表示制御装置、表示装置及び表示方法
【課題】共通の表示画面上で異なる方向からそれぞれ異なる画像を視認できる表示装置において、画像間のクロストークを大幅に低減する。
【解決手段】共通の表示部100に第1及び第2の画像IM1,IM2をそれぞれ異なる方向から視認できるように表示する表示装置の表示制御部10は、第1及び第2の画像の画像信号DT1,DT2を表示部100へ所定のフレームレートで交互に出力して第1及び第2の画像IM1,IM2を交互に表示させる。これにより、一方の画像を表示中に他方の画像が表示されないので、第1の画像と第2の画像との間のクロストークが大幅に低減される。
【解決手段】共通の表示部100に第1及び第2の画像IM1,IM2をそれぞれ異なる方向から視認できるように表示する表示装置の表示制御部10は、第1及び第2の画像の画像信号DT1,DT2を表示部100へ所定のフレームレートで交互に出力して第1及び第2の画像IM1,IM2を交互に表示させる。これにより、一方の画像を表示中に他方の画像が表示されないので、第1の画像と第2の画像との間のクロストークが大幅に低減される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通の表示画面上で異なる方向からそれぞれ異なる画像を視認できる、いわゆるデュアルビュー表示装置の表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
共通の表示画面上で異なる方向からそれぞれ異なる画像を視認できる、いわゆるデュアルビューディスプレイとしては、例えば、液晶パネルの前に視差バリアを設け、1ピクセルごとにバックライトからの光の進行方向を振り分けることで、左右において異なる情報(画像)を表示できるものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。このような表示装置を車両に搭載することにより、運転者がナビゲーション画像を観ている間に助手席の搭乗者がテレビ等の他の画像を観ることが可能となる。
【特許文献1】特開2005−78080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のような表示装置では、表示画面を観る方向によって、左右の画像の双方が混在する、いわゆるクロストークが発生する。例えば、運転者がナビゲーション画像を観ている間に助手席側のテレビ画像光が運転席側に漏れてナビゲーション画像に重なると、運転者がナビゲーション情報を明瞭に識別できない可能性がある。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、共通の表示画面上で異なる方向からそれぞれの画像を視認できる表示装置の表示制御装置において、画像のクロストークが低減されて画像の視認性を向上させることができる表示制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る表示制御装置は、共通の表示部に形成されたそれぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面に、第1及び第2の画像をそれぞれ表示させる表示制御装置であって、第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態とを交互に繰り返して第1及び第2の画像を交互に表示させるクロストーク補正表示手段を有する、ことを特徴としている。
この構成によれば、第1及び第2の画像のうち一方の画像を表示中に他方の画像が表示されないので、第1の画像と第2の画像との間のクロストークが大幅に低減される。
【0006】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1又は第2の画像と共に黒画からなる補間画像を表示させる、構成を採用できる。
この構成によれば、補間画像として黒画を表示することにより、表示中の第1又は第2の画像に補間画像からの光漏れを低減できる。
【0007】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1又は第2の画像と共に白画からなる補間画像を表示させる、構成を採用できる。
この構成によれば、補間画像を白画としてその輝度レベルを上昇させることにより、表示中の画像の平均輝度(見かけ上の輝度)の低下を抑制できる。
【0008】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1又は第2の画像と共に無彩色画からなる補間画像を表示させる、構成を採用できる。
この構成によれば、無彩色画を用いることにより輝度調整が可能になると共に表示される画像の色合いが変化するのを抑制することができる。
【0009】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1及び第2の画像の画像信号のコントラスト又はブライトネスを調整する、構成を採用できる。
この構成によれば、画像信号のコントラスト又は輝度の調整により、補間画像を挿入することによる表示画像の平均輝度の低下を抑制できる。
【0010】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、黒画と白画の間で補間画像の輝度レベルを調整する、構成を採用できる。具体的には、表示部の周囲の明るさに応じて補間画像の輝度レベルを決定したり、画像信号の輝度レベルに応じて補間画像の輝度レベルを決定することができる。
この構成によれば、画像の輝度を周囲の明るさ等の変動に対して、表示される画像の平均輝度を最適化できる。
【0011】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1又は第2の画像と補色関係を有する色の画像を補間画像とする、構成を採用できる。
この構成によれば、補間画像の色を補色にすることにより、表示された第1又は第2の画像を鮮明に表示できてクロストークを低減できる。
【0012】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1又は第2の画像を部分的に黒画に置換して補間画像とする、構成を採用できる。
この構成によれば、クロストークが発生しやすい部分のみ黒画とすることにより、クロストークの低減及び輝度低下の抑制が可能となる。
【0013】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、黒画の補間画像と白画の補間画像とを時間的に所定の割合で振り分けて表示させることにより表示される画像の平均輝度を調整する、構成を採用できる。
この構成によれば、クロストークを改善できると共に黒画と白画の割合に応じて輝度調整できる。
【0014】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、ユーザにより設定された設定値に基づいて補間画像を形成する、構成を採用できる。
この構成によれば、ユーザの好みに合わせた画像調整が可能となる。
【0015】
上記構成において、第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似しているかを判断する信号判断手段を有し、信号判断手段により第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似していると判断される場合には、第1及び第2の画像の画像信号を前記表示部へ同時に出力する、構成を採用できる。具体的には、信号判断手段は、第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値の一画像内における積算値に基づいて、第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断する構成、第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値の一画像内における最大値に基づいて、第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断する構成、あるいは、信号判断手段は、第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値が一画像内において所定のしきい値を超える回数に基づいて、第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断したりする構成を採用できる。
これらの構成によれば、第1及び第2の画像が同一あるいは近似していてクロストークが発生しない場合に、通常の表示動作(同時表示動作)に自動的に切り換えることができる。
【0016】
上記構成において、クロストーク補正表示手段の起動に応じて、前記表示部の有するバックライトの輝度を上昇させる、構成を採用できる。
この構成によれば、クロストーク補正表示による輝度低下を表示部のバックライトの輝度のアップにより自動的にカバーできる。
【0017】
上記構成において、表示部は、第1及び第2の画像の視認できる方向を規定するための可動の視差バリアを備え、クロストーク補正表示手段は、第1及び第2の画像の一方の画像信号の出力に同期させて他方の画像を遮蔽するように視差バリアの遮光部を伸張させる構成を採用できる。
この構成によれば、画像信号の出力に同期させて視差バリアを伸張させることにより、補間画像からの光漏れを低減できて、その結果、クロストークを低減できる。
【0018】
本発明に係る表示装置は、それぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面を備えた共通の表示部と、第1及び第2の画面に第1及び第2の画像を表示する表示制御手段とを有する表示装置であって、表示制御手段は、第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態とを交互に繰り返して第1及び第2の画像を交互に表示させるクロストーク補正表示手段を有することを特徴としている。
【0019】
本発明に係る表示方法は、共通の表示部に形成されたそれぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面に第1及び第2の画像を表示する表示方法であって、第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態を交互に繰り返して前記第1及び第2の画像を交互に表示させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、共通の表示部で異なる方向からそれぞれ画像を視認できる表示装置において、画像間のクロストークを大幅に低減できると共に表示される画像の輝度低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るデュアルビュー表示装置の基本構成を説明するための図である。
この表示装置は、図1に示すように、表示制御装置としての表示制御部10、表示部100等から構成されている。
表示制御部10は、第1の画像ソース300Aから画像データ(画像信号)DT1が供給されると共に第2の画像ソース300Bから画像データ(画像信号)DT2が供給されて、これら第1及び第2の画像データDT1,DT2からなる画像データ(画像信号)ADTを共通の表示部100へ出力する。尚、表示制御部10の具体的な構成については後述する。
また、第1及び第2の画像ソース300A,300Bは、後述するカメラ、TV受信部、DVD再生部、HD再生部、ナビゲーション部等で構成される。
【0022】
表示部100は、後述するように、液晶パネル、バックライト、視差バリア等から構成されており、第1の画像データDT1に基づく第1の画像IM1を右方向から観る観察者OBRが視認できると共に第2の画像データDT2に基づく第2の画像IM2を左方向から観る観察者OBLが視認できるように表示する。すなわち、表示部100は、観察者OBR側から視認できる画面(第1の画面)と観察者OBL側から視認できる画面(第2の画面)とを備えており、これらの画面に第1及び第2の画像IM1がそれぞれ表示される。尚、表示部100の具体的な構成については後述する。
【0023】
図2は本発明の一実施形態に係る表示装置を車両へ適用した例を示す斜視図である。
表示装置の表示部100は、図2に示すように、車両のダッシュボード部分の運転席DSと助手席ASとの間に配置される。また、表示部100には、表示装置を手動で操作するための操作部150が設けられている。
図2に示すケースにおいては、運転席DSに着席した搭乗者が上記の観察者OBRとなり、助手席ASに着席した搭乗者が上記の観察者OBLとなる。そして、これらの搭乗者は、それぞれ運転席DS側又は助手席AS側から表示部100の画面に表示された第1の画像IM1及び第2の画像IM2を同時に観ることができる。
【0024】
図3ないし図9は本発明の一実施形態に係る表示装置の具体的な構成を示す図であって、図3は表示装置の機能ブロック図、図4は制御部の構成を示す機能ブロック図、図5は第1及び第2の画質調整回路の機能ブロック図、図6は液晶パネルの断面構造及び作用を説明するための図、図7は液晶パネルの正面図、図8はTFT基板の回路図、及び図9は画像出力部70の構成を示す図である。
【0025】
この表示装置は、図3に示すように、表示部100加えて、制御部20、分配回路30、第1及び第2の画質調整回路50A,50B、画像出力部70等から構成されている。尚、上記した表示制御部10は、制御部20、分配回路30、第1及び第2の画質調整回路50A,50B、画像出力部70等から構成される。
【0026】
制御部20は、図4に示すように、プロセッサ21、インターフェース22、ROM23、RAM24等から構成され、ROM23に記憶されたプログラムにしたがって表示装置を総合的に制御する。尚、制御部20による具体的な制御については後述する。
【0027】
制御部20は、図3に示すように、車両に搭載されて画像や音声を供給する供給源としての、車両の周囲等を撮像するカメラ310、音楽や画像を再生するCD/MD(コンパクトディスク/ミニディスク)再生部320、アンテナからラジオ放送波を受信するラジオ受信部330、アンテナからセレクタ341を介してTV放送波を受信するTV受信部340、DVD(ディジタルバーサタイルディスク)から音楽情報や画像を再生するDVD再生部350、HD(ハードディスク)に記録された画像や音楽情報を再生するHD再生部360、VICS情報受信部371が受信した道路情報やGPS情報受信部372が受信した地理情報に基づいて地図やルート案内画像を出力するナビゲーション部370等と接続されて、これらとの間でデータを授受すると共にこれらをコントロールする。
また、制御部20には、各種データを記憶する外部メモリ140、表示装置を操作するための操作部150、表示装置をリモコン操作するためのリモコン171との間で赤外線信号や無線信号を送受するリモコン送受信部170、車両に備わるライトスイッチや光センサで構成されて車両内の明るさを検知する明るさ検知センサ190、運転席や助手席に設けられる感圧センサ等で構成されて車両の乗員を検出する乗員検知センサ200等が接続され、制御部20は、これらから得られる各種データに基づいて各種制御が可能となっている。
【0028】
分配回路30は、図3に示すように、上記したカメラ310、CD/MD再生部320、ラジオ受信部330、TV受信部340、DVD再生部350、HD再生部360、ナビゲーション部370等から供給される音声データや画像データを、制御部20からの制御指令に応じて、音声調整回路60、第1の画質調整回路50A、あるいは、第2の画質調整回路50Bへ分配する。
音声調整回路60は、図3に示すように、分配回路30から供給された音声データを調整してスピーカ61へ出力する。
【0029】
第1及び第2の画質調整回路50A,50Bは、図5に示すように、それぞれコントラスト調整部51、輝度調整部52、色調調整部53、ガンマ値調整部54等から構成され、制御部20からの制御指令に応じて、第1及び第2の画像データ(画像信号)の画質(コントラスト、輝度、色調、ガンマ値)をそれぞれ調整する。
【0030】
表示部100は、図3に示すように、液晶パネル110、液晶パネル110の背面側から照明光を当てるバックライト120、表示装置を操作する信号を入力するためのタッチパネル130等から構成されている。尚、タッチパネル130は、図示しないが、透明なシート状に形成されて液晶パネル110の前面に貼着される。
【0031】
液晶パネル110は、図6に示すように、バックライト120側から順に配置された、偏光板111、TFT(Thin Film Transistor)基板112、液晶層113、RGBの3原色の画素をもつカラーフィルタ基板114、視差バリア115、ガラス板116、偏光板117等から構成された周知の構造を有する。
この液晶パネル110は、図7及び図8に示すように、例えば、水平方向に800画素、垂直方向に480画素が配列された表示画面を有すると共に、この表示画面には、水平方向において左側表示用画素118(以下、助手席側表示用画素118ともいう。)と右側表示用画素119(以下、運転席側表示用画素119ともいう。)とが交互に配列されて構成されている。
【0032】
視差バリア115は、図6及び図7に示すように、ストライプ状に形成されて遮蔽部と透光部を有し、その遮蔽部は隣接する左側表示用画素118と右側表示用画素119との間に配置される。視差バリア115をカラーフィルタ基板114の前面に配置することにより、左側表示用画素118を透過した照明光は、左側に向かう照明光のみ選択的に視差バリア115の透光部を通過し、右側表示用画素119を透過した照明光は、右側に向かう照明光のみが選択的に視差バリア115の透光部を通過する。これにより、図6に示すように、液晶パネル110の右側(運転席側)からは第1の画像IM1が視認でき、左側(助手席側)からは第2の画像IM2が視認できるようになっている。
尚、視差バリア115は、特開平10−123461号公報や特開平11−84131号公報等に開示されているものと同様のものを使用できる。
【0033】
TFT基板112は、図8に示すように、データ線駆動回路DR1、走査線駆動回路DR2、垂直方向に配列された走査線SCL、水平方向に配列されたデータ線DTL、走査線SCLとデータ線DTLとの交差する領域毎に形成されたTFT素子EL、TFT素子ELに対応して形成された画素電極EP等を備え、走査線SCL及びデータ線DTLで囲まれた各領域がサブピクセルSBPを構成しており、データ線DTLに沿う各列のサブピクセルSBPは交互に左側表示用画素118と右側表示用画素119とに割り当てられる。
データ線駆動回路DR1は、後述する液晶パネル駆動部74によりその駆動タイミングを制御されて、画素電極EPへの印加電圧を制御する。
走査線駆動回路DR2は、後述する液晶パネル駆動部74によりその駆動タイミングを制御されて、TFT素子ELを選択走査する。
【0034】
メモリ140は、例えば、フラッシュメモリ等の電気的書き換え可能な不揮発性メモリ又はバッテリバックアップされた揮発性メモリにより構成されており、制御部20による制御に必要なデータ等を記憶している。
【0035】
画像出力部70は、図9に示すように、フレームメモリ510A,510B、補助フレームメモリ520A,520B、液晶パネル駆動部74、切替スイッチSW1,SW2等から構成されている。
フレームメモリ510A,510Bには、例えば、第1及び第2の画質調整回路50A,50Bにおいてそれぞれ画質調整された第1及び第2の画像データ(画像信号)DT1,DT2がそれぞれ書き込まれる。これら第1及び第2の画像データDT1,DT2は、TV受信部340、DVD再生部350、ナビゲーション部370等からの画像信号(映像信号)であり、例えば、60Hzの入力レートでフレームメモリ510A,510Bへ書き込まれる。
補助フレームメモリ520A,520Bには、制御部20により、補間画像データSB1,SB2がそれぞれ書き込まれる。
補間画像データSB1,SB2は、後述するように、黒画や白画等を表示部100に表示させるためのデータである。
【0036】
切換スイッチSW1は、固定接点C1,C2と可動接点C3とを所定のフレームレート(例えば、120Hz)で制御部20より入力される同期信号SCに応じて選択的に接続するスイッチである。固定接点C1と可動接点C3が接続されたときには、フレームメモリ510Aに保持された一画像分(一フレーム分)の画像データDT1が液晶パネル駆動部74へ出力され、固定接点C2と可動接点C3が接続されたときには、補助フレームメモリ520Aに保持された一画像分(一フレーム分)の補間画像データSB1が液晶パネル駆動部74へ出力される。
切換スイッチSW2は、固定接点C1,C2と可動接点C3とを所定のフレームレート(例えば、120Hz)で制御部20より入力される同期信号SCに応じて選択的に接続するスイッチである。固定接点C1と可動接点C3が接続されたときには、フレームメモリ510Bに保持された一画像分(一フレーム分)の画像データDT2が液晶パネル駆動部74へ出力され、固定接点C2と可動接点C3が接続されたときには、補助フレームメモリ520Bに保持された一画像分(一フレーム分)の補間画像データSB2が液晶パネル駆動部74へ出力される。
尚、切換スイッチSW2は、接続タイミングが切換スイッチSW1とは逆になっており、切換スイッチSW1の固定接点C1と可動接点C3が接続されている場合には、切換スイッチSW2の固定接点C2と可動接点C3が接続され、切換スイッチSW1の固定接点C2と可動接点C3が接続されている場合には、切換スイッチSW2の固定接点C1と可動接点C3が接続される。尚、切換スイッチSW1,SW2はトランジスタ等の半導体スイッチにより構成されている。
【0037】
液晶パネル駆動部74は、表示部100の後述する液晶パネル110を駆動する回路であり、フレームメモリ510A又は補助フレームメモリ520Aに保持されているデータに基づいて、運転席(D席)側の画像を表示するための液晶表示パネル110の画素を駆動すると共に、フレームメモリ510B又は補助フレームメモリ520Bに保持されているデータに基づいて、助手席(P席)側の画像を表示するための液晶表示パネル110の画素を駆動する。尚、液晶パネル駆動部74において、液晶パネル110の各画素に対応したデータの並べ替え処理がされる。
【0038】
次に、制御部20による表示制御処理の一例について、図10〜図14を参照して説明する。
ここで、図10は制御部による基本的な表示制御処理の流れを示すフローチャート、図11〜図13は第1及び第2の画像データをフレーム毎に比較して近似しているかを判断する信号判断手段としての回路図、図14は黒画によるクロストーク補正表示処理の一例を説明するための図である。
尚、制御部20による表示制御処理は、画像表示中においては繰り返し実行される。
【0039】
制御部20は、先ず、フレームメモリ510A,510Bに入力される、第1及び第2の画像データ(画像信号)DT1,DT2が一致又は近似しているかを判断し(ステップST1)する。
制御部20は、第1及び第2の画像データDT1,DT2の比較結果により、両者が一致又は近似する場合には、切換スイッチSW1,SW2の固定接点C1と可動接点C3とを接続して、第1及び第2の画像データDT1,DT2を液晶パネル駆動部74へ同時に出力して同時に表示させる(ステップST2)。第1及び第2の画像データ(画像信号)DT1,DT2が一致又は近似している場合には、クロストークが発生しない、あるいは、発生量が小さいので、後述するクロストーク補正表示をする必要がないからである。
【0040】
ここで、第1及び第2の画像データDT1,DT2の比較する回路について説明する。
図11に示す回路は、差分回路600、絶対値演算回路610、フレーム内積算回路620、比較回路650等から構成されている。
差分回路600は、第1及び第2の画像データDT1,DT2の差分値を算出する。
絶対値演算回路610は、差分値の絶対値を演算する。
フレーム内積算回路620は、差分値の絶対値の一フレーム(一画像)内における積算値を算出する。
比較回路650は、積算値と所定のしきい値とを比較して、比較信号を出力する。積算値が所定のしきい値よりも大きい場合には、第1及び第2の画像データDT1,DT2は近似せず、小さい場合には、一致又は近似していると判断できる。
尚、図11に示す回路は、例えば、制御部20に内蔵されており、差分回路600の入力がフレームメモリ510A,510Bにそれぞれ接続され、比較回路650の出力がCPU21に接続される。
【0041】
図12に示す回路は、図11のフレーム内積算回路62に代えてフレーム内最大値検出回路630を有している。
フレーム内最大値検出回路630は、差分値の絶対値の一フレーム内における最大値を検出し、比較回路650に出力する。
【0042】
図13に示す回路は、絶対値演算回路610の後段に比較回路660、カウンタ回路670、及び比較回路680を有している。
比較回路660は、第1及び第2の画像の画像データDT1,DT2の差分値の絶対値が所定のしきい値1を超えるかを判断し、カウンタ回路670は差分値の絶対値が所定のしきい値を超えた回数をカウントし、比較回路680は、カウンタ回路670のカウント値が所定のしきい値2を超えているかを判断する。カウント値がしきい値2を超えている場合には、画像データDT1,DT2は近似せず、超えていない場合には、一致又は近似すると判断できる。
【0043】
一方、制御部20は、第1及び第2の画像データDT1,DT2が異なる場合(例えば、一方がナビゲーションの画像で他方がTV画像のような場合)には、クロストーク補正表示処理を実行する(ステップST3)。
【0044】
制御部20は、クロストーク補正表示処理では、上記した切換スイッチSW1,SW2を同期信号により駆動し、図14に示すように、第1の画像IM1(運転席側画像、以下D席画像という)と第2の画像IM2(助手席側画像、以下P席画像という)と上記した所定のフレームレート(例えば、120Hz)で交互に液晶パネル110に表示させる。
また、制御部20は、クロストーク補正制御に先立って、黒画を形成するための補間画像データSB1,SB2をそれぞれ補助フレームメモリ520A,520Bに予め書き込んでおり、図14(a)に示すように、D席画像IM1(例えば、ナビゲーション画像)が表示されるときには、P席側に黒画からなる補間画像IMB2を表示させる。
また、図14(b)に示すように、P席画像IM2(例えば、TV映像)が表示されるときには、D席側には黒画からなる補間画像IMB1を表示する。
図14(c)に示すように、再び、D席画像IM1が表示されるときには、P席側に黒画からなる補間画像IMB2を表示させる。
【0045】
このように、表示部100には、D席画像IM1、P席画像IM2が120Hzのフレームレートで交互に表示されると共に、一方の画像が表示される際に他方の画像は黒画からなる補間画像IMB1又はIMB2に置き換えられて表示される。
このため、D席画像IM1及びP席画像IM2の一方から他方への光漏れが低減されて、D席画像IM1とP席画像IM2との間のクロストークを大幅に低減できる。
【0046】
次いで、制御部20は、バックライト120の輝度をアップさせるように制御する(ステップST4)。時間的に隣接するD席画像IM1,P席画像IM2の間には、それぞれ黒画からなる補間画像IMB1,IMB2が挿入されると、表示部100に表示される画像IM1,IM2の平均輝度が補間画像IMB1,IMB2を挿入しない場合に比べて低下する。このため、バックライト120の輝度をアップすることにより、表示画像の平均輝度の低下を防ぐことができる。
【0047】
次に、制御部20によるクロストーク補正表示処理の他の例について、図15及び図16を参照して説明する。
制御部20は、図15に示すように、先ず、補間画像として黒画を出力するかを判断し(ステップST21)、黒画を出力する場合には、表示される画像の平均輝度の低下を防止すべく、第1及び第2の画像の画像データ(画像信号)DT1,DT2のコントラスト又はブライトネス(輝度)を表示される画像の平均輝度が上昇するように調整する。尚、制御部20から第1及び第2の画質調整回路50A,50Bへ制御信号を出力することにより、コントラスト又はブライトネスが調整される。
そして、制御部20は、上記したのと同様のクロストーク補正表示を実行する(ステップST23)。このように、画像信号のコントラスト又はブライトネスを調整することにより、補間画像として黒画を使用した場合の表示画像の輝度低下を防止できる。
【0048】
一方、制御部20は、ステップST21において、補間画像として黒画を使用しない場合には、補間画像として、白画を使用する(ステップST24)。この場合には、制御部20は、白画を形成するための補間画像データSB1,SB2をそれぞれ補助フレームメモリ520A,520Bに書き込む。
補間画像として白画を設定すると、D席画像IM1の表示の際には、図16(a)に示すように、白画からなる補間画像IMW2が同時に表示され、P席画像IM2の表示の際には、図16(b)に示すように、白画からなる補間画像IMW1が同時に表示される。白画からなる補間画像IMW1,IMW2をD席画像IM1及びP席画像IM2の表示の間に挿入することにより、白画は黒画よりも輝度が高いことから、表示される画像の平均輝度(見かけの輝度)を上昇させることができる。
【0049】
次に、制御部20によるクロストーク補正表示処理のさらに他の例について、図17及び図18を参照して説明する。
制御部20は、図17に示すように、先ず、表示画像の平均輝度を最適調整するかを判断する(ステップST31)。表示画像の平均輝度を最適調整するか否かは、ユーザにより設定されてその情報がメモリ140に予め保持されている。
制御部20は、最適調整をしない場合には、予め設定された設定値により表示画像の平均輝度レベルを調整する(ステップST32)。この調整は、バックライト120の輝度をアップさせる等の調整である。
次いで、制御部20は、黒画と白画を時間的に振り分けて表示させる際の黒画と白画の割合に関する情報をメモリ140から取得する(ステップST33)。黒画と白画の割合は、ユーザ等により予め設定されている。例えば、表示画像の平均輝度を高くする場合には、60フレーム中、黒画10+白画50、平均輝度を中程度にする場合には、黒画30+白画30、平均輝度を低くする場合には、黒画50+白画10のような割合に設定されている。
そして、クロストーク補正表示の際に、設定割合に応じて黒画と白画を時間的に振り分けて表示する(ステップST39)。これにより、表示される画像の平均輝度が黒画と白画の設定割合に応じて調整される。
【0050】
一方、制御部20は、ステップST31において、表示画像の平均輝度を最適調整する場合には、表示部100の周囲の明るさに応じて表示画像の平均輝度を最適調整するか否かを判断する。周囲の明るさに応じて輝度調整をするか否かは、ユーザ等により設定されてその情報がメモリ140に予め保持されている。周囲の明るさに応じて輝度調整をする場合には、明るさ検知センサ190等からの検出信号に基づいて、明るさを検出する(ステップST35)。
【0051】
次いで、制御部20は、第1及び第2の画像の画像データ(画像信号)DT1,DT2の平均レベルに応じて表示画像の平均輝度を最適調整するかを判断する(ステップST36)。画像信号の平均レベルに応じて表示画像の平均輝度を最適調整するか否かは、ユーザ等により設定されてその情報がメモリ140に予め保持されている。画像信号の平均レベルに応じて輝度調整する場合には、第1及び第2の画像の画像データ(画像信号)DT1,DT2の平均レベルを検出する(ステップST37)。尚、画像信号の平均レベルが高いほど表示画像の平均輝度が高く、平均レベルが低いほど画像の平均輝度が低い。
【0052】
次いで、制御部20は、ステップST35において検出した表示部100の周囲の明るさ、及び/又は、ステップST37において検出した画像信号の平均レベルに応じて、補間画像の輝度レベルを決定する。補間画像の輝度レベルは、例えば、周囲の明るさや信号レベルに応じて予め設定された輝度マップから輝度値を選択することにより決定する(ステップST38)。
このようにして、周囲の明るさや画像信号の平均レベルに応じて補間画像の輝度を決定すると、クロストーク補正表示の際に(ステップST39)、例えば、図18に示すように、種々の輝度の補間画像が表示される。例えば、周囲の明るさが大きい場合や画像信号の平均レベルが高い場合には、図18(a)に示すように、輝度が低い黒画からなる補間画像IMB2が表示され、中程度の場合には、図18(b)に示すように、灰色からなる補間画像IMG2が表示され、周囲の明るさが小さい場合や画像信号の平均レベルが高い場合には、白画からなる補間画像IMW2が表示され、黒画から白画の間で輝度レベルが最適に調整される。
この結果、表示装置100に表示される画像の平均輝度が最適に調整されて、ユーザにとって見やすい画像が表示される。
また、補間画像を黒画、灰色画、白画のように無彩色画のみにして、有彩色画を用いないことで、輝度調整が可能になると共に表示される画像の色合いが変化するのを抑制することができる。
【0053】
図19は、画像出力部の他の構成例を示す機能ブロック図である。
図19に示す画像出力部70Aは、補助フレームメモリ520A,520Bの前段に補色演算回路540A,540Bを備えている。
補色演算回路540Aは、第1の画像データDT1により形成されるD席画像IM1と補色関係を有する色の補間画像データを演算して補助フレームメモリ520Aへ出力する。
補色演算回路540Bは、第2の画像データDT2により形成されるP席画像IM2と補色関係を有する色の補間画像データを演算して補助フレームメモリ520Bへ出力する。
【0054】
図20は、画像出力部70Aによりクロストーク補正表示される画像の一例を示す図である。
D席画像IM1を表示中には、図20(a)に示すように、P席画像IM2と補色関係にある色の補間画像IMC2が表示され、P席画像IM2が表示中には、図20(b)に示すように、D席画像IM1と補色関係にある色の補間画像IMC1が表示される。
このように、D席画像IM1,P席画像IM2に対して、補色関係にある色の補間画像IMC1,IMC2をそれぞれ挿入することにより、D席画像IM1,P席画像IM2を鮮明に表示させることができて、クロストークを低減できる。
【0055】
図21は、画像出力部のさらに他の構成例を示す機能ブロック図である。
図21に示す画像出力部70Aは、補助フレームメモリ520A,520Bの前段に合成回路530A,530Bを備えている。
【0056】
合成回路530Aは、第1の画像データDT1中の特定部分を規定するための座標データCD1(AX1,AY1、AX2,AY2)を制御部20から取得して、この座標データCD1で規定される第1の画像データDT1の特定部分を黒画に置換して補助フレームメモリ520Aに出力する。尚、AX1,AY1は、特定部分の開始座標であり、AX2,AY2は、特定部分の終了座標である。また、座標データCD1は、第2の画像データDT2においてクロストークが発生しやすい部分を特定するための情報である。クロストークが発生しやすい領域は、例えば、ナビゲーション画像の場合には、予め得られる地図情報を解析すること等により抽出することができる。
【0057】
合成回路530Bは、第2の画像データDT2中の特定部分を規定するための座標データCD2(BX1,BY1、BX2,BY2)を制御部20から取得して、この座標データCD2で規定される第2の画像データDT2の特定部分を黒画に置換して補助フレームメモリ520Bに出力する。尚、BX1,BY1は、特定部分の開始座標であり、BX2,BY2は、特定部分の終了座標である。また、座標データCD2は、第2の画像データDT1においてクロストークが発生しやすい部分を特定するための情報である。
【0058】
図22は、上記の合成回路により画像を部分的に黒画に置換して補間画像とした場合の一例を示す図である。
本例では、D席画像IM1を表示中には、図22(a)に示すように、黒画からなる補間画像IMB2を表示し、P席画像IM2を表示中には、D席画像IM1を部分的に黒画BLで置換した補間画像IMP1を同時に表示している。
部分的な黒画BLは、P席画像IM2中の領域R1に対応しており、この領域R1はクロストークが発生しやすい部分である。
このように部分的な黒画で画像を置換して補間画像を形成することにより、D席画像IM1とP席画像IM2とのクロストークを低減できると共に、全て黒画で補間画像を形成した場合と比べて、表示される画像の平均輝度の低下を抑えることができる。
【0059】
図23は、ユーザによるクロストーク補正に関する設定画面の一例を示す図である。
この設定画面は、表示部100の表示画面に表示されると共に、図23に示すタッチスイッチD1を選択することにより、クロストーク補正に関する設定画面が表示されるようになっている。
タッチスイッチD10は、クロストーク補正表示をオン/オフさせるためのスイッチであり、ユーザがこのスイッチをオンさせた場合には、表示制御部10によりクロストーク補正表示処理が実行され、オフさせた場合には、上記した同時表示処理が実行される。
タッチスイッチD11は、図17において説明した、表示部100の周囲の明るさに応じた輝度最適調整処理をオン/オフするためのスイッチである。
タッチスイッチD12は、図17において説明した、画像信号レベルに応じた輝度最適調整処理をオン/オフするためのスイッチである。
タッチスイッチD13は、図21及び図22において説明した、部分的な黒画で補間画像を形成したクロストーク補正表示処理をオン/オフするためのスイッチである。
タッチスイッチD14は、図17において説明した、白画及び黒画の補間画像を時間的に振り分けるクロストーク補正表示処理をオン/オフするためのスイッチである。
タッチスイッチD15は、図19及び図20において説明した、補色からなる補間画像によるクロストーク補正表示処理をオン/オフするためのスイッチである。
タッチスイッチD20は、クロストーク補正表示処理に関する各種ユーザ設定値を記憶、呼出するためのスイッチであり、例えば、このスイッチの長押しにより現設定値を記憶させ、短押しで設定値の呼び出させる。
【0060】
このように、ユーザによる設定画面を適宜形成することにより、制御部20のクロストーク補正表示処理をユーザにより最適化することが可能となる。
【0061】
上記実施形態では、表示部100における視差バリア115に固定式のものを用いたが、これに限定されるわけではなく、液晶等から構成された可動式の視野バリアを用いることも可能である。
具体的には、例えば、図24及び図25に示すように、可動式の視差バリア700をカラーフィルタ基板114に対向配置させる。この視差バリア700は、液晶により形成された遮光部710及び透光部720を備えており、遮光部710及び透光部720が可動となっている。
【0062】
可動式の視差バリア700が適用された液晶パネル110におけるクロストーク補正表示の一例について説明すると、図24に示すように、P席画像IM2を表示するときは、これに同期して遮光部710を伸張させて補間画像IMB1の光を遮断するように、可動式の視差バリア700を制御する。また、図25に示すように、D席画像IM1を表示するときは、これに同期して遮光部710を伸張させて補間画像IMB2の光を遮断するように、表示制御部10により可動式の視差バリア700を制御する。
このように、可動式の視差バリア700をクロストーク補正表示のフレームレートに同期させて駆動することにより、補間画像IMB1又はIMB2の光漏れを低減できて一層クロストークを低減できる。
【0063】
上記実施形態では、表示部100に液晶パネルを使用した場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、液晶パネル以外のフラットパネルディスレイ、例えば有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることもできる。
【0064】
上記実施形態は本発明の好適な実施形態である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の基本構成を説明するための図である。
【図2】表示装置の車両への適用例を示す斜視図である。
【図3】表示装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】第1及び第2の画質調整回路の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】表示部100の断面構造を示す図である。
【図7】液晶パネルの正面図である。
【図8】TFT基板の回路図である。
【図9】画像出力部の構成を示す機能ブロック図である。
【図10】制御部による基本的な表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第1及び第2の画像データをフレーム毎に比較して近似しているかを判断するための回路の一例を示す図である。
【図12】第1及び第2の画像データをフレーム毎に比較して近似しているかを判断するための回路の他の例を示す図である。
【図13】第1及び第2の画像データをフレーム毎に比較して近似しているかを判断するための回路のさらに他の例を示す図である。
【図14】クロストーク補正表示処理の一例を説明するための図である。
【図15】クロストーク補正表示処理の他の例を説明するためのフローチャート図である。
【図16】白画によるクロストーク補正表示処理を説明するための図である。
【図17】クロストーク補正表示処理のさらに他の例を説明するためのフローチャート図である。
【図18】輝度を変化させた補間画像の一例を示す図である。
【図19】画像出力部の他の構成例を示す機能ブロック図である。
【図20】補色によるクロストーク補正表示の一例を説明するための図である。
【図21】画像出力部のさらに他の構成例を示す機能ブロック図である。
【図22】部分的黒画によるクロストーク補正表示を説明するための図である。
【図23】ユーザによるクロストーク補正に関する設定画面の一例を示す図である。
【図24】可動の視差バリアを用いたクロストーク補正表示の一例を説明するための図である。
【図25】可動の視差バリアを用いたクロストーク補正表示の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0066】
10…表示制御部(表示制御装置)
20…制御部
30…分配回路
50A,50B…第1及び第2の画質調整回路
60…音声調整回路
70…画像出力部
100…表示部
110…液晶パネル
120…バックライト
130…タッチパネル
140…メモリ
150…操作部
170…リモコン送受信部
190…明るさ検知センサ
200…乗員検知センサ
300A,300B…画像ソース
310…カメラ
320…CD/MD再生部
330…ラジオ受信部
340…TV受信部
350…DVD再生部
360…HD再生部
370…ナビゲーション部
510A,510B…フレームメモリ
520A,520B…補助フレームメモリ
530A,530B…合成回路
540A,540B…補色演算回路
600…差分回路
610…絶対値演算回路
620…フレーム内積算回路
630…フレーム内最大値検出回路
650,660,680…比較回路
670…カウンタ回路
700…可動式視差バリア
710…遮光部
720…透光部
SC…同期信号
SB1,SB2…補間画像データ
SW1,SW2…切換スイッチ
DS…運転席
AS…助手席
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通の表示画面上で異なる方向からそれぞれ異なる画像を視認できる、いわゆるデュアルビュー表示装置の表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
共通の表示画面上で異なる方向からそれぞれ異なる画像を視認できる、いわゆるデュアルビューディスプレイとしては、例えば、液晶パネルの前に視差バリアを設け、1ピクセルごとにバックライトからの光の進行方向を振り分けることで、左右において異なる情報(画像)を表示できるものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。このような表示装置を車両に搭載することにより、運転者がナビゲーション画像を観ている間に助手席の搭乗者がテレビ等の他の画像を観ることが可能となる。
【特許文献1】特開2005−78080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のような表示装置では、表示画面を観る方向によって、左右の画像の双方が混在する、いわゆるクロストークが発生する。例えば、運転者がナビゲーション画像を観ている間に助手席側のテレビ画像光が運転席側に漏れてナビゲーション画像に重なると、運転者がナビゲーション情報を明瞭に識別できない可能性がある。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、共通の表示画面上で異なる方向からそれぞれの画像を視認できる表示装置の表示制御装置において、画像のクロストークが低減されて画像の視認性を向上させることができる表示制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る表示制御装置は、共通の表示部に形成されたそれぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面に、第1及び第2の画像をそれぞれ表示させる表示制御装置であって、第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態とを交互に繰り返して第1及び第2の画像を交互に表示させるクロストーク補正表示手段を有する、ことを特徴としている。
この構成によれば、第1及び第2の画像のうち一方の画像を表示中に他方の画像が表示されないので、第1の画像と第2の画像との間のクロストークが大幅に低減される。
【0006】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1又は第2の画像と共に黒画からなる補間画像を表示させる、構成を採用できる。
この構成によれば、補間画像として黒画を表示することにより、表示中の第1又は第2の画像に補間画像からの光漏れを低減できる。
【0007】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1又は第2の画像と共に白画からなる補間画像を表示させる、構成を採用できる。
この構成によれば、補間画像を白画としてその輝度レベルを上昇させることにより、表示中の画像の平均輝度(見かけ上の輝度)の低下を抑制できる。
【0008】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1又は第2の画像と共に無彩色画からなる補間画像を表示させる、構成を採用できる。
この構成によれば、無彩色画を用いることにより輝度調整が可能になると共に表示される画像の色合いが変化するのを抑制することができる。
【0009】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1及び第2の画像の画像信号のコントラスト又はブライトネスを調整する、構成を採用できる。
この構成によれば、画像信号のコントラスト又は輝度の調整により、補間画像を挿入することによる表示画像の平均輝度の低下を抑制できる。
【0010】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、黒画と白画の間で補間画像の輝度レベルを調整する、構成を採用できる。具体的には、表示部の周囲の明るさに応じて補間画像の輝度レベルを決定したり、画像信号の輝度レベルに応じて補間画像の輝度レベルを決定することができる。
この構成によれば、画像の輝度を周囲の明るさ等の変動に対して、表示される画像の平均輝度を最適化できる。
【0011】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1又は第2の画像と補色関係を有する色の画像を補間画像とする、構成を採用できる。
この構成によれば、補間画像の色を補色にすることにより、表示された第1又は第2の画像を鮮明に表示できてクロストークを低減できる。
【0012】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、第1又は第2の画像を部分的に黒画に置換して補間画像とする、構成を採用できる。
この構成によれば、クロストークが発生しやすい部分のみ黒画とすることにより、クロストークの低減及び輝度低下の抑制が可能となる。
【0013】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、黒画の補間画像と白画の補間画像とを時間的に所定の割合で振り分けて表示させることにより表示される画像の平均輝度を調整する、構成を採用できる。
この構成によれば、クロストークを改善できると共に黒画と白画の割合に応じて輝度調整できる。
【0014】
上記構成において、クロストーク補正表示手段は、ユーザにより設定された設定値に基づいて補間画像を形成する、構成を採用できる。
この構成によれば、ユーザの好みに合わせた画像調整が可能となる。
【0015】
上記構成において、第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似しているかを判断する信号判断手段を有し、信号判断手段により第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似していると判断される場合には、第1及び第2の画像の画像信号を前記表示部へ同時に出力する、構成を採用できる。具体的には、信号判断手段は、第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値の一画像内における積算値に基づいて、第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断する構成、第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値の一画像内における最大値に基づいて、第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断する構成、あるいは、信号判断手段は、第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値が一画像内において所定のしきい値を超える回数に基づいて、第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断したりする構成を採用できる。
これらの構成によれば、第1及び第2の画像が同一あるいは近似していてクロストークが発生しない場合に、通常の表示動作(同時表示動作)に自動的に切り換えることができる。
【0016】
上記構成において、クロストーク補正表示手段の起動に応じて、前記表示部の有するバックライトの輝度を上昇させる、構成を採用できる。
この構成によれば、クロストーク補正表示による輝度低下を表示部のバックライトの輝度のアップにより自動的にカバーできる。
【0017】
上記構成において、表示部は、第1及び第2の画像の視認できる方向を規定するための可動の視差バリアを備え、クロストーク補正表示手段は、第1及び第2の画像の一方の画像信号の出力に同期させて他方の画像を遮蔽するように視差バリアの遮光部を伸張させる構成を採用できる。
この構成によれば、画像信号の出力に同期させて視差バリアを伸張させることにより、補間画像からの光漏れを低減できて、その結果、クロストークを低減できる。
【0018】
本発明に係る表示装置は、それぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面を備えた共通の表示部と、第1及び第2の画面に第1及び第2の画像を表示する表示制御手段とを有する表示装置であって、表示制御手段は、第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態とを交互に繰り返して第1及び第2の画像を交互に表示させるクロストーク補正表示手段を有することを特徴としている。
【0019】
本発明に係る表示方法は、共通の表示部に形成されたそれぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面に第1及び第2の画像を表示する表示方法であって、第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態を交互に繰り返して前記第1及び第2の画像を交互に表示させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、共通の表示部で異なる方向からそれぞれ画像を視認できる表示装置において、画像間のクロストークを大幅に低減できると共に表示される画像の輝度低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るデュアルビュー表示装置の基本構成を説明するための図である。
この表示装置は、図1に示すように、表示制御装置としての表示制御部10、表示部100等から構成されている。
表示制御部10は、第1の画像ソース300Aから画像データ(画像信号)DT1が供給されると共に第2の画像ソース300Bから画像データ(画像信号)DT2が供給されて、これら第1及び第2の画像データDT1,DT2からなる画像データ(画像信号)ADTを共通の表示部100へ出力する。尚、表示制御部10の具体的な構成については後述する。
また、第1及び第2の画像ソース300A,300Bは、後述するカメラ、TV受信部、DVD再生部、HD再生部、ナビゲーション部等で構成される。
【0022】
表示部100は、後述するように、液晶パネル、バックライト、視差バリア等から構成されており、第1の画像データDT1に基づく第1の画像IM1を右方向から観る観察者OBRが視認できると共に第2の画像データDT2に基づく第2の画像IM2を左方向から観る観察者OBLが視認できるように表示する。すなわち、表示部100は、観察者OBR側から視認できる画面(第1の画面)と観察者OBL側から視認できる画面(第2の画面)とを備えており、これらの画面に第1及び第2の画像IM1がそれぞれ表示される。尚、表示部100の具体的な構成については後述する。
【0023】
図2は本発明の一実施形態に係る表示装置を車両へ適用した例を示す斜視図である。
表示装置の表示部100は、図2に示すように、車両のダッシュボード部分の運転席DSと助手席ASとの間に配置される。また、表示部100には、表示装置を手動で操作するための操作部150が設けられている。
図2に示すケースにおいては、運転席DSに着席した搭乗者が上記の観察者OBRとなり、助手席ASに着席した搭乗者が上記の観察者OBLとなる。そして、これらの搭乗者は、それぞれ運転席DS側又は助手席AS側から表示部100の画面に表示された第1の画像IM1及び第2の画像IM2を同時に観ることができる。
【0024】
図3ないし図9は本発明の一実施形態に係る表示装置の具体的な構成を示す図であって、図3は表示装置の機能ブロック図、図4は制御部の構成を示す機能ブロック図、図5は第1及び第2の画質調整回路の機能ブロック図、図6は液晶パネルの断面構造及び作用を説明するための図、図7は液晶パネルの正面図、図8はTFT基板の回路図、及び図9は画像出力部70の構成を示す図である。
【0025】
この表示装置は、図3に示すように、表示部100加えて、制御部20、分配回路30、第1及び第2の画質調整回路50A,50B、画像出力部70等から構成されている。尚、上記した表示制御部10は、制御部20、分配回路30、第1及び第2の画質調整回路50A,50B、画像出力部70等から構成される。
【0026】
制御部20は、図4に示すように、プロセッサ21、インターフェース22、ROM23、RAM24等から構成され、ROM23に記憶されたプログラムにしたがって表示装置を総合的に制御する。尚、制御部20による具体的な制御については後述する。
【0027】
制御部20は、図3に示すように、車両に搭載されて画像や音声を供給する供給源としての、車両の周囲等を撮像するカメラ310、音楽や画像を再生するCD/MD(コンパクトディスク/ミニディスク)再生部320、アンテナからラジオ放送波を受信するラジオ受信部330、アンテナからセレクタ341を介してTV放送波を受信するTV受信部340、DVD(ディジタルバーサタイルディスク)から音楽情報や画像を再生するDVD再生部350、HD(ハードディスク)に記録された画像や音楽情報を再生するHD再生部360、VICS情報受信部371が受信した道路情報やGPS情報受信部372が受信した地理情報に基づいて地図やルート案内画像を出力するナビゲーション部370等と接続されて、これらとの間でデータを授受すると共にこれらをコントロールする。
また、制御部20には、各種データを記憶する外部メモリ140、表示装置を操作するための操作部150、表示装置をリモコン操作するためのリモコン171との間で赤外線信号や無線信号を送受するリモコン送受信部170、車両に備わるライトスイッチや光センサで構成されて車両内の明るさを検知する明るさ検知センサ190、運転席や助手席に設けられる感圧センサ等で構成されて車両の乗員を検出する乗員検知センサ200等が接続され、制御部20は、これらから得られる各種データに基づいて各種制御が可能となっている。
【0028】
分配回路30は、図3に示すように、上記したカメラ310、CD/MD再生部320、ラジオ受信部330、TV受信部340、DVD再生部350、HD再生部360、ナビゲーション部370等から供給される音声データや画像データを、制御部20からの制御指令に応じて、音声調整回路60、第1の画質調整回路50A、あるいは、第2の画質調整回路50Bへ分配する。
音声調整回路60は、図3に示すように、分配回路30から供給された音声データを調整してスピーカ61へ出力する。
【0029】
第1及び第2の画質調整回路50A,50Bは、図5に示すように、それぞれコントラスト調整部51、輝度調整部52、色調調整部53、ガンマ値調整部54等から構成され、制御部20からの制御指令に応じて、第1及び第2の画像データ(画像信号)の画質(コントラスト、輝度、色調、ガンマ値)をそれぞれ調整する。
【0030】
表示部100は、図3に示すように、液晶パネル110、液晶パネル110の背面側から照明光を当てるバックライト120、表示装置を操作する信号を入力するためのタッチパネル130等から構成されている。尚、タッチパネル130は、図示しないが、透明なシート状に形成されて液晶パネル110の前面に貼着される。
【0031】
液晶パネル110は、図6に示すように、バックライト120側から順に配置された、偏光板111、TFT(Thin Film Transistor)基板112、液晶層113、RGBの3原色の画素をもつカラーフィルタ基板114、視差バリア115、ガラス板116、偏光板117等から構成された周知の構造を有する。
この液晶パネル110は、図7及び図8に示すように、例えば、水平方向に800画素、垂直方向に480画素が配列された表示画面を有すると共に、この表示画面には、水平方向において左側表示用画素118(以下、助手席側表示用画素118ともいう。)と右側表示用画素119(以下、運転席側表示用画素119ともいう。)とが交互に配列されて構成されている。
【0032】
視差バリア115は、図6及び図7に示すように、ストライプ状に形成されて遮蔽部と透光部を有し、その遮蔽部は隣接する左側表示用画素118と右側表示用画素119との間に配置される。視差バリア115をカラーフィルタ基板114の前面に配置することにより、左側表示用画素118を透過した照明光は、左側に向かう照明光のみ選択的に視差バリア115の透光部を通過し、右側表示用画素119を透過した照明光は、右側に向かう照明光のみが選択的に視差バリア115の透光部を通過する。これにより、図6に示すように、液晶パネル110の右側(運転席側)からは第1の画像IM1が視認でき、左側(助手席側)からは第2の画像IM2が視認できるようになっている。
尚、視差バリア115は、特開平10−123461号公報や特開平11−84131号公報等に開示されているものと同様のものを使用できる。
【0033】
TFT基板112は、図8に示すように、データ線駆動回路DR1、走査線駆動回路DR2、垂直方向に配列された走査線SCL、水平方向に配列されたデータ線DTL、走査線SCLとデータ線DTLとの交差する領域毎に形成されたTFT素子EL、TFT素子ELに対応して形成された画素電極EP等を備え、走査線SCL及びデータ線DTLで囲まれた各領域がサブピクセルSBPを構成しており、データ線DTLに沿う各列のサブピクセルSBPは交互に左側表示用画素118と右側表示用画素119とに割り当てられる。
データ線駆動回路DR1は、後述する液晶パネル駆動部74によりその駆動タイミングを制御されて、画素電極EPへの印加電圧を制御する。
走査線駆動回路DR2は、後述する液晶パネル駆動部74によりその駆動タイミングを制御されて、TFT素子ELを選択走査する。
【0034】
メモリ140は、例えば、フラッシュメモリ等の電気的書き換え可能な不揮発性メモリ又はバッテリバックアップされた揮発性メモリにより構成されており、制御部20による制御に必要なデータ等を記憶している。
【0035】
画像出力部70は、図9に示すように、フレームメモリ510A,510B、補助フレームメモリ520A,520B、液晶パネル駆動部74、切替スイッチSW1,SW2等から構成されている。
フレームメモリ510A,510Bには、例えば、第1及び第2の画質調整回路50A,50Bにおいてそれぞれ画質調整された第1及び第2の画像データ(画像信号)DT1,DT2がそれぞれ書き込まれる。これら第1及び第2の画像データDT1,DT2は、TV受信部340、DVD再生部350、ナビゲーション部370等からの画像信号(映像信号)であり、例えば、60Hzの入力レートでフレームメモリ510A,510Bへ書き込まれる。
補助フレームメモリ520A,520Bには、制御部20により、補間画像データSB1,SB2がそれぞれ書き込まれる。
補間画像データSB1,SB2は、後述するように、黒画や白画等を表示部100に表示させるためのデータである。
【0036】
切換スイッチSW1は、固定接点C1,C2と可動接点C3とを所定のフレームレート(例えば、120Hz)で制御部20より入力される同期信号SCに応じて選択的に接続するスイッチである。固定接点C1と可動接点C3が接続されたときには、フレームメモリ510Aに保持された一画像分(一フレーム分)の画像データDT1が液晶パネル駆動部74へ出力され、固定接点C2と可動接点C3が接続されたときには、補助フレームメモリ520Aに保持された一画像分(一フレーム分)の補間画像データSB1が液晶パネル駆動部74へ出力される。
切換スイッチSW2は、固定接点C1,C2と可動接点C3とを所定のフレームレート(例えば、120Hz)で制御部20より入力される同期信号SCに応じて選択的に接続するスイッチである。固定接点C1と可動接点C3が接続されたときには、フレームメモリ510Bに保持された一画像分(一フレーム分)の画像データDT2が液晶パネル駆動部74へ出力され、固定接点C2と可動接点C3が接続されたときには、補助フレームメモリ520Bに保持された一画像分(一フレーム分)の補間画像データSB2が液晶パネル駆動部74へ出力される。
尚、切換スイッチSW2は、接続タイミングが切換スイッチSW1とは逆になっており、切換スイッチSW1の固定接点C1と可動接点C3が接続されている場合には、切換スイッチSW2の固定接点C2と可動接点C3が接続され、切換スイッチSW1の固定接点C2と可動接点C3が接続されている場合には、切換スイッチSW2の固定接点C1と可動接点C3が接続される。尚、切換スイッチSW1,SW2はトランジスタ等の半導体スイッチにより構成されている。
【0037】
液晶パネル駆動部74は、表示部100の後述する液晶パネル110を駆動する回路であり、フレームメモリ510A又は補助フレームメモリ520Aに保持されているデータに基づいて、運転席(D席)側の画像を表示するための液晶表示パネル110の画素を駆動すると共に、フレームメモリ510B又は補助フレームメモリ520Bに保持されているデータに基づいて、助手席(P席)側の画像を表示するための液晶表示パネル110の画素を駆動する。尚、液晶パネル駆動部74において、液晶パネル110の各画素に対応したデータの並べ替え処理がされる。
【0038】
次に、制御部20による表示制御処理の一例について、図10〜図14を参照して説明する。
ここで、図10は制御部による基本的な表示制御処理の流れを示すフローチャート、図11〜図13は第1及び第2の画像データをフレーム毎に比較して近似しているかを判断する信号判断手段としての回路図、図14は黒画によるクロストーク補正表示処理の一例を説明するための図である。
尚、制御部20による表示制御処理は、画像表示中においては繰り返し実行される。
【0039】
制御部20は、先ず、フレームメモリ510A,510Bに入力される、第1及び第2の画像データ(画像信号)DT1,DT2が一致又は近似しているかを判断し(ステップST1)する。
制御部20は、第1及び第2の画像データDT1,DT2の比較結果により、両者が一致又は近似する場合には、切換スイッチSW1,SW2の固定接点C1と可動接点C3とを接続して、第1及び第2の画像データDT1,DT2を液晶パネル駆動部74へ同時に出力して同時に表示させる(ステップST2)。第1及び第2の画像データ(画像信号)DT1,DT2が一致又は近似している場合には、クロストークが発生しない、あるいは、発生量が小さいので、後述するクロストーク補正表示をする必要がないからである。
【0040】
ここで、第1及び第2の画像データDT1,DT2の比較する回路について説明する。
図11に示す回路は、差分回路600、絶対値演算回路610、フレーム内積算回路620、比較回路650等から構成されている。
差分回路600は、第1及び第2の画像データDT1,DT2の差分値を算出する。
絶対値演算回路610は、差分値の絶対値を演算する。
フレーム内積算回路620は、差分値の絶対値の一フレーム(一画像)内における積算値を算出する。
比較回路650は、積算値と所定のしきい値とを比較して、比較信号を出力する。積算値が所定のしきい値よりも大きい場合には、第1及び第2の画像データDT1,DT2は近似せず、小さい場合には、一致又は近似していると判断できる。
尚、図11に示す回路は、例えば、制御部20に内蔵されており、差分回路600の入力がフレームメモリ510A,510Bにそれぞれ接続され、比較回路650の出力がCPU21に接続される。
【0041】
図12に示す回路は、図11のフレーム内積算回路62に代えてフレーム内最大値検出回路630を有している。
フレーム内最大値検出回路630は、差分値の絶対値の一フレーム内における最大値を検出し、比較回路650に出力する。
【0042】
図13に示す回路は、絶対値演算回路610の後段に比較回路660、カウンタ回路670、及び比較回路680を有している。
比較回路660は、第1及び第2の画像の画像データDT1,DT2の差分値の絶対値が所定のしきい値1を超えるかを判断し、カウンタ回路670は差分値の絶対値が所定のしきい値を超えた回数をカウントし、比較回路680は、カウンタ回路670のカウント値が所定のしきい値2を超えているかを判断する。カウント値がしきい値2を超えている場合には、画像データDT1,DT2は近似せず、超えていない場合には、一致又は近似すると判断できる。
【0043】
一方、制御部20は、第1及び第2の画像データDT1,DT2が異なる場合(例えば、一方がナビゲーションの画像で他方がTV画像のような場合)には、クロストーク補正表示処理を実行する(ステップST3)。
【0044】
制御部20は、クロストーク補正表示処理では、上記した切換スイッチSW1,SW2を同期信号により駆動し、図14に示すように、第1の画像IM1(運転席側画像、以下D席画像という)と第2の画像IM2(助手席側画像、以下P席画像という)と上記した所定のフレームレート(例えば、120Hz)で交互に液晶パネル110に表示させる。
また、制御部20は、クロストーク補正制御に先立って、黒画を形成するための補間画像データSB1,SB2をそれぞれ補助フレームメモリ520A,520Bに予め書き込んでおり、図14(a)に示すように、D席画像IM1(例えば、ナビゲーション画像)が表示されるときには、P席側に黒画からなる補間画像IMB2を表示させる。
また、図14(b)に示すように、P席画像IM2(例えば、TV映像)が表示されるときには、D席側には黒画からなる補間画像IMB1を表示する。
図14(c)に示すように、再び、D席画像IM1が表示されるときには、P席側に黒画からなる補間画像IMB2を表示させる。
【0045】
このように、表示部100には、D席画像IM1、P席画像IM2が120Hzのフレームレートで交互に表示されると共に、一方の画像が表示される際に他方の画像は黒画からなる補間画像IMB1又はIMB2に置き換えられて表示される。
このため、D席画像IM1及びP席画像IM2の一方から他方への光漏れが低減されて、D席画像IM1とP席画像IM2との間のクロストークを大幅に低減できる。
【0046】
次いで、制御部20は、バックライト120の輝度をアップさせるように制御する(ステップST4)。時間的に隣接するD席画像IM1,P席画像IM2の間には、それぞれ黒画からなる補間画像IMB1,IMB2が挿入されると、表示部100に表示される画像IM1,IM2の平均輝度が補間画像IMB1,IMB2を挿入しない場合に比べて低下する。このため、バックライト120の輝度をアップすることにより、表示画像の平均輝度の低下を防ぐことができる。
【0047】
次に、制御部20によるクロストーク補正表示処理の他の例について、図15及び図16を参照して説明する。
制御部20は、図15に示すように、先ず、補間画像として黒画を出力するかを判断し(ステップST21)、黒画を出力する場合には、表示される画像の平均輝度の低下を防止すべく、第1及び第2の画像の画像データ(画像信号)DT1,DT2のコントラスト又はブライトネス(輝度)を表示される画像の平均輝度が上昇するように調整する。尚、制御部20から第1及び第2の画質調整回路50A,50Bへ制御信号を出力することにより、コントラスト又はブライトネスが調整される。
そして、制御部20は、上記したのと同様のクロストーク補正表示を実行する(ステップST23)。このように、画像信号のコントラスト又はブライトネスを調整することにより、補間画像として黒画を使用した場合の表示画像の輝度低下を防止できる。
【0048】
一方、制御部20は、ステップST21において、補間画像として黒画を使用しない場合には、補間画像として、白画を使用する(ステップST24)。この場合には、制御部20は、白画を形成するための補間画像データSB1,SB2をそれぞれ補助フレームメモリ520A,520Bに書き込む。
補間画像として白画を設定すると、D席画像IM1の表示の際には、図16(a)に示すように、白画からなる補間画像IMW2が同時に表示され、P席画像IM2の表示の際には、図16(b)に示すように、白画からなる補間画像IMW1が同時に表示される。白画からなる補間画像IMW1,IMW2をD席画像IM1及びP席画像IM2の表示の間に挿入することにより、白画は黒画よりも輝度が高いことから、表示される画像の平均輝度(見かけの輝度)を上昇させることができる。
【0049】
次に、制御部20によるクロストーク補正表示処理のさらに他の例について、図17及び図18を参照して説明する。
制御部20は、図17に示すように、先ず、表示画像の平均輝度を最適調整するかを判断する(ステップST31)。表示画像の平均輝度を最適調整するか否かは、ユーザにより設定されてその情報がメモリ140に予め保持されている。
制御部20は、最適調整をしない場合には、予め設定された設定値により表示画像の平均輝度レベルを調整する(ステップST32)。この調整は、バックライト120の輝度をアップさせる等の調整である。
次いで、制御部20は、黒画と白画を時間的に振り分けて表示させる際の黒画と白画の割合に関する情報をメモリ140から取得する(ステップST33)。黒画と白画の割合は、ユーザ等により予め設定されている。例えば、表示画像の平均輝度を高くする場合には、60フレーム中、黒画10+白画50、平均輝度を中程度にする場合には、黒画30+白画30、平均輝度を低くする場合には、黒画50+白画10のような割合に設定されている。
そして、クロストーク補正表示の際に、設定割合に応じて黒画と白画を時間的に振り分けて表示する(ステップST39)。これにより、表示される画像の平均輝度が黒画と白画の設定割合に応じて調整される。
【0050】
一方、制御部20は、ステップST31において、表示画像の平均輝度を最適調整する場合には、表示部100の周囲の明るさに応じて表示画像の平均輝度を最適調整するか否かを判断する。周囲の明るさに応じて輝度調整をするか否かは、ユーザ等により設定されてその情報がメモリ140に予め保持されている。周囲の明るさに応じて輝度調整をする場合には、明るさ検知センサ190等からの検出信号に基づいて、明るさを検出する(ステップST35)。
【0051】
次いで、制御部20は、第1及び第2の画像の画像データ(画像信号)DT1,DT2の平均レベルに応じて表示画像の平均輝度を最適調整するかを判断する(ステップST36)。画像信号の平均レベルに応じて表示画像の平均輝度を最適調整するか否かは、ユーザ等により設定されてその情報がメモリ140に予め保持されている。画像信号の平均レベルに応じて輝度調整する場合には、第1及び第2の画像の画像データ(画像信号)DT1,DT2の平均レベルを検出する(ステップST37)。尚、画像信号の平均レベルが高いほど表示画像の平均輝度が高く、平均レベルが低いほど画像の平均輝度が低い。
【0052】
次いで、制御部20は、ステップST35において検出した表示部100の周囲の明るさ、及び/又は、ステップST37において検出した画像信号の平均レベルに応じて、補間画像の輝度レベルを決定する。補間画像の輝度レベルは、例えば、周囲の明るさや信号レベルに応じて予め設定された輝度マップから輝度値を選択することにより決定する(ステップST38)。
このようにして、周囲の明るさや画像信号の平均レベルに応じて補間画像の輝度を決定すると、クロストーク補正表示の際に(ステップST39)、例えば、図18に示すように、種々の輝度の補間画像が表示される。例えば、周囲の明るさが大きい場合や画像信号の平均レベルが高い場合には、図18(a)に示すように、輝度が低い黒画からなる補間画像IMB2が表示され、中程度の場合には、図18(b)に示すように、灰色からなる補間画像IMG2が表示され、周囲の明るさが小さい場合や画像信号の平均レベルが高い場合には、白画からなる補間画像IMW2が表示され、黒画から白画の間で輝度レベルが最適に調整される。
この結果、表示装置100に表示される画像の平均輝度が最適に調整されて、ユーザにとって見やすい画像が表示される。
また、補間画像を黒画、灰色画、白画のように無彩色画のみにして、有彩色画を用いないことで、輝度調整が可能になると共に表示される画像の色合いが変化するのを抑制することができる。
【0053】
図19は、画像出力部の他の構成例を示す機能ブロック図である。
図19に示す画像出力部70Aは、補助フレームメモリ520A,520Bの前段に補色演算回路540A,540Bを備えている。
補色演算回路540Aは、第1の画像データDT1により形成されるD席画像IM1と補色関係を有する色の補間画像データを演算して補助フレームメモリ520Aへ出力する。
補色演算回路540Bは、第2の画像データDT2により形成されるP席画像IM2と補色関係を有する色の補間画像データを演算して補助フレームメモリ520Bへ出力する。
【0054】
図20は、画像出力部70Aによりクロストーク補正表示される画像の一例を示す図である。
D席画像IM1を表示中には、図20(a)に示すように、P席画像IM2と補色関係にある色の補間画像IMC2が表示され、P席画像IM2が表示中には、図20(b)に示すように、D席画像IM1と補色関係にある色の補間画像IMC1が表示される。
このように、D席画像IM1,P席画像IM2に対して、補色関係にある色の補間画像IMC1,IMC2をそれぞれ挿入することにより、D席画像IM1,P席画像IM2を鮮明に表示させることができて、クロストークを低減できる。
【0055】
図21は、画像出力部のさらに他の構成例を示す機能ブロック図である。
図21に示す画像出力部70Aは、補助フレームメモリ520A,520Bの前段に合成回路530A,530Bを備えている。
【0056】
合成回路530Aは、第1の画像データDT1中の特定部分を規定するための座標データCD1(AX1,AY1、AX2,AY2)を制御部20から取得して、この座標データCD1で規定される第1の画像データDT1の特定部分を黒画に置換して補助フレームメモリ520Aに出力する。尚、AX1,AY1は、特定部分の開始座標であり、AX2,AY2は、特定部分の終了座標である。また、座標データCD1は、第2の画像データDT2においてクロストークが発生しやすい部分を特定するための情報である。クロストークが発生しやすい領域は、例えば、ナビゲーション画像の場合には、予め得られる地図情報を解析すること等により抽出することができる。
【0057】
合成回路530Bは、第2の画像データDT2中の特定部分を規定するための座標データCD2(BX1,BY1、BX2,BY2)を制御部20から取得して、この座標データCD2で規定される第2の画像データDT2の特定部分を黒画に置換して補助フレームメモリ520Bに出力する。尚、BX1,BY1は、特定部分の開始座標であり、BX2,BY2は、特定部分の終了座標である。また、座標データCD2は、第2の画像データDT1においてクロストークが発生しやすい部分を特定するための情報である。
【0058】
図22は、上記の合成回路により画像を部分的に黒画に置換して補間画像とした場合の一例を示す図である。
本例では、D席画像IM1を表示中には、図22(a)に示すように、黒画からなる補間画像IMB2を表示し、P席画像IM2を表示中には、D席画像IM1を部分的に黒画BLで置換した補間画像IMP1を同時に表示している。
部分的な黒画BLは、P席画像IM2中の領域R1に対応しており、この領域R1はクロストークが発生しやすい部分である。
このように部分的な黒画で画像を置換して補間画像を形成することにより、D席画像IM1とP席画像IM2とのクロストークを低減できると共に、全て黒画で補間画像を形成した場合と比べて、表示される画像の平均輝度の低下を抑えることができる。
【0059】
図23は、ユーザによるクロストーク補正に関する設定画面の一例を示す図である。
この設定画面は、表示部100の表示画面に表示されると共に、図23に示すタッチスイッチD1を選択することにより、クロストーク補正に関する設定画面が表示されるようになっている。
タッチスイッチD10は、クロストーク補正表示をオン/オフさせるためのスイッチであり、ユーザがこのスイッチをオンさせた場合には、表示制御部10によりクロストーク補正表示処理が実行され、オフさせた場合には、上記した同時表示処理が実行される。
タッチスイッチD11は、図17において説明した、表示部100の周囲の明るさに応じた輝度最適調整処理をオン/オフするためのスイッチである。
タッチスイッチD12は、図17において説明した、画像信号レベルに応じた輝度最適調整処理をオン/オフするためのスイッチである。
タッチスイッチD13は、図21及び図22において説明した、部分的な黒画で補間画像を形成したクロストーク補正表示処理をオン/オフするためのスイッチである。
タッチスイッチD14は、図17において説明した、白画及び黒画の補間画像を時間的に振り分けるクロストーク補正表示処理をオン/オフするためのスイッチである。
タッチスイッチD15は、図19及び図20において説明した、補色からなる補間画像によるクロストーク補正表示処理をオン/オフするためのスイッチである。
タッチスイッチD20は、クロストーク補正表示処理に関する各種ユーザ設定値を記憶、呼出するためのスイッチであり、例えば、このスイッチの長押しにより現設定値を記憶させ、短押しで設定値の呼び出させる。
【0060】
このように、ユーザによる設定画面を適宜形成することにより、制御部20のクロストーク補正表示処理をユーザにより最適化することが可能となる。
【0061】
上記実施形態では、表示部100における視差バリア115に固定式のものを用いたが、これに限定されるわけではなく、液晶等から構成された可動式の視野バリアを用いることも可能である。
具体的には、例えば、図24及び図25に示すように、可動式の視差バリア700をカラーフィルタ基板114に対向配置させる。この視差バリア700は、液晶により形成された遮光部710及び透光部720を備えており、遮光部710及び透光部720が可動となっている。
【0062】
可動式の視差バリア700が適用された液晶パネル110におけるクロストーク補正表示の一例について説明すると、図24に示すように、P席画像IM2を表示するときは、これに同期して遮光部710を伸張させて補間画像IMB1の光を遮断するように、可動式の視差バリア700を制御する。また、図25に示すように、D席画像IM1を表示するときは、これに同期して遮光部710を伸張させて補間画像IMB2の光を遮断するように、表示制御部10により可動式の視差バリア700を制御する。
このように、可動式の視差バリア700をクロストーク補正表示のフレームレートに同期させて駆動することにより、補間画像IMB1又はIMB2の光漏れを低減できて一層クロストークを低減できる。
【0063】
上記実施形態では、表示部100に液晶パネルを使用した場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、液晶パネル以外のフラットパネルディスレイ、例えば有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることもできる。
【0064】
上記実施形態は本発明の好適な実施形態である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の基本構成を説明するための図である。
【図2】表示装置の車両への適用例を示す斜視図である。
【図3】表示装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】第1及び第2の画質調整回路の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】表示部100の断面構造を示す図である。
【図7】液晶パネルの正面図である。
【図8】TFT基板の回路図である。
【図9】画像出力部の構成を示す機能ブロック図である。
【図10】制御部による基本的な表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第1及び第2の画像データをフレーム毎に比較して近似しているかを判断するための回路の一例を示す図である。
【図12】第1及び第2の画像データをフレーム毎に比較して近似しているかを判断するための回路の他の例を示す図である。
【図13】第1及び第2の画像データをフレーム毎に比較して近似しているかを判断するための回路のさらに他の例を示す図である。
【図14】クロストーク補正表示処理の一例を説明するための図である。
【図15】クロストーク補正表示処理の他の例を説明するためのフローチャート図である。
【図16】白画によるクロストーク補正表示処理を説明するための図である。
【図17】クロストーク補正表示処理のさらに他の例を説明するためのフローチャート図である。
【図18】輝度を変化させた補間画像の一例を示す図である。
【図19】画像出力部の他の構成例を示す機能ブロック図である。
【図20】補色によるクロストーク補正表示の一例を説明するための図である。
【図21】画像出力部のさらに他の構成例を示す機能ブロック図である。
【図22】部分的黒画によるクロストーク補正表示を説明するための図である。
【図23】ユーザによるクロストーク補正に関する設定画面の一例を示す図である。
【図24】可動の視差バリアを用いたクロストーク補正表示の一例を説明するための図である。
【図25】可動の視差バリアを用いたクロストーク補正表示の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0066】
10…表示制御部(表示制御装置)
20…制御部
30…分配回路
50A,50B…第1及び第2の画質調整回路
60…音声調整回路
70…画像出力部
100…表示部
110…液晶パネル
120…バックライト
130…タッチパネル
140…メモリ
150…操作部
170…リモコン送受信部
190…明るさ検知センサ
200…乗員検知センサ
300A,300B…画像ソース
310…カメラ
320…CD/MD再生部
330…ラジオ受信部
340…TV受信部
350…DVD再生部
360…HD再生部
370…ナビゲーション部
510A,510B…フレームメモリ
520A,520B…補助フレームメモリ
530A,530B…合成回路
540A,540B…補色演算回路
600…差分回路
610…絶対値演算回路
620…フレーム内積算回路
630…フレーム内最大値検出回路
650,660,680…比較回路
670…カウンタ回路
700…可動式視差バリア
710…遮光部
720…透光部
SC…同期信号
SB1,SB2…補間画像データ
SW1,SW2…切換スイッチ
DS…運転席
AS…助手席
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の表示部に形成されたそれぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面に、第1及び第2の画像をそれぞれ表示させる表示制御装置であって、
前記第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、前記第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態とを交互に繰り返して前記第1及び第2の画像を交互に表示させるクロストーク補正表示手段を有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1又は第2の画像と共に黒画からなる補間画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1又は第2の画像と共に白画からなる補間画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1又は第2の画像と共に無彩色画からなる補間画像を表示させることを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1及び第2の画像の画像信号のコントラスト又はブライトネスを調整することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記クロストーク補正表示手段は、黒画と白画の間で前記補間画像の輝度レベルを調整することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記クロストーク補正表示手段は、前記表示部の周囲の明るさに応じて前記補間画像の輝度レベルを決定することを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記クロストーク補正表示手段は、前記画像信号の輝度レベルに応じて前記補間画像の輝度レベルを決定することを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1又は第2の画像と共に、前記第1又は第2の画像と補色関係を有する色の画像を前記補間画像とすることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1又は第2の画像を部分的に黒画に置換して前記補間画像とすることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記クロストーク補正表示手段は、黒画の補間画像と白画の補間画像とを時間的に所定の割合で振り分けて表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記クロストーク補正表示手段は、ユーザにより設定された設定値に基づいて前記補間画像を形成することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項13】
前記第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似しているかを判断する信号判断手段を有し、
前記信号判断手段により前記第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似していると判断される場合には、前記第1及び第2の画像の画像信号を前記表示部へ同時に出力することを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項14】
前記信号判断手段は、前記第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値の一画像内における積算値に基づいて、前記第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断することを特徴とする請求項13に記載の表示制御装置。
【請求項15】
前記信号判断手段は、前記第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値の一画像内における最大値に基づいて、前記第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断することを特徴とする請求項13に記載の表示制御装置。
【請求項16】
前記信号判断手段は、前記第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値が一画像内において所定のしきい値を超える回数に基づいて、前記第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断する、
ことを特徴とする請求項13に記載の表示制御装置。
【請求項17】
前記クロストーク補正表示手段の起動に応じて、前記表示部の有するバックライトの輝度を上昇させることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項18】
前記表示部は、前記第1及び第2の画像の視認できる方向を規定するための可動の視差バリアを備え、
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1及び第2の画像の一方の画像信号の出力に同期させて他方の画像を遮蔽するように前記視差バリアの遮光部を伸張させることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項19】
それぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面を備えた共通の表示部と、前記第1及び第2の画面に第1及び第2の画像を表示する表示制御手段とを有する表示装置であって、
前記表示制御手段は、前記第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、前記第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態とを交互に繰り返して前記第1及び第2の画像を交互に表示させるクロストーク補正表示手段を有することを特徴とする表示装置。
【請求項20】
共通の表示部に形成されたそれぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面に第1及び第2の画像を表示する表示方法であって、
前記第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、前記第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態を交互に繰り返して前記第1及び第2の画像を交互に表示することを特徴とする表示方法。
【請求項1】
共通の表示部に形成されたそれぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面に、第1及び第2の画像をそれぞれ表示させる表示制御装置であって、
前記第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、前記第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態とを交互に繰り返して前記第1及び第2の画像を交互に表示させるクロストーク補正表示手段を有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1又は第2の画像と共に黒画からなる補間画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1又は第2の画像と共に白画からなる補間画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1又は第2の画像と共に無彩色画からなる補間画像を表示させることを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1及び第2の画像の画像信号のコントラスト又はブライトネスを調整することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記クロストーク補正表示手段は、黒画と白画の間で前記補間画像の輝度レベルを調整することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記クロストーク補正表示手段は、前記表示部の周囲の明るさに応じて前記補間画像の輝度レベルを決定することを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記クロストーク補正表示手段は、前記画像信号の輝度レベルに応じて前記補間画像の輝度レベルを決定することを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1又は第2の画像と共に、前記第1又は第2の画像と補色関係を有する色の画像を前記補間画像とすることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1又は第2の画像を部分的に黒画に置換して前記補間画像とすることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記クロストーク補正表示手段は、黒画の補間画像と白画の補間画像とを時間的に所定の割合で振り分けて表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記クロストーク補正表示手段は、ユーザにより設定された設定値に基づいて前記補間画像を形成することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項13】
前記第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似しているかを判断する信号判断手段を有し、
前記信号判断手段により前記第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似していると判断される場合には、前記第1及び第2の画像の画像信号を前記表示部へ同時に出力することを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項14】
前記信号判断手段は、前記第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値の一画像内における積算値に基づいて、前記第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断することを特徴とする請求項13に記載の表示制御装置。
【請求項15】
前記信号判断手段は、前記第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値の一画像内における最大値に基づいて、前記第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断することを特徴とする請求項13に記載の表示制御装置。
【請求項16】
前記信号判断手段は、前記第1及び第2の画像の画像信号の差分値を算出すると共にこの差分値が一画像内において所定のしきい値を超える回数に基づいて、前記第1及び第2の画像の画像信号が一致又は近似するかを判断する、
ことを特徴とする請求項13に記載の表示制御装置。
【請求項17】
前記クロストーク補正表示手段の起動に応じて、前記表示部の有するバックライトの輝度を上昇させることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項18】
前記表示部は、前記第1及び第2の画像の視認できる方向を規定するための可動の視差バリアを備え、
前記クロストーク補正表示手段は、前記第1及び第2の画像の一方の画像信号の出力に同期させて他方の画像を遮蔽するように前記視差バリアの遮光部を伸張させることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項19】
それぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面を備えた共通の表示部と、前記第1及び第2の画面に第1及び第2の画像を表示する表示制御手段とを有する表示装置であって、
前記表示制御手段は、前記第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、前記第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態とを交互に繰り返して前記第1及び第2の画像を交互に表示させるクロストーク補正表示手段を有することを特徴とする表示装置。
【請求項20】
共通の表示部に形成されたそれぞれ異なる方向から視認できる第1及び第2の画面に第1及び第2の画像を表示する表示方法であって、
前記第1及び第2の画面に第1の画像及び補間画像をそれぞれ表示する第1の表示状態と、前記第1及び第2の画面に補間画像及び第2の画像をそれぞれ表示する第2の表示状態を交互に繰り返して前記第1及び第2の画像を交互に表示することを特徴とする表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2007−78923(P2007−78923A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264797(P2005−264797)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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