説明

画像取得装置

【課題】安価な構成で画像取得時におけるピント確認を行い、表示面積の小さい表示部を使用した場合にも撮像範囲の確認をすることができる画像取得装置を提供する。
【解決手段】被写体に対してガイド光を照射する光照射部と、撮像に必要となる光を被写体に照射する撮像照明部と、当該光照射部からのガイド光を上記被写体に照射して上記被写体を撮像する撮像部と、上記被写体と当該撮像部との距離に関して所定のピント範囲内にあることを判断するピント判断部と、上記撮像部が撮像した画像を格納する画像格納部と、当該ピント判断部の判断結果を格納する判断結果格納部と、上記画像格納部に格納された画像及び各種情報を表示する表示部と、上記画像格納部に格納された画像の所定部分を表示する為の表示制御部を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードリーダなどの画像取得装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像取得装置はバーコードリーダやハンディターミナルとして様々な分野で活用されている。2次元コードがデコード可能な画像取得装置では、画像を効率的に取得することが重要となり、撮像部にオートフォーカス機能を備え、ピント調節を自動的に行う画像取得装置が提案されている。画像取得部において撮像部と光ビーム照射手段を搭載し、取得された2次元画像情報を基に、オートフォーカス機能を制御し、ピント調整を自動的に行っている。(例えば特許文献1参照。)
図19は上記従来の画像取得装置を示しており、1はCPU、2はメモリ、3は2次元撮像カメラ、4は焦点調節モータ、5はガイド光部、6は制御部である。
【0003】
以上のように構成された画像取得装置について、その動作を説明する。
【0004】
画像撮像時において、制御部6からの命令により、ガイド光部5から読み取り対象物を狙うためのガイド光が照射される。この照射されたガイド光を、2次元撮像カメラ3を用いて2次元画像を得る。得られた2次元画像に撮像されているガイド光が画像中心からどの程度ずれているかを制御部6より検出して、読み取り対象物までのおおよその距離を算出する。メモリ2には距離に関する所定の基準値が設定されており、メモリ2の設定情報を基に、制御部6より焦点調節用モータ4を制御する。これにより、段階的に2次元撮像カメラ3のピント調整を自動的に行う。
【特許文献1】特開2002−56348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の画像取得装置では、オートフォーカス機能に対応した2次元撮像カメラが必要になり、コストアップを招くことになる。また、ハンディターミナルのような人間の手に持って作業をする画像取得装置では、撮像時に手ぶれなどを起こす可能性があり、取得したい読み取り対象が撮像範囲からはみ出してしまう可能性があり、撮像した画像に取得したい画像情報が含まれない可能性がある。
【0006】
本発明は、オートフォーカス機能を使用しなくても、操作者が所定のピント範囲に合わせることができ、また、画像取得後には被写体が取得画像内に収まっていることを確認できる画像取得装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像取得装置は、上記課題を解決するために、被写体に対してガイド光を照射する光照射部と、撮像に必要となる光を被写体に照射する撮像照明部と、当該光照射部からのガイド光を上記被写体に照射して上記被写体を撮像する撮像部と、上記被写体と当該撮像部との距離に関して所定のピント範囲内にあることを判断するピント判断部と、上記撮像部が撮像した画像を格納する画像格納部と、当該ピント判断部の判断結果を格納する判断結果格納部と、上記画像格納部に格納された画像及び各種情報を表示する表示部と、上記画像格納部に格納された画像の所定部分を表示する為の表示制御部を備えている。そして、この構成により、オートフォーカス機能を使用しなくても、取得しようとしている画像のピント情報を操作者に報知し、所定のピント範囲に合わせることができ、画像取得後には被写体が取得画像内に収まっていることを確認できる。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明はガイド光と画像を利用することにより所定のピント範囲であるか否かを判断することで、単焦点の安価な撮像部でもピント状態を確認することができる上に、携帯端末のような表示面積が少ない表示装置を備えているものであっても被写体が取得画像内にきちんと収まっているか否かを確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1から図18を用いて説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は本画像取得装置の機能ブロック図であり、101は撮像対象となる被写体を撮像する際に必要となる光を照射する撮像照明部、102は被写体を撮像する際に、おおよその画角、または後述する撮像部103の方向を示すための光照射部、103は画像を撮像するための撮像部、104は撮像された画像が所定のピント範囲にあるか否かを判断するピント判断部、105は撮像部により撮像された画像を格納する画像格納部、106はピント判断部104の判断結果を記憶するための判断結果格納部、107は撮像された画像や文字情報などの各種情報を表示する為の表示部、108は画像格納部105に格納された画像の所定部分を表示する為の表示制御部、109は操作者が入力手段の1つとして使用するキー部、120はピント判断部104及び表示制御部108を含み全体を制御する制御部、130は画像格納部105及び判断結果格納部106を含むその他の情報を記憶する記憶部であり、撮像部103より得られた画像からピント状態を判断し、表示部107に画像の所定部分を表示することで被写体が撮像範囲内に収まっているか否かが確認できる画像取得装置である。
【0011】
図2は本画像取得装置における回路ブロック図であり、220はバス、200は光照射部102の構成要素の1つとなるレーザ光源、201はレーザ光源200と同様に光照射部102の構成要素の1つとなる回折格子、202は撮像照明部101に相当する照明LED、203は撮像部103に相当するCMOSセンサでありCCDセンサなどの他の画像センサでも構わない。204と205は制御部120に相当し、具体的には204はCPU、205は各種制御プログラムなどが格納されているROM、206は記憶部130に相当し、画像格納部105や判断結果格納部106をはじめとする各種情報の記憶やプログラム実行されるRAMであるが、例えば、上記ROM205や画像格納部105にはFROMなどの書き換え可能型ROMを利用しても構わない。207は表示部107に相当するLCD、キー部109には数字入力キー、文字入力キー、電源キー、画像取得トリガキーなどの複数のキーから成る。
【0012】
以上のように構成された画像取得装置について、その動作を説明する。
【0013】
画像取得時において、キー部109より画像取得トリガキーが押下されると、撮像照明部101である照明LED202より撮像時に必要となる光が照射される。あわせて、光照射部102であるレーザ光源200から回折格子201に対してレーザが照射されることにより、レーザが所定の形状を成し図3に示すようなガイド光300として照射される。ここでは図3のような形状を例として使用するが、この形を特別に指定するものではなく、他の形状でも構わない。操作者はこのガイド光300を利用して、撮像対象物を狙うこととなる。画像取得トリガキーが離されると、撮像部103が画像を撮像する。このとき、ガイド光も一緒に撮像し、撮像された画像は画像格納部105に保存される。次にピント判断部104が画像格納部105より画像を取り出し、ピントが所定の範囲内であるか否かを判断する。
【0014】
ここでピントの判断方法を説明する。図4は画像取得部分を正面から見た図であり、撮像部103と回折格子201が横に並んで取り付けられており、撮像部103周辺に照明LED202が取り付けられている。図5は撮像部103の撮像範囲及び光照射部102の光軸とピント状態を示した図であり、503は撮像部103の光軸、504は光照射部102の光軸、505は撮像部103の撮像範囲、506aと506bと506cは被写体、507aと507bは所定のピント範囲を示しており、撮像部103の光軸と光照射部102の光軸が交差する点である507cが理想のピント状態である。この図5から判るように、撮像部103と光照射部102の光軸は交差するように配置されている為、507c以外の箇所では、被写体と一緒に撮像されるガイド光300が画像中心から左右のいずれかの方向にずれることになる。図6の(a)は被写体が507cの位置にある場合に、画像を撮像したときの図である。600は画像を示し、601は画像における中心線を示す。図6の(a)から、ガイド光300が画像の中心に位置していることが見て取れる。所定のピント位置より近い位置にて撮像した場合は図6の(b)のようにガイド光が左にずれることになる。また、所定のピント位置より遠い位置にて撮像した場合は図6の(c)のようにガイド光が右にずれることになる。このように、撮像された画像のガイド光の位置が左右方向に対して、どの程度ずれているかを検出することにより、ピント位置が近い状態であるのか、あるいは遠い状態であるのかが判別できる。また、画像取得の用途によっては必ずしもピント状態が理想の状態である必要はない。例えば、バーコードや2次元コードを読み取る場合や、画像にある情報が視認できればよいなどの場合である。この場合は507aと507bのように、ピント状態に許容範囲を設けることで、画像のピント状態が所定のピント範囲内であるか否かを判断することができる。ピントが所定範囲内である場合は図6の(d)のような画像を得ることとなる。そしてこの判断結果を判断結果格納部106に格納する。
【0015】
表示制御部108は画像格納部105にある画像の所定部分を表示させる為の拡大縮小の機能を持ち、表示部107が2値化データのみしか表示できないものであれば、画像を2値化して出力し、また階調表示できるものであれば画像を表示可能な階調に変換して出力する。もちろんカラーであっても良いことは言うまでもなく、撮像部103と表示部107の性能にあわせて制御する。図7の(a)は宅配業務などで使用される宅配伝票700を撮像した図である。例えば図7の(b)で示されるように画像の4隅701を拡大して、図8の(a)のように表示部107の描画領域を4分割して、分割した領域に4隅の拡大画像を表示する。このように表示させることで、被写体が画像内に収まっているか否かを一目で確認することができる。なお、表示部107を上下に2分割して図8の(b)のように画像の対角線を成す2隅を表示させても良いし、図8の(c)のように任意の1隅のみを表示させても良い。さらに、表示部107に文字などの各種情報と画像をあわせて表示させてもよく、例えば図8の(d)のようにすれば、操作者は表示部107から一度にピント状態と撮像範囲の確認ができることとなり、より多くの情報を得ることが可能となる。
【0016】
以上のように構成することで、本実施の形態によれば、単焦点の安価なCMOSやCCDを利用した場合であっても取得画像のピント状態を確認することができる。さらに、単焦点の撮像部103を用いる安価な構成で良いため、製品のコストダウンを図ることができる。さらに、画像取得にはガイド光300を利用する為、被写体を狙いやすいことから、ピントが所定範囲内である画像を効率が良く採取することができる。さらに、携帯端末などの小型の表示装置しか搭載できないような物であっても、被写体が画像内に収まっているか否かを確認することができる。さらに、画像を表示することにより手ブレなどが発生しているか否かの確認もできる。さらに、4隅または2隅など拡大画像を任意に表示させることができる為、多くの画像を採取する場合においても非常に効率良く、画像の確認作業を行うことができる。さらに、ピント判断と撮像範囲の確認ができることから、画像取得から確認までの作業を一つの装置で実現できる上に、一連の流れとすることができ、多量の画像を効率よく処理することができる。
【0017】
(実施の形態2)
本実施の形態において実施の形態1と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。図9に示す本発明の画像取得装置の実施の形態2における機能ブロック図において、110は判断結果格納部106からの情報を操作者に報知するための報知部、111は画像格納部に格納されている画像を消去するための画像消去部、112は撮像された画像が表示部107において確認済みであるという情報を付与する確認済み情報付与部、113は時間を計時する計時部である。
【0018】
図10は本発明の画像取得装置の実施の形態2における回路ブロック図である。110a、110b、110cは報知部110の構成要素であり、具体的には110aはブザー、110bはLED、110cはVIBである。実施の形態1と異なるのは、ピント状態を報知する為の報知部110と、画像を破棄する画像消去部111と、画像確認後には画像確認済みである情報を付与する確認済み情報付与部112と時間を計時する計時部113を備えた点である。
【0019】
また、図11は本画像取得装置において「画像取得から画像確認まで」の一連の流れを示した図であり、図12は本画像取得装置において「画像取得処理の流れ」を示した流れ図の例であり、図11におけるS1110が含むS1102からS1104までの具体的な流れを示す。
【0020】
図13は本画像取得装置において「画像確認処理の流れ」を示した流れ図の例であり、図11におけるS1120が含むS1105からS1107までの具体的な流れを示す。
【0021】
以上のように構成された画像取得装置について、その動作を説明する。
【0022】
図11におけるS1101では「画像取得」と「画像確認」において使用する設定などが行われる初期設定である。S1102とS1104はS1103の画像取得処理が繰り返されることを示しており、S1105とS1107もS1106の画像確認処理が繰り返されることを示す。初期設定S1101が実行され、画像取得のS1102からS1104が所定の回数だけ繰り返される。画像取得が終了するとS1105からS1107までの取得画像の画像確認が所定の回数だけ実行される。
【0023】
まずは画像取得の流れを、図12を用いて説明する。S1201において画像取得用トリガキーが押されると、S1202において照明LED202が点灯し、あわせてレーザ光源200からレーザ光が回折格子201に対して照射される。レーザ光源200から照射されたレーザ光は、回折格子201にて所定の形を形成し、ガイド光300として照射される。S1203においてガイド光300を利用し、操作者が撮像対象物となる被写体に狙いを定める。S1204においてS1201で押されている画像取得用トリガキーが離されると、S1205において撮像部103にて撮像が行われ、画像が取得されることとなり、画像格納部105に画像が保存される。S1206においてピント判断部104が画像格納部105に保存されている画像からガイド光300の位置を検出する。S1207においてピント判断部104が画像にあるガイド光300の画像中心からのズレを検出して、ズレの大きさを算出することで画像取得時のピントが所定範囲内であるか否かを判断する。なお、この例ではレーザ光源200と回折格子201を使用しているが、LEDなどの安価な部材でもよく、例えば図3のガイド光301のようなものでも構わない。S1208とS1209においてピント判断フラグをOFFまたはONに設定し、その結果をS1210において判断結果格納部106に保存する。S1211において制御部120が上記判定結果に基づき、報知部110であるブザー110a、LED110b、VIB110cを制御し操作者に結果を報知する。このとき、報知部110にあわせて、表示部107であるLCD207に情報を表示することで操作者に報知しても良い。S1212においてS1211の結果を基に画像が必要であるか否かを判断する。なお、S1212における判断は操作者がその都度行っても良いし、初期設定S1101にて自動設定としておいても良い。自動設定の場合には、ピントが所定範囲外である場合に自動的に画像を破棄するというものである。画像不要と判断された場合にはS1213にて画像消去部110により画像格納部105から画像を消去する。
【0024】
次にS1214にて画像取得が終了か否かを判断する。ここでの判断も操作者によるものでも所定の設定に基づく自動判断でも良い。操作者の判断によるものであれば、所定のキーが押されたら終了とする。また、自動的に行う場合であれば、S1101の初期設定にて撮像回数指定や保存枚数指定にしておく。これは、使用される環境にあわせて柔軟に変化させることが望ましい。引き続き画像取得をする場合は、S1215においてS1102に遷移し、上記処理が繰り返される。画像取得が終了と判断された場合はS1104において画像取得を終了し、S1105の画像確認へ遷移する。
【0025】
次に「画像確認」の具体的な流れを、図13を用いて説明する。S1301において、表示制御部108が画像格納部105より画像を取り出し、表示部107であるLCD207の大きさに合わせて画像の4隅を所定の大きさに拡大または縮小し、S1302において、画像を拡大または縮小した画像を表示用データとして表示部107に表示する。このとき、実施の形態1と同様に、図8の(a)のように4隅の各画像データをあわせて表示させることで、被写体が取得画像範囲内に収まっているか否かを確認できる。また、図8の(b)のように画像の対角線をなす2隅を表示させても良いし、図8の(c)のように任意の1隅だけを表示させてもよい。S1303において、判断結果格納部106から画像撮像時のピント状態を確認し、その結果を基にS1304、S1305において、報知部110を制御し、S1306、S1307において、操作者に報知する。また、このときに表示部107に画像とあわせて文字情報などで撮像時のピント状態を報知してもよい。また、ピント状態が所定範囲内であった場合は報知部110を動作させないように制御してもよく、この場合はピントが所定範囲外であった場合のみ、報知部110が動作することになるため、操作者にとっては判りやすい。なお、報知部110としてブザー110aを利用すると、音で状態を判断することができるため、操作者は視点の移動が少なくなり効率的に作業ができる。また、LED110bを利用すると目視による判断の視認性が向上する。また、VIB110cを利用すると、振動による触覚で判断できるため、騒音の多い環境などでも用意に確認できる。なお、ブザー110a、LED110b、VIB110cのいずれかを選択して報知手段として利用しても良いし、全てを同時に使用しても良いということは言うまでも無い。
【0026】
S1308において、画像を破棄するか否かを判断する。この判断方法については上記画像取得のS1212と同様に、操作者がその都度判断しても良いし、所定の設定に基づき自動的に判断してもよい。
【0027】
不要と判断された場合には、S1309にて画像データを破棄する。また、画像データが破棄されなかった場合にはS1310において、確認済み情報付与部112が確認済み情報を画像と関連付けて記憶部130に保存する。S1311において、画像格納部105に未確認画像が残っているか否かを判断する。未確認画像がある場合はS1312において次の画像確認へ遷移する。未確認画像が無い場合は、S1107において、画像確認を終了する。
【0028】
なお、画像確認において、次の画像を表示するタイミングは計時部113を利用してもよく、所定の時間が計時されると自動的に次の画像を表示するようにしておけば、操作者はスライドショーのように、画像確認を行うことが可能となる。なお、所定のキーを押すことで次々と画像を表示させてもよい。また、確認済み情報を利用することで、未確認画像のみ表示させても良いし、確認済み画像のみを表示させてもよい。なお、多くの枚数の画像確認を行う場合は、あらかじめ、所定の表示させたい画像を表示制御部108にて確認枚数分作成しておけば、画像確認を次々と行う場合にもすばやく画像を表示させることができる。
【0029】
また、被写体が必ずしも一度の撮像で撮像部103の撮像範囲に収まるとはかぎらない。例えば、図14の(a)、図14の(b)に示すように、被写体が撮像範囲に収まらない場合には、左側、右側という具合に分割して撮像する必要がある。この場合は、画像を2回に分けて取得し、画像格納部105より被写体の左側を撮像した画像の右端部分を表示制御部108によって表示部107に表示し、被写体の右側を撮像した画像の左端部分を表示制御部108によって、図15のようにあわせて表示部107に表示することで、図14の(a)と図14の(b)の画像における共通部分を確認することができる。また、図16のように図14の(a)の左端部分と図14の(b)の右端部分を表示させることで、2枚の画像を合わせれば、被写体が確実に撮像されていることを確認できる。ここでは左側と右側の2回に分けている場合を例としているが、さらに大きな被写体であっても同様の原理で複数枚の画像を取得することにより、各々の画像の境界領域を表示部107に表示することで、被写体の必要となる情報が画像に含まれているか否かを判断でき、必要とする情報を確実に画像として保存することができる。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、画像の取得から確認までが一連の作業として効率よく行うことができる。さらに、画像消去部111を備えることにより画像を消去することができるため必要な画像のみを効率よく採取できる。さらに、報知部110を備えることにより、視覚、聴覚、触覚の全てを用いて確認することができるため、様々な環境で使用できる。さらに、計時部113を利用することで画像確認作業がキー操作なしで行うことができる。さらに、確認済み情報付与部112を利用することで画像格納部105に格納されている複数枚の画像を効率よく確認することができる。さらに、再確認も用意に行うことができる。さらに、多数の画像確認を行う場合にはあらかじめ表示させたい画像を枚数分作成しておくことで、すばやく画像を表示させることができる。
【0031】
さらに、撮像部103の撮像範囲よりも大きな被写体であっても画像を分割して取得し、各々の画像の境界領域をあわせて表示させることにより、確認をまとめて行うことができる。
【0032】
(実施の形態3)
本実施の形態において実施の形態1、実施の形態2と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。図17に示す本発明の画像取得装置の実施の形態3の機能ブロック図において、114は撮像部103より得られた画像にバーコードまたは2次元コードなどの光学的情報が含まれている場合に復号処理を行うデコード部、115は画像格納部105に格納されている画像、ならびに各種情報を送受信する通信部、116は確認済み情報付与部112が確認済み情報を付与した画像のみを送信する通信制御部である。
【0033】
図18に示す本発明の画像取得装置の実施の形態3の回路ブロック図において、115aと115bと115cは通信部115に相当するものであり、115aは無線LANモジュール、115bはBluetoothモジュール、115cはIrDAモジュールである。
【0034】
実施の形態1、実施の形態2と異なるのは光学的情報を復号するデコード部114と画像をはじめ各種情報を送受信する通信部115と確認済み情報を付与した画像のみを送信する通信制御部116を備えた点である。
【0035】
以上のように構成された画像取得装置について、その動作を説明する。
【0036】
画像取得時において、キー部109の1つであるバーコード取得用トリガキーを押すと、撮像照明部101である照明LED202より撮像時に必要となる光が照射される。あわせて、光照射部102であるレーザ光源200から回折格子201に対してレーザが照射されることにより、レーザが所定の形状を成し図3に示すようなガイド光300として照射される。ここでは図3のような形状を例として使用するが、この形を特別に指定するものではなく、他の形状でも構わない。操作者はこのガイド光300を利用して、撮像対象物を狙うこととなる。画像取得トリガキーが離されると、撮像部103が画像を取得する。このとき、ガイド光300も一緒に撮像し、撮像された画像は画像格納部105に保存される。デコード部114が画像格納部105に格納された画像よりバーコードまたは2次元コードをはじめとする光学的情報を探す。光学的情報が見つかると、デコード部114が復号処理をおこない、復号された情報は記憶部130に保存される。また、通信部115を備えることにより、画像格納部105に格納された画像を異なる場所で利用することが可能となる。さらに、画像格納部105をはじめとする記憶部130には場合によっては多くの画像を格納できないことも予想される。この場合に、通信部115を利用して画像格納部105にあるデータをサーバ側へ送信することで、記憶部130の容量以上の画像を採取することができる。
【0037】
通信部115は実施の形態2において説明した図11で示す一連の処理により、画像格納部105に蓄えられた情報を無線LANモジュール115aまたは、Bluetooth115b、またはIrDA115cを利用して画像を送信する。また、確認済み情報付与部112により確認済み情報が付与された画像のみ送信することもできる。なお、通信データには画像の他に、光学的情報を復号したデータでも良いし、その他各種情報を一緒に送信することで、効率的に画像や各種情報を収集することが可能となる。
【0038】
以上のように、本実施の形態によれば、デコード部114を備えることにより画像だけではなく、光学的情報を復号できるため、より多様な情報を扱うことが可能となり、多様な用途で使用できる画像取得装置となる。さらに、通信部115を備えることにより、画像取得装置が携帯端末であった場合にも記憶容量を気にすることなく多くの画像を採取できる。さらに、通信制御部116を備えることにより、撮像した被写体が所定のピント範囲内であり、かつ、取得画像内に確実に収まっている画像のみを、簡単に選別し送信することができるため、効率の良い画像取得装置が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の画像取得装置は、取得画像におけるピント状態の確認と撮像範囲の確認を安価な部材を用いていても、一つの装置で行うことができ、様々な環境で使用されるハンディターミナルなどに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の画像取得装置の実施の形態1における機能ブロック図
【図2】本発明の画像取得装置の実施の形態1における回路ブロック図
【図3】本発明のガイド光の例を示す図
【図4】本発明の画像取得装置の読み取り部分の機構図
【図5】本発明の撮像部と光照射部の光軸を示す図
【図6】本発明の画像とガイド光の関係を示す図
【図7】本発明の画像取得例を示した図
【図8】本発明の画像表示方法例を示した図
【図9】本発明の実施の形態2における機能ブロック図
【図10】本発明の実施の形態2における回路ブロック図
【図11】本発明の画像取得装置の実施の形態2における画像取得から画像確認までの一連の流れを示す流れ図
【図12】本発明の画像取得処理の例を示す流れ図
【図13】本発明の画像確認処理の例を示す流れ図
【図14】本発明の画像取得の例を示す図
【図15】本発明の画像表示方法の例を示す図
【図16】本発明の画像表示方法の例を示す図
【図17】本発明の実施の形態3における機能ブロック図
【図18】本発明の実勢の形態3における回路ブロック図
【図19】従来の画像取得装置の機能ブロック図
【符号の説明】
【0041】
101 撮像照明部
102 光照射部
103 撮像部
104 ピント判断部
105 画像格納部
106 判断結果格納部
107 表示部
108 表示制御部
109 キー部
110 報知部
111 画像消去部
112 確認済み情報付与部
113 計時部
114 デコード部
115 通信部
116 通信制御部
120 制御部
130 記憶部
200 レーザ光源
201 回折格子
202 照明LED
203 CMOSセンサ
204 CPU
205 ROM
206 RAM
207 LCD
220 バス
300 回折格子を利用したガイド光例
301 LEDを利用したガイド光例
400 読み取り窓
503 撮像部の光軸
504 光照射部の光軸
505 撮像範囲
506a 撮像部に近い位置にある被写体
506b 撮像部に遠い位置にある被写体
506c 撮像部のピントにあっている位置にある被写体
507a ピント許容範囲を示す撮像部にもっとも近い位置
507b ピント許容範囲を示す撮像部にもっとも遠い位置
507c ピント許容範囲を示す理想のピント位置
600 画像
601 画像の水平方向の中心線
700 被写体
701 画像拡大・縮小の対象

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に対してガイド光を照射する光照射部と、
撮像に必要となる光を被写体に照射する撮像照明部と、
当該光照射部からのガイド光を上記被写体に照射して上記被写体を撮像する撮像部と、
上記被写体と当該撮像部との距離に関して所定のピント範囲内にあることを判断するピント判断部と、
前記撮像部が撮像した画像を格納する画像格納部と、
当該ピント判断部の判断結果を格納する判断結果格納部と、
前記画像記憶部に格納された画像及び各種情報を表示する表示部と、
前記画像記憶部に格納された画像の所定部分を表示する為の表示制御部と、
を備える画像取得装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像取得装置において、更に、前記表示部は、前記画像格納部に格納された画像及び前記判断結果格納部からの判断結果を前記表示部にあわせて表示させる画像取得装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像取得装置において、更に、所定の設定により撮像後に撮像した画像のピント状態を操作者に報知するための報知部を備えた画像取得装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像取得装置において、更に、前記判断結果が所定のピント範囲内に無い場合、当該判断結果と対応する画像を消去する画像消去部を備える画像取得装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像取得装置において、更に、前記表示部が前記画像を再生した状態にて、前記画像に対して確認済み情報を付与する確認済み情報付与部を備える画像取得装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像取得装置において、更に、時間を計時する計時部を備え、前記表示部が前記画像を再生した状態にて、当該計時部にて所定時間の経過が計時された場合に、自動的に別の情報を表示する機能を備える画像取得装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像取得装置において、更に、取得した画像から1次元コードや2次元コードなどの光学的情報をデコードするデコード部を備える画像取得装置。
【請求項8】
請求項4記載の画像取得装置において、更に、前記画像格納部に格納された画像、及びその他のデータを送受信する通信部と、当該通信部に前記確認済み情報付与部が確認済み情報を付与した画像のみを送信させる通信制御部と、を備える画像取得装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−79913(P2007−79913A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266544(P2005−266544)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】