説明

カーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法

【課題】1つ以上のカーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法を提供する。
【解決手段】本方法は、上面を有する絶縁層を基板上に形成するステップと、絶縁層内にビアを形成するステップと、ビアの側壁及び底面を含め、絶縁層上に活性金属層を形成するステップと、ビアの内部での1つ以上のカーボン・ナノチューブの選択的な成長を可能にするために、イオン・ビームを用いて上面の部分にある活性金属層を除去するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
大規模集積回路(LSI:large scale integrated circuit)の配線へのカーボン・ナノチューブの応用は、その電子機器への応用の一例と見なされている。カーボン・ナノチューブは、直径数ナノメートル〜数十ナノメートル(nm:nanometer)であり、全長は数ナノメートル程度の長さである。カーボン・ナノチューブは、この形状異方性に起因する一次元電子性質が原因で、断線することなく1平方センチメートル当たり約100万アンペア(A:ampere)の電流の流れを可能にする最大電流密度を特徴的に有し、これは、銅配線のものの100倍以上の大きさである。さらに、熱伝導に関しては、カーボン・ナノチューブの伝導率は銅の10倍の高さである。電気抵抗に関しては、不純物又は格子振動(フォノン)に起因する散乱を伴わない輸送、すなわち、いわゆる「バリスティック電子輸送(ballistic electron transportation)」が、カーボン・ナノチューブを流れる電子に関して実現可能であることが報告されている。この場合、カーボン・ナノチューブ当たりの抵抗は、約6.45kΩであることが知られている。カーボン・ナノチューブの直径は、約0.4〜約100nmまで広範囲であり、その直径は、自己組織的な形で形成される。したがって、カーボン・ナノチューブは、その長さ方向の変動が極めて限られているという特徴がある。こうした特徴により、カーボン・ナノチューブをLSI配線に応用する場合には、高電流密度に起因する故障モードであるマイグレーションがより少ない、高信頼性で極めて微細な金属配線が実現できることが期待されている。
【背景技術】
【0002】
カーボン・ナノチューブを成長させる周知の方法としては、アーク放電、レーザ・アブレーション(レーザ蒸発)、化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)、及び炭化ケイ素(SiC:silicon carbide)昇華がある。これらの方法により、遷移金属を、カーボン・ナノチューブ形成における触媒金属として用いることが知られている。CVD及びSiC昇華によると、触媒金属層が形成され、半導体LSIで用いられるリソグラフィ又はエッチングを使用して、触媒金属層上にパターニングが実行される。したがって、こうした様々な方法によって、カーボン・ナノチューブの成長の位置を制御可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、酸化物ビア(oxide via)内でのカーボン・ナノチューブの選択的な成長は、今もなお製造上の課題を提示する。例えば、カーボン・ナノチューブは、核形成のために、非常に薄い金属又は合金からなるシード層を必要とする。この金属薄層は、ビア並びに酸化物両方の上に堆積し、ビア内でのナノチューブの選択的な成長を妨げる。通常は、シード層又は触媒金属層のパターニングのプロセスがさらに必要とされ、これが、半導体の生産コスト及び信頼性に関して不利な点となっている。他に使用される方法/プロセスは、酸化物上にシード層を形成することを防ぐために、2重マスク・リソグラフィ・レベル(two−mask lithography level)を必要とし、これも費用がかかり製造プロセスが長くなると考えられる。さらに、この2重マスク・プロセスは、信頼性の低い半導体をもたらし得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態により、1つ以上のカーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法が提供される。本方法は、上面を有する絶縁層を基板上に形成するステップと、絶縁層内にビアを形成するステップと、ビアの側壁及び底面を含め、絶縁層上に活性金属層(active metal layer)を形成するステップと、ビアの内部での1つ以上のカーボン・ナノチューブの選択的な成長を可能にするために、イオン・ビームを用いて上面の部分にある活性金属層を除去するステップとを含む。
【0005】
本発明の別の実施形態により、カーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法が提供される。本方法は、上面を有する絶縁層を基板上に形成するステップと、絶縁層内にビアを形成するステップと、絶縁層上に活性金属層を形成するステップと、ビアの底部にある活性層の除去を防ぐために、浅い角度に調整された第1のイオン・ビームを用いて、上面の部分にある活性金属層を除去するステップと、1つ以上のカーボン・ナノチューブを形成するために、炭素含有ガス(carbon−containing gas)をビアに印加するステップとを含む。
【0006】
本発明のさらに別の実施形態により、カーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法が提供される。本方法は、上面を有する絶縁層を基板上に形成するステップと、絶縁層内にビアを形成するステップと、ビアの側壁及び底面を含め、絶縁層上に活性金属層を形成するステップと、ビアの底部にある活性層の除去を防ぐために、浅い角度に調整された第1のイオン・ビームを用いて、上面の部分にある活性金属層を除去するステップと、炭素含有ガスをビアに印加するステップと、ビアの内部の活性金属に、第2のイオン・ビームを急角度で印加して、ビアの内部での単一のカーボン・ナノチューブの選択的な成長を可能にするステップとを含む。
【0007】
さらなる特徴及び利点が、本発明の技術によって実現される。本発明の他の実施形態及び側面が、本願明細書に詳しく記載され、請求される発明の一部と見なされる。利点及び特徴と併せて本発明をより深く理解するには、本記載及び図面を参照されたい。
【0008】
本発明と見なされる主題は、本明細書の終わりにある特許請求の範囲において詳しく挙げられ、明確に請求されている。本発明の前述の特徴及び利点、並びに他の特徴及び利点は、添付の図面と併せて理解される以下の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一例示実施形態による、ビア内にカーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法を示す断面図である。
【図2】本発明の一例示実施形態による、ビア内にカーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法を示す断面図である。
【図3】本発明の一例示実施形態による、実際の実験中に獲得された、ビアの内部で成長した1つ以上のカーボン・ナノチューブの例示画像である。
【図4】本発明の一例示実施形態による、ビアの内部で単一のカーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法を示す断面図である。
【図5】本発明の一例示実施形態による、ビアの内部で成長した単一のカーボン・ナノチューブを示す断面図である。
【図6】本発明の一例示実施形態による、実際の実験中に獲得された、ビアの内部で成長した単一のカーボン・ナノチューブの例示画像である。
【図7】本発明の一例示実施形態による、ビアの内部で選択的に成長させた1つ以上のカーボン・ナノチューブを備える構造の概略図である。
【図8】本発明の一例示実施形態による、ビアの内部でカーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示実施形態は、ビアの内部で1つ以上のカーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法を対象とする。一例示実施形態では、本方法は、ビアの内部でのカーボン・ナノチューブの選択的な成長を可能にするために、浅い角度に調整されたイオン・ビームを使用することを含む。一実施形態では、イオン・ビームは、約100電子ボルト(eV:electron volt)〜約400eVのエネルギー準位で作用する。別の例示実施形態では、本方法は、ビアの内部で単一のカーボン・ナノチューブを選択的に成長させるために、急角度に調整された別のイオン・ビームを使用することを含む。例示実施形態はさらに、ビアの内部で1つ以上のカーボン・ナノチューブを選択的に成長させるこうした例示方法を使用して製造又は製作された半導体素子を対象とする。
【0011】
以下、図面を参照する。図1〜2は、本発明の例示実施形態による、カーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法を示す断面図である。本願明細書に記載されているカーボン・ナノチューブ形成方法は、様々なタイプの半導体素子(例えばトランジスタ)、半導体メモリ素子(例えばダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、及びその他の集積回路の製造プロセスに適用可能である。
【0012】
図1を参照する。基板12上に、絶縁層10が形成されている。基板12は、半導体素子が上に製造される任意の材料とすることができる。例えば、基板12は、ウェーハとすることができ、ウェーハは、集積回路及びその他のナノ素子の製造で典型的に使用される。例えば、トランジスタ、トランジスタのコンタクト領域に電気的に接続されているコンデンサのコンタクト・パッド、トランジスタのコンタクト領域に電気的に接続されているビット線、コンデンサなど、その他様々な構造(図示せず)も、基板上に形成可能である。さらに、例えば、シリサイド層又はコバルト・シリサイド層などの他の層(図示せず)を、基板上の、例えば活性層と基板との間などに形成可能である。単純化する目的で、集積回路の形成における基本的な層のみが示されている。
【0013】
絶縁層10は、厚さを画定する上面14と、底面16とを有し、厚さは用途に応じて異なってよい。1つ以上のビア又は開口18が、絶縁層10に沿った長さで絶縁層10内に形成される。なお、説明を簡略化するために、2つのみのビアが図1〜2には示されている。各ビアは、半導体の異なる層/構成要素間の導電接続を可能にする。図のように、各ビアは、側壁及び底面によって画定される。一例示実施形態によると、ビア18は、反応性イオン・エッチング(RIE:reactive ion etching)プロセスによって絶縁層10内に形成される。当然、ビア18は、絶縁層10にドリルで穴を開けること、又は従来の半導体製造プロセスを使用することによって、絶縁層10内に形成可能である。ビア18の深さ及びサイズは、用途に応じて異なってよい。ビア18は、ビア18の底部20が上面14から露出するように形成される。
【0014】
本発明の例示実施形態によると、絶縁層10は、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、ホウ素ドープ酸化物、誘電性酸化物など、任意の適切な絶縁材料から形成されてよい。絶縁層には、リンケイ酸塩ガラス(PSG:phosphor silicate glass)、ホウ素リンケイ酸塩ガラス(BPSG:boro−phosphorous silicate glass)、非ドープケイ酸ガラス(USG:undoped silica glass)、スピン・オン・ガラス(SOG:spin−on−glass)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS:tetra−ethyl−ortho−silicate)なども含まれ得る。絶縁層10は、例えば、化学蒸着(CVD)プロセス、プラズマ強化CVD(PECVD:plasma−enhanced CVD)プロセス、高密度CVD(HDCVD:high density CVD)プロセス、スピン・コーティング・プロセスなどによって形成され得る。
【0015】
活性金属層30が、絶縁層10上に形成される。より具体的には、活性金属層30が、ビア18の側壁及び底面を含め、絶縁層10の上面14上に形成される。活性金属層30は、カーボン・ナノチューブの成長の核として機能する金属触媒層である。活性金属層30は、コバルト、ニッケル、鉄、パラジウム、チタンなど、1つ以上の金属又は金属合金から形成される。当然、その他の適切な金属又は金属合金が、他の例示実施形態において使用され得る。活性金属層30には、用途に応じて複数の寸法があり得る。例えば、活性金属層30は、1つ以上の金属又は金属合金から成る単層又は多層触媒とすることができる。一実施形態によれば、絶縁層10上に活性金属層30を形成するために、熱CVDプロセス又は物理蒸着(PVD:physical vapor deposition)プロセス(例えばスパッタリング、蒸発など)が使用可能である。当然、他のプロセスが使用可能であり、本願明細書に記載された例に限定されるべきではない。
【0016】
一例示実施形態によれば、ビア18の内部でのカーボン・ナノチューブの選択的な成長を可能にするために、絶縁層10の上面14の部分にある活性金属層30が、図1で概して矢印40によって示されているイオン・ビームを用いて除去される。イオン・ビームは、イオン・ビーム・プロセスを使用して、イオン・ビーム源(図示せず)から生成可能である。イオン・ビーム40は、絶縁層10の上面14の部分から活性金属層を選択的に除去し、その一方で、ビア18の底部20にある活性金属層は、イオン・ビーム40が届かないままとなるよう構成される。これによって、特にビアの内部でのカーボン・ナノチューブの選択的な成長が可能になる。ビア18の内部、特にビア18の底部20の活性金属層30が除去されることを防ぐために、上面の部分にある活性金属層30を除去する間、イオン・ビーム40は浅い角度に向けられる。したがって、基板全長にイオン・ビーム40が掃引されるとき、上面14の部分にある活性金属層30のみが除去される一方、ビア18の底部20にある活性金属層30は完全なまま残る。よって、カーボン・ナノチューブがビア18間の絶縁層の上面の部分に成長することは一部の用途では望ましくないと考えられるが、これが防がれる。
【0017】
非限定的な一例示実施形態によれば、イオン・ビームは、除去の方向に応じて、約−1度〜約−45度の範囲の浅い角度(基板表面に対して)に調整される。例えば、基板12に右から左へ掃引されるときは、イオン・ビームは+45度の角度に調整されることが可能である。当然のことながら、構成状態によって、イオン・ビーム40の角度を−45度よりも大きくすることができる。一実施形態では、イオン・ビーム40は、除去プロセスの間、高エネルギー準位で作用している。非限定的な一実施形態では、イオン・ビームは、約100電子ボルト(eV)〜約400eVで作用している。エネルギー準位及びイオン・ビームの角度はそれぞれ、用途に応じて変更されてもよく、本願明細書に記載されている例に限定されるべきではない。例えば、厚い触媒層の場合は、より薄い触媒層とは対照的に、完全に除去するためにより高いエネルギー準位が必要であることもある。さらに、基板の全域にイオン・ビームを掃引する期間は、触媒層のサイズ及び厚さに応じて異なると考えられる。
【0018】
一例示実施形態によれば、リアクタ(図示せず)内でビア18に炭素含有ガス(例えばエチレン)を印加することによって、図2で矢印41により概して示されている1つ以上のカーボン・ナノチューブがビア18の内部に形成される。一例示実施形態では、炭素含有ガスは、約100Torr(約13.3kPa)〜約300Torr(約39.9kPa)のリアクタ圧力下で、熱CVDプロセスによってビアに印加される。別の例示実施形態では、炭素含有ガスは、約4Torr(約0.5kPa)〜8Torr(約1kPa)のリアクタ圧力下で、PECVDプロセスによってビアに印加される。当然のことながら、使用されるプロセスに応じて、リアクタ圧力は異なってよい。
【0019】
構成状況に応じて、1つ以上のカーボン・ナノチューブを約500℃〜800℃の温度で形成可能である。一実施形態によれば、ビアの内部でのカーボン・ナノチューブの選択的な成長を可能にするために、基板12は、約500℃〜800℃の温度で加熱される。実施中、活性金属層30が絶縁層10の上面14の部分から除去されると、炭素含有ガスなどのプロセス・ガスがビア18に供給されて、炭素原子により、ビア18の底部20上の活性金属層30を飽和させる。炭素含有ガスが高い温度でビア18の底部20上の活性金属層30を飽和させる高温反応が、ビア18の底部20からのカーボン・ナノチューブの成長をもたらす。カーボン・ナノチューブは、様々な半導体用途に、高い信頼性及び伝導性を持つワイヤとして機能することができる。図3は、一例示実施形態による、実際の実験中に獲得された、ビアの内部で成長した1つ以上のカーボン・ナノチューブの例示画像を示す。
【0020】
一例示実施形態によれば、図5に示されているように、単一のカーボン・ナノチューブの成長を可能にするべく、ビア18の底部20にある活性金属層30を部分的に除去又は修正するために、ビア18に、図4で矢印42によって概して示されている別のイオン・ビームが照射される。図4に示されているように、単一のカーボン・ナノチューブ44は、イオン・ビーム42を使用してビア18の底部20にある活性金属層30を修正することから成長させられる。この実施形態では、イオン・ビーム42は、急角度(90度に近い)に調整され、イオン・ビーム42は、ビア18の底部にある活性金属層のみに当てられている。一実施形態では、イオン・ビーム42は、除去の方向に応じて、約−46度〜約−90度の範囲の急角度(基板表面に対して)に向けられる。この実施形態では、イオン・ビーム42は、触媒材料を完全に除去することなくビアの底部にある活性金属層を修正するために、低エネルギー準位で作用している。一実施形態によれば、イオン・ビーム42は、約50eV〜約100eVで作用している。図6は、一例示実施形態による、実際の実験中に、ビアの内部で成長した単一のカーボン・ナノチューブの例示画像を示す。単一のカーボン・ナノチューブを選択的に成長させるこの方法は、図7に示されているように、究極の微細化により、配線形成工程(BEOL:back end of line)チップ又は用途において魅力的である。図7に示されているように、本願明細書に記載された方法により、構造体(例えばトランジスタの配線)を製造することができる。
【0021】
以下、図8を参照する。一例示実施形態による、ビアの内部で1つ以上のカーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法を、以下で説明する。
【0022】
本方法は、ブロック100にて、基板上に絶縁層を形成することによって開始する。
【0023】
ブロック102にて、絶縁層内にビアが形成される。
【0024】
ブロック104にて、ビアの側壁及び底面を含め、絶縁層上に活性金属層が形成される。一実施形態によれば、活性金属層は、1つ以上の金属又は金属合金を含む、単層又は多層触媒とすることができる。
【0025】
ブロック106にて、ビアの内部での1つ以上のカーボン・ナノチューブの選択的な成長を可能にするために、上面の部分において活性金属層がイオン・ビームを用いて除去される。一実施形態によれば、イオン・ビームは浅い角度に調整される。
【0026】
本願明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するためのものでしかなく、本発明の限定となることは目的としていない。本願明細書で使用される、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈によりそうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むものとする。さらに、当然のことながら、「含む」若しくは「含んでいる」又はその両方の用語は、本明細書で使用されるとき、記載された機能、完全体、ステップ、動作、構成要素、若しくは部品、又はその何れかの組み合わせの存在を指定するが、1つ以上の他の機能、完全体、ステップ、動作、構成部品、若しくはそのグループ、又はその何れかの組み合わせの存在又は追加を除外するものではない。
【0027】
以下の特許請求の範囲のミーンズ又はステップ・プラス・ファンクション構成要素すべての対応する構造、材料、動作、及び等価物は、明確に請求されている他の請求される構成要素とともに機能を実行する任意の構造、材料、又は動作を含むものとする。本発明の記載は、例証及び説明のために示されたものであるが、包括的であることも、開示された形態の発明に限定されることも目的としていない。当業者には、本発明の範囲及び意図から逸脱することのない、多数の変更及び変形が明らかであろう。実施形態は、本発明の原理及び実際の用途をもっともよく説明して、当業者が、意図される特定の用途に適する様々な変更を用いた様々な実施形態に関して、本発明を理解できるように選ばれ、記載された。
【0028】
本願明細書で示されたフロー図は、1つの例にすぎない。本発明の意図から逸脱することなく、この図又はそこに記載されているステップ(又は動作)に、多数の変形があり得る。例えば、ステップが、異なる順序で実行されてもよく、又はステップが追加、削除、若しくは変更されてもよい。こうした変形のすべてが、請求される発明の一部と見なされる。
【0029】
本発明の好適な実施形態が記載されたが、当然のことながら、現在及び将来の両方において、当業者が、続く特許請求の範囲に記載の範囲内に入る様々な改良及び強化を行うことがあり得る。この特許請求の範囲は、最初に記載された本発明の適切な保護を維持すると解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のカーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法であって、
上面を有する絶縁層を基板上に形成するステップと、
前記絶縁層内にビアを形成するステップと、
前記ビアの側壁及び底面を含め、前記絶縁層上に活性金属層を形成するステップと、
前記ビアの内部での1つ以上のカーボン・ナノチューブの前記選択的な成長を可能にするために、イオン・ビームを用いて前記上面の部分にある前記活性金属層を除去するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ビアの内部に炭素含有ガスを印加することによって、前記ビアの内部の前記活性金属層から前記1つ以上のカーボン・ナノチューブを形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上のカーボン・ナノチューブは、約100Torr(約13.3kPa)〜約300Torr(約39.9kPa)の圧力下での化学蒸着(CVD)プロセスによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のカーボン・ナノチューブは、約4Torr(約0.5kPa)〜8Torr(約1kPa)の圧力下での物理蒸着(PVD)プロセスによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記イオン・ビームは、前記ビアの底部にある前記活性金属層の前記除去を防ぐために、前記上面の部分にある前記活性金属層の前記除去の間、浅い角度に調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記浅い角度は、約−1度〜約−45度の範囲である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記イオン・ビームは、約100eV〜約400eVのエネルギー準位で作用している、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ビアの内部での1つ以上のカーボン・ナノチューブの前記選択的な成長を可能にするために、摂氏約500度〜摂氏約800度の温度で前記基板を加熱するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ビアの内部の前記活性金属層に、別のイオン・ビームを急角度で印加し、単一のカーボン・ナノチューブが前記ビアの内部で成長することを可能にするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記急角度は、約−46度〜約−90度の範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
カーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法であって、
上面を有する絶縁層を基板上に形成するステップと、
前記絶縁層内にビアを形成するステップと、
前記絶縁層上に活性金属層を形成するステップと、
前記ビアの底部にある前記活性層の除去を防ぐために、浅い角度に調整された第1のイオン・ビームを用いて、前記上面の部分にある前記活性金属層を前記除去するステップと、
1つ以上のカーボン・ナノチューブを形成するために、炭素含有ガスを前記ビアに印加するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記ビアの内部の前記活性金属層に、第2のイオン・ビームを急角度で印加し、前記ビアの内部での単一のカーボン・ナノチューブの前記選択的な成長を可能にするステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記急角度は、約−46度〜約−90度の範囲である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記浅い角度は、約−1度〜約−45度の範囲である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のイオン・ビームは、約100eV〜約400eVのエネルギー準位で作用している、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上のカーボン・ナノチューブは、約100Torr(約13.3kPa)〜約300Torr(約39.9kPa)の圧力下での化学蒸着(CVD)プロセスによって形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上のカーボン・ナノチューブは、約4Torr(約0.5kPa)〜8Torr(約1kPa)の圧力下での物理蒸着(PVD)プロセスによって形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記ビアの内部での1つ以上のカーボン・ナノチューブの前記選択的な成長を可能にするために、摂氏約500度〜摂氏約800度の温度で前記基板を加熱するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
カーボン・ナノチューブを選択的に成長させる方法であって、
上面を有する絶縁層を基板上に形成するステップと、
前記絶縁層内にビアを形成するステップと、
前記ビアの側壁及び底面を含め、前記絶縁層上に活性金属層を形成するステップと、
前記ビアの底部にある前記活性層の除去を防ぐために、浅い角度に調整された第1のイオン・ビームを用いて、前記上面の部分にある前記活性金属層を前記除去するステップと、
炭素含有ガスを前記ビアに印加するステップと、
前記ビアの内部の前記活性金属に、第2のイオン・ビームを急角度で印加し、前記ビアの内部での単一のカーボン・ナノチューブの選択的な成長を可能にするステップと、
を含む方法。
【請求項20】
前記急角度は、約−46度〜約−90度の範囲であり、前記浅い角度は、約−1度〜約−45度の範囲である、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−503465(P2013−503465A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525974(P2012−525974)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061403
【国際公開番号】WO2011/023519
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】