説明

芳香族1,4−ジ−カルボキシルアミド及びその使用

本発明は、式(I)の新規な化合物、及び癌の治療のための薬剤としてのその使用に関し、X,Y,Zは、互いに独立してC又はNを示し、nは、1,2,3を表し、mは、0又は1を表し、pは、0又は1〜6の整数を表し、R1、R2は、互いに独立して水素、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1〜C3アルキル基、及びC1〜C3アルコキシ基を示し、R3は、互いに独立して、pが0でない場合は水素、ハロゲン、C1〜C5直鎖又は分岐アルキル基、カルボキシ基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、ベンジル基、アシル基、ヒドロキシ基、C1〜C4直鎖又は分岐アルコキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、モルホリノ基、1,3−ジオキソリル基、N−アセチルアミジル基又はアミドイル基、飽和5〜8員環、C1〜C3アルキル基、ヒドロキシ基又はベンジル基で随意に置換された複素環、C1〜C6アルキルスルホニル基、1置換又は2置換のC1〜C5アルキル基、分岐又は環状アミンを示し、mが0であれば、CはCF3又は分岐もしくは非分岐のC1〜C4アルキル基を示し、m=1であれば、Cは、−CH2−O−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2(CH2)CH2−を示すか、又は、N−CもしくはC−C原子間の化学結合を意味し、CONR6基は、その炭素原子もしくは窒素原子のいずれかを介してCに結合し得るものであり、CYCは、R3で置換された、又は置換されていない、フェニル、ピリジニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリニル、チオフェニル、1,3,4−チアジアザゾリジニル、フラニル、テトラハイドロキノリニル、テトラハイドロイソキノリニル、モルホリニル、フラニル、シクロヘキセニル、及びクロメン−2−オン−イルを表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β−カテニンとBCL9及び/又はBCL9L蛋白質との間の相互作用を阻害する芳香族1,4−ジ−カルボキシルアミド、並びに、医薬組成物の調製のため及び特定疾患の治療のためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
概して、本発明は、Wnt伝達経路の阻害物質に関する。そのような阻害物質は、幹細胞研究、又は、癌、骨および軟骨疾患のような異常なWnt活性化によって特徴付けられる疾患の治療のために用いられ得る。Wnt経路の病的な活性化は、結腸直腸癌、肝細胞癌、乳癌、メラノーマ、中皮腫、リンパ腫、及び白血病において広く報告されてきた。そのうえ、Wnt経路がT細胞の発達において必須の役割も担うことから(Staal,Meeldijk ら、2001;Staal and Clevers 2003)、ここで開示されるWntシグナル伝達回路阻害物質は、例えば臓器移植後の免疫抑制剤として、又は紅斑性狼瘡、多発性硬化症、及び関節リウマチといった特定の自己免疫疾患の治療のために用いられ得る。
【0003】
Wnt/Wg蛋白質は、応答細胞での特定標的遺伝子の発現を活性化することにより、脊椎動物の発達に多くの影響を及ぼす。これら標的遺伝子のいくつかは、特定されており、それら機能の一部は、細胞成長、細胞分化、及び細胞生存の制御と調和している(He, Sparks ら、1998;Crawford, Fingleton ら、 1999; Tetsu and McCormick 1999; Kolligs, Nieman ら、2002; Shtutman, Zhurinsky ら、 2002)。
【0004】
リン酸化反応による分解を受けるβ−カテニンを通常はマークしている複雑な機構が確認されている。重要なことに、癌抑制遺伝子産物APC及びAxinは、このβ−カテニン破壊複合物の必須成分である。Wnt経路の活性化において、β−カテニンはこのリン酸化反応を逃れ、細胞質に蓄積し、核に侵入し、そこでTCF蛋白質及び最近確認されたLgs/BCL9[Kramps, T.ら、 2002]蛋白質と共同作業し、標的遺伝子の転写コアクチベーターとして機能する。
【0005】
重要な変換体が継続的に抑制されているこの状況は、その抑制成分における変異の影響を非常に受けやすい。実際、Wntシグナルの下流成分における変異は、様々なヒトの癌と関連していることが発見された(Kinzler and Vogelstein 1996; Miller, Hocking ら. 1999)。例えば、生殖細胞APC変異は、多くの良性大腸腫瘍を起こし得るものであり、そのうちのいくつかが癌へと発展する。APC遺伝子の体細胞変異は、85%の散発性大腸腺腫及び癌に関連しており(Kinzler and Vogelstein 1996)、β−カテニンリン酸化反応部位における変異が、直腸結腸癌、肝細胞癌、及びメラノーマといったヒトの多くの癌で確認されており(Morin, Sparks ら、 1997; Rubinfeld, Robbins ら. 1997)(Caca, Kolligs ら、 1999)、Axin変異が肝細胞癌で特定されている(Satoh, Daigo ら、 2000)。そのうえ、いくつかの変異、及び/又はLRP5、sfrps、WIF−1、DKKもしくはWntリガンドのような上流成分の発現における変化は、癌と関連しているだけでなく、骨及び軟骨疾患とも関連している。これら全ての変異は、核のβ−カテニンの蓄積につながることから、この蛋白質及び相互作用パートナーは、Wnt依存性の遺伝子発現を抑制する格好の標的として浮上してきた。
【0006】
実際のところ、β−カテニン−Tcf4相互作用を標的としたWnt経路の抑制物質、及びそのような抑制物質を見つけ出す方法は、様々な公開公報で開示されている。特許文献1は、精製された蛋白質及び抑制物質をスクリーニングするための従来公知の方法を開示している。特許文献2には、Tcf−β−カテニン抑制物質をスクリーニングするための従来公知の方法が記載されている。特許文献3は、Tcf−β−カテニン抑制物質に関連している。特許文献4は、低分子β−カテニン抑制物質としてセファロスポリンを開示している。特許文献5は、Tcf4−β−カテニン相互作用の3Dモデルを用いてβ−カテニンにおける“目標設定可能な”ポケットを明らかにしている。この公報には、抑制物質を特定するための、前記相互作用に基づいたコンピュータでのスクリーニング方法だけでなく、この方法で特定された多くの抑制物質も記載されている。
【0007】
上述のアプローチの主な欠点は、β−カテニン−Tcf4相互作用の特性にある。特に、この蛋白質−蛋白質相互作用の表面は、非常に大きく、少なくともEカドヘリンやAPCの他のβ−カテニン相互作用パートナーと部分的に共有され(非特許文献1〜4)、これがその選択特異性について重大な問題を引き起こす。それゆえ、Wnt経路でのこれに代わる標的が要望されている。
【0008】
蛋白質のLegless(Lgs)/BCL9群は、キイロショウジョウバエのAPC癌抑制遺伝子のWnt経路下流の新規な正の調節因子として遺伝子検査で同定された。ヒトにおいて、2つの同族体、BCL9及びBCL9類似(BCL9、B9L又はBCL9−2として知られる)があり、これらは、キイロショウジョウバエ蛋白質のように、転写活性成分Pygo及びβ−カテニンの間で不可欠なアダプター分子として活動する。β−カテニンへのBCL9蛋白質の結合は、癌細胞のWntシグナルの伝播に極めて重要である。
【0009】
蛋白質−蛋白質相互作用を中断させることができる、又は、低分子干渉RNA(siRNA)によるBCL9L発現を減少することができる競合ペプチドは、強力にWnt経路を抑制し、分化していない悪性の型から中程度へよく分化した組織へと癌細胞の分化を導く(US2002/0086986)。しかしながら、Wnt経路における特異的で強力な抑制作用にもかかわらず、そのペプチド又はsiRNA分子は、低膜透過性及び低全身アベイラビリティー(低利用能)により、癌治療のための理想的な薬剤に相当するものとなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第98/42296号パンフレット
【特許文献2】国際公開第02/44378号パンフレット
【特許文献3】国際公開第03/006447号パンフレット
【特許文献4】国際公開第02/096430号パンフレット
【特許文献5】国際公開第01/19353A2号パンフレット
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Graham, T. A., C. Weaver ら. (2000). "Crystal structure of a beta-eaten in/Tcf com- plex." CeJ 103(6): 885-96.
【非特許文献2】Eklof Spink, K., S. G. Fridman ら. (2001). "Molecular mechanisms of beta-catenin recognition by adenomatous polyposis coli revealed by the structure of an APC-beta-catenin complex." Embo J 20(22): 6203-12.
【非特許文献3】Huber, A. H. and W. I. Weis (2001). "The structure of the beta-catenin/E-cadherin complex and the molecular basis of diverse ligand recognition by beta- catenin." Cell 105(3): 391-402.
【非特許文献4】Poy, F., M. Lepourcelet ら. (2001). "Structure of a human Tcf4-beta-catenin com- plex." Nat Struct Biol 8(12): 1053-7.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
β−カテニン/BCL9−BCL9L相互作用の新規な阻害物質、特に、より低分子量で良好な細胞透過性といった改良された薬剤特性を備えた化合物を提供することが本発明の課題の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一般式(I)の化合物がこれらの要望を満たしβ−カテニン/BCL9−BCL9L相互作用を効果的に阻害することが見出された。
【0014】
【化1】

【0015】
X,Y,Zは、互いに独立してC又はNを示し、
nは、1,2,3を表し、mは、0又は1を表し、pは、0又は1〜6の整数を表し、
1、R2は、互いに独立して水素、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1〜C3アルキル基、及びC1〜C3アルコキシ基を示し、
3は、互いに独立して、pが0でない場合は水素、ハロゲン、C1〜C5直鎖又は分岐アルキル基、カルボキシ基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、ベンジル基、アシル基、ヒドロキシ基、C1〜C4直鎖又は分岐アルコキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、モルホリノ基、1,3−ジオキソリル基、N−アセチルアミジル基又はアミドイル基、C1〜C3アルキル基、ヒドロキシ基、ベンジル基で随意に置換された飽和5〜8員環、複素環、C1〜C6アルキルスルホニル基、1置換又は2置換のC1〜C5アルキル基、分岐又は環状アミンを示し、
6は、以下の条件で、H、又は、脂環系もしくは複素脂環系の一部であり、
(mが0であれば、CはCF3又は分岐もしくは非分岐のC1〜C4アルキル基を示し、m=1であれば、Cは、−CH2−O−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2(CH2)CH2−を示すか、又は、N−CもしくはC−C原子間の化学結合を意味する。)
CONR6基は、その炭素原子もしくは窒素原子のいずれかを介してCに結合し得るものであり、
CYCは、R3で置換された、又は置換されていない、フェニル、ピリジニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリニル、チオフェニル、1,3,4−チアジアザゾリジニル、フラニル、テトラハイドロキノリニル、テトラハイドロイソキノリニル、モルホリニル、フラニル、シクロヘキセニル、及びクロメン−2−オン−イルを表す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】試験例1(ELISA法)に記載されたようにBCL9/BCL9L−β−カテニン、Tcf−4−β−カテニン及びE−カドヘリン−β−カテニン相互作用の阻害を試験したときの本発明に係る化合物(TGC0012296)の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、nが1である。それゆえ、基本的な1,4置換環状構造は、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、又はピリミジニル環である。
【0018】
本発明のより好ましい実施形態では、nが2であり、対応する1,8二置換環状基本構造モチーフは、ビフェニル、ビピリジニル、ビピリダジニル、ビピラジニル、又はビピリミジニルである。
【0019】
さらに好ましい実施形態では、nが3である。対応する最も好ましい3環基本構造からなる1,12二置換基本構造モチーフは、パラテルフェニル、2,5ジフェニルピリジニル、3,4ジフェニルピリダジニル、2,5ジフェニルピラジニルである。
【0020】
特に好ましい実施形態では、X、Y及びZがCであり、このように、フェニル、ビフェニル、及びテルフェニル構造モチーフが基本環状構造を形成する。
【0021】
他の好ましい実施形態では、X及びYがCであり、ZがNである。これら好ましい構造モチーフは、例えば、ピリジニル、ジピリジニル、テルピリジニルである。
【0022】
別の実施形態では、XがCであり、Y及びZがNである。対応する好ましい構造モチーフは、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びビピリダジニル、ビピラジニル又はビピリミジニルである。
【0023】
さらなる実施形態では、2,5ジフェニルピリジニル、3,4ジフェニルピリダジニル、及び2,5ジフェニルピラジニルのように異なるN原子の数を含んだ異なる構造モチーフの混合物も好ましい。
【0024】
別の好ましい実施形態では、mが0であり、CがCF3基、又は分岐もしくは非分岐C〜Cアルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル及びイソプロピルである。特に好ましい実施形態では、Cがtert−ブチル又はイソプロピルである。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施形態では、mが1である。この場合、Cは、−CH2−O−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2(CH2)CH2−からなる群より選ばれたもの、又は、N−C又はC−C原子間の化学結合を意味する。最も好ましい実施形態では、CがN−C又はC−C原子間の化学結合を意味する。
【0026】
特に好ましい実施形態では、式IにおけるCONR6基が、その炭素原子によってCに結合している。同様に好ましい代わりの実施形態では、CONR6基が、その窒素原子によってCに結合している。従って、立体因子、酸度、さらなる置換に関するCの好ましい実施形態の微調整が提供される。
【0027】
本発明との関連で、“ハロゲン”は、Cl、Br、I及びFを意味する。特に好ましくは、Cl、Br及びFであり、より好ましくは、Cl及びBrである。
【0028】
本発明に係る特に好ましい化合物は、下記の化学式を有する。
【0029】
【化2】

【0030】
本発明に係るさらに好ましい化合物は、下記の化学式を有する。
【0031】
【化3】

【0032】
本発明に係るさらに特に好ましい化合物は、下記の化学式を有する
【0033】
【化4】

【0034】
好ましい化合物は、下記の化学式を有する。
【0035】
【化5】

【0036】
【化6】

【0037】
【化7】

【0038】
【化8】

【0039】
【化9】

【0040】
【化10】

【0041】
【化11】

【0042】
好ましい例に示されているように、最も特徴的な特性の1つは、“中央の”芳香族中核における“直鎖の”1,4、1,8、又は1,12の置換パターンである。これは、ペプチドとの相互作用のための結合ポケットであるエピトープ(抗原決定基)がまっすぐで管状様(“直線”)構造であるから特に利点になり、その結果、本発明に係る化合物はそのポケットに立体的に特によく適合し、そのエピトープの主要残基との結合における特異性を可能にする。
【0043】
本発明のさらなる目的は、本発明に係る化合物の薬剤としての使用、及び、限定されるものではないが結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、肝細胞癌、卵巣癌、メラノーマ、及び、骨関節炎もしくはリウマチ性関節炎という骨及び関節疾患のような、Wnt経路の過剰活性化に特徴付けられる疾患の治療のための医薬組成物の製造のための使用である。
【0044】
本発明は、さらには、本発明に係る化合物又は製薬学的に許容されるその塩、そしてさらなる実施形態では、少なくとも1つの製薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0045】
本発明の化合物は、単独で、又は、製薬学的に許容されるその塩のかたちで投与され得る。本発明の化合物を含む医薬組成物、又は製薬学的に活性なその塩は、さらに少なくとも1つの製薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含み得る。特定の実施形態では、活性化合物もさらに組成物中に含まれ得る。
【0046】
本発明における化合物は、局所、経口、経皮、注射、舌下、経鼻、髄腔内、経直腸、吸入、静脈の投与のために、例えば、錠剤、ゲル、カプセル、布片、軟膏、クリームのかたちで剤型化され得る。非経口の伝達は、持続性薬剤、注射器、アンプル、又はバイアルによってなされ得る。
【0047】
本発明の化合物は、このように、標準的な補助剤、担体又は希釈剤といっしょになって、医薬組成物及びその投薬単位のかたちへとなり、そのようなかたちで固体、液体、又は殺菌された注射用溶液のかたちで採用され得る。固体の担体が用いられた場合、調剤は錠剤、粉状またはペレット状でハードゼラチンカプセルに入った状態、又はトローチやドロップのかたちになり得る。固体の担体は、結合剤、錠剤滑剤、フィラー、崩壊剤、湿潤剤などの標準的な賦形剤を含み得る。錠剤は、標準的な技術でフィルムコートされ得る。液体の担体が採用された場合、調剤は、シロップ、エマルジョン、ソフトゼラチンカプセル、注入用賦形剤、水性又は非水性液体分散液のかたちになり得るものであり、又は、使用前に水又は他の適当な媒体で再構成されるための乾燥物になり得る。液体調剤は、分散剤、乳化剤、湿潤剤、非水媒体(食用油を含む)、防腐剤、香料及び/又は着色剤といった標準的な添加物を含み得る。非経口投与のためには、媒体は、塩水溶液、グルコース溶液などが用いられ得るが、通常、少なくとも大部分において滅菌水を含む。注射用分散液も用いられ、この場合、標準的な分散剤が採用され得る。標準的な防腐剤、緩衝剤なども非経口剤形に加えられ得る。しかしながら、投与は、例えば坐薬のかたちで直腸内に、例えばペッサリー、タンポン、クリームのかたちで経膣的に、例えば、軟膏、クリーム、チンキ剤のかたちで経皮的におこなわれることもあり得る。
【0048】
ここで記載している疾患を患っている又は患いそうである哺乳類、特にヒトに対する本発明の化合物又は医薬組成物の適当な投与量は、活性成分で体重に対し約0.1μg/kgから500mg/kgの量である。非経口投与のためには、静脈投与において投与量が体重あたり0.1μg/kgから100mg/kgになり得る。活性成分は、好ましくは、日々1回から4回等量で投与される。式(I)の化合物は、前駆体(プロドラッグ)のかたち、又は生体内で活性化合物を放出するような適切に変性されたかたちでも用いられ得る。通常、投与量は、治療されている宿主とって最適な効果量が決定されるまで徐々に増やされる。最適な投与量は、治療されている状況、投与される化合物の選択、投与経路、性、年齢、体重、及び各人の症状の重症度に関わる治療中の各人の特有の反応を含む関連事情により、医師又は他の当業者によって決定され得る。
【0049】
医薬組成物は、活性成分、即ち本発明の化合物の適当量を含む所望の剤形に適した標準的な技術によって調製される。そのような医薬組成物及びその投与単位形態は、標準的な成分を標準的な割合で含み、さらなる活性化合物又は本質があってもなくてもよく、そのような単位投与形態は、採用される日々の目的とする投与量範囲と釣り合った活性成分の効果的な適当量を含み得る。
【0050】
下記の試験例及び具体的に示された化合物は、さらに、それら発明を実施するために発明者らによって考察された最良の形態を示している。これらの例は、好ましい実施形態に関しており、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
【実施例】
【0051】
(試験例1)
ELISAに基づく蛋白質−蛋白質相互作用インビトロ試験
【0052】
細菌における蛋白質の生成
Lgs及びβ−カテニンの結合領域を含むcDNAをpGEX−4T誘導性細菌発現ベクター(Pharmacia)中にグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)cDNAの下流で融合した。同様の組み換えDNA構築をpET−32a(+)ベクター中においてチオレドキシン−6HisタグをN末端に含む融合蛋白質の発現のためにおこなった。製造者の推奨方法に従って融合蛋白質をBL21細菌(例えばStratagene社)中で作製した。
【0053】
作製された融合蛋白質を単離すべく、細菌を酸化アルミニウム(Sigma, A2039)中で破砕し、得られた粉体をライシス緩衝液(14OmM NaCl、1OmM Na2HPO4、1.8mM KH2PO4、2.7mM KCl、1mM EDTA、1% Triton-X-100、1mM DTT、及びプロテアーゼ阻害剤)で回転させながら30分間抽出した。上澄みを遠心分離によって取り除き、蛋白質精製の前に0.45μmの膜でろ過した。GSTで標識された蛋白質を得るべく、製造者の推奨方法(Amersham Pharmacia)に従って溶解物をグルタチオンアガロースビーズで処理し、精製された蛋白質を50mM Tris−Cl、10mM還元グルタチオンpH8.0中に溶出させた。チオレドキシン−6His融合物を得るため、HPLC装置(例えばAkta Prime, G. E. Healthcare)を用いてニッケルキレートカラム(例えばHitrap chelating, G. E. Healthcare)により、タグされた蛋白質を溶解物から精製し、濃度増加イミダゾールにおいて溶出させた。精製された蛋白質溶液を使用前にPBSにより透析した。生成物の性質を当業者に周知の標準方法によりSDS−ゲル電気泳動で確認した。
【0054】
化合物調製:化合物はDMSO中で25mMの貯蔵物として準備され、最終試験濃度にするため100μMまで希釈され得る。試験における最終的なDMSO濃度は5%である。
【0055】
ELISA法
リン酸緩衝食塩水で適度な濃度に希釈された100μlのGST蛋白質(例えばGST−βカテニン)を、高吸着能を有する(例えばNunc Maxisorp)96wellプレートの各wellに加え、4℃で終夜静置した。次の日、well中の液体を捨て、PBS中の3%ウシ血清アルブミン(BSA)150μlを各wellに加え、緩やかに揺らしながら室温で2時間インキュベートした。続いてこの溶液を捨て、各wellを200μlのPBSで2回洗浄した。2回目の洗浄液を注意深く捨てた後、5μlの化合物希釈液と、PBSで適度な濃度に希釈された95μlの6His融合蛋白質(例えば6His−Bcl9)との混合物を各wellに加えた。さらにプレートを緩やかに揺らしながら室温で1時間インキュベートした。次に、この蛋白質溶液を捨て、200μlの0.1%Tween-20 PBS溶液でwellを3回洗浄した。最後の洗浄液を注意深く捨てた後、PBSの1%BSAで適度な濃度に希釈され西洋ワサビペルオキシダーゼ(例えばRoche antibody 11965085001)に接合した抗6His抗体の100μlをwellに加え、緩やかに揺らしながら1時間室温でプレートをインキュベートした。次にこの溶液を捨て、200μlの0.1%Tween-20PBS溶液で3回洗浄した。最後の洗浄液を注意深く捨てた後、溶液中の100μlのHRP基質テトラメチルベンズアミジン(TMB)をwellに加え、プレートを暗室中で30分間まで室温でインキュベートした。反応は、各wellに100μlの2N HClを加えることにより停止させ、光学濃度を450nm及び630nmで測定した。
【0056】
(試験例2)
癌細胞におけるWnt活性の抑制
【0057】
ELISAに基づく蛋白質−蛋白質相互作用法で確認されたWnt経路におけるβ−カテニン/BCL9抑制物質の効果は、転写因子のTcf/Lef群に応答するレポーター遺伝子を用いて、又は、適当な細胞株におけるWnt標的遺伝子の量的分析によって、細胞培養系において評価され得る。
【0058】
レポーター遺伝子は、転写因子応答要素及び最小プロモーターにシスで結合し、β−ガラクトシダーゼ、緑色蛍光蛋白質、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ又はルシフェラーゼのように容易に検出でき若しくは分析できる遺伝子を含む構築物である。用いた発現ベクターに応じて、この手順は例えば、哺乳類の細胞株にもショウジョウバエの細胞株にも適用され得る。例えば、SW620(ATCC)のような構造的に活性化しているWnt経路を備えた結腸癌細胞は、適した系である。これにより、Tcf−4誘導ルシフェラーゼレポータープラスミド(即ちTOPFLASH Upstate biotechnology, New York, USA)は、一時的に又は安定的に公知のごとく細胞に核酸を導入する。細胞中に遺伝子材料を導入するための、感染、電気穿孔法、トランスフェクションを含むいかなる手段も用いることができ、これらに限られない。例えば、DNAをSW620細胞に導入すべく、Lipofectamineトランスフェクション試薬(Life Technologies, Inc.)のようなリポフェクション試薬が用いられ得る。一過性トランスフェクション手順によって、2番目のレポーター遺伝子、例えばウミシイタケルシフェラーゼレポータープラスミドpRL−SV40(Promega Corporation, Madison USA)は、トランスフェクション性能の標準化のためにコトランスフェクトされる必要がある。薬剤は、トランスフェクション(一過性トランスフェクション)の後24時間、又は、細胞(安定にトランスフェクトされた細胞)の播種後24時間で培地に加えられる。細胞抽出物は、24〜48時間後に用意され、製造者(例えば、ルシフェラーゼ活性: Promega Corporation)によって説明されているようにレポーター遺伝子活性のために試験される。溶媒のみで処理された細胞と比べて50%以上レポーター遺伝子の活性が減少した化合物は、該当したものとして考えられる。平行して、例えば、黄色テトラゾリウム塩細胞増殖分析(MTT)法によって毒性が評価され得る。
【0059】
表1は、本発明に係る特定の化合物のインビトロ活性を示す。TGC IDは、被験物内部識別番号のことであり;特異性値は、β−カテニン−BCL9−BCL9Lの阻害に対する化合物の特異性を表現しており(特異性はE−カドヘリン−β−カテニン、Tcf−4−βカテニン又はBCL9−Pygo相互作用を著しく阻害しないことを意味する);MWは分子量を意味する。
【0060】
【表1】









【0061】
表から明らかなように、式IIからXIに係る化合物は、β−カテニン/BCL9−BCL9L相互作用に対する反応性及び特異性に関して特に有利な結果を示している。
【0062】
本発明に係る成分は、一般的な合成経路を採用して次のように調製できる。
【0063】
【化12】

【0064】
ジカルボン酸(1当量)をジクロロメタン(5 mL/mmol対酸)に分散させ、0℃に冷却した。
次に、反応を開始すべく、塩化オキサリル(2.2当量)を注入し続いてDMFを4滴入れた。反応混合物は0℃で反応させ夜通し強く撹拌しながら室温まで上げた。
【0065】
次に過剰の塩化オキサリルを取り除き、反応混合残渣を0℃に冷却した。ジクロロメタン中のトリエチルアミン(3当量)(5 mL/mmol対トリエチルアミン)を注入し、続いて、ジクロロメタン中の相当量のアニリン(3当量)(5 mL/mmol対アニリン)を徐々に加えた。生じた反応混合物は、温度を0℃から室温にしながら終夜撹拌した。反応混合物をろ過し続いて水で洗浄した。溶剤の揮発において、粗生成物はメタノールによって結晶化されるか、あるいは、カラムクロマトグラフィーにより白色粉体となった。
【0066】
本発明に係る化合物を合成するためのさらなる一般的に適用可能な調製アプローチ、特に非対称の化合物のためのものが、TGC0012409(CR-5516/IIIともいう)の合成で例示される。
【0067】
【化13】

【0068】
CR-5514/II(1.5gm, 8.280mmol)を無水条件で4時間、透明溶液を得るまで塩化チオニル(15.0mL)で還流した。過剰の塩化チオニルを蒸留によって取り除いた。残渣を0℃にまで冷却し、ピリジン(10.0mL)を入れ、4-アセトアミドアニリン(1.36gm, 9.100mmol)を入れ、HClの発生がなくなるまで時々振った。得られた固体を氷冷水(200mL)に入れ、DCM(3×150mL)で抽出し、5%NaHCO3水溶液、水、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。減圧下での溶媒の除去は、粗生成物を生じさせ、この生成物を2%メタノール等級のDCMを用いてDCM中でカラムクロマトグラフィーによって精製し、CR-5516/I(0.600gm)を得た。
【0069】
撹拌されているCR-5516/I(0.230gm, 0.7341 mmol)のTHF(10.0mL)溶液に、0℃で水酸化リチウム一水和物水溶液(0.092gm, 2.202mmol、2.3mL水中)を滴下した。反応混合物を室温で夜通し撹拌した(出発材料のいくつかはTLCで観察された)。THFを減圧下で蒸留により取り除き、酢酸エチルと水との間で分液した。水相を酢酸エチル(3×100mL)で洗浄した。水相のpHを1NのHCl溶液を加えることにより5〜6に調整し、続いてDCM(5×75mL)で抽出した。複合したDCM層を水、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で取り除き、粗生成物を得た。5%ジクロロメタン等級のメタノール中のDCMを用いてカラムクロマトグラフィーによって精製をおこない、CR-5516/II(80mg)を得た。
【0070】
撹拌されているCR-5516/II(0.070gm、0.2338mmol)のDMF(7.0mL)溶液に、炭酸カリウム(0.068gm, 4.909mmol)を加え、室温で15分間撹拌した。上記反応混合物に4-メトキシアニリン(0.032gm, 2.572mmol)を加え、HATU(2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェート、0.133gm、0.3507mmol)を加えた。得られた反応混合物は夜通し室温で撹拌した。溶媒を減圧下で取り除き、粗生成物をDCM20%メタノール等級のDCMを用いてカラムクロマトグラフィーによって精製し、灰色がかった固体として(10mg)純CR-5516/IIIを生成させた。
【0071】
この合成アプローチは上記特定の化合物に限定されず、本発明における他の化合物も単にそれぞれ開始物質を変えることで使用できると理解される。
【0072】
本発明における典型的な化合物の質量分析(MS)及び1H−NMRの抜粋データを続く表2に示す(ppmで与えられた重水素含有ジメチルスルホキシドにおけるシグナル s:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、dd:二重線の二重線、dt:三重線の二重線、m:多重線、b:広幅)。
【0073】
【表2】



【0074】
<参考文献>
Bartel, P. L. and S. Fields (1995). "Analyzing protein-protein interactions using two- hybrid system." Methods Enzvmol 254: 241-63.

Boute, N., R. Jockers ら. (2002). "The use of resonance energy transfer in high- throughput screening: BRET versus FRET." Trends Pharmacol Sci 23(8): 351-4.

Caca, K., F. T. Kolligs ら. (1999). "Beta- and gamma-catenin mutations, but not E- cadherin inactivation, underlie T-cell factor/lymphoid enhancer factor transcriptional deregulation in gastric and pancreatic cancer." Cell Growth Differ 10(6): 369-76.

Crawford, H. C, B. M. Fingleton ら. (1999). "The metalloproteinase matrilysin is a target of beta-catenin transactivation in intestinal tumors." Oncogene 18(18): 2883-91.

Eklof Spink, K., S. G. Fridman ら. (2001). "Molecular mechanisms of beta-catenin recognition by adenomatous polyposis coli revealed by the structure of an APC-beta-catenin complex." Embo J 20(22): 6203-12.

Gonzalez, J. E. and P. A. Negulescu (1998). "Intracellular detection assays for high- throughput screening." Curr Opin Biotechnol 9(6): 624-31.

Graham, T. A., C. Weaver ら. (2000). "Crystal structure of a beta-eaten in/Tcf com- plex." Cell 103(6): 885-96.

He, T. C, A. B. Sparks ら. (1998). "Identification of c-MYC as a target of the APC pathway [see comments]." Science 281(5382): 1509-12.

Huber, A. H. and W. I. Weis (2001). "The structure of the beta-catenin/E-cadherin complex and the molecular basis of diverse ligand recognition by beta- catenin." Cell 105(3): 391-402.

Kinzler, K. W. and B. Vogelstein (1996). "Lessons from hereditary colorectal cancer." Cell 87(2): 159-70.

Kolligs, F. T., M. T. Nieman ら. (2002). "ITF-2, a downstream target of the Wnt/TCF pathway, is activated in human cancers with beta-catenin defects and promotes neoplastic transformation." Cancer Cell 1(2): 145-55.

Kramps, T., O. Peter ら. (2002). "Wnt/wingless signaling requires BCL9/legless- mediated recruitment of pygopus to the nuclear beta-catenin-TCF complex." Cell 109(1): 47-60.

Miller, J. R., A. M. Hocking ら. (1999). "Mechanism and function of signal transduction by the Wnt/beta-catenin and Wnt/Ca2+ pathways." Oncogene 18(55): 7860-72.

Morin, P. J., A. B. Sparks ら. (1997). "Activation of beta-catenin-Tcf signaling in colon cancer by mutations in beta-catenin or APC [see comments]." Science 275(5307): 1787-90.

Nasir, M. S. and M. E. Jolley (1999). "Fluorescence polarization: an analytical tool for immunoassay and drug discovery." Comb Chem High Throughput Screen 2(4): 177-90.

Poy, F., M. Lepourcelet ら. (2001). "Structure of a human Tcf4-beta-catenin com- plex." Nat Struct Biol 8(12): 1053-7.

Rubinfeld, B., P. Robbins ら. (1997). "Stabilization of beta-catenin by genetic defects in melanoma cell lines." Science 275(5307): 1790-2.

Satoh, S., Y. Daigo ら. (2000). "AXIN1 mutations in hepatocellular carcinomas, and growth suppression in cancer cells by virus-mediated transfer of AXIN1." Nat Genet 24(3): 245-50.

Shtutman, M., J. Zhurinsky ら. (2002). "PML is a target gene of beta-catenin and plakoglobin, and coactivates beta-catenin-mediated transcription." Cancer Res 62(20): 5947-54.

Staal, F. J. and H. C. Clevers (2003). "Wnt signaling in the thymus." Curr Opin Im- munol 15(2): 204-8.

Staal, F. J., J. Meeldijk ら. (2001). "Wnt signaling is required for thymocyte development and activates Tcf-1 mediated transcription." Eur J Immunol 31(1): 285- 93.

Tetsu, O. and F. McCormick (1999). "Beta-catenin regulates expression of cyclin D1 in colon carcinoma cells." Nature 398(6726): 422-6.

Topcu, Z. and K. L. Borden (2000). "The yeast two-hybrid system and its pharmaceutical significance." Pharm Res 17(9): 1049-55.

van de Wetering, M., R. Cavallo ら. (1997). "Armadillo coactivates transcription driven by the product of the Drosophila segment polarity gene dTCF." Cell 88(6): 789-99.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物。

(X,Y,Zは、互いに独立してC又はNを示し、
nは、1,2,3を表し、mは、0又は1を表し、pは、0又は1〜6の整数を表し、
1、R2は、互いに独立して水素、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1〜C3アルキル基、及びC1〜C3アルコキシ基を示し、
3は、互いに独立して、pが0でない場合は水素、ハロゲン、C1〜C5直鎖又は分岐アルキル基、カルボキシ基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、ベンジル基、アシル基、ヒドロキシ基、C1〜C4直鎖又は分岐アルコキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、モルホリノ基、1,3−ジオキソリル基、N−アセチルアミジル基又はアミドイル基、飽和5〜8員環、C1〜C3アルキル基、ヒドロキシ基又はベンジル基で随意に置換された複素環、C1〜C6アルキルスルホニル基、1置換又は2置換のC1〜C5アルキル基、分岐又は環状アミンを示し、
6は、以下の条件で、H、又は、脂環系もしくは複素脂環系の一部であり、
(mが0であれば、CはCF3又は分岐もしくは非分岐のC1〜C4アルキル基を示し、m=1であれば、Cは、−CH2−O−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2(CH2)CH2−を示すか、又は、N−CもしくはC−C原子間の化学結合を意味する)
CONR6基は、その炭素原子もしくは窒素原子のいずれかを介してCに結合し得るものであり、
CYCは、R3で置換された、又は置換されていない、フェニル、ピリジニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリニル、チオフェニル、1,3,4−チアジアザゾリジニル、フラニル、テトラハイドロキノリニル、テトラハイドロイソキノリニル、モルホリニル、フラニル、シクロヘキセニル、及びクロメン−2−オン−イルを表す。)
【請求項2】
nが1である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
nが2である請求項1記載の化合物。
【請求項4】
nが3である請求項1記載の化合物。
【請求項5】
X、Y、及びZがCである請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
X及びYがCであり、ZがNである請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
XがCであり、Y及びZがNである請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
mが0である請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
Cが、CF3又は分岐若しくは非分岐のC1〜C4アルキル基である請求項8記載の化合物。
【請求項10】
Cがtert-ブチルである請求項9記載の化合物。
【請求項11】
mが1である請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
Cが、−CH2−O−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2(CH2)CH2−を示すか、又は、N−CもしくはC−C原子間の化学結合を意味する請求項11記載の化合物。
【請求項13】
CONR6基が、その炭素原子によってCに結合している請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
CONR6基が、その窒素原子によってCに結合している請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
式IIで示される請求項1記載の化合物。

【請求項16】
式IIIで示される請求項1記載の化合物。

【請求項17】
式IVで示される請求項1記載の化合物。

【請求項18】
式Vで示される請求項1記載の化合物。

【請求項19】
式VIで示される請求項1記載の化合物。

【請求項20】
式VIIで示される請求項1記載の化合物。

【請求項21】
式VIIIで示される請求項1記載の化合物。

【請求項22】
式IXで示される請求項1記載の化合物。

【請求項23】
式Xで示される請求項1記載の化合物。

【請求項24】
式XIで示される請求項1記載の化合物。

【請求項25】
請求項1〜24のいずれかに記載の化合物の薬剤としての使用。
【請求項26】
Wnt経路依存性疾患の治療用医薬組成物の製造のための請求項1〜24のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項27】
癌治療用医薬組成物の製造のための請求項1〜24のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項28】
請求項1〜24のいずれかに記載の化合物又は製薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物。
【請求項29】
少なくとも1つの製薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含む請求項28に記載の医薬組成物。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2010−512357(P2010−512357A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540651(P2009−540651)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010829
【国際公開番号】WO2008/071397
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(507310743)ザ ジェネティックス カンパニー,インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】THE GENETICS COMPANY,INC.
【住所又は居所原語表記】Wagistrasse 27,CH−8952 Schlieren(CH)
【Fターム(参考)】