説明

サスペンション装置

【課題】 サスペンション装置の大型化を抑制しつつ電磁アクチュエータのフェイルセーフ機能を設ける。
【解決手段】 電磁アクチュエータ30は、電動モータ31とボールネジ機構32とを備える。電動モータ31は、円筒状のロータ310を備え、このロータ310はボールネジナット322に連結される。ボールネジナット322と螺合するボールネジ軸321は、ロータ310の中空部に隙間をあけて挿通される。ロータ310とボールネジ軸321との隙間には粘性油40が封入される。バネ上部材とバネ下部材とが上下方向に相対運動すると、ロータ310とボールネジ軸321との間に封入された粘性油に粘性せん断力が発生し、この粘性せん断力が、バネ上部材とバネ下部材との相対運動を減衰させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のサスペンション装置に係り、特に、バネ上部材とバネ下部材との間に電磁アクチュエータを備えたサスペンション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電磁アクチュエータを備えたサスペンション装置が知られている。電磁アクチュエータは、例えば、電動モータと、電動モータの出力軸に連結されバネ上部材とバネ下部材との相対移動により伸縮するボールネジ機構とを備えている。こうしたサスペンション装置では、バネ上部材とバネ下部材との間の相対移動に対する減衰力だけでなく、電磁アクチュエータの通電制御によって、サスペンションストロークを積極的に変化させる推進力をも発生させることができる。
【0003】
特許文献1には、電磁アクチュエータとバネ下部材との間に、液圧式ダンパを介装したサスペンション装置が提案されている。このサスペンション装置では、電磁アクチュエータに対して直列に液圧式ダンパを設けたことにより、路面から10Hzを超えるような高周波振動が入力した場合であっても、その高周波振動のバネ下部材からバネ上部材への伝達を効果的に抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−910325号公報
【発明の概要】
【0005】
ところで、電磁アクチュエータがフェイルして電動モータがフリー状態(電動モータのコイルに電流を流すことができず外部入力によりロータが自由に回転できる状態)となった場合には、減衰力を発生させることができない。電磁アクチュエータに対して並列に液圧式ダンパを設ければ、電磁アクチュエータのフェイルに対処することができるが、その場合には、サスペンション装置自身が大型化してしまう。
【0006】
また、特許文献1のサスペンション装置においては、電磁アクチュエータに対して液圧式ダンパを直列に設けているが、電磁アクチュエータがフェイルした場合には、この液圧式ダンパでは適切なフェイルセーフが得られない。つまり、特許文献1のサスペンション装置においては、電磁アクチュエータがフェイルした場合、高周波振動に対しては液圧式ダンパが働いてある程度の減衰力を発生させることができるものの、通常の低い周波数帯域の振動に対しては、液圧式ダンパのピストンとシリンダとが電磁アクチュエータのボールネジ軸と一体的に上下振動してしまうため、ピストンとシリンダとの相対運動が得られず減衰力を発生させることができない。従って、電磁アクチュエータに直列に設けた液圧式ダンパでは、電磁アクチュエータのフェイルに対して有効ではない。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされるものであり、サスペンション装置の大型化を抑制しつつ電磁アクチュエータのフェイルセーフ機能を設けることを目的とする。
【0008】
上記課題を解決する本発明の特徴は、ネジ軸(321)と前記ネジ軸に螺合するナット(322)とを有し車両のバネ上部材とバネ下部材との間の上下方向の相対運動を前記ネジ軸と前記ナットとの間の相対回転運動に変換するネジ機構(32)と、前記ネジ機構に連結され前記ネジ軸と前記ナットとの間の相対回転運動によりロータ(310)が回転する電動モータ(31)とを有する電磁アクチュエータ(30)を備え、前記電磁アクチュエータにより、前記バネ上部材と前記バネ下部材との間の上下方向の相対運動に対して減衰力を発生するサスペンション装置において、
前記ネジ軸の外周面を隙間をあけて覆う円筒体(312)を、前記ネジ軸と同軸状で、かつ、前記ナットに連結して配設するとともに、前記円筒体と前記ネジ軸との間の隙間に粘性油(40)が封入される油封入室(41)を形成することにより、前記ネジ軸と前記ナットとが相対回転運動したときに前記円筒体と前記ネジ軸との相対運動により発生する前記粘性油の粘性せん断力を減衰力として作用させることにある。
【0009】
本発明のサスペンション装置は、電磁アクチュエータを備え、この電磁アクチュエータが、バネ上部材(車体)とバネ下部材(車輪)との間の上下方向の相対運動に対して減衰力を発生する。電磁アクチュエータは、ネジ機構と電動モータを有する。ネジ機構は、ネジ軸とネジ軸に螺合するナットとを有し車両のバネ上部材とバネ下部材との間の上下方向の相対運動をネジ軸とナットとの間の相対回転運動に変換する。電動モータは、ネジ機構に連結され、ネジ軸とナットとの間の相対回転運動によりロータが回転するように構成され、ロータの回転により発生する電磁力により減衰力を発生する。この場合、電動モータへの通電により、ロータを積極的に回転させて、減衰力だけでなく推進力を発生させるようにしてもよい。
【0010】
ネジ軸の外周面には、ナットに連結された円筒体が配設される。円筒体は、ネジ軸と同軸状であって、ネジ軸の外周面を隙間をあけて覆うように設けられる。そして、円筒体とネジ軸との間の隙間に粘性油が封入される油封入室が形成される。円筒体はナットに連結されているため、車両のバネ上部材とバネ下部材とが上下方向に相対運動すると、円筒体とネジ軸とが相対回転運動する。これにより、円筒体とネジ軸との間に封入された粘性油に粘性せん断力が発生する。この粘性せん断力は、バネ上部材とバネ下部材との上下方向の相対運動を減衰させる減衰力として働く。従って、本発明においては、電磁アクチュエータと並列に粘性せん断力発生機構を備えた構成となっている。
【0011】
電動モータがフェイルしてフリー状態になった場合には、電動モータで減衰力を発生させることができない。しかし、円筒体とネジ軸との間に封入された粘性油の粘性せん断力により減衰力を発生させることができる。この結果、本発明によれば、サスペンション装置の大型化を抑制しつつ電磁アクチュエータのフェイルセーフ機能を備えることができる。また、粘性油は、ネジ機構の潤滑剤としても作用するためネジ機構の耐久性が向上する。
【0012】
本発明の他の特徴は、前記円筒体は、前記ナットに連結される前記電動モータのロータであることにある。
【0013】
本発明においては、電動モータのロータが円筒状に形成されてナットに同軸状に連結され、このロータがネジ軸の外周面を隙間をあけて覆う円筒体となっている。つまり、本発明は、ネジ軸の外周面を隙間をあけて覆う電動モータの円筒状のロータを、ネジ軸と同軸状で、かつ、ナットに同軸状に連結して備えている。バネ上部材とバネ下部材とが上下方向に相対運動すると、これに伴ってネジ軸が軸線方向に移動してナットが回転し、これによりロータ(円筒体)が回転する。円筒状のロータとネジ軸との間の隙間には、粘性油が封入されているため、ロータの回転により粘性油に粘性せん断力が発生する。また、ネジ軸がロータに対して軸線方向に相対移動することによっても、粘性油に粘性せん断力が発生する。これにより、バネ上部材とバネ下部材との上下方向の相対運動を減衰させることができる。
【0014】
この構成においては、電動モータのロータをネジ軸の外周面を覆う円筒体として兼用しているため、一層コンパクトに粘性せん断力発生機構を設けることができる。
【0015】
本発明の他の特徴は、前記バネ上部材と前記バネ下部材との間の上下方向の相対運動を減衰させるために必要な必要作用力を演算する必要作用力演算手段(140)と、前記粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力を演算する粘性油減衰力演算手段(130)と、前記必要作用力演算手段により演算された必要作用力と、前記粘性油減衰力演算手段により演算された前記粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力とに基づいて、前記電動モータで発生させる目標モータ力を演算する目標モータ力演算手段(150)と、前記目標モータ力演算手段により演算された前記目標モータ力が発生するように前記モータの通電を制御するモータ制御手段(70)とを備えたことにある。
【0016】
本発明においては、必要作用力演算手段が、バネ上部材とバネ下部材との間の上下方向の相対運動を減衰させるために必要な必要作用力を演算し、粘性油減衰力演算手段が、粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力を演算する。そして、目標モータ力演算手段が、必要作用力演算手段により演算された必要作用力と、粘性油減衰力演算手段により演算された粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力とに基づいて、電動モータで発生させる目標モータ力を演算する。例えば、必要作用力から、粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力を減算した値、あるいは、その値に応じて設定される値を目標モータ力として演算する。モータ制御手段は、目標モータ力が発生するように電動モータの通電を制御する。これにより、バネ上部材とバネ下部材との間の上下方向の相対運動を適切に減衰させることができる。
【0017】
本発明の他の特徴は、前記粘性油減衰力演算手段は、前記粘性油の温度が高くなるほど前記粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力が少なくなるように前記減衰力を演算することにある。
【0018】
粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力は、粘性油の温度が高くなるほど低下する。そこで、本発明においては、粘性油減衰力演算手段は、粘性油の温度が高くなるほど粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力が少なくなるように減衰力を演算する。従って、粘性せん断力により発生する減衰力を適切に演算することができる。この場合、粘性油減衰力演算手段は、粘性油の温度を直接的にあるいは推定により検出する温度検出手段を備え、この温度検出手段により検出した粘性油の温度を用いて減衰力を補正するようにするとよい。
【0019】
尚、上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係るサスペンション装置の概略システム構成図である。
【図2】サスペンション本体の部分断面概略図である。
【図3】サスペンションECUの制御処理を表す機能ブロック図である。
【図4】温度補正マップを表すグラフである。
【図5】減衰力特性を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係るサスペンション装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るサスペンション装置の概略システム構成図である。
【0022】
このサスペンション装置は、各車輪WFL,WFR,WRL,WRRと車体Bとの間にそれぞれ設けられる4組のサスペンション本体10FL,10FR,10RL,10RRと、各サスペンション本体10FL,10FR,10RL,10RRの作動を制御するサスペンション制御装置100とを備える。以下、4組のサスペンション本体10FL,10FR,10RL,10RRおよび車輪WFL,WFR,WRL,WRRは、特に前後左右を区別する場合を除き、本明細書において単にサスペンション本体10および車輪Wと総称される。
【0023】
図2は、サスペンション本体10の部分断面概略図である。図示するように、サスペンション本体10は、エアバネ装置20と、電磁アクチュエータ30とを備える。エアバネ装置20は、空気の弾性(圧縮性)を利用して路面から受ける衝撃を吸収し乗り心地を高めるとともに車両の重量を弾性支持する。このエアバネ装置20に支えられる側、つまり車体B側の部材がバネ上部材であり、エアバネ装置20を支持する側、つまり車輪W側の部材がバネ下部材である。したがって、エアバネ装置20および電磁アクチュエータ30は、車両のバネ上部材とバネ下部材との間に並列に設けられる。
【0024】
電磁アクチュエータ30は、電動モータ31とボールネジ機構32とを備える。電動モータ31は、DCブラシレスモータであって、モータケーシング311と、円筒状の回転軸312と、永久磁石313と、極体314とを備える。モータケーシング311は電動モータ31の外郭を構成するハウジングであり、図示上下方向に軸を持つ段付円筒形状とされる。回転軸312は、モータケーシング311と同軸状にモータケーシング311内に配設され、軸受331,332によりモータケーシング311に回転可能に支持される。この回転軸312の外周面に永久磁石313が固定される。回転軸312および永久磁石313により電動モータ31のロータ310が構成される。永久磁石313に対向するように極体314(コアにコイルが巻回されたもの)が、モータケーシング311の内周面に固定される。極体314により電動モータ31のステータが構成される。
【0025】
ボールネジ機構32は、ネジ溝321aが形成されたボールネジ軸321と、このボールネジ軸321のネジ溝321aに螺合するボールネジナット322とを備える。ボールネジナット322はモータケーシング311内に配設され、回転軸312の下端部分に同軸状に連結されるとともに、ボールベアリングを介して回転可能且つ軸線方向移動不能にモータケーシング311に支持される。したがって、回転軸312が回転すると、それに伴いボールネジナット322も回転する。
【0026】
ボールネジ軸321は、モータケーシング311に同軸状に配置されており、モータケーシング311内にてボールネジナット322に螺合するとともに、その上方部分が回転軸312の内周側に隙間をあけて収納される。また、ボールネジ軸321の下方部分はモータケーシング311の下端面を突き抜けてさらに下方に延在する。ボールネジ軸321の下方先端には、連結軸350が接続される。連結軸350の下方先端には、バネ下部材のロアアームと連結するためのブラケット351が設けられる。
【0027】
ボールネジナット322の下方には、スプラインナット35が配設される。このスプラインナット35はモータケーシング311の下方部位に配置固定される。スプラインナット35にはスプラインが形成された貫通孔が設けられており、この貫通孔にボールネジ軸321が挿通される。なお、ボールネジ軸321のネジ溝321aにはスプライン溝も同時に形成されている。したがってボールネジ軸321は、スプラインナット35にスプライン嵌合し、回転不能かつ軸線方向移動可能にスプラインナット35に支持される。モータケーシング311の最下方部分は有底円筒状に形成され、底部に穿設された貫通孔315をボールネジ軸321が貫通する。この貫通孔315の周囲には、ボールネジ軸321とモータケーシング311との隙間を塞ぐシール部材316が設けられる。尚、ボールネジ軸321は、後述するようにバネ上部材とバネ下部材との上下方向の相対運動により軸線方向にストローク移動するが、そのストローク移動範囲において、ネジ溝321aの形成部がモータケーシング311の貫通孔315に達しないような位置関係に設定されている。
【0028】
このように構成されるボールネジ機構32においては、ボールネジ軸321の軸線方向の直線運動をボールネジナット322の回転運動、つまり、電動モータ31のロータ310の回転運動に変換する機能と、電動モータ31のロータ310の回転運動をボールネジ軸321の軸線方向の直線運動に変換する機能の双方を備えた変換機構として働く。
【0029】
電動モータ31の回転軸312の中空部には、ボールネジ軸321が回転軸312と同軸状に配置される。この状態において、ボールネジ軸321は、その外周面が回転軸312により所定の隙間をあけて覆われる。ボールネジ軸321は、ネジ溝321aが形成されていない部分が回転軸312の先端よりも上方にまで延設される。回転軸312の上方先端開口は、ボールネジ軸321を挿通するリング状の閉止部材317により塞がれる。ボールネジ軸321は、そのストローク移動範囲において、ネジ溝321aの形成部が閉止部材317の挿通孔317aに達しないような位置関係に設定されている。また、閉止部材317には、ボールネジ軸321との隙間を塞ぐシール部材318が設けられる。
【0030】
電動モータ31の回転軸312の中空部には、粘性油40が封入される。本実施形態においては、粘性油40の封入される領域を密閉区画するために、ボールネジナット322に近い側における回転軸312の外周面とモータケーシング311の内周面との隙間を塞ぐシール部材319を設ける。これにより、3つのシール部材316,318,319により、粘性油40の封入される領域が区画形成される。この例においては、主に、回転軸312の内周面とボールネジ軸321の外周面との間の隙間に油封入室41が形成される。粘性油40としては、粘度の高い油、例えば、シリコンオイルを使用するとよい。尚、粘性油40は、回転軸312の上方先端開口の閉止部材317を外した状態で、その開口から回転軸312の内部に注入するようにすればよい。
【0031】
モータケーシング311の外周には、温度センサ50が設けられる。電動モータ31の温度は、回転軸312内に封入された粘性油40の温度と同等であると考えることができる。そこで、本実施形態においては、温度センサ50により検出した電動モータ31の温度を粘性油40の温度とみなして粘性油40の温度を推定できるように構成されている。
【0032】
エアバネ装置20は、第1筒部21と、第1筒部21の外周側に配置された第2筒部22と、第2筒部22の上端部分にその下端部分が接続され、その上端部分にてブラケット25を介してモータケーシング311に接続された第3筒部23と、袋状に形成されて内周部分が第1筒部21の外周に連結され外周部分が第2筒部22の内周に連結されたダイヤフラム24とを備える。第1筒部21の下端は、内側に曲げられて連結軸350に接続される。これにより、第1筒部21と、第2筒部22と、第3筒部23と、ダイヤフラム24とにより、エアチャンバ26が区画形成される。エアチャンバ26には、流体としての圧縮空気が封入されている。この圧縮空気の圧力によりバネ上部材が支持される。
【0033】
また、第3筒部23には、エアチャンバ26内に空気を供給したりエアチャンバ26内から空気を排出したりする給排口としてのノズル80が設けられる。このノズル80には、図示しない給排装置からの高圧空気流路となる給排気管が接続され、ノズル80からの給排気によりエアチャンバ26内の空気圧が調整されるようになっている。
【0034】
第1筒部21の上端外周には、上方に伸びた第4筒部27が連結される。第4筒部27の上端は、径外方に拡がった鍔状の中央ストッパ28が設けられている。また、第2筒部22の上端は、内側に曲げられてリング板状に形成されており、そのリング板面に弾性材からなるリバウンドストッパ29aが中央ストッパ28の板面(下面)と向かい合うように固定して設けられている。また、ブラケット25の下面には、弾性材からなるバウンドストッパ29bが中央ストッパ28の板面(上面)と向かい合うように固定して設けられている。
【0035】
従って、バネ上部材とバネ下部材との相対移動は、中央ストッパ28とリバウンドストッパ29aとの当接、および、中央ストッパ28とバウンドストッパ29bとの当接により規制される。この場合、バネ上部材とバネ下部材との離間距離は、中央ストッパ28とリバウンドストッパ29aとが当接する位置において最大となり、中央ストッパ28とバウンドストッパ29bとが当接する位置において最小となる。
【0036】
また、サスペンション本体10は、車体Bに形成される孔部から電動モータ31のモータケーシング311の上方部分が上部に突出するように配置され、且つそのような配置状態を保つように、アッパーサポート12を介して車体Bに取り付けられている。アッパーサポート12は樹脂部材12aとブラケット12bとからなり、弾性的にサスペンション本体10を車体Bに連結する。
【0037】
以上のように構成されたサスペンション本体10においては、路面入力などの外力が加えられた場合、その外力が連結軸350を介してボールネジ軸321に働く。これによりボールネジ軸321が、その軸線方向に移動し、ボールネジナット322が回転して、電動モータ31のロータ310が回される。このとき電動モータ31は、発電機として作用し、後述する3相インバータ72を介して極体314のコイルに電流が流れて発電制動力を発生する。これにより、バネ上部材とバネ下部材との間の相対移動に対する抵抗力(減衰力)が発生して、バネ上部材とバネ下部材との間の相対振動が抑制される。
【0038】
また、電動モータ31のロータ310が回されると、回転軸312とボールネジ軸321との間に封入されている粘性油40に粘性せん断力が発生する。この粘性せん断力は、回転軸312とボールネジ軸321との相対回転運動を減衰させる減衰力として働く。尚、粘性せん断力は、回転軸312とボールネジ軸321とが軸線方向にも相対直線運動するため、その相対直性運動を減衰させる減衰力としても働く。従って、ボールネジ機構32と、回転軸312とボールネジ軸321との間に封入されている粘性油とで粘性せん断力発生機構を構成している。この場合、バネ上部材とバネ下部材との間の相対運動を減衰させる減衰力は、電動モータ31で発生する電磁力(発電制動力)と、粘性油40で発生する粘性せん断力との合計となる。
【0039】
また、車載バッテリ(図示略)から電動モータ31に電力供給することにより電動モータ31が回転すると、回転軸312に連結したボールネジナット322が回転する。ボールネジナット322の回転によってボールネジ軸321が軸線方向に移動する。これによりバネ上部材とバネ下部材との間の相対距離が変化する。このようにして、電動モータ31は、バネ上部材とバネ下部材との間の相対移動に対する推進力を発生する。この推進力は、例えば乗り心地が向上するように制御される。この場合においても、回転軸312とボールネジ軸321との間に封入されている粘性油40に粘性せん断力が発生する。この粘性せん断力は、バネ上部材とバネ下部材との間の相対移動を減衰させるものとなる。従って、バネ上部材とバネ下部材との間の相対移動に対する推進力は、電動モータ31で発生する力から粘性油で発生する粘性せん断力を減算したものとなる。
【0040】
次に、サスペンション本体10の作動を制御するサスペンション制御装置100について説明する。以下、サスペンション制御装置100をサスペンションECU100と呼ぶ。サスペンションECU100は、図1に示すように、車体Bに搭載される。サスペンションECU100には、バネ上加速度センサ61とバネ下加速度センサ62と温度センサ50とが接続される。バネ上加速度センサ61は、バネ上部材の各サスペンション本体10が取り付けられている位置(各輪位置)に設けられており、バネ上部材の各輪位置における上下方向に沿った加速度(バネ上上下加速度)を検出し、バネ上上下加速度を表す検出信号G2を出力する。バネ下加速度センサ62は、各サスペンション本体10が取り付けられるロアアームなどのバネ下部材に設けられており、そのバネ下部材の上下方向に沿った加速度(バネ下上下加速度)を検出し、バネ下上下加速度を表す検出信号G1を出力する。温度センサ50は、電動モータ31のモータケーシング311に設けられており、モータ温度を表す検出信号tを出力する。
【0041】
サスペンションECU100は、マイクロコンピュータを主要部として備える。サスペンションECU100は、車両の良好な乗り心地性を得るために、バネ上部材とバネ下部材との間の相対移動に対する推進力または減衰力の目標値を演算する。尚、ここでは、「推進力または減衰力」と表現しているが、これは、電磁アクチュエータ30が推進力と減衰力とを同時に発生するものではなく何れか一方を発生するから「または」と表現しているのであって、電磁アクチュエータ30の発生する力は、振動の状態に応じて推進力になったり減衰力になったりするものである。電動モータ31が発生する上記推進力または減衰力を、本明細書においてモータ力と呼ぶ。また、上記推進力または減衰力の目標値を、本明細書において目標モータ力と呼ぶ。
【0042】
サスペンションECU100は、目標モータ力に対応する制御信号をモータドライブ制御装置(以下、モータEDUと呼ぶ)70に出力する。モータEDU70は、各サスペンション本体10FL,10FR,10RL,10RRの近傍に設けられ、サスペンションECU100とワイヤハーネスにて接続されており、サスペンションECU100から出力された制御信号を入力し、その制御信号に従って目標モータ力が発生するように電動モータ31を駆動制御する。
【0043】
図3は、サスペンションECU100におけるマイクロコンピュータが行う制御処理を表す機能ブロック図である。各機能部は、マイクロコンピュータのROMに記憶された制御プログラムを所定の演算周期で繰り返し実行することにより実現されるものである。サスペンションECU100は、バネ上減衰制御力演算部110と、バネ下減衰制御力演算部120と、粘性油減衰力演算部130と、必要作用力演算部140と、目標モータ力演算部150とを備えている。
【0044】
バネ上減衰制御力演算部110は、バネ上ローパスフィルタ処理部111と、バネ上速度演算部112と、バネ上ゲイン乗算部113とから構成される。バネ上ローパスフィルタ処理部111は、バネ上加速度センサ61の出力する検出信号G2を入力し、次式の伝達関数H(s)によって表されるローパスフィルタを用いて、バネ上上下加速度を表す検出信号G2の高周波ノイズ成分をフィルタ処理して除去する。
H(s)=K・(1/(1+sτ))
ここで、sはラプラス演算子であり、τはフィルタの時定数、Kは通過域のゲインである。
【0045】
バネ上ローパスフィルタ処理部111は、フィルタ処理して得たバネ上上下加速度x”をバネ上速度演算部112に出力する。バネ上速度演算部112は、バネ上上下加速度x”を入力し、時間で積分することにより、バネ上部材の上下方向に沿った速度であるバネ上上下速度x’を演算し、その演算結果をバネ上ゲイン乗算部113に出力する。バネ上ゲイン乗算部113は、バネ上上下速度x’にバネ上ゲインC(減衰係数に相当する)を乗算することにより、バネ上部材の振動を減衰するように働くバネ上減衰制御力(C・x’)を演算し、その演算結果を必要作用力演算部140に出力する。尚、xは、バネ上部材の基準位置からの上下変位量を表す。
【0046】
バネ下減衰制御力演算部120は、バネ下ローパスフィルタ処理部121と、バネ下速度演算部122と、バネ下ゲイン乗算部123とから構成される。バネ下ローパスフィルタ処理部121は、バネ下加速度センサ62の出力する検出信号G1を入力し、伝達関数H(s)によって表されるローパスフィルタを用いて、バネ下上下加速度を表す検出信号G1の高周波ノイズ成分をフィルタ処理して除去する。
【0047】
バネ下ローパスフィルタ処理部121は、フィルタ処理して得たバネ下上下加速度x”をバネ下速度演算部122に出力する。バネ下速度演算部122は、バネ下上下加速度x”を入力し、時間で積分することにより、バネ下部材の上下方向に沿った速度であるバネ下上下速度x’を演算し、その演算結果をバネ下ゲイン乗算部123に出力する。バネ下ゲイン乗算部123は、バネ下上下速度x’にバネ下ゲインC(減衰係数に相当する)を乗算することにより、バネ下部材の振動を減衰するように働くバネ下減衰制御力(C・x’)を演算し、その演算結果を必要作用力演算部140に出力する。尚、xは、バネ下部材の基準位置からの上下変位量を表す。
【0048】
必要作用力演算部140は、バネ上減衰制御力(C・x’)とバネ下減衰制御力(C・x’)とを入力し、バネ上部材とバネ下部材とのあいだに作用させるべき必要作用力foutを次式により計算する。
fout=C・x’−C・x
この必要作用力foutは、スカイフックダンパ理論に基づく制御と、擬似的なグランドフック理論に基づく制御とにより、バネ上部材およびバネ下部材の振動を減衰させるために必要とされる力を計算したものである。必要作用力演算部140は、算出した必要作用力foutを目標モータ力演算部150に出力する。
【0049】
粘性油減衰力演算部130は、補正係数演算部131と減衰力演算部132とを備える。補正係数演算部131は、温度センサ50により検出されるモータ温度を粘性油40の温度tとみなして、油温度tに応じた補正係数Ktを演算する。補正係数演算部131は、図4に示すような補正係数マップを記憶しており、この補正係数マップを参照して油温度tから補正係数Ktを演算する。この補正係数マップは、粘性油40の粘度の温度特性に基づいて設定されている。補正係数マップは、油温度tが高くなるにしたがって減少する補正係数Ktを設定する特性を有する。この例では、補正係数Ktは、油温度tが予め設定された基準温度t0の時に「1」に設定され、油温度tが基準温度t0よりも高くなるにしたがって「1」よりも減少し、油温度tが基準温度t0よりも低くなるにしたがって「1」よりも増加する値に設定される。
【0050】
減衰力演算部132は、バネ上速度演算部112で演算したバネ上上下速度x’と、バネ下速度演算部122で演算したバネ下上下速度x’と、補正係数演算部131で演算した補正係数Ktを入力し、次式により、粘性せん断力発生機構の粘性油40で発生する減衰力(以下、粘性油減衰力foilと呼ぶ)を演算する。
foil=(x’−x’)・Coil・Kt
【0051】
(x’−x’)は、サスペンション装置のストローク速度に相当する。Coilは、予め設定された粘性せん断力発生機構の減衰係数(油温度tが基準温度t0となるときの減衰係数)である。粘性せん断力発生機構の減衰係数は、粘性油40の粘度に比例する。また、粘性油40の粘度は、その温度に応じて変化する。従って、上記式においては、減衰係数Coilに補正係数Ktを乗算することで、粘性油40の温度に応じた減衰係数Coil・Ktを求め、その補正された減衰係数Coil・Ktにストローク速度(x’−x’)を乗算して粘性油減衰力foilを求める。減衰力演算部132は、算出した粘性油減衰力foilを目標モータ力演算部150に出力する。
【0052】
目標モータ力演算部150は、必要作用力演算部140で演算した必要作用力foutと、粘性油減衰力演算部130で演算した粘性油減衰力foilとを入力し、必要作用力foutから粘性油減衰力foilを減算して目標モータ力fmotorを求める。目標モータ力演算部150は、算出した目標モータ力fmotorに対応する制御信号をモータEDU70に出力する。尚、必要作用力foutが推進力となる場合においては、粘性油減衰力foilが推進力に対する抵抗となるため、目標モータ力fmotorの大きさ(絶対値)は、必要作用力foutの大きさ(絶対値)に粘性油減衰力foilの大きさ(絶対値)を加算した値となる。
【0053】
モータEDU70は、PWM制御信号出力部71と3相インバータ72とを備えている。PWM制御信号出力部71は、目標モータ力演算部150から出力された目標モータ力fmotorに対応する制御信号に基づいてPWM制御信号を生成し、そのPWM制御信号を3相インバータ72のスイッチング素子に出力する。このPWM制御信号は、目標モータ力fmotorを電動モータ31で発生するように3相インバータ72の各スイッチング素子のデューティ比が設定された制御信号である。
【0054】
3相インバータ72には、図示しない車載バッテリから電源が供給されている。従って、3相インバータ72のスイッチング素子のデューティ比が制御されることにより、目標モータ力fmotorに応じた電流が車載バッテリから電動モータ31に流れて、電動モータ31が目標モータ力fmotorを発生する。このとき電動モータ31からの回生電流が目標通電量よりも多ければ、その差分だけ車載バッテリ側に回生電流が流れ、逆に、電動モータ31からの回生電流が目標通電量よりも少なければ、その差分だけ車載バッテリから電動モータ31に通電される。
【0055】
以上説明した本実施形態のサスペンション装置によれば、回転軸312とボールネジ軸321との隙間に粘性油40を封入した油封入室41を設けたため、電磁アクチュエータ30と並列に粘性せん断力発生機構を備えることができる。従って、電動モータ31が断線等によりフェイルした場合であっても、粘性せん断力発生機構の作用により、バネ上部材とバネ下部材との間の相対運動に対して減衰力を発生させることができ、電磁アクチュエータ30のフェイルセーフ機能を持たせることができる。
【0056】
また、粘性せん断力発生機構は、電動モータ31のロータ310を構成する回転軸312と、ボールネジ軸321との隙間に粘性油40を封入して構成されるため、粘性せん断力を発生させるための特別な回転部材を設ける必要が無く、サスペンション装置の大型化を抑制することができる。また、ボールネジ軸321の外周面を覆うロータ310の内周面が、ボールネジ軸321の外周面に比べて広い面積となるため、ボールネジ軸321を回転させる構成に比べて大きな粘性せん断力を発生させることができる。
【0057】
また、粘性油40がボールネジ機構32の潤滑剤として作用するため、ボールネジ機構32の耐久性が向上する。
【0058】
また、従来装置(特許文献1)においては、電磁アクチュエータに液圧式ダンパを直列に設けて路面から入力された高周波振動を吸収するが、本実施形態においては、そうした液圧式ダンパを設けなくても、粘性せん断力発生機構にて発生する粘性せん断力により高周波振動を減衰させることができる。従って、液圧式ダンパを設ける必要がなく、サスペンション装置を一層コンパクト化することができる。
【0059】
また、目標モータ力fmotorの計算するにあたっては、必要作用力foutから粘性油減衰力foilを減算するようにしているため、バネ上部材とバネ下部材との間の上下方向の相対運動を適切に減衰させることができる。また、粘性油減衰力foilの計算にあたっては、温度センサ50により検出したモータ温度を粘性油40の温度とみなして、その検出温度が高くなるほど粘性油減衰力foilが小さくなるように補正演算するため、粘性油40の温度に応じた適切な粘性油減衰力foilを演算することができる。
【0060】
以上、本実施形態のサスペンション装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0061】
例えば、本実施形態においては、バネ上部材とバネ下部材との間の相対運動に対する減衰力だけでなく推進力を発生させるアクティブ制御により車両の制振制御を行っているが、電動モータ31の発電制動力のみを使ったパッシブ制御により減衰力を発生させる構成であってもよい。
【0062】
パッシブ制御を行う場合、乗り心地を向上させるためには、図5に実線にて示すように、ストローク速度(バネ上部材とバネ下部材との間の相対速度)が中速以上となる範囲において、ストローク速度に対する減衰力の大きさを低減する(減衰係数を低減する)ような折れ線特性にするとよいが、粘性せん断力はストローク速度に比例するため、このような特性が得られない。そこで、電動モータ31で発生させる減衰力と、粘性せん断力発生機構で発生する減衰力との和が、この折れ線に示すような特性になるように、電動モータ31で発生させる減衰力を調整する、つまり、ストローク速度が所定値以上となる範囲において電磁アクチュエータ30の減衰係数を低減するようにするとよい。これによれば、ゴツゴツ感を低減することができる。
【0063】
また、本実施形態においては、車両の上下振動を抑制するように、バネ上減衰制御力とバネ下減衰制御力とに基づいて必要作用力foutを演算しているが、例えば、車両姿勢変化を抑制するように働く制御量(ロール抑制制御量、ピッチ抑制制御量)を加味するようにしてもよい。
【0064】
また、本実施形態においては、電動モータ31の温度を粘性油40の温度とみなして粘性せん断力を計算しているが、粘性油40の温度を直接的に検出するようにしてもよい。また、電動モータ31に流れる電流を検出し、その電流の大きさから計算される発熱量に基づいて、粘性油40の温度を推定する構成であってもよい。また、粘性油40の温度に基づいて粘性せん断力発生機構の粘性油40で発生する減衰力を補正しない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
10…サスペンション本体、20…エアバネ装置、30…電磁アクチュエータ、31…電動モータ、32…ボールネジ機構、35…スプラインナット、40…粘性油、41…油封入室、50…温度センサ、61…バネ上加速度センサ、62…バネ下加速度センサ、100…サスペンション制御装置、110…バネ上減衰制御力演算部、120…バネ下減衰制御力演算部、130…粘性油減衰力演算部、131…補正係数演算部、132…減衰力演算部、140…必要作用力演算部、150…目標モータ力演算部、310…ロータ、311…モータケーシング、312…回転軸、313…永久磁石、314…極体、316,318,319…シール部材、317…閉止部材、321…ボールネジ軸、321a…ネジ溝、322…ボールネジナット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ軸と前記ネジ軸に螺合するナットとを有し車両のバネ上部材とバネ下部材との間の上下方向の相対運動を前記ネジ軸と前記ナットとの間の相対回転運動に変換するネジ機構と、前記ネジ機構に連結され前記ネジ軸と前記ナットとの間の相対回転運動によりロータが回転する電動モータとを有する電磁アクチュエータを備え、前記電磁アクチュエータにより、前記バネ上部材と前記バネ下部材との間の上下方向の相対運動に対して減衰力を発生するサスペンション装置において、
前記ネジ軸の外周面を隙間をあけて覆う円筒体を、前記ネジ軸と同軸状で、かつ、前記ナットに連結して配設するとともに、前記円筒体と前記ネジ軸との間の隙間に粘性油が封入される油封入室を形成することにより、前記ネジ軸と前記ナットとが相対回転運動したときに前記円筒体と前記ネジ軸との相対運動により発生する前記粘性油の粘性せん断力を減衰力として作用させることを特徴とするサスペンション装置。
【請求項2】
前記円筒体は、前記ナットに連結される前記電動モータのロータであることを特徴とする請求項1記載のサスペンション装置。
【請求項3】
前記バネ上部材と前記バネ下部材との間の上下方向の相対運動を減衰させるために必要な必要作用力を演算する必要作用力演算手段と、
前記粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力を演算する粘性油減衰力演算手段と、
前記必要作用力演算手段により演算された必要作用力と、前記粘性油減衰力演算手段により演算された前記粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力とに基づいて、前記電動モータで発生させる目標モータ力を演算する目標モータ力演算手段と、
前記目標モータ力演算手段により演算された前記目標モータ力が発生するように前記モータの通電を制御するモータ制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のサスペンション装置。
【請求項4】
前記粘性油減衰力演算手段は、前記粘性油の温度が高くなるほど前記粘性油の粘性せん断力により発生する減衰力が少なくなるように前記減衰力を演算することを特徴とする請求項3記載のサスペンション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−1139(P2013−1139A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130893(P2011−130893)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】