説明

ガスの混合物の分析装置

【課題】燃焼プロセス排ガス等の多成分ガス系に含まれる窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素、酸素等を直接検知可能な化学センサーアレイ及び方法を提供する。
【解決手段】(i)少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイを含んでなる化学センサーを多成分ガス系に暴露する工程、応答を検出する工程、各化学/電気活性材料の応答を直接測定する工程とを含んでなる。化学/電気活性材料は半導体材料である。測定される応答は、静電容量、電圧、電流、ACインピーダンスまたは、DC抵抗値である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学センサーおよび化学センサーアレイを用いる、多成分ガス系中のNO、炭化水素、一酸化炭素および酸素をはじめとする、ある種ガスの検知および分析方法および装置である。センサーおよびセンサーアレイは、化学/電気活性材料を使用して多成分ガス系内の個々のガスの存在を検出するおよび/または濃度を計算する。
【背景技術】
【0002】
ある種のガスを検出するための化学検知デバイスの使用は公知である。ある特定ガスに対する選択性と感度とを持った材料を見出すために多数の試みが行われてきた。例えば、特許文献1は酸素を測定するための抵抗センサーを開示している。非特許文献1もまた参照されたい。検出されるべき各ガスに対して異なる材料が使用されなければならないことは明らかである。しかしながら、ガスが多成分系の一部である場合、一材料を使用して、ある特定ガスを検出することは、混合物の様々な成分ガスに対する材料の交差感度のために困難である。
【0003】
多成分ガス系の一例は、酸素、一酸化炭素、窒素酸化物、炭化水素、CO、HS、二酸化硫黄、水素、水蒸気、ハロゲンおよびアンモニアを含み得る燃焼排ガスである。非特許文献2を参照されたい。多くの燃焼プロセスでは、排ガスが様々な管轄区域において連邦および州の大気質規制で制定された要件に適合しているかどうかを判断する必要性がある。幾つかのタイプのガスセンサーがこのニーズに対処するために開発されてきた。電気化学的酸素センサーを開示しているフリーゼ(Friese)らの特許文献2、酸素および窒素の酸化物を検出するためのセンサーを開示しているノダ(Noda)らの特許文献3、および酸素を測定するための抵抗センサーを開示している特許文献4を参照されたい。例えば、ガスのセンサーとの直接接触によって生じたデータのみの点から、かつ、混合物中のガスのいかなるものも分離しなければならないことなしに、燃焼排ガスのような混合物の2つもしくはそれ以上の成分を同時に分析して濃度を計算できることが有利であろう。先行技術方法は現在のところこのニーズを満たしていない。
【0004】
食品からおよび他の比較的低温の用途から発生するガスを検出するための多数のセンサーが開示されてきた。非特許文献3を参照されたい。幾つかの非ドープ化およびドープ化酸化錫センサーのアレイもまた450℃以下の様々な燃焼ガスの検出で使用するために開示されてきた。非特許文献4、非特許文献5および非特許文献6を参照されたい。しかしながら、燃焼ガスを監視するために化学センサーを用いるより高い温度でおよび高度に腐食性の環境では、運転温度はセンサーアレイの性能を変えるまたは損なうことがあり得る。そういう場合には、高温環境は、化学的および熱的の両方で安定であり、かつ、当該ガスへの測定可能な応答を維持する材料の使用を必要とする。酸化錫ベースセンサーアレイの応答に及ぼす運転温度の影響が450℃以下で研究された。非特許文献6を参照されたい。しかしながら、当該技術でこれまでに知られているものに加えて、材料は、燃焼ガス系の運転で遭遇するであろうような、より高い温度で多成分ガス系の排ガスを直接監視できる方法および装置を提供できることが依然として必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,535,316号明細書
【特許文献2】米国特許第5,630,920号明細書
【特許文献3】米国特許第4,770,760号明細書
【特許文献4】米国特許第4,535,316号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】エッチ.メイクスナー(H.Meixner)ら著、センサーズおよびアクチュエーターズ(Sensors and Actuators)、B33(1996)198−202ページ
【非特許文献2】エッチ.メイクスナーら、フレセニウス(Fresenius)著、J.Anal.Chem.、348(1994)536−541ページ
【非特許文献3】ケイ.アルバート(K.Albert)ら著、ケミカル レビュー(Chem.Rev.)、200(2000)2595−2626ページ
【非特許文献4】シー.ジ ナテイル(C.Di Natale)ら著、センサーズおよびアクチュエーターズ、B20(1994)217−224ページ
【非特許文献5】ジェー.ゲチノ(J.Getino)ら著、センサーズおよびアクチュエーターズ、B33(1996)128−133ページ
【非特許文献6】シー.ジ ナテイルら著、センサーズおよびアクチュエーターズ、B23(1995)187−191ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このニーズに対処すれば、自動車排ガスのような燃焼排ガスを測定し、それらの排ガスが機能要件および強制要件に適合しているかどうかを判断するのに化学センサーの使用を可能にするであろう。さらに、自動車排ガスのような高温ガスを分析するのに有用である本発明の方法および装置が低温ガスの分析において同等の効能で使用されるかもしれないことが驚くべきことにも分かった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、多成分ガス系中のガス成分の直接検知方法であって、(i)少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイを含んでなる化学センサーを多成分ガス系に暴露する工程と、応答を検出する工程と、各化学/電気活性材料の応答を直接測定する工程とを含んでなる方法を提供する。好ましくは化学/電気活性材料は半導体材料であり、多成分ガス系は燃焼プロセス排ガスである。測定される応答は、静電容量、電圧、電流、ACインピーダンス、またはDC抵抗の測定値であり得る。
【0009】
本発明はまた、多成分ガス系中のガス成分の存在を直接検知するための化学センサーであって、基材と、該基材上の少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイと、系中の該検体ガス成分に暴露された時に該化学/電気活性材料からの応答を検出するための手段とを含んでなる化学センサーをも提供する。好ましくは化学/電気活性材料は半導体材料であり、多成分ガス系は燃焼プロセス排ガスである。検出される応答は、静電容量、電圧、電流、ACインピーダンス、またはDC抵抗のような電気的特性であり得る。デバイスはさらにハウジングと、検出された応答を測定するための手段と、検体ガス成分の存在および/または濃度を特定するために測定された応答の結果を解析するための手段とを含むことができる。
【0010】
本発明はまた、多成分ガス系中のガス成分の存在および/または濃度を直接検知するための化学センサーデバイスであって、基材と、該基材上に付着された少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイと、該多成分ガス成分への暴露時の該化学/電気活性材料の電気的特性の変化を検出するための手段と、該ガス成分の存在および/または濃度を特定するために電気的特性の検出された変化の結果を解析するための手段と、ハウジングとを含んでなるデバイスをも提供する。化学/電気活性材料は半導体材料であってもよい。
【0011】
本発明の別の実施形態は、各化学/電気活性材料が多成分ガス混合物への暴露時に電気
抵抗の変化を示す、少なくとも3つの化学/電気活性材料のアレイを含むガス検出装置であって、少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(a)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(b)暴露前の抵抗と比べて、ガス混合物への材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示す装置である。本発明のさらに別の実施形態は、上に記載されたようなアレイとガス混合物へのアレイの暴露時に化学/電気活性材料の電気的応答を測定するための手段とを含む多成分ガス混合物の分析装置である。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態は、各化学/電気活性材料が選択された温度での多成分ガス混合物への暴露時に他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示し、少なくとも1つの材料の電気的応答特性がある値として定量できる、少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイを含むガス検出装置であって、該材料の応答の値が選択された温度で少なくとも約1分の期間のガス混合物への材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる装置である。本発明のさらに別の実施形態は、上に記載されたようなアレイとガス混合物へのアレイの暴露時に化学/電気活性材料の電気的応答を測定するための手段とを含む多成分ガス混合物の分析装置である。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態は、各化学/電気活性材料が、選択された温度での多成分ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す化学/電気活性材料のアレイであって、少なくとも1つの化学/電気活性材料がM、MおよびM(式中、MはCe、Co、Cu、Fe、Ga、Nb、Ni、Pr、Ru、Sn、Ti、Tm、W、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択され、MおよびMはそれぞれ独立してAl、Ba、Bi、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、In、K、La、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Ni、Pb、Pr、Rb、Ru、Sb、Sc、Si、Sn、Sr、Ta、Ti、Tm、V、W、Y、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択されるが、MおよびMはMにおいて同じものではなく、a、bおよびcはそれぞれ独立して約0.0005〜約1であり、かつ、xは存在する酸素が化合物中の他の元素の電荷とバランスするのに十分な数である)よりなる群から選択されるアレイである。本発明のさらに別の実施形態は、上に記載されたようなアレイとガス混合物へのアレイの暴露時に化学/電気活性材料の電気的応答を測定するための手段とを含む多成分ガス混合物の分析装置である。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態は、各化学/電気活性材料が選択された温度での多成分ガス混合物への暴露時に他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、第1および第2化学/電気活性材料のアレイを含むガス検出装置であって、化学/電気活性材料が
(i)第1材料がMであり、第2材料がMである、
(ii)第1材料がMであり、第2材料がMである、
(iii)第1材料がMであり、第2材料がMである、
(iv)第1材料が第1のMであり、第2材料が第2のMである、
(v)第1材料が第1のMであり、第2材料が第2のMである、および
(vi)第1材料が第1のMであり、第2材料が第2のMである
(式中、MはCe、Co、Cu、Fe、Ga、Nb、Ni、Pr、Ru、Sn、Ti、Tm、W、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択され、MおよびMはそれぞれ独立してAl、Ba、Bi、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、In、K、La、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Ni、Pb、Pr、Rb、Ru、Sb
、Sc、Si、Sn、Sr、Ta、Ti、Tm、V、W、Y、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択されるが、MおよびMはMにおいて同じものではなく、a、bおよびcはそれぞれ独立して約0.0005〜約1であり、かつ、xは存在する酸素が化合物中の他の元素の電荷とバランスするのに十分な数である)
よりなる群中のペアリングから選択される装置である。本発明のさらに別の実施形態は、上に記載されたようなアレイとガス混合物へのアレイの暴露時に化学/電気活性材料の電気的応答を測定するための手段とを含む多成分ガス混合物の分析装置である。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態は、(a)各化学/電気活性材料が、ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイと、(b)ガス混合物へのアレイの暴露時に個々に各化学/電気活性材料の電気的応答を測定するための手段とを含む多成分ガス混合物の分析装置である。装置はまた、場合により、アレイの温度を測定するための手段と電気的応答および温度測定をデジタル化するための手段とを含んでもよい。
【0016】
本発明のさらに別の実施形態は、多成分ガス混合物中の少なくとも2種の個々の検体ガス成分の濃度の計算装置であって、(a)各化学/電気活性材料が、ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、少なくとも3つの化学/電気活性材料のアレイと、(b)ガス混合物の分離されていない成分のみへのアレイの暴露時に各化学/電気活性材料の電気的応答を測定するための手段と、(c)化学/電気活性材料の電気的応答から個々の検体ガス成分の濃度を計算するための手段とを含む装置である。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態は、(a)各化学/電気活性材料が、ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、少なくとも3つの化学/電気活性材料のアレイと、(b)ガス混合物へのアレイの暴露時に各化学/電気活性材料の電気的応答を測定するための手段と、(c)(i)第1群の少なくとも2つの化学/電気活性材料の応答から混合物中の亜群のガスの存在を検出し、かつ(ii)第2群の少なくとも2つの化学/電気活性材料の応答から混合物中の個々の成分ガスの存在を検出するための手段とを含む多成分ガス混合物の分析装置である。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態は、
(a)各化学/電気活性材料がガス混合物への暴露時にそれぞれの他の化学/電気活性材料とは異なる電気的応答を示す、少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイを提供する工程と、
(b)アレイをガス混合物に暴露する工程と、
(c)ガス混合物へのアレイの暴露時に個々に各化学/電気活性材料の電気的応答を測定する工程と、
(d)化学/電気活性材料の電気的応答の測定とは独立してガス混合物の温度を測定する工程と、
(e)電気的応答および温度測定をデジタル化する工程と
を含む、多成分ガス混合物の分析方法を含む。
【0019】
本発明のさらに別の実施形態は、
(a)各化学/電気活性材料がガス混合物への暴露時に他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、少なくとも3つの化学/電気活性材料のアレイであって、少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(i)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(ii)暴露前の抵抗と比べて、ガス混合物への材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示すアレイをガス混合物内に提供する工程と、
(b)ガス混合物の分離されていない成分へのアレイの暴露時に各化学/電気活性材料の電気的応答を測定する工程と、
(c)化学/電気活性材料の電気的応答から個々の検体ガス成分のそれぞれの濃度を計算する工程と
を含む、約400℃もしくはそれ以上の温度を有する多成分ガス混合物中の少なくとも2種の個々の検体ガス成分の濃度の計算方法を含む。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態は、
(a)各化学/電気活性材料が選択された温度でのガス混合物への暴露時に他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示し、少なくとも1つの材料の電気的応答特性がある値として定量化できる、少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイであって、該材料の応答の値が選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わるアレイを提供する工程と、
(b)ガス混合物へのアレイの暴露時に各化学/電気活性材料の電気的応答を測定する工程と
を含む、多成分ガス混合物の分析方法を含む。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態は、(a)各化学/電気活性材料が、ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、少なくとも3つの化学/電気活性材料のアレイを提供する工程と、(b)ガス混合物へのアレイの暴露時に各化学/電気活性材料の電気的応答を測定する工程と、(c)(i)第1群の少なくとも2つの化学/電気活性材料の応答から混合物中の亜群のガスの存在、および(ii)第2群の少なくとも2つの化学/電気活性材料の応答から混合物中の個々の成分ガスの存在を検出する工程とによる多成分ガス混合物の分析方法である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】化学/電気活性材料のアレイを描く。
【図2】化学/電気活性材料のアレイにおける、16つの空井孔を形成する、誘電体上層でオーバーレイされた相互にかみ合った電極のパターンの略図である。
【図3】化学/電気活性材料のアレイにおける電極パターン、誘電体パターン、およびセンサー材料パターンを描く。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、可変温度条件下の多成分ガス系中の1種もしくはそれ以上の検体ガスの直接検知方法および装置である。「直接検知」とは、ガス検知材料のアレイが流れるガスの流れ中のような、多成分ガス系を構成するガスの混合物に暴露されることを意味する。アレイはガス混合物内に、より特に、必要ならば、ガス混合物の発生源内に置かれてもよい。あるいはまた、アレイは、ガス混合物が別の場所のその発生源から導かれる室に存在してもよい。アレイが置かれている室にガスが導かれる場合、ガス混合物は、配管、導管または他の好適なガス転送装置によって室に入れられ、室から取り出されてもよい。
【0024】
応答は多成分ガス混合物へのガス検知材料の暴露時に得られてもよく、該応答は、ガス混合物中の検体ガスそのものの1種もしくはそれ以上の濃度の関数であろう。センサー材料は検体ガスのそれぞれに実質的に同時に暴露されるだろうし、検体ガスは、行われるべき混合物および/またはその1種もしくはそれ以上の成分の分析のために多成分ガス混合物から物理的に分離されなければならないことはない。本発明は、例えば、自動車排ガス中の可変温度での、酸素、一酸化炭素、窒素酸化物、ブタンのような炭化水素、CO、HS、二酸化硫黄、ハロゲン、水素、水蒸気およびアンモニアのような、燃焼ガスの濃度を検出するおよび/または測定するのに使用することができる。
【0025】
本発明は、それ故、自動車排ガス系で見出されるより高い温度で、典型的には約400℃から約1000℃の範囲で有用である。さらに、ディーゼルエンジンおよび家庭暖房をはじめとする、本発明を適用できるであろう様々な他の燃焼プロセスがある。これらの適用は、典型的には非常に腐食性環境で、ppm〜パーセントレベルでの窒素酸化物、アンモニア、一酸化炭素、炭化水素および酸素のようなガスの検出を必要とする。本発明はまた、製造プロセス、廃棄物流れ、および環境監視で見出されるもののような他のガス系において、または臭気検出が重要である系および/または医療、農業もしくは食品および飲料産業でのような、より低い温度にある系においてガスを検出するのにも有用である。
【0026】
本発明は、ガス混合物および/またはその成分を分析するのに検知材料のアレイを利用して、例えば、系中の1種もしくはそれ以上の個々の検体ガス成分の存在を検出し、および/またはそれらの濃度を計算する。「アレイ」とは、例えば図1に示されるように、空間的に分離されている少なくとも2つの異なる材料を意味する。アレイは、例えば、3、4、5、6、8、10もしくは12のガス検知材料、または所望のような他のより大きなまたはより小さな数のガス検知材料を含んでもよい。分析されるべき混合物中の個々のガスまたは亜群のそれぞれに対して少なくとも1つのセンサー材料が提供されることが好ましい。しかしながら、混合物中の個々のガス成分および/またはある特定亜群に応答する2つ以上のセンサー材料を提供することが望ましいかもしれない。例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12のセンサーの群を、混合物中の1種もしくはそれ以上の個々の成分ガスおよび/または1種もしくはそれ以上の亜群のガスの存在を検出する、および/またはそれらの濃度を計算するのに使用することができよう。共通して構成要素を有してもまたは有さなくてもよい、異なる群のセンサーをこの目的のために使用することができよう。亜群としての検体である亜群のガスは、構成要素としてそれ自体検体である個々のガスを含有してもまたは含有しなくてもよい。好ましくは各ガス検知材料の主要成分のモル百分率は、他のそれぞれのものとは異なる。
【0027】
使用される検知材料は化学/電気活性材料である。「化学/電気活性材料」は、混合物中の少なくとも1種の個々のガスに対して電気的応答をする材料である。幾つかの金属酸化物半導体材料、それらの混合物、または金属酸化物半導体の他の無機化合物との混合物は、化学/電気活性であり、本発明において特に有用である。本明細書で使用される様々な化学/電気活性材料のそれぞれは、好ましくは、混合物および/または検体ガスへの暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる種類のおよび/または程度の電気的に検出可能な応答を示す。結果として、適切に選ばれた化学/電気活性材料のアレイは、関心のない妨害ガスのその中での存在にもかかわらず、検体ガスと相互作用する、検体ガスを検知する、または、混合物中の1種もしくはそれ以上の検体ガスの存在および/または濃度を測定することによるなど、多成分ガス混合物を分析するのに使用することができる。
【0028】
本発明は、ガス流中に存在すると予期されるそれらのガスを検出するのに有用である。例えば、燃焼プロセスにおいて、存在すると予期されるガスには、酸素、窒素酸化物(NO、NO、NOもしくはNのような)、一酸化炭素、炭化水素(C2n+2、および同様に飽和もしくは不飽和であってもよい、もしくは場合によりヘテロ原子で置換されていてもよい、その環式もしくは芳香族類似物であってもよいような)、アンモニアもしくは硫化水素、二酸化硫黄、CO、またはメタノールが含まれる。他の当該ガスには、アルコール蒸気、溶剤蒸気、水素、水蒸気、飽和および不飽和炭化水素に由来するもの、エーテル、ケトン、アルデヒド、カルボニル、生体分子ならびに微生物が含まれる。当該検体である多成分ガス混合物の成分は、一酸化炭素のような個々のガスであってもよいし、亜群の幾つかであってもよいが、窒素酸化物(NO)のような、混合物中に含まれるガスのすべてでなくてもよく、または1種もしくはそれ以上の個々のガスと1つ
もしくはそれ以上の亜群との組合せであってもよい。亜群のガスが検体である場合、化学/電気活性材料は、一緒にした亜群の構成要素の多成分ガス混合物内全体濃度に応答するであろう。
【0029】
ガス濃度の測定値のような、これらのセンサー材料を用いてガス混合物の組成内容に関連した情報の入手は、1種もしくはそれ以上の検体ガスを含有する混合物への材料の暴露時に材料の、少なくとも1種の、しかし好ましくはそれぞれのおよびすべてのACインピーダンスのような、電気的特性の変化に基づくことができる。ガス混合物の分析はまた、静電容量、電圧、電流またはACもしくはDC抵抗のような、センサー材料の他の電気的特性の変化の程度に関して行うこともできる。DC抵抗の変化は、例えば、一定電圧で温度の変化を測ることによって測定されてもよい。センサー材料のこれら例示的特性の1つの変化は、検体ガスのガス混合物内分圧の関数であり、それは、今度は検体ガスの分子がセンサー材料の表面上に吸着されることになる濃度を決定し、こうして該材料の電気的応答特性に影響を及ぼす。化学/電気活性材料のアレイを使用することにより、1種もしくはそれ以上の検体ガスを含有する混合物への暴露時に材料によって示されるそれぞれの応答のパターンを用いて、多成分ガス系中の少なくとも1種のガスの存在を同時におよび直接検出する、および/またはその濃度を同時におよび直接測定することができる。本発明は、今度は、ガス系の組成を測定するのに用いることができる。本概念は図1に略例示され、下に例証される。
【0030】
例示するために、検体ガスを含有する混合物へのセンサー材料の暴露について下の理論的な例を検討されたい。応答が得られる場合には、事象はプラス(+)として表現され、何の応答も得られない場合には、事象はマイナス(−)として表現される。材料1はガス1およびガス2に応答するが、ガス3には何の応答も示さない。材料2はガス1およびガス3に応答するが、ガス2には何の応答も示さず、材料3はガス2およびガス3に応答するが、ガス1には何の応答も示さない。
【0031】
【表1】

【0032】
それ故、材料1、2および3よりなるアレイが未知ガスに対して次の応答を与えるならば、
【0033】
【表2】

【0034】
その時未知ガスはガス2と特定されるであろう。各センサー材料の応答は、検体ガスの混合物内の分圧、従ってその濃度または亜群の検体ガスの全体濃度の関数であり、応答は、数値のような、処理可能な値として定量化または記録することができよう。かかる場合には、1つもしくはそれ以上の応答の値を用いて、1種もしくはそれ以上の検体ガスの混合
物内濃度に関する定量的情報を生み出すことができる。多成分ガス系では、ケモメトリクス、神経回路網または他のパターン認識法を用いて、系の混合物中の1種もしくはそれ以上のガスの濃度を計算することができる。
【0035】
化学/電気活性材料は任意のタイプのものであり得るが、ZnO、TiO、WO、およびSnOのような半導体金属酸化物が特に有用である。これらの特定材料は、それらの化学的および熱安定性のために有利である。化学/電気活性材料は2種もしくはそれ以上の半導体材料の混合物、もしくは半導体材料の無機材料との混合物、またはそれらの組合せであり得る。当該半導体材料は、アルミナまたはシリカのような、しかしそれらに限定されない絶縁体であり、かつ、多成分ガス混合物の条件下で安定である好適な固体基材上に付着することができる。次に、アレイは基材上に付着されるにつれてセンサー材料の形をとる。他の好適なセンサー材料には、バルクまたは薄膜型の単結晶または多結晶半導体、非晶質半導体材料、および金属酸化物からできていない半導体材料が含まれる。
【0036】
本発明でセンサー材料として使用される化学/電気活性材料は、例えば、式M、M、もしくはM
(式中、
、MおよびMは、酸素の存在下500℃より上で焼成された時に安定な酸化物を形成する金属であり、
は周期表2〜15族およびランタニド族から選択され、
およびMは独立して周期表1〜15族およびランタニド族から選択されるが、MおよびMはMにおいて同じものではなく、
a、b、およびcはそれぞれ独立して約0.0005〜約1の範囲にあり、かつ、
xは存在する酸素が化合物中の他の元素の電荷とバランスするのに十分な数である)
の金属酸化物またはそれらの混合物であってもよい。
【0037】
2個以上の金属を含有する金属酸化物は、化合物または固溶体でなければならないことはないが、個々の金属酸化物の混合物であり得る。それらは、組成勾配を示してもよいし、結晶質または非晶質であり得る。好適な金属酸化物は、
1)約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、約1〜約10オーム−cm、好ましくは約1〜約10オーム−cm、より好ましくは約10〜約10オーム−cmの抵抗率を有するもの、
2)少なくとも1種の当該ガスに対して化学的/電気的応答を示すもの、および
3)安定であり、機械的完全性を有するもの、すなわち、基材に接合することができ、かつ、運転温度で分解しないもの
である。金属酸化物はまた、少量のまたは微量の水和と前駆体材料中に存在する元素とを含有してもよい。
【0038】
幾つかの好ましい実施形態では、金属酸化物材料には、
はCe、Co、Cu、Fe、Ga、Nb、Ni、Pr、Ru、Sn、Ti、Tm、W、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択され、および/または
およびMはそれぞれ独立してAl、Ba、Bi、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、In、K、La、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Ni、Pb、Pr、Rb、Ru、Sb、Sc、Si、Sn、Sr、Ta、Ti、Tm、V、W、Y、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択されるが、MおよびMはMにおいて同じものではない
ものが含まれてもよい。
【0039】
幾つかの他の好ましい実施形態では、金属酸化物には、
がCe、CoO、CuO、FeO、GaO、NbO、NiO
、PrO、RuO、SnO、Ta、TiO、TmO、WO、YbO、ZnO、ZrO、Ag添加物入りSnO、Ag添加物入りZnO、Pt添加物入りTiO、フリット添加物入りZnO、フリット添加物入りNiO、フリット添加物入りSnO、もしくはフリット添加物入りWOであり、および/または
がAlCr、AlFe、AlMg、AlNi、AlTi、Al、BaCu、BaSn、BaZn、BiRu、BiSn、BiZn、CaSn、CaZn、CdSn、CdZn、CeFe、CeNb、CeTi、Ce、CoCu、CoGe、CoLa、CoMg、CoNb、CoPb、CoSn、Co、Co、CoZn、CrCu、CrLa、CrMn、CrNi、CrSi、CrTi、Cr、CrZn、CuFe、CuGa、CuLa、CuNa、CuNi、CuPb、CuSn、CuSr、CuTi、CuZn、CuZr、FeGa、FeLa、FeMo、FeNb、FeNi、FeSn、FeTi、Fe、FeZn、FeZr、GaLa、GaSn、GeNb、GeTi、InSn、KNb、MnNb、MnSn、MnTi、Mn、MnZn、MoPb、MoRb、MoSn、MoTi、MoZn、NbNi、NbNi、NbSr、NbTi、Nb、NbZr、NiSi、NiSn、Ni、NiZn、NiZr、PbSn、PbZn、Rb、RuSn、Ru、RuZn、SbSn、SbZn、ScZr、SiSn、SiTi、Si、SiZn、SnTa、SnTi、Sn、SnZn、SnZr、SrTi、TaTi、TaZn、TaZr、Ti、Ti、TiZn、TiZr、VZn、VZr、WZn、WZr、YZr、ZnZr、フリット添加物入りAlNi、フリット添加物入りCrTi、フリット添加物入りFeLa、フリット添加物入りFeNi、フリット添加物入りFeTi、フリット添加物入りNbTi、フリット添加物入りNb、フリット添加物入りNiZn、フリット添加物入りNiZr、フリット添加物入りSbSn、フリット添加物入りTaTi、またはフリット添加物入りTiZnであり、および/または
がAlMgZn、AlSi、BaCuTi、CaCeZr、CoNiTi、CoNiZr、CoPbSn、CoPbZn、CrSrTi、CuFeMn、CuLaSr、FeNbTi、FePbZn、FeSrTi、FeTaTi、FeZr、GaTiZn、LaMnNa、LaMnSr、MnSrTi、MoPbZn、NbSrTi、NbSr、NbTiZn、NiSrTi、SnZn、SrTi、SrTiZn、もしくはTiZrである
ものが含まれてもよい。
【0040】
幾つかの他の好ましい実施形態では、金属酸化物材料には、第1および第2化学/電気活性材料のアレイ中にあるものであって、化学/電気活性材料が
(i)第1材料がMであり、第2材料がMである、
(ii)第1材料がMであり、第2材料がMである、
(iii)第1材料がMであり、第2材料がMである、
(iv)第1材料が第1のMであり、第2材料が第2のMである、
(v)第1材料が第1のMであり、第2材料が第2のMである、および
(vi)第1材料が第1のMであり、第2材料が第2のMである
(式中、MはCe、Co、Cu、Fe、Ga、Nb、Ni、Pr、Ru、Sn、Ti、Tm、W、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択され、MおよびMはそれぞれ独立してAl、Ba、Bi、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、In、K、La、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Ni、Pb、Pr、Rb、Ru、Sb、Sc、Si、Sn、Sr、Ta、Ti、Tm、V、W、Y、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択されるが、MおよびMはMにおいて同じものではなく、a、bおよびcはそれぞれ独立して約0.0005〜約1であり、かつ、xは存在する酸素が化合物中の他の元素の電荷とバランスするのに十分な数である)
よりなる群中のペアリングから選択されるものが含まれてもよい。
【0041】
半導体材料は、基材への接着を促進するための、またはセンサー材料の導電性、抵抗または選択性を変える1種もしくはそれ以上の添加物を場合により含有してもよい。接着を促進するための添加物の例は、細砕されたガラスであるフリット、または加熱するとガラスもしくはエナメルへ変わる細砕された無機材料である。例示的なフリットには、デュポン・アイテクノロジーズ(DuPont iTechnologies)から入手可能な、F2834、F3876、F2967、KH770、KH710およびKH375と称されるものが含まれる。これらは、それからセンサー材料が製造される組成物の30容積パーセント以下の量で使用されてもよい。導電性、抵抗または選択性を変えるための添加物の例には、フリットだけでなくAg、AuまたはPtが挙げられる。
【0042】
必要ならば、センサー材料はまた、例えば、当該ガスの酸化を触媒するもしくは特定検体ガスに対する選択性を増進する添加物を含有してもよいし、またはn半導体をp半導体に、もしくは逆に変換する1種もしくはそれ以上のドーパントを含有してもよい。これらの添加物は、それからセンサー材料が製造される組成物の30重量パーセント以下の量で使用されてもよい。使用される任意のフリットまたは他の添加物は、製造される時にセンサー材料の全体にわたって一様にまたは均質に分配される必要はないが、要望通りその特定表面の上にもしくは近くに局在化されてもよい。各化学/電気活性材料は、必要に応じて、多孔質の誘電性オーバー層でカバーされてもよい。好適なオーバー層はデュポン・アイテクノロジーズ製のQM44である。
【0043】
基材への化学/電気活性材料のいかなる付着方法も好適である。付着に用いられる一技法は、その上に電極がスクリーン印刷されているアルミナ基材上に半導体材料を塗布することである。半導体材料は、基材上への半導体材料の手塗り、井孔(well)中への材料のナノピペッディング、薄膜付着、または厚膜印刷法によって電極の上面上に付着することができる。ほとんどの技法には、その後に半導体材料を焼結するための最終焼成が続く。
【0044】
電極および化学/電気活性材料付き基材のスクリーン印刷法は図2〜3に例示されている。図2は、誘電体でオーバーレイされた互いにかみ合った電極を用いて、その中へ化学/電気活性材料を付着することができる空井孔を形成する方法を描く。図3は、12材料アレイ・チップを提供するために基材の両面上に印刷されている6材料のアレイ用の電極
スクリーンパターンを描く。電極の2つは並列であり、その結果それはたった6つの独特の材料を保持するにすぎない。図3に示されるアレイの上面からカウントダウンして、上面2つの材料は、それらが共接触している分割電極によって同時にアクセスされ得るにすぎない。その下に、ショートの原因になり得るすすの付着のような、ガス混合物との接触によって材料が汚されるのを防ぐために基材両面上の電極の上面上にスクリーン印刷されている誘電体用のスクリーンパターンがある。その下に実半導体材料用のスクリーンパターンがある。これは電極の上面上の誘電体中の穴に印刷されている。2種以上の材料がアレイに使用されている場合、個々の材料は一つずつ印刷される。
【0045】
電気的応答は、ガス混合物へのアレイの暴露時に各化学/電気活性材料について測定され、応答を測定するための手段にはセンサー材料を相互連結する導体が含まれる。導体は、今度は、センサー材料によって示された応答を電気信号の形で測定し、記録するのに適切なものとしてデータ収集および操作デバイスを含む、電気入力および出力回路部品に接続される。抵抗に関連した測定値のような応答の値は、信号のサイズによって示されてもよい。検体が1種もしくはそれ以上のガスであろうとおよび/または1種もしくはそれ以上の亜群のガスであろうと、1個もしくはそれ以上の信号が混合物中の各検体成分に関してセンサーのアレイによって生み出されるかもしれない。
【0046】
電気的応答は、各個々の化学/電気活性材料について他の化学/電気活性材料のそれぞれのそれとは別個に測定される。これは、例えば、時間領域または周波数領域で一材料と別材料との間で区別された信号を提供するためのマルチプレクサーを用いて、各化学/電気活性材料を電流に後でアクセスさせることによって成し遂げることができる。その結果として、何の化学/電気活性材料も任意の他のかかる材料と直列回路で連結されないことが好ましい。それにより電流が化学/電気活性材料へ通される一電極は、それにもかかわらず、2種以上の材料と接触するべくレイアウトすることができる。電極は、アレイ中のすべての、すべてよりも少ない化学/電気活性材料と接触してもよい。例えば、アレイが12の化学/電気活性材料を有する場合、電極は、2、3、4、5もしくは6の(または、場合により、各場合ではもっと多い)群の化学/電気活性材料の各構成要素と接触してもよい。電極は、電流がかかる群の化学/電気活性材料の各構成要素へ連続して通されるのを可能にするべく好ましくはレイアウトされるであろう。
【0047】
プリント回路のような導体が電源をセンサー材料に接続するのに使用されてもよく、電圧がセンサー材料にかけられる場合、相当する電流が材料を通って生じる。電圧はACまたはDCであってもよいが、電圧の大きさは典型的には一定に保持されるであろう。生じる電流は、かけられた電圧およびセンサー材料の抵抗の両方に比例する。電流、電圧または抵抗のいずれかの形での材料の応答が測定され、そうするための手段には、高精度抵抗器、フィルターキャパシターおよび演算増幅器(OPA4340のような)のような商業用アナログ回路部品が含まれる。電圧、電流および抵抗は、それぞれ、他の2電気的特性の既知関数であるので、一特性についての既知量は別の特性のそれに容易に変換されるかもしれない。
【0048】
抵抗は、例えば、電気的応答のデジタル化に関連して測定されてもよい。電気的応答をデジタル化するための手段には、当該技術で公知のような、アナログ−デジタル(A/D)変換器が含まれ、例えば、比較器の操作を伴う電気部品および回路部品が含まれるかもしれない。センサー材料に電圧をかけることの結果として上に記載されたように生じる電圧信号の形での電気的応答は、比較器部分(LM339のような)への入力として用いられる。比較器への他の入力は、演算増幅器(LT1014のような)および外部トランジスター(PN2007Aのような)から構成される一定電流源を用いてキャパシターを充電することにより生み出されるリニアランプによって駆られる。ランプはマイクロコンピューター(T89C51CC01のような)によって制御され、監視される。第2比較器
部分もまたランプ電圧によっても駆られるが、正確な基準電圧と比較される。マイクロコンピューターは、ランプの開始から比較器の活性化までの時間の長さを捕らえて、カウントされた時間に基づいた信号を発生させる。
【0049】
次にセンサー材料の抵抗が、材料の電圧出力から生じる時間信号対既知検査電圧および、究極的には、検査電圧の関数である抵抗に相当する時間信号の比からマイクロコンピューターによって、ある値として計算される、または定量化される。T89C51CC01のようなマイクロプロセッサーチップをこの機能のために用いることができる。マイクロプロセッサーチップはまた、上のように測定された抵抗を前に測定された抵抗の値と比較することによってセンサー材料の抵抗の変化を測定するための手段としても役立つ。
【0050】
インピーダンスまたは静電容量のような電気的特性は、例えば、インピーダンス計、静電容量計またはインダクタンス計のような回路部品の使用によって測定されてもよい。
【0051】
化学/電気活性材料のアレイの温度をデジタル化するための手段は、例えば、物理的特性、温度測定デバイスの状態または状況を代表する信号をカウント時間に基づく信号に変換する、上に記載されたような部品を含むことができる。
【0052】
一実施形態では、多成分ガス混合物の分析は、上に記載されたようなやり方で、抵抗のような電気的応答の発生時に完結する。ガス混合物への暴露時にセンサー材料によって示される抵抗の測定は、1種もしくはそれ以上の成分ガスの混合物内分圧の関数であるので、測定された抵抗はガス混合物の組成に関して有用な情報を提供する。該情報は、例えば、ある特定ガスまたは亜群のガスの混合物内の存在または不在を示すかもしれない。しかしながら、他の実施形態では、1種もしくはそれ以上の特定成分ガスもしくは亜群のガスの混合物内相対濃度に関する情報を得るのに、または1種もしくはそれ以上の特定成分ガスもしくは亜群の混合物内実濃度を計算するのに必要なやり方で電気的応答を操作する、またはさらに操作することが好ましいかもしれない。
【0053】
1種もしくはそれ以上の個々の成分ガスおよび/または1つもしくはそれ以上の亜群のガスの混合物内相対濃度に関する情報を得るための手段、または1種もしくはそれ以上の個々の成分ガスおよび/または亜群の混合物内の存在を検出する、もしくは実濃度を計算するための手段には、信号前処理および出力後処理に加えて、PLS(潜在的システム上への投影)モデル、逆伝搬神経回路網モデル、または該2つの組合せのいずれかを組み込んだモデル化アルゴリズムが含まれてもよい。信号前処理には、主成分分析、単線形変換および拡大縮小、対数および自然対数変換、生信号値(例えば、抵抗)の差別、および対数値の差別のような操作が含まれるが、それらに限定されない。アルゴリズムは、そのパラメーターが以前に決定されたモデルであって、前処理された入力信号と当該種のガス濃度に関連した情報との間の関係を経験的にモデル化するモデルを含む。出力後処理には、上にリストされた操作のすべて、ならびにそれらの逆操作が含まれるが、それらに限定されない。
【0054】
モデルは方程式を用いて構築され、その式で定数、係数または他のファクターは、分析されるべき混合物中の成分として存在すると予期される特定の個々のガスまたは亜群への個々のセンサー材料の正確に測定された電気的応答に特有のあらかじめ定められた値から導かれる。方程式は、ガス混合物への暴露時にセンサー材料によって示される電気的応答とは別個のおよび別の値として温度を考慮に入れる任意のやり方で構築されてもよい。アレイの各個々のセンサー材料は、混合物中の成分ガスまたは亜群の少なくとも1つに対するその応答の点で他のセンサーのそれぞれとは異なり、センサーのそれぞれのこれら異なる応答が測定され、モデルに用いられる方程式を構築するのに用いられる。
【0055】
化学/電気活性材料が暴露されるであろう混合物中に含有される検体ガスは、単一ガス、一緒にした亜群のガス、または窒素のような不活性ガスと混合した1種もしくはそれ以上のガスもしくは亜群であり得る。特定の当該ガスはドナー・ガスおよびアクセプター・ガスである。これらは、一酸化炭素、HSおよび炭化水素のような、半導体材料に電子を供与するか、またはO、窒素酸化物(一般にNOと表現される)、およびハロゲンのような、半導体材料から電子を受容するかのどちらのガスである。ドナー・ガスに暴露された時、n型半導体材料は電気抵抗が減少し、電流を増加させ、それ故、それはIR加熱のために温度の上昇を示すであろう。アクセプター・ガスに暴露された時、n型半導体材料は電気抵抗が増加し、電流を減少させ、それ故、IR加熱のために温度の低下を示すであろう。p型半導体材料では各場合に逆が起こる。
【0056】
その厚さのような特性をはじめとする、アレイで二次加工されるようなセンサー材料の形状大きさ、センサーとして使用するための化合物または組成物の選択、およびアレイにかけられる電圧は、必要とされる感度に依存して変わり得る。センサー材料は、約1〜約20ボルト、好ましくは約1〜約12ボルトの電圧がセンサー材料にかけられる回路で並列で好ましくは接続される。多成分ガス混合物の分析を行う場合、アレイ中の各化学/電気活性センサー材料は1種もしくはそれ以上の検体ガスを含有する混合物への暴露時にアレイ中の他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示すことが好ましい。
【0057】
述べたように、測定されてもよい電気的応答特性のタイプには、ACインピーダンスまたは抵抗、静電容量、電圧、電流またはDC抵抗が含まれる。センサー材料の電気的応答特性として抵抗を用いることが好ましく、抵抗はガス混合物および/またはその中の成分の分析を行うために測定される。例えば、好適なセンサー材料は、約400℃もしくはそれよりも高い温度にある時に、少なくとも約1オーム−cm、好ましくは少なくとも約10オーム−cm、かつ、それでも約10オーム−cm以下、好ましくは約10オーム−cm以下、より好ましくは約10オーム−cm以下の抵抗率を有するものであるかもしれない。かかるセンサー材料はまた、好ましくは約400℃もしくはそれよりも高い温度で、ガス混合物への暴露時に、暴露なしの抵抗と比べて、少なくとも約0.1パーセント、好ましくは少なくとも約1パーセントの抵抗の変化を示すものとして特徴づけられるかもしれない。
【0058】
混合物および/またはその中の当該ガス成分を分析するという目的のために測定される応答特性のタイプにかかわらず、該応答特性の定量化された値が長期間にわたって安定であるセンサー材料が利用されることが望ましい。センサー材料が検体を含有する混合物に暴露される時、検体の濃度はそれが含有されている特定ガス混合物の組成の関数であり、センサー材料の応答の値は一定温度での長期間にわたる混合物への暴露の間好ましくは一定のままであるかまたは少しだけ変わるにすぎない。例えば、応答の値は、それが変わるとしても、少なくとも約1分の期間、または好ましくは少なくとも約1時間、好ましくは少なくとも約10時間、より好ましくは少なくとも約100時間、最も好ましくは少なくとも約1000時間のような期間にわたって約20パーセント以下、好ましくは約10パーセント、より好ましくは約5パーセント以下、最も好ましくは約1パーセント以下だけ変わるであろう。上に記載されたタイプのセンサー材料の一利点は、それらが応答のこの種の安定性によって特徴づけられることである。
【0059】
ガス混合物が約400℃よりも高い温度である用途では、センサー材料およびアレイの温度は、ガス検体が含有されるガス混合物の温度によってのみ実質的に測定されてもよく、好ましくは該温度によって専ら測定される。これは典型的には可変の温度である。より高い温度ガスが分析されつつある時、センサー材料を迅速に最低温度にするためにアレイにヒーターを備えつけることが望ましい。しかしながら、いったん分析が始まったら、ヒ
ーター(使用される場合)のスイッチは典型的には切られ、あらかじめ選択された温度にセンサー材料を維持するための何の方法も提供されない。こうしてセンサー材料の温度は、周囲環境の温度が上昇または低下するのと同程度に上昇または低下する。周囲環境、従ってセンサーおよびアレイの温度は、実質的にはアレイが暴露されるガス混合物の温度のみによって典型的には測定される(または該温度に由来する)。
【0060】
ガス混合物が約400℃よりも下である用途では、センサー材料およびアレイを約400℃もしくはそれよりも高いあらかじめ選択された温度に維持することが好ましいかもしれない。このあらかじめ選択された温度は、実質的に一定であってもよいし、または好ましくは一定である。あらかじめ選択された温度は約500℃もしくはそれ以上、約600℃もしくはそれ以上、または約700℃もしくはそれ以上であってもよい。これは、当該技術で公知のようなやり方で、アレイに組み込まれたヒーターで都合よく行われてもよい。ガス混合物の温度はまた約300℃よりも下、約200℃よりも下、または約100℃よりも下であってもよい。
【0061】
アレイの温度の変化は半導体材料の電気的応答特性、例えば抵抗の定量化された値の変化によって示されるかもしれない。当該ガスの混合物中一定分圧で、センサー材料の電気的応答特性の値は、アレイ、従って材料の温度の変化と共に変化するかもしれない。電気的応答特性の値のこの変化は、温度、従って温度についての値、の変化の程度を測定するまたは測るという目的のために測定されてもよい。温度のこの測定がガス混合物の組成内容に関連した情報とは無関係に行われることは、必要とはされないが、好ましい。これは、温度を測定するという追加目的のために組成情報を提供するセンサーを使用しないことによって、および場合により、直列でよりもむしろ、並列回路で温度測定デバイスをセンサー材料と接続することによって行うことができる。温度を測定するための手段には、センサーのアレイに組み込まれた熱電対または高温計が含まれる。温度測定デバイスが典型的には検体ガスに応答しない材料であるサーミスタである場合、サーミスタは、それからガスセンサーのいずれかが製造されている材料とは異なる材料から好ましくは製造される。温度または温度の変化が測定される方法にかかわらず、温度値または定量化された温度の変化は、好ましくはデジタル化された形で、所望の入力であり、その入力からガスの混合物および/またはその中の成分の分析が行われてもよい。
【0062】
本発明の方法および装置では、様々な先行技術とは異なり、例えば膜または電解槽によってなど、分析を行うという目的のために混合物の成分ガスを分離する必要がない。本発明の手段によって分析を行う場合、例えば、応答または分析結果をベースライン値に戻すという目的のためになど、比較ガスを使用する必要もない。その間ずっと各個々の検体ガスへの各個々のセンサー材料の暴露に帰せられるべき標準化応答値が測定される予備試験を除いて、センサー材料は、検体ガスおよび/または亜群が含有されている混合物へのみ暴露される。センサー材料は、検体を含有する混合物への暴露から得られるものと比較のための応答値を得るためにいかなる他のガスへも暴露されることはない。それ故混合物の分析は、検体を含有する混合物への化学/電気活性材料の暴露時に得られる電気的応答からのみ行われる。検体ガスおよび/または亜群に関する何の情報も、混合物内に含有されるような検体そのもの以外の任意のガスへのセンサー材料の暴露によって推論されない。
【0063】
それ故本発明は、多成分ガス系中の1種もしくはそれ以上のガスの存在および/または濃度の直接検知方法および装置であって、多成分ガス流れ中のガスを検出するために選ばれた少なくとも2つの化学/電気活性材料を含んでなる方法および装置を提供する。多成分ガス系は、センサー材料が分解するか、さもなければセンサー装置が誤動作するのに低くもまたは高くもない本質的に任意の温度であり得る。一実施形態では、ガス系は約0℃〜約100℃未満の範囲の室温(約25℃)またはそれ以外のようなより低い温度にあってもよいが、別の実施形態では、ガス混合物は約400℃〜約1000℃の範囲のような
より高い温度にあってもよい。
【0064】
本発明は、より高い温度にあるかもしれないガス混合物−例えば、自動車、ディーゼルエンジンまたは家庭暖房装置の排気または排ガスのような燃焼流れに見出されるようなガス−に適用できる。しかしながら、本発明はまた、製造プロセス、廃棄物流れ、および環境監視におけるような、または臭気検出が重要である系および/または例えば医療、農業もしくは食品および飲料産業などでの、より低い温度にある系におけるような、他の発生源ガス混合物にも適用できる。化学/電気活性材料のアレイは、例えば、ガスクロマトグラフの結果を補完するのに、またはガスクロマトグラフを較正するのに用いることができよう。それ故ガス混合物は、約100℃もしくはそれ以上、約200℃もしくはそれ以上、約300℃もしくはそれ以上、約400℃もしくはそれ以上、約500℃もしくはそれ以上、約600℃もしくはそれ以上、約700℃もしくはそれ以上、または約800℃もしくはそれ以上であるが、それでも約1000℃未満である、約900℃未満である、約800℃未満である、約700℃未満である、約600℃未満である、約500℃未満である、約400℃未満である、約300℃未満である、約200℃未満である、または約100℃未満である温度を有する。
【0065】
本発明は、ガス混合物への暴露時にアレイ中に存在する化学/電気活性材料のそれぞれによって示される応答を測定する、測るおよび記録するための手段をさらに提供する。例えば、電気的特性の変化を測定する、測るおよび記録するであろう任意の手段を用いることができる。これは、例えば、それらの表面での吸着ガス分子の濃度に応じて材料のACインピーダンスの変化を測定することができるデバイスであってもよい。電気的特性を測定するための他の手段は、例えば、静電容量、電圧、電流またはDC抵抗を測定するのに用いられる好適なデバイスであり得る。あるいはまた、検知材料の温度の変化が測定され、記録されてもよい。化学検知方法および装置は、ガスの存在が確認され、かつ、それらの濃度が測定されるように、混合物および/または検出ガスを測定するまたは分析するための手段をさらに提供するかもしれない。これらの手段は、例えば、ケモメトリクス、神経回路網または他のパターン認識法を行うことができる器械または装置を含むことができる。化学センサー装置は、化学/電気活性材料のアレイ用のハウジングと、検出手段と、分析手段とをさらに含んでなるであろう。
【0066】
本発明はまた、多成分ガス系中の1種もしくはそれ以上のガスの存在および/または濃度を直接検知するための化学センサーであって、基材と、1種もしくはそれ以上のあらかじめ定められたガスを検出するために選ばれた少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイと、ガス系への暴露時に存在する化学/電気活性材料のそれぞれにおける電気的特性の変化を検出するための手段とを含む化学センサーをも提供する。
【0067】
センサー材料のアレイは、多成分混合物の幾つかの他の成分の存在によってもたらされる競争反応にもかかわらず、当該検体を検出できるべきである。この目的のために、本発明は、本明細書で記載されるように、そのそれぞれが検出されるべき混合物のガス成分の少なくとも1種に対して異なる感度を有する、多センサー材料のアレイを用いる。必要とされる感度を有し、かつ、上に記載されたタイプの分析測定値および結果を生み出すために動作することができるセンサーは、それからセンサーが製造される材料の適切な組成物の選択によって得られる。この目的に好適な材料の様々な組成物は上に記載されている。アレイ中のセンサーの数は、典型的には、混合物中の分析されるべき個々のガス成分の数よりも大きいかまたはそれに等しい。
【0068】
分析されるべきガス混合物は、プロセスによって排出されてもよいし、またはデバイスに送られる化学反応の生成物であってもよい。かかる場合には、本発明の装置は、プロセスまたはデバイスを制御するという目的のために、アレイの電気的応答、および場合によ
り温度測定を利用するための手段をさらに含んでもよい。
【0069】
プロセスまたはデバイスを制御するために、センサー材料の電気的応答、および場合により温度測定を利用するための手段には、例えば、内燃エンジン中で起こる燃焼の化学反応を制御するための、あるいはエンジンそのもの、またはそれに関連した部品もしくは装置を制御するための意思決定ルーチンが含まれる。
【0070】
燃焼は、炭化水素燃料の酸化の化学反応がエンジンのシリンダー中で起こるプロセスである。エンジンは該化学反応の結果が送られるデバイスであり、該結果は、シリンダー中のピストンを動かすのに必要な作業のために燃焼反応によって生み出される力である。ガスの多成分混合物を排出するプロセスの別の例は、燃料電池で起こる化学反応であり、化学反応の生成物が送られるデバイスの他の例は、炉でもしくは発電用に用いられるようなボイラー、または汚染対策処理のために廃ガスが送られる煙突のスクラバーである。
【0071】
エンジンの場合には、燃焼のプロセスまたはエンジンそのものの運転を制御するために、マイクロコンピューター(T89C51CC01のような)が燃焼のプロセスの様々なパラメーターに関してまたはエンジンの動作特性に関して多数の意思決定ルーチンを行う。マイクロコンピューターは、エンジン排気の組成内容に関する情報を集め、排気の流れへ暴露された化学/電気活性材料のアレイの応答を得ることによってそのようにし、場合により温度測定値を得る。情報は一時的にランダム・アクセス・メモリに蓄えられ、次にマイクロコンピューターは、1つもしくはそれ以上の意思決定ルーチンを情報に加える。
【0072】
意思決定ルーチンは、1つもしくはそれ以上のアルゴリズムおよび/または数学操作を利用して習得情報を操作し、プロセスの特定パラメーターによってまたはデバイスの動作特性によって処理されるべきである所望の状態または状況と同等である値の形で決定をもたらす。意思決定ルーチンの結果に基づいて、指示は、プロセスのパラメーターまたはデバイスの動作特性の状態または状況の調節をもたらすマイクロコンピューターによって与えられるかまたは制御される。燃焼の化学反応によって体現されるプロセスの場合には、プロセスは、それに供給される反応体の相対量のような、反応のパラメーターを調節することによって制御することができる。シリンダーへの燃料または空気の流れは、例えば、増やすかまたは減らすことができる。燃焼の反応の結果が送られるデバイスである、エンジンそのものの場合には、制御は、トルクまたはエンジン速度のようなエンジンの動作特性を調節することによって成し遂げることができる。
【0073】
次の非限定的な実施例は、本発明を例示することを意図されるが、決してそれを限定することを意図されない。下に提供される実施例では、「チップ」は、電極と検知材料と、誘電体が使用される場合には誘電体とを含んでなるアルミナ基材を記載するのに用いられる。表記法「X%A:MO」は、別の無機化合物(A)が指定濃度(原子基準でX%)で金属酸化物(MO)に添加されたことを意味する。用語「フリット」は、ある温度で通常ガラスを形成する無機化合物の混合物を記載するのに用いられる。
【実施例】
【0074】
センサー材料を製造するために、ならびに赤外(IR)サーモグラフィックおよびACインピーダンス法を用いて信号を測定するために用いてもよい典型的技法を下に記載する。
【0075】
IRサーモグラフィック試料および測定
ガスまたはガス混合物へ暴露された時のセンサー材料のインピーダンスの変化は、赤外サーモグラフィック画像形成のような技法により材料試料の温度の変化を測ることによって測定してもよい。
【0076】
A.アレイ・チップ製造
図2に示す、相互にかみ合った電極パターンをアルミナ基材(コアーズ・テック(Coors Tek)から入手、96%アルミナ、1インチ×0.75インチ×0.025インチ)上へスクリーン印刷することによってブランク・アレイ・チップを製造した。半自動スクリーン印刷機(ETPエレクトロ−ダイアル(Electro−dial)、シリーズL−400)を用いた。電極ペーストはデュポン・アイテクノロジーズ、製品#5715から入手可能である。使用した電極スクリーン(マイクロサーキット・エンジニアリング・コーポレーション(Microcircuit Engineering Corporation)から入手)は0.5ミルのエマルジョン厚さを有した。スクリーン印刷後に、部品を対流式オーブン中120℃で10分間乾燥し、次に焼成した。焼成は、10ゾーンベルト・リンドバーグ(Lindberg)炉を用いて30分のサイクル時間および850℃のピーク温度10分間で、空気中で行った。電極を基材上へ焼成した後、図2に示した誘電体(デュポン・アイテクノロジーズ、製品#5704)パターンを、0.9ミルのエマルジョン厚さを有するスクリーン(マイクロサーキット・エンジニアリング・コーポレーション)を使って電極の一面にスクリーン印刷した。次に部品を120℃で10分間乾燥し、上に記載したのと同じ焼成サイクルを用いて焼成した。
【0077】
B.半導体金属酸化物製造およびアレイ・チップへの塗布
約175mgの半導体金属酸化物粉末もしくは好適なガラスフリットとの半導体金属酸化物の混合物(デュポン・アイテクノロジーズ製品#F2889もしくはF3876)または他の無機化合物との半導体金属酸化物粉末の混合物を、約75mgの好適な媒体(デュポン・アイテクノロジーズ製品#M2619)および1mgの好適な界面活性剤(デュポン・アイテクノロジーズ製品#R0546)と共にガラススライド上へ量り分けた。媒体および界面活性剤を一緒に混合し、湿潤化を確実にするため金属酸化物粉末または混合物を媒体および界面活性剤に徐々に加えた。必要ならば、この時、粘度を低下させるのに好適な溶剤(デュポン・アイテクノロジーズ製品#R4553)を加えた。次にペーストをより十分な混合のために瑪瑙の乳鉢および乳棒に移した。細く先のとがった木製塗布具を用いて、次に、非常に少量のペーストをアレイ・チップの井孔の1つ中へ入れた。アレイ・チップ上の井孔のすべてを満たすまで、この手順を金属酸化物粉末または混合物のそれぞれで繰り返した。いったんアレイ・チップ上の井孔をペーストで満たしたら、アレイ・チップを、Nガスの低い流れがチップの上方を通過している密室中に放置した。次にアレイ・チップを120℃で10分間乾燥した。焼成を、フィッシャー(Fisher)プログラム化可能箱形炉を用いて650℃まで1℃/分の昇温速度で、その温度にそれを30分間保持して空気中で行った。冷却速度は室温まで5℃/分であった。
【0078】
C.アレイ・チップの配線
0.005インチ白金線の約1.5インチを用いてリード線を製造した。線の一端は裸であり、他端はメスRS232コネクタに接続した。導電性ペースト(ペルコ(Pelco)製品#16023)を用いて白金リード線の裸端をアレイ・チップ上の開放導体パッドの1つに取りつけた。第2のリード線を同じ方法でアレイ・チップ上の他の開放導体パッドに取りつけた。次にチップを120℃で少なくとも4時間乾燥させた。
【0079】
D.IRサーモグラフィ測定
試験室は、ガス流用の注入および排出バルブ、1インチMgF窓、2つの熱電対フィードスルーならびに2つの電気フィードスルーを含む2.75インチ立方体を含んでなった。電気フィードスルーは、試料ヒーター(アドバンスト・セラミックス(Advanced Ceramics)、ボラレクトリック(Boralectric)ヒーター#HT−42)および電圧/電流測定装置(ケイスレイ・インスツルメンツ(Keithley
Instruments)モデル#236)への接続を提供した。ガス流はマルチガス
制御装置(MKSモデル#647B)を用いて調節した。試料ヒーターはハンプトン・コントローールズ(Hampton Controls)製の装置(70VAC/700W位相角)を用いて制御した。測定の間ずっと100μmクローズアップレンズを用いて、赤外線カメラ(インフラメトリックス(Inframetrics)PM390)の焦点をアレイ・チップの前面に合わせた。
【0080】
測定を行う前に、試料を試験室内の試料ヒーターの上面上に置いた。次にアレイ・チップに接続したリード線上のメスピンを電圧/電流測定装置に接続した電気フィードスルーに接続した。室を閉鎖し、IRカメラの視経路中に置いた。次にガス(100sccmのN、25sccmのO)を試料の加熱の間ずっと室中へ流れさせた。次に、電圧/電流測定装置のスイッチを入れて電圧をかける前に、試料を所望の温度へ加熱し(約10℃/分)、平衡させた。電圧を典型的に調節して、アレイを通して10〜20mAの電流を流れさせた。
【0081】
材料のアレイのIRサーモグラフィック画像を、次のガス(N、O、ならびに1%CO/99%N、1%NO/99%Nおよび1%C10/99%N)の流れ中で各変更の20分後に撮影した。特に記載のない限り、下に記載するすべてのガス混合物の含有率は容積パーセントで提示する。実施例で温度信号を求めるために、2%O/98%N中での材料の温度を他のガス混合物中でのそれらの温度から差し引いた。温度引き算を行うためにサームモニター(ThermMonitor)95プロ(Pro)、バージョン1.61(サーモテクニックス・システムズ社(Thermoteknix Systems,Ltd.))を用いた。ドナー・ガスに暴露された時、n型半導体材料は抵抗率が減少し、電流を増加させるので、IR加熱による温度の上昇を示すであろう。アクセプター・ガスに暴露された時、n型半導体材料は抵抗率が増加し、電流を減少させるので、IR加熱による温度の低下を示すであろう。p型半導体材料では逆が起こる。
【0082】
ACインピーダンス試料および測定
A.半導体金属酸化物ペースト調製
約2〜3グラムの半導体金属酸化物粉末もしくは好適なガラスフリットとの半導体金属酸化物の混合物(デュポン・アイテクノロジーズ製品#F2889もしくはF3876)または他の無機化合物との半導体金属酸化物の混合物を、約40〜70重量%固形分を与えるのに十分な量の好適な媒体(デュポン・アイテクノロジーズ製品#M2619)と共に量り分けた。次にこれらの材料を混和機(フーバー(Hoover)自動混和機、モデル#M5)に移し、そこでそれらを何の乾燥粉末も残っていなくなるまでスパチュラを用いて一緒に混合した。必要ならば、粘度を低下させるためにデュポン・アイテクノロジーズ製品#R0546のような、好適な界面活性剤を添加した。パス当たり25回転で約6パスにわたって500グラムの重量のすり棒を用いてさらなる混合を行った。次に完成ペーストを必要とされるまで容器に移した。
【0083】
B.単一センサー製造
検知材料のアレイではなく単一材料を用いて検知チップの幾つかを製造した。長さ0.4インチであり、アルミナ基材(コアーズ・テック、96%アルミナ、1インチ×1インチ×0.025インチ)上へ0.008インチ間隔を有する電極で互いにかみ合った電極パターンをスクリーン印刷することによって単一検知試料チップを製造した。半自動スクリーン印刷機(ETPエレクトロ−ダイアル、シリーズL−400)を用いた。電極ペースト(製品#5715)はデュポン・アイテクノロジーズから入手可能である。電極スクリーン(マイクロサーキット・エンジニアリング・コーポレーション)は0.5ミルのエマルジョン厚さを有した。印刷後に、ペーストを対流式オーブン中120℃で10分間乾燥し、次に焼成した。焼成は、10ゾーンベルト炉(リンドバーグ)を用いて30分のサ
イクル時間および850℃のピーク温度10分間で行った。次に0.5インチ×0.5インチ開口部付きスクリーン(マイクロサーキット・エンジニアリング・コーポレーション)を用いてセンサー材料を基材上にスクリーン印刷した。このスクリーンは1.0ミルのエマルジョン厚さを有した。センサー材料を印刷した後、部品を対流式オーブン中120℃で10分間乾燥した。この時点で部品を、リンドバーグ管状炉を用いて空気中850℃に10〜45分間焼成した。
【0084】
C.センサーアレイ製造
様々な電極およびセンサー配置を用いてセンサーアレイのACインピーダンス・データを取得することができる。12材料アレイの製造を直ぐ下に記載する。
【0085】
アルミナ基材(コアーズ・テック、96%アルミナ、2.5インチ×0.75インチ×0.040インチ)上へ電極パターン(図3)をスクリーン印刷することによってセンサーアレイ・チップを製造した。半自動スクリーン印刷機(ETPエレクトロ−ダイアル、シリーズL−400)を用いた。電極ペースト(製品#4597)はデュポン・アイテクノロジーズから入手可能である。電極スクリーン(マイクロサーキット・エンジニアリング・コーポレーション)は0.4ミルのエマルジョン厚さを有した。図3で、センサーパッドの2つは並列であり、その結果たった6つの独特のセンサー材料測定をこの電極配置から行い得るにすぎないことに注意されたい。印刷後に、ペーストを対流式オーブン中130℃で10分間乾燥し、次に焼成した。焼成は、10ゾーンベルト炉(リンドバーグ)を用いて30分のサイクル時間および850℃のピーク温度10分間で、空気中で行った。電極を基材上へ焼成した後、図3に示す誘電体(デュポン・アイテクノロジーズ、製品#QM44)パターンを、1.0ミルのエマルジョン厚さを有するスクリーン(マイクロサーキット・エンジニアリング・コーポレーション)を使って電極の一面にスクリーン印刷した。次に部品を130℃で10分間乾燥し、上に記載したのと同じ焼成サイクルを用いて焼成した。この時点で、各センサー材料を、図3に示すスクリーン(マイクロサーキット・エンジニアリング・コーポレーション)を用いて基材上の誘電体の井孔中へスクリーン印刷した。このスクリーンは1.0ミルのエマルジョン厚さを有した。各センサー材料を印刷した後、部品を対流式オーブン中130℃で10分間乾燥した。センサー材料(6)のすべてをセンサーのこの面に付着した後、上に記載したのと同じ焼成サイクルを用いて部品を焼成した。この焼成工程の後、上の印刷、乾燥および焼成工程を基材の裏面上で繰り返して、アレイ・チップにもう6つのセンサー材料を追加した。
【0086】
D.ACインピーダンス測定
単一センサー材料試料について、1.2インチ白金線を試料上の電極のそれぞれにステンレススチール・スクリューで接続した。次に白金線の末端を、試験室の外側に達する0.127インチ直径インコネル線に接続した。インコネル線の全長を酸化アルミニウムですっぽり包み、炉中に存在する電磁場からの妨害を排除するためにインコネル管をアースした。直径4インチ、長さ24インチである閉鎖一端融合の(closed−one−end fused)石英反応器の端に載せたステンレススチール・フランジ中へインコネル管を溶接した。炉からの電磁妨害を同様に排除するためにアースしたステンレススチール・スクリーンを石英反応器に巻きつけた。全室アセンブリを蝶番付きリンドバーグ管状炉の空洞に入れ、炉を閉鎖した。
【0087】
試料を、炉外側上のインコネル線から出てスイッチ(2つのケイスレイ7062高周波数カードを含有するケイスレイ7001)に達する10対の同軸ケーブル(試料当たり1対)とスイッチから界面および分析器への一対の同軸ケーブルとを用いて誘電体界面(ソーラートロン(Solartron)1296)および周波数応答分析器(ソーラートロン1260)に接続した。スイッチ、誘電体界面および周波数分析器はすべてコンピューター制御した。
【0088】
石英室中へのガス流は、4つの独立した流量計(MKS製品#1179)およびマルチガス制御装置(MKS製品#647B)よりなるコンピューター制御システムを用いて調節した。炉の温度は、コンピューター制御ファジー論理制御装置(フジ(Fuji)PYX)を用いて測定した。
【0089】
試料を炉の中へ入れた後、炉の加熱の間ずっと石英反応器を合成空気混合物でパージした。炉を測定温度で平衡させた後、ガス濃度(N、O、1%CO/99%N、および1%NO/99%N)を所望の値にセットし、反応器中雰囲気の平衡にとって十分な時間を与えた。この時点で各試料からACインピーダンス測定値(1Hz〜1MHz)を順次測定した。次にガス濃度を典型的には新たな値にセットし、雰囲気を平衡させ、別の一巡の測定を行った。特定温度で所望の雰囲気のすべてで試料を測定するまで、該手順を繰り返した。この時点で温度を変えて該プロセスを繰り返した。測定のすべてを行った後、炉を室温に冷却し、試料を取り出した。
【0090】
センサーアレイ・チップについては、上に記載したものに類似の測定システムを用いることができる。唯一の相違は、炉中のインコネル線に接続されている白金線を、導電性ペースト(ペルコ製品#16023)を用いてアレイ・チップ上の電極パッドに接続しなければならないことである。試料からスイッチへの接続の数はアレイ上のセンサーの数に依存する。
【0091】
実施例1
本実施例は、450℃での4種の燃焼ガス組成物の存在下の20種の金属酸化物半導体材料の電気的特性の変化を示す。下の表1にリストする信号は、上に記載した赤外サーモグラフィ法からのものである。信号は、2%O/98%Nである比較ガスでのものと比べて示した4種のガス組成物の1つに暴露された時の材料の温度(℃)の差を表し、半導体材料の電気抵抗の変化を反映する。信号のすべては、特に明記しない限り、材料に10Vかけて発生させた。空欄は、該ガス組成物を該材料と接触させた時に何の検出可能な信号もなかったことを示す。特に明記しない限り、ガスはN中2000ppmで測定した。
【0092】
【表3】

【0093】
次の測定は10V以外で行った。Pr11は1Vを用いて測定し、BaCuO2.5、CuMnFeO、CuGaOおよびCuFeO4は16Vを用いて測定し、ZnTiOは20Vを用いて測定し、LaCuOおよびSrCuは12Vを用いて測定した。
【0094】
実施例2
本実施例は、450℃での5種の燃焼ガス組成物の存在下の8種の金属酸化物半導体材料の電気的特性の変化を示す。下の表2にリストする信号は、赤外サーモグラフィ法からのものである。信号は、2%O/98%Nである比較ガスでのものと比べて示したガス組成物に暴露された時の半導体材料の温度(℃)の差である。信号のすべては、特に明記しない限り、半導体材料に10Vかけて発生させた。空欄は、該ガス組成物を該材料と接触させた時に何の検出可能な信号もなかったことを示す。特に明記しない限り、ガスはN中2000ppmで測定した。
【0095】
【表4】

【0096】
実施例3
本実施例は、600℃での4種の燃焼ガス組成物の存在下の26種の金属酸化物半導体材料の電気的特性の変化を示す。直ぐ下の表3にリストする信号は、赤外サーモグラフィ法を用いて得られたものである。信号は、2%O/98%Nである比較ガスでのものと比べて示したガス組成物に暴露された時の材料の温度(℃)の差の測定値である。信号のすべては、特に明記しない限り、材料に10Vかけて発生させた。空欄は、該ガス組成物を該材料と接触させた時に何の検出可能な信号もなかったことを示す。特に明記しない限り、ガスはN中2000ppmで測定した。
【0097】
【表5】

【0098】
測定値のすべては、BaCuO2.5を4Vで測定し、Feを1Vで測定し、ZnO+2.5%F2889、ZnO+10%F3876、SnO+5%F2889、Tm、Yb、Fe:ZrOおよびMnCrOを5Vで測定し、WO+10%F3876を2Vで測定し、CuFeを6Vで測定し、ZnTiOおよびZnTiOを20Vを用いて測定したことを除いて、10Vを用いて得られた。
【0099】
実施例4
本実施例は、実施例3のあるセットの4種の金属酸化物材料がIRサーモグラフィ信号を用いて600℃で示した4種のガス組成物を区別するのに使用できたことを示す。その結果を下の表4に示す。信号は、2%O/98%Nである比較ガスでのものと比べて示したガスに暴露された時の材料の温度(℃)の差の測定値である。信号のすべては、特
に明記しない限り、材料に10Vかけて発生させた。空欄は、該ガス組成物を該材料と接触させた時に何の検出可能な信号もなかったことを示す。特に明記しない限り、ガスはN中2000ppmで測定した。
【0100】
【表6】

【0101】
実施例5
本実施例は、実施例3のこの第2セットの4種の金属酸化物材料がIRサーモグラフィ信号を用いて600℃で示した4種のガス組成物を区別するのに使用できたことを実証する。その結果を下の表5に示す。信号は、2%O/98%Nである比較ガスでのものと比べて示したガスに暴露された時の材料の温度(℃)の差の測定値である。信号のすべては、特に明記しない限り、材料に10Vかけて発生させた。空欄は、該ガス組成物を該材料と接触させた時に何の検出可能な信号もなかったことを示す。特に明記しない限り、ガスはN中2000ppmで測定した。
【0102】
【表7】

【0103】
比較例A
本比較例は、実施例3のこのセットの6種の金属酸化物材料がIRサーモグラフィ信号を用いて600℃で2種のガス組成物を区別するのに使用できなかったことを実証し、材料の適切な選択の重要性を例示する。その結果を下の表5Aに示す。信号は、2%O/98%Nである比較ガスでのものとに比べて示したガス組成物に暴露された時の材料の温度(℃)の差の測定値である。信号のすべては、特に明記しない限り、材料に10Vかけて発生させた。空欄は、該ガス組成物を該材料と接触させた時に何の検出可能な信号もなかったことを示す。特に明記しない限り、ガスはN中2000ppmで測定した。
【0104】
【表8】

【0105】
比較例B
本比較例は、このセットの3つの材料がIRサーモグラフィ信号を用いて600℃で2種のガス組成物を区別するのに使用できなかったことを実証し、材料の適切な選択の重要性を例示する。その結果を下の表5Bに示す。信号は、2%O/98%Nである比較ガスでのものと比べて示したガス組成物に暴露された時の材料の温度(℃)の差の測定値である。信号のすべては、特に明記しない限り、材料に10Vかけて発生させた。空欄は、該ガス組成物を該材料と接触させた時に何の検出可能な信号もなかったことを示す。特に明記しない限り、ガスはN中2000ppmで測定した。
【0106】
【表9】

【0107】
実施例6
本実施例は、400℃での4種のガス組成物の存在下の19種の金属酸化物半導体材料の応答の測定へのACインピ−ダンス法の使用を例示する。下の表6にリストする信号は、N中の10,000ppmOにおけるインピーダンスの大きさ対示したガス組成物に暴露された時の材料のインピーダンスの大きさの比である。使用したガスは、N中の200ppmNO、N中の200ppmNOおよび10,000ppmO、N中の1000ppmCOおよびNであった。
【0108】
【表10】

【0109】
実施例7
本実施例は、550℃での4種のガス組成物の存在下の19種の金属酸化物半導体材料の応答の測定へのACインピ−ダンス法の使用を例示する。表にリストする信号は、ACインピーダンス法からのものである。信号は、N中の10,000ppmOにおけるインピーダンスの大きさ対示したガス組成物に暴露された時の材料のインピーダンスの大きさの比である。使用したガスは、N中の200ppmNO、N中の200ppmNOおよび10,000ppmO、N中の1000ppmCOおよびNであった。
【0110】
【表11】

【0111】
実施例8
本実施例は、650〜700℃での4種のガス組成物の存在下の23種の半導体材料の応答の測定へのACインピ−ダンス法の使用を例示する。表にリストする信号は、ACインピーダンス法からのものである。信号は、N中の10,000ppmOにおけるインピーダンスの大きさ対示したガス組成物に暴露された時の材料のインピーダンスの大きさの比である。使用したガスは、N中の200ppmNO、N中の200ppmNOおよび10,000ppmO、N中の1000ppmCOおよびNであった。
【0112】
【表12】

【0113】
実施例9
本実施例は、800℃での4種のガス組成物の存在下の16種の半導体材料の応答の測定へのACインピ−ダンス法の使用を例示する。表にリストする信号は、ACインピーダンス法からのものである。信号は、N中の10,000ppmOにおけるインピーダンスの大きさ対示したガス組成物に暴露された時の材料のインピーダンスの大きさの比である。使用したガスは、N中の200ppmNO、N中の200ppmNOおよび10,000ppmO、N中の1000ppmCOおよびNであった。
【0114】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多成分ガス混合物の分析装置であって、
(a)各化学/電気活性材料が、該ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイと、
(b)該ガス混合物への該アレイの暴露時に個々に各化学/電気活性材料の電気的応答を測定するための手段と、
(c)該アレイの温度を測定するための手段と、
(d)該電気的応答および温度測定をデジタル化するための手段と
を含んでなる装置。
【請求項2】
アレイがガス混合物内に置かれ、かつ、該ガス混合物が約400℃もしくはそれ以上の温度を有する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ガス混合物が燃焼プロセスからの排ガスである請求項1に記載の装置。
【請求項4】
ガス混合物中の成分ガスが分離されていない請求項1に記載の装置。
【請求項5】
各化学/電気活性材料の温度が、可変であるガス混合物の温度によってのみ実質的に測定される請求項1に記載の装置。
【請求項6】
化学/電気活性材料の電気的応答が多成分ガス混合物のみへの暴露時に測定される請求項1に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1種の個々のガス成分のガス混合物内濃度を計算するための手段をさらに含んでなる請求項1に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(a)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(b)暴露前の抵抗と比べて、ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示す請求項1に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの材料の電気的応答特性が選択された温度でのガス混合物への暴露時にある値として定量化でき、かつ、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる請求項1に記載の装置。
【請求項10】
電気的応答が抵抗、インピーダンス、静電容量、電圧または電流よりなる群から選択される請求項1に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が金属酸化物である請求項1に記載の装置。
【請求項12】
多成分ガス混合物がプロセスによって排出されるか、またはデバイスへ送られる化学反応の生成物であり、かつ、装置が該プロセスまたはデバイスを制御するために電気的応答および温度測定を利用するための手段をさらに含んでなる請求項1に記載の装置。
【請求項13】
約400℃もしくはそれ以上の温度を有する多成分ガス混合物における、該混合物中の少なくとも2種の個々の検体ガス成分の濃度の計算装置であって、
(a)アレイが該ガス混合物内に置かれ、かつ、各化学/電気活性材料が、該ガス混合
物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、少なくとも3つの化学/電気活性材料のアレイと、
(b)該ガス混合物の分離されていない成分のみへの該アレイの暴露時に各化学/電気活性材料の電気的応答を測定するための手段と、
(c)該化学/電気活性材料の電気的応答から個々の検体ガス成分の濃度を計算するための手段と
を含んでなる装置。
【請求項14】
ガス混合物が燃焼プロセスからの排ガスである請求項13に記載の装置。
【請求項15】
各化学/電気活性材料の温度が、可変であるガス混合物の温度によってのみ実質的に測定される請求項13に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(i)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(ii)暴露前の抵抗と比べて、ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示す請求項13に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つの材料の電気的応答特性が選択された温度でのガス混合物への暴露時にある値として定量化でき、かつ、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる請求項13に記載の装置。
【請求項18】
電気的応答が抵抗、インピーダンス、静電容量、電圧または電流よりなる群から選択される請求項13に記載の装置。
【請求項19】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が金属酸化物である請求項13に記載の装置。
【請求項20】
多成分ガス混合物がプロセスによって排出されるか、またはデバイスへ送られる化学反応の生成物であり、かつ、装置が該プロセスまたはデバイスを制御するために電気的応答を利用するための手段をさらに含んでなる請求項13に記載の装置。
【請求項21】
約400℃もしくはそれ以上の温度を有する多成分ガス混合物における、該混合物中の少なくとも2種の個々の検体ガス成分の濃度の計算装置であって、
(a)アレイが該ガス混合物内に置かれ、かつ、各化学/電気活性材料が該ガス混合物への暴露時に電気抵抗の変化を示す少なくとも3つの化学/電気活性材料のアレイであって、少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(i)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(ii)暴露前の抵抗と比べて、該ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示すアレイと、
(b)該ガス混合物への該アレイの暴露時に個々に各化学/電気活性材料の抵抗の該変化を測定するための手段と、
(c)該化学/電気活性材料の抵抗の該変化から個々の検体ガス成分の濃度を計算するための手段と
を含んでなる装置。
【請求項22】
ガス混合物が燃焼プロセスからの排ガスである請求項21に記載の装置。
【請求項23】
各化学/電気活性材料の温度が、可変であるガス混合物の温度によってのみ実質的に測定される請求項21に記載の装置。
【請求項24】
少なくとも1つの材料の抵抗の変化が選択された温度でのガス混合物への暴露時にある値として定量化でき、かつ、該材料の抵抗の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる請求項21に記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が金属酸化物である請求項21に記載の装置。
【請求項26】
多成分ガス混合物がプロセスによって排出されるか、またはデバイスへ送られる化学反応の生成物であり、かつ、装置が該プロセスまたはデバイスを制御するために抵抗の変化を利用するための手段をさらに含んでなる請求項21に記載の装置。
【請求項27】
多成分ガス混合物の分析装置であって、
(a)各化学/電気活性材料が、選択された温度での該ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示し、少なくとも1つの材料の該電気的応答特性がある値として定量できる、少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイであって、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わるアレイと、
(b)該ガス混合物への該アレイの暴露時に各化学/電気活性材料の該電気的応答を測定するための手段と
を含んでなる装置。
【請求項28】
アレイがガス混合物内に置かれ、かつ、該ガス混合物が約400℃もしくはそれ以上の温度を有する請求項27に記載の装置。
【請求項29】
ガス混合物が燃焼プロセスからの排ガスである請求項27に記載の装置。
【請求項30】
少なくとも1種の個々のガス成分のガス混合物内濃度を計算するための手段をさらに含んでなる請求項27に記載の装置。
【請求項31】
各化学/電気活性材料の温度が、可変であるガス混合物の温度によってのみ実質的に測定される請求項27に記載の装置。
【請求項32】
電気的応答が抵抗、インピーダンス、静電容量、電圧または電流よりなる群から選択される請求項27に記載の装置。
【請求項33】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が金属酸化物である請求項27に記載の装置。
【請求項34】
多成分ガス混合物がプロセスによって排出されるか、またはデバイスへ送られる化学反応の生成物であり、かつ、装置が該プロセスまたはデバイスを制御するために電気的応答を利用するための手段をさらに含んでなる請求項27に記載の装置。
【請求項35】
約400℃未満の温度を有する多成分ガス混合物における、該ガス混合物の分析装置であって、
(a)各化学/電気活性材料が、選択された温度での該ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイであって、該ガス混合物内に置かれ、約400℃もしくはそれ以上の実質的に一定の温度を有するアレイと、
(b)該ガス混合物への該アレイの暴露時に各化学/電気活性材料の該電気的応答を測
定するための手段と
を含んでなる装置。
【請求項36】
ガス混合物中の成分ガスが分離されていない請求項35に記載の装置。
【請求項37】
化学/電気活性材料の電気的応答が多成分ガス混合物のみへの暴露時に測定される請求項35に記載の装置。
【請求項38】
少なくとも1種の個々のガス成分のガス混合物内濃度を計算するための手段をさらに含んでなる請求項35に記載の装置。
【請求項39】
ガス混合物の温度を測定するための手段と、電気的応答および温度測定をデジタル化するための手段とをさらに含んでなる請求項35に記載の装置。
【請求項40】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(a)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(b)暴露前の抵抗と比べて、ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示す請求項35に記載の装置。
【請求項41】
少なくとも1つの材料の電気的応答特性が選択された温度でのガス混合物への暴露時にある値として定量化でき、かつ、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる請求項35に記載の装置。
【請求項42】
電気的応答が抵抗、インピーダンス、静電容量、電圧または電流よりなる群から選択される請求項35に記載の装置。
【請求項43】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が金属酸化物である請求項35に記載の装置。
【請求項44】
多成分ガス混合物がプロセスによって排出されるか、またはデバイスへ送られる化学反応の生成物であり、かつ、装置が該プロセスまたはデバイスを制御するために電気的応答を利用するための手段をさらに含んでなる請求項35に記載の装置。
【請求項45】
多成分ガス混合物の分析装置であって、
(a)各化学/電気活性材料が、選択された温度での該ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、第1および第2化学/電気活性材料のアレイであって、該化学/電気活性材料が、
(i)該第1材料がMであり、かつ、該第2材料がMである、
(ii)該第1材料がMであり、かつ、該第2材料がMである、
(iii)該第1材料がMであり、かつ、該第2材料がMである、
(iv)該第1材料が第1のMであり、かつ、該第2材料が第2のMである、
(v)該第1材料が第1のMであり、かつ、該第2材料が第2のMである、および
(vi)該第1材料が第1のMであり、かつ、該第2材料が第2のMである
(式中、MはCe、Co、Cu、Fe、Ga、Nb、Ni、Pr、Ru、Sn、Ti、Tm、W、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択され、MおよびMはそれぞれ
独立してAl、Ba、Bi、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、In、K、La、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Ni、Pb、Pr、Rb、Ru、Sb、Sc、Si、Sn、Sr、Ta、Ti、Tm、V、W、Y、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択されるが、MおよびMはMにおいて同じものではなく、a、bおよびcはそれぞれ独立して約0.0005〜約1であり、かつ、xは存在する酸素が該化合物中の他の元素の電荷とバランスするのに十分な数である)
よりなる群中のペアリングから選択されるアレイと、
(b)該ガス混合物への該アレイの暴露時に各化学/電気活性材料の該電気的応答を測定するための手段と
を含んでなる装置。
【請求項46】
(a)MがCe、CoO、CuO、FeO、GaO、NbO、NiO、PrO、RuO、SnO、Ta、TiO、TmO、WO、YbO、ZnO、ZrO、Ag添加物入りSnO、Ag添加物入りZnO、Pt添加物入りTiO、フリット添加物入りZnO、フリット添加物入りNiO、フリット添加物入りSnO、もしくはフリット添加物入りWOよりなる群から選択され、
(b)MがAlCr、AlFe、AlMg、AlNi、AlTi、Al、BaCu、BaSn、BaZn、BiRu、BiSn、BiZn、CaSn、CaZn、CdSn、CdZn、CeFe、CeNb、CeTi、Ce、CoCu、CoGe、CoLa、CoMg、CoNb、CoPb、CoSn、Co、Co、CoZn、CrCu、CrLa、CrMn、CrNi、CrSi、CrTi、Cr、CrZn、CuFe、CuGa、CuLa、CuNa、CuNi、CuPb、CuSn、CuSr、CuTi、CuZn、CuZr、FeGa、FeLa、FeMo、FeNb、FeNi、FeSn、FeTi、Fe、FeZn、FeZr、GaLa、GaSn、GeNb、GeTi、InSn、KNb、MnNb、MnSn、MnTi、Mn、MnZn、MoPb、MoRb、MoSn、MoTi、MoZn、NbNi、NbNi、NbSr、NbTi、Nb、NbZr、NiSi、NiSn、Ni、NiZn、NiZr、PbSn、PbZn、Rb、RuSn、Ru、RuZn、SbSn、SbZn、ScZr、SiSn、SiTi、Si、SiZn、SnTa、SnTi、Sn、SnZn、SnZr、SrTi、TaTi、TaZn、TaZr、Ti、Ti、TiZn、TiZr、VZn、VZr、WZn、WZr、YZr、ZnZr、フリット添加物入りAlNi、フリット添加物入りCrTi、フリット添加物入りFeLa、フリット添加物入りFeNi、フリット添加物入りFeTi、フリット添加物入りNbTi、フリット添加物入りNb、フリット添加物入りNiZn、フリット添加物入りNiZr、フリット添加物入りSbSn、フリット添加物入りTaTi、もしくはフリット添加物入りTiZnよりなる群から選択され、および/または
(c)MがAlMgZn、AlSi、BaCuTi、CaCeZr、CoNiTi、CoNiZr、CoPbSn、CoPbZn、CrSrTi、CuFeMn、CuLaSr、FeNbTi、FePbZn、FeSrTi、FeTaTi、FeZr、GaTiZn、LaMnNa、LaMnSr、MnSrTi、MoPbZn、NbSrTi、NbSr、NbTiZn、NiSrTi、SnZn、SrTi、SrTiZn、もしくはTiZrよりなる群から選択される
請求項45に記載の装置。
【請求項47】
アレイがガス混合物内に置かれ、かつ、該ガス混合物が約400℃もしくはそれ以上の温度を有する請求項45に記載の装置。
【請求項48】
ガス混合物が燃焼プロセスからの排ガスである請求項45に記載の装置。
【請求項49】
ガス混合物中の成分ガスが分離されていない請求項45に記載の装置。
【請求項50】
化学/電気活性材料の電気的応答が多成分ガス混合物のみへの暴露時に測定される請求項45に記載の装置。
【請求項51】
少なくとも1種の個々のガス成分のガス混合物内濃度を計算するための手段をさらに含んでなる請求項45に記載の装置。
【請求項52】
ガス混合物の温度を測定するための手段と、電気的応答および温度測定をデジタル化するための手段とをさらに含んでなる請求項45に記載の装置。
【請求項53】
各化学/電気活性材料の温度が、可変であるガス混合物の温度によってのみ実質的に測定される請求項45に記載の装置。
【請求項54】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(a)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(b)暴露前の抵抗と比べて、ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示す請求項45に記載の装置。
【請求項55】
少なくとも1つの材料の電気的応答特性が選択された温度でのガス混合物への暴露時にある値として定量化でき、かつ、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる請求項45に記載の装置。
【請求項56】
電気的応答が抵抗、インピーダンス、静電容量、電圧または電流よりなる群から選択される請求項45に記載の装置。
【請求項57】
多成分ガス混合物がプロセスによって排出されるか、またはデバイスへ送られる化学反応の生成物であり、かつ、装置が該プロセスまたはデバイスを制御するために電気的応答を利用するための手段をさらに含んでなる請求項45に記載の装置。
【請求項58】
多成分ガス混合物の分析装置であって、
(a)各化学/電気活性材料が、選択された温度での該ガス混合物への暴露時に、他の
化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、化学/電気活性材料のアレイであって、少なくとも1つの化学/電気活性材料がM、MおよびM
(式中、MはCe、Co、Cu、Fe、Ga、Nb、Ni、Pr、Ru、Sn、Ti、Tm、W、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択され、MおよびMはそれぞれ独立してAl、Ba、Bi、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、In、K、La、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Ni、Pb、Pr、Rb、Ru、Sb、Sc、Si、Sn、Sr、Ta、Ti、Tm、V、W、Y、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択されるが、MおよびMはMにおいて同じものではなく、a、bおよびcはそれぞれ独立して約0.0005〜約1であり、かつ、xは存在する酸素が該化合物中の他の元素の電荷とバランスするのに十分な数である)よりなる群から選択されるアレイと、
(b)該ガス混合物への該アレイの暴露時に各化学/電気活性材料の該電気的応答を測定するための手段と
を含んでなる装置。
【請求項59】
(a)MがCe、CoO、CuO、FeO、GaO、NbO、NiO、PrO、RuO、SnO、Ta、TiO、TmO、WO、YbO、ZnO、ZrO、Ag添加物入りSnO、Ag添加物入りZnO、Pt添加物入りTiO、フリット添加物入りZnO、フリット添加物入りNiO、フリット添加物入りSnO、もしくはフリット添加物入りWOよりなる群から選択され、
(b)MがAlCr、AlFe、AlMg、AlNi、AlTi、Al、BaCu、BaSn、BaZn、BiRu、BiSn、BiZn、CaSn、CaZn、CdSn、CdZn、CeFe、CeNb、CeTi、Ce、CoCu、CoGe、CoLa、CoMg、CoNb、CoPb、CoSn、Co、Co、CoZn、CrCu、CrLa、CrMn、CrNi、CrSi、CrTi、Cr、CrZn、CuFe、CuGa、CuLa、CuNa、CuNi、CuPb、CuSn、CuSr、CuTi、CuZn、CuZr、FeGa、FeLa、FeMo、FeNb、FeNi、FeSn、FeTi、Fe、FeZn、FeZr、GaLa、GaSn、GeNb、GeTi、InSn、KNb、MnNb、MnSn、MnTi、Mn、MnZn、MoPb、MoRb、MoSn、MoTi、MoZn、NbNi、NbNi、NbSr、NbTi、Nb、NbZr、NiSi、NiSn、Ni、NiZn、NiZr、PbSn、PbZn、Rb、RuSn、Ru、RuZn、SbSn、SbZn、ScZr、SiSn、SiTi、Si、SiZn、SnTa、SnTi、Sn、SnZn、SnZr、SrTi、TaTi、TaZn、TaZr、Ti、Ti、TiZn、TiZr、VZn、VZr、WZn、WZr、YZr、ZnZr、フリット添加物入りAlNi、フリット添加物入りCrTi、フリット添加物入りFeLa、フリット添加物入りFe
Ni、フリット添加物入りFeTi、フリット添加物入りNbTi、フリット添加物入りNb、フリット添加物入りNiZn、フリット添加物入りNiZr、フリット添加物入りSbSn、フリット添加物入りTaTi、もしくはフリット添加物入りTiZnよりなる群から選択され、および/または
(c)MがAlMgZn、AlSi、BaCuTi、CaCeZr、CoNiTi、CoNiZr、CoPbSn、CoPbZn、CrSrTi、CuFeMn、CuLaSr、FeNbTi、FePbZn、FeSrTi、FeTaTi、FeZr、GaTiZn、LaMnNa、LaMnSr、MnSrTi、MoPbZn、NbSrTi、NbSr、NbTiZn、NiSrTi、SnZn、SrTi、SrTiZn、もしくはTiZrよりなる群から選択される
請求項58に記載の装置。
【請求項60】
アレイがガス混合物内に置かれ、かつ、該ガス混合物が約400℃もしくはそれ以上の温度を有する請求項58に記載の装置。
【請求項61】
ガス混合物が燃焼プロセスからの排ガスである請求項58に記載の装置。
【請求項62】
ガス混合物中の成分ガスが分離されていない請求項58に記載の装置。
【請求項63】
化学/電気活性材料の電気的応答が多成分ガス混合物のみへの暴露時に測定される請求項58に記載の装置。
【請求項64】
少なくとも1種の個々のガス成分のガス混合物内濃度を計算するための手段をさらに含んでなる請求項58に記載の装置。
【請求項65】
ガス混合物の温度を測定するための手段と、電気的応答および温度測定をデジタル化するための手段とをさらに含んでなる請求項58に記載の装置。
【請求項66】
各化学/電気活性材料の温度が、可変であるガス混合物の温度によってのみ実質的に測定される請求項58に記載の装置。
【請求項67】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(a)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(b)暴露前の抵抗と比べて、ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示す請求項58に記載の装置。
【請求項68】
少なくとも1つの材料の電気的応答特性が選択された温度でのガス混合物への暴露時にある値として定量化でき、かつ、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる請求項58に記載の装置。
【請求項69】
電気的応答が抵抗、インピーダンス、静電容量、電圧または電流よりなる群から選択される請求項58に記載の装置。
【請求項70】
多成分ガス混合物がプロセスによって排出されるか、またはデバイスへ送られる化学反
応の生成物であり、かつ、装置が該プロセスまたはデバイスを制御するために電気的応答を利用するための手段をさらに含んでなる請求項58に記載の装置。
【請求項71】
多成分ガス混合物の分析装置であって、
(a)各化学/電気活性材料が、選択された温度での該ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示し、少なくとも1つの材料の該電気的応答特性がある値として定量できる、少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイであって、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わるアレイと、
(b)該ガス混合物への該アレイの暴露時に個々に各化学/電気活性材料の該電気的応答を測定するための手段と、
(c)該ガス混合物の温度を測定するための手段と、
(d)該電気的応答および温度測定をデジタル化するための手段と
を含んでなる装置。
【請求項72】
アレイがガス混合物内に置かれ、かつ、該ガス混合物が約400℃もしくはそれ以上の温度を有する請求項71に記載の装置。
【請求項73】
ガス混合物が燃焼プロセスからの排ガスである請求項71に記載の装置。
【請求項74】
ガス混合物中の成分ガスが分離されていない請求項71に記載の装置。
【請求項75】
各化学/電気活性材料の温度が、可変であるガス混合物の温度によってのみ実質的に測定される請求項71に記載の装置。
【請求項76】
化学/電気活性材料の電気的応答が多成分ガス混合物のみへの暴露時に測定される請求項71に記載の装置。
【請求項77】
少なくとも1種の個々のガス成分のガス混合物内濃度を計算するための手段をさらに含んでなる請求項71に記載の装置。
【請求項78】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(a)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(b)暴露前の抵抗と比べて、ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示す請求項71に記載の装置。
【請求項79】
電気的応答が抵抗、インピーダンス、静電容量、電圧または電流よりなる群から選択される請求項71に記載の装置。
【請求項80】
アレイが約400℃未満の温度を有するガス混合物内に置かれ、かつ、該アレイが約400℃もしくはそれ以上の実質的に一定の温度を有する請求項71に記載の装置。
【請求項81】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が金属酸化物である請求項71に記載の装置。
【請求項82】
多成分ガス混合物がプロセスによって排出されるか、またはデバイスへ送られる化学反応の生成物であり、かつ、装置が該プロセスまたはデバイスを制御するために電気的応答を利用するための手段をさらに含んでなる請求項71に記載の装置。
【請求項83】
約400℃もしくはそれ以上の温度を有する多成分ガス混合物における、該混合物中の
少なくとも2種の個々の検体ガス成分の濃度の計算装置であって、
(a)アレイが該ガス混合物内に置かれ、かつ、各化学/電気活性材料が該ガス混合物への暴露時に電気抵抗の変化を示す少なくとも3つの化学/電気活性材料のアレイであって、少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(i)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(ii)暴露前の抵抗と比べて、該ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示すアレイと、
(b)該ガス混合物の分離されていない成分への該アレイの暴露時に個々に各化学/電気活性材料の抵抗の該変化を測定するための手段と、
(c)該多成分ガス混合物のみへの暴露時に該化学/電気活性材料の抵抗の該変化から個々の検体ガス成分の濃度を計算するための手段と
を含んでなる装置。
【請求項84】
ガス混合物が燃焼プロセスからの排ガスである請求項83に記載の装置。
【請求項85】
ガス混合物の温度を測定するための手段をさらに含んでなり、かつ、個々のガス成分の濃度が化学/電気活性材料の抵抗の変化および温度測定から計算される請求項83に記載の装置。
【請求項86】
各化学/電気活性材料の温度が、可変であるガス混合物の温度によってのみ実質的に測定される請求項83に記載の装置。
【請求項87】
少なくとも1つの材料の抵抗の変化が選択された温度でのガス混合物への暴露時にある値として定量化でき、かつ、該材料の抵抗の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる請求項83に記載の装置。
【請求項88】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が金属酸化物である請求項83に記載の装置。
【請求項89】
多成分ガス混合物がプロセスによって排出されるか、またはデバイスへ送られる化学反応の生成物であり、かつ、装置が該プロセスまたはデバイスを制御するために抵抗の変化を利用するための手段をさらに含んでなる請求項83に記載の装置。
【請求項90】
各化学/電気活性材料が多成分ガス混合物への暴露時に電気抵抗の変化を示す、少なくとも3つの化学/電気活性材料のアレイを含んでなるガス検出装置であって、少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(a)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(b)暴露前の抵抗と比べて、該ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示す装置。
【請求項91】
少なくとも1つの材料の電気的応答特性が選択された温度でのガス混合物への暴露時にある値として定量化でき、かつ、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる請求項91に記載の装置。
【請求項92】
アレイの温度を測定するための手段をさらに含んでなる請求項91に記載の装置。
【請求項93】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が金属酸化物である請求項91に記載の装置。
【請求項94】
各化学/電気活性材料が選択された温度での多成分ガス混合物への暴露時に他の化学/
電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示し、少なくとも1つの材料の該電気的応答特性がある値として定量できる、少なくとも2つの化学/電気活性材料のアレイを含んでなるガス検出装置であって、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる装置。
【請求項95】
アレイの温度を測定するための手段をさらに含んでなる請求項94に記載の装置。
【請求項96】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が金属酸化物である請求項94に記載の装置。
【請求項97】
各化学/電気活性材料が、選択された温度での多成分ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、化学/電気活性材料のアレイを含んでなるガス検出装置であって、少なくとも1つの化学/電気活性材料がM、MおよびM(式中、MはCe、Co、Cu、Fe、Ga、Nb、Ni、Pr、Ru、Sn、Ti、Tm、W、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択され、MおよびMはそれぞれ独立してAl、Ba、Bi、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、In、K、La、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Ni、Pb、Pr、Rb、Ru、Sb、Sc、Si、Sn、Sr、Ta、Ti、Tm、V、W、Y、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択されるが、MおよびMはMにおいて同じものではなく、a、bおよびcはそれぞれ独立して約0.0005〜約1であり、かつ、xは存在する酸素が該化合物中の他の元素の電荷とバランスするのに十分な数である)よりなる群から選択される装置。
【請求項98】
(a)MがCe、CoO、CuO、FeO、GaO、NbO、NiO、PrO、RuO、SnO、Ta、TiO、TmO、WO、YbO、ZnO、ZrO、Ag添加物入りSnO、Ag添加物入りZnO、Pt添加物入りTiO、フリット添加物入りZnO、フリット添加物入りNiO、フリット添加物入りSnO、もしくはフリット添加物入りWOよりなる群から選択され、
(b)MがAlCr、AlFe、AlMg、AlNi、AlTi、Al、BaCu、BaSn、BaZn、BiRu、BiSn、BiZn、CaSn、CaZn、CdSn、CdZn、CeFe、CeNb、CeTi、Ce、CoCu、CoGe、CoLa、CoMg、CoNb、CoPb、CoSn、Co、Co、CoZn、CrCu、CrLa、CrMn、CrNi、CrSi、CrTi、Cr、CrZn、CuFe、CuGa、CuLa、CuNa、CuNi、CuPb、CuSn、CuSr、CuTi、CuZn、CuZr、FeGa、FeLa、FeMo、FeNb、FeNi、FeSn、FeTi、Fe、FeZn、FeZr、GaLa、GaSn、GeNb、GeTi、InSn、KNb、MnNb、MnSn、MnTi、Mn、MnZn、MoPb、MoRb、MoSn、MoTi、MoZn、NbNi、NbNi、NbSr、NbTi、Nb、NbZr、NiSi、NiSn、Ni、NiZn、NiZr、PbSn、PbZn、Rb、RuSn、Ru、RuZn、SbSn、Sb
Zn、ScZr、SiSn、SiTi、Si、SiZn、SnTa、SnTi、Sn、SnZn、SnZr、SrTi、TaTi、TaZn、TaZr、Ti、Ti、TiZn、TiZr、VZn、VZr、WZn、WZr、YZr、ZnZr、フリット添加物入りAlNi、フリット添加物入りCrTi、フリット添加物入りFeLa、フリット添加物入りFeNi、フリット添加物入りFeTi、フリット添加物入りNbTi、フリット添加物入りNb、フリット添加物入りNiZn、フリット添加物入りNiZr、フリット添加物入りSbSn、フリット添加物入りTaTi、もしくはフリット添加物入りTiZnよりなる群から選択され、および/または
(c)MがAlMgZn、AlSi、BaCuTi、CaCeZr、CoNiTi、CoNiZr、CoPbSn、CoPbZn、CrSrTi、CuFeMn、CuLaSr、FeNbTi、FePbZn、FeSrTi、FeTaTi、FeZr、GaTiZn、LaMnNa、LaMnSr、MnSrTi、MoPbZn、NbSrTi、NbSr、NbTiZn、NiSrTi、SnZn、SrTi、SrTiZn、もしくはTiZrよりなる群から選択される
請求項97に記載の装置。
【請求項99】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(a)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(b)暴露前の抵抗と比べて、ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示す請求項97に記載の装置。
【請求項100】
少なくとも1つの材料の電気的応答特性が選択された温度でのガス混合物への暴露時にある値として定量化でき、かつ、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる請求項97に記載の装置。
【請求項101】
アレイの温度を測定するための手段をさらに含んでなる請求項97に記載の装置。
【請求項102】
各化学/電気活性材料が選択された温度での多成分ガス混合物への暴露時に他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、第1および第2化学/電気活性材料のアレイを含んでなるガス検出装置であって、該化学/電気活性材料が、
(i)該第1材料がMであり、かつ、該第2材料がMである、
(ii)該第1材料がMであり、かつ、該第2材料がMである、
(iii)該第1材料がMであり、かつ、該第2材料がMである、
(iv)該第1材料が第1のMであり、かつ、該第2材料が第2のMである、
(v)該第1材料が第1のMであり、かつ、該第2材料が第2のMである、および
(vi)該第1材料が第1のMであり、かつ、該第2材料が第2のMである
(式中、MはCe、Co、Cu、Fe、Ga、Nb、Ni、Pr、Ru、Sn、Ti、Tm、W、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択され、MおよびMはそれぞれ独立してAl、Ba、Bi、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、In、K、La、Mg、Mn、Mo、Na、Nb、Ni、Pb、Pr、Rb、Ru、Sb、Sc、Si、Sn、Sr、Ta、Ti、Tm、V、W、Y、Yb、Zn、およびZrよりなる群から選択されるが、MおよびMはMにおいて同じものではなく、a、bおよびcはそれぞれ独立して約0.0005〜約1であり、かつ、xは存在する酸素が該化合物中の他の元素の電荷とバランスするのに十分な数である)
よりなる群中のペアリングから選択される装置。
【請求項103】
(a)MがCe、CoO、CuO、FeO、GaO、NbO、NiO、PrO、RuO、SnO、Ta、TiO、TmO、WO、YbO、ZnO、ZrO、Ag添加物入りSnO、Ag添加物入りZnO、Pt添加物入りTiO、フリット添加物入りZnO、フリット添加物入りNiO、フリット添加物入りSnO、またはフリット添加物入りWOよりなる群から選択され、
(b)MがAlCr、AlFe、AlMg、AlNi、AlTi、Al、BaCu、BaSn、BaZn、BiRu、BiSn、BiZn、CaSn、CaZn、CdSn、CdZn、CeFe、CeNb、CeTi、Ce、CoCu、CoGe、CoLa、CoMg、CoNb、CoPb、CoSn、Co、Co、CoZn、CrCu、CrLa、CrMn、CrNi、CrSi、CrTi、Cr、CrZn、CuFe、CuGa、CuLa、CuNa、CuNi、CuPb、CuSn、CuSr、CuTi、CuZn、CuZr、FeGa、FeLa、FeMo、FeNb、FeNi、FeSn、FeTi、Fe、FeZn、FeZr、GaLa、GaSn、GeNb、GeTi、InSn、KNb、MnNb、MnSn、MnTi、Mn、MnZn、MoPb、MoRb、MoSn、MoTi、MoZn、NbNi、NbNi、NbSr、NbTi、Nb、NbZr、NiSi、NiSn、Ni、NiZn、NiZr、PbSn、PbZn、Rb、RuSn、Ru、RuZn、SbSn、SbZn、ScZr、SiSn、SiTi、Si、SiZn、SnTa、SnTi、Sn、SnZn、SnZr、SrTi、TaTi、TaZn、TaZr、Ti、Ti、TiZn、TiZr、VZn、VZr、WZn、WZr、YZr、ZnZr、フリット添加物入りAlNi、フリット添加物入りCrTi、フリット添加物入りFeLa、フリット添加物入りFeNi、フリット添加物入りFeTi、フリット添加物入りNbTi、フリット添加物入りNb、フリット添加物入りNiZn、フリット添加物入りNiZr、フリット添加物入りSbSn、フリット添加物入りTaTi、またはフリット添加物入りTiZnよりなる群から選択され、および/または
(c)MがAlMgZn、AlSi、BaCuTi、CaCeZr、CoNiTi、CoNi
Zr、CoPbSn、CoPbZn、CrSrTi、CuFeMn、CuLaSr、FeNbTi、FePbZn、FeSrTi、FeTaTi、FeZr、GaTiZn、LaMnNa、LaMnSr、MnSrTi、MoPbZn、NbSrTi、NbSr、NbTiZn、NiSrTi、SnZn、SrTi、SrTiZn、またはTiZrよりなる群から選択される
請求項102に記載の装置。
【請求項104】
少なくとも1つの化学/電気活性材料が、約400℃もしくはそれ以上の温度にある時に、(a)約1オーム−cm〜約10オーム−cmの範囲の電気抵抗率を有し、かつ、(b)暴露前の抵抗と比べて、ガス混合物への該材料の暴露時に少なくとも約0.1パーセントの電気抵抗の変化を示す請求項102に記載の装置。
【請求項105】
少なくとも1つの材料の電気的応答特性が選択された温度でのガス混合物への暴露時にある値として定量化でき、かつ、該材料の応答の値が該選択された温度で少なくとも約1分の期間の該ガス混合物への該材料の暴露の間一定であるかまたは約20パーセント以下だけ変わる請求項102に記載の装置。
【請求項106】
アレイの温度を測定するための手段をさらに含んでなる請求項102に記載の装置。
【請求項107】
アレイが4つ以上の化学/電気活性材料を有し、かつ、装置が該化学/電気活性材料の3つの群の各構成要素と接触している電極をさらに含んでなる請求項102に記載の装置。
【請求項108】
アレイが3つ以上の化学/電気活性材料を有し、かつ、装置が該化学/電気活性材料の2つの群の各構成要素と接触している電極をさらに含んでなり、その電極によって電流が2つの化学/電気活性材料の該群の各構成要素へ順々に通される請求項102に記載の装置。
【請求項109】
多成分ガス混合物の分析装置であって、
(a)各化学/電気活性材料が、該ガス混合物への暴露時に、他の化学/電気活性材料のそれぞれとは異なる電気的応答特性を示す、少なくとも3つの化学/電気活性材料のアレイと、
(b)該ガス混合物への該アレイの暴露時に各化学/電気活性材料の電気的応答を測定するための手段と、
(c)(i)第1群の少なくとも2つの化学/電気活性材料の該応答から該混合物中の亜群のガスの存在を検出し、かつ(ii)第2群の少なくとも2つの化学/電気活性材料の該応答から該混合物中の個々の成分ガスの存在を検出するための手段と
を含んでなる装置。
【請求項110】
個々の成分ガスが亜群のガスの構成要素ではない請求項109に記載の装置。
【請求項111】
第1群の化学/電気活性材料のどれもが第2群の化学/電気活性材料のいずれとも同じものではない請求項109に記載の装置。
【請求項112】
検出するための手段が亜群のガス、もしくは個々の成分ガス、または両方の混合物内濃度を計算するための手段をさらに含んでなる請求項109に記載の装置。
【請求項113】
請求項1、13、21、27、35、45、58、71、83、90、94、97、102または109のいずれか一項に記載の装置を含んでなる内燃エンジン。
【請求項114】
請求項1、13、21、27、35、45、58、71、83、90、94、97、102または109のいずれか一項に記載の装置を含んでなる自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−8130(P2012−8130A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155448(P2011−155448)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【分割の表示】特願2003−584705(P2003−584705)の分割
【原出願日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】