説明

アジン誘導体、農園芸用殺菌剤、およびその製造方法

広いスペクトラムの植物病害に対して,低濃度で,高い防除効果を安定的に発揮する下記一般式(I)で表される新規なアジン誘導体化合物,及びそれらの製造方法に関する。さらに,それらの化合物を有効成分として使用する殺菌剤,特に農園芸用殺菌剤に関する。


式(I)中、
は、水素原子,アルキル基,アルケニル基,アルキニル基,アシル基,アルコキシアルキル基,アルコキシカルボニルアルキル基またはハロアルキル基を,Rは、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基,アルコキシアルキル基,ハロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を、R,Rは,水素原子またはアルキル基を,Heteroは、ヘテロ元素を含む縮合環を、Xは水素原子,アルキル基またはアルコキシ基を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アジン誘導体、及びそれを含む殺菌剤、特に農園芸用殺菌剤に関する。またそれらを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで生物活性を有するアジン系化合物がいくつか報告されている。例えば下記一般式(VII)で表される化合物、下記一般式(VIII)で表される化合物および下記一般式(IX)で表される化合物が殺虫および/または殺菌活性を有することが知られている(国際公開第01/42201号、欧州特許出願公開第0627411号および特開2000−281648号を参照)。
【0003】
これらの化合物のうち、特に一般式(VII)および(IX)で表される化合物は一定の殺菌活性が認められ、特に麦類およびきゅうりなどのうどんこ病、ならびに麦類の赤さび病などの各種植物病害に対して高い防除効果を示す。しかしながら、これらの化合物は特にキュウリ灰色かび病に対して活性が弱く、その植物病害に対する防除効果は満足いくものではない。
【0004】
【化1】

(式中、一般式(VII)におけるR〜R、R、R、Aは特許文献1によって定義され、一般式(VIII)におけるR、A、B、X、Y、Zは特許文献2によって定義され、一般式(IX)におけるR〜R、A、Bは特許文献3によって定義される。)
【発明の開示】
【0005】
本発明の課題は、上述のような欠点のない、より広いスペクトラムの植物病害に対して、より低濃度で、高い防除効果を安定的に発揮する新規なアジン誘導体化合物を提供すること、およびそれらの製造方法を提供することである。さらに、それらの化合物を有効成分として使用する殺菌剤、特に農園芸用殺菌剤を提供することである。
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を行い、本発明を完成した。その結果、特定の構造を有するアジン化合物が好ましい殺菌活性を示し、それを有効成分とする組成物により病害、特に植物病害を効果的に防除しうることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
【0007】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)下記一般式(I)で表されるアジン誘導体またはその塩。
【0008】
【化2】

[式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはハロアルキル基を示し、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、ハロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を示し、Rは、水素原子またはアルキル基を示し、Rは、水素原子またはアルキル基を示し、Heteroは、ヘテロ元素(O、SまたはN)を含む5員環、6員環または縮合環を示し、これらの環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子で置換されているかもしくは無置換である)、およびヘテロ原子(OまたはN)を含む5員環または6員環(これらの5員環または6員環はアルキル基で置換されているかもしくは無置換である)の基からなる群より選ばれた、1または2以上の同一もしくは異なる基および/または原子によって置換されていてもよく、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。]
【0009】
(2)前記一般式(I)におけるRが水素原子でありかつRがメチル基であることを特徴とする、(1)に記載のアジン誘導体またはその塩。
(3)前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする、(1)または(2)に記載のアジン誘導体またはその塩。
【0010】
【化3】

【0011】
(4)前記一般式(II)に表される化合物であって、置換基Xが2位に置換していることを特徴とする、(3)に記載のアジン誘導体またはその塩。
(5)前記一般式(II)で表される化合物であって、Heteroが、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インドール、イミダゾール、ピロール、チオフェン、フラン、フロピリジン、イソキサゾールまたはチアゾール(これらの環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子で置換されているかもしくは無置換である)、またはアルキル基で置換されたもしくは無置換のピリミジニル基またはジオキソラニル基によって置換されていてもよい。)であることを特徴とする、(3)に記載のアジン誘導体またはその塩。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のアジン誘導体および/またはその塩を含むことを特徴とする、農園芸用殺菌剤。
(7)下記一般式(III)で表される、化合物および下記一般式(IV)で表される化合物を反応させることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のアジン誘導体の製造方法。
【0012】
【化4】

[式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはハロアルキル基を示し、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、ハロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を示し、Rは、水素原子またはアルキル基を示し、Rは、水素原子またはアルキル基を示し、Heteroは、ヘテロ元素(O、SまたはN)を含む5員環、6員環または縮合環を示し、これらの環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子で置換されているかもしくは無置換である)、およびヘテロ原子(OまたはN)を含む5員環または6員環(これらの5員環または6員環はアルキル基で置換されているかもしくは無置換である)の基からなる群より選ばれた、1または2以上の同一もしくは異なる基および/または原子によって置換されていてもよく、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。]
【0013】
(8)下記一般式(V)で表される化合物および下記一般式(VI)で表される化合物を反応させることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のアジン誘導体の製造方法。
【0014】
【化5】

[式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはハロアルキル基を示し、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、ハロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を示し、Rは、水素原子またはアルキル基を示し、Rは、水素原子またはアルキル基を示し、Heteroは、ヘテロ元素(O、SまたはN)を含む5員環、6員環または縮合環を示し、これらの環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシル基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子で置換されているかもしくは無置換である)、およびヘテロ原子(OまたはN)を含む5員環または6員環(これらの5員環または6員環はアルキル基で置換されているかもしくは無置換である)の基からなる群より選ばれた、1または2以上の同一もしくは異なる基および/または原子によって置換されていてもよく、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。]
【0015】
(9)(7)に記載の製造方法であって、前記一般式(III)におけるRが水素原子を示し、Rがアルキル基を示し、Rがメチル基を示すことを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のアジン誘導体の製造方法。
(10)(8)に記載の製造方法であって、前記一般式(V)におけるRが水素原子を示し、Rがアルキル基を示し、Rがメチル基を示すことを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のアジン誘導体の製造方法。
【0016】
本発明に係る化合物(I)のうち、好ましい化合物は、殺菌活性を有しており、それを含む農園芸用殺菌剤は、農作物の重要病害である、キュウリ灰色かび病、きゅうりや大麦のうどんこ病、コムギ赤さび病などの各種病害に対して、幅広い防除効果を示す。さらに、予防効果と治療効果を兼ね備えており、農園芸用殺菌剤として有用である。したがって、本発明により優れた植物病害防除方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<本発明のアジン誘導体>
本発明に係るアジン誘導体は、一般式(I)で表される化合物である。一般式(I)において、Xおよびアジン部位を有する基(−(R)C=N−N=C(R)(Hetero))は、フェニル環のいずれかの環炭素に結合している。
本発明のアジン誘導体は、好ましくは、一般式(II)で表される化合物である。すなわち、該アジン部位を有する基が、カルバミン酸部位を有する基(−CHN(R)COOR)の結合位置を1位とした場合に、フェニル環の5位の炭素に結合している化合物である。さらに、一般式(II)で表される化合物のうち、Xがフェニル環の2位の炭素に結合している化合物が好ましい。
【0018】
一般式(I)および(II)におけるRは、任意の基または原子を示すが、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはハロアルキル基を示す。これらのうち、最も好ましいRは水素原子である。
【0019】
が示すアルキル基は、任意のアルキル基であり得るが、好ましくは、直鎖または分岐、あるいは環化したC〜Cアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−エチルブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
が示すアルケニル基は任意のアルケニル基であり得るが、好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cアルケニル基である。具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−1−ペンテニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
が示すアルキニル基は任意のアルキニル基であり得るが、好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cアルキニル基である。具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、4−メチル−1−ペンチニル基、3−メチル−1−ペンチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
が示すアシル基は任意のアシル基であり得るが、好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cアルキルカルボニル基である。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
が示すアルコキシアルキル基は任意のアルコキシアルキル基であり得る。該アルコキシアルキル基のアルコキシ部位は、好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cアルコキシである。具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−メチルブトキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、3−メチルブトキシ、n−ヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、3−エチルブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシアルキル基のアルキル部位としては、メチレン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、1,2−ジメチルプロピレン、2−エチルプロピレン、n−ペンチレン、1−メチルペンチレン、2,3−ジメチルブチレン、2−エチルブチレン、n−ヘキシレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
が示すアルコキシカルボニルアルキル基は任意のアルコキシカルボニルアルキル基であり得る。アルコキシカルボニルアルキル基のアルコキシ部位は、好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cアルコキシである。具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−メチルブトキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、3−メチルブトキシ、n−ヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、3−エチルブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシカルボニルアルキル基のアルキル部位としては、メチレン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、1,2−ジメチルプロピレン、2−エチルプロピレン、n−ペンチレン、1−メチルペンチレン、2,3−ジメチルブチレン、2−エチルブチレン、n−ヘキシレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
が示すハロアルキル基は任意のハロアルキル基であり得る。好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cハロアルキル基であり、さらに好ましくは、C〜Cフルオロアルキル基である。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ペンタフルオロペンチル基、ペンタフルオロヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
上記一般式(I)及び(II)におけるRは、任意の基または原子を示すが、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、ハロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を示す。これらのうち、最も好ましいRはアルキル基である。
【0027】
が示すアルキル基は任意のアルキル基であり得るが、好ましくは直鎖または分岐、あるいは環化したC〜Cアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−エチルブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
が示すアルケニル基は任意のアルケニル基であり得るが、好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cアルケニル基である。具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−1−ペンテニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
が示すアルキニル基は任意のアルキニル基であり得るが、好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cアルキニル基である。具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、4−メチル−1−ペンチニル基、3−メチル−1−ペンチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
が示すアルコキシアルキル基は任意のアルコキシアルキル基であり得る。該アルコキシアルキル基のアルコキシ部位は、好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cアルコキシである。具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−メチルブトキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、3−メチルブトキシ、n−ヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、3−エチルブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。かつ上記アルコキシアルキル基のアルキル部位は、好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cアルキレンである。具体的には、メチレン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、1,2−ジメチルプロピレン、2−エチルプロピレン、n−ペンチレン、1−メチルペンチレン、2,3−ジメチルブチレン、2−エチルブチレン、n−ヘキシレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
が示すハロアルキル基は任意のハロアルキル基であり得るが、好ましくは直鎖または分岐したC〜Cハロアルキル基である。さらに好ましくは、C〜Cフルオロアルキル基である。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ペンタフルオロペンチル基、ペンタフルオロヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
が示すシクロアルキルアルキル基は任意のシクロアルキルアルキル基であり得る。該シクロアルキルアルキル基のシクロアルキル部位は、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルアルキル基のアルキル部位は、好ましくは直鎖または分岐したC1〜C6アルキレンであり、具体的にはメチレン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、1,2−ジメチルプロピレン、2−エチルプロピレン、n−ペンチレン、1−メチルペンチレン、2,3−ジメチルブチレン、2−エチルブチレン、n−ヘキシレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
上記一般式(I)及び(II)におけるRは、任意の基または原子を示すが、好ましくは水素原子またはアルキル基を示す。該アルキル基は任意であるが,好ましくは、直鎖または分岐、あるいは環化したC〜Cアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−エチルブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
上記一般式(I)及び(II)におけるRは、任意の基または原子を示すが、好ましくは水素原子またはアルキル基を示す。該アルキル基は任意であるが,好ましくは、直鎖または分岐、あるいは環化したC〜Cアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−エチルブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されない。これらのうち、最も好ましいRはメチル基である。
【0035】
上記一般式(I)及び(II)におけるHeteroは、ヘテロ元素(好ましくは酸素原子O、硫黄原子Sまたは窒素原子N)を含む環を示し,それらの環は5員環または6員環あるいは縮合環であり得る。具体的には、5員環であるイミダゾール、ピラゾール、ピロール、チオフェン、フラン、イソキサゾールなど、6員環であるピリジン、ピラジン、ピリミジンなど、縮合環であるインドール、ベンゾフラン、フロピリジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。なお、一般式(I)及び(II)におけるHeteroは、これらの環が置換基として結合している状態を意味する。
【0036】
Heteroは、任意のハロゲン原子で置換されていてもよく、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0037】
Heteroは、任意のアルキル基で置換されていてもよく、該アルキル基は、好ましくは直鎖または分岐、あるいは環化したC〜Cアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−エチルブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
Heteroは、任意のハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基で置換されていてもよく、該ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基のアルキル部位は、直鎖または分岐したC1〜C6アルキレンであり、具体的にはメチレン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、1,2−ジメチルプロピレン、2−エチルプロピレン、n−ペンチレン、1−メチルペンチレン、2,3−ジメチルブチレン、2−エチルブチレン、n−ヘキシレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルキル基のハロゲンは任意のハロゲン原子であり得る。アルコキシアルキル基のアルコキシは、直鎖または分岐したC1〜C6アルコキシであり、具体的にはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−メチルブトキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、3−メチルブトキシ、n−ヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、3−エチルブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
Heteroは、任意のアシルオキシアルキル基で置換されていてもよく、該アシルオキシアルキル基のアシル部位は、好ましくは直鎖または分岐あるいは環化したC〜Cアルキルカルボニルである。具体的には、アセチル、プロピオニル、ピバロイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アシルオキシアルキル基のアルキル部位は、好ましくは、C〜Cアルキルである。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−エチルブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
Heteroは、任意のアシル基で置換されていてもよく、該アシル基としては、上記したアシルオキシアルキル基のアシルと同様であり、具体的にはアセチル基,プロピオニル基、ピバロイル基などが挙げられる。
【0041】
Heteroは、任意のハロゲン原子により置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよく、該ハロゲン原子は具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0042】
Heteroは、任意のアルキル基により置換されていてもよいヘテロ原子(OまたはN)を含む5員環または6員環によって置換されてもよい。該5員環は、ピラゾール、1,3−ジオキソランなどが好ましく例示され、該6員環は、ピリミジンなどが好ましく例示されるが、これらに限定されない。
【0043】
Hetero上に置換しているヘテロ原子(OまたはN)を含む5員環または6員環上の置換基であるアルキル基は、任意のアルキル基であるが、好ましくは直鎖または分岐、あるいは環化したC〜Cアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−エチルブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
上記一般式(I)及び(II)におけるXは任意の原子または基を示すが、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。
【0045】
Xが示すハロゲン原子は任意のハロゲン原子であってよく、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0046】
Xが示すアルキル基は任意のアルキル基であり得るが、好ましくは、直鎖または分岐、あるいは環化したC〜Cアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−エチルブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
Xが示すアルコキシ基は任意のアルコキシ基であり得るが、好ましくは、直鎖または分岐したC〜Cアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、3−メチルブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−エチルブトキシ基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本発明に係る一般式(I)および(II)で表される化合物は、そのE/Z異性体を含む。例えばアジン部位{−C(R)=N−N=C(R)−}でのE/Z異性体が考えられる。また、上述した置換基の種類によって、1または複数の二重結合(例えば、炭素−炭素二重結合、炭素−窒素二重結合)を含む可能性があり、そのE/Z異性体が考えられる。本発明に係る(I)および(II)で表される化合物は、それらのすべての考えうるE/Z異性体を含み、純粋なまたは実質的に純粋なE体またはZ体、あるいはE/Z異性体混合物をも含む。
【0049】
本発明に係る一般式(I)および(II)で表される化合物はその塩を含む。このような塩は本願明細書の記載から当業者に容易に想到され、例えばアニオン性の塩(ナトリウム塩など)が挙げられる。あるいは、Heteroが窒素(N)原子を含むものであれば、アンモニウム塩になりうる。このような塩は本願明細書の記載から当業者に容易に想到され、例えば塩酸塩などが挙げられる。
【0050】
一般式(I)で表される化合物として、具体的には、表1〜表12に示す化合物が挙げられる。なお、表1〜12におけるXの欄において、「H」は無置換であることを表す。
一般式(I)で表される化合物のうち、一般式(II)で表される化合物を表1〜表10に例示する。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】
【表5】

【0056】
【表6】

【0057】
【表7】

【0058】
【表8】

【0059】
【表9】

【0060】
【表10】

【0061】
一般式(I)で表される化合物のうち一般式(X)で表される化合物を、表11に例示する。
【0062】
【表11】

【0063】
一般式(I)で表される化合物のうち一般式(XI)で表される化合物を、表12に例示する。
【0064】
【表12】

【0065】
<本発明のアジン誘導体の製造方法>
本発明に係る一般式(I)及び一般式(II)で表される化合物は、任意の方法により合成されうるが、特に好ましい一般的製造法を以下に示す。なお、以下においては一般式(I)で表される化合物の製造法として説明するが、その製造法に従って、一般式(II)で表される化合物が製造できることは言うまでもない。
【0066】
本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、以下の反応式1または反応式2にしたがって合成され得る。一般式(V)で表される化合物は、文献既知化合物であって、例えば特開2001−106666号公報に記載の方法にしたがって合成し、利用することができる。一般式(III)で表される化合物は、一般式(V)で表される化合物を原料として、ヒドラジンと反応させることにより合成することができる。そのような合成方法は既知であって、例えば本明細書の実施例中の参考例1および参考例2に記載の方法により合成することができる。一般式(IV)および(VI)で表される化合物は、市販品として入手可能であるか、または公知の方法により合成することができ、例えば、本明細書の実施例中の参考例3に記載の方法により合成することができる。
【0067】
なお、反応式1または反応式2中の、一般式(III)もしくは(V)におけるR、R、RおよびX、ならびに一般式(IV)もしくは(VI)におけるRおよびHeteroは、上述した一般式(I)および(II)におけるR〜R、XおよびHeteroと同様に定義される。
【0068】
【化6】

(反応式1および反応式2においてR〜R、XおよびHeteroは前述において定義した基または原子を示す。)
【0069】
反応式1および反応式2の反応は、任意の条件にて実施しうるが、好ましくは、不活性な有機溶媒中で行うのが好ましい。不活性な有機溶媒とは、溶質、すなわち原料、生成物などと反応しない有機溶媒を意味する(以下、「不活性溶媒」ともいう)。より具体的には、一般式(III)または一般式(V)で表される化合物を不活性溶媒に溶解させ、これに一般式(IV)または一般式(VI)で表される化合物を加えることにより反応させることができる。一般式(IV)または一般式(VI)で表される化合物を、そのまま加えてもよいが、不活性溶媒(一般式(III)または一般式(V)を溶解した溶媒と同一または異なる溶媒でもよい)に溶解して加えることもできる。また、逆に、一般式(IV)または一般式(VI)で表される化合物の溶液中に一般式(III)または一般式(V)で表される化合物を加えて、反応させることもできる。
【0070】
上記不活性溶媒には、当業者が考えうる不活性溶媒をすべて含むが、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンを含む芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレンなどを含むハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどを含むエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどを含むニトリル系溶媒、酢酸エチル、プロピオン酸エチルなどを含むエステル系溶媒、およびメタノール、エタノール、n−プロパノールなどを含むアルコール系溶媒が挙げられる。
【0071】
反応式1および反応式2の反応は、任意の温度条件下で行うことができるが、好ましくは、0〜120℃、より好ましくは20〜80℃で行いうる。また、通常は常圧条件下で行うことができるが、減圧条件下、または加圧条件下で行うこともできる。
【0072】
反応式1および反応式2の反応の反応時間は、反応が終了する任意の時間とすることができる。反応が終了するとは、例えば、溶媒中の原料の一方または両方が消費されることをいい、例えばTLC(薄層クロマトグラフィー)によって確認しうる。一般的には、1時間〜24時間の範囲内である。
【0073】
反応式1および反応式2の反応においては、反応系中に酸触媒を加えてもよい。酸触媒を加えることにより、反応速度を上げることができる場合がある。好ましい酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸一水和物、カンファースルホン酸などが挙げられるが、当業者はこの反応に適した酸触媒を適宜選択できるはずであり、それらの任意の触媒をこの反応において使用することができる。
【0074】
反応式1および反応式2で表される反応の終了後、通常のワークアップ手法により処理し、通常の精製、単離方法を用いて目的物である一般式(I)で表される化合物を得ることができる。具体的には、反応終了後、水およびベンゼン、トルエン、クロロホルム、または酢酸エチルなどの有機溶媒を加えて抽出し、有機溶媒層を得ることができる。得られた有機溶媒層を無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウムなどの脱水剤により乾燥し、溶媒を留去し、必要であれば、クロマトグラフィーおよび/または再結晶などの精製手段により目的物(I)を得ることも可能である。
【0075】
一般式(I)におけるRが水素以外の化合物は以下の反応式3に従って、一般式(I−2)で表される化合物(R=H)を出発原料として合成することもできる。
【0076】
【化7】

[式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはハロアルキル基を示し、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、ハロアルキル基またはシクロアルキル基を示し、Rは、水素原子またはアルキル基を示し、Rは、水素原子またはアルキル基を示し、Heteroは、ヘテロ元素(O、SまたはN)を含む5員環、6員環または縮合環を示し、これらの環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子で置換されているかもしくは無置換である)、およびヘテロ原子(OまたはN)を含む5員環または6員環(これらの5員環または6員環はアルキル基で置換されているかもしくは無置換である)の基からなる群より選ばれた、1または2以上の同一もしくは異なる基および/または原子によって置換されていてもよく、Lは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、スルホネート基またはトリフレート基から選ばれた脱離能のある基または原子を示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。]
【0077】
反応式3の反応は、有機溶媒中において、一般式(I−2)で表される化合物に対して通常は1.0から2.5当量の塩基の存在下で、好ましくは1当量の反応試薬R−Lを反応させることにより行うことができる。反応試薬のLは任意の脱離基または原子を示し、反応試薬の種類、反応基質である(I−2)で表される化合物の種類、反応条件などに応じて適宜選択される。脱離基または原子Lとしては、例えばハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、フッ素原子など)、スルホニル基(トリフルオロメタンスルホニル基、メタンスルホニル基、トルエンスルホニル基など)、カルボニル基(アセチル基など)が挙げられるがこれらに限定されることはない。
【0078】
反応式3の反応は、不活性溶媒中で行うのが好ましい。不活性溶媒とは、当業者が考えうる任意の不活性溶媒を含むが、好ましくはトルエン、キシレンなどを含む芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどを含むハロゲン系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどを含むエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを含むアミド系溶媒、およびジメチルスルホキシドが挙げられる。
【0079】
反応式3の反応は、任意の温度条件下で行うことができるが、好ましくは、0〜150℃、より好ましくは0〜80℃で行うことができる。また、この反応は通常は常圧条件下で行うことができるが、減圧条件下または加圧条件下で行うこともできる。
【0080】
反応式3の反応の反応時間は、反応が終了する任意の時間とすることができる。反応が終了するとは、例えば、溶媒中の原料の一またはいずれもが消費されることをいう。反応の終了は、例えばTLC(薄層クロマトグラフィー)によって確認することができる。一般的には、1時間〜24時間の範囲内である。
【0081】
反応式3の反応で用いる塩基としては、任意の塩基を用いることができ、反応条件、例えば反応試薬R−L、溶媒の種類などによって、適宜選択されるべきである。当業者はそのような塩基を選択できるはずであるが、好ましい塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどを含む有機塩基類、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウムを含む無機塩基類などが挙げられる。
【0082】
反応終了後は、通常のワークアップ手法により処理し、通常の精製、単離方法を用いて目的物である一般式(I)で表される化合物を得ることができる。具体的には、反応終了後、水およびベンゼン、トルエン、クロロホルム、または酢酸エチルなどの有機溶媒を加えて抽出し、有機溶媒層を得ることができる。得られた有機溶媒層を無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウムなどの脱水剤により乾燥し、溶媒を留去し、必要であれば、クロマトグラフィーおよび/または再結晶などの精製手段により目的物(I)を得ることも可能である。
【0083】
一般式(I)で表される化合物は、必要に応じて、融点、赤外線吸収スペクトル、H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、質量分析、X線構造解析などによって分析し、確認、同定することができる。
【0084】
本発明に係る一般式(I)で表される化合物の、より具体的な合成法を、本明細書の実施例中、実施例1〜11に記載した。
【0085】
<本発明の殺菌剤>
本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、殺菌活性を示す。したがって、一般式(I)で表される化合物を含む組成物を殺菌剤として使用することができる。特に、一般式(I)で表される化合物を活性成分として含む組成物を、農園芸用殺菌剤として用いることができる。
【0086】
本発明に係る一般式(I)で表される化合物を活性成分として含む農園芸用殺菌剤(以下、単に「本発明の農園芸用殺菌剤」とも称する)の組成は、活性成分として一般式(I)で表される化合物を含む以外は、通常の農園芸用殺菌剤の組成とすることができる。通常の組成とは、例えば、農薬製剤ガイド(編集:日本農薬学会施用法研究会、発行:社団法人日本植物防疫協会)に記載されている。すなわち、一般式(I)で表される化合物、適当な担体、補助剤、界面活性剤、結合剤および安定剤など(これらに限定されない)を配合することができる。
【0087】
本発明の農園芸用殺菌剤の組成物は、農薬の剤型として一般に使用されている任意の剤型に製剤化することができる。例えば、粉剤、粗粉剤、DL(ドリフトレス型)粉剤、フローダスト剤、微粒剤、細粒剤、粒剤、水和剤、液剤、ゾル剤(フロアブル剤)、乳剤および油剤などに製剤化することができるが、これらに限定されない。
【0088】
本発明の農園芸用殺菌剤における一般式(I)で表される化合物の含有量は、製剤の剤型および使用方法により、適宜選択することができる。一般に好ましい含有量は、製剤全体量に対して0.1〜90重量%の範囲である。
【0089】
本発明の農園芸用殺菌剤は、一般の農園芸用殺菌剤が使用される方法と同様の方法で使用することができる。具体的には、水和剤、液剤、乳剤、ゾル剤(フロアブル剤)、顆粒水和剤、または油剤の場合は、水で50〜2000倍に希釈して、一般に活性成分が1〜10000ppmの濃度になるように調製し、この希釈液を、農耕地10アール当たり50〜300リットル、通常は100〜200リットルの範囲で植物の病害発生部位の茎葉に散布しうる。
【0090】
また、液剤、乳剤、またはゾル剤(フロアブル剤)の場合は、水で希釈することなく、または50倍以内に希釈して、微量散布剤として10アール当たり、50〜5000mlの量を、主に空中散布(LV散布、ULV散布、S散布などを含む)することもできる。空中散布はヘリコプターなどを用いて実施される。
【0091】
また、粉剤、粗粉剤、DL粉剤、フローダスト剤、微粒剤、細粒剤、または粒剤の場合は、10アール当たり2〜5kgの剤(活性成分含有量は約5〜500g)を、植物の病害発生部位の茎葉、土壌表面、土壌中、または水面に施用してもよい。
【0092】
本発明に一般式(I)で表される化合物を農園芸用殺菌剤として製剤化する方法の具体例を、本明細書の実施例中、実施例12〜16に記載した。
【0093】
本発明に係る一般式(I)で表される化合物を含む農園芸用殺菌剤の有用性、すなわち殺菌活性を、本明細書の実施例中、試験例1〜4に記載した。
【0094】
以下、本発明を実施例、および試験例により具体的に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定されるものではない。
【0095】
以下の実施例1〜11および参考例において、本発明に係る一般式(I)で表される化合物の製造例を具体的に記載した。記載されたNMRデータは、JNM−LA300スペクトロメーター(日本電子データム株式会社製)によって測定されたデータであり、全δ値をppmで示した。
【実施例1】
【0096】
N−{2−クロロ−5−[1−(6−メチル−2−ピリジルメチリデンヒドラゾノ)エチル]ベンジル}カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号1)
【0097】
【化8】

【0098】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた30ml容量の4つ口フラスコ中に、メタノール(5.0ml)に溶解したN−[2−クロロ−5−(1−ヒドラゾノエチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(0.5g,1.96mmol)を加えた。これに6−メチル−2−ピリジンカルボキシアルデヒド(0.524g,1.96mmol)を加え、室温下、3.5時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(40ml)を加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄後、有機層を分離し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、標記化合物0.48g(収率69%)を、黄色結晶物(融点;115〜120℃)として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)8.36(s,1H),7.96−7.64(m,4H),7.42(d,1H),7.20(d,1H),5.23(s,1H),4.51(d,2H),3.71(s,3H),2.61(s,3H),2.44(s,3H)
【実施例2】
【0099】
N−[2−クロロ−5−(1−{[1−(6−メチル−2−ピリジル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号3)
【0100】
【化9】

【0101】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた100ml容量の4つ口フラスコ中に、エタノール(19.6ml)に溶解したN−[2−クロロ−5−(1−ヒドラゾノエチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(1.0g,3.91mmol)を加えた。これに2−アセチル−6−メチルピリジン(1.06g,7.82mmol)を加え、10時間加熱還流させながら撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(100ml)を加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄後、有機層を分離し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:2)にて分離精製し、標記化合物1.26g(収率86%)を、黄色結晶物(融点;82〜83℃)として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)7.99(d,1H),7.91(d,1H),7.79(q,1H),7.62(t,1H),7.42(d,1H),7.16(d,1H),5.18(s,1H),4.51(d,2H),3.74(s,3H),2.60(s,3H),2.36(s,3H),2.25(s,3H)
【実施例3】
【0102】
N−{2−クロロ−5−[1−(2,4−ジクロロ−3−ピリジルメチリデン)ヒドラゾノ)エチル]ベンジル}カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号22)
【0103】
【化10】

【0104】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた30ml容量の4つ口フラスコ中に、トルエン(5.0ml)に溶解したN−[2−クロロ−5−(1−ヒドラゾノエチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(0.2g,0.78mmol)を加えた。これに2,4−ジクロロ−3−ピリジンカルボキシアルデヒド(0.14g,0.78mmol)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(40ml)を加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄後、有機層を分離し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;トルエン:酢酸エチル=15:1)にて精製し、標記化合物0.15g(収率47%)を、黄色結晶物(融点;130〜131℃)として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)8.59(s,1H),8.31(d,1H),7.97(s,1H),7.82−7.79(m,1H),7.45−7.40(m,1H),5.22(s,1H),4.51(d,2H),3.71(s,3H),2.48(s,3H)
【実施例4】
【0105】
N−{2−クロロ−5−[1−(5−クロロ−2−チエニルメチリデンヒドラゾノ)エチル]ベンジル}カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号57)
【0106】
【化11】

【0107】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた30ml容量の4つ口フラスコ中に、エタノール(10.0ml)に溶解したN−[2−クロロ−5−(1−ヒドラゾノエチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(0.40g,1.57mmol)を加えた。これに5−クロロ−2−チオフェンカルボキシアルデヒド(0.50g,3.44mmol)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(40ml)を加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄後、有機層を分離し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、標記化合物0.26g(収率43%)を、黄色結晶物(融点;115−117℃)として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)8.47(s,1H),7.92(s,1H),7.76(d,1H),7.41(s,1H),7.17(d,1H),6.93(d,1H),5.17(s,1H),4.50(d,2H),3.70(s,3H),2.47(s,3H)
【実施例5】
【0108】
N−[2−クロロ−5−(1−{[1−(5−メチル−2−チエニル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号77)
【0109】
【化12】

【0110】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた30ml容量の4つ口フラスコ中に、エタノール(15.0ml)に溶解したN−[2−クロロ−5−(1−ヒドラゾノエチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(0.30g,1.17mmol)を加えた。これに2−アセチル−5−メチルチオフェン(0.16g,1.17mmol)を加え、18時間加熱還流させながら撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(40ml)を加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄後、有機層を分離し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;トルエン:クロロホルム=2:1)にて分離精製し、標記化合物0.02g(収率5%)を、黄色結晶物(融点;121−123℃)として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)7.91−7.76(m,2H),7.41−7.21(m,2H),6.74−6.72(m,1H),5.18(s,1H),4.50(d,2H),3.70(s,3H),2.51(s,3H),2.36(s,3H),2.34(s,3H)
【実施例6】
【0111】
N−[3−(1−{[1−(5−メチル−2−フリル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号90)
【0112】
【化13】

【0113】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた100ml容量の4つ口フラスコ中に、トルエン(43.0ml)に溶解したN−[3−(1−ヒドラゾノエチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(3.8g,17.2mmol)を加えた。これに2−アセチル−5−メチルフラン(4.3g,34.4mmol)を加え、14時間加熱還流させながら撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(100ml)を加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄後、有機層を分離し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、標記化合物2.5g(収率44%)を、油状物質として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)7.84−7.76(m,2H),7.43−7.36(m,2H),6.75−6.66(m,1H),6.11−6.03(m,1H),5.08(s,1H),4.42(d,2H),3.91(s,3H),2.46−2.22(m,9H)
【実施例7】
【0114】
N−メチル−[3−(1−{[1−(5−メチル−2−フリル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号104)
【0115】
【化14】

【0116】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた30ml容量の4つ口フラスコ中に、N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)を加え、水素化ナトリウム(73mg,60%,油性,1.83mmol)を加え、撹拌しながら氷冷して5℃にまで冷却した。この溶液にN−[3−(1−{[1−(5−メチル−2−フリル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(0.3g,0.92mmol)を徐々に添加した。添加終了後、氷冷を止めて、室温に戻して撹拌を1時間続けた。再び氷冷により5℃にまで冷却し、ヨウ化メチル(0.26g,1.83mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、氷冷を止めて、室温に戻し3.5時間撹拌を続けた。反応終了後、反応液を氷水にあけ、酢酸エチル(50ml)を加えて抽出し、有機層を分離した。得られた有機層を水で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、標記化合物0.18g(収率58%)を、油状物質として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)7.82−7.77(m,2H),7.44−7.31(m,2H),6.75−6.68(m,1H),6.11−6.03(m,1H),4.52(s,2H),3.76(s,3H),2.89(d,3H),2.46−2.14(m,9H)
【実施例8】
【0117】
N−(2−プロピニル)−[3−(1−{[1−(5−メチル−2−フリル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号106)
【0118】
【化15】

【0119】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた30ml容器の4つ口フラスコ中に、N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)を加え、水素化ナトリウム(73mg,60%,油性,1.83mmol)を加え、撹拌しながら氷冷して5℃にまで冷却した。この溶液にN−[3−(1−{[1−(5−メチル−2−フリル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(0.3g,0.92mmol)を徐々に添加した。添加終了後、氷冷を止めて、室温に戻して撹拌を1時間続けた。再び氷冷により5℃にまで冷却し、プロパギルブロマイド(0.22g,1.83mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、氷冷を止めて、室温に戻し、1.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を氷水にあけ、酢酸エチル(50ml)を加えて抽出し、有機層を分離した。得られた有機層を水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、標記化合物0.25g(収率75%)を、油状物質として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)7.86−7.79(m,2H),7.43−7.28(m,2H),6.75−6.68(m,1H),6.11−6.04(m,1H),4.65(s,2H),4.04(d,2H),3.79(s,3H),2.46−2.23(m,10H)
【実施例9】
【0120】
N−[2−クロロ−5−(1−{[1−(4−メチル−2−チアゾリル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号144)
【0121】
【化16】

【0122】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた30ml容量の4つ口フラスコ中に、エタノール(10.0ml)に溶解したN−[2−クロロ−5−(1−ヒドラゾノエチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(0.50g,1.96mmol)を加えた。これに2−アセチル−4−メチルチアゾール(0.28g,1.96mmol)を加え、3時間加熱還流させながら撹拌した。反応終了後、クロロホルム(40ml)を加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄後、有機層を分離し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて分離精製し、標記化合物0.40g(収率57%)を、黄色結晶物(融点;120−122℃)として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)7.91(d,1H),7.79(q,1H),7.41(d,1H),6.96(d,1H),5.20(s,1H),4.50(d,2H),3.70(s,3H),2.50(d,3H),2.45(s,3H),2.33(s,3H)
【実施例10】
【0123】
N−[2−メチル−4−(1−{[1−(5−メチル−2−フリル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号163)
【0124】
【化17】

【0125】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた100ml容器の4つ口フラスコ中に、トルエン(26ml)に溶解したN−[2−メチル−4−(1−ヒドラゾノエチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(3.0g,12.8mmol)を加えた。これに2−アセチル−5−メチルフラン(2.5g,20.4mmol)を加え、加熱還流させながら5時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル(40ml)を加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄後、有機層を分離し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて分離精製し、標記化合物1.4g(収率33%)を、油状物質として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)7.82−7.66(m,2H),7.32−7.16(m,1H),6.74−6.66(m,1H),6.10−6.02(m,1H),4.94(s,1H),4.39(d,2H),3.70(s,3H),2.46−2.21(m,12H)
【実施例11】
【0126】
N−メチル−[2−メチル−4−(1−{[1−(5−メチル−2−フリル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチルの製造法(化合物番号164)
【0127】
【化18】

【0128】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた50ml容器の4つ口フラスコ中に、N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)を加え、水素化ナトリウム(70mg,60%,油性,1.76mmol)を加え、撹拌しながら氷冷して5℃にまで冷却した。この溶液にN−[2−メチル−4−(1−{[1−(5−メチル−2−フリル)エチリデン]ヒドラゾノ}エチル)ベンジル]カルバミン酸メチル(0.5g,1.46mmol)を徐々に添加した。添加終了後、氷冷を止めて、室温に戻して撹拌を1時間続けた。再び氷冷により5℃にまで冷却し、ヨウ化メチル(0.21g,1.46mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、氷冷を止めて、室温に戻し、2時間撹拌を続けた。反応終了後、反応液を氷水にあけ、酢酸エチル(50ml)を加えて抽出し、有機層を分離した。得られた有機層を水で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、標記化合物0.23g(収率44%)を、油状物質として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)7.76−7.66(m,2H),7.22−7.15(m,1H),6.74−6.68(m,1H),6.10−6.03(m,1H),4.53(s,2H),3.74(d,3H),2.87(d,3H),2.46−2.22(m,12H)
【0129】
(参考例1)N−[2−クロロ−5−(1−ヒドラゾノエチル)ベンジル]カルバミン酸メチルの製造
【0130】
【化19】

【0131】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた100ml容量の4つ口フラスコ中に、エタノール(62ml)に溶解したN−(2−クロロ−5−アセチルベンジル)カルバミン酸メチル(7.5g,31mmol)を加え、この溶液にヒドラジン一水和物(3.11g,62mmol)を室温にて滴下して加えた。滴下終了後、加熱還流させながら3時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧下にて溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を酢酸エチルから再結晶させて精製し、標記化合物7.44g(収率94%)を、白色結晶物(融点;138〜139℃)として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)7.66(d,1H),7.50(dd,1H),7.33(d,1H),5.39(S,2H),5.17(s,1H),4.46(d,2H),3.69(s,3H),2.11(s,3H)
【0132】
(参考例2)N−[4−(1−ヒドラゾノエチル)ベンジル]カルバミン酸メチルの製造
【0133】
【化20】

【0134】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた100ml容量の4つ口フラスコ中に、エタノール(30ml)に溶解したN−(4−アセチルベンジル)カルバミン酸メチル(3.0g,14.5mmol)を加え、この溶液にヒドラジン一水和物(2.2g,43.5mmol)を、室温にて滴下して加えた。滴下終了後、加熱還流させながら11時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧下にて溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣をトルエンで洗浄し、標記化合物2.9g(収率91%)を、白色結晶物(融点測定不能(加熱により重合))として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)7.63−7.59(m,2H),7.28−7.24(m,2H),5.35(s,2H),4.98(s,1H),4.37(d,2H),3.71(s,3H),2.13(s,3H)
【0135】
(参考例3)2−(1−ヒドラゾノエチル)−5−ニトロベンゾフランの製造
【0136】
【化21】

【0137】
還流冷却器、撹拌器および温度計をつけた50ml容量の4つ口フラスコ中に、エタノール(12ml)に溶解した2−アセチル−5−ニトロベンゾフラン(0.50g,2.44mmol)を加え、この溶液にヒドラジン一水和物(0.37g,7.32mmol)を、室温にて滴下して加えた。滴下終了後、加熱還流させながら1.5時間撹拌した。反応終了後、室温になるまで冷却し、反応混合物に酢酸エチル(50ml)を加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下にて溶媒を留去し、標記化合物0.45g(収率84%)を、茶色結晶物(融点測定不能(加熱により重合))として得た。
H−NMR(CDCl/TMS)δ(ppm)8.48(d,1H),8.23−8.19(m,1H),7.57(d,1H),6.94(d,1H),5.73(s,2H),2.17(s,3H)
【実施例12】
【0138】
粉剤化実施例;化合物番号34の化合物(2重量部)、PAP(物理性改良剤)(1重量部)およびクレー(97重量部)の混合物を、均一に粉砕混合して、活性成分を2重量%含有する粉剤を得た。さらに、化合物番号34の化合物に代えて、表1〜表9に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの粉剤を得た。
【実施例13】
【0139】
水和剤化実施例;化合物番号43の化合物(20重量部)、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム(3重量部)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(5重量部)および白土(72重量部)の混合物を均一に混合し、粉砕するこニにより、活性成分を20重量%含有する水和剤を得た。さらに、化合物番号43の化合物に代えて、表1〜表9に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの水和剤を得た。
【実施例14】
【0140】
乳剤化実施例;化合物番号77の化合物(30重量部)、メチルエチルケトン(40重量部)およびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(30重量部)を混合して溶解することにより、活性成分を30重量%含有する乳剤を得た。さらに、化合物番号77の化合物に代えて、表1〜表9に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの乳剤を得た。
【実施例15】
【0141】
ゾル剤化実施例;化合物番号76の化合物(40重量部)、ラウリル硫酸塩(2重量部)、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(2重量部)、アセトキシプロピルセルロース(1重量部)および水(55重量部)の混合物を均一に混合することにより、活性成分を40重量%含有するゾル剤を得た。さらに、化合物番号76の化合物に代えて、表1〜表9に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれのゾル剤を得た。
【実施例16】
【0142】
粒剤化実施例;化合物番号77の化合物(10重量部)、ラウリル硫酸塩(1重量部)、リグニンスルホン酸カルシウム(5重量部)、ベントナイト(30重量部)およびクレー(54重量部)の混合物に、さらに水(15重量部)を加えて混練機で混練したのち、造粒機で造粒し、流動乾燥機で乾燥して、活性成分を10重量%含有する粒剤を得た。さらに、化合物番号77の化合物に代えて、表1〜表9に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの粒剤を得た。
【0143】
(試験例)以下に、本発明に係る一般式(I)で表されるアジン誘導体の、およびそれを有効成分として含む農園芸用殺菌剤の有用性について、試験例1〜4を参照して明らかにする。しかしながら、本発明の有用性は、これらの試験例によって明らかにされる有用性に限定されるものではない。また、供試化合物番号とは、表1〜表12で表す化合物番号と同一の番号を表す。
【0144】
(試験例1)オオムギうどんこ病防除効果試験;温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培した大麦(品種:アズマゴールデン)の1葉期苗に、実施例13に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10ml散布(茎葉散布)した。薬剤処理をした翌日、あらかじめ、別の大麦葉上で形成させたオオムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis:エリシフェ グラミニス)の分生胞子を薬剤散布したポット上に接種し、20℃の人工気象室内において、発病を管理した。接種の7日後に、第1葉上のオオムギうどんこ病の病斑面積歩合(%)を調査し、下記の式1により防除価(%)を算出した。そして、下記の表13に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの三連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
【0145】
【数1】

【0146】
【表13】

【0147】
また、下記の基準により大麦に対する薬害程度を調査した。
薬害程度の調査指数(6段階で評価)
5:激甚 4:甚 3:多 2:若干 1:わずか 0:なし
この薬害程度の調査指数は、試験例2〜試験例3においても適用した。
【0148】
これらの結果を下記の表14および表15に示した。
【0149】
【表14】

【0150】
【表15】

【0151】
表14における比較薬剤Aとは、以下の化合物を示す。比較薬剤Aは、国際公開第0l/42201号パンフレットに記載されている。また、この比較薬剤Aは、試験例2〜試験例4においても、比較薬剤として用いた。
【0152】
【化22】

【0153】
(試験例2)コムギ赤さび病防除効果試験;温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培した小麦(品種:農林61号)の1葉期苗に、実施例13に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10ml散布した(茎葉散布)。薬剤処理をした翌日、あらかじめ別の小麦葉上で形成させたコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita:プクシニア レコンジタ)の夏胞子を薬剤散布したポット上に接種し、20℃の人工気象室内において、発病を管理した。接種の10日後に、第1葉上の病斑数を調査し、下記の式2により防除価(%)を算出した。そして、上記の表13に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの三連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
【0154】
小麦に対する薬害程度の調査指数(6段階評価)を上述に従って、調査した。
【0155】
これらの結果を以下の表16および17に示す。
【0156】
【数2】

【0157】
【表16】

【0158】
【表17】

【0159】
(試験例3)キュウリ灰色かび病防除効果試験;温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培したきゅうり(品種:相模半白)の1.5葉期苗に、実施例13に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppm)を1ポットあたり10ml散布した(茎葉散布)。薬剤処理をした翌日、あらかじめジャガイモ煎汁培地上で培養したキュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea:ボトリチス シネリア)の含菌寒天片を前記きゅうりの第1葉上に接種し、20℃の温室内に入れた。接種の4日後に、病斑直径(cm)を測定し、下記の式3により防除価(%)を算出した。そして、上記の表13に従い、防除価を評価値に換算した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの三連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。
【0160】
【数3】

【0161】
キュウリに対する薬害程度の調査指数(6段階評価)を上述に従って、調査した。
【0162】
これらの結果を以下の表18および19に示した。
【0163】
【表18】

【0164】
【表19】

【0165】
(試験例4)キュウリ灰色かび病治療効果試験;温室内で直径6cmの大きさのプラスチックポットで栽培したきゅうり(品種:相模半白)の1.5葉期苗にあらかじめジャガイモ煎汁培地上で培養したキュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea:ボトリチス シネリア)の含菌寒天片を接種し、20℃の温室内に1日間保持した。保持後、実施例13に準じて調製した水和剤の希釈液(100ppmおよび200ppm)を1ポットあたり10ml散布した(茎葉散布)。散布後は再び20℃の温室内に入れた。散布4日後に、病斑直径(cm)を測定し、上記の式3により防除価(%)を算出した。本試験は、1薬液濃度当り、1区1ポットの三連制で行った。その平均の防除効果の評価値を求めた。その結果を表20に示す。
【0166】
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式(I)中、
は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはハロアルキル基を示し、
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、ハロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を示し、
は、水素原子またはアルキル基を示し、
は、水素原子またはアルキル基を示し、
Heteroは、ヘテロ元素(O、SまたはN)を含む5員環、6員環または縮合環を示し、これらの環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子で置換されているかもしくは無置換である)、およびヘテロ原子(OまたはN)を含む5員環または6員環(これらの5員環または6員環はアルキル基で置換されているかもしくは無置換である)の基からなる群より選ばれた、1または2以上の同一もしくは異なる基および/または原子によって置換されていてもよく、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。]
で表されるアジン誘導体またはその塩。
【請求項2】
前記一般式(I)においてRが水素原子であり、かつRがメチル基であることを特徴とする、請求項1に記載のアジン誘導体またはその塩。
【請求項3】
前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1または2に記載のアジン誘導体またはその塩。
【化2】

【請求項4】
前記一般式(II)で表される化合物であって、置換基Xが2位に置換していることを特徴とする、請求項3に記載のアジン誘導体またはその塩。
【請求項5】
前記一般式(II)で表される化合物であって、Heteroが、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インドール、イミダゾール、ピロール、チオフェン、フラン、フロピリジン、イソキサゾールまたはチアゾール(これらの環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシル基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子で置換されているかもしくは無置換である)、またはアルキル基で置換されたもしくは無置換のピリミジニル基もしくはジオキソラニル基によって置換されていてもよい。)であることを特徴とする、請求項3に記載のアジン誘導体またはその塩。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のアジン誘導体および/またはその塩を含むことを特徴とする、農園芸用殺菌剤。
【請求項7】
下記一般式(III)で表される化合物および下記一般式(IV)で表される化合物を反応させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアジン誘導体の製造方法。
【化3】

[式(III)中、
は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはハロアルキル基を示し、
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、ハロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を示し、
は、水素原子またはアルキル基を示し、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示し、
式(IV)中、
は、水素原子またはアルキル基を示し、
Heteroは、ヘテロ元素(O、SまたはN)を含む5員環、6員環または縮合環を示し、これらの環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子で置換されているかもしくは無置換である)、およびヘテロ原子(OまたはN)を含む5員環または6員環(これらの5員環または6員環はアルキル基で置換されているかもしくは無置換である)の基からなる群より選ばれた、1または2以上の同一もしくは異なる基および/または原子によって置換されていてもよい。]
【請求項8】
下記一般式(V)で表される化合物および下記一般式(VI)で表される化合物を反応させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアジン誘導体の製造方法。
【化4】

[式(V)中、
は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはハロアルキル基を示し、
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシアルキル基、ハロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を示し、
は、水素原子またはアルキル基を示し、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示し、
式(VI)中、
は、水素原子またはアルキル基を示し、
Heteroは、ヘテロ元素(O、SまたはN)を含む5員環、6員環または縮合環を示し、これらの環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アシル基、フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子で置換されているかもしくは無置換である)、およびヘテロ原子(OまたはN)を含む5員環または6員環(これらの5員環または6員環はアルキル基で置換されているかもしくは無置換である)の基からなる群より選ばれた、1または2以上の同一もしくは異なる基および/または原子によって置換されていてもよい。]
【請求項9】
請求項7に記載の製造方法であって、前記一般式(III)におけるRが水素を示し、Rがアルキル基を示し、Rがメチル基を示すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアジン誘導体の製造方法。
【請求項10】
請求項8に記載の製造方法であって、前記一般式(V)におけるRが水素を示し、Rがアルキル基を示し、Rがメチル基を示すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアジン誘導体の製造方法。

【国際公開番号】WO2005/021507
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【発行日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513523(P2005−513523)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012654
【国際出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000242002)北興化学工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】