説明

カーナビゲーションシステム、交通情報提供装置、カーナビゲーション装置、交通情報提供方法および交通情報提供プログラム

【課題】 気象予報情報を考慮した交通情報の予測をおこない、その予測した交通情報に基づき誘導経路を算出する。
【解決手段】 交通情報提供装置1は、交通情報センタ2から取得した現況の交通情報、気象情報センタ3から取得した気象予報情報および過去の交通統計情報を蓄積した交通情報DB14から得られる交通統計情報に基づき、車両位置および走行日時を起点として、指定されたエリアに含まれる各リンクへの予想到着時刻および気象情報を予測することによって、そのリンクの気象考慮交通予測情報を生成し、生成した気象考慮交通予測情報をカーナビ装置6に送信する。カーナビ装置6は、その気象考慮交通予測情報受信し、その受信した気象考慮交通予測情報に基づき誘導経路を探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象情報を考慮して予測した交通情報を適用したカーナビゲーションシステム、交通情報提供装置、カーナビゲーション装置、交通情報提供方法および交通情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のカーナビゲーション装置においては、単に、目的地までの最短距離の経路を表示し、その最短距離に従って経路誘導を行うだけではなく、例えば、VICSセンター(財団法人道路交通情報通信システムセンター)からFM文字多重放送などで提供される渋滞や旅行時間などの最新の交通情報を受信して、その交通情報を考慮した最短時間の経路を求め、その最短時間の経路に従って経路誘導を行っている。
【0003】
しかしながら、このとき用いられる最新の交通情報は、現在または現在より少し前の交通情報であるので、カーナビゲーション装置が算出した誘導経路が必ずしも最短時間の経路であるとは限らない。例えば、車両が1時間後に通過予定のリンクAが現時点で渋滞していない場合には、そのリンクAが1時間後に渋滞することが予測されていても、現状の誘導経路の算出方法に基づけば、そのリンクAを通過するような誘導経路が算出される。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、車両が通過する時刻を予測し、その予測した時刻における渋滞や旅行時間などの交通情報に基づき、誘導経路を算出する方法が開示されている。この方法によれば、1時間後に通過予定のリンクAが1時間後に渋滞することが予測される場合には、そのリンクを避けるような誘導経路を算出することができる。なお、その交通情報の予測においては、季節、曜日、気象などを考慮するとしている。
【特許文献1】特開2003−151079号公報(段落0019〜段落0052、図1〜図4、図6〜図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている誘導経路の算出方法によれば、交通情報を予測するに当たって、気象条件を考慮するとしているが、その気象条件とは、その時点の天候、つまり、晴、雨、雪といった静的な気象条件を指している。しかしながら、気象つまり天候は、道路の交通状況と同様に時々刻々変化し、時には急激に変化する。そして、天候の変化に伴い、交通の状況も大きく変化する。従って、交通情報の予測をその時点の静的な気象条件で行うと、特に、天候が急変したような場合には、その予測された交通情報についての信頼性が低下することになる。
【0006】
以上の従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、気象予報情報を考慮した交通情報の予測をおこない、その予測した交通情報に基づき、誘導経路を算出するようにしたカーナビゲーションシステム、交通情報提供装置、カーナビゲーション装置、交通情報提供方法および交通情報提供プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明では、交通情報提供装置が、交通情報センタから提供される現況の交通情報、気象情報センタから提供される気象予報情報および過去の交通統計情報を蓄積した交通情報データベースから得られる交通統計情報に基づき、車両位置および走行日時を起点として、指定されたエリアに含まれる各リンクへの予想到着時刻および気象情報を予測することによって、そのリンクの気象考慮交通予測情報を生成し、生成した気象考慮交通予測情報をカーナビゲーション装置に送信する。そして、カーナビゲーション装置が、その気象考慮交通予測情報を受信し、その気象考慮交通予測情報に基づき、誘導経路を探索するようにした。
【0008】
すなわち、以上のようにして生成された気象考慮交通予測情報の場合、例えば、車両が1時間後に通過すると予測され、1時間後に渋滞すると予測されるリンクAの交通情報としては、現在の交通状況、過去の交通統計情報および天気予報情報から予測される1時間後のリンクコスト(リンクの旅行時間など)が、そのときの晴、雨、雪などの気象予報情報に応じて設定される。従って、このような気象考慮交通予測情報を用いて、誘導経路を探索すると、交通情報および気象予報情報の変化を考慮した誘導経路が探索される。つまり、気象予報情報を考慮した上で1時間後に渋滞すると予測されるリンクAが誘導経路に含まれることはなくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、気象予報情報を利用することによって、リンクコストの予測精度が向上するので、目的地到着時刻などについて予測と実走行との誤差を小さくすることができ、また、目的地までの走行距離や走行時間をより最小化することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0011】
<全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る交通情報提供装置およびカーナビゲーション装置(以下、カーナビ装置と略す)が適用されたカーナビゲーションシステムの全体構成を示した図である。図1において、本実施形態に係る交通情報提供装置1は、インターネットなどの通信ネットワーク4を介して、現況の交通情報を配信する交通情報センタ2と、気象予報情報を配信する気象情報センタ3とに接続されるとともに、通信ネットワーク4および携帯電話などの基地局5を介して、無線通信手段により車両10に搭載されているカーナビ装置6に接続されている。
【0012】
交通情報提供装置1は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、メモリ装置、ハードディスク装置などを含んで構成されたいわゆるコンピュータ(情報処理装置)によって構成される。そして、その交通情報提供装置1は、機能的には、図1に示すように、通信インタフェース部11、交通情報取得部12、気象情報取得部13、交通情報DB(Data Base)14、交通情報予測部15、交通予測情報要求受付部16、交通予測情報提供部17などの機能ブロックを含んで構成される。なお、これらの機能ブロックは、前記CPUが半導体メモリやハードディスク装置に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。
【0013】
図1において、交通情報取得部12は、通信インタフェース部11を介して交通情報センタ2から現況の実績交通情報を取得し、メモリ装置などに記憶する。また、気象情報取得部13は、通信インタフェース部11を介して気象情報センタ3から気象予報情報を取得し、メモリ装置などに記憶する。また、交通情報DB14は、過去の交通情報の実績データを統計処理した交通統計情報を蓄積しているデータベースである。
【0014】
なお、ここでは、交通情報DB14は、交通情報提供装置1に含まれる構成としているが、交通情報DB14は、交通情報センタ2に含まれる構成であってもよく、また、通信ネットワーク4などを介して交通情報提供装置1に接続された独立のデータベースサーバ装置などに含まれる構成であってもよい。
【0015】
交通予測情報要求受付部16は、カーナビ装置6から送信される交通予測情報を要求する情報(以下、交通予測情報要求という)を受信して、交通情報予測部15を起動する。このとき、交通予測情報要求は、予測の起点となる車両位置、走行日時、予測の対象となる指定エリアなどの情報を含んでいる。
【0016】
交通情報予測部15は、交通予測情報要求受付部16によって起動され、交通情報取得部12および気象情報取得部13がそれぞれ取得した現況の交通情報および気象予報情報、さらには、交通情報DB14から読み出した過去の交通情報の統計情報に基づき交通情報を予測し、気象考慮交通予測情報を生成する。そして、交通予測情報提供部17は、交通情報予測部15が生成した気象考慮交通予測情報をカーナビ装置6へ提供する。
【0017】
なお、交通情報DB14に含まれる情報は、必ずしもすべてが過去の交通情報の統計情報である必要はなく、その一部また全部がテストカーなどによって得られた交通情報であってもよく、特に新規開通の道路などについては、シミュレーションなどによって得られた交通情報であってもよい。また、交通情報DB14には、交通規制、工事、事故や災害の有無、駐車場や施設の空満情報、料金所やサービスエリアの状況(運用/閉鎖)などの情報が含まれてもよい。
【0018】
カーナビ装置6は、図1に示すように、本体部61に表示部62、携帯電話機63、GPS(Global Positioning System)受信機64などが接続されて構成される。ここで、本体部61は、メモリ装置、ハードディスク装置などを含んで構成された小型のコンピュータによって構成される。なお、ハードディスク装置に代えて、または、加えてDVD(Digital Versatile Disk)や可搬のメモリカードなどを用いてもよい。本体部61は、携帯電話機63によって携帯電話の基地局5と通信し、さらに、通信ネットワーク4を介して、交通情報提供装置1に接続されている。
【0019】
カーナビ装置6は、交通情報提供装置1に交通予測情報要求を送信することによって、交通情報提供装置1から気象考慮予測交通情報の提供を受けることができる。そして、カーナビ装置6は、その気象考慮予測交通情報などに基づき、車両10の運転者が入力した目的地までの誘導経路を算出し、その誘導経路に従った経路誘導指示情報を、表示部62へ出力する。なお、経路誘導指示情報は、スピーカなどを用いて音声として出力してもよい。
【0020】
<交通情報提供装置の機能>
次に、図2〜図9を用いて交通情報提供装置1の主たる機能である交通情報の予測およびその予測に係り使用される情報の構成について詳しく説明する。
【0021】
交通情報DB14は、交通情報を予測する基礎データとして各リンクの交通情報について過去の実績データを統計処理した交通統計情報を蓄積している。図2は、交通情報DB14に蓄積されているリンクの交通統計情報の例を示した図である。すなわち、図2に示すように、交通情報DB14には、リンクの旅行時間や渋滞長などの交通情報が、例えば、天候が晴、雨、雪の場合に分けて、5分間隔ごとに統計処理されて蓄積されている。
【0022】
なお、図2の例では、統計処理する時間の間隔は、5分間隔としているが、5分間隔でなく、適宜、変えてもよい。また、天候の統計単位としては、天候が晴、雨、雪の場合に加えて、降水量や積雪量、気温、風速などの値を組み合わせてもよい。さらに、平日や土日・祝祭日、季節、イベント実施日などの日種に分けた統計データとしてもよい。また、交通情報の収集においては、交通情報センタ2から供給される情報のほかに、自車が走行した旅行時間や速度情報を利用してもよい。
【0023】
図3は、現在の交通情報の実績データと過去の統計データとに基づき、旅行時間を予測する方法を説明するための図である。図3において、折れ線30は、交通情報DB14に蓄積されている旅行時間の統計データ、折れ線31は、予測当日の現在時刻tまでの交通情報センタ2から供給された旅行時間の実績データ、折れ線32(点線)は、現在時刻t以降の旅行時間の予測データを表している。すなわち、旅行時間は、現在時刻tにおいてTd'(t)であるものが、単位時間経過後の時刻(t+1)には、Td'(t+1)になることを表している。
【0024】
このとき、時刻(t+1)における旅行時間Td'(t+1)と統計データの旅行時間Td(t+1)との比が、現在時刻tにおける現況の旅行時間Td'(t)と統計データの旅行時間Td(t)との比とほぼ同じであると仮定すると、時刻(t+1)における旅行時間Td'(t+1)は、(式1)により予測することができる。
Td'(t+1)=Td(t+1)×γ×Td'(t)/Td(t) (式1)
【0025】
ここで、γは係数であり、通常、γ=1とする。ただし、現在時刻tにおける現況の旅行時間Td'(t)と統計データの旅行時間Td(t)との比Td'(t)/Td(t)が通常の値よりも異常に大きい場合、または、異常に小さい場合などには、適宜、γを1よりも小さくしたり、または、1よりも大きくしたりしてもよい。
【0026】
また、時刻(t+1)における旅行時間Td'(t+1)と統計データの旅行時間Td(t+1)と差(時間変化量)が、現在時刻tにおける現況の旅行時間Td'(t)と統計データの旅行時間Td(t)との差(時間変化量)とほぼ同じであると仮定すると、時刻(t+1)における旅行時間Td'(t+1)は、(式2)により予測することもできる。
Td'(t+1)=Td(t+1)×δ×(Td'(t)−Td(t)) (式2)
【0027】
ここで、δは係数であり、通常、δ=1とする。ただし、時刻(t+1)における旅行時間Td'(t+1)と統計データの旅行時間Td(t+1)と差が、異常に大きい場合には、適宜、δを1よりも小さくしてもよい。
【0028】
以上、本例では時刻(t+1)における旅行時間を予測する方法を説明したが、予測した旅行時間をもとにさらに単位時間ごとに先の旅行時間を予測すれば、時刻(t+2)、時刻(t+3)、…、時刻(t+n)における旅行時間を予測することができる。なお、ここでいう単位時間とは、過去の実績データを統計処理するときの時間間隔であり、例えば、図2の場合は5分である。
【0029】
また、以上の(式1)または(式2)用いた旅行時間の予測において、Td(t)、Td(t+1)、…、Td(t+n)の値は、図2に示した交通情報DB14を参照して求める。このとき、交通情報DB14を参照するときに使用する気象情報は、気象情報センタ3から取得した気象予報情報において、時刻t、時刻(t+1)、…、時刻(t+n)のそれぞれの時刻における気象情報である。従って、旅行時間Td(t)、Td(t+1)…、Td(t+n)の値は、気象予報の変化に応じて、その気象に応じた値となる。よって、本実施形態においては、気象予報情報を考慮した交通情報の予測が可能となる。
【0030】
次に、交通情報の予測の方法について、図4〜図8を用いて、さらに、具体的に説明する。ここで、図4は、予測した旅行時間の利用方法を説明するための道路ネットワークの例を示した図である。図4において、符号A〜Eは交差点、符号40〜43は道路のリンクを表す。また、図5は、リンク40〜43の予測時刻における予測旅行時間の例を示した図、図6は、リンク40〜43の予測時刻における予測平均速度の例を示した図である。この図5および図6では、気象条件を考慮した予測旅行時間として、各予測時刻において、晴、雨、雪の天候ごとに予測旅行時間を作成している。なお、図6の予測平均速度は、予測旅行時間とリンク長とから求めることができる。
【0031】
図7は、交差点AからEまで旅行する際の予測旅行時間を、図5および図6に示した予測旅行時間および予測旅行速度を用いて算出した例を示した図である。仮に、予測当日が晴の日だったとする。時刻10:00:00に交差点Aを出発した場合、リンク40を通過するのに72秒(平均速度は30km/h)を要すると予想される。このリンク41に到達する時刻10:01:12では、まだ、10:05になっていないので、次のリンク41における旅行速度は、10:00の25km/hを用いる。このためリンク41を通過するのに要する予測旅行時間は144秒であり、交差点Aからの通算の予測旅行時間は216秒となる。
【0032】
同様にして、リンク43を通過するのに要する旅行時間は、173秒(通算471秒)となるため、途中で10:05の速度に切り替える必要がある。すなわち、リンク43に進入して最初の2秒間は10:00の速度(25km/h)を用いるので、その間の走行距離はおよそ14m、その後残りの距離1186mに対しては10:05の速度(15km/h)を用いるため、およそ285秒要することが予想される。結局、リンク43を通過するのに要する旅行時間は、287秒(通算585秒)と予想される。
【0033】
以上により、10:00:00に交差点Aを出発した車両が交差点Eに到着する予想時刻は、10:09:45となる。その走行状況は、図7の折れ線71のグラフとして表すことができる。同様にして、予測当日が雨の場合の走行状況は、図7の折れ線72のグラフとして表すことができ、交差点Eまでの予想所要時間は806秒、到着予想時刻は10:13:26となる。
【0034】
図8は、気象予報センタから取得される気象予報情報の構成の例を示した図である。図8に示すように、気象予報情報は、「エリア1の天候は、200X年1月30日の00:00から6:00までは曇、6:00から12:00までは晴」というように、エリアごとに、かつ、予測日時ごとにその天候の情報が記憶される形式となっている。
【0035】
ここで、エリアとは、気象予報情報が提供される単位となる地域のことで、都道府県や市町村区といった行政界で分割した地域、または、緯度経度で区切られたメッシュ単位の地域をいう。ただし、カーナビ装置6に交通情報を提供することを目的とする場合には、エリアをメッシュ単位で扱う方が便利であり、そのため、気象情報が行政ごとに提供される場合には、行政界ごとの気象情報をメッシュ単位の気象情報に変換する処理を行う。単純な変換方法としては、行政界とメッシュ領域との位置関係からその行政界の気象情報を対応するメッシュの気象情報とすることができる。あるいは、気象観測所の場所とメッシュ領域との位置関係から観測所がある地域の気象情報を観測所があるメッシュの気象情報としてもよい。
【0036】
なお、図8の例では、気象情報は、一日を6時間で区切った時間帯ごとに提供されているが、その時間帯の時間幅は、適宜、変更しても構わない。また、自車周辺は短時間予報(時系列予報)を利用し、自車から所定距離以上離れたエリアは、短期予報(明後日予報)を用いることにより、近未来に走行予定(自車周辺)の交通予測情報の的中率を高めることができる。さらには、自車周辺は現在気象、自車から所定距離以上離れたエリアは気象予報を用いてもよい。このように、自車からの距離に応じて交通予測情報の更新頻度を変えることにより、自車周辺の更新頻度を多くして予測の的中率を高めることも可能である。また、予報情報としては、単に、晴、曇、雨の天候の情報だけでなく、降水量や気温などの情報を含むものであってもよい。
【0037】
また、交通情報を予測する方法は、以上のように統計情報を利用する方法のほかに、道路上の交通流を流体としてとらえて渋滞区間の推定を行う方法など様々な方法があるが、いずれの方法においても、本実施形態の説明同様、気象情報別に推定パラメータを設けることによって、気象情報別に交通情報を予測することが可能である。
【0038】
図9は、交通情報提供装置がカーナビ装置に提供する交通予測情報の構成の例を示した図である。交通予測情報は、エリアごとに予測時刻、そのエリアのその予測時刻の予想気象情報(天候など)を含んで構成され、さらに、そのエリアに含まれる各リンクについて、予測旅行時間、予測渋滞長、予測旅行速度などの情報を含んで構成される。さらに詳細な交通情報として、リンク内の渋滞発生場所などを含んでもよい。
【0039】
<カーナビ装置の機能>
図10は、カーナビ装置(本体部)の機能ブロック図を示した図である。図10に示すように、カーナビ装置6の本体部61は、通信インタフェース部601、交通予測情報取得部602、入力指示部603、交通予測情報DB604、交通統計情報DB605、誘導経路探索部606、複数比較経路探索部607、気象比較経路探索部608、周辺施設探索部609、表示インタフェース部610などの機能ブロックを含んで構成される。
【0040】
図10において、交通予測情報取得部602は、車両10の運転者による入力を受け付ける入力指示部603からの情報に基づき、通信インタフェース部601、携帯電話機63などを介して、交通情報提供装置1に対し、目的地、予測エリア、日時などの情報を添えて交通予測情報要求を送信する。そして、交通情報提供装置1から送信されてくる交通予測情報を受信し、受信した交通予測情報を交通予測情報DB604に蓄積する。なお、このときに受信される交通予測情報の構成は、図9に示した通りである。
【0041】
交通統計情報DB605は、過去の交通情報を統計処理することによって作成した交通情報を蓄積したデータベースであり、その情報は、あらかじめ、カーナビ装置6を製造または販売するときに記憶される。また、必要に応じて、交通統計情報DB605は、交通予測情報取得部602を介して、交通情報提供装置1から必要な交通統計情報を取得し、蓄積することができる。ただし、交通統計情報は、その日ごとに変化する情報ではないので、その都度、交通統計情報を交通情報提供装置1から取得する必要はないが、年、月または季節の変わり目などに定期的に更新してもよい。
【0042】
なお、設定された目的地によっては新たなエリアの交通統計情報が必要となる場合があり、そのときには、交通予測情報取得部602は、エリアなどの情報を添えて、交通情報提供装置1に交通統計情報を要求する情報を送信し、必要なエリアの交通統計情報を取得する。
【0043】
図10において、誘導経路探索部606、複数比較経路探索部607、気象比較経路探索部608および周辺施設探索部609の各機能ブロックは、カーナビ装置6の種々の経路探索機能を実現するための機能ブロックであり、その詳細については、図11以下の図を用いて説明する。なお、これらの機能ブロックは、本体部61に含まれる図示しないCPUが図示しない半導体メモリなどに格納されているプログラムを実行することによって実現される。
【0044】
(気象予報情報を含んだ交通予測情報による経路探索および表示)
図11は、カーナビ装置6における交通予測情報を用いたナビゲーション処理の流れを示した図である。図11において、車両の運転者などがキーボタンなどの入力手段により目的地や経路探索の条件などを設定すると、交通予測情報取得部602は、予測エリア、日時などの情報を添えて、交通情報提供装置1に交通予測情報を要求し、要求したエリアと日時の交通予測情報を取得し(ステップS11)、取得した交通予測情報を交通予測情報DB604に蓄積する。次に、誘導経路探索部606は、交通予測情報DB604に蓄積された交通予測情報に基づき、道路のリンクコストを設定し(ステップS12)、現在位置または運転者が設定した地点から目的地までの誘導経路(通常の推奨経路は、最短時間経路)を探索する(ステップS13)。
【0045】
続いて、誘導経路探索部606は、その経路探索に用いた交通予測情報に気象予報情報が含まれていたか否かを判定し(ステップS14)、気象予報情報が含まれていた場合には(ステップS14でYes)、前記算出された誘導経路上の所定の地点(現在地、経由地、目的地、運転者があらかじめ指定した地点など)における予想到着時刻を算出し、その予想到着時刻における気象予報情報を取得する(ステップS16)。そして、表示インタフェース部610を介して表示部62に、例えば、図12に示すように、誘導経路を表示し、さらに、所定の地点の予想到着時刻およびそのときの気象予報情報を表示する(ステップS17)。その後、車両が前記算出された誘導経路に従い走行すると、交差点などにさしかかるごとに、誘導指示情報を出力する(ステップS18)。
【0046】
また、ステップS14において交通予測情報に気象予報情報が含まれていなかった場合には(ステップS14でNo)、誘導経路探索部606は、表示インタフェース部610を介して、単に、誘導経路を表示し(ステップS15)、その後、前記算出された誘導経路に従い、車両が交差点などにさしかかるごとに、誘導指示情報を出力する(ステップS18)。すなわち、この場合には、誘導経路中の経由地点などにおける気象予報情報の表示は行われない。なお、気象予報情報の表示が行われなくても、ステップS11で取得した交通予測情報が気象予報情報を考慮した交通予測情報であれば、ステップS15で表示される誘導経路は、気象予報情報を考慮したものとなっている。
【0047】
図12は、誘導経路探索部が誘導経路ならびにその経由地点の予想到達時刻およびそのときの気象予報情報を表示した表示画面の例を示した図である。誘導経路120は、交通予測情報に基づいて算出された出発地121から目的地122までの推奨経路である。また、符号124は出発時刻、符号125および符号126は経由地の通過予定時刻、符号127は目的地到着予想時刻である。誘導経路120が気象予報情報を含んだ交通予測情報である場合には、符号126〜符号127の各々の表示部には、予想到着時刻のほかに、その時刻における気象予報情報が表示される。また、運転中の安全を考慮し、表示と併せて、または、表示する代わりに、音声出力手段を利用して各経由地の通過予定時刻とその時刻における気象予報情報を音声で出力してもよい。なお、図12で提供時刻情報123は、交通予測情報が提供された時刻を示す。
【0048】
図13は、誘導経路探索部が誘導経路ならびにその経由地点の予想到達時刻およびそのときの気象予報情報を簡易的に表示した表示画面の例を示した図である。図13では、自車位置130から目的地方面134までの主要経由地131〜133において、地点の名称と、その地点までの交通予測情報に基づいて算出した所要時間と予想到着時刻の気象予報情報をアイコンで表示している。
【0049】
(複数経路の探索およびその比較表示)
本実施形態におけるカーナビ装置6は、以上のような誘導経路を表示し、車両誘導の指示情報を出力するだけでなく、各種の経路情報を算出し、表示する機能を備えている。以下、各種の経路探索およびその表示機能について説明する。
【0050】
図14は、カーナビ装置において複数の条件で経路探索を行うときの条件設定画面の例を示した図である。図14の条件設定画面の例においては、経路探索条件141,142,143ボタンで選択することにより、最大3つの探索条件を設定することができる。また、その探索条件は、チェックボックスにより、有料道優先、一般道優先、距離優先、渋滞予測考慮、フェリー優先、VICS利用、自動再探索、気象考慮などから選択することができる。ここでは、有料道優先、距離優先、渋滞予測考慮、気象考慮が選択されている。なお、気象考慮のチェックボックスは、渋滞予測考慮が選択されたときにのみ有効としてもよく、または、気象考慮が選択された場合には、渋滞予測考慮が自動的に選択されたものとしてもよい。
【0051】
図15は、複数の条件で経路探索を実施した場合の表示画面の例を示した図である。図15において、経路151〜153は、異なる探索条件で算出した出発地(S)から目的地(G)までの推奨経路である。また、符号154〜156は、経路の比較要約情報であり、比較要約情報として、探索条件、距離、所要時間、料金などが表示される。なお、図15の場合、第1の経路(実線の経路151)は、有料道路優先かつ気象予報情報を考慮した経路で、走行日の気象予報情報が雨のため雨天時の交通情報を予測した結果を示している。また、第2の経路(一点鎖線の経路152)は、有料道路優先の経路で、第3の経路(破線の経路153)は、距離優先の経路である。なお、走行日は、別途、運転者が入力手段により指定する走行予定日であってもよい。
【0052】
以上、図15に示した機能を、カーナビ装置6は、複数比較経路探索部607(図10参照)の処理として実行する。図16は、複数比較経路探索部によって実行される処理の流れの例を示した図である。
【0053】
図16において、複数比較経路探索部607は、まず、図14に示した画面により、探索条件として渋滞予測考慮または気象考慮が設定されているか否かを判定する(ステップS21)。そして、渋滞予測考慮または気象考慮が設定されていた場合には(ステップS21でYes)、交通予測情報取得部602を介して、交通情報提供装置1から交通予測情報を取得し(ステップS22)、取得した交通予測情報を交通予測情報DB604に蓄積する。また、渋滞予測考慮と気象考慮とのいずれもが設定されていなかった場合には(ステップS21でNo)、誘導経路探索に交通統計情報DB605を使用することができるので、ステップS22の実行をスキップする。
【0054】
次に、複数比較経路探索部607は、図14の画面でそれぞれ設定された複数の探索条件について、目的地までの複数の経路を探索する(ステップS23)。そして、表示インタフェース部610を介して、経路ごとに表示属性(線種、表示色、アイコンなど)を変更しながら(ステップS24)、探索された複数の経路を表示する(ステップS25)。さらに、探索された複数の経路について経路の比較要約情報(図15で符号154〜156)を表示する(ステップS26)。
【0055】
(複数の気象条件に対する経路探索およびその比較表示)
図17は、複数の気象条件に対して経路探索を実施した場合の表示画面の例を示した図である。図17において、経路171(実線で表示)は、気象予報情報が晴とした場合の推奨経路、経路172(二点鎖線で表示)は、気象予報情報が雨とした場合の推奨経路を示している。気象予報情報の気象条件ごとに複数の交通予測情報を取得することにより、気象条件ごとの推奨経路を比較参照することができる。なお、符号173は、経路の要約情報であり、ここでは、気象条件、目的地までの所要時間が表示されている。また、要約情報としては、ほかに予測到着時刻や目的地までの距離などが表示されてもよい。
【0056】
図18は、図17の表示画面を表示する気象比較経路探索部が実行する処理の流れを示した図である。図17において、気象比較経路探索部608は、交通情報提供装置1から複数の気象条件を含む交通予測情報を取得する(ステップS31)。そして、その複数の気象条件のうち1つの気象条件を取り出し、経路探索の気象条件を設定する(ステップS32)。そして、設定された気象条件の交通予測情報によりリンクコストを設定し(ステップS33)、経路を探索する(ステップS34)。
【0057】
次に、気象比較経路探索部608は、すべての気象条件について経路探索したか否かを判定し(ステップS35)、経路探索していない気象条件があった場合には(ステップS35でNo)、ステップS32へ戻り、ステップS32以下の処理を繰り返す。また、すべての気象条件について経路探索した場合には(ステップS35でYes)、表示インタフェース部610を介して、経路ごとに表示属性(線種、表示色、アイコンなど)を変更しながら(ステップS36)、探索された複数の経路を表示する(ステップS37)。さらに、探索された複数の経路について経路の比較要約情報173(図17参照)を表示する(ステップS38)。
【0058】
なお、以上の図18に示した処理において、交通予測情報を取得せず(ステップS31不要)、交通統計情報DB605に蓄積されている交通統計情報を利用して、経路を探索してもよい。この場合には、ステップS33では、交通予測情報の代わりに交通統計情報DB605の交通統計情報によりリンクコストを設定する。
【0059】
(気象条件を考慮した周辺施設の探索)
図19は、気象条件を考慮した周辺施設の探索を実施した場合の表示画面の例を示した図である。図19において、リスト191は、自車位置130で施設カテゴリを「ラーメン」と指定して、周辺施設探索をしたときのリスト表示の例である。また、符号192の表示は、周辺施設探索をした条件で、この例では、渋滞予測と気象条件を考慮した周辺リストであることを示している。このとき、施設名は、その施設までの所要時間が短い順番にソートされて表示される。また、表示されたリストは、スクロールボタン193,194によってスクロールすることができる。
【0060】
図20は、周辺施設探索部によって実行される気象条件を考慮した周辺施設探索の処理の流れを示した図である。図20において、周辺施設探索部609は、まず、交通予測情報取得部602を介して、交通情報提供装置1から気象予報情報を含む交通予測情報を取得する(ステップS41)。次に、周辺施設探索する施設のカテゴリなどを設定し、そのとき得られる周辺施設から1つを選択し、その周辺施設を目的地に設定する(ステップS42)。そして、交通予測情報に基づいてリンクコストを設定し(ステップS43)、周辺施設までの経路を探索する(ステップS44)。
【0061】
次に、周辺施設探索部609は、全周辺施設への経路を探索したか否かを判定し(ステップS45)、探索していない周辺施設がある場合には(ステップS45でNo)、ステップS42〜ステップS44を繰り返し実行する。また、全周辺施設への経路を探索した場合には(ステップS45でYes)、探索した周辺施設までの所要時間が短い順番に、その周辺施設をソートし(ステップS46)、そのソートされた周辺施設をリスト表示する(ステップS47)。
【0062】
なお、図20に示した例においては、リスト表示される施設までの所要時間は、経路探索時に気象予報情報を含んだ交通予測情報により算出するが、車両10の運転者がキーボタンなどから入力して指定する気象条件に基づいた交通情報を利用した経路探索により算出してもよい。また、交通予測情報を取得せず、交通予測情報の代わりに交通統計情報DB605に蓄積されている交通統計情報を用いて経路探索を行ってもよい。
【0063】
以上、本実施形態によれば、交通情報提供装置1から提供される気象予報情報を考慮した交通情報に基づき、カーナビ装置6は誘導経路の探索を行うことができるようになった。そのため、カーナビ装置6では、気象情報が急変するような場合であっても高精度の誘導経路や目的地までの所要時間を算出できるようになった。さらには、目的地までの誘導経路だけではなく、周辺施設の探索など様々の経路探索についても、気象予報情報または気象条件のもとに経路探索を行うことができるようになり、カーナビ装置6の利用者に対する利便性を向上させることができるようになった。
【0064】
<実施形態の変形例>
以上に説明した実施形態においては、通信ネットワーク4に接続された交通情報提供装置1が、交通情報DB14に蓄積されている過去の交通情報の統計データと、交通情報センタ2から得られる現在の交通情報の実績データと、気象情報センタ3から得られる気象予報情報とを用いて、気象予報情報を含んだ交通予測情報を生成し、その生成した交通予測情報を、通信ネットワーク4を介してカーナビ装置6へ送信し、カーナビ装置6が、その交通予測情報を用いて経路探索を行っている。そこで、その実施形態の変形例として、交通情報提供装置1を設けず、この交通情報提供装置1が行う処理の一切をカーナビ装置6が行うようにしてもよい。
【0065】
この場合には、交通情報提供装置1を構成する機能ブロック12〜17(通信インタフェース部11は、重複するので不要)は、カーナビ装置6の本体部61(図10参照)に含まれるようになる。従って、カーナビ装置6が、交通情報センタ2から直接に現在の交通情報の実績データを取得し、また、気象情報センタ3から直接に気象予報情報を取得し、カーナビ装置6の内部において、気象予報情報を含んだ交通予測情報を生成する。そして、カーナビ装置6は、自身が生成した交通予測情報を用いて経路探索を行う。
【0066】
従って、本実施形態の変形例においては、交通予測情報要求受付部16、交通予測情報提供部17、交通予測情報取得部602の処理は、カーナビ装置6内部で行われる情報転送処理になるので、通信ネットワーク4における通信負荷を大幅に削減することができる。
【0067】
さらには、以上の実施形態の変形とは逆に、交通情報提供装置1がカーナビ装置6の機能を含む構成であってもよい。この場合には、カーナビ装置6の入力手段や表示装置62に相当するものとして、通信ネットワーク4を介して接続された一般のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機などをあてることができる。すなわち、交通情報提供装置1は、一般のパーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話機などからの経路探索の要求を受け付けて、それらのパーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話機などに対し、気象予報情報を考慮した経路など様々な交通情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態に係る交通情報提供装置およびカーナビゲーション装置が適用されたカーナビゲーションシステムの全体構成を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る交通情報DBに蓄積されているリンクの交通統計情報の例を示した図である。
【図3】本発明の実施形態において、現在の交通情報の実績データと過去の統計データとに基づき、旅行時間を予測する方法を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態において、予測した旅行時間の利用方法を説明するための道路ネットワークの例を示した図である。
【図5】本発明の実施形態において、リンク40〜43の予測時刻における予測旅行時間の例を示した図である。
【図6】本発明の実施形態において、リンク40〜43の予測時刻における予測平均速度の例を示した図である。
【図7】本発明の実施形態において、交差点AからEまで旅行する際の予測旅行時間を、図5および図6に示した予測旅行時間および予測旅行速度を用いて算出した例を示した図である。
【図8】本発明の実施形態において、気象予報センタから取得される気象予報情報の構成の例を示した図である。
【図9】本発明の実施形態において、交通情報提供装置がカーナビ装置に提供する交通予測情報の構成の例を示した図である。
【図10】本発明の実施形態に係るカーナビ装置(本体部)の機能ブロック図を示した図である。
【図11】本発明の実施形態に係るカーナビ装置における交通予測情報を用いたナビゲーション処理の流れを示した図である。
【図12】本発明の実施形態に係る誘導経路探索部が誘導経路ならびにその経由地点の予想到達時刻およびそのときの気象予報情報を表示した表示画面の例を示した図である。
【図13】本発明の実施形態に係る誘導経路探索部が誘導経路ならびにその経由地点の予想到達時刻およびそのときの気象予報情報を簡易的に表示した表示画面の例を示した図である。
【図14】本発明の実施形態に係るカーナビ装置において複数の条件で経路探索を行うときの条件設定画面の例を示した図である。
【図15】本発明の実施形態に係るカーナビ装置において複数の条件で経路探索を実施した場合の表示画面の例を示した図である。
【図16】本発明の実施形態に係るカーナビ装置において複数比較経路探索部によって実行される処理の流れの例を示した図である。
【図17】本発明の実施形態に係るカーナビ装置において複数の気象条件に対して経路探索を実施した場合の表示画面の例を示した図である。
【図18】本発明の実施形態に係るカーナビ装置において気象比較経路探索部が実行する処理の流れを示した図である。
【図19】本発明の実施形態において、気象条件を考慮した周辺施設の探索を実施した場合の表示画面の例を示した図である。
【図20】本発明の実施形態に係る周辺施設探索部によって実行される気象条件を考慮した周辺施設探索の処理の流れを示した図である。
【符号の説明】
【0069】
1 交通情報提供装置
2 交通情報センタ
3 気象情報センタ
4 通信ネットワーク
5 基地局
6 カーナビ装置
10 車両
11 通信インタフェース部
12 交通情報取得部
13 気象情報取得部
14 交通情報DB
15 交通情報予測部
16 交通予測情報要求受付部
17 交通予測情報提供部
61 本体部
62 表示部
63 携帯電話機
64 GPS受信機
601 通信インタフェース部
602 交通予測情報取得部
603 入力指示部
604 交通予測情報DB
605 交通統計情報DB
606 誘導経路探索部
607 複数比較経路探索部
608 気象比較経路探索部
609 周辺施設探索部
610 表示インタフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの誘導経路を表示装置に表示して車両を誘導するカーナビゲーション装置と、前記カーナビゲーション装置に交通情報を提供する交通情報提供装置とが、通信ネットワークを介して接続されて構成されたカーナビゲーションシステムであって、
前記交通情報提供装置が、
現況の交通情報を提供する交通情報センタ、気象予報情報を提供する気象情報センタおよび過去の交通情報を蓄積した交通情報データベースに接続され、
前記カーナビゲーション装置が送信した車両位置と走行日時と指定エリアとを含む情報を受信し、
前記交通情報センタから前記指定エリアの現況の交通情報を取得し、
前記気象情報センタから前記指定エリアの気象予報情報を取得し、
前記交通情報データベースから前記指定エリアの交通統計情報を取得し、
前記現況の交通情報、前記気象予報情報および前記交通情報に基づき、前記車両位置および前記走行日時を起点として、前記指定エリアに含まれる各リンクまたは地点への予想到着時刻および気象情報を予測することによって、そのリンクまたは地点の気象考慮交通予測情報を生成し、
前記生成した気象考慮交通予測情報を前記カーナビゲーション装置へ送信し、
前記カーナビゲーション装置が、
前記交通情報提供装置から送信された前記気象考慮交通予測情報を受信し、
前記受信した気象考慮交通予測情報に基づき、前記車両の誘導経路を探索し、前記探索した誘導経路を前記表示装置に表示すること
を特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記気象考慮交通予測情報は、各リンクの交通情報のほかに、そのリンクまたは地点における予想到着時刻での気象予報情報を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項3】
目的地までの誘導経路を表示装置に表示して車両を誘導するカーナビゲーション装置に交通情報を提供する交通情報提供装置であって、
現況の交通情報を提供する交通情報センタ、気象予報情報を提供する気象情報センタおよび過去の交通情報を蓄積した交通情報データベースに接続され、
前記カーナビゲーション装置が送信した車両位置と走行日時と指定エリアとを含む情報を受信し、
前記交通情報センタから前記指定エリアの現況の交通情報を取得し、
前記気象情報センタから前記指定エリアの気象予報情報を取得し、
前記交通情報データベースから前記指定エリアの交通情報を取得し、
前記現況の交通情報、前記気象予報情報および前記交通情報に基づき、前記車両位置および前記走行日時を起点として、前記指定エリアに含まれる各リンクまたは地点への予想到着時刻および気象情報を予測することによって、そのリンクまたは地点の気象考慮交通予測情報を生成し、
前記生成した気象考慮交通予測情報を前記カーナビゲーション装置へ送信すること
を特徴とする交通情報提供装置。
【請求項4】
前記気象考慮交通予測情報は、各リンクの交通情報のほかに、そのリンクにおける予想到着時刻での気象予報情報を含むこと
を特徴とする請求項3に記載の交通情報提供装置。
【請求項5】
目的地までの誘導経路を表示装置に表示して車両を誘導するカーナビゲーション装置に交通情報を提供する交通情報提供装置であって、
過去の交通情報を蓄積した交通情報データベースに接続され、
前記カーナビゲーション装置が送信した車両位置と走行日時と指定エリアと気象条件とを含む情報を受信し、
前記交通情報データベースから前記指定エリアの交通情報を取得し、
前記気象条件および前記交通情報に基づき、前記車両位置および前記走行日時を起点として、前記指定エリアに含まれる各リンクまたは地点への予想到着時刻を予測することによって、そのリンクまたは地点の気象考慮交通予測情報を生成し、
前記生成した気象考慮交通予測情報を前記カーナビゲーション装置へ送信すること
を特徴とする交通情報提供装置。
【請求項6】
交通情報を提供する交通情報提供装置に接続され、車両に搭載され、目的地までの誘導経路を表示装置に表示して車両を誘導するカーナビゲーション装置であって、
前記交通情報提供装置に車両位置と走行日時と指定エリアとを含む情報を送信し、
前記交通情報提供装置が、現況の交通情報、気象予報情報および交通情報に基づき、前記車両位置および前記走行日時を起点として予測した前記指定エリアに含まれる各リンクまたは地点への予想到着時刻および気象情報により生成した気象考慮交通予測情報を受信し、
前記受信した気象考慮交通予測情報に基づき、誘導経路を探索し、前記探索した誘導経路を前記表示装置に表示すること
を特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項7】
前記気象考慮交通予測情報は、各リンクの交通情報のほかに、そのリンクにおける予想到着時刻での気象予報情報を含み、
前記誘導経路に含まれる少なくとも1つの地点における予想到着時刻または予想到着時刻までの所要時間およびその予想到着時刻における気象予報情報を、前記誘導経路と併せて前記表示装置に表示すること
を特徴とする請求項6に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項8】
交通情報を提供する交通情報提供装置に接続され、車両に搭載され、目的地までの誘導経路を表示装置に表示して車両を誘導するカーナビゲーション装置であって、
前記交通情報提供装置に車両位置と走行日時と指定エリアと気象条件とを含む情報を送信し、
前記交通情報提供装置が、前記気象条件および交通情報に基づき、前記車両位置が示すリンクおよび前記走行日時を起点として予測した前記指定エリアに含まれる各リンクまたは地点への予想到着時刻により生成した気象考慮交通予測情報を受信し、
前記受信した気象考慮交通予測情報に基づき、誘導経路を探索し、前記探索した誘導経路を前記表示装置に表示すること
を特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項9】
複数の探索条件を設定する手段をさらに備え、
前記気象考慮交通予測情報に基づき、前記設定された複数の探索条件に対し、それぞれ誘導経路を探索し、前記探索した複数の誘導経路を前記表示装置に併せて表示すること
を特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項10】
周辺施設探索を指示する手段をさらに備え、
前記気象考慮交通予測情報に基づき、前記指示に基づき周辺施設を探索し、
前記探索された周辺施設を現在位置に近い順にソートして表示すること
を特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項11】
前記交通情報提供装置に送信する気象条件は複数の気象条件であり、
前記交通情報提供装置が前記複数の気象条件に対してそれぞれ対応するように生成した複数の気象考慮交通予測情報を受信し、
前記受信した複数の気象考慮交通予測情報に基づき、それぞれ誘導経路を探索し、前記探索した複数の誘導経路を前記表示装置に表示すること
を特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項12】
通信ネットワークを介して、現況の交通情報を提供する交通情報センタ、気象予報情報を提供する気象情報センタおよび過去の交通情報を蓄積した交通情報データベースに接続され、目的地までの誘導経路を表示装置に表示して車両を誘導するカーナビゲーション装置であって、
前記交通情報センタから指定エリアの現況の交通情報を取得し、
前記気象情報センタから前記指定エリアの気象予報情報を取得し、
前記交通情報データベースから前記指定エリアの交通情報を取得し、
前記現況の交通情報、前記気象予報情報および前記交通情報に基づき、前記車両の車両位置および走行日時を起点として、前記指定エリアに含まれる各リンクまたは地点への予想到着時刻および気象情報を予測することによって、そのリンクまたは地点の気象考慮交通予測情報を生成し、
前記受信した気象考慮交通予測情報に基づき、前記車両の誘導経路を探索し、前記探索した誘導経路を前記表示装置に表示すること
を特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項13】
目的地までの誘導経路を表示装置に表示して車両を誘導するカーナビゲーション装置に交通情報を提供する交通情報提供装置における交通情報提供方法であって、
前記交通情報提供装置が、
現況の交通情報を提供する交通情報センタ、気象予報情報を提供する気象情報センタおよび過去の交通情報を蓄積した交通情報データベースに接続されて構成され、
前記カーナビゲーション装置が送信した車両位置と走行日時と指定エリアとを含む情報を受信するステップと、
前記交通情報センタから前記指定エリアの現況の交通情報を取得するステップと、
前記気象情報センタから前記指定エリアの気象予報情報を取得するステップと、
前記交通情報データベースから前記指定エリアの交通情報を取得するステップと、
前記現況の交通情報、前記気象予報情報および前記交通情報に基づき、前記車両位置および前記予測日時を起点として、前記指定エリアに含まれる各リンクまたは地点への予想到着時刻および気象情報を予測することによって、そのリンクまたは地点の気象考慮交通予測情報を生成するステップと、
前記生成した気象考慮交通予測情報を前記カーナビゲーション装置へ送信するステップと
を実行することを特徴とする交通情報提供方法。
【請求項14】
目的地までの誘導経路を表示装置に表示して車両を誘導するカーナビゲーション装置に交通情報を提供する交通情報提供装置における交通情報提供方法であって、
前記交通情報提供装置が、
過去の交通情報を蓄積した交通情報データベースに接続されて構成され、
前記カーナビゲーション装置が送信した車両位置と走行日時と指定エリアと気象条件とを含む情報を受信するステップと、
前記交通情報データベースから前記指定エリアの交通情報を取得するステップと、
前記気象条件および前記交通情報に基づき、前記車両位置が示すリンクおよび前記走行日時を起点として、前記指定エリアに含まれる各リンクまたは地点への予想到着時刻を予測することによって、そのリンクまたは地点の気象考慮交通予測情報を生成するステップと、
前記生成した気象考慮交通予測情報を前記カーナビゲーション装置へ送信するステップと
を実行することを特徴とする交通情報提供方法。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の交通情報提供方法をコンピュータに実行させるための交通情報提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−337182(P2006−337182A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162550(P2005−162550)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】