説明

エンジン制御方法

【課題】出力制御不能の発生を避けながら、発熱量の変化に応じてできるだけエンジンの出力を高める。
【解決手段】排気ガス中の酸素濃度の実際値を検出する工程と、混合気流量の実際値及び燃料制御弁開度の実際値を検出する工程と、酸素濃度の実際値、混合気流量の実際値、及び燃料制御弁開度の実際値に基づいて、発熱量に応じて変化する理論空燃比の実際値を検出する工程と、空燃比の実際値が理論空燃比の実際値に一致するように、空燃比を決定する燃料制御弁開度を制御する工程と、発電機出力の目標値を発電機出力制限値に設定する工程と、発電機出力の実際値を検出する工程と、発電機出力の実際値が発電機出力の目標値に一致するように、スロットル開度を制御する工程と、を備えており、出力制限値は、空燃比が理論空燃比に保たれ且つスロットル開度が所定のスロットル開度制限値に保たれているときに得られる出力の大きさである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料の単位体積当たりの発熱量が変化する場合にエンジンを制御するエンジン制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料は、通常、組成の異なる多数の成分によって構成されており、各成分の発熱量は異なっている。このため、燃料自体の発熱量は、各成分の濃度によって変化する。例えば、ガス化炉で生成される燃料の場合、成分の濃度は、ガスの原材料の種類及びガス化炉の運転状態によって大きく影響を受ける。このため、ガス化炉で生成される燃料では、単位体積当たりにおける燃料の発熱量が時間的に変化する。ガス化炉で生成される燃料には、木屑などを熱分解して得られるガス燃料、ごみ処理施設から排出されるガス燃料、生物の排泄物等から得られるバイオガス燃料、及び埋立地等からの自噴ガス燃料がある。
【0003】
図18は、ガス化炉から供給される燃料について、各成分の濃度及び燃料自体の低位発熱量(LHV)の時間的変化を示す図である。図18において、各成分の濃度は時間的に変化している。この結果、燃料自体の発熱量(単位体積当たり発熱量)も時間的に変化している。
【0004】
特許文献1は、バイオマス原料を熱分解することによって発生する熱分解ガスを燃料ガスとして利用するバイオマスガス化システムを開示している。バイオマス原料から発生する熱分解ガスも、成分の濃度が時間的に変化する燃料である。
【0005】
一般に発熱量が低下する場合、燃料を構成する各成分において、発熱量の低い成分の濃度又は燃焼に寄与しない成分の濃度が増大している。このため、発熱量が低下するにつれて、一定量の燃料を完全燃焼させるのに必要な空気量が減少する。つまり、発熱量が低下すると、理論空燃比が低下する。
【0006】
図19は、発生ガス量(a)、ガス発熱量(b)、可能な発電機出力(c)、及びスロットル開度(d)の時間的変化を示す図である。図19(a)は、ガス化炉から発生する燃料ガスの発生ガス量Atの時間的変化を示している。ガス化炉の構成上、発生ガス量Atを大きく変更することはできないので、発生ガス量Atは時間的に概ね一定である。ここで、エンジンは、ガス化炉から発生する燃料ガスを、燃料として利用している。エンジンでの燃焼に利用されなかった燃料ガスは、そのまま廃棄される。
【0007】
図19(b)は、燃料ガスの発熱量Hの時間的変化を示している。ガス化炉から発生する燃料の成分は時間的に変化するので、燃料ガスの発熱量Hは時間的に変化する。このため、理論空燃比が時間的に変化する。
【0008】
発熱量(理論空燃比)に応じて空気流量を変更することによって、ガス化炉からの燃料ガスを最大限燃焼できる。この場合、発熱量が高くなるにつれて必要な空気流量が多くなり、発熱量が低くなるにつれて必要な空気流量が少なくなる。
【0009】
図19(c)は、ガス化炉からの燃料ガスが最大限利用される場合における、可能な発電機出力PMの時間的変化を示している。エンジンは発電機の駆動源として利用されており、発電機の発電機出力は、エンジンの出力に比例する。上述したように、発熱量に合わせて空気流量を変更することによって、ガス化炉からの燃料ガスを最大限利用できる。このため、図19(c)に示されるように、可能な発電機出力PMは、基本的に、発熱量に比例して変化する。ただし、供給可能な燃料流量及び空気流量には限界があるため、可能な発電機出力PMは、最大燃料流量及び最大空気流量によって制限を受ける。最大燃料流量は発生ガス量Atに等しい。最大空気流量は、例えば、スロットル開度が最大に保たれているときの空気流量である。図19(a)において発生ガス量Atは略一定値であるため、可能な発電機出力PMは、スロットル開度の制限値TLによって制限を受ける。スロットル開度制限値TLは、図19(d)に示されている。また、可能な発電機出力PMは、発電機出力上限値PGにも制限を受ける。発電機出力上限値PGは、発電機の出力限界を指している。
【0010】
可能な発電機出力PMを実際の出力として得るためには、発熱量の変化に応じて、可能な発電機出力PMを発電機出力の目標値として設定する必要がある。例えば、発電機出力の目標値が、可能な発電機出力PMよりも高く設定されている場合、燃料流量の不足又は空気流量の不足によって、発電機出力の実際値が目標値に到達できない。つまり、出力制御が不能の状態に陥る。出力制御不能の場合として、具体的には、例えば、スロットル開度が最大に保たれていても、空気流量が不足している場合がある。
【0011】
従来、発熱量(理論空燃比)の時間的変化を検出することなく、エンジンの制御が行われている。この場合、出力制御不能の発生を避けるために、発電機出力の目標値は、一定値の出力制限値PLに保たれている。出力制限値PLは、想定される最低値の発熱量において、スロットル開度が最大である場合に出力可能な発電電力の値である。発電機出力の目標値が出力制限値PLに保たれている限り、発熱量が変化しても、出力制御不能の状況は発生しない。
【0012】
図19(d)は、発電機出力の目標値が出力制限値PLに保たれている場合におけるスロットル開度の実際値TRの時間的変化を示している。この場合、スロットル開度の実際値TRは、発電機出力の実際値が出力制限値PLに保たれるように、変更される。概ね、スロットル開度の実際値TRの変化は、発熱量の変化に反比例する。この結果、図19(a)において、利用ガス量Apは、スロットル開度の実際値TRの変化に比例している。利用ガス量Apは発電に利用されるガス量を示しており、廃棄ガス量Adは無駄に捨てられるガス量を示している。発生ガス量Atは、利用ガス量Ap及び廃棄ガス量Adの合計に等しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−249600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来、発熱量の変化による出力制御不能の発生を避けるために、発熱量の最低値に合わせて設定された一定値に、発電機出力の目標値が保たれている。つまり、発電機出力の目標値が、可能な発電機出力の最低値に合わせて設定されている。発熱量が低い場合に合わせて燃料ガスの利用量が設定されているので、発熱量が高い場合には、燃料ガスの利用量が低下する。この結果、図19(a)に示されるように、発生ガス量Atに占める廃棄ガス量Adの割合が比較的大きくなる。
【0015】
そこで、本発明は、出力制御不能の発生を避けながら、発熱量の変化に応じてできるだけ出力を高めることができる、エンジンの制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、燃料の単位体積当たりの発熱量が変化する場合にエンジンを制御するエンジン制御方法であって、排気ガス中の酸素濃度の実際値を検出する工程と、燃料流量の実際値及び空気流量の実際値を検出する工程と、酸素濃度の実際値、燃料流量の実際値、及び空気流量の実際値に基づいて、発熱量に応じて変化する理論空燃比の実際値を検出する工程と、空燃比の実際値が理論空燃比の実際値に一致するように、空燃比を決定する第1制御量を制御する工程と、エンジンの出力の目標値を出力制限値に設定する工程と、出力の実際値を検出する工程と、出力の実際値が出力の目標値に一致するように、空気流量又は混合気流量を決定する第2制御量を制御する工程と、を備えており、出力制限値は、空燃比が理論空燃比に保たれ且つ第2制御量が所定の第2制限値に保たれているときに得られる出力の大きさである、ことを特徴とするエンジン制御方法を提供する。
【0017】
(a)好ましくは、出力の目標値を設定する工程において、出力、第2制御量、及び出力制限値の相関関係に基づいて、出力の実際値及び第2制御量の実際値に対応する出力制限値が特定され、該出力制限値が出力の目標値に設定される。
【0018】
(b)好ましくは、出力の目標値を設定する工程において、第2制御量の実際値が第2制限値に保たれるように出力の目標値を変更又は維持することによって、出力の目標値が出力制限値に設定される。
【0019】
(c)本発明は、好ましくは、出力上限値を設定する工程と、出力の目標値が出力上限値よりも高い場合に、出力の目標値を出力上限値に一致させる工程とを、更に備えている。
【0020】
(d)本発明は、好ましくは、燃料流量制限値を設定する工程と、燃料流量の実際値が燃料流量制限値よりも高い場合に、出力の目標値を減少させることによって、燃料流量の実際値を燃料流量制限値に一致させる工程とを、更に備えている。
【0021】
(e)好ましくは、第1制御量は、ミキサに供給される燃料の流量を制御する燃料制御弁の開度である。
【0022】
(f)好ましくは、第2制御量は、スロットル弁の開度である。
【0023】
(g)好ましくは、第2制御量は、給気圧力である。
【0024】
(h)好ましくは、燃料流量を特定する制御量は、ミキサに供給される燃料の流量を制御する燃料制御弁の開度と、スロットル開度、給気圧力及び給気温度、又は給気圧力とである。
【0025】
(i)好ましくは、燃料流量を特定する制御量は、ミキサに供給される燃料の流量を制御する燃料制御弁の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧と、スロットル開度、給気圧力及び給気温度、又は給気圧力とである。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るエンジン制御方法では、発熱量の変化に応じて出力の目標値が変化する。出力の目標値は、第2制御量の実際値が所定の制限値に保たれるように設定されているので、出力制御不能の発生は避けられている。このため、本発明に係るエンジン制御方法は、出力制御不能の発生を避けながら、発熱量の変化に応じてできるだけ出力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】エンジン、エンジン制御システム、及び燃料源を示す概略図である(第1実施形態)。
【図2】出力制御のフローを示す図である(第1実施形態)。
【図3】図3は、空燃比が理論空燃比に保たれている状態における、出力、スロットル開度、及び発電出力制限値の相関関係を示す図である(第1実施形態)。
【図4】図3の相関関係及び運転状態の変化の様子を示す図である(第1実施形態)。
【図5】ガス発熱量(a)、実際の発電出力(b)、発電出力制限値(c)及びスロットル開度(d)の時間的変化を示す図である(第1実施形態)。
【図6】エンジン、エンジン制御システム、及び燃料源を示す概略図である(第2実施形態)。
【図7】出力制御のフローを示す図である(第2実施形態)。
【図8】出力制御のフローを示す図である(第3実施形態)。
【図9】エンジン、エンジン制御システム、及び燃料源を示す概略図である(第4実施形態)。
【図10】出力制御のフローを示す図である(第4実施形態)。
【図11】出力制御のフローを示す図である(第5実施形態)。
【図12】エンジン、エンジン制御システム、及び燃料源を示す概略図である(第6実施形態)。
【図13】出力制御のフローを示す図である(第6実施形態)。
【図14】エンジン、エンジン制御システム、及び燃料源を示す概略図である(第7実施形態)。
【図15】出力制御のフローを示す図である(第7実施形態)。
【図16】エンジン、エンジン制御システム、及び燃料源を示す概略図である(第8実施形態)。
【図17】出力制御のフローを示す図である(第8実施形態)。
【図18】ガス化炉から供給される燃料における各成分の濃度及び燃料の低位発熱量(LHV)の時間的変化を示す図である。
【図19】発生ガス量(a)、ガス発熱量(b)、可能な発電出力(c)、及びスロットル開度(d)の時間的変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
図1は、エンジン1、エンジン制御システム100、及び燃料源200を示す概略図である。図1において、エンジン1は、シリンダ2、ピストン3、クランク軸4、給気管5、排気管6、スロットル弁7、ベンチュリ式ミキサ8、燃料制御弁9、燃料配管10、点火プラグ11、及びガス圧力調整器13を備えている。つまり、エンジン1は、燃料制御弁及びミキサを有する予混合燃焼エンジンである。スロットル弁7及びベンチュリ式ミキサ8は給気管5内に配置されている。スロットル弁7は、給気方向におけるベンチュリ式ミキサ8の下流側にある。燃料配管10は、燃料源200からベンチュリ式ミキサ8に燃料を供給する。燃料制御弁9は、燃料配管10の経路上に配置されている。ガス圧力調整器13は、ベンチュリ式ミキサ8に供給される燃料の圧力を制御する。ガス圧力調整器13は、燃料配管10の経路上において、燃料制御弁9の上流側に配置されている。また、クランク軸4は、発電機12に接続されている。
【0029】
燃料源200は、単位体積当たりの発熱量が時間的に変化する燃料をエンジン1に供給する。燃料源200は、例えば、木屑を熱分解することによってガス燃料を発生させるガス化炉である。
【0030】
エンジン制御システム100は、回転数センサ21、出力センサ22、給気圧力センサ23、給気温度センサ24、スロットル開度センサ25、燃料制御弁開度センサ26、酸素センサ29、及び制御装置30を備えている。回転数センサ21は、エンジン1の回転数、すなわちクランク軸4の回転数を検出する。出力センサ22は、発電機12の発電電力に基づいて、エンジン4の出力、すなわちクランク軸4の出力を検出する。給気圧力センサ23は、スロットル弁7の下流側において、給気管5内の給気圧力(混合気の圧力)を検出する。給気温度センサ24は、スロットル弁7の下流側において、給気管5内の給気温度(混合気の温度)を検出する。スロットル開度センサ25は、スロットル弁7によって設定された給気管5内の開度を検出する。燃料制御弁開度センサ26は、燃料制御弁9によって設定された燃料配管10内の開度を検出する。酸素センサ29は、排気中の酸素濃度を検出する。酸素センサ29は、排気管6内に配置されている。以下、スロットル開度は、スロットル弁7によって設定される給気管5内の開度を指し、燃料制御弁開度は、燃料制御弁9によって設定される燃料配管10内の開度を指している。
【0031】
制御装置30は、各種センサによって得られた検出情報に基づいて、点火プラグ11の作動時期、スロットル開度、及び燃料制御弁開度を制御する。制御装置30は、CPU及びメモリ等のハードウェアと、ハードウェアを作動させるプログラムとからなっている。
【0032】
制御装置30は、混合気流量算出部31、空燃比/理論空燃比算出部32、燃料制御弁制御部33、スロットル制御部34、相関関係記憶部35、出力目標値設定部36、及び出力上限値設定部37を備えている。算出部31は、混合気流量の実際値を算出する。算出部32は、理論空燃比の実際値及び空燃比の実際値を算出する。制御部33は、空燃比の実際値が理論空燃比に一致するように、燃料制御弁開度を制御する。制御部34は、出力の実際値が出力の目標値に一致するように、スロットル開度を制御する。記憶部35は、発電機出力制限値を記憶している。設定部36は、出力の目標値を設定する。設定部37は、例えばユーザーの操作により、出力の目標値の上限値を設定する。
【0033】
図2を参照して、制御装置30によって実行される出力制御のフローを説明する。図2は、出力制御のフローを示す図である。出力制御は、概略的には、発熱量の変化に応じて空燃比を理論空燃比に保ちながら、現時点の発熱量において可能な最大の出力をエンジンに発揮させる。出力制御は、目標値追従制御、空燃比制御、出力制限値制御、及び出力上限値制御からなっている。空燃比制御はステップ群S101−S106からなっており、出力制限値制御はステップ群S110−S112からなっており、出力上限値制御はステップ群S121−S122からなっている。目標値追従制御のステップ群は図示されていない。
【0034】
目標値追従制御は、発電機出力の実際値が発電機出力の目標値に一致するように、スロットル開度を制御する。目標値追従制御において、スロットル制御部34は、出力目標値設定部36によって設定された発電機出力の目標値に発電機出力の実際値が一致するように、スロットル弁7を制御する。目標値追従制御は、空燃比制御、出力上限値制御、及び出力制限値制御と並行して実行されている。このため、出力上限値制御及び出力制限値制御において発電機出力の目標値が変更される度に、変更後の発電機出力の目標値に基づいて目標値追従制御が実行される。
【0035】
空燃比制御のステップ群S101−S106を説明する。空燃比制御は、空燃比の実際値が理論空燃比に一致するように、燃料制御弁開度を制御する。
【0036】
ステップS101において、空燃比/理論空燃比算出部32は、酸素濃度の実際値、混合気流量の実際値、及び燃料制御弁開度の実際値に基づいて、理論空燃比の実際値を算出する。
【0037】
理論空燃比は、燃料の発熱量の変化に応じて変化する。一般に、発熱量が低下する場合、燃料を構成する各成分において、発熱量の低い成分の濃度又は燃焼に寄与しない成分の濃度が増大している。このため、発熱量が上昇すると理論空燃比が増大し、発熱量が低下すると理論空燃比が減少する。
【0038】
理論空燃比、給気中の空気流量、給気中の燃料流量、及び排気中の酸素濃度の間に、式(1)及び(2)の関係が成立する。D=Ae/(A+F)・・・(1)、ここで、D:酸素濃度、Ae:排気中の空気流量、A:給気中の空気流量、F:給気中の燃料流量。Ae=A−(A/F)t・・・(2)、ここで、(A/F)t:理論空燃比。式(1)及び(2)により、理論空燃比は、酸素濃度、空気流量、及び燃料流量に基づいて、特定される。一方、混合気流量は、空気流量及び燃料流量の合計に等しい。更に、混合気はベンチュリ式ミキサ8によって生成されるので、燃料制御弁開度は、混合気流量に対する燃料流量の割合を決定する。このため、給気中の空気流量及び燃料流量は、混合気流量及び燃料制御弁開度に基づいて特定される。したがって、理論空燃比は、酸素濃度、混合気流量、及び燃料制御弁開度に基づいて、特定される。
【0039】
理論空燃比の実際値を特定するための各要素は、各センサによって検出されている。酸素濃度の実際値は、酸素センサ29によって検出されている。混合気流量の実際値は、給気圧力センサ23によって検出される給気圧力の実際値及び給気温度センサ24によって検出される給気温度の実際値に基づいて、混合気流量算出部31によって算出されている。燃料制御弁開度の実際値は、燃料制御弁開度センサ26によって検出されている。
【0040】
ステップS102は、ステップS101の次に実行される。ステップS102において、空燃比/理論空燃比算出部32は、混合気流量の実際値及び燃料制御弁開度の実際値に基づいて、空燃比の実際値を算出する。空燃比の実際値は、現時点における燃料流量に対する空気流量の比率を指している。
【0041】
ステップS103、S104は、ステップS102の次に実行される。ステップS103、S104において、燃料制御弁制御部33は、空燃比の実際値が理論空燃比の実際値の周辺領域内にあるか否かを判定する。周辺領域は、理論空燃比の実際値を含む帯状領域を指している。理論空燃比の周辺領域の上限値は、理論空燃比の実際値に上側補正係数を乗じた値である。理論空燃比の周辺領域の下限値は、理論空燃比の実際値に下側補正係数を乗じた値である。上側補正係数は、1より若干大きな値、例えば1.02である。下側補正係数は、1より若干小さな値、例えば0.95である。
【0042】
ステップS103において、制御部33は、空燃比の実際値が理論空燃比の実際値と上側補正係数との積よりも大きいか否かを判定する。空燃比の実際値が理論空燃比の実際値と上側補正係数との積よりも大きい場合、ステップS105が実行される。空燃比の実際値が理論空燃比の実際値と上側補正係数との積よりも小さい又は前記積に等しい場合、ステップS104が実行される。
【0043】
ステップS104において、制御部33は、空燃比の実際値が理論空燃比の実際値と下側補正係数との積よりも小さいか否かを判定する。空燃比の実際値が理論空燃比の実際値と上側補正係数との積よりも小さい場合、ステップS106が実行される。空燃比の実際値が理論空燃比の実際値と下側補正係数との積よりも大きい又は前記積に等しい場合、空燃比制御が終了し、出力制限値制御に含まれるステップS110が実行される。
【0044】
ステップS105において、制御部33は、燃料制御弁開度の目標値を増加させる。新しい燃料制御弁開度の目標値は、現在の燃料制御弁開度の目標値に増加補正値を加算することによって作成される。増加補正値は、正の値であり、所定の定数、又は空燃比の実際値と理論空燃比の実際値との差の絶対値に比例する変数である。制御部33は、燃料制御弁開度の目標値の増加に応じて、燃料制御弁開度を増加させる。
【0045】
ステップS106において、燃料制御弁制御部33は、燃料制御弁開度の目標値を減少させる。新しい燃料制御弁開度の目標値は、現在の燃料制御弁開度の目標値に減少補正値を減算することによって作成される。減少補正値は、正の値であり、所定の定数、又は空燃比の実際値と理論空燃比の実際値との差の絶対値に比例する変数である。制御部33は、燃料制御弁開度の目標値の減少に応じて、燃料制御弁開度を減少させる。
【0046】
ステップS105又はS106が終了すると、空燃比制御が終了し、再度ステップS101が実行される。
【0047】
空燃比制御は、空燃比の実際値が理論空燃比の実際値の周辺領域内から外れている間、実行される。空燃比の実際値が理論空燃比の実際値に略保たれている状態が実現されると、空燃比制御は終了する。
【0048】
出力制限値制御のステップ群S110−S112を説明する。出力制限値制御は、発電機出力の目標値を発電機出力制限値に設定する。発電機出力制限値は、現在の発熱量において可能な発電機出力の大きさを指しており、正確には、空燃比が理論空燃比に保たれ且つスロットル開度が所定の制限値に保たれているときに得られる出力の大きさである。
【0049】
ステップS110において、出力目標値設定部36は、発電機出力の実際値を認識する。発電機出力の実際値は、出力センサ22によって検出されている。
【0050】
ステップS111は、ステップS110の次に実行される。ステップS111において、設定部36は、スロットル開度の実際値を認識する。
【0051】
ステップS112は、ステップS111の次に実行される。ステップS112において、設定部36は、発電機出力の目標値を発電機出力制限値に設定する。発電機出力制限値は、図3に示される相関関係に基づいて特定される。
【0052】
図3は、空燃比が理論空燃比に保たれている状態における、出力、スロットル開度、及び発電機出力制限値の相関関係を示す図である。図3において、出力の現在値毎に、相関グラフが描かれている。相関グラフC10、C15、C20、C25、C30、C35、及びC40は、それぞれ、出力の現在値10kw、15kw、20kw、25kw、30kw、35kw、及び40kwに対応している。
【0053】
発電機出力制限値は、空燃比が理論空燃比に保たれ且つスロットル開度が所定の制限値に保たれているときに得られる出力の大きさである。所定の制限値としてのスロットル開度制限値は、例えば80%である。このため、発電機出力制限値は、例えば、スロットル開度が80%に保たれているときに得られる出力である。図3中の点xの運転状態において、出力の現在値が15kwであり、スロットル開度の現在値が50%である。点xの座標において、発電機出力制限値は20kwである。このことは、つまり、スロットル開度を50%に保つことによって発電機出力の現在値が15kwである場合、スロットル開度を80%に増大させることによって発電機出力を20kwに増大できることを意味している。ただし、スロットル開度の制限値が80%に設定されているため、可能な発電機出力が20kwに制限されている。このように、発電機出力制限値は、スロットル開度の制限値によって制限を受ける値である。
【0054】
ステップS112において、出力の現在値及びスロットル開度の現在値として、ステップS110及びS111において得られる出力の実際値及びスロットル開度の実際値が用いられている。設定部36は、図3に基づいて出力の実際値及びスロットル開度の実際値に対応する発電機出力制限値を特定し、該発電機出力制限値を発電機出力の目標値に設定する。
【0055】
ステップS112の終了により、出力制限値制御が終了する。出力制限値制御により、出力の目標値は、発熱量に対応する発電機出力制限値に設定される。
【0056】
出力上限値制御のステップ群S121−S122を説明する。出力上限値制御は、発電機出力の目標値が発電機出力上限値を超えないように発電機出力の目標値を設定する。発電機出力上限値は、発電機12の出力限界を指している。
【0057】
ステップS121は、ステップS112の次に実行される。ステップS121において、出力目標値設定部36は、出力制限値制御において設定された発電機出力の目標値が発電機出力上限値よりも大きいか否かを判定する。発電機出力上限値は、出力上限値設定部37によって予め設定されている。発電機出力の目標値が発電機出力上限値よりも大きい場合、ステップS112が実行される。発電機出力の目標値が発電機出力上限値に等しい又は発電機出力上限値よりも小さい場合、出力上限値制御が終了し、再度ステップS101が実行される。
【0058】
ステップS112において、設定部36は、発電機出力の目標値を発電機出力上限値に設定する。ステップS112が終了すると、出力上限値制御が終了し、再度ステップS101が実行される。
【0059】
発電機出力の目標値は、出力制限値制御において発熱量によって定まる上限に設定され、更に出力上限値制御において発電機12の出力限界によって定まる上限以下に設定される。
【0060】
図4、図5を参照して、出力制御による、発電機出力制限値及びスロットル開度の時間的変化を説明する。図4は、図3の相関関係及び運転状態の変化の様子を示す図である。図4において、点a−jは、エンジン1の運転状態を示している。図5は、ガス発熱量(a)、実際の発電出力(b)、発電出力制限値(c)及びスロットル開度(d)の時間的変化を示す図である。図5の横軸は時間軸を示している。時間軸上に、時刻t1−t12が示されている。
【0061】
図5(a)において、実線は、発熱量Hの時間的変化を示している。
【0062】
図5(b)において、実線は、出力制御における発電機出力の実際値PRの時間的変化を示しており、一点鎖線は、従来の一定出力制御における発電機出力の実際値PRpの時間的変化を示している。
【0063】
図5(c)において、実線は、出力制御における発電機出力の目標値PTの時間的変化を示しており、破線は、出力制御における発電機出力制限値PLの時間的変化を示しており、一点鎖線は、従来の一定出力制御における発電機出力の目標値PTpを示している。時刻t2から時刻t5までの間、目標値PT及び発電機出力制限値PLは異なっているが、他の時刻において、目標値PT及び発電機出力制限値PLは一致している。
【0064】
図5(d)において、実線は、出力制御におけるスロットル開度の実際値TRの時間的変化を示しており、一点鎖線は、従来の一定出力制御におけるスロットル開度の実際値TRpの時間的変化を示している。
【0065】
図5において、時刻t0からt1までの間、発熱量Hは一定であり、発電機出力の実際値Pは一定(10kw)であり、スロットル開度の実際値TRはほぼスロットル開度制限値TLに保たれており、発電機出力の目標値PTは一定である。図4の点aは時刻t1の運転状態を示している。
【0066】
図5において、時刻t1からt3までの間、発熱量Hは増大している。これに応じて、時刻t1からt2までの間、発電機出力の目標値PTは増大しており、発電機出力の実際値PRは増大しており、スロットル開度の実際値TRは一時的に低下するが略スロットル開度制限値TLに保たれている。図4の点bは時刻t2の運転状態を示している。点aから点bへの変化は、発熱量の増大に伴う理論空燃比の増大によって発生している。空燃比が理論空燃比に保たれている状態では、理論空燃比の増大により、混合気流量に占める燃料流量の割合が小さくなる。この結果、出力が増大するので、発電機出力制限値PLを特定するために用いられる相関グラフが、相関グラフC10から高出力側の相関グラフに変更される。この結果、点aから点bへの変化が発生する。
【0067】
図5において、時刻t1からt2までの間だけでなく、時刻t2からt3までの間、発熱量Hは増大している。時刻t2からt3までの間、発電機出力制限値PLは増大しているが、発電機出力の目標値PTは、一定の発電機出力上限値PGに保たれている。発電機出力制限値PLが発電機出力上限値PGよりも高い場合、発電機出力の目標値PTは、発電機出力上限値PGに設定される。
【0068】
図4において、時刻t2から時刻t5までの間、発電機出力制限値PLを特定するために用いられる相関グラフは、相関グラフC25よりも高出力側の相関グラフである。ところが、相関グラフC25よりも高出力側の相関グラフは、スロットル開度の制限値TLの周辺において、発電機出力上限値PGを越えてしまう。このため、発電機出力制限値PLが発電機出力上限値PGよりも高い領域では、発電機出力の目標値PTは、発電機出力制限値PLではなく発電機出力上限値PGに設定される。
【0069】
図5において、時刻t3からt4までの間、発熱量Hは一定であり、発電機出力の実際値Pは一定(25kw)であり、スロットル開度の実際値TRはほぼスロットル開度制限値TLに保たれており、発電機出力の目標値PTは発電機出力上限値PGに保たれている。
【0070】
図5において、時刻t4からt6までの間、発熱量Hは減少している。時刻t4から時刻t5までの間、発電機出力制限値PLが発電機出力上限値PGよりも高いので、発電機出力の目標値PTは発電機出力上限値PGに保たれている。この間、理論空燃比の減少による出力の低下を補うように、スロットル開度の実際値TRが増大する。図4の点cは時刻t5の運転状態を示している。
【0071】
図5において、時刻t5から時刻t6までの間、発熱量の減少に伴って発電機出力の目標値PTが減少する。この間、スロットル開度の実際値TRは変化するが略スロットル開度制限値TLに保たれており、発電機出力の実際値PRは減少している。図4の点dは時刻t6の運転状態を示している。点cから点dへの変化は、発熱量の減少に伴う理論空燃比の減少によって発生している。空燃比が理論空燃比に保たれている状態では、理論空燃比の減少により、混合気流量に占める燃料流量の割合が大きくなる。この結果、出力が減少するので、発電機出力制限値PLを特定するために用いられる相関グラフが、相関グラフC25から低出力側の相関グラフに変更される。この結果、点cから点dへの変化が発生する。
【0072】
時刻t6以降における、発熱量H、発電機出力の実際値PR、発電機出力の目標値PT、及びスロットル開度の実際値TRの変化も、時刻t0から時刻t6までの変化と同様である。
【0073】
図5に一点鎖線で示される従来の一定出力制御の場合、発電機出力の目標値PLpが一定値に保たれており、この結果、発電機出力の実際値PRpも一定値になっている。スロットル開度は、発熱量の変化に反比例して変化している。このため、発熱量が低下するにつれて、燃料ガスの利用量が低下する。
【0074】
第1実施形態は、次の作用、効果を有している。図5に示されるように、発熱量Hの変化に応じて発電機出力の目標値PTが変化する。発電機出力の目標値PTは、スロットル開度の実際値TRが所定のスロットル開度制限値TLに保たれるように設定されているので、出力制御不能の発生は避けられている。このため、第1実施形態は、出力制御不能の発生を避けながら、発熱量の変化に応じてできるだけ発電機出力を高めることができる。
【0075】
また、第1実施形態は、理論空燃比及びスロットル開度制限値TLによって特定される発電機出力制限値の他に、発電機出力上限値に基づいて、発電機出力の目標値を制限できる。第1実施形態では、発電機出力上限値は、発電機12の出力限界である。このため、第1実施形態は、必要に応じて発電機出力の上限を変更することによって、出力制御不能の発生を防止できる。
【0076】
(第2実施形態)
図6は、エンジン1、エンジン制御システム100、及び燃料源200を示す概略図である。第2実施形態は、出力制限値制御の構成において、第1実施形態と異なっている。第1実施形態では、出力、スロットル開度、及び発電機出力制限値の相関関係に基づいて、発電機出力制限値が特定されている。一方、第2実施形態では、スロットル開度がスロットル開度制限値に保たれるように発電機出力の目標値を変更又は維持することによって、発電機出力制限値が特定されている。以下では、第2実施形態と第1実施形態との間の相違点を説明する。
【0077】
図6において、第2実施形態に係るエンジン制御システム100は、相関関係記憶部35の代わりに、スロットル開度制限値記憶部135を備えている。スロットル開度制限値記憶部135は、スロットル開度制限値を記憶している。また、出力目標値設定部36は、スロットル開度の実際値と、スロットル開度制限値とに基づいて、出力の目標値を設定する。
【0078】
図7を参照して、制御装置30によって実行される出力制御のフローを説明する。図7は、出力制御のフローを示す図である。出力制御は、目標値追従制御、空燃比制御、出力制限値制御、及び出力上限値制御からなっている。上述したように、出力制限値制御のみ、第1実施形態と第2実施形態との間で異なっている。出力制限値制御はステップ群S111、S212−S215からなっている。
【0079】
出力制限値制御のステップ群S111、S212−S215を説明する。出力制限値制御は、発電機出力の目標値を発電機出力制限値に設定する。
【0080】
ステップS111は、空燃比制御に含まれるステップS104の次に実行される。ステップS111において、出力目標値設定部36は、スロットル開度の実際値を認識する。ステップS111は、第1実施形態及び第2実施形態において同一である。
【0081】
ステップS212、S213は、ステップS111の次に実行される。ステップS212、S213において、設定部36は、スロットル開度の実際値がスロットル開度制限値の周辺領域内にあるか否かを判定する。周辺領域は、スロットル開度制限値を含む帯状領域を指している。スロットル開度制限値の周辺領域の上限値は、スロットル開度制限値に上側補正係数を乗じた値である。スロットル開度制限値の周辺領域の下限値は、スロットル開度制限値に下側補正係数を乗じた値である。上側補正係数は、1より若干大きな値、例えば1.02である。下側補正係数は、1より若干小さな値、例えば0.95である。
【0082】
ステップS212において、設定部36は、スロットル開度の実際値がスロットル開度制限値と上側補正係数との積よりも大きいか否かを判定する。スロットル開度の実際値がスロットル開度制限値と上側補正係数との積よりも大きい場合、ステップS214が実行される。スロットル開度の実際値がスロットル開度制限値と上側補正係数との積よりも小さい又は前記積に等しい場合、ステップS213が実行される。
【0083】
ステップS213において、設定部36は、スロットル開度の実際値がスロットル開度制限値と上側補正係数との積よりも小さいか否かを判定する。スロットル開度の実際値がスロットル開度制限値と上側補正係数との積よりも小さい場合、ステップS215が実行される。スロットル開度の実際値がスロットル開度制限値と上側補正係数との積よりも大きい又は前記積に等しい場合、出力制限値制御が終了し、ステップS121が実行される。
【0084】
ステップS214において、設定部36は、発電機出力の目標値を減少させる。新しい発電機出力の目標値は、現在の発電機出力の目標値に減少補正値を減算することによって作成される。減少補正値は、正の値であり、所定の定数、又はスロットル開度の実際値とスロットル開度制限値との差の絶対値に比例する変数である。目標値追従制御において、設定部36による発電機出力の目標値の減少に応じて、スロットル制御部34はスロットル開度を減少させる。この結果、発電機出力の実際値が減少する。
【0085】
ステップS215において、設定部36は、発電機出力の目標値を増加させる。新しい発電機出力の目標値は、現在の発電機出力の目標値に増加補正値を加算することによって作成される。増加補正値は、正の値であり、所定の定数、又はスロットル開度の実際値とスロットル開度制限値との差の絶対値に比例する変数である。目標値追従制御において、設定部36による発電機出力の目標値の増加に応じて、スロットル制御部34はスロットル開度を増加させる。この結果、発電機出力の実際値が増大する。
【0086】
ステップS214又はS215が終了すると、出力制限値制御が終了し、再度ステップS111が実行される。
【0087】
ステップ群S111、S212−S215は、スロットル開度の実際値がスロットル開度制限値の周辺領域内から外れている限り、繰り返し実行される。発電機出力制限値は、スロットル開度の実際値がスロットル開度制限値の周辺領域内にあるときの発電機出力である。つまり、出力制限値制御は、発電機出力の実際値が発電機出力制限値に一致するまで実行される。
【0088】
(第3実施形態)
第3実施形態は、出力制限値制御の構成において、第2実施形態と異なっている。第2実施形態では、出力の目標値を出力制限値に設定するための制御量として、スロットル開度が用いられている。一方、第3実施形態では、出力の目標値を出力制限値に設定するための制御量として、給気圧力が用いられている。以下では、第3実施形態と第2実施形態との間の相違点を説明する。
【0089】
図8を参照して、制御装置30によって実行される出力制御のフローを説明する。図8は、出力制御のフローを示す図である。出力制御は、目標値追従制御、空燃比制御、出力制限値制御、及び出力上限値制御からなっている。上述したように、出力制限値制御のみ、第1実施形態と第2実施形態との間で異なっている。出力制限値制御はステップ群S311−S313、S214−S215からなっている。
【0090】
ステップ群S311−S313において、ステップ群S111、S212−S213におけるスロットル開度及びスロットル開度制限値は、給気圧力及び給気圧力制限値に置換されている。ステップS312、S313における給気圧力制限値に係る上側補正係数及び下側補正係数も、ステップS212、S213におけるスロットル開度制限値に係る上側補正係数及び下側補正係数と同様に設定されている。
【0091】
(第4実施形態)
図9は、エンジン1、エンジン制御システム100、及び燃料源200を示す概略図である。第4実施形態は、出力制御の構成において、第2実施形態と異なっている。第4実施形態における出力制御は、第2実施形態における出力制御に加えて、燃料流量制限制御を更に含んでいる。以下では、第4実施形態と第2実施形態との間の相違点を説明する。
【0092】
図9において、第4実施形態に係るエンジン制御システム100は、第2実施形態の構成に加えて、燃料流量算出部38及び燃料流量制限値設定部39を更に備えている。算出部38は、燃料制御弁開度の実際値及び混合気流量の実際値に基づいて、燃料流量の実際値を算出する。設定部39は、例えばユーザーの操作により、出力の目標値の上限値を設定する。また、第4実施形態では、出力目標値設定部36は、燃料流量の実際値に基づいて、発電機出力の目標値を変更又は維持する。
【0093】
図10を参照して、制御装置30によって実行される出力制御のフローを説明する。図10は、出力制御のフローを示す図である。第4実施形態における出力制御は、目標値追従制御、空燃比制御、出力制限値制御、出力上限値制御、及び燃料流量制限制御からなっている。燃料流量制限制御はステップ群S431−S433からなっている。
【0094】
燃料流量制限制御のステップ群S431−S433を説明する。燃料流量制限制御は、燃料流量の実際値が燃料流量制限値よりも高い場合に、出力の目標値を減少させることによって、燃料流量の実際値を燃料流量制限値に一致させる。
【0095】
ステップS431は、出力制限値制御に含まれるステップS213の次に実行される。ステップS431において、燃料流量算出部38は、燃料制御弁開度の実際値及び混合気流量の実際値に基づいて、燃料流量の実際値を算出する。燃料制御弁開度は空燃比を決定するので、燃料制御弁開度及び混合気流量に基づいて燃料流量が特定される。燃料制御弁開度の実際値は、燃料制御弁開度センサ26によって検出されている。混合気流量の実際値は、混合気流量算出部31において算出されている。
【0096】
ステップS432は、ステップS431の次に実行される。ステップS432において、出力目標値設定部36は、燃料流量の実際値が燃料流量制限値よりも高いか否かを判定する。燃料流量制限値は、燃料流量制限値設定部39によって予め設定されている。燃料流量の実際値が燃料流量制限値よりも高い場合、ステップS433が実行される。燃料流量の実際値が燃料流量制限値に等しい又は燃料流量制限値よりも低い場合、燃料流量制限制御は終了し、出力上限値制御に含まれるステップS121が実行される。
【0097】
ステップS433において、設定部36は、発電機出力の目標値を減少させる。新しい発電機出力の目標値は、現在の発電機出力の目標値に減少補正値を減算することによって作成される。減少補正値は、正の値であり、所定の定数、又は燃料流量の実際値と燃料流量制限値との差の絶対値に比例する変数である。目標値追従制御において、設定部36による発電機出力の目標値の減少に応じて、スロットル制御部34はスロットル開度を減少させる。この結果、発電機出力の実際値が減少する。
【0098】
ステップS433が終了すると、再度ステップS431が実行される。
【0099】
ステップ群S431−S433は、燃料流量の実際値が燃料流量制限値よりも高い限り、繰り返し実行される。
【0100】
第4実施形態は、次の作用、効果を有している。発電機出力制限値の他に、燃料流量制限値に基づいて、発電機出力の目標値を制限できる。このため、第4実施形態は、エンジンが利用できる燃料流量の大きさに制限がある場合に、燃料流量の大きさに応じて発電機出力の目標値を制限することによって、出力制御不能の発生を防止できる。
【0101】
(第5実施形態)
第5実施形態は、出力制限値制御の構成において、第4実施形態と異なっている。第4実施形態では、出力の目標値を出力制限値に設定するための制御量として、スロットル開度が用いられている。一方、第5実施形態では、出力の目標値を出力制限値に設定するための制御量として、給気圧力が用いられている。つまり、第4実施形態から第5実施形態への変更箇所は、第2実施形態から第3実施形態への変更箇所に等しい。以下では、第5実施形態と第4実施形態との間の相違点を説明する。
【0102】
図11は、出力制御のフローを示す図である。図11(第5実施形態)のフローにおいて、図10(第4実施形態)の出力制限値制御に含まれるステップ群S111、S212−S213は、図8(第3実施形態)の出力制限値制御に含まれるステップ群S311−S313に置換されている。
【0103】
(第6実施形態)
図12は、エンジン1、エンジン制御システム100、及び燃料源200を示す概略図である。第6実施形態は、燃料流量制限制御の構成において、第4実施形態と異なっている。第6実施形態では、燃料流量制限制御において燃料流量を特定する制御量として、燃料制御弁9の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧、及び混合気流量が用いられている。一方、第4実施形態では、燃料流量を特定する制御量として、燃料制御弁開度及び混合気流量が用いられている。以下では、第6実施形態と第4実施形態との間の相違点を説明する。
【0104】
図12において、第6実施形態に係るエンジン制御システム100は、第4実施形態の構成に加えて、上流側圧力センサ27、下流側圧力センサ28、及び差圧算出部41を更に備えている。燃料配管10の経路上において、上流側圧力センサ27は燃料制御弁9の上流側に配置されており、下流側圧力センサ28は燃料制御弁9の下流側に配置されている。差圧算出部41は、上流側圧力センサ27によって得られる上流側圧力と、下流側圧力センサ28によって得られる下流側圧力とに基づいて、燃料制御弁9の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧を検出する。また、第6実施形態では、燃料流量算出部38は、燃料圧力の差圧の実際値及び混合気流量の実際値に基づいて、燃料流量の実際値を算出する。
【0105】
図13は、出力制御のフローを示す図である。図13(第6実施形態)のフローにおいて、図10(第4実施形態)の燃料流量制限制御に含まれるステップS431は、ステップS631に置換されている。ステップS631において、ステップS431における燃料制御弁開度の実際値が、燃料制御弁9の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧の実際値に置換されている。
【0106】
(第7実施形態)
図14は、エンジン1、エンジン制御システム100、及び燃料源200を示す概略図である。第7実施形態は、燃料流量制限制御の構成において、第6実施形態と異なっている。第7実施形態では、燃料流量制限制御において燃料流量を特定する制御量として、ガス圧力調整器13の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧、及び混合気流量が用いられている。一方、第6実施形態では、燃料流量を特定する制御量として、燃料制御弁9の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧、及び混合気流量が用いられている。以下では、第7実施形態と第6実施形態との間の相違点を説明する。
【0107】
図14において、第7実施形態に係るエンジン制御システム100は、第4実施形態における上流側圧力センサ27及び下流側圧力センサ28に代えて、上流側圧力センサ47及び下流側圧力センサ48を備えている。燃料配管10の経路上において、上流側圧力センサ47はガス圧力調整器13の上流側に配置されており、下流側圧力センサ48はガス圧力調整器13の下流側に配置されている。また、第7実施形態では、差圧算出部41は、上流側圧力センサ47によって得られる上流側圧力と、下流側圧力センサ48によって得られる下流側圧力とに基づいて、ガス圧力調整器13の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧を検出する。
【0108】
図15は、出力制御のフローを示す図である。図15(第7実施形態)のフローにおいて、図13(第6実施形態)の燃料流量制限制御に含まれるステップS631は、ステップS731に置換されている。ステップS731において、ステップS631における燃料制御弁9の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧の実際値が、ガス圧力調整器13の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧の実際値に置換されている。
【0109】
(第8実施形態)
図16は、エンジン1、エンジン制御システム100、及び燃料源200を示す概略図である。第8実施形態は、ミキサ8の代わりにインジェクター14を備えている。このため、第8実施形態では、ミキサに係る構成が、インジェクターに係る構成に置換されている。また、出力制御も、インジェクターに対応して部分的に変更されている。以下では、第8実施形態と第4実施形態との間の相違点を説明する。
【0110】
図16において、第8実施形態におけるエンジン1は、第4実施形態におけるベンチュリ式ミキサ8及び燃料制御弁9の代わりに、インジェクター14を備えている。インジェクター14は、給気管5内においてスロットル弁7の下流側に配置されている。インジェクター14は、給気管5内に燃料を噴射する。また、第8実施形態における制御装置30は、混合気流量算出部31、空燃比/理論空燃比算出部32、燃料制御弁制御部33、及び燃料流量算出部38の代わりに、空気流量算出部131、理論空燃比算出部132、インジェクター制御部133、及び空燃比設定部140を備えている。空気流量算出部131は、空気流量の実際値を算出する。理論空燃比算出部132は、理論空燃比を算出する。インジェクター制御部133は、インジェクター14の燃料噴射量を制御する。空燃比設定部140は、空燃比の目標値を理論空燃比の実際値に設定する。
【0111】
図17は、出力制御のフローを示す図である。第8実施形態における出力制御は、第4実施形態と同様に、目標値追従制御、空燃比制御、出力制限値制御、出力上限値制御、及び燃料流量制限制御からなっている。ただし、第8実施形態では、目標値追従制御、空燃比制御、及び燃料流量制限制御の構成は、第4実施形態とは異なっている。
【0112】
目標値追従制御は、発電機出力の実際値が発電機出力の目標値に一致するように、インジェクター14の燃料噴射量及びスロットル開度を制御する。スロットル制御部34は、出力目標値設定部36によって設定された発電機出力の目標値に発電機出力の実際値が一致するように、スロットル弁7を制御する。また、インジェクター制御部133は、空燃比設定部140によって設定された空燃比を保つように、スロットル開度の変更による空気流量の変化に応じて、インジェクター14の燃料噴射量を制御する。目標値追従制御は、空燃比制御、出力上限値制御、及び出力制限値制御と並行して実行されている。このため、出力上限値制御及び出力制限値制御において発電機出力の目標値が変更される度に、変更後の発電機出力の目標値に基づいて目標値追従制御が実行される。
【0113】
空燃比制御のステップ群S801、S802を説明する。
【0114】
ステップS801において、理論空燃比算出部132は、酸素濃度の実際値、空気流量の実際値、及び燃料噴射量の目標値に基づいて、理論空燃比の実際値を算出する。燃料噴射量は、燃料流量に等しい。上述したように、理論空燃比は、酸素濃度、空気流量、及び燃料流量に基づいて、特定される。また、空気流量の実際値は、給気圧力センサ23によって検出される給気圧力の実際値及び給気温度センサ24によって検出される給気温度の実際値に基づいて、空気流量算出部131によって算出されている。
【0115】
ステップS802は、ステップS801の次に実行される。ステップS802において、空燃比設定部140は、空燃比の目標値を、理論空燃比算出部32において算出された理論空燃比に設定する。ステップS802の終了により、空燃比制御が終了する。
【0116】
第8実施形態の燃料流量制限制御において、図10(第4実施形態)の燃料流量制限制御に含まれるステップS431、S432は、ステップS831、S832に置換されている。ステップS831は、インジェクター制御部133においてインジェクター14を制御する際に実行されている。すなわち、ステップS831において、インジェクター制御部133は、空燃比の目標値及び混合気流量の実際値に基づいて、燃料噴射量の目標値を算出する。ステップS832において、出力目標値設定部36は、燃料噴射量の目標値が燃料流量制限値よりも高いか否かを判定する。なお、第8実施形態における燃料噴射量は燃料流量に等しい。
【0117】
((変形例))
本実施形態は、以下の変形構成を適用できる。
【0118】
(出力)
第1実施形態において制御を受ける対象は、エンジン1によって駆動される発電機12の発電機出力である。制御を受ける対象は、発電機出力ではなく、エンジン1の出力自体であっても良い。以下、発電機出力とエンジン1の出力とを区別しない。
【0119】
(燃料流量の実際値及び空気流量の実際値を検出する工程)
第1実施形態は、混合気流量の実際値及び燃料制御弁開度の実際値を検出している。混合気流量の実際値及び燃料制御弁開度の実際値を検出する工程は、燃料流量の実際値及び空気流量の実際値を検出する工程の一例である。第1実施形態に適用可能な、燃料流量の実際値及び空気流量の実際値を検出する工程は、混合気流量の実際値及び燃料制御弁開度の実際値を検出する工程に限定されない。混合気流量に代えて、スロットル開度を用いることができる。燃料制御弁開度に代えて、燃料制御弁9の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧、ガス圧力調整器13の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧、又はインジェクターの燃料噴射量を用いることができる。
【0120】
(理論空燃比の実際値を検出する工程)
第1実施形態は、混合気流量の実際値及び燃料制御弁開度の実際値を検出することによって、燃料流量の実際値及び空気流量の実際値を検出している。燃料流量の実際値及び空気流量の実際値を検出する工程は、上述したように、混合気流量の実際値及び燃料制御弁開度の実際値を検出することに限定されない。
【0121】
(第1制御量)
第1実施形態は、空燃比の実際値が理論空燃比の実際値に一致するように、燃料噴射弁開度を制御している。燃料制御弁開度を制御する工程は、空燃比を決定する第1制御量を制御する工程の一例である。第1実施形態に適用可能な第1制御量は、燃料制御弁開度に限定されない。第1制御量として、燃料制御弁開度に代えて、燃料制御弁9の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧、ガス圧力調整器13の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧、インジェクターの燃料噴射量及びスロットル開度、又はインジェクターの燃料噴射量及び給気圧力、インジェクターの燃料噴射量及び給気圧力及び給気温度を用いることができる。
【0122】
(第2制御量)
第1実施形態は、出力の実際値が出力の目標値に一致するように、スロットル開度を制御している。スロットル開度を制御する工程は、空気流量又は混合気流量を決定する第2制御量を制御する工程の一例である。第1実施形態に適用可能な第2制御量は、スロットル開度に限定されない。第2制御量として、スロットル開度に代えて、給気圧力、又は給気圧力及び給気温度を用いることができる。
【0123】
(出力制限値)
第1実施形態では、出力制限値は、出力、第2制御量、及び出力制限値の相関関係(図3)に基づいて特定されている。一方、他の実施形態では、相関関係を用いることなく、第2制御量の実際値と第2制限値とを比較する判定処理に基づいて、出力制限値を特定している。第2実施形態において、第2制御量はスロットル開度であり、第2制限値はスロットル開度制限値である。他の実施形態も、相関関係を用いて出力制限値を特定する構成を採用できる。
【0124】
(ミキサ及びインジェクター)
第1−7実施形態はミキサ8を利用するエンジン1であり、第8実施形態はインジェクター14を利用するエンジン1である。第1−7実施形態に適用される出力制御は、制御量の置換によって対応できる限り、インジェクター14を利用する第8実施形態に適用できる。
【符号の説明】
【0125】
1 エンジン
7 スロットル弁
8 ベンチュリ式ミキサ
9 燃料制御弁
30 制御装置
31 混合気流量算出部
32 空燃比/理論空燃比算出部
33 燃料制御弁制御部
34 スロットル制御部
35 相関関係記憶部
36 出力目標値設定部
37 出力上限値設定部
100 エンジンシステム
200 燃料源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料の単位体積当たりの発熱量が変化する場合にエンジンを制御するエンジン制御方法であって、
排気ガス中の酸素濃度の実際値を検出する工程と、
燃料流量の実際値及び空気流量の実際値を検出する工程と、
酸素濃度の実際値、燃料流量の実際値、及び空気流量の実際値に基づいて、発熱量に応じて変化する理論空燃比の実際値を検出する工程と、
空燃比の実際値が理論空燃比の実際値に一致するように、空燃比を決定する第1制御量を制御する工程と、
エンジンの出力の目標値を出力制限値に設定する工程と、
出力の実際値を検出する工程と、
出力の実際値が出力の目標値に一致するように、空気流量又は混合気流量を決定する第2制御量を制御する工程と、を備えており、
出力制限値は、空燃比が理論空燃比に保たれ且つ第2制御量が所定の第2制限値に保たれているときに得られる出力の大きさである、ことを特徴とするエンジン制御方法。
【請求項2】
出力の目標値を設定する工程において、出力、第2制御量、及び出力制限値の相関関係に基づいて、出力の実際値及び第2制御量の実際値に対応する出力制限値が特定され、該出力制限値が出力の目標値に設定される、
請求項1に記載のエンジン制御方法。
【請求項3】
出力の目標値を設定する工程において、第2制御量の実際値が第2制限値に保たれるように出力の目標値を変更又は維持することによって、出力の目標値が出力制限値に設定される、
請求項1に記載のエンジン制御方法。
【請求項4】
出力上限値を設定する工程と、
出力の目標値が出力上限値よりも高い場合に、出力の目標値を出力上限値に一致させる工程とを、更に備えている、
請求項1から3のいずれか1つに記載のエンジン制御方法。
【請求項5】
燃料流量制限値を設定する工程と、
燃料流量の実際値が燃料流量制限値よりも高い場合に、出力の目標値を減少させることによって、燃料流量の実際値を燃料流量制限値に一致させる工程とを、更に備えている、
請求項1から4のいずれか1つに記載のエンジン制御方法。
【請求項6】
第1制御量は、ミキサに供給される燃料の流量を制御する燃料制御弁の開度である、
請求項1から5のいずれか1つに記載のエンジン制御方法。
【請求項7】
第2制御量は、スロットル弁の開度である、
請求項1から5のいずれか1つに記載のエンジン制御方法。
【請求項8】
第2制御量は、給気圧力である、
請求項1から5のいずれか1つに記載のエンジン制御方法。
【請求項9】
燃料流量を特定する制御量は、ミキサに供給される燃料の流量を制御する燃料制御弁の開度と、スロットル開度、給気圧力及び給気温度、又は給気圧力とである、
請求項5に記載のエンジン制御方法。
【請求項10】
燃料流量を特定する制御量は、ミキサに供給される燃料の流量を制御する燃料制御弁の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧と、スロットル開度、給気圧力及び給気温度、又は給気圧力とである、
請求項5に記載のエンジン制御方法
【請求項11】
燃料流量を特定する制御量は、ミキサに供給される燃料の圧力を制御するガス圧力調整器の上流側と下流側との間における燃料圧力の差圧と、スロットル開度、給気圧力及び給気温度、又は給気圧力とである、
請求項5に記載のエンジン制御方法。
【請求項12】
燃料流量を特定する制御量は、インジェクターによる燃料噴射量である、
請求項5に記載のエンジン制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−87756(P2012−87756A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237560(P2010−237560)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】