裁断対象検査装置、裁断対象検査方法、裁断対象検査装置用のプログラム、および、裁断対象検査システム
【課題】多段積みされた裁断対象を精度良く検査できる裁断対象検査装置等を提供する。
【解決手段】多段積みされた裁断対象Bkを検査する裁断対象検査装置において、所定形状のレーザ光L1、L2が投影された裁断対象の画像データを取得し(S7)、画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出し、抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出し(S8)、所定形状の情報と投影形状の情報とに基づき、多段積みされた裁断対象の良否を判定する(S11)。
【解決手段】多段積みされた裁断対象Bkを検査する裁断対象検査装置において、所定形状のレーザ光L1、L2が投影された裁断対象の画像データを取得し(S7)、画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出し、抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出し(S8)、所定形状の情報と投影形状の情報とに基づき、多段積みされた裁断対象の良否を判定する(S11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裁断対象を検査する裁断対象検査装置、裁断対象検査方法、裁断対象検査装置用のプログラム、および、裁断対象検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本や冊子等の印刷物が製本機で丁合いされた後、不要な部分を切り捨てる裁断が行われる。この断裁される後に、所定の位置で裁断されているか否かの検査が行われている。例えば、特許文献1には、面付け印刷物を所定の位置で断裁された小口印刷物の検査用マークをCCDカメラで拡大撮影し演算処理部に検査用マークの画像信号データを取り込み、検査用マークの縦方向、横方向の幅を測長し、判定基準値と比較して断裁位置の良否を判定する印刷物の断裁位置検査方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−12399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多段積みされた本等の裁断対象が搬送中に荷崩したり、ずれたりする可能性があるため、従来の検査方法では、本を1冊に分離し検査が行われていた。さらに、1冊ずつに分離された本を検査後に再び多段積みする必要があるため工程が増加し、生産能力が低下していた。
【0005】
そこで、本発明は上記の問題点等に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、多段積みされた裁断対象を精度良く検査できる裁断対象検査装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置において、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段と、前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段と、前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の裁断対象検査装置において、前記形状算出手段が、方程式を当てはめて投影形状の情報を算出することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の裁断対象検査装置において、前記所定形状が2本以上の直線であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、画像データ取得手段が、前記裁断対象が印刷物であって、表紙が貼られた印刷物の画像データを取得し、前記画像抽出手段が、当該画像データから前記印刷物のエッジ部分の画像を抽出し、前記形状算出手段が、前記抽出されたエッジ部分の画像からエッジ形状の情報を算出し、前記良否判定手段が、前記エッジ形状の情報から表紙のずれの有無を判定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の裁断対象検査装置において、前記多段積みされた印刷物に、所定位置に設置された光源からの光を照射したことを検出する光照射検出手段を更に備え、前記画像データ取得手段が、前記光照射検出手段により光が照射したことを検出した後に、前記印刷物の画像データを取得することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、前記画像データ取得手段が、裁断前後において、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得し、裁断前の投影形状の情報と、裁断後の投影形状の情報とから裁断量を算出する裁断量算出手段を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、前記投影形状の情報を記憶する記憶手段を更に備え、前記良否判定手段が、前記記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報と前記算出された投影形状の情報とを比較して、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、前記多段積みされた裁断対象が固定されたか否かを検出する固定検出手段を更に備え、前記画像データ取得手段が、前記固定検出手段により固定されたと検出された後に、前記裁断対象の画像データを取得することを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に記載の発明は、裁断対象検査装置が、多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査方法において、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得ステップと、前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出ステップと、前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出ステップと、前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に記載の発明は、多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置用のプログラムにおいて、コンピュータを、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段、前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段、前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段、および、前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に記載の発明は、多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光を投射するレーザ投射装置と、前記レーザ光が投影された裁断対象の画像を撮像する撮像装置と、前記多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置と、を備えた裁断対象検査システムにおいて、裁断対象検査装置が、前記レーザ投射装置によりレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを、前記撮像装置から取得する画像データ取得手段と、前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段と、前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段と、前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の裁断対象検査システムにおいて、前記レーザ投射装置によりレーザ光が投影された前記裁断対象の像を反射して、当該反射した像を前記撮像装置が撮像するための反射部を更に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、多段積みされた裁断対象に対して所定形状のレーザ光が投影され、所定形状のレーザ光が投影された裁断対象の画像データを取得し、画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出し、抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出し、所定形状の情報と投影形状の情報とに基づき、多段積みされた裁断対象の良否を判定することにより、多段積みされた裁断対象を精度良く検査できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る裁断システムの概要構成例を示す模式図である。
【図2】図1の制御装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図3】無線綴じ製本工程を示す模式図である。
【図4】図1の裁断装置に裁断対象を供給する動作例を示すフローチャートである。
【図5】図1の制御装置における裁断対象の検査の動作例を示すフローチャートである。
【図6】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図7】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図8】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図9】図5の画像の位置情報の算出のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図10】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図11】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図12】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図13】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図14】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図15】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図16】本発明の実施形態に係る裁断システムの第1変形例の概要構成例を示す模式図である。
【図17】本発明の実施形態に係る裁断システムの第2変形例の概要構成例を示す模式図である。
【図18】本発明の実施形態に係る裁断システムの第3変形例の概要構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、裁断システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.裁断システムおよび制御装置10の構成および機能概要]
(1.1 裁断システム1の構成および機能)
まず、本発明の一実施形態に係る裁断システムの構成および概要機能について、図1を用いて説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る裁断システム1の概要構成例を示す模式図である。
【0022】
図1に示すように、裁断システム1は、裁断システム1を制御する制御装置10(裁断対象検査装置の一例)と、多段積みされた裁断対象Bkを搬送する搬送装置20と、裁断対象Bkに光を当てる照明装置25と、多段積みされた裁断対象Bkを裁断する裁断装置30と、多段積みされた裁断対象Bkにレーザ光を投射するレーザ投射装置40と、多段積みされた裁断対象Bkを撮像する撮像装置50と、を備えている。
【0023】
制御装置10と、搬送装置20と、裁断装置30と、レーザ投射装置40と、撮像装置50とは、データを送受信するためのケーブルにより接続されていて、搬送装置20や裁断装置30等は、制御装置10により制御される。なお、制御装置10と、レーザ投射装置40と、撮像装置50とは、裁断対象検査システムの一例を構成する。
【0024】
制御装置10は、コントローラ(例えば、プログラマブルロジックコントローラ)として、搬送装置20による裁断対象Bkの搬送や、裁断装置30による裁断対象Bkの裁断を制御する。また、制御装置10は、レーザ投射装置40によるレーザ光の投射のタイミング、撮像装置50による裁断対象の撮像等を制御する。また、制御装置10は、撮像装置50からの画像データを画像処理する。
【0025】
搬送装置20は、裁断対象Bkを搬送する搬送部21と、制御装置10からの指令に従い搬送装置20を制御する制御部22とを有する。そして搬送装置20は、製本機で丁合され、糊付けされ、表紙が付けられた印刷物等の裁断対象Bkを多段積みされた状態で、搬送部21のコンベア等により裁断装置30まで搬送する。
【0026】
照明装置25は、蛍光灯、白熱電球、LED(Light Emitting Diode)照明等のライトである。照明装置25は、裁断装置30に設置された裁断対象Bkを照らす。なお、搬送装置20の制御部22を介して、制御装置10により、照明装置25のライトのオンオフが制御されている。照明装置25は、所定位置に設置された光源の一例である。
【0027】
裁断装置30は、裁断対象Bkを裁断する断裁刃部31と、多段積みされた裁断対象Bkを上方から押さえつける押さえ板部32と、制御装置10からの指令に従い裁断装置30を制御する制御部33と、を有する。断裁刃部31は、本の天・地・小口の三方向を裁断する断裁刃を有する。押さえ板部32は、エンコーダ付きの駆動部(図示せず)により、多段積みされた裁断対象Bkを押さえつける。駆動部のエンコーダにより、裁断対象Bkを押さえるために、押さえ板部32がどれだけ下降したかの位置が検出される。制御部33は、エンコーダの情報を読み取り、データを制御装置10に送信する。なお、駆動部は、断裁刃部31を下降させ裁断対象Bkを裁断する。
【0028】
レーザ投射装置40は、裁断対象Bkにレーザ光の投射するレーザ投射部41、42と、制御装置10からの指令に従いレーザ投射装置40を制御する制御部43と、を有する。レーザ投射部41は、スリットから線状(所定形状の一例)のレーザ光L1を、多段積みされた裁断対象Bkの側面(本束の地の面)に投射する。レーザ投射部42も、スリットから線状のレーザ光L2を、多段積みされた裁断対象Bkの側面に投射する。
【0029】
撮像装置50(画像データ取得手段の一例)は、CCD(Charge Coupled Device)イ
メージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ
等の撮像素子を有するデジタルカメラである。撮像装置50は、裁断対象Bkが多段積みされる方向が、撮像装置50により撮像される画像の向きのy軸(鉛直)となるように設置される。撮像装置50は、裁断装置30に設置された多段積みされた裁断対象Bkの画像を撮像する。
【0030】
(1.2 制御装置10の構成および機能)
次に、制御装置10の構成および機能について、図2を用いて説明する。
図2は、制御装置10の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、裁断対象検査装置として機能する制御装置10は、例えば、パーソナルコンピュータやプログラマブルロジックコントローラ等であり、通信部11と、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、入出力インターフェース部15と、システム制御部16とを備えている。そして、システム制御部16と入出力インターフェース部15とは、システムバス17を介して接続されている。
【0032】
通信部11は、制御部22と、制御部33と、制御部43と、撮像装置50と等とのデータや信号の送受信を行う。
【0033】
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム、制御用のプログラムや画像処理用のプログラム等を記憶する。
【0034】
表示部13は、例えば、液晶表示素子またはEL(Electro Luminescence)素子等によって構成されている。表示部13には、裁断システム1の制御するための入力情報や画像処理の結果等が表示される。
【0035】
操作部14は、例えば、キーボードおよびマウス等によって構成されている。ユーザは、操作部14を使用して、裁断システム1の制御するための入力情報を入力する。
【0036】
入出力インターフェース部15は、通信部11および記憶部12とシステム制御部16とのインターフェースである。
【0037】
システム制御部16は、例えば、CPU16aと、ROM16bと、RAM16cとを有する。システム制御部16は、CPU16aが、ROM16bや、RAM16cや、記憶部12に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。例えば、システム制御部16は、画像処理のプログラムを実行し、画商処理の結果に基づき、裁断対象の検査の判定を行う。
【0038】
[2.裁断システムの動作]
次に、本発明の1実施形態に係る裁断システムの動作について図3から図10を用いて説明する。
(2.1 製本工程)
まず、裁断対象が本等の印刷物である場合における製本工程について図3を用いて説明する。なお、製本工程の一例として無線綴じについて説明する。
【0039】
図3は、無線綴じ製本工程を示す模式図である。
【0040】
図3に示すように、無線綴じ製本工程は、印刷された折丁をページ順に集積する”(1)丁合い工程”と、丁合した折丁の背に切れ込みを入れる”(2)ミーリング工程”と、切れ込みを入れた背部に接着剤を塗布する”(3)塗布工程”と、塗布した接着剤に表紙を貼り付ける”(4)表紙付け工程”と、折部や余白を切断して本を所定のサイズにする”(5)断裁工程”と、を有する。なお、(5)の断裁工程は、(4)の表紙付け工程により表紙付けされた印刷物が、多段積みされた状態で行われる。(5)の断裁工程について、次の”裁断対象の供給”および”裁断対象の検査”で詳細に説明する。なお、裁断対象の一例である印刷物は、無線綴じ製本に限らず、平とじ製本や中綴じ製本でもよい。
【0041】
(2.2 裁断対象の供給)
次に、多段積みされた裁断対象を裁断装置30に供給する動作について図4を用いて説明する。
図4は、裁断装置30に裁断対象Bkを供給する動作例を示すフローチャートである。
【0042】
図4に示すように、裁断システム1は、多段積みされた裁断対象を受け入れる(ステップS1)。具体的には、図1に示すように、表紙付けされた印刷物(裁断対象Bk)が多段積みされた状態で、搬送装置20に供給される。なお、図1に示すように、印刷物の向きは、揃えて多段積みする。
【0043】
次に、裁断システム1は、裁断対象を整える(ステップS2)。具体的には、本束等の多段積みされた裁断対象Bkは、搬送装置20の側壁やガイドを利用し、整列される。
【0044】
次に、裁断システム1は、裁断装置30に裁断対象Bkを供給する(ステップS3)。具体的には、整列された裁断対象Bkは、裁断装置30の断裁ステージ上に搬送される。
【0045】
(2.3 裁断対象の検査)
次に、裁断対象の検査について図5〜図8を用いて説明する。
図5は、制御装置10における裁断対象Bkの検査の動作例を示すフローチャートである。図6および図7は、多段積みされた裁断対象Bkに所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【0046】
図5に示すように、制御装置10は、搬送装置20から供給された多段積みされた裁断対象Bkの固定を確認する(ステップS5)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、裁断装置30の断裁ステージ上に搬送された裁断対象Bkの束を、押さえ板部32により上面から押さえるように指令の信号を裁断装置30の制御部33に送信する。そして、裁断装置30の制御部33は、駆動部により押さえ板部32を下降させ、駆動部のエンコーダや位置センサで機械位置情報を検出し所定の位置で停止させる。裁断装置30の制御部33は、裁断対象Bkの押さえが終了した信号を制御装置10に送信する。制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bkの押さえが終了した信号を制御装置10から受信して、多段積みされた裁断対象Bkの押さえを確認する。このように制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象が固定されたか否かを検出する固定検出手段の一例として機能する。
【0047】
次に、制御装置10は、レーザ光の投射と、照明装置25の点灯とを行う(ステップS6)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ投射装置40にレーザを投射させる指令を送信する。そして、レーザ投射装置40の制御部43は、図1や図6に示すように、複数本のレーザ光(例えば、2本のレーザ光L1、L2)を、レーザ投射部41およびレーザ投射部41から、多段積みされた裁断対象Bkの側面(本束の地の面)に投射する。2本のレーザ光L1、L2は、多段積みされた裁断対象Bkに対してほぼ垂直である。また、制御装置10のシステム制御部16は、照明装置25のライトがオンにする指令を、搬送装置20の制御部22に送信する。搬送装置20の制御部22は、照明装置25を点灯させる。照明装置25は、多段積みされた裁断対象Bkの背面側を照らす。なお、2本のレーザ光L1、L2は、所定形状が2本以上の直線の一例であり、平行でも非平行でもよい。
【0048】
次に、制御装置10は、画像を撮像する(ステップS7)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、撮像装置50に撮像の指令を送信する。撮像装置50は、レーザ投射装置40にレーザ光L1、L2が投射され、照明装置25に照らされた裁断対象Bkの側面と背面とを含む画像を撮像する。このように制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた印刷物に、所定位置に設置された光源からの光を照射したことを検出する光照射検出手段の一例として機能する。
【0049】
次に、制御装置10は、画像の位置情報を算出する(ステップS8)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、撮像装置50のカメラにより撮影された画像の画像データを取得して、当該画像データに基づき、画像の特定部分の位置情報を算出する。例えば、制御装置10のシステム制御部16は、各裁断対象Bkにレーザ光L1、L2が投射されている箇所の位置情報(投影形状の情報の一例)や、各裁断対象Bkの背端部の位置情報(エッジ形状の情報の一例)等を算出する(画像の位置情報の算出のサブルーチンで詳述)。
【0050】
次に、制御装置10は、予定裁断量を算出する(ステップS9)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、予め登録された基準位置情報(記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報の一例)と、算出されて位置情報とを比較して、予定裁断量を算出する。基準位置情報と算出されて位置情報との差が少ないと、予定裁断量は少なくなる。なお、基準位置情報は、各裁断対象Bkが、ずれが無いように多段積みされた場合(多段積みされた裁断対象Bkが良品の場合)における、レーザ光が投射された位置情報および印刷物の背端部の位置情報である。
【0051】
次に、制御装置10は、位置情報および予定裁断量を記憶する(ステップS10)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、記憶部12に、算出した位置情報(投影形状の情報一例)および予定裁断量を記憶する。なお、例えば、裁断が初回の場合や、基準位置を出すために裁断装置30の断裁ステージ上で、多段積みされた裁断対象Bkが整えられた場合において、多段積みされた裁断対象Bkを、裁断装置30の断裁ステージ上に設定した場合は、制御装置10のシステム制御部16は、算出した位置情報を、基準位置情報として記憶する。このように制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報を記憶する記憶手段の一例として機能する。
【0052】
次に、制御装置10は、裁断可能か否かを判定する(ステップS11)。レーザ投射部41やレーザ投射部42から真っ直ぐな線状(所定形状の一例)のレーザ光を投射した場合、レーザ光は、図6に示すように、本等の裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の位置ずれが無い場合、ほぼ真っ直ぐな線(投影形状の一例)として、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に投影されるが、裁断対象の積み方に位置ずれが有る場合、裁断対象間に投射したレーザ光に段差(投影形状の一例)が生じて投影される。制御装置10のシステム制御部16は、所定形状を直線として、当該直線(所定形状の情報の一例)と、算出した位置情報(投影形状の情報の一例)とから、直線との差を段差の量として算出する。この段差の量が所定値より大きい場合、制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定する。また、この段差の量が所定値より等しいか小さい場合、制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象が良と判定し、裁断が可能と判定する。この場合は、各裁断対象Bk1、Bk2、Bk3が相対的にずれている場合である。このように制御装置10のシステム制御部16は、所定形状の情報と投影形状の情報とに基づき、多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段の一例として機能する。
【0053】
また、制御装置10のシステム制御部16は、算出した位置情報(投影形状の情報の一例)と、予め登録された基準位置情報(記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報の一例)とを比較して、例えば、算出した位置情報と基準位置情報との差(予定裁断量)が、設定した判定範囲を超えた場合、裁断が不可能と判定してもよい。この場合は、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3が、全体的に基準位置からずれている場合である。なお、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS10で記憶した予定裁断量を記憶部から読み出し、予定裁断量が設定した判定範囲を超えたか否かを判定してもよい。このように制御装置10のシステム制御部16は、記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報と算出された投影形状の情報とを比較して、多段積みされた裁断対象Bkの良否を判定する良否判定手段の一例として機能する。
【0054】
また、制御装置10のシステム制御部16は、各裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の背端部の位置情報(エッジ形状の情報の一例)から、各裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の表紙のずれの有無を判定する。例えば、図8に示すように、裁断対象Bk3の表紙がずれているので、このずれが所定値以上の場合に、制御装置10のシステム制御部16は、裁断が不可能と判定してもよい。このように制御装置10のシステム制御部16は、エッジ形状の情報から表紙のずれの有無を判定する良否判定手段の一例として機能する。
【0055】
次に、裁断可能の場合(ステップS11;YES)、制御装置10は裁断指令を送信する(ステップS12)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、裁断装置30の制御部33に裁断指令を送信する。そして、裁断装置30の制御部33は、断裁刃部31の裁断刃を下降させ、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3をまとめて裁断する。切断した断裁片(不要部)は自由落下もしくはエアー等で回収溝へ排出される。
【0056】
裁断不可能の場合(ステップS11;NO)、制御装置10のシステム制御部16は、断裁前に裁断装置30を停止させる指令の信号を裁断装置30の制御部33に送信する。裁断装置30は裁断の動作を停止する。
【0057】
次に、ステップS12での裁断の後、制御装置10は、裁断後の位置情報を取得するために、ステップS6〜ステップS10と同様なステップS13〜ステップS17の処理を行う。
【0058】
制御装置10は、レーザ光の投射と、照明装置25の点灯とを行う(ステップS13)。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS6と同様の処理を行う。
【0059】
次に、制御装置10は、画像を撮像する(ステップS14)。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS7と同様の処理を行い、裁断対象の画像を撮像する。
【0060】
次に、制御装置10は、画像の位置情報を算出する(ステップS15)。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS8と同様の処理を行い、画像の位置情報を算出する。
【0061】
次に、制御装置10は、裁断量を算出する(ステップS16)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、記憶部12から、裁断前に算出されて位置情報(裁断前の投影形状の情報の一例)を取得し、この裁断前に算出されて位置情報と、ステップS15で算出した位置情報(裁断後の投影形状の情報)とを比較して、実際に裁断された裁断量を算出する。このように制御装置10のシステム制御部16は、裁断前の投影形状の情報と、裁断後の投影形状の情報とから裁断量を算出する裁断量算出手段の一例として機能する。
【0062】
次に、制御装置10は、位置情報および裁断量を記憶する(ステップS17)。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS10と同様の処理を行い、位置情報および裁断量を記憶する。記憶された位置情報および裁断量は、品質管理等に利用される。
【0063】
(2.4 画像の位置情報の算出のサブルーチン)
次に、画像の位置情報の算出のサブルーチンについて、図を用いて説明する。
図9は、画像の位置情報の算出のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。図10および図11は、多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【0064】
制御装置10は、画像データを取り込む(ステップS20)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS7やステップS14において撮像装置50から撮像された画像の画像データを取得する。図6や図7に示すように、撮像された画像の中には、レーザ光L1、L2が投影された裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の画像や表紙が貼られた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の背面の画像がある。図6に示すように、2次元の画像51が撮像され、画像51のx軸およびy軸が設定されている(図7等についても同様)。
【0065】
なお、制御装置10のシステム制御部16は、照明装置25により光が照らされ、かつ、レーザ投射装置40によりレーザが投射された状態で、撮像装置50により撮像された画像の画像データを取得しているが、レーザ光L1、L2が投影された状態での画像と、照明装置25により光が照らされた画像とを、別々に撮像して、各々の画像データを取得してもよい。すなわち、制御装置10のシステム制御部16は、照明装置25により光を照らさず、レーザ投射装置40によりレーザが投射された状態で撮像した画像の画像データと、照明装置25により光を照らし、レーザ投射装置40によりレーザが投射されない状態で撮像した画像の画像データとを取得する。
【0066】
このように制御装置10のシステム制御部16は、所定形状のレーザ光が投影された裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。また、制御装置10のシステム制御部16は、前記裁断対象が印刷物であって、表紙が貼られた印刷物の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。また、制御装置10のシステム制御部16は、光照射検出手段により光が照射したことを検出した後に、印刷物の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。また、制御装置10のシステム制御部16は、裁断前後において、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。また、制御装置10のシステム制御部16は、固定検出手段により固定されたと検出された後に、裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。
【0067】
次に、制御装置10は、前処理を行う(ステップS21)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、画像から雑音等をフィルタリング処理で取り除く。
【0068】
次に、制御装置10は、画像のエッジを抽出する(ステップS22)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、画像データに対して微分処理等を行い、エッジ部分を抽出する。例えば、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光が投影された部分の画像(レーザ光L1とレーザ光L2の部分)を抽出する。また制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の縁や角部分の画像を抽出する。また、図8に示すように、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk3の表紙がずれている場合、表紙と、裁断対象Bk3の背部分で表紙が貼られていない部分との境界線の部分の画像や、表紙がずれて、はみ出した端の部分の画像を抽出する。このように制御装置10のシステム制御部16は、画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段の一例として機能する。また制御装置10のシステム制御部16は、画像データから印刷物のエッジ部分の画像を抽出する画像抽出手段の一例として機能する。
【0069】
次に、制御装置10は、抽出したエッジに方程式を当てはめる(ステップS23)。図6に示すような場合、制御装置10のシステム制御部16は、抽出されたレーザ光L2の部分に、直線の方程式を当てはめる。例えば、制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報の一例として、画像51のy軸方向のレーザ光L1の部分の画素のデータから、x=xa0の直線、画像のy軸方向のレーザ光L2の部分の画素のデータからx=xb0の直線の方程式を算出する。制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L2、L1の投影形状は、基本的に、y軸方向の直線と分かっているので、最小自乗法等により方程式を算出する。また、エッジ形状の情報の一例として、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の端の部分から、直線x=xe0を算出する。なお、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1やレーザ光L2が床面等に投影した画像から直線ya0や直線yb0の方程式を算出してもよい。
【0070】
また、裁断が初回の場合や、基準位置を出すために裁断装置30の断裁ステージ上で、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3が整えられた場合において、図6における、これらの直線x=xa0、直線x=xb0、直線x=xe0、直線ya0、および直線yb0は、基準の直線となる。
【0071】
また、図7に示すように、裁断対象Bk2が天側にずれている場合、制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報の一例として、画像のy軸方向のレーザ光L1の部分の画素のデータから直線x=xa1および直線x=xaの方程式を、画像のy軸方向のレ
ーザ光L2の部分の画素のデータから直線x=xb1および直線x=xbの方程式を算出す
る。また、エッジ形状の情報の一例として、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の端の部分から、直線x=xe1および直線x=xe2を算出する。また制御装置10のシステム制御部16は、画像のx方向のレーザ光L1の部分の画像から、直線y=ya1および直線y=ya2等の方程式を算出する。
【0072】
また、図8に示すように、裁断対象Bk3の表紙が天側にずれている場合、制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報の一例として、画像のy軸方向のレーザ光L1の部分の画素のデータから直線x=xa0の方程式を、画像のy軸方向のレーザ光L2の部分の画素のデータから直線x=xb0の方程式を算出する。また、エッジ形状の情報の一例として、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の端の部分から、印刷物の背端部の直線x=xe0および直線x=xe1の方程式を算出する。
【0073】
また、図10に示すように、裁断対象Bk2が小口側にずれている場合、制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報の一例として、画像のy軸方向のレーザ光L1の部分の画素のデータから直線x=xa0を、画像のy軸方向のレーザ光L2の部分の画素のデータから直線x=xb0の方程式を算出する。また、エッジ形状の情報の一例として、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の端の部分から、直線x=xe3および直線x=xe4の方程式を算出する。
【0074】
また、図11に示すように、裁断対象Bk2が天側と小口側に回転してずれている場合、制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報の一例として、例えば、画像のy軸方向のレーザ光L1の部分の画素のデータから直線x=xa5および直線x=xa6の方程式を算出し、画像のy軸方向のレーザ光L2の部分の画素のデータから直線x=xb5および直線x=xb6の方程式を算出する。また、エッジ形状の情報の一例として、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の端の部分から、直線x=xe5および直線x=xe6の方程式を算出する。
【0075】
このように制御装置10のシステム制御部16は、前記形状算出手段が、方程式を当てはめて投影形状の情報を算出する形状算出手段の一例として機能する。また、制御装置10のシステム制御部16は、抽出されたエッジ部分の画像からエッジ形状の情報を算出する形状算出手段の一例として機能する。
【0076】
次に、制御装置10は、画像の位置情報を算出する(ステップS24)。制御装置10のシステム制御部16は、算出された直線x=xa0、直線x=xb0、直線x=xe0、直線ya0および直線yb0の方程式を画像の位置情報とする。また、裁断が初回の場合や、基準位置を出すために裁断装置30の断裁ステージ上で、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3が整えられた場合においては、制御装置10のシステム制御部16は、算出された直線x=xa0、直線x=xb0、直線x=xe0、直線ya0、および直線yb0を、基準位置情報とする。このように制御装置10のシステム制御部16は、抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段の一例として機能する。
【0077】
画像の位置情報を算出した後、制御装置10は、ステップS9において予定裁断量を算出する。例えば、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa0と、レーザ光L1の基準位置情報の直線とのx軸方向の差を算出し、この差から、撮像装置50が設置された関係および裁断対象の地側面の角度関係に基づき、予定裁断量を算出する。なお、制御装置10のシステム制御部16は、直線x=xb0、直線x=xe0、直線ya0および直線yb0を用いて予定裁断量を算出してもよい。
【0078】
図7の場合、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa1と、レーザ光L1の基準位置情報の直線とのx軸方向の差を算出して予定裁断量を算出する。図10の場合、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa3と、レーザ光L1の基準位置情報の直線とのx軸方向の差を算出して予定裁断量を算出する。図11の場合、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa5と、レーザ光L1の基準位置情報の直線とのx軸方向の差を算出して予定裁断量を算出する。
【0079】
また、画像の位置情報を算出した後、制御装置10は、ステップS19において裁断量を算出する。例えば、制御装置10のシステム制御部16は、裁断前のレーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa0と、裁断後のレーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa0とのx軸方向の差を算出し、この差から、撮像装置50が設置された関係および裁断対象の地側面の角度関係に基づき、裁断量を算出する。
【0080】
次に、ステップS11における裁断可能か否かを判定について、図6〜図8、図11、図12を用いて説明する。
【0081】
図6の場合、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3のずれがないので、レーザ光L1の投影形状に段差がない。レーザ光L1の所定形状は直線(直線x=xa0に対応)で、算出したレーザ光L1の投影形状は、一本の直線x=xa0(投影形状の情報の一例)であるため、制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に段差がないとして、良と判定し、裁断可能と判定する。
【0082】
図7の場合、裁断対象Bk2が天側にずれているので、レーザ光L1やレーザ光L2の投影形状に段差が生じる。制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の所定形状に対応する直線x=xa1と、レーザ光L1の投影形状に対応する直線x=xa2との差の情報(xa2−xa1)を、段差の量として、所定値より大きい場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定する。また、裁断対象の一例である印刷物の背端部の直線に段差が生じるので、制御装置10のシステム制御部16は、印刷物の背端部の直線x=xe1および直線x=xe2の差の情報(xe2−xe1)を、段差の量として、所定値より大きい場合、不良と判定し、裁断が不可能と判定する。なお、所定形状が1本の直線のレーザ光L1に対する投影形状の情報が、直線x=xa1、直線x=xa2、および、直線y=ya2と増えるので、制御装置10のシステム制御部16は、所定形状に対応する直線の数が所定数増加した場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。
【0083】
図8の場合、裁断対象Bk3の表紙が地側にずれているので、裁断対象の一例である印刷物の背端部の直線に段差が生じる。制御装置10のシステム制御部16は、印刷物の背端部の直線x=xe0および直線x=xe1の差の情報(xe1−xe0)を、段差の量として、所定値より大きい場合、裁断が不可能と判定する。
【0084】
図10の場合、裁断対象Bk2が小口側にずれているので、裁断対象の一例である印刷物の背端部の直線に段差が生じる。制御装置10のシステム制御部16は、印刷物の背端部の直線x=xe3および直線x=xe4の差の情報(xe4−xe3)を、段差の量として、所定値より大きい場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定する。
【0085】
図11の場合、裁断対象Bk2が天側と小口側に回転してずれているので、レーザ光L1やレーザ光L2の投影形状に段差が生じる。制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の所定形状に対応する直線x=xa5と、レーザ光L1の投影形状に対応する直線x=xa6との差の情報(xa6−xa5)を、段差の量として、所定値より大きい場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定する。また、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L2の所定形状に対応する直線x=xb1と、レーザ光L2の投影形状に対応する直線x=xb2との差の情報(xa6−xa5)を、段差の量として、所定値より大きい場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。また、所定形状が1本の直線のレーザ光L1に対する投影形状の情報が、直線x=xa1および直線x=xa2の2本と増えるので、制御装置10のシステム制御部16は、所定形状に対応する直線の数が増加した場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。
【0086】
さらに、図11の場合、裁断対象Bk2が天側と小口側に回転してずれていて、レーザ光L1の段差の量(xa6−xa5)と、レーザ光L2の段差の量(xa6−xa5)とが異なる。制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の段差の量(xa6−xa5)と、レーザ光L2の段差の量(xa6−xa5)とから、裁断対象Bk2がずれた角度を算出してもよい。
【0087】
以上、本実施形態によれば、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に対して所定形状のレーザ光L1、L2が投影され、所定形状のレーザ光が投影された裁断対象の画像データを取得し、画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出し、抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出し、所定形状の情報と投影形状の情報とに基づき、多段積みされた裁断対象の良否を判定することにより、多段積みされた裁断対象にずれがある場合、レーザ光の所定形状と投影形状との差が明確に現れやすく、多段積みされた裁断対象を精度良く検査できる。
【0088】
また、本実施形態によれば、自動的に多段積みされた裁断対象の良否判定ができ、省力化でき、人の目視に比べ、客観的に判定でき、生産性の向上が図られる。
【0089】
また、本実施形態によれば、断裁前に裁断動作を停止させ、多段積みされた裁断対象の位置を修正することが可能となり不良品の発生を抑制するができる。
【0090】
また、制御装置10のシステム制御部16が、抽出したエッジに方程式を当てはめて投影形状の情報を算出する場合、投影形状を方程式でパラメータ化でき、所定形状との差を数値化しやすくなり、裁断対象の良否判定が評価しやすくなる。
【0091】
また、制御装置10のシステム制御部16が、所定形状が2本の直線である場合、図11に示すように、裁断対象Bk2の回転方向のずれを算出することができる。また、所定形状が2本の直線が平行であると、回転方向のずれが算出しやすい。
【0092】
また、制御装置10のシステム制御部16が、図8に示すように、裁断対象が印刷物であって、表紙が貼られた印刷物の画像データを取得し、該画像データから印刷物のエッジ部分の画像を抽出し、抽出されたエッジ部分の画像からエッジ形状の情報(直線x=xe0および直線x=xe1)を算出し、エッジ形状の情報から表紙のずれの有無を判定する場合、表紙の貼り方のずれが検出できる。また、表紙の貼り方にずれがある場合に、制御装置10のシステム制御部16は、裁断装置30の裁断を停止させることができる。
【0093】
また、制御装置10のシステム制御部16が、多段積みされた印刷物に、所定位置に設置された光源からの光を照射したことを検出し、光が照射したことを検出した後に、印刷物の画像データを取得する場合、照明装置25のライトで、裁断対象の一例である印刷物のエッジ部分が検出されやすくなる。
【0094】
また、制御装置10のシステム制御部16が、裁断前後において、所定形状のレーザ光が投影された裁断対象の画像データを取得し、裁断前の投影形状の情報と、裁断後の投影形状の情報とから裁断量を算出する場合、裁断量がわかり、品質管理がしやすくなる。
【0095】
また、制御装置10のシステム制御部16が、投影形状の情報を記憶し、記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報と算出された投影形状の情報とを比較して、多段積みされた裁断対象の良否を判定する場合、裁断装置30に供給されて設置された裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の位置や予定裁断量がわかり、位置のずれが大きい場合や予定裁断量が所定量より大きい場合、裁断を停止させて不良品の発生を防止することができる。
【0096】
また、制御装置10のシステム制御部16が、多段積みされた裁断対象が押さえ板部32により固定されたか否かを検出し、固定されたと検出された後に、裁断対象の画像データを取得する場合、裁断対象の姿勢が安定した状態で検査するので、安定した検査結果を得ることができる。
【0097】
次に、レーザ光の所定形状の変形例について図12〜図15を用いて説明する。
【0098】
図12〜図15は、多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【0099】
図12に示すように、レーザ投射装置40は、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に対して、所定形状の一例として線状のレーザ光L3を斜めに投射してもよい。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS23において、投影形状の情報の一例として、直線yc1、直線yc2、および、直線yc3の方程式を算出する。そして、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS24において、算出した直線yc1、直線yc2、および、直線yc3の方程式を画像の位置情報とする。
【0100】
制御装置10のシステム制御部16は、ステップS9やステップS16において、直線yc1と直線yc2とのx軸方向の差から、裁断量を算出する。また、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS11において、直線yc1と直線yc2とのx軸方向の差が所定値より大きい場合、裁断が不可能と判定する。なお、所定形状が1本の直線のレーザ光L3に対する投影形状の情報が、直線yc1、直線yc2、および、直線yc3と増えるので、制御装置10のシステム制御部16は、所定形状に対応する直線の数が所定数増加した場合、裁断が不可能と判定してもよい。また、直線yc3のように、角度が異なる投影形状の直線が現れるので、直線yc1、直線yc2、および、直線yc3間の各々の角度が、所定角度以上の場合、制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。
【0101】
図13に示すように、レーザ投射装置40は、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に対して、所定形状の一例として三角形状のレーザ光T1を投射してもよい。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS23において、投影形状の情報の一例として、直線yd1、直線yd2、直線yd3、直線yd4、直線yd5、直線yd6、および、直線yd7の方程式を算出する。そして、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS24において、直線yd1、直線yd2、直線yd3、直線yd4、直線yd5、直線yd6、および、直線yd7の方程式を画像の位置情報とする。なお、レーザ投射装置40は3つのレーザ投射部を有し、各レーザ投射部から、三角形状のレーザ光の一辺が投射される。
【0102】
制御装置10のシステム制御部16は、ステップS9やステップS16において、直線yd2と直線yd5とのx軸方向の差から、裁断量を算出する。また、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS11において、直線yd2と直線yd5とのx軸方向の差や、直線yd3と直線yd4とのx軸方向の差が所定値より大きい場合、裁断が不可能と判定する。なお、所定形状が3本の直線のレーザ光T1に対する投影形状の情報が、直線yd1、直線yd2、直線yd3、直線yd4、直線yd5、直線yd6、および、直線yd7と増えるので、制御装置10のシステム制御部16は、所定形状に対応する直線の数が所定数増加した場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。なお、レーザ光T1は、3本の直線でもあるので、所定形状が2本以上の直線の一例である。
【0103】
図14に示すように、レーザ投射装置40は、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に対して、所定形状の一例として円形状のレーザ光C1を投射してもよい。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS23において、投影形状の情報の一例として、楕円ca1、楕円ca2、および、楕円ca3の方程式を算出する。制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光C1の投影形状の画素データに対して、楕円の方程式を当てはめ、最小自乗法等により楕円の方程式のパラメータを算出する。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS9やステップS16において、楕円ca1の中心と楕円ca3の中心とのx軸方向の距離から、裁断量を算出する。なお、レーザ投射装置40レーザ投射部から投射されたレーザ光を、回転するミラーに反射させて、円形状のレーザ光を生成してもよい。
【0104】
また、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS11において、楕円ca1の中心と楕円ca3の中心とのx軸方向の距離が所定値より大きい場合、裁断が不可能と判定する。なお、所定形状が1つの円のレーザ光C1に対する投影形状の情報が、楕円ca1、楕円ca2、および、楕円ca3と増えるので、制御装置10のシステム制御部16は、所定形状に対応する楕円の数が所定数増加した場合、裁断が不可能と判定してもよい。また、楕円ca2のように、楕円の長軸方向の角度が異なる投影形状の楕円が現れるので、楕円ca1の長軸、楕円ca2の長軸、および、楕円ca3の長軸間の各々の角度が、所定角度以上の場合、制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。
【0105】
次に、図15に示すように、レーザ投射部41が、レーザ光L1を、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の地側に照射し、レーザ投射部42が、レーザ光L2を、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の背表紙側に照射してもよい。このように裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の異なる面にレーザが照射される。この場合、照明装置25のライトはオフでもよく、制御装置10のシステム制御部16は、照明無しで、天側−地側の位置のずれの量、および、小口側−背表紙側の位置のずれの量を算出することができる。
【0106】
なお、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の地側に2本のレーザ光、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の背表紙側に2本のレーザ光が照射されるようにしてもよい。この場合、ずれの量をより正確に算出することができる。
【0107】
なお、上述した実施形態は、裁断対象として、板状のプラスティックや金属等でも適用可能である。
【0108】
[3.裁断システムの変形例]
次に、裁断システムの変形例について、図16から図18を用いて説明する。
【0109】
図16から図18は、本発明の実施形態に係る裁断システムの第1から第3変形例の概要構成例を示す模式図である。なお、前記実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を用いて異なる構成および作用のみを説明する。
【0110】
図16に示すように、第1変形例の裁断システム2は、更に、反射部の一例であるミラーM1、M2を備える。
【0111】
ミラーM1、M2は、光を反射する面を有する。ミラーM1、M2は、レーザ投射装置40によりレーザ光が投影された裁断対象の像を反射する。
【0112】
まず、ミラーM2の反射面に、レーザ光が投影された裁断対象の像が映る。そして、ミラーM2により反射された像が、さらに、ミラーM1の反射面に映る。撮像装置50が、ミラーM1、M2により、2回反射した像(反転していない像)を撮像する。
【0113】
図1に示すような位置に撮像装置50が設置できない場合でも、ミラーM1、M2により、撮像装置50の設置の自由度が増加する。
【0114】
次に、図17に示すように、第2変形例の裁断システム3は、更に、反射部の一例であるミラーM3を備える。
【0115】
ミラーM3は、撮像装置50を設置するスペースがない場合、特に縦長の撮像装置50をほぼ垂直に、撮像装置50が、撮像方向を下向きに設置される。撮像装置50が、ミラーM3に映ったレーザ光が投影された裁断対象の像を撮像する。
【0116】
なお、撮像装置50は、像は左右反転している画像を撮像するが、制御装置10は、画像処理より、反転していない画像に戻してもよい。また、制御装置10は、像が反転した画像まま、ステップS5からステップS17の処理を行ってもよい。
【0117】
次に、図18に示すように、第3変形例の裁断システム4は、更に、反射部の一例であるミラーM4を備える。
【0118】
ミラーM4は、裁断対象Bkの小口側の像を反射して、撮像装置50の方に映し出す。
【0119】
レーザ投射装置40のレーザ投射部41、42からのレーザ光が、裁断対象Bkの小口側に照射される。撮像装置50は、ミラーM4には映ったレーザ光L3、L4を撮像する。
【0120】
このように、ミラーM4は、撮像装置50から死角の像を映し出すことができる。また、制御装置10は、裁断対象Bkの小口側のずれを、測定することによって、裁断対象Bkの地側のずれと合わせて、裁断対象Bkのずれの量をより正確に算出することができる。
【符号の説明】
【0121】
1:裁断システム
10:制御装置(裁断対象検査装置)
25:照明装置
30:裁断装置
40:レーザ投射装置
50:撮像装置
Bk、Bk1、Bk2、Bk3:裁断対象
L1、L2、L3、T1、C1:レーザ光
M1、M2、M3、M4:ミラー(反射部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、裁断対象を検査する裁断対象検査装置、裁断対象検査方法、裁断対象検査装置用のプログラム、および、裁断対象検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本や冊子等の印刷物が製本機で丁合いされた後、不要な部分を切り捨てる裁断が行われる。この断裁される後に、所定の位置で裁断されているか否かの検査が行われている。例えば、特許文献1には、面付け印刷物を所定の位置で断裁された小口印刷物の検査用マークをCCDカメラで拡大撮影し演算処理部に検査用マークの画像信号データを取り込み、検査用マークの縦方向、横方向の幅を測長し、判定基準値と比較して断裁位置の良否を判定する印刷物の断裁位置検査方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−12399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多段積みされた本等の裁断対象が搬送中に荷崩したり、ずれたりする可能性があるため、従来の検査方法では、本を1冊に分離し検査が行われていた。さらに、1冊ずつに分離された本を検査後に再び多段積みする必要があるため工程が増加し、生産能力が低下していた。
【0005】
そこで、本発明は上記の問題点等に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、多段積みされた裁断対象を精度良く検査できる裁断対象検査装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置において、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段と、前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段と、前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の裁断対象検査装置において、前記形状算出手段が、方程式を当てはめて投影形状の情報を算出することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の裁断対象検査装置において、前記所定形状が2本以上の直線であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、画像データ取得手段が、前記裁断対象が印刷物であって、表紙が貼られた印刷物の画像データを取得し、前記画像抽出手段が、当該画像データから前記印刷物のエッジ部分の画像を抽出し、前記形状算出手段が、前記抽出されたエッジ部分の画像からエッジ形状の情報を算出し、前記良否判定手段が、前記エッジ形状の情報から表紙のずれの有無を判定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の裁断対象検査装置において、前記多段積みされた印刷物に、所定位置に設置された光源からの光を照射したことを検出する光照射検出手段を更に備え、前記画像データ取得手段が、前記光照射検出手段により光が照射したことを検出した後に、前記印刷物の画像データを取得することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、前記画像データ取得手段が、裁断前後において、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得し、裁断前の投影形状の情報と、裁断後の投影形状の情報とから裁断量を算出する裁断量算出手段を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、前記投影形状の情報を記憶する記憶手段を更に備え、前記良否判定手段が、前記記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報と前記算出された投影形状の情報とを比較して、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、前記多段積みされた裁断対象が固定されたか否かを検出する固定検出手段を更に備え、前記画像データ取得手段が、前記固定検出手段により固定されたと検出された後に、前記裁断対象の画像データを取得することを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に記載の発明は、裁断対象検査装置が、多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査方法において、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得ステップと、前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出ステップと、前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出ステップと、前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に記載の発明は、多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置用のプログラムにおいて、コンピュータを、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段、前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段、前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段、および、前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に記載の発明は、多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光を投射するレーザ投射装置と、前記レーザ光が投影された裁断対象の画像を撮像する撮像装置と、前記多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置と、を備えた裁断対象検査システムにおいて、裁断対象検査装置が、前記レーザ投射装置によりレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを、前記撮像装置から取得する画像データ取得手段と、前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段と、前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段と、前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の裁断対象検査システムにおいて、前記レーザ投射装置によりレーザ光が投影された前記裁断対象の像を反射して、当該反射した像を前記撮像装置が撮像するための反射部を更に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、多段積みされた裁断対象に対して所定形状のレーザ光が投影され、所定形状のレーザ光が投影された裁断対象の画像データを取得し、画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出し、抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出し、所定形状の情報と投影形状の情報とに基づき、多段積みされた裁断対象の良否を判定することにより、多段積みされた裁断対象を精度良く検査できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る裁断システムの概要構成例を示す模式図である。
【図2】図1の制御装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図3】無線綴じ製本工程を示す模式図である。
【図4】図1の裁断装置に裁断対象を供給する動作例を示すフローチャートである。
【図5】図1の制御装置における裁断対象の検査の動作例を示すフローチャートである。
【図6】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図7】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図8】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図9】図5の画像の位置情報の算出のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図10】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図11】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図12】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図13】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図14】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図15】多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【図16】本発明の実施形態に係る裁断システムの第1変形例の概要構成例を示す模式図である。
【図17】本発明の実施形態に係る裁断システムの第2変形例の概要構成例を示す模式図である。
【図18】本発明の実施形態に係る裁断システムの第3変形例の概要構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、裁断システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.裁断システムおよび制御装置10の構成および機能概要]
(1.1 裁断システム1の構成および機能)
まず、本発明の一実施形態に係る裁断システムの構成および概要機能について、図1を用いて説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る裁断システム1の概要構成例を示す模式図である。
【0022】
図1に示すように、裁断システム1は、裁断システム1を制御する制御装置10(裁断対象検査装置の一例)と、多段積みされた裁断対象Bkを搬送する搬送装置20と、裁断対象Bkに光を当てる照明装置25と、多段積みされた裁断対象Bkを裁断する裁断装置30と、多段積みされた裁断対象Bkにレーザ光を投射するレーザ投射装置40と、多段積みされた裁断対象Bkを撮像する撮像装置50と、を備えている。
【0023】
制御装置10と、搬送装置20と、裁断装置30と、レーザ投射装置40と、撮像装置50とは、データを送受信するためのケーブルにより接続されていて、搬送装置20や裁断装置30等は、制御装置10により制御される。なお、制御装置10と、レーザ投射装置40と、撮像装置50とは、裁断対象検査システムの一例を構成する。
【0024】
制御装置10は、コントローラ(例えば、プログラマブルロジックコントローラ)として、搬送装置20による裁断対象Bkの搬送や、裁断装置30による裁断対象Bkの裁断を制御する。また、制御装置10は、レーザ投射装置40によるレーザ光の投射のタイミング、撮像装置50による裁断対象の撮像等を制御する。また、制御装置10は、撮像装置50からの画像データを画像処理する。
【0025】
搬送装置20は、裁断対象Bkを搬送する搬送部21と、制御装置10からの指令に従い搬送装置20を制御する制御部22とを有する。そして搬送装置20は、製本機で丁合され、糊付けされ、表紙が付けられた印刷物等の裁断対象Bkを多段積みされた状態で、搬送部21のコンベア等により裁断装置30まで搬送する。
【0026】
照明装置25は、蛍光灯、白熱電球、LED(Light Emitting Diode)照明等のライトである。照明装置25は、裁断装置30に設置された裁断対象Bkを照らす。なお、搬送装置20の制御部22を介して、制御装置10により、照明装置25のライトのオンオフが制御されている。照明装置25は、所定位置に設置された光源の一例である。
【0027】
裁断装置30は、裁断対象Bkを裁断する断裁刃部31と、多段積みされた裁断対象Bkを上方から押さえつける押さえ板部32と、制御装置10からの指令に従い裁断装置30を制御する制御部33と、を有する。断裁刃部31は、本の天・地・小口の三方向を裁断する断裁刃を有する。押さえ板部32は、エンコーダ付きの駆動部(図示せず)により、多段積みされた裁断対象Bkを押さえつける。駆動部のエンコーダにより、裁断対象Bkを押さえるために、押さえ板部32がどれだけ下降したかの位置が検出される。制御部33は、エンコーダの情報を読み取り、データを制御装置10に送信する。なお、駆動部は、断裁刃部31を下降させ裁断対象Bkを裁断する。
【0028】
レーザ投射装置40は、裁断対象Bkにレーザ光の投射するレーザ投射部41、42と、制御装置10からの指令に従いレーザ投射装置40を制御する制御部43と、を有する。レーザ投射部41は、スリットから線状(所定形状の一例)のレーザ光L1を、多段積みされた裁断対象Bkの側面(本束の地の面)に投射する。レーザ投射部42も、スリットから線状のレーザ光L2を、多段積みされた裁断対象Bkの側面に投射する。
【0029】
撮像装置50(画像データ取得手段の一例)は、CCD(Charge Coupled Device)イ
メージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ
等の撮像素子を有するデジタルカメラである。撮像装置50は、裁断対象Bkが多段積みされる方向が、撮像装置50により撮像される画像の向きのy軸(鉛直)となるように設置される。撮像装置50は、裁断装置30に設置された多段積みされた裁断対象Bkの画像を撮像する。
【0030】
(1.2 制御装置10の構成および機能)
次に、制御装置10の構成および機能について、図2を用いて説明する。
図2は、制御装置10の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、裁断対象検査装置として機能する制御装置10は、例えば、パーソナルコンピュータやプログラマブルロジックコントローラ等であり、通信部11と、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、入出力インターフェース部15と、システム制御部16とを備えている。そして、システム制御部16と入出力インターフェース部15とは、システムバス17を介して接続されている。
【0032】
通信部11は、制御部22と、制御部33と、制御部43と、撮像装置50と等とのデータや信号の送受信を行う。
【0033】
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム、制御用のプログラムや画像処理用のプログラム等を記憶する。
【0034】
表示部13は、例えば、液晶表示素子またはEL(Electro Luminescence)素子等によって構成されている。表示部13には、裁断システム1の制御するための入力情報や画像処理の結果等が表示される。
【0035】
操作部14は、例えば、キーボードおよびマウス等によって構成されている。ユーザは、操作部14を使用して、裁断システム1の制御するための入力情報を入力する。
【0036】
入出力インターフェース部15は、通信部11および記憶部12とシステム制御部16とのインターフェースである。
【0037】
システム制御部16は、例えば、CPU16aと、ROM16bと、RAM16cとを有する。システム制御部16は、CPU16aが、ROM16bや、RAM16cや、記憶部12に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。例えば、システム制御部16は、画像処理のプログラムを実行し、画商処理の結果に基づき、裁断対象の検査の判定を行う。
【0038】
[2.裁断システムの動作]
次に、本発明の1実施形態に係る裁断システムの動作について図3から図10を用いて説明する。
(2.1 製本工程)
まず、裁断対象が本等の印刷物である場合における製本工程について図3を用いて説明する。なお、製本工程の一例として無線綴じについて説明する。
【0039】
図3は、無線綴じ製本工程を示す模式図である。
【0040】
図3に示すように、無線綴じ製本工程は、印刷された折丁をページ順に集積する”(1)丁合い工程”と、丁合した折丁の背に切れ込みを入れる”(2)ミーリング工程”と、切れ込みを入れた背部に接着剤を塗布する”(3)塗布工程”と、塗布した接着剤に表紙を貼り付ける”(4)表紙付け工程”と、折部や余白を切断して本を所定のサイズにする”(5)断裁工程”と、を有する。なお、(5)の断裁工程は、(4)の表紙付け工程により表紙付けされた印刷物が、多段積みされた状態で行われる。(5)の断裁工程について、次の”裁断対象の供給”および”裁断対象の検査”で詳細に説明する。なお、裁断対象の一例である印刷物は、無線綴じ製本に限らず、平とじ製本や中綴じ製本でもよい。
【0041】
(2.2 裁断対象の供給)
次に、多段積みされた裁断対象を裁断装置30に供給する動作について図4を用いて説明する。
図4は、裁断装置30に裁断対象Bkを供給する動作例を示すフローチャートである。
【0042】
図4に示すように、裁断システム1は、多段積みされた裁断対象を受け入れる(ステップS1)。具体的には、図1に示すように、表紙付けされた印刷物(裁断対象Bk)が多段積みされた状態で、搬送装置20に供給される。なお、図1に示すように、印刷物の向きは、揃えて多段積みする。
【0043】
次に、裁断システム1は、裁断対象を整える(ステップS2)。具体的には、本束等の多段積みされた裁断対象Bkは、搬送装置20の側壁やガイドを利用し、整列される。
【0044】
次に、裁断システム1は、裁断装置30に裁断対象Bkを供給する(ステップS3)。具体的には、整列された裁断対象Bkは、裁断装置30の断裁ステージ上に搬送される。
【0045】
(2.3 裁断対象の検査)
次に、裁断対象の検査について図5〜図8を用いて説明する。
図5は、制御装置10における裁断対象Bkの検査の動作例を示すフローチャートである。図6および図7は、多段積みされた裁断対象Bkに所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【0046】
図5に示すように、制御装置10は、搬送装置20から供給された多段積みされた裁断対象Bkの固定を確認する(ステップS5)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、裁断装置30の断裁ステージ上に搬送された裁断対象Bkの束を、押さえ板部32により上面から押さえるように指令の信号を裁断装置30の制御部33に送信する。そして、裁断装置30の制御部33は、駆動部により押さえ板部32を下降させ、駆動部のエンコーダや位置センサで機械位置情報を検出し所定の位置で停止させる。裁断装置30の制御部33は、裁断対象Bkの押さえが終了した信号を制御装置10に送信する。制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bkの押さえが終了した信号を制御装置10から受信して、多段積みされた裁断対象Bkの押さえを確認する。このように制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象が固定されたか否かを検出する固定検出手段の一例として機能する。
【0047】
次に、制御装置10は、レーザ光の投射と、照明装置25の点灯とを行う(ステップS6)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ投射装置40にレーザを投射させる指令を送信する。そして、レーザ投射装置40の制御部43は、図1や図6に示すように、複数本のレーザ光(例えば、2本のレーザ光L1、L2)を、レーザ投射部41およびレーザ投射部41から、多段積みされた裁断対象Bkの側面(本束の地の面)に投射する。2本のレーザ光L1、L2は、多段積みされた裁断対象Bkに対してほぼ垂直である。また、制御装置10のシステム制御部16は、照明装置25のライトがオンにする指令を、搬送装置20の制御部22に送信する。搬送装置20の制御部22は、照明装置25を点灯させる。照明装置25は、多段積みされた裁断対象Bkの背面側を照らす。なお、2本のレーザ光L1、L2は、所定形状が2本以上の直線の一例であり、平行でも非平行でもよい。
【0048】
次に、制御装置10は、画像を撮像する(ステップS7)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、撮像装置50に撮像の指令を送信する。撮像装置50は、レーザ投射装置40にレーザ光L1、L2が投射され、照明装置25に照らされた裁断対象Bkの側面と背面とを含む画像を撮像する。このように制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた印刷物に、所定位置に設置された光源からの光を照射したことを検出する光照射検出手段の一例として機能する。
【0049】
次に、制御装置10は、画像の位置情報を算出する(ステップS8)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、撮像装置50のカメラにより撮影された画像の画像データを取得して、当該画像データに基づき、画像の特定部分の位置情報を算出する。例えば、制御装置10のシステム制御部16は、各裁断対象Bkにレーザ光L1、L2が投射されている箇所の位置情報(投影形状の情報の一例)や、各裁断対象Bkの背端部の位置情報(エッジ形状の情報の一例)等を算出する(画像の位置情報の算出のサブルーチンで詳述)。
【0050】
次に、制御装置10は、予定裁断量を算出する(ステップS9)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、予め登録された基準位置情報(記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報の一例)と、算出されて位置情報とを比較して、予定裁断量を算出する。基準位置情報と算出されて位置情報との差が少ないと、予定裁断量は少なくなる。なお、基準位置情報は、各裁断対象Bkが、ずれが無いように多段積みされた場合(多段積みされた裁断対象Bkが良品の場合)における、レーザ光が投射された位置情報および印刷物の背端部の位置情報である。
【0051】
次に、制御装置10は、位置情報および予定裁断量を記憶する(ステップS10)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、記憶部12に、算出した位置情報(投影形状の情報一例)および予定裁断量を記憶する。なお、例えば、裁断が初回の場合や、基準位置を出すために裁断装置30の断裁ステージ上で、多段積みされた裁断対象Bkが整えられた場合において、多段積みされた裁断対象Bkを、裁断装置30の断裁ステージ上に設定した場合は、制御装置10のシステム制御部16は、算出した位置情報を、基準位置情報として記憶する。このように制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報を記憶する記憶手段の一例として機能する。
【0052】
次に、制御装置10は、裁断可能か否かを判定する(ステップS11)。レーザ投射部41やレーザ投射部42から真っ直ぐな線状(所定形状の一例)のレーザ光を投射した場合、レーザ光は、図6に示すように、本等の裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の位置ずれが無い場合、ほぼ真っ直ぐな線(投影形状の一例)として、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に投影されるが、裁断対象の積み方に位置ずれが有る場合、裁断対象間に投射したレーザ光に段差(投影形状の一例)が生じて投影される。制御装置10のシステム制御部16は、所定形状を直線として、当該直線(所定形状の情報の一例)と、算出した位置情報(投影形状の情報の一例)とから、直線との差を段差の量として算出する。この段差の量が所定値より大きい場合、制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定する。また、この段差の量が所定値より等しいか小さい場合、制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象が良と判定し、裁断が可能と判定する。この場合は、各裁断対象Bk1、Bk2、Bk3が相対的にずれている場合である。このように制御装置10のシステム制御部16は、所定形状の情報と投影形状の情報とに基づき、多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段の一例として機能する。
【0053】
また、制御装置10のシステム制御部16は、算出した位置情報(投影形状の情報の一例)と、予め登録された基準位置情報(記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報の一例)とを比較して、例えば、算出した位置情報と基準位置情報との差(予定裁断量)が、設定した判定範囲を超えた場合、裁断が不可能と判定してもよい。この場合は、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3が、全体的に基準位置からずれている場合である。なお、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS10で記憶した予定裁断量を記憶部から読み出し、予定裁断量が設定した判定範囲を超えたか否かを判定してもよい。このように制御装置10のシステム制御部16は、記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報と算出された投影形状の情報とを比較して、多段積みされた裁断対象Bkの良否を判定する良否判定手段の一例として機能する。
【0054】
また、制御装置10のシステム制御部16は、各裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の背端部の位置情報(エッジ形状の情報の一例)から、各裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の表紙のずれの有無を判定する。例えば、図8に示すように、裁断対象Bk3の表紙がずれているので、このずれが所定値以上の場合に、制御装置10のシステム制御部16は、裁断が不可能と判定してもよい。このように制御装置10のシステム制御部16は、エッジ形状の情報から表紙のずれの有無を判定する良否判定手段の一例として機能する。
【0055】
次に、裁断可能の場合(ステップS11;YES)、制御装置10は裁断指令を送信する(ステップS12)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、裁断装置30の制御部33に裁断指令を送信する。そして、裁断装置30の制御部33は、断裁刃部31の裁断刃を下降させ、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3をまとめて裁断する。切断した断裁片(不要部)は自由落下もしくはエアー等で回収溝へ排出される。
【0056】
裁断不可能の場合(ステップS11;NO)、制御装置10のシステム制御部16は、断裁前に裁断装置30を停止させる指令の信号を裁断装置30の制御部33に送信する。裁断装置30は裁断の動作を停止する。
【0057】
次に、ステップS12での裁断の後、制御装置10は、裁断後の位置情報を取得するために、ステップS6〜ステップS10と同様なステップS13〜ステップS17の処理を行う。
【0058】
制御装置10は、レーザ光の投射と、照明装置25の点灯とを行う(ステップS13)。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS6と同様の処理を行う。
【0059】
次に、制御装置10は、画像を撮像する(ステップS14)。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS7と同様の処理を行い、裁断対象の画像を撮像する。
【0060】
次に、制御装置10は、画像の位置情報を算出する(ステップS15)。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS8と同様の処理を行い、画像の位置情報を算出する。
【0061】
次に、制御装置10は、裁断量を算出する(ステップS16)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、記憶部12から、裁断前に算出されて位置情報(裁断前の投影形状の情報の一例)を取得し、この裁断前に算出されて位置情報と、ステップS15で算出した位置情報(裁断後の投影形状の情報)とを比較して、実際に裁断された裁断量を算出する。このように制御装置10のシステム制御部16は、裁断前の投影形状の情報と、裁断後の投影形状の情報とから裁断量を算出する裁断量算出手段の一例として機能する。
【0062】
次に、制御装置10は、位置情報および裁断量を記憶する(ステップS17)。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS10と同様の処理を行い、位置情報および裁断量を記憶する。記憶された位置情報および裁断量は、品質管理等に利用される。
【0063】
(2.4 画像の位置情報の算出のサブルーチン)
次に、画像の位置情報の算出のサブルーチンについて、図を用いて説明する。
図9は、画像の位置情報の算出のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。図10および図11は、多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【0064】
制御装置10は、画像データを取り込む(ステップS20)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS7やステップS14において撮像装置50から撮像された画像の画像データを取得する。図6や図7に示すように、撮像された画像の中には、レーザ光L1、L2が投影された裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の画像や表紙が貼られた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の背面の画像がある。図6に示すように、2次元の画像51が撮像され、画像51のx軸およびy軸が設定されている(図7等についても同様)。
【0065】
なお、制御装置10のシステム制御部16は、照明装置25により光が照らされ、かつ、レーザ投射装置40によりレーザが投射された状態で、撮像装置50により撮像された画像の画像データを取得しているが、レーザ光L1、L2が投影された状態での画像と、照明装置25により光が照らされた画像とを、別々に撮像して、各々の画像データを取得してもよい。すなわち、制御装置10のシステム制御部16は、照明装置25により光を照らさず、レーザ投射装置40によりレーザが投射された状態で撮像した画像の画像データと、照明装置25により光を照らし、レーザ投射装置40によりレーザが投射されない状態で撮像した画像の画像データとを取得する。
【0066】
このように制御装置10のシステム制御部16は、所定形状のレーザ光が投影された裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。また、制御装置10のシステム制御部16は、前記裁断対象が印刷物であって、表紙が貼られた印刷物の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。また、制御装置10のシステム制御部16は、光照射検出手段により光が照射したことを検出した後に、印刷物の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。また、制御装置10のシステム制御部16は、裁断前後において、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。また、制御装置10のシステム制御部16は、固定検出手段により固定されたと検出された後に、裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。
【0067】
次に、制御装置10は、前処理を行う(ステップS21)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、画像から雑音等をフィルタリング処理で取り除く。
【0068】
次に、制御装置10は、画像のエッジを抽出する(ステップS22)。具体的には、制御装置10のシステム制御部16は、画像データに対して微分処理等を行い、エッジ部分を抽出する。例えば、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光が投影された部分の画像(レーザ光L1とレーザ光L2の部分)を抽出する。また制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の縁や角部分の画像を抽出する。また、図8に示すように、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk3の表紙がずれている場合、表紙と、裁断対象Bk3の背部分で表紙が貼られていない部分との境界線の部分の画像や、表紙がずれて、はみ出した端の部分の画像を抽出する。このように制御装置10のシステム制御部16は、画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段の一例として機能する。また制御装置10のシステム制御部16は、画像データから印刷物のエッジ部分の画像を抽出する画像抽出手段の一例として機能する。
【0069】
次に、制御装置10は、抽出したエッジに方程式を当てはめる(ステップS23)。図6に示すような場合、制御装置10のシステム制御部16は、抽出されたレーザ光L2の部分に、直線の方程式を当てはめる。例えば、制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報の一例として、画像51のy軸方向のレーザ光L1の部分の画素のデータから、x=xa0の直線、画像のy軸方向のレーザ光L2の部分の画素のデータからx=xb0の直線の方程式を算出する。制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L2、L1の投影形状は、基本的に、y軸方向の直線と分かっているので、最小自乗法等により方程式を算出する。また、エッジ形状の情報の一例として、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の端の部分から、直線x=xe0を算出する。なお、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1やレーザ光L2が床面等に投影した画像から直線ya0や直線yb0の方程式を算出してもよい。
【0070】
また、裁断が初回の場合や、基準位置を出すために裁断装置30の断裁ステージ上で、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3が整えられた場合において、図6における、これらの直線x=xa0、直線x=xb0、直線x=xe0、直線ya0、および直線yb0は、基準の直線となる。
【0071】
また、図7に示すように、裁断対象Bk2が天側にずれている場合、制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報の一例として、画像のy軸方向のレーザ光L1の部分の画素のデータから直線x=xa1および直線x=xaの方程式を、画像のy軸方向のレ
ーザ光L2の部分の画素のデータから直線x=xb1および直線x=xbの方程式を算出す
る。また、エッジ形状の情報の一例として、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の端の部分から、直線x=xe1および直線x=xe2を算出する。また制御装置10のシステム制御部16は、画像のx方向のレーザ光L1の部分の画像から、直線y=ya1および直線y=ya2等の方程式を算出する。
【0072】
また、図8に示すように、裁断対象Bk3の表紙が天側にずれている場合、制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報の一例として、画像のy軸方向のレーザ光L1の部分の画素のデータから直線x=xa0の方程式を、画像のy軸方向のレーザ光L2の部分の画素のデータから直線x=xb0の方程式を算出する。また、エッジ形状の情報の一例として、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の端の部分から、印刷物の背端部の直線x=xe0および直線x=xe1の方程式を算出する。
【0073】
また、図10に示すように、裁断対象Bk2が小口側にずれている場合、制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報の一例として、画像のy軸方向のレーザ光L1の部分の画素のデータから直線x=xa0を、画像のy軸方向のレーザ光L2の部分の画素のデータから直線x=xb0の方程式を算出する。また、エッジ形状の情報の一例として、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の端の部分から、直線x=xe3および直線x=xe4の方程式を算出する。
【0074】
また、図11に示すように、裁断対象Bk2が天側と小口側に回転してずれている場合、制御装置10のシステム制御部16は、投影形状の情報の一例として、例えば、画像のy軸方向のレーザ光L1の部分の画素のデータから直線x=xa5および直線x=xa6の方程式を算出し、画像のy軸方向のレーザ光L2の部分の画素のデータから直線x=xb5および直線x=xb6の方程式を算出する。また、エッジ形状の情報の一例として、制御装置10のシステム制御部16は、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の端の部分から、直線x=xe5および直線x=xe6の方程式を算出する。
【0075】
このように制御装置10のシステム制御部16は、前記形状算出手段が、方程式を当てはめて投影形状の情報を算出する形状算出手段の一例として機能する。また、制御装置10のシステム制御部16は、抽出されたエッジ部分の画像からエッジ形状の情報を算出する形状算出手段の一例として機能する。
【0076】
次に、制御装置10は、画像の位置情報を算出する(ステップS24)。制御装置10のシステム制御部16は、算出された直線x=xa0、直線x=xb0、直線x=xe0、直線ya0および直線yb0の方程式を画像の位置情報とする。また、裁断が初回の場合や、基準位置を出すために裁断装置30の断裁ステージ上で、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3が整えられた場合においては、制御装置10のシステム制御部16は、算出された直線x=xa0、直線x=xb0、直線x=xe0、直線ya0、および直線yb0を、基準位置情報とする。このように制御装置10のシステム制御部16は、抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段の一例として機能する。
【0077】
画像の位置情報を算出した後、制御装置10は、ステップS9において予定裁断量を算出する。例えば、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa0と、レーザ光L1の基準位置情報の直線とのx軸方向の差を算出し、この差から、撮像装置50が設置された関係および裁断対象の地側面の角度関係に基づき、予定裁断量を算出する。なお、制御装置10のシステム制御部16は、直線x=xb0、直線x=xe0、直線ya0および直線yb0を用いて予定裁断量を算出してもよい。
【0078】
図7の場合、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa1と、レーザ光L1の基準位置情報の直線とのx軸方向の差を算出して予定裁断量を算出する。図10の場合、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa3と、レーザ光L1の基準位置情報の直線とのx軸方向の差を算出して予定裁断量を算出する。図11の場合、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa5と、レーザ光L1の基準位置情報の直線とのx軸方向の差を算出して予定裁断量を算出する。
【0079】
また、画像の位置情報を算出した後、制御装置10は、ステップS19において裁断量を算出する。例えば、制御装置10のシステム制御部16は、裁断前のレーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa0と、裁断後のレーザ光L1の投影形状の情報の直線x=xa0とのx軸方向の差を算出し、この差から、撮像装置50が設置された関係および裁断対象の地側面の角度関係に基づき、裁断量を算出する。
【0080】
次に、ステップS11における裁断可能か否かを判定について、図6〜図8、図11、図12を用いて説明する。
【0081】
図6の場合、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3のずれがないので、レーザ光L1の投影形状に段差がない。レーザ光L1の所定形状は直線(直線x=xa0に対応)で、算出したレーザ光L1の投影形状は、一本の直線x=xa0(投影形状の情報の一例)であるため、制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に段差がないとして、良と判定し、裁断可能と判定する。
【0082】
図7の場合、裁断対象Bk2が天側にずれているので、レーザ光L1やレーザ光L2の投影形状に段差が生じる。制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の所定形状に対応する直線x=xa1と、レーザ光L1の投影形状に対応する直線x=xa2との差の情報(xa2−xa1)を、段差の量として、所定値より大きい場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定する。また、裁断対象の一例である印刷物の背端部の直線に段差が生じるので、制御装置10のシステム制御部16は、印刷物の背端部の直線x=xe1および直線x=xe2の差の情報(xe2−xe1)を、段差の量として、所定値より大きい場合、不良と判定し、裁断が不可能と判定する。なお、所定形状が1本の直線のレーザ光L1に対する投影形状の情報が、直線x=xa1、直線x=xa2、および、直線y=ya2と増えるので、制御装置10のシステム制御部16は、所定形状に対応する直線の数が所定数増加した場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。
【0083】
図8の場合、裁断対象Bk3の表紙が地側にずれているので、裁断対象の一例である印刷物の背端部の直線に段差が生じる。制御装置10のシステム制御部16は、印刷物の背端部の直線x=xe0および直線x=xe1の差の情報(xe1−xe0)を、段差の量として、所定値より大きい場合、裁断が不可能と判定する。
【0084】
図10の場合、裁断対象Bk2が小口側にずれているので、裁断対象の一例である印刷物の背端部の直線に段差が生じる。制御装置10のシステム制御部16は、印刷物の背端部の直線x=xe3および直線x=xe4の差の情報(xe4−xe3)を、段差の量として、所定値より大きい場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定する。
【0085】
図11の場合、裁断対象Bk2が天側と小口側に回転してずれているので、レーザ光L1やレーザ光L2の投影形状に段差が生じる。制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の所定形状に対応する直線x=xa5と、レーザ光L1の投影形状に対応する直線x=xa6との差の情報(xa6−xa5)を、段差の量として、所定値より大きい場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定する。また、制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L2の所定形状に対応する直線x=xb1と、レーザ光L2の投影形状に対応する直線x=xb2との差の情報(xa6−xa5)を、段差の量として、所定値より大きい場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。また、所定形状が1本の直線のレーザ光L1に対する投影形状の情報が、直線x=xa1および直線x=xa2の2本と増えるので、制御装置10のシステム制御部16は、所定形状に対応する直線の数が増加した場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。
【0086】
さらに、図11の場合、裁断対象Bk2が天側と小口側に回転してずれていて、レーザ光L1の段差の量(xa6−xa5)と、レーザ光L2の段差の量(xa6−xa5)とが異なる。制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光L1の段差の量(xa6−xa5)と、レーザ光L2の段差の量(xa6−xa5)とから、裁断対象Bk2がずれた角度を算出してもよい。
【0087】
以上、本実施形態によれば、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に対して所定形状のレーザ光L1、L2が投影され、所定形状のレーザ光が投影された裁断対象の画像データを取得し、画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出し、抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出し、所定形状の情報と投影形状の情報とに基づき、多段積みされた裁断対象の良否を判定することにより、多段積みされた裁断対象にずれがある場合、レーザ光の所定形状と投影形状との差が明確に現れやすく、多段積みされた裁断対象を精度良く検査できる。
【0088】
また、本実施形態によれば、自動的に多段積みされた裁断対象の良否判定ができ、省力化でき、人の目視に比べ、客観的に判定でき、生産性の向上が図られる。
【0089】
また、本実施形態によれば、断裁前に裁断動作を停止させ、多段積みされた裁断対象の位置を修正することが可能となり不良品の発生を抑制するができる。
【0090】
また、制御装置10のシステム制御部16が、抽出したエッジに方程式を当てはめて投影形状の情報を算出する場合、投影形状を方程式でパラメータ化でき、所定形状との差を数値化しやすくなり、裁断対象の良否判定が評価しやすくなる。
【0091】
また、制御装置10のシステム制御部16が、所定形状が2本の直線である場合、図11に示すように、裁断対象Bk2の回転方向のずれを算出することができる。また、所定形状が2本の直線が平行であると、回転方向のずれが算出しやすい。
【0092】
また、制御装置10のシステム制御部16が、図8に示すように、裁断対象が印刷物であって、表紙が貼られた印刷物の画像データを取得し、該画像データから印刷物のエッジ部分の画像を抽出し、抽出されたエッジ部分の画像からエッジ形状の情報(直線x=xe0および直線x=xe1)を算出し、エッジ形状の情報から表紙のずれの有無を判定する場合、表紙の貼り方のずれが検出できる。また、表紙の貼り方にずれがある場合に、制御装置10のシステム制御部16は、裁断装置30の裁断を停止させることができる。
【0093】
また、制御装置10のシステム制御部16が、多段積みされた印刷物に、所定位置に設置された光源からの光を照射したことを検出し、光が照射したことを検出した後に、印刷物の画像データを取得する場合、照明装置25のライトで、裁断対象の一例である印刷物のエッジ部分が検出されやすくなる。
【0094】
また、制御装置10のシステム制御部16が、裁断前後において、所定形状のレーザ光が投影された裁断対象の画像データを取得し、裁断前の投影形状の情報と、裁断後の投影形状の情報とから裁断量を算出する場合、裁断量がわかり、品質管理がしやすくなる。
【0095】
また、制御装置10のシステム制御部16が、投影形状の情報を記憶し、記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報と算出された投影形状の情報とを比較して、多段積みされた裁断対象の良否を判定する場合、裁断装置30に供給されて設置された裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の位置や予定裁断量がわかり、位置のずれが大きい場合や予定裁断量が所定量より大きい場合、裁断を停止させて不良品の発生を防止することができる。
【0096】
また、制御装置10のシステム制御部16が、多段積みされた裁断対象が押さえ板部32により固定されたか否かを検出し、固定されたと検出された後に、裁断対象の画像データを取得する場合、裁断対象の姿勢が安定した状態で検査するので、安定した検査結果を得ることができる。
【0097】
次に、レーザ光の所定形状の変形例について図12〜図15を用いて説明する。
【0098】
図12〜図15は、多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光が投影された様子の一例を示す模式図である。
【0099】
図12に示すように、レーザ投射装置40は、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に対して、所定形状の一例として線状のレーザ光L3を斜めに投射してもよい。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS23において、投影形状の情報の一例として、直線yc1、直線yc2、および、直線yc3の方程式を算出する。そして、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS24において、算出した直線yc1、直線yc2、および、直線yc3の方程式を画像の位置情報とする。
【0100】
制御装置10のシステム制御部16は、ステップS9やステップS16において、直線yc1と直線yc2とのx軸方向の差から、裁断量を算出する。また、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS11において、直線yc1と直線yc2とのx軸方向の差が所定値より大きい場合、裁断が不可能と判定する。なお、所定形状が1本の直線のレーザ光L3に対する投影形状の情報が、直線yc1、直線yc2、および、直線yc3と増えるので、制御装置10のシステム制御部16は、所定形状に対応する直線の数が所定数増加した場合、裁断が不可能と判定してもよい。また、直線yc3のように、角度が異なる投影形状の直線が現れるので、直線yc1、直線yc2、および、直線yc3間の各々の角度が、所定角度以上の場合、制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。
【0101】
図13に示すように、レーザ投射装置40は、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に対して、所定形状の一例として三角形状のレーザ光T1を投射してもよい。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS23において、投影形状の情報の一例として、直線yd1、直線yd2、直線yd3、直線yd4、直線yd5、直線yd6、および、直線yd7の方程式を算出する。そして、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS24において、直線yd1、直線yd2、直線yd3、直線yd4、直線yd5、直線yd6、および、直線yd7の方程式を画像の位置情報とする。なお、レーザ投射装置40は3つのレーザ投射部を有し、各レーザ投射部から、三角形状のレーザ光の一辺が投射される。
【0102】
制御装置10のシステム制御部16は、ステップS9やステップS16において、直線yd2と直線yd5とのx軸方向の差から、裁断量を算出する。また、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS11において、直線yd2と直線yd5とのx軸方向の差や、直線yd3と直線yd4とのx軸方向の差が所定値より大きい場合、裁断が不可能と判定する。なお、所定形状が3本の直線のレーザ光T1に対する投影形状の情報が、直線yd1、直線yd2、直線yd3、直線yd4、直線yd5、直線yd6、および、直線yd7と増えるので、制御装置10のシステム制御部16は、所定形状に対応する直線の数が所定数増加した場合、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。なお、レーザ光T1は、3本の直線でもあるので、所定形状が2本以上の直線の一例である。
【0103】
図14に示すように、レーザ投射装置40は、多段積みされた裁断対象Bk1、Bk2、Bk3に対して、所定形状の一例として円形状のレーザ光C1を投射してもよい。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS23において、投影形状の情報の一例として、楕円ca1、楕円ca2、および、楕円ca3の方程式を算出する。制御装置10のシステム制御部16は、レーザ光C1の投影形状の画素データに対して、楕円の方程式を当てはめ、最小自乗法等により楕円の方程式のパラメータを算出する。制御装置10のシステム制御部16は、ステップS9やステップS16において、楕円ca1の中心と楕円ca3の中心とのx軸方向の距離から、裁断量を算出する。なお、レーザ投射装置40レーザ投射部から投射されたレーザ光を、回転するミラーに反射させて、円形状のレーザ光を生成してもよい。
【0104】
また、制御装置10のシステム制御部16は、ステップS11において、楕円ca1の中心と楕円ca3の中心とのx軸方向の距離が所定値より大きい場合、裁断が不可能と判定する。なお、所定形状が1つの円のレーザ光C1に対する投影形状の情報が、楕円ca1、楕円ca2、および、楕円ca3と増えるので、制御装置10のシステム制御部16は、所定形状に対応する楕円の数が所定数増加した場合、裁断が不可能と判定してもよい。また、楕円ca2のように、楕円の長軸方向の角度が異なる投影形状の楕円が現れるので、楕円ca1の長軸、楕円ca2の長軸、および、楕円ca3の長軸間の各々の角度が、所定角度以上の場合、制御装置10のシステム制御部16は、多段積みされた裁断対象が不良と判定し、裁断が不可能と判定してもよい。
【0105】
次に、図15に示すように、レーザ投射部41が、レーザ光L1を、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の地側に照射し、レーザ投射部42が、レーザ光L2を、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の背表紙側に照射してもよい。このように裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の異なる面にレーザが照射される。この場合、照明装置25のライトはオフでもよく、制御装置10のシステム制御部16は、照明無しで、天側−地側の位置のずれの量、および、小口側−背表紙側の位置のずれの量を算出することができる。
【0106】
なお、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の地側に2本のレーザ光、裁断対象Bk1、Bk2、Bk3の背表紙側に2本のレーザ光が照射されるようにしてもよい。この場合、ずれの量をより正確に算出することができる。
【0107】
なお、上述した実施形態は、裁断対象として、板状のプラスティックや金属等でも適用可能である。
【0108】
[3.裁断システムの変形例]
次に、裁断システムの変形例について、図16から図18を用いて説明する。
【0109】
図16から図18は、本発明の実施形態に係る裁断システムの第1から第3変形例の概要構成例を示す模式図である。なお、前記実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を用いて異なる構成および作用のみを説明する。
【0110】
図16に示すように、第1変形例の裁断システム2は、更に、反射部の一例であるミラーM1、M2を備える。
【0111】
ミラーM1、M2は、光を反射する面を有する。ミラーM1、M2は、レーザ投射装置40によりレーザ光が投影された裁断対象の像を反射する。
【0112】
まず、ミラーM2の反射面に、レーザ光が投影された裁断対象の像が映る。そして、ミラーM2により反射された像が、さらに、ミラーM1の反射面に映る。撮像装置50が、ミラーM1、M2により、2回反射した像(反転していない像)を撮像する。
【0113】
図1に示すような位置に撮像装置50が設置できない場合でも、ミラーM1、M2により、撮像装置50の設置の自由度が増加する。
【0114】
次に、図17に示すように、第2変形例の裁断システム3は、更に、反射部の一例であるミラーM3を備える。
【0115】
ミラーM3は、撮像装置50を設置するスペースがない場合、特に縦長の撮像装置50をほぼ垂直に、撮像装置50が、撮像方向を下向きに設置される。撮像装置50が、ミラーM3に映ったレーザ光が投影された裁断対象の像を撮像する。
【0116】
なお、撮像装置50は、像は左右反転している画像を撮像するが、制御装置10は、画像処理より、反転していない画像に戻してもよい。また、制御装置10は、像が反転した画像まま、ステップS5からステップS17の処理を行ってもよい。
【0117】
次に、図18に示すように、第3変形例の裁断システム4は、更に、反射部の一例であるミラーM4を備える。
【0118】
ミラーM4は、裁断対象Bkの小口側の像を反射して、撮像装置50の方に映し出す。
【0119】
レーザ投射装置40のレーザ投射部41、42からのレーザ光が、裁断対象Bkの小口側に照射される。撮像装置50は、ミラーM4には映ったレーザ光L3、L4を撮像する。
【0120】
このように、ミラーM4は、撮像装置50から死角の像を映し出すことができる。また、制御装置10は、裁断対象Bkの小口側のずれを、測定することによって、裁断対象Bkの地側のずれと合わせて、裁断対象Bkのずれの量をより正確に算出することができる。
【符号の説明】
【0121】
1:裁断システム
10:制御装置(裁断対象検査装置)
25:照明装置
30:裁断装置
40:レーザ投射装置
50:撮像装置
Bk、Bk1、Bk2、Bk3:裁断対象
L1、L2、L3、T1、C1:レーザ光
M1、M2、M3、M4:ミラー(反射部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置において、
所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段と、
前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段と、
前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段と、
を備えることを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の裁断対象検査装置において、
前記形状算出手段が、方程式を当てはめて投影形状の情報を算出することを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の裁断対象検査装置において、
前記所定形状が2本以上の直線であることを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、
画像データ取得手段が、前記裁断対象が印刷物であって、表紙が貼られた印刷物の画像データを取得し、
前記画像抽出手段が、当該画像データから前記印刷物のエッジ部分の画像を抽出し、
前記形状算出手段が、前記抽出されたエッジ部分の画像からエッジ形状の情報を算出し、
前記良否判定手段が、前記エッジ形状の情報から表紙のずれの有無を判定することを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項5】
請求項4に記載の裁断対象検査装置において、
前記多段積みされた印刷物に、所定位置に設置された光源からの光を照射したことを検出する光照射検出手段を更に備え、
前記画像データ取得手段が、前記光照射検出手段により光が照射したことを検出した後に、前記印刷物の画像データを取得することを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、
前記画像データ取得手段が、裁断前後において、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得し、
裁断前の投影形状の情報と、裁断後の投影形状の情報とから裁断量を算出する裁断量算出手段を更に備えたことを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、
前記投影形状の情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記良否判定手段が、前記記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報と前記算出された投影形状の情報とを比較して、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定することを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、
前記多段積みされた裁断対象が固定されたか否かを検出する固定検出手段を更に備え、
前記画像データ取得手段が、前記固定検出手段により固定されたと検出された後に、前記裁断対象の画像データを取得することを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項9】
裁断対象検査装置が、多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査方法において、
所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出ステップと、
前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出ステップと、
前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定ステップと、
を有することを特徴とする裁断対象検査方法。
【請求項10】
多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置用のプログラムにおいて、
コンピュータを、
所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段、
前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段、
前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段、および、
前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段として機能させることを特徴とする裁断対象検査装置用のプログラム。
【請求項11】
多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光を投射するレーザ投射装置と、前記レーザ光が投影された裁断対象の画像を撮像する撮像装置と、前記多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置と、を備えた裁断対象検査システムにおいて、
裁断対象検査装置が、
前記レーザ投射装置によりレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを、前記撮像装置から取得する画像データ取得手段と、
前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段と、
前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段と、
前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段と、
を有することを特徴とする裁断対象検査システム。
【請求項12】
請求項11に記載の裁断対象検査システムにおいて、
前記レーザ投射装置によりレーザ光が投影された前記裁断対象の像を反射して、当該反射した像を前記撮像装置が撮像するための反射部を更に備えたことを特徴とする裁断対象検査システム。
【請求項1】
多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置において、
所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段と、
前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段と、
前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段と、
を備えることを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の裁断対象検査装置において、
前記形状算出手段が、方程式を当てはめて投影形状の情報を算出することを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の裁断対象検査装置において、
前記所定形状が2本以上の直線であることを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、
画像データ取得手段が、前記裁断対象が印刷物であって、表紙が貼られた印刷物の画像データを取得し、
前記画像抽出手段が、当該画像データから前記印刷物のエッジ部分の画像を抽出し、
前記形状算出手段が、前記抽出されたエッジ部分の画像からエッジ形状の情報を算出し、
前記良否判定手段が、前記エッジ形状の情報から表紙のずれの有無を判定することを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項5】
請求項4に記載の裁断対象検査装置において、
前記多段積みされた印刷物に、所定位置に設置された光源からの光を照射したことを検出する光照射検出手段を更に備え、
前記画像データ取得手段が、前記光照射検出手段により光が照射したことを検出した後に、前記印刷物の画像データを取得することを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、
前記画像データ取得手段が、裁断前後において、所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得し、
裁断前の投影形状の情報と、裁断後の投影形状の情報とから裁断量を算出する裁断量算出手段を更に備えたことを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、
前記投影形状の情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記良否判定手段が、前記記憶手段に記憶された過去の投影形状の情報と前記算出された投影形状の情報とを比較して、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定することを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の裁断対象検査装置において、
前記多段積みされた裁断対象が固定されたか否かを検出する固定検出手段を更に備え、
前記画像データ取得手段が、前記固定検出手段により固定されたと検出された後に、前記裁断対象の画像データを取得することを特徴とする裁断対象検査装置。
【請求項9】
裁断対象検査装置が、多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査方法において、
所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出ステップと、
前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出ステップと、
前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定ステップと、
を有することを特徴とする裁断対象検査方法。
【請求項10】
多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置用のプログラムにおいて、
コンピュータを、
所定形状のレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを取得する画像データ取得手段、
前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段、
前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段、および、
前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段として機能させることを特徴とする裁断対象検査装置用のプログラム。
【請求項11】
多段積みされた裁断対象に所定形状のレーザ光を投射するレーザ投射装置と、前記レーザ光が投影された裁断対象の画像を撮像する撮像装置と、前記多段積みされた裁断対象を検査する裁断対象検査装置と、を備えた裁断対象検査システムにおいて、
裁断対象検査装置が、
前記レーザ投射装置によりレーザ光が投影された前記裁断対象の画像データを、前記撮像装置から取得する画像データ取得手段と、
前記画像データからレーザ光が投影された部分の画像を抽出する画像抽出手段と、
前記抽出されたレーザ光の画像からレーザ光の投影形状の情報を算出する形状算出手段と、
前記所定形状の情報と前記投影形状の情報とに基づき、前記多段積みされた裁断対象の良否を判定する良否判定手段と、
を有することを特徴とする裁断対象検査システム。
【請求項12】
請求項11に記載の裁断対象検査システムにおいて、
前記レーザ投射装置によりレーザ光が投影された前記裁断対象の像を反射して、当該反射した像を前記撮像装置が撮像するための反射部を更に備えたことを特徴とする裁断対象検査システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図15】
【公開番号】特開2013−7741(P2013−7741A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−109200(P2012−109200)
【出願日】平成24年5月11日(2012.5.11)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月11日(2012.5.11)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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