経路案内装置およびプログラム
【課題】現在地の確認と走行経路の方向確認を、視線移動を必要とせずに行うことができる経路案内装置を提供する。
【解決手段】現在地周辺の地図画像と走行経路βと矢印αを重ねて表示する。この矢印αは、現在地を基準とし走行経路βに沿って所定長さを有し、重ねて表示する際の透過率を調整することで半透過状態となり地図画像や走行経路βを視認可能となっている。この矢印αは、車両の走行により現在地が経路上を移動していくことに伴って移動して表示される。(a),(b)では走行経路βが直進状態であるため、矢印αの形状・長さは変化せず、(b)に示すように矢印αの矢尻が交差点に到達した後さらに車両が走行すると、(c)に示すように矢尻が左折する。つまり、矢印αは走行経路βに沿って表示されるので、矢尻部分は矢印αの基準が存在する道路から左折した道路に位置することとなる。
【解決手段】現在地周辺の地図画像と走行経路βと矢印αを重ねて表示する。この矢印αは、現在地を基準とし走行経路βに沿って所定長さを有し、重ねて表示する際の透過率を調整することで半透過状態となり地図画像や走行経路βを視認可能となっている。この矢印αは、車両の走行により現在地が経路上を移動していくことに伴って移動して表示される。(a),(b)では走行経路βが直進状態であるため、矢印αの形状・長さは変化せず、(b)に示すように矢印αの矢尻が交差点に到達した後さらに車両が走行すると、(c)に示すように矢尻が左折する。つまり、矢印αは走行経路βに沿って表示されるので、矢尻部分は矢印αの基準が存在する道路から左折した道路に位置することとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、目的地までの走行経路を画像表示によって案内する経路案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置において、現在地周辺の地図画像に目的地までの走行経路を合成して表示する技術が知られている。経路線の色や太さを変えて地図画像に重ねて表示することで利用者に走行経路を案内したり、あるいは交差点等分岐する場所において、その方向を示す矢印を表示する、といった工夫はこれまでもなされてきた。ここで、上記方向を示す矢印は、画面の一部を占有して以下のような内容を表示するものが知られている。
【0003】
(1)次の案内する地点に関して、現在地からの距離と曲がる方向を常時表示する(図23(a)、特許文献1の図2参照)。
(2)交差点等の案内ポイントが近づくと、その交差点等の拡大図を表示し、曲がる場所を明示する((図23(b)、特許文献1の図2参照)。
【0004】
(3)さらには、交差点や高速道路の入口を拡大鳥瞰図として表示すると共に、進行方向を矢印で示す(図23(c)、特許文献2の図1参照)。
【特許文献1】特開平9−81895号公報
【特許文献2】特開平9−105642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この場合、例えば対角6.5インチ以上の大きな横長ディスプレイにおいては、図23に示すように、現在地マークを表示する部分と上記分岐に関する情報を表示する部分とが少し離れるため視線の移動を必要とし、一度に認識することができない。そして、図23(b),(c)に示すように2画面表示する場合には、左側の地図画像で現在地を確認し、右側の拡大(鳥瞰)図で進行方向を確認し、結局、両画面を見て確認する必要がある。
【0006】
また、例えば対角6インチ以下の小型のディスプレイや、縦置きのディスプレイを使いたい場合には、方向表示のために画面の一部を占有することは難しい。図23に示すように画像表示を行うと、表示内容が煩雑、小さくなってしまい、結果的に見にくくなってしまう。したがって、2画面に分割して表示するといった手法が採用しにくい。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、現在地の確認と走行経路の方向確認を、視線移動を必要とせずに行うことができる経路案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1の経路案内装置(実施形態ではナビゲーション装置20に経路案内機能が組み込まれている。以下同様に、実施形態における対応構成要素の符号を括弧内に示す。)は、車両に搭載されて用いられ、画像表示を行う表示手段(26)と、地図情報を取得する地図情報取得手段(25)と、車両の現在地を特定する現在地特定手段(21)と、 目的地までの走行経路を取得する走行経路取得手段(29)と、地図情報取得手段によって取得した地図情報を用い、現在地特定手段によって特定された現在地周辺の地図画像を表示手段に表示すると共に、走行経路取得手段により取得した走行経路を、地図画像に重ねて表示する案内制御手段(29)を備えている。そして案内制御手段は、例えば図2に例示するように、地図画像に走行経路(β)を合成した表示に対して、さらに、現在地特定手段によって特定された現在地を基準とし、走行経路(β)に沿って所定距離先に矢尻を有すると共に当該矢尻まで続く線分を有する矢印(α)を重ねて表示する。なお、「現在地」は現在位置と同義である。また、「矢尻」は矢印の先頭の意味である。
【0009】
この表示された矢印(α)の基準は現在地であるため現在地の確認を行える。また、走行経路(β)に沿って所定距離先に矢尻を有するため、その矢尻を含む矢印全体によって走行経路の方向確認を行うことができる。つまり、現在地の確認と走行経路の方向確認を、視線移動を必要とせずに行うことができる。
【0010】
また、図23(b),(c)に示すような方向案内のための拡大(鳥瞰)図を地図画像と2画面表示する手法では、小さい画面や縦長の画面への表示を前提としたシステムでの適用が困難であり、あえて適用すると視認性を害してしまう。それに対して本発明の場合には地図画像と方向案内表示を1画面内で実現できるため、小さい画面や縦長の画面への表示を前提としたシステムへ適用しても問題がない。
【0011】
そして、この矢印(α)は、現在地を基準とし、走行経路βに沿って所定距離先に矢尻を有するため、その矢印(α)を見た利用者にとって距離感がつかみやすい。例えば所定距離が700m(当然ながら、地図上での相当距離を意味し、実際の矢印の長さを意味するものではない。以下、同様。)と定まっている場合であれば、矢尻が右左折すべき交差点に位置した場合(例えば図2(b)参照)、現在地からその交差点までが700mであることが分かる。さらに交差点に近づいた場合であっても(例えば図2(c)参照)、矢尻(α)全体の長さが700mだと分かっていれば、現在地から交差点までのおよその距離を把握することもできる。例えば図2(c)に示す状態であれば、矢印(α)の先頭側約3/7ぐらいが交差点を超えているので、現在地から交差点まで約400m程度であることが把握できる。このような効果が得られるのは、本発明における矢印(α)は、車両の走行に伴って現在地が移動すれば、矢尻も同期して移動するからである。このような矢印(α)を表示するという技術思想は、従来にない特筆すべき特徴である。
【0012】
ところで、本発明の場合には、地図画像に走行経路を重ねて表示に対してさらに矢印を重ねて表示している。したがって、請求項2に示すように、地図画像や走行経路(β)が視認可能となる態様で矢印(α)を表示することが好ましい。例えば重ねて表示する際の透過率を調整して、半透過状態となって地図画像や走行経路を視認できるようにしたり、あるいは矢印を破線で表示すること等が考えられる。
【0013】
また、現行のナビゲーション装置では縮尺の異なる地図画像を表示できるようになっているのが一般的である。したがって、表示する地図画像の縮尺に応じて矢印の長さを調整することも好ましい工夫である。例えば請求項3に示すように、矢印の基準と矢尻との間の距離を、表示する地図画像の縮尺の大小に基づいて設定し、その設定された所定距離で矢印を表示するのである。一例としては、表示する地図画像の縮尺が大きいほど矢印の基準と矢尻との間の距離が長くなるよう設定することが考えられる。
【0014】
また、請求項4に示すように、案内手段が音声を出力する音声出力部も有しており、案内制御手段が音声による案内を行う経路案内機能もよく知られている。つまり、現在地特定手段によって特定された現在地が、(例えば右左折する交差点等の)走行経路上における所定の案内ポイント(γ)から所定の音声案内用距離の位置へ近づいた場合に、音声出力部を介した所定の音声案内を実行する。このような音声案内機能を有していることを前提とするならば、請求項4に示すように、矢印の基準と矢尻との間の距離を、音声案内用距離に基づいて設定し、その設定した所定距離で矢印を表示することが考えられる。
【0015】
「音声案内用距離に基づいて設定」とは、例えば矢印の長さを音声案内用距離と同じにしてもよいし、それよりも長く(あるいは短く)してもよい。例えば案内ポイント(γ)が交差点の場合、その交差点の手前700mで「次の交差点を左折します」というような音声案内をする場合、矢印の長さも同じ700mにすれば、音声案内がされた際に矢尻がちょうど交差点に位置することとなる。また、矢印の長さを音声案内用距離よりも少し長めの800mにすれば、音声案内がされた際に矢尻が交差点を少し左折した位置にあり、利用者は曲がる方向を直感的に視認できる。
【0016】
また、このように音声案内タイミングに基づいて矢印の長さを調整すると共に、請求項5に示すように、矢印の表示態様を変更してもよい。例えば矢印の表示色を変更したり、矢印の太さを変えたり、あるいは、矢印を点滅表示させることが考えられる。このようにすれば、案内ポイントが差し迫っていることをより強調できる。
【0017】
矢印の長さは任意に設定可能であるが、実際には、上述した具体例のように700mあるいは縮尺によってはもっと長くすることが考えられる。矢印の全長だけ分かっている場合には、矢印の途中に位置する道路や交差点等が現在地からどの程度の距離なのかを目分量で把握しなくてはならない。もちろん、そのような目分量でもおおよその距離は把握できるが、請求項5に示すような工夫を施しても良い。
【0018】
つまり、案内制御手段が、矢印の基準と矢尻との間を所定間隔で色または形状に変化を付けるか、あるいは矢印の基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付した状態で、矢印(α)を表示するのである。例えば、図6(a)には矢印(α)を3等分して色分けした例を示し、図6(b)には矢印(α)の長さを700mとした場合に、現在地から200m毎の目盛りを付した例を示した。このような工夫によって、矢印の途中に位置する道路や交差点等が現在地からどの程度の距離なのか、といったことをより正確に把握することができる。なお、図6(a)では矢印(α)を3等分して色分けした例を示したが、形状に変化を付けても同様の効果が得られる。例えば矢印の太さを3段階に変化(細くなっていく、あるいは太くなっていく)させること等が考えられる。
【0019】
なお、上述した矢印に関する工夫については、常時実行しても良いが、請求項7に示すように、案内ポイント上に差し掛かった場合にのみ実行するようにしてもよい。つまり、案内制御手段は、矢尻が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント上に差し掛かった場合にのみ、矢印の基準と矢尻との間を所定間隔で色または形状に変化を付けるか、あるいは矢印の基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付した状態で、矢印を表示する。そして、矢印の基準が目的地以外の所定の案内ポイントを通過したら、色または形状に変化を付けた状態、あるいは所定間隔の目盛りを付した状態を解除して、矢印を表示するのである。距離感をより正確に把握したいのは案内ポイント上に差し掛かった場合であるため、その必要な期間のみ矢印の基準と矢尻との間を所定間隔で色または形状に変化を付けたり、あるいは矢印の基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付した状態とするのである。
【0020】
矢印(α)の長さに関しては、走行経路の案内状況に応じて動的に変化させてもよい。
例えば請求項8に示すように、矢尻が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント(γ)上に差し掛かった場合には、矢尻がその案内ポイント(γ)を超えて位置するよう矢印(α)の長さを調整して表示することが考えられる。例えば通常は700mの矢印であるが、例えば交差点等の案内ポイント(γ)に差し掛かると、例えば100m長くして一時的に800mにする、といったことである。このようにすれば、矢尻が交差点を少し左折した位置にあり、利用者は曲がる方向を直感的に視認できる。但し、案内ポイント(γ)であっても目的地の場合にはその目的地を越えて矢印(α)を示すことはせず、矢尻が走行経路上の目的地に差し掛かった場合には、矢尻がその目的地に固定して位置するよう矢印の長さを調整して表示する。つまり、矢尻が目的地に固定された状態で、現在地の移動に伴って矢印(α)の長さが徐々に短くなる。
【0021】
なお、矢尻が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント(γ)上に差し掛かった場合には、矢尻がその案内ポイント(γ)を超えて位置するよう矢印の長さを調整して表示するが、その後は、元の長さに戻す方が好ましい。この場合の戻し方は種々考えられる。例えば上述の交差点の具体例を用いて説明すれば、交差点に差し掛かって一時的に800mの長さにして矢尻が交差点を少し左折した位置にあるようにした場合、一時的に矢尻の位置を固定し、現在地の移動に伴って矢印(α)の長さが700mになるまで待つ。そして700mに戻ったら、通常通り、その700mの長さを保ったまま現在地の移動に伴って、矢印(α)も移動させていく。このように徐々に戻す手法でもよいし、あるいは、例えば現在地が交差点を過ぎるまで800mの長さを保持し、その後、700mに一気に戻しても良い。
【0022】
また、案内ポイントが連続する場合、その案内ポイント同士の距離に応じて請求項9に示すような工夫を施しても良い。つまり、案内制御手段は、矢尻が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント上に差し掛かった場合には、当該案内ポイントを基準としてその先の直近の案内ポイントまでの距離が所定距離未満か否か判断し、所定距離未満であれば、矢尻がその案内ポイントを超えて位置するよう前記矢印の長さを調整する。これによって、例えば交差点等が連続しており、それらの間の距離が所定距離未満の場合には、直近の交差点ではなく、その先の交差点を超えて矢尻が位置するような矢印にする。こうすれば、連続する交差点をどのように進行していけばよいかが明確に把握できる。
【0023】
そして、さらに先にある案内ポイントについても同様の扱いをする場合には、隣接する案内ポイント間の距離が所定距離未満であるという条件を満たすか否かを順番に判断し、当該条件を連続して満たす場合には、矢尻が該当する案内ポイントを超えて位置するよう矢印の長さを調整する。このようにすれば、3つ以上の交差点が連続する場合であっても、同様に連続する交差点をどのように進行していけばよいかが明確に把握できる。なお、交差点を例に挙げたが、対象となる案内ポイントは交差点には限らない。
【0024】
また、請求項10に示すように、走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント(γ)が表示部の表示画面内に表示された場合には、矢尻がその案内ポイント(γ)を超えて位置するよう矢印(α)の長さを調整して表示することが考えられる。案内ポイントに関しては早めに利用者に案内しておいた方がよいという考え方に立てば、このような工夫は好ましい。このようにすれば、表示画面を見た際に、表示画面内に案内ポイント(γ)がある場合には必ず矢尻がその案内ポイント(γ)を超えて位置するような矢印(α)となっており、例えば案内ポイント(γ)が交差点であれば、利用者は曲がる方向を極力早めに(且つ直感的に)視認できることとなる。
【0025】
なお、案内ポイント(γ)が目的地の場合には、上述の請求項8の場合と同様、目的地を越えて矢印(α)を示すことはしない。したがって、表示画面内に目的地が表示された場合であっても、矢尻がその目的地に固定して位置するよう矢印(α)の長さを調整して表示する。もちろん、この場合も、利用者は目的地を極力早めに(且つ直感的に)視認できることとなる。
【0026】
また、案内ポイント(γ)がカーブの警告ポイントであった場合には、請求項11に示すような工夫を行うとよい。つまり、カーブの始点から終点までが全て含まれるよう矢印(α)の長さを調整して表示するのである。もちろん、カーブの始点のみを案内ポイントと考えて、矢尻がそのカーブの始点を超えるような長さの矢印(α)とするだけでもカーブの警告にはなり得る。しかし、カーブ警告を認識する利用者としては、カーブの始点だけでなく、カーブがどこまで続いていてカーブの終点(出口)はどこなのか、ということについても関心が高いと考えられる。したがって、カーブの始点から終点までが全て含まれるような矢印(α)を表示すれば、利用者はカーブ全体を直感的に視認できることとなる。
【0027】
上述のように、案内ポイント(γ)は種々考えられる。交差点案内や目的地案内をはじめとして、料金所警告、カーブ警告、合流地点、踏切等が挙げられる。これらのどれに該当するかは地図画像から把握することも可能であるが、より直感的に把握できた方が好ましい。そこで請求項12に示すように、矢印(α)が走行経路上の所定の案内ポイント(γ)上に存在する場合には、その案内ポイント(γ)を示す所定のマーク(M1,M11,M12,M21,M22,M3,M4,M5,M6:以下、総称する際にはM1等を記す。)を矢印(α)に表示するとよい(図4、図7,図11等参照)。
【0028】
このようにマークを矢印(α)に表示する場合、マークが示している案内ポイントにおける走行経路が視認可能な方が好ましい。そこで、請求項13に示すように、少なくとも案内ポイントを示す所定のマークの部分において少なくとも走行経路が視認可能なように透過率を調整して、所定のマークと矢印を重ねて表示するとよい。「少なくとも走行経路が視認可能」とは、走行経路に加えて例えば地図画像についても視認可能にしてもよいという趣旨である。また、「少なくとも案内ポイントを示す所定のマークの部分において」とは、マーク部分のみ少なくとも走行経路が視認可能なように透過率を調整してもよいし、矢印部分も含めて少なくとも走行経路が視認可能なように透過率を調整してもよいという趣旨である(図21参照)。
【0029】
そしてさらに、このようなマーク(M1等)を表示するだけでなく、請求項14に示すように、所定の案内ポイント(γ)が合流地点であった場合には合流してくる道路、所定の案内ポイント(γ)が踏切であった場合には踏切の位置、をそれぞれ強調表示してもよい。例えば図11(b)に示すように、合流してくる道路の一部分についても、矢印(α)と接続した線分を表示し、且つその線分を例えば赤等の(視認時の)注意喚起効果の高い色とする(K1)、といったことが考えられる。また、図11(c)に示すように、踏切に関しては、単に踏切の示すマーク(M4)を表示するだけでなく、踏切部分の両側に存在する線路を示す表示部分を強調表示(K2)することで、踏切の存在をより効果的に視認させることができる。
【0030】
一方、矢印(α)の長さに関しては、請求項15に示すように、走行経路の道路属性に応じて変化させてもよい。つまり、地図情報取得手段によって取得した地図情報に道路種別、車線数等の道路属性情報も含まれており、道路属性情報と矢印の長さの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく対応関係記憶手段を備えているのであれば、現在地特定手段によって特定された現在地の道路属性情報に対応する矢印の長さの変更度合い情報を、対応関係記憶手段から読み出し、その矢印の長さの変更度合い情報に基づいて矢印の長さを調整して表示するのである。
【0031】
具体的には、車両の平均走行速度が高いと予想される道路ほど矢印を長くするような対応関係を記憶しておけばよい。例えば、車両の予想平均走行速度に基づいて、高速道路>3車線以上の国道>国道>……とする。なお、予め道路属性と矢印の長さの対応を示すテーブルを記憶していてもよいし、デフォルトの矢印の長さを何%変化させるか、という計算式を有していてもよい。
【0032】
一方、矢印(α)の幅に関しては、請求項16に示すように、走行経路の道路属性に応じて変化させてもよい。つまり、地図情報取得手段によって取得した地図情報に道路種別、幅員等の道路属性情報も含まれており、道路属性情報と矢印の太さの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく対応関係記憶手段を備えているのであれば、現在地特定手段によって特定された現在地の道路属性情報に対応する矢印の太さの変更度合い情報を、対応関係記憶手段から読み出し、その矢印の太さの変更度合い情報に基づいて矢印の太さを調整して表示するのである。
【0033】
具体的には、幅員が大きい、あるいは大きいと予想される道路ほど矢印を太くするような対応関係を記憶しておけばよい。幅員情報そのものを記憶しているのであれば、幅員が大きくなるほど矢印も太くなるような対応関係を設定しておけばよい。また、道路種別情報を記憶しているのであれば、矢印の幅を例えば高速道路>3車線以上の国道>国道>……となるように設定することが考えられる。なお、上記の矢印の長さの場合と同様に、予め道路属性と矢印の太さの対応を示すテーブルを記憶していてもよいし、デフォルトの矢印の太さを何%変化させるか、という計算式を有していてもよい。
【0034】
ところで、上述したように所定長さの矢印(α)あるいは所定の長さ調整をした矢印(α)を表示しようとして、その矢印(α)の矢尻が表示部の表示画面内に収まりきらない場合も想定される。そのような場合には、請求項17に示すように、矢尻が表示画面内に収まるよう矢印の長さを調整して表示するとよい。例えば表示画面の端に矢尻が位置するように長さ調整をするのである。
【0035】
本発明においては、矢尻を含む矢印全体によって走行経路の方向確認を行うことができるのであるが、車両が直進しているために矢印も直線的に表示されている場合には、前方の案内ポイントにおいて右左折するか否かまでは確認できない。
【0036】
そこで、請求項18に示すように、直進時において前方の右左折予告をしてもよい。つまり、走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントの内、直近の案内ポイントにおいて進行方向の変化がある場合には、矢尻がその案内ポイントに到達していない状態において、その進行方向を示す表示と共に矢印を表示するのである。進行方向を示す表示は、例えば簡単なマークでもよいし(図15参照)、あるいは文字であっても良い。
【0037】
このようにすれば、例えば図15(b)に示すように、前方の交差点にて左に曲がる走行経路であった場合、その交差点が地図に表示されていない状態(図15(a)参照)においても、前方交差点で左折することをユーザが確認できる。
【0038】
車両の移動に伴って、車両の位置や進行方向が変わる。特に、車両の進行方向が変わる場合に矢印が画面上でどの方向を向くように表示をするかに関して、例えば下記のような表示制御が考えられる。
【0039】
(1)請求項19に示す表示制御
矢印が直線的に表示される場合、あるいは矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合の何れにおいても、車両の進行方向が常に画面上で所定方向を向くように制御する(図16参照)。
【0040】
(2)請求項20に示す表示制御
矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御し、矢印が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントまで所定距離に近づいた時点で矢尻が画面上で所定方向を向くように制御する(図17参照)。このようにすれば、案内ポイント通過後の進行方向が予め画面上での所定方向となるように表示できる。
【0041】
(3)請求項21に示す表示制御
矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向を向くように制御し、矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントを所定距離超えた時点で矢尻の向きが画面上で所定方向を向くように制御する(図18参照)。なお、所定方向を向くように制御する際には、1回でその所定方向を向くようにしてもよいし、複数回かけてその所定方向を向くようにしてもよい。
【0042】
(4)請求項22に示す表示制御
矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向を向くように制御し、矢印が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントまで所定距離に近づいた時点から所定の案内ポイントを所定距離超えた時点までの間、走行経路上における所定の案内ポイントへの進入方向の単位方向ベクトルと走行経路上における所定の案内ポイントからの退出方向の単位方向ベクトルとの合成ベクトルの方向が前記画面上で所定方向を向くように制御する(図19参照)。
【0043】
また、請求項23に記載のような、請求項1〜22の何れかに記載の経路案内装置における案内制御手段として機能させるプログラムを、経路案内装置が内蔵するコンピュータに実行させるようになっていてもよい。このようになっていれば、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読みとり可能な記録媒体にプログラムを記録し、そのプログラムを必要に応じてコンピュータにロードして起動することによりコンピュータを経路案内装置の案内制御手段として機能させることができる。また、プログラムはネットワーク等を用いて流通させることも可能であるため、経路案内装置の機能向上も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0045】
[ナビゲーション装置20の構成説明]
図1は、本発明の経路案内装置が有する機能が組み込まれたナビゲーション装置20の概略構成を示すブロック図である。
【0046】
ナビゲーション装置20は車両に搭載され、車両の現在地を検出する位置検出器21と、利用者からの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、操作スイッチ群22と同様に各種指示を入力可能であってナビゲーション装置20とは別体となったリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す)23aと、リモコン23aからの信号を入力するリモコンセンサ23bと、パケット通信網等に接続して外部と通信を行う外部通信機24と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器25と、地図や各種情報の表示を行うための表示部26と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力部27と、利用者が発話した音声に基づく電気信号を出力するマイクロフォン28と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコンセンサ23b,外部通信機24,地図データ入力器25,マイクロフォン28からの入力に応じて各種処理を実行し、外部通信機24,表示部26,音声出力部27を制御する制御部29とを備えている。
【0047】
位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ21cとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21dからの出力信号に基づいて制御部29が、車両の位置,方位,速度等を算出する。なお、GPS受信機21aからの出力信号に基づいて現在地を求める方式は様々な方式があるが、単独測位方式、相対測位方式の何れであってもよい。
【0048】
操作スイッチ群22は、表示部26の表示面と一体に構成されたタッチパネル及び表示部26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成される。なお、タッチパネルと表示部26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式等各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0049】
外部通信機24は、路側に設置された光ビーコンや電波ビーコン等を介してVICSの情報センタから事故情報や渋滞情報等を取得する。
地図データ入力器25は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノード番号、リンク番号、道路の形状データ、道路の幅員データ、道路種別データ、道路番号、道路の規制データ、地形データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、通行不可能な分離帯によって分離された同一進行方向の複数の車道から構成された道路については、それぞれの車道毎にリンクデータや、案内用の音声データが割り当てられている。
【0050】
表示部26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,CRT等があるが、その何れを用いてもよい。表示部26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在地と地図データ入力器25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
【0051】
音声出力部27は、地図データ入力器25より入力した施設のガイドや各種案内の音声を出力することができる。
マイクロフォン28は、利用者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部29に出力するものである。利用者はこのマイクロフォン28に様々な音声を入力することにより、ナビゲーション装置20を操作することができる。
【0052】
制御部29は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在地を算出し、地図データ入力器25を介して読み込んだ現在地付近の地図等を表示部26に表示する処理や、地図データ入力器25に格納された地図データと、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在地から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路を表示部26に表示させたり音声出力部27に音声として出力させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。経路案内処理においては、上述した経路算出の結果と地図データ内に格納されている道路の形状データや、交差点の位置情報、踏切の位置情報等から、案内に必要なポイントを算出したり、どのような案内(右に曲がるか左に曲がるかの指示等、すなわち、いわゆるナビゲーション)が必要なのかを決定する。
【0053】
[表示制御の概要]
ところで、本実施形態のナビゲーション装置20においては、この経路案内の際、図2に例示するように、表示部26に現在地周辺の地図画像を表示すると共に、経路算出の結果得られた走行経路βを地図画像に重ねて表示し、さらに矢印αを重ねて表示する。この矢印αは、現在地を基準とし、走行経路βに沿って所定距離L(図4参照)先に矢尻を有すると共に当該矢尻まで続く線分を有している。さらに具体的には、矢印αの基準部分は十字を円で囲んだ現在地カーソルであり、その十字の交点が現在地を示している。また、矢印αの太さは、走行経路βの太さのおよそ3倍となっている。もちろんこの太さは任意に設定すればよいが、走行経路βに重ねて表示するため、太さが異なっていた方が好ましい。なお、この現在地カーソルと矢尻と線分の全ての部分を含めて「矢印α」と称する。
【0054】
そしてさらに、本実施形態の矢印αは、重ねて表示する際の透過率を調整し、半透過状態となって地図画像や走行経路βを視認できるようにされている。これにより、地図画像や走行経路βと重ねて矢印αを表示しても、地図画像や走行経路βが視認できなくなることを防止できる。
【0055】
この矢印αは、車両の走行により現在地が経路上を移動していくことに伴って移動して表示される。例えば図2は、走行経路β上で交差点を左折する場合の矢印αの移動の状況を示している。図2では、車両の走行に伴って(a)→(b)→(c)→(d)のように矢印αの表示が変化していく。まず、図2(a),(b)においては、走行経路βが直進状態であるため、矢印αの形状・長さは変化せず、単に走行経路β上を進んでいるだけである。それに対して、図2(b)に示すように矢印αの矢尻が交差点に到達した後、さらに車両が走行すると、図2(c)に示すように矢尻が左折している。つまり、矢印αは走行経路βに沿って表示されるので、矢尻部分は、矢印αの基準が存在する道路から左折した道路に位置することとなる。そして、さらに車両が走行して現在地が交差点に到達した場合には、図2(d)に示すような矢印αの状態となる。
【0056】
次に、制御部29が実行する経路案内処理のうち、本実施例のナビゲーション装置20に特徴的な処理である矢印αの表示制御処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。この表示制御処理は、経路案内処理に含まれる他の処理、例えば音声による経路案内処理等と並行して実行されるものである。なお、従来のナビゲーション装置が実行する、上述した経路算出処理や音声による経路案内処理については、従来手法と同様であるため詳しい説明は省略する。
【0057】
制御部29が表示制御処理の実行を開始すると、まず、現在、経路案内中か否か判断し(S10)、案内中であれば(S10:YES)、現在地が走行経路に乗っているか否か判断する(S20)。そして、現在地が経路に乗っている場合には(S20:YES)、現在地を更新する(S30)。
【0058】
続いて、矢印αの長さLを決定する(S40)。この矢印αの長さLは、図4に示すように、現在地と矢尻との間の距離を意味する。なお、矢印αの長さLの決定方法に関しては後ほど詳述する。
【0059】
矢印αの長さLが決定したら、現在地近辺の地図と算出された走行経路を表示部26に表示する(S50)。そして、走行経路βに沿って長さLの矢印αを表示部26に表示する(S60)。すなわち、地図画像と走行経路βと矢印αとが重ねて表示される。そしてさらに、矢印αの先頭(つまり矢尻部分)が表示部26の表示画面からはみ出る場合は、表示画面の端に矢尻を表示する(S70)。つまり、矢印αの長さLが見かけ上短くなる。
【0060】
なお、上述したように、矢印αは半透過状態で表示されるため、地図画像や走行経路βと重ねて矢印αを表示しても、地図画像や走行経路βが視認できる。
一方、現在、経路案内中でない場合(S10:NO)、あるいは現在地が走行経路に乗っていない場合(S20:NO)には、現在地を更新(S80)した後、現在地カーソルのみを表示する(S90)。
【0061】
S70またはS90の処理後は、S10へ戻って、S10以下の処理を繰り返す。
[矢印αの表示の基本ルール]
図4、図5を参照して矢印α表示の基本ルールについて説明する。
【0062】
上述のように矢印αは長さLを保ったまま走行経路β上を移動する。つまり、図4(a)に示すように矢印αが直線状であっても、図4(b)に示すように矢尻部分が曲がっていても、基準である現在地から矢尻までの長さLは原則的に一定である。
【0063】
この矢印αの長さLの決定方法例を、図5に4種類示しておく。
例1及び例2は、音声による経路案内に対応した決定方法であり、例1の場合は音声の案内と合わせることを目的とし、例2の場合は音声による経路案内のタイミングにおける案内ポイントγまでの距離よりも少し長くする決定方法である。
【0064】
例えば案内ポイントγが交差点の場合、その交差点の手前700mで「次の交差点を左折します」というような音声案内をする場合、矢印の長さも同じ700mにするのが例1の決定方法である。このようにすれば、音声案内がされた際に矢印αの矢尻がちょうど交差点に位置することとなる。また、矢印αの長さを音声案内用距離である700mよりも少し長めの800mにするのが例2の決定方法である。このようにすれば、音声案内がされた際に矢印αの矢尻が交差点を少し左折した位置にあり、利用者は曲がる方向を直感的に視認できる。
【0065】
例3は、表示されている地図の縮尺に応じて、矢印αが見やすくなるようにすることを目的とした決定方法である。矢印αの長さLを、表示する地図画像の縮尺が大きいほど長くなるよう設定する。具体的には、100m縮尺では長さLを600m、200m縮尺では長さLを1200m、400m縮尺では長さLを2400mとする、といったことが考えられる。
【0066】
例4は、例2と例3を組み合わせ、極力、音声による経路案内タイミングに対応させながら縮尺にも対応させた決定方法である。具体的には、100m縮尺では長さLを800m、200m縮尺でも同じく長さLを800m、400m縮尺では長さLを2400mとする、といったことが考えられる。つまり、100m縮尺及び200m縮尺では音声による経路案内タイミングに対応させる点を優先させ、400m縮尺では見やすさを優先させたものである。
【0067】
[矢印αを表示することによる効果]
以上、本実施形態の構成および動作について説明したが、本実施形態のナビゲーション装置20によれば、経路案内に際して上述した矢印αを地図画像と走行経路βに合成して表示部26に表示するため、以下のような効果が得られる。
【0068】
(1)矢印αの基準は現在地であるため現在地の確認を行える。また、走行経路βに沿って所定距離先に矢尻を有するため、その矢尻を含む矢印全体によって走行経路の方向確認を行うことができる。つまり、現在地の確認と走行経路の方向確認を、視線移動を必要とせずに行うことができる。
【0069】
(2)従来の、図23(b),(c)に示すような方向案内のための拡大(鳥瞰)図を地図画像と2画面表示する手法では、小さい画面や縦長の画面への表示を前提としたシステムでの適用が困難であり、あえて適用すると視認性を害してしまう。それに対して図2等に例示するように、本実施形態の場合には地図画像と方向案内表示を1画面内で実現できるため、小さい画面や縦長の画面への表示を前提としたシステムへ適用しても問題がない。
【0070】
(3)矢印αは、現在地を基準とし、走行経路βに沿って所定距離L先に矢尻を有する(つまり、長さLの矢印α)ため、その矢印αを見た利用者にとって距離感がつかみやすい。矢印αの長さLが700mであれば、例えば図2(b)に示すように矢尻が左折すべき交差点に位置した場合、現在地からその交差点までが700mであることが分かる。さら図2(c)に示すように交差点に近づいた場合であっても、矢尻α全体の長さが700mだと分かっていれば、現在地から交差点までのおよその距離を把握することもできる。例えば図2(c)に示す状態であれば、矢印αの先頭側約3/7ぐらいが交差点を超えているので、現在地から交差点まで約400m程度であることが把握できる。このような効果が得られるのは、車両の走行に伴って現在地が移動すれば、矢印αの矢尻も同期して移動するからである。このような矢印αを表示させるという技術思想は、従来にない特筆すべき特徴である。
【0071】
(4)また、表示部26の表示画面サイズ等によっては矢印αの矢尻が表示部26の表示画面内に収まりきらない場合も想定されるが、本実施形態の場合には、その対処を実行している。つまり、図3のS70に示すように、矢印αの先頭(つまり矢尻部分)が表示部26の表示画面からはみ出る場合は、表示画面の端に矢尻を表示する。
【0072】
[矢印αの表示の工夫及び効果]
上述の矢印α表示の基本ルール以外の、表示の工夫及びその工夫による効果について説明する。
【0073】
(工夫1)案内ポイントγを示すマークを重ねて表示
走行経路β上の案内ポイントγは種々考えられる。図4、図7等に示す交差点案内や、図11に示すカーブ警告、合流地点、踏切、目的地案内、料金所警告等が挙げられる。これらのどれに該当するかは地図画像から把握することも可能であるが、より直感的に把握できた方が好ましい。そこで、矢印αが走行経路β上の所定の案内ポイントγ上に存在する場合には、その案内ポイントγを示す所定のマークを矢印αに重ねて表示するとよい。例えば図4、図7は交差点マークM1,M11,M12を示した。また、図11(a)にはカーブの始点マークM21と終点マークM22を示した。また、図11(b)には合流マークM3、図11(c)には踏切マークM4、図11(d)には目的地マークM5、図11(e)には料金所マークM6をそれぞれ示した。
【0074】
(工夫2)矢印に色分けや目盛りを付す
矢印αの長さLは任意に設定可能であるが、実際には、上述した具体例のように700mあるいは縮尺によってはもっと長くすることが考えられる。矢印αの全長Lだけ分かっている場合には、矢印αの途中に位置する道路や交差点等が現在地からどの程度の距離なのかを目分量で把握しなくてはならない。もちろん、そのような目分量でもおおよその距離は把握できるが、さらに次のような工夫を施しても良い。
【0075】
図6(a)に示す矢印αは、矢印αの基準と矢尻との間を所定間隔で色に変化を付けている。具体的には、矢印αを3等分した色分け表示をしている。また、図6(b)に示す矢印αは、矢印αの基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付している。具体的には、矢印αの全長L=700mとした場合に、現在地から200m毎の目盛りを付している。
【0076】
このような工夫によって、矢印αの途中に位置する道路や交差点等が現在地からどの程度の距離なのか、といったことをより正確に把握することができる。
なお、図6(a)では矢印αを3等分して色分けした例を示したが、形状に変化を付けても同様の効果が得られる。例えば矢印αの太さを3段階に変化(細くなっていく、あるいは太くなっていく)させること等が考えられる。
【0077】
(工夫3)矢尻が案内ポイントにさしかかったら、矢印の長さを調整する
矢印αの長さLに関しては、走行経路βの案内状況に応じて動的に変化させてもよい。
例えば、矢尻が走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγ上に差し掛かった場合には、矢尻がその案内ポイントγを超えて位置するよう矢印αの長さを調整して表示することが考えられる。例えば図7(a)に示すように、通常は700mの長さの矢印αとし、図7(b)に示すように案内ポイントγである交差点に差し掛かると、例えば100m長くして一時的に800mにする、といったことが考えられる。
【0078】
このようにすれば、矢尻が交差点を少し左折した位置にあり、利用者は曲がる方向を直感的に視認できる。
なお、案内ポイントγであっても目的地の場合にはその目的地を越えて矢印αを示すことはせず、矢尻が走行経路β上の目的地に差し掛かった場合には、矢尻がその目的地に固定して位置するよう矢印αの長さを調整して表示する(図11(d)参照)。つまり、矢尻が目的地に固定された状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さが徐々に短くなっていく。
【0079】
また、矢尻が走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγ上に差し掛かった場合には、矢尻がその案内ポイントγを超えて位置するよう矢印αの長さLを調整して表示するが、その後は、元の長さLに戻す方が好ましい。この場合の戻し方は種々考えられる。例えば交差点の具体例を用いて説明すれば、交差点に差し掛かって一時的に800mの長さにして矢尻が交差点を少し左折した位置にあるようにした場合、一時的に矢尻の位置を固定し、現在地の移動に伴って矢印αの長さLが700mになるまで待つ。そして700mに戻ったら、通常通り、その700mの長さLを保ったまま現在地の移動に伴って、矢印αも移動させていく。このように徐々に戻す手法でもよいし、あるいは、例えば現在地が交差点を過ぎるまで800mの長さLを保持し、その後、700mに一気に戻しても良い。
【0080】
図7(b)は案内ポイントγである交差点が一つの場合であったが、図7(c)に示すように、交差点が連続する場合もある。この場合には、その交差点間の距離が所定距離以内ならば、(マークM11で示す)直近の交差点と(マークM12)で示す次に案内する交差点を含み、マークM12で示す「次に案内する交差点」をさらに100m超えた長さLの矢印αとする。
【0081】
上述したように案内ポイントγである交差点に差し掛かった場合に矢印αの長さLを調整する場合の制御部29が実行する処理を、図8のフローチャートを参照して説明する。なお、図8は、図3のS40の具体的処理を示すサブルーチンである。
【0082】
図8のフローチャート中に登場する記号について説明する。Lx,Lyは変数であり、L0(s),E(s),J0は定数である。この内、J0は縮尺によらずJ0=750mであるが、L0(s),E(s)は縮尺によって変わる。50m縮尺では、L0(s)=350m、E(s)=50mである。100m縮尺及び200m縮尺では、共にL0(s)=700m、E(s)=100mである。400m縮尺及び800m縮尺では、共にL0(s)=3000m、E(s)=500mである。
【0083】
図8の処理が開始すると、表示中の縮尺を取得し(S410)、現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する(S420)。
具体的には、K>L0(s)ならばS430へ移行してLx=L0(s)とし、続くS440にてLy=Lxとする。その後、S510へ移行し、長さL=Lyに決定する。
【0084】
一方、L0(s)≧K>L0(s)−E(s)ならば、S450へ移行してLx=K+E(s)とする。これに対して、L0(s)−E(s)≧Kならば、S460へ移行してLx=L0(s)とする。これらS450またはS460の処理後は、S470へ移行し、直近の案内する交差点と次に案内する交差点との距離Jについて条件判断する。
【0085】
具体的には、J>J0ならば、S440へ移行する。一方、J0≧J>0ならば、S480へ移行してS420と同様の判断、すなわち現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する。そして、K>L0(s)−E(s)−Jならば、Ly=K+J+E(s)−とし(S490)、その後、S510へ移行して長さL=Lyに決定する。一方、L0(s)−E(s)−J≧K>0ならば、Ly=L0(s)とし(S500)、その後、S510へ移行して長さL=Lyに決定する。
【0086】
ここで、100m縮尺におけるL0(s)=700m、E(s)=100mの場合を例にとって、さらに具体的に説明する。
現在地が直近の案内する交差点から700mよりも離れている場合には、S420の判断にてS430へ移行し、その後のS440,S510の処理によって長さL=L0(s)=700mで固定されている。
【0087】
そして、現在地が直近の案内する交差点から700mの地点に到達した場合、S450へ移行してK+E(s) 、すなわちこの時点では700m+100m=800mをLxとする。交差点が連続しない場合には、S470の判断にてS440へ移行し、その後のS510の処理によって長さL=てK+E(s)=800mとなる。その後、現在地が直近の案内する交差点からL0(s)−E(s)=600mの地点に到達するまでは、S420の処理にてS450へ移行し、その後のS470,S440,S510の処理によって、現在地と直近の案内する交差点までの距離KにE(s)=100mを加算した長さが矢印αの長さLとなる。つまり、矢尻が交差点に到達すると矢印αの長さLを100m延ばし、矢尻を一時的に固定した状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さLを短くしていく。
【0088】
そして、そして、現在地が直近の案内する交差点から600mの地点に到達した場合、S460へ移行してLx=L0(s)とし、その後のS470,S440,S510の処理によって長さL=L0(s)=700mとする。つまり、一時的に800mに延ばした矢印αの長さLを現在地の移動に伴って短くしていくが、矢印αの長さL=700mに戻ったら、それ以上短くすることはせず、700mに固定する。
【0089】
交差点が連続する場合も同様の考え方である。つまり、交差点間が750m未満の場合には、S470の判断にてS480へ移行し、その後のS490,S510の処理によって、一時的に長さL=K+J+E(s)(=100m)とする。これはつまり、図7(c)を参照して説明したように、(マークM11で示す)直近の交差点と(マークM12)で示す次に案内する交差点を含み、マークM12で示す「次に案内する交差点」をさらに100m超えた長さLの矢印αとする。そして、矢尻の位置を一時的に固定した状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さLを短くしていく。矢印αの長さLが700mに戻ったら、それ以上短くすることはせず、S500にて700mに固定する。
【0090】
(工夫4)案内ポイントが画面に表示されたら矢印の長さを調整する
図9に示すように、走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγが表示部26の表示画面内に表示された場合には、矢尻がその案内ポイントγを超えて位置するよう矢印αの長さを調整して表示する。案内ポイントに関しては早めに利用者に案内しておいた方がよいという考え方に立てば、このような工夫は好ましい。このようにすれば、表示画面を見た際に、表示画面内に案内ポイントγがある場合には必ず矢尻がその案内ポイントγを超えて位置するような矢印αとなっている。図9に示すように、例えば案内ポイントγが交差点であれば、利用者は曲がる方向を極力早めに(且つ直感的に)視認できることとなる。
【0091】
なお、案内ポイントγが目的地の場合には目的地を越えて矢印(α)を示すことはしない。つまり、矢尻がその目的地に固定して位置するよう矢印αの長さを調整して表示する(図11(d)参照)。もちろん、この場合も、利用者は目的地を極力早めに(且つ直感的に)視認できることとなる。
【0092】
それでは、走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγが表示部26の表示画面内に表示された場合に矢印αの長さLを調整する場合の制御部29が実行する処理を、図10のフローチャートを参照して説明する。なお、図10は、図3のS40の具体的処理を示すサブルーチンである。
【0093】
図10のフローチャート中に登場する記号については、図8を参照して説明したのでここでは繰り返さない。
図10の処理が開始すると、表示中の縮尺を取得し(S1410)、直近の案内する交差点が表示画面内に表示されたか否か判断する(S1420)。図9(a)に例示するように直近の案内する交差点が表示画面内に表示されていない場合には(S1420:NO)、S1430へ移行してLx=L0(s)とする。その後移行するS1460にてL=Lxに決定する。
【0094】
一方、図9(B)に例示するように直近の案内する交差点が表示画面内に表示された場合には(S1420:YES)、現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する(S1440)。L0(s)≧K>0ならばS1430へ移行し、K>L0(s)−E(s)ならばS1450へ移行してLx=K+E(s)とする。S1450の処理後は、S1460へ移行し、L=Lxに決定する。
【0095】
100m縮尺におけるL0(s)=700m、E(s)=100mの場合を例にとって、さらに具体的に説明する。
直近の案内する交差点が表示画面内に表示されるまでは矢印αの長さLは700mに固定されているが、直近の案内する交差点が表示画面内に表示されたら、図9(b)に示すように、その交差点を100m超えて矢尻を位置させる。そして、矢尻を一時的に固定した状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さLを短くしていく。そして、現在地が直近の案内する交差点から700mの地点に到達した場合、矢印αの長さLを700mに戻す。
【0096】
(工夫5)案内ポイントに応じて矢印の長さを調整したり表示方法を工夫する
上述のように、案内ポイントγは種々考えられる。交差点案内や目的地案内をはじめとして、料金所警告、カーブ警告、合流地点、踏切等が挙げられる。そして、このような案内ポイントγを示す所定のマークを矢印αに重ねて表示するとよい旨は述べた。
【0097】
そしてさらに、このようなマークを表示するだけでなく、所定の案内ポイントγが合流地点であった場合には合流してくる道路、所定の案内ポイントγが踏切であった場合には踏切の位置、をそれぞれ強調表示してもよい。例えば図11(b)に示すように、合流してくる道路の一部分についても、矢印αと接続した線分を表示し、且つその線分を例えば赤等の(視認時の)注意喚起効果の高い色とするK1、といったことが考えられる。また、図11(c)に示すように、踏切に関しては、単に踏切の示すマークM4を表示するだけでなく、踏切部分の両側に存在する線路を示す表示部分を強調表示K2することで、踏切の存在をより効果的に視認させることができる。
【0098】
(合流地点の場合の表示制御)
まずは、合流地点における案内ポイントマーク及び強調表示を行う場合の制御部29が実行する処理を、図12のフローチャートを参照して説明する。なお、図12は、図3のS40の具体的処理を示すサブルーチンである。
【0099】
図12のフローチャート中に登場する記号について説明する。Lx,Lyは変数であり、L0(s),L1(s),E(s)は定数である。この内、L0(s)については図8を参照して説明したのでここでは繰り返さない。また、L1(s)=1000m、E(s)=100mである。
【0100】
図8の処理が開始すると、表示中の縮尺を取得し(S2410)、現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する(S2420)。
具体的には、K>L1(s)ならばS2430へ移行してLx=L0(s)とし、続くS2460にて長さLをLxに決定する。
【0101】
一方、L1(s)≧K>L0(s)−E(s)ならば、S2440へ移行してLx=K+E(s)とする。これに対して、L0(s)−E(s)≧K>0ならば、S2450へ移行してLx=L0(s)とする。これらS2440またはS2450の処理後は、S2460へ移行して長さLをLxに決定する。
【0102】
ここまでの処理の実質的意味を100m縮尺におけるL0(s)=700mの場合を例にとって説明する。
現在地が直近の合流地点からL1(s)=1000mよりも離れている場合には、S2420の判断にてS2430へ移行し、その後のS460の処理によって長さL=てLx=L0(s)=700mで固定されている。
【0103】
そして、現在地が直近の合流地点から1000mの地点に到達した場合、S2420からS2440へ移行してK+E(s) 、すなわちこの時点では1000m+100m=1100mの長さLの矢印αとなり、図11(b)に示すように、合流地点を100m超えて矢尻を位置させる。そして、矢尻を一時的に固定した状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さLを短くしていく。そして、現在地が直近の合流地点から600mの地点に到達した時点では矢印αの長さLが700mとなっているため、その後は、矢印αの長さLを700mに固定する。
【0104】
このような矢印αの長さL調整と共に、S2470〜S2490において矢印αに案内ポイントマークM3と強調表示K1の追加のための制御を行う。具体的には、S2470において、現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する。L1(s)≧K>0ならばS2480へ移行して、図11(b)に示すように、矢印αに合流地点であることを示す案内ポイントマークM3を追加すると共に、強調表示K1を追加する。この強調表示K1は、合流してくる道路の一部分についても、矢印αと接続した線分を表示し、且つその線分を例えば赤等の(視認時の)注意喚起効果の高い色とするものである。
【0105】
そして、S2470の判断において、K≦0ならばS2490へ移行して矢印α上への案内ポイントマークM3と強調表示K1の追加表示を行わない(停止する)。つまり、合流地点が矢印α上に位置している場合には案内ポイントマークM3と強調表示K1の追加表示を行い、現在地が合流地点を過ぎた場合にそれらの追加表示を行わないようにするのである。
【0106】
(踏切の場合の表示制御)
次に、踏切における案内ポイントマーク及び強調表示を行う場合の制御部29が実行する処理を、図13のフローチャートを参照して説明する。なお、図13は、図3のS40の具体的処理を示すサブルーチンである。
【0107】
図13のフローチャート中に登場する記号について説明する。Lx,Lyは変数であり、L0(s),L1(s),E(s)は定数である。この内、L0(s)については図8を参照して説明したのでここでは繰り返さない。また、L1(s)=300m、E(s)=50mである。
【0108】
図13の処理が開始すると、表示中の縮尺を取得し(S3410)、S3420へ移行してLx=L0(s)とし、続くS3430にて長さLをLxに決定する。
このような矢印αの長さL調整と共に、S3440〜S3460において矢印αに案内ポイントマークM4と強調表示K3の追加のための制御を行う。具体的には、S3440において、現在地と直近の踏切までの距離Kについて条件判断する。L1(s)≧K>0ならばS3450へ移行して、図11(c)に示すように、矢印αに踏切であることを示す案内ポイントマークM4を追加すると共に、強調表示K2を追加する。例えば、踏切部分の両側に存在する線路を示す表示部分を強調表示(例えば線を太くするとか、目立つ色に変更するとか、ブリンク表示するとか、いったことである。)することで、踏切の存在をより効果的に視認させることができる。
【0109】
そして、S3440の判断において、K≦0ならばS3460へ移行して矢印α上への案内ポイントマークM4と強調表示K2の追加表示を行わない(停止する)。つまり、踏切が矢印α上に位置している場合には案内ポイントマークM4と強調表示K2の追加表示を行い、現在地が踏切を過ぎた場合にそれらの追加表示を行わないようにするのである。
【0110】
上記処理の実質的意味を100m縮尺におけるL0(s)=700mの場合を例にとって説明する。踏切が案内(警告)対象である場合は、矢印αの長さLはLx=L0(s)=700mに固定し、踏切に近づき、また矢尻が踏切を超えたとしても矢印αの長さLを変更しない。そして、現在地が踏切に300mに近づいた時点で上述の案内ポイントマークM4と強調表示K2の追加表示を行い、現在地が踏切を過ぎるまでその表示を継続する。
【0111】
(カーブの場合の表示制御)
次に、カーブにおける案内ポイントマーク及び強調表示を行う場合の制御部29が実行する処理を、図14のフローチャートを参照して説明する。なお、図14は、図3のS40の具体的処理を示すサブルーチンである。
【0112】
図14のフローチャート中に登場する記号について説明する。Lx,Lyは変数であり、L0(s),L1(s),E(s)は定数である。この内、L0(s)については図8を参照して説明したのでここでは繰り返さない。また、L1(s)=100m、E(s)=50mである。
【0113】
なお、定数L1(s)は、合流地点の場合には1000m、踏切の場合には300m、カーブの場合には100mであるが、これらは、それぞれの警告対象を鑑み、どのようなタイミングで警告するのが有効かを考慮して設定した値である。つまり、合流警告に関してはある程度離れた位置から警告した方が好ましいため相対的に長い1000mとした。これに対して踏切警告の場合はあまり離れた位置で警告しても実効性が薄いため相対的に短い300mとした。また、カーブに関しては、以下に説明するように、カーブの始点が表示されたらカーブの終点も分かるような長さLの矢印αとする。つまり、カーブに関しては単にカーブの始点だけが重要なのではなく、カーブ全体の形状(相対的に急カーブなのか緩やかなカーブなのか)や長さ等が分かることが重要である。そこで、下記に示すように、カーブの始点と終点を同時に表示するのであるが、その表示タイミングは、カーブの始点に100mまで近づいたときにしたのである。もちろん、これらの値は一例であって、任意に設定可能である。
【0114】
図14の処理が開始すると、表示中の縮尺を取得し(S4410)、現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する(S4420)。
具体的には、S4420の判断においてK>L1(s)ならば、S4430へ移行してLx=L0(s)とし、続くS4480にて長さLをLxに決定する。
【0115】
一方、S4420の判断においてL1(s)≧K>−Qならば、S4440へ移行してカーブの始点からカーブの終点までの距離Qについて条件判断する。なお、このS4420の条件判断式におけるQは、S4440に示す「カーブの始点からカーブの終点までの距離Q」である。また、このS4420における「現在地と直近の案内する交差点までの距離K」は、現在地がカーブの始点の手前ではプラス、現在地がカーブの始点を通過した場合にはマイナスの値となる。つまり、進行方向をプラスとした値として扱う。
【0116】
S4440の判断においてQ>L0(s)−K−E(s)ならば、S4450へ移行してLx=K+Q+E(s)とし、一方、L0(s)−K−E(s)≧QならばS4460へ移行してLx=L0(s)とする。これらS4450またはS4460の処理後は、S4480へ移行して長さLをLxに決定する。
【0117】
ここまでの処理の実質的意味を100m縮尺におけるL1(s)=100mの場合を例にとって説明する。
現在地が直近のカーブの始点からL1(s)=100mよりも離れている場合には、S4420の判断にてS4430へ移行し、その後のS4470の処理によって長さL=Lx=L0(s)=700mで固定される。
【0118】
そして、現在地が直近のカーブの始点から100mの地点に到達した場合、S4420からS4440へ移行してカーブの始点と終点との間の距離Qによる判断を行う。Qが550m以下の場合には、現在地が直近のカーブの始点から100mの地点に到達した状態で長さL=700mである矢印αの先頭(矢尻部分)が既にカーブの終点を50m以上超えていることとなる。そのため、S4460の処理によって長さL=Lx=L0(s)=700mで固定される。つまり、矢印αの長さLを700mよりも長くする必要性がないということである。
【0119】
これに対してQが550mよりも長い場合(例えば1000m)には、現在地が直近のカーブの始点から100mの地点に到達した状態で長さL=700mである矢印αの先頭(矢尻部分)は、まだカーブの終点を50m以上超える状態とはなっていない。Q=1000mであれば、矢印αの先頭はカーブの終点にさえ400m届いていないこととなる。
【0120】
そこで、この場合は、カーブの終点を50m超えて矢尻が位置するよう矢印αの長さLを調整する(S4450)。そして、矢尻を一時的に固定した状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さLを短くしていく。そして、現在地がカーブの終点から650mの地点に到達した時点では矢印αの長さLが700mとなっているため、その後は、矢印αの長さLを700mに固定する(S4460)。
【0121】
このような矢印αの長さL調整と共に、S4480〜S4500において矢印αに案内ポイントマークM21,M22(図11(a)参照)の追加のための制御を行う。具体的には、S4480において、現在地と直近のカーブの始点までの距離Kについて条件判断する。L1(s)≧K≧−QならばS4490へ移行して、図11(a)に示すように、矢印αにカーブの始点であることを示す案内ポイントマークM21とカーブの終点であることを示す案内ポイントマークM22を追加する。
【0122】
そして、S4480の判断において、K<−QならばS4500へ移行して矢印α上への案内ポイントマークM21,M22の追加表示を行わない(停止する)。つまり、現在地がカーブの始点に100mの位置まで近づいたら案内ポイントマークM21,M22の追加表示を行い、現在地がカーブの終点を過ぎた場合にそれらの追加表示を行わないようにするのである。
【0123】
このように、案内ポイントγがカーブの警告ポイントであった場合には、カーブの始点から終点までが全て含まれるよう矢印αの長さLを調整して表示している。もちろん、カーブの始点のみを案内ポイントと考えて、矢尻がそのカーブの始点を超えるような長さの矢印とするだけでもカーブの警告にはなり得る。しかし、カーブ警告を認識する利用者としては、カーブの始点だけでなく、カーブがどこまで続いていてカーブの終点(出口)はどこなのか、ということについても関心が高いと考えられる。したがって、カーブの始点から終点までが全て含まれるような矢印αを表示すれば、利用者はカーブ全体を直感的に視認できることとなる。
【0124】
(右左折等を事前に表示)
矢尻を含む矢印α全体によって走行経路の方向確認を行うことができるのであるが、車両が直進しているために矢印αも直線的に表示されている場合には、前方の案内ポイントにおいて右左折するか否かまでは確認できない。例えば図15(b)に示すように、前方の交差点にて左に曲がる走行経路が設定されていた場合であっても、図15(a)に示すように、その交差点が地図に表示されていない状態においては、前方交差点で左折することをユーザが事前に確認することができない。
【0125】
そこで、図15に示すように、直近の案内ポイントにおいて進行方向の変化がある場合には、矢尻がその案内ポイントに到達していない状態においても、その進行方向を示す表示と共に矢印を表示すればよい。例えば図15では、矢印αの側にマークが表示されている。図15に示す例では矢印αの左側にマークが表示されており、これは左折を示すマークとなっている。
【0126】
このようにすれば、図15(b)に示すように、前方の交差点にて左に曲がる走行経路であった場合、その交差点が地図に表示されていない状態(図15(a)参照)においても、前方交差点で左折することをユーザが確認できる。なお、進行方向を示す表示は、例えば図15に示すように簡単なマークであってもよいし、あるいは「左折」「右折」といった文字であっても良い。
【0127】
[矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかの工夫]
車両の移動に伴って、車両の位置や進行方向が変わる。特に、車両の進行方向が変わる場合に矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかに関して、例えば下記のような表示制御が考えられる。
【0128】
(1)図16に示す表示制御
矢印αが直線的に表示される場合、あるいは矢印αが走行経路上βの目的地以外の所定の案内ポイントγにおいて方向を変化させて表示される場合の何れにおいても、車両の進行方向が常に画面上で所定方向を向くように制御する(図16(a)(c)(d)参照)。ここでは、画面の上部方向を向くように制御する。なお、図16(c)は車両が交差点を左折している途中であるため、矢印αは画面の左端方向を向いており、図16(d)に示すように、車両が交差点を左折し終わった時点で、車両の進行方向と矢印αの方向が一致し、矢印αの向きが画面の上部方向を向くこととなる。
【0129】
(2)図17に示す表示制御
矢印αが直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御し(図17(a)(d)参照)、矢印αが走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントγまで所定距離に近づいた時点で矢尻が画面上で所定方向を向くように制御する(図17(b)(c)参照)。
【0130】
つまり、図17(d)に示すように、交差点を車両が左折し終わった場合は、車両の進行方向と矢印αの方向が一致しているため矢印αの向きが画面の上部方向を向いている。しかし、図17(c)に示すように、交差点を左折している途中であっても、図17(d)の場合と同様に、左折後の走行経路βに沿った矢印αの向きが画面の上部方向を向くように制御するのである。このようにすれば、案内ポイントγ通過後の進行方向が予め画面上での所定方向となるように表示できる。
【0131】
なお、「現在地が所定の案内ポイントγまで所定距離に近づいた時点で矢尻が画面上で所定方向を向くように制御」すればよいので、例えば図17(b)に示す状態において、左折後の走行経路βに沿った矢印αの向きが画面の上部方向を向くように制御してもよい。
【0132】
(3)図18に示す表示制御
矢印αが直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御し(図18(a)参照)、矢印αが走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントγを所定距離超えた時点で矢尻の向きが画面上で所定方向を向くように制御する(図18(b)〜(g)参照)。
【0133】
つまり、図18(d)に示すように、交差点を車両が左折し終わった時点でも、まだ地図の表示向きは変わっておらず、図18(a)〜(c)の場合と同じである。そして、図18(e)に示すように、現在地が所定の案内ポイントγを所定距離超えた時点で初めて、矢尻の向きが画面上で所定方向を向くように制御している。
【0134】
なお、図18(d)の状態から図18(e)の状態に遷移すると、地図が約90度回転するため、ユーザとしては急激に回転したように感じる。したがって、例えば複数回に分けて遷移させるようにしてもよい。例えば図18(d)の状態から図18(f)の状態を遷移し、その後、図18(f)の状態から図18(g)の状態を遷移する、といった具合である。この場合は、約45度ずつ回転するため、地図が急激に回転する印象を緩和できる。
【0135】
(4)図19に示す表示制御
矢印αが直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御し(図19(a)(d)参照)、矢印αが走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントγまで所定距離Xに近づいた時点から所定の案内ポイントγを所定距離超えた時点までの間、走行経路β上における所定の案内ポイントγへの進入方向の単位方向ベクトルと走行経路β上における所定の案内ポイントγからの退出方向の単位方向ベクトルとの合成ベクトルの方向が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御する(図19(b)(c)参照)。
【0136】
つまり、矢印αが走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγにおいて方向を変化させて表示され始めたら、図19(b)に示すように、走行経路β上における所定の案内ポイントγへの進入方向の単位方向ベクトル(1)と走行経路β上における所定の案内ポイントγからの退出方向の単位方向ベクトル(2)との合成ベクトル(3)の方向が、画面上で上部方向を向くようにする。そして、図19(d)に示すように、現在地が案内ポイントγを所定距離超えたら、その時点で、矢印αの方向が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御するのである。
【0137】
[他の実施形態]
以下、他の実施形態について説明する。
(1)矢印αの長さに関しては、走行経路の道路属性に応じて変化させてもよい。つまり、地図情報に道路種別、車線数等の道路属性情報も含めておき、制御部29内のSRAM等に、道路属性情報と矢印αの長さLの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく。そして、上述した矢印αの長さLを決定するに際して、現在地の道路属性情報に対応する矢印αの長さLの変更度合い情報を読み出し、その変更度合い情報に基づいて矢印αの長さLを調整して表示するのである。
【0138】
具体的には、車両の平均走行速度が高いと予想される道路ほど矢印を長くするような対応関係を制御部29内のSRAM等に記憶しておけばよい。例えば、車両の予想平均走行速度に基づいて高速道路>3車線以上の国道>国道>……とする。なお、予め道路属性と矢印の長さの対応を示すテーブルを記憶していてもよいし、デフォルトの矢印の長さを何%変化させるか、という計算式を有していてもよい。
【0139】
(2)矢印αの太さに関しても、走行経路の道路属性に応じて変化させてもよい。つまり、地図情報に道路種別、幅員等の道路属性情報も含めておき、制御部29内のSRAM等に、道路属性情報と矢印αの太さの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく(図20参照)。そして、上述した矢印αの太さを決定するに際して、現在地の道路属性情報に対応する矢印αの太さの変更度合い情報を読み出し、その変更度合い情報に基づいて矢印αの太さを調整して表示するのである。
【0140】
具体的には、幅員が大きい、あるいは大きいと予想される道路ほど矢印を太くするような対応関係を制御部29内のSRAM等に記憶しておけばよい。幅員情報そのものを記憶しているのであれば、幅員が大きくなるほど矢印αも太くなるような対応関係を設定しておけばよい(図20(a)参照)。また、道路種別情報を記憶しているのであれば、矢印αの太さを高速道路>3車線以上の国道>国道>……となるように設定することが考えられる(図20(b)参照)。なお、上記の矢印の長さLの場合と同様に、予め道路属性と矢印αの太さの対応を示すテーブルを記憶していてもよいし、デフォルトの矢印αの太さを何%変化させるか、という計算式を有していてもよい。
【0141】
(3)上記実施形態では、図2等に示すように矢印αを半透過状態となるように表示した。この工夫は、地図画像や走行経路βに重ねて表示した場合に、それらが視認できるようにするためである。そのような効果が得られるのであれば、別の手法を採用してもよい。例えば矢印αを破線によって示して表示してもよい。
【0142】
(4)案内ポイントγを示すマークを矢印(α)に重ねて表示する場合においても、マークが示している案内ポイントγにおける走行経路βが視認可能な方が好ましい。そこで、少なくとも案内ポイントγを示す所定のマークの部分において少なくとも走行経路βが視認可能なように透過率を調整して、所定のマークと矢印αを表示するとよい。
【0143】
例えば、図21(a)に示す例では、矢印αは全体としては透過しないが、案内ポイントγを示すマーク部分については、走行経路βが視認可能なように透過率が調整されている。また、図21(b)に示す例では、矢印αが全体としては透過すると共に、案内ポイントγを示すマーク部分についても、やはり走行経路βが視認可能なように透過率が調整されている。
【0144】
(5)図2に示す例では、車両の進行に伴って地図がスクロール表示されるが、画面上での車両の位置(自車位置)は固定している。
ただし、図22に示すように、自車位置が案内ポイントγに所定距離Mまで接近したら、案内ポイントγの位置を固定して、自車位置を移動するようにしてもよい。つまり、図22(a)〜(c)においては、自車位置が固定されているが、図22(c)の状態になったら、今後は案内ポイントγの位置を固定し、自車位置が画面上で上部に移動していくような表示態様となる。そして、図22(d)に示すように、自車位置が案内ポイントγに到達し、通過した後は、図22(a)に示すような自車位置(画面下方)に戻す。この場合、1回で元の自車位置に戻してもよいし、徐々に戻してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】実施形態の矢印αの表示例を示す説明図である。
【図3】表示制御処理を示すフローチャートである。
【図4】矢印α表示の基本ルールを示すための説明図である。
【図5】矢印α表示の基本ルールを示すための説明図である。
【図6】矢印α表示の工夫(色分け表示や目盛り)を示すための説明図である。
【図7】矢尻が交差点に差し掛かったら矢印αの長さLを調整する場合の工夫を示す説明図である。
【図8】図7のような長さ調整を実行するための長さ決定処理を示すフローチャートである。
【図9】案内ポイントが画面に表示されたら矢印αの長さLを調整する場合の工夫を示す説明図である。
【図10】図9のような長さ調整を実行するための長さ決定処理を示すフローチャートである。
【図11】種々の案内ポイントに対する矢印αの表示例及び案内ポイントマークや強調表示の具体例を示す説明図である。
【図12】案内ポイントが合流地点の場合の長さ調整や表示制御のための長さ決定処理を示すフローチャートである。
【図13】案内ポイントが踏切の場合の長さ調整や表示制御のための長さ決定処理を示すフローチャートである。
【図14】案内ポイントがカーブの場合の長さ調整や表示制御のための長さ決定処理を示すフローチャートである。
【図15】右左折等を事前に表示する場合の工夫を示す説明図である。
【図16】矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかを示す説明図である。
【図17】矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかを示す説明図である。
【図18】矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかを示す説明図である。
【図19】矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかを示す説明図である。
【図20】道路属性情報に応じて矢印αの太さの変更する場合の説明図である。
【図21】案内ポイントγを示すマーク部分を透過表示させる場合の説明図である。
【図22】自車位置が案内ポイントγに所定距離Mまで接近したら、案内ポイントγの位置を固定して表示させる場合の説明図である。
【図23】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
【0146】
20…ナビゲーション装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、22…操作スイッチ群、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部通信機、25…地図データ入力器、26…表示部、27…音声出力部、28…マイクロフォン、29…制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、目的地までの走行経路を画像表示によって案内する経路案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置において、現在地周辺の地図画像に目的地までの走行経路を合成して表示する技術が知られている。経路線の色や太さを変えて地図画像に重ねて表示することで利用者に走行経路を案内したり、あるいは交差点等分岐する場所において、その方向を示す矢印を表示する、といった工夫はこれまでもなされてきた。ここで、上記方向を示す矢印は、画面の一部を占有して以下のような内容を表示するものが知られている。
【0003】
(1)次の案内する地点に関して、現在地からの距離と曲がる方向を常時表示する(図23(a)、特許文献1の図2参照)。
(2)交差点等の案内ポイントが近づくと、その交差点等の拡大図を表示し、曲がる場所を明示する((図23(b)、特許文献1の図2参照)。
【0004】
(3)さらには、交差点や高速道路の入口を拡大鳥瞰図として表示すると共に、進行方向を矢印で示す(図23(c)、特許文献2の図1参照)。
【特許文献1】特開平9−81895号公報
【特許文献2】特開平9−105642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この場合、例えば対角6.5インチ以上の大きな横長ディスプレイにおいては、図23に示すように、現在地マークを表示する部分と上記分岐に関する情報を表示する部分とが少し離れるため視線の移動を必要とし、一度に認識することができない。そして、図23(b),(c)に示すように2画面表示する場合には、左側の地図画像で現在地を確認し、右側の拡大(鳥瞰)図で進行方向を確認し、結局、両画面を見て確認する必要がある。
【0006】
また、例えば対角6インチ以下の小型のディスプレイや、縦置きのディスプレイを使いたい場合には、方向表示のために画面の一部を占有することは難しい。図23に示すように画像表示を行うと、表示内容が煩雑、小さくなってしまい、結果的に見にくくなってしまう。したがって、2画面に分割して表示するといった手法が採用しにくい。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、現在地の確認と走行経路の方向確認を、視線移動を必要とせずに行うことができる経路案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1の経路案内装置(実施形態ではナビゲーション装置20に経路案内機能が組み込まれている。以下同様に、実施形態における対応構成要素の符号を括弧内に示す。)は、車両に搭載されて用いられ、画像表示を行う表示手段(26)と、地図情報を取得する地図情報取得手段(25)と、車両の現在地を特定する現在地特定手段(21)と、 目的地までの走行経路を取得する走行経路取得手段(29)と、地図情報取得手段によって取得した地図情報を用い、現在地特定手段によって特定された現在地周辺の地図画像を表示手段に表示すると共に、走行経路取得手段により取得した走行経路を、地図画像に重ねて表示する案内制御手段(29)を備えている。そして案内制御手段は、例えば図2に例示するように、地図画像に走行経路(β)を合成した表示に対して、さらに、現在地特定手段によって特定された現在地を基準とし、走行経路(β)に沿って所定距離先に矢尻を有すると共に当該矢尻まで続く線分を有する矢印(α)を重ねて表示する。なお、「現在地」は現在位置と同義である。また、「矢尻」は矢印の先頭の意味である。
【0009】
この表示された矢印(α)の基準は現在地であるため現在地の確認を行える。また、走行経路(β)に沿って所定距離先に矢尻を有するため、その矢尻を含む矢印全体によって走行経路の方向確認を行うことができる。つまり、現在地の確認と走行経路の方向確認を、視線移動を必要とせずに行うことができる。
【0010】
また、図23(b),(c)に示すような方向案内のための拡大(鳥瞰)図を地図画像と2画面表示する手法では、小さい画面や縦長の画面への表示を前提としたシステムでの適用が困難であり、あえて適用すると視認性を害してしまう。それに対して本発明の場合には地図画像と方向案内表示を1画面内で実現できるため、小さい画面や縦長の画面への表示を前提としたシステムへ適用しても問題がない。
【0011】
そして、この矢印(α)は、現在地を基準とし、走行経路βに沿って所定距離先に矢尻を有するため、その矢印(α)を見た利用者にとって距離感がつかみやすい。例えば所定距離が700m(当然ながら、地図上での相当距離を意味し、実際の矢印の長さを意味するものではない。以下、同様。)と定まっている場合であれば、矢尻が右左折すべき交差点に位置した場合(例えば図2(b)参照)、現在地からその交差点までが700mであることが分かる。さらに交差点に近づいた場合であっても(例えば図2(c)参照)、矢尻(α)全体の長さが700mだと分かっていれば、現在地から交差点までのおよその距離を把握することもできる。例えば図2(c)に示す状態であれば、矢印(α)の先頭側約3/7ぐらいが交差点を超えているので、現在地から交差点まで約400m程度であることが把握できる。このような効果が得られるのは、本発明における矢印(α)は、車両の走行に伴って現在地が移動すれば、矢尻も同期して移動するからである。このような矢印(α)を表示するという技術思想は、従来にない特筆すべき特徴である。
【0012】
ところで、本発明の場合には、地図画像に走行経路を重ねて表示に対してさらに矢印を重ねて表示している。したがって、請求項2に示すように、地図画像や走行経路(β)が視認可能となる態様で矢印(α)を表示することが好ましい。例えば重ねて表示する際の透過率を調整して、半透過状態となって地図画像や走行経路を視認できるようにしたり、あるいは矢印を破線で表示すること等が考えられる。
【0013】
また、現行のナビゲーション装置では縮尺の異なる地図画像を表示できるようになっているのが一般的である。したがって、表示する地図画像の縮尺に応じて矢印の長さを調整することも好ましい工夫である。例えば請求項3に示すように、矢印の基準と矢尻との間の距離を、表示する地図画像の縮尺の大小に基づいて設定し、その設定された所定距離で矢印を表示するのである。一例としては、表示する地図画像の縮尺が大きいほど矢印の基準と矢尻との間の距離が長くなるよう設定することが考えられる。
【0014】
また、請求項4に示すように、案内手段が音声を出力する音声出力部も有しており、案内制御手段が音声による案内を行う経路案内機能もよく知られている。つまり、現在地特定手段によって特定された現在地が、(例えば右左折する交差点等の)走行経路上における所定の案内ポイント(γ)から所定の音声案内用距離の位置へ近づいた場合に、音声出力部を介した所定の音声案内を実行する。このような音声案内機能を有していることを前提とするならば、請求項4に示すように、矢印の基準と矢尻との間の距離を、音声案内用距離に基づいて設定し、その設定した所定距離で矢印を表示することが考えられる。
【0015】
「音声案内用距離に基づいて設定」とは、例えば矢印の長さを音声案内用距離と同じにしてもよいし、それよりも長く(あるいは短く)してもよい。例えば案内ポイント(γ)が交差点の場合、その交差点の手前700mで「次の交差点を左折します」というような音声案内をする場合、矢印の長さも同じ700mにすれば、音声案内がされた際に矢尻がちょうど交差点に位置することとなる。また、矢印の長さを音声案内用距離よりも少し長めの800mにすれば、音声案内がされた際に矢尻が交差点を少し左折した位置にあり、利用者は曲がる方向を直感的に視認できる。
【0016】
また、このように音声案内タイミングに基づいて矢印の長さを調整すると共に、請求項5に示すように、矢印の表示態様を変更してもよい。例えば矢印の表示色を変更したり、矢印の太さを変えたり、あるいは、矢印を点滅表示させることが考えられる。このようにすれば、案内ポイントが差し迫っていることをより強調できる。
【0017】
矢印の長さは任意に設定可能であるが、実際には、上述した具体例のように700mあるいは縮尺によってはもっと長くすることが考えられる。矢印の全長だけ分かっている場合には、矢印の途中に位置する道路や交差点等が現在地からどの程度の距離なのかを目分量で把握しなくてはならない。もちろん、そのような目分量でもおおよその距離は把握できるが、請求項5に示すような工夫を施しても良い。
【0018】
つまり、案内制御手段が、矢印の基準と矢尻との間を所定間隔で色または形状に変化を付けるか、あるいは矢印の基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付した状態で、矢印(α)を表示するのである。例えば、図6(a)には矢印(α)を3等分して色分けした例を示し、図6(b)には矢印(α)の長さを700mとした場合に、現在地から200m毎の目盛りを付した例を示した。このような工夫によって、矢印の途中に位置する道路や交差点等が現在地からどの程度の距離なのか、といったことをより正確に把握することができる。なお、図6(a)では矢印(α)を3等分して色分けした例を示したが、形状に変化を付けても同様の効果が得られる。例えば矢印の太さを3段階に変化(細くなっていく、あるいは太くなっていく)させること等が考えられる。
【0019】
なお、上述した矢印に関する工夫については、常時実行しても良いが、請求項7に示すように、案内ポイント上に差し掛かった場合にのみ実行するようにしてもよい。つまり、案内制御手段は、矢尻が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント上に差し掛かった場合にのみ、矢印の基準と矢尻との間を所定間隔で色または形状に変化を付けるか、あるいは矢印の基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付した状態で、矢印を表示する。そして、矢印の基準が目的地以外の所定の案内ポイントを通過したら、色または形状に変化を付けた状態、あるいは所定間隔の目盛りを付した状態を解除して、矢印を表示するのである。距離感をより正確に把握したいのは案内ポイント上に差し掛かった場合であるため、その必要な期間のみ矢印の基準と矢尻との間を所定間隔で色または形状に変化を付けたり、あるいは矢印の基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付した状態とするのである。
【0020】
矢印(α)の長さに関しては、走行経路の案内状況に応じて動的に変化させてもよい。
例えば請求項8に示すように、矢尻が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント(γ)上に差し掛かった場合には、矢尻がその案内ポイント(γ)を超えて位置するよう矢印(α)の長さを調整して表示することが考えられる。例えば通常は700mの矢印であるが、例えば交差点等の案内ポイント(γ)に差し掛かると、例えば100m長くして一時的に800mにする、といったことである。このようにすれば、矢尻が交差点を少し左折した位置にあり、利用者は曲がる方向を直感的に視認できる。但し、案内ポイント(γ)であっても目的地の場合にはその目的地を越えて矢印(α)を示すことはせず、矢尻が走行経路上の目的地に差し掛かった場合には、矢尻がその目的地に固定して位置するよう矢印の長さを調整して表示する。つまり、矢尻が目的地に固定された状態で、現在地の移動に伴って矢印(α)の長さが徐々に短くなる。
【0021】
なお、矢尻が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント(γ)上に差し掛かった場合には、矢尻がその案内ポイント(γ)を超えて位置するよう矢印の長さを調整して表示するが、その後は、元の長さに戻す方が好ましい。この場合の戻し方は種々考えられる。例えば上述の交差点の具体例を用いて説明すれば、交差点に差し掛かって一時的に800mの長さにして矢尻が交差点を少し左折した位置にあるようにした場合、一時的に矢尻の位置を固定し、現在地の移動に伴って矢印(α)の長さが700mになるまで待つ。そして700mに戻ったら、通常通り、その700mの長さを保ったまま現在地の移動に伴って、矢印(α)も移動させていく。このように徐々に戻す手法でもよいし、あるいは、例えば現在地が交差点を過ぎるまで800mの長さを保持し、その後、700mに一気に戻しても良い。
【0022】
また、案内ポイントが連続する場合、その案内ポイント同士の距離に応じて請求項9に示すような工夫を施しても良い。つまり、案内制御手段は、矢尻が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント上に差し掛かった場合には、当該案内ポイントを基準としてその先の直近の案内ポイントまでの距離が所定距離未満か否か判断し、所定距離未満であれば、矢尻がその案内ポイントを超えて位置するよう前記矢印の長さを調整する。これによって、例えば交差点等が連続しており、それらの間の距離が所定距離未満の場合には、直近の交差点ではなく、その先の交差点を超えて矢尻が位置するような矢印にする。こうすれば、連続する交差点をどのように進行していけばよいかが明確に把握できる。
【0023】
そして、さらに先にある案内ポイントについても同様の扱いをする場合には、隣接する案内ポイント間の距離が所定距離未満であるという条件を満たすか否かを順番に判断し、当該条件を連続して満たす場合には、矢尻が該当する案内ポイントを超えて位置するよう矢印の長さを調整する。このようにすれば、3つ以上の交差点が連続する場合であっても、同様に連続する交差点をどのように進行していけばよいかが明確に把握できる。なお、交差点を例に挙げたが、対象となる案内ポイントは交差点には限らない。
【0024】
また、請求項10に示すように、走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント(γ)が表示部の表示画面内に表示された場合には、矢尻がその案内ポイント(γ)を超えて位置するよう矢印(α)の長さを調整して表示することが考えられる。案内ポイントに関しては早めに利用者に案内しておいた方がよいという考え方に立てば、このような工夫は好ましい。このようにすれば、表示画面を見た際に、表示画面内に案内ポイント(γ)がある場合には必ず矢尻がその案内ポイント(γ)を超えて位置するような矢印(α)となっており、例えば案内ポイント(γ)が交差点であれば、利用者は曲がる方向を極力早めに(且つ直感的に)視認できることとなる。
【0025】
なお、案内ポイント(γ)が目的地の場合には、上述の請求項8の場合と同様、目的地を越えて矢印(α)を示すことはしない。したがって、表示画面内に目的地が表示された場合であっても、矢尻がその目的地に固定して位置するよう矢印(α)の長さを調整して表示する。もちろん、この場合も、利用者は目的地を極力早めに(且つ直感的に)視認できることとなる。
【0026】
また、案内ポイント(γ)がカーブの警告ポイントであった場合には、請求項11に示すような工夫を行うとよい。つまり、カーブの始点から終点までが全て含まれるよう矢印(α)の長さを調整して表示するのである。もちろん、カーブの始点のみを案内ポイントと考えて、矢尻がそのカーブの始点を超えるような長さの矢印(α)とするだけでもカーブの警告にはなり得る。しかし、カーブ警告を認識する利用者としては、カーブの始点だけでなく、カーブがどこまで続いていてカーブの終点(出口)はどこなのか、ということについても関心が高いと考えられる。したがって、カーブの始点から終点までが全て含まれるような矢印(α)を表示すれば、利用者はカーブ全体を直感的に視認できることとなる。
【0027】
上述のように、案内ポイント(γ)は種々考えられる。交差点案内や目的地案内をはじめとして、料金所警告、カーブ警告、合流地点、踏切等が挙げられる。これらのどれに該当するかは地図画像から把握することも可能であるが、より直感的に把握できた方が好ましい。そこで請求項12に示すように、矢印(α)が走行経路上の所定の案内ポイント(γ)上に存在する場合には、その案内ポイント(γ)を示す所定のマーク(M1,M11,M12,M21,M22,M3,M4,M5,M6:以下、総称する際にはM1等を記す。)を矢印(α)に表示するとよい(図4、図7,図11等参照)。
【0028】
このようにマークを矢印(α)に表示する場合、マークが示している案内ポイントにおける走行経路が視認可能な方が好ましい。そこで、請求項13に示すように、少なくとも案内ポイントを示す所定のマークの部分において少なくとも走行経路が視認可能なように透過率を調整して、所定のマークと矢印を重ねて表示するとよい。「少なくとも走行経路が視認可能」とは、走行経路に加えて例えば地図画像についても視認可能にしてもよいという趣旨である。また、「少なくとも案内ポイントを示す所定のマークの部分において」とは、マーク部分のみ少なくとも走行経路が視認可能なように透過率を調整してもよいし、矢印部分も含めて少なくとも走行経路が視認可能なように透過率を調整してもよいという趣旨である(図21参照)。
【0029】
そしてさらに、このようなマーク(M1等)を表示するだけでなく、請求項14に示すように、所定の案内ポイント(γ)が合流地点であった場合には合流してくる道路、所定の案内ポイント(γ)が踏切であった場合には踏切の位置、をそれぞれ強調表示してもよい。例えば図11(b)に示すように、合流してくる道路の一部分についても、矢印(α)と接続した線分を表示し、且つその線分を例えば赤等の(視認時の)注意喚起効果の高い色とする(K1)、といったことが考えられる。また、図11(c)に示すように、踏切に関しては、単に踏切の示すマーク(M4)を表示するだけでなく、踏切部分の両側に存在する線路を示す表示部分を強調表示(K2)することで、踏切の存在をより効果的に視認させることができる。
【0030】
一方、矢印(α)の長さに関しては、請求項15に示すように、走行経路の道路属性に応じて変化させてもよい。つまり、地図情報取得手段によって取得した地図情報に道路種別、車線数等の道路属性情報も含まれており、道路属性情報と矢印の長さの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく対応関係記憶手段を備えているのであれば、現在地特定手段によって特定された現在地の道路属性情報に対応する矢印の長さの変更度合い情報を、対応関係記憶手段から読み出し、その矢印の長さの変更度合い情報に基づいて矢印の長さを調整して表示するのである。
【0031】
具体的には、車両の平均走行速度が高いと予想される道路ほど矢印を長くするような対応関係を記憶しておけばよい。例えば、車両の予想平均走行速度に基づいて、高速道路>3車線以上の国道>国道>……とする。なお、予め道路属性と矢印の長さの対応を示すテーブルを記憶していてもよいし、デフォルトの矢印の長さを何%変化させるか、という計算式を有していてもよい。
【0032】
一方、矢印(α)の幅に関しては、請求項16に示すように、走行経路の道路属性に応じて変化させてもよい。つまり、地図情報取得手段によって取得した地図情報に道路種別、幅員等の道路属性情報も含まれており、道路属性情報と矢印の太さの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく対応関係記憶手段を備えているのであれば、現在地特定手段によって特定された現在地の道路属性情報に対応する矢印の太さの変更度合い情報を、対応関係記憶手段から読み出し、その矢印の太さの変更度合い情報に基づいて矢印の太さを調整して表示するのである。
【0033】
具体的には、幅員が大きい、あるいは大きいと予想される道路ほど矢印を太くするような対応関係を記憶しておけばよい。幅員情報そのものを記憶しているのであれば、幅員が大きくなるほど矢印も太くなるような対応関係を設定しておけばよい。また、道路種別情報を記憶しているのであれば、矢印の幅を例えば高速道路>3車線以上の国道>国道>……となるように設定することが考えられる。なお、上記の矢印の長さの場合と同様に、予め道路属性と矢印の太さの対応を示すテーブルを記憶していてもよいし、デフォルトの矢印の太さを何%変化させるか、という計算式を有していてもよい。
【0034】
ところで、上述したように所定長さの矢印(α)あるいは所定の長さ調整をした矢印(α)を表示しようとして、その矢印(α)の矢尻が表示部の表示画面内に収まりきらない場合も想定される。そのような場合には、請求項17に示すように、矢尻が表示画面内に収まるよう矢印の長さを調整して表示するとよい。例えば表示画面の端に矢尻が位置するように長さ調整をするのである。
【0035】
本発明においては、矢尻を含む矢印全体によって走行経路の方向確認を行うことができるのであるが、車両が直進しているために矢印も直線的に表示されている場合には、前方の案内ポイントにおいて右左折するか否かまでは確認できない。
【0036】
そこで、請求項18に示すように、直進時において前方の右左折予告をしてもよい。つまり、走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントの内、直近の案内ポイントにおいて進行方向の変化がある場合には、矢尻がその案内ポイントに到達していない状態において、その進行方向を示す表示と共に矢印を表示するのである。進行方向を示す表示は、例えば簡単なマークでもよいし(図15参照)、あるいは文字であっても良い。
【0037】
このようにすれば、例えば図15(b)に示すように、前方の交差点にて左に曲がる走行経路であった場合、その交差点が地図に表示されていない状態(図15(a)参照)においても、前方交差点で左折することをユーザが確認できる。
【0038】
車両の移動に伴って、車両の位置や進行方向が変わる。特に、車両の進行方向が変わる場合に矢印が画面上でどの方向を向くように表示をするかに関して、例えば下記のような表示制御が考えられる。
【0039】
(1)請求項19に示す表示制御
矢印が直線的に表示される場合、あるいは矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合の何れにおいても、車両の進行方向が常に画面上で所定方向を向くように制御する(図16参照)。
【0040】
(2)請求項20に示す表示制御
矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御し、矢印が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントまで所定距離に近づいた時点で矢尻が画面上で所定方向を向くように制御する(図17参照)。このようにすれば、案内ポイント通過後の進行方向が予め画面上での所定方向となるように表示できる。
【0041】
(3)請求項21に示す表示制御
矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向を向くように制御し、矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントを所定距離超えた時点で矢尻の向きが画面上で所定方向を向くように制御する(図18参照)。なお、所定方向を向くように制御する際には、1回でその所定方向を向くようにしてもよいし、複数回かけてその所定方向を向くようにしてもよい。
【0042】
(4)請求項22に示す表示制御
矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向を向くように制御し、矢印が走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントまで所定距離に近づいた時点から所定の案内ポイントを所定距離超えた時点までの間、走行経路上における所定の案内ポイントへの進入方向の単位方向ベクトルと走行経路上における所定の案内ポイントからの退出方向の単位方向ベクトルとの合成ベクトルの方向が前記画面上で所定方向を向くように制御する(図19参照)。
【0043】
また、請求項23に記載のような、請求項1〜22の何れかに記載の経路案内装置における案内制御手段として機能させるプログラムを、経路案内装置が内蔵するコンピュータに実行させるようになっていてもよい。このようになっていれば、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読みとり可能な記録媒体にプログラムを記録し、そのプログラムを必要に応じてコンピュータにロードして起動することによりコンピュータを経路案内装置の案内制御手段として機能させることができる。また、プログラムはネットワーク等を用いて流通させることも可能であるため、経路案内装置の機能向上も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0045】
[ナビゲーション装置20の構成説明]
図1は、本発明の経路案内装置が有する機能が組み込まれたナビゲーション装置20の概略構成を示すブロック図である。
【0046】
ナビゲーション装置20は車両に搭載され、車両の現在地を検出する位置検出器21と、利用者からの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、操作スイッチ群22と同様に各種指示を入力可能であってナビゲーション装置20とは別体となったリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す)23aと、リモコン23aからの信号を入力するリモコンセンサ23bと、パケット通信網等に接続して外部と通信を行う外部通信機24と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器25と、地図や各種情報の表示を行うための表示部26と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力部27と、利用者が発話した音声に基づく電気信号を出力するマイクロフォン28と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコンセンサ23b,外部通信機24,地図データ入力器25,マイクロフォン28からの入力に応じて各種処理を実行し、外部通信機24,表示部26,音声出力部27を制御する制御部29とを備えている。
【0047】
位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ21cとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21dからの出力信号に基づいて制御部29が、車両の位置,方位,速度等を算出する。なお、GPS受信機21aからの出力信号に基づいて現在地を求める方式は様々な方式があるが、単独測位方式、相対測位方式の何れであってもよい。
【0048】
操作スイッチ群22は、表示部26の表示面と一体に構成されたタッチパネル及び表示部26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成される。なお、タッチパネルと表示部26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式等各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0049】
外部通信機24は、路側に設置された光ビーコンや電波ビーコン等を介してVICSの情報センタから事故情報や渋滞情報等を取得する。
地図データ入力器25は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノード番号、リンク番号、道路の形状データ、道路の幅員データ、道路種別データ、道路番号、道路の規制データ、地形データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、通行不可能な分離帯によって分離された同一進行方向の複数の車道から構成された道路については、それぞれの車道毎にリンクデータや、案内用の音声データが割り当てられている。
【0050】
表示部26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,CRT等があるが、その何れを用いてもよい。表示部26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在地と地図データ入力器25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
【0051】
音声出力部27は、地図データ入力器25より入力した施設のガイドや各種案内の音声を出力することができる。
マイクロフォン28は、利用者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部29に出力するものである。利用者はこのマイクロフォン28に様々な音声を入力することにより、ナビゲーション装置20を操作することができる。
【0052】
制御部29は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在地を算出し、地図データ入力器25を介して読み込んだ現在地付近の地図等を表示部26に表示する処理や、地図データ入力器25に格納された地図データと、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在地から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路を表示部26に表示させたり音声出力部27に音声として出力させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。経路案内処理においては、上述した経路算出の結果と地図データ内に格納されている道路の形状データや、交差点の位置情報、踏切の位置情報等から、案内に必要なポイントを算出したり、どのような案内(右に曲がるか左に曲がるかの指示等、すなわち、いわゆるナビゲーション)が必要なのかを決定する。
【0053】
[表示制御の概要]
ところで、本実施形態のナビゲーション装置20においては、この経路案内の際、図2に例示するように、表示部26に現在地周辺の地図画像を表示すると共に、経路算出の結果得られた走行経路βを地図画像に重ねて表示し、さらに矢印αを重ねて表示する。この矢印αは、現在地を基準とし、走行経路βに沿って所定距離L(図4参照)先に矢尻を有すると共に当該矢尻まで続く線分を有している。さらに具体的には、矢印αの基準部分は十字を円で囲んだ現在地カーソルであり、その十字の交点が現在地を示している。また、矢印αの太さは、走行経路βの太さのおよそ3倍となっている。もちろんこの太さは任意に設定すればよいが、走行経路βに重ねて表示するため、太さが異なっていた方が好ましい。なお、この現在地カーソルと矢尻と線分の全ての部分を含めて「矢印α」と称する。
【0054】
そしてさらに、本実施形態の矢印αは、重ねて表示する際の透過率を調整し、半透過状態となって地図画像や走行経路βを視認できるようにされている。これにより、地図画像や走行経路βと重ねて矢印αを表示しても、地図画像や走行経路βが視認できなくなることを防止できる。
【0055】
この矢印αは、車両の走行により現在地が経路上を移動していくことに伴って移動して表示される。例えば図2は、走行経路β上で交差点を左折する場合の矢印αの移動の状況を示している。図2では、車両の走行に伴って(a)→(b)→(c)→(d)のように矢印αの表示が変化していく。まず、図2(a),(b)においては、走行経路βが直進状態であるため、矢印αの形状・長さは変化せず、単に走行経路β上を進んでいるだけである。それに対して、図2(b)に示すように矢印αの矢尻が交差点に到達した後、さらに車両が走行すると、図2(c)に示すように矢尻が左折している。つまり、矢印αは走行経路βに沿って表示されるので、矢尻部分は、矢印αの基準が存在する道路から左折した道路に位置することとなる。そして、さらに車両が走行して現在地が交差点に到達した場合には、図2(d)に示すような矢印αの状態となる。
【0056】
次に、制御部29が実行する経路案内処理のうち、本実施例のナビゲーション装置20に特徴的な処理である矢印αの表示制御処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。この表示制御処理は、経路案内処理に含まれる他の処理、例えば音声による経路案内処理等と並行して実行されるものである。なお、従来のナビゲーション装置が実行する、上述した経路算出処理や音声による経路案内処理については、従来手法と同様であるため詳しい説明は省略する。
【0057】
制御部29が表示制御処理の実行を開始すると、まず、現在、経路案内中か否か判断し(S10)、案内中であれば(S10:YES)、現在地が走行経路に乗っているか否か判断する(S20)。そして、現在地が経路に乗っている場合には(S20:YES)、現在地を更新する(S30)。
【0058】
続いて、矢印αの長さLを決定する(S40)。この矢印αの長さLは、図4に示すように、現在地と矢尻との間の距離を意味する。なお、矢印αの長さLの決定方法に関しては後ほど詳述する。
【0059】
矢印αの長さLが決定したら、現在地近辺の地図と算出された走行経路を表示部26に表示する(S50)。そして、走行経路βに沿って長さLの矢印αを表示部26に表示する(S60)。すなわち、地図画像と走行経路βと矢印αとが重ねて表示される。そしてさらに、矢印αの先頭(つまり矢尻部分)が表示部26の表示画面からはみ出る場合は、表示画面の端に矢尻を表示する(S70)。つまり、矢印αの長さLが見かけ上短くなる。
【0060】
なお、上述したように、矢印αは半透過状態で表示されるため、地図画像や走行経路βと重ねて矢印αを表示しても、地図画像や走行経路βが視認できる。
一方、現在、経路案内中でない場合(S10:NO)、あるいは現在地が走行経路に乗っていない場合(S20:NO)には、現在地を更新(S80)した後、現在地カーソルのみを表示する(S90)。
【0061】
S70またはS90の処理後は、S10へ戻って、S10以下の処理を繰り返す。
[矢印αの表示の基本ルール]
図4、図5を参照して矢印α表示の基本ルールについて説明する。
【0062】
上述のように矢印αは長さLを保ったまま走行経路β上を移動する。つまり、図4(a)に示すように矢印αが直線状であっても、図4(b)に示すように矢尻部分が曲がっていても、基準である現在地から矢尻までの長さLは原則的に一定である。
【0063】
この矢印αの長さLの決定方法例を、図5に4種類示しておく。
例1及び例2は、音声による経路案内に対応した決定方法であり、例1の場合は音声の案内と合わせることを目的とし、例2の場合は音声による経路案内のタイミングにおける案内ポイントγまでの距離よりも少し長くする決定方法である。
【0064】
例えば案内ポイントγが交差点の場合、その交差点の手前700mで「次の交差点を左折します」というような音声案内をする場合、矢印の長さも同じ700mにするのが例1の決定方法である。このようにすれば、音声案内がされた際に矢印αの矢尻がちょうど交差点に位置することとなる。また、矢印αの長さを音声案内用距離である700mよりも少し長めの800mにするのが例2の決定方法である。このようにすれば、音声案内がされた際に矢印αの矢尻が交差点を少し左折した位置にあり、利用者は曲がる方向を直感的に視認できる。
【0065】
例3は、表示されている地図の縮尺に応じて、矢印αが見やすくなるようにすることを目的とした決定方法である。矢印αの長さLを、表示する地図画像の縮尺が大きいほど長くなるよう設定する。具体的には、100m縮尺では長さLを600m、200m縮尺では長さLを1200m、400m縮尺では長さLを2400mとする、といったことが考えられる。
【0066】
例4は、例2と例3を組み合わせ、極力、音声による経路案内タイミングに対応させながら縮尺にも対応させた決定方法である。具体的には、100m縮尺では長さLを800m、200m縮尺でも同じく長さLを800m、400m縮尺では長さLを2400mとする、といったことが考えられる。つまり、100m縮尺及び200m縮尺では音声による経路案内タイミングに対応させる点を優先させ、400m縮尺では見やすさを優先させたものである。
【0067】
[矢印αを表示することによる効果]
以上、本実施形態の構成および動作について説明したが、本実施形態のナビゲーション装置20によれば、経路案内に際して上述した矢印αを地図画像と走行経路βに合成して表示部26に表示するため、以下のような効果が得られる。
【0068】
(1)矢印αの基準は現在地であるため現在地の確認を行える。また、走行経路βに沿って所定距離先に矢尻を有するため、その矢尻を含む矢印全体によって走行経路の方向確認を行うことができる。つまり、現在地の確認と走行経路の方向確認を、視線移動を必要とせずに行うことができる。
【0069】
(2)従来の、図23(b),(c)に示すような方向案内のための拡大(鳥瞰)図を地図画像と2画面表示する手法では、小さい画面や縦長の画面への表示を前提としたシステムでの適用が困難であり、あえて適用すると視認性を害してしまう。それに対して図2等に例示するように、本実施形態の場合には地図画像と方向案内表示を1画面内で実現できるため、小さい画面や縦長の画面への表示を前提としたシステムへ適用しても問題がない。
【0070】
(3)矢印αは、現在地を基準とし、走行経路βに沿って所定距離L先に矢尻を有する(つまり、長さLの矢印α)ため、その矢印αを見た利用者にとって距離感がつかみやすい。矢印αの長さLが700mであれば、例えば図2(b)に示すように矢尻が左折すべき交差点に位置した場合、現在地からその交差点までが700mであることが分かる。さら図2(c)に示すように交差点に近づいた場合であっても、矢尻α全体の長さが700mだと分かっていれば、現在地から交差点までのおよその距離を把握することもできる。例えば図2(c)に示す状態であれば、矢印αの先頭側約3/7ぐらいが交差点を超えているので、現在地から交差点まで約400m程度であることが把握できる。このような効果が得られるのは、車両の走行に伴って現在地が移動すれば、矢印αの矢尻も同期して移動するからである。このような矢印αを表示させるという技術思想は、従来にない特筆すべき特徴である。
【0071】
(4)また、表示部26の表示画面サイズ等によっては矢印αの矢尻が表示部26の表示画面内に収まりきらない場合も想定されるが、本実施形態の場合には、その対処を実行している。つまり、図3のS70に示すように、矢印αの先頭(つまり矢尻部分)が表示部26の表示画面からはみ出る場合は、表示画面の端に矢尻を表示する。
【0072】
[矢印αの表示の工夫及び効果]
上述の矢印α表示の基本ルール以外の、表示の工夫及びその工夫による効果について説明する。
【0073】
(工夫1)案内ポイントγを示すマークを重ねて表示
走行経路β上の案内ポイントγは種々考えられる。図4、図7等に示す交差点案内や、図11に示すカーブ警告、合流地点、踏切、目的地案内、料金所警告等が挙げられる。これらのどれに該当するかは地図画像から把握することも可能であるが、より直感的に把握できた方が好ましい。そこで、矢印αが走行経路β上の所定の案内ポイントγ上に存在する場合には、その案内ポイントγを示す所定のマークを矢印αに重ねて表示するとよい。例えば図4、図7は交差点マークM1,M11,M12を示した。また、図11(a)にはカーブの始点マークM21と終点マークM22を示した。また、図11(b)には合流マークM3、図11(c)には踏切マークM4、図11(d)には目的地マークM5、図11(e)には料金所マークM6をそれぞれ示した。
【0074】
(工夫2)矢印に色分けや目盛りを付す
矢印αの長さLは任意に設定可能であるが、実際には、上述した具体例のように700mあるいは縮尺によってはもっと長くすることが考えられる。矢印αの全長Lだけ分かっている場合には、矢印αの途中に位置する道路や交差点等が現在地からどの程度の距離なのかを目分量で把握しなくてはならない。もちろん、そのような目分量でもおおよその距離は把握できるが、さらに次のような工夫を施しても良い。
【0075】
図6(a)に示す矢印αは、矢印αの基準と矢尻との間を所定間隔で色に変化を付けている。具体的には、矢印αを3等分した色分け表示をしている。また、図6(b)に示す矢印αは、矢印αの基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付している。具体的には、矢印αの全長L=700mとした場合に、現在地から200m毎の目盛りを付している。
【0076】
このような工夫によって、矢印αの途中に位置する道路や交差点等が現在地からどの程度の距離なのか、といったことをより正確に把握することができる。
なお、図6(a)では矢印αを3等分して色分けした例を示したが、形状に変化を付けても同様の効果が得られる。例えば矢印αの太さを3段階に変化(細くなっていく、あるいは太くなっていく)させること等が考えられる。
【0077】
(工夫3)矢尻が案内ポイントにさしかかったら、矢印の長さを調整する
矢印αの長さLに関しては、走行経路βの案内状況に応じて動的に変化させてもよい。
例えば、矢尻が走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγ上に差し掛かった場合には、矢尻がその案内ポイントγを超えて位置するよう矢印αの長さを調整して表示することが考えられる。例えば図7(a)に示すように、通常は700mの長さの矢印αとし、図7(b)に示すように案内ポイントγである交差点に差し掛かると、例えば100m長くして一時的に800mにする、といったことが考えられる。
【0078】
このようにすれば、矢尻が交差点を少し左折した位置にあり、利用者は曲がる方向を直感的に視認できる。
なお、案内ポイントγであっても目的地の場合にはその目的地を越えて矢印αを示すことはせず、矢尻が走行経路β上の目的地に差し掛かった場合には、矢尻がその目的地に固定して位置するよう矢印αの長さを調整して表示する(図11(d)参照)。つまり、矢尻が目的地に固定された状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さが徐々に短くなっていく。
【0079】
また、矢尻が走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγ上に差し掛かった場合には、矢尻がその案内ポイントγを超えて位置するよう矢印αの長さLを調整して表示するが、その後は、元の長さLに戻す方が好ましい。この場合の戻し方は種々考えられる。例えば交差点の具体例を用いて説明すれば、交差点に差し掛かって一時的に800mの長さにして矢尻が交差点を少し左折した位置にあるようにした場合、一時的に矢尻の位置を固定し、現在地の移動に伴って矢印αの長さLが700mになるまで待つ。そして700mに戻ったら、通常通り、その700mの長さLを保ったまま現在地の移動に伴って、矢印αも移動させていく。このように徐々に戻す手法でもよいし、あるいは、例えば現在地が交差点を過ぎるまで800mの長さLを保持し、その後、700mに一気に戻しても良い。
【0080】
図7(b)は案内ポイントγである交差点が一つの場合であったが、図7(c)に示すように、交差点が連続する場合もある。この場合には、その交差点間の距離が所定距離以内ならば、(マークM11で示す)直近の交差点と(マークM12)で示す次に案内する交差点を含み、マークM12で示す「次に案内する交差点」をさらに100m超えた長さLの矢印αとする。
【0081】
上述したように案内ポイントγである交差点に差し掛かった場合に矢印αの長さLを調整する場合の制御部29が実行する処理を、図8のフローチャートを参照して説明する。なお、図8は、図3のS40の具体的処理を示すサブルーチンである。
【0082】
図8のフローチャート中に登場する記号について説明する。Lx,Lyは変数であり、L0(s),E(s),J0は定数である。この内、J0は縮尺によらずJ0=750mであるが、L0(s),E(s)は縮尺によって変わる。50m縮尺では、L0(s)=350m、E(s)=50mである。100m縮尺及び200m縮尺では、共にL0(s)=700m、E(s)=100mである。400m縮尺及び800m縮尺では、共にL0(s)=3000m、E(s)=500mである。
【0083】
図8の処理が開始すると、表示中の縮尺を取得し(S410)、現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する(S420)。
具体的には、K>L0(s)ならばS430へ移行してLx=L0(s)とし、続くS440にてLy=Lxとする。その後、S510へ移行し、長さL=Lyに決定する。
【0084】
一方、L0(s)≧K>L0(s)−E(s)ならば、S450へ移行してLx=K+E(s)とする。これに対して、L0(s)−E(s)≧Kならば、S460へ移行してLx=L0(s)とする。これらS450またはS460の処理後は、S470へ移行し、直近の案内する交差点と次に案内する交差点との距離Jについて条件判断する。
【0085】
具体的には、J>J0ならば、S440へ移行する。一方、J0≧J>0ならば、S480へ移行してS420と同様の判断、すなわち現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する。そして、K>L0(s)−E(s)−Jならば、Ly=K+J+E(s)−とし(S490)、その後、S510へ移行して長さL=Lyに決定する。一方、L0(s)−E(s)−J≧K>0ならば、Ly=L0(s)とし(S500)、その後、S510へ移行して長さL=Lyに決定する。
【0086】
ここで、100m縮尺におけるL0(s)=700m、E(s)=100mの場合を例にとって、さらに具体的に説明する。
現在地が直近の案内する交差点から700mよりも離れている場合には、S420の判断にてS430へ移行し、その後のS440,S510の処理によって長さL=L0(s)=700mで固定されている。
【0087】
そして、現在地が直近の案内する交差点から700mの地点に到達した場合、S450へ移行してK+E(s) 、すなわちこの時点では700m+100m=800mをLxとする。交差点が連続しない場合には、S470の判断にてS440へ移行し、その後のS510の処理によって長さL=てK+E(s)=800mとなる。その後、現在地が直近の案内する交差点からL0(s)−E(s)=600mの地点に到達するまでは、S420の処理にてS450へ移行し、その後のS470,S440,S510の処理によって、現在地と直近の案内する交差点までの距離KにE(s)=100mを加算した長さが矢印αの長さLとなる。つまり、矢尻が交差点に到達すると矢印αの長さLを100m延ばし、矢尻を一時的に固定した状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さLを短くしていく。
【0088】
そして、そして、現在地が直近の案内する交差点から600mの地点に到達した場合、S460へ移行してLx=L0(s)とし、その後のS470,S440,S510の処理によって長さL=L0(s)=700mとする。つまり、一時的に800mに延ばした矢印αの長さLを現在地の移動に伴って短くしていくが、矢印αの長さL=700mに戻ったら、それ以上短くすることはせず、700mに固定する。
【0089】
交差点が連続する場合も同様の考え方である。つまり、交差点間が750m未満の場合には、S470の判断にてS480へ移行し、その後のS490,S510の処理によって、一時的に長さL=K+J+E(s)(=100m)とする。これはつまり、図7(c)を参照して説明したように、(マークM11で示す)直近の交差点と(マークM12)で示す次に案内する交差点を含み、マークM12で示す「次に案内する交差点」をさらに100m超えた長さLの矢印αとする。そして、矢尻の位置を一時的に固定した状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さLを短くしていく。矢印αの長さLが700mに戻ったら、それ以上短くすることはせず、S500にて700mに固定する。
【0090】
(工夫4)案内ポイントが画面に表示されたら矢印の長さを調整する
図9に示すように、走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγが表示部26の表示画面内に表示された場合には、矢尻がその案内ポイントγを超えて位置するよう矢印αの長さを調整して表示する。案内ポイントに関しては早めに利用者に案内しておいた方がよいという考え方に立てば、このような工夫は好ましい。このようにすれば、表示画面を見た際に、表示画面内に案内ポイントγがある場合には必ず矢尻がその案内ポイントγを超えて位置するような矢印αとなっている。図9に示すように、例えば案内ポイントγが交差点であれば、利用者は曲がる方向を極力早めに(且つ直感的に)視認できることとなる。
【0091】
なお、案内ポイントγが目的地の場合には目的地を越えて矢印(α)を示すことはしない。つまり、矢尻がその目的地に固定して位置するよう矢印αの長さを調整して表示する(図11(d)参照)。もちろん、この場合も、利用者は目的地を極力早めに(且つ直感的に)視認できることとなる。
【0092】
それでは、走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγが表示部26の表示画面内に表示された場合に矢印αの長さLを調整する場合の制御部29が実行する処理を、図10のフローチャートを参照して説明する。なお、図10は、図3のS40の具体的処理を示すサブルーチンである。
【0093】
図10のフローチャート中に登場する記号については、図8を参照して説明したのでここでは繰り返さない。
図10の処理が開始すると、表示中の縮尺を取得し(S1410)、直近の案内する交差点が表示画面内に表示されたか否か判断する(S1420)。図9(a)に例示するように直近の案内する交差点が表示画面内に表示されていない場合には(S1420:NO)、S1430へ移行してLx=L0(s)とする。その後移行するS1460にてL=Lxに決定する。
【0094】
一方、図9(B)に例示するように直近の案内する交差点が表示画面内に表示された場合には(S1420:YES)、現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する(S1440)。L0(s)≧K>0ならばS1430へ移行し、K>L0(s)−E(s)ならばS1450へ移行してLx=K+E(s)とする。S1450の処理後は、S1460へ移行し、L=Lxに決定する。
【0095】
100m縮尺におけるL0(s)=700m、E(s)=100mの場合を例にとって、さらに具体的に説明する。
直近の案内する交差点が表示画面内に表示されるまでは矢印αの長さLは700mに固定されているが、直近の案内する交差点が表示画面内に表示されたら、図9(b)に示すように、その交差点を100m超えて矢尻を位置させる。そして、矢尻を一時的に固定した状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さLを短くしていく。そして、現在地が直近の案内する交差点から700mの地点に到達した場合、矢印αの長さLを700mに戻す。
【0096】
(工夫5)案内ポイントに応じて矢印の長さを調整したり表示方法を工夫する
上述のように、案内ポイントγは種々考えられる。交差点案内や目的地案内をはじめとして、料金所警告、カーブ警告、合流地点、踏切等が挙げられる。そして、このような案内ポイントγを示す所定のマークを矢印αに重ねて表示するとよい旨は述べた。
【0097】
そしてさらに、このようなマークを表示するだけでなく、所定の案内ポイントγが合流地点であった場合には合流してくる道路、所定の案内ポイントγが踏切であった場合には踏切の位置、をそれぞれ強調表示してもよい。例えば図11(b)に示すように、合流してくる道路の一部分についても、矢印αと接続した線分を表示し、且つその線分を例えば赤等の(視認時の)注意喚起効果の高い色とするK1、といったことが考えられる。また、図11(c)に示すように、踏切に関しては、単に踏切の示すマークM4を表示するだけでなく、踏切部分の両側に存在する線路を示す表示部分を強調表示K2することで、踏切の存在をより効果的に視認させることができる。
【0098】
(合流地点の場合の表示制御)
まずは、合流地点における案内ポイントマーク及び強調表示を行う場合の制御部29が実行する処理を、図12のフローチャートを参照して説明する。なお、図12は、図3のS40の具体的処理を示すサブルーチンである。
【0099】
図12のフローチャート中に登場する記号について説明する。Lx,Lyは変数であり、L0(s),L1(s),E(s)は定数である。この内、L0(s)については図8を参照して説明したのでここでは繰り返さない。また、L1(s)=1000m、E(s)=100mである。
【0100】
図8の処理が開始すると、表示中の縮尺を取得し(S2410)、現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する(S2420)。
具体的には、K>L1(s)ならばS2430へ移行してLx=L0(s)とし、続くS2460にて長さLをLxに決定する。
【0101】
一方、L1(s)≧K>L0(s)−E(s)ならば、S2440へ移行してLx=K+E(s)とする。これに対して、L0(s)−E(s)≧K>0ならば、S2450へ移行してLx=L0(s)とする。これらS2440またはS2450の処理後は、S2460へ移行して長さLをLxに決定する。
【0102】
ここまでの処理の実質的意味を100m縮尺におけるL0(s)=700mの場合を例にとって説明する。
現在地が直近の合流地点からL1(s)=1000mよりも離れている場合には、S2420の判断にてS2430へ移行し、その後のS460の処理によって長さL=てLx=L0(s)=700mで固定されている。
【0103】
そして、現在地が直近の合流地点から1000mの地点に到達した場合、S2420からS2440へ移行してK+E(s) 、すなわちこの時点では1000m+100m=1100mの長さLの矢印αとなり、図11(b)に示すように、合流地点を100m超えて矢尻を位置させる。そして、矢尻を一時的に固定した状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さLを短くしていく。そして、現在地が直近の合流地点から600mの地点に到達した時点では矢印αの長さLが700mとなっているため、その後は、矢印αの長さLを700mに固定する。
【0104】
このような矢印αの長さL調整と共に、S2470〜S2490において矢印αに案内ポイントマークM3と強調表示K1の追加のための制御を行う。具体的には、S2470において、現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する。L1(s)≧K>0ならばS2480へ移行して、図11(b)に示すように、矢印αに合流地点であることを示す案内ポイントマークM3を追加すると共に、強調表示K1を追加する。この強調表示K1は、合流してくる道路の一部分についても、矢印αと接続した線分を表示し、且つその線分を例えば赤等の(視認時の)注意喚起効果の高い色とするものである。
【0105】
そして、S2470の判断において、K≦0ならばS2490へ移行して矢印α上への案内ポイントマークM3と強調表示K1の追加表示を行わない(停止する)。つまり、合流地点が矢印α上に位置している場合には案内ポイントマークM3と強調表示K1の追加表示を行い、現在地が合流地点を過ぎた場合にそれらの追加表示を行わないようにするのである。
【0106】
(踏切の場合の表示制御)
次に、踏切における案内ポイントマーク及び強調表示を行う場合の制御部29が実行する処理を、図13のフローチャートを参照して説明する。なお、図13は、図3のS40の具体的処理を示すサブルーチンである。
【0107】
図13のフローチャート中に登場する記号について説明する。Lx,Lyは変数であり、L0(s),L1(s),E(s)は定数である。この内、L0(s)については図8を参照して説明したのでここでは繰り返さない。また、L1(s)=300m、E(s)=50mである。
【0108】
図13の処理が開始すると、表示中の縮尺を取得し(S3410)、S3420へ移行してLx=L0(s)とし、続くS3430にて長さLをLxに決定する。
このような矢印αの長さL調整と共に、S3440〜S3460において矢印αに案内ポイントマークM4と強調表示K3の追加のための制御を行う。具体的には、S3440において、現在地と直近の踏切までの距離Kについて条件判断する。L1(s)≧K>0ならばS3450へ移行して、図11(c)に示すように、矢印αに踏切であることを示す案内ポイントマークM4を追加すると共に、強調表示K2を追加する。例えば、踏切部分の両側に存在する線路を示す表示部分を強調表示(例えば線を太くするとか、目立つ色に変更するとか、ブリンク表示するとか、いったことである。)することで、踏切の存在をより効果的に視認させることができる。
【0109】
そして、S3440の判断において、K≦0ならばS3460へ移行して矢印α上への案内ポイントマークM4と強調表示K2の追加表示を行わない(停止する)。つまり、踏切が矢印α上に位置している場合には案内ポイントマークM4と強調表示K2の追加表示を行い、現在地が踏切を過ぎた場合にそれらの追加表示を行わないようにするのである。
【0110】
上記処理の実質的意味を100m縮尺におけるL0(s)=700mの場合を例にとって説明する。踏切が案内(警告)対象である場合は、矢印αの長さLはLx=L0(s)=700mに固定し、踏切に近づき、また矢尻が踏切を超えたとしても矢印αの長さLを変更しない。そして、現在地が踏切に300mに近づいた時点で上述の案内ポイントマークM4と強調表示K2の追加表示を行い、現在地が踏切を過ぎるまでその表示を継続する。
【0111】
(カーブの場合の表示制御)
次に、カーブにおける案内ポイントマーク及び強調表示を行う場合の制御部29が実行する処理を、図14のフローチャートを参照して説明する。なお、図14は、図3のS40の具体的処理を示すサブルーチンである。
【0112】
図14のフローチャート中に登場する記号について説明する。Lx,Lyは変数であり、L0(s),L1(s),E(s)は定数である。この内、L0(s)については図8を参照して説明したのでここでは繰り返さない。また、L1(s)=100m、E(s)=50mである。
【0113】
なお、定数L1(s)は、合流地点の場合には1000m、踏切の場合には300m、カーブの場合には100mであるが、これらは、それぞれの警告対象を鑑み、どのようなタイミングで警告するのが有効かを考慮して設定した値である。つまり、合流警告に関してはある程度離れた位置から警告した方が好ましいため相対的に長い1000mとした。これに対して踏切警告の場合はあまり離れた位置で警告しても実効性が薄いため相対的に短い300mとした。また、カーブに関しては、以下に説明するように、カーブの始点が表示されたらカーブの終点も分かるような長さLの矢印αとする。つまり、カーブに関しては単にカーブの始点だけが重要なのではなく、カーブ全体の形状(相対的に急カーブなのか緩やかなカーブなのか)や長さ等が分かることが重要である。そこで、下記に示すように、カーブの始点と終点を同時に表示するのであるが、その表示タイミングは、カーブの始点に100mまで近づいたときにしたのである。もちろん、これらの値は一例であって、任意に設定可能である。
【0114】
図14の処理が開始すると、表示中の縮尺を取得し(S4410)、現在地と直近の案内する交差点までの距離Kについて条件判断する(S4420)。
具体的には、S4420の判断においてK>L1(s)ならば、S4430へ移行してLx=L0(s)とし、続くS4480にて長さLをLxに決定する。
【0115】
一方、S4420の判断においてL1(s)≧K>−Qならば、S4440へ移行してカーブの始点からカーブの終点までの距離Qについて条件判断する。なお、このS4420の条件判断式におけるQは、S4440に示す「カーブの始点からカーブの終点までの距離Q」である。また、このS4420における「現在地と直近の案内する交差点までの距離K」は、現在地がカーブの始点の手前ではプラス、現在地がカーブの始点を通過した場合にはマイナスの値となる。つまり、進行方向をプラスとした値として扱う。
【0116】
S4440の判断においてQ>L0(s)−K−E(s)ならば、S4450へ移行してLx=K+Q+E(s)とし、一方、L0(s)−K−E(s)≧QならばS4460へ移行してLx=L0(s)とする。これらS4450またはS4460の処理後は、S4480へ移行して長さLをLxに決定する。
【0117】
ここまでの処理の実質的意味を100m縮尺におけるL1(s)=100mの場合を例にとって説明する。
現在地が直近のカーブの始点からL1(s)=100mよりも離れている場合には、S4420の判断にてS4430へ移行し、その後のS4470の処理によって長さL=Lx=L0(s)=700mで固定される。
【0118】
そして、現在地が直近のカーブの始点から100mの地点に到達した場合、S4420からS4440へ移行してカーブの始点と終点との間の距離Qによる判断を行う。Qが550m以下の場合には、現在地が直近のカーブの始点から100mの地点に到達した状態で長さL=700mである矢印αの先頭(矢尻部分)が既にカーブの終点を50m以上超えていることとなる。そのため、S4460の処理によって長さL=Lx=L0(s)=700mで固定される。つまり、矢印αの長さLを700mよりも長くする必要性がないということである。
【0119】
これに対してQが550mよりも長い場合(例えば1000m)には、現在地が直近のカーブの始点から100mの地点に到達した状態で長さL=700mである矢印αの先頭(矢尻部分)は、まだカーブの終点を50m以上超える状態とはなっていない。Q=1000mであれば、矢印αの先頭はカーブの終点にさえ400m届いていないこととなる。
【0120】
そこで、この場合は、カーブの終点を50m超えて矢尻が位置するよう矢印αの長さLを調整する(S4450)。そして、矢尻を一時的に固定した状態で、現在地の移動に伴って矢印αの長さLを短くしていく。そして、現在地がカーブの終点から650mの地点に到達した時点では矢印αの長さLが700mとなっているため、その後は、矢印αの長さLを700mに固定する(S4460)。
【0121】
このような矢印αの長さL調整と共に、S4480〜S4500において矢印αに案内ポイントマークM21,M22(図11(a)参照)の追加のための制御を行う。具体的には、S4480において、現在地と直近のカーブの始点までの距離Kについて条件判断する。L1(s)≧K≧−QならばS4490へ移行して、図11(a)に示すように、矢印αにカーブの始点であることを示す案内ポイントマークM21とカーブの終点であることを示す案内ポイントマークM22を追加する。
【0122】
そして、S4480の判断において、K<−QならばS4500へ移行して矢印α上への案内ポイントマークM21,M22の追加表示を行わない(停止する)。つまり、現在地がカーブの始点に100mの位置まで近づいたら案内ポイントマークM21,M22の追加表示を行い、現在地がカーブの終点を過ぎた場合にそれらの追加表示を行わないようにするのである。
【0123】
このように、案内ポイントγがカーブの警告ポイントであった場合には、カーブの始点から終点までが全て含まれるよう矢印αの長さLを調整して表示している。もちろん、カーブの始点のみを案内ポイントと考えて、矢尻がそのカーブの始点を超えるような長さの矢印とするだけでもカーブの警告にはなり得る。しかし、カーブ警告を認識する利用者としては、カーブの始点だけでなく、カーブがどこまで続いていてカーブの終点(出口)はどこなのか、ということについても関心が高いと考えられる。したがって、カーブの始点から終点までが全て含まれるような矢印αを表示すれば、利用者はカーブ全体を直感的に視認できることとなる。
【0124】
(右左折等を事前に表示)
矢尻を含む矢印α全体によって走行経路の方向確認を行うことができるのであるが、車両が直進しているために矢印αも直線的に表示されている場合には、前方の案内ポイントにおいて右左折するか否かまでは確認できない。例えば図15(b)に示すように、前方の交差点にて左に曲がる走行経路が設定されていた場合であっても、図15(a)に示すように、その交差点が地図に表示されていない状態においては、前方交差点で左折することをユーザが事前に確認することができない。
【0125】
そこで、図15に示すように、直近の案内ポイントにおいて進行方向の変化がある場合には、矢尻がその案内ポイントに到達していない状態においても、その進行方向を示す表示と共に矢印を表示すればよい。例えば図15では、矢印αの側にマークが表示されている。図15に示す例では矢印αの左側にマークが表示されており、これは左折を示すマークとなっている。
【0126】
このようにすれば、図15(b)に示すように、前方の交差点にて左に曲がる走行経路であった場合、その交差点が地図に表示されていない状態(図15(a)参照)においても、前方交差点で左折することをユーザが確認できる。なお、進行方向を示す表示は、例えば図15に示すように簡単なマークであってもよいし、あるいは「左折」「右折」といった文字であっても良い。
【0127】
[矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかの工夫]
車両の移動に伴って、車両の位置や進行方向が変わる。特に、車両の進行方向が変わる場合に矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかに関して、例えば下記のような表示制御が考えられる。
【0128】
(1)図16に示す表示制御
矢印αが直線的に表示される場合、あるいは矢印αが走行経路上βの目的地以外の所定の案内ポイントγにおいて方向を変化させて表示される場合の何れにおいても、車両の進行方向が常に画面上で所定方向を向くように制御する(図16(a)(c)(d)参照)。ここでは、画面の上部方向を向くように制御する。なお、図16(c)は車両が交差点を左折している途中であるため、矢印αは画面の左端方向を向いており、図16(d)に示すように、車両が交差点を左折し終わった時点で、車両の進行方向と矢印αの方向が一致し、矢印αの向きが画面の上部方向を向くこととなる。
【0129】
(2)図17に示す表示制御
矢印αが直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御し(図17(a)(d)参照)、矢印αが走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントγまで所定距離に近づいた時点で矢尻が画面上で所定方向を向くように制御する(図17(b)(c)参照)。
【0130】
つまり、図17(d)に示すように、交差点を車両が左折し終わった場合は、車両の進行方向と矢印αの方向が一致しているため矢印αの向きが画面の上部方向を向いている。しかし、図17(c)に示すように、交差点を左折している途中であっても、図17(d)の場合と同様に、左折後の走行経路βに沿った矢印αの向きが画面の上部方向を向くように制御するのである。このようにすれば、案内ポイントγ通過後の進行方向が予め画面上での所定方向となるように表示できる。
【0131】
なお、「現在地が所定の案内ポイントγまで所定距離に近づいた時点で矢尻が画面上で所定方向を向くように制御」すればよいので、例えば図17(b)に示す状態において、左折後の走行経路βに沿った矢印αの向きが画面の上部方向を向くように制御してもよい。
【0132】
(3)図18に示す表示制御
矢印αが直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御し(図18(a)参照)、矢印αが走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントγを所定距離超えた時点で矢尻の向きが画面上で所定方向を向くように制御する(図18(b)〜(g)参照)。
【0133】
つまり、図18(d)に示すように、交差点を車両が左折し終わった時点でも、まだ地図の表示向きは変わっておらず、図18(a)〜(c)の場合と同じである。そして、図18(e)に示すように、現在地が所定の案内ポイントγを所定距離超えた時点で初めて、矢尻の向きが画面上で所定方向を向くように制御している。
【0134】
なお、図18(d)の状態から図18(e)の状態に遷移すると、地図が約90度回転するため、ユーザとしては急激に回転したように感じる。したがって、例えば複数回に分けて遷移させるようにしてもよい。例えば図18(d)の状態から図18(f)の状態を遷移し、その後、図18(f)の状態から図18(g)の状態を遷移する、といった具合である。この場合は、約45度ずつ回転するため、地図が急激に回転する印象を緩和できる。
【0135】
(4)図19に示す表示制御
矢印αが直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御し(図19(a)(d)参照)、矢印αが走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が所定の案内ポイントγまで所定距離Xに近づいた時点から所定の案内ポイントγを所定距離超えた時点までの間、走行経路β上における所定の案内ポイントγへの進入方向の単位方向ベクトルと走行経路β上における所定の案内ポイントγからの退出方向の単位方向ベクトルとの合成ベクトルの方向が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御する(図19(b)(c)参照)。
【0136】
つまり、矢印αが走行経路β上の目的地以外の所定の案内ポイントγにおいて方向を変化させて表示され始めたら、図19(b)に示すように、走行経路β上における所定の案内ポイントγへの進入方向の単位方向ベクトル(1)と走行経路β上における所定の案内ポイントγからの退出方向の単位方向ベクトル(2)との合成ベクトル(3)の方向が、画面上で上部方向を向くようにする。そして、図19(d)に示すように、現在地が案内ポイントγを所定距離超えたら、その時点で、矢印αの方向が画面上で所定方向(例えば上部方向)を向くように制御するのである。
【0137】
[他の実施形態]
以下、他の実施形態について説明する。
(1)矢印αの長さに関しては、走行経路の道路属性に応じて変化させてもよい。つまり、地図情報に道路種別、車線数等の道路属性情報も含めておき、制御部29内のSRAM等に、道路属性情報と矢印αの長さLの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく。そして、上述した矢印αの長さLを決定するに際して、現在地の道路属性情報に対応する矢印αの長さLの変更度合い情報を読み出し、その変更度合い情報に基づいて矢印αの長さLを調整して表示するのである。
【0138】
具体的には、車両の平均走行速度が高いと予想される道路ほど矢印を長くするような対応関係を制御部29内のSRAM等に記憶しておけばよい。例えば、車両の予想平均走行速度に基づいて高速道路>3車線以上の国道>国道>……とする。なお、予め道路属性と矢印の長さの対応を示すテーブルを記憶していてもよいし、デフォルトの矢印の長さを何%変化させるか、という計算式を有していてもよい。
【0139】
(2)矢印αの太さに関しても、走行経路の道路属性に応じて変化させてもよい。つまり、地図情報に道路種別、幅員等の道路属性情報も含めておき、制御部29内のSRAM等に、道路属性情報と矢印αの太さの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく(図20参照)。そして、上述した矢印αの太さを決定するに際して、現在地の道路属性情報に対応する矢印αの太さの変更度合い情報を読み出し、その変更度合い情報に基づいて矢印αの太さを調整して表示するのである。
【0140】
具体的には、幅員が大きい、あるいは大きいと予想される道路ほど矢印を太くするような対応関係を制御部29内のSRAM等に記憶しておけばよい。幅員情報そのものを記憶しているのであれば、幅員が大きくなるほど矢印αも太くなるような対応関係を設定しておけばよい(図20(a)参照)。また、道路種別情報を記憶しているのであれば、矢印αの太さを高速道路>3車線以上の国道>国道>……となるように設定することが考えられる(図20(b)参照)。なお、上記の矢印の長さLの場合と同様に、予め道路属性と矢印αの太さの対応を示すテーブルを記憶していてもよいし、デフォルトの矢印αの太さを何%変化させるか、という計算式を有していてもよい。
【0141】
(3)上記実施形態では、図2等に示すように矢印αを半透過状態となるように表示した。この工夫は、地図画像や走行経路βに重ねて表示した場合に、それらが視認できるようにするためである。そのような効果が得られるのであれば、別の手法を採用してもよい。例えば矢印αを破線によって示して表示してもよい。
【0142】
(4)案内ポイントγを示すマークを矢印(α)に重ねて表示する場合においても、マークが示している案内ポイントγにおける走行経路βが視認可能な方が好ましい。そこで、少なくとも案内ポイントγを示す所定のマークの部分において少なくとも走行経路βが視認可能なように透過率を調整して、所定のマークと矢印αを表示するとよい。
【0143】
例えば、図21(a)に示す例では、矢印αは全体としては透過しないが、案内ポイントγを示すマーク部分については、走行経路βが視認可能なように透過率が調整されている。また、図21(b)に示す例では、矢印αが全体としては透過すると共に、案内ポイントγを示すマーク部分についても、やはり走行経路βが視認可能なように透過率が調整されている。
【0144】
(5)図2に示す例では、車両の進行に伴って地図がスクロール表示されるが、画面上での車両の位置(自車位置)は固定している。
ただし、図22に示すように、自車位置が案内ポイントγに所定距離Mまで接近したら、案内ポイントγの位置を固定して、自車位置を移動するようにしてもよい。つまり、図22(a)〜(c)においては、自車位置が固定されているが、図22(c)の状態になったら、今後は案内ポイントγの位置を固定し、自車位置が画面上で上部に移動していくような表示態様となる。そして、図22(d)に示すように、自車位置が案内ポイントγに到達し、通過した後は、図22(a)に示すような自車位置(画面下方)に戻す。この場合、1回で元の自車位置に戻してもよいし、徐々に戻してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】実施形態の矢印αの表示例を示す説明図である。
【図3】表示制御処理を示すフローチャートである。
【図4】矢印α表示の基本ルールを示すための説明図である。
【図5】矢印α表示の基本ルールを示すための説明図である。
【図6】矢印α表示の工夫(色分け表示や目盛り)を示すための説明図である。
【図7】矢尻が交差点に差し掛かったら矢印αの長さLを調整する場合の工夫を示す説明図である。
【図8】図7のような長さ調整を実行するための長さ決定処理を示すフローチャートである。
【図9】案内ポイントが画面に表示されたら矢印αの長さLを調整する場合の工夫を示す説明図である。
【図10】図9のような長さ調整を実行するための長さ決定処理を示すフローチャートである。
【図11】種々の案内ポイントに対する矢印αの表示例及び案内ポイントマークや強調表示の具体例を示す説明図である。
【図12】案内ポイントが合流地点の場合の長さ調整や表示制御のための長さ決定処理を示すフローチャートである。
【図13】案内ポイントが踏切の場合の長さ調整や表示制御のための長さ決定処理を示すフローチャートである。
【図14】案内ポイントがカーブの場合の長さ調整や表示制御のための長さ決定処理を示すフローチャートである。
【図15】右左折等を事前に表示する場合の工夫を示す説明図である。
【図16】矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかを示す説明図である。
【図17】矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかを示す説明図である。
【図18】矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかを示す説明図である。
【図19】矢印αが画面上でどの方向を向くように表示をするかを示す説明図である。
【図20】道路属性情報に応じて矢印αの太さの変更する場合の説明図である。
【図21】案内ポイントγを示すマーク部分を透過表示させる場合の説明図である。
【図22】自車位置が案内ポイントγに所定距離Mまで接近したら、案内ポイントγの位置を固定して表示させる場合の説明図である。
【図23】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
【0146】
20…ナビゲーション装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、22…操作スイッチ群、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部通信機、25…地図データ入力器、26…表示部、27…音声出力部、28…マイクロフォン、29…制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも画像表示を行う表示部を有する案内手段と、
地図情報を取得する地図情報取得手段と、
車両の現在地を特定する現在地特定手段と、
目的地までの走行経路を取得する走行経路取得手段と、
前記地図情報取得手段によって取得した前記地図情報を用い、前記現在地特定手段によって特定された現在地周辺の地図画像を前記表示部に表示すると共に、前記走行経路取得手段により取得した走行経路を、前記地図画像に重ねて表示する案内制御手段を備え、車両に搭載されて用いられる経路案内装置であって、
前記案内制御手段は、
前記地図画像に前記走行経路を重ねた表示に対して、さらに、前記現在地特定手段によって特定された現在地を基準とし、前記走行経路に沿って所定距離先に矢尻を有すると共に当該矢尻まで続く線分を有する矢印を重ねて表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記地図画像に前記走行経路を重ねた表示に対して前記矢印を重ねて表示する際、前記地図画像や前記走行経路が視認可能となる態様で前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
縮尺の異なる地図画像を前記表示部に表示可能であり、
前記矢印の基準と矢尻との間の距離を、表示する地図画像の縮尺の大小に基づいて設定し、その設定された所定距離で前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内手段は、音声を出力する音声出力部も有し、
前記案内制御手段は、
前記現在地特定手段によって特定された現在地が、前記走行経路上における所定の音声案内ポイントから所定の音声案内用距離の位置へ近づいた場合に、前記音声出力部を介した所定の音声案内を実行すると共に、
前記矢印の基準と矢尻との間の距離を、前記音声案内用距離に基づいて設定し、その設定した所定距離で前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項5】
請求項4に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
現在地が前記所定の音声案内ポイントから所定の音声案内用距離の位置へ近づいた場合に、前記音声出力部を介した所定の音声案内を実行すると共に、前記矢印の基準と矢尻との間の距離を、前記音声案内用距離に基づいて設定し、その設定した所定距離で前記矢印を表示し、さらに、前記矢印の表示態様を変更して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印の基準と矢尻との間を所定間隔で色または形状に変化を付けるか、あるいは前記矢印の基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付した状態で、前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項7】
請求項6に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢尻が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント上に差し掛かった場合にのみ、前記矢印の基準と矢尻との間を所定間隔で色または形状に変化を付けるか、あるいは前記矢印の基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付した状態で、前記矢印を表示し、前記矢印の基準が目的地以外の所定の案内ポイントを通過したら、前記色または形状に変化を付けた状態、あるいは前記所定間隔の目盛りを付した状態を解除して、前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢尻が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント上に差し掛かった場合には、前記矢尻がその案内ポイントを超えて位置するよう前記矢印の長さを調整して表示し、前記矢尻が前記走行経路上の目的地に差し掛かった場合には、前記矢尻がその目的地に固定して位置するよう前記矢印の長さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項9】
請求項8に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢尻が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント上に差し掛かった場合には、当該案内ポイントを基準としてその先の直近の案内ポイントまでの距離が所定距離未満か否か判断し、所定距離未満であれば、前記矢尻がその案内ポイントを超えて位置するよう前記矢印の長さを調整し、
さらに先にある案内ポイントについても同様の扱いをする場合には、隣接する案内ポイント間の距離が所定距離未満であるという条件を満たすか否かを順番に判断し、当該条件を連続して満たす場合には、前記矢尻が該当する案内ポイントを超えて位置するよう前記矢印の長さを調整すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントが前記表示部の表示画面内に表示された場合には、前記矢尻がその案内ポイントを超えて位置するよう前記矢印の長さを調整して表示し、前記走行経路上の目的地が前記表示部の表示画面内に表示された場合には、前記矢尻がその目的地に固定して位置するよう前記矢印の長さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項11】
請求項8〜10の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記所定の案内ポイントがカーブの警告ポイントであった場合、そのカーブの始点から終点までが全て含まれるよう前記矢印の長さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項12】
請求項1〜11の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印が前記走行経路上の所定の案内ポイント上に存在する場合には、その案内ポイントを示す所定のマークを前記矢印に重ねて表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項13】
請求項12に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
少なくとも前記案内ポイントを示す所定のマークの部分において少なくとも前記走行経路が視認可能なように透過率を調整して、前記所定のマークと前記矢印を重ねて表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項14】
請求項13に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記所定の案内ポイントが合流地点であった場合には合流してくる道路、前記所定の案内ポイントが踏切であった場合には踏切の位置、をそれぞれ強調表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項15】
請求項1〜14の何れかに記載の経路案内装置において、
前記地図情報取得手段によって取得した前記地図情報には、道路種別、車線数等の道路属性情報も含まれており、
道路属性情報と矢印の長さの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく対応関係記憶手段を備え、
前記案内制御手段は、
前記現在地特定手段によって特定された現在地の道路属性情報に対応する前記矢印の長さの変更度合い情報を、前記対応関係記憶手段から読み出し、その矢印の長さの変更度合い情報に基づいて前記矢印の長さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項16】
請求項1〜15の何れかに記載の経路案内装置において、
前記地図情報取得手段によって取得した前記地図情報には、道路種別、幅員等の道路属性情報も含まれており、
道路属性情報と矢印の太さの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく対応関係記憶手段を備え、
前記案内制御手段は、
前記現在地特定手段によって特定された現在地の道路属性情報に対応する前記矢印の太さの変更度合い情報を、前記対応関係記憶手段から読み出し、その矢印の太さの変更度合い情報に基づいて前記矢印の太さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項17】
請求項1〜16の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記所定長さの矢印あるいは所定の長さ調整をした矢印を表示しようとして、その矢印の矢尻が前記表示部の表示画面内に収まりきらない場合には、その矢尻が前記表示画面内に収まるよう前記矢印の長さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項18】
請求項1〜17の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントの内、直近の案内ポイントにおいて進行方向の変化がある場合には、前記矢尻がその案内ポイントに到達していない状態において、その進行方向を示す表示と共に前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項19】
請求項1〜18の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印が直線的に表示される場合、あるいは前記矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合の何れにおいても、前記車両の進行方向が常に画面上で所定方向を向くように制御して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項20】
請求項1〜18の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向を向くように制御し、
前記矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が前記所定の案内ポイントまで所定距離に近づいた時点で前記矢尻が画面上で所定方向を向くように制御して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項21】
請求項1〜18の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向を向くように制御し、
前記矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が前記所定の案内ポイントを所定距離超えた時点で前記矢尻の向きが画面上で所定方向を向くように制御して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項22】
請求項1〜18の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向を向くように制御し、
前記矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が前記所定の案内ポイントまで所定距離に近づいた時点から前記所定の案内ポイントを所定距離超えた時点までの間、前記走行経路上における前記所定の案内ポイントへの進入方向の単位方向ベクトルと前記走行経路上における前記所定の案内ポイントからの退出方向の単位方向ベクトルとの合成ベクトルの方向が前記画面上で所定方向を向くように制御して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項23】
コンピュータを、請求項1〜22の何れかに記載の経路案内装置における前記案内制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
少なくとも画像表示を行う表示部を有する案内手段と、
地図情報を取得する地図情報取得手段と、
車両の現在地を特定する現在地特定手段と、
目的地までの走行経路を取得する走行経路取得手段と、
前記地図情報取得手段によって取得した前記地図情報を用い、前記現在地特定手段によって特定された現在地周辺の地図画像を前記表示部に表示すると共に、前記走行経路取得手段により取得した走行経路を、前記地図画像に重ねて表示する案内制御手段を備え、車両に搭載されて用いられる経路案内装置であって、
前記案内制御手段は、
前記地図画像に前記走行経路を重ねた表示に対して、さらに、前記現在地特定手段によって特定された現在地を基準とし、前記走行経路に沿って所定距離先に矢尻を有すると共に当該矢尻まで続く線分を有する矢印を重ねて表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記地図画像に前記走行経路を重ねた表示に対して前記矢印を重ねて表示する際、前記地図画像や前記走行経路が視認可能となる態様で前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
縮尺の異なる地図画像を前記表示部に表示可能であり、
前記矢印の基準と矢尻との間の距離を、表示する地図画像の縮尺の大小に基づいて設定し、その設定された所定距離で前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内手段は、音声を出力する音声出力部も有し、
前記案内制御手段は、
前記現在地特定手段によって特定された現在地が、前記走行経路上における所定の音声案内ポイントから所定の音声案内用距離の位置へ近づいた場合に、前記音声出力部を介した所定の音声案内を実行すると共に、
前記矢印の基準と矢尻との間の距離を、前記音声案内用距離に基づいて設定し、その設定した所定距離で前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項5】
請求項4に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
現在地が前記所定の音声案内ポイントから所定の音声案内用距離の位置へ近づいた場合に、前記音声出力部を介した所定の音声案内を実行すると共に、前記矢印の基準と矢尻との間の距離を、前記音声案内用距離に基づいて設定し、その設定した所定距離で前記矢印を表示し、さらに、前記矢印の表示態様を変更して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印の基準と矢尻との間を所定間隔で色または形状に変化を付けるか、あるいは前記矢印の基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付した状態で、前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項7】
請求項6に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢尻が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント上に差し掛かった場合にのみ、前記矢印の基準と矢尻との間を所定間隔で色または形状に変化を付けるか、あるいは前記矢印の基準と矢尻との間に所定間隔の目盛りを付した状態で、前記矢印を表示し、前記矢印の基準が目的地以外の所定の案内ポイントを通過したら、前記色または形状に変化を付けた状態、あるいは前記所定間隔の目盛りを付した状態を解除して、前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢尻が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント上に差し掛かった場合には、前記矢尻がその案内ポイントを超えて位置するよう前記矢印の長さを調整して表示し、前記矢尻が前記走行経路上の目的地に差し掛かった場合には、前記矢尻がその目的地に固定して位置するよう前記矢印の長さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項9】
請求項8に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢尻が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイント上に差し掛かった場合には、当該案内ポイントを基準としてその先の直近の案内ポイントまでの距離が所定距離未満か否か判断し、所定距離未満であれば、前記矢尻がその案内ポイントを超えて位置するよう前記矢印の長さを調整し、
さらに先にある案内ポイントについても同様の扱いをする場合には、隣接する案内ポイント間の距離が所定距離未満であるという条件を満たすか否かを順番に判断し、当該条件を連続して満たす場合には、前記矢尻が該当する案内ポイントを超えて位置するよう前記矢印の長さを調整すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントが前記表示部の表示画面内に表示された場合には、前記矢尻がその案内ポイントを超えて位置するよう前記矢印の長さを調整して表示し、前記走行経路上の目的地が前記表示部の表示画面内に表示された場合には、前記矢尻がその目的地に固定して位置するよう前記矢印の長さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項11】
請求項8〜10の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記所定の案内ポイントがカーブの警告ポイントであった場合、そのカーブの始点から終点までが全て含まれるよう前記矢印の長さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項12】
請求項1〜11の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印が前記走行経路上の所定の案内ポイント上に存在する場合には、その案内ポイントを示す所定のマークを前記矢印に重ねて表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項13】
請求項12に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
少なくとも前記案内ポイントを示す所定のマークの部分において少なくとも前記走行経路が視認可能なように透過率を調整して、前記所定のマークと前記矢印を重ねて表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項14】
請求項13に記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記所定の案内ポイントが合流地点であった場合には合流してくる道路、前記所定の案内ポイントが踏切であった場合には踏切の位置、をそれぞれ強調表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項15】
請求項1〜14の何れかに記載の経路案内装置において、
前記地図情報取得手段によって取得した前記地図情報には、道路種別、車線数等の道路属性情報も含まれており、
道路属性情報と矢印の長さの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく対応関係記憶手段を備え、
前記案内制御手段は、
前記現在地特定手段によって特定された現在地の道路属性情報に対応する前記矢印の長さの変更度合い情報を、前記対応関係記憶手段から読み出し、その矢印の長さの変更度合い情報に基づいて前記矢印の長さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項16】
請求項1〜15の何れかに記載の経路案内装置において、
前記地図情報取得手段によって取得した前記地図情報には、道路種別、幅員等の道路属性情報も含まれており、
道路属性情報と矢印の太さの変更度合い情報との対応関係を記憶しておく対応関係記憶手段を備え、
前記案内制御手段は、
前記現在地特定手段によって特定された現在地の道路属性情報に対応する前記矢印の太さの変更度合い情報を、前記対応関係記憶手段から読み出し、その矢印の太さの変更度合い情報に基づいて前記矢印の太さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項17】
請求項1〜16の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記所定長さの矢印あるいは所定の長さ調整をした矢印を表示しようとして、その矢印の矢尻が前記表示部の表示画面内に収まりきらない場合には、その矢尻が前記表示画面内に収まるよう前記矢印の長さを調整して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項18】
請求項1〜17の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントの内、直近の案内ポイントにおいて進行方向の変化がある場合には、前記矢尻がその案内ポイントに到達していない状態において、その進行方向を示す表示と共に前記矢印を表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項19】
請求項1〜18の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印が直線的に表示される場合、あるいは前記矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合の何れにおいても、前記車両の進行方向が常に画面上で所定方向を向くように制御して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項20】
請求項1〜18の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向を向くように制御し、
前記矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が前記所定の案内ポイントまで所定距離に近づいた時点で前記矢尻が画面上で所定方向を向くように制御して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項21】
請求項1〜18の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向を向くように制御し、
前記矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が前記所定の案内ポイントを所定距離超えた時点で前記矢尻の向きが画面上で所定方向を向くように制御して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項22】
請求項1〜18の何れかに記載の経路案内装置において、
前記案内制御手段は、
前記矢印が直線的に表示される場合、その矢尻が画面上で所定方向を向くように制御し、
前記矢印が前記走行経路上の目的地以外の所定の案内ポイントにおいて方向を変化させて表示される場合、現在地が前記所定の案内ポイントまで所定距離に近づいた時点から前記所定の案内ポイントを所定距離超えた時点までの間、前記走行経路上における前記所定の案内ポイントへの進入方向の単位方向ベクトルと前記走行経路上における前記所定の案内ポイントからの退出方向の単位方向ベクトルとの合成ベクトルの方向が前記画面上で所定方向を向くように制御して表示すること
を特徴とする経路案内装置。
【請求項23】
コンピュータを、請求項1〜22の何れかに記載の経路案内装置における前記案内制御手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図3】
【図8】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図11】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図3】
【図8】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図11】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2006−313144(P2006−313144A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37270(P2006−37270)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]