電子部品実装装置及び電子部品実装方法
【課題】ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮することができる電子部品実装装置及び電子部品実装方法を提供する。
【解決手段】電子部品実装装置は、ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得する。また、それぞれのダイの良否情報を取得する。さらに、それぞれのダイの位置情報と良否情報から、良品のダイの位置情報を取得する。そして、取得した良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する。そのため、従来のように、それぞれのダイを撮像する必要がない。従って、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮することができる。
【解決手段】電子部品実装装置は、ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得する。また、それぞれのダイの良否情報を取得する。さらに、それぞれのダイの位置情報と良否情報から、良品のダイの位置情報を取得する。そして、取得した良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する。そのため、従来のように、それぞれのダイを撮像する必要がない。従って、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装装置及び電子部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装装置及び電子部品実装方法として、例えば特許文献1に開示されている電子部品のピックアップ装置及びピックアップ方法がある。
【0003】
このピックアップ装置及びピックアップ方法は、撮像装置の視野サイズを拡大して半導体ウエハの画像を撮像し、撮像した画像から半導体チップをピックアップする際の起点となるピックアップ起点を求める。その後、撮像装置の視野サイズを縮小して求めたピックアップ起点の半導体チップを撮像し、撮像した画像から半導体チップの位置を求める。そして、求めた位置に基づいて半導体チップをピックアップし、基板に実装する。以降、ピックアップ起点から順次移動して、その都度半導体チップを撮像し、撮像した画像から求めた位置に基づいて半導体チップをピックアップし、基板に実装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−258008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述したピックアップ装置及びピックアップ方法では、ピックアップ前に必ず半導体チップを撮像し、撮像した画像から半導体チップの位置を求めなければならない。半導体ウエハに多数形成される半導体チップのうち、良品の半導体チップのみを基板に実装しようとする場合、さらに、撮像した画像から半導体チップの良否を判断しなければならない。そのため、半導体ウエハから良品の半導体チップを基板に実装する際の実装時間を短縮することが困難であった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮することができる電子部品実装装置及び電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明者らは、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得し、それぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得し、良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装することで、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、請求項1に記載の電子部品実装装置は、電子部品の形成された複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装装置において、ウエハ全体を撮像するウエハ撮像手段と、ウエハ撮像手段で撮像したウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報取得手段の取得したそれぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得する良品位置情報取得手段と、良品位置情報取得手段の取得した良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する実装手段と、を有することを特徴とする。この構成によれば、ウエハ全体の画像から、良品のダイの位置情報を取得する。そのため、従来のように、それぞれのダイを撮像する必要がない。従って、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮することができる。
【0009】
請求項2に記載の電子部品実装装置は、ウエハは、それぞれのダイの良否を判別するための良否判別マークを有し、ウエハ撮像手段で撮像したウエハ全体の画像から、良否判別マークに基づいてそれぞれのダイの良否情報を取得する良否情報取得手段を有し、良品位置情報取得手段は、位置情報取得手段の取得したそれぞれのダイの位置情報と、良否情報取得手段の取得したそれぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする。この構成によれば、良品のダイの位置情報を確実に取得することができる。
【0010】
請求項3に記載の電子部品実装装置は、ウエハを事前に検査して取得したそれぞれのダイの良否情報を記憶する良否情報記憶手段を有し、良品位置情報取得手段は、位置情報取得手段の取得したそれぞれのダイの位置情報と、良否情報記憶手段の記憶したそれぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする。この構成によれば、良品のダイの位置情報を確実に取得することができる。
【0011】
請求項4に記載の電子部品実装装置は、ウエハ撮像手段は、ウエハから所定数のダイを取り出して基板に実装した後、再度ウエハ全体を撮像し、位置情報取得手段は、ウエハ撮像手段で再度撮像したウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を再度取得し、良品位置情報取得手段は、位置情報取得手段の再度取得したそれぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を再度取得し、実装手段は、良品位置情報取得手段の再度取得した良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装することを特徴とする。ウエハからダイを取り出す際に、他のダイの位置がずれることがある。この構成によれば、所定数のダイを取り出して基板に実装した後に、再度、ウエハ全体の画像から良品のダイの位置情報を取得する。そのため、ダイの位置がずれても、良品のダイを確実に取り出して基板に実装することができる。
【0012】
請求項5に記載の電子部品実装装置は、ウエハから所定数のダイを取り出して基板に実装した後、ウエハに対して相対移動してダイの画像を撮像するダイ撮像手段と、ダイ撮像手段で撮像したダイの画像から、補正のためのダイの位置情報を取得する補正用位置情報取得手段と、を有し、良品位置情報取得手段は、補正用位置情報取得手段の取得した補正のためのダイの位置情報に基づいて、良品のダイの位置情報を補正することを特徴とする。ウエハからダイを取り出す際に、他のダイの位置がずれることがある。この構成によれば、所定数のダイを取り出して基板に実装した後に、ダイの画像から補正のためのダイの位置情報を取得する。そして、補正のためのダイの位置情報に基づいて良品のダイの位置情報を補正する。そのため、ダイの位置がずれても、良品のダイを確実に取り出して基板に実装することができる。
【0013】
請求項6に記載の電子部品実装装置は、ウエハに対して相対移動して、実装手段が取り出そうとする良品のダイの画像を撮像するダイ撮像手段と、ダイ撮像手段で撮像した取り出そうとする良品のダイの画像から欠けの有無を判定する欠け判定手段と、を有し、実装手段は、欠け判定手段の判定結果に基づいて、ウエハから欠けのないダイを取り出して基板に実装することを特徴とする。ウエハの搬送時や、ウエハからダイを取り出す際に、当初良品であったダイが欠けてしまうことがある。この構成によれば、取り出しそうとする良品のダイの画像から欠けの有無を判定する。そして、判定結果に基づいて、欠けがない場合にそのダイを取り出して基板に実装する。そのため、欠けのない良品のダイだけを確実に取り出して基板に実装することができる。
【0014】
請求項7に記載の電子部品実装装置は、ウエハ撮像手段は、ウエハ全体を一括して撮像する大視野カメラであることを特徴とする。この構成によれば、ウエハ全体を確実に撮像することができる。
【0015】
請求項8に記載の電子部品実装装置は、ウエハ撮像手段は、ウエハに対して相対移動してウエハ全体を撮像するラインスキャンカメラであることを特徴とする。この構成によれば、ウエハ全体を確実に撮像することができる。しかも、マガジンからウエハを取り出す際に、同時にウエハ全体を撮像することができる。そのため、作業時間を短縮するこができる。
【0016】
請求項9に記載の電子部品実装方法は、電子部品の形成された複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装方法において、ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得する位置情報取得工程と、位置情報取得工程において取得したそれぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得する良品位置情報取得工程と、良品位置情報取得工程において取得した良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する実装工程と、を備えたことを特徴とする。この方法によれば、ウエハ全体の画像から、良品のダイの位置情報を取得する。そのため、従来のように、それぞれのダイを撮像する必要がない。従って、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮することができる。
【0017】
請求項10に記載の電子部品実装方法は、ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの良否を判別するために設けられている良否判別マークに基づいてそれぞれのダイの良否情報を取得する良否情報取得工程を有し、良品位置情報取得工程は、位置情報取得工程において取得したそれぞれのダイの位置情報と、良否情報取得工程において取得したそれぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする。この方法によれば、良品のダイの位置情報を確実に取得することができる。
【0018】
請求項11に記載の電子部品実装方法は、良品位置情報取得工程は、位置情報取得工程において取得したそれぞれのダイの位置情報と、ウエハを事前に検査して取得したそれぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする。この方法によれば、良品のダイの位置情報を確実に取得することができる。
【0019】
請求項12に記載の電子部品実装方法は、位置情報取得工程は、ウエハから所定数のダイを取り出して基板に実装した後に再度撮像したウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を再度取得し、良品位置情報取得工程は、位置情報取得工程において再度取得したそれぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を再度取得し、実装工程は、良品位置情報取得工程において再度取得した良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装することを特徴とする。ウエハからダイを取り出す際に、他のダイの位置がずれることがある。この方法によれば、所定数のダイを取り出して基板に実装した後に、再度、ウエハ全体の画像から良品のダイの位置情報を取得する。そのため、ダイの位置がずれても、良品のダイを確実に取り出して基板に実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図2】図1におけるウエハの上面図である。
【図3】第1実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】第1実施形態の変形形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図5】ウエハ撮像の他の形態を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図7】第2実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】第2実施形態の変形形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図9】第3実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図10】第3実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】第3実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するための別のフローチャートである。
【図12】第4実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図13】第4実施形態における電子部品実装装置における通常モードの動作を説明するための説明図である。
【図14】第4実施形態における電子部品実装装置における高速モードAの動作を説明するための説明図である。
【図15】第4実施形態における電子部品実装装置における高速モードBの動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(第1実施形態)
まず、図1及び図2を参照して第1実施形態の電子部品実装装置の構成について説明する。ここで、図1は、第1実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。図2は、図1におけるウエハの上面図である。
【0022】
図1に示す電子部品実装装置1は、電子部品の形成された複数のダイD1によって形成されるウエハW1から良品のダイD1を取り出して基板B1に実装する装置である。ここで、ウエハW1は、図2に示すように、半導体チップ(電子部品)の形成された複数のダイD1をウエハシート上に配列して構成されている。そして、不良品のダイD1のみにバッドマーク(良否判別マーク)が付されている。図1に示すように、電子部品実装装置1は、ウエハ撮像装置10(ウエハ撮像手段)と、画像処理装置11(位置情報取得手段、良否情報取得手段)と、演算部12(良品位置情報取得手段)と、移載ヘッド13(実装手段)と、移載ヘッド駆動部14(実装手段)とを備えている。
【0023】
ウエハ撮像装置10は、ウエハW1全体を撮像する装置である。具体的には、ウエハW1全体を一括して撮像する大視野カメラである。ウエハ撮像装置10は、ウエハW1の上方であってウエハW1全体を一括して撮像できる位置に設置されている。
【0024】
画像処理装置11は、ウエハ撮像装置10で撮像したウエハW1全体の画像から、電子部品実装装置1の機械原点に対するそれぞれのダイD1の位置情報を取得する装置である。また、ウエハ撮像装置10で撮像したウエハW1全体の画像から、バッドマークに基づいてそれぞれのダイD1の良否情報を取得する装置でもある。
【0025】
演算部12は、画像処理装置11の取得したそれぞれのダイD1の位置情報と、それぞれのダイD1の良否情報から良品のダイD1の位置情報を取得するブロックである。
【0026】
移載ヘッド13は、ウエハW1に対して相対移動し、ダイD1を取り出して基板B1に実装する装置である。具体的には、ウエハW1及び基板B1と同一の平面上をXY方向に移動するとともに、ヘッド先端部を上下方向に移動して、ダイD1を基板B1に実装する。
【0027】
移載ヘッド駆動部14は、演算部12の取得した良品のダイD1に位置情報に基づいて移載ヘッド13を駆動し、ウエハW1から良品のダイD1を取り出して基板B1に実装するブロックである。また、ウエハW1から所定数のダイD1を取り出した後、ウエハ撮像装置10、画像処理装置11及び演算部12に対して再度処理を実施するように指示するブロックでもある。具体的には、モータと、モータ制御部とからなり、ダイD1の位置情報に基づいて移載ヘッド13を駆動する。
【0028】
次に、図3を参照して電子部品実装装置の動作、つまり電子部品実装方法について説明する。ここで、図3は、第1実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0029】
基板B1へのダイD1の実装の開始が指示されると、図3に示すように、ウエハ撮像装置10でウエハW1全体の画像を撮像する(S10)。そして、画像処理装置11は、ウエハ撮像装置10で撮像したウエハW1全体の画像から、それぞれのダイD1の位置情報を取得する(S11、位置情報取得工程)。具体的には、機械原点に対する位置情報を取得する。また、ウエハ撮像装置10で撮像したウエハW1全体の画像から、バッドマークに基づいてそれぞれのダイD1の良否情報を取得する(S12、良否情報取得工程)。
【0030】
その後、演算部12は、画像処理装置11の取得したそれぞれのダイD1の位置情報とそれぞれのダイD1の良否情報から、良品のダイD1の位置情報を取得する(S13、良品位置情報取得工程)。そして、移載ヘッド駆動部14は、演算部12の取得した良品のダイD1に位置情報に基づいて移載ヘッド13を駆動し、ウエハW1から良品のダイD1を取り出して基板B1に実装する(S14、実装工程)。
【0031】
その後、移載ヘッド駆動部14は、ダイD1の取り出し数が所定数であるか否かを判定する(S15)。
【0032】
ステップS15において、ダイD1の取り出し数が所定数に達すると、その都度、再度ステップS10〜S13を実施し、ウエハW1全体の画像から良品のダイD1の位置情報を取得する。そして、再度取得した良品のダイD1に位置情報に基づいて移載ヘッド13を駆動し、ウエハW1から良品のダイD1を取り出して基板B1に実装する。
【0033】
一方、ステップS15において、ダイD1の取り出しが所定数でない場合、ダイD1の取り出しが終了したか否かを判定する(S16)。そして、ダイD1の取り出しが終了するまで、良品のダイD1の位置情報に基づいて良品のダイD1を取り出して基板B1に実装する。
【0034】
次に、効果について説明する。第1実施形態によれば、ウエハW1全体の画像から、良品のダイD1の位置情報を取得する。そのため、従来のように、それぞれのダイD1を撮像する必要がない。従って、ウエハW1から良品のダイD1を取り出して基板B1に実装する際の実装時間を短縮することができる。
【0035】
第1実施形態によれば、ウエハW1は、それぞれのダイの良否を判別するためのバッドマークを有している。ウエハW1全体の画像から、バッドマークに基づいてそれぞれのダイD1の良否情報を取得する。そして、それぞれのダイD1の位置情報と、バッドマークに基づいて取得したそれぞれのダイD1の良否情報から、良品のダイD1の位置情報を取得する。そのため、良品のダイD1の位置情報を確実に取得することができる。
【0036】
第1実施形態によれば、所定数のダイD1を取り出して基板B1に実装した後に、再度、ウエハW1全体の画像から良品のダイD1の位置情報を取得する。そのため、ウエハW1からダイD1を取り出す際に、他のダイD1の位置がずれることがあっても、良品のダイD1を確実に取り出して基板B1に実装することができる。
【0037】
第1実施形態によれば、ウエハ撮像装置10は、ウエハW1全体を一括して撮像する大視野カメラである。そのため、ウエハW1全体を確実に撮像することができる。
【0038】
なお、第1実施形態では、ウエハW1全体の画像から良品のダイD1の位置情報を取得し、これに基づいて良品のダイを基板に実装する例を挙げているが、これに限られるものではない。
【0039】
図4に示すように、ダイ撮像装置15(ダイ撮像手段)と、画像処理装置16(欠け判定手段)とを追加してもよい。ダイ撮像装置15は、移載ヘッド13とともに一体的に構成され、ウエハW1に対して相対移動して、移載ヘッド13が取り出そうとする良品のダイD1の画像を撮像する装置である。画像処理装置16は、ダイ撮像装置15で撮像した取り出そうとする良品のダイD1の画像から欠けの有無を判定する装置である。移載ヘッド駆動部14は、演算部12の取得した良品のダイD1に位置情報に基づいて移載ヘッド13を駆動し、ウエハW1から良品のダイD1を取り出そうとする際、画像処理装置16の判定結果に基づいて、欠けのないダイD1を取り出し基板B1に実装する。
【0040】
ウエハW1の搬送時や、ウエハW1からダイD1を取り出す際に、当初良品であったダイD1が欠けてしまうことがある。しかし、取り出しそうとする良品のダイD1の画像から欠けの有無を判定する。そして、判定結果に基づいて、欠けがない場合にそのダイD1を取り出して基板B1に実装する。そのため、欠けのない良品のダイD1だけを確実に取り出して基板B1に実装することができる。なお、演算部12が、ダイ撮像装置15で撮像した取り出そうとする良品のダイD1の画像から欠けの有無を判定するようにしてもよい。
【0041】
また、第1実施形態では、ウエハ撮像装置10が大視野カメラである例を挙げているが、これに限られるものではない。ウエハ撮像装置10は、図5に示すように、ウエハW1をスライドさせることでウエハW1に対して相対移動してウエハW1全体を撮像するラインスキャンカメラ100であってもよい。この場合でも、同様にウエハW1全体を確実に撮像することができる。しかも、マガジンからウエハを取り出す際に、同時にウエハW1全体を撮像することができる。そのため、作業時間を短縮するこができる。
【0042】
さらに、第1実施形態では、各部が処理を分担して動作する例挙げているが、これに限られるものではない。図3に示すステップS11〜ステップS13及びステップS15、S16を、演算部12が一括して処理するようにしてもよい。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電子部品実装装置について説明する。第2実施形態の電子部品実装装置は、第1実施形態の電子部品実装装置が、バッドマークに基づいてそれぞれのダイの良否情報を取得するのに対して、ウエハを事前に検査して取得したぞれぞれのダイの良否情報を記憶しておくようにしたものである。
【0044】
まず、図6を参照して第2実施形態の電子部品実装装置の構成について説明する。ここで、図6は、第2実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【0045】
図6に示すように、電子部品実装装置2は、ウエハ撮像装置20(ウエハ撮像手段)と、画像処理装置21(位置情報取得手段、良否情報取得手段)と、記憶部22(良否情報記憶手段)と、演算部23(良品位置情報取得手段)と、移載ヘッド24(実装手段)と、移載ヘッド駆動部25(実装手段)とを備えている。ウエハ撮像装置20、移載ヘッド24及び移載ヘッド駆動部25は、第1実施形態のウエハ撮像装置10、移載ヘッド13及び移載ヘッド駆動部14と同一構成である。ここで、ウエハW2は、半導体チップ(電子部品)の形成された複数のダイD2をウエハシート上に配列して構成されている。しかし、第1実施形態のウエハW1と異なり、ダイD2の良否判定のためのマークは付されていない。
【0046】
画像処理装置21は、ウエハ撮像装置20で撮像したウエハW2全体の画像から、電子部品実装装置2の機械原点に対するそれぞれのダイD2の位置情報を取得する装置である。しかし、ウエハW2にバッドマークが付されていないため、第1実施形態のように、ウエハW2全体の画像から、それぞれのダイD2の良否情報を取得することはない。
【0047】
記憶部22は、ウエハW2を事前に検査して取得したそれぞれのダイD2のウエハW2上の基準に対する位置情報と良否情報からなるマップデータを記憶するブロックである。
【0048】
演算部23は、第1実施形態の演算部12と同様の機能を有するとともに、画像処理装置11の取得したそれぞれのダイD2の位置情報と、記憶部22に記憶されているそれぞれのダイ2の良否情報から良品のダイD2の位置情報を取得するブロックである。
【0049】
次に、図7を参照して電子部品実装装置の動作について説明する。ここで、図7は、第2実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0050】
基板B2へのダイD2の実装の開始が指示されると、図7に示すように、ウエハ撮像装置20でウエハW2全体の画像を撮像する(S20)。そして、画像処理装置21は、ウエハ撮像装置20で撮像したウエハW全体の画像から、それぞれのダイD2の位置情報を取得する(S21、位置情報取得工程)。具体的には、機械原点に対する位置情報を取得する。
【0051】
その後、演算部23は、画像処理装置21の取得したそれぞれのダイD2の位置情報と記憶部22に記憶されているそれぞれのダイD2の良否情報から、良品のダイD2の位置情報を取得する(S22、良品位置情報取得工程)。そして、移載ヘッド駆動部25は、演算部23の取得した良品のダイD2に位置情報に基づいて移載ヘッド24を駆動し、ウエハW2から良品のダイD2を取り出して基板B2に実装する(S23、実装工程)。
【0052】
その後、移載ヘッド駆動部25は、ダイD2の取り出し数が所定数であるか否かを判定する(S24)。
【0053】
ステップS24において、ダイD2の取り出し数が所定数に達すると、その都度、再度ステップS20〜S22を実施し、ウエハW2全体の画像から良品のダイD2の位置情報を取得する。そして、再度取得した良品のダイD2に位置情報に基づいて移載ヘッド24を駆動し、ウエハW2から良品のダイD2を取り出して基板B2に実装する。
【0054】
一方、ステップS24において、ダイD2の取り出しが所定数でない場合、ダイD2の取り出しが終了したか否かを判定する(S25)。そして、ダイD2の取り出しが終了するまで、良品のダイD2の位置情報に基づいて良品のダイD2を取り出して基板B2に実装する。
【0055】
次に、効果について説明する。第2実施形態によれば、記憶部22は、ウエハW2を事前に検査して取得したそれぞれのダイD2の良否情報を記憶している。そして、それぞれのダイD2の位置情報と、それぞれのダイD2の良否情報から、良品のダイD2の位置情報を取得する。そのため、良品のダイD2の位置情報を確実に取得することができる。
【0056】
なお、第2実施形態では、ウエハW2全体の画像から良品のダイD2の位置情報を取得し、これに基づいて良品のダイを基板に実装する例を挙げているが、これに限られるものではない。
【0057】
図8に示すように、ダイ撮像装置26(ダイ撮像手段)と、画像処理装置27(欠け判定手段)とを追加してもよい。ダイ撮像装置26は、移載ヘッド24とともに一体的に構成され、ウエハW2に対して相対移動して、移載ヘッド24が取り出そうとする良品のダイD2の画像を撮像する装置である。画像処理装置27は、ダイ撮像装置26で撮像した取り出そうとする良品のダイD2の画像から欠けの有無を判定する装置である。移載ヘッド駆動部25は、演算部23の取得した良品のダイD2に位置情報に基づいて移載ヘッド24を駆動し、ウエハW2から良品のダイD2を取り出そうとする際、画像処理装置27の判定結果に基づいて、欠けのないダイD2を取り出し基板B2に実装する。
【0058】
ウエハW2の搬送時や、ウエハW2からダイD2を取り出す際に、当初良品であったダイD2が欠けてしまうことがある。しかし、取り出しそうとする良品のダイD2の画像から欠けの有無を判定する。そして、判定結果に基づいて、欠けがない場合にそのダイD2を取り出して基板B2に実装する。そのため、欠けのない良品のダイD2だけを確実に取り出して基板B2に実装することができる。なお、演算部23が、ダイ撮像装置26で撮像した取り出そうとする良品のダイD2の画像から欠けの有無を判定するようにしてもよい。
【0059】
また、第2実施形態では、各部が処理を分担して動作する例挙げているが、これに限られるものではない。図7に示すステップS21、S22、S24、S25を、演算部23が一括して処理するようにしてもよい。
【0060】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の電子部品実装装置について説明する。第3実施形態の電子部品実装装置は、第1実施形態の電子部品実装装置が、ダイの取り出し数が所定数に達すると、再度、ウエハ全体の画像から良品のダイの位置情報を取得するのに対して、ダイの画像から良品のダイの位置情報を補正するようにしたものである。
【0061】
まず、図9を参照して第3実施形態の電子部品実装装置の構成について説明する。ここで、図9は、第3実施形態における電子部品実装装置のブロックである。
【0062】
図9に示すように、電子部品実装装置3は、ウエハ撮像装置30(ウエハ撮像手段)と、画像処理装置31(位置情報取得手段、良否情報取得手段)と、ダイ撮像装置32(ダイ撮像手段)と、画像処理装置33(補正用位置情報取得手段)と、演算部34(良品位置情報取得手段)と、移載ヘッド35(実装手段)と、移載ヘッド駆動部36(実装手段)とを備えている。ウエハ撮像装置30、画像処理装置31、移載ヘッド35及び移載ヘッド駆動部36は、第1実施形態のウエハ撮像装置10、画像処理装置11、移載ヘッド13及び移載ヘッド駆動部14と同一構成である。ここで、ウエハW3は、第1実施形態と同様に、不良品のダイD3のみにバッドマークが付されている。
【0063】
ダイ撮像装置32は、ウエハW3から所定数のダイD3を取り出して基板B3に実装した後、ウエハW3に対して相対移動して、移載ヘッド35が取り出そうとする良品のダイD3の画像を撮像する装置である。
【0064】
画像処理装置33は、ダイ撮像装置32で撮像したダイD3の画像から、補正のためのダイD3の位置情報を取得する装置である。
【0065】
演算部34は、第1実施形態の演算部12と同様の機能を有するとともに、画像処理装置33の取得した補正のためのダイD3の位置情報に基づいて、良品のダイD3の位置情報を補正するブロックである。
【0066】
次に、図10及び図11を参照して電子部品実装装置の動作について説明する。ここで、図10は、第3実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。図11は、第3実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するための別のフローチャートである。
【0067】
ステップS30〜ステップS34は、第1実施形態におけるステップS10〜ステップS14と同一である。
【0068】
移載ヘッド駆動部36は、ダイD3の取り出し数が所定数であるか否かを判定する(S35)。
【0069】
ステップS35において、ダイD3の取り出し数が所定数に達すると、ダイ撮像装置32で取り出そうとするダイの画像を撮像する(S36)。そして、画像処理装置33は、ダイ撮像装置32で撮像したダイD3の画像から、補正のためのダイ位置情報を取得する(S37)。具体的には、機械原点に対する位置情報を取得する。さらに、演算部34は、補正のためのダイD3の位置情報に基づいて、ステップS33で取得した良品のダイD3の位置情報を補正する(S38)。
【0070】
そして、移載ヘッド駆動部36は、補正した良品のダイD3の位置情報に基づいて移載ヘッド35を駆動し、ウエハW3から良品のD3を取り出して基板B3に実装する。
【0071】
一方、ステップS35において、ダイD3の取り出しが所定数でない場合、ダイD3の取り出しが終了したか否かを判定する(S39)。そして、ダイD3の取り出しが終了するまで、良品のダイD3の位置情報に基づいて良品のダイD3を取り出して基板B3に実装する。
【0072】
次に、効果について説明する。第3実施形態によれば、所定数のダイD3を取り出して基板B3に実装した後に、ダイD3の画像から補正のためのダイD3の位置情報を取得する。そして、補正のためのダイD3の位置情報に基づいて良品のダイD3の位置情報を補正する。そのため、ウエハW3からダイD3を取り出す際に、他のダイD3の位置がずれることがあっても、良品のダイD3を確実に取り出して基板B3に実装することができる。
【0073】
なお、第3実施形態では、各部が処理を分担して動作する例挙げているが、これに限られるものではない。図10に示すステップS31〜ステップS33、ステップS35及びステップS37〜ステップS39を、演算部34が一括して処理するようにしてもよい。
【0074】
(第4実施形態)
次に、第3実施形態の電子部品実装装置について説明する。
まず、図12を参照して第4実施形態の電子部品実装装置の構成について説明する。ここで、図12は、第4実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【0075】
図12に示すように、電子部品実装装置4は、ダイ撮像装置40と、画像処理装置41と、記憶部42と、演算部43と、移載ヘッド44a、44bと、駆動部45とを備えている。
【0076】
ダイ撮像装置40は、移載ヘッド44a、44bとともに一体的に構成され、ウエハW4に対して相対移動して、ダイD4の画像を撮像する装置である。
【0077】
画像処理装置41は、ダイ撮像装置40の撮像したダイD4の画像から、電子部品実装装置4の機械原点に対するダイD4の位置情報を取得する装置である。
【0078】
記憶部42は、ウエハW4を事前に検査して取得したそれぞれのダイD4のウエハW4上の基準に対する位置情報と良否情報からなるマップデータを記憶するブロックである。
【0079】
演算部43は、記憶部45に記憶されているそれぞれのダイD4のマップデータから良品のダイD4の位置情報を取得するブロックである。
【0080】
移載ヘッド44a、44bは、ダイ撮像装置40とともに一体的に構成され、ウエハW4に対して相対移動し、ダイD4を取り出して基板B4に実装する装置である。
【0081】
駆動部45は、演算部43がマップデータから取得した良品のダイD4の位置情報と画像処理装置41が取得した良品のダイD4の位置情報に基づいて移載ヘッド44a、44bを駆動し、ウエハW4から良品のダイD4を取り出して基板B4に実装するブロックである。
【0082】
次に、図13〜図15を参照して電子部品実装装置の動作について説明する。ここで、図13は、第4実施形態における電子部品実装装置における通常モードの動作を説明するための説明図である。図14は、第4実施形態における電子部品実装装置における高速モードAの動作を説明するための説明図である。図15は、第4実施形態における電子部品実装装置における高速モードBの動作を説明するための説明図である。
【0083】
電子部品実装装置の動作には、標準モード、高速モードA及び高速モードBの3つのモードがある。これらの動作モードは、手動によって切替えられる。
【0084】
まず、標準モードについて説明する。図13(a)に示すように、ダイ撮像装置40でダイD40を撮像する。画像処理装置41は、撮像したダイD40の画像から、ダイD40の位置情報を取得する。その後、図13(b)に示すように、取得したダイD40の位置情報に基づいて移載ノズル44aを移動させ、移載ノズル44aでダイD40を吸着する。さらに、図13(c)に示すように、ダイ撮像装置40でダイD41を撮像する。画像処理装置41は、撮像したダイD41の画像から、ダイD41の位置情報を取得する。その後、図13(d)に示すように、取得したダイD41の位置情報に基づいて移載ノズル44bを移動させ、移載ノズル44bでダイD41を吸着する。そして、ダイD40、D41をそれぞれ基板に実装する。
【0085】
次に、高速モードAについて説明する。図14(a)に示すように、ダイ撮像装置40でダイD40を撮像する。画像処理装置41は、撮像したダイD40の画像から、ダイD40の位置情報を取得する。さらに、図14(b)に示すように、ダイ撮像装置40でダイD41を撮像する。画像処理装置41は、撮像したダイD41の画像から、ダイD41の位置情報を取得する。その後、図14(c)に示すように、取得したダイD40の位置情報に基づいて移載ノズル44aを移動させ、移載ノズル44aでダイD40を吸着する。さらに、図14(d)に示すように、取得したダイD41の位置情報に基づいて移載ノズル44bを移動させ、移載ノズル44bでダイD41を吸着する。そして、ダイD40、D41をそれぞれ基板に実装する。
【0086】
次に、高速モードBについて説明する。図15(a)に示すように、ダイ撮像装置40でダイD40を撮像する。画像処理装置41は、撮像したダイD40の画像から、ダイD40の位置情報を取得する。演算部43は、画像処理装置41の取得したダイD40の位置情報基づいてマップデータを補正し、ダイD41の位置情報を取得する。その後、図15(b)に示すように、取得したダイD40の位置情報に基づいて移載ノズル44aを移動させ、移載ノズル44aでダイD40を吸着する。さらに、図15(c)に示すように、取得したダイD41の位置情報に基づいて移載ノズル44bを移動させ、移載ノズル44bでダイD41を吸着する。そして、ダイD40、D41をそれぞれ基板に実装する。
【0087】
次に、効果について説明する。第4実施形態によれば、高速モードBに切替えることで、撮像回数を減らすことができる。そのため、ウエハW4から良品のダイD4を取り出して基板B4に実装する際の実装時間を短縮することができる。
【0088】
なお、第4実施形態では、移載ノズルを2つ備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。3つ以上備えていてもよい。高速モードBで動作させることで同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0089】
1〜4・・・電子部品実装装置、10、20、30、40・・・ウエハ撮像装置(ウエハ撮像手段)、100・・・ラインスキャンカメラ、11、21、31、41・・・画像処理装置(位置情報取得手段、良否情報取得手段)、12、23、34、43・・・演算部(良品位置情報取得手段)、13、24、35、44a、44b・・・移載ヘッド(実装手段)、14、25、36・・・移載ヘッド駆動部(実装手段)、15、26・・・ダイ撮像装置(ダイ撮像手段)、16、27・・・画像処理装置(欠け判定手段)、22、42・・・記憶部(良否情報記憶手段)、32・・・ダイ撮像装置(ダイ撮像手段)、33・・・画像処理装置(補正用位置情報取得手段)、40・・・ダイ撮像装置、41・・・画像処理装置、45・・・駆動部、W1〜W4・・・ウエハ、D1〜D4、D40、D41・・・ダイ、B1〜B4・・・基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装装置及び電子部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装装置及び電子部品実装方法として、例えば特許文献1に開示されている電子部品のピックアップ装置及びピックアップ方法がある。
【0003】
このピックアップ装置及びピックアップ方法は、撮像装置の視野サイズを拡大して半導体ウエハの画像を撮像し、撮像した画像から半導体チップをピックアップする際の起点となるピックアップ起点を求める。その後、撮像装置の視野サイズを縮小して求めたピックアップ起点の半導体チップを撮像し、撮像した画像から半導体チップの位置を求める。そして、求めた位置に基づいて半導体チップをピックアップし、基板に実装する。以降、ピックアップ起点から順次移動して、その都度半導体チップを撮像し、撮像した画像から求めた位置に基づいて半導体チップをピックアップし、基板に実装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−258008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述したピックアップ装置及びピックアップ方法では、ピックアップ前に必ず半導体チップを撮像し、撮像した画像から半導体チップの位置を求めなければならない。半導体ウエハに多数形成される半導体チップのうち、良品の半導体チップのみを基板に実装しようとする場合、さらに、撮像した画像から半導体チップの良否を判断しなければならない。そのため、半導体ウエハから良品の半導体チップを基板に実装する際の実装時間を短縮することが困難であった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮することができる電子部品実装装置及び電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明者らは、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得し、それぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得し、良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装することで、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、請求項1に記載の電子部品実装装置は、電子部品の形成された複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装装置において、ウエハ全体を撮像するウエハ撮像手段と、ウエハ撮像手段で撮像したウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報取得手段の取得したそれぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得する良品位置情報取得手段と、良品位置情報取得手段の取得した良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する実装手段と、を有することを特徴とする。この構成によれば、ウエハ全体の画像から、良品のダイの位置情報を取得する。そのため、従来のように、それぞれのダイを撮像する必要がない。従って、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮することができる。
【0009】
請求項2に記載の電子部品実装装置は、ウエハは、それぞれのダイの良否を判別するための良否判別マークを有し、ウエハ撮像手段で撮像したウエハ全体の画像から、良否判別マークに基づいてそれぞれのダイの良否情報を取得する良否情報取得手段を有し、良品位置情報取得手段は、位置情報取得手段の取得したそれぞれのダイの位置情報と、良否情報取得手段の取得したそれぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする。この構成によれば、良品のダイの位置情報を確実に取得することができる。
【0010】
請求項3に記載の電子部品実装装置は、ウエハを事前に検査して取得したそれぞれのダイの良否情報を記憶する良否情報記憶手段を有し、良品位置情報取得手段は、位置情報取得手段の取得したそれぞれのダイの位置情報と、良否情報記憶手段の記憶したそれぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする。この構成によれば、良品のダイの位置情報を確実に取得することができる。
【0011】
請求項4に記載の電子部品実装装置は、ウエハ撮像手段は、ウエハから所定数のダイを取り出して基板に実装した後、再度ウエハ全体を撮像し、位置情報取得手段は、ウエハ撮像手段で再度撮像したウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を再度取得し、良品位置情報取得手段は、位置情報取得手段の再度取得したそれぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を再度取得し、実装手段は、良品位置情報取得手段の再度取得した良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装することを特徴とする。ウエハからダイを取り出す際に、他のダイの位置がずれることがある。この構成によれば、所定数のダイを取り出して基板に実装した後に、再度、ウエハ全体の画像から良品のダイの位置情報を取得する。そのため、ダイの位置がずれても、良品のダイを確実に取り出して基板に実装することができる。
【0012】
請求項5に記載の電子部品実装装置は、ウエハから所定数のダイを取り出して基板に実装した後、ウエハに対して相対移動してダイの画像を撮像するダイ撮像手段と、ダイ撮像手段で撮像したダイの画像から、補正のためのダイの位置情報を取得する補正用位置情報取得手段と、を有し、良品位置情報取得手段は、補正用位置情報取得手段の取得した補正のためのダイの位置情報に基づいて、良品のダイの位置情報を補正することを特徴とする。ウエハからダイを取り出す際に、他のダイの位置がずれることがある。この構成によれば、所定数のダイを取り出して基板に実装した後に、ダイの画像から補正のためのダイの位置情報を取得する。そして、補正のためのダイの位置情報に基づいて良品のダイの位置情報を補正する。そのため、ダイの位置がずれても、良品のダイを確実に取り出して基板に実装することができる。
【0013】
請求項6に記載の電子部品実装装置は、ウエハに対して相対移動して、実装手段が取り出そうとする良品のダイの画像を撮像するダイ撮像手段と、ダイ撮像手段で撮像した取り出そうとする良品のダイの画像から欠けの有無を判定する欠け判定手段と、を有し、実装手段は、欠け判定手段の判定結果に基づいて、ウエハから欠けのないダイを取り出して基板に実装することを特徴とする。ウエハの搬送時や、ウエハからダイを取り出す際に、当初良品であったダイが欠けてしまうことがある。この構成によれば、取り出しそうとする良品のダイの画像から欠けの有無を判定する。そして、判定結果に基づいて、欠けがない場合にそのダイを取り出して基板に実装する。そのため、欠けのない良品のダイだけを確実に取り出して基板に実装することができる。
【0014】
請求項7に記載の電子部品実装装置は、ウエハ撮像手段は、ウエハ全体を一括して撮像する大視野カメラであることを特徴とする。この構成によれば、ウエハ全体を確実に撮像することができる。
【0015】
請求項8に記載の電子部品実装装置は、ウエハ撮像手段は、ウエハに対して相対移動してウエハ全体を撮像するラインスキャンカメラであることを特徴とする。この構成によれば、ウエハ全体を確実に撮像することができる。しかも、マガジンからウエハを取り出す際に、同時にウエハ全体を撮像することができる。そのため、作業時間を短縮するこができる。
【0016】
請求項9に記載の電子部品実装方法は、電子部品の形成された複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装方法において、ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得する位置情報取得工程と、位置情報取得工程において取得したそれぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得する良品位置情報取得工程と、良品位置情報取得工程において取得した良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する実装工程と、を備えたことを特徴とする。この方法によれば、ウエハ全体の画像から、良品のダイの位置情報を取得する。そのため、従来のように、それぞれのダイを撮像する必要がない。従って、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装する際の実装時間を短縮することができる。
【0017】
請求項10に記載の電子部品実装方法は、ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの良否を判別するために設けられている良否判別マークに基づいてそれぞれのダイの良否情報を取得する良否情報取得工程を有し、良品位置情報取得工程は、位置情報取得工程において取得したそれぞれのダイの位置情報と、良否情報取得工程において取得したそれぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする。この方法によれば、良品のダイの位置情報を確実に取得することができる。
【0018】
請求項11に記載の電子部品実装方法は、良品位置情報取得工程は、位置情報取得工程において取得したそれぞれのダイの位置情報と、ウエハを事前に検査して取得したそれぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする。この方法によれば、良品のダイの位置情報を確実に取得することができる。
【0019】
請求項12に記載の電子部品実装方法は、位置情報取得工程は、ウエハから所定数のダイを取り出して基板に実装した後に再度撮像したウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を再度取得し、良品位置情報取得工程は、位置情報取得工程において再度取得したそれぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を再度取得し、実装工程は、良品位置情報取得工程において再度取得した良品のダイの位置情報に基づいて、ウエハから良品のダイを取り出して基板に実装することを特徴とする。ウエハからダイを取り出す際に、他のダイの位置がずれることがある。この方法によれば、所定数のダイを取り出して基板に実装した後に、再度、ウエハ全体の画像から良品のダイの位置情報を取得する。そのため、ダイの位置がずれても、良品のダイを確実に取り出して基板に実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図2】図1におけるウエハの上面図である。
【図3】第1実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】第1実施形態の変形形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図5】ウエハ撮像の他の形態を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図7】第2実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】第2実施形態の変形形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図9】第3実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図10】第3実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】第3実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するための別のフローチャートである。
【図12】第4実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【図13】第4実施形態における電子部品実装装置における通常モードの動作を説明するための説明図である。
【図14】第4実施形態における電子部品実装装置における高速モードAの動作を説明するための説明図である。
【図15】第4実施形態における電子部品実装装置における高速モードBの動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(第1実施形態)
まず、図1及び図2を参照して第1実施形態の電子部品実装装置の構成について説明する。ここで、図1は、第1実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。図2は、図1におけるウエハの上面図である。
【0022】
図1に示す電子部品実装装置1は、電子部品の形成された複数のダイD1によって形成されるウエハW1から良品のダイD1を取り出して基板B1に実装する装置である。ここで、ウエハW1は、図2に示すように、半導体チップ(電子部品)の形成された複数のダイD1をウエハシート上に配列して構成されている。そして、不良品のダイD1のみにバッドマーク(良否判別マーク)が付されている。図1に示すように、電子部品実装装置1は、ウエハ撮像装置10(ウエハ撮像手段)と、画像処理装置11(位置情報取得手段、良否情報取得手段)と、演算部12(良品位置情報取得手段)と、移載ヘッド13(実装手段)と、移載ヘッド駆動部14(実装手段)とを備えている。
【0023】
ウエハ撮像装置10は、ウエハW1全体を撮像する装置である。具体的には、ウエハW1全体を一括して撮像する大視野カメラである。ウエハ撮像装置10は、ウエハW1の上方であってウエハW1全体を一括して撮像できる位置に設置されている。
【0024】
画像処理装置11は、ウエハ撮像装置10で撮像したウエハW1全体の画像から、電子部品実装装置1の機械原点に対するそれぞれのダイD1の位置情報を取得する装置である。また、ウエハ撮像装置10で撮像したウエハW1全体の画像から、バッドマークに基づいてそれぞれのダイD1の良否情報を取得する装置でもある。
【0025】
演算部12は、画像処理装置11の取得したそれぞれのダイD1の位置情報と、それぞれのダイD1の良否情報から良品のダイD1の位置情報を取得するブロックである。
【0026】
移載ヘッド13は、ウエハW1に対して相対移動し、ダイD1を取り出して基板B1に実装する装置である。具体的には、ウエハW1及び基板B1と同一の平面上をXY方向に移動するとともに、ヘッド先端部を上下方向に移動して、ダイD1を基板B1に実装する。
【0027】
移載ヘッド駆動部14は、演算部12の取得した良品のダイD1に位置情報に基づいて移載ヘッド13を駆動し、ウエハW1から良品のダイD1を取り出して基板B1に実装するブロックである。また、ウエハW1から所定数のダイD1を取り出した後、ウエハ撮像装置10、画像処理装置11及び演算部12に対して再度処理を実施するように指示するブロックでもある。具体的には、モータと、モータ制御部とからなり、ダイD1の位置情報に基づいて移載ヘッド13を駆動する。
【0028】
次に、図3を参照して電子部品実装装置の動作、つまり電子部品実装方法について説明する。ここで、図3は、第1実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0029】
基板B1へのダイD1の実装の開始が指示されると、図3に示すように、ウエハ撮像装置10でウエハW1全体の画像を撮像する(S10)。そして、画像処理装置11は、ウエハ撮像装置10で撮像したウエハW1全体の画像から、それぞれのダイD1の位置情報を取得する(S11、位置情報取得工程)。具体的には、機械原点に対する位置情報を取得する。また、ウエハ撮像装置10で撮像したウエハW1全体の画像から、バッドマークに基づいてそれぞれのダイD1の良否情報を取得する(S12、良否情報取得工程)。
【0030】
その後、演算部12は、画像処理装置11の取得したそれぞれのダイD1の位置情報とそれぞれのダイD1の良否情報から、良品のダイD1の位置情報を取得する(S13、良品位置情報取得工程)。そして、移載ヘッド駆動部14は、演算部12の取得した良品のダイD1に位置情報に基づいて移載ヘッド13を駆動し、ウエハW1から良品のダイD1を取り出して基板B1に実装する(S14、実装工程)。
【0031】
その後、移載ヘッド駆動部14は、ダイD1の取り出し数が所定数であるか否かを判定する(S15)。
【0032】
ステップS15において、ダイD1の取り出し数が所定数に達すると、その都度、再度ステップS10〜S13を実施し、ウエハW1全体の画像から良品のダイD1の位置情報を取得する。そして、再度取得した良品のダイD1に位置情報に基づいて移載ヘッド13を駆動し、ウエハW1から良品のダイD1を取り出して基板B1に実装する。
【0033】
一方、ステップS15において、ダイD1の取り出しが所定数でない場合、ダイD1の取り出しが終了したか否かを判定する(S16)。そして、ダイD1の取り出しが終了するまで、良品のダイD1の位置情報に基づいて良品のダイD1を取り出して基板B1に実装する。
【0034】
次に、効果について説明する。第1実施形態によれば、ウエハW1全体の画像から、良品のダイD1の位置情報を取得する。そのため、従来のように、それぞれのダイD1を撮像する必要がない。従って、ウエハW1から良品のダイD1を取り出して基板B1に実装する際の実装時間を短縮することができる。
【0035】
第1実施形態によれば、ウエハW1は、それぞれのダイの良否を判別するためのバッドマークを有している。ウエハW1全体の画像から、バッドマークに基づいてそれぞれのダイD1の良否情報を取得する。そして、それぞれのダイD1の位置情報と、バッドマークに基づいて取得したそれぞれのダイD1の良否情報から、良品のダイD1の位置情報を取得する。そのため、良品のダイD1の位置情報を確実に取得することができる。
【0036】
第1実施形態によれば、所定数のダイD1を取り出して基板B1に実装した後に、再度、ウエハW1全体の画像から良品のダイD1の位置情報を取得する。そのため、ウエハW1からダイD1を取り出す際に、他のダイD1の位置がずれることがあっても、良品のダイD1を確実に取り出して基板B1に実装することができる。
【0037】
第1実施形態によれば、ウエハ撮像装置10は、ウエハW1全体を一括して撮像する大視野カメラである。そのため、ウエハW1全体を確実に撮像することができる。
【0038】
なお、第1実施形態では、ウエハW1全体の画像から良品のダイD1の位置情報を取得し、これに基づいて良品のダイを基板に実装する例を挙げているが、これに限られるものではない。
【0039】
図4に示すように、ダイ撮像装置15(ダイ撮像手段)と、画像処理装置16(欠け判定手段)とを追加してもよい。ダイ撮像装置15は、移載ヘッド13とともに一体的に構成され、ウエハW1に対して相対移動して、移載ヘッド13が取り出そうとする良品のダイD1の画像を撮像する装置である。画像処理装置16は、ダイ撮像装置15で撮像した取り出そうとする良品のダイD1の画像から欠けの有無を判定する装置である。移載ヘッド駆動部14は、演算部12の取得した良品のダイD1に位置情報に基づいて移載ヘッド13を駆動し、ウエハW1から良品のダイD1を取り出そうとする際、画像処理装置16の判定結果に基づいて、欠けのないダイD1を取り出し基板B1に実装する。
【0040】
ウエハW1の搬送時や、ウエハW1からダイD1を取り出す際に、当初良品であったダイD1が欠けてしまうことがある。しかし、取り出しそうとする良品のダイD1の画像から欠けの有無を判定する。そして、判定結果に基づいて、欠けがない場合にそのダイD1を取り出して基板B1に実装する。そのため、欠けのない良品のダイD1だけを確実に取り出して基板B1に実装することができる。なお、演算部12が、ダイ撮像装置15で撮像した取り出そうとする良品のダイD1の画像から欠けの有無を判定するようにしてもよい。
【0041】
また、第1実施形態では、ウエハ撮像装置10が大視野カメラである例を挙げているが、これに限られるものではない。ウエハ撮像装置10は、図5に示すように、ウエハW1をスライドさせることでウエハW1に対して相対移動してウエハW1全体を撮像するラインスキャンカメラ100であってもよい。この場合でも、同様にウエハW1全体を確実に撮像することができる。しかも、マガジンからウエハを取り出す際に、同時にウエハW1全体を撮像することができる。そのため、作業時間を短縮するこができる。
【0042】
さらに、第1実施形態では、各部が処理を分担して動作する例挙げているが、これに限られるものではない。図3に示すステップS11〜ステップS13及びステップS15、S16を、演算部12が一括して処理するようにしてもよい。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電子部品実装装置について説明する。第2実施形態の電子部品実装装置は、第1実施形態の電子部品実装装置が、バッドマークに基づいてそれぞれのダイの良否情報を取得するのに対して、ウエハを事前に検査して取得したぞれぞれのダイの良否情報を記憶しておくようにしたものである。
【0044】
まず、図6を参照して第2実施形態の電子部品実装装置の構成について説明する。ここで、図6は、第2実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【0045】
図6に示すように、電子部品実装装置2は、ウエハ撮像装置20(ウエハ撮像手段)と、画像処理装置21(位置情報取得手段、良否情報取得手段)と、記憶部22(良否情報記憶手段)と、演算部23(良品位置情報取得手段)と、移載ヘッド24(実装手段)と、移載ヘッド駆動部25(実装手段)とを備えている。ウエハ撮像装置20、移載ヘッド24及び移載ヘッド駆動部25は、第1実施形態のウエハ撮像装置10、移載ヘッド13及び移載ヘッド駆動部14と同一構成である。ここで、ウエハW2は、半導体チップ(電子部品)の形成された複数のダイD2をウエハシート上に配列して構成されている。しかし、第1実施形態のウエハW1と異なり、ダイD2の良否判定のためのマークは付されていない。
【0046】
画像処理装置21は、ウエハ撮像装置20で撮像したウエハW2全体の画像から、電子部品実装装置2の機械原点に対するそれぞれのダイD2の位置情報を取得する装置である。しかし、ウエハW2にバッドマークが付されていないため、第1実施形態のように、ウエハW2全体の画像から、それぞれのダイD2の良否情報を取得することはない。
【0047】
記憶部22は、ウエハW2を事前に検査して取得したそれぞれのダイD2のウエハW2上の基準に対する位置情報と良否情報からなるマップデータを記憶するブロックである。
【0048】
演算部23は、第1実施形態の演算部12と同様の機能を有するとともに、画像処理装置11の取得したそれぞれのダイD2の位置情報と、記憶部22に記憶されているそれぞれのダイ2の良否情報から良品のダイD2の位置情報を取得するブロックである。
【0049】
次に、図7を参照して電子部品実装装置の動作について説明する。ここで、図7は、第2実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0050】
基板B2へのダイD2の実装の開始が指示されると、図7に示すように、ウエハ撮像装置20でウエハW2全体の画像を撮像する(S20)。そして、画像処理装置21は、ウエハ撮像装置20で撮像したウエハW全体の画像から、それぞれのダイD2の位置情報を取得する(S21、位置情報取得工程)。具体的には、機械原点に対する位置情報を取得する。
【0051】
その後、演算部23は、画像処理装置21の取得したそれぞれのダイD2の位置情報と記憶部22に記憶されているそれぞれのダイD2の良否情報から、良品のダイD2の位置情報を取得する(S22、良品位置情報取得工程)。そして、移載ヘッド駆動部25は、演算部23の取得した良品のダイD2に位置情報に基づいて移載ヘッド24を駆動し、ウエハW2から良品のダイD2を取り出して基板B2に実装する(S23、実装工程)。
【0052】
その後、移載ヘッド駆動部25は、ダイD2の取り出し数が所定数であるか否かを判定する(S24)。
【0053】
ステップS24において、ダイD2の取り出し数が所定数に達すると、その都度、再度ステップS20〜S22を実施し、ウエハW2全体の画像から良品のダイD2の位置情報を取得する。そして、再度取得した良品のダイD2に位置情報に基づいて移載ヘッド24を駆動し、ウエハW2から良品のダイD2を取り出して基板B2に実装する。
【0054】
一方、ステップS24において、ダイD2の取り出しが所定数でない場合、ダイD2の取り出しが終了したか否かを判定する(S25)。そして、ダイD2の取り出しが終了するまで、良品のダイD2の位置情報に基づいて良品のダイD2を取り出して基板B2に実装する。
【0055】
次に、効果について説明する。第2実施形態によれば、記憶部22は、ウエハW2を事前に検査して取得したそれぞれのダイD2の良否情報を記憶している。そして、それぞれのダイD2の位置情報と、それぞれのダイD2の良否情報から、良品のダイD2の位置情報を取得する。そのため、良品のダイD2の位置情報を確実に取得することができる。
【0056】
なお、第2実施形態では、ウエハW2全体の画像から良品のダイD2の位置情報を取得し、これに基づいて良品のダイを基板に実装する例を挙げているが、これに限られるものではない。
【0057】
図8に示すように、ダイ撮像装置26(ダイ撮像手段)と、画像処理装置27(欠け判定手段)とを追加してもよい。ダイ撮像装置26は、移載ヘッド24とともに一体的に構成され、ウエハW2に対して相対移動して、移載ヘッド24が取り出そうとする良品のダイD2の画像を撮像する装置である。画像処理装置27は、ダイ撮像装置26で撮像した取り出そうとする良品のダイD2の画像から欠けの有無を判定する装置である。移載ヘッド駆動部25は、演算部23の取得した良品のダイD2に位置情報に基づいて移載ヘッド24を駆動し、ウエハW2から良品のダイD2を取り出そうとする際、画像処理装置27の判定結果に基づいて、欠けのないダイD2を取り出し基板B2に実装する。
【0058】
ウエハW2の搬送時や、ウエハW2からダイD2を取り出す際に、当初良品であったダイD2が欠けてしまうことがある。しかし、取り出しそうとする良品のダイD2の画像から欠けの有無を判定する。そして、判定結果に基づいて、欠けがない場合にそのダイD2を取り出して基板B2に実装する。そのため、欠けのない良品のダイD2だけを確実に取り出して基板B2に実装することができる。なお、演算部23が、ダイ撮像装置26で撮像した取り出そうとする良品のダイD2の画像から欠けの有無を判定するようにしてもよい。
【0059】
また、第2実施形態では、各部が処理を分担して動作する例挙げているが、これに限られるものではない。図7に示すステップS21、S22、S24、S25を、演算部23が一括して処理するようにしてもよい。
【0060】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の電子部品実装装置について説明する。第3実施形態の電子部品実装装置は、第1実施形態の電子部品実装装置が、ダイの取り出し数が所定数に達すると、再度、ウエハ全体の画像から良品のダイの位置情報を取得するのに対して、ダイの画像から良品のダイの位置情報を補正するようにしたものである。
【0061】
まず、図9を参照して第3実施形態の電子部品実装装置の構成について説明する。ここで、図9は、第3実施形態における電子部品実装装置のブロックである。
【0062】
図9に示すように、電子部品実装装置3は、ウエハ撮像装置30(ウエハ撮像手段)と、画像処理装置31(位置情報取得手段、良否情報取得手段)と、ダイ撮像装置32(ダイ撮像手段)と、画像処理装置33(補正用位置情報取得手段)と、演算部34(良品位置情報取得手段)と、移載ヘッド35(実装手段)と、移載ヘッド駆動部36(実装手段)とを備えている。ウエハ撮像装置30、画像処理装置31、移載ヘッド35及び移載ヘッド駆動部36は、第1実施形態のウエハ撮像装置10、画像処理装置11、移載ヘッド13及び移載ヘッド駆動部14と同一構成である。ここで、ウエハW3は、第1実施形態と同様に、不良品のダイD3のみにバッドマークが付されている。
【0063】
ダイ撮像装置32は、ウエハW3から所定数のダイD3を取り出して基板B3に実装した後、ウエハW3に対して相対移動して、移載ヘッド35が取り出そうとする良品のダイD3の画像を撮像する装置である。
【0064】
画像処理装置33は、ダイ撮像装置32で撮像したダイD3の画像から、補正のためのダイD3の位置情報を取得する装置である。
【0065】
演算部34は、第1実施形態の演算部12と同様の機能を有するとともに、画像処理装置33の取得した補正のためのダイD3の位置情報に基づいて、良品のダイD3の位置情報を補正するブロックである。
【0066】
次に、図10及び図11を参照して電子部品実装装置の動作について説明する。ここで、図10は、第3実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するためのフローチャートである。図11は、第3実施形態における電子部品実装装置の動作を説明するための別のフローチャートである。
【0067】
ステップS30〜ステップS34は、第1実施形態におけるステップS10〜ステップS14と同一である。
【0068】
移載ヘッド駆動部36は、ダイD3の取り出し数が所定数であるか否かを判定する(S35)。
【0069】
ステップS35において、ダイD3の取り出し数が所定数に達すると、ダイ撮像装置32で取り出そうとするダイの画像を撮像する(S36)。そして、画像処理装置33は、ダイ撮像装置32で撮像したダイD3の画像から、補正のためのダイ位置情報を取得する(S37)。具体的には、機械原点に対する位置情報を取得する。さらに、演算部34は、補正のためのダイD3の位置情報に基づいて、ステップS33で取得した良品のダイD3の位置情報を補正する(S38)。
【0070】
そして、移載ヘッド駆動部36は、補正した良品のダイD3の位置情報に基づいて移載ヘッド35を駆動し、ウエハW3から良品のD3を取り出して基板B3に実装する。
【0071】
一方、ステップS35において、ダイD3の取り出しが所定数でない場合、ダイD3の取り出しが終了したか否かを判定する(S39)。そして、ダイD3の取り出しが終了するまで、良品のダイD3の位置情報に基づいて良品のダイD3を取り出して基板B3に実装する。
【0072】
次に、効果について説明する。第3実施形態によれば、所定数のダイD3を取り出して基板B3に実装した後に、ダイD3の画像から補正のためのダイD3の位置情報を取得する。そして、補正のためのダイD3の位置情報に基づいて良品のダイD3の位置情報を補正する。そのため、ウエハW3からダイD3を取り出す際に、他のダイD3の位置がずれることがあっても、良品のダイD3を確実に取り出して基板B3に実装することができる。
【0073】
なお、第3実施形態では、各部が処理を分担して動作する例挙げているが、これに限られるものではない。図10に示すステップS31〜ステップS33、ステップS35及びステップS37〜ステップS39を、演算部34が一括して処理するようにしてもよい。
【0074】
(第4実施形態)
次に、第3実施形態の電子部品実装装置について説明する。
まず、図12を参照して第4実施形態の電子部品実装装置の構成について説明する。ここで、図12は、第4実施形態における電子部品実装装置のブロック図である。
【0075】
図12に示すように、電子部品実装装置4は、ダイ撮像装置40と、画像処理装置41と、記憶部42と、演算部43と、移載ヘッド44a、44bと、駆動部45とを備えている。
【0076】
ダイ撮像装置40は、移載ヘッド44a、44bとともに一体的に構成され、ウエハW4に対して相対移動して、ダイD4の画像を撮像する装置である。
【0077】
画像処理装置41は、ダイ撮像装置40の撮像したダイD4の画像から、電子部品実装装置4の機械原点に対するダイD4の位置情報を取得する装置である。
【0078】
記憶部42は、ウエハW4を事前に検査して取得したそれぞれのダイD4のウエハW4上の基準に対する位置情報と良否情報からなるマップデータを記憶するブロックである。
【0079】
演算部43は、記憶部45に記憶されているそれぞれのダイD4のマップデータから良品のダイD4の位置情報を取得するブロックである。
【0080】
移載ヘッド44a、44bは、ダイ撮像装置40とともに一体的に構成され、ウエハW4に対して相対移動し、ダイD4を取り出して基板B4に実装する装置である。
【0081】
駆動部45は、演算部43がマップデータから取得した良品のダイD4の位置情報と画像処理装置41が取得した良品のダイD4の位置情報に基づいて移載ヘッド44a、44bを駆動し、ウエハW4から良品のダイD4を取り出して基板B4に実装するブロックである。
【0082】
次に、図13〜図15を参照して電子部品実装装置の動作について説明する。ここで、図13は、第4実施形態における電子部品実装装置における通常モードの動作を説明するための説明図である。図14は、第4実施形態における電子部品実装装置における高速モードAの動作を説明するための説明図である。図15は、第4実施形態における電子部品実装装置における高速モードBの動作を説明するための説明図である。
【0083】
電子部品実装装置の動作には、標準モード、高速モードA及び高速モードBの3つのモードがある。これらの動作モードは、手動によって切替えられる。
【0084】
まず、標準モードについて説明する。図13(a)に示すように、ダイ撮像装置40でダイD40を撮像する。画像処理装置41は、撮像したダイD40の画像から、ダイD40の位置情報を取得する。その後、図13(b)に示すように、取得したダイD40の位置情報に基づいて移載ノズル44aを移動させ、移載ノズル44aでダイD40を吸着する。さらに、図13(c)に示すように、ダイ撮像装置40でダイD41を撮像する。画像処理装置41は、撮像したダイD41の画像から、ダイD41の位置情報を取得する。その後、図13(d)に示すように、取得したダイD41の位置情報に基づいて移載ノズル44bを移動させ、移載ノズル44bでダイD41を吸着する。そして、ダイD40、D41をそれぞれ基板に実装する。
【0085】
次に、高速モードAについて説明する。図14(a)に示すように、ダイ撮像装置40でダイD40を撮像する。画像処理装置41は、撮像したダイD40の画像から、ダイD40の位置情報を取得する。さらに、図14(b)に示すように、ダイ撮像装置40でダイD41を撮像する。画像処理装置41は、撮像したダイD41の画像から、ダイD41の位置情報を取得する。その後、図14(c)に示すように、取得したダイD40の位置情報に基づいて移載ノズル44aを移動させ、移載ノズル44aでダイD40を吸着する。さらに、図14(d)に示すように、取得したダイD41の位置情報に基づいて移載ノズル44bを移動させ、移載ノズル44bでダイD41を吸着する。そして、ダイD40、D41をそれぞれ基板に実装する。
【0086】
次に、高速モードBについて説明する。図15(a)に示すように、ダイ撮像装置40でダイD40を撮像する。画像処理装置41は、撮像したダイD40の画像から、ダイD40の位置情報を取得する。演算部43は、画像処理装置41の取得したダイD40の位置情報基づいてマップデータを補正し、ダイD41の位置情報を取得する。その後、図15(b)に示すように、取得したダイD40の位置情報に基づいて移載ノズル44aを移動させ、移載ノズル44aでダイD40を吸着する。さらに、図15(c)に示すように、取得したダイD41の位置情報に基づいて移載ノズル44bを移動させ、移載ノズル44bでダイD41を吸着する。そして、ダイD40、D41をそれぞれ基板に実装する。
【0087】
次に、効果について説明する。第4実施形態によれば、高速モードBに切替えることで、撮像回数を減らすことができる。そのため、ウエハW4から良品のダイD4を取り出して基板B4に実装する際の実装時間を短縮することができる。
【0088】
なお、第4実施形態では、移載ノズルを2つ備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。3つ以上備えていてもよい。高速モードBで動作させることで同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0089】
1〜4・・・電子部品実装装置、10、20、30、40・・・ウエハ撮像装置(ウエハ撮像手段)、100・・・ラインスキャンカメラ、11、21、31、41・・・画像処理装置(位置情報取得手段、良否情報取得手段)、12、23、34、43・・・演算部(良品位置情報取得手段)、13、24、35、44a、44b・・・移載ヘッド(実装手段)、14、25、36・・・移載ヘッド駆動部(実装手段)、15、26・・・ダイ撮像装置(ダイ撮像手段)、16、27・・・画像処理装置(欠け判定手段)、22、42・・・記憶部(良否情報記憶手段)、32・・・ダイ撮像装置(ダイ撮像手段)、33・・・画像処理装置(補正用位置情報取得手段)、40・・・ダイ撮像装置、41・・・画像処理装置、45・・・駆動部、W1〜W4・・・ウエハ、D1〜D4、D40、D41・・・ダイ、B1〜B4・・・基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の形成された複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装装置において、
前記ウエハ全体を撮像するウエハ撮像手段と、
前記ウエハ撮像手段で撮像した前記ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段の取得した前記それぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得する良品位置情報取得手段と、
前記良品位置情報取得手段の取得した前記良品のダイの位置情報に基づいて、前記ウエハから前記良品のダイを取り出して前記基板に実装する実装手段と、
を有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項2】
前記ウエハは、それぞれのダイの良否を判別するための良否判別マークを有し、
前記ウエハ撮像手段で撮像した前記ウエハ全体の画像から、前記良否判別マークに基づいて前記それぞれのダイの良否情報を取得する良否情報取得手段を有し、
前記良品位置情報取得手段は、前記位置情報取得手段の取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記良否情報取得手段の取得した前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項3】
前記ウエハを事前に検査して取得した前記それぞれのダイの良否情報を記憶する良否情報記憶手段を有し、
前記良品位置情報取得手段は、前記位置情報取得手段の取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記良否情報記憶手段の記憶した前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項4】
前記ウエハ撮像手段は、前記ウエハから所定数のダイを取り出して前記基板に実装した後、再度前記ウエハ全体を撮像し、
前記位置情報取得手段は、前記ウエハ撮像手段で再度撮像した前記ウエハ全体の画像から、前記それぞれのダイの位置情報を再度取得し、
前記良品位置情報取得手段は、前記位置情報取得手段の再度取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を再度取得し、
前記実装手段は、前記良品位置情報取得手段の再度取得した前記良品のダイの位置情報に基づいて、前記ウエハから前記良品のダイを取り出して前記基板に実装することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品実装装置。
【請求項5】
前記ウエハから所定数のダイを取り出して前記基板に実装した後、前記ウエハに対して相対移動してダイの画像を撮像するダイ撮像手段と、
前記ダイ撮像手段で撮像したダイの画像から、補正のためのダイの位置情報を取得する補正用位置情報取得手段と、
を有し、
前記良品位置情報取得手段は、前記補正用位置情報取得手段の取得した前記補正のためのダイの位置情報に基づいて、前記良品のダイの位置情報を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品実装装置。
【請求項6】
前記ウエハに対して相対移動して、前記実装手段が取り出そうとする良品のダイの画像を撮像するダイ撮像手段と、
前記ダイ撮像手段で撮像した前記取り出そうとする良品のダイの画像から欠けの有無を判定する欠け判定手段と、
を有し、
前記実装手段は、前記欠け判定手段の判定結果に基づいて、前記ウエハから欠けのないダイを取り出して前記基板に実装することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品実装装置。
【請求項7】
前記ウエハ撮像手段は、前記ウエハ全体を一括して撮像する大視野カメラであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子部品実装装置。
【請求項8】
前記ウエハ撮像手段は、前記ウエハに対して相対移動して前記ウエハ全体を撮像するラインスキャンカメラであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子部品実装装置。
【請求項9】
電子部品の形成された複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装方法において、
前記ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得する位置情報取得工程と、
前記位置情報取得工程において取得した前記それぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得する良品位置情報取得工程と、
前記良品位置情報取得工程において取得した前記良品のダイの位置情報に基づいて、前記ウエハから前記良品のダイを取り出して前記基板に実装する実装工程と、
を備えたことを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項10】
前記ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの良否を判別するために設けられている良否判別マークに基づいて前記それぞれのダイの良否情報を取得する良否情報取得工程を有し、
前記良品位置情報取得工程は、前記位置情報取得工程において取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記良否情報取得工程において取得した前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする請求項9に記載の電子部品実装方法。
【請求項11】
前記良品位置情報取得工程は、前記位置情報取得工程において取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記ウエハを事前に検査して取得した前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする請求項9に記載の電子部品実装方法。
【請求項12】
前記位置情報取得工程は、前記ウエハから所定数のダイを取り出して前記基板に実装した後に再度撮像した前記ウエハ全体の画像から、前記それぞれのダイの位置情報を再度取得し、
前記良品位置情報取得工程は、前記位置情報取得工程において再度取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を再度取得し、
前記実装工程は、前記良品位置情報取得工程において再度取得した前記良品のダイの位置情報に基づいて、前記ウエハから前記良品のダイを取り出して前記基板に実装することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の電子部品実装方法。
【請求項1】
電子部品の形成された複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装装置において、
前記ウエハ全体を撮像するウエハ撮像手段と、
前記ウエハ撮像手段で撮像した前記ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段の取得した前記それぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得する良品位置情報取得手段と、
前記良品位置情報取得手段の取得した前記良品のダイの位置情報に基づいて、前記ウエハから前記良品のダイを取り出して前記基板に実装する実装手段と、
を有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項2】
前記ウエハは、それぞれのダイの良否を判別するための良否判別マークを有し、
前記ウエハ撮像手段で撮像した前記ウエハ全体の画像から、前記良否判別マークに基づいて前記それぞれのダイの良否情報を取得する良否情報取得手段を有し、
前記良品位置情報取得手段は、前記位置情報取得手段の取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記良否情報取得手段の取得した前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項3】
前記ウエハを事前に検査して取得した前記それぞれのダイの良否情報を記憶する良否情報記憶手段を有し、
前記良品位置情報取得手段は、前記位置情報取得手段の取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記良否情報記憶手段の記憶した前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項4】
前記ウエハ撮像手段は、前記ウエハから所定数のダイを取り出して前記基板に実装した後、再度前記ウエハ全体を撮像し、
前記位置情報取得手段は、前記ウエハ撮像手段で再度撮像した前記ウエハ全体の画像から、前記それぞれのダイの位置情報を再度取得し、
前記良品位置情報取得手段は、前記位置情報取得手段の再度取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を再度取得し、
前記実装手段は、前記良品位置情報取得手段の再度取得した前記良品のダイの位置情報に基づいて、前記ウエハから前記良品のダイを取り出して前記基板に実装することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品実装装置。
【請求項5】
前記ウエハから所定数のダイを取り出して前記基板に実装した後、前記ウエハに対して相対移動してダイの画像を撮像するダイ撮像手段と、
前記ダイ撮像手段で撮像したダイの画像から、補正のためのダイの位置情報を取得する補正用位置情報取得手段と、
を有し、
前記良品位置情報取得手段は、前記補正用位置情報取得手段の取得した前記補正のためのダイの位置情報に基づいて、前記良品のダイの位置情報を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品実装装置。
【請求項6】
前記ウエハに対して相対移動して、前記実装手段が取り出そうとする良品のダイの画像を撮像するダイ撮像手段と、
前記ダイ撮像手段で撮像した前記取り出そうとする良品のダイの画像から欠けの有無を判定する欠け判定手段と、
を有し、
前記実装手段は、前記欠け判定手段の判定結果に基づいて、前記ウエハから欠けのないダイを取り出して前記基板に実装することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品実装装置。
【請求項7】
前記ウエハ撮像手段は、前記ウエハ全体を一括して撮像する大視野カメラであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子部品実装装置。
【請求項8】
前記ウエハ撮像手段は、前記ウエハに対して相対移動して前記ウエハ全体を撮像するラインスキャンカメラであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子部品実装装置。
【請求項9】
電子部品の形成された複数のダイによって構成されるウエハから、良品のダイを取り出して基板に実装する電子部品実装方法において、
前記ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの位置情報を取得する位置情報取得工程と、
前記位置情報取得工程において取得した前記それぞれのダイの位置情報と、それぞれのダイの良否情報から、良品のダイの位置情報を取得する良品位置情報取得工程と、
前記良品位置情報取得工程において取得した前記良品のダイの位置情報に基づいて、前記ウエハから前記良品のダイを取り出して前記基板に実装する実装工程と、
を備えたことを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項10】
前記ウエハ全体の画像から、それぞれのダイの良否を判別するために設けられている良否判別マークに基づいて前記それぞれのダイの良否情報を取得する良否情報取得工程を有し、
前記良品位置情報取得工程は、前記位置情報取得工程において取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記良否情報取得工程において取得した前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする請求項9に記載の電子部品実装方法。
【請求項11】
前記良品位置情報取得工程は、前記位置情報取得工程において取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記ウエハを事前に検査して取得した前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を取得することを特徴とする請求項9に記載の電子部品実装方法。
【請求項12】
前記位置情報取得工程は、前記ウエハから所定数のダイを取り出して前記基板に実装した後に再度撮像した前記ウエハ全体の画像から、前記それぞれのダイの位置情報を再度取得し、
前記良品位置情報取得工程は、前記位置情報取得工程において再度取得した前記それぞれのダイの位置情報と、前記それぞれのダイの良否情報から、前記良品のダイの位置情報を再度取得し、
前記実装工程は、前記良品位置情報取得工程において再度取得した前記良品のダイの位置情報に基づいて、前記ウエハから前記良品のダイを取り出して前記基板に実装することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の電子部品実装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−190879(P2012−190879A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51080(P2011−51080)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
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