に含まれる一般式(1)に示されるnが4以上の成分の割合をX%とするとき、密着性の室温での経時変化を考慮した場合、Xの値は小さい方が良い。特に好ましいのはXが55%以下の場合である。一般式(1)に示されるnが4以上の成分の割合は、化合物(C)を高速液体クロマトグラムにて測定して得られたチャートの一般式(1)に示される成分の面積に対するn=4以上の成分の面積比をパーセント表示したものである。
【0045】
一方、化合物(C)には、出発原料である一般式(2)で示される化合物が含まれることが知られている。ここで一般式(2)で表される成分は、前記化合物(C)のアルコキシシリル基(一般式(1)に示される、R1−Si基およびR5−Si基)の加水分解を促進し、アルコキシシリル基同士の結合が生じる。このアルコキシシリル基同士が結合した化合物は樹脂組成物の接着特性を向上させる効果が低減される。このため化合物(C)の含有量を多くする必要があるが、一般式(2)で表される成分中のハロゲン化アルキル基は反応性が高く、熱硬化性樹脂中のシアネートエステル基やエポキシ基、アクリル基、マレイミド基などの官能基と室温で反応する。このため、室温で保存することによって樹脂組成物の粘度上昇や接着特性低下の原因となる。
【0046】
ここで化合物(C)に含まれる一般式(2)で示される化合物の割合をY%としたとき、Yが小さい方が好ましい。Yの値は、ガスクロマトグラフ法(例えば、装置:(株)島津製作所製「GC−14B」、カラム:TC−5(直径0.25mm×30m)、検出器:FID、キャリアーガス:He、温度プログラム:50℃×2分→6.5℃/分→260℃×15分、内部標準物質:ウンデカンを20質量%添加、測定試料:0.5μl)により測定した質量%である。Yの値として好ましい範囲は、1.0%以下であり、より好ましくは0.8%以下であり、特に好ましいのは0.5%以下である。
【0047】
前述のようにX、Yとも小さい値の方が好ましいが、Xの値が小さければ化合物(C)の含有量が少なくても十分な接着特性を室温で長時間保存した後でも得ることが可能であり、Yが多少大きくても含有される一般式(2)で示される化合物の含有量が許容される範囲となることを見出した。すなわち十分な保存特性と接着特性とを有する樹脂組成物を得るためにはYの値がが多少大きくても、Xの値が小さければ室温で保存した後でも十分な接着特性を得ることが可能であることを見出し、XとYが以下の関係式1を満たすとき好適に使用可能なことを見出した。
[関係式1:Y<−2.7x10−3X+0.8]
化合物(C)のX、Yの値が上記関係式1を満たす範囲内であれば、室温で長時間保存した後でも十分な接着特性を有する樹脂組成物を得ることが可能である。
【0048】
更に化合物(C)以外にも以下の化合物を併用することが可能である。アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、イソシアン酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、トリエトキシ−1H,1H, 2H, 2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、トリアセトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシ(メチル)シラン、トリメトキシ(プロピル)シラン、トリメトキシフェニルシランなどが挙げられる。さらに必要に応じ、チタン系カップリング剤、アルミ系カップリング剤を使用することも可能である。
【0049】
本発明の樹脂組成物には、必要により、消泡剤、界面活性剤、各種重合禁止剤、酸化防止剤などの添加剤を用いることができる。
【0050】
本発明の樹脂組成物は、例えば各成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練した後真空下脱泡することにより製造することができる。
【0051】
本発明の樹脂組成物を用いて半導体装置を製作する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、市販のダイボンダーを用いて、リードフレームの所定の部位に樹脂組成物をディスペンス塗布した後、チップをマウントし、加熱硬化する。その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂を用いてトランスファー成形することによって半導体装置を製作する。またはフリップチップ接合後アンダーフィル材で封止したフリップチップBGA(Ball Grid Array)などのチップ裏面に樹脂組成物をディスペンスしヒートスプレッダー、リッドなどの放熱部品を搭載し加熱硬化するなどの使用方法も可能である。
【実施例】
【0052】
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。配合割合は重量部で示す。
実施例および比較例ともに下記原材料を表1に示す重量部で配合した上で3本ロールを用いて混練、脱泡することで樹脂組成物を得た。
【0053】
(化合物(A1))
化合物A11:ターシャリーブチルシクロヘキシルメタクリレート(日油(株)製、ブレンマーTBCHMA、一般式(1)のR1がメチル基、R2がターシャリーブチルシクロヘキシル基、以下化合物A11)
化合物A12:1−アダマンチルメタクリレート(大阪有機化学工業(株)製、ADMA、一般式(1)のR1がメチル基、R2がアダマンチル基、以下化合物A12)
【0054】
(化合物(A2))
化合物A21:ポリテトラメチレングリコールとイソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシメチルメタクリレートとの反応により得られたウレタンジメタクリレート化合物(新中村化学工業(株)製、NKオリゴ UA−160TM、分子量約1600、以下化合物A21)
化合物A22:ポリテトラメチレングリコールとマレイミド化酢酸の反応により得られたビスマレイミド化合物(DIC(株)製、LUMICURE MIA−200、分子量580、以下化合物A22)
化合物A23:シクロヘキサンジカルボン酸のジアリルエステルとプロピレングリコールとの反応により得られたジアリルエステル化合物(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂 DA101、分子量1000、ただし原料として用いたシクロヘキサンジカルボン酸のジアリルエステルを約15%含む、以下化合物A23)
化合物A24:1,4−シクロヘキサンジメタノール/1,6−ヘキサンジオール(=3/1(重量比))と炭酸ジメチルの反応により得られたポリカーボネートジオールとメチルメタクリレートの反応により得られたポリカーボネートジメタクリレート化合物(宇部興産(株)製、UM−90(3/1)DM、分子量1000、以下化合物A24)
化合物A25:酸価108mgKOH/gで分子量4600のアクリルオリゴマー(東亞合成(株)製、Arufon(アルフォン)UC−3900、連鎖移動触媒を用いずに高温、高圧で連続塊状重合することにより得られるカルボキシ基を有するアクリル系オリゴマー)100g、ラジカル重合性官能基を有する化合物として2−ヒドロキシエチルメタクリレート(試薬)7.8gとブチルアルコール(試薬)8.9g、トルエン(試薬)500gをセパラブルフラスコに入れディーンスタークトラップを用い還流下30分間攪拌し水分の除去を行った。室温まで冷却した後攪拌しながらジシクロヘキシルカルボジイミド37gを酢酸エチル100mlに溶解させた溶液を15分かけて滴下しその後室温で6時間反応した。反応後攪拌しながら50mlのイオン交換水を添加することで過剰のジシクロヘキシルカルボジイミドを析出させた後、ディーンスタークトラップを用い還流下30分間攪拌し水分の除去を行った。室温まで冷却した後反応液をろ過することで固形物を取り除き、70℃のイオン交換水にて3回、室温のイオン交換水にて2回分液洗浄を行った。溶剤層を再度ろ過することにより得られたろ液をエバポレータおよび真空乾燥機にて溶剤を除去し生成物を得た。(収率約95%。室温で液状。GPC測定により分子量(スチレン換算)が約5500で、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが残存していないことを確認した。重クロロホルムを用いたプロトンNMRの測定によりメタクリル基の存在、エステル結合の生成を確認した。以下化合物A25)
化合物A26:水酸基価20mgKOH/gで分子量11000のアクリルオリゴマー(東亞合成(株)製、Arufon(アルフォン)UH−2000、連鎖移動触媒を用いずに高温、高圧で連続塊状重合することにより得られる水酸基を有するアクリル系オリゴマー)110g、ラジカル重合性官能基を有する化合物としてメタクリル酸(試薬)5g、トルエン(試薬)500gをセパラブルフラスコに入れディーンスタークトラップを用い還流下30分間攪拌し水分の除去を行った。室温まで冷却した後攪拌しながらジシクロヘキシルカルボジイミド10gを酢酸エチル50mlに溶解させた溶液を10分かけて滴下しその後室温で6時間反応した。反応後攪拌しながら50mlのイオン交換水を添加することで過剰のジシクロヘキシルカルボジイミドを析出させた後、ディーンスタークトラップを用い還流下30分間攪拌し水分の除去を行った。室温まで冷却した後反応液をろ過することで固形物を取り除き、70℃のイオン交換水にて3回、室温のイオン交換水にて2回分液洗浄を行った。溶剤層を再度ろ過することにより得られたろ液をエバポレータおよび真空乾燥機にて溶剤を除去し生成物を得た。(収率約98%。室温で液状。GPC測定により分子量(スチレン換算)が約12000で、メタクリル酸が残存していないことを確認した。重クロロホルムを用いたプロトンNMRの測定により水酸基の消失、メタクリル基の存在、エステル結合の生成を確認した。以下化合物A26)
化合物A27:ビニル基末端ブタジエンアクリロニトリル共重合体(宇部興産(株)製、Hycar VTBNX 1300X33、以下化合物A27)
【0055】
(その他の熱硬化性樹脂)
化合物A31:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル1、6HX、以下化合物A31)、
化合物A32:2−エチルヘキシルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルEH、以下化合物A32)、
【0056】
(充填材)
充填材(B):平均粒径6μm、タップ密度6.2g/cm3、比表面積0.23m2/gのフレーク状銀粉
【0057】
(化合物(C))
化合物C1:ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグサ(株)製、Si69、一般式(1)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約3.7、一般式(2)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが52.2%、Yが0.590で、−2.7×10−3X+0.8=0.659>Y)、
化合物C2:ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド(ダイソー(株)製、カブラス2A、一般式(1)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約2.4、一般式(2)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが9.8%、Yが0.703で、−2.7×10−3X+0.8=0.774>Y)、
化合物C3:ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド(ダイソー(株)製、カブラス2B、一般式(1)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約2.1、一般式(2)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが1.5%、Yが0.157で、−2.7×10−3X+0.8=0.796>Y)、
化合物C4:ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグサ(株)製、Si75、一般式(1)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約2.4、一般式(2)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが12.4%、Yが0.332で、−2.7×10−3X+0.8=0.767>Y)、
化合物C5:ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(日本ユニカー(株)製、A−1289、一般式(1)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約3.8、一般式(2)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが53.1%、Yが0.703で、−2.7×10−3X+0.8=0.657<Y)、
化合物C6:ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業(株)製、KBE−846、一般式(1)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約3.8、一般式(2)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが55.3%、Yが0.836で、−2.7×10−3X+0.8=0.651<Y)
【0058】
(添加剤)
上記熱硬化性樹脂(A)、充填材(B)の他に下記添加剤を用いた。
ラジカル重合開始剤:ジクミルパーオキサイド(日油(株)製、パークミルD、急速加熱試験における分解開始温度:126℃)、
カップリング剤1:グリシジル基を有するカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−403E)、
カップリング剤2:メタクリル基を有するカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−503P)、
【0059】
(評価試験)
上記より得られた実施例および比較例の樹脂組成物について以下の評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
【0060】
(広がり性試験1)
実施例および比較例の樹脂組成物30gを充填したシリンジ(充填後すぐのもの)を用いてガラスチップ(15×15×0.56mm)をNiメッキした銅ヒートスプレッダー(25×25×2mm)にマウントした。マウントは、ディスペンサーを用いて表1に示す樹脂組成物を約0.02cc上記ヒートスプレッダー上に塗布した後、15分以内に奥原電気株式会社製コンパクトマウンタSMT−64RHを用いて、上記ガラスチップを載せ、室温で2kgfの加重を10秒間与えて行った。荷重解放後に樹脂組成物の広がり具合を目視により確認した。樹脂組成物がガラスチップ全面に広がっていれば◎、ガラスチップの90%以上の面積に広がっていれば○、75%程度であれば△、50%以下であれば×とした。
【0061】
(広がり性試験2)
ディスペンス後(樹脂組成物を上記ヒートスプレッダー上に塗布した後)23±2℃、55±10%RHの条件で4時間放置した後にガラスチップをマウントした以外は広がり性試験1と同様に樹脂組成物の広がり性を測定した。樹脂組成物がガラスチップ全面に広がっていれば◎、ガラスチップの90%以上の面積に広がっていれば○、75%程度であれば△、50%以下であれば×とした。
【0062】
(広がり性試験3)
実施例および比較例の樹脂組成物30gを充填したシリンジ(10cc)を0℃に調整した恒温槽内でシリンジの先が下になるように30日間保管した後に使用した以外は広がり性試験1と同様に樹脂組成物の広がり性を測定した。樹脂組成物がガラスチップ全面に広がっていれば◎、ガラスチップの90%以上の面積に広がっていれば○、75%程度であれば△、50%以下であれば×とした。
【0063】
(弾性率)
実施例および比較例の各樹脂組成物について、4×20×0.1mmのフィルム状の試験片を作製し(硬化条件150℃30分)、動的粘弾性測定機(DMA)にて引っ張りモードでの測定を行った。測定条件は以下の通りである。
測定温度:−100〜300℃
昇温速度:5℃/分
周波数:10Hz
荷重:100mN
25℃における貯蔵弾性率を弾性率とし5000MPa以下の場合を合格とした。弾性率の単位はMPaである。
【0064】
(熱伝導率)
実施例および比較例の各樹脂組成物を用いて直径2cm、厚さ1mmのディスク状の試験片を作製した。(硬化条件は175℃×2時間。ただし175℃までは室温から30分間かけて昇温した。)レーザーフラッシュ法(t1/2法)にて測定した熱拡散係数(α)、DSC法により測定した比熱(Cp)、JIS−K−6911準拠で測定した密度(ρ)より次式を用いて熱伝導率を算出した。熱伝導率の単位はW/mK。熱伝導率が5W/mK以上のものを合格とした。
熱伝導率=α×Cp×ρ
【0065】
(耐リフロー性1)
実施例および比較例の各樹脂組成物(樹脂組成物作製後すぐのもの)を用いて、下記のリードフレームとシリコンチップを150℃60分間硬化し接着した。さらに、封止材料(スミコンEME−G620A、住友ベークライト(株)製)を用い封止し、半導体装置を作製した。この半導体装置を用いて、60℃、相対湿度60%、120時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行った。処理後の半導体装置を超音波探傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。チップの面積に対する剥離面積の割合が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%である。
半導体装置:QFP(14×20×2.0mm)
リードフレーム:Ni−Pd/Auめっきした銅フレーム
チップサイズ:6×6mm
樹脂組成物の硬化条件:オーブン中150℃、60分
【0066】
(耐リフロー性2)
実施例および比較例の樹脂組成物30gを充填したシリンジ(10cc)を0℃に調整した恒温槽内でシリンジの先が下になるように30日間保管した後に使用した以外は耐リフロー性1と同様に剥離の程度を測定した。チップの面積に対する剥離面積の割合が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%である。
【0067】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の樹脂組成物は、高い割合で充填剤を含有しても弾性率が低く十分な低応力性を有するとともに接着特性に優れるため良好なリフロー剥離耐性を有するため、例えば半導体用ダイアタッチペーストまたは放熱部材接着用材料として使用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1・・・液状樹脂組成物の硬化物層
2・・・ダイパッド
3・・・半導体素子
4・・・リード
5・・・封止材
10・・・半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱硬化性樹脂(A)、充填材(B)、一般式(1)で示される化合物(C)を含む樹脂組成物であって、前記化合物(C)中、一般式(1)におけるnが4以上の化合物の割合をX%、前記化合物(C)に含まれる一般式(2)で示される化合物の割合をY%とするとき、XとYが以下の関係式1を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
[関係式1:Y<−2.7×10−3X+0.8]
【化1】


、R:炭素数1〜6のアルコキシ基、
、R:炭素数1〜6の炭化水素基、
、R:炭素数1〜6の炭化水素基、
a、c:1〜3の整数
b、d:0〜2の整数でa+b=c+d=3
n:1〜8の数。


【化2】


:炭素数1〜6のアルコキシ基、
:炭素数1〜6の炭化水素基、
:炭素数1〜6の炭化水素基、
a:1〜3の整数
b:0〜2の整数でa+b=3
X:ハロゲン原子。
【請求項2】
前記熱硬化性樹脂(A)が一般式(3)で示される化合物(A1)を含むものである請求項1に記載の樹脂組成物。
【化3】


:水素、炭素数1〜6の炭化水素基、
:環状脂肪族骨格を有する有機基。
【請求項3】
前記熱硬化性樹脂(A)が前記化合物(A1)と官能基を2個以上有する化合物(A2)を含むものである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記化合物(A2)の官能基が、アクリル基、ビニル基、アリル基、エポキシ基、マレイミド基からなる群れより選ばれるものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂組成物をダイアタッチ材料または放熱部材接着用材料として使用して作製した半導体装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−37981(P2011−37981A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186072(P2009−186072)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】