説明

薄膜トランジスタ、その製造方法、及びこれを備えた表示装置

【課題】結晶化された半導体層内に残存する金属触媒の含有量を効果的に減少させた薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】薄膜トランジスタ、その製造方法、及びこれを備えた表示装置において、本発明の実施形態に係る薄膜トランジスタは、基板と、前記基板上に位置し、金属触媒を利用して結晶化された半導体層と、前記半導体層の上に絶縁配置されたゲート電極と、前記半導体層と前記ゲート電極との間に配置され、前記半導体層内で前記金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成されたゲッター層とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ、その製造方法、及びこれを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置(organic light emitting diode display)及び液晶表示装置(liquid crystal display)などのような大部分の平板型表示装置は、薄膜トランジスタ(thin film transistor)を含む。特に、低温多結晶シリコン薄膜トランジスタ(LTPS TFT)は、電子移動度(carrier mobility)に優れて高速動作回路への適用が可能であり、CMOS回路構成も可能であるという長所があって、幅広く使用されている。
【0003】
低温多結晶シリコン薄膜トランジスタは、非晶質シリコン膜を結晶化させて形成された多結晶シリコン膜を含む。非晶質シリコン膜を結晶化する方法は、固相結晶化法(solid phase crystallization)、エキシマレーザー結晶化法(excimer laser crystallization)、及び金属触媒を利用した結晶化方法などがある。また、金属を利用した結晶化方法は、金属誘導結晶化(metalinduced crystallization、MIC)方法、金属誘導側面結晶化(metal induced lateral crystallization、MILC)方法、及びSGS結晶化(super grain silicon crystallization)方法などがある。このうちの金属触媒を利用した結晶化方法は、低い温度で、速い時間内に結晶化させることができるという長所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10−2009−0020287号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、金属触媒を利用する結晶化方法は、半導体層内に残留する金属触媒によって、薄膜トランジスタの素子特性が低下するという問題点がある。このために、金属触媒を利用して非晶質シリコン層を結晶化した後には、金属触媒を除去するための効果的なゲッタリング(gettering)工程が要求される。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、結晶化された半導体層内に残存する金属触媒の含有量を効果的に減少させることが可能な、新規かつ改良された薄膜トランジスタ、これを備えた表示装置、及び、半導体層内に残存する金属触媒を効果的にゲッタリングすることが可能な、新規かつ改良された薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基板と、前記基板上に位置し、金属触媒を利用して結晶化された半導体層と、前記半導体層の上に絶縁配置されたゲート電極と、前記半導体層と前記ゲート電極との間に配置され、前記半導体層内で前記金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成されたゲッター層(getter layer)とを含む薄膜トランジスタが提供される。
【0008】
ここで、前記ゲッター層の拡散係数は、0より大きく前記金属触媒の拡散係数の1/100以下とすることができる。
【0009】
また、前記基板と前記半導体層との間に配置されたバッファ層をさらに含むことができる。前記金属触媒は、前記バッファ層と前記半導体層との間に1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布することができる。
【0010】
また、前記金属触媒は、前記半導体層の上に1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布することができる。
【0011】
また、前記金属触媒は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、チタニウム(Ti)、銀(Ag)、金(Au)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、テルビウム(Tb)、ルテニウム(Ru)、カドミウム(Cd)、及び白金(Pt)のうちの一つ以上を含むことができる。
【0012】
また、ゲッター層は、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロミウム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガニーズ(Mn)、レニウム(Re)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ゲルマニウム(Ge)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、アルミニウム(Al)、窒化チタン(TiN)、及び窒化タンタル(TaN)のうちの一つ以上の金属やこれらのシリサイドで形成することができる。
【0013】
また、前記薄膜トランジスタは、前記ゲッター層と前記半導体層との間に配置されたゲート絶縁膜をさらに含むことができる。
【0014】
また、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の上に形成されたソース電極と、前記層間絶縁膜の上に形成され、前記ソース電極と離隔したドレイン電極とをさらに含むことができる。
【0015】
また、前記層間絶縁膜、前記ゲッター層、及び前記ゲート絶縁膜は、共に前記半導体層の一部をそれぞれ露出する複数のコンタクトホールを有し、前記ソース電極及びドレイン電極は、前記複数のコンタクトホールを通じてそれぞれ前記半導体層と接触することができる。
【0016】
また、前記薄膜トランジスタにおいて、前記ゲッター層と前記半導体層との間に前記半導体層と共にパターニングされたゲート絶縁膜をさらに含み、前記ゲッター層は前記半導体層の側面と接触することができる。
【0017】
また、前記薄膜トランジスタにおいて、前記ゲッター層と前記ゲート電極との間に配置されたゲート絶縁膜をさらに含み、前記ゲッター層は、前記半導体層と同一のパターンに前記半導体層と接触するように形成することができる。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基板を用意する段階と、前記基板上に非晶質シリコン膜を形成する段階と、前記非晶質シリコン膜を金属触媒を利用して結晶化して多結晶シリコン膜を形成する段階と、前記多結晶シリコン膜をパターニングして半導体層を形成する段階と、前記半導体層の上にゲート絶縁膜を形成する段階と、前記ゲート絶縁膜の上に複数のゲッタリングホールを形成する段階と、前記複数のゲッタリングホールを通じて前記半導体層と接触するように前記ゲート絶縁膜の上にゲッタリング用金属膜を形成する段階と、熱処理工程により前記ゲッタリング用金属膜を酸化させてゲッター層を形成しながら、前記半導体層に含まれている前記金属触媒の密度を減少させる段階と、を含む薄膜トランジスタの製造方法が提供される。
【0019】
ここで、前記ゲッター層の上に前記半導体層の一部と重畳するようにゲート電極を形成する段階と、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する段階と、前記層間絶縁膜、前記ゲッター層、及び前記ゲート絶縁膜を共に貫いて、前記半導体層の一部をそれぞれ露出する複数のコンタクトホールを形成する段階と、前記複数のコンタクトホールを通じてそれぞれ前記半導体層と接触するように前記層間絶縁膜の上にソース電極及びドレイン電極を形成する段階とをさらに含むことができる。
【0020】
また、前記複数のコンタクトホールは、それぞれ前記複数のゲッタリングホールと重畳することができる。
【0021】
また、前記複数のコンタクトホールを形成しながら、前記複数のゲッタリングホールを通じて前記半導体層と接触した前記ゲッター層の一部を除去することができる。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、基板を用意する段階と、前記基板上に非晶質シリコン膜を形成する段階と、前記非晶質シリコン膜を金属触媒を利用して結晶化して多結晶シリコン膜を形成する段階と、前記多結晶シリコン膜の上に絶縁物質を塗布する段階と、前記多結晶シリコン膜及び前記絶縁物質を共にパターニングして同一のパターンに形成された半導体層及びゲート絶縁膜を形成する段階と、前記半導体層の側面と接触するように前記ゲート絶縁膜の上にゲッタリング用金属膜を形成する段階と、熱処理工程により前記ゲッタリング用金属膜を酸化させてゲッター層を形成しながら、前記半導体層に含まれている前記金属触媒の密度を減少させる段階とを含む薄膜トランジスタの製造方法が提供される。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、基板を用意する段階と、前記基板上に非晶質シリコン膜を形成する段階と、前記非晶質シリコン膜を金属触媒を利用して結晶化して多結晶シリコン膜を形成する段階と、前記多結晶シリコン膜の上にゲッタリング用金属膜を形成する段階と、熱処理工程により前記ゲッタリング用金属膜を酸化させながら、前記半導体層に含まれている前記金属触媒の密度を減少させる段階と、前記多結晶シリコン膜と酸化された前記ゲッタリング用金属膜とを共にパターニングして同一のパターンに形成された半導体層及びゲッター層を形成する段階と、前記ゲッター層の上にゲート絶縁膜を形成する段階とを含む薄膜トランジスタの製造方法が提供される。
【0024】
ここで、前記ゲッター層は、前記半導体層内で前記金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成することができる。
【0025】
また、前記ゲッター層の拡散係数は、0より大きく前記金属触媒の拡散係数の1/100以下とすることができる。

【0026】
また、前記基板と前記非晶質シリコン膜との間にバッファ層を形成する段階をさらに含み、前記金属触媒は、前記バッファ層と前記非晶質シリコン膜との間に1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布することができる。
【0027】
また、前記金属触媒は、前記非晶質シリコン膜上に1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布することができる。
【0028】
また、前記金属触媒は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、チタニウム(Ti)、銀(Ag)、金(Au)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、テルビウム(Tb)、ルテニウム(Ru)、カドミウム(Cd)、及び白金(Pt)のうちの一つ以上を含むことができる。
【0029】
また、ゲッター層は、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロミウム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガニーズ(Mn)、レニウム(Re)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ゲルマニウム(Ge)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、アルミニウム(Al)、窒化チタン(TiN)、及び窒化タンタル(TaN)のうちの一つ以上の金属やこれらのシリサイドで形成することができる。
【0030】
また、前記熱処理工程は、摂氏400度〜摂氏993度の範囲内の温度で行うことができる。
【0031】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、基板と、前記基板上に位置し、金属触媒を利用して結晶化された半導体層と、前記半導体層の上に絶縁配置されたゲート電極と、前記半導体層と前記ゲート電極との間に配置され、前記半導体層内で前記金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成されたゲッター層と、前記半導体層の一部と接触し、前記ゲート電極と離隔したソース電極と、前記半導体層の一部と接触し、前記ゲート電極及びドレイン電極と離隔したドレイン電極とを含む表示装置が提供される。
【0032】
ここで、前記ゲッター層と前記半導体層との間に配置されたゲート絶縁膜をさらに含むことができる。
【0033】
また、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の上に形成されたソース電極と、前記層間絶縁膜の上に形成されて前記ソース電極と離隔したドレイン電極とをさらに含むことができる。
【0034】
また、前記層間絶縁膜、前記ゲッター層、及び前記ゲート絶縁膜は、共に前記半導体層の一部をそれぞれ露出する複数のコンタクトホールを有し、前記ソース電極及びドレイン電極は、前記複数のコンタクトホールを通じてそれぞれ前記半導体層と接触することができる。
【0035】
また、前記ゲッター層と前記半導体層との間に前記半導体層と同一のパターンに形成されたゲート絶縁膜をさらに含み、前記ゲッター層は前記半導体層の側面と接触することができる。
【0036】
また、前記ゲッター層と前記ゲート電極との間に配置されたゲート絶縁膜をさらに含み、前記ゲッター層は前記半導体層と同一のパターンで前記半導体層と接触するように形成することができる。
【0037】
また、前記表示装置は、前記ドレイン電極と接続された有機発光素子をさらに含むことができる。
【0038】
また、前記表示装置は、前記ドレイン電極と接続された画素電極と、前記画素電極の上に形成された液晶層と、前記液晶層上に形成された共通電極とをさらに含むこともできる。
【発明の効果】
【0039】
以上説明したように本発明に係る薄膜トランジスタ薄膜トランジスタは、残存する金属触媒の含有量が効果的に減少した半導体層を有することができる。また、薄膜トランジスタの製造方法は、半導体層内に残存する金属触媒を効果的にゲッタリングすることができる。さらに、表示装置は、金属触媒が効果的に減少した半導体層を有する薄膜トランジスタを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタを備えた表示装置の構造を概略的に示す平面図である。
【図2】図1の表示装置が有する画素回路を示す回路図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタを拡大図示した断面図である。
【図4】図3の薄膜トランジスタの製造過程を順次に示す断面図である。
【図5】図3の薄膜トランジスタの製造過程を順次に示す断面図である。
【図6】図3の薄膜トランジスタの製造過程を順次に示す断面図である。
【図7】図3の薄膜トランジスタの製造過程を順次に示す断面図である。
【図8】図3の薄膜トランジスタの製造過程を順次に示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタを拡大図示した断面図である。
【図10】図9の薄膜トランジスタの製造過程を順次に示す断面図である。
【図11】図9の薄膜トランジスタの製造過程を順次に示す断面図である。
【図12】図9の薄膜トランジスタの製造過程を順次に示す断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態の変形例に係る薄膜トランジスタを拡大図示した断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る薄膜トランジスタを拡大図示した断面図である。
【図15】図14の薄膜トランジスタの製造過程を順次に示す断面図である。
【図16】図14の薄膜トランジスタの製造過程を順次に示す断面図である。
【図17】本発明の第4実施形態に係る表示装置が有する画素回路を示す等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0042】
また、図面における各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したので、本発明が必ずしも示されたものに限られることではない。図面において、色々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。また、図面において、説明の便宜のために、一部層及び領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」または「上に」あるという時、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。
【0043】
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ11、及びこれを備えた表示装置101について説明する。
【0044】
図1に示したように、表示装置101は、表示領域(DA)と非表示領域(NA)に区分された基板本体111を含む。基板本体111の表示領域(DA)には、多数の画素領域(PE)が形成されて画像を表示し、非表示領域(NA)には、一つ以上の駆動回路910、920が形成される。ここで、画素領域(PE)とは、画像を表示する最小単位である画素が形成された領域をいう。しかし、前述のように、非表示領域(NA)に全ての駆動回路910、920を形成しなければならないことではなく、駆動回路910、920の一部または全部を省略することも可能である。
【0045】
図2に示したように、表示装置101は、一つの画素領域(PE)ごとに有機発光素子(organic light emitting diode)70と、二つの薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)11、21と、一つのキャパシタ(capacitor)80とが配置された2Tr−1Cap構造を有する有機発光表示装置である。しかし、表示装置が前述した構造に限定されることではない。したがって、表示装置101は、一つの画素領域(PE)ごとに三つ以上の薄膜トランジスタと、二つ以上のキャパシタとが配置された構造を有する有機発光表示装置とすることもできる。また、表示装置101は、別途の配線がさらに形成されて、多様な構造を有するように形成することも可能である。このように、追加的に形成される薄膜トランジスタ及びキャパシタのうちの一つ以上は、補償回路の構成とすることができる。
【0046】
補償回路は、各画素領域(PE)ごとに形成された有機発光素子70の均一性を向上させて、画質に偏差が生じることを抑制する。一般に、補償回路は2個〜8個の薄膜トランジスタを含むことができる。
【0047】
また、基板本体111の非表示領域(NA)上に形成された駆動回路910、920(図1に図示)も、追加的に複数の薄膜トランジスタを含むことができる。
【0048】
有機発光素子70は、正孔注入電極であるアノード(anode)電極と、電子注入電極であるカソード(cathode)電極と、アノード電極とカソード電極との間に配置された有機発光層とを含む。
【0049】
具体的に、表示装置101は、一つの画素領域(PE)ごとに第1薄膜トランジスタ11及び第2薄膜トランジスタ21を含むことができる。第1薄膜トランジスタ11及び第2薄膜トランジスタ21のそれぞれは、ゲート電極、アクティブ層、ソース電極、及びドレイン電極を含む。
【0050】
図2には、ゲートライン(GL)、データライン(DL)、及び共通電源ライン(VDD)と共にキャパシタライン(CL)が示されているが、前述した構造に限定されることではない。したがって、キャパシタライン(CL)は、場合により省略することも可能である。
【0051】
データライン(DL)には、第2薄膜トランジスタ21のソース電極が接続し、ゲートライン(GL)には第2薄膜トランジスタ21のゲート電極が接続される。第2薄膜トランジスタ21のドレイン電極はキャパシタ80を通じてキャパシタライン(CL)に接続される。第2薄膜トランジスタ21のドレイン電極とキャパシタ80との間にノードが形成されて、第1薄膜トランジスタ11のゲート電極が接続される。第1薄膜トランジスタ11のドレイン電極には共通電源ライン(VDD)が接続され、ソース電極には有機発光素子70のアノード電極が接続される。
【0052】
第2薄膜トランジスタ21は、発光させようとする画素領域(PE)を選択するスイッチング素子として使用される。第2薄膜トランジスタ21が瞬間的に導通すると、キャパシタ80は蓄電され、この時に蓄電される電荷量はデータライン(DL)から印加される電圧の電位に比例する。第2薄膜トランジスタ21が遮断された状態で、キャパシタライン(CL)に1フレーム周期で電圧が増加する信号が入力されると、第1薄膜トランジスタ11のゲート電位は、キャパシタ80に蓄電された電位を基準として印加される電圧のレベルが、キャパシタライン(CL)を通じて印加される電圧によって上昇する。第1薄膜トランジスタ11は、ゲート電位がしきい電圧を超えると導通する。このことにより、共通電源ライン(VDD)に印加された電圧が、第1薄膜トランジスタ11を通じて有機発光素子70に印加されて、有機発光素子70は発光する。
【0053】
このような画素領域(PE)の構成は前述したことに限定されず、当該技術分野の従事者が容易に変形実施できる範囲内で多様に変形可能である。
【0054】
以下、図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ11の構造を積層順序に沿って詳細に説明する。ここで、薄膜トランジスタ11は、図2に示された第1薄膜トランジスタをいう。図2に示された第2薄膜トランジスタ21は、薄膜トランジスタ11と同一の構造を有してもよく、互いに異なる構造を有してもよい。
【0055】
基板111は、ガラス、石英、セラミック、及びプラスチックなどからなる透明な絶縁性基板で形成される。しかし、本発明の第1実施形態がこれに限定されることではなく、基板111をステンレス鋼などからなる金属性基板で形成することができる。また、基板111がプラスチックなどからなる場合、フレキシブル(flexible)な基板に形成することも可能である。
【0056】
基板111上にはバッファ層120が形成される。バッファ層120は、化学的気相蒸着(chemical vapor deposition)法または物理的気相蒸着(physical vapor deposition)法を利用して、酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜などのような絶縁膜を一つ以上含む単層または複層構造に形成される。
【0057】
バッファ層120は、基板111から発生する水分または不純物の拡散を防止したり、結晶化時の熱の伝達速度を調節することによって、後述する非晶質シリコン膜の結晶化が円滑に行われるように助ける役割を果たす。
【0058】
バッファ層120の上には金属触媒を利用して結晶化された半導体層131が形成される。半導体層131は、バッファ層120の上に形成された非晶質シリコン膜を結晶化して多結晶シリコン膜を形成した後、これをパターニングして形成される。金属触媒は、非晶質シリコン膜の結晶化に利用され、一部は結晶化された半導体層131の内部に残留する。
【0059】
本発明の第1実施形態においては、金属触媒を利用した結晶化方法の中でSGS結晶化(super grain silicon crystallization)方法を用いる。SGS結晶化方法は、非晶質シリコン膜に拡散する金属触媒の濃度を低濃度に調節して、結晶粒の大きさを数μm〜数百μmまで調節可能な結晶化方法である。非晶質シリコン膜に拡散する金属触媒の濃度を低濃度に調節するために、金属触媒は低濃度に散布する。
【0060】
SGS結晶化方法は、非晶質シリコン膜を相対的に低温で比較的に短時間に結晶化させることができる。一例として、ニッケル(Ni)を金属触媒として用いて非晶質シリコン膜が結晶化される過程をみると、ニッケル(Ni)は非晶質シリコン膜のケイ素(Si)と結合してニッケルダイシリサイド(NiSi)となる。このニッケルダイシリサイド(NiSi)はシード(seed)になって、これを中心に結晶が成長するようになる。
【0061】
このように、金属触媒を通じて結晶化された多結晶シリコン膜は、グレーンの大きさが数十μm水準で、固状結晶化された多結晶シリコン膜のグレーンより大きく形成することができる。
【0062】
また、SGS結晶化方法により形成された多結晶シリコン膜の場合、一つのグレーンバウンダリ(grain boundary)内に多数のサブグレーンバウンダリが存在する。したがって、グレーンバウンダリによって均一性が低下することを最少化することができる。
【0063】
また、SGS結晶化方法により形成された多結晶シリコン膜を用いた薄膜トランジスタ11は、電流駆動能力、つまり、電子移動度が相対的に高い。しかし、半導体層131に残留する金属触媒によって、相対的に高い漏洩電流を有する。しかし、本発明の第1実施形態に従う場合、半導体層131に残留する金属触媒の量を減少させて、漏洩電流を抑制することができる。
【0064】
具体的に、金属触媒は、バッファ層120と非晶質シリコン膜との間、つまり、非晶質シリコン膜をバッファ層120の上に形成する前に、バッファ層120の上に最初に散布する。この時、金属触媒は1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布する。つまり、金属触媒は、最も小さくは分子単位でバッファ層120の上に微量散布する。金属触媒が1.0e12atoms/cmの面密度より少なく形成された場合には、結晶化の核であるシードの量が少なくて、非晶質シリコン膜がSGS結晶化方法によって多結晶シリコン膜に十分に結晶化され難い。反面、金属触媒が1.0e15atoms/cmの面密度より多く形成された場合には、非晶質シリコン膜に拡散する金属触媒の量が多くなって、多結晶シリコン膜の結晶粒が小さくなり、多結晶シリコン膜に残留する金属触媒の量が多くなる。したがって、多結晶シリコン膜をパターニングして形成される半導体層131の特性が低下する。
【0065】
一方、本発明の第1実施形態が前述したものに限定されることではない。したがって、金属触媒を利用した結晶化方法として、金属誘導結晶化(metal induced crystallization、MIC)方法または金属誘導側面結晶化(metal induced lateral crystallization、MILC)方法を用いることも可能である。
【0066】
また、金属触媒は、バッファ層120と非晶質シリコン膜との間でない、非晶質シリコン膜の上に散布することもできる。しかし、金属触媒を非晶質シリコン膜の下に配置し、これによって結晶を成長する場合、金属触媒を非晶質シリコン膜の上に配置し、これによって結晶を成長させる場合より、グレーンバウンダリが薄くなり、グレーン内の欠陥(defect)がさらに減少する利点がある。
【0067】
金属触媒は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、チタニウム(Ti)、銀(Ag)、金(Au)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、テルビウム(Tb)、ルテニウム(Ru)、カドミウム(Cd)、及び白金(Pt)のうちの一つ以上を含む。本発明の第1実施形態においては、一例として、ニッケル(Ni)を金属触媒として使用する。ニッケル(Ni)がケイ素(Si)と結合されたニッケルダイシリサイド(NiSi)は結晶成長を効果的に促進させる。
【0068】
半導体層131の上にはゲート絶縁膜140が形成される。本発明の第1実施形態において、ゲート絶縁膜140はバッファ層120の上で半導体層131覆うように形成される。ゲート絶縁膜140は、テトラエトキシシラン(tetra ethyl ortho silicate、TEOS)、窒化ケイ素(SiNx)、及び酸化ケイ素(SiO)などのように、当該技術分野の従事者に公知された多様な絶縁物質のうちの一つ以上を含んで形成される。
【0069】
ゲート絶縁膜140の上にはゲッター層(getter layer)135が形成される。本発明の第1実施形態において、ゲッター層135は半導体層131内で金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成される。具体的に、ゲッター層135の拡散係数は、0より大きく金属触媒の拡散係数の1/100以下とすることができる。
【0070】
ゲッター層135の拡散係数が金属触媒の1/100以下の時、ゲッター層135が半導体層131内の金属触媒を効果的にゲッタリングすることができる。
【0071】
ニッケルは、半導体層131内で約10−5cm/s以下の拡散係数を有する。したがって、本発明の一実施形態において、金属触媒としてニッケル(Ni)を用いる場合、ゲッター層135は0より大きく10−7cm/s以下の拡散係数を有するのが効果的である。このために、ゲッター層135として使用可能なゲッタリング用金属は、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロミウム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガニーズ(Mn)、レニウム(Re)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ゲルマニウム(Ge)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、アルミニウム(Al)、窒化チタン(TiN)、及び窒化タンタル(TaN)のうちの一つ以上とすることができる。また、これら金属は、シリサイド化された状態で用いられることも可能である。
【0072】
ゲッター層135は、ゲッタリング用金属でゲッタリング用金属膜を形成した後、これを熱処理して形成される。ゲッタリング用金属膜を熱処理すると、酸化されながらゲッター層135となる。また、熱処理過程で半導体層131内の金属触媒の少なくとも一部は、ゲッター層135によって除去される。
【0073】
半導体層131内の金属触媒が除去される過程を具体的に見ると、熱処理工程により半導体層131に残留する金属触媒の少なくとも一部がゲッタリング用金属膜と接触する部分に拡散する。この時、金属触媒はゲッタリング用金属膜に沈殿して、それ以上拡散しない。これは、金属触媒が半導体層131の内部にあることより、ゲッタリング用金属膜と接触する部分にあることが、熱力学的に安定するためである。これにより、半導体層131の内部に残留した金属触媒の少なくとも一部を除去することができる。
【0074】
一方、図3には、ゲッター層135と半導体層131とが接触する部分が示されていない。これは、後述するコンタクトホール166、167を形成する過程で、ゲッター層135と半導体層131とが互いに接触した部分が除去されるためである。このように、半導体層131と接触したゲッター層135の一部分が除去されることにより、金属触媒の残留によって薄膜トランジスタ11の特性が低下することをさらに安定的に抑制することができる。
【0075】
また、酸化金属で形成されたゲッター層135は、数nm〜数十nm範囲内の厚さに形成することができる。このために、ゲッター層135は絶縁体として、ゲート絶縁膜140を補助する役割を果たすことができる。ゲッター層135が数nm未満の厚さであれば、金属触媒を効果的に除去することが困難である。一方、ゲッター層135が数十nm超過の厚さであれば、熱処理工程の過程で熱応力を発生させ得る。
【0076】
ゲッター層135上にはゲート電極151が形成される。ゲート電極151は半導体層131の一部と重畳するように配置される。ゲート電極151は、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、チタニウム(Ti)、タンタル(Ta)、及びタングステン(W)のうちの一つ以上を含むことができる。
【0077】
ゲート電極151上には層間絶縁膜160が形成される。つまり、層間絶縁膜160はゲッター層135の上でゲート電極151を覆う。層間絶縁膜160は、ゲート絶縁膜140と同様に、テトラエトキシシラン(tetra ethyl ortho silicate、TEOS)、窒化ケイ素(SiNx)、または酸化ケイ素(SiOx)などで形成することができるが、これに限定されることではない。
【0078】
一方、層間絶縁膜160、ゲッター層135、及びゲート絶縁膜140は、共に半導体層131の一部を露出する複数のコンタクトホール166、167を有する。
【0079】
層間絶縁膜160上にはコンタクトホール166、167を通じてそれぞれ半導体層131と接触したソース電極176及びドレイン電極177が形成される。ソース電極176及びドレイン電極177は互いに離隔する。ソース電極176及びドレイン電極177は、ゲート電極151と同様に、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、チタニウム(Ti)、タンタル(Ta)、及びタングステン(W)のうちの一つ以上を含むことができる。
【0080】
このような構成により、本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ11は、金属触媒を利用して、低い温度で、速い時間内に結晶化されながらも、残存する金属触媒の含有量が効果的に減少した半導体層131を有することができる。
【0081】
また、表示装置101は、金属触媒が効果的に減少した半導体層131を有する薄膜トランジスタ11を備えることができる。
【0082】
以下、図4〜図10を参照して、本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ11の製造方法について説明する。
【0083】
まず、図4に示したように、基板111上にバッファ層120を形成する。バッファ層120は化学的気相蒸着法または物理的気相蒸着法を利用して、酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜などのような絶縁膜を一つ以上含む単層または複層構造に形成される。
【0084】
次に、バッファ層120の上に金属触媒を散布する。金属触媒は1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布する。つまり、金属触媒は、最も小さくは分子単位でバッファ層120の上に微量散布する。この時、金属触媒としては、ニッケルが一例として用いられる。
【0085】
次に、バッファ層120の上に非晶質シリコン膜を形成する。また、非晶質シリコン膜を形成する時、または形成した後に、脱水素処理して、水素の濃度を低くする工程を行うことができる。次に、非晶質シリコン膜を結晶化させて多結晶シリコン膜を形成する。具体的に、非晶質シリコン膜を熱処理すると、バッファ層120の上に散布した金属触媒(MC)が作用して、結晶が成長する。この時、金属触媒は、非晶質シリコン膜を相対的に低温で、比較的に短時間に結晶化されるようにする。
【0086】
しかし、本発明の第1実施形態が前述したものに限定されることではない。したがって、金属触媒は、バッファ層120でない、非晶質シリコン膜の上に散布することも可能である。
【0087】
次に、結晶化された多結晶シリコン膜をパターニングして半導体層131を形成する。この時、半導体層131の内には結晶化に利用された金属触媒が残存する。
【0088】
次に、図5に示したように、半導体層131の上にゲート絶縁膜140を形成する。そしてゲート絶縁膜140をパターニングして、半導体層131の一部を露出する複数のゲッタリングホール146を形成する。
【0089】
次に、図6に示したように、ゲート絶縁膜140の上にゲッタリング用金属膜を形成する。ゲッタリング用金属膜は複数のゲッタリングホール146を通じて半導体層131と接触する。
【0090】
ゲッタリング用金属膜は、半導体層131の内で金属触媒より拡散係数が低い金属で形成される。具体的に、ゲッタリング用金属膜の拡散係数が金属触媒の拡散係数の1/100以下である時、半導体層131内の金属触媒は効果的に除去されることができる。
【0091】
次に、熱処理工程によりゲッタリング用金属膜を酸化させてゲッター層135を形成する。つまり、ゲッター層135は、半導体層131内で金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成される。
【0092】
また、熱処理工程によってゲッター層135が形成される過程で、半導体層131に含まれている金属触媒の密度が減少する。つまり、半導体層131の内に残存した金属触媒の少なくとも一部が除去される。具体的に、熱処理工程によって、半導体層131に残存した金属触媒の少なくとも一部はゲッタリング用金属膜と接触する部分に拡散する。そしてゲッタリング用金属膜に拡散した金属触媒はゲッタリング用金属膜に沈殿して、それ以上拡散しない。これは、金属触媒が半導体層131の内部にあることより、ゲッタリング用金属膜と接触する部分にあることが熱力学的に安定するためである。これにより、半導体層131の内に含まれている金属触媒の量が減少できる。
【0093】
また、ゲッター層135は数nm〜数十nm範囲内の厚さに形成される。
【0094】
次に、図7に示したように、ゲッター層135の上にゲート電極151を形成する。ゲッター層135は酸化金属で形成されるので、絶縁体として機能することができる。つまり、ゲッター層135はゲート絶縁膜140を補助する役割を果たすことができる。
【0095】
次に、図8に示したように、ゲート電極151を覆う層間絶縁膜160を形成する。そして層間絶縁膜160、ゲッター層135、及びゲート絶縁膜140を共に貫いて、半導体層131の一部をそれぞれ露出する複数のコンタクトホール166、167を形成する。
【0096】
この時、複数のコンタクトホール166、167は、ゲート絶縁膜140に形成されたゲッタリングホール146(図6に図示)と重畳する。また、ゲッタリングホール146を通じて半導体層131と接触したゲッター層135の一部分は、コンタクトホール166、167を形成する過程で除去される。
【0097】
次に、先に図3に示したように、ソース電極176及びドレイン電極177を形成する。この時、ソース電極176及びドレイン電極177は互いに離隔するように形成される。
【0098】
以上のような製造方法を通じて、本発明の第1実施形態に係る薄膜トランジスタ11を製造することができる。つまり、半導体層131の内に含まれている金属触媒を効果的にゲッタリングすることができる。
【0099】
以下、図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタ12について説明する。
【0100】
図9に示したように、基板111上にバッファ層120が形成され、バッファ層120の上には金属触媒を利用して結晶化された半導体層131が形成される。金属触媒は、半導体層131の結晶化に利用され、結晶化された半導体層の内部に一部残留する。
【0101】
半導体層131の上には半導体層131と共にパターニングされたゲート絶縁膜240が形成される。ゲート絶縁膜240は、後述するコンタクトホール166、167を除けば、半導体層131と同一のパターンに形成される。つまり、本発明の第2実施形態において、ゲート絶縁膜240はバッファ層120のすぐ上には形成されない。
【0102】
ゲート絶縁膜240の上にはゲッター層235が形成される。ゲッター層235は、半導体層131の内で金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成される。本発明の第2実施形態において、ゲッター層235はバッファ層120の上で半導体層131及びゲート絶縁膜240を覆うように形成される。この時、ゲッター層235は半導体層131の側面と接触するように形成される。ゲッター層235と半導体層131とが接触した部分を通じて、半導体層131の内に残存する金属触媒が除去される。
【0103】
また、酸化金属で形成されたゲッター層235は数nm〜数十nm範囲内の厚さを有し、絶縁体としてゲート絶縁膜240を補助する役割を果たすこともできる。
【0104】
ゲッター層235上にはゲート電極151が形成される。ゲート電極151は半導体層131の一部と重畳するように配置される。
【0105】
ゲート電極151上には層間絶縁膜160が形成される。つまり、層間絶縁膜160はゲッター層235の上でゲート電極151を覆う。
【0106】
層間絶縁膜160、ゲッター層235、及びゲート絶縁膜240は、共に半導体層131の一部をそれぞれ露出する複数のコンタクトホール166、167を有する。
【0107】
層間絶縁膜160上にはコンタクトホール166、167を通じてそれぞれ半導体層131と接触したソース電極176及びドレイン電極177が形成される。ソース電極176及びドレイン電極177は互いに離隔する。
【0108】
以上のような構成により、本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタ12は、金属触媒を利用して、低い温度で、速い時間内に結晶化されながらも、残存する金属触媒の含有量が効果的に減少した半導体層131を有することができる。
【0109】
以下、図10〜図12を参照して、本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタ12の製造方法について説明する。
【0110】
最初に、基板111上にバッファ層120を形成し、バッファ層120の上に金属触媒を散布する。この時、金属触媒は1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布する。この時、金属触媒としては、ニッケルが一例として用いられる。
【0111】
次に、バッファ層120の上に非晶質シリコン膜を形成し、非晶質シリコン膜を金属触媒を利用して結晶化して多結晶シリコン膜を形成する。次に、多結晶シリコン膜の上に絶縁物質を蒸着した後、図10に示したように、多結晶シリコン膜と絶縁物質を共にパターニングして、半導体層131とゲート絶縁膜240を形成する。つまり、半導体層131とゲート絶縁膜240は同一のパターンに形成される。また、半導体層131の内には結晶化に利用された金属触媒が残存する。
【0112】
しかし、本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタ12の製造方法が前述したものに限定されることではない。非晶質シリコン膜の上に絶縁物質を連続して蒸着した後、絶縁物質が蒸着された状態で非晶質シリコン膜を結晶化することも可能である。この場合、金属触媒が絶縁物質にも拡散して、半導体層131の内に残存する金属触媒の量が減少されることもある。
【0113】
次に、図11に示したように、バッファ層120の上からゲート絶縁膜240の上にわたってゲッタリング用金属膜を形成する。この時、ゲッタリング用金属膜は半導体層131の側面と接触する。ゲッタリング用金属膜は、半導体層131内で金属触媒より拡散係数が低い金属で形成される。
【0114】
次に、熱処理工程によりゲッタリング用金属膜を酸化させてゲッター層235を形成する。つまり、ゲッター層235は、半導体層131内で金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成される。
【0115】
また、熱処理工程によってゲッター層235が形成される過程で、半導体層131に含まれている金属触媒の密度が減少する。つまり、半導体層131内の金属触媒の少なくとも一部が除去される。熱処理工程によって、半導体層1312に残留する金属触媒の少なくとも一部はゲッタリング用金属膜と接触する部分に拡散する。そしてゲッタリング用金属膜に拡散した金属触媒はゲッタリング用金属膜に沈殿して、それ以上拡散しない。これにより、半導体層131の内部に残留する金属触媒の少なくとも一部を除去することができる。
【0116】
また、ゲッター層235は数nm〜数十nm範囲内の厚さに形成される。
【0117】
次に、図12に示したように、ゲッター層235の上にゲート電極151を形成する。ゲッター層235は酸化金属で形成されるので、絶縁体の役割を果たすことができる。つまり、ゲッター層235はゲート絶縁膜240を補助する役割をすることができる。
【0118】
次に、先に図9に示したように、ゲート電極151を覆う層間絶縁膜160を形成する。次に、層間絶縁膜160の上にソース電極176及びドレイン電極177を形成する。ソース電極176及びドレイン電極177は互いに離隔し、コンタクトホール166、167を通じてそれぞれ半導体層131と接触する。
【0119】
以上のような製造方法を通じて、本発明の第2実施形態に係る薄膜トランジスタ12を製造することができる。つまり、半導体層131内に含まれている金属触媒を効果的にゲッタリングすることができる。
【0120】
図13は、本発明の第2実施形態の変形例に係る薄膜トランジスタ12を示す。
【0121】
図13に示したように、変形例はゲッター層235とゲート電極151との間に形成された追加のゲート絶縁膜245をさらに含む。これにより、ゲッター層235は酸化された金属で形成されるので、金属が十分に酸化されないためゲッター層235が導電性を有する時に生じうる不良を、追加のゲート絶縁膜245によって予防することができる。
【0122】
以下、図14を参照して、本発明の第3実施形態に係る薄膜トランジスタ13について説明する。
【0123】
図14に示したように、基板111上にバッファ層120が形成され、バッファ層120の上には金属触媒を利用して結晶化された半導体層131が形成される。金属触媒は半導体層131の結晶化に利用され、結晶化された半導体層131の内部に一部が残留する。
【0124】
半導体層131の上には半導体層131と共にパターニングされたゲッター層335が形成される。ゲッター層335は、後述するコンタクトホール166、167を除けば、半導体層131と同一のパターンに形成される。つまり、ゲッター層335はバッファ層120のすぐ上には形成されない。また、ゲッター層335は全面にわたって半導体層131と接触する。
【0125】
ゲッター層335は、半導体層131内で金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成される。ゲッター層335は、半導体層131内に残存する金属触媒の少なくとも一部を除去する。また、酸化金属で形成されたゲッター層335は数nm〜数十nm範囲内の厚さに形成し、絶縁体として後述するゲート絶縁膜340を補助する役割を果たすことができる。
【0126】
ゲッター層335の上にはゲート絶縁膜340が形成される。本発明の第3実施形態において、ゲート絶縁膜340はバッファ層120の上で半導体層131及びゲッター層335を覆うように形成される。
【0127】
ゲート絶縁膜240上にはゲート電極151が形成される。ゲート電極151は半導体層131の一部と重畳するように配置される。
【0128】
ゲート電極151上には層間絶縁膜160が形成される。つまり、層間絶縁膜160はゲッター層335の上でゲート電極151を覆う。
【0129】
層間絶縁膜160、ゲッター層335、及びゲート絶縁膜340は、共に半導体層131の一部をそれぞれ露出する複数のコンタクトホール166、167を有する。
【0130】
層間絶縁膜160上にはコンタクトホール166、167を通じてそれぞれ半導体層131と接触したソース電極176及びドレイン電極177が形成される。ソース電極176及びドレイン電極177は互いに離隔する。
【0131】
以上のような構成により、本発明の第3実施形態に係る薄膜トランジスタ13は、金属触媒を利用して、低い温度で、速い時間内に結晶化されながらも、残存する金属触媒の含有量がさらに効果的に減少した半導体層131を有することができる。
【0132】
以下、図15及び図16を参照して、本発明の第3実施形態に係る薄膜トランジスタ13の製造方法について説明する。
【0133】
最初に、基板111上にバッファ層120を形成し、バッファ層120の上に金属触媒を散布する。この時、金属触媒は1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布する。この時、金属触媒としては、ニッケルが一例として用いられる。
【0134】
次に、バッファ層120の上に非晶質シリコン膜を形成し、非晶質シリコン膜を金属触媒を利用して結晶化して、多結晶シリコン膜を形成する。結晶化された多結晶シリコン膜内には、結晶化に利用された金属触媒が残存する。
【0135】
次に、多結晶シリコン膜の上にゲッタリング用金属膜を形成する。つまり、ゲッタリング用金属膜は多結晶シリコン膜の全面にわたって接触する。ゲッタリング用金属膜は、多結晶シリコン膜内で金属触媒より拡散係数が低い金属で形成される。
【0136】
次に、熱処理工程によりゲッタリング用金属膜を酸化させる。また、熱処理工程によりゲッタリング金属膜が酸化されながら、多結晶シリコン膜に含まれている金属触媒の密度が減少する。つまり、多結晶シリコン膜内の金属触媒の少なくとも一部が除去される。熱処理工程によって、多結晶シリコン膜に残留する金属触媒の少なくとも一部は、ゲッタリング用金属膜と接触する部分に拡散する。そして、ゲッタリング用金属膜に拡散した金属触媒はゲッタリング用金属膜に沈殿して、それ以上拡散しない。これにより、多結晶シリコン膜内に残留した金属触媒をゲッタリングすることができる。
【0137】
また、ゲッタリング用金属膜は数nm〜数十nm範囲内の厚さに形成される。ゲッタリング用金属膜が数nm未満の厚さであれば、金属触媒を効果的に除去することが困難である。一方、ゲッタリング用金属膜が数十nm超過の厚さであれば、熱処理工程の過程で熱応力を発生させ得る。
【0138】
次に、図15に図示したように、多結晶シリコン膜と酸化されたゲッタリング用金属膜を共にパターニングして、半導体層131とゲッター層235を形成する。この時、半導体層とゲッター層は同一のパターンに形成される。
【0139】
次に、図16に示したように、ゲッター層335の上にゲート絶縁膜340を形成する。つまり、ゲート絶縁膜340はバッファ層120の上で半導体層131及びゲッター層335を覆うように形成される。次に、ゲート絶縁膜340の上にゲート電極151を形成する。
【0140】
次に、先の図14に示したように、ゲート電極151を覆う層間絶縁膜160を形成する。次に、層間絶縁膜160の上にソース電極176及びドレイン電極177を形成する。ソース電極176及びドレイン電極177は互いに離隔し、コンタクトホール166、167を通じてそれぞれ半導体層131と接触する。
【0141】
以上のような製造方法を通じて、本発明の第3実施形態に係る薄膜トランジスタ13を製造することができる。つまり、半導体層131内に含まれている金属触媒をさらに効果的にゲッタリングすることができる。
【0142】
以下、図17を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
【0143】
図17に示したように、本発明の第4実施形態において、表示装置102は、有機発光素子70(図2に図示)の代わりに液晶層300を含む。具体的に、表示装置102は、薄膜トランジスタ11のドレイン電極と接続された画素電極310と、画素電極310の上に形成された液晶層300と、液晶層300の上に形成された共通電極320とを含む。
【0144】
薄膜トランジスタは、前述した第1実施形態〜第3実施形態に係る薄膜トランジスタ11、12、13のうちの一つ以上と同一の構造を有することができる。
【0145】
液晶層300は、当該技術分野の従事者に公知された多様な液晶を含むことができる。
【0146】
また、表示装置102は、液晶層300を介在して、基板111と対向配置された対向基板211をさらに含む。共通電極320は対向基板211に形成される。
【0147】
また、表示装置102は、基板本体111及び対向基板211にそれぞれ付着された偏光板(図示せず)をさらに含むことができる。
【0148】
また、液晶層300及び対向基板211が図17に示した構造に限定されることではない。液晶層300及び対向基板211は、当該技術分野の従事者が容易に変更可能な範囲内で多様な構造を有することができる。
【0149】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0150】
11、12、13 薄膜トランジスタ
70 有機発光素子
80 キャパシタ
101、102 表示装置
111 基板本体
120 バッファ層
131 半導体層
135、235、335 ゲッター層
140、240、340 ゲート絶縁膜
146 ゲッタリングホール
151 ゲート電極
160 層間絶縁膜
166、167 コンタクトホール
176 ソース電極
177 ドレイン電極
910、920 駆動回路
CL キャパシタライン
DA 表示領域
DL データライン
GL ゲートライン
NA 非表示領域
PE 画素領域
VDD 共通電源ライン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に位置し、金属触媒を利用して結晶化された半導体層と、
前記半導体層の上に絶縁配置されたゲート電極と、
前記半導体層と前記ゲート電極との間に配置され、前記半導体層内で前記金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成されたゲッター層(getter layer)とを含む薄膜トランジスタ。
【請求項2】
前記ゲッター層の拡散係数は、0より大きく前記金属触媒の拡散係数の1/100以下である、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項3】
前記基板と前記半導体層との間に配置されたバッファ層をさらに含み、
前記金属触媒は、前記バッファ層と前記半導体層との間に1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布する、請求項1または2に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項4】
前記金属触媒は、前記半導体層の上に1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項5】
前記金属触媒は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、チタニウム(Ti)、銀(Ag)、金(Au)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、テルビウム(Tb)、ルテニウム(Ru)、カドミウム(Cd)、及び白金(Pt)のうちの一つ以上を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項6】
前記ゲッター層は、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロミウム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガニーズ(Mn)、レニウム(Re)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ゲルマニウム(Ge)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、アルミニウム(Al)、窒化チタン(TiN)、及び窒化タンタル(TaN)のうちの一つ以上の金属やこれらのシリサイドで形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項7】
前記ゲッター層と前記半導体層との間に配置されたゲート絶縁膜をさらに含む、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項8】
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の上に形成されたソース電極と、前記層間絶縁膜の上に形成されて、前記ソース電極と離隔したドレイン電極とをさらに含む、請求項7に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項9】
前記層間絶縁膜、前記ゲッター層、及び前記ゲート絶縁膜は、共に前記半導体層の一部をそれぞれ露出する複数のコンタクトホールを有し、
前記ソース電極及びドレイン電極は、前記複数のコンタクトホールを通じてそれぞれ前記半導体層と接触した、請求項8に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項10】
前記ゲッター層と前記半導体層との間に前記半導体層と共にパターニングされたゲート絶縁膜をさらに含み、
前記ゲッター層は前記半導体層の側面と接触する、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項11】
前記ゲッター層と前記ゲート電極との間に配置されたゲート絶縁膜をさらに含み、
前記ゲッター層は前記半導体層と同一のパターンで前記半導体層と接触するように形成された、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項12】
基板を用意する段階と、
前記基板上に非晶質シリコン膜を形成する段階と、
前記非晶質シリコン膜を金属触媒を利用して結晶化して多結晶シリコン膜を形成する段階と、
前記多結晶シリコン膜をパターニングして半導体層を形成する段階と、
前記半導体層の上にゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜の上に複数のゲッタリングホールを形成する段階と、
前記複数のゲッタリングホールを通じて前記半導体層と接触するように前記ゲート絶縁膜の上にゲッタリング用金属膜を形成する段階と、
熱処理工程を通じて前記ゲッタリング用金属膜を酸化させてゲッター層を形成しながら、前記半導体層に含まれている前記金属触媒の密度を減少させる段階と、
を含む薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項13】
前記ゲッター層の上に前記半導体層の一部と重畳するようにゲート電極を形成する段階と、
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する段階と、
前記層間絶縁膜、前記ゲッター層、及び前記ゲート絶縁膜を共に貫いて、前記半導体層の一部をそれぞれ露出する複数のコンタクトホールを形成する段階と、
前記複数のコンタクトホールを通じてそれぞれ前記半導体層と接触するように、前記層間絶縁膜の上にソース電極及びドレイン電極を形成する段階と、
をさらに含む、請求項12に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項14】
前記複数のコンタクトホールはそれぞれ前記複数のゲッタリングホールと重畳する、請求項13に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項15】
前記複数のコンタクトホールが形成されながら、前記複数のゲッタリングホールを通じて前記半導体層と接触した前記ゲッター層の一部が除去される、請求項14に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項16】
基板を用意する段階と、
前記基板上に非晶質シリコン膜を形成する段階と、
前記非晶質シリコン膜を金属触媒を利用して結晶化して多結晶シリコン膜を形成する段階と、
前記多結晶シリコン膜の上に絶縁物質を塗布する段階と、
前記多結晶シリコン膜及び前記絶縁物質を共にパターニングして、同一のパターンに形成された半導体層及びゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記半導体層の側面と接触するように前記ゲート絶縁膜の上にゲッタリング用金属膜を形成する段階と、
熱処理工程により前記ゲッタリング用金属膜を酸化させてゲッター層を形成しながら、前記半導体層に含まれている前記金属触媒の密度を減少させる段階と、
を含む薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項17】
基板を用意する段階と、
前記基板上に非晶質シリコン膜を形成する段階と、
前記非晶質シリコン膜を金属触媒を利用して結晶化して多結晶シリコン膜を形成する段階と、
前記多結晶シリコン膜の上にゲッタリング用金属膜を形成する段階と、
熱処理工程により前記ゲッタリング用金属膜を酸化させながら、前記半導体層に含まれている前記金属触媒の密度を減少させる段階と、
前記多結晶シリコン膜と酸化された前記ゲッタリング用金属膜とを共にパターニングして、同一のパターンに形成された半導体層及びゲッター層を形成する段階と、
前記ゲッター層の上にゲート絶縁膜を形成する段階と、
を含む薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項18】
前記ゲッター層は、前記半導体層内で前記金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成される、請求項12〜17のうちのいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項19】
前記ゲッター層の拡散係数は、0より大きく前記金属触媒の拡散係数の1/100以下である、請求項12〜18のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項20】
前記基板と前記非晶質シリコン膜との間にバッファ層を形成する段階をさらに含み、
前記金属触媒は、前記バッファ層と前記非晶質シリコン膜との間に1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布する、請求項12〜19のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項21】
前記金属触媒は、前記非晶質シリコン膜の上に1.0e12atoms/cm〜1.0e15atoms/cm範囲内の面密度で散布する、請求項12〜19のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項22】
前記金属触媒は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、チタニウム(Ti)、銀(Ag)、金(Au)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、テルビウム(Tb)、ルテニウム(Ru)、カドミウム(Cd)、及び白金(Pt)のうちの一つ以上を含む、請求項12〜21のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項23】
前記ゲッター層は、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロミウム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガニーズ(Mn)、レニウム(Re)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ゲルマニウム(Ge)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、アルミニウム(Al)、窒化チタン(TiN)、及び窒化タンタル(TaN)のうちの一つ以上の金属やこれらのシリサイドで形成される、請求項12〜22のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項24】
前記熱処理工程は、摂氏400度〜摂氏993度の範囲内の温度で行われる、請求項12〜23のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
【請求項25】
基板と、
前記基板上に位置し、金属触媒を利用して結晶化された半導体層と、
前記半導体層の上に絶縁配置されたゲート電極と、
前記半導体層と前記ゲート電極との間に配置され、前記半導体層内で前記金属触媒より拡散係数が低い酸化金属で形成されたゲッター層と、
前記半導体層の一部と接触し、前記ゲート電極と離隔したソース電極と、
前記半導体層の一部と接触し、前記ゲート電極及びドレイン電極と離隔したドレイン電極と、
を含む表示装置。
【請求項26】
前記ゲッター層と前記半導体層との間に配置されたゲート絶縁膜をさらに含む、請求項25に記載の表示装置。
【請求項27】
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の上に形成されたソース電極と、前記層間絶縁膜の上に形成され、前記ソース電極と離隔したドレイン電極とをさらに含む、請求項26に記載の表示装置。
【請求項28】
前記層間絶縁膜、前記ゲッター層、及び前記ゲート絶縁膜は、共に前記半導体層の一部をそれぞれ露出する複数のコンタクトホールを有し、
前記ソース電極及びドレイン電極は、前記複数のコンタクトホールを通じてそれぞれ前記半導体層と接触する、請求項27に記載の表示装置。
【請求項29】
前記ゲッター層と前記半導体層との間に、前記半導体層と同一のパターンに形成されたゲート絶縁膜をさらに含み、
前記ゲッター層は前記半導体層の側面と接触する、請求項25に記載の表示装置。
【請求項30】
前記ゲッター層と前記ゲート電極との間に配置されたゲート絶縁膜をさらに含み、
前記ゲッター層は、前記半導体層と同一のパターンで前記半導体層と接触するように形成される、請求項25に記載の表示装置。
【請求項31】
前記ドレイン電極と接続された有機発光素子をさらに含む、請求項25〜30のうちのいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項32】
前記ドレイン電極と接続された画素電極と、前記画素電極の上に形成された液晶層と、前記液晶層の上に形成された共通電極とをさらに含む、請求項25〜30のうちのいずれか一項に記載の表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−60109(P2012−60109A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171657(P2011−171657)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】