説明

物体検出装置、物体検出方法、物体検出プログラム、距離センサ

観測対象空間に存在する少なくとも1つの物体を検出する物体検出装置であって、検出対象物体の形状を表す画像である物体モデルを算出して記録する物体モデル記録部3と、一度に観測対象空間の全体をカバーするミリ波を照射し、物体候補の距離の算出を行うミリ波距離センサ1と、視点の異なる特徴画像と距離画像を算出するステレオ画像センサ2と、物体候補を選択する制御部7と、物体モデルから照合モデルを算出するモデル変換部4と、特徴画像と距離画像から照合画像を抽出する照合画像抽出部5と、照合モデルと照合画像の類似度を算出し、最大類似度が所定の範囲内となった場合、照合画像の座標と物体候補の距離から前記物体の3次元位置を算出し、前記物体の3次元位置を外部へ出力する類似度照合部6とを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、観測対象空間内に存在する物体の3次元位置を検出する物体検出装置、物体検出方法、物体検出プログラム、物体検出装置に用いる距離センサに関するものである。
【背景技術】
数メートル以上離れた物体を検出する物体検出装置として現在実用化されているものは、ステレオ画像センサ、レーザレーダ、ミリ波レーダの3種類に大別できる。
ステレオ画像センサの長所は、観測対象空間が広いこと、物体の方位が正確であること、物体の識別が容易であること等である。一方、短所は、物体までの距離の精度が低いこと、雨や霧など周辺環境の影響を受けやすいこと等である。
レーザレーダの長所は、小型であること、物体までの距離の精度が高いこと等である。一方、短所は、観測対象空間が狭いこと、雨や霧など周辺環境の影響を受けやすいこと等である。
ミリ波レーダの長所は、物体までの距離の精度が高いこと、雨や霧など周辺環境の影響を受けにくいこと等である。一方、短所は、観測対象空間が狭いこと、物体の識別が困難であること等である。
物体検出装置の性能としては、観測対象空間が広いこと、対象とする物体のみを正確に検出すること、物体の3次元位置を正確に検出すること等が要求され、さらに装置の小型化が要求されている。しかしながら、要求されているこれらの性能を、単体の画像センサ、レーザレーダ、ミリ波レーダで実現することは、上述したそれぞれの短所により困難である。
そこで、それぞれの短所を補うために、ステレオ画像センサとレーザレーダを組み合わせた物体検出装置(例えば、特許文献1参照)や、ステレオ画像センサとミリ波レーダを組み合わせた物体検出装置(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【特許文献1】 特開平6−59033号公報(第3−7頁、図1)
【特許文献2】 特開2001−296357号公報(第3−5頁、図6)
しかしながら、ステレオ画像センサとレーザレーダとの組み合わせであっても、周辺環境からの影響を受けやすく、安定した性能を得ることは困難である。
また、ステレオ画像センサとミリ波レーダとの組み合わせであっても、従来のミリ波レーダを用いるとアンテナの大きさを小さくすることができず、装置の小型化が困難である。従来のミリ波レーダは、照射するミリ波のビーム幅を角度2〜4度程度と狭くし、ビームを照射する方向を機械的あるいは電子的に変化させることにより、物体の方位、物体までの距離、物体の相対速度を検出する。方位分解能を高めるためには、ビーム幅を狭くすることが必要となることから、アンテナの大きさとビーム幅は反比例するため、方位分解能を高めようとすると、アンテナを小型化することができない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、観測対象空間が広いこと、対象とする物体のみを正確に検出すること、物体の3次元位置を正確に検出することの性能を実現し、さらに小型化することができる物体検出装置、物体検出方法、物体検出プログラム、物体検出装置に用いる距離センサを提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明は、所定の空間に存在する検出対象物体を検出する物体検出装置であって、少なくとも1つの検出対象とされる検出対象物体のモデル形状を物体モデルとして記録する物体モデル記録部と、前記所定の空間の全体をカバーするように電磁波を放射状に照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補までの距離の算出を行う距離センサと、前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るためのステレオ画像センサと、前記物体モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断する判断部とを備えてなる。
このような構成によれば、電磁波を用いた距離センサの長所である物体までの距離の精度が高いこと、雨や霧など周辺環境の影響を受けにくいこと等の性能と、ステレオ画像センサの長所である、観測対象空間が広いこと、物体の方位が正確であること、物体の識別が容易であること等の性能とを両立させることができる。また、装置が小型化されることにより、車両等への搭載が容易となる。
なお、本実施の形態における距離センサはミリ波距離センサにより構成され、判断部は、類似度照合部により構成される。また、所定の空間は実施の形態では観測対象空間に対応しているが、複数の所定の空間により観測対象空間を形成するようにしても良い。
また、本発明の物体検出装置において、前記物体モデルの大きさを前記算出された物体候補までの距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換部を備え、前記判断部は、前記モデル変換部により変換された照合モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする。
このような構成によれば、物体候補と物体モデルとの比較照合が容易となり、物体候補が検出対象物体であるか否かの判断が容易となる。
また、本発明の物体検出装置において、前記ステレオ画像センサにより得られる前記所定の画像情報は、前記物体候補の距離に関する距離画像の情報であることを特徴とする。この構成によれば、距離情報を用いて物体候補が検出対象物体であるか否かの判断を行うことができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記ステレオ画像センサにより得られる前記所定の画像情報は、前記物体候補の形状に関する特徴画像の情報であることを特徴とする。この構成によれば、検出対象物体の特徴的な形状情報を用いて物体候補が検出対象物体であるか否かの判断を行うことができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記ステレオ画像センサにより得られる前記所定の画像情報は、前記物体候補の距離に関する距離画像の情報及び前記物体候補の形状に関する特徴画像の情報であることを特徴とする。このような構成によれば、物体候補の距離情報と特徴的な形状情報の双方を用いて物体候補が検出対象物体であるか否かの判断を行うことができ、判断の信頼性をより向上させることができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記物体モデル記録部に記録される物体モデルは、所定の距離において前記検出対象物体を撮影して得られる形状であることを特徴とする。
このような構成によれば、検出対象物体から物体モデルを容易に形成することができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記所定の画像情報を表す画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出部を備え、前記判断部は、前記照合画像抽出部により抽出された照合画像と前記照合モデルとに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする。
このような構成によれば、比較照合データ量を統一的に扱うことができると共に、例えばパターンマッチングにおける照合精度を高めることができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記判断部は、記録されている複数の物体モデルそれぞれについての前記照合モデルと前記画像情報との類似度に基づいて、前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする。
このような構成によれば、検出するべき複数の形状等を有する検出対象物体を検出することができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記距離センサにより前記物体候補が複数検出された場合、前記モデル変換部は、各物体候補に対応する前記複数の物体モデル全てについての照合モデルを算出し、前記判断部は、各物体候補についての照合モデルと画像情報とに基づいて類似度を算出し、各物体候補について最大類似度を有する照合モデルを判断することを特徴とする。
このような構成によれば、複数の物体候補が検出されても、それらから検出対象物体を判断することができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記判断部は、更に最大類似度を所定の閾値と比較することにより、前記物体候補が照合モデルに対応する検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする。この構成によれば、物体検出の信頼性をより高めることができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記判断部により、前記物体候補が前記検出対象物体であると判断された場合、前記物体候補を検出対象物体として、前記画像情報と前記物体候補までの距離とに基づいて、前記物体候補の3次元位置を算出する位置算出部を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、検出物体の位置を知ることができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記所定の画像情報は、前記撮影画像から所定の閾値を用いてエッジ検出を行ってなる特徴画像であることを特徴とする。
このような構成によれば、少ないデータ量で物体の形状的な特徴を容易に表すことができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記照合画像抽出部は、前記距離画像の画素のうち前記物体候補の距離との差が所定の範囲内である画素の周辺のみを前記照合画像とすることを特徴とする。
このような構成によれば、物体モデルと照合するべき撮影画像を効率的に抽出することができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記所定の画像情報を表す画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出部を備え、前記照合画像が、前記距離画像と少なくとも1つの前記特徴画像から抽出される場合、前記判断部は、前記距離画像から抽出された前記照合画像の各画素の値と前記物体候補の距離との差を、全画素にわたって合計した値である距離画像類似度を算出し、前記特徴画像から抽出された照合画像の各画素の値と前記照合モデルの対応する画素の値の一致の程度を、全画素にわたって合計した値である特徴画像類似度を算出し、所定の重み付けを行った前記距離画像類似度と所定の重み付けを行った少なくとも1つの前記特徴画像類似度を合計して類似度を算出することを特徴とする。
また、本発明の物体検出装置において、前記所定の画像情報を表す画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出部を備え、前記判断部は、前記照合画像の各画素の値と前記照合モデルの対応する画素の値の一致の程度を、全画素にわたって合計した値に基づいて前記類似度を算出することを特徴とする。
また、本発明の物体検出装置において、前記照合画像が、前記所定の画像情報としての距離画像から抽出される場合、前記判断部は、前記照合画像の各画素の値と前記物体候補の距離との差を、全画素にわたって合計した値に基づいて前記類似度を算出することを特徴とする。
このような構成によれば、照合モデルと照合画像の照合を容易に且つ正確に行うことができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記距離センサは、強度が所定の閾値を超える前記反射波から、物体候補の距離を算出することを特徴とする。
また、本発明の物体検出装置において、前記電磁波は、ミリ波であることを特徴とする。
このような構成によれば、ミリ波を用いることにより、物体までの距離を精度良く測定でき、また雨や霧などの周辺環境の影響を受け難い。
また、本発明の物体検出装置において、前記距離センサは、強度が所定の閾値を超える前記反射波から、更に物体候補の相対速度を算出し、前記判断部は、更に前記物体と認識された前記物体候補の相対速度を、前記物体の3次元位置とともに外部へ出力することを特徴とする。
このような構成によれば、物体の3次元位置と共に相対速度を知ることができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記反射波を検出する対象となる前記所定の空間は、前記撮影画像の対象となる空間に含まれることを特徴とする。
また、本発明の物体検出装置は、更に、前記物体の3次元位置と相対速度を少なくとも1組記憶する記憶部と、前記物体の過去の3次元位置と相対速度を用いて、次の検出における前記物体の3次元位置の予測を行う位置予測部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の物体検出装置において、前記距離センサは、前記予測により得られる3次元位置に基づいて、前記反射波の検出範囲の予測を行い、前記反射波の検出範囲における閾値を下げることを特徴とする。
このような構成によれば、予測した検出範囲の反射波が検出され易くなり、距離と速度を安定して検出することができる。
また、本発明の物体検出装置において、前記ステレオ画像センサは、前記予測により得られる3次元位置に基づいて、前記画像情報の検出範囲の予測を行い、該検出範囲における閾値を下げることを特徴とする。
このような構成によれば、予測した検出範囲のエッジが検出され易くなり、エッジ検出を安定させることができる。
また、本発明は、所定の空間に存在する少なくとも1つの検出対象物体を検出する物体検出装置であって、少なくとも1つの検出対象物体が予め所定の距離において撮影された画像であるモデル撮影画像から、前記検出対象物体の形状を表す画像である物体モデルを算出して記録する物体モデル記録部と、前記所定の空間の全体をカバーする電磁波を照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補の距離の算出を行う距離センサと、前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るためのステレオ画像センサと、前記物体モデルを、前記物体候補の距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換部と、前記所定の画像情報の画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出部と、前記物体候補に対して算出された全ての照合モデルと、照合モデルに対して抽出された全ての照合画像について、照合モデルと照合画像の類似度を算出し、最大の前記類似度である最大類似度、前記最大類似度が算出されるときの照合モデル、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標を求め、前記最大類似度が所定の範囲内となった場合、前記選択物体候補を物体と認識し、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標と前記物体候補の距離から前記物体の3次元位置を算出し、前記物体候補の3次元位置を外部へ出力する類似度照合部とを備えてなる。
また、本発明は、所定の空間に存在する検出対象物体を検出する物体検出方法であって、少なくとも1つの検出対象とされる検出対象物体のモデル形状を物体モデルとして記録する物体モデル記録ステップと、前記所定の空間の全体をカバーするように電磁波を放射状に照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補までの距離の算出を行う距離算出ステップと、前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るための画像情報取得ステップと、前記物体モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断する判断ステップとを備えてなる。
また、本発明の物体検出方法において、前記物体モデルの大きさを前記算出された物体候補までの距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換ステップを備え、前記判断ステップは、前記モデル変換部により変換された照合モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする。
また、本発明の物体検出方法において、前記所定の画像情報を表す画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出ステップを備え、前記判断ステップは、前記照合画像抽出ステップにより抽出された照合画像と前記照合モデルとに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする。
また、本発明の物体検出方法において、前記距離算出ステップにおいて前記物体候補が複数検出された場合、前記モデル変換ステップは、各物体候補に対応する前記複数の物体モデル全てについての照合モデルを算出し、前記判断ステップは、各物体候補についての照合モデルと画像情報とに基づいて類似度を算出し、各物体候補について最大類似度を有する照合モデルを判断することを特徴とする。
また、本発明の物体検出方法において、前記判断ステップは、更に最大類似度を所定の閾値と比較することにより、前記物体候補が照合モデルに対応する検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする。
また、本発明の物体検出方法において、前記判断ステップにより、前記物体候補が前記検出対象物体であると判断された場合に、前記物体候補を検出対象物体として、前記画像情報と前記物体候補までの距離とに基づいて、前記物体候補の3次元位置を算出する位置算出ステップを備えていることを特徴とする。
また、本発明の物体検出方法において、前記所定の画像情報を表す画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出ステップを備え、前記照合画像が、前記所定の画像情報としての距離画像と少なくとも1つの特徴形状を示す特徴画像から抽出される場合、前記判断ステップは、前記距離画像から抽出された前記照合画像の各画素の値と前記物体候補の距離との差を、全画素にわたって合計した値である距離画像類似度を算出し、前記特徴画像から抽出された照合画像の各画素の値と前記照合モデルの対応する画素の値の一致の程度を、全画素にわたって合計した値である特徴画像類似度を算出する特徴画像類似度算出ステップと、所定の重み付けを行った前記距離画像類似度と所定の重み付けを行った少なくとも1つの前記特徴画像類似度を合計して類似度を算出する類似度算出ステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明の物体検出方法において、前記距離算出ステップでは、強度が所定の閾値を超える前記反射波から、更に物体候補の相対速度を算出するステップを備え、前記判断ステップは、前記物体候補の相対速度を、前記物体の3次元位置とともに外部へ出力するステップを有することを特徴とする。
また、本発明の物体検出方法において、更に、前記物体の3次元位置と相対速度を少なくとも1組記憶する記憶ステップと、前記物体の過去の3次元位置と相対速度を用いて、次の検出における前記物体の3次元位置の予測を行う位置予測ステップとを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、所定の空間に存在する少なくとも1つの検出対象物体を検出する物体検出方法であって、少なくとも1つの検出対象物体が予め所定の距離において撮影された画像であるモデル撮影画像から、前記検出対象物体の形状を表す画像である物体モデルを算出して記録する物体モデル記録ステップと、前記所定の空間の全体をカバーする電磁波を照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補の距離の算出を行う距離算出ステップと、前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るための画像情報取得ステップと、前記物体モデルを、前記物体候補の距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換ステップと、前記所定の画像情報の画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出ステップと、前記物体候補に対して算出された全ての照合モデルと、照合モデルに対して抽出された全ての照合画像について、照合モデルと照合画像の類似度を算出し、最大の前記類似度である最大類似度、前記最大類似度が算出されるときの照合モデル、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標を求め、前記最大類似度が所定の範囲内となった場合、前記選択物体候補を物体と認識し、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標と前記物体候補の距離から前記物体の3次元位置を算出し、前記物体候補の3次元位置を外部へ出力する類似度照合ステップとを備えてなる。
また、本発明は、所定の空間に存在する検出対象物体を検出する物体検出方法をコンピュータに実行させるために、コンピュータにより読取可能な媒体に記憶された物体検出プログラムであって、少なくとも1つの検出対象とされる検出対象物体のモデル形状を物体モデルとして記録する物体モデル記録ステップと、前記所定の空間の全体をカバーするように電磁波を放射状に照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補までの距離の算出を行う距離算出ステップと、前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るための画像情報取得ステップと、前記物体モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断する判断ステップとをコンピュータに実行させるものである。
また、本発明の物体検出プログラムにおいて、前記物体モデルの大きさを前記算出された物体候補までの距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換ステップを備え、前記判断ステップは、前記モデル変換部により変換された照合モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする。
また、本発明の物体検出プログラムにおいて、前記所定の画像情報を表す画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出ステップを備え、前記判断ステップは、前記照合画像抽出ステップにより抽出された照合画像と前記照合モデルとに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする。
また、本発明の物体検出プログラムにおいて、前記距離算出ステップにおいて前記物体候補が複数検出された場合、前記モデル変換ステップは、各物体候補に対応する前記複数の物体モデル全てについての照合モデルを算出し、前記判断ステップは、各物体候補についての照合モデルと画像情報とに基づいて類似度を算出し、各物体候補について最大類似度を有する照合モデルを判断することを特徴とする。
また、本発明の物体検出プログラムにおいて、前記判断ステップは、更に最大類似度を所定の閾値と比較することにより、前記物体候補が照合モデルに対応する検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする。
また、本発明の物体検出プログラムにおいて、前記判断ステップにより、前記物体候補が前記検出対象物体であると判断された場合に、前記物体候補を検出対象物体として、前記画像情報と前記物体候補までの距離とに基づいて、前記物体候補の3次元位置を算出する位置算出ステップを備えていることを特徴とする。
また、本発明の物体検出プログラムにおいて、前記所定の画像情報を表す画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出ステップを備え、前記照合画像が、前記所定の画像情報としての距離画像と少なくとも1つの特徴形状を示す特徴画像から抽出される場合、前記判断ステップは、前記距離画像から抽出された前記照合画像の各画素の値と前記物体候補の距離との差を、全画素にわたって合計した値である距離画像類似度を算出し、前記特徴画像から抽出された照合画像の各画素の値と前記照合モデルの対応する画素の値の一致の程度を、全画素にわたって合計した値である特徴画像類似度を算出する特徴画像類似度算出ステップと、所定の重み付けを行った前記距離画像類似度と所定の重み付けを行った少なくとも1つの前記特徴画像類似度を合計して類似度を算出する類似度算出ステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明の物体検出プログラムにおいて、前記距離算出ステップでは、強度が所定の閾値を超える前記反射波から、更に物体候補の相対速度を算出するステップを備え、前記判断ステップは、前記物体候補の相対速度を、前記物体の3次元位置とともに外部へ出力するステップを有することを特徴とする。
また、本発明の物体検出プログラムにおいて、更に、前記物体の3次元位置と相対速度を少なくとも1組記憶する記憶ステップと、前記物体の過去の3次元位置と相対速度を用いて、次の検出における前記物体の3次元位置の予測を行う位置予測ステップとを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、所定の空間に存在する少なくとも1つの検出対象物体を検出する物体検出方法をコンピュータに実行させるために、コンピュータにより読取可能な媒体に記憶された物体検出プログラムであって、少なくとも1つの検出対象物体が予め所定の距離において撮影された画像であるモデル撮影画像から、前記検出対象物体の形状を表す画像である物体モデルを算出して記録する物体モデル記録ステップと、前記所定の空間の全体をカバーする電磁波を照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補の距離の算出を行う距離算出ステップと、前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るための画像情報取得ステップと、前記物体モデルを、前記物体候補の距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換ステップと、前記所定の画像情報の画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出ステップと、前記物体候補に対して算出された全ての照合モデルと、照合モデルに対して抽出された全ての照合画像について、照合モデルと照合画像の類似度を算出し、最大の前記類似度である最大類似度、前記最大類似度が算出されるときの照合モデル、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標を求め、前記最大類似度が所定の範囲内となった場合、前記選択物体候補を物体と認識し、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標と前記物体候補の距離から前記物体の3次元位置を算出し、前記物体候補の3次元位置を外部へ出力する類似度照合ステップとをコンピュータに実行させるものである。
なお、以上の物体検出プログラムにおいて、コンピュータにより読取り可能な媒体は、ROMやRAMなどの半導体メモリの他、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体や、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、更に回線上の伝送媒体をも含むものである。
また、本発明は、観測対象空間に存在する少なくとも1つの物体の距離を検出する距離センサであって、送信信号を生成する送信部と、一度に前記観測対象空間の全体をカバーする電磁波として前記送信信号を照射するとともに、前記観測対象空間の全体から到来する電磁波を受信できるアンテナと、前記アンテナの出力の復調を行う受信部と、前記受信部の出力から反射波を検出する反射波検出部と、前記反射波のタイミングを用いて距離を算出し、物体候補の距離として外部へ出力する物体候補算出部とを備えてなるものである。
このような構成によれば、従来のレーダと比較して、方位分解能を必要としないことからアンテナを小型化することができる。
また、本発明の距離センサにおいて、前記電磁波はミリ波であることを特徴とする。
このような構成によれば、物体までの距離を精度良く測定することができ、また雨や霧などの周辺環境の影響を受け難くなる。
また、本発明の距離センサにおいて、前記物体候補算出部は、更に前記反射波の周波数を用いて相対速度を算出し、前記物体候補の距離とともに外部へ出力することを特徴とする。
このような構成によれば、相対速度を利用することにより、物体候補の未来の位置を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の物体検出装置と検出対象となる車両の配置の一例を示す図である。
第2図は、実施の形態1に係る物体検出装置の構成の一例を示すブロック図である。
第3図は、本発明のミリ波距離センサの構成の一例を示すブロック図である。
第4図は、従来のミリ波レーダが照射するビームと本発明のミリ波距離センサが照射するビームの一例を示す図である。
第5図は、本発明のミリ波距離センサから出力される物体候補データの一例を示す図である。
第6図は、ステレオ画像センサの構成の一例を示すブロック図である。
第7図は、撮影画像I1と撮影画像I1に対応する距離画像の一例を示す図である。
第8図は、物体モデルMjと照合モデルMj’の関係の一例を示す図である。
第9図は、実施の形態1に係る物体検出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
第10図は、物体検出処理の動作の一例を示すフローチャートである。
第11図は、類似度Cを算出する式の一例を示す図である。
第12図は、3次元位置を算出する式の一例を示す図である。
第13図は、実施の形態2に係る物体検出装置の構成の一例を示すブロック図である。
第14図は、物体候補iの時刻t+1における3次元位置を算出する式の一例を示す図である。
第15図は、実施の形態2に係る特徴画像算出部の動作の一例を示すフローチャートである。
第16図は、実施の形態2に係る反射波検出部の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態1.
本実施の形態では、本発明の物体検出装置が車両の検出を行う場合を例にとって説明する。
第1図は、本発明の物体検出装置と検出対象となる車両の配置の一例を示す図である。このうち第1図(a)は側面図、第1図(b)は上面図として表している。本実施の形態において、物体検出装置100は、観測対象空間101に存在する車両102を検出する。ここでは、簡単のため、1台の車両102を図示しているが、実際には観測対象空間101に複数の車両が存在する場合もある。また、説明のため、第1図のようにx軸、y軸、z軸を定義する。
次に、本発明の物体検出装置の構成について説明する。第2図は、実施の形態1に係る物体検出装置の構成の一例を示すブロック図である。本発明の物体検出装置は、ミリ波距離センサ1、ステレオ画像センサ2、物体モデル記録部3、モデル変換部4、照合画像抽出部5、類似度照合部6、制御部7、記憶部8から構成される。ここで、照合画像抽出部5、類似度照合部6、制御部7及び記憶部8は、本発明の判断部を構成している。
次に、ミリ波距離センサ1の構成について説明する。第3図は、本発明のミリ波距離センサの構成の一例を示すブロック図である。ミリ波距離センサ1は、アンテナ11、ミリ波送信部12、ミリ波受信部13、反射波検出部14、物体候補算出部15から構成される。本発明のミリ波距離センサ1は、従来のミリ波レーダと異なり、物体までの距離と物体の相対速度のみを検出するため、照射するミリ波のビーム幅を角度20〜30度程度と広くすることにより、アンテナを大幅に小型化できる。具体的には、従来のアンテナが150mm×150mm程度の大きさであったのに対し、本発明のアンテナは30mm×30mm程度の大きさにすることができる。第4図は、従来のミリ波レーダと本発明のミリ波距離センサから照射されるビーム幅の一例を示す図である。このうち第4図(a)は従来のミリ波レーダの観測対象空間に対するビーム幅、第4図(b)は本発明に用いるミリ波距離センサの観測対象空間に対するビーム幅を表している。
また、本発明に用いるミリ波距離センサは、ビーム幅を広くしたことにより、一度に観測対象空間の全体をカバーするミリ波のビームを照射する。従って、従来のミリ波レーダにおいて観測対象空間を広げるために必要であったビームを照射する方向を変化させる機構は不要となり、さらに小型化できる。
次に、ミリ波距離センサ1の動作について説明する。反射波検出部14は、ミリ波の送信の指示をミリ波送信部12へ出力する。ミリ波送信部12は、反射波検出部14の指示に従ってミリ波を変調した送信信号を生成し、送信信号をアンテナ11を介して送信する。ミリ波受信部13は、アンテナ11を介して反射波であるミリ波を受信して復調し、反射波検出部14へ出力する。反射波検出部14は、復調された信号から反射波の検出を行い、強度が所定の閾値TM0を超える各反射波の遅延時間を物体候補算出部15へ出力する。物体候補算出部15は検出した反射波から、物体候補までの距離と物体候補の相対速度を検出し、物体候補データとして記憶部8へ出力する。第5図は、ミリ波距離センサから出力される物体候補データの一例を示す図である。第5図に示すように、物体候補データは、物体候補番号i、物体候補までの距離di、物体候補の相対速度viから構成される。ここでは検出された物体候補の数をn個とする。物体候補データは、記憶部8に記憶される。
次に、ステレオ画像センサ2の構成について説明する。第6図は、ステレオ画像センサの構成の一例を示すブロック図である。ステレオ画像センサは、カメラA21、カメラB22,特徴画像算出部23、距離画像算出部24から構成される。
次に、ステレオ画像センサ2の動作について説明する。カメラA21とカメラB22の2台のカメラは、観測対象空間をそれぞれ異なる視点で撮影する。ここで、カメラA21で撮影した撮影画像をI1(s,t)、カメラB22で撮影した撮影画像をI2(u,v)とする。ここで、s,uは画素のx座標、t,vは画素のy座標を表す。
次に、特徴画像算出部23は、撮影画像I1と撮影画像I2より輪郭、形状、濃淡パターン等からなる特徴画像(形状に関する特徴画像)を算出し、記憶部8へ出力する。本実施の形態では特徴画像として、撮影画像I1から所定の閾値TI0を用いてエッジ検出を行ったエッジ画像E1(s,t)と、撮影画像I2から所定の閾値TI0を用いてエッジ検出を行ったエッジ画像E2(u,v)を算出する。撮影画像I1,I2,特徴画像E1,E2は、記憶部8に記憶される。
次に、距離画像算出部24は、2つの撮影画像I1,I2から距離画像D(p,q)を算出し、記憶部8へ出力する。本実施の形態において距離画像とは、I1の各画素にI2の各画素を対応づけ、三角測量の原理に基づいてI1の各画素の距離を算出し、算出した距離をI1の座標に対応させた2次元配列として表現したものである。例えば、第7図(a)に示す撮影画像I1の座標に対応させた距離画像は第7図(b)のようになる。第7図(b)における数字は、各座標における距離を表している。距離画像Dは、記憶部8に記憶される。
次に、物体モデル記録部3について説明する。物体モデル記録部3は、検出する車両の大きさ、特徴画像を物体モデルとして予め登録している。本実施の形態では、観測対象空間内の距離Lに存在する検出対象と同型の車両を、予めカメラA21で撮影し、この撮影画像から算出されるエッジ画像を物体モデルとして登録しておく。ここでは、モデル番号jの物体モデルをMjと表す。第8図(a)は、物体モデルMjの一例を示す図である。全ての検出対象がm種類に分類できる場合は、m個の物体モデルを登録することにより全ての検出対象を表現する。
次に、物体検出装置の動作の概略について説明する。第9図は、実施の形態1に係る物体検出装置の動作の一例を示すフローチャートである。ミリ波距離センサ1とステレオ画像センサ2の観測対象空間は、ステレオ画像センサ2の観測対象空間がミリ波距離センサの観測対象空間を包含するように予め設定しておく。
まず、制御部7がミリ波距離センサ1に対して指示を行うことにより、ミリ波距離センサ1は物体候補データを取得する(S1)。これに同期して、制御部7がステレオ画像センサ2に対して指示を行うことにより、ステレオ画像センサ2は撮影画像I1,I2、エッジ画像E1,E2、距離画像Dを取得する(S2)。
次に制御部7は、物体候補番号iを初期化し、i=1とする(S3)。次に制御部7は、後述する物体検出処理をまだ行っていない物体候補があるか否か、すなわちi≦nか否かの判断を行う(S4)。i≦nであれば(S4,Yes)、制御部7は、n個の物体候補のうち物体候補番号iの物体候補である物体候補iを選択し、物体候補iについて後述する物体検出処理を行い(S5)、iを増加させ(S6)、処理S4へ戻る。一方、i≦nでなければ(S4,No)、制御部7は全ての物体候補について物体検出処理を終えたと判断し、このフローを終了する。
次に、処理S5の物体検出処理の動作について詳細に説明する。第10図は、物体検出処理の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、制御部7は最大類似度Cmaxと、最大類似度Cmaxの値を持つ座標である最大類似度座標(pmax,qmax)を初期化する(S11)。最大類似度Cmaxについては後述する。次に、制御部7はモデル番号jを初期化し、j=1とする(S12)。
次に制御部7は、後述するS14〜S20の処理をまだ行っていない物体モデルがあるか否か、すなわちj≦mか否かの判断を行う(S13)。j≦mであれば(S13,Yes)、制御部7は、物体モデル記録部3に登録されたm個の物体モデルのうち、モデル番号jの物体モデルMjを選択し、モデル変換部4に対して指示を行う。モデル変換部4は、指示に従って物体モデル記録部3から物体モデルMjを取得するとともに、記憶部8から距離diを取得する。次にモデル変換部4は、物体モデルMjから照合モデルMj’を作成するとともに、Mj’のx軸方向の長さlxとy軸方向の長さlyを算出し、記憶部8へ出力する(S14)。
ここで、照合モデルMj’について説明する。モデル変換部4は、物体候補iが距離diに存在すると仮定し、距離Lに存在する物体の特徴画像における大きさを表す物体モデルMjが、距離diに存在する場合の特徴画像における大きさを推定するために、第8図(a)に示した物体モデルMjの大きさをdi/L倍することにより、第8図(b)に示すような照合モデルMj’を作成する。
次に、制御部7は距離画像Dの値を参照する座標である参照座標(p,q)を初期化する(S15)。
次に、制御部7が照合画像抽出部5に対して指示を行うことにより、照合画像抽出部5は記憶部8から距離diと距離画像Dを取得する。照合画像抽出部5は、距離画像Dの参照座標(p,q)における距離D(p,q)と距離diと距離差が所定の閾値Td以下になるという条件を満たす参照座標を探索し、条件を満たした参照座標の周辺で、照合モデルと同じ大きさの座標範囲を照合範囲とする。ここで照合画像抽出部5は、距離D(p,q)と距離diの距離差が閾値Td以下であるか否か、すなわち|di−D(p,q)|≦Tdであるか否かの判断を行う(S16)。|di−D(p,q)|≦Tdでなければ(S16,No)、処理S20へ移行する。一方、|di−D(p,q)|≦Tdであれば(S16,Yes)、このときの参照座標を(p0,q0)として、p0−lx<p<p0,q0−ly<q<q0の座標範囲を照合範囲とし、記憶部8へ出力する。
次に、制御部7が類似度照合部6に対して指示を行うことにより、類似度照合部6は、記憶部8から距離画像D、エッジ画像E1,E2のそれぞれの照合範囲の部分の画像である照合画像と、照合モデルMj’、距離diを取得する。次に類似度照合部6は、各照合画像と照合モデルMJ’の対応する画素を走査する。ここで、走査中の画素の座標を走査座標とする。距離画像D、エッジ画像E1,E2の走査座標における値、照合モデルMj’の走査座標における値、距離diから、類似度Cを第11図の式を用いて算出する(S17)。類似度Cとは、物体候補iと照合モデルMjがどの程度類似しているかを示す値である。第11図の式において、w1,w2,w3は予め定められた重み係数である。また、dx、dyは視差であり、距離diとカメラA21,カメラB22の位置から求まる。なお、ここでは、距離画像D、エッジ画像E1,E2を用いて類似度Cを算出しているが、距離画像D、エッジ画像E1,E2のうち少なくとも1つを用いて類似度Cを算出するようにしても良い。
次に、類似度照合部6は、現在の参照座標における類似度Cが最大となるか否か、すなわちC>Cmaxか否かの判断を行う(S18)。C>Cmaxでなければ(S18,No)、処理S20へ移行する。一方、C>Cmaxであれば(S18,Yes)、最大類似度Cmaxの値を現在の参照座標における類似度Cの値へと更新するとともに、最大類似度座標(pmax,qmax)を現在の参照座標(p,q)へと更新する(S19)。
次に、類似度照合部6は距離画像の全ての座標を参照座標として参照したか否かの判断を行う(S20)。まだ全ての座標を参照していなければ(S20,No)、処理S16に戻る。全ての座標を参照したら(S20,Yes)、jを1増加させ(S21)、処理S13へ戻る。
以上、説明したように、物体候補iについて全ての物体モデルMjを照合し、最大類似度Cmaxと最大類似度座標(pmax,qmax)を算出する物体検出処理を行うことにより、物体候補iの最大類似度Cmaxと最大類似度座標(pmax,qmax)を得ることができる。
処理S13においてj≦mでなければ(S13,No)、類似度照合部6は、最大類似度Cmaxが所定の閾値Tc以上か否かの判断を行う(S31)。最大類似度が閾値以上、すなわちCmax≧Tcであれば(S31,Yes)、最大類似度座標(pmax,qmax)の点に物体候補iが存在すると判断し、3次元位置(Xi,Yi,Zi)を第12図の式を用いて算出する(S32)。第12図の式において、fはカメラAの焦点距離、kxはx軸方向の単位を画素から実際の長さに変換するための変換係数、kyはy軸方向の単位を画素から実際の長さに変換するための変換係数である。次に、類似度照合部6は、処理S22において算出した値を物体候補iの3次元位置とし、物体候補iの3次元位置(Xi,Yi,Zi)と相対速度viを記憶部8と外部へ出力し(S33)、このフローを終了する。
一方、Cmax≧Tcでなければ(S31,No)、類似度照合部6は3次元位置と相対速度を出力せず、このフローを終了する。
以上の物体検出処理を全ての物体候補について行うことにより、観測対象空間が広いこと、対象とする物体のみを正確に検出すること、物体の3次元位置を正確に検出することを全て満足する物体検出装置を実現することができる。
上述した第9図の処理、第10図の処理を物体検出プログラムとして、コンピュータにより読取り可能な記録媒体に記憶させることによって、物体検出方法をコンピュータに実行させることが可能となる。なお、本発明において、上記コンピュータにより読取り可能な記録媒体は、ROMやRAMの半導体メモリの他、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体や、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、更に回線上の伝送媒体をも含むものである。
実施の形態2.
本実施の形態は、実施の形態1と同様の物体検出の動作を、短い時間間隔で連続して行う場合に、前回の3次元位置と相対速度に基づいて3次元位置を予測することにより、安定した物体検出を行うものである。
第13図は、実施の形態2に係る物体検出装置の構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態では、実施の形態1の構成に、さらに位置予測部9を加える。
物体検出装置は継続して物体の検出を行っており、1回の検出により検出された物体毎の3次元位置と相対速度は記憶部8に記憶されている。次の検出を行う前に、位置予測部9は、記憶部8に記憶されている前回検出された物体毎の3次元位置と相対速度を取得する。次に位置予測部9は、前回検出された物体毎の3次元位置と相対速度を用いて、次の検出における3次元位置を予測し、その結果をミリ波距離センサ1とステレオ画像センサ2へ渡す。
ここで、時刻tにおける類似度照合部6の出力は、物体候補iの3次元位置(Xi(t),Yi(t),Zi(t))と相対速度vi(t)を含み、これらの値と第14図に示す式を用いることにより、時刻t+1における物体候補iの3次元位置を予測することができる。
ミリ波距離センサ1における反射波検出部14は、第9図の処理S1において、予測結果を利用した物体候補データの検出を行う。ステレオ画像センサ2における特徴画像算出部23は、第9図の処理S2において、予測結果を利用したエッジ画像の検出を行う。
次に、ステレオ画像センサ2における特徴画像算出部23の動作について詳細に説明する。第15図は、実施の形態2における特徴画像算出部の動作を示すフローチャートである。初めに、位置予測部9が予測した物体の3次元位置から、特徴画像中に物体が観測される領域を予測範囲として設定する(S31)。次に、座標を1つ選択し(S32)、座標が予測範囲内に存在するか否かの判断を行う(S33)。座標が予測範囲外に存在する場合(S33,No)、通常の閾値TI0を用いてエッジ画像を検出し(S34)、処理S35へ移行する。座標が予測範囲内に存在する場合(S33,Yes)、通常の閾値TI0よりも小さい閾値TI1を用いてエッジ画像を検出し(S36)、処理S35へ移行する。全座標について処理を終えていない場合は(S35,No)、処理S32へ戻る。全座標について処理を終えた場合は(S35,Yes)、このフローを終了する。
次に、ミリ波距離センサ1における反射波検出部14の動作について詳細に説明する。ここでは、FM−CW(Frequency Modulation−Continuous Wave)方式のように、反射波の強度が周波数に対して分布し、周波数軸上の位置から距離を検出する場合について説明する。第16図は、実施の形態2における反波検出部の動作を示すフローチャートである。初めに、前回の計測時に位置予測部9が予測した物体の3次元位置から、物体からの反射波が観測される周波数を予測範囲として設定する(S41)。次に、周波数を1つ選択し(S42)、周波数が予測範囲内に存在するか否かの判断を行う(S43)。周波数が予測範囲外に存在する場合(S43,No)、通常の閾値TM0を用いて反射波を検出し(S44)、処理S45へ移行する。周波数が予測範囲内に存在する場合(S43,Yes)、通常の閾値TM0よりも小さい閾値TM1を用いて反射波を検出し(S46)、処理S45へ移行する。全周波数について処理を終えていない場合は(S45,No)、処理S42へ戻る。全周波数について処理を終えた場合は(S45,Yes)、このフローを終了する。以上のように、周波数軸上の位置から距離を検出する場合は、予測範囲内に対して通常の閾値TM0よりも小さい閾値TM1を用いることにより、予測される反射波を検出し易くするための窓を周波数軸上に設けることになる。
本実施の形態では、周波数軸上で計測を行う場合について説明したが、反射波の強度が時間差に対して分布し、時間軸上の位置から距離を検出する場合は、時間差の予測範囲を設定し、その予測範囲内に対して通常の閾値TM0よりも小さい閾値TM1を用いることにより、予測される反射波を検出し易くするための窓を時間軸上に設けることになる。また、本実施の形態では次の検出における3次元位置を予測するとしたが、記憶部8が過去の3次元位置と相対速度を複数記憶することにより、次の検出における相対速度を予測するようにしても良い。予測した相対速度を用いることにより、予測される反射波を検出し易くするための窓の位置を正確に設けることができる。
以上、本実施の形態では、予測した3次元位置を利用することにより、継続的な物体の検出を安定して行うことができる。
なお、上述した実施の形態において、モデル変換部は、物体モデルの大きさを物体候補までの距離に応じた大きさに変換したが、本発明はかかる実施の形態に限定されることはなく、例えば、撮影された物体候補の画像(距離画像、特徴画像)を該物体候補の距離に応じて、物体モデルと同じ大きさとなるように変換するようにしても良い。また、実施の形態では距離画像と特徴画像とを用いて物体候補が検出対象物体であるか否かの判定をしたが、いずれか一方の画像のみを用いて判定を行っても良い。
【産業上の利用の可能性】
以上説明したように、本発明によれば、ミリ波距離センサの長所である物体までの距離の精度が高いこと、雨や霧など周辺環境の影響を受けにくいこと等の性能と、ステレオ画像センサの長所である、観測対象空間が広いこと、物体の方位が正確であること、物体の識別が容易であること等の性能とを両立させることができる。また、装置が小型化されることにより、車両等への搭載が容易となる。さらに、次の検出の3次元位置を予測することにより、継続的な物体の検出を安定して行うことができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間に存在する検出対象物体を検出する物体検出装置であって、
少なくとも1つの検出対象とされる検出対象物体のモデル形状を物体モデルとして記録する物体モデル記録部と、
前記所定の空間の全体をカバーするように電磁波を放射状に照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補までの距離の算出を行う距離センサと、
前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るためのステレオ画像センサと、
前記物体モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断する判断部と
を備えてなる物体検出装置。
【請求項2】
請求の範囲第1項に記載の物体検出装置において、
前記物体モデルの大きさを前記算出された物体候補までの距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換部を備え、
前記判断部は、前記モデル変換部により変換された照合モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする物体検出装置。
【請求項3】
請求の範囲第1項に記載の物体検出装置において、
前記ステレオ画像センサにより得られる前記所定の画像情報は、前記物体候補の距離に関する距離画像の情報であることを特徴とする物体検出装置。
【請求項4】
請求の範囲第1項に記載の物体検出装置において、
前記ステレオ画像センサにより得られる前記所定の画像情報は、前記物体候補の形状に関する特徴画像の情報であることを特徴とする物体検出装置。
【請求項5】
請求の範囲第1項に記載の物体検出装置において、
前記ステレオ画像センサにより得られる前記所定の画像情報は、前記物体候補の距離に関する距離画像の情報及び前記物体候補の形状に関する特徴画像の情報であることを特徴とする物体検出装置。
【請求項6】
請求の範囲第1項に記載の物体検出装置において、
前記物体モデル記録部に記録される物体モデルは、所定の距離において前記検出対象物体を撮影して得られる形状であることを特徴とする物体検出装置。
【請求項7】
請求の範囲第1項に記載の物体検出装置において、
前記判断部により、前記物体候補が前記検出対象物体であると判断された場合、前記物体候補を検出対象物体として、前記画像情報と前記物体候補までの距離とに基づいて、前記物体候補の3次元位置を算出する位置算出部を備えていることを特徴とする物体検出装置。
【請求項8】
請求の範囲第1項に記載の物体検出装置において、
前記距離センサは、強度が所定の閾値を超える前記反射波から、物体候補の距離を算出することを特徴とする物体物体検出装置。
【請求項9】
請求の範囲第1項に記載の物体検出装置において、
前記電磁波は、ミリ波であることを特徴とする物体検出装置。
【請求項10】
所定の空間に存在する少なくとも1つの検出対象物体を検出する物体検出装置であって、
少なくとも1つの検出対象物体が予め所定の距離において撮影された画像であるモデル撮影画像から、前記検出対象物体の形状を表す画像である物体モデルを算出して記録する物体モデル記録部と、
前記所定の空間の全体をカバーする電磁波を照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補の距離の算出を行う距離センサと、
前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るためのステレオ画像センサと、
前記物体モデルを、前記物体候補の距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換部と、
前記所定の画像情報の画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出部と、
前記物体候補に対して算出された全ての照合モデルと、照合モデルに対して抽出された全ての照合画像について、照合モデルと照合画像の類似度を算出し、最大の前記類似度である最大類似度、前記最大類似度が算出されるときの照合モデル、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標を求め、
前記最大類似度が所定の範囲内となった場合、前記選択物体候補を物体と認識し、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標と前記物体候補の距離から前記物体の3次元位置を算出し、前記物体候補の3次元位置を外部へ出力する類似度照合部と
を備えてなる物体検出装置。
【請求項11】
所定の空間に存在する検出対象物体を検出する物体検出方法であって、
少なくとも1つの検出対象とされる検出対象物体のモデル形状を物体モデルとして記録する物体モデル記録ステップと、
前記所定の空間の全体をカバーするように電磁波を放射状に照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補までの距離の算出を行う距離算出ステップと、
前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るための画像情報取得ステップと、
前記物体モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断する判断ステップと
を備えてなる物体検出方法。
【請求項12】
請求の範囲第11項に記載の物体検出方法において、
前記物体モデルの大きさを前記算出された物体候補までの距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換ステップを備え、
前記判断ステップは、前記モデル変換部により変換された照合モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする物体検出方法。
【請求項13】
請求の範囲第11項に記載の物体検出方法において、
前記判断ステップにより、前記物体候補が前記検出対象物体であると判断された場合に、前記物体候補を検出対象物体として、前記画像情報と前記物体候補までの距離とに基づいて、前記物体候補の3次元位置を算出する位置算出ステップを備えていることを特徴とする物体検出方法。
【請求項14】
所定の空間に存在する少なくとも1つの検出対象物体を検出する物体検出方法であって、
少なくとも1つの検出対象物体が予め所定の距離において撮影された画像であるモデル撮影画像から、前記検出対象物体の形状を表す画像である物体モデルを算出して記録する物体モデル記録ステップと、
前記所定の空間の全体をカバーする電磁波を照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補の距離の算出を行う距離算出ステップと、
前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るための画像情報取得ステップと、
前記物体モデルを、前記物体候補の距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換ステップと、
前記所定の画像情報の画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出ステップと、
前記物体候補に対して算出された全ての照合モデルと、照合モデルに対して抽出された全ての照合画像について、照合モデルと照合画像の類似度を算出し、最大の前記類似度である最大類似度、前記最大類似度が算出されるときの照合モデル、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標を求め、前記最大類似度が所定の範囲内となった場合、前記選択物体候補を物体と認識し、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標と前記物体候補の距離から前記物体の3次元位置を算出し、前記物体候補の3次元位置を外部へ出力する類似度照合ステップと
を備えてなる物体検出方法。
【請求項15】
所定の空間に存在する検出対象物体を検出する物体検出方法をコンピュータに実行させるために、コンピュータにより読取可能な媒体に記憶された物体検出プログラムであって、
少なくとも1つの検出対象とされる検出対象物体のモデル形状を物体モデルとして記録する物体モデル記録ステップと、
前記所定の空間の全体をカバーするように電磁波を放射状に照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補までの距離の算出を行う距離算出ステップと、
前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るための画像情報取得ステップと、
前記物体モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断する判断ステップと
をコンピュータに実行させる物体検出プログラム。
【請求項16】
請求の範囲第15項に記載の物体検出プログラムにおいて、
前記物体モデルの大きさを前記算出された物体候補までの距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換ステップを備え、
前記判断ステップは、前記モデル変換部により変換された照合モデルと前記画像情報とに基づいて前記物体候補が前記検出対象物体であるか否かを判断することを特徴とする物体検出プログラム。
【請求項17】
請求の範囲第15項に記載の物体検出プログラムにおいて、
前記判断ステップにより、前記物体候補が前記検出対象物体であると判断された場合に、前記物体候補を検出対象物体として、前記画像情報と前記物体候補までの距離とに基づいて、前記物体候補の3次元位置を算出する位置算出ステップを備えていることを特徴とする物体検出プログラム。
【請求項18】
所定の空間に存在する少なくとも1つの検出対象物体を検出する物体検出方法をコンピュータに実行させるために、コンピュータにより読取可能な媒体に記憶された物体検出プログラムであって、
少なくとも1つの検出対象物体が予め所定の距離において撮影された画像であるモデル撮影画像から、前記検出対象物体の形状を表す画像である物体モデルを算出して記録する物体モデル記録ステップと、
前記所定の空間の全体をカバーする電磁波を照射し、該電磁波の反射波を検出することにより、少なくとも1つの物体候補を検出するとともに、前記物体候補の距離の算出を行う距離算出ステップと、
前記物体候補について視点の異なる2つの撮影画像を撮影し、前記2つの撮影画像から所定の画像情報を得るための画像情報取得ステップと、
前記物体モデルを、前記物体候補の距離に応じた大きさに変換した画像である照合モデルを算出するモデル変換ステップと、
前記所定の画像情報の画像から、前記照合モデルの大きさの範囲の画像を照合画像として抽出する照合画像抽出ステップと、
前記物体候補に対して算出された全ての照合モデルと、照合モデルに対して抽出された全ての照合画像について、照合モデルと照合画像の類似度を算出し、最大の前記類似度である最大類似度、前記最大類似度が算出されるときの照合モデル、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標を求め、前記最大類似度が所定の範囲内となった場合、前記選択物体候補を物体と認識し、前記最大類似度が算出されるときの照合画像の座標と前記物体候補の距離から前記物体の3次元位置を算出し、前記物体候補の3次元位置を外部へ出力する類似度照合ステップと
をコンピュータに実行させる物体検出プログラム。
【請求項19】
観測対象空間に存在する少なくとも1つの物体の距離を検出する距離センサであって、
送信信号を生成する送信部と、
一度に前記観測対象空間の全体をカバーする電磁波として前記送信信号を照射するとともに、前記観測対象空間の全体から到来する電磁波を受信できるアンテナと、
前記アンテナの出力の復調を行う受信部と、
前記受信部の出力から反射波を検出する反射波検出部と、
前記反射波のタイミングを用いて距離を算出し、物体候補の距離として外部へ出力する物体候補算出部と
を備えてなる距離センサ。
【請求項20】
請求の範囲第19項に記載の距離センサにおいて、
前記電磁波はミリ波であることを特徴とする距離センサ。

【国際公開番号】WO2004/102222
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−571832(P2004−571832)
【国際出願番号】PCT/JP2003/005927
【国際出願日】平成15年5月13日(2003.5.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】