画像形成装置および画像形成方法
【課題】転写材の位置決めを正確に実施でき、像担持体上の像の転写材への転写性を向上させる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置において、像を担持する像担持体と、周方向に移動して転写材を把持する転写材把持部材を有し、前記像担持体と当接して転写ニップ部を形成する転写ローラーと、前記転写ニップ部に前記転写材を送出する転写材送出部と、を有し、前記転写材送出部の転写材送出速度を、前記転写材把持部材が前記転写ローラーの回転中心から前記転写ローラーの周方向に移動したときの前記転写材把持部材の移動速度より速くしたことを特徴とする。
【解決手段】画像形成装置において、像を担持する像担持体と、周方向に移動して転写材を把持する転写材把持部材を有し、前記像担持体と当接して転写ニップ部を形成する転写ローラーと、前記転写ニップ部に前記転写材を送出する転写材送出部と、を有し、前記転写材送出部の転写材送出速度を、前記転写材把持部材が前記転写ローラーの回転中心から前記転写ローラーの周方向に移動したときの前記転写材把持部材の移動速度より速くしたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の転写装置および画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
像担持体の潜像を現像装置で現像して顕像化し、像担持体上のトナー像を直接紙等の転写材に転写する転写装置を備えた画像形成装置が提案されている。また、像担持体の潜像を現像装置で現像して顕像化し、像担持体上のトナー像を複数のローラーに張架したベルトまたはドラムからなる中間転写媒体に転写し、中間転写媒体のトナー像を転写材に転写する転写装置を備えた画像形成装置が提案されている。
【0003】
特開平3−4241号公報には、像担持体としての感光体上の潜像を現像装置により現像してトナー像とし、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写ドラムを備えた画像装置が開示されている。この転写ドラムは、転写材把持用のグリッパと、転写材を転写ドラムに静電吸着する吸着用帯電器と、感光体上のトナー像を転写材に転写するための転写用帯電器と、トナー像が転写された転写材を転写ドラムから剥離するための剥離用帯電器を備えている。
【0004】
特表2000−508280号公報には、感光体上の潜像を液体現像剤で現像してトナー像を形成し、感光体上のトナー像を中間転写媒体としての中間転写ドラムに転写し、中間転写ドラムのトナー像を転写材に転写する転写ドラムを備えた画像形成装置が開示されている。中間転写ドラム上のトナー像は、加熱、加圧により転写材に転写される。また、転写ドラムは、転写材を把持するグリッパを備えている。また、転写ドラムの外部に転写材を転写ドラムから剥離する剥離部材を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−4241号公報
【特許文献2】特表2000−508280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1で開示された画像形成装置は、転写ドラム内に転写材吸着用帯電器、転写用帯電器、剥離用帯電器というように複数の帯電器を配置する必要があり、装置として複雑な構成となり、転写材の位置決めの制御も困難である。また、特許文献2に開示された画像形成装置は、転写材へのトナー像の転写が加熱、加圧による熱転写であるため、トナー像が転写された転写材と転写ドラムとの接着性が強くなり、転写材の転写ドラムからの剥離が困難になり、さらに、転写材の位置決めも困難である。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、転写材の位置決めを正確に実施でき、像担持体上の像の転写材への転写性を向上させる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、前記課題を解決するために、像を担持する像担持体と、周方向に移動して転写材を把持する転写材把持部材を有し、前記像担持体と当接して転写ニップ部を形成する転写ローラーと、前記転写ニップ部に前記転写材を送出する転写材送出部と、を有し、前記転写材送出部の転写材送出速度を、前記転写材把持部材が前記転写ローラーの回転中心から前記転写ローラーの周方向に移動したときの前記転写材把持部材の移動速度より速くしたことを特徴とする。転写材の先端部が転写材把持部材の転写材位置決め部に当接し速度差によりその先端が撓むことにより、バッファが設けられ安定した転写材の位置決めが可能となる。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、前記転写材把持部材の前記転写ローラーの周方向の移動位置を検出する位置検出部を備えた。より精度の高い転写材の位置決めが可能になる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、前記位置検出部で検出された前記転写材把持部材の移動位置情報に基づいて、前記転写材送出部からの前記転写部材の送出タイミングを制御する制御部を備えた。転写材送出速度と転写材把持部材の移動速度との同期がより高精度とすることが可能となる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、前記転写ローラーは、前記転写材把持部材を配設する凹部、及び前記転写材を当接して前記転写材を支持する弾性の転写材支持部を有する。転写材把持部材を転写中に像担持体と当接しない位置に支持することが可能となる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、前記凹部が前記転写ニップ部に位置した時に、前記転写材把持部材で前記転写材を把持する。凹部が像担持体と対向する位置で転写材を把持することにより、像担持体との当接による速度変動の影響を受けることがなく安定した転写材の把持を行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、前記転写材送出部で送出された前記転写材を前記転写ニップ部へガイドする転写材搬送ガイドを備えた。転写材の搬送をより安定に行うことが可能となる。
【0014】
また、本発明の画像形成方法は、像を像担持体に担持する工程と、前記像担持体と転写ローラーとが当接して形成された転写ニップ部に転写材を送出する工程と、送出された前記転写材を前記転写材の送出速度よりも遅い速度で移動する転写材把持部材で前記転写材を把持する工程と、前記転写材把持部材で把持された転写材を前記転写ニップ部に通過させて、前記転写材に前記像担持体に担持された前記像を転写する工程と、を有することを特徴とする。転写材の正確な位置に像を転写することが可能となる。
【0015】
また、本発明の画像形成方法は、前記転写材を送出するタイミングを、前記転写材把持部材の前記転写ローラー周方向移動位置を検出する検出部の検出結果に基づいて決定する。転写材の正確な位置に像を転写することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラーの斜視図である。
【図3】2次転写ローラーの断面図である。
【図4】2次転写ローラーの一部断面図である。
【図5】2次転写ローラーの一部断面図である。
【図6】2次転写ローラーに位置検出手段を配設した図である。
【図7】位置検出データにより、転写材送出速度を制御する状態を示す図である。
【図8】位置検出データにより、露光ユニットの書き込みのタイミングを制御する状態を示す図である。
【図9】2次転写ローラーの一部断面図である。
【図10】2次転写ローラーの一部断面図である。
【図11】転写材把持部材の周速度を定義する図である。
【図12】転写材送出速度の測定方法を示す図である。
【図13】転写材把持部材および剥離部材の動作を示す図である。
【図14】転写材把持部材および剥離部材の動作を示す図である。
【図15】転写材把持部材および剥離部材の動作を示す図である。
【図16】転写材把持部材および剥離部材の動作を示す図である。
【図17】転写材搬送手段を示す図である。
【図18】ガイド部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下方部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60、定着ユニット90などの構成は画像形成装置の上方部に配置されている。特に、定着ユニット90が、転写ベルト40上方にレイアウトされることにより、画像形成装置全体としての設置面積を抑制することが可能となっている。本実施形態においては、2次転写ユニット60で2次転写を経た用紙などの転写材は、転写材搬送装置230や吸引装置210、270などによって吸引されつつ、定着ユニット90へと搬送される構成となっているためにこのようなレイアウトを実現することができる。
【0018】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、トナーによる画像を形成するために、感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、LEDアレイなどの露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kにより、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、露光ユニット12Y、12M、12C、12Kにより、入力された画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0019】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0020】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラー42に張架され、1次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。1次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで1次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0021】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写する。
【0022】
さらに、転写材搬送経路Lの下流には、第1吸引装置210、転写材搬送装置230、第2吸引装置270が順次配列されており、転写材を定着ユニット90に搬送するようになっており、定着ユニット90では、用紙等の転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
【0023】
テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41などと共に転写ベルト40を張架しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベルトクリーニングブレード49からなるクリーニング装置が当接・配置され、転写ベルト40上の残りトナー、キャリアをクリーニングするようになっている。なお、転写ベルト40を駆動するための駆動力はテンションローラー42に持たせ、ベルト駆動ローラー41を単なるベルト張架ローラーとして用いるようにすることもできる。
【0024】
画像形成装置に対する転写材の供給は給紙装置(不図示)によって行われる。このような給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101及び転写材搬送ガイド102によって転写材を2次転写位置まで搬送し、転写ベルト40上に形成された単色のトナー現像像やフルカラーのトナー現像像を転写材に転写する。2次転写された転写材は、上記のように、転写材搬送装置230を中心とした転写材搬送手段によって、さらに定着ユニット90に搬送される。定着ユニット90は、加熱ローラー91と、この加熱ローラー91側に所定の圧力で付勢された加圧ローラー92とから構成されており、これらのニップ間に転写材を挿通させ、転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着し定着させる。
【0025】
ここで、現像装置について説明するが、各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0026】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングローラー16Y、感光体クリーニングブレード18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。
【0027】
感光体クリーニングローラー16Yは、感光体10Yに当接しつつ反時計回りに回転することによって、感光体10Y上の転写残り液体現像剤や未転写液体現像剤をクリーニングする。感光体クリーニングローラー16Yには、液体現像剤中のトナー粒子を誘引するようなバイアス電圧が印加され、感光体クリーニングローラー16Yの回収物は、トナー粒子が多く含まれる固形分リッチな液体現像剤となる。
【0028】
感光体クリーニングローラー16Yの下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上のキャリア成分リッチな液体現像剤をクリーニングする。
【0029】
現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、アニロックスローラー32Y、コンパクションコロナ発生器22Yが配置されている。アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。液体現像剤容器31Yの中にはオーガ34Yが収容されている。また、感光体10Yと対向する位置には、転写ベルト40を挟むようにして、1次転写部の1次転写ローラー51Yが配置されている。
【0030】
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、時計回りの方向に回転する。
【0031】
コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0032】
現像装置30Yは、コンパクション作用を施すコンパクションコロナ発生器22Y、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Yを有する。
【0033】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤を現像ローラー20Yに塗布するための塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするコンパクションコロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。
【0034】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0035】
アニロックスローラー32Yは、現像ローラー20Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図1に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックローラー32Yは反時計回りに回転して、現像ローラー20Yに液体現像剤を塗布する。
【0036】
規制ブレード33Yは、表面に弾性体を被覆して構成した弾性ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部などで構成される。そして、アニロックスローラー32Yによって担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制、調整し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0037】
現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。
【0038】
コンパクションコロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、コンパクションコロナ発生器22Yによって、コンパクション部位でコンパクションコロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。なお、このコンパクションのための電界印加手段は、図1に示すコロナ放電器のコロナ放電に代えて、コンパクションローラーなどを用いても良い。
【0039】
現像ローラー20Yに担持されてコンパクションされた現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所定の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応して現像される。
【0040】
現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収部に滴下して再利用される。尚、このようにして再利用されるキャリア及びトナーは混色状態ではない。
【0041】
1次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰キャリアを回収するものである。この感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’とから構成され、感光体10Y上に現像されたトナー像から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像(トナー像)内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。なお、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、所定のバイアス電圧が印加されている。
【0042】
上記の第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’からなるスクイーズ装置を経た感光体10Y表面は、1次転写部50Yに進入する。1次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を1次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。この1次転写部においては、1次転写バックアップローラー51に印加される転写バイアスの作用によって、感光体10上のトナー像は転写ベルト40側に転写される。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0043】
上記現像装置30Yの現像プロセスと同様のプロセスによって、現像装置30M、30C、30Kにおいても、それぞれの感光体10M、10C、10K上にマゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像が各々形成される。そして、転写ベルト40はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)各色の1次転写部50のニップを通過し、各色の感光体上の現像剤(現像像)が転写され、色重ねされて2次転写ユニット60のニップ部に進入する。
【0044】
2次転写ユニット60を経た転写ベルト40は、再び1次転写部50で転写像を受けるために周回するが、1次転写部50が実行される上流側において転写ベルト40は、転写ベルトクリーニングブレード45によってクリーニングが実施される。
【0045】
転写ベルト40は、ポリイミド基層上にポリウレタンの弾性中間層を設け、さらにその上にPFA表層が設けられている三層構造となっている。このような転写ベルト40では、ポリイミド基層側においてベルト駆動ローラー41、テンションローラー42で張架され、PFA表層側においてトナー像が転写されるようにして用いられる。このように形成された弾性を有する転写ベルト40は、転写材表面への追従性、応答性がよいために、2次転写時において、特に粒子径が小さいトナー粒子を転写材の凹部に対して送り込み転写させるのに有効である。
【0046】
次に本実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラー61についてより詳細に説明する。図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラーの斜視図であり、図3は断面図であり、図4は一部断面図である。
【0047】
2次転写ローラー61は転写材把持部材64、把持部材受け部65および剥離部材79の支持部としての凹部63を有している。図2に示すように、この凹部63は、2次転写ローラー61の軸方向に延設されている。また、2次転写ローラー61は、導電性の基材61bの転写ベルト40との当接部61gである円弧部の外周面に巻きかけられた弾性部材としてのゴムシート61cを有している。このゴムシート61cにより2次転写ローラー61の円弧部の当接部61gに抵抗層が形成されている。ゴムシート61cは、基材層、弾性層及び表層の三層構造を有する。基材層は、厚さ約80〜90μmであり、例えば、ポリイミド樹脂を用いて形成されている。弾性層は、厚さ約0.5〜5mmであり、例えば、ウレタンゴムを用いて形成されている。また、表層は、厚さ約5〜25μmであり、例えば、フッ素ゴムを用いて形成されている。ゴムシート61cの体積抵抗率1×106〜1×1011Ωとする。
【0048】
図3に示されるように、このゴムシート61cは、両端部61d、61eが基材61bに形成された凹部内の壁面61b1,61b2に固定され、他の部分は巻きかけられているだけで、基材61に接着や固定されていない。例えば、ゴムシート61cの両端部61d、61e上にプレート61h、61jを回転軸61aの方向に延設し、ビス61kやネジ等で基材61bに留めるとよい。また、プレート61h,61jには、それぞれ凸部61h1,61j1が形成され、該凸部61h1,61j1がゴムシート61cにめり込むことにより、プレート61h,61jは、強固に固定される。なお、ゴムシート61cの両端部61d,61eの凹部63への固定は、これに限らず、他の方法を用いてもよい。
【0049】
図4に示すように、凹部63内の転写ローラー61の回転方向の下流側の壁面61b1に近接して、転写材把持部としての転写材把持部材64および転写材把持部材64が着離座する把持部材受け部65が配設されている。転写材把持部材64は、2次転写ローラー61の軸方向に沿って配設され、任意の個数設けることができる。各転写材把持部材64は金属の薄い帯状板から同じ形状及び/又は同じ大きさに形成される。一例として、転写材把持部材64はクランク状に折り曲げられて形成される。転写材把持部材64の一端部は固定端部64aであり、また、転写材把持部材64の他端部は、把持部材受け部65に着離座する保持部64bである。この保持部64bは把持部材受け部65との間に転写材Sの先端部Saを挟圧して保持する。更に、転写材把持部材64は、固定端部64aと保持部64bとの間に形成された屈曲部64cを有する。
【0050】
2次転写ローラー61の周長は、この例の画像形成装置1に使用される転写材Sの種類のうち、転写材移動方向の長さが最大である転写材Sの転写材移動方向の長さより大きく設定されている。より詳細には、凹部63の2次転写ローラー回転方向幅を除く2次転写ローラー61の当接部61gの周長が、前述の転写材Sの転写材移動方向の最大長さより大きく設定されている。これにより、前述の転写材移動方向の最大長さを有する転写材Sにも、転写ベルト40のトナー像が確実に転写されるようになる。
【0051】
図2に示すように、2次転写ローラー61には、一体回転する各当接部材70,71が設けられている。当接部材70,71は、2次転写ローラー61と同心円の円弧状の外周面70a,71aを有している。当接部材70,71は、2次転写ローラー61の凹部63がベルト駆動ローラー41との押圧ニップの位置に対向するとき、ベルト駆動ローラー41に直接的または間接的に当接する。
【0052】
図2に示すように、把持部材受け部65は2次転写ローラー61の軸方向に沿って、転写材把持部材64に対応した個数配設されている。また、凹部63内には、剥離部材79が配設されている。図4に示すように、剥離部材79は、2次転写ローラー61の軸方向に沿って配設されている。剥離部材79は、任意の個数設けることができる。また、隣接する剥離部材79間に、把持部材受け部65が位置するように配設されている。各剥離部材79は金属の薄い帯状平板から同じ形状で同じ大きさに形成されている。図示しないが、各剥離部材79は連結部で一体に連結されて櫛歯状に形成されている。
【0053】
図4に示されるように、転写材把持部材64,把持部材受け部65,剥離部材79は、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61f内に位置するように凹部63内の転写ローラー61の回転方向の下流側の壁面61b1に近接して支持される。
【0054】
図5に示すように、解放位置に設定された転写材把持部材64は、転写ローラー61の回転により転写材Sの供給位置に接近する。この時、転写材把持部材64の保持部64bの先端は、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61fから突出する位置にある。
【0055】
ベルト駆動ローラー41の回転、転写ローラー61の回転及びゲートローラー101の回転は、転写ベルト40のトナー像が転写ニップ部で転写材Sの所定位置に転写されるように同期制御されている。このとき、転写ローラー61の周速(つまり、転写材把持部材64の移動速度)は、転写材Sの移動速度より小さく設定されている。転写材Sの先端が転写材把持部材64と把持部材受け部65との間に進入して転写材把持部材64の保持部64bと屈曲部64cの境界に当接する。すると、転写ローラー61の周速と転写材Sの移動速度との速度差により、転写材Sの先端が保持部64bと屈曲部64cの境界に当接して転写材把持部材64に対して位置決めされるとともに、転写材Sの先端部Saが撓む。転写材Sの先端部Saが速度差により撓むことにより、転写材Sに位置決めにバッファが設けられ安定した転写材の位置決めが可能となる。位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界に転写材Sの先端が当接するタイミングは、凹部63に転写ローラー61の回転方向の上流側の壁面61b2が転写ベルト40とのニップ部位置に到達し、さらに回転してニップ相当位置に凹部63を迎えた時とする。
【0056】
図6は、転写材Sの位置決めをより正確に実施するために位置検出手段を配設した図である。位置検出手段は、2次転写ローラー61の軸61aと一体に回転するフォトセンサカム66が配設される。フォトセンサカム66には、2次転写ローラー61の凹部63の位置に関連付けて切欠部66aが形成されている。フォトセンサカム66に対向して側板等に固定して位置検出手段であるフォトセンサ67を配設する。
【0057】
図7は、図6に示される位置検出手段による2次転写ローラー61に位置検出データにより、転写材Sを送出するゲートローラー101を駆動するモーターの回転を、画像形成装置の電子制御装置(制御部)が制御する状態を示す図である。
【0058】
図8は、図6に示される位置検出手段による2次転写ローラー61に位置検出データにより、露光ユニット11Yの書き込みのタイミングを、画像形成装置の電子制御装置(制御部)が制御する状態を示す図である。
【0059】
また、ゲートローラー101から位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界に当接するまでの搬送工程で、転写材Sが2次転写ローラー61のゴムシート61cが巻き付けられた当接部61gに接触すると、転写材Sの移動速度に乱れが生じ、ベルト駆動ローラー41の回転、転写ローラー61の回転及びゲートローラー101の回転を同期制御しても、転写材Sの位置決めに誤差が発生し、転写材Sの正確な位置に転写ベルト40上のトナー像を転写することができないという問題が発生する。
【0060】
その対策として、図5に示すようにゲートローラー101と転写ローラー61と転写ベルト40とのニップ部間に転写材搬送ガイド102を配設する。転写材搬送ガイド102の出口部と転写ローラー61と転写ベルト40とのニップ部間の距離をできる限り短縮する。なお、ゲートローラー101と転写ローラー61と転写ベルト40とのニップ部間の距離が短い場合、転写材搬送ガイド102を設けなくても良い。
【0061】
凹部63に支持される転写材把持部材64,把持部材受け部65、剥離部材79は、転写ローラー61の回転方向の下流側の凹部63の壁面61b1にできる限り近接して配置したい。そのため、転写材搬送ガイド102の出口部と把持部材の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界とを結ぶ直線上に当接部61gがオーバーラップする恐れが生じる。
【0062】
図9は、転写材搬送ガイド102の出口部と把持部材の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界とを結ぶ直線上に当接部61gと壁面61b1との境界部がオーバーラップするのを防止する一実施形態を示す図である。図9に示されるように当接部61gと壁面61b1との境界部に平面カット部61mを形成する。境界部に平面カット部61mを形成することにより、転写材搬送ガイド102の出口部と把持部材の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界とを結ぶ直線上に弾性部材61cが巻かれた当接部61が存在しないので、ゲートローラー101から位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界に当接するまでの搬送工程で転写材Sが弾性部材61cが巻かれた当接部61と接触することが防止され、転写材Sを正確に位置決めすることが可能となる。
【0063】
図10は、転写材搬送ガイド102の出口部と把持部材の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界とを結ぶ直線上に当接部61gと壁面61b1との境界部がオーバーラップするのを防止する他の実施形態を示す図である。図10に示されるように当接部61gと壁面61b1との境界部にR部61nを形成する。境界部にR部61nを形成することにより、転写材搬送ガイド102の出口部と把持部材の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界とを結ぶ直線上に弾性部材61cが巻かれた当接部61が存在しないので、ゲートローラー対101、101’から位置決め部である段部64cに当接するまでの搬送工程で転写材Sが弾性部材61cが巻かれた当接部61と接触することが防止され、転写材Sを正確に位置決めすることが可能となる。
【0064】
本実施形態では、ゲートローラー101の転写材送出速度:255mm/s、2次転写ローラー61の外周面の周速度:250mm/s(2次転写ローラーの外周までの半径95.5mm)。
したがって、角速度ω=250/95.5=2.62〔rad/s〕で回転している。
【0065】
図11は、転写材把持部材64の周速度の定義を説明する図である。転写材把持部材64は、転写材Sの把持を行う際の開閉によって径方向に移動する。その分、2次転写ローラー61が角速度一定条件で回転している場合、転写材把持部材64の先端部の周速度は変化する。本実施形態では、転写材Sを把持した状態の転写材把持部材64先端部の2次転写ローラー61の回転中心からの距離rA=85mm、転写材把持部材64が径方向に最大に移動した状態の転写材把持部材64先端部の2次転写ローラー61の回転中心からの距離rB=97mmとなっている。したがって、転写材把持部材64先端部がAの位置における周速度=223mm/s、転写材把持部材64先端部がBの位置における周速度=251mm/sとなり、いずれの場合(特に転写材把持部材64が周の外側に移動した場合)もゲートローラー101による転写材送出速度:255mm/sよりも小さい状態になる。
【0066】
転写材把持部材64の移動速度は、先ず、2次転写ローラー61の軸61aにロータリーエンコーダ等の回転検出手段を設け、角速度ωを測定する。次に、2次転写ローラー61の回転中心から転写材把持部材64の先端部までの距離rを測定し、転写材把持部材64の移動速度V=r×ωとして計算する。
【0067】
図12は、ゲートローラー101による転写材送出速度の測定方法を示す図である。先ず、主走査方向(=幅方向)に等ピッチ(例えば100um)で細線が印刷されている転写材を用意し、転写ニップを通過させる際の細線の時間間隔を反射型センサ等の光学的計測手段を用いて計測し、転写次の転写材送出速度を検出する。例えば、反射型センサのピッチにおける検出時間が、0.0004sec(0.4μsec)であった場合、転写材の送出速度は、(100×10−3)/0.0004=250.0mm/sとなる。
【0068】
2次転写部60でのトナー像の転写材Sへの転写について、図13〜図16により説明する。
【0069】
ベルト駆動ローラー41の回転により転写ベルト40が回転開始すると、転写ローラー61も回転する。このときには、図13に示すように、転写材把持部材64の保持部64bは把持部材受け部65に着座している。また、剥離部材79は退避位置に設定されている。この状態では、転写材把持部材64、把持部材受け部65および剥離部材79は、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61f内、基材61bのゴムシート61cが巻かれていない状態の仮想円周61f’内に位置する。
【0070】
転写ベルト40に担持されたトナー像が2次転写部60に接近するにつれて、各転写材把持部材64は把持部材受け部65から離座開始する。
【0071】
図14に示すように、解放位置に設定された転写材把持部材64は、転写ローラー61の回転により転写材Sの供給位置に接近する。この時、転写材把持部材64の保持部64bの先端は、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61fから突出する位置にあるが、転写ベルト40との当接位置に達していないため、保持部64bが転写ベルト40と接触することはない。一方、転写材Sが転写ローラー61の方へ供給されるとともに、転写ベルト40に担持されたトナー像が2次転写部60の方へ接近してくる。ベルト駆動ローラー41の回転、転写ローラー61の回転及びゲートローラー101の回転は、転写ベルト40のトナー像が転写ニップ部で転写材Sの所定位置に転写されるように同期制御されている。このとき、転写ローラー61の周速(つまり、転写材把持部材64の移動速度)は、転写材Sの移動速度より小さく設定されている。
【0072】
転写材Sの先端が転写材把持部材64と把持部材受け部65との間に進入して転写材把持部材64の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界に当接する。すると、転写ローラー61の周速と転写材Sの移動速度との速度差により、転写材Sの先端が保持部64bと屈曲部64cの境界に当接して転写材把持部材64に対して位置決めされるとともに、転写材Sの先端部Saが撓む。位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界に転写材Sの先端が当接するタイミングは、凹部63に転写ローラー61の回転方向の上流側の壁面61b2が転写ベルト40とのニップ部位置に到達し、さらに回転してニップ相当位置に凹部63を迎えた時とする。また、ゲートローラー101、から位置決め部への当接まで転写材Sはゴムシート61cが巻かれた当接部と接触することがないので、転写材Sの速度変動がなく正確に位置決めすることが可能となる。
【0073】
続いて、転写材Sの一部は転写ローラー61の外周面に当接するとともにこの外周面に沿って湾曲する。各転写材把持部材64は把持部材受け部65に接近開始する。そして、図15に示すように、各転写材把持部材64は転写材Sの先端部Saを把持部材受け部65に押圧して保持した状態となる。この状態では、保持部64bは、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61f内、基材61bのゴムシート61cが巻かれていない状態の仮想円周61f’内に位置するので、保持部64bが転写ベルト40と接触することはない。こうして、転写材Sが転写ローラー61に対して位置決めされるとともに、転写ローラー61の回転とともに確実に転写ニップの方へ移動する。このとき、剥離部材79は退避位置に保持される。
【0074】
転写ベルト40のトナー像は転写ニップで転写材Sに転写される。転写材把持部材64の保持部64a及び転写材Sの先端部Saが転写ニップを通過すると、図16に示すように、転写材把持部材64が把持部材受け部65から離れる方向に移動開始し、転写材Sの先端部Saが解放される。次いで、転写ローラー61の更なる回転で、剥離部材79が突き出し位置に設定される。この状態で、転写材把持部材64及び剥離部材79の先端は、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61fから突出する位置にあるが、転写ベルト40との当接位置を通過後であるため、転写材把持部材64及び剥離部材79の先端が転写ベルト40に接触することはない。
【0075】
一方、転写材把持部材64による保持から解放された転写材Sの先端部Saは、後述する送風装置400からのエアー吹き付けにより転写ローラー61側に軽く押し付けられるとともに、剥離部材79により転写ローラー61の当設部61gから離れる方向に押し付けられる。こうして、転写材Sの先端部Saは転写材搬送手段の方へ誘導される。ベルト駆動ローラー41と転写ローラー61のニップ部で挟圧されている転写材Sは、ベルト駆動ローラー41および転写ローラー61の更なる回転で転写材搬送手段に移動する。すなわち、転写ベルト40のトナー像が転写材Sに2次転写されながら、転写材Sの転写終了部分の剥離が行われる(転写剥離工程)。なお、弾性復元力が小さく腰の弱い転写材Sの場合には、送風装置400のエアー吹き付けを省略することもできる。
【0076】
図13〜図16に示される転写材Sへの2次転写工程で、転写材把持部材64、把持部材受け部65および剥離部材79は、転写ベルト40と接触することが無いように凹部63に支持される。2次転写工程で転写材把持部材64、把持部材受け部65および剥離部材79が転写ベルト40と接触することがないため、転写ベルト40との接触による転写ベルト40の損傷の発生を防止し、2次転写ローラー61の回転乱れや圧接力の変動を防止しバンディングの発生を防止しすることが可能となる。また、ゲートローラー対101、101’から位置決め部64cへの当接まで転写材Sはゴムシート61cが巻かれた当接部と接触することがないので、転写材Sの供給速度が乱れることがなく正確に位置決めすることが可能となる。また、転写材把持部材64の位置を検出する位置検出センサを2次転写ローラー61に配置し、位置検出センサの信号に基づき画像形成のタイミングやゲートローラー対101からの転写材Sの送出のタイミングを制御することにより、より正確な転写材Sの位置決めが可能となる。
【0077】
転写材Sは、次に定着ユニット90まで搬送されるが、この搬送を行うための搬送手段について次に説明する。図17は本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる転写材搬送手段を示す図である。図12において、210は第1吸引装置、211は筐体部、212は吸引面、215は気流発生部、230は転写材搬送装置、231は筐体部、232は吸引面、233は隔壁部材、235は気流発生部、250は転写材搬送部材、251は転写材搬送部材駆動ローラー、252、253は転写材搬送部材張架ローラー、270は第2吸引装置、271は筐体部、272は吸引面、275は気流発生部、400は送風装置、401は筐体部、402は開口部、405は気流発生部をそれぞれ示している。
【0078】
2次転写ローラー61と第1ガイド部である第1吸引装置210の転写材Sを保持する吸引面212の先端部との間隔は、剥離部材79により剥離された転写材Sが2次転写ローラー61に巻き付くのを防止するためにできる限り狭くしたい。しかし、2次転写ローラー61の凹溝605に支持された転写材把持部材64および剥離部材79は、転写材Sの開放、剥離の動作時に、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61fから突出する位置にある。そのため、2次転写ローラー61と第1吸引装置210の吸引面212の先端部との間に、転写材把持部611および転写材剥離部材640との干渉を防止する間隔が必要になる。
【0079】
図18(a)(b)は、2次転写ローラー61と第1吸引装置210の吸引面212の先端部と間隔をできる限り狭くしつつ、転写材把持部材64および剥離部材79との干渉を防止する第1吸引装置210の実施形態を示す図である。
【0080】
図18(a)に示すように、第1吸引装置210の吸引面212の2次転写ローラー61側の先端には、2次転写ローラー61の転写材把持部材64および剥離部材79の配置に応じた位置に、把持部材回避通路212aおよび剥離部材回避通路212bが櫛歯状に形成される。吸引面212の先端に把持部材回避通路212aおよび剥離部材回避通路212bが櫛歯状に形成することにより、2次転写ローラー61と吸引面212の先端との間の間隔を狭めることができ、転写材剥離部材640で剥離された転写材Sの2次転写ローラー61への巻き付きを防止することが可能となる。
【0081】
櫛歯状に形成された把持部材回避通路212aおよび剥離部材回避通路212bにもエアーダクト212cが形成される。第1ガイド部である第1吸引装置210の気流発生装置215の吸引力はエアーダクト212cを通して櫛歯状に形成された把持部材回避通路212aおよび剥離部材回避通路212bにも作用する。その結果、2次転写ニップを通過し、転写材把持部材64から解放され剥離部材79により剥離された転写材Sは、2次転写ローラー61に巻き付くことなく、重力に抗して吸引面212に保持されて搬送される。
【0082】
第1吸引装置210は、シロッコファンなどの気流発生部215が取り付けられた筐体部211を有しており、この気流発生部215によって、筐体部211内の空間R1から筐体部211外に排気を行うことができるようになっている。筐体部211の下面側は複数の通気孔が一面に設けられた吸引面212となっている。第1吸引装置210は、気流発生部215を動作させて、筐体部211外にaで示すような排気を行うこと、Aに示すような吸引力を発生させる。この吸引力によって、トナー像が転写された転写材Sは重力に抗して吸引面212に保持される。この吸引力は、転写材Sが吸引面212に保持される程度のものであるが、2次転写ニップから転写材Sが押し出される力に抗して、転写材Sの進行を妨げる程度のものではない。
【0083】
転写材搬送装置230は、シロッコファンなどの気流発生部235が取り付けられた筐体部231と、その筐体部231周囲に配された転写材搬送部材250などから概略構成されている。転写材搬送装置230では、気流発生部235によって、筐体部231内の空間R2から筐体部231外に排気を行うことができるようになっている。
【0084】
筐体部231の下面側は複数の通気孔が一面に設けられた吸引面232となっており、この気流発生部235の排気動作bに伴い、吸引面232ではBに示すような吸引力が発生する。このとき、筐体部231内にもうけられた隔壁部材233の作用によって、筐体部231内の空間R2から比較的均等に排気が行われようになり、吸引面232における吸引力も場所によって偏りが生じることがないようにしている。
【0085】
筐体部231の周囲に配された転写材搬送部材250は、一の主面から他の主面に貫通する通気孔(不図示)が複数設けられたエンドレスベルトであり、転写材搬送部材250に駆動力を付与する転写材搬送部材駆動ローラー251と、転写材搬送部材張架ローラー252、253に張架されている。転写材搬送部材250は、転写材搬送部材駆動ローラー251が回転することによって、図示矢印の方向に移動するが、この移動速度は略画像形成プロセスの速さと同程度とされる。転写材搬送部材250の軸方向の長さ(転写材搬送部材250の幅)は、画像形成装置が扱い得る最大の幅を有する転写材の幅よりも長く構成されている。
【0086】
筐体部231の吸引面232における吸引力は、転写材搬送部材250の通気孔からも作用することで、トナー像が転写された転写材Sは重力に抗して転写材搬送部材250の搬送面Pに保持されると共に、転写材搬送部材駆動ローラー251の駆動力による転写材搬送部材250の移動に伴い搬送面P上で搬送されることとなる。転写材搬送部材250の転写材搬送部材張架ローラー252から転写材搬送部材駆動ローラー251までの間の領域が転写材Sを搬送する搬送面Pとして利用される。
【0087】
第2吸引装置270は、シロッコファンなどの気流発生部275が取り付けられた筐体部271を有しており、この気流発生部275によって、筐体部271内の空間R3から筐体部271外に排気を行う。筐体部271の下面側は複数の通気孔が一面に設けられた吸引面272となっており、第2吸引装置270の気流発生部275の排気動作cによって、Cに示すような吸引力を発生させることができる。この吸引力によって、トナー像が転写された転写材Sは重力に抗して吸引面272に保持される。この吸引力は、転写材Sが吸引面272に保持される程度のものであるが、転写材Sの搬送に伴う力に抗して、転写材Sの搬送が妨げる程度に大きいものではない。
【0088】
第1吸引装置210、転写材搬送装置230、第2吸引装置270などからなる本実施形態に係る転写材搬送手段は、転写材のトナー像が転写されている面を鉛直下方として転写材を搬送するものである。
【0089】
送風装置400は、2次転写ニップの出口付近の転写ベルト40と2次転写ローラー61との間の空間にエアーを吐出するためのものであり、シロッコファンなどの気流発生部405によって筐体部401内の空間R4にエアーが送り込まれるようになっている。この筐体部401には、ローラー類の軸方向にわたる開口部402が設けられており、気流発生部405の気流発生動作dに伴い筐体部401内に送り込まれたエアーは、この開口部402からDに示すように吐出される。このときのエアーの吐出力は、トナー像が転写された転写材Sが重力に抗して垂れ下がらない程度で、かつ、転写材Sがエアーの勢いでばたつくことがない程度に調整される。
【符号の説明】
【0090】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13M、13C、13K・・・第1感光体スクイーズローラー、13Y’、13M’、13C’、13K’・・・第2感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’、14M、14M’、14C、14C’、14K、14K’、・・・感光体スクイーズローラークリーニングブレード、16Y、16M、16C、16K・・・感光体クリーニングローラー、18Y、18M、18C、18K・・・感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y、21M、21C、21K・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y、22M、22C、22K・・・コンパクションコロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、33Y、33M、33C、33K・・・規制ブレード、34Y、34M、34C、34K・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写ベルト、41・・・ベルト駆動ローラー、42・・・テンションローラー、45・・・現像剤回収部、46・・・転写ベルトクリーニングローラー、47・・転写ベルトクリーニングローラークリーニングブレード、49・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・1次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・1次転写バックアップローラー、52、53・・・テンションローラー、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、74・・・(クリーニング)ブレード把持部材、85・・・2次転写ユニット回収貯留部、90・・・定着ユニット、91・・・加熱ローラー、92・・・加圧ローラー、101、101’・・・ゲートローラー、102・・・転写材搬送ガイド、210・・・第1吸引装置、211・・・筐体部、212・・・吸引面、215・・・気流発生部、230・・・転写材搬送装置、231・・・筐体部、232・・・吸引面、233・・・隔壁部材、235・・・気流発生部、250・・・転写材搬送部材、251・・・転写材搬送部材駆動ローラー、252、253・・・転写材搬送部材張架ローラー、270・・・第2吸引装置、271・・・筐体部、272・・・吸引面、275・・・気流発生部、400・・・送風装置、401・・・筐体部、402・・・開口部、405・・・気流発生部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の転写装置および画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
像担持体の潜像を現像装置で現像して顕像化し、像担持体上のトナー像を直接紙等の転写材に転写する転写装置を備えた画像形成装置が提案されている。また、像担持体の潜像を現像装置で現像して顕像化し、像担持体上のトナー像を複数のローラーに張架したベルトまたはドラムからなる中間転写媒体に転写し、中間転写媒体のトナー像を転写材に転写する転写装置を備えた画像形成装置が提案されている。
【0003】
特開平3−4241号公報には、像担持体としての感光体上の潜像を現像装置により現像してトナー像とし、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写ドラムを備えた画像装置が開示されている。この転写ドラムは、転写材把持用のグリッパと、転写材を転写ドラムに静電吸着する吸着用帯電器と、感光体上のトナー像を転写材に転写するための転写用帯電器と、トナー像が転写された転写材を転写ドラムから剥離するための剥離用帯電器を備えている。
【0004】
特表2000−508280号公報には、感光体上の潜像を液体現像剤で現像してトナー像を形成し、感光体上のトナー像を中間転写媒体としての中間転写ドラムに転写し、中間転写ドラムのトナー像を転写材に転写する転写ドラムを備えた画像形成装置が開示されている。中間転写ドラム上のトナー像は、加熱、加圧により転写材に転写される。また、転写ドラムは、転写材を把持するグリッパを備えている。また、転写ドラムの外部に転写材を転写ドラムから剥離する剥離部材を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−4241号公報
【特許文献2】特表2000−508280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1で開示された画像形成装置は、転写ドラム内に転写材吸着用帯電器、転写用帯電器、剥離用帯電器というように複数の帯電器を配置する必要があり、装置として複雑な構成となり、転写材の位置決めの制御も困難である。また、特許文献2に開示された画像形成装置は、転写材へのトナー像の転写が加熱、加圧による熱転写であるため、トナー像が転写された転写材と転写ドラムとの接着性が強くなり、転写材の転写ドラムからの剥離が困難になり、さらに、転写材の位置決めも困難である。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、転写材の位置決めを正確に実施でき、像担持体上の像の転写材への転写性を向上させる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、前記課題を解決するために、像を担持する像担持体と、周方向に移動して転写材を把持する転写材把持部材を有し、前記像担持体と当接して転写ニップ部を形成する転写ローラーと、前記転写ニップ部に前記転写材を送出する転写材送出部と、を有し、前記転写材送出部の転写材送出速度を、前記転写材把持部材が前記転写ローラーの回転中心から前記転写ローラーの周方向に移動したときの前記転写材把持部材の移動速度より速くしたことを特徴とする。転写材の先端部が転写材把持部材の転写材位置決め部に当接し速度差によりその先端が撓むことにより、バッファが設けられ安定した転写材の位置決めが可能となる。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、前記転写材把持部材の前記転写ローラーの周方向の移動位置を検出する位置検出部を備えた。より精度の高い転写材の位置決めが可能になる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、前記位置検出部で検出された前記転写材把持部材の移動位置情報に基づいて、前記転写材送出部からの前記転写部材の送出タイミングを制御する制御部を備えた。転写材送出速度と転写材把持部材の移動速度との同期がより高精度とすることが可能となる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、前記転写ローラーは、前記転写材把持部材を配設する凹部、及び前記転写材を当接して前記転写材を支持する弾性の転写材支持部を有する。転写材把持部材を転写中に像担持体と当接しない位置に支持することが可能となる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、前記凹部が前記転写ニップ部に位置した時に、前記転写材把持部材で前記転写材を把持する。凹部が像担持体と対向する位置で転写材を把持することにより、像担持体との当接による速度変動の影響を受けることがなく安定した転写材の把持を行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、前記転写材送出部で送出された前記転写材を前記転写ニップ部へガイドする転写材搬送ガイドを備えた。転写材の搬送をより安定に行うことが可能となる。
【0014】
また、本発明の画像形成方法は、像を像担持体に担持する工程と、前記像担持体と転写ローラーとが当接して形成された転写ニップ部に転写材を送出する工程と、送出された前記転写材を前記転写材の送出速度よりも遅い速度で移動する転写材把持部材で前記転写材を把持する工程と、前記転写材把持部材で把持された転写材を前記転写ニップ部に通過させて、前記転写材に前記像担持体に担持された前記像を転写する工程と、を有することを特徴とする。転写材の正確な位置に像を転写することが可能となる。
【0015】
また、本発明の画像形成方法は、前記転写材を送出するタイミングを、前記転写材把持部材の前記転写ローラー周方向移動位置を検出する検出部の検出結果に基づいて決定する。転写材の正確な位置に像を転写することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラーの斜視図である。
【図3】2次転写ローラーの断面図である。
【図4】2次転写ローラーの一部断面図である。
【図5】2次転写ローラーの一部断面図である。
【図6】2次転写ローラーに位置検出手段を配設した図である。
【図7】位置検出データにより、転写材送出速度を制御する状態を示す図である。
【図8】位置検出データにより、露光ユニットの書き込みのタイミングを制御する状態を示す図である。
【図9】2次転写ローラーの一部断面図である。
【図10】2次転写ローラーの一部断面図である。
【図11】転写材把持部材の周速度を定義する図である。
【図12】転写材送出速度の測定方法を示す図である。
【図13】転写材把持部材および剥離部材の動作を示す図である。
【図14】転写材把持部材および剥離部材の動作を示す図である。
【図15】転写材把持部材および剥離部材の動作を示す図である。
【図16】転写材把持部材および剥離部材の動作を示す図である。
【図17】転写材搬送手段を示す図である。
【図18】ガイド部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下方部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60、定着ユニット90などの構成は画像形成装置の上方部に配置されている。特に、定着ユニット90が、転写ベルト40上方にレイアウトされることにより、画像形成装置全体としての設置面積を抑制することが可能となっている。本実施形態においては、2次転写ユニット60で2次転写を経た用紙などの転写材は、転写材搬送装置230や吸引装置210、270などによって吸引されつつ、定着ユニット90へと搬送される構成となっているためにこのようなレイアウトを実現することができる。
【0018】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、トナーによる画像を形成するために、感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、LEDアレイなどの露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kにより、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、露光ユニット12Y、12M、12C、12Kにより、入力された画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0019】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0020】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラー42に張架され、1次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。1次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで1次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0021】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写する。
【0022】
さらに、転写材搬送経路Lの下流には、第1吸引装置210、転写材搬送装置230、第2吸引装置270が順次配列されており、転写材を定着ユニット90に搬送するようになっており、定着ユニット90では、用紙等の転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
【0023】
テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41などと共に転写ベルト40を張架しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベルトクリーニングブレード49からなるクリーニング装置が当接・配置され、転写ベルト40上の残りトナー、キャリアをクリーニングするようになっている。なお、転写ベルト40を駆動するための駆動力はテンションローラー42に持たせ、ベルト駆動ローラー41を単なるベルト張架ローラーとして用いるようにすることもできる。
【0024】
画像形成装置に対する転写材の供給は給紙装置(不図示)によって行われる。このような給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101及び転写材搬送ガイド102によって転写材を2次転写位置まで搬送し、転写ベルト40上に形成された単色のトナー現像像やフルカラーのトナー現像像を転写材に転写する。2次転写された転写材は、上記のように、転写材搬送装置230を中心とした転写材搬送手段によって、さらに定着ユニット90に搬送される。定着ユニット90は、加熱ローラー91と、この加熱ローラー91側に所定の圧力で付勢された加圧ローラー92とから構成されており、これらのニップ間に転写材を挿通させ、転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着し定着させる。
【0025】
ここで、現像装置について説明するが、各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0026】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングローラー16Y、感光体クリーニングブレード18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。
【0027】
感光体クリーニングローラー16Yは、感光体10Yに当接しつつ反時計回りに回転することによって、感光体10Y上の転写残り液体現像剤や未転写液体現像剤をクリーニングする。感光体クリーニングローラー16Yには、液体現像剤中のトナー粒子を誘引するようなバイアス電圧が印加され、感光体クリーニングローラー16Yの回収物は、トナー粒子が多く含まれる固形分リッチな液体現像剤となる。
【0028】
感光体クリーニングローラー16Yの下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上のキャリア成分リッチな液体現像剤をクリーニングする。
【0029】
現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、アニロックスローラー32Y、コンパクションコロナ発生器22Yが配置されている。アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。液体現像剤容器31Yの中にはオーガ34Yが収容されている。また、感光体10Yと対向する位置には、転写ベルト40を挟むようにして、1次転写部の1次転写ローラー51Yが配置されている。
【0030】
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、時計回りの方向に回転する。
【0031】
コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0032】
現像装置30Yは、コンパクション作用を施すコンパクションコロナ発生器22Y、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Yを有する。
【0033】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤を現像ローラー20Yに塗布するための塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするコンパクションコロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。
【0034】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0035】
アニロックスローラー32Yは、現像ローラー20Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図1に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックローラー32Yは反時計回りに回転して、現像ローラー20Yに液体現像剤を塗布する。
【0036】
規制ブレード33Yは、表面に弾性体を被覆して構成した弾性ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部などで構成される。そして、アニロックスローラー32Yによって担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制、調整し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0037】
現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。
【0038】
コンパクションコロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、コンパクションコロナ発生器22Yによって、コンパクション部位でコンパクションコロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。なお、このコンパクションのための電界印加手段は、図1に示すコロナ放電器のコロナ放電に代えて、コンパクションローラーなどを用いても良い。
【0039】
現像ローラー20Yに担持されてコンパクションされた現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所定の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応して現像される。
【0040】
現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収部に滴下して再利用される。尚、このようにして再利用されるキャリア及びトナーは混色状態ではない。
【0041】
1次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰キャリアを回収するものである。この感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’とから構成され、感光体10Y上に現像されたトナー像から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像(トナー像)内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。なお、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、所定のバイアス電圧が印加されている。
【0042】
上記の第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’からなるスクイーズ装置を経た感光体10Y表面は、1次転写部50Yに進入する。1次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を1次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。この1次転写部においては、1次転写バックアップローラー51に印加される転写バイアスの作用によって、感光体10上のトナー像は転写ベルト40側に転写される。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0043】
上記現像装置30Yの現像プロセスと同様のプロセスによって、現像装置30M、30C、30Kにおいても、それぞれの感光体10M、10C、10K上にマゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像が各々形成される。そして、転写ベルト40はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)各色の1次転写部50のニップを通過し、各色の感光体上の現像剤(現像像)が転写され、色重ねされて2次転写ユニット60のニップ部に進入する。
【0044】
2次転写ユニット60を経た転写ベルト40は、再び1次転写部50で転写像を受けるために周回するが、1次転写部50が実行される上流側において転写ベルト40は、転写ベルトクリーニングブレード45によってクリーニングが実施される。
【0045】
転写ベルト40は、ポリイミド基層上にポリウレタンの弾性中間層を設け、さらにその上にPFA表層が設けられている三層構造となっている。このような転写ベルト40では、ポリイミド基層側においてベルト駆動ローラー41、テンションローラー42で張架され、PFA表層側においてトナー像が転写されるようにして用いられる。このように形成された弾性を有する転写ベルト40は、転写材表面への追従性、応答性がよいために、2次転写時において、特に粒子径が小さいトナー粒子を転写材の凹部に対して送り込み転写させるのに有効である。
【0046】
次に本実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラー61についてより詳細に説明する。図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラーの斜視図であり、図3は断面図であり、図4は一部断面図である。
【0047】
2次転写ローラー61は転写材把持部材64、把持部材受け部65および剥離部材79の支持部としての凹部63を有している。図2に示すように、この凹部63は、2次転写ローラー61の軸方向に延設されている。また、2次転写ローラー61は、導電性の基材61bの転写ベルト40との当接部61gである円弧部の外周面に巻きかけられた弾性部材としてのゴムシート61cを有している。このゴムシート61cにより2次転写ローラー61の円弧部の当接部61gに抵抗層が形成されている。ゴムシート61cは、基材層、弾性層及び表層の三層構造を有する。基材層は、厚さ約80〜90μmであり、例えば、ポリイミド樹脂を用いて形成されている。弾性層は、厚さ約0.5〜5mmであり、例えば、ウレタンゴムを用いて形成されている。また、表層は、厚さ約5〜25μmであり、例えば、フッ素ゴムを用いて形成されている。ゴムシート61cの体積抵抗率1×106〜1×1011Ωとする。
【0048】
図3に示されるように、このゴムシート61cは、両端部61d、61eが基材61bに形成された凹部内の壁面61b1,61b2に固定され、他の部分は巻きかけられているだけで、基材61に接着や固定されていない。例えば、ゴムシート61cの両端部61d、61e上にプレート61h、61jを回転軸61aの方向に延設し、ビス61kやネジ等で基材61bに留めるとよい。また、プレート61h,61jには、それぞれ凸部61h1,61j1が形成され、該凸部61h1,61j1がゴムシート61cにめり込むことにより、プレート61h,61jは、強固に固定される。なお、ゴムシート61cの両端部61d,61eの凹部63への固定は、これに限らず、他の方法を用いてもよい。
【0049】
図4に示すように、凹部63内の転写ローラー61の回転方向の下流側の壁面61b1に近接して、転写材把持部としての転写材把持部材64および転写材把持部材64が着離座する把持部材受け部65が配設されている。転写材把持部材64は、2次転写ローラー61の軸方向に沿って配設され、任意の個数設けることができる。各転写材把持部材64は金属の薄い帯状板から同じ形状及び/又は同じ大きさに形成される。一例として、転写材把持部材64はクランク状に折り曲げられて形成される。転写材把持部材64の一端部は固定端部64aであり、また、転写材把持部材64の他端部は、把持部材受け部65に着離座する保持部64bである。この保持部64bは把持部材受け部65との間に転写材Sの先端部Saを挟圧して保持する。更に、転写材把持部材64は、固定端部64aと保持部64bとの間に形成された屈曲部64cを有する。
【0050】
2次転写ローラー61の周長は、この例の画像形成装置1に使用される転写材Sの種類のうち、転写材移動方向の長さが最大である転写材Sの転写材移動方向の長さより大きく設定されている。より詳細には、凹部63の2次転写ローラー回転方向幅を除く2次転写ローラー61の当接部61gの周長が、前述の転写材Sの転写材移動方向の最大長さより大きく設定されている。これにより、前述の転写材移動方向の最大長さを有する転写材Sにも、転写ベルト40のトナー像が確実に転写されるようになる。
【0051】
図2に示すように、2次転写ローラー61には、一体回転する各当接部材70,71が設けられている。当接部材70,71は、2次転写ローラー61と同心円の円弧状の外周面70a,71aを有している。当接部材70,71は、2次転写ローラー61の凹部63がベルト駆動ローラー41との押圧ニップの位置に対向するとき、ベルト駆動ローラー41に直接的または間接的に当接する。
【0052】
図2に示すように、把持部材受け部65は2次転写ローラー61の軸方向に沿って、転写材把持部材64に対応した個数配設されている。また、凹部63内には、剥離部材79が配設されている。図4に示すように、剥離部材79は、2次転写ローラー61の軸方向に沿って配設されている。剥離部材79は、任意の個数設けることができる。また、隣接する剥離部材79間に、把持部材受け部65が位置するように配設されている。各剥離部材79は金属の薄い帯状平板から同じ形状で同じ大きさに形成されている。図示しないが、各剥離部材79は連結部で一体に連結されて櫛歯状に形成されている。
【0053】
図4に示されるように、転写材把持部材64,把持部材受け部65,剥離部材79は、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61f内に位置するように凹部63内の転写ローラー61の回転方向の下流側の壁面61b1に近接して支持される。
【0054】
図5に示すように、解放位置に設定された転写材把持部材64は、転写ローラー61の回転により転写材Sの供給位置に接近する。この時、転写材把持部材64の保持部64bの先端は、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61fから突出する位置にある。
【0055】
ベルト駆動ローラー41の回転、転写ローラー61の回転及びゲートローラー101の回転は、転写ベルト40のトナー像が転写ニップ部で転写材Sの所定位置に転写されるように同期制御されている。このとき、転写ローラー61の周速(つまり、転写材把持部材64の移動速度)は、転写材Sの移動速度より小さく設定されている。転写材Sの先端が転写材把持部材64と把持部材受け部65との間に進入して転写材把持部材64の保持部64bと屈曲部64cの境界に当接する。すると、転写ローラー61の周速と転写材Sの移動速度との速度差により、転写材Sの先端が保持部64bと屈曲部64cの境界に当接して転写材把持部材64に対して位置決めされるとともに、転写材Sの先端部Saが撓む。転写材Sの先端部Saが速度差により撓むことにより、転写材Sに位置決めにバッファが設けられ安定した転写材の位置決めが可能となる。位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界に転写材Sの先端が当接するタイミングは、凹部63に転写ローラー61の回転方向の上流側の壁面61b2が転写ベルト40とのニップ部位置に到達し、さらに回転してニップ相当位置に凹部63を迎えた時とする。
【0056】
図6は、転写材Sの位置決めをより正確に実施するために位置検出手段を配設した図である。位置検出手段は、2次転写ローラー61の軸61aと一体に回転するフォトセンサカム66が配設される。フォトセンサカム66には、2次転写ローラー61の凹部63の位置に関連付けて切欠部66aが形成されている。フォトセンサカム66に対向して側板等に固定して位置検出手段であるフォトセンサ67を配設する。
【0057】
図7は、図6に示される位置検出手段による2次転写ローラー61に位置検出データにより、転写材Sを送出するゲートローラー101を駆動するモーターの回転を、画像形成装置の電子制御装置(制御部)が制御する状態を示す図である。
【0058】
図8は、図6に示される位置検出手段による2次転写ローラー61に位置検出データにより、露光ユニット11Yの書き込みのタイミングを、画像形成装置の電子制御装置(制御部)が制御する状態を示す図である。
【0059】
また、ゲートローラー101から位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界に当接するまでの搬送工程で、転写材Sが2次転写ローラー61のゴムシート61cが巻き付けられた当接部61gに接触すると、転写材Sの移動速度に乱れが生じ、ベルト駆動ローラー41の回転、転写ローラー61の回転及びゲートローラー101の回転を同期制御しても、転写材Sの位置決めに誤差が発生し、転写材Sの正確な位置に転写ベルト40上のトナー像を転写することができないという問題が発生する。
【0060】
その対策として、図5に示すようにゲートローラー101と転写ローラー61と転写ベルト40とのニップ部間に転写材搬送ガイド102を配設する。転写材搬送ガイド102の出口部と転写ローラー61と転写ベルト40とのニップ部間の距離をできる限り短縮する。なお、ゲートローラー101と転写ローラー61と転写ベルト40とのニップ部間の距離が短い場合、転写材搬送ガイド102を設けなくても良い。
【0061】
凹部63に支持される転写材把持部材64,把持部材受け部65、剥離部材79は、転写ローラー61の回転方向の下流側の凹部63の壁面61b1にできる限り近接して配置したい。そのため、転写材搬送ガイド102の出口部と把持部材の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界とを結ぶ直線上に当接部61gがオーバーラップする恐れが生じる。
【0062】
図9は、転写材搬送ガイド102の出口部と把持部材の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界とを結ぶ直線上に当接部61gと壁面61b1との境界部がオーバーラップするのを防止する一実施形態を示す図である。図9に示されるように当接部61gと壁面61b1との境界部に平面カット部61mを形成する。境界部に平面カット部61mを形成することにより、転写材搬送ガイド102の出口部と把持部材の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界とを結ぶ直線上に弾性部材61cが巻かれた当接部61が存在しないので、ゲートローラー101から位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界に当接するまでの搬送工程で転写材Sが弾性部材61cが巻かれた当接部61と接触することが防止され、転写材Sを正確に位置決めすることが可能となる。
【0063】
図10は、転写材搬送ガイド102の出口部と把持部材の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界とを結ぶ直線上に当接部61gと壁面61b1との境界部がオーバーラップするのを防止する他の実施形態を示す図である。図10に示されるように当接部61gと壁面61b1との境界部にR部61nを形成する。境界部にR部61nを形成することにより、転写材搬送ガイド102の出口部と把持部材の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界とを結ぶ直線上に弾性部材61cが巻かれた当接部61が存在しないので、ゲートローラー対101、101’から位置決め部である段部64cに当接するまでの搬送工程で転写材Sが弾性部材61cが巻かれた当接部61と接触することが防止され、転写材Sを正確に位置決めすることが可能となる。
【0064】
本実施形態では、ゲートローラー101の転写材送出速度:255mm/s、2次転写ローラー61の外周面の周速度:250mm/s(2次転写ローラーの外周までの半径95.5mm)。
したがって、角速度ω=250/95.5=2.62〔rad/s〕で回転している。
【0065】
図11は、転写材把持部材64の周速度の定義を説明する図である。転写材把持部材64は、転写材Sの把持を行う際の開閉によって径方向に移動する。その分、2次転写ローラー61が角速度一定条件で回転している場合、転写材把持部材64の先端部の周速度は変化する。本実施形態では、転写材Sを把持した状態の転写材把持部材64先端部の2次転写ローラー61の回転中心からの距離rA=85mm、転写材把持部材64が径方向に最大に移動した状態の転写材把持部材64先端部の2次転写ローラー61の回転中心からの距離rB=97mmとなっている。したがって、転写材把持部材64先端部がAの位置における周速度=223mm/s、転写材把持部材64先端部がBの位置における周速度=251mm/sとなり、いずれの場合(特に転写材把持部材64が周の外側に移動した場合)もゲートローラー101による転写材送出速度:255mm/sよりも小さい状態になる。
【0066】
転写材把持部材64の移動速度は、先ず、2次転写ローラー61の軸61aにロータリーエンコーダ等の回転検出手段を設け、角速度ωを測定する。次に、2次転写ローラー61の回転中心から転写材把持部材64の先端部までの距離rを測定し、転写材把持部材64の移動速度V=r×ωとして計算する。
【0067】
図12は、ゲートローラー101による転写材送出速度の測定方法を示す図である。先ず、主走査方向(=幅方向)に等ピッチ(例えば100um)で細線が印刷されている転写材を用意し、転写ニップを通過させる際の細線の時間間隔を反射型センサ等の光学的計測手段を用いて計測し、転写次の転写材送出速度を検出する。例えば、反射型センサのピッチにおける検出時間が、0.0004sec(0.4μsec)であった場合、転写材の送出速度は、(100×10−3)/0.0004=250.0mm/sとなる。
【0068】
2次転写部60でのトナー像の転写材Sへの転写について、図13〜図16により説明する。
【0069】
ベルト駆動ローラー41の回転により転写ベルト40が回転開始すると、転写ローラー61も回転する。このときには、図13に示すように、転写材把持部材64の保持部64bは把持部材受け部65に着座している。また、剥離部材79は退避位置に設定されている。この状態では、転写材把持部材64、把持部材受け部65および剥離部材79は、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61f内、基材61bのゴムシート61cが巻かれていない状態の仮想円周61f’内に位置する。
【0070】
転写ベルト40に担持されたトナー像が2次転写部60に接近するにつれて、各転写材把持部材64は把持部材受け部65から離座開始する。
【0071】
図14に示すように、解放位置に設定された転写材把持部材64は、転写ローラー61の回転により転写材Sの供給位置に接近する。この時、転写材把持部材64の保持部64bの先端は、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61fから突出する位置にあるが、転写ベルト40との当接位置に達していないため、保持部64bが転写ベルト40と接触することはない。一方、転写材Sが転写ローラー61の方へ供給されるとともに、転写ベルト40に担持されたトナー像が2次転写部60の方へ接近してくる。ベルト駆動ローラー41の回転、転写ローラー61の回転及びゲートローラー101の回転は、転写ベルト40のトナー像が転写ニップ部で転写材Sの所定位置に転写されるように同期制御されている。このとき、転写ローラー61の周速(つまり、転写材把持部材64の移動速度)は、転写材Sの移動速度より小さく設定されている。
【0072】
転写材Sの先端が転写材把持部材64と把持部材受け部65との間に進入して転写材把持部材64の位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界に当接する。すると、転写ローラー61の周速と転写材Sの移動速度との速度差により、転写材Sの先端が保持部64bと屈曲部64cの境界に当接して転写材把持部材64に対して位置決めされるとともに、転写材Sの先端部Saが撓む。位置決め部である保持部64bと屈曲部64cの境界に転写材Sの先端が当接するタイミングは、凹部63に転写ローラー61の回転方向の上流側の壁面61b2が転写ベルト40とのニップ部位置に到達し、さらに回転してニップ相当位置に凹部63を迎えた時とする。また、ゲートローラー101、から位置決め部への当接まで転写材Sはゴムシート61cが巻かれた当接部と接触することがないので、転写材Sの速度変動がなく正確に位置決めすることが可能となる。
【0073】
続いて、転写材Sの一部は転写ローラー61の外周面に当接するとともにこの外周面に沿って湾曲する。各転写材把持部材64は把持部材受け部65に接近開始する。そして、図15に示すように、各転写材把持部材64は転写材Sの先端部Saを把持部材受け部65に押圧して保持した状態となる。この状態では、保持部64bは、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61f内、基材61bのゴムシート61cが巻かれていない状態の仮想円周61f’内に位置するので、保持部64bが転写ベルト40と接触することはない。こうして、転写材Sが転写ローラー61に対して位置決めされるとともに、転写ローラー61の回転とともに確実に転写ニップの方へ移動する。このとき、剥離部材79は退避位置に保持される。
【0074】
転写ベルト40のトナー像は転写ニップで転写材Sに転写される。転写材把持部材64の保持部64a及び転写材Sの先端部Saが転写ニップを通過すると、図16に示すように、転写材把持部材64が把持部材受け部65から離れる方向に移動開始し、転写材Sの先端部Saが解放される。次いで、転写ローラー61の更なる回転で、剥離部材79が突き出し位置に設定される。この状態で、転写材把持部材64及び剥離部材79の先端は、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61fから突出する位置にあるが、転写ベルト40との当接位置を通過後であるため、転写材把持部材64及び剥離部材79の先端が転写ベルト40に接触することはない。
【0075】
一方、転写材把持部材64による保持から解放された転写材Sの先端部Saは、後述する送風装置400からのエアー吹き付けにより転写ローラー61側に軽く押し付けられるとともに、剥離部材79により転写ローラー61の当設部61gから離れる方向に押し付けられる。こうして、転写材Sの先端部Saは転写材搬送手段の方へ誘導される。ベルト駆動ローラー41と転写ローラー61のニップ部で挟圧されている転写材Sは、ベルト駆動ローラー41および転写ローラー61の更なる回転で転写材搬送手段に移動する。すなわち、転写ベルト40のトナー像が転写材Sに2次転写されながら、転写材Sの転写終了部分の剥離が行われる(転写剥離工程)。なお、弾性復元力が小さく腰の弱い転写材Sの場合には、送風装置400のエアー吹き付けを省略することもできる。
【0076】
図13〜図16に示される転写材Sへの2次転写工程で、転写材把持部材64、把持部材受け部65および剥離部材79は、転写ベルト40と接触することが無いように凹部63に支持される。2次転写工程で転写材把持部材64、把持部材受け部65および剥離部材79が転写ベルト40と接触することがないため、転写ベルト40との接触による転写ベルト40の損傷の発生を防止し、2次転写ローラー61の回転乱れや圧接力の変動を防止しバンディングの発生を防止しすることが可能となる。また、ゲートローラー対101、101’から位置決め部64cへの当接まで転写材Sはゴムシート61cが巻かれた当接部と接触することがないので、転写材Sの供給速度が乱れることがなく正確に位置決めすることが可能となる。また、転写材把持部材64の位置を検出する位置検出センサを2次転写ローラー61に配置し、位置検出センサの信号に基づき画像形成のタイミングやゲートローラー対101からの転写材Sの送出のタイミングを制御することにより、より正確な転写材Sの位置決めが可能となる。
【0077】
転写材Sは、次に定着ユニット90まで搬送されるが、この搬送を行うための搬送手段について次に説明する。図17は本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる転写材搬送手段を示す図である。図12において、210は第1吸引装置、211は筐体部、212は吸引面、215は気流発生部、230は転写材搬送装置、231は筐体部、232は吸引面、233は隔壁部材、235は気流発生部、250は転写材搬送部材、251は転写材搬送部材駆動ローラー、252、253は転写材搬送部材張架ローラー、270は第2吸引装置、271は筐体部、272は吸引面、275は気流発生部、400は送風装置、401は筐体部、402は開口部、405は気流発生部をそれぞれ示している。
【0078】
2次転写ローラー61と第1ガイド部である第1吸引装置210の転写材Sを保持する吸引面212の先端部との間隔は、剥離部材79により剥離された転写材Sが2次転写ローラー61に巻き付くのを防止するためにできる限り狭くしたい。しかし、2次転写ローラー61の凹溝605に支持された転写材把持部材64および剥離部材79は、転写材Sの開放、剥離の動作時に、ゴムシート61cが巻き付けられた基材61bの転写ベルト40との当接部61gの仮想円周61fから突出する位置にある。そのため、2次転写ローラー61と第1吸引装置210の吸引面212の先端部との間に、転写材把持部611および転写材剥離部材640との干渉を防止する間隔が必要になる。
【0079】
図18(a)(b)は、2次転写ローラー61と第1吸引装置210の吸引面212の先端部と間隔をできる限り狭くしつつ、転写材把持部材64および剥離部材79との干渉を防止する第1吸引装置210の実施形態を示す図である。
【0080】
図18(a)に示すように、第1吸引装置210の吸引面212の2次転写ローラー61側の先端には、2次転写ローラー61の転写材把持部材64および剥離部材79の配置に応じた位置に、把持部材回避通路212aおよび剥離部材回避通路212bが櫛歯状に形成される。吸引面212の先端に把持部材回避通路212aおよび剥離部材回避通路212bが櫛歯状に形成することにより、2次転写ローラー61と吸引面212の先端との間の間隔を狭めることができ、転写材剥離部材640で剥離された転写材Sの2次転写ローラー61への巻き付きを防止することが可能となる。
【0081】
櫛歯状に形成された把持部材回避通路212aおよび剥離部材回避通路212bにもエアーダクト212cが形成される。第1ガイド部である第1吸引装置210の気流発生装置215の吸引力はエアーダクト212cを通して櫛歯状に形成された把持部材回避通路212aおよび剥離部材回避通路212bにも作用する。その結果、2次転写ニップを通過し、転写材把持部材64から解放され剥離部材79により剥離された転写材Sは、2次転写ローラー61に巻き付くことなく、重力に抗して吸引面212に保持されて搬送される。
【0082】
第1吸引装置210は、シロッコファンなどの気流発生部215が取り付けられた筐体部211を有しており、この気流発生部215によって、筐体部211内の空間R1から筐体部211外に排気を行うことができるようになっている。筐体部211の下面側は複数の通気孔が一面に設けられた吸引面212となっている。第1吸引装置210は、気流発生部215を動作させて、筐体部211外にaで示すような排気を行うこと、Aに示すような吸引力を発生させる。この吸引力によって、トナー像が転写された転写材Sは重力に抗して吸引面212に保持される。この吸引力は、転写材Sが吸引面212に保持される程度のものであるが、2次転写ニップから転写材Sが押し出される力に抗して、転写材Sの進行を妨げる程度のものではない。
【0083】
転写材搬送装置230は、シロッコファンなどの気流発生部235が取り付けられた筐体部231と、その筐体部231周囲に配された転写材搬送部材250などから概略構成されている。転写材搬送装置230では、気流発生部235によって、筐体部231内の空間R2から筐体部231外に排気を行うことができるようになっている。
【0084】
筐体部231の下面側は複数の通気孔が一面に設けられた吸引面232となっており、この気流発生部235の排気動作bに伴い、吸引面232ではBに示すような吸引力が発生する。このとき、筐体部231内にもうけられた隔壁部材233の作用によって、筐体部231内の空間R2から比較的均等に排気が行われようになり、吸引面232における吸引力も場所によって偏りが生じることがないようにしている。
【0085】
筐体部231の周囲に配された転写材搬送部材250は、一の主面から他の主面に貫通する通気孔(不図示)が複数設けられたエンドレスベルトであり、転写材搬送部材250に駆動力を付与する転写材搬送部材駆動ローラー251と、転写材搬送部材張架ローラー252、253に張架されている。転写材搬送部材250は、転写材搬送部材駆動ローラー251が回転することによって、図示矢印の方向に移動するが、この移動速度は略画像形成プロセスの速さと同程度とされる。転写材搬送部材250の軸方向の長さ(転写材搬送部材250の幅)は、画像形成装置が扱い得る最大の幅を有する転写材の幅よりも長く構成されている。
【0086】
筐体部231の吸引面232における吸引力は、転写材搬送部材250の通気孔からも作用することで、トナー像が転写された転写材Sは重力に抗して転写材搬送部材250の搬送面Pに保持されると共に、転写材搬送部材駆動ローラー251の駆動力による転写材搬送部材250の移動に伴い搬送面P上で搬送されることとなる。転写材搬送部材250の転写材搬送部材張架ローラー252から転写材搬送部材駆動ローラー251までの間の領域が転写材Sを搬送する搬送面Pとして利用される。
【0087】
第2吸引装置270は、シロッコファンなどの気流発生部275が取り付けられた筐体部271を有しており、この気流発生部275によって、筐体部271内の空間R3から筐体部271外に排気を行う。筐体部271の下面側は複数の通気孔が一面に設けられた吸引面272となっており、第2吸引装置270の気流発生部275の排気動作cによって、Cに示すような吸引力を発生させることができる。この吸引力によって、トナー像が転写された転写材Sは重力に抗して吸引面272に保持される。この吸引力は、転写材Sが吸引面272に保持される程度のものであるが、転写材Sの搬送に伴う力に抗して、転写材Sの搬送が妨げる程度に大きいものではない。
【0088】
第1吸引装置210、転写材搬送装置230、第2吸引装置270などからなる本実施形態に係る転写材搬送手段は、転写材のトナー像が転写されている面を鉛直下方として転写材を搬送するものである。
【0089】
送風装置400は、2次転写ニップの出口付近の転写ベルト40と2次転写ローラー61との間の空間にエアーを吐出するためのものであり、シロッコファンなどの気流発生部405によって筐体部401内の空間R4にエアーが送り込まれるようになっている。この筐体部401には、ローラー類の軸方向にわたる開口部402が設けられており、気流発生部405の気流発生動作dに伴い筐体部401内に送り込まれたエアーは、この開口部402からDに示すように吐出される。このときのエアーの吐出力は、トナー像が転写された転写材Sが重力に抗して垂れ下がらない程度で、かつ、転写材Sがエアーの勢いでばたつくことがない程度に調整される。
【符号の説明】
【0090】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13M、13C、13K・・・第1感光体スクイーズローラー、13Y’、13M’、13C’、13K’・・・第2感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’、14M、14M’、14C、14C’、14K、14K’、・・・感光体スクイーズローラークリーニングブレード、16Y、16M、16C、16K・・・感光体クリーニングローラー、18Y、18M、18C、18K・・・感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y、21M、21C、21K・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y、22M、22C、22K・・・コンパクションコロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、33Y、33M、33C、33K・・・規制ブレード、34Y、34M、34C、34K・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写ベルト、41・・・ベルト駆動ローラー、42・・・テンションローラー、45・・・現像剤回収部、46・・・転写ベルトクリーニングローラー、47・・転写ベルトクリーニングローラークリーニングブレード、49・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・1次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・1次転写バックアップローラー、52、53・・・テンションローラー、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、74・・・(クリーニング)ブレード把持部材、85・・・2次転写ユニット回収貯留部、90・・・定着ユニット、91・・・加熱ローラー、92・・・加圧ローラー、101、101’・・・ゲートローラー、102・・・転写材搬送ガイド、210・・・第1吸引装置、211・・・筐体部、212・・・吸引面、215・・・気流発生部、230・・・転写材搬送装置、231・・・筐体部、232・・・吸引面、233・・・隔壁部材、235・・・気流発生部、250・・・転写材搬送部材、251・・・転写材搬送部材駆動ローラー、252、253・・・転写材搬送部材張架ローラー、270・・・第2吸引装置、271・・・筐体部、272・・・吸引面、275・・・気流発生部、400・・・送風装置、401・・・筐体部、402・・・開口部、405・・・気流発生部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像を担持する像担持体と、
周方向に移動して転写材を把持する転写材把持部材を有し、前記像担持体と当接して転写ニップ部を形成する転写ローラーと、
前記転写ニップ部に前記転写材を送出する転写材送出部と、
を有し、
前記転写材送出部の転写材送出速度を、前記転写材把持部材が前記転写ローラーの回転中心から前記転写ローラーの周方向に移動したときの前記転写材把持部材の移動速度より速くしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写材把持部材の前記転写ローラーの周方向の移動位置を検出する位置検出部を備えた請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記位置検出部で検出された前記転写材把持部材の移動位置情報に基づいて、前記転写材送出部からの前記転写部材の送出タイミングを制御する制御部を備えた請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写ローラーは、前記転写材把持部材を配設する凹部、及び前記転写材を当接して前記転写材を支持する弾性の転写材支持部を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記凹部が前記転写ニップ部に位置した時に、前記転写材把持部材で前記転写材を把持する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写材送出部で送出された前記転写材を前記転写ニップ部へガイドする転写材搬送ガイドを備えた請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
像を像担持体に担持する工程と、
前記像担持体と転写ローラーとが当接して形成された転写ニップ部に転写材を送出する工程と、
送出された前記転写材を前記転写材の送出速度よりも遅い速度で移動する転写材把持部材で前記転写材を把持する工程と、
前記転写材把持部材で把持された転写材を前記転写ニップ部に通過させて、前記転写材に前記像担持体に担持された前記像を転写する工程と、
を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
前記転写材を送出するタイミングを、前記転写材把持部材の前記転写ローラー周方向移動位置を検出する検出部の検出結果に基づいて決定する請求項7に記載の画像形成方法。
【請求項1】
像を担持する像担持体と、
周方向に移動して転写材を把持する転写材把持部材を有し、前記像担持体と当接して転写ニップ部を形成する転写ローラーと、
前記転写ニップ部に前記転写材を送出する転写材送出部と、
を有し、
前記転写材送出部の転写材送出速度を、前記転写材把持部材が前記転写ローラーの回転中心から前記転写ローラーの周方向に移動したときの前記転写材把持部材の移動速度より速くしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写材把持部材の前記転写ローラーの周方向の移動位置を検出する位置検出部を備えた請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記位置検出部で検出された前記転写材把持部材の移動位置情報に基づいて、前記転写材送出部からの前記転写部材の送出タイミングを制御する制御部を備えた請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写ローラーは、前記転写材把持部材を配設する凹部、及び前記転写材を当接して前記転写材を支持する弾性の転写材支持部を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記凹部が前記転写ニップ部に位置した時に、前記転写材把持部材で前記転写材を把持する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写材送出部で送出された前記転写材を前記転写ニップ部へガイドする転写材搬送ガイドを備えた請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
像を像担持体に担持する工程と、
前記像担持体と転写ローラーとが当接して形成された転写ニップ部に転写材を送出する工程と、
送出された前記転写材を前記転写材の送出速度よりも遅い速度で移動する転写材把持部材で前記転写材を把持する工程と、
前記転写材把持部材で把持された転写材を前記転写ニップ部に通過させて、前記転写材に前記像担持体に担持された前記像を転写する工程と、
を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
前記転写材を送出するタイミングを、前記転写材把持部材の前記転写ローラー周方向移動位置を検出する検出部の検出結果に基づいて決定する請求項7に記載の画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−250165(P2010−250165A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100878(P2009−100878)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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