説明

車載用音響装置、及び、車載用音響装置の制御方法

【課題】道路種別と楽曲との関係に着目し、道路種別に関連する楽曲を選曲可能とし、ひいては、運転時にユーザが所望する楽曲を容易に選曲できる車載用音響装置、及び、その制御方法を提供すること。
【解決手段】楽曲情報に基づいて楽曲を再生する車載用音響装置10において、楽曲情報を予め道路種別と関連づけて記憶するHDD22と、道路種別の中から一の道路種別を指定するための入力部17と、指定された道路種別に基づいて、当該道路種別に関連する楽曲情報をHDD22に記憶された楽曲情報の中から取得するための制御部20とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲情報に基づいて楽曲を再生する車載用音響装置、及び、車載用音響装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、楽曲情報に基づいて楽曲を再生する車載用音響装置では、HDD(Hard Disk Drive)に楽曲情報を記憶して再生できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の車載用音響装置では、HDDに記録可能な楽曲数は膨大であるため、その中からユーザが所望の楽曲を探す場合、アルバム、アーティスト、キーワード、登録日時などに基づいて楽曲の検索を行っていた。
【特許文献1】特開2003−141855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、車両が走行する道路は、高速道路や一般道路等の複数の種別に分類され、これら道路種別により交通量や制限速度が異なるため、例えば、制限速度が速い高速道路ではアップテンポなロックが選ばれ、一般道路ではポップスが選ばれるといったように、運転時にユーザが所望する楽曲が道路種別によって異なる傾向にある。
そこで、本発明は、道路種別と楽曲との関係に着目し、道路種別に関連する楽曲を選曲可能とし、ひいては、運転時にユーザが所望する楽曲を容易に選曲できる車載用音響装置、及び、その制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、楽曲情報に基づいて楽曲を再生する車載用音響装置において、前記楽曲情報を予め道路種別と関連づけて記憶する記憶手段と、道路種別の中から一の道路種別を指定する指定手段と、指定された道路種別に基づいて、当該道路種別に関連する楽曲情報を前記記憶手段に記憶された楽曲情報の中から取得する取得手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、指定された道路種別に基づいて、当該道路種別に関連する楽曲情報を記憶手段に記憶された楽曲情報の中から取得するため、道路種別に関連する楽曲情報を選曲することができる。特に、ユーザが楽曲情報を再生する傾向を当該道路種別と関連づけて記憶しておけば、道路種別に基づいて、運転時にユーザの所望する楽曲を容易に選曲することができる。
【0005】
また、この構成において、自車両の位置情報に基づいて当該自車両が走行する道路種別を判別する道路種別判別手段と、所定の楽曲情報を再生中に、判別された道路種別を当該再生中の楽曲情報に関連づけて前記記憶手段に記憶する記憶制御手段とを備える構成としても良い。
【0006】
また、前記記憶手段には、道路種別ごとに当該道路種別に関連する楽曲情報の再生回数が記憶され、この再生回数に基づいて、当該楽曲情報の再生が行われる構成としても良い。
【0007】
また、前記取得手段が取得した楽曲情報のリストを表示する表示手段と、この表示されたリスト中の楽曲情報のうち、少なくとも一の楽曲情報の再生を指示する再生指示手段とを備える構成としても良い。
【0008】
また、前記指定手段は、前記道路種別判別手段が判別した道路種別に基づいて、前記道路種別を指定する構成としても良い。
【0009】
また、本発明は、楽曲情報に基づいて楽曲を再生する車載用音響装置の制御方法において、前記車載用音響装置は、前記楽曲情報を予め道路種別と関連づけて記憶する記憶手段を備え、道路種別の中から一の道路種別を指定し、指定された道路種別に基づいて、当該道路種別に関連する楽曲情報を前記記憶手段に記憶された楽曲情報の中から取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、指定された道路種別に基づいて、当該道路種別に関連する楽曲情報を記憶手段に記憶された楽曲情報の中から取得するため、道路種別に関連する楽曲情報を選曲することができる。特に、ユーザが楽曲情報を再生する傾向を当該道路種別と関連づけて記憶しておけば、道路種別に基づいて、運転時にユーザの所望する楽曲を容易に選曲することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本構成では、車載用音響装置の一態様として、車両の経路案内を行うナビゲーション機能を備えると共に、HDD等の記録媒体に記録された楽曲情報に基づいて楽曲を再生する楽曲再生機能を備えるナビゲーション装置10を例示する。
図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置10の機能的構成を示すブロック図である。この図に示すように、ナビゲーション装置10は、GPS(Global Positioning System)ユニット11と、ジャイロユニット12と、車速検出部13と、FM受信部14と、ビーコン受信部15と、表示部16と、入力部17と、ユーザインターフェース部18と、メモリカードスロット19と、制御部20と、HDD制御部21と、HDD22と、通信制御部23と、楽曲再生部25とを備えている。
【0012】
GPSユニット11は、GPSアンテナ11Aを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両の現在地を示す位置座標と進行方向とを演算により取得すると共に、GPS信号に含まれる日時情報と車両の現在地の時差とから車両の現在地における日時情報(年、月、日、時、分等)を演算により取得し、これら情報を制御部20に出力する。
ジャイロユニット12は、ジャイロセンサにより車両の相対的な方位を検出して制御部20に出力し、車速検出部13は、車両の車速パルスPSに基づいて車両の速度を演算により求め、制御部20に出力する。
FM受信部14は、FMアンテナ14Aを介してFM多重放送波を受信し、FM多重放送波に重畳された交通情報(VICS(Vehicle Information and Communication System)情報)を取得し、所定の処理を施して制御部20に出力する。また、ビーコン受信部15は、ビーコン用アンテナ15Aを介して、ビーコン情報を受信し、所定の処理を施して制御部20に出力する。
【0013】
表示部(表示手段)16は、例えば、タッチパネル付きの液晶表示装置が適用され、制御部20の制御の下、検索された案内経路、施設を示した地図情報、道路種別リスト、もしくは検索された楽曲リスト等の各種情報が表示される。
入力部17は、ナビゲーション装置10が備える各種操作子やタッチパネルの操作を検出する操作検出部と、リモートコントローラ(図示せず)からの送信信号を受信する受信部等から構成され、ユーザからの各種指示を制御部20に出力する。
本構成では、例えば、タッチパネルを介して、表示部16に表示された楽曲リストの中からユーザが指示した少なくとも1の楽曲を楽曲再生部25で再生可能に構成されており、入力部17が楽曲情報の再生を指示する再生指示手段として機能する。また、入力部17を介して、楽曲リスト中の楽曲再生を指示する場合には、このリスト中の楽曲を所定の順番(例えば、再生回数の多い順、登録日時の新しい順など)に応じて再生しても良いし、また、これら楽曲をランダムに再生しても良い。
また、本構成では、例えば、タッチパネルを介して、表示部16に表示された道路種別リストの中からユーザが1の道路種別を選択して指定可能に構成されており、入力部17が道路種別を指定する指定手段として機能する。
ユーザインターフェース部18は、I/O制御回路やドライバ等であり、表示部16及び入力部17と、制御部20とを接続するインターフェースである。また、メモリカードスロット19は、制御部20の制御の下、メモリカードに記憶されたデータの読み書きを行うためのスロットである。
【0014】
制御部20は、このナビゲーション装置10全体を制御するものであり、本構成では、楽曲の検索動作時に、検索画面及び検索された楽曲リスト等の各種情報が表示される表示部16の画面制御を実行する。また、制御部20は、CPU30及びその周辺回路から構成され、CPU30は、ROM31に記憶された制御プログラム等の各種データを読み出し、入力部17を介して入力されたユーザ指示に応じて、ナビゲーション装置10の各部の制御処理を行う。また、DRAM32は、CPU30のワークエリアに使用されるメモリであり、SRAM33は、不揮発性メモリであり、車両のアクセサリ電源等の本装置のメイン電源がオフの間も、電池等でバックアップされてメモリ内容を保持するようにされている。また、VRAM34は、表示部16の表示用データが格納されるメモリである。
【0015】
上記制御部20は、ユーザにより動作モードとしてナビゲーションモードへの移行が指示されると、CPU30によりナビゲーションプログラムを実行し、表示部16に地図等を表示する。具体的には、制御部20は、GPSユニット11とジャイロユニット12との検出結果に基づき自車両の現在地及び進行方向を特定し、HDD22に記憶された地図データベース35を利用したマップマッチングにより、表示部16に自車両の現在地周辺の地図を表示させる。また、制御部20は、目的地が設定された場合、目的地までの最適経路を計算し、表示地図中に表示して目的地まで経路案内処理を実行する。
地図データベース35には、図2に示すように、道路情報の道路種別(例えば、高速道路、一般道路等)と道路IDとの対応関係を予め定めた道路種別リスト41が記憶されており、制御部20は、道路種別リスト41を用いて自車両が現在位置(走行、駐停車を含む)している道路種別を判別する。本構成では、制御部20、GPSユニット11、ジャイロユニット12、HDD22が道路種別判別手段として機能する。
【0016】
また、制御部20は、所定の検索条件に基づいて、HDD22に記憶された楽曲データベース36を利用して該当する楽曲情報を取得し、これら楽曲情報を表示部16に楽曲リストとして表示する。本構成では、制御部20は、指定された道路種別に基づいて、当該道路種別に関連する楽曲情報を楽曲データベース36の中から取得する取得手段として機能する。
楽曲データベース36には、図3に示すように、楽曲情報ごとに楽曲ID、アルバム名、楽曲名などが記憶されており、各楽曲情報は楽曲IDによって管理されている。この楽曲IDは、例えば、楽曲データベース36に楽曲が登録された順序に従って付与される通し番号である。アルバム名は、当該楽曲情報が収録されたアルバムのタイトルであり、楽曲名は、当該楽曲情報のタイトルである。
【0017】
HDD制御部21は、制御部20の制御の下、HDD22を制御するものであり、HDD22に対してデータの記録、読み出しを行う。また、HDD制御部21は、楽曲再生部25にて所定の楽曲を再生中に、判別された道路種別を当該再生中の楽曲に関連づけてHDD22に記憶する。本構成では、HDD制御部21が記憶制御手段として機能する。
【0018】
HDD(記憶手段)22は、各種データを読み書き可能に記憶する装置であり、表示部16に表示する電子地図の道路、地名、建物等に係る情報が格納された上記地図データベース35が記憶されている。また、このHDD22には、楽曲IDと楽曲情報とを関連づけて記憶するための楽曲データベース36が記憶されている。この楽曲データベース36には、道路種別ごとに、この道路種別と楽曲情報とを関連づけて記憶するための道路別楽曲テーブル42A〜42Gが記憶されている。
これら道路別楽曲テーブル42A〜42Gは、図4に示すように、道路種別ごとに、この道路種別に関連づけられた楽曲情報の楽曲IDと、当該楽曲情報の再生回数とが記憶されているテーブルである。上記HDD制御部21は、所定の楽曲を再生した場合、この楽曲の楽曲IDが判別された道路種別(例えば、道路ID:1)の道路別楽曲テーブル42Aに登録されているか否かを判別し、登録されていなければ、当該道路別楽曲テーブル42Aに当該楽曲IDを登録し、既に登録されていれば、当該道路別楽曲テーブル42Aにおける当該楽曲IDに対応する楽曲の再生回数に1を加算する。
【0019】
通信制御部27は、制御部20の制御の下、このナビゲーション装置10に接続された無線通信機器28(例えば、携帯電話機)を介して情報センターやインターネットにアクセスし、無線通信ネットワークを介して各種情報を受信する。
楽曲再生部25は、スピーカ装置やアンプなどを有し、制御部20の制御下、HDD22に記憶された各種楽曲の再生出力を行う。
【0020】
次に、動作について説明する。
図5は、再生された楽曲を道路種別に関連づけて道路別楽曲テーブル42A〜42Gに記憶させる手順を示すフローチャートである。このフローチャートでは、HDD22の楽曲データベース36に記憶された所定の楽曲が再生されていることが前提となる。
楽曲再生部25によって楽曲の再生が始まると、制御部20は、自車両が走行している道路種別に対応する道路IDを取得する(ステップS1)。具体的には、制御部20は、GPSユニット11及びジャイロユニット12の検出結果に基づき自車両の現在地及び進行方向を特定し、この自車両の現在地を地図データベース35を用いてマップマッチングすることにより、当該自車両が位置(走行)する道路種別を判別する。そして、地図データベース35に予め記憶された道路種別リスト41に基づいて、判別された道路種別に対応する道路IDを取得する。
【0021】
続いて、制御部20は、楽曲データベース36に基づき、現在、楽曲再生部25で再生されている楽曲に対応する楽曲IDを取得する(ステップS2)。
【0022】
続いて、制御部20は、楽曲データベース36からステップS1で判別された道路種別に対応する道路別楽曲テーブル42を読み出し、この道路別楽曲テーブル42の中に、ステップ2で取得した楽曲IDが登録されているか否かを判別する(ステップS3)。
この判別において、道路別楽曲テーブル42に当該楽曲IDが既に登録されている場合(ステップS3;Yes)には、制御部20は、道路別楽曲テーブル42における楽曲IDに対応する楽曲の再生回数に1を加算(ステップS4)して、処理をステップS6に移行する。
また、道路別楽曲テーブル42に楽曲IDが登録されていない場合(ステップS3;No)には、制御部20は、道路別楽曲テーブル42に当該楽曲IDを追加して登録し、この楽曲IDに対応する楽曲の再生回数を初期値(本実施形態では1)に設定する(ステップS5)。
【0023】
続いて、制御部20は、道路IDと楽曲IDとを再度取得し、これら道路IDもしくは楽曲IDが変更されたか否かを判別する(ステップS6)。ここで、道路IDが変更された場合とは、車両が走行する道路種別が変更されることをいい、例えば、高速道路を走行していた車両が、高速道路から一般道路に降りて一般道路を走行するような場合をいう。
また、楽曲IDが変更された場合とは、楽曲再生部25で再生される楽曲が変更されることをいい、前の楽曲の再生が終了して次の楽曲の再生が開始される場合や、ユーザが前の楽曲の再生をスキップして次の楽曲の再生の開始を指示する場合を含む。
【0024】
この判別において、道路IDもしくは楽曲IDが変更した場合(ステップS6;Yes)には、制御部20は、処理をステップS3に戻し、変更された道路IDもしくは楽曲IDについてステップS3〜S5の処理を実行する。
ここで、ユーザが前の楽曲の再生をスキップして次の楽曲の再生の開始を指示した場合には、スキップ指示がなされたとしても、前に再生された楽曲はステップS3、S4により道路別楽曲テーブル42に登録されることになる。しかしながら、道路別楽曲テーブル42は、道路種別によってユーザの嗜好する楽曲の異なる傾向にあるといった前提に基づき、当該道路種別に関連づけられた楽曲が登録されるものである。このため、楽曲を所定時間(例えば、1分間)以上再生する前に、この楽曲をスキップする指示がなされた場合には、スキップした楽曲については道路別楽曲テーブル42に登録しないような構成とすることが望ましい。
また、上記した判別において、道路IDもしくは楽曲IDが変更されていない場合(ステップS6;No)には、制御部20は、楽曲再生部25による楽曲再生が終了したか否かを判別する(ステップS7)。
この判別において、楽曲再生部25による楽曲再生が終了していない(ステップS7;No)場合には、処理をステップS6に戻し、楽曲再生部25による楽曲再生が終了した(ステップS7;Yes)には、処理を終了する。
【0025】
次に、道路種別に基づいて楽曲を検索する手順について説明する。
図6Aは、表示部16に表示された楽曲検索画面51を示したものである。この楽曲検索画面51には、「アルバムから」「アーティストから」もしくは「道路別から」などに区分けされた楽曲の検索リスト52が表示される。この検索リスト52から「道路別から」53を選択して指示すると、図6Bに示すように、制御部20は、地図データベース35から道路種別リスト41(図2)を読み出して、表示部16に道路種別選択画面55が表示させる。
この道路種別選択画面55には、道路種別リスト41に基づいた道路リスト56が表示され、この道路リスト56からユーザが一の道路種別を選択できるようになっている。ここで、道路リスト56からユーザが、例えば、「高速道路」57を選択して指示すると、図6Cに示すように、制御部20は、楽曲データベース36から高速道路に対応する道路別楽曲テーブル42A(図4)を読み出して、表示部16に楽曲選択画面58を表示させる。
ここで、楽曲選択画面58には、高速道路に対応する道路別楽曲テーブル42Aに基づいた楽曲リスト59が表示され、この楽曲リスト59からユーザが少なくとも一の楽曲(例えば、aaa)60を選択して再生を指示できるようになっている。
また、本構成では、楽曲選択画面58の楽曲リスト59には、初期設定により、道路種別に対応する楽曲を再生回数の多い順序に並べて表示するようになっているが、楽曲選択画面58には、これら楽曲を日付順(登録日時順)に並べかえるための日付順キー61と、日付順に並べられた楽曲を再度、再生回数の多い順に並べかえるための回収順キー62とが設けられている。
また、楽曲選択画面58には、自動再生キー63が設けられており、この自動再生キー63を押下すると、上記楽曲リスト59に表示された楽曲が表示された順序で再生される。このように、例えば、再生回数順に楽曲を再生することにより、ユーザが何度も聴いた(すなわち好きな)楽曲を優先的に再生することができ、ユーザの嗜好に合致した再生を行うことができる。
【0026】
本実施形態によれば、楽曲情報に基づいて楽曲を再生する車載用音響装置10において、楽曲情報を予め道路種別と関連づけて記憶するHDD22と、道路種別の中から一の道路種別を指定するための入力部17と、指定された道路種別に基づいて、当該道路種別に関連する楽曲情報をHDD22に記憶された楽曲情報の中から取得するための制御部20とを備えるため、道路種別に関連する楽曲情報を容易に選曲することができる。特に、ユーザが楽曲情報を再生する傾向を当該道路種別と関連づけて記憶しておけば、例えば、高速道路ではロック、一般道路ではポップスを良く聴く傾向にあるというユーザの傾向を的確に捉えた選曲を行うことが可能になる。
【0027】
また、本実施形態によれば、自車両の位置情報に基づいて当該自車両が走行する道路種別を判別するための道路種別判別手段と、所定の楽曲情報を再生中に、判別された道路種別を当該再生中の楽曲情報に関連づけてHDD22に記憶するHDD制御部21とを備えたため、走行する道路種別と潜在的にユーザが好む楽曲とが自動的に関連づけられてHDD22に記憶されるため、過去の蓄積によりユーザが良く聴く楽曲の傾向をより的確に捉えた選曲を行うことができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、HDD22には、道路種別ごとに当該道路種別に関連する楽曲情報の再生回数が記憶され、この再生回数に基づいて、当該楽曲情報の再生が行われるため、ユーザが何度も聴いた(すなわち好きな)楽曲を優先的に再生することができ、ユーザの嗜好に合致した再生を行うことができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、制御部20が取得した楽曲情報のリストを表示する表示部16と、この表示されたリスト中の楽曲情報のうち、少なくとも一の楽曲情報の再生を指示する入力部17とを備えるため、ユーザは道路種別に関連する楽曲リストの中から所望する楽曲を選んで再生することができる。
【0030】
以上、本実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では、道路種別選択画面55に表示された道路種別リスト41の中からユーザが所望する道路種別を指定する構成としていたが、道路種別判別手段が判別した道路種別に基づいて、道路種別を自動的に指定する構成としても良い。この構成によれば、走行している道路種別に関連する楽曲が自動的に選曲されるため、道路種別ごとにユーザの嗜好に合致した選曲を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】道路IDと道路種別との対応関係を予め定めた道路種別リストの一例を示した図である。
【図3】楽曲情報ごとに楽曲ID、アルバム名、楽曲名が記憶された楽曲データベースの一例を示した図である。
【図4】道路種別に関連づけられた楽曲情報の楽曲IDと当該楽曲情報の再生回数とが記憶された道路楽曲道路別楽曲テーブルの一例を示した図である。
【図5】再生された楽曲を道路種別に関連づけて道路別楽曲テーブルに記憶させる手順を示すフローチャートである。
【図6】道路種別に基づいて楽曲を検索する手順を説明するための図であり、Aは楽曲検索画面を示した図であり、Bは道路種別選択画面を示した図であり、Cは楽曲選択画面を示した図である。
【符号の説明】
【0032】
10 ナビゲーション装置(車載用音響装置)
11 GPSユニット(道路種別判別手段)
12 ジャイロユニット(道路種別判別手段)
16 表示部(表示手段)
17 入力部(指定手段、再生指示手段)
20 制御部(道路種別判別手段、取得手段)
21 HDD制御部(記憶制御手段)
22 HDD(記憶手段、道路種別判別手段、指定手段)
25 楽曲再生部
35 地図データベース
36 楽曲データベース
41 道路種別リスト
42 道路別楽曲テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲情報に基づいて楽曲を再生する車載用音響装置において、
前記楽曲情報を予め道路種別と関連づけて記憶する記憶手段と、道路種別の中から一の道路種別を指定する指定手段と、指定された道路種別に基づいて、当該道路種別に関連する楽曲情報を前記記憶手段に記憶された楽曲情報の中から取得する取得手段とを備えることを特徴とする車載用音響装置。
【請求項2】
自車両の位置情報に基づいて当該自車両が走行する道路種別を判別する道路種別判別手段と、所定の楽曲情報を再生中に、判別された道路種別を当該再生中の楽曲情報に関連づけて前記記憶手段に記憶する記憶制御手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の車載用音響装置。
【請求項3】
前記記憶手段には、道路種別ごとに当該道路種別に関連する楽曲情報の再生回数が記憶され、この再生回数に基づいて、当該楽曲情報の再生が行われることを特徴とする請求項1または2に記載の車載用音響装置。
【請求項4】
前記取得手段が取得した楽曲情報のリストを表示する表示手段と、この表示されたリスト中の楽曲情報のうち、少なくとも一の楽曲情報の再生を指示する再生指示手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車載用音響装置。
【請求項5】
前記指定手段は、前記道路種別判別手段が判別した道路種別に基づいて、前記道路種別を指定することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の車載用音響装置。
【請求項6】
楽曲情報に基づいて楽曲を再生する車載用音響装置の制御方法において、
前記車載用音響装置は、前記楽曲情報を予め道路種別と関連づけて記憶する記憶手段を備え、
道路種別の中から一の道路種別を指定し、指定された道路種別に基づいて、当該道路種別に関連する楽曲情報を前記記憶手段に記憶された楽曲情報の中から取得することを特徴とする車載用音響装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−123277(P2009−123277A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295608(P2007−295608)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】