説明

類似度分布を利用したテンプレートマッチング方法を用いた検査装置

【課題】探索画像中にテンプレートと類似したパターンが存在する場合でも正確なマッチング位置を出力する、探索画像においてテンプレートマッチングを行う検査装置を提供する。
【解決手段】テンプレート選択画像からテンプレートを切出すテンプレート切出し手段と、前記テンプレート選択画像における前記テンプレートとの類似度の分布である周辺類似度分布情報を算出する周辺類似度算出手段と、前記探索画像における前記テンプレートとの類似度の分布である探索画像類似度分布情報を算出する探索画像類似度算出部と、前記周辺類似度分布と前記探索画像類似度分布情報との間の類似度分布間類似度情報を算出する類似度分布間類似度算出手段と、前記類似度分布間類似度に基づいてマッチング位置を決定するマッチング位置決定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テンプレートマッチング方法を用いた検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象画像の中から与えられた特定の形状(テンプレート)を探索する技術は、テンプレートマッチングとして広く用いられていた(非特許文献1参照)。また、特許文献1に開示してあるような、テンプレートと探索画像のx−投影、y−投影それぞれの類似度を統合してマッチング位置を高速に求めるといった、テンプレートマッチングの高速化に関する試みや、特許文献2に開示してあるような、探索画像におけるテンプレートとの類似度を局所的な類似度の分散を考慮してノイズの多い画像でも高精度に見積もるといった、テンプレートマッチングの高精度化に関する試みがなされている。
【0003】
走査式電子顕微鏡を用いた半導体ウェハ上のパターンの計測においても、計測位置を求めるためにテンプレートマッチングが行われている。計測位置の大まかな位置合わせはウェハを載せたステージの移動によって行われるが、ステージの位置決め精度では電子顕微鏡の高い倍率で撮影された画像上で大きなズレが生じる。このズレを補正して正確な位置での計測を行うためにテンプレートマッチングが行われる。具体的には、計測位置に近いユニークなパターンをテンプレートとして登録して、テンプレートから見た計測位置の相対座標を記憶しておく。撮影した画像から計測位置を求める時は、撮影した画像においてテンプレートマッチングを行いマッチング位置を求め、そこから記憶しておいた相対座標分移動したところが計測位置となる。
【0004】
走査式電子顕微鏡におけるテンプレートマッチングでは、まず、対象物(a)の計測位置を撮影してその中に含まれるユニークなパターンをテンプレートとして登録する。このとき撮影された画像(b)をテンプレート選択画像といい、テンプレート選択画像から選ばれたユニークなパターン(c)をテンプレートという。次に、別の対象物(a’)((a’)は(a)と同じウェハ上の同一パターンを持った別の場所、例えば同じウェハ上に繰り返し形成されているダイの同一部分であってもよいし、異なるウェハ上の同一パターンを持った場所でもよい)を撮影した時に、撮影画像の中からテンプレートとマッチするパターンを探す。この撮影画像(b’)を探索画像という。テンプレート選択画像(b)と探索画像(b’)の間には、ステージの位置決め誤差分のズレがある。このズレをテンプレートマッチングで補正する。テンプレートマッチングの結果、テンプレートとの類似度が高い箇所がマッチング位置の候補となり、これらの候補の中から最もマッチング位置に相応しい箇所が最終的なマッチング位置となる。例えば上記の特許文献2に開示された方法を用いる場合には、テンプレートを細分して計算する局所的な類似度の分散を各候補において求めて、この分散を考慮して最終的なマッチング位置を決定することになる。
【0005】
上述した走査式電子顕微鏡においてテンプレートマッチングを行う手段では、撮影されたテンプレート選択画像はテンプレートの登録を行うテンプレート登録部に入力され、手動或いは自動で選択されたユニークなパターンがテンプレート切出し部においてテンプレートとして切り出され保存される。撮影された探索画像はテンプレートとのマッチング位置を探索する画像探索部に入力され、探索画像類似度算出部においてテンプレートと照合される。探索画像類似度算出部からは探索画像中でテンプレートとの類似度がどのように分布しているかを表す探索画像類似度分布情報が出力される。マッチング位置決定部は探索画像類似度分布情報を基にマッチング位置を決定する。この時、単に類似度が最大の点をマッチング位置とすることもできるし、特許文献2に開示されたような方法を使うこともできる。この時は探索画像類似度分布情報は細分化されたテンプレートによる局所的類似度に関する情報を含むことになる。また、特許文献1に開示してあるようにテンプレートと探索画像のx−投影、y−投影それぞれの類似度の分布を探索画像類似度分布情報として持つようにすれば高速にマッチング位置を決定することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−85565号公報
【特許文献2】特開昭61−98483号公報
【非特許文献1】Azriel Rosenfeld、Avinash C. Kak著Digital Picture Processing 8.3節
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、従来のテンプレートマッチング手法は、探索画像におけるテンプレートとの類似度を局所的な類似度の分散を考慮してノイズの多い画像でも高精度に見積もるなどの工夫はされているが、探索画像中にテンプレートと類似したパターンがある場合、パターンの歪みや画像の輝度ムラなどの影響でマッチング位置を誤り、類似したパターンの座標をマッチング位置としてしまうことがある。
【0008】
本発明の課題は、探索画像中にテンプレートと類似したパターンが存在する場合でも正確なマッチング位置を出力するテンプレートマッチング方法を提供することである。本発明は、それを用いた検査装置も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明による、探索画像においてテンプレートマッチングを行う検査装置は、テンプレート選択画像からテンプレートを切出すテンプレート切出し手段と、前記テンプレート選択画像における前記テンプレートとの類似度の分布である周辺類似度分布情報を算出する周辺類似度算出手段と、前記探索画像における前記テンプレートとの類似度の分布である探索画像類似度分布情報を算出する探索画像類似度算出部と、前記周辺類似度分布と前記探索画像類似度分布情報との間の類似度分布間類似度情報を算出する類似度分布間類似度算出手段と、前記類似度分布間類似度に基づいてマッチング位置を決定するマッチング位置決定部とを備えることを特徴とする。
【0010】
好適には、前記周辺類似度分布情報および前記探索画像類似度分布情報は座標ごとの類似度を画素値とする画像である。
【0011】
好適には、前記周辺類似度分布情報および前記探索画像類似度分布情報は、それぞれの原画像である前記テンプレート選択画像および前記探索画像より解像度が低い。
【0012】
好適には、前記周辺類似度分布情報および前記探索画像類似度分布情報において類似度が高い領域が膨張されている。
【0013】
好適には、前記周辺類似度分布情報および前記探索画像類似度分布情報は、類似度の高い箇所の座標情報とその類似度を含む。
【0014】
好適には、前記類似度分布間類似度情報を算出する際、類似度の高い箇所の一致は所定の幅をもって判定する。
【0015】
好適には、前記テンプレート選択画像としては、テンプレート切り出し用と周辺類似度分布算出用で、同一視野でノイズの異なる2枚の画像を用いる。
【0016】
好適には、前記テンプレートと前記テンプレート選択画像、或いは前記テンプレートと前記周辺類似度分布とを関連付けて記憶する手段をさらに備える。
【0017】
好適には、複数の異なる倍率で撮影した前記テンプレート選択画像と前記探索画像から、それぞれの倍率に対応する前記周辺類似度分布情報と前記探索画像類似度分布情報を生成し、これらを基にマッチング位置を決定する。
【0018】
好適には、前記周辺類似度分布に高い類似度を示す箇所が多数あった場合には、選択したテンプレートが不適切であると判断して警告を発する。
【0019】
好適には、前記テンプレート選択画像と前記探索画像の間で回転や拡縮が生じた場合は、その程度を検知して、前記テンプレート、及び前記周辺類似度分布をその程度に応じて補正することを特徴とする。
【0020】
本発明による、探索画像においてテンプレートマッチングを行う他の検査装置は、テンプレート選択画像からテンプレートを切出すテンプレート切出し手段と、前記テンプレート選択画像における前記テンプレートとの類似度の分布である周辺類似度分布情報を算出する周辺類似度算出手段と、前記探索画像における前記テンプレートと類似度が高い領域をマッチング上位候補として選定して切出すマッチング上位候補選定部と、前記探索画像における前記マッチング上位候補との類似度の分布である探索画像対上位候補類似度分布情報を算出する探索画像類似度算出部と、前記周辺類似度分布と前記探索画像対上位類似候補類似度分布情報との間の類似度分布間類似度情報を算出する類似度分布間類似度算出手段と、前記類似度分布間類似度に基づいてマッチング位置を決定するマッチング位置決定部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、探索画像中にテンプレートと類似したパターンが存在する場合でも正確にマッチング位置を決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明による検査装置の第1実施例の構成を示すブロック図である。カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像がテンプレート選択画像としてテンプレート登録部1に入力される。テンプレート登録部1に入力されたテンプレート選択画像からテンプレート切出し部2はテンプレートを切り出す。周辺類似度算出部3はテンプレート選択画像におけるテンプレートとの類似度の分布を周辺類似度分布情報として出力する。テンプレートや周辺類似度分布情報は探索画像に対してテンプレートマッチングを行うまでテンプレート登録部1に記憶されている。
【0023】
カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像が探索画像として画像探索部4に入力されると、探索画像類似度算出部5は探索画像におけるテンプレートとの類似度分布を探索画像類似度分布情報として出力する。類似度分布間類似度算出部6は周辺類似度分布情報と探索画像類似度分布情報の類似度を類似度分布間類似度として出力する。マッチング位置決定部7は探索画像類似度分布情報と類似度分布間類似度からマッチング位置を決定する。
【0024】
以下、図1の検査装置における各処理の詳細について説明する。
図2は、テンプレート選択画像と、探索画像として入力される走査式電子顕微鏡画像とを表している。走査式電子顕微鏡画像は非常にノイズが多く、そのままではパターンがノイズに埋もれてしまってパターンの判読が難しい。そのため何度か同じ画像を取り直して、それらを積算する。パターンの情報は取り直しても変化しないが、ノイズは取り直すたびにランダムに変化するため、積算することによってノイズが減少してパターンがはっきり現れるようになる。
【0025】
次にテンプレートマッチングについて図3を用いて説明する。(1)が探索画像を(2)がテンプレート(参照画像)を表している。テンプレートマッチングとは、探索画像中でテンプレートと同じ部分を検出する処理である。具体的には、例えば探索画像にテンプレートをずらしながら重ね合わせて正規化相関を計算して、最も高い相関値が得られた場所をテンプレートと同じパターンを持った場所と判断する、といった処理が挙げられる。CD−SEMは、半導体ウェハ上の特定箇所を走査式電子顕微鏡を用いて測長する検査装置であるが、測長すべきウェハ上の箇所を特定するために、最初のウェハの測長を行う際に、測長箇所の付近でユニークなパターンを持つ部分をテンプレートとして登録しておき、次回からは同じ場所の測長ではテンプレートマッチングで得られた座標を基に測長箇所を特定するということが行われる。図3の場合には(3)のaの位置でテンプレートと同じパターンを持っている。また、同じパターンではないが次に相関値が高くなるところは(4)のb、c、d、eの4箇所である。更に、その次に相関値が高くなるのは(5)のf、gである。それ以外の場所では相関は殆どなく、相関値は0に近い値となる。(6)は正規化相関マップといって、座標ごとの相関値を画素値とする画像である。aにおいて値を取りこれは1に近い値となる。b、c、d、e、f、gでも値b’、c’、d’、e’、f’、g’を取るが、これはa’に比べたら低い値となる。正規化相関マップは類似度分布情報の一つの具体例である。
【0026】
テンプレートマッチングを行う際は、前処理としてノイズ除去、エッジ強調などのフィルタを入力画像に施してから正規化相関を計算するのが望ましい。
【0027】
図4は正規化相関マップ領域の大きさを示している。正規化相関マップの各点における値を、その点をテンプレートの左上端にあわせた時のテンプレートとの相関値として定義した時、正規化相関マップの右下端はテンプレートを探索画像の右下一杯に重ねた時のテンプレートの左上端と一致する。従って、正規化相関マップ領域の大きさは、探索画像の縦横の長さそれぞれからテンプレートの縦横の長さそれぞれを引いたものとなっている。
【0028】
図5は正規化相関マップからマッチング位置を決定する方法の一例を説明する図である。横軸はx−y座標、縦軸は相関値を表している。最も相関値が大きいところがテンプレートと最もよくマッチングした位置である。相関値の最大値v1が所定の閾値th1よりも小さくなっている場合はテンプレートと一致する箇所はなかったと考えるのが妥当である。また、2番目に大きい相関値v2とv2の差v1−v2が所定の閾値th2よりも小さくなっている場合は、相関値の大小ではなく、類似度分布間類似度の大小でマッチング位置を決定するなどの方法が挙げられる。若しくは、相関値と類似度分布間類似度にそれぞれ所定の重み付けを行い、和をとったものの大小でマッチング位置を決定する方法も考えられる。
【0029】
図6は、類似度分布として正規化相関マップを用いた時の類似度分布間類似度、即ち正規化相関マップ間類似度を算出するのに使用できる領域の大きさを説明したものである。図4でも示したように、テンプレート選択画像、探索画像それぞれの正規化相関マップ領域はそれぞれの画像領域からテンプレートの大きさを除いた(a)(b)の網掛け部分である。テンプレート位置がテンプレート選択画像の正規化相関マップ領域の左端からlt、右端からrt、上からut、下からdt、探索画像の正規化相関マップ領域の左端からls、右端からrs、上からus、下からdsとすると、正規化相関マップ間類似度の算出領域は横がmin(lt,ls)+min(rt,rs)、縦がmin(ut,us)+min(dt,ds)の領域となり、テンプレート位置とマッチング候補位置がずれているほどこの領域は狭くなる。正規化相関マップ間類似度の算出領域があまり小さくなると正規化相関マップ間類似度の意味合いがなくなってくるので、このような時は撮影倍率を下げて広い領域で撮りなおすといった工夫が必要となる。
【0030】
図7は、類似度分布情報を利用したテンプレートマッチングの一例を示している。まず、対象物(a)の計測位置を撮影してその中に含まれるユニークなパターンをテンプレートとして登録する。このとき撮影された画像(b)をテンプレート選択画像といい、テンプレート選択画像から選ばれたユニークなパターン(c)をテンプレートという。次に、別の対象物(a’)((a’)は(a)と同じウェハ上の同一パターンを持った別の場所、例えば同じウェハ上に繰り返し形成されているダイの同一部分であってもよいし、異なるウェハ上の同一パターンを持った場所でもよい)を撮影した時に、撮影画像の中からテンプレートとマッチするパターンを探す。この撮影画像(b’)を探索画像という。テンプレート選択画像(b)と探索画像(b’)の間には、ステージの位置決め誤差分のズレがある。このズレをテンプレートマッチングで補正する。テンプレートマッチングの結果、テンプレートとの類似度が高い箇所がマッチング位置の候補となり、これらの候補の中から最もマッチング位置に相応しい箇所が最終的なマッチング位置となる。本発明では、候補1と候補2のどちらをマッチング位置とするかを決める時に、もし候補1と候補2の類似度が非常に近い値を示したり、或いは逆転していたとしても、周辺類似度分布情報(d)、及び探索画像類似度分布情報(d’)を利用して候補2をマッチング位置とすることができる。即ち、テンプレート選択画像におけるテンプレート位置を原点とした周辺類似度分布情報を候補2の位置を原点とした探索画像類似度分布情報と重ね合わせると、二つの類似度分布情報がとても類似していることが分かる。つまり、共に原点周りが最も明るくて、右、下、右下にそれよりかなり暗い箇所が存在している。候補1を原点とする探索画像類似度分布情報は原点の下に最も明るい部分があり、類似度が低いことが分かる。
【0031】
類似度分布情報間の類似度を求める際に、テンプレート選択画像のテンプレート位置における正規化相関値は常に1となるため、この位置の値は除外して類似度を求める必要がある。これはテンプレート選択画像がテンプレート位置においてテンプレートと完全に(ノイズまでも)一致するために生じる弊害である。或いはこの弊害を回避するためにテンプレート選択画像を同じ条件で2回撮影して、一方のテンプレート選択画像からテンプレートを切り出し、周辺類似度分布情報は他方のテンプレート選択画像との間で求めるようにしてもよい。
【0032】
また、正規化相関マップは狭い範囲で高い値をとる傾向があるので、パターンの歪みや画像の回転(電子顕微鏡ではローレンツ力の影響で画像が僅かに回転することがある)などを考慮すると、正規化相関マップをそのまま使用するより、正規化相関マップにガウスフィルタや最大値フィルタを施して明るい部分を太らせた後、正規化相関マップ間の類似度を求めたほうがよい。また、高速化のために正規化相関マップの解像度を落として正規化相関マップ間の類似度を求めるのも有効な手段である。
【0033】
更に、類似度分布情報は、画像としてではなく、類似度が高い箇所の座標情報と類似度をリストにしたもので表現されていてもよい。
【0034】
図8は、本発明の検査装置の第2の実施例の構成を示すブロック図である。図1と同じ参照符は同様の構成要素を示す。カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像がテンプレート選択画像としてテンプレート登録部1に入力される。テンプレート登録部1に入力されたテンプレート選択画像からテンプレート切出し部2はテンプレートを切り出す。周辺類似度算出部3はテンプレート選択画像におけるテンプレートとの類似度の分布を周辺類似度分布情報として出力する。テンプレートや周辺類似度分布情報は探索画像に対してテンプレートマッチングを行うまでテンプレート登録部1に記憶されている。
【0035】
この第2の実施例では、図1に示す第1の実施例に対して、探索画像類似度算出部5から類似度分布間類似度算出部6へ出力される探索画像類似度分布情報が、探索画像におけるテンプレートとの類似度分布ではなく、探索画像中のマッチング上位候補との類似度分布であるところが異なっている。マッチング上位候補とは、探索画像においてテンプレートとの類似度が高い順に選択され切出された領域である。
【0036】
カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像が探索画像として画像探索部4に入力されると、探索画像類似度算出部5は探索画像におけるマッチング上位候補との類似度分布を探索画像対上位候補類似度分布情報として出力する。類似度分布間類似度算出部6は周辺類似度分布情報と探索画像対上位候補類似度分布情報の類似度を類似度分布間類似度として出力する。マッチング位置決定部7は探索画像類似度分布情報と類似度分布間類似度からマッチング位置を決定する。
【0037】
また、第1の実施例では、類似度分布間類似度算出部6は、探索画像の各点を原点とする探索画像類似度分布情報に対して類似度分布間類似度を分布の形で算出してマッチング位置決定部に出力するようにしても良いが、第2の実施例では、予め求められた幾つかのマッチング上位候補に対してのみ類似度分布間類似度を算出してマッチング位置決定部に出力する。このようにすることでテンプレートと探索画像間に僅かな回転や拡縮が生じていても、探索画像類似度分布情報はその影響を受けないようにすることができる。なぜならば、マッチング上位候補は探索画像の部分画像であり、探索画像と同様の回転や拡縮を受けているからである。
【0038】
図9は、第2の実施例の探索画像類似度算出部6を詳細に示すブロック図である。探索画像対テンプレート類似度算出部8は、探索画像とテンプレートから探索画像におけるテンプレートとの類似度の分布を求める。これはマッチング上位候補選定部9に送られ、類似度が高かった幾つかの座標が上位候補として選ばれる。
【0039】
第1の実施例では、探索画像類似度分布情報として探索画像の各点における類似度がマッチング位置決定部7に送られるようにしても良いが、第2の実施例では、マッチング上位候補の座標と類似度がリストとしてマッチング位置決定部7に送られる。
【0040】
マッチング上位候補選定部9で求めた上位候補座標は上位候補切出し部10に送られ、各座標においてテンプレートに対応する領域が探索画像から切り出される。探索画像対上位候補類似度分布算出部11は、探索画像における各上位候補との類似度分布情報を算出する。
【0041】
このとき、類似度分布間類似度算出部6には上位候補の座標も一緒に送られ、これらの座標を原点とする類似度分布間類似度のみが算出される。
【0042】
図10は、図7の例に対して(1)探索画像及び(3)テンプレートを2/3倍の倍率で撮影したものである。(2)探索画像の正規化相関マップは、図7に比べてより広い範囲に亘り、図6で説明した正規化相関マップ間類似度算出領域も広く取ることが出来る。
【0043】
図11は、図10と同じ倍率で撮影したものだが、テンプレートサイズを2/3にしないで元のままの大きさにしている。結果的に(3)テンプレートは図7よりも広い領域を占めている。また、(2)探索画像の正規化相関マップがテンプレートのオフセット分だけ平行移動したようになっている。撮影倍率に応じてテンプレートサイズを変えない場合にはこのことに注意する必要がある。
【0044】
図12は、図1に示す第1の実施例において類似度分布間類似度算出領域を広く取るために、異なる倍率でテンプレート選択画像と探索画像を撮影する場合を示す図である。図1と同じ参照符は同様の構成要素を示す。カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像がテンプレート選択画像としてテンプレート登録部1に入力される。テンプレート登録部1に入力されたテンプレート選択画像からテンプレート切出し部2はテンプレートを切り出す。周辺類似度算出部3はテンプレート選択画像におけるテンプレートとの類似度の分布を周辺類似度分布情報として出力する。テンプレートや周辺類似度分布情報は探索画像に対してテンプレートマッチングを行うまでテンプレート登録部1に記憶されている。
【0045】
カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像が探索画像として画像探索部4に入力されると、探索画像類似度算出部5は探索画像におけるマッチング上位候補との類似度分布を探索画像対上位候補類似度分布情報として出力する。類似度分布間類似度算出部6は周辺類似度分布情報と探索画像対上位候補類似度分布情報の類似度を類似度分布間類似度として出力する。マッチング位置決定部7は探索画像類似度分布情報と類似度分布間類似度からマッチング位置を決定する。
【0046】
図12の例では、図1の場合と異なり、テンプレート切出し部2は倍率の異なる2枚のテンプレートを切り出す。周辺類似度分布情報の算出は第2倍率のみ使用する。探索画像類似度算出部5は2つの倍率用にそれぞれ探索画像類似度分布情報を算出する。類似度間類似度の算出は第2倍率のみ使用する。
【0047】
図13は、図8に示す第2の実施例において異なる倍率でテンプレート選択画像と探索画像を撮影した場合の例を示す。図8と同じ参照符は同様の構成要素を示す。カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像がテンプレート選択画像としてテンプレート登録部1に入力される。テンプレート登録部1に入力されたテンプレート選択画像からテンプレート切出し部2はテンプレートを切り出す。周辺類似度算出部3はテンプレート選択画像におけるテンプレートとの類似度の分布を周辺類似度分布情報として出力する。テンプレートや周辺類似度分布情報は探索画像に対してテンプレートマッチングを行うまでテンプレート登録部1に記憶されている。
【0048】
カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像が探索画像として画像探索部4に入力されると、探索画像類似度算出部5は探索画像におけるマッチング上位候補との類似度分布を探索画像対上位候補類似度分布情報として出力する。類似度分布間類似度算出部6は周辺類似度分布情報と探索画像対上位候補類似度分布情報の類似度を類似度分布間類似度として出力する。マッチング位置決定部7は探索画像類似度分布情報と類似度分布間類似度からマッチング位置を決定する。
【0049】
この図13の例では、図12の例において異なる倍率でテンプレート選択画像と探索画像を撮影した場合と比べると、探索画像類似度算出部5から類似度分布間類似度算出部6へ出力される探索画像類似度分布情報が、第2倍率のテンプレートとの類似度ではなく、第2倍率の上位候補との類似度である点が異なる。
【0050】
図14は、図13における探索画像類似度算出部6を詳細に示したものである。図9と同じ参照符は同様の構成要素を示す。探索画像対テンプレート類似度算出部8は、探索画像とテンプレートから探索画像におけるテンプレートとの類似度の分布を求める。これはマッチング上位候補選定部9に送られ、類似度が高かった幾つかの座標が上位候補として選ばれる。マッチング上位候補選定部9で求めた上位候補座標は上位候補切出し部10に送られ、各座標においてテンプレートに対応する領域が探索画像から切り出される。探索画像対上位候補類似度分布算出部11は、探索画像における各上位候補との類似度分布情報を算出する。
【0051】
図14の例で図9の例と異なるのは、探索画像対テンプレート類似度算出部8は第1倍率のみ、上位候補対応部分切出し部10と探索画像対上位候補類似度算出部11は第2倍率のみ使用する点である。
【0052】
図12から図14では倍率が2段階の場合を示したが、一般に倍率がn段階の場合も2段階の場合と同様に考えることが出来る。但し、マッチング位置決定部に複数の倍率における類似度分布間類似度が入力されるので、これらの扱いを定義する必要がある。一例としては、各倍率における類似度分布間類似度を重み付けした和を用いることが挙げられる。別の例としては、倍率を変更したときの類似度分布間類似度の変動が所定の閾値以内に収まるようになった最初の倍率における類似度分布間類似度を使用することが挙げられる。
【0053】
図12から図14に対応する、倍率がn段階の場合の構成を図15から図17に示す。
図15は、図12に示す2段階の倍率の代わりにn段階の倍率でテンプレート選択画像と探索画像を撮影する場合を示す図である。図12と同じ参照符は同様の構成要素を示す。カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像がテンプレート選択画像としてテンプレート登録部1に入力される。テンプレート登録部1に入力されたテンプレート選択画像からテンプレート切出し部2はテンプレートを切り出す。周辺類似度算出部3はテンプレート選択画像におけるテンプレートとの類似度の分布を周辺類似度分布情報として出力する。テンプレートや周辺類似度分布情報は探索画像に対してテンプレートマッチングを行うまでテンプレート登録部1に記憶されている。
【0054】
カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像が探索画像として画像探索部4に入力されると、探索画像類似度算出部5は探索画像におけるマッチング上位候補との類似度分布を探索画像対上位候補類似度分布情報として出力する。類似度分布間類似度算出部6は周辺類似度分布情報と探索画像対上位候補類似度分布情報の類似度を類似度分布間類似度として出力する。マッチング位置決定部7は探索画像類似度分布情報と類似度分布間類似度からマッチング位置を決定する。
【0055】
図15の例では、テンプレート切出し部2は倍率の異なるn枚のテンプレートを切り出す。周辺類似度分布情報の算出は第2〜n倍率を使用する。探索画像類似度算出部5はn個の倍率用にそれぞれ探索画像類似度分布情報を算出する。類似度間類似度の算出は第2〜n倍率を使用する。
【0056】
図16は、図13に示す2段階の倍率の代わりにn段階の倍率でテンプレート選択画像と探索画像を撮影する場合を示す図である。図13と同じ参照符は同様の構成要素を示す。カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像がテンプレート選択画像としてテンプレート登録部1に入力される。テンプレート登録部1に入力されたテンプレート選択画像からテンプレート切出し部2はテンプレートを切り出す。周辺類似度算出部3はテンプレート選択画像におけるテンプレートとの類似度の分布を周辺類似度分布情報として出力する。テンプレートや周辺類似度分布情報は探索画像に対してテンプレートマッチングを行うまでテンプレート登録部1に記憶されている。
【0057】
カメラや電子顕微鏡などで撮影された画像、或いはそれを一旦保存しておいた画像が探索画像として画像探索部4に入力されると、探索画像類似度算出部5は探索画像におけるマッチング上位候補との類似度分布を探索画像対上位候補類似度分布情報として出力する。類似度分布間類似度算出部6は周辺類似度分布情報と探索画像対上位候補類似度分布情報の類似度を類似度分布間類似度として出力する。マッチング位置決定部7は探索画像類似度分布情報と類似度分布間類似度からマッチング位置を決定する。
【0058】
この図16の例では、図15の例において異なる倍率でテンプレート選択画像と探索画像を撮影した場合と比べると、探索画像類似度算出部5から類似度分布間類似度算出部6へ出力される探索画像類似度分布情報が、第2〜n倍率のテンプレートとの類似度ではなく、第2〜n倍率の上位候補との類似度である点が異なる。
【0059】
図17は、図16における探索画像類似度算出部6を詳細に示したものである。図14と同じ参照符は同様の構成要素を示す。探索画像対テンプレート類似度算出部8は、探索画像とテンプレートから探索画像におけるテンプレートとの類似度の分布を求める。これはマッチング上位候補選定部9に送られ、類似度が高かった幾つかの座標が上位候補として選ばれる。マッチング上位候補選定部9で求めた上位候補座標は上位候補切出し部10に送られ、各座標においてテンプレートに対応する領域が探索画像から切り出される。探索画像対上位候補類似度分布算出部11は、探索画像における各上位候補との類似度分布情報を算出する。
【0060】
図17の例で図14の例と異なるのは、探索画像対テンプレート類似度算出部8は第1倍率のみ、上位候補対応部分切出し部10と探索画像対上位候補類似度算出部11は第2〜n倍率を使用する点である。
【0061】
図18は登録テンプレートデータセットの確認画面の例を示している。1つのテンプレートデータセットは複数(或いは1つ)の倍率で撮影された画像から構成され、各倍率の画像にはテンプレート選択画像、テンプレート、類似度分布情報などが含まれる。各画像毎にサイズやテンプレート座標などマッチング位置決定に使用される数字が記憶されている。図18は各倍率のテンプレートが同じ領域を有している場合である。このとき第1倍率のテンプレートに対する他の倍率のテンプレートのオフセットは常に0である。
【0062】
図19は、図18と異なり、各倍率のテンプレートの有する領域が異なっている場合を示している。このときは各倍率のテンプレートにオフセットが付き、その分類似度分布情報が平行移動したように見える。
【0063】
今までは類似度分布情報として正規化相関マップを用いた場合について説明してきた。正規化相関は以下のように計算される。
×Nのサイズの画像f(n,n)とg(n,n)に対して
【0064】
【数1】

と置いたとき、正規化相関は
【0065】
【数2】

と計算される。ここで、0≦n≦N−1、0≦n≦N−1であり、
【0066】
【数3】


【0067】
【数4】

を表している。N×Nはテンプレートのサイズである。fとgはテンプレートと対象領域である。
【0068】
類似度分布情報としては正規化相関マップ以外のものを使うことも出来る。例えば位相限定相関関数を使うことが出来る。位相限定相関関数について以下説明する。
【0069】
×Nのサイズの画像f(n,n)とg(n,n)(但し−N/2≦n≦(N/2)−1、−N/2≦n≦(N/2)−1)に対してその離散フーリエ変換をF(k,k)、G(k,k)とすると、
【0070】
【数5】

と書ける。ここで、−N/2≦k≦(N/2)−1、−N/2≦k≦(N/2)−1、
【0071】
【数6】


【0072】
【数7】


【0073】
【数8】

を表す。
【0074】
(k,k)、A(k,k)はF(k,k)、G(k,k)の振幅成分、
【数9】

は位相成分である。
【0075】
相互スペクトルは
【数10】

と書ける。
【0076】
ここで
【数11】

はG(k,k)の複素共役、θ(k,k)=θ(k,k)−θ(k,k)である。
【0077】
【数12】

を相互位相スペクトルとすると
【0078】
【数13】

と書ける。
【0079】
【数14】

の逆離散フーリエ変換が位相限定相関関数
【0080】
【数15】

であり、
【0081】
【数16】

と書ける。
【0082】
ここで
【数17】


【0083】
【数18】

を意味する。
【0084】
fとgは同じサイズでなければいけないので、テンプレートは探索画像と同じ大きさに0拡張する。
【0085】
テンプレート選択画像と探索画像の間に回転や拡縮が生じている場合には、回転や拡縮がどの程度かを推定する方法もある。詳細は、長嶋聖, 青木孝文, 常田るり子,"位相限定相関法に基づく電子顕微鏡画像の倍率推定アルゴリズム,"信学技報, SIP2005-42, pp. 19--24, June 2005.にあるが、ここでは概要を図20を用いて示す。
【0086】
テンプレート選択画像(a)、及び探索画像(a’)の振幅スペクトル(b)(b’)を計算する。振幅スペクトルは原画像の平行移動に関して不変なので、回転と拡縮のみを反映したものとなる。これにlog-polar変換(極座標変換の後、動径方向に対数を施したもの(c)(c’))を施すと、回転はx−軸、拡縮はy−軸方向の平行移動量として検出される。
このようにして回転や拡縮がどの程度かを推定しておき、それに応じてテンプレートや周辺類似度分布情報に回転や拡縮を施しておくことで、より確実なテンプレート・マッチングが期待できる。その際、テンプレートのオフセットには注意を払う必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明による検査装置の第1実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】テンプレート選択画像と、探索画像として入力される走査式電子顕微鏡画像である。
【図3】テンプレートマッチングの概念図である。
【図4】正規化相関マップ領域の大きさを示す図である。
【図5】正規化相関マップからマッチング位置を決定する方法の一例を説明する図である。
【図6】正規化相関マップ間類似度を算出するのに使用できる領域の大きさを説明する図である。
【図7】類似度分布情報を利用したテンプレートマッチングの一例を示す図である。
【図8】本発明の検査装置の第2の実施例の構成を示すブロック図である。
【図9】第2の実施例の探索画像類似度算出部を詳細に示すブロック図である。
【図10】低倍率撮影時の概念図(オフセットなし)である。
【図11】低倍率撮影時の概念図(オフセット有り)である。
【図12】第1の実施例の変形例を示すブロック図である。
【図13】第2の実施例の変形例を示すブロック図である。
【図14】第2の実施例の変形例の探索画像類似度算出部を詳細に示すブロック図である。
【図15】倍率をn倍にした第1の実施例の変形例を示すブロック図である。
【図16】倍率をn倍にした第2の実施例の変形例を示すブロック図である。
【図17】倍率をn倍にした第2の実施例の変形例の探索画像類似度算出部を詳細に示すブロック図である。
【図18】登録テンプレートデータセットの確認画面の一例(オフセットなし)を示す図である。
【図19】登録テンプレートデータセットの確認画面の他の例(オフセット有り)を示す図である。
【図20】画像間の回転、拡縮の検出方法の概念図である。
【符号の説明】
【0088】
1 テンプレート登録部
2 テンプレート切出し部
3 周辺類似度算出部
4 画像探索部
5 探索画像類似度算出部
6 類似度分布間類似度算出部
7 マッチング位置決定部
8 探索画像対テンプレート類似度算出部
9 マッチング上位候補選定部
10 上位候補切出し部
11 探索画像対上位候補類似度分布算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
探索画像にテンプレートマッチングを行う検査装置において、
テンプレート選択画像からテンプレートを切出すテンプレート切出し手段と、
前記テンプレート選択画像における前記テンプレートとの類似度の分布である周辺類似度分布情報を算出する周辺類似度算出手段と、
前記探索画像における前記テンプレートとの類似度の分布である探索画像類似度分布情報を算出する探索画像類似度算出部と、
前記周辺類似度分布と前記探索画像類似度分布情報との間の類似度分布間類似度情報を算出する類似度分布間類似度算出手段と、
前記類似度分布間類似度に基づいてマッチング位置を決定するマッチング位置決定部とを備えることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記周辺類似度分布情報および前記探索画像類似度分布情報は座標ごとの類似度を画素値とする画像であることを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記周辺類似度分布情報および前記探索画像類似度分布情報は、それぞれの原画像である前記テンプレート選択画像および前記探索画像より解像度が低いことを特徴とする請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
前記周辺類似度分布情報および前記探索画像類似度分布情報において類似度が高い領域が膨張されていることを特徴とする請求項2記載の検査装置。
【請求項5】
前記周辺類似度分布情報および前記探索画像類似度分布情報は、類似度の高い箇所の座標情報と類似度のリストであることを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項6】
前記類似度分布間類似度情報を算出する際、類似度の高い箇所の一致は所定の幅をもって判定することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項7】
前記テンプレート選択画像としては、テンプレート切り出し用と周辺類似度分布算出用で、同一視野でノイズの異なる2枚の画像を用いることを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項8】
前記テンプレートと前記テンプレート選択画像、或いは前記テンプレートと前記周辺類似度分布とを関連付けて記憶する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項9】
複数の異なる倍率で撮影した前記テンプレート選択画像と前記探索画像から、それぞれの倍率に対応する前記周辺類似度分布情報と前記探索画像類似度分布情報を生成し、これらを基にマッチング位置を決定することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項10】
前記周辺類似度分布に高い類似度を示す箇所が多数あった場合には、選択したテンプレートが不適切であると判断して警告を発することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項11】
前記テンプレート選択画像と前記探索画像の間で回転や拡縮が生じた場合は、その程度を検知して、前記テンプレート、及び前記周辺類似度分布をその程度に応じて補正することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項12】
探索画像にテンプレートマッチングを行う検査装置において、
テンプレート選択画像からテンプレートを切出すテンプレート切出し手段と、
前記テンプレート選択画像における前記テンプレートとの類似度の分布である周辺類似度分布情報を算出する周辺類似度算出手段と、
前記探索画像における前記テンプレートと類似度が高い領域をマッチング上位候補として選定して切出すマッチング上位候補選定部と、
前記探索画像における前記マッチング上位候補との類似度の分布である探索画像対上位候補類似度分布情報を算出する探索画像類似度算出部と、
前記周辺類似度分布と前記探索画像対上位類似候補類似度分布情報との間の類似度分布間類似度情報を算出する類似度分布間類似度算出手段と、
前記類似度分布間類似度に基づいてマッチング位置を決定するマッチング位置決定部とを備えることを特徴とする検査装置。
【請求項13】
前記周辺類似度分布情報および前記探索画像対上位候補類似度分布情報は座標ごとの類似度を画素値とする画像であることを特徴とする請求項12記載の検査装置。
【請求項14】
前記周辺類似度分布情報および前記探索画像対上位候補類似度分布情報は、それぞれの原画像である前記テンプレート選択画像および前記探索画像より解像度が低いことを特徴とする請求項13記載の検査装置。
【請求項15】
前記周辺類似度分布情報および前記探索画像対上位候補類似度分布情報において類似度が高い領域が膨張されていることを特徴とする請求項13記載の検査装置。
【請求項16】
前記周辺類似度分布情報および前記探索画像類似度分布情報は、類似度の高い箇所の座標情報と類似度のリストであることを特徴とする請求項12記載の検査装置。
【請求項17】
前記類似度分布間類似度情報を算出する際、類似度の高い箇所の一致は所定の幅をもって判定することを特徴とする請求項12記載の検査装置。
【請求項18】
前記テンプレートと前記テンプレート選択画像、或いは前記テンプレートと前記周辺類似度分布とを関連付けて記憶する手段をさらに備えることを特徴とする請求項12記載の検査装置。
【請求項19】
複数の異なる倍率で撮影した前記テンプレート選択画像と前記探索画像から、それぞれの倍率に対応する前記周辺類似度分布情報と前記探索画像対上位候補類似度分布情報を生成し、これらを基にマッチング位置を決定することを特徴とする請求項12記載の検査装置。
【請求項20】
前記周辺類似度分布に高い類似度を示す箇所が多数あった場合には、選択したテンプレートが不適切であると判断して警告を発することを特徴とする請求項12記載の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−65458(P2008−65458A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240375(P2006−240375)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】